『エクサポーダ・ダイアデム』

これは人間との戦いではない。


PC1:〝ソルスティス〟 鑑屋 冬至(かがみや・とうじ)(キャラシート)PL:黄色の月
PC2:〝応報者(リヴェンジャー)神馳・克樹(かんばせ・かつき)(キャラシート)PL:湊
PC3:〝葬列(コルテージ)眞守 雪斗(まもり・ゆきと)(キャラシート)PL:いーさにうむ

メイン雑談

目次

  • プリプレイ
  • OP1
  • OP2
  • OP3
  • シーン1
  • シーン2
  • シーン3
  • シーン4
  • シーン5
  • シーン6
  • シーン7
  • シーン8
  • クライマックス
  • バックトラック
  • ED1
  • ED2
  • ED3

  • プリプレイ

    ■トレーラー
    昨日と同じ今日、今日と同じ明日。
    いつまでもいつまでも、あなた達には幸せに暮らしていただきたいのです。
    だって私は、あなた達のことが大好きだから。

    ──人が〝溶けた〟。
    液体のように、どろどろに成り果てて、地下へと流れ落ちていったのだ。
    UGNはこれを、エージェントからの報告を受けて、インリークォセルの生物兵器の仕業と断定。
    無差別に一般市民を攻撃する〝ホド・ネツァク〟捜索・討伐の為の人員を募る。
    救うべきは無辜の民衆。滅ぼすべきは、相互理解不可能の社会。
    いずれとすべきか分からぬものは、大空に恋焦がれる一羽の鳥。

     12:14
    しかし、
    女は自分の場所である荒野に飛んで行くために、
    大きなわしの二つの翼を与えられた。


    ダブルクロス The 3rd Edition.

    『エクサポーダ・ダイアデム』

    「私は人間が大好きです」
    「決して、あなた達を滅ぼすつもりはありません」
    「……だから少しだけ。私達が生きる為に、人間を分けてくださいね?」

    ダブルクロス、それは裏切りを意味する言葉。

    ■自己紹介
    GM:自己紹介から!
    GM:初日でOP全部終わるようにガンガン飛ばすぜ!
    GM:PC1の鑑屋くんからキャラシ張って自己紹介どうぞ!
    鑑屋 冬至:ウオーッ頑張ります!
    鑑屋 冬至https://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYl-jfsAIM
    鑑屋 冬至:「冬休みって、何かと忙しいものですよね。」
    鑑屋 冬至:かがみや とうじ!ピカピカの文学部大学一年生兼イリーガル!
    鑑屋 冬至:オーヴァードの覚醒に伴う衝動に悩まされているため
    鑑屋 冬至:ゼミの准教授(この人もオーヴァード)にマインドセットを学んで
    鑑屋 冬至:毎日が楽しい冬休みだと思いつつ日常を楽しむ一般人!
    鑑屋 冬至:シンドロームはバロ/サラのクロスブリード!
    鑑屋 冬至:遠隔から盾しつつ行動値バフと氷の塔を叩き込むサブアタッカー型だ!
    鑑屋 冬至:何やら初任務の時に偉い目に遭ったインリークォ集大成との決戦!堪忍してェ—ッ!!!
    鑑屋 冬至:そんな感じでビビったりブチ切れたりしながら頑張りたいと思います。
    GM:OK、ハンドアウトはこちらだ。

    PC1:鑑屋 冬至
    ・シナリオロイス:戌亥 李菜

    あなたが通う第九地区S大学総合文芸科で、ネット小説をテーマとしたレポートの課題が出された。
    参考文献を図書館へ借りに向かったあなたは、全く同じ本を手に取ろうと四苦八苦していた戌亥 李菜の姿を見る。
    彼女はあなたと同じ総合文芸科の一年生だ。
    紆余曲折あって、あなたは彼女から、夜のサークル歓迎会に来ないかと誘われる。
    「友達を呼んでいいということだったんですが、あの……友達がいなくて……」
    ……とある助教授の手伝いが終わってからなら、時間は空いているだろう。

    戌亥 李菜:同級生となんやかやしてもらいます。
    戌亥 李菜:立ち絵がでなかった
    鑑屋 冬至:初登場なので知らないPLも多いだろうが戌亥 李菜ちゃんは鏡屋君の同級生なのだ。
    GM:ということでよろしくお願い致します。
    GM:次、神馳くん同様に!
    神馳・克樹:あいよ!
    神馳・克樹https://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY35PK-AIM
    神馳・克樹:「神馳・克樹(かんばせ・かつき)ってんだ。一応、チルドレンってのやってるぜ」
    神馳・克樹:「あー……なぁ、ゲームの特訓方法とか知らねぇ?強い奴と戦う?毎日やってんだよなぁ!!」
    神馳・克樹:と言った感じのチルドレンの少年ですね。遺産「鬼切の古太刀」を所持しています。
    神馳・克樹:気の向くままに人助けを行い、気に入らない奴はぶっとばすという悩みの少ない性格。
    神馳・克樹:暴走しても自分が傷つくだけで済むため、衝動的に人を害する事故がなかったのもひねくれていない理由の一つ。
    神馳・克樹:シンドロームはキュマイラ/ブラックドッグ/エグザイル。
    神馳・克樹:攻撃性は低いが、ジャームの行動に身を挺して妨害・阻害する事に長けている為サポート的に立ち回る。
    神馳・克樹:あと最近居候が出来た。スマブラ2:8で負け越し中。
    神馳・克樹:という事で、PLは湊です!よろしくお願いします!
    GM:OK、そしてハンドアウトだがちょっと内容が変わっている。

    PC2:神馳 克樹
    ・シナリオロイス:涼風 こころ

    「予約してた新作の発売日だから受け取ってくる」
    そう言って彼女が姿を消し、数日が過ぎた。UGNも無論調査は行っているが、目撃証言は得られずにいた。
    とある夜、なんらかの理由で街に出ていたあなたは、繁華街を歩く涼風 こころの姿を目撃する。
    あなたの呼びかける声も聞こえないように、彼女は、とある居酒屋の中へと入っていった。
    あなたはそれを追いかけ──おぞましい光景を目撃することになるだろう。

    涼風 こころ:未成年だからもちろんお酒は飲めないよ
    GM:同居人を追いかけることになってもらいます、よろしくお願い致します。
    GM:そして最後! まもりさん!
    眞守 雪斗:あいよ。
    眞守 雪斗http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY8fLc_gIM
    眞守 雪斗:「“葬列”に加わりたくなければ、どいていろ」
    眞守 雪斗:「……別に取って喰いやしない。目付きが少し、悪いだけだ」
    眞守 雪斗:眞守雪斗(まもり・ゆきと)、24歳。そこそこ経験のあるUGNエージェント。遊撃手ポジションが多く、所属支部は現在のところ無し。
    眞守 雪斗:不眠症のため、常に目の下にクマを刻んでいる。目付きが悪すぎるせいで、気さくに接してもらえないのが密かなコンプレックス。
    眞守 雪斗:10年前、両親が起こした一家無理心中の唯一の生き残り。覚醒したことで死を免れた。以来、彼の後ろには死んだ家族が憑いている。
    眞守 雪斗:その後、死者の列には彼が殺した者たちも加わり、やがて“葬列”と呼ばれるようになった。
    眞守 雪斗:彼のエフェクト発現に呼応し、“葬列”は領域内を破壊し尽くす嵐となる。
    眞守 雪斗:データ的には、ウロボロス/オルクスのサイレナー。《ソードマスター》《拡散する影》で達成値を盛る少し変わったタイプ。
    眞守 雪斗:Dロイス:破壊者がチャームポイント。射撃型くらいには速く動けます。今回は成長分を勢いよく火力に突っ込みました。
    眞守 雪斗:“インリークォ”とは縁もゆかりもありませんが、一体どんな酷い目に遭うのか……?
    眞守 雪斗:どうぞ宜しくおねがいします。
    GM:実を言うとそこまで酷い目には遭わないかも知れませんがハンドアウトはこちらだ。

    PC3:眞守雪斗
    ・シナリオロイス:〝タンブラーピジョン〟鏑木 鵠

    ……さて。あなたは何故か、同僚である雨宮 さざめの住居に招かれた。
    先祖伝来の屋敷ということでそれなりには広いが、両親は留守だとかなんとか。
    何やら不穏な予感を覚えてもよい。気付かなくてもいい。それはさておき。
    「狩りのお仕事です。敵は鷹。一つの地域に留まらず、市内複数箇所で目撃されています」
    「故、特定支部に所属しないあなたにご協力をお願いしたく」
    提示された標的の資料は、第九支部所属チルドレンのものであった。

    GM:ハンドアウトではこう書いたんですけど
    GM:もうちょっと攻撃的になるかもしれません
    眞守 雪斗:意味深な誘いだ。受けて立つぞ。
    GM:という感じで全員の事故紹介は終わりでさっそくOPだ!
    GM:各人30分ちょいずつくらいでさくさく回ればいいね!

    OP1


    GM:シーンプレイヤーは鑑屋 冬至。他PC登場不可。
    鑑屋 冬至:ようし!
    GM:このシーンでは図書館でシナリオロイスと出会ってじゃあ飲み会来てよくらいの話になったところで終わりだ。
    GM:登場侵蝕をどうぞ。
    鑑屋 冬至:鑑屋 冬至の侵蝕を6増加しました(侵蝕率:35->41)

    GM:N市第九地区、S大学。大学付属の図書館である。
    GM:総合文芸科に在籍するあなたは、レポートを書くための資料を求め此処を訪れていた。
    GM:レポートのテーマは『ネット小説』。もしかすればあなたも、幾分か知見を持つ分野かも知れない。
    GM:現代は検索システムが発達しているので目標の本がどこにあるかは分かっている。後は入手するだけなのだ。
    GM:という訳であなたは、書棚の間を歩いて、目標物の所まで向かっていただこう。
    鑑屋 冬至:「ネット小説、つってもなぁ……」てくてくと歩く青年が一人。
    鑑屋 冬至:(なろう系は最後の手段として、パッと思いつくネット発の小説だとイットとかだろうか)
    鑑屋 冬至:(アレもアレでとんでもないSFがファンタジーの皮被った作品だけど、ここの図書館に置いてあるかなぁ)
    GM:既に検索システムで目標の本の場所は分かっている。あなたはスムーズに、棚の前に辿り着くだろう。
    鑑屋 冬至:「えええ……ここら辺かな?」足を止める。
    GM:……すると。
    戌亥 李菜:「……………………」
    GM:棚のところに先客が居た。
    戌亥 李菜:「……ええと」棚の最上段を見上げているのは、あなたと同じ総合文芸課一年生の戌亥 李菜だ。
    戌亥 李菜:「ふんっ」背伸びと共に手を伸ばすも、最上段の棚に手が届いていない。あなたより背丈は20cmほど低いのだ。
    戌亥 李菜:「くうっ……」悔しそうに手を下ろし、踏み台は無いかときょろきょろし始めた彼女は、
    戌亥 李菜:「……あっ」あなたがそこに居ることに気付いた。
    鑑屋 冬至:(アッ、目合わせちゃった)ヘタレ!
    戌亥 李菜:「お、お恥ずかしいところを……鑑屋さんでしたか?」ぺこり、と頭を下げながら。
    鑑屋 冬至:「あっうん、そうですね……確か戌亥さんでしたっけ。」
    鑑屋 冬至:「その辺りで探してる本が?」ちらりと棚の上を見る。
    戌亥 李菜:「はい、戌亥です……あと、その」
    戌亥 李菜:「一番右の、〝ウェブ小説の先鋭化または洗練〟という本を……」そこであなたは気付くだろう。
    戌亥 李菜:彼女が棚から取ろうとしていた本は、ちょうどあなたが探していたものと同じであった、と。
    鑑屋 冬至:「ほいほい、ほいっと……」(あ、一冊しかないやつ。)
    鑑屋 冬至:とりあえず代わりに取ってあげる。イイ男を目指してるからネ!
    鑑屋 冬至:「──これで合ってるかな、戌亥さん?」
    戌亥 李菜:「はい、この本です。ありがとうございます……」受け取りつつ、「……ところで、鑑屋さんのお探しの本は?」
    戌亥 李菜:「お礼という訳じゃないですけど、このあたりの棚にあるものなら直ぐ見つけますので……」
    鑑屋 冬至:「あー……そうだね。」
    戌亥 李菜:「……?」
    鑑屋 冬至:「丁度戌亥さんに渡した本だったりして……」
    鑑屋 冬至:ちょっぴり気まずそうに頬を掻く。
    戌亥 李菜:「……あっ」
    戌亥 李菜:自分の手元の本と相手の顔と、棚の三つを順番に見つめて
    鑑屋 冬至:「検索コーナーで聞いた限り、現状それ一冊らしいからね。」
    戌亥 李菜:「え、ええと、では」
    戌亥 李菜:「あの……では、一緒に読みませんか?」
    戌亥 李菜:「課題の邪魔になるのも、よくないですし……」
    鑑屋 冬至:「とはいえ他にも探してた本もあるし……」
    鑑屋 冬至:「エッ」動揺!
    戌亥 李菜:「あ、いえ。……ご迷惑でなければ、なのですが」
    戌亥 李菜:と言いながら、少し離れた席を指差す。
    戌亥 李菜:薄手のカーディガンが背もたれにかかった椅子──そこが彼女の定位置らしい。
    鑑屋 冬至:「ああいや、とんでもない!良かったらお願いしちゃってもいいかな。」
    鑑屋 冬至:「ササッと要点だけ写せればナントカ課題に使えると思うし!」
    鑑屋 冬至:ちょっぴり大げさに慌てつつ、青年はその言葉に甘えることにした。
    戌亥 李菜:「……はい」こくん、と深く頷いて
    戌亥 李菜:「もちろんです」あまり華やかとは言えないが、野の花の慎ましさで彼女は微笑んだ。
    GM:……さて。
    GM:そんな訳であなたは、特に今日まで話し込んだことも無い女学生と肩を並べて、一冊の本を読むことになる。
    戌亥 李菜:「ほー……」
    戌亥 李菜:ぺらっ。
    戌亥 李菜:「ふんふん……」
    戌亥 李菜:ぺらっ。
    戌亥 李菜:無意識に声が出るタイプなのだろう。あなたの耳の片方に、声門閉鎖の弱い、息の成分が多い声が届く。
    鑑屋 冬至:「ほえー……」
    鑑屋 冬至:じー。
    鑑屋 冬至:「…………うん……」
    鑑屋 冬至:じー。
    鑑屋 冬至:(お、お、お、)
    鑑屋 冬至:(落ち着かねえ~~~!!!!!)
    戌亥 李菜:「ネット小説……と言うと……」
    戌亥 李菜:「実はあまり詳しくないんですよね……高校の図書室に無かったので」
    戌亥 李菜:ページを捲る手が止まって、
    戌亥 李菜:「鑑屋さんは……そういうもの、読んだり書いたりってなさいますか……?」
    戌亥 李菜:二分の一倍速再生というような速度で、彼女の首があなたの方を向く。
    鑑屋 冬至:「ホゥ」唐突に突かれるプライベート!!!
    鑑屋 冬至:「あー……うん、そうだね。」
    鑑屋 冬至:「結構ネット媒体で読んだりする小説は多いかな。」
    戌亥 李菜:「そうなんですね……さすがです」
    戌亥 李菜:「やっぱり総合文芸科ともなると、みなさん読書量は多いものなのでしょうか……」
    戌亥 李菜:「……恥ずかしながら私、本を読むようになったの、高校三年生の秋頃からでして」
    鑑屋 冬至:「へぇ、そうなんだ。とはいえ僕も中高では漫画もいっぱい読んでたしね」
    戌亥 李菜:「漫画……も、実はあまり読んだことが……」
    鑑屋 冬至:「……ちなみに、授業中にこっそり教科書とか読み込んだりもしなかったの?」
    鑑屋 冬至:←やってた人
    戌亥 李菜:「……その、ええと」
    戌亥 李菜:「とても恥ずかしながら……私、高校までは〝不良〟と呼ばれるタイプの人種でして……」
    鑑屋 冬至:「ほえー……全然そうは見えないや。」
    戌亥 李菜:耳にかかる髪をさらりと指で払った。
    戌亥 李菜:露わになる耳には、複数のピアス穴──塞がらないようにシークレットピアスが通されていて、
    戌亥 李菜:「ナイショですよ……?」唇の前に指を立て、しー、と隙間風のような声を出した。
    鑑屋 冬至:(ワオ。乙女の秘密だぁ)
    戌亥 李菜:ぱさっ……
    戌亥 李菜:髪はまた、耳を覆うように降ろされる。
    鑑屋 冬至:「勿論……とはいえ、そんな秘密話しちゃっても大丈夫なのかい?」
    戌亥 李菜:「……これだけ近くにいますと、知らないうちに見えてしまうかも知れませんし」
    戌亥 李菜:「なら自分から話してしまってもいいかな……と」
    戌亥 李菜:「鑑屋さんがもし、軽々に人に話すような方であれば……後悔するかも知れませんが……」
    戌亥 李菜:元不良と言うだけはあり、言葉と裏腹に、口元に悪戯っ気な笑みを浮かべながら。
    鑑屋 冬至:「ハハハ、そんな風に言われたら絶対秘密にしなきゃだね……」
    鑑屋 冬至:ちょっぴり頼りなさげに頬を掻きつつ、青年は微笑みを返す。
    戌亥 李菜:「はい、ありがとうございます。……話を巻き戻すようにはなってしまうんですが」
    戌亥 李菜:「教科書、読み込みはしませんでしたけど、嫌いではなかったですよ。知らない新しいことが書いてありますから」
    戌亥 李菜:「……知らないこと、知らないひと、知らない世界。新しく知っていくのは、その……はい、楽しいですから」
    鑑屋 冬至:「そうだよね。暇つぶしに読んでた時は全然意味が分かんなかったけど。」
    鑑屋 冬至:「そういうのも込みで……凄くワクワクしてた」
    戌亥 李菜:「ええ。……生憎と、人付き合いが上手くないので、〝知らないひと〟の方は──」
    戌亥 李菜:……と、彼女がそう言った時。
    戌亥 李菜:スマートフォンの、デフォルトの着信音が鳴った。
    戌亥 李菜:「……あら」スマートフォンを手慣れた仕草で鞄から引き抜き操作し、
    戌亥 李菜:「……えっ」両の眉がきゅっと眉間に寄せられた。
    鑑屋 冬至:「おろ、電話?」
    鑑屋 冬至:ぱくりと口を閉じて静かにする。
    戌亥 李菜:「あ、いえ……電話ではなく、メッセージなのですが……」
    戌亥 李菜:「……ううん」険しい顔でスマホの画面を見ている。
    鑑屋 冬至:「?」
    鑑屋 冬至:「何か、急な連絡だったり……?」
    戌亥 李菜:「いえ、あまり重要では……サークルの先輩からなのですが……」
    戌亥 李菜:僅かに逡巡。
    戌亥 李菜:「……あの」
    鑑屋 冬至:「うん。」
    戌亥 李菜:「ご迷惑でなければなんですけど……今夜、サークルの定期交流会というものがありまして」
    戌亥 李菜:「あ……サークルというのは、空手同好会なのですけれど……」注釈を挟み、
    鑑屋 冬至:「カラテ。」(カラテ?アッ空手か。)
    戌亥 李菜:「十九時からなのですが……その……〝折角だから友達を連れて来い〟と通達がありまして……」
    戌亥 李菜:空手。さようである。
    戌亥 李菜:さも当たり前のように彼女は言ったが、きっと其処は本人も疑問を持っていないのだろう。
    戌亥 李菜:「そういう場に呼べる知人というのが、あの……おりませんで、ですから……」
    鑑屋 冬至:「じ、19時かぁ……」ちらりと出した腕時計を見る。
    GM:……さて。
    GM:あなたは今日、この後に少々の用事があるが──主にとある助教授関係で──
    GM:それを加味しても二十時には自由の身だ。遅参とはなるが、参加は可能だろう。
    鑑屋 冬至:「んー……」この後向かうゼミ室の雑用量を思い返して。
    鑑屋 冬至:「今夜中なら行けるはず!ただちょっとゼミの方で用事があってさ……」
    鑑屋 冬至:「遅くても20時くらいには着けると思うけど、ちょっと遅れてもOKなら!って感じになるかな?」
    戌亥 李菜:「……でしたら、地図のURLをお渡ししますので……終わったら来てくだされば……」
    戌亥 李菜:「一年生は基本的に奢られるというのが、うちのサークルの良いところですから……」
    戌亥 李菜:と、彼女はスマホを操作して、まあ特定のアプリ名をあげるのはアレかも知れないが、
    戌亥 李菜:この日本でもっとも日常的に若者同士が連絡につかってるアレのQRコードを表示する。
    鑑屋 冬至:「了解!用事が終わったら(任意のSNSメッセージ機能搭載アプリ)の方に連絡入れてから向かうよ。」
    鑑屋 冬至:(うおお……別嬪さんとのQRコード交換か……!)
    鑑屋 冬至:ゴソゴソと(任意のSNSメッセージ機能搭載アプリ)を起動する。
    鑑屋 冬至:(これぞ夢のキャンパスライフって訳ね……!)
    戌亥 李菜:「待っています、ので……」
    GM:QRコードが読み込まれて、連絡先が交換されて。
    鑑屋 冬至:「分かった。改めて今夜はよろしくね!」
    鑑屋 冬至:いつものように、青年はニコリと笑みを浮かべた。
    戌亥 李菜:「はい、よろしくお願いします」
    戌亥 李菜:「……ふふ」
    戌亥 李菜:「ああいう場でひとりぼっちじゃないの、始めてです」
    戌亥 李菜:やはり隙間風のように、息の成分の多い声だったが、彼女も笑った。

    GM:ロイスのみ取得可能!
    鑑屋 冬至:〈カラサーの姫、か……〉戌亥 李菜:連帯感/〇刺激が強い で取得!

    OP2


    GM:シーンプレイヤーは神馳 克樹!
    GM:行方不明になる同居人を探して追いかけ、何かを目撃したところでCMだ!
    GM:もといシーンおわりだ! 登場侵蝕!
    神馳・克樹:神馳・克樹シーンイン(侵蝕率:35->36)

    涼風 こころ:「えい、やあ、てやあ」
    涼風 こころ:棒読みのかけ声と共に、かちゃかちゃとコントローラーを操作する音が三つ鳴っている。
    涼風 こころ:三つだ。
    涼風 こころ:一つはもちろんあなたの手元。そして。
    涼風 こころ:涼風 こころは二つのコントローラーを操作して、疑似二人がかりであなたのキャラクターを追い詰めている。
    涼風 こころ:いわゆる〝画面の外にぶっとばされたら負け〟の、あの手のゲームである。
    神馳・克樹:「こんんの、うおっ危ねぇぇぇぇ!!おい1人セットプレイすんな!!」
    神馳・克樹:対戦者のテンションに反比例するかのように白熱している。
    涼風 こころ:「だって1VS1じゃ勝負にならないし……設定ハンデはあるからいいでしょ」
    涼風 こころ:「はいジャスガー。左手で上スマ右手でメテオー。バウンド拾って上強空Nー」
    神馳・克樹:「バスケやるゲームじゃねぇんだよなぁ!」
    涼風 こころ:「バスケの方でもいいよ? ジャンAジャンC小パン小パン小パンブースト小パン……ってやつでも」
    涼風 こころ:喋りながらも両手操作により繰り出される2キャラの連携は絶え間なく続く。
    神馳・克樹:「お前マジで小パンから全部繋ぐから駄、あっちょ、待て待て、あーーーーーー」
    涼風 こころ:さすがに1個のコントローラーを使っている時に比べれば操作精度は落ちるのだが、それでもノイマンの本気はやはり強いのであった。
    神馳・克樹:爆発音。残機、0。
    神馳・克樹:ゲームセットの表示を見ながら、がっくりと肩を落とす。
    GM:リザルト画面で、同じ色合いの二体のキャラが歓声を受けているのを見て、
    涼風 こころ:「ふー、楽しかった。やっぱり対人戦いいよね、CPUだと弱いし」
    涼風 こころ:満足げな顔をしている。
    神馳・克樹:「おっかねぇ奴を育てちまった……」
    涼風 こころ:「そういう克樹くんも育ってはいるよ。前より反応速度が上がってる」
    涼風 こころ:「パターン化が出来てきたのかな。行動によっては6フレームくらい反応速くなってるから」
    神馳・克樹:「目視でフレーム数を正確に計るな」
    涼風 こころ:「分かるものはしかたがない」平然と言うのであった。
    神馳・克樹:それが出来てしまうからこの同居人は困る。いや困らないが。
    神馳・克樹:「あー、分かった分かった!俺の負け、今週の家事当番は俺で決定!」
    神馳・克樹:赤のマーカーでカレンダーの一行に「オレ」と書いて線を引く。
    涼風 こころ:「今週もよろしく。……ちなみになんだけど、克樹くん、私の他の対戦相手は?」
    神馳・克樹:「あ?あー、支部の奴とかたまにやるけどよ。嬢ちゃんも混ざるか?」
    涼風 こころ:「あ、それは混ざりたい。……だけど、それだけじゃなくって……ほら」
    涼風 こころ:「家族とかとゲームって、しないの?」
    GM:家族の話題。
    GM:あまり涼風 こころから、そういう話を切り出すことはない。
    神馳・克樹:「んんー?ああー」問われて思い出したというように、間延びした声を返す。
    神馳・克樹:「言ってなかったっけか。あんま家族が近くにいねえんだ」
    涼風 こころ:「そうだっけ」
    神馳・克樹:「ほれ、れねげいどこんとろーる…だっけか。あれが出来ねぇのはUGNが指導するって奴」
    神馳・克樹:「1回死にかけてこうなったクチだからな。一応、こうして親元と離れて暮らしてんのさ」
    涼風 こころ:「あー。そういう子、結構いるんだってね」
    涼風 こころ:「そっかー」何やらひとり、こくこくと頷いて
    涼風 こころ:すっ、と立ち上がる。
    神馳・克樹:「まぁ、流石にそうでなきゃ嬢ちゃん連れ込むなんざ出来ねぇだろ」保護観察をチルドレンが行うのもどうなんだという話もあるが。
    涼風 こころ:「それもそうだね。……割と緩いところあるよね、UGN──」といいながら、
    涼風 こころ:部屋着の上に上着を羽織り、手近の棚を空けて、
    涼風 こころ:「ちょっと、出かけてくる」
    GM:と棚から取り出した予約券──最近話題のオープンワールドRPG。国外産だが日本への深い理解が評判高いアレだ──を、あなたに提示する。
    GM:……予約者名はなぜか〝神馳 こころ〟となっている。
    神馳・克樹:「お?おおー、それ買ってたの……ちょっと待て」
    神馳・克樹:あーあのサムライゲームか、殺陣の練習になるかもなーなどと見送りかけて、予約者の名前が目を掠める。
    涼風 こころ:「……?」
    神馳・克樹:「何故俺の名字を使う?」
    神馳・克樹:というかあれか。「最近神馳くんの家にかけたら『神馳です』って女の子が出るんだけど……」ってーのもそれか。
    涼風 こころ:「家族みたいでいいなぁって思って」
    涼風 こころ:さらっと、そう言った。
    神馳・克樹:「…………あー………」
    神馳・克樹:困った。
    涼風 こころ:すたすたと歩いて玄関口へ。靴に足を押し込んで、とんとんと爪先を打ち付けて、
    涼風 こころ:「これ、ひとり用だって言うし、私がやるとたぶん直ぐにクリアしちゃうから」
    涼風 こころ:「まず克樹くんがやって。私は横で色々言う係をするから」
    神馳・克樹:何を言うべきか迷っているうちに、どんどん外出の準備を進めていることに気付いて慌てる。
    神馳・克樹:「え、あ、おう」
    涼風 こころ:「じゃ、言ってくるね」
    涼風 こころ:特に何を気負うこともない。ただ買い物へ行くだけなのだ。
    神馳・克樹:「あ、あー」
    神馳・克樹:煮え切らない返事とも呆け声ともつかない声を返す。
    涼風 こころ:玄関扉を開けて、特筆すべきところの何もない仕草で、涼風 こころは出かけて行った。
    神馳・克樹:違うだろう。今のはなんかこう……何か言わなければとは思うのだが。
    神馳・克樹:「……暑いから気いつけてけよ!」
    神馳・克樹:結局、そんな言葉で送り出すのみにとどまった。
    GM:……それが、数日前の話になる。

    GM:数日が過ぎた。
    GM:涼風 こころはまだ帰宅していない。
    GM:あなたは無論、第九支部へ連絡をしている。あなた自身が探索にあたる旨の指示が出て、その他にも数人の支部員が調査に当たっている。
    GM:なんと言っても、彼女は元インリークォセルの所属。
    GM:第九支部がインリークォのエージェントによる攻撃を受け、既にひとりのチルドレンが行方不明となっている現状、
    GM:全く無関係であるとも断定が出来ないからだ。
    GM:……そして。
    GM:ここ数日、あなたも、他の支部員も、さしたる成果を上げられずにいた。
    神馳・克樹:「………あっぢぃ」
    神馳・克樹:うだるような暑さの中にシャツをきっちりと着込み、御召茶の上着を羽織る青年が肩を落として夜の街を歩いている。
    GM:あなたは手がかりを求めてN市を彷徨う。
    GM:太陽が落ちてもなお汗の止まらぬような熱帯夜。
    神馳・克樹:スマートフォンの画面に表示される地図アプリは、N市の数十箇所にピンが打たれていた。
    神馳・克樹:「ここも情報なし、と」
    神馳・克樹:画面を指先が這い、現在地に新たなピンが打たれる。
    GM:手がかりが無い。
    GM:……そもそもの話。
    GM:あなたは彼女について、何を知っているだろう。
    神馳・克樹:(考えて見りゃ)
    神馳・克樹:(嬢ちゃんの名前も、偽名じゃないとは限らねぇ。第一からFHに攫われてんだ)
    神馳・克樹:足が止まる。
    GM:何も知らない──に近いだろう。
    GM:彼女が足を向けそうな場所? ゲームセンターか、コンシューマのゲームの売り場か。その他に思い浮かぶだろうか。
    GM:交友関係も知るまい。
    GM:分かっているのは、ただ彼女がゲームが好きで、
    GM:……何故か、あなたの名字を名乗るのが好きだ、ということだ。
    GM:ああ、いや。
    GM:もう一つ、確実に分かっていることがあるな。
    GM:彼女の容姿だ。多少服装が変わろうと、人混みに紛れようと。
    GM:きっとそれを見まがうことはあるまい。
    GM:ましてやその服装は、出かけた時と同じだった。
    GM:あなたの視界の端。
    GM:見慣れた姿が、ほんの一瞬だが目に映るだろう。
    神馳・克樹:不意に、視界を掠めた金色の髪。
    神馳・克樹:弾かれるようにそちらを向いて駆ける。
    神馳・克樹:「ッ、嬢ちゃん!」
    涼風 こころ:その姿は──今はもう後ろ姿になっているが──確かに、彼女のものであった。
    涼風 こころ:繁華街の人の群れを、するすると器用に躱しながら歩いている彼女は、
    涼風 こころ:あなたの声は届いていないのか──振り向きもせず、とある居酒屋へと入っていった。
    神馳・克樹:(何処行ってたんだ、支部の連中から拳骨だかんな、怪我ァねぇか———)
    神馳・克樹:最初に声を掛けた時に何を言うか、ぐるぐると頭の中で言葉を回しながら走る。
    神馳・克樹:「っ……?
    神馳・克樹:人違い?いや、そんな筈はない。
    神馳・克樹:聞き逃した?あの距離で、こころの知覚力なら考えにくい。
    神馳・克樹:だとしたら。UGNの人間の制止を無視して進むという行動の意味は。
    神馳・克樹:嫌な想像が鎌首をもたげる。
    神馳・克樹:居酒屋の前でわずか逡巡し、意を決したように扉を引き開ける。
    GM:平凡な全国チェーン店。
    GM:……店内は、やけに静かだった。

    GM:ロイスのみ取得可能!
    神馳・克樹:最初から固定ロイスなので対象が居ねぇ!なしだ!
    GM:そうだった!

    OP3


    GM:シーンプレイヤーは眞守 雪斗さん!
    GM:このシーンでは何故か女子の家にお呼ばれした上で任務の協力を依頼されます。
    GM:登場侵蝕!
    眞守 雪斗:シーンイン:眞守 雪斗の侵蝕率:+9(1d10->9) ((侵蝕率:43->52))

    GM:和風の、中々に広い邸宅である。……その分、建築様式は随分と古めかしいが。
    GM:縁側を歩くと床板がぎぃぎぃ軋みをあげるような、そんな家。
    GM:あなたは客間に通されて、やけに分厚い座布団の上に座らされており、
    雨宮 さざめ:「粗茶ですが、どうぞ」と湯飲みが運ばれて来る。白い湯気が、茶の温度を窺わせる。
    眞守 雪斗:和風の邸宅にはやや浮いた、喪服のようなスーツに身を包んだ男。漆黒の、ウェーブがかかった短い髪。目付きは、異常に悪い。
    眞守 雪斗:「──ああ。いただこう」
    GM:粗茶とは言うが、謙遜だ。実際、中々に良い茶葉を使っていた。
    眞守 雪斗:舌は肥えた方ではない。むしろ鈍感な方だ。それでも、「良いものなのだろう」という実感をもたらす味。
    眞守 雪斗:「──良い手並みで」
    眞守 雪斗:これがこの場に相応しい言葉なのか、学ぶ機会はなく生きてきたが。
    雨宮 さざめ:「いえいえ、とんでもない」口元に手を当て、もう片手を軽く振る。
    眞守 雪斗:「それで。俺に茶を振る舞うために呼んだわけじゃないだろう」
    雨宮 さざめ:「ええ、それはもう。……ですが、時には身も心も休めてみるというのは、悪いことではありませんかと」
    眞守 雪斗:「それには同意するが」
    眞守 雪斗:……正直に言えば、気が休まる場所ではない。
    雨宮 さざめ:「些か交通のあくせすは悪い家ながら、裏を返せば静かな場所」
    雨宮 さざめ:「どうか存分に休まれませ」
    GM:静かな邸宅だ。茶を入れる為に湯を沸かしていた火の音や、台所での鼻歌までが、客間に聞こえていただろう。
    GM:が。
    GM:休まる場所ではない、というのは正しいのかも知れない
    GM:より正確に言うならば、問題はきっと場所ではなく、
    雨宮 さざめ:「そうだ。お茶菓子などいかがでしょう、父が買って隠していたかすてらがあるのです」
    雨宮 さざめ:「何、父母とも今日は病院から帰って来ません。気を遣うことも──」
    眞守 雪斗:「雨宮さざめ」 言葉を遮るように。
    眞守 雪斗:「俺が此処に呼ばれた理由は、なんだ?」 何もかもが落ち着かず、急くように強く、問うた。
    雨宮 さざめ:「──…………ふふ」
    眞守 雪斗:「……世間話に興じたいなら、他をあたったほうがいい」
    眞守 雪斗:「俺に面白い反応や返答を期待するな」
    雨宮 さざめ:その直接的な問いを受けて、雨宮 さざめは目を細め、
    雨宮 さざめ:「ご安心を。あなたに求めますものは、冗句の趣味でもなければ諧謔精神でも御座いません」
    雨宮 さざめ:「敢えて言いますならば……その背丈は好ましいところです。健康体であることも」
    眞守 雪斗:「…………」
    眞守 雪斗:沈黙を以て、言葉の続きを促す。
    雨宮 さざめ:「眞守さん。あなたは口が重い人間であると見込んで、今日はお呼びしました」
    雨宮 さざめ:「用件は二つ。……ひとつはゆうじいえぬのお仕事絡みの話ですが」
    雨宮 さざめ:「もうひとつは全く、私とこの家の都合の話にございます」
    眞守 雪斗:「……聞こう」
    眞守 雪斗:前者は想像が付く。まあいつものことだ。日常と言ってもいい。
    眞守 雪斗:後者は──わからない。この女が、わざわざ俺を指定して行う話など。
    雨宮 さざめ:「では、直接的な問い方をするのですが──ええ、些か誤解を招く表現だとは承知の上でおたずねしますと」
    雨宮 さざめ:「妻を娶る気などはございませんか?」
    眞守 雪斗:「…………」 思考の停止。
    眞守 雪斗:「……熱でもあるのか?」 数瞬の沈黙の後、その沈黙に耐えきれず、可能性を考慮すらしていない言葉を口にする。
    雨宮 さざめ:「いいえ。……加えて申し上げるならば、恋心のようなものがある訳でもないと言い添えましょう。ご安心を」
    眞守 雪斗:「とりあえず問いには答える。予定はない」
    雨宮 さざめ:「ふむ。……となりますと、現時点で特定のお相手がいる訳ではない。結構、結構」
    眞守 雪斗:「──そうか」 言ったものの、余計に問いの意味が分からない。
    眞守 雪斗:「まあ、お前も知っている通りの人間だ。懇意の女がいるはずもない」
    雨宮 さざめ:「ええ、存じ上げています。大層な朴念仁でいらっしゃる」
    眞守 雪斗:突っ込むだけ野暮だろう。自覚もある。
    雨宮 さざめ:「いっそ女人として生まれていれば、さぞや可愛らしい方だったのでしょうが……」くすくすと笑って。
    眞守 雪斗:「……その話はよしてくれ」 片手を額に添え、ふるふると頭を振る。
    雨宮 さざめ:「うふふ、ごめんあそばせ。……けれども、ええ。私達はお互いに、まるで知らぬ仲ではない。このように、人に言えぬ話を共有しておりますし」
    雨宮 さざめ:「眞守さん。あなたは中々にお強い。れねげいどの出力、こんとろーる、いずれも一級品のエージェントと言えましょう」
    雨宮 さざめ:「健康体。体格も平均より優れている。……全く好ましい素質に御座いますれば」
    眞守 雪斗:「……お前に評価されるのは悪い気はしないが」 賛辞の意図を問おうとした。しかし、
    雨宮 さざめ:「是非に」
    雨宮 さざめ:普段と同じ、微笑むように細められた目のままで、
    雨宮 さざめ:「私を妻として娶るのはいかがか、と提案したく」
    眞守 雪斗:再度。思考が固まる。予想だにしない言葉に、目を見開き、閉じ、また開き──
    眞守 雪斗:細められた目を見る。
    眞守 雪斗:感情を読まれぬための技。彼女が被る仮面の、その奥を。
    眞守 雪斗:──その言葉は、雨宮さざめの「本心」であると、
    眞守 雪斗:瞳が告げている。それが分かる程度の仲ではあることを、改めて認識する。
    眞守 雪斗:ふ、と笑って。
    雨宮 さざめ:瞼の奥の瞳を垣間見たなら──そこには特別な色合いは無いと確信できるだろう。
    雨宮 さざめ:利と理で導かれた言葉だ、と。
    眞守 雪斗:「──求められて悪い気はしないがね」
    眞守 雪斗:情ではなく、理が求めているのだとしても。
    眞守 雪斗:親しい女は、いない。親がいれば、相手の一人でもいないのかと問われる年頃だろう。
    眞守 雪斗:縁遠く生きてきた自覚はある。
    眞守 雪斗:「──考えておこう」
    雨宮 さざめ:「できるだけ早い内に答えをお聞かせいただければ幸いです」
    眞守 雪斗:一口。茶を啜り。
    眞守 雪斗:「……善処する」
    雨宮 さざめ:「お互い、いつまでも若く健康で居られる訳ではありませんから」
    雨宮 さざめ:まるで特別なことを言ったような雰囲気でもなく、あっさりとそう応じて
    雨宮 さざめ:「さて、では次──と言いますか本題でございますが」
    眞守 雪斗:次に会う時五体満足かどうかなど、分かりはしない。
    眞守 雪斗:慣れない思考に凝り固まった身体を、一つ、息を吐いて整える。
    雨宮 さざめ:「狩りのお仕事です。敵は鷹。一つの地域に留まらず、市内複数箇所で目撃されています」
    雨宮 さざめ:「故、特定支部に所属しないあなたにご協力をお願いしたく」
    雨宮 さざめ:一枚の写真を、テーブルの上に置く。
    眞守 雪斗:視線を落とす。
    鏑木 鵲:第九支部所属のUGNチルドレン、鏑木 鵲──キャリアは長い。或いは顔だけなら、見た事があるやも知れない。
    鏑木 鵲:知らぬ顔であったとしても、データベースにアクセスすれば直ぐに、十全の資料が獲得できるだろう。
    雨宮 さざめ:「この方の捜索──場合によっては拿捕、または」
    雨宮 さざめ:「必要ならば〝適切な対処〟を──という任務を承りまして」
    眞守 雪斗:「支部からの正式な依頼と見做していいんだな?」
    雨宮 さざめ:「多少、にゅあんすが異なります。……というのもこの標的が確認された箇所は、ひとつの地区のみにあらず」
    雨宮 さざめ:「故に、どの支部の案件と定めることも難しく。……所属から考えるなら、第九支部が妥当なのやも知れませぬが」
    眞守 雪斗:「外からの視点で探した方が適切、という判断か」
    雨宮 さざめ:「左様にて。今回は地区間の調整過程を省略する為、私のような所属地区を持たない者に、と」
    雨宮 さざめ:「……とは言え。私が籍を置く〝重ね胴〟も、人手不足は常のことでございますから」
    雨宮 さざめ:〝重ね胴〟──特定地区に所属せず、戦闘訓練・遊撃等を行う、とある部隊の俗称だ。武力には長けるが調査能力などは些か欠けるとの評もある。
    眞守 雪斗:「そういう場所に送られるのが、“遊撃手”の常だ」
    雨宮 さざめ:「では、お引き受けくださると?」
    眞守 雪斗:「お前からの依頼だ──仕事の話を聞く時点で引き受ける覚悟はしている」
    眞守 雪斗:「話を聞いて、はいさよなら、ではな」
    眞守 雪斗:「だが、この写真の女」
    眞守 雪斗:「──チルドレンの一人だろう」
    雨宮 さざめ:「誠実な方。……そういう所も〝良い人〟と思っているのですよ──」と、やはり口元を手で隠して笑っていたが、
    雨宮 さざめ:「……ええ」
    雨宮 さざめ:少しだけ、細められていた目が開く。暗い色合いの瞳が見える。
    眞守 雪斗:理由を、と。目が問う。
    雨宮 さざめ:「第九支部所属えーじぇんと〝ぼる・でぃあな〟 の報告によれば」
    雨宮 さざめ:「その標的は、ふぁるすはーつの生物兵器に操られているとのことです」
    眞守 雪斗:「生物兵器……」
    雨宮 さざめ:「標的──〝たんぶらーぴじょん〟の能力は、怪力と高速の飛翔」
    雨宮 さざめ:「ことを起こすに武器を必要とせず、そしていざ動き始めたなら、容易に人の目につきます」
    雨宮 さざめ:「加えてその怪力の性質上、拘束具ですとか牢ですとか、そういう手立ては無益とお考えください」
    雨宮 さざめ:「つまり」
    眞守 雪斗:「即効性のある暴力」
    眞守 雪斗:「必要なのは、それだろう」
    雨宮 さざめ:「ええ」
    雨宮 さざめ:「標的を〝操縦〟する生物兵器を打破するか、或いは標的を破壊するか」
    雨宮 さざめ:「そういう任務あれば、私もあなたも得意とする分野にございましょう?」
    眞守 雪斗:くく、と小さく。獰猛に笑う。
    眞守 雪斗:「──ああ、確かに」
    眞守 雪斗:「鷹狩り。承知した。請け負おう」
    雨宮 さざめ:「ありがたく。では早速、今この時より調査を始めましょう」
    雨宮 さざめ:すう、と音も無く立ち上がる。特になにかを用意するようなそぶりはない。
    雨宮 さざめ:応接の時でさえ、無数の刃を衣服の内に仕込んでいるのだ。
    雨宮 さざめ:「……あっ」
    雨宮 さざめ:急に、何かを思いついたように手をぽんと叩いて、
    雨宮 さざめ:「〝二人最初の共同作業〟」
    雨宮 さざめ:「……と呼ぶものではございませんでしょうか、これは」
    眞守 雪斗:「…………」
    眞守 雪斗:「なるほど」
    眞守 雪斗:「この暑い日にぴったりの『冗句』だな」
    GM:涼やかな風が吹いたのは、戯れごとの為ではあるまい。
    GM:日は傾き始め、客間には茜色の西日が差し込んでいた。

    GM:ロイスのみ取得可!
    眞守 雪斗:〝タンブラーピジョン〟鏑木 鵠 P:執着/N:◯脅威 で取得。
    GM:OK!



    シーン1


    GM:登場はPC1のみ!
    鑑屋 冬至:どきどき
    鑑屋 冬至:鑑屋 冬至の侵蝕を3増加しました(侵蝕率:41->44)

    GM:少しだけ〝用件〟が長引いた。移動も含めて、現在は20時30分。
    GM:あなたは目的の居酒屋『やそしま』に到着し、店員の案内で二階へ──目的の宴会席へ案内されたのである。
    同好会メンバー:「あれ? こんばんはー、初めましてー」「初めましてー……誰?」「リナちゃんの言ってた人じゃない?」「あー! 初めましてー。おーい、そこ席空けろー」
    GM:十数人の声が一斉にわあっと発されるカオスな状況。あなたの為に席が用意される。
    GM:戌亥 李菜が壁にもたれかかり、ぼんやりした顔をしている。その隣の席であった。
    鑑屋 冬至:移動に使った折り畳み自転車を外に停め、おっかなびっくり入室していく。
    戌亥 李菜:「あ……鑑屋、さん……」手には空のジョッキ。泡が着いてはいないから、きっとビールではなかったのだろう。
    鑑屋 冬至:「あ、どうも失礼します−。アハハ……」
    鑑屋 冬至:アルコールの気配を感じながら、隣に着席。
    戌亥 李菜:「ちょっと遅かったんですね……どうしました……?」と隙間風のような声で問う口からは、強くアルコールの匂いが漂う。
    鑑屋 冬至:「お疲れさま、戌亥さん。みんな結構飲んじゃってるみたいだね……」
    戌亥 李菜:「はい……あの、その……」
    戌亥 李菜:「そういう、空気……だった、ので……」
    戌亥 李菜:言うまでもないが、あなたと同じ一年生ということは──未成年である。
    戌亥 李菜:手に空のジョッキを持ったまま、左右にゆらゆらと揺れて、
    鑑屋 冬至:「こっちは教授に頼まれた雑用してたくらいだしね。作業的には楽な物だったよ!」
    鑑屋 冬至:そうケラケラと笑いつつ。
    戌亥 李菜:体が傾く。上半身があなたの肩に預けられる──
    同好会メンバー:かと、思いきや。
    同好会メンバー:あなたと逆側に座る男の腕が、戌亥の肩を掴んで自分側に引き寄せ、
    鑑屋 冬至:(…………大丈夫かなぁ。ここ)そう支えようとした手が空を切り。
    同好会メンバー:「彼氏さん? ごめんねー、そんなに飲んでない筈なんだけどさー」馴れ馴れしく戌亥の肩に腕を回す、反対側に座る男。
    戌亥 李菜:「……」戌亥はその腕をそっと押しのけるのだが、男は懲りる様子もなくまた腕を掛けるのだ。
    鑑屋 冬至:「──おおっと、そう見えちゃいました?」ニコニコと笑いつつ。
    鑑屋 冬至:──イージーエフェクト〈熱感知知覚〉:使用。
    GM:ほう、何を見ようというのかね。
    鑑屋 冬至:視界にピントを重ね。そっと下腹部の温度を確認し。
    GM:ストレートな判別法だが品が無いな。
    鑑屋 冬至:(こういう時には、なるべく干渉しないほうがいいんだよなぁ)とか思いつつ。
    GM:そのピントを重ねた先が戌亥ではなく、その向こうに座っている男だという前提で答えさせてもらうと、
    GM:まぁ、その、なんというか。
    GM:酒が入っている時はちょっと血流が阻害されるということを覗いても、平常と言えないくらいの温度はあるだろう。
    鑑屋 冬至:(──まぁ、俺も人のことは言えないんだけど。)
    鑑屋 冬至:胃腸の辺りに『ピント』を合わせ。
    鑑屋 冬至:少しだけ──具体的にはお腹が冷えだすくらいに──『熱量』を奪う。
    鑑屋 冬至:(さ−っとお手洗いに向かってくれれば、穏便にはなるかなぁ)
    GM:では、そうだな。
    同好会メンバー:「……やべぇ、ちょっと寒くなってきたな」
    同好会メンバー:「すいませーん、熱燗お願いしますー! あとこっちの子の分の──」
    同好会メンバー:男は大声で店員を呼び、それから戌亥の方を見て、
    同好会メンバー:「さっきと同じのでいい? ビッグ・アップル」
    戌亥 李菜:「え、え……と……」
    戌亥 李菜:その男と、あなたとに、交互に視線を向けている。
    鑑屋 冬至:「あーっ、と……」
    鑑屋 冬至:「僕こういう所は初めてだし、ジンジャーエールも追加でお願いしていいですかね?」
    GM:加えて、《熱感知知覚》による情報をひとつ追記しよう。
    GM:戌亥 李菜の体温は随分上がっているが、体温より幾分か低い層が、腹の内側で波打っている。
    GM:よほど飲んだか、飲まされたか。それはさておいて、
    鑑屋 冬至:なんだろうな……(ぼんやり)
    戌亥 李菜:「……っ、ぅ。あ、あの……」
    戌亥 李菜:戌亥は口元を手で押さえて、もう片手であなたの袖を引く。
    鑑屋 冬至:「──おっと、どうかした?戌亥さん。」
    鑑屋 冬至:(えーっと、上手い事彼女が気を遣わずに言えそうなの……そうだ!)
    戌亥 李菜:「その……す、すいません……鑑屋、さん」高い体温とは裏腹の青ざめた顔で、
    戌亥 李菜:鑑屋 冬至。もう一度、あなたの袖を引く。
    鑑屋 冬至:「あー……、成程ね。」
    鑑屋 冬至:「OK,良ければ付き添わせて。確かあっちの方だったよね……」
    鑑屋 冬至:(お手洗い。)
    鑑屋 冬至:そそくさと席を立ちつつ、彼女を洗面所までエスコートします。
    戌亥 李菜:「ぅ……す、すいませ……」
    戌亥 李菜:立ち上がった時点で、戌亥はかなりふらついていた。
    戌亥 李菜:あなたの腕を支えに、よろめきながら個室を出る。
    鑑屋 冬至:「ほいほい……」そっと手を取り、よろめく足取りを支えながらゆっくり歩く。
    鑑屋 冬至:「アハハ……ちょっと面倒見てきますねー!」
    鑑屋 冬至:気さくな挨拶も忘れずに。
    同好会メンバー:「リナちゃん大丈夫ー?」「ちょっとー、最初っから飛ばしすぎ!」「んー、悪い!」
    同好会メンバー:と、賑やかな宴席の声を背に受けながら、洗面所に辿り着いて──

    戌亥 李菜:「ぅ、えっ……げっ、うぇ……っ、ぉ……」
    戌亥 李菜:扉一枚隔てた向こうで、戌亥がえづいている。
    戌亥 李菜:……一応の水音や、周囲の喧騒に掻き消されて、それは随分と小さな声でしかなかったが。
    鑑屋 冬至:(…………)個室の外で背負ってきたリュックの中身をゴソゴソ漁っている。
    戌亥 李菜:少しして、手を洗い、口を濯ぐ水音。それも終わってようやく、戌亥がふらふらと洗面所から出て来る。
    戌亥 李菜:「…………うぅ……本当に、あの……」
    戌亥 李菜:「お恥ずかしいところを……」
    戌亥 李菜:まだ顔色は悪い。が、それ以上に羞恥で茹で上がった顔。体温も先ほどよりまだ高いようだ。
    鑑屋 冬至:「あー……まぁ大丈夫さ。」
    鑑屋 冬至:「一年生がこっそり酒飲むってのも、結構サークルとかではあるらしいし……」
    戌亥 李菜:「……ごめん、なさい……」洗面所の扉から離れて少し歩き──そこで、廊下の壁にもたれかかって、
    戌亥 李菜:ずるずると滑り落ちるように、床に腰を下ろした。
    鑑屋 冬至:「おおおぉぉ……大丈夫?」視線を合わせるようにそっとしゃがみ込む。
    戌亥 李菜:呼吸が浅い。酒精の匂いに満ちた息が、短い間隔で吐き出されている。
    戌亥 李菜:息は熱い。……肌もきっと熱い。体温が上がっているからだ。
    戌亥 李菜:汗ばんだ肌。頬に髪が張り付いている。
    鑑屋 冬至:「ヤ」「ヤバそうだったら、外で涼んでみる……?」
    鑑屋 冬至:くらり、と人を酔わせる香りがした。
    戌亥 李菜:まだ焦点が定まらぬ目のままで、戌亥は言った。
    戌亥 李菜:「……そこに、いてください……」
    鑑屋 冬至:その香りの基は。果たして彼女が呑んだアルコールだけだったのか。
    GM:きっと、違うだろう。
    GM:同室の誰かが吸っていた、煙草の甘ったるい煙の臭いや、
    GM:隣の男が、光沢を帯びる程も髪に塗りつけていた整髪料の匂いや、
    GM:……それに混じる花の香りは、香水だろうか。
    GM:それから、安いガム。
    GM:半開きになった戌亥の口の中に、噛んでいる途中のガムの白い塊が見えた。
    鑑屋 冬至:「……OK。またヤバくなったら、いつでも言ってね。」
    鑑屋 冬至:ニコリと笑みを返す。見栄を張りたい時によくやる微笑み。
    戌亥 李菜:「……すいません……本当に」
    戌亥 李菜:もう一度、戌亥は詫びの言葉を重ねて、
    戌亥 李菜:「……こうなると分かってたので……その……」
    戌亥 李菜:「誰か一緒に来てくれたらな、と……思ったんですが……」
    戌亥 李菜:「思ってたより……鑑屋さんにご迷惑をおかけしてしまい……」
    鑑屋 冬至:「まあ……大丈夫さ。僕もお酒にはそんな強くないし。」
    鑑屋 冬至:「こういう所で知り合いも無しっていうのは、ちょっと心細いもんね……」
    戌亥 李菜:「……その言い方は……まるで」
    戌亥 李菜:「お酒を飲んだことがあるように……聞こえますが……」
    鑑屋 冬至:(アッ)
    鑑屋 冬至:「………………」
    鑑屋 冬至:「お互い、秘密ができちゃったね?」ノリで誤魔化す!
    戌亥 李菜:「……ふふ、ふふ……ふふふ」
    戌亥 李菜:「あははははっ……」
    戌亥 李菜:何がそんなに面白いのか、戌亥は床に寝っ転がって笑った。
    戌亥 李菜:「あはははははははっ……」
    鑑屋 冬至:「ありゃりゃ……なんか、ツボにはまっちゃった?」
    戌亥 李菜:「ふふ、ふふっ……あー」笑いすぎて目元に浮かんだ涙を手で拭い、
    戌亥 李菜:「そうだ……ガム、食べます……?」
    戌亥 李菜:床に横になったまま、唐突に言った。
    鑑屋 冬至:「ガム?いいね!」
    戌亥 李菜:「んっ」
    戌亥 李菜:べぇ、と舌を出した。
    鑑屋 冬至:「まだ晩ご飯食べてなくてさ、軽くでも口に入れておきたかったん」
    戌亥 李菜:噛み潰している最中のガムの、白い塊が、舌の上に乗っかっていた。
    鑑屋 冬至:(唖然)
    鑑屋 冬至:「…………」(悪酔いだな。間違いない)
    戌亥 李菜:……そのうち、舌は口の中に引き戻された。
    鑑屋 冬至:さっきリュックサックから取り出したポケットティッシュを一枚引き抜きます。
    戌亥 李菜:ごくん。
    戌亥 李菜:唾と共にガムを飲み込む音が、いやにはっきりと聞こえたことだろう。
    鑑屋 冬至:「アッストップ戌亥さん!お腹がゆるくなっちゃう!」
    戌亥 李菜:「そう……なんですか……?」
    戌亥 李菜:ほー……と吐き出す息の音が、はっきりと、聞こえたことだろう。
    鑑屋 冬至:「ん−…………」
    戌亥 李菜:「さすが……鑑屋さんは物知りですね……」
    鑑屋 冬至:「まぁ一個くらいなら大丈夫だと思うけど……」
    鑑屋 冬至:「ちなみにさ、戌亥さん」
    鑑屋 冬至:「僕が来るまでにどのくらい飲んだかわかる?」
    戌亥 李菜:「じゃあ、だいじょうぶです……ふふっ……」ゆらゆら。体を揺らしながら、またようやく立ち上がって、
    戌亥 李菜:「んー……………………」
    戌亥 李菜:ぱっ、と両手の指を目一杯に広げて、手のひらをあなたに向けた。
    戌亥 李菜:それから、
    戌亥 李菜:「たぶん……?」
    戌亥 李菜:と、首を傾げた。
    戌亥 李菜:細い声で、くすくすと笑う。
    鑑屋 冬至:(10杯。いやあるいは「本」……???)
    鑑屋 冬至:(凄いな彼女、俺の数倍くらいキャパ大きいんじゃないか……)
    戌亥 李菜:……笑い声がやけにはっきりと、聞こえたことだろう。
    GM:静かだ。
    GM:随分と、店内は静かだった。
    鑑屋 冬至:「……?」
    鑑屋 冬至:耳を澄ませる。
    鑑屋 冬至:何時からだったか。さっきまで響いていたはずだ。
    GM:店の外の道路で、どこかの車がクラクションを鳴らしている。
    GM:厨房でタイマーが鳴っている。
    GM:そんな音が、あなたには聞こえる筈だ。
    GM:人の声は聞こえない。
    GM:人の足音は聞こえない。
    GM:……正確ではないな。
    GM:〝店内には〟と言い添えよう。
    GM:あなたは、今。この居酒屋の店内で、自分と戌亥の他、生きて動くものの気配を感じ取ることは出来なかった。
    鑑屋 冬至:「………………」どこかで響いていた酔いが、波が引くように冷めていく。
    鑑屋 冬至:「戌亥さん」
    鑑屋 冬至:「個室の方に大事な荷物とか、置いてきてたりする?」
    戌亥 李菜:「……え……? ええと、ハンドバッグなら……」こくん、と頷く。スローモーな仕草。
    鑑屋 冬至:「OK」
    鑑屋 冬至:「ちょっと……失礼するね。」
    鑑屋 冬至:そういって、彼女を静かに立たせる。
    戌亥 李菜:「……?」
    鑑屋 冬至:(〈ワーディング〉はヤバい。ここが既に囲われてた場合、俺の場所を知らせることになる。)
    鑑屋 冬至:(かといって戌亥さんを置いていくのも、入り口もヤバい。)
    鑑屋 冬至:(考えなしに動けば……大抵の場合、痛い目を見る。)
    鑑屋 冬至:(俺が最も優先したいことを定めろ。)
    鑑屋 冬至:ちらりと、戌亥さんの眼を見る。
    鑑屋 冬至:……彼女を護り、ここから無事に帰す事。
    鑑屋 冬至:そう決めて、店に入っていた。
    鑑屋 冬至:「──良ければなんだけど……ぼちぼち席に戻らない?」
    鑑屋 冬至:「そろそろ飲み物が届いたと思うしさ。僕も一杯ぐらいは飲んでおきたいかなーって……」
    鑑屋 冬至:ニコリと笑みを浮かべる。表情は引きつっていないだろうか。
    戌亥 李菜:「はぁ…………では、そうしましょうか…………」
    戌亥 李菜:ぼんやりとした顔。隙間風のような声。
    戌亥 李菜:あなたの腕を支えにして、戌亥は歩いた。
    GM:……そして。
    GM:あなた達は、二階の個室へ舞い戻る。
    鑑屋 冬至:……死角になっている腕へ。凍結弾を精製していく。
    GM:さて。
    GM:ここへ至ればあなたは気付くだろう。だから、記述の捕捉と共に伝えよう。
    GM:生きて動くものの気配を感じ取ることはなかった。これは間違いが無い。
    GM:だが、今。
    GM:宴場と廊下を隔てる襖の向こうに、
    GM:動きはしていない。ただそこへ立ってあなたを待ち構えている何者かの気配を感じるだろう。
    GM:……あなたは、襖を開ける。
    GM:そこには、大量の、
    GM:赤黒く粘性の高い液体が、幾つかの塊に分かれて落ちていて、
    涼風 こころ:「……二人」
    涼風 こころ:「体質的な問題か……?」
    GM:少女が、一人。
    GM:人の情動を感じさせぬ、冷たい瞳で立っていた。

    GM:ロイスのみ獲得可能!
    鑑屋 冬至:ん−……保留して以上!
    GM:OK!

    シーン2


    GM:ここは全員登場!
    眞守 雪斗:シーンイン:眞守 雪斗の侵蝕率:+9(1d10->9) ((侵蝕率:52->61))
    鑑屋 冬至:ウオーッ!
    鑑屋 冬至:鑑屋 冬至の侵蝕を10増加しました(侵蝕率:44->54)
    神馳・克樹:神馳・克樹シーンイン(侵蝕率:36->38)
    眞守 雪斗:めっちゃ飛ばしてる
    鑑屋 冬至:グエーッ!!!
    眞守 雪斗:侵蝕格差ァ!
    神馳・克樹:ローテン!!
    GM:まさかだ
    GM:さて、このシーンですが
    GM:暫定犯人と思われる少女と対峙する鑑屋くん視点から始まり、直ぐにも追いかけてきた神馳くんが乱入
    鑑屋 冬至:ふむふむ。
    GM:犯人っぽい少女が逃げるのを路地裏で眞守さんプラスワンが待ち伏せて合流、みたいな想定になっています
    眞守 雪斗:おーけい
    GM:という訳で鑑屋くん視点からだ
    GM:つまり先のシーンの続きということだな!

    GM:その少女の外見的特徴を言うならば、インドア派なのか日に焼けていないということか。
    GM:然程背は高くない。華奢という程に細くも無いが、頑強と呼ぶにはほど遠い体つきだ。
    GM:街を歩いていれば気の多い男などは、或いは目で追いかけることもあるかも知れない。
    GM:だが。
    GM:目が、ぞっとする程に冷たかった。
    GM:彼女の目は、あなた達を──
    涼風 こころ:「おかしいな」
    涼風 こころ:「……薬を飲んでいないのか? それとも効き目がなかったか……追加投与しないと駄目か」
    GM:──対等な存在として、見ていないのだ。
    鑑屋 冬至:──〈ワーディング〉を使用します。
    鑑屋 冬至:「どちら様だ。テメーは」
    GM:《ワーディング》──よろしい。
    GM:ならば、あなたが放つレネゲイドの波──警告であり秘匿であり救援要請でもある──を浴びて、
    涼風 こころ:「まあ、いいか。二人だ」
    涼風 こころ:「追加投与する程度の予備は備えている」
    涼風 こころ:当然のように動いていて、当然のように言葉を発する。
    鑑屋 冬至:眼鏡を外し、投げ捨てる。
    戌亥 李菜:「……あ、あの」
    戌亥 李菜:「鑑屋さん……お知り合い……ですか……?」
    戌亥 李菜:「……………………」
    戌亥 李菜:「……では、なさそうですね……」
    鑑屋 冬至:「戌亥さん。」
    鑑屋 冬至:「絶対に俺から離れないでくれ」
    鑑屋 冬至:僅かにぼやけた視界へ反比例するように、『焦点(ピント)』の精度は上がっていく。
    戌亥 李菜:拳を握る。左手を目の高さ、顔から40cm程話したところに。右手は鳩尾に置いて。
    戌亥 李菜:「……そう、ですか」
    戌亥 李菜:「あなたも……──」
    鑑屋 冬至:「…………エッ、ちょっと待って?」
    戌亥 李菜:「え……?」
    鑑屋 冬至:「もしかして戌亥さんも……?」
    戌亥 李菜:「……いえ、あの……その、寧ろ私は……」
    戌亥 李菜:「鏡屋さんがそうだというのが……驚きましたが──」
    鑑屋 冬至:「──なんてこったぁ。」
    鑑屋 冬至:トントンと凍結弾を精製していない腕で、額をつつく。
    GM:戌亥 李菜が静かに、隙間風のような息を止めて、こう、と強く息吹を放った直後だ。
    GM:その音の末尾は、乱入者の声に掻き消された。
    神馳・克樹:「——未成年はいねーかぁ!」襖を開けるのももどかしく、隣の広間から続く引き戸を蹴倒して乱入する声。
    戌亥 李菜:「──ぇっ」その声に反応し、構えを取ったまま首と目を動かして音源を確認する。
    涼風 こころ:「……ん。増えたか」
    鑑屋 冬至:「!」即座に凍結弾を構えた指を向ける!
    涼風 こころ:「野生の人間は、一定以下の年齢個体はこういう構造の建築物に踏み入らないと聞いていたが」
    涼風 こころ:「例外の個体か、それとも外見が若いだけか、どちらだ?」
    神馳・克樹:周囲を見回す。赤い泥の海。2名の一般人……か?それから見慣れた顔の、しかし見たこともない目付きの……
    神馳・克樹:「……その言い様、何かに憑かれたか?”野生の人間”なんて言うのは碌なもんじゃねぇわな」
    鑑屋 冬至:「……そちらの知り合いですか?」
    神馳・克樹:「お前の同居人だよ。ツレが夜遊びしてたら引き留めに入るもんだ」
    涼風 こころ:「騒がしい個体だ──同居人?」
    神馳・克樹:「さっきのワーディングはアンタか。悪い、こっちの話に巻き込んだかもしれねぇ」
    涼風 こころ:「ああ。きょうだいか、つがいか、そういう所か。……つがいなら手間が省けるな」
    涼風 こころ:「人間の交配は、少々手間が掛かる」
    戌亥 李菜:「……お知り合い、ですか……」
    鑑屋 冬至:「こっちは問題なく。協力できそうなら乗らせてください」
    鑑屋 冬至:「一応イリーガルです」
    戌亥 李菜:「……そちらの話、と言いますのは……いえ、詮索する訳ではないのですが……」
    鑑屋 冬至:華奢な少女へと、指を向けなおす。
    神馳・克樹:「……」その物言いに渋面を作る。嫌でも思い出される、涼風と出会うきっかけになった一幕。
    神馳・克樹:「ファルスハーツにゃあ、人間以外の生物を繁栄させるだかって目的のセルがあるんだってな」
    戌亥 李菜:「ファルスハーツ……?」
    神馳・克樹:「また嬢ちゃんを巻き込もうってか。ふざけんじゃねぇぞ珍獣サークル」
    涼風 こころ:「事情通の個体か。……それも、〝これ〟の性能を知っているような口ぶりだ……ふむ」
    鑑屋 冬至:「外れてたら恥ずかしいんですけど、そのセルの名前。」
    鑑屋 冬至:「『インリークォ』だったりします?」
    神馳・克樹:「アタリだ」
    鑑屋 冬至:「……マジかぁ。」
    鑑屋 冬至:「絶対油断できねぇ」
    涼風 こころ:「困ったな」
    涼風 こころ:「事情通は二個体──手に余るか」
    涼風 こころ:少女──の口を借りた何かがそう呟いた時だ。
    GM:個室の床を埋める赤黒い液体が一斉に蠢き、襖から廊下へと流れ出す!
    涼風 こころ:同時に少女の身体は宴場を書け、路地側に面した窓から外へと飛び出す!
    鑑屋 冬至:「うおお!!!!?」
    戌亥 李菜:「……!」両腕を顔の前で重ねた十字受けで赤黒い津波に備える、が。
    GM:その粘性の液体はあなた達を攻撃せず──そのまま廊下を流れて行くのだ。
    神馳・克樹:「ッ逃がすか!」続けざまに飛び出す。多少の攻撃は無視して最短路を突っ切る!
    GM:階段を落ちて一階へ。そこから先は見えまい。何故なら。
    GM:神馳が、真っ先に馳せたからだ。
    戌亥 李菜:「あ……鑑屋さんっ」
    鑑屋 冬至:ビビりながらも逃げ行く波へ氷結弾を乱射する!
    戌亥 李菜:先触れの突進に僅かに遅れて、戌亥が精一杯の声を上げる。
    GM:ふむ
    GM:では……そうだな。
    GM:氷結弾を受けてしまった一部の液体塊は、凍結してその場に残ることになる。
    GM:残りは全て流れさった、が。
    GM:その為に、鑑屋。あなたは駆け出すのが僅かに遅れた。

    GM:神馳 克樹──あなたの少し先を、涼風 こころが駆けていく。
    GM:或いは疑問を抱くやも知れない。彼女の走る速度はこうも速かったか、と。
    GM:単純な身体能力なら、あなたが大幅に上回る筈なのだ。
    GM:だが、直ぐには追いつけない。
    神馳・克樹:(中にいるのが、ガワを強制的に動かしてるのか、ソラリスでドーピングでもしてるのか……)
    神馳・克樹:(いずれにしても、碌なもんじゃねぇ)
    神馳・克樹:一向に縮まらない距離に舌打ちしつつ、脚を速める。
    GM:涼風こころが角を曲がった。
    GM:あなたはそれを追い、同じ方向に角を曲がって、
    涼風 こころ:「……!」数m先で立ち止まる、彼女の背を見ることになる。
    GM:そして、その視線の更に先──
    眞守 雪斗:闇に溶ける黒スーツの男が、道を塞ぐように立っている。
    眞守 雪斗:「──さて。狩るべきは、どちらだ?」
    眞守 雪斗:《ワーディング》の気配──即座、《地獄耳》による状況把握。少女の後ろを少年が追っているということは、理解している。
    眞守 雪斗:レネゲイドを意識的に励起させる。『鍵』は使わない。励起によって、合図を送る。
    眞守 雪斗:励起は、言葉の要らない合図だ。それが分かる程度の場数を、この女とは踏んでいる。
    雨宮 さざめ:「さて。……ですが、どちらと分かりましたなら」
    雨宮 さざめ:「迷わずそちらに仕掛けを──」
    神馳・克樹:「捕獲だ、捕獲。……UGNだよな?」
    神馳・克樹:軽く肩で息をしつつ、最も重要な事を先に伝える。
    雨宮 さざめ:言葉の最中だった。夜闇に紛れて、唇の隙間から縫い針が飛ぶ。
    眞守 雪斗:とぷり、と身体が沈む。《闇夜の鳥》──夜闇に紛れ、影を伝い、跳び───
    涼風 こころ:「──!」
    眞守 雪斗:──少女の影より現れ出で、その身体を羽交い締めにしようと試みる。
    涼風 こころ:最小限の首の動きで針を裂け、迫る影の手から、恐るべき俊敏さを発揮し横へと逃れる!
    涼風 こころ:バギッ!
    涼風 こころ:……脚力の反動か。右脚の脛がへし折れ、骨が皮膚を突き破る。
    涼風 こころ:「……ええい! 脆い身体だ……!」
    神馳・克樹:「他人様の身体で、好き勝手してんじゃ、ねぇぞ!」
    眞守 雪斗:「────チッ」 手がすり抜ける。明らかに、少女の動きはおかしい。
    神馳・克樹:瞬息の針。無音の影。
    神馳・克樹:それを躱した反動を受けた絶好の機会を逃す程鈍間ではない。
    神馳・克樹:魔なる者には致命打となる刃を振り上げ、少女の身体を切りつけようとする!
    神馳・克樹:「悪い、ちょっと痛ぇぞ!」
    涼風 こころ:「──!」
    涼風 こころ:腕。
    涼風 こころ:〝それ〟は刃の軌道に、平然と涼風 こころの右腕を晒した。
    涼風 こころ:手首から肩までのラインが、刃の軌道と一致するように。
    涼風 こころ:故に振り上げられた刃は、手のひらを裂き、手首を割り、肘までは届くも、
    涼風 こころ:「……たかが片腕ぇっ!」左腕が、〝手刀〟で右肘を断つ。腕一本を贄とし、〝それ〟は命を繋いだ。
    GM:……数秒の攻防。
    GM:その数秒さえあれば、〝追いつく〟には十分だろう。
    GM:あなた達は更なる足音を聞く。
    涼風 こころ:「……この人間の群れは……しつこいな……!」
    鑑屋 冬至:「──いた!あの角だ!戌亥さんッ!」
    戌亥 李菜:「は、はいっ……!」
    鑑屋 冬至:ドタバタと足音を立てながら先に駆け込んで来るは、鑑屋冬至!
    神馳・克樹:「人の身体使っといて”たかが”はねぇだろう」舌打ち。取り付いている本体には届かなかったか。
    雨宮 さざめ:「ふむ。目のよろしい獲物のようですが──」微笑むように細められた目。既に手には二十を越す針が、指の間に挟まれ保持されている。
    雨宮 さざめ:「眞守さん。……これは随分と、賑やかな狩りになった様子」
    眞守 雪斗:「──当初のターゲットとは違うようだが、放置するわけにも、な」
    眞守 雪斗:背後の影は色濃く落ち。戦闘への意識は解いていない。
    鑑屋 冬至:(マジで僕ら、巻き込まれちゃったみたいだな……)
    鑑屋 冬至:深く息を吸い。意識して肺の底まで空気を吐き出す。
    鑑屋 冬至:一時的に上がった息を押し込め、少女に『ピント』を合わせなおした。
    神馳・克樹:「流石にこの数相手にゃあ、逃げられはしねぇだろう?そら、観念しな」
    神馳・克樹:狭い路地。ビル壁に切り取られた空。5人に囲まれては、隙間を抜ける事も難しかろう。
    涼風 こころ:「──くうっ!」苛立ちか、壊れている筈の脚を、ダン! と地面に叩き付けたが、
    涼風 こころ:「……む」次の瞬間、何かに気付いたように地面を見た。
    鑑屋 冬至:「……?」
    涼風 こころ:或いは周囲の面々も、その視線の先にあるものを見ただろう。
    戌亥 李菜:「あ──」
    雨宮 さざめ:「拙い──!」針を掴んだ手を振りかぶるが、
    涼風 こころ:視線の先に有ったのは、マンホール。
    眞守 雪斗:雨宮の針に合わせ、影を奔らせるが──
    GM:ガァン!
    鑑屋 冬至:(ヤベえ!)覆いかぶせるように氷結弾を放つが、間に合わない!
    GM:衝撃音。マンホールの蓋が跳ね上がり、鑑屋の氷結弾を防いだ!
    涼風 こころ:そして少女の体は地下へ、暗闇の中へと落下していく。……直ぐにも足音が聞こえるだろう。
    眞守 雪斗:《地獄耳》で行方を追うが──その範囲は限られている。
    眞守 雪斗:「ロストもやむなしか───」
    涼風 こころ:どうやらこの地下区画は、配管整備の為の通路が広がっているらしい。……音が遠ざかって行くが。
    雨宮 さざめ:「いえ、まだです!」
    雨宮 さざめ:「対象は脚に傷を──血の痕から追えます!」
    神馳・克樹:「先に行く!」既に、飛び込んでいた。
    鑑屋 冬至:「ちょ……!」
    鑑屋 冬至:※マンホール蓋の安全を確認していたら出遅れた
    眞守 雪斗:雨宮に目をやる。「……追うか? 恐らく、当初の予定とは異なる」
    雨宮 さざめ:「全く当初の予定とは異なりますが──飛び込んだ彼が言っていましたでしょう」
    雨宮 さざめ:「〝人の身体使っといて〟と」
    眞守 雪斗:「……符号するな」
    眞守 雪斗:確認し。即座にマンホールに歩み寄る。
    鑑屋 冬至:「えーっと……すみません、二人とも。」
    雨宮 さざめ:「……あら?」くるり、と振り向く。針を二本、口の中に放り込みながら。
    眞守 雪斗:「……関係者ではないのか。なら、無理に付いてくることもない」 女連れでもあるようだし、と。
    鑑屋 冬至:「ドタバタしてたんですがさっきの子を追ってたUGNの方って事で、良いですかね?」
    雨宮 さざめ:「……ああ、いえ。あの標的を追っていたという訳ではありませんが──」眞守の方へ視線を向ける。
    眞守 雪斗:「“葬列(コルテージ)”眞守雪斗だ」「UGNで間違いはない」
    鑑屋 冬至:「アッどうも、鑑屋冬至と言います……」
    鑑屋 冬至:「ソルスティスってコードで登録されてるはずです。」
    眞守 雪斗:雨宮を見遣る。様子からして、イリーガルだろう。──どうする? と。
    鑑屋 冬至:「そうですね。できれば……僕もついていかせて欲しくて」
    雨宮 さざめ:こくん、と頷き、
    雨宮 さざめ:「ええ。まずは行動。一息ついてから、物事は考えましょう」
    眞守 雪斗:「そうか、なら──」「詳しい話は後だ」
    眞守 雪斗:言って。マンホールの中の暗闇に融けるように、入っていく。
    鑑屋 冬至:「……はい。」
    雨宮 さざめ:「……と、申し遅れました。遊撃部隊〝重ね胴〟所属、雨宮 さざめにございます」
    雨宮 さざめ:と名乗るや、こちらもマンホールへと降りて行き、
    戌亥 李菜:「……………………」
    戌亥 李菜:「…………あ」
    鑑屋 冬至:「よろしくお願いします……」そういいながらそっとマンホール倍部の梯子に足をかけ。
    鑑屋 冬至:「アッ。」
    戌亥 李菜:「……あの、鑑屋、さん」
    戌亥 李菜:「こっ、これは──一体、何が、何が起こってるんでしょう……?」
    鑑屋 冬至:「……うん。そうだね……」
    鑑屋 冬至:色々と、頭を巡らせて。
    鑑屋 冬至:「とりあえず……今から僕が向かう所は、下手すると5回くらい死ぬような目に遭うと思う。」
    戌亥 李菜:「ご……」
    戌亥 李菜:「……………………」
    戌亥 李菜:「……それは、少しだけ……怖い、ですね」
    鑑屋 冬至:「できれば……君を家まで送りたかったけど。」
    鑑屋 冬至:「まあ大丈夫。明日の3限までには顔を出すさ。」
    戌亥 李菜:「……あ、あの」
    戌亥 李菜:「私はまだ、本を読み始めたばかりで……婉曲な言い回しは……慣れていない部分も多いのですが……」
    鑑屋 冬至:「億が一僕が来てなかったら……」
    鑑屋 冬至:「?」ぱくりと口を閉じる。
    戌亥 李菜:「……ああ。やっぱり、そういうことですか……いえ」
    戌亥 李菜:ぐいっ
    戌亥 李菜:戌亥はあなたを押しのけるように、マンホールのはしごに足を掛けた。
    鑑屋 冬至:「ちょ」
    鑑屋 冬至:慌てて押し留めようとする。
    戌亥 李菜:「……家まで送ってもらったとしても……ひとり暮らしですし」
    戌亥 李菜:「こういう時……元不良の経験則としては……」
    戌亥 李菜:「強そうなひとの影に隠れるのが……一番安全だと思っていまして……」
    鑑屋 冬至:「あー……」
    戌亥 李菜:押し留められながら、割とぐいぐいと押し返しつつ
    戌亥 李菜:「……駄目でしょうか……」
    鑑屋 冬至:「もしかしなくても付いてくる感じ?」
    戌亥 李菜:「……そのつもりでおります」
    鑑屋 冬至:「……OK。」
    鑑屋 冬至:「とりあえず、道中で本当に気を付けないとヤバい事だけ教えるから──」
    鑑屋 冬至:パッと梯子から体を離し、緩やかに下水道へ降りていく。
    戌亥 李菜:「……はい」
    戌亥 李菜:「少し遅い……八講目ですね……」

    GM:ロイス&調達が可能!
    鑑屋 冬至:(俺がどこまでやれるかはわからないけど。)
    鑑屋 冬至:「君を絶対に護る。」
    眞守 雪斗:ロイスは保留 購入はボデマを
    眞守 雪斗:(2+0)dx+2>=12
    DoubleCross : (2R10+2[10]>=12) → 6[3,6]+2 → 8 → 失敗

    眞守 雪斗:失敗で以上。
    鑑屋 冬至:ロイスはもうちょい保留!ボデマ買うぜ!
    神馳・克樹:鑑屋  ◎連帯感/無関心。ボディアーマーだな
    鑑屋 冬至:2dx+>=12
    DoubleCross : (2R10+[10]>=12) → 10[2,10]+7[7] → 17 → 成功

    神馳・克樹:1DX+4>=12
    DoubleCross : (1R10+4[10]>=12) → 3[3]+4 → 7 → 失敗

    鑑屋 冬至:ウワッめっちゃ買えた。装備しておわり!
    神馳・克樹:財産点は……まだ残しとくか。失敗。
    GM:OK!

    シーン3


    GM:続いて全員登場!
    眞守 雪斗:シーンイン:眞守 雪斗の侵蝕率:+2(1d10->2) ((侵蝕率:61->63))
    神馳・克樹:神馳・克樹シーンイン(侵蝕率:38->46)
    鑑屋 冬至:鑑屋 冬至の侵蝕を5増加しました(侵蝕率:54->59)
    鑑屋 冬至:ギリギリ届かない……!
    GM:少しは差が埋まった

    GM:──地下数m。上下水道配管整備用の連絡通路。
    GM:神馳 克樹。あなたは暗闇の中を、スマートフォンか懐中電灯か、なんらかの光源を用いて、血痕を辿り涼風 こころを追跡している。
    GM:……涼風 こころのような〝何か〟を追跡している。
    神馳・克樹:獣の特性として、多少の鼻は効く。効くのだが、この悪臭の中では発揮し辛い。
    神馳・克樹:結果として、眼で点々と残る血の跡を追う事になり、急ぐ足音を構内に反響させている。
    神馳・克樹:「……畜生、油断したな」
    神馳・克樹:本来の少女の能力を知っていたが故に、対応が遅れた。
    神馳・克樹:知る限りは、こころ本人の力として持つのは超人的な反応と技量のみだった。
    神馳・克樹:あの場から逃げおおせる事は彼女本来の膂力では出来まいと、高をくくった結果がこれだ。
    神馳・克樹:と、背後から一組、更に後方からもう一組の足音が聞こえる。
    神馳・克樹:「こっちだ!」と声を掛けながら進む。耳聡い奴がいたはずだ、すぐに追いつくだろう。
    眞守 雪斗:「──ああ」 男と、程なく和装の女が姿を見せる。
    眞守 雪斗:「追うには難しい状況だな」 先行した青年に声をかける。
    眞守 雪斗:《地獄耳》は、領域内の事象を把握するには有効だ。だが、入り組んだこの空間では正確な位置を探り当てるには困難を極める。
    眞守 雪斗:「──すり抜けられたがな」手を握り。 「まだ名乗っていなかったな。エージェント、“葬列”。眞守雪斗だ」
    雨宮 さざめ:「ふぅ、追いついた。……先ほどはどうも、あまりお役に立てませんで」軽く頭を下げる。
    神馳・克樹:「此処じゃ反響しまくって分かんねぇだろうな。いや、さっきは助かったぜ」
    神馳・克樹:「応報者"リヴェンジャー"、神馳・克樹だ。第九でチルドレンやってる」
    鑑屋 冬至:イージーエフェクト〈熱感知知覚〉
    鑑屋 冬至:──使用中。
    鑑屋 冬至:「──戌亥さん!あっちの方にいるみたい!」
    鑑屋 冬至:サーモグラフィ—めいた視界で『人型の熱源』を追いかけ、青年達も走ってくる。
    戌亥 李菜:「あ、あちら……とは言え……見通しが悪く……」
    戌亥 李菜:と言いながら、案外にしっかりした足取りで走ってくる。
    鑑屋 冬至:「だよねぇ……!」
    鑑屋 冬至:背負われたリュックサックからは、微妙に仕舞い切れなかった折り畳み自転車がはみ出ている。
    鑑屋 冬至:「──すいませ−ん!待って下さ−い!」
    鑑屋 冬至:微妙にはみ出たベルを空鳴らしつつようやく合流!
    眞守 雪斗:「……これで全員だな」
    眞守 雪斗:すぐに捜索を再開しても、この状況では確保は難しいだろう。
    鑑屋 冬至:「ゼ—……ハー……か、鑑屋冬至です……」
    鑑屋 冬至:「コードは“ソルスティス”。一応第九支部の方でイリーガル登録してます……」
    神馳・克樹:「それ担いで来たのか……?」何故自転車を下水に。
    眞守 雪斗:(……まあ、大事なものなら仕方ないのか……?)
    雨宮 さざめ:(なぜ折りたたみ自転車を……?)
    戌亥 李菜:(愛着のあるものなのでしょうか……)
    鑑屋 冬至:「す、すみません……盗まれたら大分嫌だったので……」
    眞守 雪斗:「──一度情報を整理した方が良さそうだな」
    眞守 雪斗:「特に、神馳。関係者のような口ぶりだったが」
    神馳・克樹:「アンタらも『いんりいくぉ』を追って……だよな。一度派手にやった事があんのさ」
    神馳・克樹:「あの嬢ちゃんはそん時からの付き合いだ。元々、あっち側で”しゃあれ”だかって呼ばれてたエージェントでよ」
    眞守 雪斗:(“インリークォ”──報告書には目を通したことがある)
    鑑屋 冬至:(しゃあれ……“シャーレ”か?)
    神馳・克樹:「そん時に嬢ちゃんに巣食ってた悪いモンは……潰した筈だったんだがなぁ」がりがりと頭を掻く。
    神馳・克樹:「数日前から姿を消して、見つけたのがさっきってトコだ。後は知っての通りだよ」
    雨宮 さざめ:「あなたを知らぬようなそぶりをして、襲いかかって来たと」
    雨宮 さざめ:「……いえ、違いますか。逃げていったのですねあれは」
    鑑屋 冬至:「やっぱりあの子、何者かに憑りつかれてた感じなんですかね?」
    眞守 雪斗:「やっぱり?」 何かを知っている空気を捉える。
    鑑屋 冬至:「アッすみません、インリークォではないんですけど、以前そういう相手に出くわした事があって。」
    鑑屋 冬至:「本体が別にいて他の人に憑りついてうねうね悪さしてたー、みたいな奴です。」
    鑑屋 冬至:説明下手!
    鑑屋 冬至:「その時はちゃんと他の人が倒してましたし、流石に別の案件ではありそうですね……」
    神馳・克樹:「さてな。あまりに嬢ちゃん見たままだったし、前のことがあったから”憑かれた”と思ってたが…」
    神馳・克樹:「よく考えりゃ、似姿なんざ用意する手段は幾らでもある。本人かどうかは、まだ分からねぇな」
    神馳・克樹:「少なくとも、俺の知る嬢ちゃんはあんな人間初心者みたいな発言しねぇよ」
    眞守 雪斗:「本人の身体を使っているかは不明だが、本人の人格ではない。それは確かなようだな」
    雨宮 さざめ:「……人格の乗っ取りとは、考えるだに悍ましい話です」嫌悪感をあらわにする
    雨宮 さざめ:「して、問題は──」
    雨宮 さざめ:神馳が追っていた血痕の方に視線を向け、ライトで照らし、
    雨宮 さざめ:「乗っ取られたという当人を、どう対処するのか」
    鑑屋 冬至:「…………」口に出すには、迷いがある。
    鑑屋 冬至:『手遅れだったらどうする?』なんて。聞けるものかよ
    雨宮 さざめ:「眞守さん。くしくも私達の任と共通する点がございませんか?」
    眞守 雪斗:「ああ。“狩り”という点では共通だ」
    眞守 雪斗:──対象の名を口にするべきではない、と判断する。
    眞守 雪斗:同じ支部所属の者が『共通する』状態だと知れば、動揺は避けられないだろう。
    眞守 雪斗:「物理的な拘束、確保。然るべき場所に移送し、対処する」
    眞守 雪斗:「──この中に『対処』できるものがいなければ、そうするしかないだろうな」
    神馳・克樹:「引っぱたいて連れ帰る」
    神馳・克樹:「前もそうしたんだ。今回だってそうするさ」
    眞守 雪斗:「そうか。なら前と同じようにやってやればいい」
    鑑屋 冬至:「ええ」(少なくとも。)
    鑑屋 冬至:「あの子をいいようにして置く事だけは、駄目だ。」
    戌亥 李菜:「…………」
    戌亥 李菜:「……私には、初めて知った世界のことで……何も分からないのですが……」
    戌亥 李菜:「みなさん……真っ直ぐなのですね……」
    眞守 雪斗:(連れてきたんだな、と少女を見遣る)
    眞守 雪斗:「仕事だからな」
    神馳・克樹:「あ?UGNじゃねぇのか、嬢ちゃん」
    鑑屋 冬至:「すいません……一応危険とかは話したんですが……」
    神馳・克樹:ワーディングを受けて立っていたのなら、こちら側ではあるのだろう。
    戌亥 李菜:「はい……UGNという存在は……今日、初めて知りました……」
    戌亥 李菜:「……私達の世界が……知らないうちに、知らない誰かに守られていた、と……」
    鑑屋 冬至:「このまま帰したところを狙われるのも嫌だなー、って結論が出まして。」
    鑑屋 冬至:「結構駆け足で説明したので、後ほどUGNの方でも確認をお願いできれば……」
    雨宮 さざめ:「……戦えるのですか、その方は」
    戌亥 李菜:「多少なら……はい」
    戌亥 李菜:「……そういう訳でして……邪魔にならないよう致しますので……」
    戌亥 李菜:頭を下げる。
    眞守 雪斗:「──鑑屋。しっかり見てやれ」「手続きは後で俺がやっておく」
    鑑屋 冬至:「……ありがとうございます。」
    鑑屋 冬至:「連れてきた以上責任もって護るので、任務の方に支障をかけないよう頑張りますね」
    戌亥 李菜:「……目は、それなりに良いので」
    戌亥 李菜:「血痕を追うということであれば……できる限り……お力添えを……」
    神馳・克樹:「ま、こんだけ居りゃ寧ろ近くにいた方がよっぽど安全かね」
    神馳・克樹:「……相手が嬢ちゃんを操ってるなら、逃げた先に一人たぁ思えねぇ。何が来てもしっかり守ってやんな」
    鑑屋 冬至:「……はい!」
    眞守 雪斗:じ、と観察するように女を見る。
    戌亥 李菜:観察して、分かることがあるとするならば。
    戌亥 李菜:立ち方が、真っ直ぐだ。
    戌亥 李菜:眞守 雪斗。あなたの隣に立つ彼女の姿にも似ているだろう。
    戌亥 李菜:背筋を真っ直ぐに伸ばし、肩を上下動させずに足を運ぶ。
    戌亥 李菜:西洋風の格闘技術ではなく、いわゆる〝武道〟の動きに近い立ち振る舞いだ。
    眞守 雪斗:(鑑屋の知己。言動にも不自然な点はない──この街で、よくここまで『野良』をやれてたとは感心するが、)
    眞守 雪斗:(この立ち振舞。──場数はこなしているようだ)
    眞守 雪斗:(俺の視線に怯える様子もない──なら、任せてしまっても問題はないだろう)
    眞守 雪斗:「……ああ。気付いたことがあれば、言ってくれ」「今は少しでも、情報がほしい」
    雨宮 さざめ:──そう、他の面々に伝えたあなたの斜め後ろに、すすす、と近づいた雨宮が、
    雨宮 さざめ:「お眼鏡に叶いましたか?」
    雨宮 さざめ:「……と拗ねてみせると、かわいげというものが出るのでしょうか」
    雨宮 さざめ:普段通りの微笑で言った。
    眞守 雪斗:「────そう、かもな」 珍しく、言葉を途切れさせ。
    眞守 雪斗:深く、一つ。息を吐いた。

    GM:──血痕を辿っての追跡。
    GM:案外に追いつくのは容易だった。
    GM:あれから数分。連絡通路の行き止まりの場所で、
    涼風 こころ:「……五人。群れの規模としては小さいが……厄介だな」
    涼風 こころ:皮膚から突き出た骨を、強引に肉の内側に押し込みながら、涼風こころが座っていた。
    眞守 雪斗:神馳の表情を見る。やはり、平常通りの行動ではないのだろう。
    神馳・克樹:「ただの5人じゃねぇぞ。お前らみてぇな人外の天敵だ」
    鑑屋 冬至:探査に使っていた〈熱感知知覚〉を解除し、再度指を構える。
    神馳・克樹:機械のように無感情な顔で喋る同居人を見据える。
    神馳・克樹:「何が狙いだ。とっとと嬢ちゃんを解放しな」
    涼風 こころ:「……狙い、か」
    涼風 こころ:「敢えて狙いを応えるとしたら、そうだな」
    涼風 こころ:「どういう言葉選びが正しいだろうな──」
    涼風 こころ:「──ああ、そうだ」
    涼風 こころ:「〝狩り〟」
    GM:ぴしっ
    GM:──予兆は音と、微細な罅割れ。
    GM:唐突だが!
    GM:全員知覚判定! 難易度は9!
    眞守 雪斗:(2+1)dx>=9
    DoubleCross : (3R10[10]>=9) → 5[3,5,5] → 5 → 失敗

    鑑屋 冬至:なっばっ(感覚1)
    眞守 雪斗:くおー
    鑑屋 冬至:1dx>=9
    DoubleCross : (1R10[10]>=9) → 7[7] → 7 → 失敗

    鑑屋 冬至:だめ!
    神馳・克樹:自慢じゃないが肉体以外の能力値は1だ
    神馳・克樹:1DX
    DoubleCross : (1R10[10]) → 10[10]+3[3] → 13

    GM:つよい
    眞守 雪斗:獣パワーだこれ
    鑑屋 冬至:執念……
    GM:ならば神馳くん、あなたが真っ先に気付く。野生の勘とでも言うのだろうか。
    GM:狩り。
    GM:……敵は作戦を変えたのだ。
    GM:目の前にて動かぬ獲物は即ち、囮。
    GM:本命は──下だ!
    神馳・克樹:「ッ跳べ!」
    GM:その言葉に一瞬遅れて
    眞守 雪斗:「────!」 神馳の声に反応し、跳躍!
    GM:あなた達の足下の地面が砕け散る!
    神馳・克樹:周囲の味方に叫び、自身はこころの身体を庇おうと前に跳躍する。
    雨宮 さざめ:「な──!?」辛くも警告の声に反応が間に合い、跳躍して回避した。
    GM:ほう
    鑑屋 冬至:「!?」
    GM:よろしい、では
    涼風 こころ:「……?」
    鑑屋 冬至:辛うじて声に反応し、後ろへ飛び退る!
    涼風 こころ:〝それ〟には、神馳の行動理由が推測できたが、なぜこの局面で行ったかを理解する情緒は持たなかった。
    涼風 こころ:無抵抗で庇われる。その間、手足は動かなかった。
    涼風 こころ:だが。
    涼風 こころ(?):《鮮赤の牙》
    涼風 こころ(?):対象、神馳 克樹。意志による対決を行わせてもらう。
    涼風 こころ(?):10dx
    DoubleCross : (10R10[10]) → 10[3,4,4,6,6,8,9,9,10,10]+10[2,10]+6[6] → 26

    涼風 こころ(?):ふむ
    涼風 こころ(?):目標値は26だ
    涼風 こころ(?):この対決に敗北した場合、あなたは
    涼風 こころ(?):《鮮赤の牙》の使用者の命令に逆らうことが出来なくなる。
    涼風 こころ(?):解除条件は、エフェクトを使用したエネミーが死亡するか、GMが設定した条件を達成した場合だ。
    涼風 こころ(?):……では、そうだな。こういう条件はどうだろうか。
    涼風 こころ(?):〝任意のPCを攻撃しリザレクトを使用させた場合〟だ。
    神馳・克樹:OK。まずは対決の達成値を出すぜ。
    涼風 こころ(?):なに、オーヴァードだ。一回や二回仲間を殺したところで平気だとも。
    涼風 こころ(?):さあ、挑め!
    神馳・克樹:1DX
    DoubleCross : (1R10[10]) → 3[3] → 3

    涼風 こころ(?):よろしい、では
    涼風 こころ:「克樹、くん……?」
    涼風 こころ:あなたの耳元に、か弱い声が届く。
    涼風 こころ:疲弊しきった声だ。……例えるなら、不眠不休で何日も働かされた後のような。
    神馳・克樹:「ッ」
    神馳・克樹:刹那、今度こそ取り付く本体の巣食う場所を見定めようとしていた刃先が鈍る。
    涼風 こころ:その声の直後。
    GM:がさっ
    GM:がさがさがさっ
    GM:あなたの耳元で音が鳴るだろう、あなたの耳を音が這い上がるだろう
    GM:がさがさがさがさがさ
    GM:身体の内側に通じる穴を虫が這い上がるあの悍ましい音を知っているだろうか全くあれは人の理性を壊してくれる
    GM:不愉快極まりない反射的に引きずり出そうにも人の指は自分の耳の奥まで届かない鬱陶しい悍ましいがさがさがさと音が鳴っている
    GM:音が鳴っている
    GM:音が鳴っていた
    GM:神馳・克樹。
    GM:戦闘態勢を取れ。
    神馳・克樹:「    」
    神馳・克樹:何かに突き動かされる。剣を取れと何かが囁く。
    神馳・克樹:何が?
    GM:何と問うならば答えよう。それはお前達の上位存在だ。
    GM:お前達人間が、犬や猫を飼い慣らすように。牛や馬を飼い慣らすように。
    GM:お前達人間を飼い慣らす為に生まれたものがある。
    GM:それが、お前に命令をしているのだ。
    GM:武器を構えろ。
    GM:涼風 こころと、〝敵〟との間に立ち塞がれ、と。
    GM:……そして。
    神馳・克樹:否定の意志を叫ぶ声は、無機質な意志を束ねた本流に容易く押しつぶされる。
    神馳・克樹:「…………」
    神馳・克樹:ゆらり。
    鑑屋 冬至:「神馳さんッ──」
    神馳・克樹:少女に背を向け、君達に刃を向ける。
    鑑屋 冬至:声をかけようとして。振り向いた彼の眼を見る。
    涼風 こころ:「あ、あ……そん、そんな、なんで……!?」
    眞守 雪斗:「鑑屋ッ!」 神馳の動きを見、警戒の声を上げる。
    涼風 こころ:「克樹くんっ……!」
    神馳・克樹(?):「ふう」
    神馳・克樹(?):「これは中々、いい〝乗機〟だ」
    GM:神馳の口が、彼の意志と無関係に声を発する。
    鑑屋 冬至:声を出さず。手で応える。
    鑑屋 冬至:最初に指を丸く合わせる。──“理解できてる”
    眞守 雪斗:雨宮に視線を遣る。無事の確認ではない。生きていることは前提────次の行動に移るための、視線のやり取りだ。
    神馳・克樹(?):「女王!」
    神馳・克樹(?):「ホド・ネツァク!」
    神馳・克樹(?):「獲物が此処に──お出ましを!」
    神馳・克樹(?):彼の意志と無関係に、その口は叫んだ。
    鑑屋 冬至:そして、表にした手のひらを人差し指だけ延ばし、2,3回曲げる。
    鑑屋 冬至:──“かかって来い”
    GM:……応じるように一対の翼が、先ほど砕け散ったコンクリートの合間から、暗闇の通路の中に舞い上がった。
    鏑木 鵲:「ご苦労様です。……ひい、ふう、みい、よお」
    鏑木 鵲:「全部オーヴァードですか? 雄雌のバランスもいい、よくやりましたね」
    鏑木 鵲:背から一対の翼を生やした女だった。
    神馳・克樹(?):「はっ」
    鑑屋 冬至:「『そういう』相手みたいですね。今回の奴は」
    眞守 雪斗:「──『そういう』こと、らしいな」
    雨宮 さざめ:「………眞守さん、あれは」
    眞守 雪斗:雨宮に向けて、頷く。──写真の女に相違ないだろう。
    鑑屋 冬至:「これで全員……そんな訳はない。」
    鑑屋 冬至:「テメーらは」「何人それを繰り返して来た?」
    鏑木 鵲:「私だけを言うならば、メインに一人、休憩時の乗り換え用に二人。三人だけです」
    鏑木 鵲:「そちらの子は戦闘員ですから、その時に空いている馬を」
    鏑木 鵲:「累計は……数えていますか?」
    神馳・克樹(?):「六体目です」
    鏑木 鵲:「ですって」
    鑑屋 冬至:「なるほどね。」
    眞守 雪斗:(“隙”があれば、容赦なし、か)
    眞守 雪斗:(さて──叩き出せるか)
    鏑木 鵲:「ええ。私達、人間は大切に思っているのです」
    鏑木 鵲:「ちゃんと個体数も記録して。特性にあったトレーニングメニューを課し、体質に合う餌を与えて」
    鏑木 鵲:「あなた達の言葉を借りるなら〝人道的〟に、少しだけ人間を分けてもらって生きていければそれで良いのですが……」
    鏑木 鵲:「それはそれとして」
    鏑木 鵲:「ここまで追われたからには、あなた達を逃がすことはできません」
    鏑木 鵲:「……巣に帰って仲間を呼ばれたら困りますもんね?」
    GM:──ばさっ。
    GM:ばさっ。ばさっ。ばさっ。
    GM:〝女王〟の羽ばたきに比べれば小さな音が、立て続けに幾つか鳴った。
    GM:それは、UGNチルドレン鏑木 鵲の容姿に似てはいたが、
    GM:体格が明らかに二回りも小さい、幼い子供のように見えた。
    GM:同じ顔をした子供が幾人も、幾人も。翼を備えて、あなた達を取り囲む。
    雨宮 さざめ:「……待ち伏せという訳ですか……!」
    鑑屋 冬至:明らかにヤバい相手だ。戌亥さんを連れて来るべきではなかったかもしれない。
    鑑屋 冬至:だからこそ。腹をくくらねばならないだろう。
    眞守 雪斗:(数が多い──)
    雨宮 さざめ:背後に回り込んだ個体を牽制するように、あなた達と背中合わせに立つ。
    戌亥 李菜:「多い、ですね……小さな子供のように見えます……」
    戌亥 李菜:「……あまり乱暴なことをするのが、気が進まなくなります……」
    戌亥 李菜:雨宮と同じように、あなた達の背後へ回った敵へ向けて身構える。
    眞守 雪斗:「──後ろは任せた」 二人に。
    雨宮 さざめ:「無論」
    戌亥 李菜:「……頑張ります」
    鑑屋 冬至:こくりと頷き。
    鑑屋 冬至:「……ホド・ネツァクとか言ったか。」
    鏑木 鵲:「はい。人間に与えられた名前ですが、私は気に入っています。響きがなんとなくいいですよね」
    鑑屋 冬至:「……だったら。テメーも選ぶといい」
    鑑屋 冬至:「生きることを諦め、命を差し出すか。最初で最後の女王として、その爪を突き立てるか」
    鏑木 鵲:「乱暴ですね……」溜息をひとつ
    鑑屋 冬至:「俺たちを逃がさないんじゃあない」「テメーが、もう逃げられないんだ」
    鏑木 鵲:「改めて言いますけど。私達は人間が大好きですし、あなた達を滅ぼすつもりもありません」
    鏑木 鵲:「あなた達が牛や豚を愛するように、私達もあなた達を愛します」
    鏑木 鵲:「ですから」
    GM:〝女王〟の翼が打ち鳴らされた。それが合図。
    GM:あなた達の周囲を取り囲んだ〝兵士〟達は、一斉に距離を詰めて躍りかかる──!
    鑑屋 冬至:「ま……そうなるよな。」
    鏑木 鵲:「共存しましょう、親愛なる隣人のみなさん」
    鏑木 鵲:「私達は、あなた達の生存を許してあげます!」
    鑑屋 冬至:「お言葉に甘えてうっかり絶滅させてやるよ──人間らしくなァ!」
    眞守 雪斗:「────そうか」「まずは同じ地面に立ってから、物を言え」
    エンゲージ
    鏑木 鵠[3] 幼少兵士1[3] 幼少兵士2[3] 幼少兵士3[3] 幼少兵士4[3] 幼少兵士5[3] 幼少兵士6[3]

    5m

    神馳 克樹[3]

    5m

    鑑屋 冬至[6] 眞守雪斗[14]

    GM:では──エンゲージは上の通りだ。
    GM:セットアップ!
    眞守 雪斗:はい!
    眞守 雪斗:▼セットアップ 《原初の黄:ソードマスター》 侵蝕[+3]
    眞守 雪斗:対象:単体 射程:至近 武器1つを選択。ラウンド間、選択した武器による攻撃の達成値を[+9]
    眞守 雪斗:対象:眞守雪斗。指定は「ナックルダスター」一つ。 以上です
    鏑木 鵲:エネミー共は何も無い!
    眞守 雪斗:眞守 雪斗の侵蝕率:+3 ((侵蝕率:63->66))
    神馳・克樹(?):そして神馳くんも何もないよ!
    鑑屋 冬至:〈赤方遷移世界〉
    鑑屋 冬至:……使おうと思ったけど行動順的に必要ないなこれ!やっぱなし!
    GM:そう
    GM:奴らは……遅い……!
    GM:では
    GM:行動値14! 手番は眞守 雪斗!
    GM:はええな
    眞守 雪斗:射撃型くらい疾いぜ
    眞守 雪斗:マイナーはなし。
    眞守 雪斗:▼メジャー“「一緒に死のうか」” 《原初の赤:サイレンの魔女》《ダンシングシミター》 侵蝕[+9]
    鑑屋 冬至:破壊者補正が強すぎる
    眞守 雪斗:対象:シーン(選択) 射程:視界 装甲無視
    眞守 雪斗:対象は神馳目覚ませ!と言いたいところだが、冷静になって一番向こうのエンゲージ全員です
    GM:ほう
    GM:それで良いのか
    GM:では判定どうぞ!
    眞守 雪斗:えっなに意味深こわい
    眞守 雪斗:判定いきます……
    眞守 雪斗:(5+1)dx+4+9
    DoubleCross : (6R10+4+9[10]) → 8[3,4,4,7,7,8]+13 → 21

    眞守 雪斗:バフないとなあ……
    GM:では
    幼少兵士:兵士1番が2番を、3番が4番を、5番が6番をそれぞれ《軍神の守り》!
    眞守 雪斗:そういうことするー!
    鏑木 鵲:《アクロバット》+《リフレックス:ハヌマーン》 でドッジ
    鑑屋 冬至:ゲーッ!!!
    鏑木 鵲:15dx7+4
    DoubleCross : (15R10+4[7]) → 10[1,1,1,3,5,6,6,6,6,7,8,8,10,10,10]+10[3,4,4,5,10,10]+10[7,9]+10[6,7]+10[8]+10[8]+10[10]+10[7]+2[2]+4 → 86

    眞守 雪斗:?????????????????
    鏑木 鵲:避けました
    眞守 雪斗:周り過ぎでは??????
    GM:ということでダメージをどうぞだ!
    神馳・克樹(?):流石は女王。
    GM:あっ本家神馳くんがGMに合わせて来たわ
    鑑屋 冬至:死ぬほど避けてる……怖……
    眞守 雪斗:わ、わかった……
    眞守 雪斗:3D10
    DoubleCross : (3D10) → 24[10,4,10] → 24

    眞守 雪斗:ミス、これに固定値足します
    眞守 雪斗:24+24+1D10
    DoubleCross : (24+24+1D10) → 24+24+9[9] → 57

    鑑屋 冬至:ダメージもヤベえ!
    GM:つええ……
    眞守 雪斗:なんかD10に愛されてるぞ、装甲無視!
    GM:当然のように……1、3、5番が消し飛ぶ! 地味にHP高かったんだけどね!
    GM:ということで演出あればどうぞだぜ
    眞守 雪斗:では、眞守の能力をさらっと……
    眞守 雪斗:UGNにおいて。覚醒したばかりのオーヴァード達は、まずレネゲイドを抑えるトレーニングを行う。
    眞守 雪斗:様々な手法がある中で、眞守が選んだのは 『言葉を鍵とする』 ことだった。
    眞守 雪斗:眞守の能力の原点。一家無理心中での死。その記憶を可能な限り封じ込めることで、日常生活での暴走を抑え、
    眞守 雪斗:一方で、その記憶を、トラウマを引き出すことで、レネゲイドを瞬時に励起させる。
    眞守 雪斗:──それは、眞守が“人間”として最期に聞いた言葉。
    眞守 雪斗:──それは、忌まわしく、決して忘れがたい言葉。
    眞守 雪斗:──それは、地獄の蓋を開けるために、自ら用意した鍵。
    眞守 雪斗:背後の影が、男が、口を開く。眞守の口の動きとシンクロするように、
    眞守 雪斗:「『一緒に、死のうか』」
    眞守 雪斗:呪詛が、空気を震わせる。
    眞守 雪斗:呼応するように、背後の影が色濃く落ち────死者は形を取り、“嵐”となって、“人ならざるもの”達を蹂躙する。
    GM:怨念が形を成した暴風は、同じ顔をした兵士の群れへと殺到する!
    GM:だが……命令を待つまでも無い。兵士の半数が、残り半数の前へ立ち塞がり盾となる!
    GM:肉体を斬り刻まれる、子供のような姿の兵士。そして、
    鏑木 鵲:「やはりこの身体は目が良い──なんで伊達眼鏡なんて掛けてたんだか!」
    鏑木 鵲:最も大きな一対の翼は、嵐の中を〝飛んだ〟。
    鏑木 鵲:使者の群れの手を俊敏に掻い潜り衣服の端にすら触れさせずの直角軌道飛行!
    眞守 雪斗:「────ち」 小さく舌打ち。出力のみで『墜とす』には、疾過ぎる。
    鑑屋 冬至:指を構えつつ。『ピント』の視界を重ねている。
    眞守 雪斗:「狩りきれなかった」「残りを」
    眞守 雪斗:短く告げる。──お前の番だ、と。
    鑑屋 冬至:「……やってみます!」
    GM:では
    GM:手番、行動値6、鑑屋くん!
    鑑屋 冬至:行くぜ!
    鑑屋 冬至:マイナーはなしでメジャー!
    鑑屋 冬至:コンセ3+氷の塔5!/コンボ:氷像クリエイト:スケール1/1
    鑑屋 冬至:範囲しか狙えないので対象は引き続き鏑木さんのエンゲージ全員だ!
    鑑屋 冬至:7dx7+6 こんな感じ!
    DoubleCross : (7R10+6[7]) → 10[1,1,3,9,9,9,10]+10[6,6,7,10]+10[5,10]+6[6]+6 → 42

    鑑屋 冬至:結構回った!
    GM:よろしい、では
    GM:兵士2番が4番に《軍神の守り》で4番はガード。6番は素ドッジ!
    GM:8dx+4>=42
    DoubleCross : (8R10+4[10]>=42) → 10[1,2,3,4,4,5,9,10]+5[5]+4 → 19 → 失敗

    鏑木 鵲:《アクロバット》+《リフレックス:ハヌマーン》
    鏑木 鵲:15dx7+4
    DoubleCross : (15R10+4[7]) → 10[1,3,4,4,4,4,4,5,5,5,6,6,7,7,7]+10[9,10,10]+10[1,7,7]+10[1,7]+1[1]+4 → 45

    眞守 雪斗:惜しい!
    GM:っぶねえ!
    GM:ダメージどうぞ!
    鑑屋 冬至:や……野郎!
    鑑屋 冬至:5d10+15 装甲ガードは有効だぜ!
    DoubleCross : (5D10+15) → 21[1,1,8,9,2]+15 → 36

    鑑屋 冬至:ウワッ低い
    GM:低くても……35越えてんだよなぁ……!
    GM:2番6番は消し飛ぶ、残りエネミーは二体!
    GM:演出どうぞ!
    鑑屋 冬至:固定値の有難みですね、ええ。
    鑑屋 冬至:──ぼやけた視界に、『ピント』を合わせる。
    鑑屋 冬至:(やっぱり速い。確実に殺すなら炎で攻めるべきか。)
    鑑屋 冬至:……でも。多分それじゃあだめだ。
    鑑屋 冬至:目の前で人でなしに笑う鷹の人にも、ホドでない時間があった筈なんだ。
    鑑屋 冬至:ちり、ちり。
    鑑屋 冬至:俺の中で『何か』が燃えている。
    鑑屋 冬至:(イメージは……)
    鑑屋 冬至:(ダイアモンドダストッ!)
    鑑屋 冬至:怖気立たせる怨念の暴風が──直接的にも『冷えて』いく。
    鑑屋 冬至:風切る羽をも凍てつかせ、零下の風が舞う鳥たちを氷像へと変える!
    鑑屋 冬至:侵蝕65へ!
    GM:ぴしっ
    GM:ぱきぃっ
    GM:氷結し砕け散る羽。空を飛ぶことしか知らない子供ような兵士が、足の使い方を分からず、コンクリートの上に落ちて藻掻いている。
    GM:その中にただ一羽、悠々と舞う鷹だけが、あからさまに不機嫌な顔をした。
    鏑木 鵲:「む……うちの子達をあんまり虐めないでくださいよ」
    鏑木 鵲:氷の暴風の、風と風の隙間を縫うように羽ばたき、或いは風と平行に飛び、
    鏑木 鵲:狭い地下空間の中、目にも止まらぬ速度で移動を繰り返しながら、人の声と口調で話す
    鑑屋 冬至:「……悪いけど。」
    鑑屋 冬至:「大事な子供ならそもそも連れて来るなって話だよ」
    鏑木 鵲:「まぁ、酷い」
    鏑木 鵲:「実戦を耐え得る身体に鍛えるには、やはり実戦が一番なんですよ」
    鏑木 鵲:「……とは言っても。あんまり酷くやられるのも可哀想ですから」
    神馳・克樹(?):「女王、私が」
    鏑木 鵲:「ええ」
    鏑木 鵲:「その乗機の性能を見せてください」
    GM:という訳で、手番
    鑑屋 冬至:(ジョウキ。……乗騎か?)
    GM:手番、行動値3、PC優先の法則で神馳くんだ
    鑑屋 冬至:(向こうが乗る『生物』と見ているならば……まだできることがあるかもしれない。)
    GM:では、そうだな……
    GM:マイナーは戦闘移動で他のPC二人がいるエンゲージに合流してもらい、
    GM:メジャーアクションは《踊る髪》と《コンセントレイト:エグザイル》を用いた白兵攻撃で眞守さんを攻撃していただこう。
    神馳・克樹(?):女王の仰せのままに!
    眞守 雪斗:こっちか……!
    鑑屋 冬至:ウヌーッ
    眞守 雪斗:(──乗機。乗っ取り。能力の一部なら、何らかの方法がある、そう考えたいが、)
    眞守 雪斗:(──さて。あまり考えている余裕はなさそうか)
    神馳・克樹(?):では、判定を行う。
    神馳・克樹(?):6DX7+5
    DoubleCross : (6R10+5[7]) → 10[3,4,6,8,10,10]+10[2,3,9]+3[3]+5 → 28

    鏑木 鵲:いいぞいいぞー
    鑑屋 冬至:させるかよ~ッ!〈炎陣〉!
    神馳・克樹(?):達成値28.命中すれば硬直付与、ないとは思うがEロイスの効果を一枚解除だ。
    鑑屋 冬至:眞守さんをカバーリングするぜ!侵蝕67へ!
    眞守 雪斗:鑑屋~! ありがたく守ってもらう! 眞守なのに!
    鑑屋 冬至:あったら怖いぜEロイス……
    神馳・克樹(?):リアクション不可ではないので、一応回避は可能だ。
    GM:ふふ……これで何か解除されたらどうしよう……
    GM:GMもびっくりしてしまう……
    鑑屋 冬至:来な!こっちの装甲は8だッ!
    眞守 雪斗:じゃあ一応ドッジ振るだけ振ってみます
    眞守 雪斗:肉体1!貧弱!
    眞守 雪斗:2dx>=28
    DoubleCross : (2R10[10]>=28) → 3[1,3] → 3 → 失敗

    眞守 雪斗:鑑屋さん~~~!
    神馳・克樹(?):では、ダメージを算出する。
    鑑屋 冬至:悲しい物語だぜ
    神馳・克樹(?):3D10+10
    DoubleCross : (3D10+10) → 17[8,1,8]+10 → 27

    鑑屋 冬至:エッ…………27?
    眞守 雪斗:死なない……?!
    GM:装甲が無い眞守さんなら落とせたかしら
    鑑屋 冬至:フフ……なんてこった。僕のHPは28……
    神馳・克樹(?):装甲は有効だ。……この乗騎、攻撃性は然程でもないな?
    鏑木 鵲:もしかしたら耐久性に優れているかも知れません。次は私を庇ってみるのはどうでしょう?
    眞守 雪斗:ぎり死んでましたね
    鑑屋 冬至:装甲分引いて残HP9!普通に耐えちまったァ~ッ!!!
    眞守 雪斗:リザレクト使わせなきゃいけなかったのにこれは良くない!
    GM:では! あんまりやる機会が無いPvP的演出をどうぞだ!
    神馳・克樹(?):検討しましょう。とは言え、人間達に次の機会が訪れれば、ですが。
    GM:ここはGM邪魔しない!
    神馳・克樹(?): 
    神馳・克樹(?):滑るように移動した青年が、無造作に剣を振るう。
    神馳・克樹(?):術理に則った剣筋ではなく、ただ無機質に致命部への最短距離を払う剣筋。
    神馳・克樹(?):殺気も何もなく……それが故に、躱す気配を掴むことが困難である。
    眞守 雪斗:(──疾い)
    眞守 雪斗:思考の中断は間に合えど、肉体操作に長けない身体は俊敏さに劣り、
    眞守 雪斗:回避の動作もままならぬまま、剣の軌跡に身を置くままとなる──
    神馳・克樹(?):身体の機能を正確に使うだけの、味も素っ気もない斬撃。それだけに、身体能力以外では覆しがたい一撃が襲う!
    鑑屋 冬至:──氷柱が一つ。
    鑑屋 冬至:その軌跡へ割り込むように、カチ当たっている。
    鑑屋 冬至:(透き通るように透明な氷。)
    鑑屋 冬至:斬るにしろ逸らすにしろ。其れは青年が割り込む時間に十分な隙を生む!
    神馳・克樹(?):がきん。
    神馳・克樹(?):一撃目を防がれたと見るや、その反動のまま身を逆方向に振る。
    神馳・克樹(?):障害物が現れた事で、最短距離の標的が変わった。だから切り返す。
    神馳・克樹(?):関節が嫌な軋み音を上げるのにも構わず、反転した勢いのまま優男を切り付ける!
    眞守 雪斗:(──一瞬で氷を生成し、壁とする。優れた技術だ)
    鑑屋 冬至:「ぐぅ……ッ!」とっさに左腕を曲げ、肘鉄で受ける。
    眞守 雪斗:隙を逃さず、“嵐”の一部を向ける。
    眞守 雪斗:「──離れろ」
    鑑屋 冬至:見様見真似だ。それでも硬い骨は二の腕へめり込む刃を押し留める!
    鑑屋 冬至:(『ピント』操作の弱点その1……)
    鑑屋 冬至:(目に依存してるから自分へのガードがどうしても遅れる!)
    眞守 雪斗:鑑屋が距離を取るためだけの虚構。致命傷を避けることだけを目的とした、妨害。
    神馳・克樹(?):引き離しついでに押し込まれた刃の峰を蹴り込み、衝撃で引き抜く。
    神馳・克樹(?):咄嗟に”嵐”から飛び退り、捻じ曲がった肘を再生させながら呟く。
    神馳・克樹(?):「なるほど。再生力では、前の乗騎より余程勝るようだ」/
    鑑屋 冬至:「うおわっち!」勢い良く蹴り込まれる蹴り脚の勢いに載る様に、後ずさる。
    眞守 雪斗:「助かった」
    眞守 雪斗:後ずさった身体を倒れぬように片手で支える。
    鑑屋 冬至:「!……すみません。」血の出る肘から『熱』を奪い、傷口を凍らせる。
    鑑屋 冬至:「多分……この場で一番強いのは眞守さんです」
    眞守 雪斗:「戦力が削がれている──命を大事にしてくれ」
    鑑屋 冬至:「リザレクトはまだ効いてる。いざって時はまとめてぶっ飛ばしてください」
    眞守 雪斗:「──ああ」
    眞守 雪斗:いざという時。
    眞守 雪斗:「それは俺も、頼んでおこう」
    GM:イニシアチブ──行動値3、手番は鏑木と兵士4番だ。二人しかいないし攻撃対象もそれぞれ単体なので纏めて手番を行う。
    鑑屋 冬至:「そうならないよう、僕も全力で護っていきますから」/
    幼少兵士:マイナーは無し! メジャー、《コンセントレイト:ハヌマーン》+《一閃》
    幼少兵士:対象は……
    幼少兵士:1d2
    DoubleCross : (1D2) → 1

    幼少兵士:鑑屋くんだ。
    鑑屋 冬至:ウワーッ容赦ない追撃!
    鏑木 鵲:マイナー、《完全獣化》+《鷹の翼》+《骨の剣》+《死招きの爪》
    眞守 雪斗:HPの削がれてる方を!!!
    鏑木 鵲:そしてメジャー、《コンセントレイト:ハヌマーン》+《一閃》。対象は兵士に狙われなかった方……まもりさん!
    幼少兵士:あっと失敬、兵士の行動にミス! ログで直す!
    幼少兵士:マイナーは《完全獣化》+《鷹の翼》+《骨の剣》!
    幼少兵士:そして判定行きます
    幼少兵士:13dx7 鑑屋くん
    DoubleCross : (13R10[7]) → 10[2,2,3,3,3,5,6,6,7,8,8,9,9]+10[1,2,4,8,10]+2[1,2] → 22

    鏑木 鵲:18dx7+3 まもりさん
    DoubleCross : (18R10+3[7]) → 10[1,1,1,1,1,1,3,4,4,4,5,6,6,7,8,9,10,10]+10[1,2,6,6,8]+4[4]+3 → 27

    眞守 雪斗:殺意~~~
    GM:あんまり変わらん! リアクションどうぞだぜ
    鑑屋 冬至:ヒィ—ッ!
    眞守 雪斗:ワンチャンドッジ!
    眞守 雪斗:2dx
    DoubleCross : (2R10[10]) → 4[3,4] → 4

    眞守 雪斗:貧弱貧弱ゥ!
    鑑屋 冬至:幼少兵士の方をドッジ!
    鑑屋 冬至:3dx+1>=22
    DoubleCross : (3R10+1[10]>=22) → 5[3,5,5]+1 → 6 → 失敗

    GM:ダメージ!
    幼少兵士:3d10+10 装甲有効
    DoubleCross : (3D10+10) → 11[2,4,5]+10 → 21

    鏑木 鵲:3d10+33
    DoubleCross : (3D10+33) → 16[8,7,1]+33 → 49

    鏑木 鵲:こっちも装甲有効!
    眞守 雪斗:装甲はない!HP0でリザレクト!
    鑑屋 冬至:装甲分引いても13!さすがに死!
    眞守 雪斗:リザレクト:眞守 雪斗の侵蝕率:+9(1d10->9) ((侵蝕率:66->75))
    鑑屋 冬至:鑑屋 冬至の侵蝕を2増加しました(侵蝕率:67->69)
    眞守 雪斗:メジャー上げ忘れも伸ばします(小声)
    眞守 雪斗:眞守 雪斗の侵蝕率:+9 ((侵蝕率:75->84))
    鑑屋 冬至:侵蝕69、HP2へ!
    GM:だいぶ上がったな……!
    GM:では軽く演出
    鏑木 鵲:閉所を自在に飛び回る翼。その共連れは既に数を減らしているが、
    鏑木 鵲:「ここは私達の楽土、私達の王国──」
    鏑木 鵲:「踏み入ろうとするならばただの殺し合いでは終わらない──戦争です!」
    鏑木 鵲:ごうっ
    鏑木 鵲:正面から、恐るべき速度で飛翔する人体が、
    鏑木 鵲:技も何もない。馬鹿げた腕力と速度だけを乗せて、正面から殴りかかる!
    眞守 雪斗:鑑屋が再度、自身に視線を向けたのを察知し、手のひらを向ける。
    眞守 雪斗:──不要だ、と。
    幼少兵士:同時! 一体の兵士は頭上から、鑑屋目掛けて、硬質化した翼で落下し身体ごとぶち当たる!
    鑑屋 冬至:「ちょ──ウボフッ!?」
    眞守 雪斗:真正面から、突撃を身に受ける。意識を避ける方ではなく、肉体の修復に向け、
    眞守 雪斗:腹の抉られ、飛び散る肉を、骨を、空中で再度因子で繋ぎ合わせ。再構成する。
    鑑屋 冬至:気を取られた隙を逃さず残った兵士のタックルが突き刺さる!
    鑑屋 冬至:ちり……。ぱち、ぱち。
    鑑屋 冬至:嫌な音と共に。『何か』を燃やす炎の火勢が増した気がした。/
    GM:では。
    GM:今一度、《鮮赤の牙》の、使用者死亡以外の解除条件──つまりGMが設定したものを提示する。
    GM:〝任意のPCを攻撃しリザレクトを使用させた場合〟
    GM:すまない。
    GM:誰が……とは言っていないのだ。
    眞守 雪斗:な、なんだってー!
    鑑屋 冬至:そ……そうだったのォ!?
    GM:そう……欺いたことは申し訳無い。
    GM:即ち!
    GM:神馳くん──
    GM:あなたはきっと、声を聞くだろう。
    GM:いいや。声ならばずっと聞こえている。
    GM:自分の身体を操作する何者かの声が、耳の奥からずっと、ずっと。
    GM:……だが。
    GM:それ以上にはっきりと、血の赤よりもなお鮮やかに聞こえる声がある。
    GM:それは、あなたの仲間達が上げた苦悶の声だ。
    神馳・克樹:(—————)
    鏑木 鵲:「再生能力に優れている……というのは、よい傾向ですね」
    鏑木 鵲:「戦いにも適している。戦いから退かせた後も、用途が多い」
    鏑木 鵲:「なかなか良い物を見つけて来てくれましたね……ありがとう」
    :「望外の御言葉です」
    :……あなたの耳の中で、何かが勝手に喋っている。
    神馳・克樹:(———そうか)
    神馳・克樹:ある事に気付く。そこからの実行は早かった。
    神馳・克樹(?):ぞぶり。
    神馳・克樹(?):鷲の女に従っていた青年の頭部から、不意に湿った音が聞こえる。
    神馳・克樹(?):夥しい血が滴り床面を汚す。
    涼風 こころ:「克樹くん……!?」
    神馳・克樹(?):青年の能力は、基本的に受け身のものが殆どだ。
    神馳・克樹(?):だからこそ、何の傷も受けていない状態では抵抗も難しかった。だが。
    神馳・克樹:(この頭ン中で喧しく喚く声。これも”攻撃”なら)(傍点)
    神馳・克樹:「———喚き続けるもんだからよ。テメェの声、思わず”手が出ちまった”ぜ」
    神馳・克樹:喧しい声が響く耳に指を突っ込み、《復讐の刃》で影響を弱めた隙に引きずり出す!
    涼風 こころ:──声ならば、ずっと聞こえていた筈だった。
    涼風 こころ:だが。
    涼風 こころ:彼女の声は疲弊していて、あまりにもか細くて、
    涼風 こころ:戦いの音や、虫の声に掻き消されていた。
    涼風 こころ:だから。
    涼風 こころ:今あなたはようやく、彼女の声を聞く。
    涼風 こころ:「克樹くん、この──」
    涼風 こころ:「ばかっ!」
    :じっ
    :羽音がする。
    :ちっぽけな虫だった。
    :声帯を持たないから、人間に寄生して、人間の喉を借りなければ言葉を発することもできない。
    :そんな虫はあっさりと引きずり出されて──
    神馳・克樹:「あー……今回ばかりは返す言葉もねぇ。だがよ」
    神馳・克樹:ぶちり。
    神馳・克樹:一思いに指で捻り潰す。
    神馳・克樹:「『悪い虫』は払ってやったぜ、こころよ」
    GM:クリンナップ。おそらく処理は無いね。
    鑑屋 冬至:ないぜ!
    眞守 雪斗:ないぜ
    GM:うむ
    神馳・克樹:ないぜ!
    GM:クリンナップに行う処理なんて、あってせいぜいが邪毒くらいですからね
    GM:という訳で
    雨宮 さざめ:《猛毒の雫》
    雨宮 さざめ:そして《コンセントレイト:オルクス》+《ディストーション》、対象は兵士4
    雨宮 さざめ:8dx8+5
    DoubleCross : (8R10+5[8]) → 10[2,2,2,2,3,6,7,8]+6[6]+5 → 21

    幼少兵士:ドッジ
    幼少兵士:8dx+4>=21
    DoubleCross : (8R10+4[10]>=21) → 10[1,3,4,6,6,8,10,10]+7[5,7]+4 → 21 → 成功

    雨宮 さざめ:──チッ!
    雨宮 さざめ:鋭い舌打ちのような音が鳴る。
    鏑木 鵲:「……!」咄嗟に、兵士の一体を空中で蹴り飛ばした。
    幼少兵士:蹴り飛ばされた兵士はコンクリートの足場を転がり──〝女王〟が砕いた溝の淵にまで届く。
    眞守 雪斗:▼オート 《妖精の手》 侵蝕[+4] ダイス目一つを10に変更
    雨宮 さざめ:「あら。不意打ちのつもりでしたが……虫の反射神経は中々にお見事」
    眞守 雪斗:雨宮さざめ、判定を追加で振れ!
    眞守 雪斗:眞守 雪斗の侵蝕率:+4 ((侵蝕率:84->88))
    雨宮 さざめ:狙いを外した針は、整備通路の天井にぶつかり、
    雨宮 さざめ:1dx+25
    DoubleCross : (1R10+25[10]) → 7[7]+25 → 32

    雨宮 さざめ:4d10+5+2d10
    DoubleCross : (4D10+5+2D10) → 32[8,6,8,10]+5+20[10,10] → 57

    雨宮 さざめ:──針が、落下に転ずる。
    雨宮 さざめ:毒の体液に塗れた、浅く突き刺さるだけでも獲物を十分に殺し得る針が──
    眞守 雪斗:針の落下速度よりなお疾く、黒い影が伸び、
    眞守 雪斗:すれ違いざまに、その軌道をほんの少し、変える、
    眞守 雪斗:それだけで十分。事足りる。
    眞守 雪斗:──掠れば、終い。
    雨宮 さざめ:とっ
    雨宮 さざめ:子供のような姿をした兵士の〝軍装〟越しに針が突き刺さる。
    雨宮 さざめ:「……あら」
    雨宮 さざめ:「効き目が強すぎたようですね」
    眞守 雪斗:「子供には、刺激が強過ぎる」 呟いて。
    幼少兵士:血の泡を吐いて、その兵士はあえなく絶命した。
    鑑屋 冬至:(ひええ………)ドン引き!
    戌亥 李菜:「……お、お待たせしました……」
    GM:雨宮 さざめ、戌亥 李菜。あなた達の後方に回った〝兵士〟を受け持っていた二人だ。
    戌亥 李菜:「一番強い方が……こちらに来なかったので……」
    戌亥 李菜:「……どうにか……終わりました」
    雨宮 さざめ:「こちらの戦局も、残りは一体。……ふむ」
    鑑屋 冬至:「……」ちら、と二人に任せていた後方を見る。
    GM:後方は、見事にふたつの色合いに分かれている。
    GM:打撃により肉体が砕かれた兵士か、
    GM:さもなくば傍目には傷など無く眠っているように見える兵士か。どちらかだ。
    眞守 雪斗:(毒を吐いているのは雨宮が、残りは──もう一人の女。戌亥といったか)
    眞守 雪斗:(──場馴れしているのは確かのようだ)
    鑑屋 冬至:(俺、要らなかったんじゃないか……?)
    鏑木 鵲:「……やってくれます、本当に」
    神馳・克樹:「さんざ足引っ張って言う事でもねぇが……おっかねぇな、アンタらのツレ」肩を剣の峰で叩きながら。
    雨宮 さざめ:「つれ、ですって」
    鑑屋 冬至:「ハハハ……どうやら乙女の秘密だったみたいで。」
    眞守 雪斗:「『仕事上』のパートナー、という意味では間違ってないだろう」
    雨宮 さざめ:「そっけないひと。……ですが、ええ。仕事を終えましょう、ちょうどそこに〝仕事〟が飛んでいます」
    眞守 雪斗:「──そうだな」
    鑑屋 冬至:※顔くらいは知っていたが、実際仲良くなったのは今日からだったりする。
    鑑屋 冬至:※自分の勘違いだったらちょっと凹みそうだけど……
    鏑木 鵲:ばさっ
    鏑木 鵲:突如、翼が大きく打ち鳴らされた。
    鏑木 鵲:だが。
    鏑木 鵲:その身体は、あなた達目掛けて飛翔するのではなく──
    鏑木 鵲:《瞬間退場》
    鑑屋 冬至:「アッ……逃げた!」
    GM:連絡通路の床に空けられた大穴の下へ、〝それ〟は迷いなく飛び込んでいった。
    眞守 雪斗:かかるタイイングを図っていたが、整うより先、
    眞守 雪斗:「逃げたか」
    GM:翼が風を打つ音が少しの間聞こえていたが、それも直ぐに遠ざかる。
    神馳・克樹:「手駒も切れた、此処で俺等5人を単独でやるメリットもない。ま、そう来るわな」
    神馳・克樹:舌打ち。アレに操られていた後遺症か、まだ本調子ではない。
    鑑屋 冬至:(なんてこった!あんなに女王って言われて威勢が良かったのに!)
    鑑屋 冬至:(……という挑発は、次に対面する時まで取っておいた方がいいかな?)
    眞守 雪斗:「……神馳」
    神馳・克樹:移動を縛る手段もあるが、此処で使う事は難しいだろう。
    鑑屋 冬至:「めちゃくちゃ痛そうだったけど……大丈夫だった?」
    鑑屋 冬至:ぽりぽりと頬を掻きつつ、神馳君に向き直る。
    神馳・克樹:「問題ねぇよ。あー、つーか……」
    眞守 雪斗:「身体もそうだが、──精神の方もだ」
    神馳・克樹:ばつが悪そうに頬を掻き、ばっと頭を下げる。男にしては長い髪が揺れる。
    眞守 雪斗:「一度操られたという事実は、堪えるだろう」「無理は、するな」
    眞守 雪斗:「──────」 行動に、僅か、沈黙。
    神馳・克樹:「悪かった!一番耐える奴だってのによ。まんまとやられちまった」
    眞守 雪斗:同行者としては、諌めるべきなのだろう。あまりにも危険な行いで、結果、危地を招いた。
    眞守 雪斗:だが、その行動を咎めることは────できない。
    神馳・克樹:「どーーーしても、嬢ちゃんを放っておけなくてよ……アンタらにはお陰で割食わせちまった」
    眞守 雪斗:故に、それらの言葉はすべて呑み込んで。
    眞守 雪斗:「そうだろうな」
    眞守 雪斗:「俺には、きっとできなかったことだ」
    神馳・克樹:顔を上げ、拳を握って続ける。
    雨宮 さざめ:「素敵な方ですね、彼は」眞守 雪斗の少し斜め後方に立って、聞こえよがしに。
    鑑屋 冬至:「うん」「あの場であの子を護れたのは、神馳さんだけだった。」
    眞守 雪斗:「──だから、誇ればいいさ」「……ふん」
    眞守 雪斗:最後の呟きは、背後の女に向けて。
    神馳・克樹:「次はねぇ。今後、アンタらに傷はつけさせねぇから、挽回させてくれ」
    鑑屋 冬至:後ろ手に再生を始めている左腕を隠しながら、青年はニコリと微笑んだ。
    鑑屋 冬至:「恰好付いてたと思うよ。実際ね」
    涼風 こころ:「…………」
    涼風 こころ:そうして言葉を交わすあなた達の傍に、
    涼風 こころ:疲れ切った顔で。少し足取りもおぼつかないながらに進み出た少女が、
    涼風 こころ:神馳の前に立つ。
    涼風 こころ:お辞儀をするように頭を下げたかと思いきや──ごつん。神馳の胸板へ、衝撃の弱い頭突きをぶつけた。
    神馳・克樹:「うおっ」
    神馳・克樹:殴られても文句は言えまいと思っていたが、その行動と存外に軽い衝撃に二度驚く。
    涼風 こころ:「…………」
    涼風 こころ:ごつん、ごつん。もう二回ほど同じように頭をぶつけて、
    涼風 こころ:「……………………」そのまま頭を押し当てる。首をぐりぐり動かして、前髪のあたりを擦りつける。
    神馳・克樹:「あー……」何を言おうか逡巡し、何を言うかも結局思いつかず、その頭に恐る恐る手をやる。
    涼風 こころ:ぴたっ
    涼風 こころ:……と一度動作が止まって。今度は頭を押し付ける先が、胸板から手へと変わる。
    涼風 こころ:ぐりぐり、ごしごし
    涼風 こころ:一通りそんな動きを続けた後に、
    涼風 こころ:「……ごめんね、何回も何回も」
    涼風 こころ:消え入りそうな声で言った。
    神馳・克樹:「心配かけたのはお互い様だ」
    神馳・克樹:「この稼業、一々謝ってりゃキリねぇさ」ぽんぽん、と落ち着かせるように頭を優しく撫でつつ。
    神馳・克樹:「何回でも何回でも、俺が嬢ちゃんを守ってやる」
    涼風 こころ:「ん……」
    涼風 こころ:撫でられているうちに──その瞼が落ち始めた。
    神馳・克樹:「拾った責任は最後まで取る。男の意地ナメんな」
    涼風 こころ:暗い連絡通路内であろうと、或いは至近距離ならば気付くだろう。
    涼風 こころ:目の下に、随分と大きな隈が出来ていた。……まるで何日も、不眠不休で働いていたような痕だ。
    神馳・克樹:「無理すんな。後は俺らに任せて休め」
    神馳・克樹:「頑張ったな、…こころ」
    涼風 こころ:「……ん」
    涼風 こころ:かくん。
    涼風 こころ:首が傾く。……ほどなく、すうすうと寝息を立て始めるだろう。
    涼風 こころ:身体の負傷は無い。眠れば回復する疲労だろう。……もしかすれば丸一日は眠り続けるやも知れないが。
    戌亥 李菜:「……物語の、英雄みたいですね……」
    戌亥 李菜:と、隙間風のような声。
    鑑屋 冬至:「実際かっこいいよね……神馳さん。」
    戌亥 李菜:……何故かやけに低い位置から聞こえたのは、しゃがみ込んでいるからだ。
    戌亥 李菜:「……だとすると、今の私は……さしずめ……」
    戌亥 李菜:「英雄のパーティーに所属する……ローグ……あるいはモンク……」
    戌亥 李菜:「……鑑屋さんは……ナイトだったりするのでしょうか……」
    神馳・克樹:「……何してんだ?嬢ちゃん」こころを抱き止めつつ、胡乱気な顔で下の方を見やる。
    鑑屋 冬至:「な。……な?」
    戌亥 李菜:「……ローグらしいことを。……いえ、あの……さっきの人がこの中に飛び込んだ後……」
    戌亥 李菜:「〝底に落ちた音〟が聞こえなかったので……どれだけの深さなのかと……」
    戌亥 李菜:「……思ったのですが……スマホをカバンごと置いてきてしまって」
    戌亥 李菜:「……ナイトさん、もとい鑑屋さん……光源をお持ちではありませんか……?」
    戌亥 李菜:床に空いた大穴の淵。奥底を覗こうと身を伏せたまま。
    鑑屋 冬至:「……アッ、そういやそうか。」
    鑑屋 冬至:「ナイトって柄かはともかく、スマホなら持ってきてるよ」
    鑑屋 冬至:ゴソゴソと取り出しながら戌亥さんの元へ向かうぞ!
    鑑屋 冬至:「えーっと……良し、点いた」
    GM:では
    GM:あなたはスマートフォンのライトで、そこを照らすだろう。
    GM:結論から言う。見えなかった。
    GM:何故か?
    GM:あまりに距離があったからだ。
    鑑屋 冬至:色々アプリもあるし、慎重にスマホをかざしつつ覗き込む。
    GM:スマートフォンのライトで照らし出せる範囲は、せいぜいが数m。
    GM:……その縦穴は、もっと、ずっと深くまで続いていた。
    鑑屋 冬至:「…………………」
    戌亥 李菜:「……地の底まで……続いているような……」
    眞守 雪斗:(戦闘へ意識を向けていたから、”聞き逃した”のだと思っていたが……違うようだな)
    鑑屋 冬至:「こりゃあ……ちょっと下がった方がいいかも。」
    鑑屋 冬至:「うっかり落ちたら本当に不味い」
    戌亥 李菜:「はい。……冷静になったら怖くなってきました」小さく身震いをしながら後ずさる
    鑑屋 冬至:そっと立ち。戌亥さんをエスコートしつつみんなの元に戻ります
    雨宮 さざめ:「……なるほど」
    眞守 雪斗:神馳と少女の様子を見やり、鑑屋と戌亥の会話を聞き。
    眞守 雪斗:「──撤退だな」
    雨宮 さざめ:「ええ。……〝巣〟がその下だというのならば、現状の我々では踏破の手立てが無い」
    雨宮 さざめ:「加えて」
    雨宮 さざめ:通信機を取り出す。……鑑屋 冬至は気付いているかも知れない。
    雨宮 さざめ:「この下に何か……元凶があるもの、かと」
    GM:鑑屋のスマートフォンは、現時点で電波を受信していない。
    雨宮 さざめ:電源を入れた通信機からは、酷いノイズ音がする。
    雨宮 さざめ:「たかだか地下数m。この時点で通信が阻害される以上」
    神馳・克樹:「賛成だ。地の利はあっちにある、数の利もさっきまでの話だ」
    眞守 雪斗:「雨宮。道は分かるな、先導しろ」
    眞守 雪斗:「俺が後ろに付く。念の為だ」
    鑑屋 冬至:「僕も賛成です。大分ドタバタしてましたけど、僕らも足並みをそろえた方が良さそうだ」
    鑑屋 冬至:「…………」画面を見直す。
    鑑屋 冬至:一本くらいは立ってそうな気がしたが、電波表記は『圏外』だ。
    雨宮 さざめ:眞守 雪斗へ向けて頷き、くるり、と踵を返す。
    眞守 雪斗:「外部と連絡を取る手段は、確保しておく方が良さそうだ──寝蔵に顔を突っ込むのなら」
    鑑屋 冬至:「ええ。あっちも『女王』なんて名乗る位だ」
    鑑屋 冬至:「それ相応の『領地』も……既に広げていたって不思議じゃない」
    神馳・克樹:「纏まったな。じゃ、とっとと出るか……よっと」静かな寝息を立てるこころを俵担ぎにする。
    戌亥 李菜:「……………………」俵担ぎにされた少女へ、ちらちらと視線を向ける。
    雨宮 さざめ:一方でこちらは堂々と振り向いて、
    雨宮 さざめ:「眞守さん、眞守さん」隊列の先頭から手招きし、
    眞守 雪斗:「──なんだ?」
    雨宮 さざめ:「あのように気づかってくださっても良いのですよ?」
    眞守 雪斗:「…………」
    雨宮 さざめ:「冗談です」
    眞守 雪斗:「『前』のように、丁重に扱われたいらしいな」
    雨宮 さざめ:「ふふ。ご自分からあの時のことを持ち出すだなんて思いませんでした」
    眞守 雪斗:「──お前が何度も持ち出すからだ」
    雨宮 さざめ:「ご安心を。今は私が前衛、あなたが殿。そういうことは地上へ出てから」
    雨宮 さざめ:「……というのがお好みなのかと、推察致しますから」
    眞守 雪斗:早く行け、と唸るように呟く。
    眞守 雪斗:(──調子が狂う)
    戌亥 李菜:「……………………」今度は、幾分かの皮肉を交えて言葉を交わす二人をちらちらと見て、
    戌亥 李菜:「……ええ、と……あの……」
    戌亥 李菜:「……いえ、なんでもありません」
    鑑屋 冬至:「ん……どうかした?」
    戌亥 李菜:「なっ、なんでもっ」
    戌亥 李菜:「……こほん」
    戌亥 李菜:「いえ。……あまり最近の流行というものに詳しくないもので……」
    戌亥 李菜:「私もああいう振る舞いを……するべきなのでしょうか……と思っただけで……」
    鑑屋 冬至:「そ、そう……?」
    戌亥 李菜:「……たぶん……違うと思います……」
    戌亥 李菜:「……ですよね……?」
    眞守 雪斗:あの女の真似はしなくていい、という声が聴こえても聴こえなくてもいい。
    鑑屋 冬至:「そうだね……」「こういうのって、人によって向いてるやり方はあると思うよ……」
    戌亥 李菜:「ほっ。……よかった……流石に……酔いもなしにあのような振る舞いは……私にはハードルが高いので……」
    戌亥 李菜:「……あっ」
    鑑屋 冬至:「戌亥さんも。時間に問題なさそうなら僕らと一緒に付いてくるのが安全だとは……」
    鑑屋 冬至:「エッ」
    戌亥 李菜:声を潜めて、鑑屋の耳元に。
    戌亥 李菜:「……ナイショですよ」
    戌亥 李菜:「お酒……飲んじゃったこと……」
    鑑屋 冬至:「ソ……ソウダネ…………」
    眞守 雪斗:(聴こえないふりをしていよう……)
    鑑屋 冬至:「戌亥さんのバック回収、どう誤魔化そうか……」
    戌亥 李菜:「……………………」
    戌亥 李菜:「……ええと、あの」
    戌亥 李菜:「あまり人に……お見せするような中身でもないので……」
    戌亥 李菜:「……取りに行きます……」
    戌亥 李菜:酔いの抜けた筈の顔が、また、さぁっと赤くなった。
    鑑屋 冬至:「……OK。それっぽい言い訳考えとくよ」
    鑑屋 冬至:そう考えてないと、不味い気がした。
    鑑屋 冬至:何とは言えないけどさ。

    GM:ロイス&調達が可能!
    眞守 雪斗:神馳克樹 P:◯感服/N:隔意 鑑屋冬至 P:◯信頼/N:自転車……? でロイス取得
    鑑屋 冬至:ロイス!神馳君と眞守さんへ!
    眞守 雪斗:購入は応急手当キット
    眞守 雪斗:4dx+2>=8
    DoubleCross : (4R10+2[10]>=8) → 10[1,2,2,10]+7[7]+2 → 19 → 成功

    眞守 雪斗:めちゃくちゃ回ったな……即座に使用します
    眞守 雪斗:9+2d10
    DoubleCross : (9+2D10) → 9+15[9,6] → 24

    神馳・克樹:眞守に取得。 有為◎/罪悪感
    眞守 雪斗:以上です
    神馳・克樹:ボディアーマー挑戦。次はイケんだろ
    神馳・克樹:1DX+4>=12
    DoubleCross : (1R10+4[10]>=12) → 10[10]+2[2]+4 → 16 → 成功

    鑑屋 冬至
    〈苦労してそうだなぁ……〉眞守 雪斗:〇誠意/ねむそう
    〈カッコ良かったなぁ〉神馳 克樹:〇感服/脅威 で取得!

    鑑屋 冬至:装備は応急キット!
    神馳・克樹:うっし、着込む。これで多少はマシになるな
    鑑屋 冬至:3dx>=8
    DoubleCross : (3R10[10]>=8) → 10[4,6,10]+8[8] → 18 → 成功

    鑑屋 冬至:めっちゃ買えてる……セルフ使用!
    鑑屋 冬至:2+2d10
    DoubleCross : (2+2D10) → 2+10[8,2] → 12

    鑑屋 冬至:HP12まで回復しておしまい!
    GM:OK!
    GM:後はそうだ
    GM:エフェクトの侵蝕上げとかだいじょうぶかな!
    眞守 雪斗:今の所取りこぼしはないはず……だぜ!
    鑑屋 冬至:上げてたはず!
    神馳・克樹:従者として動いてた間どうなる?(素)
    GM:上げてくだされ
    神馳・克樹:OK。
    GM:君の身体を勝手に使って君の侵蝕率を上げる虫なのさ……
    神馳・克樹:神馳・克樹の侵蝕率+3上昇(侵蝕率:46->49)

    シーン4


    GM:シーンプレイヤーは神馳くん。他二名は登場任意。
    GM:このシーンについてですが、
    GM:一度地上へ戻って、次の作戦へ移る前の現状振り返りと、任務内容の再確認パート。
    GM:情報判定などは次シーンからとなる為、侵蝕調整のなんらかの意図がある場合はここで行うといいでしょう。
    鑑屋 冬至:出るぜ!(眼鏡装着)
    鑑屋 冬至:鑑屋 冬至の侵蝕を7増加しました(侵蝕率:69->76)
    GM:内容としては、〝地下へ行くぜ!〟と話をするくらいのパートだ。
    神馳・克樹:神馳・克樹シーンイン(侵蝕率:49->57)
    眞守 雪斗:ちょっと侵蝕がアレなので一旦セーブさせてもらう。
    GM:よろしい、では

    GM:──N市、UGN第九地区支部。
    服部 ミズハ:「鑑屋 冬至くん。神馳 克樹くん。まずはお疲れ様です」
    服部 ミズハ:分厚い眼鏡にマスク、白衣。見るからに〝ラボ勤務〟という風情の女がそう言った。
    GM:ここは支部内の、会議室のひとつ。
    GM:眞守・雨宮の両名が、調査部隊との連携の為に出向いている間、あなた達はこちらで、各種のヒアリングなどを受けることになった訳だ。
    鑑屋 冬至:「お疲れ様です。夜分にお邪魔しちゃってすみません……」ぺこりと一礼。
    神馳・克樹:「あいよ。ま、他の連中のがボロボロだけどな」
    戌亥 李菜:「……お、お邪魔しています……」同じように、ぺこりと一礼。
    鑑屋 冬至:傍らに置かれたリュックサックは
    鑑屋 冬至:支部の外に自転車を置いてきたのもあり、ようやく落ち着いた姿を見せている。
    服部 ミズハ:「一通りのお話は聞きました。居酒屋『やそしま』での、お客さんの消失。上下水道の整備用通路に残された大穴についても」
    服部 ミズハ:「第一発見者はそちらの戌亥さんと、それから鑑屋さんと──ということで間違いないですか?」
    鑑屋 冬至:「多分……そうなると思います。」
    服部 ミズハ:「なるほど……」こくこくと頷いて、
    鑑屋 冬至:「戌亥さんがちょっと飲み会に当てられちゃったとかで、」
    鑑屋 冬至:「付き添いで来てた僕が介抱する感じで、一旦あの部屋からは離れてたんですよね」
    鑑屋 冬至:(まあ我ながら大分白々しいんだけど……)
    服部 ミズハ:「何分かは離れていた──と。ちなみに鑑屋さん、戌亥さんにちゃんとお水は飲ませました?」
    服部 ミズハ:「じゃないと、二日酔いが酷いわよ?」
    鑑屋 冬至:「あー……そうですね。戻った後に飲ませようとはしてたんですが……」
    鑑屋 冬至:「………………」
    服部 ミズハ:「嘘がつけない人なんですね……」くすくすと笑って、
    服部 ミズハ:「大丈夫よ、そんなに煩く言う方じゃないから」
    戌亥 李菜:「お……お恥ずかしい……」
    戌亥 李菜:俯いて真っ赤になる。
    鑑屋 冬至:「ウウッ、ご迷惑おかけします…………」馬鹿正直!
    服部 ミズハ:「ごめんなさい、話が逸れちゃった。……それで、神馳くんが直ぐに駆けつけて」
    服部 ミズハ:「涼風さん──涼風さんを操っていたもの──は、直ぐにも外へ逃げた」
    服部 ミズハ:「この認識も、間違いが無いかしら?」
    神馳・克樹:「おう。付け加えるなら、溶けた連中が流れ出たのもその時だな」
    鑑屋 冬至:「そうですね。涼風さんと……」
    鑑屋 冬至:(──多分、あの部屋に居た人達が。)
    服部 ミズハ:「……二人とも、〝あれ〟の正体については推測が出来ているようですね」
    服部 ミズハ:「ええ」
    服部 ミズハ:「あれは、人間です」
    鑑屋 冬至:「…………ですよね。」
    神馳・克樹:溜息一つ。
    鑑屋 冬至:「それっぽい事を……涼風さんに憑りついてた奴も言ってた」
    神馳・克樹:「……人間を液状に変える。ソラリスかブラムか?いや、エグザイルってセンもあるか」
    服部 ミズハ:「鑑屋くんが凍結させて捕獲したものを解析しました。肉体の組成は間違い無く人間のもの」
    服部 ミズハ:「ただの人間とすると説明のつかない金属片の混入もあったけど……現状、あれが人間であることは、断定しても良いでしょう」
    服部 ミズハ:「……けれど」
    服部 ミズハ:「ひとつ朗報を。……あれは〝生きています〟」
    鑑屋 冬至:「……オイオイオイ……。」
    鑑屋 冬至:「マジですか?──あんな姿になってて?」
    神馳・克樹:「……」
    神馳・克樹:「普通なら」
    神馳・克樹:「そう言うのは現場の人間には伏せとくもんだ。やる時の士気に関わるし、手合いに依っちゃ拒否もするだろう」
    神馳・克樹:「それを告げたって事は、”戻る”可能性もある」
    神馳・克樹:「そう見ていいか?」
    服部 ミズハ:「拒否権を最初から剥奪するのは、UGNの在り方として間違っています」この言葉だけは、ぴしゃりと力強く告げて、
    服部 ミズハ:「……ええ」
    服部 ミズハ:眼鏡とマスクで表情は変わらないが、笑顔を見せたような動き。
    服部 ミズハ:「現状の解析結果──あの赤黒い液体は、〝レネゲイドウィルスに感染した多数の細胞〟と〝金属片〟で構成されていることが分かりました」
    服部 ミズハ:「表現は難しいんだけど、そうね……細胞の結合をひとつずつ外して、液体状に繋ぎ直したような……?」
    服部 ミズハ:「もちろん、常識的には〝有り得ない〟形だけれど──でも、そのひとつひとつの細胞が生命活動を続けていることも確認しました」
    服部 ミズハ:「状況としては……あなた達の身体が破壊され、リザレクトを開始する直前に近いのかしら」
    鑑屋 冬至:(戻す作業する人がいたら、滅茶苦茶大変そうだな……)
    服部 ミズハ:「損壊の度合いが大きく、けれども死んではいない。そういう状態で〝あの液体〟は留まっています」
    神馳・克樹:「金属、ねぇ……」少し考え込んで、自らの手を眺める。
    鑑屋 冬至:「どうやってるかは……聞かない方が良さそうですかね」
    戌亥 李菜:「……ええと、つまり……。〝今の時点ではまだ、人の形をしてはいないけど死んでもいない〟……」
    戌亥 李菜:「……そして、〝人の形を取り戻す方法が見つかるかも知れない〟……と……?」
    鑑屋 冬至:「文字通りの生かさず殺さずって訳か。」
    服部 ミズハ:「そう。……〝どうやって〟あの状態になったかは分からない。ジャームの力、レネゲイドの力は、いつも世界の認識を容易く飛び越える」
    服部 ミズハ:「けれども、ならば。私達UGNだって、理屈で説明するのは難しいような力の持ち主が集まっているでしょう?」
    服部 ミズハ:「人体構造に熟知したモルフェウス能力者、ソラリス能力者を動員して、どうにか回復の手段を探ります」
    服部 ミズハ:「……けれど。その為に、あなた達には探して欲しいものがあります」
    神馳・克樹:「本題か。いいぜ、何が欲しい?」
    服部 ミズハ:「おそらく」
    服部 ミズハ:「……この能力の犠牲者は、なんらかの形で体内に〝引き金〟を取り込んだのだと思うの」
    鑑屋 冬至:「……引き金?」
    服部 ミズハ:「戌亥さんがオーヴァードだったことを除いても。あの空間で、鑑屋くんと戌亥さんだけが無事だった理由」
    服部 ミズハ:「現場に吐瀉物が残されてるのを確認しました……戌亥さん、吐いたんでしょう?」
    戌亥 李菜:「う……」恥じらいに身を小さくしながら、こくん、と頷く。
    服部 ミズハ:「鑑屋くんは、まだお酒にもお料理にも手をつけていなかった」
    鑑屋 冬至:「そうですね。……後ほど、何か軽食とか買って帰ろうかと思います」
    神馳・克樹:「『薬の量がまだ…』だとかなんとか、蜂も言ってたな」
    鑑屋 冬至:「いい加減お腹減っちゃってて……」
    服部 ミズハ:「つまり、飲食物などを経由して他者へ摂取させられる微少な〝何か〟」
    服部 ミズハ:「……それが今回の〝液状化〟を誘引したのではないか、と私達は見ている」
    鑑屋 冬至:「で。そういう……『狩場』みたいなのが今回はあの居酒屋で。」
    服部 ミズハ:「まずひとつは、その〝何か〟とおぼしきものを敵地から──……」
    服部 ミズハ:「……お菓子なら、ちょっとは有るわよ?」
    鑑屋 冬至:「偶然難を逃れたのが僕と戌亥さんだった訳ですね。」
    鑑屋 冬至:「えへへ……ありがとうございます」
    鑑屋 冬至:ちょっぴり気まずそうに苦笑いを浮かべる。
    服部 ミズハ:「十代の男の子の食欲はすごいものね……」と、会議室の棚から、何種類かの茶菓子などを引き出して皿にのせ、
    服部 ミズハ:「はい。食べながらでいいですよ」と、皿を各人に差し出す。
    神馳・克樹:人の話を聞いて、遅まきながら捜索から何も食べていなかったことに気付く。後でこころにも何か作ってやるか。
    服部 ミズハ:「……えーと。そう、その〝飲食物に混入させた〟と思われる何かの、現物を見つけられたら回収して欲しいのがひとつ」
    服部 ミズハ:「そしてもうひとつは──恐らくは能力の使用者と思われるひと。……いえ、人じゃないわね」
    鑑屋 冬至:「わぁい!いただきま-す!」どら焼きをなるべく静かに頬張る!
    服部 ミズハ:「インリークォの生物兵器、〝ホド・ネツァク〟──これも可能ならば、撃破・回収をお願いしたいの」
    神馳・克樹:「ありがたく。……現物なぁー」自分の耳から引っ張り出した物を思い出しつつ菓子を頬張る。
    服部 ミズハ:「難しいことを言ってるのは分かります。どんな形のものなのか、あなた達は知らないのだから」
    鑑屋 冬至:もむもむ、ごくん。
    服部 ミズハ:「……けれど。不幸中の幸いと言うか……かつて〝インリークォ〟セルに所属していた子が」
    服部 ミズハ:「それも、神馳くんとの連携に困らないだろう子が。いるわよね」
    神馳・克樹:「……………」
    鑑屋 冬至:「……?」よくわかってない!
    服部 ミズハ:「彼女の回復を待つ為に、一日の猶予を設けます」
    神馳・克樹:「少し休ませろ。流石に……」
    神馳・克樹:疲れてる、と言おうとして機先を制される。
    神馳・克樹:「一日、な。まぁ、放っておけばそれだけ連中が有利になる」
    服部 ミズハ:「ホワイトハンド、ラボ、双方の手を尽くし、24時間以内に彼女を完全な健康体にする」
    服部 ミズハ:「その後、彼女を含む一部の少数部隊で地下へ降下」
    服部 ミズハ:「現在、あの近辺はなんらかの妨害磁場により、電子的な観測機器が正常に動作しません」
    服部 ミズハ:「大勢の戦闘員を送り込むには、あまりに未知で危険な環境です。ですから」
    神馳・克樹:「地の利も時間も連中の味方だ。それを崩すなら、手の内を知ってて頭の回る嬢ちゃんを入れない手はないだろうよ」
    鑑屋 冬至:「そして、涼風さんの護衛を僕らでやる。」
    神馳・克樹:「…………」がりがり、と頭を掻く。
    鑑屋 冬至:「そういう感じになりますかね?」
    服部 ミズハ:「……ええ、その通り。少数精鋭で突入、現地の偵察と──可能ならば解析ターゲットの奪取、ホド・ネツァクの討伐」
    服部 ミズハ:「討伐には至らない場合でも、あなた達が地下の情報を持ち帰り安全が確保されれば、」
    服部 ミズハ:「より大勢の戦闘員を送り込んで、数と力で制圧することも可能でしょう」
    服部 ミズハ:「先遣隊としての任務を、あなた達にこのまま任せたい」
    服部 ミズハ:「……というのが、現在の私達の意向です」
    神馳・克樹:「条件。危ないと思ったらすぐ取って返すぜ」
    神馳・克樹:「敵はただでさえ乗っ取りが常套手段だ。焦って鬼札を失うのは、それこそ最悪ってもんだろ」
    神馳・克樹:「流石にもう一回耳に虫が入るのは勘弁願いてぇしな」くるくると指先で耳の穴を指す。
    服部 ミズハ:「ええ。撤退タイミングの判断は全て現場に一任します」
    鑑屋 冬至:「僕の方は問題なく。大学にも連絡は入れておきます」
    鑑屋 冬至:「ただ……涼風さんの意向を最優先でお願いできれば、とだけは。」
    服部 ミズハ:「それは……必ず〝できる〟との約束は……難しいかも知れないわ」
    神馳・克樹:お、と意外な顔。
    服部 ミズハ:「勿論、彼女が〝嫌だ〟と言ったなら、それを強制することはしません。けれど」
    服部 ミズハ:「〝嫌だ〟と言われない為に、私達は言葉と心を尽くすつもりです」
    服部 ミズハ:「あなたの力が必要だ、どうか助けてくれと」
    服部 ミズハ:「説得は、時に相手の意志を曲げさせることが伴う。……言葉の暴力とまで言うと、言い過ぎかも知れないけど」
    神馳・克樹:(それ(傍点)が重荷って奴もいるだろうよ)
    鑑屋 冬至:「で、ですよね……」
    神馳・克樹:口には出さず、物憂げな顔で考えるに留める。
    服部 ミズハ:「ええ。しかも彼女は元ファルスハーツで、UGNの監視下におかれている子よ」
    鑑屋 冬至:(めっちゃくちゃ嫌だな、そういう無理強いされるの……)
    服部 ミズハ:「私達の──私の口から伝えることに、強制の意図を感じ取らないとは……とても言えないでしょう」
    服部 ミズハ:「それでも。必要ならば、私は説得に向かいます。ですが」
    神馳・克樹:「……あーーー!分かったっつの、俺が言えばいいんだろ!」
    服部 ミズハ:「……ごめんなさいね。こういう言い方、あんまり良いとは思わないんだけど」
    神馳・克樹:「気にすんな。嫌われ役押し付けて悪かったよ」
    神馳・克樹:「その分、安全確保はきっちりさせて貰う。それが条件って事で異存はねぇよ」
    鑑屋 冬至:「そうですね。僕もそんな感じでお願いできれば……」
    服部 ミズハ:「ありがとう。……なら、二人にお願いするわ」
    服部 ミズハ:「〝コルテージ〟と〝惨殺装置〟は……あの二人には聞くまでも無いでしょう」
    服部 ミズハ:「〝危険な任務だけど言って欲しい〟と言えば、ふたつ返事で〝分かった〟というような二人ですから」
    服部 ミズハ:自分の手元の皿の、せんべいを一枚、手に取る。
    神馳・克樹:「あの嬢ちゃん、そんなおっかねぇコードネームなの……?」さもありなん。下水道の惨状を思い返し胸の裡で黙祷をささげる。
    鑑屋 冬至:「重ね胴って言ってた理由、それだったんですね……」
    鑑屋 冬至:(まあ確かに、開幕で惨殺装置なんて名乗られたらビビるな……)
    服部 ミズハ:せんべいを口元に運び──マスクが引っかかって、
    服部 ミズハ:「物騒な子なのよ──では、二人とも」眼鏡とマスクを外し、居住まいを正す。
    服部 ミズハ:がりっ、とせんべいを一度齧ってから、
    服部 ミズハ:「再度の確認を行います。」
    服部 ミズハ:「あなた達の今回の任務は、涼風 こころを護衛しつつ、〝ホド・ネツァク〟の〝領土〟への武力偵察」
    服部 ミズハ:「途中で〝液状化〟の原因らしきものを見つけたなら回収を。また可能ならば、ホド・ネツァクの討伐、遺骸の回収もお願いします」
    服部 ミズハ:「難しいと判断した場合は任意タイミングでの撤退を。難しいと判断したこと、そこへ至った経緯が、後続の命を救う成果です」
    服部 ミズハ:「現地は磁場の乱れにより、音声・映像などの通信が難しい。極めてアナログな手段を用いなければ、連絡を取り合うことは難しいでしょう」
    服部 ミズハ:「行動開始は24時間後。24時間が経過したら、まず神馳くんが、涼風さんの説得に当たってください」
    戌亥 李菜:「あ、あの……」おずおずと手を上げて「私は……」
    服部 ミズハ:「UGNの施設内で暫く保護させてもらいます」
    戌亥 李菜:「えっ……」
    鑑屋 冬至:「エッ」
    神馳・克樹:「気は進まねぇけどな」逆説での了承。
    鑑屋 冬至:「…………因みに、詳しい理由とかは?」
    服部 ミズハ:「単純に〝いつもの説明〟と考えてください。覚醒してから今日まで、UGNと接触してこなかったのでしょう?」
    鑑屋 冬至:「あー……」納得!
    服部 ミズハ:「UGN、ファルスハーツ、それぞれどういう組織か。ワーディングはどういう意味を持つのか。リザレクトの限界は。レネゲイドウィルスとは」
    服部 ミズハ:「そういう、この街でオーヴァードが生きていく為の知識を伝える為──というのがひとつと」
    服部 ミズハ:「……あと。この子、放っておいたらあなた達を追いかけそうでしょう」
    戌亥 李菜:「うっ……」
    鑑屋 冬至:「…………」
    服部 ミズハ:「危ないから駄目です。いいですね?」
    鑑屋 冬至:「追いそうですね。」彼は正直であった。
    戌亥 李菜:「ううううぅぅ……」恨めしげな視線が鑑屋くんを襲う!
    鑑屋 冬至:「うう……本当ごめんね戌亥さん……」
    神馳・克樹:「ちゃんと聞いとけ聞いとけ。後々規則にうるせぇのがこえーぞ」
    神馳・克樹:経験者は語る。
    鑑屋 冬至:「僕自身、ナントカ戦えるようになるまですっごく大変だったし……」
    鑑屋 冬至:「安心して一緒に戦えるように、今回だけはちょっと我慢してほしいな−って……」
    鑑屋 冬至:「……ダメかな?」
    戌亥 李菜:「……はなはだ……残念ですが……やむを得ません……」
    戌亥 李菜:「乗りかかった船……と思っていたのですが……」
    服部 ミズハ:「ちゃんと分かってくれて嬉しいわ。……やっぱりね、UGNとしては」
    服部 ミズハ:「あなたのような子は〝守るべき対象〟で、危険に合わせるべきじゃないの」
    服部 ミズハ:「私達の為と思ってどうか、今回はただ待っていて欲しい。……ごめんなさいね」
    鑑屋 冬至:「ありがとう戌亥さ~ん!」
    神馳・克樹:「必要な時がくりゃ、嫌でも働くことになるさ。大船に乗ったと思って、今回は俺らに任せときな」/
    鑑屋 冬至:「任務が終わり次第、門脇先生にも戌亥さんの事を紹介しておきたいからさ!」
    戌亥 李菜:「……門脇先生と言うと……あの……少し捉えどころのない……」
    鑑屋 冬至:「レポートの方もあとで教えてくれると嬉しいな−って!」
    戌亥 李菜:「……そう、ですね」
    戌亥 李菜:「……はい、分かりました」
    戌亥 李菜:これまでの会話に比べれば、些かぶっきらぼうと言おうか。
    戌亥 李菜:そんな口調で、不承不承、戌亥は頷いた。
    鑑屋 冬至:「うん!…………ううん。」
    鑑屋 冬至:「…………」
    鑑屋 冬至:そっと彼女の耳元へ口を寄せ。
    鑑屋 冬至:「──またさ、こっそり二人で飲みに行こうよ。」
    鑑屋 冬至:「一人で飲むお酒はつまらないしね」
    戌亥 李菜:「……………………」
    戌亥 李菜:「…………」
    戌亥 李菜:ぼっ
    戌亥 李菜:火のついたように顔が赤くなって、
    戌亥 李菜:「……」
    戌亥 李菜:ごつん。額を会議室のテーブルに打ち付けて俯いた。
    鑑屋 冬至:パチリ、とウインクをしつつ。
    鑑屋 冬至:(………………俯いてくれてよかった。)
    鑑屋 冬至:真っ赤に染まった頬を隠すように、熱いお茶を飲み干した。
    戌亥 李菜:「……! …………!」額をテーブルに触れさせたまま、真っ赤な顔でプルプルと震える様は、
    服部 ミズハ:「若さねぇ……ねえ、神馳くん」
    服部 ミズハ:野次馬を喜ばせるには十分なものであったという。
    神馳・克樹:ずずー、と茶を飲んでから。
    神馳・克樹:「俺に振んなよ、俺に」

    GM:ロイス&調達が可能!
    神馳・克樹:ロイスは保留だ。調達は……折角だし電磁シールド狙うか。10232.0
    神馳・克樹:1DX+4>=17
    DoubleCross : (1R10+4[10]>=17) → 2[2]+4 → 6 → 失敗

    神馳・克樹:失敗。
    鑑屋 冬至:購入はもう一個応急キット!
    鑑屋 冬至:3dx>=8
    DoubleCross : (3R10[10]>=8) → 9[1,5,9] → 9 → 成功

    鑑屋 冬至:ヨシ!セルフ使用!
    鑑屋 冬至:12+2d10
    DoubleCross : (12+2D10) → 12+5[3,2] → 17

    GM:OK!
    鑑屋 冬至:低いぜ……17まで上げて以上です!

    シーン5


    GM:神馳・克樹のみ登場!
    神馳・克樹:神馳・克樹シーンイン(侵蝕率:57->60)

    GM:第九支部、ラボ区画。
    GM:会議室の打ち合わせから24時間が経過した。
    GM:あなたは今、個室で待機している。
    GM:個室の中央にはオーヴァード用の治療・回復装置──
    GM:外見的なものを例えるなら、〝古典的SF映画のコールドスリープ装置のような〟外見の機械が置かれている。
    神馳・克樹:スマホのカレンダーアプリを閉じて、時刻を見る。
    神馳・克樹:「そろそろか」
    GM:対象の身体の自然回復を促進し、可能なかぎりレネゲイド侵蝕を進めず身体を治癒する、その機器が、
    GM:ぴーっ
    GM:と、案外にチープな音を立てた。
    涼風 こころ:「……ん」
    涼風 こころ:ぱちっ、と目を開き、内側から機器の蓋を押し開ける。
    神馳・克樹:ポッド型ってのもオールドライクだよな……と考えながら、目を覚ました少女を迎える。
    涼風 こころ:「目覚まし時計の音かと思った」
    涼風 こころ:目覚めの第一声が、これであった。
    神馳・克樹:「よっ。寝心地どうだった」
    涼風 こころ:「……ぐっすり眠りすぎて良く分からない」
    涼風 こころ:「というか」きょろきょろと周囲を見渡して「ここ、支部?」
    神馳・克樹:「多分市内で一番高いベッドだからな。ICUっつうか……まぁ、そんな所だ」
    神馳・克樹:服部という研究職の言っていたことは確かだったらしい。
    涼風 こころ:「そっか」
    涼風 こころ:短い言葉と共に頷いて、それで十分に状況は把握したのだろう、
    神馳・克樹:かなり復調した様子のこころに内心安堵しながら言葉を返す。
    涼風 こころ:「……克樹くん、ありがとうね」
    涼風 こころ:「また助けてもらっちゃった」
    神馳・克樹:「いんだよ、こっ恥ずかしい」がりがりと髪を掻きつつ。
    神馳・克樹:「……あー、それに、これから嫌な事頼まなきゃなんねぇ。礼を言われる身分じゃねぇ」
    涼風 こころ:「いやなこと?」
    神馳・克樹:「散々反対したんだがな。困った事に、嬢ちゃんが最適なんだとよ」
    神馳・克樹:「俺等が操られた蜂とは別に、人間の形状を変えて操る『何か』を連中は…いんりぃくぉは持っている」
    神馳・克樹:「それを地下の閉所で探すにゃ少人数編成は必須。元あっち側で、頭も回る」
    神馳・克樹:苦虫を噛み潰したような表情で続ける。
    涼風 こころ:「あー……なるほどね」何かを察した、という顔をして頷く。
    神馳・克樹:「嬢ちゃんの力を借りるのが、最善だ——っつう話だ」
    涼風 こころ:「多分、あの寄生蜂は〝ポリスティナエ〟の置き土産で」
    涼風 こころ:「私は〝ポリスティナエ〟配下だった。確かに今のUGNの中で、一番アレについて詳しいかも」
    涼風 こころ:「アレそのものじゃなくて、そのプロトタイプだとは思うけど……」
    神馳・克樹:「人間、そう合理だけで割り切れるもんじゃねぇだろう」
    神馳・克樹:忸怩たる思いはある。そもそもが、かつてこころは望まぬ形でそのセルに従っていたのだ。
    涼風 こころ:「大丈夫だよ」
    涼風 こころ:こともなげに、少女は言った。
    神馳・克樹:しかも昨日まで再び操られていたとなれば、平静に振る舞えるものでもあるまい。…と、思っていたのだが。
    神馳・克樹:「………いいのか?」
    涼風 こころ:「うん。それが一番効率のいい攻略法だと思うし、それに」
    涼風 こころ:「克樹くんも行くんでしょ? その、少人数編成」
    神馳・克樹:「まだあの蜂がいるかもしれねぇぞ?」
    涼風 こころ:「むしろ、いっぱいいると思うよ」
    涼風 こころ:「……つまり、あの地下に突入するってことでしょ?」
    涼風 こころ:「ポリスティナエは、〝蜂のいいところは真社会性だ〟って良く言ってたし」
    涼風 こころ:「女王蜂が居て、たくさんの家来が居て……って言う風にはなってるよ、絶対」
    涼風 こころ:「でも、大丈夫」
    神馳・克樹:「だったら、なんで」
    涼風 こころ:「同じことを、もう一回言うことになるけど、」
    涼風 こころ:「克樹くんも行くんでしょ?」
    神馳・克樹:「………おう」
    涼風 こころ:「だから、大丈夫」
    涼風 こころ:「……克樹くんにだから、もうちょっとはっきり言った方がいい?」
    涼風 こころ:「克樹くんがいるなら、私は大丈夫」
    涼風 こころ:「それだけで、地底でも海底でも宇宙でも、どこでも行けるよ」
    涼風 こころ:「溶岩とか、物理的に無理な場所は無理だけど」
    神馳・克樹:「言外に馬鹿にされた気がすんだけど……」
    涼風 こころ:「気のせい」
    神馳・克樹:くくっ、と喉奥から自然と笑いが零れる。
    神馳・克樹:馬鹿。……そうだ、馬鹿が何を難しく考えていたのか。
    神馳・克樹:「おうよ。地底だろうが海底だろうが宇宙だろうが」
    神馳・克樹:「何処だって俺が嬢ちゃんを守ってやるさ。溶岩なんざ屁でもねぇ」
    神馳・克樹:「付いてきてくれるか、嬢ちゃん」
    涼風 こころ:「うん。……あ、けど」
    涼風 こころ:「私、三歩下がってついていくとかは多分無理だから」
    涼風 こころ:「性格? とか、そういう関係で」
    涼風 こころ:「RPGのパーティーみたいな感じじゃなくて、ほら」
    涼風 こころ:「FPS式に、横並びで行こうよ」
    神馳・克樹:「FPSだとキルレ50:1じゃねーか」 神馳のキルはグレ特攻1回である。
    涼風 こころ:「そこは、まぁ、うん。手加減はできないので」
    涼風 こころ:「……言っててちょっと心配になってきたな。克樹くん、ちゃんと私についてこれる?」
    神馳・克樹:「あァ??自慢じゃねぇが100m走20秒代だが??」
    涼風 こころ:「えっ」
    涼風 こころ:「え……?」
    涼風 こころ:「……遅っ」ぼそり。
    神馳・克樹:能力の関係でかなり重量が増している為重いのだ。
    神馳・克樹:「次の対戦覚えてろよ、投げキャラでボコボコにしてやる」
    涼風 こころ:「宣戦布告と見做して弾幕張るから」
    涼風 こころ:「……ぷっ」
    神馳・克樹:「……ふっ」
    涼風 こころ:「あー、もう。おかしい」
    涼風 こころ:口調は淡々としているが──笑わない訳でもないのだ。
    神馳・克樹:「いっつも通りだなぁ、俺等。ま、この調子でサクッとやっちまおう」
    涼風 こころ:あまり慎ましい性質ではない。口をはっきり開いて、歯が見えるほどけらけらと笑って、
    涼風 こころ:「ん。一緒に行こっか」
    涼風 こころ:「次のゲームは一人用だから」
    涼風 こころ:「今のうちに協力プレイやっておこ」
    神馳・克樹:いつものように、二人らしく。馬鹿話をして笑い合って、前に進む。
    神馳・克樹:「まーた虫相手のガンシュになりそうだけどな」/

    GM:ロイスのみ取得が可能
    神馳・克樹:保留。
    GM:OK!

    シーン6


    GM:シーンプレイヤーは神馳くん。他二名はここは任意登場だ。
    GM:まず先に情報項目から提示しよう。
    情報項目
    ・メイントピック
    --------------------------------------------------------------
    使用技能:<情報:UGN>、<情報:学問>、<知識:レネゲイド>、<知覚>
    目標値 :9
    最大値 :30
    プライズ:0/6
    シーン数:1/4
    --------------------------------------------------------------

    ・サブトピック
    --------------------------------------------------------------
    使用技能:<情報:UGN>、
    目標値 :9
    最大値 :20
    プライズ:0/3
    --------------------------------------------------------------

    GM:こうなる。情報項目のみSSSC式をパクる形だが
    GM:PL陣!
    GM:SSSCは初めてだorまだ良く分からないという人はいるかね!
    眞守 雪斗:だいたい大丈夫だと思います
    鑑屋 冬至:OK!
    神馳・克樹:大丈夫だ!
    GM:では超速ざっくり解説すると、
    GM:〝そこに書かれてる技能で目標値9の判定をしてね〟
    GM:〝達成値が最大のひとの数値のみ採用。達成値の10の位+1だけプライズポイント獲得〟
    GM:〝ポイントが十分に溜まったらイベントとか色々だぜ〟
    GM:〝サブトピクリアでもいいことあるかもよ!〟
    GM:以上だ!
    GM:それを踏まえて神馳くんと、判定したい人は登場しな! 言い忘れたが財産点も使用可能だ!
    眞守 雪斗:よくわかった
    眞守 雪斗:シーンイン:眞守 雪斗の侵蝕率:+1(1d10->1) ((侵蝕率:88->89))
    眞守 雪斗:安いもんだぜ……
    神馳・克樹:神馳・克樹シーンイン(侵蝕率:60->63)
    鑑屋 冬至:鑑屋 冬至の侵蝕を6増加しました(侵蝕率:76->82)
    GM:神馳くん一人落ち着いてんだよな……
    GM:では!
    GM:挑め!
    眞守 雪斗:では固定値もあるのでメインをやってみようかと
    眞守 雪斗:情報:UGNで判定。コネ:UGN幹部使用。DB+2
    神馳・克樹:頼むぜ。俺はどっちでも似たようなもんだな
    眞守 雪斗:(2+2+2)dx+4>=9
    DoubleCross : (6R10+4[10]>=9) → 10[3,4,6,6,8,10]+3[3]+4 → 17 → 成功

    鑑屋 冬至:金もあるし出目によってはサブに回ろうっと
    GM:やりおるわ……
    鑑屋 冬至:すごいぜ!
    眞守 雪斗:財産点3入れて20にしちゃおうかな!
    GM:一騎にPP3まで確定した……
    眞守 雪斗:財産点4→1
    鑑屋 冬至:じゃあこっちはサブに行こう!情報:UGNで素振り!
    鑑屋 冬至:4dx>=9
    DoubleCross : (4R10[10]>=9) → 10[3,6,7,10]+10[10]+1[1] → 21 → 成功

    眞守 雪斗:つよつよ
    鑑屋 冬至:めっちゃ回ったわ……
    神馳・克樹:頼りになるぜ。一応メイン振っとこうかね。
    神馳・克樹:2DX+1
    DoubleCross : (2R10+1[10]) → 10[7,10]+3[3]+1 → 14

    GM:サブトピが一撃死した
    眞守 雪斗:全員つよつよじゃん……
    GM:きみたち
    GM:気合い入ってますわね
    GM:では
    GM:そうだな、サブトピから行こう
    サブトピック
    PP1:〝タンブラーピジョン〟鏑木 鵠
    第九支部所属のUGNチルドレン。
    怪力と飛翔能力、身体硬化による白兵戦を得手とする。
    ホド・ネツァクにより意志を奪われ、〝乗機〟とされている。
    精神のリミッターが強制的に外されているのか、その戦闘能力は平時より明らかに高まっている。

    ※NPC鏑木 鵲は、ホド・ネツァクの《鮮赤の牙》の影響下にある。
     このエフェクトは〝意志による対決に敗北した場合、従者とされシナリオ中はエネミーの命令に従う〟というものだ。
     ホド・ネツァクを撃破した場合、このエフェクトの効果は失われる。
     また、鏑木 鵲は可能な場合、必ずホド・ネツァクに対してカバーリングを行う。


    PP2:〝六脚類の冠(エクサポーダ・ダイアデム)〟ホド・ネツァク

    インリークォの最終作戦『戴冠計画』により生み出された生物兵器。
    現時点で確認されている所によれば、寄生による(オーヴァードを含めた)他者の操縦能力を持つ。
    また原理は不明であるが、〝人体を液状に融解する〟力を持つようだ。

    ※ホド・ネツァクはクライマックス戦闘において、セットアップ時に鏑木 鵲へ《融合》を用いる。
     エフェクトの性質上、常に鏑木 鵲と同一エンゲージに存在する。


    PP3:対〝タンブラーピジョン〟

    ホド・ネツァクに寄生された鏑木 鵲の戦闘力は、平時より明らかに上昇している。
    仮に開けた空間で戦うことになった場合、無策で挑めば、此方の攻撃が命中しない可能性がある。

    ……あなた達が救出した涼風 こころは、過度の〝睡眠不足〟の状態にあった。
    おそらく〝ホド・ネツァク〟やその配下は、ひとりの人間を連続して数日以上稼働させているのだろう。
    脳髄に寄生し、睡眠を要求するシグナルを遮断していたと、ラボの解析班は推測する。

    対〝タンブラーピジョン〟対策としては、強力な〝眠り薬〟が有効と思われる。
    疲弊しているだろう身体に眠気を喚起し、強制的に行動を鈍らせる。
    UGN内データベースに存在する〝タンブラーピジョン〟の体質・レネゲイドウィルスの型などのデータから専用の組成を割り出した。
    ソラリス能力者がこの組成を再現し散布することで、〝タンブラーピジョン〟の戦闘力は大きく削がれるだろう。

    ※クライマックス戦闘時、鏑木 鵲へ暴走のバッドステータスが付与される。


    メイントピック
    PP1:地下空間

    生活配管が走る箇所より更に数十m深くに、この空間は存在するようだ。
    床や天井、壁を支えるものはコンクリートのような強度だが、しかし材質は異なる。
    まだ確定はできないが、生物由来の素材であるように思われる。

    空間には強い磁場の乱れが生じており、電子機器が一部、異常な動作を見せている。
    日光は届かないが、空調設備の動作や照明などの存在から、
    その空間に潜む〝何者か〟は、視覚で対象を認識するものであろう。


    PP2:地下空間②

    どうやらこの空間は、複数の区画に分かれているようだ。
    多量の人間が狭い小屋に詰め込まれた〝家畜小屋〟や、
    スポーツジムのような設備で運動を強制されている〝馬場〟。
    ……強制的に交配を行わせる為の区画も。

    つまり、ここは〝牧場〟だ。
    ホド・ネツァクとその配下は、人間の街の遙か下方で、人間の牧場を作っている。


    PP3:イベントトリガー

    次のシーンは眞守 雪斗のみの登場となる。

    GM:以上だ。

    GM:──あなた達は、N市地下に存在する空間への潜入を果たした。
    GM:潜入開始地点は、〝タンブラーピジョン〟との交戦区画から1kmばかり離れた箇所。
    GM:やはり同様に上下水道の整備連絡通路から真下へ地面を掘り進んで潜入経路を確保し、
    GM:ロープを下ろして(或いは壁面を掴んで)降りて行くという、極めてアナログなスタイルである。

    GM:地下空間は──不思議と明るかった。
    GM:というのも、あちこちに照明が設置されているのだ。
    GM:どこから電気を引いているかはさておき。人間の視力に合わせた強度の光が、一定間隔で配置されているのは、
    GM:〝敵〟もまた視力に頼る生物だということだろう。
    GM:足下や、天井や、壁は、コンクリートのような強度を保っている。
    GM:イメージとしては……そうだな。
    GM:ミノタウロスの迷宮のような、とでも言っておこう。
    GM:あなた達はこういう空間に降り立ち、
    GM:そして調査を開始した。

    GM:──〝家畜小屋〟区画。
    GM:そこは、ちょっとした広場になっていた。
    GM:100m四方にも及ぼうかという、地下にしてはやけに開けたスペースに、
    GM:六畳一間程度の大きさの小屋が幾つも並んでいる。
    GM:……小屋の中にはそれぞれ、人間が6人ずつ。男女とも3人ずつの比率だ。
    GM:あなた達は監視(やはりこれも蜂が寄生した人間だろう)の目を潜り抜け、この区画に潜んでいる。
    神馳・克樹:「……どっちかっつうと、冒険者とか悪魔召喚士視点だよなぁ、これ」
    神馳・克樹:先程まで進んで来た、入り組んだコンクリートの通路を見返しながら。
    眞守 雪斗:「地下迷宮、ね……」
    眞守 雪斗:「ぞっとしない話だ。この広さなら、ほんの少し前に出来たわけでもないだろう」
    眞守 雪斗:「──俺たちが気付くより以前より、静かに潜んでいた、ということになる」
    神馳・克樹:音がしない程度に床面を指でノックして見せる。
    神馳・克樹:「コンクリのようにも見えるが、連中が土建屋と組んでるって事もねぇだろう。自前の素材だな」
    鑑屋 冬至:「わかってはいたけど、全員人間をコアにしてる感じですよね……」
    眞守 雪斗:「寄生さえ完了すれば、かなり忠実に手駒にできるようだ。抵抗もそう容易くない」
    眞守 雪斗:「──まあ、頭を自らぶち抜くような男気があれば別だろうがね」
    涼風 こころ:「ここまでの設備がある……って聞いたことはなかったけど。でも、ポリスティナエならやりかねない」
    涼風 こころ:「あいつ、自分の思いつきには妥協を知らないから」
    神馳・克樹:「一度増えれば、後は『ねずみ算』式だ。この磁場も……」
    神馳・克樹:「元は連れてきた連中から情報を漏らさない為か、それとも自らを隠す為か。まぁ、厄介に違いはねぇな」
    鑑屋 冬至:(下手に見つかったら文字通り人質を取られる羽目になる。ナントカ隠れて行かなくちゃ、だ)
    眞守 雪斗:「外部との連絡はやはり遮断されているようだな……」
    鑑屋 冬至:「オーヴァードでも度胸要りますよね、あの取り除き方……」
    雨宮 さざめ:「覚悟は必要ながら合理的。何かことが起これば、相互に頭蓋を抉るが上策でしょう」
    眞守 雪斗:「そうだな。穿つべき場所が分かっている分、対処のしようもある」
    神馳・克樹:「あー、先言っとくけどな。死ぬ程痛てぇぞ」
    眞守 雪斗:「ふ、今更だろう」
    鑑屋 冬至:「ですよね……一応それっぽい対策は考えましたけども。」
    涼風 こころ:「対策?」
    鑑屋 冬至:「ああ……これだよ」そう言いつつ、ポケットから手鏡を取り出す。
    鑑屋 冬至:「いざって時は鏡に映った視界全部に『ピント』を合わせて、」
    鑑屋 冬至:「全身焼き払えば、体内の蜂も消毒できるかなーって……」物騒!
    眞守 雪斗:「──なるほど。操作権を取られる前なら、やる価値はあるかもな」 真面目な顔で。
    雨宮 さざめ:「発想の方向性は正しいかと思います。少々負荷が大きいことはいなめませんが──」
    涼風 こころ:「待って。本気?」
    涼風 こころ:「ねえ。本気?」
    鑑屋 冬至:「エッ……そのつもりだけど。」
    神馳・克樹:「…………」すごいものをみるめ。
    鑑屋 冬至:「蜂如きに操られるの、めっちゃムカつかない……?」
    涼風 こころ:「……やるなら、耳道を狙うのがいいと思う」
    涼風 こころ:「ポリスティナエの〝蜂〟は、耳から入り込むのが多かった。三半規管から脳にアクセスするんだって」
    涼風 こころ:「口から身体の中に取り込んだ場合だと、食道や胃を食い千切って血管、そこから脳ってルートもある見たいだけど」
    涼風 こころ:「蜂、食べないでしょ?」
    鑑屋 冬至:「まあ、食べたことあるのは蜂蜜くらいだね……」
    神馳・克樹:こころの淡々とした説明を聞いて、密かに持って来ていた耳栓をそっとしまう。
    神馳・克樹:「策が出す前から瓦解した……」よく考えたら味方の声も聞こえないな。駄目だわ。
    鑑屋 冬至:「と言っても、耳栓くらいの対策は向こうもしてそうだしね……」
    涼風 こころ:「でも、耳栓は良いと思うよ」
    涼風 こころ:「……狩りの必需品、って感じで」
    雨宮 さざめ:「必需品……なのです?」
    眞守 雪斗:「いや、聞いたことはないが……」 ゲームのたぐいは疎い。
    鑑屋 冬至:「……はは−ん。」
    鑑屋 冬至:「一狩り行く為の?」
    涼風 こころ:「なんでもない」こほん、と咳払い。
    涼風 こころ:「……それで。みんな一通り周囲を調査してきたとは思うけど」
    涼風 こころ:「他に何か、見つけたものはあった?」
    眞守 雪斗:──会話の間も、ずっと。《地獄耳》──領域とできる範囲の音を、拾い集めていた。
    眞守 雪斗:「どうやら、ここは人を詰め込むための空間のようだが、ほかにも複数。用途の分かれた部屋があるようだ」
    眞守 雪斗:「規則的な動き、ルーチンを組んでいること──おそらく、運動を行わせるための空間」
    眞守 雪斗:「──それと、」
    眞守 雪斗:ちら、と同行者たちの顔ぶれを見て。問題ないと判断し。
    眞守 雪斗:「──恐らく、生殖を目的とした部屋」
    眞守 雪斗:「まるで、“牧場”だ」
    鑑屋 冬至:「……蜂がかぁ。」
    涼風 こころ:「……兵器の基本的な設計思想が変わってない……」
    眞守 雪斗:「先程の邂逅。似た顔が複数いたことを踏まえても、恐らくは」「──増やしたのだろうな」
    鑑屋 冬至:「そいつを生み出した人、さぞかし真面目に人間を見てたんだろうな」
    神馳・克樹:「……趣味わりぃ」渋面を作る。
    雨宮 さざめ:「ふむ。……ですが、ただ増やしただけにしては、その……随分大きなお子さんでは?」
    眞守 雪斗:「……まあ、な」「そこまでは分からん。蟲が関係しているのか、なんらかの促成栽培技術があるか」
    神馳・克樹:「他者の成長の促成、自己進化、自己増殖……レネゲイドなら、何でもありだ」
    涼風 こころ:「体外受精やクローン技術も併用してるのかも」
    涼風 こころ:「お気に入りの〝乗機〟を妊娠させるの、動きが鈍るから嫌だろうし」
    鑑屋 冬至:(鏑木さんだったか……ホドが憑りついてた人。)
    鑑屋 冬至:(真面目に……あの人には悪い事しちゃったかもしれないな)
    眞守 雪斗:「スペックの高い“乗機”の量産だけ考えるなら、“乗機”に産ませる必要はないな」
    眞守 雪斗:「──必要なのは、遺伝情報と。それを育てるための空間だ」
    鑑屋 冬至:「そういう所も。潰せそうなら潰すのが無難そうですかね」
    涼風 こころ:「うん。空間というか広さは見る限り、十分に有る。遺伝情報の扱いなんてインリークォの得意分野だったし」
    涼風 こころ:「電気も、どこから盗んでるか知らないけど、有る。機械設備もたくさんあるんだろうね」
    眞守 雪斗:「それこそ、ブラックドッグ能力者を『繁殖』させて、発電させれば事足りる」
    神馳・克樹:「こいつらは既に、人間による運営を必要としてない。そうなりゃ猶の事、倫理や兵士への配慮なんぞ必要ねぇ」
    神馳・克樹:「『早い』んだ。……今が俺等の手に負える分水嶺かもな」
    涼風 こころ:「……あ、そっか」ぽん、と手を打ち
    涼風 こころ:「ちょっと違うかも、克樹くん。あの蜂、たぶん」
    涼風 こころ:「人間に寄生してないとここの設備を使えないんだ」
    涼風 こころ:「たぶん、人間が或る程度用意しちゃったから。サイズとか強度が全部、人間を前提になってるだろうし」
    鑑屋 冬至:「……そういう事だろうね」「ホド自体は人間をより『効率的』に運用するための種族っぽい」
    眞守 雪斗:「『人間が好き』と言っていた、と。“ヴォル・ディアナ”の報告に記載があった」
    鑑屋 冬至:「逆に言えば。それだけ『人間』の在り方に価値を見出してた……ってことになる」
    眞守 雪斗:「『だから少し分けてくれ』とも」
    雨宮 さざめ:「分けろ、とは……虫が大層なことを言うものです」嫌悪感をあらわにする
    眞守 雪斗:「──まあ、主義信条がどうであれ」
    眞守 雪斗:「俺たちの掲げるお題目に適さないのは確かだ」「──全て狩らなければならない」
    鑑屋 冬至:「ホドがそう結論を出したのか、『製作者』に植え付けられたのかまでは知らないけどね。」
    鑑屋 冬至:「どっちみち。酷い奴らであることは変わり無さそうだ」
    涼風 こころ:「酷いかどうかは、分からないけど」
    涼風 こころ:「たぶん相互理解はできないんじゃないかな。……そういう風には作らないと思う」
    涼風 こころ:「人間より蜂が好きな変人だったから」
    涼風 こころ:「人間より上に立つ蜂を作った……とか、そんなことだと思う」
    涼風 こころ:無意識にか、片手を腹部に置いていた。腹痛を慰めるような仕草で。
    涼風 こころ:「調査を続けよう」
    神馳・克樹:「おう。無理はすんなよ」そう付け加えて、隠密に戻る。
    涼風 こころ:「このあたりの区画はだいたい調べた。一度誰かが戻って、上の待機班にメモを渡した方がいいだろうし」
    雨宮 さざめ:「では、私達はあちらの……ええと、方角としては北になりますか」
    雨宮 さざめ:「空調設備があちらにあるのか、向こうから風が吹いています。あちらを調べてみようかと」
    眞守 雪斗:「──ああ」
    鑑屋 冬至:「了解です。スニーキングは苦手なんで、引き続き涼風さんの護衛に回ってますね……
    涼風 こころ:「おねがいします。……じゃあ」
    GM:あなた達は再び動き始める。
    GM:〝家畜小屋〟の中の人間の呻き声は、足音を掻き消すちょうどいいノイズだった。

    GM:ロイス&調達が可能!
    鑑屋 冬至:ロイスは……もうちょい保留!購入に行くぜ!
    眞守 雪斗:涼風こころ P:◯感服/N:不安
    眞守 雪斗:購入はボデマを狙うぜ
    眞守 雪斗:4dx+2>=12
    DoubleCross : (4R10+2[10]>=12) → 10[3,3,6,10]+10[10]+10[10]+3[3]+2 → 35 → 成功

    鑑屋 冬至:IC記載のリアクティブシールドを狙う!判定GO!
    眞守 雪斗:つっよ 手に入れちゃった
    鑑屋 冬至:4dx>=18 チャーッ
    DoubleCross : (4R10[10]>=18) → 8[3,5,5,8] → 8 → 失敗

    鑑屋 冬至:……10点はつらいな!見送り!
    鑑屋 冬至:以上です
    神馳・克樹:こっちは……電磁シールドかね。
    神馳・克樹:2DX+4>=17
    DoubleCross : (2R10+4[10]>=17) → 6[3,6]+4 → 10 → 失敗

    神馳・克樹:失敗だ。
    GM:OK!

    シーン7


    GM:眞守 雪斗のみ登場可能です。
    眞守 雪斗:はい……
    眞守 雪斗:シーンイン:眞守 雪斗の侵蝕率:+4(1d10->4) ((侵蝕率:89->93))

    GM:地下空間、北ブロック。
    GM:ここまで来ると、人の呻き声よりも寧ろ、機械の駆動音が騒がしくなる。
    GM:そこは高度に機械化されたエリアであり──
    雨宮 さざめ:「……………………」
    雨宮 さざめ:「……これ、は」
    眞守 雪斗:「…………」
    眞守 雪斗:まあ、空調の段階である程度予想はついていたが。
    GM:あなた達は、とある建物に忍び込んでいた。
    GM:警備は厳重であったが、目を盗めぬほどではない。
    GM:警備が厳重ということは、重要な設備なのだろう。
    GM:ああ。
    GM:間違い無くここは重要な設備だ。何故ならば。
    GM:今、あなた達の目の前には、巨大な培養槽の中に浮かぶ、同じ顔をした幾人もの子供がいるのだから。
    GM:一つの大きな肉塊に臍の緒で繋がれたままの、おそらくは3~4歳相当まで成長した子供が、だ。
    眞守 雪斗:「──新鮮な空気が最も必要とされる場所」
    眞守 雪斗:「であれば、そこに。あってもおかしくはない、だろうな」
    眞守 雪斗:低い声で呟きながらも、やや動揺は隠せない。──本能的に拒否するものが、眼前の光景には、ある。
    眞守 雪斗:(促成栽培。言ったものの、現物を見ると──えぐいな)
    雨宮 さざめ:「……こうして、産み増やしていたのですね」
    雨宮 さざめ:「同じ顔、同じ機能を持った……養殖の人間……」
    雨宮 さざめ:微笑みは崩さない。けれども。
    眞守 雪斗:「これなら、自立するまで手はかからない」「──すぐに“乗機”としての役割を果たせる」
    雨宮 さざめ:「……ええ。先の戦闘の際の個体はもう少し歳が上のように見えましたが──」
    雨宮 さざめ:声が、嫌悪に震えていた。
    眞守 雪斗:「……どうした?」 普段とは違う声色に、思わず声をかける。
    雨宮 さざめ:「──いえ。なんでも、ありません……気にしないで」
    眞守 雪斗:「──思うところがあるのだろう」
    雨宮 さざめ:「気にしないでと、申し上げました」
    雨宮 さざめ:重ねて、同じ声のままに言う。
    眞守 雪斗:「多少のことで、お前の声がそんな風に上ずるものか」
    眞守 雪斗:「……お前と組んでいるのは俺だ。お前の行動に支障をきたせば、俺や、他の人間に危害が及ぶ可能性がある」
    眞守 雪斗:「──敵対しているのは、オーヴァードすら操るものだ」
    眞守 雪斗:──要は。
    眞守 雪斗:──お前の胸の内の懸念を、わだかまりを話せ、と。
    眞守 雪斗:──そう、素直には言えないが。
    雨宮 さざめ:「……その言い方は、ずるいです」
    雨宮 さざめ:唇を尖らせて、不平を溢す。
    眞守 雪斗:「……事実だろう」 ずるい言い方だと、自覚はある。
    雨宮 さざめ:「事実、ですけど、ええ。……ええ、その通りです」
    雨宮 さざめ:「けれど」
    雨宮 さざめ:「私だって、全部、なんでも自分のことを分かるわけではありません」
    雨宮 さざめ:「……なんで、私がそう思っているかなんて。私にだって分からない」
    眞守 雪斗:「……言ってみろ」「整理がつくこともある」
    雨宮 さざめ:「あれは」
    雨宮 さざめ:ひゅっ……と、息を吸い込んで、
    雨宮 さざめ:ひゅうぅ……と、息を吐く。
    雨宮 さざめ:「……あれは」
    雨宮 さざめ:「強くなる為に母体を選定され、強くなる為に生まれるものでしょう」
    雨宮 さざめ:「きっと、それは……」
    雨宮 さざめ:「……私に似ているのだろうと、思いました」
    眞守 雪斗:「…………」
    眞守 雪斗:雨宮の家のこと。──深くは聞いていないが、おそらくは『そういう』ことなのだろう。
    雨宮 さざめ:一度口を開いてしまえば、後は、堰き止めるものは何もなかった。
    雨宮 さざめ:これまでの口の重さが嘘のように、あっさりと言葉が流れ出してくる。
    雨宮 さざめ:「母は、今の私と変わらぬほどの歳で私を産みました」
    雨宮 さざめ:「若く健康である内にと。老いればその分だけ、子が弱くなるやも知れないと」
    眞守 雪斗:言葉は挟まず、ゆっくりと頷いて。続きを促す。
    雨宮 さざめ:「それが普通なのです」
    雨宮 さざめ:「……少なくとも。私の知る〝家〟というものは、そうして代を重ねて来た」
    雨宮 さざめ:「男子が幾人かいれば最も強い子が後を継ぎ、より強い子を産める女を娶る」
    雨宮 さざめ:「武門の家なれば……当然のこと……」
    眞守 雪斗:「──だから、自分を娶らないか、と」
    眞守 雪斗:「そう言ったのか」
    眞守 雪斗:「──情をもたない相手に対して」
    雨宮 さざめ:「……ええ」
    雨宮 さざめ:当然のこと、と言った。
    雨宮 さざめ:それは、誰かの認識を代弁しているだとか、客観的に説明しているだとか、そういう意味ではなく──
    雨宮 さざめ:「情など」
    雨宮 さざめ:「あっても困りはしない程度のもの──でしょう」
    雨宮 さざめ:「ええ」
    雨宮 さざめ:「ええ、ええ。承知しております。私の物言いが、〝普通〟と照らせばおかしいということは」
    雨宮 さざめ:「けれど。私はずっと、そのように教えられてきたのです。だから」
    雨宮 さざめ:「〝この期に及んでも尚〟」
    雨宮 さざめ:「……私はまだ、それを〝当然のこと〟だと思っているのです」
    眞守 雪斗:俺は。家族を失うまで。正確には、父親が壊れるまで。
    眞守 雪斗:──平凡な幸せな家庭に、育っていた。
    眞守 雪斗:その後、まともな青年期を送ったわけではない。だが、原点として。「愛情」によって繋がり、生まれた家庭を知っている。
    眞守 雪斗:──故に、「恋愛」というものがよく分からなくても、『普通』ではないこと。それは、分かってしまう。
    雨宮 さざめ:家の為、強い子を次代へ残す為。それを最優先の命題として配偶者を選定する。
    雨宮 さざめ:それが雨宮 さざめの〝普通〟だ。
    雨宮 さざめ:幼いころから幾度も刷り込まれた、家としての至上目的。それに従うことが正しいのだと信じて、今までを生きてきた。
    雨宮 さざめ:それでも。
    眞守 雪斗:「──子を成すために、俺と番う、と」
    雨宮 さざめ:「はい」……そのつもりで、私は」
    雨宮 さざめ:「あなたが良いと、選びました」
    雨宮 さざめ:おかしいのだと、分かってはいるのだ。
    雨宮 さざめ:十七にもなれば、自分の家が世間とどれ程にかけ離れているか、嫌でも理解する。
    雨宮 さざめ:どうにも世間の〝普通〟に従えば──子を成す男女の間には、情愛が存在するらしい。
    雨宮 さざめ:自分はどうだ?
    雨宮 さざめ:自分の父母は?
    雨宮 さざめ:〝より強く〟という命題に向き合って生まれた父。その父の血を継いで生まれた自分。
    雨宮 さざめ:情愛が産んだ子供ではない。
    雨宮 さざめ:……その在り方は、人の胎から産み落とされたのだという僅かな違いを除けば、
    雨宮 さざめ:もしかすると培養槽の中に浮かぶ子供達に似ているのかも知れない。
    眞守 雪斗:雨宮が、培養槽の中身を見る目は、今まで見たことのないものだった。
    眞守 雪斗:──細められた瞼の奥の瞳が。知らない色を帯びている。
    眞守 雪斗:ぎゅ、と、心臓が握られるような感覚が、あった。
    眞守 雪斗:──知らない、感覚だった。
    雨宮 さざめ:「眞守さん」
    雨宮 さざめ:あなたの知らぬ声が、あなたを呼ぶ。
    雨宮 さざめ:「やはり、私は……おかしいのでしょうね」
    雨宮 さざめ:「いえ、おかしいのでしょうか……?」
    眞守 雪斗:一瞬、逡巡し。「……おかしいのだろうな、世間一般からすれば」
    雨宮 さざめ:「自分が逸脱しているのかどうかさえ分からぬまま、この歳まで生きてきました」
    雨宮 さざめ:「きっとおかしいのだろうと思っていても。正す術など知りませぬ」
    眞守 雪斗:俺の知らないか細い声で、雨宮が洩らす言葉は。
    眞守 雪斗:──ひどく、胸を掻き乱す。
    雨宮 さざめ:「私は」
    雨宮 さざめ:「……どうしたら良いのでしょう」
    雨宮 さざめ:途方に暮れて、呟いた。
    雨宮 さざめ:「強い子を成さねばなりません。その為に夫を探さねばなりません」
    雨宮 さざめ:「子を孕み、産み落とし、育て、技を継がせねばなりません」
    眞守 雪斗:「──お前の意志で、今更。それをやめることはできないんだろう」
    雨宮 さざめ:「……やめる、などと考えた時。こわい考えばかりが過ぎるのです」
    眞守 雪斗:「家を、大事にし過ぎだ」
    眞守 雪斗:「──それが一番、多分、世間からずれている」
    雨宮 さざめ:「だって、やめていいだなんて誰も言わなかった」
    雨宮 さざめ:「やめたらどうなるだなんて、誰も教えてくれなかった」
    雨宮 さざめ:「どんなことになってしまうのか、考える手がかりの一つだって私は持っていない……!」
    眞守 雪斗:堪えることが、できなかった。
    眞守 雪斗:一歩踏みより、泣きそうな声を上げる少女の、
    眞守 雪斗:その後頭部に手をやり、自分の身体に、引き寄せる。
    雨宮 さざめ:「……っ」
    眞守 雪斗:「────」
    眞守 雪斗:「すまない」
    雨宮 さざめ:背丈は──同世代の女子の中では、やや高い方だ。
    雨宮 さざめ:華奢とは言えまい。十分に鍛えられている。
    雨宮 さざめ:だが、体重はさほどでもない。骨格の関係だろう。
    雨宮 さざめ:鍛えても筋肉を増やし難い体質。……武門の家においては〝非才〟と一蹴される身体的特徴。
    眞守 雪斗:「俺は、お前の事情を全部、理解してるわけじゃない」
    眞守 雪斗:「──だから、俺が出せるのは……多分、正解じゃない」
    眞守 雪斗:言葉を探すように。一区切り一区切り、言葉を紡ぐ。
    雨宮 さざめ:「それ、でも」
    雨宮 さざめ:「それでもいいです、だから」
    雨宮 さざめ:「教えてください……私は、なんなのですか」
    雨宮 さざめ:「私は、この子供達と同じなのではないですか」
    雨宮 さざめ:「戦うことの他に何もない、何も期待されていない、不出来な人の紛い物で」
    眞守 雪斗:「──やめろ」
    雨宮 さざめ:「この子達をみたあなたの目が嫌悪に歪むように」
    雨宮 さざめ:「私も本当は、ひどくおぞましい生き物ではないのですか……!」
    眞守 雪斗:──そうなのだろうか。そうかもしれない。
    眞守 雪斗:──だったら、この胸の痛みはなんだ。
    眞守 雪斗:──身体を引き寄せて、抱き締めてしまうほどの衝動に駆られる、この感情はなんだ。
    眞守 雪斗:──この女が、自分を卑下して、そのような言葉を言うのを、
    眞守 雪斗:──聞いていたくない、と。
    眞守 雪斗:だから。
    眞守 雪斗:上体を引く。
    眞守 雪斗:華奢な顎に手を添え、空を向かせ、
    眞守 雪斗:──毒を仕込んでなければ、いいが。
    眞守 雪斗:色素の薄い唇に、自分の唇を、奪い取るように重ねた。
    眞守 雪斗:「──しゃべるな、それ以上」 ほんの数ミリ、唇を離して。囁く。
    眞守 雪斗:細い瞼の向こうの瞳すら、この距離ならよく見えるだろう。
    眞守 雪斗:──知らない、色をしていた。
    雨宮 さざめ:紅を塗らない唇だった。……塗るのは、その時々に合わせた毒。
    雨宮 さざめ:〝対人〟を想定した戦いの前ならば、少女の唇は艶やかに色づいていただろう。
    雨宮 さざめ:この闇の中では──ああ。
    雨宮 さざめ:年頃の少女の背伸びのような化粧なぞ、何も無かった。
    雨宮 さざめ:顎に触れた手指は白粉に触れることもなく、重ねた唇に、痺れるような痛みも感じない。
    眞守 雪斗:「────雨宮さざめ」
    雨宮 さざめ:「……………………」
    眞守 雪斗:両手を、顔の輪郭に沿って、添えるように。
    雨宮 さざめ:微笑んではいなかった。
    眞守 雪斗:「────俺は、情もなしに女を抱けるほど器用じゃない」
    雨宮 さざめ:ただ、平凡な娘が誰かを見る時のように開かれた瞼の間で、案外に黒目の大きな瞳が、
    眞守 雪斗:「だから、これは条件だ」
    眞守 雪斗:「──俺は、愛情をもって、お前を抱く」
    雨宮 さざめ:「え」
    眞守 雪斗:「──それが嫌なら、この話はなしだが」
    雨宮 さざめ:「あ」
    眞守 雪斗:「────結婚しよう。雨宮さざめ」
    雨宮 さざめ:途切れ途切れの音を吐く。
    雨宮 さざめ:瞳が落ち着きなく揺れていた。
    眞守 雪斗:揺れる瞳を、見つめる。──答えを寄越せ、と。
    雨宮 さざめ:直ぐ傍にあった、彼の目を。……少し下がって、ほんの少し前まで触れていた唇を。
    雨宮 さざめ:口付けの味がどうの語るフィクションも、たしなみ程度には触れていた。
    雨宮 さざめ:薄い、ともすれば酷薄にも思える形をした唇を見つめながら、
    雨宮 さざめ:あれは嘘だったのだな、と、少しズレたことを考える。
    雨宮 さざめ:味などしなかった。……分からなかっただけだろうか? ほんの一時触れただけの唇では、体温さえ移りもしないというのに。
    雨宮 さざめ:「あ、」
    雨宮 さざめ:「あの」
    眞守 雪斗:「……なんだ」 唸るように、低い声。
    雨宮 さざめ:三つ指を着くのだったか?
    雨宮 さざめ:……いいや、それは室内の作法だ。
    雨宮 さざめ:ここも室内? いや、ここは屋外に区分されるのでは。いやそうではなく。
    雨宮 さざめ:痺れた理性が発する言葉が、ぐるぐると頭を駆け回る。
    雨宮 さざめ:毒の紅を塗ったのは、私ではなく貴方じゃないか?
    雨宮 さざめ:「お」
    雨宮 さざめ:「お手柔らかに……お願いします……」
    雨宮 さざめ:絞り出した言葉は、
    雨宮 さざめ:……自分で聞いていても滑稽に思えるような響きだった。
    眞守 雪斗:再び、唇が重なる。
    眞守 雪斗:先程より、深く。
    眞守 雪斗:──時が止まったように、思考が痺れる。
    眞守 雪斗:なにかで、読んだことがあったような気がする。その時は、気にも留めなかった、
    眞守 雪斗:……甘い、とは、こういうことを言うのだろう。
    雨宮 さざめ:唇を開いてそれに応えた。男の腕の中、身体を預けるようにして。
    雨宮 さざめ:わからない。
    雨宮 さざめ:味など分からない、けれどこれは、
    雨宮 さざめ:不愉快じゃない。いいえ、きっとこれは、幸せと──
    雨宮 さざめ:「……~~~っ!」
    雨宮 さざめ:目をぎゅっと瞑って、両手で思いっきり
    雨宮 さざめ:グイッ! と、彼の身体を押しのける。
    眞守 雪斗:跳ね除けられ、唇を舌で拭う。
    眞守 雪斗:「──すまない」
    雨宮 さざめ:「い、いえ、あの」
    眞守 雪斗:「抑えられなかった」
    雨宮 さざめ:「そういう、ことでは……あ、あの」
    雨宮 さざめ:べっ
    雨宮 さざめ:……と舌を伸ばす。
    眞守 雪斗:……そういえば。
    雨宮 さざめ:目一杯伸ばせば顎の先まで届く舌──の上には縫い針が三本。
    雨宮 さざめ:しゅるっ……と舌が針を巻き取って口内に引き戻し、
    雨宮 さざめ:「さ」
    雨宮 さざめ:「刺さったら……危ない、ので」
    雨宮 さざめ:「あの」
    雨宮 さざめ:「ええと」
    雨宮 さざめ:「針を片付けてからにしていただきたい、と申しますか……」
    眞守 雪斗:引き離されたことで、冷静さを取り戻し。
    眞守 雪斗:「……それと、仕事も、だな」
    眞守 雪斗:完全に、我を失っていた。──こんなことは、いつ以来だろう。
    雨宮 さざめ:「……あ」
    雨宮 さざめ:両手で顔を覆った。
    雨宮 さざめ:前髪や、手や、袖や、顔を完全に覆ってしまって。それでも耳だけは外から見える。
    眞守 雪斗:「……よせ、そんな反応をされると、」
    眞守 雪斗:「──また、歯止めがきかなくなる」
    眞守 雪斗:唸る。獣性を押し殺すように。
    雨宮 さざめ:赤く染まった耳。……俯き気味だ。背丈の差で見えるだろう、うなじまで赤く色づいていて、
    雨宮 さざめ:「……あの」
    眞守 雪斗:「……なんだ」
    雨宮 さざめ:「私の家は、御覧になりましたように、些か広うございますから……」
    雨宮 さざめ:「その──────ぅ、ぁあああっ、ああ、もうっ!」
    雨宮 さざめ:ぶんぶんぶんっ、と首を振る。長い髪がたてがみのように振り回されて、
    雨宮 さざめ:「……は、歯止めが利かなくなるのであれば!」
    雨宮 さざめ:「私も生娘で御座いますから、相応の覚悟の時間をくださいませ!」
    眞守 雪斗:「そうか」 こともなげに。
    眞守 雪斗:「──俺も同じだ。世話をかけるかもな」
    雨宮 さざめ:「………今さらにして、私の目が曇っていたか不安になり始めたところでございます」
    眞守 雪斗:「残念だが、」
    眞守 雪斗:「──今更、引けると思うなよ」 耳元で囁く。
    雨宮 さざめ:ぞくぞくっ
    雨宮 さざめ:背筋を這い上がる未知の感触に思わず後ずさり、
    雨宮 さざめ:どん
    雨宮 さざめ:その背が、培養槽にぶつかる。
    雨宮 さざめ:「──あ」
    雨宮 さざめ:混乱や羞恥や、様々な感情で赤く染まっていた頬が、幾分かの白さを取り戻して、
    雨宮 さざめ:「……眞守さん」
    雨宮 さざめ:「短刀の類いなど、お持ちではありませんか?」
    眞守 雪斗:「これでいいか」 簡易な刃物だ。攻撃性能はさほどないだろう。
    眞守 雪斗:懐より取り出し、手渡す。
    雨宮 さざめ:「ええ」
    雨宮 さざめ:受け取り、刃を指先に当てた。
    雨宮 さざめ:つ……と流れ出す血の雫を、
    雨宮 さざめ:培養槽の上部通気口へ流し込む。
    雨宮 さざめ:〝惨殺装置〟の体液は、その意志により毒性を帯びる。
    雨宮 さざめ:ひどく痛み苦しむような毒も、肌が焼けただれて無惨な屍と変わる毒も、自在に生み出す。
    雨宮 さざめ:……培養槽の子供達は、眠るように死んでいった。
    雨宮 さざめ:外の世界を知らないまま。
    雨宮 さざめ:外の悪意を知らないまま。
    雨宮 さざめ:何処かから来た子供達が、何処かへと帰って行った。
    眞守 雪斗:それを、表情一つ変えずに見つめている。
    雨宮 さざめ:「……行きましょう、眞守さ──」
    雨宮 さざめ:「……………………」
    眞守 雪斗:「どうした?」
    雨宮 さざめ:「……雪斗、さん……?」
    眞守 雪斗:「…………」
    眞守 雪斗:「……仕事が終わるまで、やめておこう」 ふるふる、とかぶりを振って。
    眞守 雪斗:自然なように、手を伸ばして。頭を一撫でし。
    眞守 雪斗:「──戻るとしようか」
    雨宮 さざめ:「はい」
    雨宮 さざめ:こくん、と頷き。……ついでに手渡された刃物は、しれっと着物の内側に隠して、
    雨宮 さざめ:……まだ、何かしらの実感よりも困惑や非現実感の方が大きい。けれども。
    雨宮 さざめ:時を経る内にこれが実感へ変わっていくのだろう、いや、今も実感に変わりつつある──と思えば、
    雨宮 さざめ:かぁっ……と、また雨宮 さざめは一人で赤面した。

    GM:ロイスのみ……取得可能……
    眞守 雪斗:雨宮さざめ をSロイスに指定。
    眞守 雪斗:以上です。
    GM:はい……

    シーン8


    GM:シーンプレイヤーはやはり神馳くんの情報シーン、残り2名は登場任意!
    眞守 雪斗:情報の進行見て出るってことは可能ですか?(足りなかったら出るとか)
    鑑屋 冬至:行くぜ!
    神馳・克樹:神馳・克樹シーンイン(侵蝕率:63->68)
    鑑屋 冬至:鑑屋 冬至の侵蝕を4増加しました(侵蝕率:82->86)
    GM:もちろん可能です
    眞守 雪斗:では、一旦ステイで。
    GM:なんかそんな感じの途中登場についての記載があった気がする
    情報項目
    ・メイントピック
    --------------------------------------------------------------
    使用技能:<情報:UGN>、<情報:学問>、<知識:レネゲイド>、<知覚>
    目標値 :9
    最大値 :30
    プライズ:3/6
    シーン数:2/4
    --------------------------------------------------------------

    GM:では、項目は……これだ!
    神馳・克樹:じゃあ、要人への貸し1個使って判定だな。
    鑑屋 冬至:がんばってー!
    神馳・克樹:5DX+1
    DoubleCross : (5R10+1[10]) → 9[1,3,9,9,9]+1 → 10

    神馳・克樹:あんま振るわねぇ……これで確定!
    鑑屋 冬至:じゃあ自分も行こう!コネ:大学教授を構えて学問で判定!
    鑑屋 冬至:4dx+2>=9
    DoubleCross : (4R10+2[10]>=9) → 9[2,5,5,9]+2 → 11 → 成功

    鑑屋 冬至:うーん……もいっちょやってみようか。
    鑑屋 冬至:コネ:大学教授使用!〈情報:学問〉の判定ダイスを振り直す!
    GM:9点注いでPP3獲得にするか、次のシーンで達成値9出してクリアにするか
    GM:おっ
    鑑屋 冬至:4dx+2 チョヤーッ
    DoubleCross : (4R10+2[10]) → 10[7,7,9,10]+2[2]+2 → 14

    GM:ちょっと増えた
    鑑屋 冬至:これなら行けるぜ!財産6点つぎ込んで20まで上げちゃお!
    鑑屋 冬至:残り4!
    GM:よろしい、では……これでオールクリアだ
    神馳・克樹:グッド!
    鑑屋 冬至:イエーイ!
    メイントピック
    PP4:地下空間③

    〝工場〟とおぼしき設備を発見した。人間の身体に寄生して稼働させる為か、スケール感はあなた達にもなじみ深いものだ。
    そこであなた達は、飲食物に混入させる為の加工──投薬用カプセルに仕込む等々──が施された〝卵〟を見つけるだろう。
    人間の体内で孵化し、消化器系から密かに這いだして、やがて脳髄に寄生する。
    そういう生物であろう──とまでは推測がつくが、まだ〝液状化〟に関してが不明のままだ。


    PP5:地下空間④

    解析が進んだ。
    結論から言う。あなた達の周囲の壁や床、天井などの材料は人間だ。

    ……ホド・ネツァクの能力は大きく分けて三つ。〝寄生〟と〝繁殖〟、そして〝人体の変質〟だ。
    この三つ目の力だが、人体を『磁性流体』に変えるものと判明した。

    〝流体でありながら、磁性を帯び、砂鉄のように磁石に吸い寄せられる性質を持つ〟──それが『磁性流体』の性質だ。
    ホド・ネツァクは、『磁性流体』として液状化した人間の身体を使って地下空間を補強している。
    言い換えればつまり、この空間は全て、〝ホド・ネツァクが武器として使用できるもの〟で構築されている。


    PP6:クライマックストリガー

    あなた達の周囲の壁が液状化し、無数の眼球があなた達を見つめた。
    〝女王〟が来る。


    GM:──降下地点。
    GM:即ちあなた達が、密かにこの地下空間へ降り立った場所だ。
    GM:コンクリートと地面を数十m掘り下げた垂直の連絡通路。上方からロープが垂れている。
    GM:これにメモ用紙をくくりつける、あるいはくくりつけられた用紙を受け取る。そういう方法で〝上〟とあなた達はやりとりをしていたのだが、
    涼風 こころ:「……ねえ」
    涼風 こころ:「解析結果、来たよ」
    涼風 こころ:上から降りて来たばかりのメモ用紙に目を通しながら、険しい表情で、涼風は言った。
    神馳・克樹:「おう、どれどれ……あー、やっぱりか」
    神馳・克樹:手渡されたメモの『磁性流体』の項に目を通し、苦い顔を作る。
    鑑屋 冬至:「うおー……こうしてみるとめっちゃアナログ……」
    鑑屋 冬至:小さくなった降りてきた穴をぼんやり見上げている。
    涼風 こころ:「アナログは頼りになるんですよ。停電時の避難所にもアナログゲームを持ち込むと良いらしいです」
    涼風 こころ:「……いえ。そうじゃなくって」
    神馳・克樹:「金属片っつー話で、俺と似たようなもんかとは睨んでた。人間の血も言っちまえば鉄分だからな」
    鑑屋 冬至:「欠片で見つかっていたのは体内で消化されてる最中だったから……って訳か。」
    鑑屋 冬至:ぺらぺらと他のメモにも目を通している。
    神馳・克樹:「前に俺が嬢ちゃんにやったように、磁力で引き寄せる……その為に動かしやすい形態にしてんのかと」
    神馳・克樹:手首を鳴らしながら続ける。
    涼風 こころ:「うん。形態の流動性や硬度、かなり高いみたい」
    涼風 こころ:「違和感無く歩けるくらいには、床が頑丈だし」
    神馳・克樹:「だが、この規模この量っつーのは予想してなかった。これ……何人分だ?」
    涼風 こころ:「……………………」
    涼風 こころ:「物凄い数、だとは思う」
    涼風 こころ:「市内で発生してる行方不明者の数より明らかに多い」
    涼風 こころ:「市外から運び込んだり、もしかしたら死体も使ってたり」
    涼風 こころ:「……材料にする為だけに〝繁殖〟させたのかも知れないし」
    鑑屋 冬至:(……全てが人間であるという。今僕たちが踏みしめている床も。)
    鑑屋 冬至:(たちの悪いSFみたいだ……現実であることを差し引けば)
    涼風 こころ:「ここの〝蜂〟は──」
    涼風 こころ:「労働力にも、移動にも、建築材料にも」
    涼風 こころ:「……もしかしたら食料にも。生活の殆どが人間の存在を前提に作られてる」
    涼風 こころ:「人間を利用するように作られてる……って言うのかな」
    鑑屋 冬至:「ホドにとっての人間は、人間(僕ら)でいう所の『石油』みたいな感覚なのかもね。」
    鑑屋 冬至:「違いは──扱ってる資源が新鮮(フレッシュ)かどうかってくらいか」
    神馳・克樹:「……建材にされた奴も可逆性があるなら、ツイてるとも、ツイてねぇとも言えるな」
    神馳・克樹:「こいつらがまだ磁性流体の形で『変えられ続けてる』ってんなら、それは能力の持ち主を倒せば戻るって話だ。だが…」
    神馳・克樹:「そりゃあ、『磁性流体』が変えられた建材が、この人間牧場全体の空間が、奴の武器って事になる」
    鑑屋 冬至:「ええ……この場所、思っていた以上に物凄く危険な所だ。」
    鑑屋 冬至:「向こうが見境なくやれるなら、この巣毎ブッ潰す手も取りうるって事になる。」
    涼風 こころ:「うん」
    涼風 こころ:「今のところ、〝兵士〟の数はあまり多くないし、その目をかいくぐるのも難しくはない」
    涼風 こころ:「けど、あの〝女王〟一体だけでも十分以上に手強いし」
    涼風 こころ:「磁性流体制御の為に、ずっと磁力が飛び交ってる。磁場の乱れもそのせいだと思うけど、通信機による連絡が取れない」
    涼風 こころ:「連携を前提とした大人数を送り込むのは危険かな」
    鑑屋 冬至:「割と真面目に、奇襲が成立してる今が絶好の機会って訳かぁ……」
    鑑屋 冬至:少数精鋭での首魁の討伐。
    涼風 こころ:「たぶん、それが現状の……最善じゃないかも知れないけど」
    涼風 こころ:「失敗時の撤退可能性も合わせて考えると、少なくとも次善の策にはなると思います」
    神馳・克樹:「施設そのものが人質だ。N市の真下にバンカークラスター打ち込むって訳にもいかねぇだろ」
    鑑屋 冬至:「うん……とはいえ、今言う事ではないんだけどさ。」
    神馳・克樹:「?」
    鑑屋 冬至:「なんだか本当にRPGのラストダンジョンみたいな状況だな、って思っちゃって……」
    涼風 こころ:「ラストダンジョンって言うには……ギミックが少ないと思う」
    涼風 こころ:「中盤くらいのコンセプト特化ダンジョンとかじゃない?」
    鑑屋 冬至:「あー……あるよね、そういう辛めのシナリオとかでの。」
    鑑屋 冬至:「なんか開けられる宝箱とかもダンジョンの裏設定に関わってたりとかするやつ……」
    神馳・克樹:「そうとも。此処で終わりじゃねぇさ」
    神馳・克樹:「俺等もN市も、今日此処が最後じゃねぇ。まだまだ馬鹿は出て来るし、日常は続くんだ」
    神馳・克樹:「いつも通り、いつもの日常に帰るために戦う。気負い過ぎてもいいことねぇさ」
    鑑屋 冬至:「へへへ……そうですよね。」
    鑑屋 冬至:「僕も片付けておきたい課題がありますから、早めにケリ着けないとだ」
    涼風 こころ:「うん。……調査する場所、残りは北区画の一番端かな」
    涼風 こころ:「あっちの二人が先行してルートを探してるだろうから、合流しよう」
    神馳・克樹:「おう。随分時間も食っちまった」
    神馳・克樹:「仕事馬鹿な連中の事だ。今頃、待ちくたびれてるかもな」
    鑑屋 冬至:「了解!とはいえ向こうもプロって感じでしたからね……」
    鑑屋 冬至:「案外、ホドもブッ倒しちゃって二人でのんびりしてたりするかも?」

    GM:ロイス&調達が可能!
    神馳・克樹:ホド・ネツァクに 執着/嫌悪◎。
    鑑屋 冬至:ホド・ネツァクにロイス取得!
    神馳・克樹:リアクティブシールド購入判定行くぜ。
    神馳・克樹:2DX+4>=18
    DoubleCross : (2R10+4[10]>=18) → 9[4,9]+4 → 13 → 失敗

    鑑屋 冬至:〈共存ねぇ。〉ホド・ネツァク:有意/〇完殺で取得!
    神馳・克樹:5ポイント使って18!成功だ。
    鑑屋 冬至:ここまで来たらHP重視の方がいいかな。応急キット購入!
    鑑屋 冬至:4dx>=8
    DoubleCross : (4R10[10]>=8) → 8[3,5,7,8] → 8 → 成功

    鑑屋 冬至:セルフ使用!
    鑑屋 冬至:17+2d10
    DoubleCross : (17+2D10) → 17+15[7,8] → 32

    鑑屋 冬至:HP28で全快!以上です
    GM:OK!

    クライマックス


    GM:全員登場!
    鑑屋 冬至:鑑屋 冬至の侵蝕を8増加しました(侵蝕率:86->94)
    神馳・克樹:神馳・克樹シーンイン(侵蝕率:68->73)
    鑑屋 冬至:ちょっと高いな……
    眞守 雪斗:シーンイン:眞守 雪斗の侵蝕率:+7(1d10->7) ((侵蝕率:93->100))
    眞守 雪斗:ぎゃー!

    GM:──地下空間、北区画。
    GM:区画の端に、その建物はあった。
    GM:他の〝家畜小屋〟の倍はあろう広さで、内装もそれなりに整っている。
    GM:だが、やはり人間が暮らす環境の水準には達していない。
    GM:〝お気に入りの乗機〟を休ませる為の小屋と、
    GM:……それを取り囲む、数十m四方に渡って開けた広大な空間。
    GM:あなた達は息を潜めて、この区画に侵入する。
    GM:他の区画は一通り調査した。ホド・ネツァクがいるとすれば、此処だ。
    雨宮 さざめ:「……皆様、いくさのご用意は」
    眞守 雪斗:視線と、首の動きのみでそれに応える。
    鑑屋 冬至:「……」踵からつま先へ。緩やかな歩みを続けながら、空いた手でハンドサイン。
    神馳・克樹:佩いた刀を示し、頷いて見せる。
    鑑屋 冬至:ガッツポーズ。“何時でも行ける”所作だ。
    涼風 こころ:「……もし奇襲が成功した場合でも、〝タンブラーピジョン〟を取り押さえようとかは考えないでください」
    涼風 こころ:「キュマイラシンドロームの怪力に、ホド・ネツァクの洗脳でリミッターが外れているのか、埒外の筋力を発揮しています」
    涼風 こころ:「軽く腕を掴まれるだけで、もぎ取られる。それくらいの猛獣だと考えた方がいいです」
    鑑屋 冬至:「もぎ……」ちょっぴりゾッとする。
    涼風 こころ:「あくまでも先の相談の通り、頭部への一撃で、寄生している蜂を破壊するのが最善手」
    涼風 こころ:「その為の策として──」
    雨宮 さざめ:「はい」
    眞守 雪斗:「──雨宮。いけるか」
    雨宮 さざめ:「標的の体質に合わせた〝眠り薬〟の調整、体内にて完了しております」
    雨宮 さざめ:「……が。この空間に行き届くだけの毒を生み出し続けるとなれば、中々に難儀な仕事」
    雨宮 さざめ:「私は、そちらにかかりっきりとなりますかと」
    雨宮 さざめ:「ですから……ええ。いけますが、」
    雨宮 さざめ:「その他は、任せます」
    眞守 雪斗:「ああ。そちらは、任せたぞ」
    鑑屋 冬至:「……はい。」
    眞守 雪斗:「──この『いくさ』の、要だからな」
    神馳・克樹:「成程。さっきまで姿が見えなかったのはそれの調整か、流石だぜ」
    鑑屋 冬至:「できる事を全力で、ですね。」
    涼風 こころ:「うん、それじゃ──」
    GM:──と。
    GM:あなた達が改めて作戦と意志を確認し、行動に移ろうとした時だった。
    GM:……第六感、というものがある。
    GM:オーヴァードならば、本当に超自然的な感覚を持つ者とているかも知れないが、
    GM:往々にして人間の第六感とは、無意識の経験則の累積だ。
    GM:視界の端に映るもの。聞こえる音。発生する事象のパターン。そういうものを言葉に出来ぬまま体系化し、次に何が起こるかを導き出す力。
    GM:ならば、あなた達の経験則は、それに十分に足りているだろう。
    GM:故に知覚判定無しに、こう伝える。
    GM:あなた達は、
    GM:四方八方から、〝何かに見られている〟。
    眞守 雪斗:「────!!!」
    鑑屋 冬至:ゆっくりと──眼鏡を外す。
    神馳・克樹:「………なるほどねぇ。目の付け所が違う訳だ」
    雨宮 さざめ:「あら、中々に気の利いた言い回しでいらっしゃる」
    涼風 こころ:「うわ……ホラーゲームだ」
    GM:壁だ。
    GM:周囲の壁に、いつのまにか
    GM:幾つもの眼球が浮かんでいた。
    GM:幾つかの口が出現していた。
    GM:それらの口が一斉に
    〝壁〟:アアアアアアアアアアァアアァァァ────
    GM:警報器のような甲高い声で叫んだ。
    鑑屋 冬至:「マジでフル活用だなぁ、こりゃ。」
    鑑屋 冬至:ぼやけた視界へ、『焦点(ピント)』を重ねる。
    GM:ど ろ り
    GM:壁が溶けて流れる。
    眞守 雪斗:「全てが武器。全てが素材──なるほど」
    GM:ああ、そうだ。これは個体であり、流体でもある。だから。
    GM:壁は容易に位置を変えるのだ。
    GM:警報を鳴らす壁が、後方の通路を埋めていく。
    GM:この空間へ至る、たった一本の道が──封鎖される。
    鑑屋 冬至:片手を指鉄砲の形に構え、もう片手には気休めの手鏡。最悪でも盾の基礎には使えるだろう
    眞守 雪斗:「歓迎されているようだな」
    神馳・克樹:「周囲の環境全て敵。いいねぇ、衛兵冥利に尽きるってもんだ」
    神馳・克樹:刀に手を添え、いつでも全員を庇える姿勢。
    眞守 雪斗:肩を竦め。「──少し、『伸び』が早い。悪いが、頼らせてもらう」 二人に。
    鑑屋 冬至:「任せといて下さい。責任もって護りますから」
    鑑屋 冬至:パチリとウィンク。
    涼風 こころ:「わー、かっこいい」
    涼風 こころ:ぱちぱち、と二度拍手して、
    涼風 こころ:「克樹くん」
    神馳・克樹:「おう」
    涼風 こころ:「責任持って護ります、だって」
    神馳・克樹:「先に言われちゃ、立つ瀬がねぇなぁ」がりがり、と頭を掻く。
    神馳・克樹:「俺が守る。全員な」
    涼風 こころ:「ん」
    眞守 雪斗:ふ、と笑い、「その分──俺は、力で返そう」
    鑑屋 冬至:(当て馬にされてる……!)
    神馳・克樹:「だから、安心して暴れろ。……なに、人より多少頑丈なんでね」/
    GM:ばさっ
    GM:一対の翼が、〝小屋〟の屋根のコ小窓から飛び立つ。
    GM:その鳥は大空ではなく、人工の光が照らす殺風景な地中を、
    GM:それでも悠々と、我こそ支配者であると示すように羽ばたき、大地に降りた。
    鏑木 鵲:「お帰りなさい」
    鏑木 鵲:「きっと帰って来てくれると信じてましたよ」
    眞守 雪斗:「随分な歓迎ぶりだ。──よほど、神馳の“乗り心地”が良かったとみえる」
    鑑屋 冬至:「こんにちは、鏑木さん……そしてタダ乗りしてるホド・ネツァク。」
    鑑屋 冬至:「戦争しに来たぜ」
    鏑木 鵲:「タダ乗り、と来ましたか」人間の表情を真似した、どこか不自然だが、大きな瑕疵の無い笑顔を浮かべて、
    鏑木 鵲:「やはり人間のことはまだ分かりません」
    鏑木 鵲:「自分達は他の生物を資源として扱いながら、自分達が資源とされることは許せないという」
    鏑木 鵲:「別に私達は、あなた達の種族を滅ぼしたいわけではない。いいえ」
    鏑木 鵲:「むしろ私達は、あなた達人間を必要としているのです」
    鏑木 鵲:「決して、あなた達を滅ぼすつもりはありません」
    鏑木 鵲:「安全な住処を、健康的な食事を与えます。屠殺の際は苦しみを与えないよう、〝人道的〟な方法を選びます」
    鏑木 鵲:「それは一体、あなた達の種族の行いと何が違うのでしょう」
    鑑屋 冬至:「うん……そうだな。」言葉を探すように頬を掻き。
    眞守 雪斗:「──人間は傲慢でね。言われりゃそうかと思っても、そこまで考えて生きてるわけじゃない」
    眞守 雪斗:「悪いが、俺も興味はない。──この街の人間にとって『脅威』となるなら、すべからく殲滅する」
    眞守 雪斗:「それが仕事でね」
    鑑屋 冬至:「臆面もなくそう『言いきれる』点で……確かに俺達人間を超えるべく造られた種族なんだろうね、アンタらは。」
    神馳・克樹:「悪りぃな。俺はお前さんと禅問答をしに来た訳じゃねぇんだ」
    鑑屋 冬至:「やっぱり種族として凄い才能だと思うよ。生存の為に『酷い事』をできるってのは」
    神馳・克樹:「人間サマがどうとか、より完全な存在がどうだとか、俺にゃあ毛ほども興味がねぇ」
    神馳・克樹:「ただ、お前さんは。お前さん達は、俺の家族を二度も『使い捨て』ようとしやがった」
    神馳・克樹:刀の切っ先を突き付け、鷹の翼を持つ女性。その中に潜む蜂を睨む。
    神馳・克樹:「俺は、お前さんが死ぬ程気に入らねえから叩ッ斬るだけよ。個人の問題をすり替えんな」/
    鑑屋 冬至:「──だからこそテメーらは舐めている。人間の『酷さ』と生きる為のなりふり構わなさをね」
    鑑屋 冬至:「悪意比べと行こうぜ」「もっと酷い事をされる前に潰しに来た、人間の『酷さ(エゴ)』とな」
    鏑木 鵲:「なるほど」
    鏑木 鵲:「なるほど、なるほど。人間の考え方はやはり難しいものですが」
    鏑木 鵲:「その敵意は、十分に理解しました」
    鏑木 鵲:「……ごめんなさい」本当に申し訳なさそうな顔をして、
    鏑木 鵲:「あまり好みのやり方ではないんですが……あなた達は駆除しないといけないみたいです」
    GM:どろり
    GM:壁が溶けて、あなた達の傍へと這い寄る
    眞守 雪斗:「────そうか、では、こちらも、」
    眞守 雪斗:合図。
    GM:……音も無く、匂いも無く、色も無く、その攻撃は始まっていた。
    GM:その攻撃手段とは〝呼吸〟であった。
    GM:肺の中を気化した毒物で満たし、口から吐き出す。その行程を幾度も繰り返した。
    GM:広い空間だ。十分な濃度に到達するまでには時間が掛かったが、
    雨宮 さざめ:「〝時間稼ぎ〟、ありがとうございます」
    雨宮 さざめ:「ほどなく定量かと」
    鏑木 鵲:がくっ
    鏑木 鵲:膝が揺れた。
    鏑木 鵲:「……!」
    眞守 雪斗:「──『駆除』の手筈は整ったようだ」
    鏑木 鵲:「……何か仕掛けましたね」
    眞守 雪斗:「蟲には毒だ。『人間』がよく取る、常套手段だろう」
    鏑木 鵲:ゆら、と揺れる身体。もつれる脚。
    鏑木 鵲:拳を握り硬め、額を
    鏑木 鵲:がごっ
    鏑木 鵲:血が滲む程強く殴りつける。
    鑑屋 冬至:「人間は」
    鑑屋 冬至:「安心して生きるためだけに115年を掛けて一種類の生物を殺戮し、調教し尽くせる生き物だ。」
    鑑屋 冬至:「無量大数が一、勝てたなら。まずはそこを人間越えの目標にするといい」
    鏑木 鵲:「……なるほど、覚えておきましょう」
    鏑木 鵲:「必要なのは調教、ということならば……」
    鏑木 鵲:額から血を流しながらも、〝それ〟は翼を広げる。
    鏑木 鵲:「まずは鞭を与えましょう……!」

    エンゲージ
    鏑木 鵠[3] ホド・ネツァク[5] 〝壁〟1[4] 〝壁〟2[4]

    10m

    鑑屋 冬至[6] 神馳 克樹[3] 眞守雪斗[14]


    GM:さあ、戦いの時間だ。
    GM:喰うか喰われるか。駆除するかされるか。二つに一つの生存競争。
    GM:〝女王〟は怒りに震えている。意志疎通不可の生物が放つ赫怒の衝動は、あなた達の体内のレネゲイドを揺さぶり喚起する。
    GM:衝動判定、難易度は10──だが、
    ホド・ネツァク:Eロイス《堕落の誘い》
    鑑屋 冬至:ヌオーッ!!!
    ホド・ネツァク:もし衝動判定に失敗した場合、侵蝕を100まで上昇させてから2d10の侵蝕を振っていただく。
    GM:……と思ったんだけど何故かひとりもう100行ってるねぇ。
    眞守 雪斗:おかしいね……
    鑑屋 冬至:不思議だぜ……
    神馳・克樹:一体北区画の調査で何が…
    眞守 雪斗:失敗なんか怖くねえ!(文字通り) 振るぜ!
    眞守 雪斗:(5+3)dx+1>=10 衝動判定
    DoubleCross : (8R10+1[10]>=10) → 7[1,2,2,2,3,4,6,7]+1 → 8 → 失敗

    眞守 雪斗:精神型ァ!
    鑑屋 冬至:6dx+2>=10
    DoubleCross : (6R10+2[10]>=10) → 9[5,5,6,8,8,9]+2 → 11 → 成功

    眞守 雪斗:衝動判定:眞守 雪斗の侵蝕率:+10(2d10->6,4) ((侵蝕率:100->110))
    鑑屋 冬至:ぎりセェェェフ!!!
    鑑屋 冬至:94+2d10
    DoubleCross : (94+2D10) → 94+20[10,10] → 114

    神馳・克樹:3DX
    DoubleCross : (3R10[10]) → 10[8,8,10]+5[5] → 15

    鑑屋 冬至:オゴーッ!!!!!!!!
    GM:ぜんぜんセーフじゃないよ!!!
    眞守 雪斗:鑑屋ァ?!
    眞守 雪斗:神馳くんえらい!!!!
    神馳・克樹:セーフとは。一応成功、侵蝕上げっぜ
    鑑屋 冬至:逆に考えるんだ 6得したと考えるんだ
    神馳・克樹:2D10+73
    DoubleCross : (2D10+73) → 18[8,10]+73 → 91

    鑑屋 冬至:侵蝕……114!
    眞守 雪斗:こっちも結構伸びたな……
    神馳・克樹:うっし、本調子だ。最初からそこそこ回していけそうだな
    GM:では

    ラウンド1


    GM:セットアップ!
    眞守 雪斗:あります!
    眞守 雪斗:▼セットアップ 《原初の黄:ソードマスター》 侵蝕[+3]
    眞守 雪斗:対象:単体 射程:至近 武器1つを選択。ラウンド間、選択した武器による攻撃の達成値を[+12]
    眞守 雪斗:対象:眞守雪斗。指定は「ナックルダスター」一つ。 以上です
    眞守 雪斗:眞守 雪斗の侵蝕率:+3 ((侵蝕率:110->113))
    鑑屋 冬至:やるしかねぇ!〈赤方遷移世界〉!
    鏑木 鵲:まずはサブトピ達成による暴走を受ける! これでリアクションもカバーも不可!
    神馳・克樹:SETUP>>《フルパワーアタックLV2》。ラウンド中の攻撃力を+LV*5し,行動値を0へ変更だ。
    鑑屋 冬至:加速しろ神馳くん!侵蝕補正により行動値+8!戦闘移動距離+10mバフを進呈だ!
    ホド・ネツァク:《融合》! 対象は鏑木 鵲。また今回は特殊裁定とし、この融合はシーン継続とする! いっかいいっかい宣言するのが面倒だからという理由だけだ!
    神馳・克樹:有賀てえ!
    鑑屋 冬至:侵蝕116!
    GM:あっ、もしかしてなのじゃが
    GM:フルパワーアタックの行動値修正は……他エフェクトの修正に優先する……!
    神馳・克樹:そうなのだ……
    GM:え0と
    鑑屋 冬至:とはいえ戦闘移動距離の補正はそのままなのだ。移動自在!
    GM:あ、なるほ
    GM:なるほど
    GM:赤方偏移世界の戦闘移動バフは行動値変化によるものじゃない訳だ
    GM:OKOK,ならば何も問題ないぜ
    神馳・克樹:神馳・克樹の侵蝕率+4上昇(侵蝕率:91->95)
    GM:では
    GM:イニシアチブ! 特になければ手番は行動値14のまもりさん!
    神馳・克樹:INITIATIVE>>《マグネットムーブLV1》!10m距離にいる相手1体を強制的に離脱移動でこちらへ引き寄せる!
    神馳・克樹:対象はホド・ネツァク!つまりそこの2名に来てもらう!
    神馳・克樹:神馳・克樹の侵蝕率+3上昇(侵蝕率:95->98)
    鑑屋 冬至:ウオーッ!いいぞ神馳さーん!
    GM:おのれい
    エンゲージ
    〝壁〟1[4] 〝壁〟2[4]

    10m

    鑑屋 冬至[6] 神馳 克樹[0] 眞守雪斗[14]
    鏑木 鵠[3] ホド・ネツァク[5]

    GM:こんな感じになってしまったか!
    眞守 雪斗:そういうことだ……!
    神馳・克樹:「お前らのやり方見て、掴ませて貰ったぜ」運指で磁力を操り、周囲を乱す磁力を一方向に『定める』。
    神馳・克樹:「——おら、とっとと降りてきなぁ!」/
    鏑木 鵲:「──!」
    鏑木 鵲:〝ホド・ネツァク〟本体の〝磁力制御〟と合わせ、その引き込みに抵抗を試みる。
    鏑木 鵲:が──一瞬、瞼が落ちた。その一瞬に間合いを埋められる!
    涼風 こころ:「……間合い!」
    涼風 こころ:「合わせるから、思い切りやって!」
    神馳・克樹:「上とか下とか言ってねえでよ、同じ目線で喧嘩しようぜ?ねつぁくさん、——よッ!」
    神馳・克樹:最後の一言と共に跳躍し、刀で翼を狙う。峰打ちなどと生易しい事が言える相手ではない。
    鏑木 鵲:ごうっ──暴風を翼が生む。攻撃を避けようとする急激な転回。
    鏑木 鵲:かろうじて負傷こそ逃れたが体制を大きく崩し──
    涼風 こころ:銃撃! 過たず頭部を狙い澄ました弾丸──
    鏑木 鵲:肘。
    鏑木 鵲:向けられた銃口の赫怒と、自分自身の特性と。どこを狙われているかは分かる。
    鏑木 鵲:使用頻度の少ない左腕の肘を軌道上に起き、弾丸を受けた。
    鑑屋 冬至:(流石に……只ではいかないか)
    鏑木 鵲:……これが仮に生身の〝タンブラーピジョン〟であれば、痛みがダメージとして蓄積もしようが、
    鏑木 鵲:〝乗機〟が幾ら痛みを覚えようと、〝女王〟は何も感じない。
    鑑屋 冬至:(しかし『当たった』。畳みかけられるって事だ!)/
    鏑木 鵲:「……あら、可哀想に」他人事のように、そう言うだけだ。
    鏑木 鵲:崩れた立て直す為、翼がまた大きく打ち鳴らされ──
    GM:手番、行動値14、眞守さん!
    神馳・克樹:「チッ、そう上手くはいかねぇか。次も頼むぜ」/
    眞守 雪斗:既に。────背後の影は色濃く落ち。準備は済んでいる。
    眞守 雪斗:おーけい!
    眞守 雪斗:▼マイナー 《拡散する影》《極光螺旋》《原初の黒:ライトスピード》 侵蝕[+10(+《極光螺旋》効果で5点)]
    眞守 雪斗:そのメインプロセスで、メジャーアクションを2回行う。判定のC値[+1]
    眞守 雪斗:そのメインプロセスで行う攻撃の判定のDを-[【精神】以下の任意の数]個し、その判定の達成値+[減らしたダイス数*LV](最大20)する
    眞守 雪斗:侵食率を[5]点まで任意で上昇。そのメインプロセスの攻撃力[+上昇させた侵蝕値*Lv](最大20)する
    眞守 雪斗:減少数は[5]個。達成値を[+20]する。/侵蝕値を[5]点上昇させる。攻撃力[+20]
    GM:うっわあ
    眞守 雪斗:眞守 雪斗の侵蝕率:+15 ((侵蝕率:113->128))
    GM:エグいな☆
    眞守 雪斗:情報過多だぜ
    鑑屋 冬至:ヒェエ……
    眞守 雪斗:一発目ェ! といっても各メジャーの内容に変化はない
    眞守 雪斗:▼メジャー“「一緒に死のうか」” 《原初の赤:サイレンの魔女》《ダンシングシミター》 侵蝕[+9]
    眞守 雪斗:対象:シーン(選択) 射程:視界 装甲無視 対象はエネミー全員だ
    眞守 雪斗:判定!
    眞守 雪斗:(0+3)dx11+4+12+20
    DoubleCross : (3R10+4+12+20[11]) → 9[4,7,9]+36 → 45

    鏑木 鵲:暴走リア不! だからカバーもできねえぜ!
    ホド・ネツァク:ガード!
    〝壁〟:壁1番はガード、2番はメジャー放棄で1番をカバーリング!
    眞守 雪斗:ダメージ!
    眞守 雪斗:5D10+30+20+1D10
    DoubleCross : (5D10+30+20+1D10) → 20[1,5,7,6,1]+30+20+6[6] → 76

    GM:まぁ、はい
    眞守 雪斗:眞守 雪斗の侵蝕率:+9 ((侵蝕率:128->137))
    GM:壁2は……死にますね……
    GM:鏑木&ホド・ネツァクはそれぞれ76ダメージ! 装甲はあるんだけどな!
    眞守 雪斗:2発目!
    眞守 雪斗:▼メジャー“「一緒に死のうか」” 《原初の赤:サイレンの魔女》《ダンシングシミター》 侵蝕[+9]
    眞守 雪斗:対象は残ったエネミー全員だ!
    眞守 雪斗:(0+4)dx11+4+12+20
    DoubleCross : (4R10+4+12+20[11]) → 9[1,5,8,9]+36 → 45

    GM:きみ侵蝕やっべえな……
    鏑木 鵲:リア不!
    ホド・ネツァク:ガード!
    〝壁〟:ガード!
    眞守 雪斗:5D10+30+20+1D10
    DoubleCross : (5D10+30+20+1D10) → 24[4,10,6,2,2]+30+20+2[2] → 76

    眞守 雪斗:眞守 雪斗の侵蝕率:+9 ((侵蝕率:137->146))
    GM:今度は……全員耐えた、耐えたけどさ……!
    眞守 雪斗:壁耐えたの?! まじか
    GM:鏑木とホド・ネツァクは累計152ダメージ、壁はガード値で20軽減して56ダメージ通って生存だ
    GM:範囲攻撃カバーでも生き延びるだけの性能はある筈だった壁1くん……
    眞守 雪斗:演出!
    GM:演出どうぞ!
    眞守 雪斗:背後の影が、レネゲイドの爆発的な励起により『ヒトガタ』を形づくる。
    眞守 雪斗:否、それは眞守の背後に常に“在るもの”。
    眞守 雪斗:寄り集まった因子が、影が、他者に知覚できるまでの質量を得ていく。
    眞守 雪斗:“葬列”。眞守の両親であり、妹であり、手に掛けた者達が囚われた、魂の行き先。骸の成れの果て。
    眞守 雪斗:「──駆除の時間だ、害虫」
    眞守 雪斗:嫌悪も顕な声。それを合図に、“葬列”の中から、一対の影が飛び出していく。
    眞守 雪斗:鏡合わせのように右と左の眼窩にナイフを穿たれた、双子の少女が、
    眞守 雪斗:互いのナイフを引き抜き。躍るように跳躍し、“ホド・ネツァク”の頭部めがけて斬り掛かる!
    鏑木 鵲:「……っ、く!」予期せぬ角度からの、挟み込むような斬撃。軌道を読ませず確実に切りつける為の──
    鏑木 鵲:それでも〝本来〟なら。万全の〝ホド・ネツァク〟とその〝愛機〟なら、避けられぬ攻撃ではない。
    鏑木 鵲:だが。今、その〝愛機〟は性能に異常をきたしている。
    眞守 雪斗:(なるほど、良く効いている)
    鏑木 鵲:二つの斬撃が頭蓋に食い込む。いずれも一撃で致命とはならぬが──深手ではあろう。
    眞守 雪斗:“葬列”は破壊を生み続ける。後方の1体を呑み、なお、嵐は止まない。
    眞守 雪斗:だが、これでは足りない。致命的な傷には成り得ない。
    眞守 雪斗:眞守にとって、“葬列”は無自覚に生まれたもの。死者を取り込み、解き放つことで破壊を生む檻だと認識していた。
    眞守 雪斗:だが、その能力の本質は、──他者の姿かたちを再現し、あまつさえ独立した挙動を取らせるほどの、精密な『模倣』。
    眞守 雪斗:故に、初めて────意識的に、形取る。
    眞守 雪斗:濃い、昏い、影が落ち──右手に、15cm程背の低い、和装の“女”が立ち、
    眞守 雪斗:濃い、昏い、影が落ち──左手に、ほぼ同じ背丈の、和装の“男”が立ち、
    眞守 雪斗:二人が、消える。
    眞守 雪斗:刹那。
    眞守 雪斗:遠距離からの踏み込み突き──
    眞守 雪斗:蹴り。至近距離から視界の外を回して側頭部へ届く曲撃技。
    鏑木 鵲:がしゅっ
    鏑木 鵲:頭蓋の上半分が抉れ飛ぶ。
    眞守 雪斗:翼持つ者の砕けた後頭部を、掴む。投げ落とす。
    眞守 雪斗:そして。拳打。拳打。拳打拳打拳打。
    眞守 雪斗:──模倣する。俺が”ともに生きる”者の、その技を。
    GM:そも無仁流は〝総合殺人術〟。徒手の技巧とて存在する。
    GM:拳を用いる技の総称は〝夜光〟──〝つき〟の隠語だ。
    GM:人体を効率良く砕く為、固く、ともすれば歪なほどに強く握りしめられた拳打。
    鏑木 鵲:打たれた頭部が砕け、割れる。もうすぐだ、もうすぐあの〝虫〟の潜む箇所まで──
    鏑木 鵲:──修復!
    鏑木 鵲:「しゃっ!」腕を振り回し、拳打の雨を打ち払う!
    眞守 雪斗:「──頑丈だな」
    鏑木 鵲:……既にしてその身体は、《リザレクト》による修復が始まっている。
    鏑木 鵲:「ええ」
    鏑木 鵲:「力が強く頑丈で、空を飛ぶことができる、健康な若い雌」
    鏑木 鵲:「自慢の乗機です」
    鑑屋 冬至:(再生を始める。〈リザレクト〉が効いている……と思いたいところだ)
    鏑木 鵲:その言葉が終わるか終わらぬかの内に、〝それ〟は動き始めている。
    鏑木 鵲:散々に〝愛機〟を殴りつけてくれた人間へ躾けを施す為に、
    鑑屋 冬至:(つまり──鏑木さんはまだ助けられる!)
    鏑木 鵲:怪力を誇る両手を掲げて、翼を鳴らし、矢の如く──
    GM:──しかし。
    GM:その飛翔が、目標物へ到達するより早く。
    GM:あなたの手番だ。
    GM:イニシアチブ、行動値6の鑑屋くん!
    鑑屋 冬至:OK!マイナーで〈氷の回廊〉!
    鑑屋 冬至:飛行状態でエンゲージを離脱し5m後退!
    GM:なるほど……そういえば君の攻撃手段は……!
    鑑屋 冬至:侵蝕117にして……メジャー!
    鑑屋 冬至:コンセ3氷の塔6/氷像クリエイト:スケール1/1コンボ!
    鑑屋 冬至:対象はホドと鏑木さんだ!
    鑑屋 冬至:10dx7+6 回れーッ!
    DoubleCross : (10R10+6[7]) → 10[1,3,3,5,5,6,7,8,8,10]+10[6,7,8,8]+6[3,3,6]+6 → 32

    GM:くくく……リア不の鏑木とガードのホド・ネツァクとリアクションは決まっている……判定からダメージまでどうぞ!
    鑑屋 冬至:まずまず!ダメージ行くぜ!
    鑑屋 冬至:4d10+18
    DoubleCross : (4D10+18) → 16[9,4,1,2]+18 → 34

    鑑屋 冬至:低めだぁ……装甲ガード有効!
    GM:それならば……まだ、耐える!
    GM:だが結構なダメージは蓄積しているのが見てとれる筈だ、特に寒さは生物の天敵だからな!
    鑑屋 冬至:ウオーッ演出行くぜ!
    GM:こいや!
    鑑屋 冬至:──ぽん、ぽん。
    鑑屋 冬至:手鏡をラケットの様に扱い、結晶状の凍結弾を宙へと浮かべている。
    鑑屋 冬至:「〝タンブラーピジョン〟さん。聞こえてるなら、本当すみません」
    鑑屋 冬至:「ちょっと斬り落とします」
    鑑屋 冬至:ぽおん。
    鑑屋 冬至:跳ね上げた凍結弾が暴風に乗り、散り散りと舞っていく。
    鑑屋 冬至:(脳を狙うだけではまだ決め手が足りない。)
    鑑屋 冬至:(……再生限界も可能な限り少なめで行きたい。〈リザレクト〉を可能な限り抑えつつ、機動力を奪う必要がある)
    鑑屋 冬至:奪うは。
    鑑屋 冬至:翼だ。
    鑑屋 冬至:とことんやると決めた時は、押し付けるだけでは駄目だ。
    鑑屋 冬至:『意思』を表明しなければならない。それを2段階目のスイッチにした。
    鑑屋 冬至:「──『覆え』」
    鑑屋 冬至:薄きオーロラの刃が天無き天井へと架かり──
    鑑屋 冬至:天駆ける翼を断ち切る為に、仕切りが如く降り注ぐ!
    鏑木 鵲:頭部だけは守ねばならない。自分が、もし外へはじき出されてしまえば。
    鏑木 鵲:直ぐにも〝この身体〟は制御を失うだろう。眠ってしまうだろう。
    鏑木 鵲:そうなれば〝再起動〟までには時間が掛かる。他の〝乗機〟も此処にはない。
    鏑木 鵲:ならば。
    鏑木 鵲:「乗ってあげましょう、その誘いに!」
    鏑木 鵲:翼が、頭部を抱くように形を変える。
    鏑木 鵲:この身体はキュマイラ/ハヌマーン/エグザイル──肉体を用いて戦うことのみに特化している。
    鏑木 鵲:飛翔の為に用いる筈の翼を変形させ、盾と成すことで、
    鏑木 鵲:〝万が一〟にも頭部への負傷は無いように──その他ならば多少奪われようと構わないと、刃の雨に身をさらす!
    鏑木 鵲:……翼の一部が大きく切りおとされ、だが、本来の〝人間としてあるべき身体〟は形状を保っている。
    鑑屋 冬至:「そうだよな。」
    鑑屋 冬至:「虫(テメー)であれば。生きるための最適な効率しか考えない」
    鏑木 鵲:「まさか。可哀想だと思っていますよ、本心から」
    鑑屋 冬至:「そして。そう思うだけだろ?」
    鑑屋 冬至:(だからこそ、そこに『付け込む』余地がある)
    鑑屋 冬至:侵蝕123へ!
    鏑木 鵲:「……本当に、可哀想だと思っています。こんなに血を流して、傷ついて」
    鏑木 鵲:「これが私の為と思えば愛着だって湧きます。……あなた達だって、主人に忠実な犬の物語で大喜びするのでしょう?」
    鏑木 鵲:「飼い主を待って死んだ犬……私は可哀想だと思いますけど。でも」
    鏑木 鵲:「あの犬が幸せだったのと同じくらいに、この人間も幸せに思っている筈なんですから」
    鏑木 鵲:「私達の〝絆〟に、知ったような口を利かないでください!」
    GM:では
    GM:行動値5のホド・ネツァクは《融合》で行動済みなので、行動値4の壁だ
    〝壁〟:マイナーアクションは無い。そしてメジャー
    〝壁〟:《絶対の恐怖》+《神の御言葉》《コンセントレイト:ソラリス》と《タブレット》+《多重精製》!
    〝壁〟:対象はPC3人ともだ!
    眞守 雪斗:ぎゃー!
    眞守 雪斗:n体指定とは卑怯な手を……
    神馳・克樹:AUTO>>《守護者の巨壁》。その攻撃は俺一人が受ける
    鑑屋 冬至:待ちな!
    神馳・克樹:おっと?
    鑑屋 冬至:ここは俺の〈時の棺〉パワーの出番と見たぜ!
    GM:こいつら……
    神馳・克樹:OK、ならこっちは取り下げだ。
    GM:防御性能クソ高さんだな……?
    鑑屋 冬至:何故ならば……壁と神馳君はエンゲージが離れている!
    鑑屋 冬至:復讐の刃が腐っちまうからよォ~~~ッ!!!
    眞守 雪斗:賢いぜェ~~~~!!!
    GM:おのれぇい!
    神馳・克樹:なんて冷静で的確な判断力なんだ……!
    〝壁〟:ちくしょう、ならばこいつの攻撃は不発となる……
    GM:……が、だ。
    GM:イニシアチブ。
    ホド・ネツァク:《さらなる絶望》!
    眞守 雪斗:ぎゃー!
    鑑屋 冬至:なっばっ(侵蝕123→133へ!)
    GM:二ラウンド目以降に使うつもりだったが……出し惜しみは無しだ!
    GM:シーン中の任意の場所へエネミーを未行動で出現させる……すなわち!
    神馳・克樹:あるよなぁ、当然!
    エンゲージ
    〝壁〟1[4]

    10m

    神馳 克樹[3] 眞守雪斗[14]
    鏑木 鵠[3] ホド・ネツァク[5]
    〝壁〟3[4]

    5m

    鑑屋 冬至[6]

    GM:こうだ
    GM:ということで不発描写は次の攻撃に合わせるぜ
    GM:イニシアチブ、行動値4! 壁3!
    鑑屋 冬至:ウゲェ~ッ!同エンゲージに!!!
    〝壁〟:もちろんマイナーは無し。メジャーで《絶対の恐怖》+《神の御言葉》《コンセントレイト:ソラリス》+《タブレット》+《多重精製》、対象はPC3体さぁ!
    鑑屋 冬至:グワーッ!時の棺はシナリオ一回……!
    神馳・克樹:となりゃあこっちだな!
    鑑屋 冬至:このままでは眞守さんはともかく俺と神馳君のロイスが削られてしまう~ッ!!!
    神馳・克樹:AUTO>>《守護者の巨壁》。そいつは俺の担当だ!
    眞守 雪斗:メイン盾~~~!
    鑑屋 冬至:神馳くん! きみってやつは~ッ!!
    GM:ちぃっ……だが単体化だけならダメージは入るさぁ!
    〝壁〟:という訳で命中判定だ
    〝壁〟:9dx7
    DoubleCross : (9R10[7]) → 10[1,1,2,3,5,6,7,8,10]+2[1,1,2] → 12

    〝壁〟:あっ……
    眞守 雪斗:あっ?
    鑑屋 冬至:アッ……
    神馳・克樹:……これワンチャン回避でもよくねぇ?
    眞守 雪斗:いいと思います
    神馳・克樹:回避!まさか刃以外の選択肢があるとは
    鑑屋 冬至:良い気がする!復讐一発じゃ死ななさそうだし!
    神馳・克樹:9DX+1
    DoubleCross : (9R10+1[10]) → 8[1,2,2,2,3,4,4,7,8]+1 → 9

    GM:ふ、ふふ……
    眞守 雪斗:▼オート 《妖精の手》 侵蝕[+4] ダイス目一つを10に変更
    GM:そう簡単に避けられるわきゃあねえだろう!
    GM:ぎゃああああ
    眞守 雪斗:ワンモアセッ!
    眞守 雪斗:眞守 雪斗の侵蝕率:+4 ((侵蝕率:146->150))
    鑑屋 冬至:ヌウーッ!足りない!ここで後乗せできるダイスがあれば……!
    GM:お前……お前……
    神馳・克樹:流石色男!
    神馳・克樹:1DX+11
    DoubleCross : (1R10+11[10]) → 2[2]+11 → 13

    鑑屋 冬至:ま……眞守さ~ん!!!
    眞守 雪斗:シャァ!
    GM:よけ……られた……
    GM:こんなこと予想するか?
    〝壁〟:──鏑木の。いや、ホド・ネツァクの言葉の、最後の音が聞こえるか否かのタイミング。
    神馳・克樹:神馳・克樹の侵蝕率+6上昇(侵蝕率:98->104)
    眞守 雪斗:ふふ……だが現実だぜ……
    〝壁〟:あなた達の周囲の壁が、足場が、天井が!
    〝壁〟:構造物としての形態を保ちつつも液状化、〝金属の重量を持った粘性の液体〟となって振り回される。
    〝壁〟:それはさながら、数十もの巨人が一斉に腕を振り回すような。
    〝壁〟:狙いも何もない。空間を満遍なく薙ぎ払えばいい──そういう暴力があなた達へと行使される!
    神馳・克樹:(あの手の攻撃は、俺はちと相性が悪りぃ。下手に耐えるより……)
    神馳・克樹:大きく息を吸い込み、能力の発動に備える。
    神馳・克樹:(デカい的を用意して、俺等の本体へは空振らせる!)
    神馳・克樹:イメージは相手の所業から得た。自身の肉を際限なく増殖させ、成長させ、肥大させる。
    神馳・克樹:ひと時極めて巨大な自分の似姿を顕現させ、それを巨人の棍棒に覆い被せる!
    GM:巨大な肉塊と、巨大な粘体の衝突!
    GM:あたかも嵐の夜、荒れ狂う波が岸壁に叩き付けられたが如く、
    GM:衝突音ならぬ破裂音!
    鑑屋 冬至:──そして。
    GM:流体の棍棒は砕け散り、ホド・ネツァクの磁力制御により再び形状を再現し──
    〝壁〟:──今一度!
    鑑屋 冬至:1枚の手鏡が中空に放り上げられた。
    〝壁〟:振り下ろしが届かぬならば、次は横薙ぎだ。
    〝壁〟:細く、ワイヤーのように細く引き絞られた流体の〝人体〟が、断首の刃と化してあなた達に迫る!
    鑑屋 冬至:投げ上げた青年の視界は──物理的に塞いている。
    鑑屋 冬至:『焦点(ピント)』の精度は、自身の視界の悪化と反比例して上がる。
    鑑屋 冬至:それを知ったのは……そうだそうだ、丁度初めての任務だった。
    鑑屋 冬至:生理的反応により涙が眼球に溢れ、視界がさらにぼやけていく。
    鑑屋 冬至:イージーエフェクト:〈熱感知知覚〉使用。
    鑑屋 冬至:ああ。
    鑑屋 冬至:サーモグラフィーの様に視界へ『焦点(ピント)』被せて、熱量を操る。
    鑑屋 冬至:そのやり方を理解した時と同じセルが相手ってのも……変な因果だよなぁ。
    鑑屋 冬至:(イメージは……へへ。なんか気が抜けちゃうな)
    鑑屋 冬至:(『かまくら』がいい。そう決めた)
    鑑屋 冬至:ああ。
    鑑屋 冬至:手鏡を起点に、視野に被さる『焦点(ピント)』が広がっていく。
    鑑屋 冬至:「──その『熱』を」
    鑑屋 冬至:見られているぞ。
    鑑屋 冬至:知られているぞ。
    鑑屋 冬至:掴まれたぞ。
    鑑屋 冬至:──『お前たち』が。俺達を探したように。
    鑑屋 冬至:「寄越せ」
    鑑屋 冬至:ガ                             
    鑑屋 冬至: 
    鑑屋 冬至: 
    鑑屋 冬至:チ                    
    鑑屋 冬至: 
    鑑屋 冬至: 
    鑑屋 冬至:ィ
    鑑屋 冬至:────一瞬だった。
    鑑屋 冬至:棍棒が。壁面が。見渡す限りの接『人』面が。
    鑑屋 冬至:凍てついている。
    鑑屋 冬至:「虫(コア)までは解らなかったからデタラメにやったけど」
    鑑屋 冬至:俺が奪ったから。
    鑑屋 冬至:「時間は稼げるはずです。このまま行きましょう」
    〝壁〟:──みしっ
    〝壁〟:みし、みし、みし、みし、みし
    〝壁〟:氷を軋ませる音がする。
    〝壁〟:やがて氷が砕けた時、再び〝赤黒い津波〟は解き放たれて、あなた達を襲うのだろう。
    〝壁〟:だが、それまでに少しの猶予は──
    眞守 雪斗:「────」
    眞守 雪斗:軋む音が始まる、その瞬間を『聴いて』いた。
    眞守 雪斗:影が、瞬時に模倣したのは、和装の“女”。
    眞守 雪斗:──ひゅっ
    眞守 雪斗:風を斬る音が響き、か細い“影の針”が飛ぶ。
    眞守 雪斗:毒など含まぬはずのその針が、
    眞守 雪斗:『偶然』にも。
    鑑屋 冬至:ぱしり、と落ちてきた鏡を掴み取る。
    眞守 雪斗:今にも漏れ出そうとする“磁性流体”、その脱出口となる『疵』を埋める。
    眞守 雪斗:「ああ。──やろう」
    〝壁〟:漏出口を塞がれた流体は、氷の裏側で、
    〝壁〟:みしみし、ぎぃぎぃと氷壁を軋ませ膨張しながら、報復の時を待っている。
    〝壁〟:猶予は? 1分もあるだろうか。
    〝壁〟:無い──のやも知れない。
    〝壁〟:だが。
    〝壁〟:分かっているだろう。
    〝壁〟:〝戦争〟における一分という時間の、絶望的な長さを。
    ホド・ネツァク:……分かっている。だから女王蜂は、
    ホド・ネツァク:本来なら声を発することもできぬ小さな体で、かちっ、と顎を打ち鳴らした。
    ホド・ネツァク:そんな音、無論、誰にも聞こえはしないのだが。
    GM:イニシアチブ。手番、行動値3の鏑木 鵲。
    鏑木 鵲:マイナー、《完全獣化》+《鷹の翼》+《骨の剣》+《死招きの爪》
    鏑木 鵲:そしてメジャーは《コンセントレイト:ハヌマーン》+《一閃》+《血の宴》+《渇きの主》……融合を悪用させてもらうぜ!
    鑑屋 冬至:ギョエーッ!範囲!!!
    神馳・克樹:来な。こちらはカバーリングと反撃予定だ。
    鏑木 鵲:対象は同一エンゲージの二人。即ち眞守、神馳の二名!
    眞守 雪斗:ぎゃー!
    鑑屋 冬至:許された!
    鏑木 鵲:18dx7+3 命中判定
    DoubleCross : (18R10+3[7]) → 10[1,1,1,2,2,2,3,4,5,5,5,6,6,6,7,7,9,10]+5[1,1,2,5]+3 → 18

    鏑木 鵲:あれっ
    眞守 雪斗:……あれ?
    鑑屋 冬至:えっ…………
    GM:ええ……
    眞守 雪斗:ワンチャンドッジ……
    GM:リ……リアクションどうぞ……
    神馳・克樹:そろそろ鷹も羽休めが必要らしいな
    眞守 雪斗:5dx>=18
    DoubleCross : (5R10[10]>=18) → 10[1,4,6,10,10]+9[9,9] → 19 → 成功

    眞守 雪斗:避けちゃった
    神馳・克樹:AUTO>>《復讐の刃》。その攻撃へのリアクションを放棄し、C値7での攻撃判定を行う。リアクション不可だ。
    GM:こんなことある!?
    GM:マジ!?
    神馳・克樹:9DX7+5
    DoubleCross : (9R10+5[7]) → 10[1,2,2,3,3,5,5,5,9]+4[4]+5 → 19

    GM:処理順的に先に神馳くんのダメージロールからどうぞ!
    鑑屋 冬至:うっそやろ……w
    神馳・克樹:こっちも振るわなかったが、まぁどの道リア不可だからな……ダメージ出すわ
    神馳・克樹:2D10+25 装甲有効
    DoubleCross : (2D10+25) → 12[10,2]+25 → 37

    GM:うはは
    神馳・克樹:神馳・克樹の侵蝕率+6上昇(侵蝕率:104->110)
    GM:この数値だと、えーと
    GM:一度落ちるな、だが
    鏑木 鵲:融合で引っ張ってきた《不死不滅》!
    鏑木 鵲:HPを80まで回復する!
    鏑木 鵲:そしてダメージロールだ
    鏑木 鵲:2d10+33 装甲貫通
    DoubleCross : (2D10+33) → 12[4,8]+33 → 45

    鑑屋 冬至:ウヌーッ高え!
    鏑木 鵲:更に渇きの主でHPを8回復して88になるぜ
    眞守 雪斗:固定値が痛いな
    神馳・克樹:そいつぁ耐えられねぇな!”ホド・ネツァク”のロイスをタイタス化、復活だ。
    神馳・克樹:神馳・克樹に-33のダメージ!(HP:33->0)
    神馳・克樹:神馳・克樹のHPを16回復(HP:0->16)
    GM:ではサクッと!
    鏑木 鵲:「……家畜が何をしようと!」
    鏑木 鵲:凍り付いた世界の中を、鷹が舞う。
    鏑木 鵲:「所詮は繋がれて飼われるだけに生まれた生物! それが──」
    鏑木 鵲:翼長4mに至る左右の翼は、金属にも勝る強度の〝骨〟で補強され、鋭利な刃と化している!
    鏑木 鵲:「──多少跳ね返ったところで……私達に勝るものかっ!」
    鏑木 鵲:低空飛行! 空を飛べぬ人間の、足をさらに切り落とさんと一対二翼の刃が迫る!
    眞守 雪斗:──成人男性としては、標準よりやや鍛えられているが、決して戦闘に向いたそれではない。
    眞守 雪斗:ゆえに、“回避”は本来不得手。強大な敵を相手には、肉体の再構成に注力するのが定石だ。
    眞守 雪斗:だが、この冷涼になった空間であれば、ほんの少し。
    眞守 雪斗:僅か。その動きは鈍っている。故に、動き出しが、刹那遅れた。
    眞守 雪斗:《闇夜の鳥》──飛翔する翼によって落ちた影に、一瞬だけ、姿を落とす。
    眞守 雪斗:対象の動きが高速であるがゆえに。一瞬でいい。
    眞守 雪斗:「──やってみるもんだな」 と、独りごちた。
    神馳・克樹:「悪りぃな、逆瀬川の姉ちゃん……の友達!ちっと手荒にするぜ!」
    神馳・克樹:攻撃のタイミングに合わせ震脚を踏み込み、その片翼を正面から受ける。
    神馳・克樹:初めから躱すことなど考えていない。空を舞う相手に刃が届く一瞬。
    神馳・克樹:それは獲物に向けて自ら近づいてくる突撃、この瞬間以外にない!
    神馳・克樹:「おお、らぁッ!!」
    鏑木 鵲:ざんっ!
    鏑木 鵲:双方の刃は、共に〝敵〟の肉を断つ!
    GM:……そして、神馳 克樹。あなたなら分かるだろう。
    GM:あなたの持つ刃に。その手に、
    GM:〝呪い〟を掛けた手応えは返らないと。
    GM:その刃は、全く凡庸な生き物を斬った時と同じように、ただ衝撃だけを手に返した。
    GM:……即ち。
    神馳・克樹:ぼたぼたと肚の内容物を零しながら、荒く笑みを作る。
    GM:この対象は、Eロイスを持たない。
    GM:解除可能なEロイスは存在しない。
    GM:あくまでも、
    GM:この対象は……だが。
    神馳・克樹:「……オーケー、手遅れよかよっぽどマシだ」
    神馳・克樹:「やるべきは、やっぱりあの蜂らしい。……気合い入れるぜ、おう!」/
    鏑木 鵲:「ふん、この程度で──」
    鏑木 鵲:「私の〝愛機〟が動きを止めるものかっ!」
    鏑木 鵲:オートアクション《夜魔の領域》 行動値0の未行動状態になるぜ!
    眞守 雪斗:こいつ~~~
    GM:ブラム=ストーカーと融合するといろんなエフェクトが使えて楽しいなぁ~
    GM:ということで
    GM:行動値0のPC優先、神馳くんの手番だ!
    鑑屋 冬至:野郎~~~ッ!!!※女王です
    神馳・克樹:MINOR>>リアクティブシールドを空いてる手に装備。意外と馬鹿になんねぇからな。
    神馳・克樹:MAJOR>>コンボ【我流・死なず殺し】。《バリアクラッカー》+《コンセントレイト:エグザイル》+《踊る髪》、ガード値装甲値無視でダメージ入ればEロイス1つ解除、硬直付与の単体攻撃。
    GM:ふふ……
    GM:さあ……どっちを狙うのかな?
    GM:いや、誰を、か。選択肢3の壁もいるんだった
    神馳・克樹:対象だが……そうだな、素直にホド本体に行くか。どうせカバーリングされるだろうが。
    GM:よろしい、判定どうぞ
    神馳・克樹:宣言、問題なけりゃ判定行くぜ。
    神馳・克樹:9DX7+4
    DoubleCross : (9R10+4[7]) → 10[4,5,5,6,6,7,8,9,10]+6[1,2,4,6]+4 → 20

    GM:ではリアクションだが
    ホド・ネツァク:ガード。そして
    鏑木 鵲:……カバーリングしたいんだけど暴走中だったよ……
    GM:ホド・ネツァクへカバーを行うルーチンがあるのは鏑木だけだ……よって
    GM:命中する。ダメージをどうぞ
    神馳・克樹:壁カバーしねぇのかよ!!ダメージ出すぜ!
    神馳・克樹:3D10+25 装甲ガード値無視、ダメージで硬直、Eロイス1つ解除!
    DoubleCross : (3D10+25) → 10[1,2,7]+25 → 35

    ホド・ネツァク:……累計211ダメージ……もうちょっと耐える!
    ホド・ネツァク:だがかなり瀕死だ……そして!
    神馳・克樹:神馳・克樹の侵蝕率+7上昇(侵蝕率:110->117)
    ホド・ネツァク:現時点で効果を発揮しているEロイスは二つ。《ありえざる存在》による融合の取得と、《超越活性》による不死不滅のレベル2上昇だ。
    ホド・ネツァク:こいつは……ピュアブラムだ!
    GM:ということで、さあ
    GM:どっちを斬るかね?
    GM:斬らないという選択肢も一応あるけれども
    神馳・克樹:不死不滅はさっき使ったからな。《融合》を解除する為に《あり得ざる存在》を切らせて貰うぜ
    GM:よろしい、では
    ホド・ネツァク:《ありえざる存在》の解除によりホド・ネツァクは《融合》を失い、GM裁定により即座に融合が解除される。
    眞守 雪斗:うおー!
    ホド・ネツァク:鏑木 鵲の行動は《鮮赤の牙》によるものである為、敵対状態は変わらないが、
    鑑屋 冬至:やったぜ!
    鏑木 鵲:この時点からブラム=ストーカーのエフェクトが使用不能。また、強制的同一エンゲージ配置の縛りが無くなる。
    GM:ということで……演出をどうぞだ!
    神馳・克樹:太刀を正眼に構え、精神を集中する。
    神馳・克樹:———感じろ。何せ、一度は自分の身で『憑かれた』ものだ。
    鏑木 鵲:羽ばたきが氷の粒を散らす。
    鏑木 鵲:ばさ、ばさ。しゃら、しゃら。
    神馳・克樹:一度肌身で実感した所業。その禍々しい力の中枢は、慣れぬ知覚でも探れるはずだ。
    鏑木 鵲:鼓動もある。血の流れもある。
    鏑木 鵲:あまりにも多くの〝音〟が、そこにある。
    鏑木 鵲:……音が、
    鏑木 鵲:向きを変える。速度を増す。
    鏑木 鵲:怒りを込めて、憎悪を込めて。そして多分に優越を信じ、害獣駆除の一環として、なかば哀れみをさえ抱きながら、
    鏑木 鵲:命を絶つ刃の翼が、再びあなたの首へ──
    神馳・克樹:「人の渡世にゃ道理があって」
    神馳・克樹:口を開く。同時に、刀を鞘に滑らせる。
    神馳・克樹:「通さにゃ行かねぇ仁義があんだ。お前さんらは、それに触れたのよ」
    神馳・克樹:「———落とし前、付けさせて貰うぜ」
    神馳・克樹:既に、捉えて/斬っていた。
    ホド・ネツァク:じっ
    ホド・ネツァク:……羽音。
    神馳・克樹:鞘鳴りの音と同時、小さな飛沫が舞う。それで一太刀の終わりだ。/
    鏑木 鵲:そして鮮血が、周囲の冷気にぱきぱきと音を立てて凍り付き、赤い雪となってあなたに降った。
    鏑木 鵲:「が」
    鏑木 鵲:その声は、女王のものではなく、
    鏑木 鵲:大きな損傷を受けた生物が反射的に発したもの。
    鏑木 鵲:頭蓋に大きな傷が刻まれ、
    ホド・ネツァク:──凍結した世界に一匹の、小さな、
    ホド・ネツァク:指の第一関節から先よりまだ小さな虫が放たれた。
    ホド・ネツァク:じじっ
    ホド・ネツァク:その虫は慌てたように、また鏑木 鵲の傷口へ身を潜り込ませようとするが、
    鏑木 鵲:……傷跡が〝正しく〟修復され始めている。
    鏑木 鵲:当然だ。
    鏑木 鵲:〝不死殺し〟の太刀が、不死ならざるものを、過剰に傷つけることがあるものか。
    ホド・ネツァク:じじっ じじっ ちっぽけな羽音。……〝乗機〟の制御は体外からでも行えるのだろうが、
    ホド・ネツァク:女王の、優越を信じる言葉が、ぷっつりと止んだ。
    神馳・克樹:「死なずを殺す、能わずを能う。そんな太刀が、鬼と人も切り分けられねぇとでも?」
    神馳・克樹:「年貢の納め時だぜ、コートーセーブツさんよ」/
    GM:行動値0、鏑木 鵲の再行動。
    鏑木 鵲:では
    鏑木 鵲:マイナーアクション、暴走を解除!
    鏑木 鵲:これで次からカバーリングも回避もできるぜ……そしてメジャー
    鏑木 鵲:飛行状態でも一閃でエンゲージを離脱できるか分からないからな……同一エンゲージを狙おう
    鏑木 鵲:1d2+1
    DoubleCross : (1D2+1) → 2[2]+1 → 3

    眞守 雪斗:ヒッ
    鑑屋 冬至:ヌワーッ
    鏑木 鵲:《コンセントレイト:ハヌマーン》+《一閃》 対象は眞守 雪斗! 復活なんかしねえでおねんねしてな!
    鏑木 鵲:18dx7+3 命中判定!
    DoubleCross : (18R10+3[7]) → 10[1,2,3,3,3,3,4,5,6,6,6,7,8,8,9,10,10,10]+10[1,1,6,6,8,10,10]+10[6,6,8]+2[2]+3 → 35

    眞守 雪斗:ぎゃー!
    眞守 雪斗:ワンチャンドッジ!!!
    眞守 雪斗:5dx>=35
    DoubleCross : (5R10[10]>=35) → 10[1,5,5,6,10]+5[5] → 15 → 失敗

    眞守 雪斗:回ってるけど流石に無理!
    神馳・克樹:AUTO>>《崩れずの群れ》。その攻撃をカバーリングだ。
    眞守 雪斗:助かるぜ……
    鑑屋 冬至:か……神馳君ッ!
    GM:この子はもう……!
    鏑木 鵲:4d10+33 装甲有効ダメージ!
    DoubleCross : (4D10+33) → 21[7,5,4,5]+33 → 54

    神馳・克樹:神馳・克樹の侵蝕率+2上昇(侵蝕率:117->119)
    神馳・克樹:フルでも消し飛ぶ、眞守のロイスをタイタス化して復活!
    神馳・克樹:神馳・克樹に-16のダメージ!(HP:16->0)
    神馳・克樹:神馳・克樹のHPを6回復(HP:0->6)
    神馳・克樹:神馳・克樹のHPを10回復(HP:6->16)
    鏑木 鵲:一撃を受けた間合いから、今度は鷹は離れない! そのままの距離から剛腕を振るう──まずは影から舞い戻ったばかりの男の首を目掛けて!
    眞守 雪斗:次はない。肉体の再構成に備える、が──
    神馳・克樹:「させねぇ、よッ!」轟音。肚に大穴が空くが、強引に修復して維持する。
    神馳・克樹:「オラ、次だ次!こちとらしぶとさが売りなんでなァ!」/
    鏑木 鵲:外部操作の難易度が為か、声帯までは動かない。手と足と翼と、それだけが制御の全内容だ。
    鏑木 鵲:故に、無言。無言のままに次の一撃へ備え──
    GM:クリンナップ!
    鑑屋 冬至:なし!
    鏑木 鵲:エネミー側に処理は無い!
    眞守 雪斗:なし!
    神馳・克樹:なしだ!
    GM:では

    ラウンド2


    GM:セットアップ!
    鏑木 鵲:無い!
    眞守 雪斗:▼セットアップ 《原初の黄:ソードマスター》 侵蝕[+3]
    ホド・ネツァク:もう無い!
    鑑屋 冬至:ここしかねえ!〈赤方遷移世界〉−ッ!
    眞守 雪斗:対象:単体 射程:至近 武器1つを選択。ラウンド間、選択した武器による攻撃の達成値を[+12]
    眞守 雪斗:対象:眞守雪斗。指定は「ナックルダスター」一つ。
    眞守 雪斗:眞守 雪斗の侵蝕率:+3 ((侵蝕率:150->153))
    鑑屋 冬至:使用対象はセルフ!イニシアチブ+8!戦闘移動距離も+10m!
    神馳・克樹:SETUP>>《フルパワーアタックLV3》!攻撃力を+15,行動値0だ!
    鑑屋 冬至:このバフにより……眞守さんとイニシアチブ同値になるぜ!
    GM:ほう
    鑑屋 冬至:侵蝕Ⅰ35へ!
    眞守 雪斗:追い付いてきたな……!
    神馳・克樹:神馳・克樹の侵蝕率+4上昇(侵蝕率:119->123)
    GM:では
    GM:イニシアチブ、行動値14のどちらが先に行くかを相談して決めてもらおうか
    鑑屋 冬至:では冬至君が先制します!
    GM:ならば
    GM:そこに少しだけ待ったを掛けさせていただこう。
    眞守 雪斗:なっばっ
    神馳・克樹:こいつ!
    GM:ふふ
    鑑屋 冬至:ゲゲゲェーッ!!!
    GM:……さて、現状を振り返ろうか。
    GM:ここは、〝壁〟に囲まれた空間だ。
    GM:即ち、ホド・ネツァクの意志により自在に武器ともなり、またあなた達の退路を断つバリケードとしても用いられた。
    GM:が。
    GM:今、その〝壁〟は凍り付いている。
    GM:多くの体積を攻撃に用いて、それも叶わずに終わった。
    GM:つまり、つまりだ。
    GM:〝逃げる〟という選択肢を持たなかったあなた達は、もしかすると考慮さえしなかったかも知れないが、
    GM:退路を鎖した〝壁〟は、脆くなっているのだ。

    GM:びしっ
    GM:何かが砕けたような音がして、

    戌亥 李菜:《ブリッツクリーク》 対象は戌亥 李菜
    眞守 雪斗:!?
    鑑屋 冬至:ウワーッ!!!
    戌亥 李菜:これにより、イニシアチブ中にメインプロセスを行う。
    戌亥 李菜:マイナーアクションは無し。メジャー、《プレディクション》&《封じ手》。対象は鏑木 鵲
    戌亥 李菜:5dx
    DoubleCross : (5R10[10]) → 7[1,1,5,6,7] → 7

    鏑木 鵲:プレディクションによりドッジ不可。ガード
    戌亥 李菜:ダメージは無い。だが、
    戌亥 李菜:封じ手により〝重圧〟を付与する
    眞守 雪斗:うおー!
    戌亥 李菜:──たっ
    戌亥 李菜:と、あなた達の後方から飛び出した影があった。
    戌亥 李菜:今この瞬間まで戦いの渦中になかったその影は、鏑木 鵲の顔へ、
    戌亥 李菜:否。
    戌亥 李菜:両目へ向けて、バラ手──即ち拳を固めない半開きの手を振るった。
    鑑屋 冬至:「──!?」
    戌亥 李菜:固めない手で鞭のように目元を打つと、指が眼球を叩く。
    戌亥 李菜:「……道場では……使えませんが」
    戌亥 李菜:「こういう時だけは……別です……!」
    鑑屋 冬至:視界の後ろから奔る赤い熱源。
    鑑屋 冬至:不思議な事に。視界を戻す前に誰であるかが判った。
    鑑屋 冬至:「──戌亥さんッ!?」
    戌亥 李菜:「……ごめんなさい、悪いことだとは分かってたんですが……その……」
    戌亥 李菜:「連絡班の人達が…………えーと……」
    戌亥 李菜:「……あんまりお強くなさそうだったので……」
    戌亥 李菜:「……押し通りました」
    鑑屋 冬至:「………………」
    鑑屋 冬至:「よーし」
    鑑屋 冬至:「──一緒に怒られよっかァ!」
    GM:では、改めて
    GM:行動値14,鑑屋くんの手番だ。
    鑑屋 冬至:ピントを重ねる先は──自身の指先へ!
    鑑屋 冬至:マイナー!やる事ないし自転車に搭乗!
    GM:なんでさ!
    眞守 雪斗:ひゃっはー!
    鑑屋 冬至:メジャー!コンセ3氷の塔6!/氷像クリエイト:スケール1/1コンボ!
    鑑屋 冬至:対象は眞守さんと神馳君以外のエンゲージ内敵対者全員だ!
    GM:よろしい、割り込みは無いぜ判定をどうぞ
    鑑屋 冬至:11dx7+6 侵蝕補正でダイスのおかわりだぜ!
    DoubleCross : (11R10+6[7]) → 10[1,1,3,5,6,7,8,8,10,10,10]+10[2,4,6,6,8,9]+10[2,7]+2[2]+6 → 38

    眞守 雪斗:良い出目
    鑑屋 冬至:イイ感じ!リアクションどうぞ
    GM:ほう、ならば
    GM:折角だ、これも持っていきたまえ
    涼風 こころ:《勝利の女神》8 その達成値を+24する
    眞守 雪斗:つええ……
    鑑屋 冬至:エッいいの涼風さん!?神馳君に悪いなぁ……
    涼風 こころ:200点のノイピュア暴力を味わってもらおう
    鑑屋 冬至:でも貰っちゃう!強いし!
    ホド・ネツァク:ガード!
    〝壁〟:ガード!
    神馳・克樹:何の遠慮だよ。一思いにやっちまえ!
    鑑屋 冬至:有難く貰って合計62!ダメージ行くぜ!
    眞守 雪斗:いけー!
    鏑木 鵲:オートアクションによるカバーが重圧で使えない為……行動放棄カバーでホド・ネツァクを守る!
    鑑屋 冬至:7d10+18 オラーッ
    DoubleCross : (7D10+18) → 54[9,5,10,4,9,7,10]+18 → 72

    眞守 雪斗:うおー!
    鑑屋 冬至:鏑木さんは2倍でヨロ!
    鑑屋 冬至:装甲とかは有効!侵蝕141へ!
    鏑木 鵲:88-144……当然のように倒れるしもう復活も無い! 戦闘不能だ!
    〝壁〟:こちらもガード値で防いだが倒れる……!
    GM:あ、えーと、違うか
    GM:壁3だから52通しで一応生きてはいる!
    GM:鏑木は間違い無く撃破だ演出どうぞ!
    鑑屋 冬至:演出行くぜ!
    鑑屋 冬至:駆けだした戌亥さんへ続くように、勢いよく足を踏み出す。
    鑑屋 冬至:一歩─10㎝。
    鑑屋 冬至:二歩─20cm。
    鑑屋 冬至:三、五、七─
    鑑屋 冬至:30、45、65──
    鑑屋 冬至:青年は宙へと駆けていく。より高く。より直角の
    鑑屋 冬至:──『羽根』のみを狙える軌道を目指して。
    鑑屋 冬至:”ペキ”するりするり、(じゃり、)透き通る氷の坂ができている。”ピキ”
    鑑屋 冬至:「有難く頂いちゃおう」(イメージは、)
    鑑屋 冬至:(極限のレーザー熱線)
    鑑屋 冬至:「貴女の『翼』は奪えない。」
    鑑屋 冬至:だからこそ、こう言おう。
    鑑屋 冬至:「本当に『酷い事』をします」
    鑑屋 冬至:「耐えてくれ」
    鑑屋 冬至:ヒ  ィン ッッ
    鑑屋 冬至:真下の鏑木さんが舞う。羽の付け根をなぞる様に指を振り。
    鑑屋 冬至:氷をヘシ割る細い熱線が、挟まれた『モノ』を断ち切った。
    鏑木 鵲:翼。
    鏑木 鵲:生まれた時から備わっていた部位。
    鏑木 鵲:足で地上を歩くより先に、その体は空を飛ぶことを知った。
    鏑木 鵲:何を考えずとも人が地上を歩けるように、意志を介在せずに空を舞う為のもの。
    鏑木 鵲:……それが断ち切られた時、鏑木 鵲の体は地上に墜落した。
    鏑木 鵲:横たわってしまえば、口を動かさなくなってしまえば、
    鏑木 鵲:さほど背も高くないただの人間。
    鏑木 鵲:口から吐き出す寝息が白く、
    鏑木 鵲:……冗談の様な話。〝とりはだ〟が腕に浮いていた。
    鑑屋 冬至:──一緒に断たれた足場と共に、戌亥さんの側へ着地する。
    戌亥 李菜:「……残心を 」
    戌亥 李菜:「……お忘れ無く」
    鑑屋 冬至:聞いているのかいないのか。
    鑑屋 冬至:最初に返した応えは、ゆっくりと吐く息吹だった。
    鑑屋 冬至:「──こんな感じ?」
    鑑屋 冬至:珍しくうまく行った着地姿勢を変え、再度指を構える。
    戌亥 李菜:「……なかなか……筋がよろしいかと……」
    戌亥 李菜:「……最後の相手が倒れるまで……油断なく……参りましょう……」
    戌亥 李菜:拳を握る。……が。
    GM:身構えた彼女が再び動くより、
    GM:きっと、次の手は早い。
    鑑屋 冬至:「OK。反撃は──」
    GM:行動値14、眞守 雪斗。
    GM:手番だ!
    眞守 雪斗:おーけい。
    眞守 雪斗:▼マイナー 《拡散する影》 侵蝕[+3]
    眞守 雪斗:そのメインプロセスで行う攻撃の判定のDを-[【精神】以下の任意の数]個し、その判定の達成値+[減らしたダイス数*LV](最大20)する
    眞守 雪斗:減少数は[5]個。達成値を[+20]する。
    眞守 雪斗:眞守 雪斗の侵蝕率:+3 ((侵蝕率:153->156))
    眞守 雪斗:▼メジャー“「一緒に死のうか」” 《原初の赤:サイレンの魔女》《ダンシングシミター》 侵蝕[+9]
    眞守 雪斗:対象:シーン(選択) 射程:視界 装甲無視 対象は生き残ってるエネミー全員!
    眞守 雪斗:(0+4)dx10+4+12+20
    DoubleCross : (4R10+4+12+20[10]) → 7[2,5,6,7]+36 → 43

    ホド・ネツァク:……ガード!
    眞守 雪斗:5D10+30+1D10
    DoubleCross : (5D10+30+1D10) → 35[4,10,9,5,7]+30+10[10] → 75

    〝壁〟:壁1ガード。壁3,メジャー放棄でホド・ネツァクをカバー……もうこれしかねえ!
    眞守 雪斗:DDに愛された男ォ!
    GM:チクショウ計算するまでもねえ! 壁1と3が吹き飛ぶ!
    眞守 雪斗:壁ェ!
    眞守 雪斗:眞守 雪斗の侵蝕率:+9 ((侵蝕率:156->165))
    GM:演出あらば!
    眞守 雪斗:では軽く!
    眞守 雪斗:撒き散らされた氷の破片を、影の嵐が舞い上げる。
    眞守 雪斗:それは破壊のみにあらず。空間の冷気を掬い上げ、掻き混ぜ──
    眞守 雪斗:纏わり付かせる。冷気に弱いイキモノを囲う。
    眞守 雪斗:「──ふっ」 小さく、白い息を吐く。
    眞守 雪斗:同時、影の一部が形どられ──“ホド・ネツァク”を摘み潰そうと“手”を伸ばす!
    ホド・ネツァク:じっ じじっ じじっ 羽を鳴らす。守れ、と催促していたのだ。
    鏑木 鵲:だが、〝愛機〟はもう立ち上がらない。
    鏑木 鵲:……いかな名馬とて働かせ続ければ、走れなくなる。道の端に座り込んで眠り始める。
    鑑屋 冬至:俺が落したから。
    ホド・ネツァク:故に。これまで使わなかった術をさえ、用いる必要があった。
    〝壁〟:周囲の、凍結した壁が、氷に覆われたままで蠢いた。
    〝壁〟:それは、盾と呼べるような高等の形状変化などなく、ただ攻撃の射線上に割り込むだけの緊急避難!
    眞守 雪斗:阻まれた。だが、“壁”の機能を止めるには十分な威力。
    眞守 雪斗:故に。
    眞守 雪斗:「──もう一太刀」
    眞守 雪斗:「頼んだぞ」
    鑑屋 冬至:「──僕に任せて」「……って、言いたかったけど。」
    鑑屋 冬至:「そろそろ詰め時だね、コレは」
    神馳・克樹:「おうよ」
    GM:……では。
    GM:行動値5、ホド・ネツァク。
    ホド・ネツァク:オートアクション、Eロイス《歪んだ囁き》
    眞守 雪斗:あァ?!
    ホド・ネツァク:対象は神馳 克樹。
    ホド・ネツァク:このEロイスは、対象が取得しているロイスの感情を一つ、使用者の任意に書き換えるものだ。
    鑑屋 冬至:なっばっ
    ホド・ネツァク:感情を書き換えた結果、どういう結果が出るかはGMが任意に決めていいと言うが、しかし
    神馳・克樹:はしゃぎやがって。で、どれだ?
    GM:しかし、だ。
    GM:この状況に至って、まして受けて立つ男は神馳 克樹だ。ならば。
    ホド・ネツァク:4dx
    DoubleCross : (4R10[10]) → 9[2,3,7,9] → 9

    GM:目標値、9
    GM:意志判定によりこの目標値を達成した場合、
    GM:このEロイスは効果を発揮しないこととする。
    神馳・克樹:男見せる時だなァ。じゃ
    神馳・克樹:判定行くぜ!
    神馳・克樹:4DX
    DoubleCross : (4R10[10]) → 8[1,5,8,8] → 8

    眞守 雪斗:▼オート 《妖精の手》 侵蝕[+4] ダイス目一つを10に変更
    GM:ふっ……
    GM:あ
    GM:こいつ……!
    眞守 雪斗:眞守 雪斗の侵蝕率:+4 ((侵蝕率:165->169))
    神馳・克樹:一応聞きたいんだが、対象にする予定のロイスはどれだ?
    GM:そうだな
    GM:対象にするとしたら、本当はホド・ネツァクのロイスにしたかったが、既にタイタス化昇華済みのようだ
    GM:ならば。ここまでの道中、〝壁〟の目が見る範囲でもっともあなたに距離が近かった人物
    GM:つまり、涼風 こころが対象となるだろうな
    神馳・克樹:オーケー、それじゃあ眞守の旦那。そいつは取っといてくれていい
    眞守 雪斗:承知。取り下げます
    眞守 雪斗:眞守 雪斗の侵蝕率:-4 ((侵蝕率:169->165))
    GM:ほう、ならばどうする?
    鑑屋 冬至:(ドキドキ……)
    神馳・克樹:判定直後のタイミングで、『涼風・こころ』のロイスをタイタス化。効果は達成値の増加で昇華する。
    神馳・克樹:1D10+8
    DoubleCross : (1D10+8) → 6[6]+8 → 14

    眞守 雪斗:成程な……!
    GM:よろしい。取り下げを認めよう。
    GM:では……
    ホド・ネツァク:マイナー、無し。
    ホド・ネツァク:メジャー、《渇きの主》のみを用い他白兵攻撃。攻撃対象は神馳 克樹だ。
    ホド・ネツァク:6dx 命中判定
    DoubleCross : (6R10[10]) → 10[2,4,4,5,8,10]+2[2] → 12

    神馳・克樹:オーケー、今更小手先もねぇ。《復讐の刃》だ。
    神馳・克樹:9DX7+4
    DoubleCross : (9R10+4[7]) → 10[1,3,3,3,4,5,5,6,7]+5[5]+4 → 19

    神馳・克樹:神馳・克樹の侵蝕率+6上昇(侵蝕率:123->129)
    神馳・克樹:2D10+25 装甲有効。
    DoubleCross : (2D10+25) → 12[9,3]+25 → 37

    ホド・ネツァク:2d10-5 装甲有効
    DoubleCross : (2D10-5) → 11[5,6]-5 → 6

    GM:そして
    ホド・ネツァク:……倒れる。復活エフェクトなどは無しだ。
    神馳・克樹:こちらはノーダメージ。
    ホド・ネツァク: 
    神馳・克樹:で、このタイミングで残り1枠のロイスを取得したいんだが…そうだな、先のEロイスの演出から頼む。

    ホド・ネツァク:──虫が一匹、空を飛ぶ。
    ホド・ネツァク:既にこの虫の周囲には、使えるものが何も残っていない。
    ホド・ネツァク:森の中に投げ出された文明人と同じだ。
    ホド・ネツァク:皮膚や弱く、草木に擦れれば容易に血を流す。爪も牙も弱く、手足に力は無く、草食の獣とすら戦えない。
    ホド・ネツァク:生態系の支配者を気取る、無力な一匹の動物。
    ホド・ネツァク:……虫は、神馳 克樹の腕に止まった。
    ホド・ネツァク:寒さに凍え、動きの鈍った体が、それでも腕を這い上がろうとする。
    ホド・ネツァク:腕を昇り、耳に到達して、その中に入り込めば──
    ホド・ネツァク:この人間を操縦できれば、まだ戦えるのだと、必死に足掻いている。
    ホド・ネツァク:じっ
    ホド・ネツァク:じじっ
    神馳・克樹:既にこちらも満身創痍。鉛のように重い腕を、それでも動かし払おうとする。
    ホド・ネツァク:……接触していると、不思議と、その羽音の意味が分かるだろう。
    ホド・ネツァク:従え、と。その虫は言っている。
    ホド・ネツァク:……死にたくないと、その虫は哀願している。
    ホド・ネツァク:私を助けてくれ。私は人間をかわいがってきたじゃないか。恨まれることはしていない筈だ。
    ホド・ネツァク:人間は弱い。人間は愚かだ。自分達の非力も知らず、支配者のような顔をして。だから。
    ホド・ネツァク:……私達のような新たな生き物が、統治しなければいけない。
    ホド・ネツァク:そうして初めて、人間は、〝神〟などという存在に立ち向かえるようになるのだ。
    ホド・ネツァク:私達が助けてやるから、
    ホド・ネツァク:だから、
    ホド・ネツァク:……私を助けろ。助けてくれ。
    神馳・克樹:それは出来ない。自分には守るべき人がいるからだ。守るべきものがあるからだ。
    神馳・克樹:既に知る限り2度。そして自分など知る由もない場所で、これは、これの同類は人類を脅かしていたのだろう。
    神馳・克樹:「悪いな。俺ァ人類がどうたら言う蟲より、嬢ちゃんの方が大事でよ」
    ホド・ネツァク:這い上がる。
    ホド・ネツァク:そのちっぽけな体から比べれば、絶望的に長い道のりを。
    ホド・ネツァク:腕を越え、肩に届いた。
    ホド・ネツァク:……首筋に足を掛け、少しずつ。少しずつ。
    ホド・ネツァク:ようやくその前足が、耳の淵に掛かる。
    眞守 雪斗:咄嗟に────影を、届かせようとして、
    神馳・克樹:舌打ち。流石に、この身体はしぶとすぎる。今の仲間たちにもう一度『虫出し』はさせられない
    眞守 雪斗:視線で、制される。
    鑑屋 冬至:──そっと、女王へ合わせていた『ピント』を戻した。
    神馳・克樹:(———覚悟、決め時か)
    神馳・克樹:意志はとうに振り絞っている。最後の一押し、それを貰える相手。
    神馳・克樹:呼び掛けた。
    神馳・克樹:「こころ」
    涼風 こころ:「克樹くん」
    涼風 こころ:武器を手に持ったまま。けれど、銃口を上げていない。
    涼風 こころ:凍り付いた空間を、少し足を滑らせながら、あなたの隣に立つ。
    神馳・克樹:「言ってなかったがよ。俺、もうすぐ誕生日なんだわ」
    神馳・克樹:突然、関係のない事を口にする。
    神馳・克樹:「次で18。酒飲むにゃあまだ早いがよ……」
    涼風 こころ:「そうなんだ? おめでとう、初めて聞いた……」
    涼風 こころ:「プレゼント、一緒に買いに行く?」
    神馳・克樹:「逆だ。お前に一個だけ、やれるもんがある」
    神馳・克樹:戦場で口にするには、余りに浮ついた言葉。
    神馳・克樹:だがそれでいいのだ。日常に帰る意志こそが、今は必要なのだから。
    神馳・克樹:「『神馳』の名字、やるよ。いるか?」
    涼風 こころ:「うん」
    涼風 こころ:当たり前のように頷いてから、
    涼風 こころ:「……正式な書類とか書こうって意味だったら」
    涼風 こころ:「後で落ち着いた場所で、もう一回言ってもらうけど」
    神馳・克樹:「……そうか」
    神馳・克樹:「だったら!」
    涼風 こころ:「ん」
    涼風 こころ:「まず、一緒に帰ろ」
    神馳・克樹:意志を振り絞って、刀を振り上げる。
    神馳・克樹:「此処で死ぬわけにゃあ、いかねぇなあ!」
    神馳・克樹:ロイスを取得。『神馳・こころ』、感情は家族◎/不安だ。
    神馳・克樹:同時にSロイス指定。不死殺しの刀で、ちっぽけな蜂を切り捨てる!
    ホド・ネツァク:小さな、外骨格の生物を斬り捨てた。
    ホド・ネツァク:手応えなど何も無かっただろう。
    ホド・ネツァク:羽虫を叩き潰すのと同じように、造作も無く、二つに分かれた体が、凍結した床に転がった。
    ホド・ネツァク:……ぴくぴくと、足が動いている。
    ホド・ネツァク:じじっ じじじっ
    ホド・ネツァク:羽音が──
    ホド・ネツァク:E《傲慢な理想》+《孤独の叫び》 自分自身と同一エンゲージの対象二名を選択し、[女王 ○敬服/憐憫]によるロイス取得を強制する。
    ホド・ネツァク:……だが。
    ホド・ネツァク:同一エンゲージに存在するPC二名は、いずれも7枠のロイスを取得済みである。
    ホド・ネツァク:彼らの日常に、ホド・ネツァクが踏み入る隙間など無かった。
    ホド・ネツァク:人間を愛していると、大事だと言い続けた虫は
    ホド・ネツァク:遂に一方向の愛を抱いたまま、ただの虫のように息絶えた。
    鑑屋 冬至:(……いつか。)
    鑑屋 冬至:(人間も同じように……滅びる日は来るのだろうか)
    鑑屋 冬至:ぱちぱち、……めらり。
    鑑屋 冬至:炎が、ずっと俺の中で燃え続けている。
    鑑屋 冬至:……ふと。近視でぼやけた視界に一人の女性が入った。
    鑑屋 冬至:最初で最後の女王が身じろぎを止めたことも確認し、眼鏡を掛けなおす。
    鑑屋 冬至:「…………戌亥さん。」
    戌亥 李菜:「……は、はい」
    戌亥 李菜:目の前で突然に発生した、二人の〝家族宣言〟に気圧された様子ながら、
    戌亥 李菜:武道経験者らしく、すっと背骨に針金の通ったような姿勢で向き直る。
    鑑屋 冬至:「課題のレポート、ちょっと詰まってるところがあってさ。」
    鑑屋 冬至:「落ち着けそうなところで、この前借りてた本見せてもらってもいいかな……?」
    戌亥 李菜:「落ち着けそうな……? であれば……また図書館では……どうでしょう……?」
    戌亥 李菜:「あそこは静かで……本もたくさんあって……快適ですから……」
    鑑屋 冬至:「…………あー、そうだね。」
    鑑屋 冬至:──流石に家族宣言なんて、度胸はないけども。
    鑑屋 冬至:できそうならば、お互いに。仲良くなっていければいいなぁ、と。
    鑑屋 冬至:「──スッゴク良いと思う!今度気に入ってる本とか教えてよ!」
    戌亥 李菜:「……はい。とは言っても、まだ読書歴も短く……あまり詳しくはありませんが……」
    鑑屋 冬至:一人の時間が好きな身としては……珍しく。
    鑑屋 冬至:そう思えた。
    戌亥 李菜:「……そう、ですね」
    鑑屋 冬至:ホド・ネツァク:有意/〇完殺のロイスをタイタス化し、
    戌亥 李菜:「同じ本を読んで、感想を共有する……」
    戌亥 李菜:「……きっと、楽しいのでしょう」
    鑑屋 冬至:戌亥 李菜さんのロイスをSロイスに指定します。
    戌亥 李菜:「探して……おきます……」
    戌亥 李菜:「……楽しみです」
    鑑屋 冬至:「うん……僕も。」「楽しみにしてるよ」
    GM:……もし、この物語が文庫本であるなら。
    GM:文章が頁の途中で途切れて、この後は改行ばかり並ぶのだ。
    GM:次の見開きは右側1頁が空白で、左側に章のタイトルが書いてある。
    GM:今は仮に、そのタイトルを、
    GM:〝それから〟……とでも、しておこうか。

    バックトラック


    GM:バックトラック!
    眞守 雪斗:シャァ!
    GM:えー、Eロイスですが
    鑑屋 冬至:ウオオーッ!!!!!
    GM:《ありえざる存在》
    《超越活性》
    《堕落の誘い》 (2個分)
    《さらなる絶望》
    《歪んだ囁き》
    《傲慢な理想》
    《孤独の叫び》

    GM:8枠です
    眞守 雪斗:振ります!!!
    眞守 雪斗:虫だからね……
    鑑屋 冬至:いっぱあい…………振るぜ振るぜ!
    眞守 雪斗:165-8d10
    DoubleCross : (165-8D10) → 165-41[2,8,4,1,10,6,8,2] → 124

    眞守 雪斗:ほぼ期待値!
    鑑屋 冬至:141-8d10
    DoubleCross : (141-8D10) → 141-54[10,1,4,7,10,9,4,9] → 87

    鑑屋 冬至:ウワッめっちゃ戻った……
    神馳・克樹:129-8D10
    DoubleCross : (129-8D10) → 129-38[7,4,1,10,6,1,8,1] → 91

    鑑屋 冬至:素ロイスパワーによると一個タイタス化したくらいじゃ余裕すぎるんだよな……二倍振り!
    鑑屋 冬至:87-12d10
    DoubleCross : (87-12D10) → 87-90[10,8,4,10,9,5,10,9,2,10,6,7] → -3

    眞守 雪斗:?!
    神馳・克樹:残りは3D。よっぽどじゃなきゃフルで貰えそうだな、等倍だ
    眞守 雪斗:日常への帰還の意志が強すぎる
    GM:わはははは
    神馳・克樹:91-3D10
    DoubleCross : (91-3D10) → 91-14[2,4,8] → 77

    神馳・克樹:侵蝕値マイナスで返ってくる奴久々に見たわ
    眞守 雪斗:残りロイス6枚。等倍でも期待値出せばいけるが……
    鑑屋 冬至:卓呑みもしたくって……でも裁定上は3点!
    眞守 雪斗:絶対に帰りたいので倍振りします(硬い意志)
    眞守 雪斗:124-12d10
    DoubleCross : (124-12D10) → 124-56[2,2,4,3,9,5,8,4,8,1,3,7] → 68

    眞守 雪斗:3点!帰還!
    GM:全員生存だおめでとうございます、では
    眞守 雪斗:うおー!
    GM:シナリオ5点! いつものセット5点! Eロイス8点!
    GM:しめて18点に侵蝕分を合わせたのが取り分!
    眞守 雪斗:18+3+Sロイスで5点。合計26点!
    神馳・克樹:28点、いただくぜ。
    鑑屋 冬至:18+5+3!※Sロイス分込み
    鑑屋 冬至:合わせて26点!
    GM:全員Sロイス持って終わるシナリオ私初めて見たよ
    GM:C((26+28+26)/3)
    DoubleCross : 計算結果 → 26

    GM:私も26点!
    神馳・克樹:アタッカーが容赦なさすぎる
    GM:という訳でお疲れ様でした!
    鑑屋 冬至:お疲れさまでしたァ!
    眞守 雪斗:お疲れ様でしたぁ!
    神馳・克樹:お疲れさんだ!

    ED1


    GM:──数日が過ぎた。
    GM:終わってしまえば地下空間での戦いのことなど、嘘のように過ぎ去った。
    GM:回収された〝壁〟からはまだ存命であった人間が救出され──或いは盗難されていた死体も回収された。
    GM:第九支部所属〝タンブラービジョン〟の身柄についても確保が完了。額が床にめり込む程の勢いで土下座をしていたとかしないとか言うが、
    GM:それは今のところ、些事であろう。
    GM:まあ何せ全部、終わったことでもあるし、
    GM:それより君はちょっとばかり面倒なミッションに挑戦しなければならない訳だ。
    GM:ここ数年、世間の目は中々厳しくなって来た訳であるから、若々しい顔立ちをしていると店員もきっちり仕事をしかねない。
    GM:さて。
    GM:どこでお酒を手に入れるつもりだね鏡屋くん。
    鑑屋 冬至:フフ……決まっていますよ。
    鑑屋 冬至:最近のアマゾンは便利ですよねぇ……指定配達先のコンビニまで選べる。
    GM:こいつアカウントの登録年齢を誤魔化しているのか……?
    GM:と、なると
    GM:そうだな。後は問題は場所だけだ。
    鑑屋 冬至:大学近辺から数駅程度離れた所で受け取って、のんびり向かえる事でしょうとも
    GM:流石に夜の公園に酒類を持って行っては、近隣からの通報で警察も来るだろうし。
    GM:やはり宅飲みという形になるだろうので、
    GM:折角だからちょっと自宅の状況でも描写していただこうか。
    鑑屋 冬至:そうなんですよね……とはいえうっかりペットがお酒を飲んじゃうのも良くない。
    鑑屋 冬至:とは言え浪ちゃんはなんか第6支部の方に呼ばれてたし、ナントカなるかな!
    鑑屋 冬至:そうして……のんびりかつ慎重に、青年は酒を持ち込む。
    鑑屋 冬至:────S大学付近の下宿、『タオレ荘』
    鑑屋 冬至:二階建て長屋二階、1Kのこじんまりとした一室。そこが俺のキャンパスライフの拠点だ。
    鑑屋 冬至:「……ただいまー。」
    戌亥 李菜:「……あ…………おかえりなさい…………」
    戌亥 李菜:先に家に上がって待っていた戌亥のか細い声が、部屋の奥から聞こえてくる。
    鑑屋 冬至:「ああ、もう来てたんだ戌亥さん!鍵開けてたけど大丈夫だった?」
    鑑屋 冬至:とんとんと靴を脱ぎ、入室。
    鑑屋 冬至:「とりあえずこっそり仕入れて来れたよ……度数は流石に少なめにしたけど。」
    戌亥 李菜:「……ええ……泥棒の類いは……いませんでした」大丈夫、の意味をズレて捕らえつつ
    戌亥 李菜:「あまり……大きな声では言えませんが……」
    戌亥 李菜:「弱くて甘いお酒が好きです……」
    鑑屋 冬至:「ほほー……だったら良かった。」
    鑑屋 冬至:リュックサックを開き、甘めのサワーやチューハイをポンポン取り出す。
    鑑屋 冬至:あとは……カルーアコーヒーも小さいボトルを一本だけ。
    鑑屋 冬至:「僕も、酒自体は弱めでさ」
    戌亥 李菜:「……ふふ」
    鑑屋 冬至:「とりあえず戌亥さんも飲んでたような甘めの奴多めで揃えて来たから、イイ感じになるとは思う!」
    戌亥 李菜:「お酒の強い弱いなんて……本当は知ってちゃいけない筈なのに……」
    戌亥 李菜:「お互い……不良ですね……」
    鑑屋 冬至:「へへ……僕はまだ可愛いもんさ」
    鑑屋 冬至:「地元じゃ〇学ぐらいで一本開いてるクラスメートもいたしね……」
    鑑屋 冬至:「ま、大人しく出来れば一年くらいは大目に見てくれるさ!」
    戌亥 李菜:「……アルコール、は……身体の成長を妨げるとも聞きますし……」
    戌亥 李菜:「思考力も運動能力も失わせる……極論では……毒物のようなものなのに……」
    戌亥 李菜:手を伸ばす。
    戌亥 李菜:何種類かの缶の酒の中から、ぶどう味の、度数の特に低い缶チューハイを選んで、
    戌亥 李菜:かしゅっ。
    戌亥 李菜:「……どうして、こんなに美味しいんでしょうね」
    鑑屋 冬至:「……知ってみたくなる時がある。」
    鑑屋 冬至:おつまみのチーたらも開きつつ。甘めのカルピスサワーを手に取り。
    鑑屋 冬至:ぷしゅっ。
    鑑屋 冬至:「真面目に考えれば無駄な事だけど。嫌う人もいれば大好きな人もいる。」
    鑑屋 冬至:「今も昔も……人間は無駄だらけさ。」
    鑑屋 冬至:「でも──こういう時間こそがすっごく楽しい。そういうのでいいんじゃないかな」
    戌亥 李菜:「……格好よく決めてみても、だめですよ」
    戌亥 李菜:「未成年飲酒にかわりはないんですから……」
    戌亥 李菜:す
    戌亥 李菜:缶チューハイを掲げて、
    鑑屋 冬至:「へへ……やっぱ締まらないかぁ。」「ま、いいさ」
    戌亥 李菜:「乾杯」
    鑑屋 冬至:「乾杯!」
    鑑屋 冬至:子気味良い音を立てて、白いサワー缶が音を立てた。

    GM:……350ml程度の缶を空にするのに、さほどの時間は必要無いのであるが。
    GM:ちょっとばかり計算してみよう。
    GM:非常に弱い酒、例えばアルコール度数3%の缶チューハイをひとつ空にしたとする。
    鑑屋 冬至:うんうん。
    GM:350*0.03=3.5*3=10.5
    GM:これは度数40%のウイスキーを26mlばかり飲んだ時のアルコール摂取量に相当する。
    GM:ワンショットが30mlだから、ちょっとそれより少ないくらいだな。
    GM:まあつまり、3%だろうが一本飲み干せばワンショットとさほど変わらない酒量なのである。
    GM:それを踏まえて。
    鑑屋 冬至:ふむふむ……
    戌亥 李菜:「んく」
    戌亥 李菜:「んく」
    戌亥 李菜:「ん………………ぷはー」
    戌亥 李菜:四つめの缶が空になった。
    戌亥 李菜:紅潮した頬。上機嫌そうな笑み。手は空になった缶を握りしめたまま。
    鑑屋 冬至:「……」くい、と二本目のアルコール缶を飲み干す。
    鑑屋 冬至:自分はそんなに酒が強くない分、冷蔵庫にストックしてた麦茶とかもキメてたわけだが……
    戌亥 李菜:「ふふ」
    戌亥 李菜:「おいしー」
    戌亥 李菜:空になった缶を口元に運び、くっと傾けて
    鑑屋 冬至:「だ……大丈夫戌亥さん?」「そろそろソフトドリンクとかも入れといたほうが……」
    戌亥 李菜:「………………無い」悲しげな顔をする。
    鑑屋 冬至:「……おかわり、要る?」試しにコップに淹れた麦茶を差し出してみる。
    戌亥 李菜:「もらいます」
    戌亥 李菜:空の缶をぽとりと床に落として(床にぺたん座り中)
    戌亥 李菜:手を伸ばして受け取ったコップを、くいっと
    戌亥 李菜:「……ふー」
    戌亥 李菜:満足そうな顔をしている。
    戌亥 李菜:もはやウーロンハイとウーロン茶の区別がつかなくなっているようだ。
    鑑屋 冬至:自分のコップにも麦茶を注いで、もう一杯飲み干す。
    鑑屋 冬至:(…………)
    鑑屋 冬至:(空手サークルの人達、大変だったんろうな……)
    戌亥 李菜:「……楽しいです、ね」
    戌亥 李菜:ぽつり、と。
    鑑屋 冬至:「……そうだね。」
    戌亥 李菜:「サークルの飲み会は……あの……みんなテンポが早いので……」
    戌亥 李菜:「つい……たくさん飲んでしまって……」
    鑑屋 冬至:「ハハハ……まぁあの大騒ぎじゃ注意してる人も大変だろうしね……」
    戌亥 李菜:「……今日は、私達だけですから……」
    戌亥 李菜:「……………………」
    戌亥 李菜:唇を半開きにしたまま、しばし言葉を途切れさせる。
    鑑屋 冬至:「うん。…………そういえば。」
    鑑屋 冬至:(こうして人を呼んで飲む酒っていうのも、初めてなんだよなぁ)
    鑑屋 冬至:「…………………………」
    鑑屋 冬至:(めっちゃヤベエ男じゃねーか俺ェ!!!!????)
    戌亥 李菜:「……大丈夫……ですか……?」
    戌亥 李菜:ぺた、ぺた。手のひらと膝で床を歩いて近づいて、
    鑑屋 冬至:「アッうん、大丈夫大丈夫!!」
    戌亥 李菜:「手が……止まってますが……」
    戌亥 李菜:「……お腹いっぱいですか……?」
    戌亥 李菜:かくん
    戌亥 李菜:……と首を傾けて顔を覗き込む。
    戌亥 李菜:さら……と髪が流れ落ちて、秘されていた耳が露わになる。
    戌亥 李菜:シークレットピアスではなかった。
    鑑屋 冬至:「そうだね……ちょっと麦茶入れ過ぎたかもだ。」ふわりと香る。
    戌亥 李菜:あまり大きなものではないが、数は多い。
    戌亥 李菜:三つ。あなたには見覚えの無いだろうピアスが、耳の穴を埋めていた。
    鑑屋 冬至:……あの夜に響いた酔いが。
    鑑屋 冬至:「あれ……戌亥さん、また開けたの?」
    鑑屋 冬至:ちょいちょい、と自分の耳たぶを指さして、ピアスの事を尋ねる。
    鑑屋 冬至:……青年の耳は、綺麗なものだ。
    戌亥 李菜:「塞がらないように……してましたから……」
    戌亥 李菜:「……折角、わるいことをするのですから……」
    戌亥 李菜:「わるいことをしてた時の格好でいこうかな……って、思いまして……」
    戌亥 李菜:「……どう、ですか……?」
    鑑屋 冬至:とても遠くなった気がする。人として過ごしていた日常の時のままだ。
    鑑屋 冬至:「……ちょっと、さ。」
    戌亥 李菜:「……はい……?」
    鑑屋 冬至:「触ってみても……いいかな?」
    鑑屋 冬至:「──そのピアス。」
    戌亥 李菜:「……いいですけど……?」
    戌亥 李菜:まだ、ぼんやりとした受け答え。
    戌亥 李菜:前に傾いていた体を引き戻して、
    戌亥 李菜:手を膝の上に乗せた。
    戌亥 李菜:「あまりおもしろいものでも……ない、と思いますが……」
    鑑屋 冬至:「うん……」前に飲んだ時以上に……のんびりしたペースで飲んでいたはずなのだが。
    鑑屋 冬至:「……そんなことないさ。」
    鑑屋 冬至:「戌亥さん、やっぱりお洒落だし。」
    鑑屋 冬至:ゆるり、と。
    鑑屋 冬至:自分の右手を彼女の左耳へと伸ばしていく。
    鑑屋 冬至:──温かい体温が伝わる耳たぶの端から、壊れ物を触る様に慎重な手つきで。
    戌亥 李菜:耳朶の下、柔らかい部分に一つ。少し上の軟骨部を貫くように二つ。
    戌亥 李菜:小さな、軽いものだ。学生でも手を出せる程度には安価なもの。
    戌亥 李菜:それでも、金属なのだ。
    戌亥 李菜:人の体温とも、柔らかさとも違う。
    戌亥 李菜:酒精に酔って赤くなった耳は、熱い。
    戌亥 李菜:体温に触れていたピアスは……生ぬるい、と言うのだろうか。
    鑑屋 冬至:思ったよりは……冷たくなかった。
    鑑屋 冬至:でも、決定的に違う感触。
    鑑屋 冬至:自分の顔は……どうなっているだろうか?
    鑑屋 冬至:耳に熱を感じている。酒が回って来たみたいだ。
    戌亥 李菜:耳は、柔らかい。指一つで簡単に形を変える。変わってしまう。
    戌亥 李菜:例えば、もし気まぐれにこの耳を強く掴めば、
    戌亥 李菜:大きく歪めることが出来る。痛みを与えることも出来る。
    戌亥 李菜:そうしようと思えば出来る、何故なら──
    戌亥 李菜:「…………あの」
    戌亥 李菜:「……たのしい、ですか……?」
    戌亥 李菜:止める手も、言葉も、無いからだ。
    戌亥 李菜:自分でない誰かの手が、
    戌亥 李菜:異性の手が耳に触れるのを、彼女は許容していた。
    戌亥 李菜:酒の勢い──というだけでもあるまい。
    鑑屋 冬至:「………………そうだなぁ。」不思議な気分だ。
    鑑屋 冬至:なんとなく手を伸ばしてしまったが。逆の立場になったら…俺はこれを受け入れられるだろうか?
    鑑屋 冬至:どこかで反射的に動きもするだろう。拒絶……とまではいかなくても。びっくりはすると思う。
    鑑屋 冬至:──じゃあ。
    鑑屋 冬至:なんでこの人(いぬいりな)は俺をここまで受け入れているのだろう?
    鑑屋 冬至:ちょっぴり右手を動かして。耳の付け根から頬へと指を移す。
    鑑屋 冬至:「…………あんまり、良くないとは思うんだけどさ。」
    鑑屋 冬至:左手で。ちょっとだけ口元を隠す。
    鑑屋 冬至:恥ずかしいからだろうか?
    戌亥 李菜:「……はい」
    戌亥 李菜:頬へ映った指を、目で追いながら。
    鑑屋 冬至:……いいや。そんなものじゃあないだろう。
    鑑屋 冬至:つつつ、と頬を指がなぞり、彼女の顔の中央から……少し下の方へ。
    鑑屋 冬至:ゆるり──彼女と眼が合った。合わせてしまった。
    鑑屋 冬至:「凄くたのしいや。」
    鑑屋 冬至:「怖くなるくらいに」
    鑑屋 冬至:隠されている口角は……確かに上がっていて。
    戌亥 李菜:「……鑑屋さん、も……」
    戌亥 李菜:「酔って、ますね……」
    戌亥 李菜:「……私も、です」
    鑑屋 冬至:「……………………」
    鑑屋 冬至:唇の境に浸していたゆびが、少しずれて。
    鑑屋 冬至:「…………そうみたいだぁ…………」
    鑑屋 冬至:指の腹まで赤く染まっている自分に、ようやく気づいた。
    戌亥 李菜:「……………………」
    戌亥 李菜:「……ひとつだけ、お説教します」
    鑑屋 冬至:「…………はい。」
    戌亥 李菜:離れていく指を、指で追う。
    鑑屋 冬至:ゆるりと……名残惜しそうに、右手を戻す。
    戌亥 李菜:人差し指と中指で
    戌亥 李菜:かちっ……と、絡め取るように引っかけて、
    戌亥 李菜:「……私は……けっこう、強いです」
    鑑屋 冬至:「おお」ピクリとも動かなくなった。
    戌亥 李菜:「サークルの人達なら……全員相手にしても……勝てます、けど」
    戌亥 李菜:「……強くない女の子だって、います、から……」
    鑑屋 冬至:「うん……そうだよねぇ。」
    戌亥 李菜:「そういう子は、きっと……怖くて、不安になる……と思います」
    戌亥 李菜:「今の、鑑屋さんを見たら……」
    鑑屋 冬至:「本当にデリカシーの無さすぎる行為だった。粉砕骨折させられても文句言えないや……」
    戌亥 李菜:「……はい」
    戌亥 李菜:「答え次第ではこのまま……」
    戌亥 李菜:「この指を……逆に曲げようと思っています……」
    鑑屋 冬至:「ワオ。」(ワオ。)
    戌亥 李菜:「……鑑屋さんは……私を、どうしたかったんですか……?」
    鑑屋 冬至:「…………あー……そうだね…………」
    鑑屋 冬至:「──これは、〈リザレクト〉を前提とした上で」
    鑑屋 冬至:「指どころか、腕を引っこ抜かれるのも覚悟した上で言うんだけどさ。」
    戌亥 李菜:「はい」
    鑑屋 冬至:「君の事が──」
    鑑屋 冬至:「欲しくなった。」「それ以外……全部、どうでも良くなってた」
    鑑屋 冬至:「……………………うん………………」
    戌亥 李菜:「そう……ですか……」
    戌亥 李菜:指のロックが
    戌亥 李菜:「では」
    戌亥 李菜:少しだけ強くなる。
    戌亥 李菜:「……具体的に……どうぞ」
    鑑屋 冬至:「我ながら本気で酷いこと言ってるのは百も承知だけど。」
    鑑屋 冬至:「これだけは嘘偽りなく…………」
    鑑屋 冬至:「………………具体的に?」
    鑑屋 冬至:「何を?」
    戌亥 李菜:「はい……具体的に……」
    戌亥 李菜:「私のことが欲しいと言うのは……この家の鉢に植えて観葉植物にしたいということなのか……」
    戌亥 李菜:「書棚の横にインテリアとして配置したいという意味か……」
    戌亥 李菜:「それとも……もっと俗な欲望の矛先を向けたい、という意味なのか……」
    鑑屋 冬至:「え」「ええー…………」
    戌亥 李菜:「……答えられませんか……?」
    鑑屋 冬至:「いや──じゃあ、このまま正直に言うんだけどさ。」
    鑑屋 冬至:「今三つも候補出してくれたじゃん、戌亥さん。」
    戌亥 李菜:「はい」
    鑑屋 冬至:「ぶっちゃけ全部やってみたい。」
    戌亥 李菜:「うわっ」
    戌亥 李菜:「……わぁ」
    鑑屋 冬至:「観葉植物になってくれる戌亥さんとかさ。」
    鑑屋 冬至:「インテリアを担当しつつワイワイ酒を飲み交わす戌亥さんとかさ」
    鑑屋 冬至:「その…………俗にいうR的な奴とかさ。」
    鑑屋 冬至:「やりたいよそりゃあ。」
    鑑屋 冬至:そう言ってすっくと立ちあがり。
    戌亥 李菜:「……中々……倒錯した趣味をお持ちなんですね……うわぁ」
    戌亥 李菜:ロックしていた指を外し、ウーロン茶のボトルを掴む。
    鑑屋 冬至:「でも……でも駄目でしょう流石に!!!」
    鑑屋 冬至:「そんなのに戌亥さん付き合わせるの申し訳なさ過ぎて死にたくなるよォ!!!!!」
    戌亥 李菜:コップに注がず直に口を付け……一気に空にしてしまってから、
    戌亥 李菜:「……無い」
    戌亥 李菜:少し前と同じような悲しげな顔をして、
    戌亥 李菜:「……鑑屋さん」
    戌亥 李菜:「お茶が無くなりました……」
    鑑屋 冬至:「でもさ!それでもさぁっ──」
    戌亥 李菜:「鑑屋さん」
    戌亥 李菜:被せて、少しだけ。
    鑑屋 冬至:ぴたりと止まり。
    戌亥 李菜:隙間風のような声を、少しだけ大きく発して。
    戌亥 李菜:「……ちょっと、コンビニに行ってきてください」
    戌亥 李菜:と、唐突に言った。
    鑑屋 冬至:「OKO……K?」
    戌亥 李菜:「お茶が無くなりましたし……お腹も空きましたし……」
    戌亥 李菜:「……買って来てください」
    鑑屋 冬至:「麦茶ならまだ残ってるけど……」「それじゃあだめな感じね、了解」
    戌亥 李菜:「……………………」
    鑑屋 冬至:「リクエストとかある?できるだけ探してくるけど……」
    戌亥 李菜:「……あの」
    戌亥 李菜:「私……その……〝持ち歩く習慣が無い〟ので……」
    鑑屋 冬至:「…………?」
    戌亥 李菜:「……その他は、お任せします」
    戌亥 李菜:「道に迷わないでくださいね……」
    戌亥 李菜:「あ、あと……警察の方とか……お知り合いに会わないように……」
    戌亥 李菜:「補導されても困りますから……」
    鑑屋 冬至:「ああー……まぁそりゃあね。下手したら停学ものだろうし。」
    戌亥 李菜:「ええ……では、行ってきてください……」
    戌亥 李菜:「ちゃんとお買い物できたら……褒めてあげます……」
    鑑屋 冬至:「了解!正直僕もそう言う奴の品選びって初めてだから、基準はわかんないけど……」
    鑑屋 冬至:「一番品質良さそうなのダッシュで買って来るよ!戌亥さんは無理せず休んでてね!」
    戌亥 李菜:「……………………ええ、はい」
    鑑屋 冬至:酒に酔っていたとは思えないスピードで身支度を整え、再度リュックサックを背負う!
    鑑屋 冬至:「それじゃあ、これから出かけて来るけど……」
    鑑屋 冬至:「急な体調の変化が起きたら、部屋の設備は全部好きに使っちゃってオッケ−だからね、戌亥さん!」
    鑑屋 冬至:パチリとウインク!雑に履かれるシューズ!
    戌亥 李菜:「……はぁ」
    鑑屋 冬至:「それじゃ!行ってきまーす!」
    鑑屋 冬至:パタンと扉を閉じ──万一の事態に備えて施錠!
    鑑屋 冬至:〈赤方遷移世界〉使用。対象は鑑屋冬至。
    鑑屋 冬至:外に置いてある折り畳み自転車(組み立て済み)を引っ掴み、凄まじい勢いでタオレ荘を発つッ!
    鑑屋 冬至:(急がなければいけない……!慣れない酒で負担を掛けさせちゃったのかも。)
    鑑屋 冬至:(この後に変調があれば最悪UGNに連絡するしかないが……)
    鑑屋 冬至:(まあ、彼女の体に比べれば俺の名誉なんざ安い物さ)
    鑑屋 冬至:(待っててくれ、戌亥さん──)(今の俺ができる限りでベストのブツを買ってくるからさ。)
    鑑屋 冬至:(覚悟を決めろ──鏡屋冬至!)
    鑑屋 冬至:(彼女の『ペース』も未知数な以上、まずは急いで用意することを最優先にしなくてはならないぞ……)
    鑑屋 冬至:(そう──)
    鑑屋 冬至:(『生理用品』をな!)

    戌亥 李菜:「……………………」
    戌亥 李菜:「……やり直し……は」
    戌亥 李菜:「何回になるかしら……」
    戌亥 李菜:「……………………」
    戌亥 李菜:「……三回駄目だったら……ついてこう……」

    ED2


    涼風 こころ:「と、いう訳で。買って来ました」
    涼風 こころ:何をと言えば、某大作オープンワールドゲームである。
    涼風 こころ:そもそも、それを買いに外出してから行方不明になっていた訳であって、
    神馳・克樹:「何が『という訳で』なのか分からんが……取り置き切れる前で良かったな」
    涼風 こころ:助け出されてからも治療を受けたり後処理をしたり色々があったので、
    涼風 こころ:「うん」
    涼風 こころ:「正直ちょっとひやひやしてた」
    涼風 こころ:「ダウンロード版はあんまり好きじゃないから」
    神馳・克樹:「まー、買ってから遊ぶまで微妙に時間かかるしなぁ」
    涼風 こころ:「うん。あと、ケースが手元にあった方が楽しい」
    涼風 こころ:「棚にケースが並んでるの、好きなんだよね」
    神馳・克樹:「お、分かってんじゃねぇか」
    神馳・克樹:パッケージを手に取ってみながら呟く。
    涼風 こころ:「ロード時間とか考えたら、ダウンロード版の方が快適な部分もあるのかも知れないけど」
    涼風 こころ:「手元に何かが、形になって残るの。すごく幸せだなって思う」
    神馳・克樹:と、レーティングの部分にふと目が行く。そこには太い字体の「Z」の文字。
    神馳・克樹:「……そういやこれ、対象18以上の筈なんだが」
    神馳・克樹:胡乱な目で見やる。
    涼風 こころ:「それ、わざわざ守る人いるかな」
    涼風 こころ:平然と言う。
    涼風 こころ:「年齢制限コンテンツの制限なんて、こっそり破るものでしょ?」
    神馳・克樹:「まぁ、正味な話もっとグロい場面色々見てるしなぁ」
    涼風 こころ:「現実がR18Gだもんねぇ」
    神馳・克樹:『リアリティがない』を理由にスプラッタを愉しめない子供もアンバランスなものだ。
    神馳・克樹:「そんなら、俺と嬢ちゃ……」口にしかけて、言い直す。
    神馳・克樹:「俺とこころの共犯っつーことで。ま、俺もやりたかったしな」
    涼風 こころ:「その呼び方、誕生日までに慣れてね。……ちなみに、どれくらい先?」
    神馳・克樹:「そうは言っても、こっぱずかしいもんはこっぱずかしいんだよ」掻き上げた髪に見え隠れする耳は、若干の朱を呈す。
    神馳・克樹:「来月。まぁ、それまでにゃ完クリ出来るんじゃねぇの」
    涼風 こころ:「余裕」
    涼風 こころ:自信ですらない。確信に満ちた言葉。
    涼風 こころ:「……そっかぁ、来月かあ」
    涼風 こころ:「結構直ぐだね」
    神馳・克樹:ソフトのシュリンクを剥がしつつ問いかける。
    神馳・克樹:「不安か?」
    涼風 こころ:「あんまり。だけど、ちゃんと言葉にしてないから、お互いに理解が足りてない部分があると思ってる」
    涼風 こころ:「だから、改めて、かつ率直に聞くけど」
    涼風 こころ:「〝名字、やるよ〟ってあれ──結婚しよう、って意味でいいの?」
    神馳・克樹:「養子縁組するか!って言ったら?」
    涼風 こころ:「それでもいいよ。制度的に出来るかどうかは知らないけど」
    涼風 こころ:「それだって〝家族〟の形だから。私はそれでも嬉しい」
    涼風 こころ:「克樹くんは?」
    神馳・克樹:「難しく考えるこたねぇよ。俺ァ嬢ちゃん……あー、違う違う」がりがりと頭を掻いて向き直る。
    神馳・克樹:「俺がこころを好きだから、一緒になるか?って意味で聞いた」
    涼風 こころ:「私ね」
    涼風 こころ:定位置であるゲームモニターの斜め前に腰を下ろして、
    涼風 こころ:「私も克樹くんが好きなのは間違いないんだけど、たぶんそれが、結婚する人の好きなのかって言われると違うと思ってる」
    涼風 こころ:「違うんだけど、結婚とかそういうのよりもっと距離の近い〝好き〟」
    涼風 こころ:「普通の家の記憶ってあんまり無いけどさ、ほら」
    涼風 こころ:「お父さんってわざわざ、お母さんに〝結婚しよう〟って言わないでしょ?」
    涼風 こころ:「そういう意味で、まだ〝一緒になる〟って言うのが良く分からないのはあるかも」
    神馳・克樹:「あー、そうか……成程なぁ」顎をさすりつつ。
    神馳・克樹:「いや、すまねぇ。先に言っとくと、俺の早とちりだったかもしれねぇ」
    涼風 こころ:「嫌だとは言ってないよ?」
    涼風 こころ:「堂々と〝神馳です〟って言えるようになるし」
    神馳・克樹:「ああ、そういう意味じゃ無くてな……」うーん、と言い淀みつつ
    神馳・克樹:「………あの日、お前が姿を消す前に言ってたことが、ずっと引っ掛かってた」
    神馳・克樹:わざわざこちらの名字を使う意味。それを問うた自分の、なんと浅慮だったことか。
    神馳・克樹:「もしかしたら、お前が消えた理由もそれなんじゃねぇかと探してる間、ずっと思ってた」
    涼風 こころ:「ばか」
    涼風 こころ:「そこは信じててよ」
    神馳・克樹:「言うなよ。男はバカなんだよ」苦笑。
    神馳・克樹:「お前を見つけて、こっちに引き戻した時……『あの時ああしてれば』なんて、言ってられねぇって思ったんだ」
    神馳・克樹:「お前の回復を待ってる間に考えてたんだ。後悔したくねぇし……俺にやれるもんなら」
    神馳・克樹:「……えー、まぁ、そう思った訳だ!以上!」強引にまとめる!
    涼風 こころ:「バカなんだよって開き直るのよくないと思う」駄目だし①
    涼風 こころ:「後悔したくないって言っていきなり飛び出すのはいいけど、自分の安全確保を考えなきゃ駄目だと思う」駄目出し②
    神馳・克樹:「うっ」
    涼風 こころ:「この先に何が起こるかを予想して対応するのが苦手だから、簡単なフェイントによく引っかかる」駄目だし③
    神馳・克樹:「ぐっ、ぐふっ」
    涼風 こころ:「その失敗を開き直って修正を怠るから同じフェイントにまた引っかかる」駄目出し④
    涼風 こころ:「性格が敗因に浮き出てる」駄目出し⑤
    神馳・克樹:「………」最早苦悶も出ない。
    涼風 こころ:「……そういうのが原因で、いきなり居なくなられても、やだからね」
    涼風 こころ:「私の方から出て行ったりとか、愛想尽かしたりとかはしないんだから」
    涼風 こころ:「克樹くんが強いのは知ってるけど、これからは今まで以上に慎重になってください」
    涼風 こころ:「名字だけ貰ったってしかたないんだから。そこは分かっててよね」
    神馳・克樹:「……………善処させていただきやす……」
    神馳・克樹:ぐうの音も出ない。
    涼風 こころ:「よろしい」
    神馳・克樹:実際こちらも心配は掛けたのだ。彼女の分析眼ほど確かなものもない、少し改めよう。
    涼風 こころ:「今までは居候だったからちょっとくらいの遠慮はあったけど」
    涼風 こころ:「来月からは家族になるので、遠慮無しに行きます」
    涼風 こころ:「ちゃんとした、家族になるので」
    神馳・克樹:「よろしく頼む。……あー、そういやあれか」
    神馳・克樹:「籍入れられるっつっても、未成年だしなぁ……本家に一回顔出しに行かねえと」
    涼風 こころ:「ん?」
    涼風 こころ:「……本家?」
    神馳・克樹:「ほら、あれだ。親の同意ってヤツ」
    涼風 こころ:「あー。居ないから忘れてた」
    神馳・克樹:「まぁ、じょ……こころなら大丈夫だろ。気の良い奴ばっかだからな」
    涼風 こころ:「……なんか変なニュアンスだね?」
    神馳・克樹:「普通の一家だよ。粉もやってねぇし、UGNのお世話になる様な悪事もねぇ」
    神馳・克樹:「姐御だのなんだの言って若い衆に畏まられるだろうが、いつも通り涼しい顔してりゃいいさ」
    涼風 こころ:「粉?」ノイマン思考力フルスピード
    涼風 こころ:「若い衆、姐御」
    涼風 こころ:「なるほど」
    涼風 こころ:「ヤの字のつく自営業のひとだったの?」
    神馳・克樹:「任侠と言え、任侠と。もしくは地域に根差した自警組織」
    涼風 こころ:「自営組織兼治安破壊組織って認識だったんだけど、世間のそういうなんとか団って」
    涼風 こころ:「……えーと。着物の着付けとか覚えていった方がいい?」
    神馳・克樹:「うちは昔気質だからな。化石みたいなモンだ」
    神馳・克樹:「いや、多分チャカの扱い見せた方が喜ぶな親父は」
    涼風 こころ:「オートマでいいなら。蓮根はサイズが大きいしあんまり使わないよ?」
    神馳・克樹:「それでも人並みよりは数段上だろ。心配ねぇさ」
    神馳・克樹:「あー……にしても、まさか寮に独り暮らしが嫁見つけて来るとは思わんだろうなぁ……」
    涼風 こころ:「だろうねー」
    涼風 こころ:「……そっか。嫁かー」
    涼風 こころ:「うん、お嫁さんなんだよね」
    神馳・克樹:どう説明したものか。とりあえず『蜂を2回ほど除去した仲です』は駄目な気がする。
    神馳・克樹:「指輪はまた今度な。調べたら、頼んでから3か月くらいかかるらしい」
    涼風 こころ:「指輪……」
    涼風 こころ:「お嫁さん、指輪……」
    涼風 こころ:二つの言葉を復唱して、
    涼風 こころ:「……どうしよう。私、ちょっと楽しみになってきたかも知れない」
    神馳・克樹:「そうか」気のいい笑みを浮かべる。
    涼風 こころ:「やだ、ワクワクしてきた……まだ細かいこと何も決まってないのに」
    涼風 こころ:「……そっか、お嫁さんかー」
    涼風 こころ:「……………………」
    涼風 こころ:「……えへへ」
    神馳・克樹:「じゃ、これから楽しい事ばっかだな。なんせやらなきゃなんねぇことは山積みだ」
    神馳・克樹:その笑顔を、目に焼き付ける。
    神馳・克樹:……ああ。自分は、この日常を勝ち取ったのだ。
    涼風 こころ:「克樹くん、克樹くん、それじゃあさ」
    神馳・克樹:「……うっし!じゃあ、まずはいつも通りの楽しみもやっとくか」
    神馳・克樹:そう言って、暫く置きっぱなしになっていたパッケージを手に取る。
    涼風 こころ:「うん」
    涼風 こころ:「ハネムーンの予行演習だよ、これは」
    涼風 こころ:「対馬観光」
    涼風 こころ:コントローラーを、あなたの手に押し付ける。
    神馳・克樹:「ハネムーン先でモンゴル兵と戦うつもりか」
    涼風 こころ:「UGNなら割とありそう」
    神馳・克樹:実際あり得そうなのが困る。
    神馳・克樹:「まぁ見てろ、ノーミスクリアしてやっから」と言って、ゲーム画面に向き直る。
    涼風 こころ:「無理しないの」
    涼風 こころ:「私、克樹くんのそそっかしい所とかをたくさん指摘はするけど」
    涼風 こころ:「それが嫌いだって言ったことは一回も無いよ」
    涼風 こころ:「……あと多分、ノーミスは無理だろうなって」
    神馳・克樹:「……っ」顔に熱が溜まる事を自覚し、平静を保つ。
    神馳・克樹:「やってみねえと分かんねぇだろ」
    神馳・克樹:この数十分後エンカウントする熊を僕たちはまだ知らない。
    涼風 こころ:「頭を射貫いて。頭。頭だってば。頭──」
    涼風 こころ:「あー」
    神馳・克樹:「そんなすぐエイム出来るか!」
    GM:弓の道も家族も、一日にして成らずなのである。

    ED3


    眞守 雪斗:N市中心部からは少し離れたところのマンション。一人暮らしには少し広いように思えるそこが、眞守の自宅だ。
    眞守 雪斗:黒を基調としたシックな造り。オートロック等は完備されており、当然、インターホンを鳴らせば相手の顔も把握できる。
    眞守 雪斗:故に、今まさに扉の前に立っている者のことも。
    眞守 雪斗:チャイムが鳴らされるのを、──どこか落ち着かない心持ちで、待っていた。
    GM:呼び鈴の音。
    GM:室内のモニターに映る顔は、
    雨宮 さざめ:よそ行き用の微笑みを保ってはいたものの、
    眞守 雪斗:扉を、覚悟を決めたように、ゆっくりと開く。
    雨宮 さざめ:「……あっ」
    雨宮 さざめ:扉が開けられた時、その仮面がほんの一瞬剥ぎ取られた。
    眞守 雪斗:「入れ」 いつもの調子で、短く告げる。
    眞守 雪斗:ふわり、と『他人の部屋の匂い』が鼻をくすぐるだろう。
    雨宮 さざめ:「……ごめんくださいませ」
    雨宮 さざめ:和装だが、足下は靴を履いていた。玄関先に靴を揃えて、
    雨宮 さざめ:す──と滑るような足取りで廊下へ上がった。
    眞守 雪斗:混ざっているのは人の香りだけでなく、芳ばしさと華やかさのある薫り。
    眞守 雪斗:──豆と、茶だ。
    雨宮 さざめ:習性なのだろう、首を大きく動かさないままに目だけで周囲を見渡し、
    雨宮 さざめ:「案外に、穏やかなご趣味なのですね」この口ぶりだけは普段通り。
    眞守 雪斗:「趣味、まあ、そうだな」
    眞守 雪斗:「珈琲と紅茶。どちらがいい」
    眞守 雪斗:こんな単純な好みですら、把握していない。そういう関係の女を、誰一人招いたことのない家に上げている。
    雨宮 さざめ:「どちらでも……いえ、それは困りますね。では珈琲を」
    雨宮 さざめ:「……あっ、お砂糖は多めにお願い致します」
    眞守 雪斗:「わかった。ミルクは」
    雨宮 さざめ:「そちらも、たっぷりと」
    雨宮 さざめ:そう答えてから、壁際に立った。
    眞守 雪斗:「──少しかかる。適当に座っていろ」 言って。
    眞守 雪斗:「……いや。好きなようにしていればいい」
    雨宮 さざめ:任務の時と同じ癖だ。会議室に通されても、椅子に座りたがらず立っていることが多い。
    雨宮 さざめ:「……あっ、いえ。ええと」
    雨宮 さざめ:「このような時は……座って待つ方が良いものなのでしょうか……?」
    眞守 雪斗:カウンターキッチンのある、そこそこの広さのリビングダイニング。ソファやダイニングテーブルの類は一通り揃っている。
    眞守 雪斗:リビングからつながる扉は2つ。
    眞守 雪斗:一人暮らしには広過ぎる部屋のように思えるだろうか。
    眞守 雪斗:「……他人の家の作法は分からないからな」
    眞守 雪斗:カウンター越しに声をかける。手際よく豆をセットし、手挽きのミルを動かしだす。
    眞守 雪斗:きりきり、と金属の擦れるような音と。
    眞守 雪斗:がりがり、がりがり、と豆が砕けていく音が静かに響く。
    雨宮 さざめ:「……………………」
    雨宮 さざめ:なんとなく、ただ立っているだけの自分に耐えられず、摺り足で歩く。
    雨宮 さざめ:足袋の裏がさらさらと床に擦れる音。
    眞守 雪斗:程なく、お湯の沸く音が立ち始め、慣れた手付きで挽いたばかりの粉に注ぎ入れる。
    雨宮 さざめ:ミルの音の傍に立った。
    眞守 雪斗:「意外か?」
    眞守 雪斗:こぽこぽ、と小さな音が鳴る。お湯を注ぎ、注視し、を幾度か繰り返す。
    雨宮 さざめ:「……いえ。ただ、少しばかり……その、珍しいものを見たなと」
    雨宮 さざめ:「茶であれば家でも用意しますが、珈琲はあまり縁も無く──喫茶店ではもっと甘いものばかり注文します故」
    眞守 雪斗:「今時、ここまで手間をかけなくても良いものは飲める」
    眞守 雪斗:「俺の場合は……そうだな。有り体に言うなら、」
    眞守 雪斗:注文通り、砂糖とミルクをたっぷりと注ぎ入れ、
    眞守 雪斗:「──暇なんだよ。一人の時間が、長いからな」
    雨宮 さざめ:「暇……ですか」
    雨宮 さざめ:「あまり分からない感覚……でございますね」
    眞守 雪斗:カップを二つ。ソファの傍にあるテーブルに並べ、座るよう促す。
    眞守 雪斗:ソファには、枕のようなクッションが置いてあった。
    眞守 雪斗:「……さて、その辺りも話した方がいいか」
    眞守 雪斗:独りごち、カップを持ち上げ、口に含む。
    雨宮 さざめ:また、すうっと滑るように。肩も体の中心線も揺れない。揺れるのは長い髪ばかりで、
    雨宮 さざめ:促されるままに腰を下ろし、カップに手を伸ばす。
    雨宮 さざめ:両手で持ち上げたカップに、ふぅ、ふぅと息を吹き込む合間、
    雨宮 さざめ:「……お聞きしましょう」
    雨宮 さざめ:「なんと申しましても、私達は──あまりに互いのことを知りませぬ」
    眞守 雪斗:──彼女を招いて、何から話そうか。色々考え、結局。見つからなかった。
    眞守 雪斗:「そうだな」
    眞守 雪斗:暫し沈黙し。やがて、ゆっくりと口を開く。
    眞守 雪斗:「……見ての通り、俺は殆ど眠ることがない。不眠症というやつだ」
    眞守 雪斗:「お前のように鍛錬に割くようなタイプなら、話は違ったのかもしれないが……言った通り、時間が余る」
    眞守 雪斗:言って、おもむろに立ち上がり、扉を一つ開け放つ。
    眞守 雪斗:部屋の壁一面を埋めるほどの本棚。所狭しと書籍が詰め込まれているのが見えるだろう。
    眞守 雪斗:「料理も、言ってしまえば暇潰し。誰に食べさせるわけでもない」
    眞守 雪斗:「手慰みに色んな物に手を出して、今に至る」
    雨宮 さざめ:「……浮気性の方なのですね」
    雨宮 さざめ:ほう、と吐き出した息で珈琲を冷まし、一口。
    雨宮 さざめ:気に入ったのかもう一口、くっと傾ける。
    眞守 雪斗:「浮気性」という言葉に、一瞬眉根を寄せる。だが、珈琲を味わう仕草に、満足げな笑みが、知らぬ間に口元に浮かぶ。
    眞守 雪斗:「今座ってるソファ。そこで、ほんの数時間眠る。起きて、任務があれば向かう。なければ、ここで過ごす」
    眞守 雪斗:「そういう日々を送ってきた」
    眞守 雪斗:「──空虚な男だよ」
    眞守 雪斗:自虐的に。そう呟く。
    雨宮 さざめ:カップを片手に任せて、もう片手をクッションに置いた。
    雨宮 さざめ:ぽん、ぽん、と二度叩く。
    雨宮 さざめ:人の重さを預けられたクッションの、変形の履歴を探るように。
    雨宮 さざめ:「わかりません」
    雨宮 さざめ:おもむろに、そう呟いた。
    眞守 雪斗:「そうか。そうだろうな」 ソファにかけ直す。彼女の隣に、座る。
    雨宮 さざめ:「っ」
    雨宮 さざめ:ぴく、と肩が跳ねる。
    眞守 雪斗:その動きに、また。胸がざわつく感触をおぼえる。
    雨宮 さざめ:腰は浮かさないまま。もう一人分の体重を預けられてソファの座面が傾くのを感じていた。
    雨宮 さざめ:人間ひとりは、重いのだ。
    雨宮 さざめ:それは〝物〟としての意味でもそうであるし、比喩的なものでもある。
    雨宮 さざめ:長い時間を掛けて作られて来た一個の人格。
    雨宮 さざめ:例え幾度も戦場で肩を並べた間柄であろうが、見えぬものがある。
    雨宮 さざめ:「あなたの趣味が、わかりません」
    雨宮 さざめ:「読書も、料理も、暇つぶしであると仰る。……ならば」
    雨宮 さざめ:かたん。
    雨宮 さざめ:カップをテーブルに置き、
    雨宮 さざめ:「……何故、あのようなことをしたのです」
    雨宮 さざめ:ソファの上。体を捻り、向き直った。
    眞守 雪斗:「具体的に言ってくれ」
    雨宮 さざめ:「具体的に」
    眞守 雪斗:表情は変わらない。言葉を待っている。
    雨宮 さざめ:「それはもちろん、あの工場のような場所にて──」
    雨宮 さざめ:「…………………………」
    眞守 雪斗:「ああ」
    雨宮 さざめ:「…………あの」
    眞守 雪斗:「俺はお前に、プロポーズしたな」
    雨宮 さざめ:「そ、それだけではなく」
    雨宮 さざめ:「それだけでなく……」
    眞守 雪斗:「キスをした」
    眞守 雪斗:「そういうことで、合っているか?」
    雨宮 さざめ:背中が丸まっていく。
    雨宮 さざめ:両手の中に顔を隠しながら、二度、強く頷いた。背の側で結っている長い髪が、首の動きに合わせて縦に跳ねた。
    眞守 雪斗:一度、視線を天井に彷徨わせる。──直視を避けなければ、と、そう思った。
    眞守 雪斗:直視してしまえば、また、自分は同じことを繰り返すだろう。
    眞守 雪斗:「──すまなかった」
    眞守 雪斗:揺れる髪を視界の端に捉えながら、呻くように呟く。
    雨宮 さざめ:「……なぜ、詫びるのですか」
    眞守 雪斗:「お前の気持ちを確認する前に、無理矢理に奪った」
    眞守 雪斗:「──初めてだったのか」
    雨宮 さざめ:言葉での応答より先に足袋履きの爪先が、彼の脛を軽く打つ。
    眞守 雪斗:「────ッ!」
    雨宮 さざめ:「と、当然のことです……っ、私をそんなに軽い女と想っておいでですか!」
    雨宮 さざめ:……些か裏返った声。手の覆いの中から目元だけ上に出しての抗議。
    眞守 雪斗:「……すまない。俺が悪かった」
    眞守 雪斗:感情を露わに抗議する仕草を、思わず──真っ直ぐ、見てしまう。
    眞守 雪斗:鼓動が跳ね上がる。
    雨宮 さざめ:「このひとは、本当にもう……!」
    雨宮 さざめ:──女としては、平均より高い背丈であろうとも。
    雨宮 さざめ:それでも、あなたより15cmも背が低い。
    雨宮 さざめ:背を丸めて蹲るような姿。目だけで見上げる様はまるで、
    雨宮 さざめ:〝低く伏せて縋り付いているような〟形でもあろう。
    眞守 雪斗:「…………っ」
    眞守 雪斗:また、溺れそうになる。それを謝っている時に。
    眞守 雪斗:知らない感情、知らない衝動。
    眞守 雪斗:渇望、と言い換えてもいい。
    眞守 雪斗:──触れたい。
    眞守 雪斗:抱き締めて、頭を撫で、髪を掬い、
    眞守 雪斗:それから、それから。
    雨宮 さざめ:「……問うていたのは、此方です」恨めしげな声が、その夢想を裂いて割り込む。
    雨宮 さざめ:「あなたのような、何の情熱も持たない方が」
    雨宮 さざめ:「情熱を持たないだろうと──だからこそ〝都合が良い〟と見ておりましたのに、なぜ」
    眞守 雪斗:なぜ、と問われれば。はっきりと答えることはできない。
    眞守 雪斗:衝動に溺れたと言われてしまえば、それまでだ。
    眞守 雪斗:「──わからない」
    眞守 雪斗:やがて、口から漏れたのは、そんな一言だった。
    眞守 雪斗:「だが、」
    眞守 雪斗:言葉が続いて口をつく。
    眞守 雪斗:「……お前を、一人にしたくないと。あの時、そう思った」
    眞守 雪斗:絞り出したのは、まるで子供のような戯言。
    眞守 雪斗:大の大人が、唇の純潔を奪って、言うような台詞ではない。それくらいは、分かっている。
    眞守 雪斗:だが──それ以外に、この感情を。どう言葉にすれば良いのかが、わからない。
    雨宮 さざめ:「ひとりに……ですか?」
    眞守 雪斗:「この身体が必要なら、好きに使え」
    眞守 雪斗:「……どういった形でもいい。だが、今はもう、」
    眞守 雪斗:消え入りそうな声で。
    眞守 雪斗:「……お前の、あんな姿を見たら。俺は、きっとおかしくなる」
    眞守 雪斗:髪を、くしゃ、と握り潰すようにして、呻く。
    雨宮 さざめ:耳まで赤く染まった顔のまま、それでも手を下ろして、背筋を伸ばした。
    雨宮 さざめ:彼が呻いている。……その〝隙〟に、口を開いて幾度か呼吸を繰り返す。
    雨宮 さざめ:呼吸を整えれば心も整う。……少しは、整う筈だ。少なくとも次に発する声が、裏返ることはないだろう。
    雨宮 さざめ:「……いつからです?」
    雨宮 さざめ:「ずっと前からか、それとも……あの時初めて、ふっと、その気になっただけなのか」
    眞守 雪斗:「……自覚できていなかっただけか、或いは」
    眞守 雪斗:「この感情を、押し殺していただけか。今となっては分からない」
    眞守 雪斗:思えば。
    眞守 雪斗:あの“アーティファクト”絡みの事件の時──『女』と『男』だということを、初めて認識した。
    眞守 雪斗:それくらいの、感覚だったのだ。
    眞守 雪斗:彼女に、サラシを巻き直す時。
    眞守 雪斗:背に流れ落ちる髪を、綺麗だ、と言った時。
    眞守 雪斗:──らしくない、と。違和感が、あった。
    雨宮 さざめ:「……ふぅ」
    雨宮 さざめ:息を吐く。張り詰めて浅くなっていた呼吸を自覚する。
    雨宮 さざめ:ただ、ひとりでソファに座る時のように
    雨宮 さざめ:隣ではなく正面を向いて、膝の上できゅっと手を握った。
    雨宮 さざめ:「分からないと言うなら、私も同じです」
    雨宮 さざめ:「……あなたばかりに言わせるのは、その……ふ、不公平と申しますか、平等でないでしょうから言いますが……」
    雨宮 さざめ:唇を閉じないままに息を継ぐ。……呼吸がまた浅く、早くなる。
    雨宮 さざめ:「……あのくらいで、心を乱すつもりなど無かったのです」
    眞守 雪斗:「あのくらい?」
    雨宮 さざめ:「直接的に教えられることこそ無けれども……閨の作法ならば学んでおりました」
    雨宮 さざめ:「必ずいつか、必要になるものと想えばこそ、何をせねばならぬかなどは……それこそ書を読むなり」
    雨宮 さざめ:「で、ですから……」
    雨宮 さざめ:「……くちづけなど、さして重要なことでも無いと……思っていたのです」
    眞守 雪斗:「……違ったんだな」
    眞守 雪斗:この問いは、きっと良くない問なのだろう。だが、訊かずにはいられない。
    雨宮 さざめ:こくっ──一度頷いたまま、自分の握り拳を見つめて、
    雨宮 さざめ:「けれど、この戸惑いの故がわかりません。もし、もし万が一、これが」
    雨宮 さざめ:「これが……あなたと同じような感情であったのなら」
    雨宮 さざめ:……その言葉の途中だった。
    雨宮 さざめ:細められているだけだった目を、瞑った。
    雨宮 さざめ:本当は、こう続けるつもりだったのだ。〝自分の感情の意味が分からない〟などと。
    雨宮 さざめ:だが。分からないということがあろうか。
    雨宮 さざめ:「……不快ではなかった」
    雨宮 さざめ:「いえ、むしろ……嬉しかったのです」
    眞守 雪斗:「……そうか」
    雨宮 さざめ:「あなたに好意を抱いていただなんて、思えなかった。思ってもいなかった。なのに」
    雨宮 さざめ:「あのように強く、奪い取るほどに強く求められることが……嬉しいと、思ってしまった」
    眞守 雪斗:「…………っ」
    眞守 雪斗:抑えていた情動を、掻き乱すような言葉。
    雨宮 さざめ:「……だからこそ」
    雨宮 さざめ:「私は、しっかりと聞かねばなりませぬ」
    雨宮 さざめ:「あなたのその心が、あの時の口付けが、その書棚の如きものではないのかと」
    雨宮 さざめ:「珈琲、大変美味しゅうございました。……それと同じ、甘美なれどもその実は」
    雨宮 さざめ:「ただの〝暇つぶし〟と纏め得るものではないのか……と」
    雨宮 さざめ:「……ねえ、だって」
    雨宮 さざめ:「求められたのだと勘違いをして喜んで、もし、そうでなかったのだとしたら」
    雨宮 さざめ:「それはあまりにも悲しいでしょう……?」
    雨宮 さざめ:横顔を見せたままだ。
    雨宮 さざめ:唇を引き結んだ少女の横顔は、諳器として好む針のように、ともすれば冷ややかにも見える容をしていて──
    眞守 雪斗:彼女の言葉を受け止める。だが、口を開く前に、
    眞守 雪斗:彼女の膝裏と背に手を回し。軽々と抱き抱える。
    眞守 雪斗:抵抗をするだろうか。構わない、どうせ移動はすぐに済む。
    雨宮 さざめ:「ひゃっ……!?」
    雨宮 さざめ:目を見開く。
    雨宮 さざめ:うっすらと濡れた瞳は直ぐにも、困惑で開かれたままに乾いていき、
    眞守 雪斗:先程開け放った扉ではなく、もう一つ。
    眞守 雪斗:脚で乱雑に扉を開き、
    眞守 雪斗:大股で部屋に踏み込み、その中央。
    眞守 雪斗:ダークブラウンの木枠、柔らかなベルベットの敷布。
    眞守 雪斗:そこに、ゆっくりと、横たえる。
    眞守 雪斗:「──見せたいものがある」
    雨宮 さざめ:……軽い荷物とは言えない筈だ。
    雨宮 さざめ:人間一個の重さが、寝台に横たえられる。
    雨宮 さざめ:背の後ろでぎぃとなるスプリングの音は、和風の邸宅に住む少女には耳慣れないもので、
    雨宮 さざめ:瞼は狭められない。
    眞守 雪斗:名残惜しむようにその身体から手を抜き、その部屋の一角に視線をやる。
    眞守 雪斗:そこには、一枚の絵があった。
    眞守 雪斗:まだ、完成はしていない。描きかけの水彩画だ。
    眞守 雪斗:だが、そこに描かれている人物に。見覚えがないはずはないだろう。
    雨宮 さざめ:此処は。
    雨宮 さざめ:どういう部屋だ。何故自分はここに。そういうことを、理詰めで考えようとする自分と、
    雨宮 さざめ:全ての道理を一足に飛び越えて──腹を据えろと言う自分と、二人がいる。
    雨宮 さざめ:困惑の時間は案外に短かった。
    雨宮 さざめ:横たわったまま、首と目だけを其方に向けた──
    眞守 雪斗:──雨宮さざめ。その、後ろ姿。髪を自ら上げ、背を晒している。
    雨宮 さざめ:「……………………」
    雨宮 さざめ:「そ」
    雨宮 さざめ:「そこまで……ご執心だったとは……」
    眞守 雪斗:「──気付けば描いていた」
    雨宮 さざめ:呆れたような口調を取り繕っているのに、
    雨宮 さざめ:言葉を発する唇が笑みを形作る。
    眞守 雪斗:呻くように言う。「人物画は、初めて描く」
    眞守 雪斗:「”趣味”はなんだ、と言ったな」
    眞守 雪斗:「答えがこれだ。俺の、唯一の趣味。風景画が専門のはずだった」
    眞守 雪斗:ふらりと旅に出ては、景色を目に焼き付け。暫く、黙々と描き続ける。
    眞守 雪斗:人前に晒すこともない絵だが、描くことは、時間を忘れさせてくれた。
    眞守 雪斗:「ここは、元々絵を描いて、保管するための部屋だ」
    眞守 雪斗:ぎし、とスプリングが鳴る。
    眞守 雪斗:「──ここしかスペースがなくてな。ここに、入れざるを得なかった」
    眞守 雪斗:世にいうクイーンサイズのベッド。平均に比べて体格に優れた二人であっても、余裕のある広さ。
    眞守 雪斗:「ソファで寝かせるわけにも、いかないだろう」
    雨宮 さざめ:ごくん。……喉に流れ落ちて溜まっていた唾を飲む。
    雨宮 さざめ:聞き慣れないスプリングの音。
    雨宮 さざめ:自分ではない誰かがその音を鳴らした時は、尚更に心が揺さぶられるのだと知った。
    眞守 雪斗:感触の良い布に手を滑らせ、ゆっくりと。
    眞守 雪斗:彼女の視界に手を入れながら、
    眞守 雪斗:──頬に、触れる。
    雨宮 さざめ:頬に置かれた手へ、手を重ねて、
    雨宮 さざめ:「私は、まだ」
    雨宮 さざめ:「まだこの心の呼び名を知りませぬ」
    眞守 雪斗:重心が傾き、また、ぎし、と軋む音。
    眞守 雪斗:「ああ、俺もだ」
    雨宮 さざめ:「恋と、愛と、呼ぶべきものなのかも知れない。けれど……もしかすればそうではなく、あなたの望む形でないのかも」
    雨宮 さざめ:「私が分からぬ以上、いつかあなたは落胆するやも知れません」
    雨宮 さざめ:「……そうでなくとも。元よりあまり気立ての良い女ではないと自負しておりますから」
    雨宮 さざめ:「きっと。いえ、必ず……苦労することになるでしょう」
    眞守 雪斗:「なら、尚更。条件に合う男を見つけるには、苦労するだろうな」
    眞守 雪斗:「──俺を手放せば、だが」
    眞守 雪斗:見開かれた瞳を、見つめた。
    雨宮 さざめ:「……もう」
    雨宮 さざめ:不平を溢す唇が、大きく開いた。
    雨宮 さざめ:瑕疵の無い上下の歯列。鍛錬が故に人より長い舌。
    雨宮 さざめ:口内には、ただ、それだけだった。
    雨宮 さざめ:……針が、無い。
    眞守 雪斗:頬から、唇へ、指を滑らせる。
    眞守 雪斗:誘われるように──覗いた、長い舌の先を、指でなぞる。
    雨宮 さざめ:ひとより器用に動く舌は、戯れに触れた指先へ絡みつく。
    眞守 雪斗:ぞくり、と。
    雨宮 さざめ:しゅる、しゅる。
    雨宮 さざめ:蛇のようだ。
    眞守 雪斗:背筋を、初めての感覚が通った。
    眞守 雪斗:「──────ッ」
    眞守 雪斗:一瞬、眉をひそめ、
    眞守 雪斗:後頭部に手をやり、上体に体重を掛ける。
    雨宮 さざめ:赤い蛇が指に戯れている。……押し戻すでも、引き込むでもなく。
    雨宮 さざめ:ただ蛇体を巻き付けて──
    雨宮 さざめ:しゅるり。
    雨宮 さざめ:唇の奥へと帰って行く。
    雨宮 さざめ:「……あなたと違って私には、たくさん、したいことがあります」
    雨宮 さざめ:「その中には……きっと、生涯を賭してでも」
    雨宮 さざめ:「いえ」
    雨宮 さざめ:「……穏やかなる生を捨て、幾百年続くかも分からぬ無明へ踏み込むような」
    雨宮 さざめ:「そんな身の程知らずの、途方も無い目標まで」
    眞守 雪斗:「…………」
    雨宮 さざめ:「……私はきっと、耐えられると思っていましたが」
    雨宮 さざめ:「今、少しだけ揺らいでいます。だから」
    雨宮 さざめ:手が、
    雨宮 さざめ:彼の背を抱く。
    眞守 雪斗:「……っ」
    雨宮 さざめ:上体に掛かる重さが心地良くて、もっと近づきたいと欲張って、
    雨宮 さざめ:引き寄せて重なる胸。互い違いの心臓。……きっと二つとも、鼓動は早い。
    眞守 雪斗:息遣いは、普段よりもずっと荒い。
    眞守 雪斗:声を押し殺すように、何度も唇を噛む。
    雨宮 さざめ:「……共に歩いてくださいますか」
    雨宮 さざめ:「やがて落ちる地獄まで」
    眞守 雪斗:呼吸を整える。
    眞守 雪斗:冷静さを、限りなく取り戻して、それでも、
    眞守 雪斗:熱っぽい声で、応じる。
    眞守 雪斗:「──ああ」
    眞守 雪斗:「いつか、話してくれ。お前の歩みたい道を」
    眞守 雪斗:「俺はずっと。その傍にいよう」
    雨宮 さざめ:「なら」
    雨宮 さざめ:「私達の想いが、どのように呼ばれるものであろうとも」
    雨宮 さざめ:「……さざめは、あなたにこの身を委ねます」
    眞守 雪斗:上体を反らし、片手を使い、器用にネクタイを解く。
    眞守 雪斗:「……ああ。俺も、お前にこの身を捧げよう」
    眞守 雪斗:重みを感じさせないよう、慎重に身体を動かし、
    眞守 雪斗:仰向けのさざめの両頬に、手を添える。
    雨宮 さざめ:「……あ、あの」
    雨宮 さざめ:「優しく……してくださいね……?」
    眞守 雪斗:「────」 理性が焼き切れかける、
    眞守 雪斗:ぎりぎりで繋ぎ止める。
    眞守 雪斗:「……あまりこういうことを言いたくはないが、」
    眞守 雪斗:「俺以外に、言わないでくれ」
    眞守 雪斗:瞳の奥が、燃えていた。
    雨宮 さざめ:「……いいません」
    眞守 雪斗:「なら、いい」
    雨宮 さざめ:添えられた手を持ち上げるように、頬がぷうっと膨れて、
    雨宮 さざめ:……しゅうっ
    雨宮 さざめ:空気が抜けて、圧が失われる。
    眞守 雪斗:ふ、と穏やかに笑う。
    雨宮 さざめ:子供のように膨れてみせたか、次の刹那には、
    雨宮 さざめ:彼の笑みに応じるように目を細めた。
    雨宮 さざめ:仮面の笑みではない。
    雨宮 さざめ:きっと誰も──さざめすら自分で見たことのないような穏やかな笑顔で、
    雨宮 さざめ:「雪斗さん……ふつつかものではございますが」
    雨宮 さざめ:「どうか末永く、愛してくださいませ」
    眞守 雪斗:その笑みを、目に焼き付けていた。
    眞守 雪斗:──さざめの、愛しい表情を。
    眞守 雪斗:頬に寄せた手で、耳元の髪を払う。ゆっくりと、顔を寄せる。
    眞守 雪斗:耳朶に息遣いすら届く距離。万感の思いを込めて、囁く。
    眞守 雪斗:「──愛している、さざめ」
    眞守 雪斗:あの時のように。
    眞守 雪斗:だが、衝動的にではなく、
    眞守 雪斗:──この感情を、言葉にすることは難しい。きっと、触れることでしか伝わらない。だから、
    眞守 雪斗:なにか言おうと開きかけた、愛しい女の唇を、
    眞守 雪斗:優しく、塞いだ。
    雨宮 さざめ:背に回された手指が鉤のように曲がる。
    雨宮 さざめ:爪がひとすじ、彼に傷をつけた。



    GM:Dx3rdセッション『エクサポーダ・ダイアデム』、一切の行程を終了致します。
    GM:お疲れ様でした!
    眞守 雪斗:お疲れ様でしたー!
    鑑屋 冬至:お疲れさまでした!
    神馳・克樹:お疲れ様でしたー!