『一刀断世、夢のまた夢』

――それは戦いを求める修羅の慟哭か。


PC1:加賀谷 守美子(かがや・すみこ)(キャラシート)PL:敗者T
PC2:斎川 たつ(さいかわ・たつ)(キャラシート)PL:るー
PC3:柳原 多々羅(やなぎはら・たたら)(キャラシート)PL:赤いポスト

メイン雑談

目次

  • OP1:柳原 多々羅
  • OP2:斎川 たつ
  • OP3:加賀谷 守美子
  • ミドル1
  • ミドル2
  • ミドル3
  • ミドル戦闘:屍鬼
  • クライマックス戦闘:剣鬼
  • バックトラック
  • ED1:帰還
  • ED2:〝問い〟
  • ED3:「ありがとう」

  • トレーラー

    ――それは戦いを求める修羅の慟哭か。
    大N市第十地区。高層ビル立ち並ぶビジネス街に、時代錯誤の風の噂が流れた。
    辻斬りが出るのだと言う。
    夜の闇に紛れてふらりと出で来たり、すらりと人を斬って去ってゆく。
    犠牲者はいずれもただの一刀にて、首を跳ね飛ばされて死んでいるのだ。
    恨みも怒りも持たぬ凶刃の切っ先はついにUGNへと向けられ、ついに立ち上がる刃は三振り。
    人の世に益せぬ狂獣、外道の剣を斬り捨てよ。

    ……たとえその手の刃が、誰の血に濡れていたとしても。
    誰を殺して磨き上げ、研ぎ澄ませた技であろうとも。
    刃に意思は無い。技に思想は無い。
    それを振るうのは常に人なのだ。
    人を殺すために人類が生み出した一つの究極系こそが、剣なのだ。

    ダブルクロス The 3rd Edition.『一刀断世、夢のまた夢』


    「ふざけるな。彼女はそんなことの為に生まれたんじゃない……!」

    「ありがとう。私はきっとな、この為に生まれたのだ」


    ダブルクロス――――それは裏切りを意味する言葉。


    GM:早速自己紹介だ!
    GMhttp://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY6MfyrwIM
    GM:PC1、加賀谷 守美子さんからどうぞ!
    加賀谷守美子:はいさい!
    加賀谷守美子:加賀谷守美子(かがや すみこ)。地方の某ヤクザの組長の娘。でした。
    加賀谷守美子:組は数か月前、本拠地に襲撃を受けて壊滅しており、自分も巻き込まれましたが、なんやかんやあってUGNに保護されて今に至ります。扱いとしてはイリーガルでもある。
    加賀谷守美子:気が付いたら持っていた妖刀と、オーヴァード化によって得た怪力で頑張って戦うぞ!
    加賀谷守美子:キャラ性能としては純粋にアタッカー。雷神の降臨8!ライトニングリンク5!バリアクラッカー!死ねェー!
    加賀谷守美子:そういうやつです。以上!
    GM:OK! そんな極道の娘さんのハンドアウトはこちら。
    あなたはUGNに協力するイリーガルであり、エージェントである凪風 流とは旧知の仲だ。
    その関係性は任意に定めて良い。一つ言えるのは、あなたは、彼女の腕前を十分に理解しているということだ。
    高いレネゲイド制御性能を用い、戦車すら両断する斬撃を放つ、剣の達人。だから彼女は、辻斬りを追う者として選ばれた。

    偶然にも同一の任務を受け持ったあなたは、第十地区でも特定の区域に被害が集中していることに着目。
    夜間に手がかりを追い求めて出撃し、はたして全く予想の通り、〝辻斬り〟と遭遇することになる。
    ……その足下には、一刀にて首を跳ね飛ばされた凪風 流の、まだ温かい血を流す骸。

    GM:いきなり知人が死にます。
    GM:知人レベルはPL任意にしようと思ってたので、ちょっと知ってるだけの人でもめちゃくちゃ親しくても、自由に設定をどうぞ。
    加賀谷守美子:身内の大量死から数か月後、新たに仲良くなった人も目の前で死ぬ……!
    GM:かわいい女の子には傷をつけよと諺にも有る
    GM:というわけでお次だ
    GMhttp://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY5JCHvQIM
    GM:PC2、斎川たつさん!
    斎川たつ:オウイエ!
    斎川たつ:斎川たつ(さいかわ・たつ)。何でも屋をやっている高校生です。
    斎川たつ:中学生のときにレネゲイドウィルスに感染した両手剣を持ったらウィルスを全部吸収してしまって覚醒。
    その際に姉を殺しています。

    斎川たつ:からっぽになった両手剣を持ち歩き、道場に通いながら肉体労働に励んでいます。
    斎川たつ:性能はおそらく嫌がらせ白兵マン。ダメージが通れば色々ちみちみと邪毒や自己強化。
    侵蝕が元気になったらガードもブッ飛ばします。

    斎川たつ:人の武器も自分の武器も《水晶の剣》で強化できるので、みんなの殺意を高めていきたいです!
    斎川たつ:以上!
    GM:戦いに卑怯はない。勝ちと負けだけがあるのだ。
    GM:ハンドアウト!
    あなたはN市で活動する何でも屋であり、今はUGNへの協力が主の活動内容となっている。
    そんなあなたに二通のメールが送られてきた。
    内容はいずれも、第十地区にて発生している辻斬り事件への調査協力依頼。
    だが、送信者が違う。片方はあなたが連絡窓口にしているUGN職員だが、もう片方は――斎川つむぎ、あなたの姉だ。

    そうだ。あなたが殺した筈の、姉だ。

    GM:過去が追いかけてくるぞぅ
    GM:ちなみにお姉さんとたつさん、何歳違いくらいの想定でしょう
    斎川たつ:盆は過ぎたぜ! ナスはこっちだぜ!
    斎川たつ:3~4歳くらいですかね。ちょうど今、姉が死んだ年齢になった感じです。
    GM:なるほどなるほど、それくらいの違い……どんどん人生が楽しくなっていくタイミング……
    GM:傷をつけようと思ったらもうお顔に傷があったよ
    GM:という訳でお次がラスト!
    斎川たつ:傷は敢えて晒していくスタイルだよ
    GMhttp://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY56vitAIM
    GM:PC3、柳原 多々羅くん!
    柳原 多々羅:はいさー
    柳原 多々羅:柳原 多々羅(やなぎはら たたら)! 16歳高校生! 特技は抜刀術!
    柳原 多々羅:流派は柳原一刀流破門! 数年前に一の太刀だけ覚えてトンズラしました。追手の弟子や親兄弟は全員斬り伏せました!
    柳原 多々羅:その後はチルドレンとして保護されて今に至る。それでも柳原一刀流の教えを守って、毎日感謝の抜刀一千回。それでもまだボクは、もっともっとつよくなりたい。なれる。
    柳原 多々羅:性能としては、Dロイス:達人つきの《居合い》と《武芸の達人》による固定値マン。侵蝕が上がれば、一回だけマシラのごとくできるよ!
    柳原 多々羅:見た目は子供、頭脳は軟派! 今日は僕以外は女の子ばかりだからうれしいな! ね!
    柳原 多々羅:だけど中身はあきらかに修羅である。そんなかんじで、よろしくおねがいします! 以上!
    GM:下手にナンパすると深淵に引きずり込まれそうな女子二人がお相手だ
    GM:ハンドアウトはこちら。
    あなたはUGNチルドレンである。
    第十地区にて発生している辻斬り事件。犠牲者はいずれも戦いの痕跡すらなく、一撃で首を跳ねられている。
    レネゲイドの痕跡は極めて薄いが故、手がかりも僅少。故にあなたは呼び寄せられた。

    辻斬りの正体を突き止め〝処分〟せよ。

    GM:メタに言っちゃうと〝同席数もあって呼吸がわかりやすいから無茶振っても大丈夫だろう〟枠です
    柳原 多々羅:ガ、ガンバルゾー!
    GM:では
    GM:改めまして皆様、よろしくお願い致します。早速始めましょう。
    斎川たつ:よろしくお願いします!
    柳原 多々羅:よろしくおねがいします!
    加賀谷守美子:よろしくお願いします!

    OP1:柳原 多々羅


    GM:という訳でいきなりだがPC3からだ。登場侵蝕をどうぞ。
    柳原 多々羅:1d10+38
    DoubleCross : (1D10+38) → 2[2]+38 → 40


    GM:――N市内、第十地区。いくつか点在する支部の関連施設、その一つ。
    GM:あなたは伝達を受け、任務の詳細を確認する為にそこを訪れていた。
    GM:表向きは高層ビルの上階に設置された、窓からの景色も見事な会議室であるが、
    GM:そこには今、あなたともう一人――
    黒傘 無常:「……来てくれてありがとう。と、よびよせてごめんなさい」椅子に座ると床に足の着かないような、幼い少女がいた。
    GM:黒傘 無常。N市外のUGNに所属するエージェントである。
    GM:あなたは、事前の通達からこの少女の外見と名前については知っていても良い。
    柳原 多々羅:「大丈夫大丈夫。ボクは女の子に呼ばれたら、だいたいどこへだって行けるさ」からころと笑う、黒い着流しに打刀を差した少年。
    黒傘 無常:「……………………」無言のうちに、ポケットから防犯ブザーを取り出してこれ見よがしに手に持ちつつ
    黒傘 無常:「……本題に入る前に、一つ確認する」
    柳原 多々羅:「ところで、5年後くらいでもいいからさ。ちょっと僕とお付きよーしわかった! まずはそれをしまってくれないかな!?!?」
    柳原 多々羅:「あ、うん。なんだい?」
    黒傘 無常:「一般的に言って、私くらいの女の子にそういう声をかけるのは犯罪者……というのはさておいて」
    黒傘 無常:「まだ私は、あなたの資料に目を通していない。受命を確認出来たら、見るつもり」
    黒傘 無常:「つまり、ここで任務を受けないことを選択したら、あなたがどう嘘をついても、私は知らないままで終わることになる」
    黒傘 無常:「ここまでは、良い?」
    柳原 多々羅:「りょーかい、りょーかい」
    柳原 多々羅:「それで、本題っていうのは?」
    黒傘 無常:「確認したいことと言うのは……」
    黒傘 無常:「……人を斬り殺したことは、ある?」
    柳原 多々羅:「……おやおや」
    柳原 多々羅:「随分物騒な話になりそうだ」
    GM:ちなみに出奔の経緯、UGNには伝えてます?
    GM:出奔というか、追っ手を斬ったことか
    柳原 多々羅:伝えてますね。隠そうとしても、いずれ調べられるでしょうし
    GM:OK.なら、OPが終わったらその資料に目を通すでしょう
    GM:この場でどう答えるかはもちろん当人の自由さ
    黒傘 無常:「物騒、だと思う」
    黒傘 無常:「……私は今、〝辻斬り〟を追っている。管轄の違うここに来たのも、そのため」
    柳原 多々羅:「辻斬りとはまた、時代錯誤な」
    黒傘 無常:「でも、ほんとのこと」
    柳原 多々羅:「早々にお縄……ってなってたら、僕は呼ばれないか」
    黒傘 無常:「……被害者はいずれも、首を一刀で切断されて絶命、抵抗の痕跡は無し」
    黒傘 無常:「けど、共通の友人や知人の存在は確認できず」
    黒傘 無常:「つまり」
    黒傘 無常:「ほんのわずかの抵抗の猶予も無く、斬られてる」
    柳原 多々羅:「無差別殺人。通り魔。文字通りの辻斬りか」
    黒傘 無常:「……うん」
    黒傘 無常:こく、と小さく頷く。
    黒傘 無常:表情は動くことなく、淡々とした語り口調。だが、その短かな一音にのみ、感情の色が籠もる。
    柳原 多々羅:「……聞いた話だけだと……随分、つよそうだね」狐のような目がスッと、獲物を見つけた鷹のように細められる
    黒傘 無常:「……強いかどうかは、分からない。これまで〝辻斬り〟の獲物は、非オーヴァードだけだった」
    黒傘 無常:「今まではN市のような、オーヴァードの集中する特異環境にいなかったから」
    黒傘 無常:「けど、先日から。この第10地区で連続して、同様の殺人事件が起きている」
    黒傘 無常:「……オーヴァードが巻き込まれてないから、警察が〝自分達の管轄だ〟って、共有を嫌がってるみたいだけど」
    柳原 多々羅:「あはは……」なんとも言い難い。目はもとの狐のような目に戻って
    黒傘 無常:「……依頼内容は簡単」
    黒傘 無常:「〝辻斬り〟を処分して」
    柳原 多々羅:「『処分』か。UGNにしては、随分と機械的な命令だけど……"そういうこと”で、いいんだよね?」
    黒傘 無常:「……まだ確証は無いけれど、この事件の犯人はオーヴァードだと思うし」
    黒傘 無常:「十中八九、ジャーム。そうでなかったとしても……もう、人を殺しすぎてる」
    黒傘 無常:「だから、聞いた。……それで、もう一度聞くね」
    黒傘 無常:「人を斬り殺したことは、ある?」
    柳原 多々羅:「あるよ」あっけらかんと。口説いていたときと同じ声音で
    黒傘 無常:「後悔はしてる?」
    柳原 多々羅:「してない、なんて言ったら、僕はじいちゃんに怒られちゃうよ」
    柳原 多々羅:「けど、それに後ろ髪を引かれたりは、絶対にしない。詳しい人数とかは、多分資料にあるんじゃないかな?」
    黒傘 無常:「……なら。今回はそこに、後悔を一つ、積み上げてもらうことになる」
    黒傘 無常:「UGNの正式な運用を考えたら、凍結処分とか、なにか益になる手段を探すのが正しいのかも知れないけど」
    黒傘 無常:「この件に関する一切の責任は、葦原市支部が受け持つ」
    黒傘 無常:「〝辻斬り〟の処分任務、受けてくれる?」
    柳原 多々羅:「もちろん。ここまで聞いちゃったからにはね」
    黒傘 無常:では、その返事を聞いた黒傘は、ぺたりと会議室の机の上に平べったく伸びて
    黒傘 無常:「……よかった。そろそろ、まじめなしゃべり方するの疲れた……」
    黒傘 無常:「事件の資料はすぐ、支部から送ってもらうから……先に聞いておきたいこと、ある……?」
    柳原 多々羅:「おつかれおつかれー。飴ちゃんいる?」からころと笑いながら、懐から飴玉を取り出す
    黒傘 無常:「……」防犯ブザーの紐に指をかける。
    柳原 多々羅:「おーっと、今のはただの善意だよ? いい子だからそれしまってくれないかな!?」
    柳原 多々羅:「う、うーんと、じゃあ2つ」聞いておきたいこと、という話に
    柳原 多々羅:「まぁ、辻斬りさんについては、資料を見るとして。……無常ちゃん」
    黒傘 無常:「……?」
    柳原 多々羅:「もう無常ちゃんのことは諦めるとして、無常ちゃんお姉さんとか……いや、なんでもない」
    黒傘 無常:かちっ。
    黒傘 無常:ビビビビビビビビビビビビビビビビ――
    黒傘 無常:無情なる電子音が大音量で会議室に響き渡る!
    黒傘 無常:「……資料は、あとでデータで送る」
    柳原 多々羅:「わわわわわ! ごめん、ごめんって! もう一個は真面目な質問だから! ね! ね!」あわわわわ
    黒傘 無常:「……………………」ブザーの紐を本体に戻と、音が止まる。
    柳原 多々羅:「はあ……容赦のない子だなぁ」ふぅ、とひといき
    柳原 多々羅:「えっと、2つ目。この任務、やるのって僕だけ?」
    黒傘 無常:「……ほかに、ふたり。イリーガルを手配してる最中、って聞いてる」
    柳原 多々羅:「なるほどなるほど。聞きたいことはこれだけ」
    黒傘 無常:「明日には全員で顔合わせを出来るように、手配してるけど」
    黒傘 無常:「……可能なら、今日から〝辻斬り〟の所在調査を始めてほしい」
    柳原 多々羅:「了解。"一刀鬼神”柳原多々羅。これより任務にあたりますっ」腰に差した打刀の柄頭に手をかけながら、もう片方の手で敬礼なんてしてみて
    黒傘 無常:「行ってらっしゃい、気をつけて」

    OP2:斎川 たつ


    GM:続いてはPC2だ。ちょっとこちらは短めになってしまうだろうのが申し訳ないながら、登場侵蝕をどうぞ。
    斎川たつ:1d10+34 登場侵蝕
    DoubleCross : (1D10+34) → 3[3]+34 → 37


    GM:では、そうですね。今は日中としましょう。
    GM:日中、あなたは特にいつもと変わらない日々を過ごしていたとします。
    GM:前の仕事の報酬が十分に残ってて、特に仕事も無い、休日のような日としましょう。
    GM:そういう日だと、だいたいどこで何をしてるか――という感じで登場描写をどうぞ。
    斎川たつ:朝に道場に稽古に行き、その後は日当たりのいい公園で鳩を眺めています。
    GM:ではそこへ、立て続けに、ほぼ同時に
    GM:あなたの使うスマートフォン、携帯電話、その他通信端末など何でもいいですが
    GM:二つ、メールが届きます。
    斎川たつ:今日はいいポジションのベンチが空いていた。横には大きく長い布包み。スマートフォンの振動に気付いて通知に目を通します。
    GM:さぞや驚くことでしょう。一つはUGNの連絡員の名前だが、もう一つの送信者の名前は、
    GM:それを電話帳にどう登録していたか、もあるだろう。が、もしも名前で登録していたのならば表示されるのは、
    GM:『斎川 つむぎ』
    斎川たつ:「……」一度メール画面を閉じて、また開く。
    斎川たつ:そこに表示されている名前は変わらない。
    GM:それはあなたの罪の名だ。そう願ってのことではないとしても、
    GM:あなたが彼女を――姉を殺した事実は揺るがない。
    斎川たつ:「お姉、ちゃん……?」呟いて、震える指でメールを開きます。
    GM:……メールの中身は、送信者の名とまるで無縁のものだった。
    GM:その文面は、もう一通の、UGN連絡員から送られたものと句読点の位置まで一致するが、
    GM:要約するなら『〝辻斬り〟の案件を依頼したい』というものだった。
    GM:だが――分かっているだろう。
    GM:この送信者の名でメールが送られてくることは、二度とあり得ないのだ。
    GM:……メールには、依頼を受ける場合は明日、どこへ集まれば良いのか。
    GM:他には報酬などの条件が、UGNとの連絡時に用いる符丁をちりばめて書かれている。
    斎川たつ:「辻斬り……」UGN連絡員からのメールに了承の返信を打ちながら、無意識に側に置いていた布包みを引き寄せる。
    斎川たつ:姉の名前で送信されてきたメールはそのままにし、布包みを抱き締める。
    斎川たつ:あのとき、私は姉を斬ったはずだ。そして、殺した。
    斎川たつ:だが、決して嫌ってはいなかった。むしろ尊敬し、目標にしていた。——姉ではない誰かがそんな彼女を騙っているのなら。
    斎川たつ:「……斬る、よね。うん」包みの中にある両手剣に向かって、自身に言い聞かせるように呟く。
    斎川たつ:ベンチから立ち上がって、元来た道を戻ります。明日の集合時間まで道場に籠るつもりだ。
    斎川たつ:(本当にお姉ちゃんなら)(どうすればいいんだろう)足取りは、重い。
    GM:では。明日の集合時間は、人目を考慮してか、日付変更の直後に設定されている。
    GM:あなたが次に動き出すのは、深夜になることだろう――。

    OP3:加賀谷 守美子


    GM:お待たせしましたPC1,登場侵蝕をどうぞ!
    加賀谷守美子:1d10+35
    DoubleCross : (1D10+35) → 1[1]+35 → 36

    GM:全員登場侵蝕が抑え気味、良いぞ良いぞ

    GM:――N市、第十地区支部。
    GM:あなたは、なんらかの任務の伝達があるとだけ話を聞いて、此処を訪れている。
    GM:の、だが。
    GM:どうにも担当者が多忙らしく、約束の時間まではまだ間がある。
    GM:あなたは何らかの形で、時間を潰すことになるだろう。
    GM:という訳で、なにか時間を潰している感じに登場をどうぞ。
    加賀谷守美子:「……」
    加賀谷守美子:指定された部屋——の外の廊下で、味気ない長椅子に座っている。落ち着かなげに周囲を見回しては、職員が通るたび、わけもなく身を縮めて。
    GM:では、そこに
    凪風 流:「さーて、お仕事お仕事ーっと」と、軽い感じで通りかかる一人のエージェント
    加賀谷守美子:何しろ微妙な立場だ。ぎゅっと自分を抱くようにした両腕の中には、袴の帯に差された脇差が、布包みに仕舞われた状態で在る。己にとって頼れるものと言えば、それと……
    凪風 流:部屋着のような格好に二本差しのこのエージェントを、あなたは知っているだろう。
    凪風 流:なお、親密度とか関係性は任意に設定しても良い。
    凪風 流:どれくらいにします?
    加賀谷守美子:「……あっ」思わず声を上げる。
    加賀谷守美子:たぶんUGNに保護されて以来、色々と気にかけてくれたり任務に臨む際の心得を教わったりしたのではないでしょうか。
    加賀谷守美子:わりと懐いている! ことにしたい!
    GM:ふむ、ならば保護以来の結構近い関係性でいきますか
    凪風 流:「あれっ、守美子ちゃん?」と、あなたの前を通り過ぎる寸前、気付いて顔を向けて、
    凪風 流:「あらー、どうしたのこんなところで。守美子ちゃんもお仕事?」
    凪風 流:「……ってなると、あれかな。うーん、いや、適任なのかも知れないけど……」
    凪風 流:と、両腕を組んで
    凪風 流:うんうん唸りながら首を傾げている
    加賀谷守美子:「えっと、私(わ)は……」答えようとするが、
    加賀谷守美子:「…………仕事。みてえです」俯く。それくらいしか言えることがない。
    凪風 流:「そっかー……やー、そうするとたぶん、いや、たぶんなんだけどね」
    凪風 流:「たぶん、私と同じ任務を任されることになるんじゃないかな」
    凪風 流:と言う表情は、いつものような笑顔を作ろうとしているが、少しばかり影がある。
    加賀谷守美子:「凪風さんと」
    加賀谷守美子:「……なんか、悪りぃ話なんですか」
    凪風 流:「〝辻斬り〟の噂って、聞いてる?」
    GM:――そういう名では、まだ聞いたことが無いかもしれないが
    GM:この第10地区で発生している殺人事件については、知っていても良いだろう。
    GM:詳細の情報は無い。警察が、これは自分たちの管轄だと、UGNに情報を回していない為だ。
    GM:UGN側が把握しているのは、〝被害者はいずれも一刀で首を切られている〟ということ。
    加賀谷守美子:……あるいは、身内の死に繋がる話かもしれない。そう考え、密かに情報屋などを当たってはいたが。
    加賀谷守美子:「噂になってることぐれえは、知ってます」緩やかに首を振る。現状での成果は芳しくない。
    凪風 流:「……どうもその犯人、ちょっと離れた葦原市ってとこから流れてきたみたいでね」
    凪風 流:「そこの支部からの要請で、人を集めることになったんだって」
    凪風 流:「最初は二人ほど見繕って、って話だったんだけど、正規エージェントが一人もいないのはどうなんだ……ってことで私にお超えがかかったわけ」
    凪風 流:「……なんだけどさ、守美子ちゃん」
    加賀谷守美子:「……はい」
    凪風 流:「葦原市支部からの伝達はね、犯人を捕まえろとか、見つけろとか、凍結処分しろってことじゃない」
    凪風 流:「斬れ」
    凪風 流:「……人選も、その為のメンツを集めたって言ってる」
    加賀谷守美子:「……」瞑目する。
    凪風 流:「私は、信じてる。……あれは、守美子ちゃんじゃないって」
    凪風 流:「でもね、現場の状況だけ見たら、そうじゃないって思ってる人もいる――ううん」
    凪風 流:「嘘をついちゃ駄目だ。そう思ってる人の方が、たぶん、ずっと多い」
    凪風 流:「〝辻斬り〟に対抗して、人を斬れる人間を揃えたなんて……凄い言い分だよね」
    加賀谷守美子:「凪風さんは」
    凪風 流:「ん?」
    加賀谷守美子:「……その流れで行くと、どういう立場になんですか?」首を傾げる。訝しげだ。
    凪風 流:「立場……? えーと、どういう意味だろ」
    凪風 流:「今回の事件で、って意味なら、そうだね。守美子ちゃん達の……同僚?」
    凪風 流:「仲間、とか言っちゃうのはちょっと、歳的に気恥ずかしいかな……」
    加賀谷守美子:「んん。なんつったらいいか……」
    加賀谷守美子:「私が疑われてんのは……少しびっくりはしたけど、仕方ねえかも、とは思います。他に集められてんのも、私みてえな人たちなんですよね」
    凪風 流:「……まぁ、ね。うん」
    凪風 流:「〝良心の呵責に囚われず、犯罪者を切り捨てられる〟かつ」
    凪風 流:「……〝同じ人斬りの思考を読みやすい〟だって。ここまでストレートに言われると笑っちゃうよね」
    加賀谷守美子:「……そうすっと凪風さんは、監視とか、処分とか……ならいいですけど」
    加賀谷守美子:「もしかして、組織ん中で恨まれてたりすんのかなって……」心配げな顔を向ける。
    凪風 流:「……あー、なるほど」眉の端を下げて、困ったような笑い方をしつつ
    凪風 流:常に刀の鞘に触れている左手が浮かび、あなたの頭へと伸びてくるだろう。
    凪風 流:華奢な女の手に見えても、その実、十数年の鍛錬で固まった無骨な手だ。
    加賀谷守美子:「?」黙って見つめる。
    凪風 流:「私はたぶん、危険人物枠」
    凪風 流:「ほら。私っていっつもこんな風に笑ってるでしょ? あんまり意識はしてないんだけど」
    凪風 流:「任務の時……もうちょっと怖い顔で笑ってるらしいんだよねぇ」
    凪風 流:「……長年UGNやってて。オーヴァードとかジャームとか斬った数も、そろそろ数えるの面倒になっちゃったしさ」
    凪風 流:そう言う間の表情ばかりは、さすがに笑みも消えていたが、
    凪風 流:「守美子ちゃんは、こうなっちゃ駄目だよ?」
    凪風 流:と、最後に付け足した時にはもう、表情は元に戻っていた。
    凪風 流:無骨な手は、あなたの頭を撫でるだろう。
    凪風 流:あまり心地の良いものとは言えないかも知れないが、少なくとも、込められた心だけは本物だ。
    加賀谷守美子:「ぅ」撫でられる。
    加賀谷守美子:「……見る目が、ねえんですね」
    加賀谷守美子:誰がとも誰をとも言わず、大きな掌の陰で、そんなことを呟いた。
    凪風 流:「?」その呟きを聞き取れず、きょとんとした顔をする。
    加賀谷守美子:「凪風さん。私は」乗せられた手を取り、両手で包むようにする。
    加賀谷守美子:「凪風さんと一緒で、良かったって、思ってます」微笑む。弱々しく、どこかぎこちない、そうすることに慣れていないような表情だが。
    加賀谷守美子:それを向ける相手はごく少ない。
    凪風 流:「……………………」
    凪風 流:「やーん、守美子ちゃんかわいいー!」
    凪風 流:ガバッ、と両腕を広げて、不意打ちのように抱きつきにかかる!
    加賀谷守美子:「わっぷ」避けられない!
    凪風 流:思いっきり抱きしめて頬ずりしたり、いい歳こいた大人が割と好き放題!
    凪風 流:……の後、凪風はするりと後方へ下がり、
    凪風 流:「ありがとう、守美子ちゃん」
    凪風 流:「そういう風に言ってくれる人の数だけ、私達オーヴァードは人間でいられる」
    加賀谷守美子:「へ……は、はい」
    凪風 流:「……こりゃ、今回の任務も、きっちり帰ってこないとね!」
    加賀谷守美子:「……そ」
    加賀谷守美子:「……そう、ですね……?」
    加賀谷守美子:顔を真っ赤にして胸元を押さえている。言葉の意味はほとんど入ってこなかった。
    GM:……そうして凪風は、肩の荷でも下りたというか、軽い足取りで去って行き、
    GM:担当者の手が空いた後、あなたには凪風の予想通り、〝辻斬り〟の対処の任務が与えられた。
    GM:集合時間は日付変更直後の、支部に所属する別な施設。
    GM:それまでの間、短時間だがあなたには休息が与えられ――

    GM:――さて。休息の間、あなたは資料を見ていた。そうなれば、気付くことだろう。
    GM:〝辻斬り〟が第10地区に入ったと思われてからの殺人は、特定の地域に集中している。
    GM:第十地区の旧ビジネス街『馬留』。
    GM:ビジネス街という性質上、民家やマンションの類いは無く、故に夜間の人通りは極めて少ない。
    GM:他のエージェントと合流する地点に、『馬留』の近くの拠点が指定されたのも、調査の利便性を求める為だろうが、
    GM:つまり。今は深夜だ。あなたは『馬留』地区を、合流地点までの道のりを歩いている。
    加賀谷守美子:(……現場の集中。あからさまな手掛かり。警察はまだここを調べてない……? 警官の被害は……いや)芝居がかった和装の足元で、草履がぺたぺたと地面を鳴らす。
    GM:ふむ、そこに着眼するならば
    GM:警察は調査をしている――ただし、〝普通の殺人事件〟としてだ。
    GM:加害者がオーヴァードであるという前提に立っていない。何故なら、死体や現場の状況は、警察にとって〝理解の容易い〟ものであるからだ。
    GM:なにかが燃えたり凍結したり、雷がほとばしったり、物質が変形したり消滅したり――そういう異常な痕跡は、何一つ無い。
    GM:ただ、首を斬られた人間が死んでいる。
    GM:それが、現場の有様だったのだ。
    GM:だから情報共有を怠っていた。だからUGNは、警察の情報提供を得られないまま、遅れて動き出している――というのが、現状だ。
    GM:そして。
    GM:夜道を歩くあなたは聞くだろう。
    GM:ごとっ――と。何か、重量物が落ちる音を。
    GM:近くの路地からだ。
    加賀谷守美子:状況を思考の中で整理しつつ、足を進める。
    加賀谷守美子:(むしろ、下手人が何を考えてるのか……この地区にこだわる理由。こんな場所に? この街なら何があってもおかしくないのかもしれないけど、それならそれで、民間人を何人も殺す意味はない。なら)
    加賀谷守美子:(誘い——)そして、音がした路地へ視線を向ける。
    GM:では。
    GM:もしかすれば見るより先にあなたは、その殺気を。或いは戦地に特有の、凍り付くような気配を。
    GM:或いは風に乗って流れてくる、血の香りを知るのかも知れない。
    GM:いずれにせよそこには、人がいた。
    GM:あなたは見るだろう。コートを来た女が一人、無造作に立っていることを。
    GM:そして、その足下に。頭部を失った胴体が落ちていて、
    GM:ころ、ころ……。
    GM:あなたの足下に転がってくるのが、その失われた頭部。
    GM:それは、ほんの数時間前に言葉を交わしたばかりの、
    GM:凪風 流の首であった。
    加賀谷守美子:見開いた目でそれを見る。転がってきた頭。路地に立つ女。
    〝辻斬り〟:「……おお」
    〝辻斬り〟:「さすがにこの街は、珍しいな」
    〝辻斬り〟:「得物を持ち歩く女が、もう二人目か。……その懐に呑んだ得物、刀であれば嬉しいが」
    〝辻斬り〟:日本人としては背が高い女だ――が、巨体という訳でもない。170cm程度。やや細身。風の中の柳のように、ゆら、ゆらと揺れながら立っている。
    〝辻斬り〟:女の手に、得物は無い。
    〝辻斬り〟:無いように、見える。
    加賀谷守美子:……数か月間の交流だが、凪風流から教わったことは数多い。
    加賀谷守美子:何よりもまず、その腕前。イリーガル登録が決まってからは、主に任務に臨む際の心得を。
    加賀谷守美子:彼女を苦も無く殺すのならば、自分などよりは遥かに格上。そんな相手と一人で遭ったとき、取るべきと学んだ行動は。
    加賀谷守美子:地を蹴る。
    加賀谷守美子:——前へ。夜気に翻る袖の先から、覗くは白刃、振るわば茜。
    〝辻斬り〟:「……む」
    加賀谷守美子:「アアアアアアッ!」
    〝辻斬り〟:迫る体を、女は静かに見ていた。
    〝辻斬り〟:その瞳に、人の情の光は無い。
    〝辻斬り〟:光を受け取ることで外界の情報を把握する、感覚器官としての眼球が、瞼の間にあるだけだ。
    〝辻斬り〟:柳のように揺れる体が一転――足下に転がる胴体の手から刀を奪う。
    〝辻斬り〟:刀身が半ばから折れた、否、切断された刀を持って、奇襲めいた初撃に応じる。
    加賀谷守美子:異常な金属音がビル街の谷間に響く。怪力をもって振るわれる妖刀の一撃は、尋常の得物であればそのまま砕く衝撃を伴っているが——
    GM:ふむ、ならば。
    〝辻斬り〟:――それは、尋常の得物とまでは言えないが、なんらかの力を持つ、いわゆる業物とまでは呼べぬ刀であった。
    〝辻斬り〟:ましてやそれは、半ばから斬られている。
    〝辻斬り〟:故にその衝撃を受け止めることは出来ず、刀身に罅が走るだろう。
    〝辻斬り〟:「ほう」と女は嬉しそうな声を出しながら、折れ刀を左手のみで保持し、右手を虚空へ伸ばした。
    〝辻斬り〟:その時には既に、右手の中に、刀があった。
    〝辻斬り〟:「小娘と思ったが、とんだ見立て違いではないかっ!」
    〝辻斬り〟:間髪入れず、首を狙って真横に振るわれる一文字の剣閃。
    GM:――あなたは、凪風 流の剣を知っている。敵の初段を確実に受け、二段目が来るより先、一刀にて斬り殺す。それが彼女の剣であった。
    GM:ならば、今は敵の手にある折刀を見て、その顛末は分かるだろう。
    GM:防ぐことの出来ぬ剣なのだ。
    GM:受ければ受けた剣ごと切り裂き、首を飛ばす。そういう斬撃が、横薙ぎに振るわれた。
    加賀谷守美子:自身の意識は攻撃にのみあった。対手の刀が折れようが折れまいが、攻めの剣を繰り出し続け、殺す。守りなどは最初から考えていない。故に。
    加賀谷守美子:自身の意識ではないものが、命を繋いだ。元より加賀谷守美子の技は本人のものではない。レネゲイドを介して繋がった魔剣が、主より明瞭に戦況を見抜き、死を避ける方策を講じさせた。
    加賀谷守美子:既に攻撃の体勢にあった四肢へ電流を流し、強引に身を沈め、次いで飛び退る。
    〝辻斬り〟:――その、後退する足が地面に触れるか否かのタイミングを狙って
    〝辻斬り〟:女の手から投げ放たれる、凪風の遺刀!
    〝辻斬り〟:折れたりとは言え、刀。相応の重量物があなたの顔面を狙い飛翔する!
    加賀谷守美子:「……!」咄嗟に剣を振り上げて弾く!
    〝辻斬り〟:「おお、おお、これも避けるか――いや、見事」
    〝辻斬り〟:と、楽しむように嘯く女の両手には、既に一振りずつの刀。
    〝辻斬り〟:虚空から現れたか? 否。
    〝辻斬り〟:それは、女自身の手から生えたのだ。
    〝辻斬り〟:凝視するなら分かるだろう。掌から突き出た骨が変形し生まれた刀だ。
    〝辻斬り〟:既に一度戦いを終えているだろうに、女は息も切らさず――すうっ、と前へ進む。
    〝辻斬り〟:「次の技を試させてもらう」と、殺し合いを楽しむような口ぶりで。
    GM:――その時に、だ。
    GM:斎川さん、柳原。
    GM:柳原くん。何故継承が抜けた。
    GM:あなた達は、きっと。同じ時間、同一の拠点に集まる為に移動しているのだろうから、
    GM:つまり、近くにいる訳だ。
    GM:オーヴァード同士の戦いを、人通りの無い夜の街で行われているのを、
    GM:近くにいて気付かない筈は無いよなぁ?
    GM:という訳で登場だ。先のオープニングでシーンカットを宣言していないので、登場侵蝕は不要!
    GM:路地の逆側から出るなり頭上から出るなりご自由にどうぞ。
    柳原 多々羅:カラン、コロン。
    〝辻斬り〟:「……お?」その音に、眉がぴくりと動く。
    柳原 多々羅:緊張した空気に不釣り合いな、軽い音。下駄を鳴らしながら、黒い着流しに打刀の、線の細い少年が辻斬りの正面、加賀谷の後ろから歩いてくる
    斎川たつ:ばさり。風をはらんだ大布がはためく音がする。
    斎川たつ:後ろでも、前でもない。上空から、布の音を絶つように、何かが風を切って落ちてくる。
    柳原 多々羅:「やあ。……いい夜だね。お姉さん、お嬢ちゃん」加賀谷の隣に来れば、軽薄に声をかける
    斎川たつ:ーードシャッ! ”辻斬り”の後ろの地面を抉って、土煙を立てる西洋剣を両手で持ち上げる。
    〝辻斬り〟:「……三人か」
    〝辻斬り〟:「良いなぁ」
    〝辻斬り〟:「ああ、本当に良い。どうして私はもっと早く、この街のことを知らなかったのだ」
    斎川たつ:無言で構えを取った女が、背後に立つ。
    〝辻斬り〟:〝辻斬り〟は振り向かない。前方に立つ二人だけに視線を向けたまま――
    〝辻斬り〟:だが、背後に立つ斎川には分かることだろう。
    〝辻斬り〟:油断など無いのだと。
    〝辻斬り〟:左右の手をいずれも無造作に下ろして、両手の刀とも地に触れる寸前まで下げながら、
    〝辻斬り〟:その意識に、間隙は無い。
    斎川たつ:故に、構えを解くことは不可能。ただひたすらに、”辻斬り”の背を見据える。
    加賀谷守美子:「……な」心臓が跳ねている。間一髪の死線。乱入者。理解が追い付いていない。
    柳原 多々羅:「ねぇ。一応聞くけどさ。あのお姉さんが、例の辻斬りでいいんだよね?」無造作に腰の打刀に手をかけた状態で、加賀谷に。
    加賀谷守美子:「え。そう……だと思います、けど」青年に視線を向けそうになり、慌てて辻斬りに戻す。「あんたたちは……」
    柳原 多々羅:「ん……あぁ、そうだね。一応名乗っておかないと」思い出した、というふうに
    〝辻斬り〟:では、そこに
    〝辻斬り〟:「名などが、大切か?」
    〝辻斬り〟:「死ねばどうせ、後は腐るだけの肉になるというのに」
    〝辻斬り〟:と、辻斬りは左手の刀の切っ先で、転がっていった凪風の頭部を指して笑う。
    〝辻斬り〟:安い挑発とは、分かるだろう。
    柳原 多々羅:「面白いことを言うね、お姉さん」
    加賀谷守美子:「…………」
    斎川たつ:「……」
    〝辻斬り〟:「……おや、そこにも私と同じろくでなしが」と、言葉の途中に、女は動き始めていた。
    〝辻斬り〟:「いるようだ」 言葉と同時、半身になる。右手の刀が、背後の斎川の首めがけて真一文字に振るわれ
    〝辻斬り〟:左手の刀は――伸びた。
    〝辻斬り〟:急激に長さを伸ばした刀身が、柳原の心臓を貫かんと突き出される。
    斎川たつ:「死んだ後の呪いの名を、枷の名を……ッ」挑発に崩れた構えの隙に、入り込まれる白刃。
    柳原 多々羅:こちらに伸びた左手の刀は、彼の間合いに入った途端、『落ちた』
    斎川たつ:本能がそうさせたのか、全身の骨が強引に身体を地面に引き寄せる。首を狩るはずだった刃は、数房の髪を宙に舞わせた。
    斎川たつ:無様に地面に転がるが、剣を握ったまま。生きている。
    柳原 多々羅:最初からそう作られたかのように、落ちた切っ先を足で転がす。抜刀はおろか、納刀の影も捉えさせない一刀。左手を鞘に。右手を柄の近くに添えたまま、下駄を鳴らして歩み寄る
    〝辻斬り〟:空を切る右手の刀。左手の刀は――斬り落とされた。
    柳原 多々羅:「……柳原一刀流破門。UGNチルドレン”一刀鬼神” 柳原多々羅」
    〝辻斬り〟:切断された切っ先は地面にて元の姿――小石よりもまだ小さな骨の欠片となる。
    〝辻斬り〟:「流派で名乗られると、少し気が引ける。ご大層な技術など学んだことが無いのだ」左手の刀は元の長さにまで戻り、形状もまた、平時の刀のように変わる
    〝辻斬り〟:「が、良いな、良いなぁ」
    〝辻斬り〟:「なあ、お前達。どうしてこうも腕利きばかり、集まってくれるのだ」
    〝辻斬り〟:「嬉しすぎて私は泣きそうだ――」
    〝辻斬り〟:と女は、挑発混じりの、だが、本心とも取れるような声音で語る最中、急に唇の動きを止めた。
    〝辻斬り〟:「――っ、ぐ、ぅっ……げほっ、っぐ……!」
    〝辻斬り〟:左手の刀が消え、その手を口に当て、体を折り曲げるように咳き込む。
    〝辻斬り〟:余裕など、その顔からは消えている。幾度も、幾度も、咳と共に左手を染めるのは――血だ。
    加賀谷守美子:「!」その赤色を見た瞬間、動いている。
    加賀谷守美子:吶喊。肉薄し、苦しむ女へ向けて、容赦なく体を縦に割る剣を振るう。
    〝辻斬り〟:「かっふ――ちぃいっ!」右手を振り上げた。振り下ろされる剣と、手の中の刀が交錯する、が
    〝辻斬り〟:力が無い。受け止め切れていない。
    〝辻斬り〟:刃は易々と女の刀を押しのけ、右肩に落ちるだろう。
    〝辻斬り〟:そこでようやっと、止まる。皮膚までは切った。骨が、異常なまでに硬いのだ。
    〝辻斬り〟:だが、斬れずとも金属製の鈍器で、渾身で殴りつけたようなもの。女の右手が見て分かるほど、がくんと垂れ下がり――
    〝辻斬り〟:「くっ……!」
    〝辻斬り〟:女は、横へ馳せた。
    〝辻斬り〟:路地の壁を蹴り、高く跳躍。そして高高度で、ぴたりと壁に張り付いた。
    〝辻斬り〟:夜の闇とて見通せる目があるならば、左手の指から伸びた刃で、その身を壁に縫い止めているのが見えるだろう。
    〝辻斬り〟:「……すまんな、薬が切れた」
    加賀谷守美子:「……グウウウウ……!」獣じみて唸る。無念の声だ。
    柳原 多々羅:「……お姉さんは、名乗らないんだね」
    〝辻斬り〟:「怒るな、怒るな、許せ。流石に今、お前の剣をまともに受けては死ぬのでな」
    〝辻斬り〟:「殺すのはいいが、死ぬのは困る」
    〝辻斬り〟:「刀を振るい、道を究めんとするものなど、究極的にはそんなものだろう?」
    〝辻斬り〟:「故に――だ。名乗りを求めるならば、私はこう答えようか」
    斎川たつ:「勝手を抜かすな……!」地を這ったまま、女を睨みつける。
    〝辻斬り〟:「私は人斬りだ」
    〝辻斬り〟:「剣術とは、人を殺す為に作られた術理。その道を究めんが為、生きている」
    〝辻斬り〟:「……いずれ劣らぬ血の香りがする、お前達よ」
    〝辻斬り〟:「もう少し待て。お前達に勝てるだけの準備をして、また現れるとも」
    〝辻斬り〟:女はそう言い残し、壁を垂直に駆け上がって行き、逃げさるだろう。
    〝辻斬り〟:あなた達は――あなた達と、首を切り離された凪風の死体は、路地に取り残される。
    柳原 多々羅:「……逃げられちゃったね」姿が見えなくなって少しばかり間を置いてから
    斎川たつ:「”辻斬り”……!」両手剣を地面に突き立て、立ち上がる。
    柳原 多々羅:「さて、お嬢さん。大丈夫だった?」打刀から手を離し、加賀谷に手をのばす
    加賀谷守美子:「……大丈夫じゃねえ」答えながら、その目は青年の方を見てはいない。
    斎川たつ:「早く、斬らないと。早く……」逃げ去った方向を睨んで歯噛みしている
    加賀谷守美子:「……凪風さん。あのひとを」
    加賀谷守美子:「なんとかしてやらねえと……」
    柳原 多々羅:GM,こちらからみて凪風さんの容態は
    GM:そうですね
    GM:完膚なきまでに、死んでます
    斎川たつ:「……あ」加賀谷さんの声に振り向いて、改めて凪風さんの身体を見る。
    GM:元々の侵蝕状況が高かったのと、頭部が切断されてから発覚まで少しの間があった為
    GM:リザレクトが間に合わなかった――そういう状況と理解して良いでしょう
    柳原 多々羅:「……彼女のことは、僕がやっておく。君たちは、先に戻っていて」下駄を鳴らして、遺体に歩み寄り
    斎川たつ:「……間に合わず、すまない」加賀谷さんに頭を下げ、凪風さんの遺体に手を合わせる。
    GM:骸は何も答えない。
    GM:あなた達の行いに対して礼を述べることもなく、
    GM:困ったような顔をしながら、冗談めかした言葉で場の空気を和ませようとすることも、
    GM:信じていると、誠心から告げることも、もう無いのだ。
    GM:死んでいる。
    GM:死ねば、それまでだ。
    GM:殺人事件の被害者数という数字が、一つ、増えた。
    柳原 多々羅:二人の少女が去ったのを確認してから、遺体のそばに跪く。
    断面に、指を這わせる。きれいな断面だ。ただ業物を振り回しただけでは、こうはならない。
    オーヴァードの首を一刀で断つ技術。

    柳原 多々羅:先の一太刀でわかった。あの人斬りは、強い。
    柳原 多々羅:「……これは、僕は手をあわせられないな」
    GM:――――――――――
    GM:ではOPが終わったところで、ロイス取得&調達が可能です。
    GM:調達は今回のシナリオ、前半でしかできない予定なのでよろしく!
    斎川たつ:あ、《原初の赤:水晶の剣》の使用は可能でしょうか
    GM:OKです!
    斎川たつ:調達が前半のみの旨、了解です! そしてありがとうございます。
    斎川たつ:まずは自身の常備化している両手剣に《原初の赤:水晶の剣》を使用。
    斎川たつ:シナリオ間攻撃力を+6します。侵蝕率5上昇。
    加賀谷守美子:調達は……無難に応急手当キットを狙いましょう
    柳原 多々羅:ロイス
    同類? 辻斬り ○好奇心/厭気

    柳原 多々羅:調達は、ボデアマにしておこう
    加賀谷守美子:1dx+3
    DoubleCross : (1R10+3[10]) → 3[3]+3 → 6

    加賀谷守美子:だめ!
    斎川たつ:ロイス、シナリオロイスの姉は初期ロイスにいるので辻斬りに。
    柳原 多々羅:2dx>=12
    DoubleCross : (2R10[10]>=12) → 6[5,6] → 6 → 失敗

    柳原 多々羅:うーんだめ。以上
    斎川たつ:通過点 ”辻斬り” 感服/○殺意 強い。とても強い。でも一刻も早く斬り捨てて姉を追いたい。
    加賀谷守美子:ロイスは
    仇 辻斬り 感服/〇殺意
    友人 凪風流 尊敬/〇罪悪感

    GM:OK、シーンをカットします。
    斎川たつ:ボディーアーマーを狙います。
    GM:おっと失礼!
    GM:どうぞ!
    柳原 多々羅:あ、やっぱりロイス 好奇心/○厭気で。ネガが表に
    斎川たつ:(1+0)dx10+6=>12 調達
    DoubleCross : (1R10+6[10]>=12) → 4[4]+6 → 10 → 失敗

    斎川たつ:財産2点使って購入、装備します。
    GM:今度こそシーンカット!

    ミドル1


    GM:全員登場です。登場侵蝕をどうぞ。
    斎川たつ:1d10+42 登場侵蝕
    DoubleCross : (1D10+42) → 4[4]+42 → 46

    加賀谷守美子:1d10+36
    DoubleCross : (1D10+36) → 8[8]+36 → 44

    柳原 多々羅:1d10+40
    DoubleCross : (1D10+40) → 8[8]+40 → 48


    GM:――凪風 流の遺体は、ガスマスクを装備した研究員が回収していった。犯人のシンドロームの解析の為だと言う。
    GM:尤も、その行為にさほどの意味が無いことは、抗戦したあなた達が知っているだろう。
    GM:あれはただ、剣を振るうだけだ。
    GM:剣の生成の過程が少々特殊だが、所詮は過程。結果としてあの女は、剣を振るうことしかしない。
    GM:……いずれにせよ、それは過ぎたことだ。
    GM:あなた達は、馬留地区のUGN施設に集められている。
    GM:そして、そこでは一人の少女が――
    黒傘 無常:「……ごめんなさい」
    黒傘 無常:深く、深く頭を下げていた。
    黒傘 無常:「被害を……出してしまった……」
    柳原 多々羅:「……はて。なんで無常ちゃんが謝ってるのかな」
    黒傘 無常:「……辻斬りの力を見誤った」
    黒傘 無常:「もっと慎重に、必ず集団で事に当たるよう、言わなきゃいけなかった」
    柳原 多々羅:「さて。……どう思う? お二人は」加賀谷と斎川の方を向いて
    加賀谷守美子:「……私は、なんであのひとが一人で戦うことになったのかは、わかんねえですけど」
    加賀谷守美子:不意打ちかもしれない。己だけで済まそうという気負いがあったのかもしれない。もっと他の要因だって有り得る。
    加賀谷守美子:「黒傘さんが謝ることじゃねえってのは、同意見です」
    加賀谷守美子:「殺したのは、あいつだから」
    加賀谷守美子:淡々と述べる。
    斎川たつ:「謝るなら、逃がしてしまったこっち。もっと言うなら、あの辻斬りが悪い」
    斎川たつ:「だから、次。次を止める。それだけ」
    柳原 多々羅:「だと、さ。無常ちゃん」
    黒傘 無常:「……わかった、謝らない」
    加賀谷守美子:「ああ、でも……ひとつ」
    黒傘 無常:「ひとつ……?」
    加賀谷守美子:「あのひとは、ひとりで戦うのが危ないってことは、百も承知だったはずです」
    加賀谷守美子:「未知の相手、格上の相手と、一人で遭遇した時は、絶対に逃げろって。……私に、そう教えてくれたのは、あのひとです」
    加賀谷守美子:「……その意味じゃ、それを守らなかった私こそ、凪風さんに謝らなきゃならねえ」目を伏せる。
    黒傘 無常:「……彼女には縁故が無いと聞いている。UGNの支部で弔われる筈」
    黒傘 無常:「墓前に報告するなら、あなたが生き残ればいい……それだけだから」
    黒傘 無常:努めて平静に装う口調、僅かに震える声。
    加賀谷守美子:「……はい」
    黒傘 無常:「改めて、ミーティングを開始する」
    黒傘 無常:「……とは言っても、事件の詳細は事前に渡した資料の通り」
    斎川たつ:「ん」布包みにやっていた目を黒傘さんに視線を。
    黒傘 無常:「葦原市で発生していた〝首斬り〟殺人が、このN市第10地区に移動してきたこと」
    黒傘 無常:「そして、ここ馬留地区に被害が集中していること」
    黒傘 無常:「……犯行現場に、人間がもたらす以上の破壊の痕跡は無し。よって今まで警察からの情報共有を得られていなかった」
    黒傘 無常:「けれど、今からは違う」
    GM:「UGNエージェント一名の殉職と、チルドレン・協力者三名の証言より」
    黒傘 無常:「この事件をオーヴァード案件と断定して調査を進める」
    黒傘 無常:「……確認・共有事項は?」
    斎川たつ:「……この事件に対して動いてるの、ここと警察だけ?」姉の名で送られてきたメールを思い出す。
    黒傘 無常:「その筈。……なにか懸念が?」
    斎川たつ:「メール。いつものひとからだけじゃなかったから、気になった」
    黒傘 無常:「?」
    加賀谷守美子:「……」斎川さんに横目を向ける。
    斎川たつ:「もしも別働隊がいるなら、そっちも気にするし。何にもないなら、私は、怒る」
    黒傘 無常:「……話が見えない」
    斎川たつ:「姉の名前でも、UGNからのと同じメールが来てた」
    柳原 多々羅:「へぇ……ダブルブッキングっていうのかな。こういうのって」
    斎川たつ:「たしかに斬ったはずの、姉から、同じメールが来てた」
    黒傘 無常:「斬ったはずの――」
    黒傘 無常:「……それは、おかしい、ね」
    斎川たつ:「うん、おかしい。……仕事だし、ちゃんと協力するけど」
    斎川たつ:「ちょっと、気持ち悪いし、腹が立つ」布包みを握り締める。
    斎川たつ:「……ごめん。それだけ」
    黒傘 無常:「調査の必要がある案件かも知れない」
    黒傘 無常:「〝同じメール〟を送れるのは、UGNの内部の人間に限られる訳だから……」
    黒傘 無常:「……なるほど」
    黒傘 無常:黒傘は小さく頷き、それから、小柄な体の精一杯な早足で部屋のドアの方へと移動し、
    黒傘 無常:「状況の変更を報告してくる。あなた達は情報共有が終わり次第、そのまま調査に出て欲しい」
    柳原 多々羅:「なるほど、ねぇ」
    殺したはずの家族からの連絡。気色が悪いというのはたしかにそうだが、安易に理解を口に出すほど、無粋である自覚は無かった
    おそらく彼女と自分では、親族に対する傷の深さも、思いの深さもまるで違う

    黒傘 無常:「……調査時は必ず戦闘員を連れて、単独行動を避けるように」
    黒傘 無常:と言って、黒傘は退出します。
    加賀谷守美子:「あ、待って……ください」
    斎川たつ:「ん。お願い、します」
    黒傘 無常:おっ
    黒傘 無常:よし、ならば一度ドアのところで、ぴたりと足を止めます。
    加賀谷守美子:失礼!
    黒傘 無常:「なにか、連絡事項……?」
    加賀谷守美子:「や……そういうわけじゃ、ねえんですけど」やや言い淀む。
    加賀谷守美子:「…………現場に出んの、私ぁたちだけでやっていいんですか?」
    黒傘 無常:「私も出る」
    黒傘 無常:「……調査時には、戦闘員や調査班を連れて出てもらう。けど」
    黒傘 無常:「ターゲットの所在が確認できた場合は、私達だけで行く」
    黒傘 無常:「……一定の水準に達しない戦闘力の者を連れていっても、被害が増えるだけだから」
    柳原 多々羅:「そういう口ぶりをするってことは、一定の水準くらいの腕はあるってみても良いのかな? 無常ちゃんは」
    黒傘 無常:「自信はある」
    黒傘 無常:「〝子供のお遊び〟と思ってくれてる相手ほど、簡単に終わる」
    加賀谷守美子:「……わかり、ました」こくりと頷く。
    GM:では、改めて黒傘は一度退出します。
    GM:つまりメタ的に言うなら〝自己紹介とか会話とか今のうちにしておこうぜ!〟タイムです。
    GM:この後、ゆっくりPC同士で話せるタイミングが少なめかと思うので好きにやろう!
    GM:一通り良いかなーとなったら、シーンを進めます。
    斎川たつ:「……鏡両刃流門下、斎川たつ。”ミステル”」
    斎川たつ:「さっき、名乗らなかったままだから。よろしく、頼む」二人に向けて頭を下げる。
    柳原 多々羅:「おっと? ……ああ、そういえば自己紹介してなかったね」ぱん、とかるく手をあわせて
    柳原 多々羅:「よろしく。たつちゃん。任務が終わった後にお茶でもどうかな?」にこにこ
    斎川たつ:「全部、終わったら」軽く手をひらひら
    柳原 多々羅:「やったー! ってことで。さっきもあのお姉さん相手に名乗ったけど、改めて」大げさに両手をあげてみたりしてから
    柳原 多々羅:「柳原一刀流破門。UGNチルドレン"一刀鬼神” 柳原多々羅」
    柳原 多々羅:「よろしくね。二人共」
    加賀谷守美子:「……加賀谷守美子。コードネームは、“ダイナスティ”……だそうです」細長い包みを胸元に抱いたまま、やや俯き加減で言う。
    加賀谷守美子:「さっきは……助けてもらって、ありがとうございました。拾ってもらった命は、無駄にしねえつもりでいます」
    柳原 多々羅:「よろしく。守美子ちゃん。そういう重苦しいのはいいからさ、任務のあとでお茶でもさ」ついさっき斎川にも同じことをいったのにこれである。
    加賀谷守美子:「……これは、ナンパってやつなんでしょうか?」困惑顔で斎川さんを見る。
    斎川たつ:「……柳の。見境なし」じと
    柳原 多々羅:「なんだか著しい誤解を受けている気がする!」
    斎川たつ:「うん。ナンパ。適当に放っておけば、多分次に行く」加賀谷さんに答える。
    加賀谷守美子:「次……」
    黒傘 無常:「それは間違いない」と、ひょっこり戻ってくる黒傘
    柳原 多々羅:「たつちゃん。ちょっとひどくないかな。一応、守美子ちゃんのメンタルケアも兼ねての事なんだけどなぁ?」ナンパを否定はしない
    黒傘 無常:「事実は事実。私も声をかけられた。犯罪ギリギリのアウト寄り」
    黒傘 無常:「……だけど」
    黒傘 無常:「メンタルケアが必要なのも、事実だと思う」
    柳原 多々羅:「おっと無常ちゃんおかえりなさい」
    斎川たつ:「そっか。ごめん。気が、利かなくて」
    柳原 多々羅:「まあナンパも間違ってないから、守美子ちゃんの好きにしていいよ」
    加賀谷守美子:「ん……いや」一拍遅れて、自分が心配されているのだと気付く。「私は、平気です」
    斎川たつ:「平気なら、よかった。二人とも、強いから、次は大丈夫」先程の剣戟を思い出して、かみしめるように言う。
    黒傘 無常:「平気なら、いいけど」
    黒傘 無常:「……気負いするなとは言えない。そこの犯罪ナンパ男みたいに、ずっと軽くなれとは言わない」
    黒傘 無常:「けど、柳原 多々羅があなた達と融和しようとしていることは、受け入れてくれると、嬉しい」
    柳原 多々羅:「平気、ね。結構結構」
    加賀谷守美子:「それは……うん。頼りに、してます。三人とも」
    柳原 多々羅:「……あ、嫌なら嫌ってはっきり言ってくれていいんだよ? 僕は犯罪ナンパ男らしいし、さ」
    斎川たつ:「信頼できる剣だった。大丈夫」
    斎川たつ:「犯罪ナンパ男でも、信頼できるなら、別にいい」
    加賀谷守美子:嫌、に対しては首を振る。「私だけじゃ、きっと、あいつを斬れねえから」
    柳原 多々羅:「そう言ってもらえるなら、うれしいかな」
    柳原 多々羅:「あと僕も、三人のこと頼りにしてるよ」
    黒傘 無常:「……まだ、ぎこちないけれども」
    黒傘 無常:「ひとまずはこれでチーム結成……で、いい……?」
    柳原 多々羅:「いいんじゃない?」
    斎川たつ:「ん。黒傘さんも、加賀谷さんも、柳のも」
    斎川たつ:「よろしく、頼む」改めて、一礼
    加賀谷守美子:「……よろしくお願いします」深く頭を下げる。
    柳原 多々羅:「よろしくね」ならって、一礼。
    斎川たつ:ちょいちょい、と柳原さんと加賀谷さん二人に手招き。
    柳原 多々羅:「はいはい?」カラン、コロンと下駄を鳴らして近づく
    加賀谷守美子:「?」近付く。
    斎川たつ:「ちょっと、触っていい?」お二人の持っている武器を手で示す。
    加賀谷守美子:「はい」帯から抜き、包みを取り、鞘ごと手渡す。
    斎川たつ:「さっそく、チームの仕事。お守り」指し示した手の先が、僅かに硬化する。
    柳原 多々羅:「んー……まぁ、いいよ」帯から引き抜いて、鞘ごと
    斎川たつ:ではまず加賀谷さんの武器に《原初の赤:水晶の剣》。
    斎川たつ:シナリオ間選択した武器の攻撃力を+[Lv*2](レベル3なので現在+6)。侵蝕率5上昇。
    斎川たつ:鞘ごと渡されたので、刃には触れない。鞘越しに硬化した指先で撫ぜる。
    斎川たつ:「ちょっと、引っ張ったけど。戻ってるはず」僅かに意識に吸い付いた金属を手放し、加賀谷さんに両手で渡す。
    斎川たつ:戦闘で幾分曇った刃が、鞘の中でもとに戻っているはずだ。
    斎川たつ:「こっちも、同じ」同様に柳原さんの武器にも同じ処理を施す。
    斎川たつ:最後の《原初の赤:水晶の剣》。
    斎川たつ:シナリオ間選択した武器の攻撃力を+[Lv*2](レベル3なので現在+6)。侵蝕率5上昇。
    斎川たつ:「終わり。あんまり、触っちゃいけないんだけど」返しながら
    加賀谷守美子:「……」受け取った瞬間、小さく目を見開く。鞘の中からも漏れ出すような、妖刀の静かな猛り。「……ありがとう、ございます」
    斎川たつ:「できることは全部、やるから。うん」
    加賀谷守美子:元の布包みと帯に戻して、ぐ、と一度強く抱いた。
    柳原 多々羅:「……へぇー……いいじゃん。じいちゃんと同じ技かぁ」受け取って、気づいた。帯に戻して、三人に当たらないよう横を向いてから、静かに一度素振り。
    柳原 多々羅:「うん。いいね。ありがとう、たつちゃん」影も映らないまま納刀。はにかんでみせて
    斎川たつ:「ん。よかった」(よかった。ちゃんと、できた……与えられた、ね)
    斎川たつ:少しだけ、表情を緩ませる。
    斎川たつ:「じゃ、やろう。ね」すぐに真顔に戻り、布包みを手に握った。
    GM:――――――――――
    GM:ロイス取得、購入可能!
    GM:ムスカ式で3分間待ちましょう
    柳原 多々羅:ロイス
    いい人 斎川たつ ○好意/ちょっと辛辣じゃない?

    加賀谷守美子:迷ったけどロイスはまだ保留に。購入はUGNボディアーマーにチャレンジ
    加賀谷守美子:1dx+3
    DoubleCross : (1R10+3[10]) → 1[1]+3 → 4 → ファンブル

    柳原 多々羅:購入はぼであまチャレンジで
    加賀谷守美子:よわよわ……
    柳原 多々羅:2dx>=12
    DoubleCross : (2R10[10]>=12) → 10[4,10]+4[4] → 14 → 成功

    柳原 多々羅:やりました
    加賀谷守美子:つよつよ!
    斎川たつ:あ、じゃあ加賀谷さんのぼであまにチャレンジしようかな
    斎川たつ:(1+0)dx10+6=>12 調達
    DoubleCross : (1R10+6[10]>=12) → 4[4]+6 → 10 → 失敗

    斎川たつ:残り2点財産あるしなあ 財産点消費で購入して、加賀谷さんに渡します。
    GM:ロイスはどうします?
    加賀谷守美子:既に頭が上がらない……ありがとうございます
    斎川たつ:手練れ 柳原 多々羅 ○誠意/軟派
    斎川たつ:手練れ 加賀谷守美子 ○尽力/不安
    GM:では、シーンをカットします。

    ミドル2


    GM:登場前に、今回の情報判定について。
    GM:項目は3つです
    【〝辻斬り〟の所在について】目標値8 《情報:UGN or 噂話》
    【不審な送信者名のメール】目標値9 《情報:UGN》

    GM:そして、どちらかを抜いたら開示されるもう一つ。この三つの情報判定に成功したら、ミドル戦闘へ進むこととなります
    GM:3人で3つというギリギリっぷりではありますので、基本は誰かの再登場前提バランスと思っていただきたい!
    GM:という訳で、シーンプレイヤーはPC1、他2名は任意登場です。どうぞ。
    加賀谷守美子:1d10+44 登場!
    DoubleCross : (1D10+44) → 8[8]+44 → 52

    柳原 多々羅:1d10+48 とうじょう!
    DoubleCross : (1D10+48) → 9[9]+48 → 57

    斎川たつ:1d10+56 登場侵蝕
    DoubleCross : (1D10+56) → 7[7]+56 → 63

    GM:さあ、挑むが良い。
    斎川たつ:(1+1)dx10+5=>8 【〝辻斬り〟の所在について】
    DoubleCross : (2R10+5[10]>=8) → 7[6,7]+5 → 12 → 成功

    柳原 多々羅:メールいきまーす。コネ:UGN幹部を使用してダイス+2!
    GM:GoGoGo
    柳原 多々羅:4dx+1>=9
    DoubleCross : (4R10+1[10]>=9) → 10[2,2,2,10]+5[5]+1 → 16 → 成功

    GM:ものっそいあっさりぶち抜いたな!
    加賀谷守美子:マジェスティック
    GM:では、開示の前に最後の項目を
    柳原 多々羅:修羅に死角なし
    【〝辻斬り〟の素性について】目標値9 《情報:UGN or 裏社会》

    加賀谷守美子:ヒャッハー裏社会だー!コネ:情報屋を使用!
    加賀谷守美子:3dx+1
    DoubleCross : (3R10+1[10]) → 8[2,3,8]+1 → 9

    GM:誰か一人くらい再登場させられると踏んでたがなぁ……!
    GM:では。
    斎川たつ:みんな成功だ!
    加賀谷守美子:過不足なし
    【〝辻斬り〟の所在について】目標値8 《情報:UGN or 噂話》
    第十地区に出没する辻斬りだが、特に被害の集中しているポイントは特定されている。
    再開発に取り残された旧いビジネス街『馬留』。家屋が少ない為、夜間には人口が激減する地区だ。
    その為に、辻斬りとおぼしき人物の目撃証言は中々得られずにいた。

    あなたの調査の結果、不自然な人の出入りがある廃ビルが特定された。

    【〝辻斬り〟の素性について】目標値9 《情報:UGN or 裏社会》
    藤原 由基。この街の人間ではない。
    UGNのあらゆる資料に、その名前は掲載されていない。
    東北地方の、電気の供給さえ安定しない寒村で育ったことは確認できた。
    情報が存在しないのは消されているからではなく、単純に、知られていないのだ。
    大きな戦いで名を馳せたことも、武術にて表彰されたこともない。
    彼女はこれまでの人生で、何を成し遂げたことも無い。

    レネゲイドスカウターにて観測された侵蝕値は、150に達している。

    彼女が拠点とする廃ビルの周囲に、UGNの連絡員を配置している。
    いつでもこちらから襲撃が可能だ。

    【不審な送信者名のメール】目標値9 《情報:UGN》
    斎川たつへ送信された、斎川つむぎを名乗るメールであるが、UGNのとある研究施設から発信されていたことが分かった。
    逆探知により、発信端末とアカウントを特定。
    送信者はUGNラボ研究員、由仁場 山門(ゆじんば やまと)であると判明する。

    その名を、斎川たつは知っているだろう。覚えているだろう。
    彼はかつて、あなたと姉の暮らす家の近所に住んでいた。あなたを幼い頃から知っている、少しだけ年上の男性だ。
    彼は斎川つむぎと親しかった。
    〝あの事件〟から、あなたは彼の姿を見たことが無い。

    GM:と、いうことである。
    GM:加えて補足しよう。由仁場 山門についてだ。
    GM:〝あの事件〟の時、彼は大学受験を控えていた。どこぞの有名な医学部に入るだろうと目されていたし、それだけの学力が有った。
    GM:事件の後、彼はどこかへと引っ越して行った。それから斎川たつの前に姿を現したことは一度たりとないし、
    GM:UGNに所属しているという話も聞いたことがない、と断じて良いだろう。
    GM:だがこれは情報隠蔽というより、単に人付き合いの悪い男だったから、誰の噂にも上らなかった――程度に考えて良い。
    GM:という訳で、軽く情報共有です。
    GM:PCの口で喋っておきたいことがあれば、先ほどの部屋にまた集まったことにして共有をどうぞ。
    斎川たつ:「ビル」部屋に入るなり、該当の廃ビルの写真と地図を机に放る。
    加賀谷守美子:「わ……」一部滑り落ちそうになった書類を押さえる。こちらは部屋から出ていなかった。
    斎川たつ:「ここに、いるって。人が少ないから、大変だった」
    柳原 多々羅:「雑だなぁ……」たつに続いて部屋に入り、資料を机に置いて
    加賀谷守美子:「……絵に描いたようなとこに居んですね」地図と写真をかわるがわる見つめる。いかにも、といった風情だ。
    柳原 多々羅:「まあ、周りに被害の出るような場所じゃないし、そこはね」
    加賀谷守美子:「私は……はい」着信音が鳴る。端末を取り出し、画面に表示された内容を読み上げる。「……案外、面白みのねえ経歴みてえです。調べてもらった限りでは」
    加賀谷守美子:端末は私物で、協力者との繋がりも私的なものだ。だから間近に監視が付かないこの部屋でやり取りをしていた。
    加賀谷守美子:電波は拾われているかもしれないが、黙認されているならそれでいい。
    加賀谷守美子:「……で、その」
    加賀谷守美子:「柳原さんの方は……」
    柳原 多々羅:「ん。多々羅でいいよ、守美子ちゃん。こっちはたつちゃんのところに来たメールの話。発信者はこの人」資料の顔写真の部分を指先で軽く叩いて
    GM:ふむ
    GM:ならばそこには、UGNへ加入した時に撮影した、過去の面影より幾分かやつれた悽愴な顔があるでしょう。
    斎川たつ:「……!」全身が強張る
    GM:けれども、あなたは知っている。
    GM:忘れるはずも無いだろう。
    GM:彼は、あなたの姉と親しかった。
    GM:……親しい、という軽い言葉で片付けて良いものか。
    柳原 多々羅:「……そのかんじだと、お姉さんの名前を借りただけの不審者、ってわけじゃなさそうだね」
    黒傘 無常:「……柳原がその情報にいきついて直ぐ、その男――」
    黒傘 無常:「由仁場 山門を拿捕するよう手配した……けど、一歩遅かった」
    斎川たつ:「……やまとにいちゃん?」ひとりでに零れる、久しく呼んでいない名前。
    GM:その呼び名を思い出したなら、きっと対になって思い出すものがあるだろう。柔和な彼の笑顔だ。
    GM:優男ではあった。優しかった。数歳違いのあなたを、姉ともども可愛がっていた。
    黒傘 無常:「由仁場 山門は……連絡員のアカウントを何らかの方法で監視」
    黒傘 無常:「発信元を偽装して、斎川たつにメールを送信したものと見られる」
    黒傘 無常:「……そんな回りくどいことをする理由は不明だけど」
    斎川たつ:「なんで」声が震える。
    斎川たつ:(なんで——いや、きっと)
    斎川たつ:「殺した、から。殺しに、きた」数年前、並んで穏やかに笑い合っていた二人を思い出す。
    黒傘 無常:「殺した……?」
    柳原 多々羅:「……」
    斎川たつ:資料のやつれた由仁場の写真を見つめる。あの頃とは随分と変わってしまっている。
    斎川たつ:「……おねえちゃ、姉と、親しかったから。私が姉を殺しても、生きているから」
    黒傘 無常:「そう」
    斎川たつ:「多分、”辻斬り”に斬られるのを、期待、してる……と、思う」
    加賀谷守美子:「……それは」
    黒傘 無常:「……そういうこと、なんだ」
    黒傘 無常:「けど、ごめんね。言うね」
    斎川たつ:「うん。言って」
    黒傘 無常:「由仁場 山門への捕獲命令が下りた」
    黒傘 無常:「無理だった場合は……〝辻斬り〟に準じて対処しろって」
    柳原 多々羅:「……僕は……同情は、しないし、できないよ」
    黒傘 無常:「〝辻斬り〟の居場所のずさんな隠蔽、少しの時間だけ稼げれば良いというメール発信者の偽装」
    黒傘 無常:「これはまず、間違いなく、誘いだとおもう」
    斎川たつ:「うん、それで、いい」柳原さんに返す
    柳原 多々羅:「たつちゃんにとって、姉殺しがどれだけ枷になってるのか、僕にはわからない。だから代わりに、一個聞いていいかな」
    斎川たつ:「誘い。……何、柳の」
    柳原 多々羅:「たつちゃんは、どうしたい?」
    柳原 多々羅:「君の言うことが真だとして……山門と、君のお姉さんの願い通り、首を差し出すかい?」
    斎川たつ:「ううん。斬る、よ。私の枷は私のものだから」「それに手を出すなら、もう一度、斬る」
    柳原 多々羅:「よかった」
    柳原 多々羅:「なんだか随分とショックを受けていたようだったからね。余計なお世話だった?」
    斎川たつ:「それは、そう。でも、そうされるだけのことをしたから、しょうがない」
    黒傘 無常:「……うん。それが、人を斬るってことだもんね」
    斎川たつ:「余計だけど、不要でもなかった。大丈夫」頷く。
    黒傘 無常:「そこにどんな理由があったって、どうしても怨みは生まれる」
    黒傘 無常:「言い方は悪いけど……」
    黒傘 無常:「怨み一つ一つで立ち止まってられないのが、私達だから」
    黒傘 無常:「……たぶん斎川たつは、大丈夫」
    黒傘 無常:「……だよね?」
    斎川たつ:「うん。大丈夫」まっすぐに黒傘さんの眼を見つめて、頷く。
    黒傘 無常:「よかった」無表情が少しだけ崩れた。その下手くそな表情の変化は、きっと、微笑もうとしたに違いなかった。
    柳原 多々羅:「あ、無常ちゃんもしかして笑った? 今」
    黒傘 無常:「…………」流れるような動作でポケットから防犯ブザーを取り出す!
    柳原 多々羅:「なんでェ!?」
    加賀谷守美子:「……私の枷は、私のもの、ですか」
    斎川たつ:「周到。当然」二人のやりとりを見て、緩く笑う
    柳原 多々羅:「たつちゃんも、ちょっと僕に対して辛辣じゃない……? そう思わない? 守美子ちゃん」
    加賀谷守美子:(……斎川さんと、自分は、ひょっとすると)思考に沈みかけたところに声をかけられる。「えっ」
    黒傘 無常:「なにか、考え事だったみたいだけど……」
    黒傘 無常:「言うべきことなら、今、言おう」
    加賀谷守美子:「……聞いてねかったです」
    斎川たつ:「加賀谷さん。言うべき。聞く、から」
    黒傘 無常:「いつ言えなくなるか、わからないから」
    黒傘 無常:「……剣や刀にとりつかれると、そういう生き方になる」
    柳原 多々羅:「ああ、考え事してる時にごめんね」
    加賀谷守美子:「いや、あの、その」集まった視線にたじろぐ。「全然、大したことじゃねえんですけど」
    加賀谷守美子:「……斎川さんと、私は、結構似てるのかもしれねえって……あの」真っ赤になって顔を伏せる。「そんだけです……すみません、どうでもいいことで」
    加賀谷守美子:「た、多々羅さんのは何の話でしたか? 腰折ってごめんなさい。今度はちゃんと真面目に聞きますから!」
    加賀谷守美子:真剣な顔で柳原さんを見つめる!
    黒傘 無常:「不要」
    黒傘 無常:「どうせお茶の誘いとかそういうのだから」
    柳原 多々羅:「あ、いや。僕のほうも真面目な話じゃないんだけど」
    黒傘 無常:「……生きて帰ってからで、十分に間に合う」
    斎川たつ:「今の柳ののは、後で、いい」
    黒傘 無常:「うん」
    黒傘 無常:「行こっか、みんな」
    柳原 多々羅:「ま、後で良いよ。守美子ちゃんが聞ける時、聞きたい時で」
    斎川たつ:(似ている、かあ)
    斎川たつ:「ん。行こう」
    黒傘 無常:「死なない為、死なせない為、斬りに行こう」
    加賀谷守美子:「え、あ、はい!」気を取り直して立ち上がる。
    柳原 多々羅:「よぉし、さっさと斬りに行って、デートといこうか!」ぐぐっとのびを1つ
    柳原 多々羅:にしても、『……剣や刀にとりつかれると、そういう生き方になる』、か。皮肉だなぁ……
    柳原 多々羅:「……似てる、か」自嘲気味に呟く。似てるといえば、やはりあの人斬りと自分は似てるのだろう。剣にとりつかれ、剣を振るうだけの、鬼神。
    柳原 多々羅:それらをまとめて余計な感傷と切り捨てて、いつものナンパな笑顔を貼り付けた
    GM:――――――――――
    GM:ロイス&調達!
    柳原 多々羅:んー、ロイスは保留。調達は強化素材チャレンジで
    加賀谷守美子:ロイス
    同志? 斎川たつ 〇尽力/心配

    柳原 多々羅:2dx>=15
    DoubleCross : (2R10[10]>=15) → 8[3,8] → 8 → 失敗

    柳原 多々羅:はい。以上!
    斎川たつ:あっロイス残り一枠 ううーん 保留します
    加賀谷守美子:調達は応急手当キット!
    加賀谷守美子:1dx+3>=8
    DoubleCross : (1R10+3[10]>=8) → 1[1]+3 → 4 → ファンブル

    加賀谷守美子:調達苦手芸人か???
    GM:社会……
    GM:やはり剣士の群れは社会……
    斎川たつ:応急手当キットを狙います。
    斎川たつ:(1+1)dx10+6=>8 調達
    DoubleCross : (2R10+6[10]>=8) → 8[1,8]+6 → 14 → 成功


    ミドル3


    GM:シーンプレイヤーは柳原くん、他お二人は任意登場です。登場浸食をどうぞ
    加賀谷守美子:1d10+52 出るよ!
    DoubleCross : (1D10+52) → 3[3]+52 → 55

    柳原 多々羅:1d10+48
    DoubleCross : (1D10+48) → 4[4]+48 → 52

    斎川たつ:1d10+63 登場侵蝕 出ます!
    DoubleCross : (1D10+63) → 5[5]+63 → 68


    GM:さて、ここからは簡易描写でガンガン行こう。
    GM:あなた達の調査の結果、〝辻斬り〟の潜伏する廃ビルの位置は特定できた。
    GM:今はめったに人も寄り付かぬ、電気も水も通らぬビルの中層階、その女は居た。
    GM:床の上に木を並べて焚火とし、その横で床に横たわる姿を認めるより先に、
    GM:こほ、けほ、と咳の音が聞こえていたことだろう。
    柳原 多々羅:カラン、コロン
    柳原 多々羅:「やあ、人斬りさん。体の具合はどうかな」
    藤原 由基:「良くはない」女は横たわったままに応じる
    藤原 由基:「だが、人を斬るには十分だ」
    斎川たつ:「……」柳原さんの後ろ、無言で布を取り払った両手剣を構えている。
    藤原 由基:「一人足りんな」
    藤原 由基:女はあなた達を見ぬままに言うと、その後にようやく立ち上がった。
    藤原 由基:立った後に少しふらつき、口元を押さえて咳き込む。……間違い無く、病人のたたずまいだ。
    柳原 多々羅:「僕としては、病院で療養してもらった後にまた、としてもらいたいんだけどな」肩をすくめて
    藤原 由基:「それで治るなら、是非そうしたいところではあるがなぁ」
    藤原 由基:「無理だ」
    藤原 由基:「医者がさじを投げた。私は、そう遠くなく死ぬらしい」
    柳原 多々羅:「残念だ」カラン、コロンと足音を立てて
    藤原 由基:「全く残念だ。……が、嘆いてばかりもいられぬのでな」
    藤原 由基:「死ぬ前に、悔いを残さぬようにしようと決めた」
    藤原 由基:女の両の手に出現する刀。
    藤原 由基:掌を突き破り出現した骨が変形した、鋭利にして頑強、変幻自在の二刀である。
    斎川たつ:「……それが、人を斬って回る理由か。迷惑なことを」
    藤原 由基:「何を言う。剣の道など元より、迷惑千万の修羅道ではないか」
    斎川たつ:両手に出現した刀を睨みつける。構えは崩さない。
    藤原 由基:「人を効率良く殺すために、我らは技術を磨く。何百日、何千日と飽きることなく」
    藤原 由基:「まさかお前も、誰も殺していないとは言うまい?」
    藤原 由基:「いや――」
    由仁場 山門:「――そうだ、俺が言わせない」
    柳原 多々羅:「……手間が省けたね」
    由仁場 山門:その声の主は、辻斬り――藤原の傍らまで歩いて近づき、立った。
    由仁場 山門:痩せた男だった。
    斎川たつ:「——ッ」構えが、崩れる。
    由仁場 山門:UGNに加わった際の写真よりさらに痩せ、目の周りが落ちくぼみ、骸骨に皮膚を貼り付けたように成り果てたその顔。
    斎川たつ:「やまと、にいちゃん」
    由仁場 山門:けれども、面影だけはある。そして何より、声は同じだ。
    由仁場 山門:「たつ」
    由仁場 山門:「……俺をそんな風に呼ぶんじゃない」
    斎川たつ:「……わかった。それに、私がしたことを否定する気は、」瞑目。
    斎川たつ:「ない」改めて、目を開いて二人を見据える。
    柳原 多々羅:一歩前に出て、たつをかばおうとした手をひっこめる。杞憂だったか。
    藤原 由基:「だとさ、科学屋」
    由仁場 山門:「……勝手に納得してるんじゃないよっ!!」
    由仁場 山門:山門は、声が裏返る程に叫んだ。
    由仁場 山門:「お前はいいかも知れないさ! 昔はあんなことをした、けれども今は立派にやってますって」
    由仁場 山門:「そうやって納得して乗り越えていけるかも知れないさ!」
    由仁場 山門:「でも、俺は……っ!」
    加賀谷守美子:ひゅ、とかすかな音を立て、石礫が飛ぶ。
    加賀谷守美子:——由仁場山門。その後頭部へ向けて。
    由仁場 山門:山門は、ポケットに両手を突っ込んだ。そして引き抜いた時、その手には注射器。
    由仁場 山門:無防備に晒された後頭部を、守る防具の類いは無い、が――
    藤原 由基:「まぁ、待て」
    藤原 由基:音もなく、空間に閃光。
    藤原 由基:電気系統の死んだビルの中、僅かに差し込む外光を浴びた刀身の反射だ。
    藤原 由基:藤原の手にある刀が、飛来した石礫を〝微塵に切り刻んで〟
    藤原 由基:山門の身へ届かせず、落としていた。
    藤原 由基:「……覚えているぞ、その熱。先の夜、最も激していた娘だ」
    藤原 由基:「どうした。私が斬った中に、お前の縁者でもいたか?」
    藤原 由基:悪びれもせず語る藤原の――その首へ近づく、山門の手にある注射針。
    由仁場 山門:「――俺は! ずっとあの時のままなんだ! つむぎがお前に殺された日から、ずっと、ずっと……!」
    加賀谷守美子:「……対応した方を、殺っちまう気でいましたが」ふらり、と、柳原さんや斎川さんとは反対側の入り口から現れる。
    加賀谷守美子:「やっぱり、強ぇですね。とてもそんな隙は」
    藤原 由基:「なに。生憎とまだ、お前達三人とやる程には整っておらんよ」
    藤原 由基:「だが、もう少しだ」
    加賀谷守美子:出し抜けに跳躍して迫り、辻斬りへと剣を振るう。
    斎川たつ:「勝手に。私の呪いを、終わらせるな」一つ、呟く。
    藤原 由基:両手の刀を交差させ斬撃を受け止め――同時、足を振り上げる。
    藤原 由基:その脛から伸びるのは、手に持つものと遜色無い長さの刃。
    藤原 由基:真下から、顎を貫かんとその刃は振り上げられ――
    由仁場 山門:「いいや、たつ。お前がどう思ってようが……お前は受け止めて歩いている」
    由仁場 山門:「俺は、無理だったんだよ」
    由仁場 山門:「どこにいても何をしてても、あいつの顔が頭に浮かんでさぁ――」
    加賀谷守美子:紅色が散る。
    由仁場 山門:――山門は、その手に持つ駐車針を、たった今交戦中である藤原の首に突き刺した。
    由仁場 山門:注射針の奇襲を、辻斬りは避けようともせずに受け、薬液を血管へと直接に流し込まれて行く。
    藤原 由基:「あまり急くな、娘」
    加賀谷守美子:……頬を裂かれた。辛うじて頭を逸らすだけを間に合わせ、数歩を駆けて下がる。
    藤原 由基:「もう少しだと言っているだろう……っ」
    藤原 由基:脛から伸びた刃が、消える。
    藤原 由基:身体に存在する全ての骨を変形、刃と化す。それがこの女の力であるなら――
    藤原 由基:1対1、認識し得る速度での戦いに於いては、恐ろしく強いと言って良いのだろう。
    藤原 由基:……だが、女は今、戦いを厭うている。
    由仁場 山門:「――なぁ、教えてくれよ、たつ」
    由仁場 山門:「なんであいつはさぁ、つむぎはさぁ、死ななきゃならなかったんだ」
    由仁場 山門:「つむぎは……なんの為に生まれて来たんだ……!」
    由仁場 山門:空になった注射器を投げ捨て、山門は喚く。
    由仁場 山門:嘆く、と言った方が良いのか。
    斎川たつ:「……死ななきゃならなかったんじゃない」
    斎川たつ:「ただ、私が。殺した。お姉ちゃんの道を、閉ざしてしまっただけ」
    由仁場 山門:「……そうか、たつ」
    由仁場 山門:「なら、お前も死んでくれよ、なぁ……!」
    由仁場 山門:「俺には耐えられないんだ……もう、一瞬も」
    由仁場 山門:「あれからずっと、この一瞬の為だけに俺は生きてきた」
    由仁場 山門:「UGNに毛筋ほども疑われないよう、同胞達を殺す任務だろうが手を抜かないで、信用を積み上げて……」
    由仁場 山門:「全部、今日の為に」
    由仁場 山門:「お前を殺す為だけに……!」
    斎川たつ:「そう」
    斎川たつ:「そっか」
    斎川たつ:「でも。あなたには殺されないよ、私は」ひゅ、と息を吸い
    由仁場 山門:――唐突に。山門の右手が形状を変える。それはあたかも、先ほどまで掴んでいた注射器のように、だ。
    由仁場 山門:その針が――藤原の胸を貫いた。
    由仁場 山門:針はきっと心臓に到達しているだろう。そういう長さで、角度だった。
    由仁場 山門:「やれ、人斬り!」
    藤原 由基:「おう」
    藤原 由基:――たった一度。右手の刀が、間合いも何もなく振るわれた。
    藤原 由基:あなた達剣士の目は、きっとその瞬間を捉えていただろう。
    藤原 由基:藤原の手の中にあった刃が急激に〝伸びた〟ことを。
    藤原 由基:全長数十mにも至った刃は、あなた達の頭上を通過して振り抜かれた。
    藤原 由基:……その剣閃に僅かに遅れて、〝ビルの軋む音〟。
    藤原 由基:「ふむ」
    藤原 由基:「なるほど、良い薬だ。病む前よりよほど調子が良い」
    藤原 由基:斬ったものは、人でも空でもなんでもない。
    藤原 由基:ビルだ。
    藤原 由基:「刃さえ届くなら、斬れる。……楽しいものだなぁ」
    柳原 多々羅:「……幼稚だな。期待はずれだ」
    斎川たつ:「私の枷が、私を砕くまで。それまでは、死なない。あなた……にいちゃんこそ、お姉ちゃんを汚すな」静から、動へ。振り抜かれた刃の圧を頭上に感じながら。
    由仁場 山門:「此処で死ね、たつ。俺と共に死ね」
    柳原 多々羅:「……『日に千度鞘走るべし。その他は置き刀に過ぎぬ』」
    「どうあがいたって、僕の剣は殺人剣だ。貴方の言う通り、迷惑千万の修羅道だろうさ」

    由仁場 山門:「お前の道をお前が選ぶなんて、俺が許さない」
    由仁場 山門:「つむぎはもう、どんな道も選べないんだからな……!」
    柳原 多々羅:「……でも、それに開き直って刀を血に濡らしてしまったら、修羅にすらなれない」
    柳原 多々羅:「悔いも恐れも無い、木の枝を振り回す童のような君の刀は、もう誰にも届かないよ」
    斎川たつ:「私を殺すのなら、にいちゃん自身が私の枷になれ……お姉ちゃんを。これ以上、戦場に引き留めるな!」両手剣の切っ先を、由仁場の首元に向け、叫ぶ。
    加賀谷守美子:「……フウウウーッ……!」熱を含んだ息を吐き出す。敵の目論見を通した苛立ち。仇を目の前にしての怒り。それら以上に。
    加賀谷守美子:……剣を握る手が震える。恐怖。命の消える瞬間が、死が、もうすぐこの場に訪れる。
    藤原 由基:「ご高説ありがたく頂戴しよう、居合いの男。……言葉にて有意を取らんとするがお前の剣か、愉快愉快」
    藤原 由基:「だが、まぁ、そこから先の説教は」
    藤原 由基:「私が〝仕上がってから〟としてもらおう」
    藤原 由基:ひゅうっ。
    藤原 由基:再び振るわれる、形状自在の刀。
    藤原 由基:それはあなた達を狙うことはなく、周囲の壁を柱を、遙か上階の鉄筋を、
    藤原 由基:その場にいながらにして切り刻んでいる。
    藤原 由基:みしぃっ。
    藤原 由基:ぎしぃっ。
    藤原 由基:ビルが軋み――
    由仁場 山門:「ここで死ねっ! 死ねっ! 死ねぇえええぇっ!」
    藤原 由基:――崩れる。
    GM:突然ですがここで回避or攻撃判定です。
    GM:あなた達のいるビルは斬られました。直ぐにも崩れます。
    GM:ですがあなた達は歴戦のオーヴァード。たかが、ビルのがれきなど、如何様にも対処できるでしょう。
    GM:回避にて10以上を達成or〝なんらかの攻撃手段〟にて20以上を達成、を目標としてダイスを振ってください。
    柳原 多々羅:エフェクトは使用できますか
    GM:OKです。侵蝕はその分だけ伸ばしてね!
    柳原 多々羅:了解! じゃあ万全を期して《居合い》を使用して判定します(侵蝕52⇨57
    柳原 多々羅:6dx+26
    DoubleCross : (6R10+26[10]) → 10[1,2,5,6,7,10]+3[3]+26 → 39

    加賀谷守美子:白兵にて《コンセントレイト:ブラックドッグ》《アームズリンク》。侵蝕は55→59。
    GM:もはや固定値だけでクリアしている……
    加賀谷守美子:10dx8+4
    DoubleCross : (10R10+4[8]) → 10[1,3,3,3,4,4,5,6,10,10]+5[1,5]+4 → 19

    GM:お……惜しいぃっ……
    斎川たつ:ううむ 回避のがいいかな
    柳原 多々羅:私が40近くいっているのでどうにかなりませんか(ダメ元
    斎川たつ:マイナーで《千変万化の影》。選択した技能のレベルをシーン間+6します。<回避>技能を選択。
    斎川たつ:侵蝕率2上昇。
    斎川たつ:(4+1)dx10+1+6=>10 回避
    DoubleCross : (5R10+1+6[10]>=10) → 9[2,4,5,8,9]+7 → 16 → 成功

    GM:ふむふむ
    GM:ならば、すみこちゃんのみ――と行こうかと思いましたが申し出がありましたので
    GM:加賀谷守美子、柳原 多々羅、二人のうちいずれか一人だけ、2d10点のダメージを受けていただきます。
    GM:イメージとしては、崩壊するビルの瓦礫にぶつかるとかそういう具合。
    加賀谷守美子:エッそんな
    GM:柳原くんがダメージ受けるのは、危ないところを庇ったとかそういう演出となるでしょう。
    加賀谷守美子:いいんですよ無理しなくて……!
    柳原 多々羅:女の子を守るのは男の務め……!
    GM:斎川さんは器用に瓦礫の間をすり抜けて一度外へ出る感じですね
    GM:では。
    斎川たつ:了解です
    GM:崩落するビル。総量数万トンに及ぶ巨体。その全てがあなた達に降り注ぐのではないにしても――
    GM:直撃すれば相応の衝撃は免れない。
    GM:鉄筋やコンクリートの塊が、放置された家具が、無秩序の雨となって降り注ぐ!
    柳原 多々羅:左手を鞘に。右手を柄のそばに置き「柳原流抜刀術、一の太刀『明鏡止水』」
    柳原 多々羅:全方位への対応力と、最短最速の速度を持った技。見えない傘が雨をはじくように、不可視の速度を持った刀が雨を斬り弾く。
    GM:巨岩とて斬り裂けば石となる。砂となる。剣を以て張る斬撃結界は、あなたではなく、
    GM:あなたの傍に立つ少女を、主として守ることとなろう。
    GM:……代償としてあなたは。本来避け得た飛礫をも、幾つか浴びる事となる。
    GM:だが、とは言え。あなた達は瓦礫の雨を切り抜けた後、
    GM:かつてビルであった瓦礫の山の上に立つか。それともビルだった場所の外に立っているか。そのいずれかとなるだろう。
    加賀谷守美子:「……っ……!」切り裂かれた石の雨の間隙から、大きく開いた目で少年を見る。
    斎川たつ:「加賀谷さ——柳の!」築かれていく瓦礫の山を前に、声を上げる。
    柳原 多々羅:「……いたたた。僕もまだまだだなぁ……怪我はないかい、守美子ちゃん」瓦礫の雨が止んだと同時、納刀の音。すこしばかりの残心の後、額に赤い筋を作りながら振り向いて
    加賀谷守美子:瓦礫の山の、一つだけの窪みに立っている。そういう地形を作るほどに、自身は完全に守られていた。「……怪我は」
    加賀谷守美子:頬の刀傷に手を添える。「……あります、けど。でも、すみません」深く頭を下げた。
    GM:――突然、ビルが崩落したのだ。当然の如く衆目は集まり、交通網にさえ混乱が生じる。
    GM:だが。
    柳原 多々羅:「謝んないでよ、守美子ちゃん。……こういう時、無傷だったらもっと格好付いたんだろうけどね……さて」苦しげに笑って、頭を上げるように言えば、弛緩しかけた空気を切り替える
    GM:直後、あなた達は感じることだろう――《ワーディング》の気配を。
    GM:そして。瓦礫の山の一部が爆ぜたかと思いきや、そこから〝人が打ち出され〟た。
    GM:放物線を描き、あなた達の足下へと転がったのは、意識を失った由仁場 山門であった。
    柳原 多々羅:「……手荒いデリバリーだなぁ」
    加賀谷守美子:一瞥し、それが射出された地点へと視線を向ける。
    ???:「手荒くてごめんねぇ。でも、生きてたしさ」
    ???:「別にこの人剣士じゃないし……まぁ、怨みもないし」
    ???:射出地点、瓦礫の下より聞こえる女の声は、
    ???:〝辻斬り〟の凍てついたようなものとは似ても似つかない。
    斎川たつ:「にいちゃん……由仁場、山門。あなた自身は来てくれないのか」足元に転がる由仁場を見て、寂し
    斎川たつ:寂しげに呟く。
    ???:きぃんっ。
    ???:刀を鞘に収めた時の、あの音がして、積み上がる瓦礫の一部が崩れた、その下には――
    凪風 流:「非戦闘員だからねぇ、彼。別に私の刀、貸してあげてもいいけど」
    凪風 流:「たぶん、期待したような戦いにはならないと思うよ?」
    加賀谷守美子:「…………え」
    柳原 多々羅:「……うん?」
    斎川たつ:「……待て」
    凪風 流:「あはは、みんな驚いてる。どうしたの、そんな死人を見るような目をして」
    凪風 流:「……って、いや、うん。冗談じゃないんだよね、それがね」
    凪風 流:見覚えのある姿だろう。
    凪風 流:部屋着のような服装と、大小揃えて吊す古風な剣の型。
    凪風 流:シャツは、首から流れた大量の血液に染まり乾いたのだろう。赤黒い。
    凪風 流:凪風 流が、そこにいた。
    凪風 流:そこにいて――あなた達の方へと、歩き、間合いを詰めようとしていた。
    加賀谷守美子:「……舐めてんですか」
    柳原 多々羅:「……待て」
    斎川たつ:「死んだ、はずじゃ、なかったか」凪風さんの首元を注視する
    凪風 流:ふむ。首元を見たならば
    凪風 流:葬儀の際に少しでも見栄えが良くなるようにと、縫い合わせた痕跡がはっきりと見て取れるだろう。
    柳原 多々羅:「あんた、誰だい」奇跡的に生還して、知人に歩み寄るようなあるき方じゃない。剣士の殺意をもって、間合いを詰めに来る足運びだ。
    凪風 流:縫う為に使った糸も、そのままだ。そのままに凪風は、間合いを詰めて来る。
    凪風 流:殺し合いの為の間合いに、踏み入ろうとしているのだ。
    凪風 流:「私がだれか、ね……うぅん。守美子ちゃんは知ってるよね?」
    凪風 流:「凪風 流。UGNエージェント……〝だった〟って言えばいいのかな、たぶん」
    斎川たつ:間合いを読み取ろうとしながら、握っていたままの両手剣を持ち直す。
    凪風 流:「や、やめたつもりは無いんだけどさ。死んだら流石に除籍でしょ?」
    凪風 流:朗らかに話している。
    加賀谷守美子:「……あの女が。よりんよって、凪風さんの真似をして。私ぁの前に、出てきてるんでしょうが」
    凪風 流:その一方で利き手の右が、腰の太刀へと伸びている。
    凪風 流:「……違うよ、違う、守美子ちゃん」生前と同じ笑みが崩れて、少し寂しげな顔をして、
    凪風 流:「もっと、もっと簡単なこと。……だけど、ゆっくり教えてあげるには、私の我慢が持たないかも知れない」
    柳原 多々羅:「……斬るしかない、というわけかな。お姉さん」右手を柄のそばに置いて
    凪風 流:「――ま、良いか、うん。闘ろう」
    凪風 流:「そう、そういうこと。……えーと、君、なんて言うのかな。もしかして、同じ任務を受ける筈だった子?」
    柳原 多々羅:「……柳原一刀流破門、UGNチルドレン “一刀鬼神”柳原多々羅。お姉さんの言うとおり、人斬りの処分依頼を受けた者だよ」
    凪風 流:「あー、柳原一刀流。居合いかー。……いいなぁ、うん。すっごく、直ぐにでも、斬り合いたい」
    加賀谷守美子:「何を……」
    GM:「守美子ちゃん」
    GM:「ごめんねぇ」
    GM:凪風は笑った。普段通りの顔ではない。本人が言う〝戦いの時のちょっと怖い顔〟がきっと、これなのだろう。
    GM:目を細めれば視界が狭まる。だから見開いたままにする。口元だけが笑う。そういう顔だった。
    加賀谷守美子:「……なんで」柄を握りしめる、その両手が震えている。胸元の剣はまだ抜いていない。
    GM:「〝あの事件〟さ、守美子ちゃんじゃないって信じてる……それは嘘じゃないの」
    GM:「けれど」
    GM:「あれが守美子ちゃんのやったことならどれだけ良いかって、今は思ってる」
    GM:「それも、嘘じゃない」
    凪風 流:「私がさ、死んでさ、何でか目を覚ましちゃって。最初に何を考えたか分かる?」
    凪風 流:「〝良かった、まだ戦える〟だよ。笑っちゃうよね」
    加賀谷守美子:「凪風さん」
    加賀谷守美子:「……だったら、居るじゃねえですか。凪風さんが、一番戦うべき相手が」
    凪風 流:「あの辻斬りさん? あはは、もちろん」
    凪風 流:「まずはあなた達を斬って、それからあれも斬りに行くよ」
    凪風 流:「その後、この体がどこまで持つか分からないけど」
    凪風 流:「持つ限り、斬って、斬って、斬って、斬る」
    凪風 流:「……あー、そっか。これがジャームってことなんだ、うん。自分の事になると、なかなか気付かないもんだねぇ」
    凪風 流:まるで他人事のように言いながら、彼女は間合いを詰め続け――止まった。
    凪風 流:5m。
    加賀谷守美子:「…………」瞑目する。
    凪風 流:まだ遠い。だが、オーヴァードの剣客にとっては、ただの一歩に等しい距離。
    加賀谷守美子:「……一つだけ、いいですか」
    凪風 流:「ん?」軽く首を傾げる。
    加賀谷守美子:「なんで、私たちと合流する前に、一人で戦ったんですか」
    加賀谷守美子:不意打ち。自分だけで済まそうという気負い。有り得る。オーヴァードの戦いなら、どんな不条理も有り得るのだ。けれど。
    凪風 流:「……………………」
    凪風 流:「……戦いたかったから」
    凪風 流:「うん。普通に考えたら、あなた達を待って、四人で囲んで狙えば良かったし」
    凪風 流:「そうしたらあっさりと辻斬りさんの首を落として、今頃みんなで打ち上げだったかもね」
    凪風 流:「でもね、守美子ちゃん」
    凪風 流:「あの人、強そうだったんだもん。斬り合いたくなるんだよ」
    加賀谷守美子:「…………ふふっ」
    凪風 流:「分かってくれた? じゃあ――そろそろ私、我慢ができないや」
    凪風 流:二歩、大股に進んだ。
    凪風 流:3m。
    凪風 流:もはや双方が刀を抜いたなら、切っ先同士がふれあう事すらあろう。
    凪風 流:「朽縄流殺刀術師範、死人、《鬼灯の眼》凪風 流。一手ご指南仕る」
    加賀谷守美子:「ふふふふ。……分かりました。さすがは」小さく笑う。おそらくは凪風流に見せた中でも、一番自然な、思わず漏れた笑み。「……私の、先生です」
    加賀谷守美子:剣を抜く。「……我流。“ダイナスティ”、加賀谷守美子」
    加賀谷守美子:「よろしくお願いします」

    ミドル戦闘:屍鬼


    エンゲージ

    凪風

    3m

    PC達

    GM:――そして、ここで一つ情報を開示する。
    GM:加賀谷 守美子、あなたは凪風 流と親しかった。すなわち、その剣を十分に知っている。
    GM:一人に伝えて共有というのでは手間がかかる。ダイレクトに開示しよう。
    GMhttps://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY47jotAIM
    柳原 多々羅:ミドル戦闘の前に。瓦礫から庇った代償に2d10ダメージうけます。わすれないうちに
    柳原 多々羅:2d10
    DoubleCross : (2D10) → 14[6,8] → 14

    柳原 多々羅:28-14=14 HP14点。ちょうど半分!
    加賀谷守美子:装甲!
    柳原 多々羅:わすれてた! 14-8で6点ダメージ! HP22点だ!
    GM:では
    GM:ミドル戦闘、ラウンド1
    GM:セットアップ!
    柳原 多々羅:ありません!
    斎川たつ:なしです!
    加賀谷守美子:ない!
    GM:OK、では行動順で柳原くんだ!
    柳原 多々羅:はい!
    柳原 多々羅:マイナーで移動してエンゲージ。メジャーでコンボ:明鏡止水
    《居合い》を使用! 侵蝕57⇨62

    柳原 多々羅:何もないようでしたら命中まで!
    GM:判定どうぞ!
    柳原 多々羅:6dx+26
    DoubleCross : (6R10+26[10]) → 10[3,5,8,8,8,10]+1[1]+26 → 37

    GM:リアクション放棄で復習の刃
    GM:ダメージ判定の前に白兵攻撃で割り込みます
    GM:14dx7+9
    DoubleCross : (14R10+9[7]) → 10[2,2,2,3,4,4,6,6,7,7,8,9,9,9]+10[2,3,5,5,6,7]+4[4]+9 → 33

    柳原 多々羅:デスヨネー
    GM:19+4D10 リアクション不可装甲無効
    DoubleCross : (19+4D10) → 19+25[6,8,10,1] → 44

    GM:その上でダメージ判定どうぞ
    柳原 多々羅:では
    柳原 多々羅:4d10+19 装甲無視
    DoubleCross : (4D10+19) → 16[4,1,5,6]+19 → 35

    GM:121-35=86 まだまだいける、演出あればどうぞ!
    柳原 多々羅:装甲あってもなくても死亡! リザレクト!
    柳原 多々羅:1d10
    DoubleCross : (1D10) → 1

    柳原 多々羅:侵蝕62⇨63
    柳原 多々羅:「実を言うとね、お姉さん」カラン、コロンと下駄を鳴らしながら近づく
    柳原 多々羅:「気持ちはわからないでもないよ。僕も、無常ちゃんを経由せずに知っていたら、手を出していたかもしれないしね」ふわりと、下駄の音が消える。流の懐、居合いの間合いに入る
    凪風 流:「あはっ」
    凪風 流:――後の先。抜刀する。だが、抜いた刀はそのまま斬りに行くのではないのだ。
    凪風 流:到来するであろう神速の居合いに対し、即死せぬように、その太刀は掲げられる!
    柳原 多々羅:「でも、君は堕ちてしまった。修羅道は修羅たらんとする道であって、修羅に続く道であっちゃいけないんだ」抜刀。オーヴァードの眼力をもってしても捉えきれない一太刀。
    柳原 多々羅:まず一太刀は受けられる。すぐさま切り返すべく、二の太刀が同じ加速度をもって振るわれるが、一手詰まった代償は大きい
    凪風 流:その二の太刀に――
    凪風 流:「――合わせる」
    凪風 流:左手が馳せる。打刀を逆手に掴み、引き抜きざまに――斬。
    凪風 流:代償を払うのはこちらも同じだ。防ぎながら、斬られながら、斬る。
    凪風 流:身から血の花を咲かせるのは、きっと双方となるのだろう。
    柳原 多々羅:「ぐっ……!」深い。凡人であればすぐさま致命傷になる傷を、最低限の間合いを離しながらレネゲイドが塞ぐ。
    柳原 多々羅:「……先の先には、まだ遠いか」
    凪風 流:「二之手がある居合いとは珍しいね、心地が良い剣だ」
    GM:ではお次、行動値6のお二人
    GM:いずれから行きます?
    加賀谷守美子:特に戦術的意味はないが後手をもらいたい
    斎川たつ:では、先を
    加賀谷守美子:オネガイシマス!
    GM:来いやぁ!
    斎川たつ:斎川行きます!
    斎川たつ:マイナーで戦闘移動。凪風さんにエンゲージ。
    斎川たつ:メジャーでコンボ『鏡両刃・純』。《コンセントレイト:エグザイル》+《オールレンジ》。
    斎川たつ:C値8、判定ダイス+5。両手剣装備により命中-3。侵蝕率4上昇。
    GM:そのまま判定どうぞ
    斎川たつ:(4+1+5)dx8+8-3 命中
    DoubleCross : (10R10+8-3[8]) → 10[1,1,3,4,8,8,9,9,9,10]+10[1,2,3,4,9,10]+6[1,6]+5 → 31

    GM:リアクション放棄、《復讐の刃》!
    GM:14dx7+9
    DoubleCross : (14R10+9[7]) → 10[1,2,3,3,4,4,4,4,5,6,8,9,9,10]+10[1,6,9,10]+10[7,10]+6[1,6]+9 → 45

    斎川たつ:ヒッ
    GM:5d10+19 リア不装甲無効
    DoubleCross : (5D10+19) → 29[5,10,2,10,2]+19 → 48

    GM:そしてダメージどうぞ!
    斎川たつ:4d10+10+6 ダメージ 装甲有効
    DoubleCross : (4D10+10+6) → 21[2,10,2,7]+10+6 → 37

    GM:86-37=49,もうかなり削った演出どうぞ!
    斎川たつ:その前にオートで《リザレクト》。戦闘不能を回復し、さらにHPを回復します。
    斎川たつ:1d10+70
    DoubleCross : (1D10+70) → 5[5]+70 → 75

    斎川たつ:「あなたも斬り続けるのなら。私たちの任務の対象」大股で近付く。
    凪風 流:「うん、それでいいよ。それでいいんだ。そういう旗の下で、斬り合おう?」
    斎川たつ:「鏡両刃流門下、斎川たつ。”ミステル”。——失礼する!」ただの鋼が、鈍く閃く。
    斎川たつ:オートで《餓鬼魂の使い》。
    斎川たつ:邪毒ランク3を付与。侵蝕率3上昇。
    斎川たつ:斬る、という言葉に反して、殴りつけるように刃を振るう。
    凪風 流:――受けて、斬る。それだけがこの流派の形。故に恐れるべきは重さではなく、速度。
    凪風 流:とは言え、まともに受ければ得物ごとへし折られかねない打撃は、また話が変わる。
    凪風 流:「こういう時は……っ!」
    凪風 流:振るったのは左腕だ。刀ですらない。
    凪風 流:振り下ろされる剣の正面から左腕を叩き付けながら、右手の太刀で――的の大きな腹を突く!
    斎川たつ:「ごはっ……!」まともに太刀の一撃を受けながらも、気力で振り抜く。
    凪風 流:その一撃は、剣士の左腕を、前腕の中ほどで両断していた。
    凪風 流:手ごと刀が落ちる。……傷口から血は流れない。
    凪風 流:「……重い、良い剣だ。こういう体になってなかったら、初段の受け方に困ったろうな」
    斎川たつ:刃が相手の身体を離れる瞬間、自身の組織が傷口に跳ね、潜り込んだ。
    斎川たつ:流れる血を押さえながら元の姿勢に戻ったときには、既に身体が高速で修復を始めている。
    斎川たつ:「振るうのは、重さ。枷の、重さだ」肩で息をしながらも、次の隙を狙う。
    GM:ようし、では
    GM:次のイニシアチブの前にオートアクション扱いで少しだけ喋らせていただこう
    凪風 流:「守美子ちゃん」左腕ごと刀を一つ失った剣士が、怖い顔のままで言う。
    凪風 流:「あなたの初太刀に、私の秘剣を合わせる」
    凪風 流:「……決めると言ったら必ずだ。瞬きしないで、良く見ておきなね」
    GM:では、守美子ちゃんの手番だ。
    加賀谷守美子:「……はい」向けた切っ先に揺らぎはない。強いてそうしている。
    加賀谷守美子:マイナーで戦闘移動、凪風流とエンゲージ。メジャーで《コンセントレイト:ブラックドッグ》《アームズリンク》《ライトニングリンク》。侵蝕59→67。
    GM:OK,判定どうぞ。
    GM:ライトニングリンクも入れます?
    加賀谷守美子:10dx8+4
    DoubleCross : (10R10+4[8]) → 10[1,1,2,4,6,6,7,8,8,10]+10[2,7,8]+4[4]+4 → 28

    加賀谷守美子:入れるぞ!
    GM:ふむ、ならば
    GM:リアクション放棄。《復讐の刃》!
    GM:そして判定直前タイミングに
    GM:《リミットリリース》&《獣の魂》!
    GM:19dx5+9
    DoubleCross : (19R10+9[5]) → 10[1,1,1,2,2,3,4,4,4,5,5,6,6,7,8,9,10,10,10]+10[1,1,2,3,4,6,6,6,10,10]+10[2,5,8,9,9]+10[1,6,7,10]+10[4,9,10]+10[5,5]+4[3,4]+9 → 73

    加賀谷守美子:ヒューッ
    GM:19+8d10 リア不装甲貫通
    DoubleCross : (19+8D10) → 19+46[4,6,5,7,8,4,7,5] → 65

    GM:そしてダメージをどうぞ!
    加賀谷守美子:3d10+30+6 先にダメージ!
    DoubleCross : (3D10+30+6) → 22[7,9,6]+30+6 → 58

    加賀谷守美子:1d10+67 そして復讐の刃のリザレクト!
    DoubleCross : (1D10+67) → 5[5]+67 → 72

    GM:そしておわかりかと思いますがこの算出されたダメージに対して《空蝉》!
    GM:ということで演出あればどうぞ!
    加賀谷守美子:きたないなさすがハヌマーン汚い……
    GM:ハヌマーン忍者説
    加賀谷守美子:——地を蹴る。
    加賀谷守美子:それはさながら、辻斬りに初めて振るった剣のように。瓦礫の小さな石粒を跳ね上げて、和装の袖が翻り、白刃が月光を受けて煌めく。
    加賀谷守美子:小柄な体躯に反し、威力は凄絶。次の瞬間夜を裂いた剣は、掲げた剣ごと凪風流を両断する。——そうしかねないだけの、一撃ではあった。
    凪風 流:「……真っ直ぐで、いい剣だ」
    凪風 流:片腕で、太刀を掲げた。
    凪風 流:振り下ろされる剣へ対し、横倒しにした太刀の腹が触れた――その、刹那。
    凪風 流:凪風の体は片足を軸に回った。
    凪風 流:振り下ろされる剣に触れた太刀は、決してその力を受け止めようともしないまま、寧ろ剣の行き先を導くように流れ、
    凪風 流:凪風は剣の起動を変えられ体勢を崩した〝敵〟の背後に立つ。
    凪風 流:「受けて斬る、朽縄流の究極系――受けずに斬る」
    凪風 流:その太刀は、空いた背中へと、容赦も躊躇もなく振るわれた。
    凪風 流:秘太刀:幻燈。それは速度も力も用いぬ、静かな幻影の如き剣であった。
    GM:では、その流れのままに凪風のメインプロセスへ
    加賀谷守美子:「…………!」鮮血が噴き出す。仰け反りながら崩れ落ちるのを堪えようとして、果たせず、妖刀を杖に膝を突く。
    凪風 流:「守美子ちゃん。見えた?」
    加賀谷守美子:こちらのメインプロセス終了時、ライトニングリンクの効果でHPを5点喪失。リザレクト。
    加賀谷守美子:1d10+72
    DoubleCross : (1D10+72) → 10[10]+72 → 82

    GM:ぉおう
    加賀谷守美子:「っは……」だが、再び立つ。「……はい。見ました」
    凪風 流:「良かった」
    凪風 流:「持っていってよ――とはまぁ、師範の立場もあるし、言い辛いけどさ」
    凪風 流:「こういう剣もあるの」
    加賀谷守美子:「……ふふ。ええ」立って、向き直り、再び剣を構える。頬と、唇の端から赤い筋を垂らしながら、微笑む。「私ぁなりに、役に立てます」
    加賀谷守美子:「あなたを斬った、その先の戦いで」
    凪風 流:「……見てみたいなぁ。この先の守美子ちゃん」
    凪風 流:マイナー、なし。メジャー、一番今余裕がありそうに見える柳原くんへ、エフェクトを使わない通常白兵攻撃。
    凪風 流:14dx10+9
    DoubleCross : (14R10+9[10]) → 10[2,2,2,4,4,5,5,6,8,8,9,9,10,10]+9[8,9]+9 → 28

    柳原 多々羅:ガード値も存在しないし、一応ドッジで!
    GM:さぁこい!
    柳原 多々羅:3dx+1>=28
    DoubleCross : (3R10+1[10]>=28) → 7[4,6,7]+1 → 8 → 失敗

    柳原 多々羅:うーん失敗!
    GM:3d10+19 装甲貫通ダメージ
    DoubleCross : (3D10+19) → 25[7,8,10]+19 → 44

    凪風 流:――地面を蹴るようには動かない。滑り、流れて進むのだ。
    凪風 流:その動きはさほど速くない。だが、気付けばそこにいる。
    凪風 流:柳原を間合いに納めた――その次の瞬間、あまりにも単純な剣閃が走っていた。
    凪風 流:片腕で、上から下へと切り下ろすだけの一閃。
    凪風 流:それが――速くはない。だが、意識の隙間を貫くようなタイミングで放たれていた。
    柳原 多々羅:「ッ……『明鏡——ッぐぁ!」『明鏡止水』は本来守りにも転用可能な剣。だが、意識の間隙を突いた剣である以上に、彼はそれを、まだ修めきれていない。
    柳原 多々羅:その単純な剣閃に、加速度の乗り切らない抜刀は弾かれ、斬られる。血が舞う。
    柳原 多々羅:1d10+63 リザレクト!
    DoubleCross : (1D10+63) → 1[1]+63 → 64

    GM:つよい
    柳原 多々羅:つよい
    GM:では、クリンアップだ。
    加賀谷守美子:ない!
    柳原 多々羅:ない!
    斎川たつ:自身はありません!
    GM:凪風は邪毒ランク3で9のHPを失い、残りHPは49-9で40!
    GM:●ラウンド2
    GM:セットアップ! 凪風はなし!
    柳原 多々羅:なし!
    斎川たつ:なしです!
    加賀谷守美子:なし!
    GM:OK、そしてイニシアチブ順に柳原くん!
    GM:敵の残りHPは40,斬り落とされた片腕の回復も間に合っていない
    柳原 多々羅:はい!
    柳原 多々羅:マイナー無しで、メジャーでコンボ:明鏡止水
    《居合い》を使用(侵蝕64→69)

    柳原 多々羅:なにもなければ命中まで!
    GM:命中どうぞ!
    柳原 多々羅:7dx+26
    DoubleCross : (7R10+26[10]) → 10[2,3,4,8,9,9,10]+8[8]+26 → 44

    GM:ではそこにリアクション放棄《復讐の刃》
    GM:14dx7+9
    DoubleCross : (14R10+9[7]) → 10[2,2,3,3,4,4,5,5,5,7,7,8,8,9]+3[1,1,2,2,3]+9 → 22

    GM:3d10+19
    DoubleCross : (3D10+19) → 20[9,2,9]+19 → 39

    柳原 多々羅:そういえば水晶の剣のこと、前回すっかりわすれてた……
    柳原 多々羅:5d10+19+6
    DoubleCross : (5D10+19+6) → 33[3,9,7,6,8]+19+6 → 58

    凪風 流:――もはや呼吸と同じ。何万と繰り返した術理。
    凪風 流:敵の斬の呼吸に合わせ自らも斬る。後の先を極めた一刀は、〝敵〟の身に確かに届く。
    凪風 流:――が。
    凪風 流:その間合いから逃れ、刃を防ぐ手立てまでは残されていない。
    凪風 流:残HP0,Eロイス《修羅の世界》でHP1になり復活します。
    GM:ということで演出どうぞ。
    柳原 多々羅:「『明鏡止水』」神速の鞘走り。オーヴァードであっても抜刀の瞬間を捉えきれない一太刀。正確に頸を狙う軌道は、しかしまた受けられる。
    柳原 多々羅:「——二連」だが、一太刀だけだ。その衝撃が流の腕に伝わる時分には既に納め、二発目の抜刀を始めている。受けるといっても、所詮線での防御。別の方向から二太刀目を浴びせればいい。
    ただし、これも、後の先に来る刃を防ぐことはできない。

    柳原 多々羅:一度受けられた軌道とは全く違う軌道で、剣閃が振るわれる。
    GM:斬。
    GM:二つの剣閃は絡み合うことなく、互いの肉に届く。
    GM:鋼すら断つ刃二振り。命など容易く奪い取る。
    GM:たとえそれが、死人相手であってもだ。
    GM:「……ぐうっ!」喉を悲鳴がせり上がる。脇腹の傷口から血は吹き出ない。やけに白い傷口の断面が重力に引かれて開く。
    GM:その傷は――再生を始めない。オーヴァードもジャームも備える再生能力が、正常に機能していないのだ。
    GM:死人はまた、死人に戻ろうとしている。
    柳原 多々羅:「ッぐ、うぅ……! まだ、遅いか!」確かに振り抜いてから、噛み殺しきれない悲鳴を漏らす。
    GM:「っ、ふ――ふふっ、そうだね……速さだけじゃ、届かない場所がある」
    凪風 流:「私も、あと何年かあればさ」
    凪風 流:「君の二太刀目まで受けられたかな」
    凪風 流:言葉は明瞭。
    凪風 流:されどその足はもう、前へと踏み出す力すら残していない。
    柳原 多々羅:「速さだけじゃ、か。耳が痛いな……」
    柳原 多々羅:「お姉さんなら、多分できるよ。でもその時は、僕が三太刀やるだけだ」剣に関しては、意地を張る。そのイタチごっこは、もう終わりだ
    GM:では。次の手番。
    GM:行動値6のお二人、いずれが来ますかな。
    加賀谷守美子:もらっていいですか?
    斎川たつ:もちろん!どうぞ!
    GM:さあこい!
    加賀谷守美子:ありがとうございます。では
    加賀谷守美子:マイナーなし。メジャー《コンセントレイト:ブラックドッグ》《アームズリンク》で凪風流に攻撃。侵蝕は82→86。
    GM:判定どうぞ!
    加賀谷守美子:12dx8+4
    DoubleCross : (12R10+4[8]) → 10[2,2,3,3,3,4,5,6,8,8,10,10]+10[1,6,8,9]+7[6,7]+4 → 31

    凪風 流:では、最期の《復讐の刃》を
    凪風 流:「――揺らがず、靡かず、目を開く」
    凪風 流:「それが平時であるかのように、見る」
    凪風 流:「そして斬る」
    凪風 流:「基礎の一刀――《水面 / みなも》」
    凪風 流:14dx7+9
    DoubleCross : (14R10+9[7]) → 10[1,1,1,2,2,4,4,5,6,6,8,9,10,10]+10[1,7,7,9]+6[5,5,6]+9 → 35

    凪風 流:4d10+19
    DoubleCross : (4D10+19) → 33[10,5,9,9]+19 → 52

    GM:sosite
    GM:そして、ダメージダイスをどうぞ
    加賀谷守美子:4d10+16
    DoubleCross : (4D10+16) → 18[4,2,6,6]+16 → 34

    加賀谷守美子:1d10+86 反撃分のリザレクト
    DoubleCross : (1D10+86) → 4[4]+86 → 90

    GM:完全に、撃破です。
    GM:演出をどうぞ!
    加賀谷守美子:右手に剣。体を捻り、
    加賀谷守美子:空いた左の掌を、敵の刀の切っ先に叩き付ける。
    凪風 流:「……!」
    加賀谷守美子:「ぐ」当然、刃が手の甲を突き抜ける。それに構わず押し続け、刀身の先端から根元までを己の血に染めさせて、
    加賀谷守美子:代わりに、鍔ごと敵の手を掴んだ。
    凪風 流:一つ敵の技を受け、その後に発し、先んじて斬る。それが朽縄流。
    凪風 流:故に、一度は受けるのだ。
    凪風 流:その一度にて――捕らえられた。
    凪風 流:「守美子ちゃん」
    凪風 流:動けぬままに、凪風はその名を呼び、修羅の顔で笑った。
    加賀谷守美子:「——ウウウウウッ!」満身の力を込めて引く。此方へ寄せた敵の体へ、右の脇差を突き入れる。
    凪風 流:その刃は、
    凪風 流:きっと、思っていたよりもずっと簡単に、あっけないと言える程に容易く、
    凪風 流:もはや動きもせず、血を運ぶことすらなかった心臓へ切っ先を届けるのだろう。
    凪風 流:鍔ごと掴んだ手は冷たかった。
    凪風 流:……そして、その手は刀を離れてあなたの手中から逃れ――
    凪風 流:「……そっかぁ、その手があったかぁ」
    凪風 流:加賀谷 守美子。あなたの首を抱くように、凪風の右腕は巻き付けられるだろう。
    凪風 流:「思いつかなかったし、初見だった。だから避けられなかった……うん、私の怠慢だね」
    凪風 流:「これじゃ先生面するのは早かった……いや、違うか」
    凪風 流:「ね、守美子ちゃん」
    凪風 流:「単純に、あなたの勝ち。それだけだよ」
    加賀谷守美子:「……凪風さん。私は」
    加賀谷守美子:続く言葉が浮かばない。ただ痛みを押し殺し、寄りかかるような凪風流の重みを噛み締める。
    凪風 流:「――それじゃあ、最期にひとつだけ」
    凪風 流:もはや聞き取る事さえ難しい程にか細い息。か細い声。
    凪風 流:傾く体の重さを預け、耳元にそうささやいた刹那――
    凪風 流:右腕が、力を増した。
    凪風 流:ぎしぃっ。
    凪風 流:加賀谷 守美子の首に巻かれた腕が。
    凪風 流:我が身と腕の間に少女の首を挟み、重機の如き力で絞めあげる。
    凪風 流:みし、みし、みし、みし――異音を体外にまで響かせて。
    加賀谷守美子:「……っ……!」一瞬だけ目を見開くも、すぐに力を抜く。抵抗はしない。
    凪風 流:「油断大敵」
    凪風 流:めぎぃっ。
    凪風 流:最期に一度、乾いた音を腕の中で鳴らして――凪風 流は崩れ落ちた。
    凪風 流:死ぬまで、死後も、片腕を奪われても尚、動きを完全に止めるまで。
    凪風 流:戦う事を愉しみ続けた修羅の骸が、瓦礫の上に転がった。
    GM: 
    GM:戦闘終了です。
    加賀谷守美子:「……けほっ」血を吐き出し、師の骸を見つめる。意識が途絶えて倒れるよりも早く、頸骨の再生は済んでいる。そうなると知っていたから。
    加賀谷守美子:「……私が殺すんだから、死に方には付き合おうって。そう思っただけです」そして、もはや届かぬ呟きを洩らす。
    加賀谷守美子:一人で挑んだことを謝ろうと思っていたのに、自分だって守っていなくて。勝手に死んで、生き返った後も、またこうやって勝手な終わり方をしている。
    加賀谷守美子:「……本当に、仕方ねえひと」
    加賀谷守美子:凪風流へのロイス感情を 〇感謝/ろくでなし に変更します。
    GM:一つ、戦いが終わった。残されたのは、骸に戻った骸と――戦う力を持たぬが故、他者の屍をも用いた男。
    GM:……否。戦う為に生み出した技術ではあるまい。いかに対象をジャーム化させるとは言え、死人を動かすにいたるとは。
    由仁場 山門:「……終わったのか」
    由仁場 山門:「終わったのか……はははっ」
    由仁場 山門:多量の瓦礫に潰された体は、しかしオーヴァードの生命力が故、ろくに手足も動かぬまま、転がされたままに生きている。
    由仁場 山門:そんな男が、自嘲の響きを笑声に乗せていた。
    斎川たつ:「あなたが、終わったと思うなら。終わったんだよ」
    由仁場 山門:「……………………」
    由仁場 山門:「動じないな、たつ」
    斎川たつ:「うん」
    斎川たつ:「そういうふうに、うん。なるように」
    斎川たつ:「やってきたんだ。……一応、聞くね」
    斎川たつ:「このままUGNに引き渡されるのと。由仁場山門……やまとにいちゃんも終わるのと」
    斎川たつ:「どっちを、望む?」構えを解いて握ったままの両手剣を、彼の目の前に掲げる。
    由仁場 山門:「……お前の、顔の傷」
    斎川たつ:「……ん」
    由仁場 山門:「覚えてる。つむぎが死んだあの日まで、そんな傷は無かった」
    由仁場 山門:「つむぎが残していったんだろ?」
    斎川たつ:「うん。最後に、お姉ちゃんが、くれた」
    由仁場 山門:「違う」
    由仁場 山門:「それはお前の見る世界だ」
    由仁場 山門:「俺にしてみたらその傷は、あいつの悲鳴なんだよ」
    由仁場 山門:「あいつが死にたくないって足掻いた痕跡にしか見えないんだよ……!」
    斎川たつ:「……」
    由仁場 山門:「何もかもそうだ! お前はもう、全て受け入れて自分の為に生きている」
    由仁場 山門:「俺は……」
    由仁場 山門:「何をしてても、その真ん中につむぎがいる……」
    由仁場 山門:「……殺せ」
    由仁場 山門:「殺して俺の呪いを背負っていけ」
    由仁場 山門:「けどな! ……それを、俺から〝貰った〟なんて言うなよ」
    斎川たつ:「……ん。わかった」構えも何もなく、ただ、彼の首筋に剣を振り下ろす。
    斎川たつ:「にいちゃんの、全部。私が、奪う、ね」
    由仁場 山門:――その首は、容易く切り離される。頭部はころころと転がって、まるで〝誰か〟の死んだ、あの路地の光景のように。
    由仁場 山門:けれども、たった一つ違うのは。
    由仁場 山門:「……俺は、許さない」
    由仁場 山門:その首がまだ、口を開くこと。
    由仁場 山門:「許さない、許せない……俺はなんの為に生まれてきたんだ……つむぎは……!」
    由仁場 山門:「呪い続けてやるぞ、斎川たつ! お前のその傷が癒えるまで、いつまでも――」
    斎川たつ:姉のときはほぼ無意識だった。力が暴走するままに、奪った。しかし。
    斎川たつ:「死んだら、それだけなんだよ」今は、自分の意思で。枷を、嵌めた。
    由仁場 山門:――リザレクト限界に到達し、完全に絶命するまでの間。由仁場 山門の首は、同じ言葉で呪いを発し続けた。
    由仁場 山門:時間にして、ほんの数十秒の。
    由仁場 山門:長い、長い憎悪であった。
    斎川たつ:自身を呪い続ける首が完全に沈黙するまで、目を逸らさず。憎悪を、呪いを、受け止めていた。
    斎川たつ:枷 由仁場 山門 憐憫/○呪い でロイスを取得します。
    柳原 多々羅:「……良かったのかい、って聞くのは、無粋かな」既に傷は塞がっている。沈黙してから数拍置いて、はなしかける
    斎川たつ:「……良いも、悪いも」
    斎川たつ:「今は、わからない。けど、生きてるから。先で、決める」自身の足元に転がる由仁場の死体と、加賀谷さんの前で崩れ落ちた凪風さんを見て、答える。
    柳原 多々羅:「……つよいな。たつちゃんも、お姉さんも、守美子ちゃんも」
    斎川たつ:「柳の。あなたは、違う?」
    柳原 多々羅:「……僕が何人殺してるか、聞いてるかい?」
    斎川たつ:「聞いてない。でも、きっと、多い」
    柳原 多々羅:「確実に首を刎ねたものだけでも、5人。手加減しきれなかった相手を含めたら、多分もっとだ」
    柳原 多々羅:「皆、僕に呪いの言葉を吐いていった。僕はね……なにもできなかったよ」
    斎川たつ:「……なにも」相槌というよりも、呟き。
    柳原 多々羅:「受け止めることも、力に変えることもできなかった。ただ悔いて、泣いて。素振りの回数を増やすくらいだよ。やったのは」
    柳原 多々羅:「……さっき挙げた5人はね。今になってみれば、ジャーム化していたんだ。……言い訳はよそう」
    柳原 多々羅:「皆、僕の同門だった。僕の目標で、師匠で……うん」取り留めのない言葉が漏れてくるのを、途中で打ち切って
    柳原 多々羅:「……さっきから、情けない所ばかりでごめんね、たつちゃん。……すぐに、いつものふうにもどるからさ」へら、と力なく笑って
    斎川たつ:昨晩の、そして先程の戦闘での彼の刃を思い出す。あれは、そうやって。
    斎川たつ:「柳の」
    柳原 多々羅:「なんだい?」
    斎川たつ:「情けなくても、泣いても。私は、あなたの強さを、見たから」
    斎川たつ:「強い、よ」気休めにもならないような言葉を、ただ垂れ流す。
    柳原 多々羅:「……ふふ。ありがとう、たつちゃん」ちょっとばかり自分より身長の高いたつの頭をなでようと手をのばしてみる
    斎川たつ:「……全部。終わったら」自己紹介をしたとき。あのときの言葉を返して、伸ばされた手を掴む。
    柳原 多々羅:「つれないなぁ」大人しく手をひっこめて
    GM:では――ちょうどその時だ。
    GM:あなた達3名に、今回の任務用に与えられていた通信機が、一斉に音声受信のアラームを鳴らす。
    斎川たつ:無意識に強張っていた表情筋が緩んだのも束の間、急いで通信機を取り出す。
    黒傘 無常:「……もしもし。全員、無事?」通信相手は、ビル突入時に別方面から潜入を行っていた黒傘 無常。
    柳原 多々羅:「おっと……?」通信機をとりだして、通話に出る
    加賀谷守美子:「……はい」瓦礫の山の反対側から戻ってきつつ応答する。
    斎川たつ:「ん。生きてる」
    柳原 多々羅:「ハロハロ、無常ちゃん。僕ら全員無事だよ」
    黒傘 無常:「……全員、生きてた。よかった……」と、安堵の小さな呟きの後、
    黒傘 無常:びーっ、と通信機の向こうで防犯ブザーが鳴ったのが聞こえるだろう。
    柳原 多々羅:「なんでェ!? 僕ただ無事を伝えただけだよね!?」
    黒傘 無常:「冗談」
    黒傘 無常:「……そんなことより、端的に言う。藤原 由基の所在が確認できた」
    斎川たつ:「……妥当?今は、過剰?」
    加賀谷守美子:「……どこに居んです」やや声が険しくなる。
    斎川たつ:「……!」最初の、そして最後まで残った”辻斬り”の所在。耳を傾ける
    黒傘 無常:「案外、過剰でもない。……ちょうど今、現地の一般客を避難させているところ」
    柳原 多々羅:「ん……どこ?」
    黒傘 無常:「南條電波塔……たぶん、そこからでも見える」
    GM:それはビジネス街の中央部にある、電波塔をかねたランドマーク。
    GM:全長210m、展望台の高さ166m――『南條電波塔』。
    黒傘 無常:「上階で事故があったということにして、避難を進めてはいる……けど」
    黒傘 無常:「もし向こうが余計な気を起こしたら、この塔まで斬られかねない」
    黒傘 無常:「……210mの塔が街中で急に横倒しになったら、どんな被害が出ると思う?」
    柳原 多々羅:「まさしく、想像もつかないね……」
    黒傘 無常:「藤原 由基は展望台より更に上、外部作業用の足場に陣取ってる」
    黒傘 無常:「……急いで、来て欲しい」
    GM:通信内容は、以上となる。
    加賀谷守美子:「分かりました」
    柳原 多々羅:「了解。すぐに行く」
    斎川たつ:「ん。急ぎ、ます」
    GM:では、シーンをカットします。
    GM:――――――――――
    GM:ロイス取得のみ可!
    斎川たつ:斎川ロイスは満杯になりましたので、無しです!
    加賀谷守美子:仲間 柳原多々羅 〇感謝/負い目 で取得。
    柳原 多々羅:斎川たつへのロイスを 好意/ちょっと辛辣じゃない?→○誠意/つれないなぁ に変更
    加賀谷守美子:ビルが崩れる時に助けてもらったからね!
    GM:OK!

    クライマックス戦闘:剣鬼


    GM:では、早くもクライマックスに入るが――無論、全員登場です
    斎川たつ:1d10+82 登場侵蝕
    DoubleCross : (1D10+82) → 10[10]+82 → 92

    加賀谷守美子:1d10+90 登場
    DoubleCross : (1D10+90) → 5[5]+90 → 95

    柳原 多々羅:1d10+69 登場
    DoubleCross : (1D10+69) → 6[6]+69 → 75

    柳原 多々羅:マシラに5足りない!
    GM:戦闘中の消費格差がでかいな!

    GM:――南條電波塔の民間人避難は、滞りなく進んでいた。
    GM:通常、一般客が立ち入り可能な最高階層、展望台は既にUGNの職員しかおらず、
    GM:整備用エレベーターが一基止まっており、そこに黒傘 無常が立っていた。
    黒傘 無常:「……敵の動きは、今のところ、無い」
    黒傘 無常:「たぶん……あなた達を、待ってる」
    加賀谷守美子:「……上等です」表情を強張らせ、すぐにもエレベーターへ向かおうとする。
    斎川たつ:「仕上がった、のかな。……あ」
    斎川たつ:エレベータに向かおうとする加賀谷さんの袖を掴む。
    柳原 多々羅:「仕上がった、と見ていいだろうね」
    加賀谷守美子:「ん」
    斎川たつ:「まだ、こっちが。仕上がってない」応急手当キットをコートのポケットから取り出して、渡します。
    斎川たつ:「傷。それじゃ、鈍る、から」
    加賀谷守美子:「……」何かを言いかけて口を閉ざし、エレベーターと斎川さんを交互に見て。
    斎川たつ:加賀谷さんが自ら刃を手に突き立てたあの瞬間が脳裏によみがえる。
    加賀谷守美子:「……ありがてえです」一つ息を吐いて受け取る。使っていいですか!
    加賀谷守美子:>GM
    GM:OKです
    加賀谷守美子:2d10+4 応急手当
    DoubleCross : (2D10+4) → 4[3,1]+4 → 8

    GM:なんとぅ
    斎川たつ:「無理、するなら。その用意も、ね」
    加賀谷守美子:まあ最低限6以上になればいいから……!
    黒傘 無常:「……私は、避難の陣頭指揮と……あのビルの〝残り物〟を探す」
    柳原 多々羅:「オーヴァードだからって、傷がつけば痛いんだから、ね?」
    黒傘 無常:「由仁場 山門の〝手駒〟が残っていないとも限らないから――」
    黒傘 無常:「あなた達に、ここは任せた」
    黒傘 無常:「……頑張って」
    柳原 多々羅:「上目遣いで言ってもらえればもっとよかったけど、頑張るよ」
    黒傘 無常:「うわぁ」
    柳原 多々羅:「そういう反応は防犯ブザー以上に傷つくからやめてほしいな!」
    斎川たつ:「ん。黒傘さんも、気をつけて」由仁場の名前に、少し眉を下げて。
    加賀谷守美子:「私は……皆さんに世話になって、ここまで来たんで」包帯を巻き付けながら、淡々と言う。「その分、返します」
    GM:――では。あなた達は作業用エレベーターに乗り、更に上層階へと向かうだろう。
    GM:そこにはもはや、屋根も壁も無い。開けた足場があるのみだ。
    GM:送電波用のアンテナを整備する為にのみ用意された足場の広さは、たかだか20m程度のもの、
    GM:そこに藤原 由基は立っていた。
    藤原 由基:「酷く待たせた、すまんな」
    藤原 由基:「想定よりずいぶんガタが来ていたが、もう大丈夫だ」
    藤原 由基:「万全だった頃より、よほど今なら動ける」
    加賀谷守美子:「……私は、あんたの事情に、興味はねえです」吹き渡る強風に裾を舞わせ、据わった目で辻斬りを捉える。
    加賀谷守美子:「ただ、落とし前は付けさせる」
    藤原 由基:「だろうな。……お前はきっと、お前が主で、剣が従だ。まともな生き方の人間に見える」
    藤原 由基:「剣が主、我が従。そういう生き方をした者もいる、そういう話だ」
    藤原 由基:「……そこの小僧ならば、或いは分かるかとも思ったが」
    柳原 多々羅:「僕のことかな」
    藤原 由基:「そうだ。お前、人斬りだろう」
    藤原 由基:「それも一人や二人ではあるまい?」
    柳原 多々羅:「まぁ、ね。それで、剣が主で……っていう話だったかな。うん、わかるよ」
    柳原 多々羅:「ただ、お姉さんは違うとおもうな」
    柳原 多々羅:「どっちが上でも下でもない。人斬り包丁そのものだ」
    藤原 由基:「……おぉ、なんと」
    藤原 由基:「まさにその通り、言わんとしたことを先取りされてしまったな」
    藤原 由基:くすくすと、人斬りが笑う。修羅の笑みではない、人の顔をしてだ。
    藤原 由基:「初めはこれでも、剣の道を歩いていたつもりだった。……が、どこかで己と道とが混ざったのだな」
    柳原 多々羅:「そういう顔もできるじゃないか、お姉さん。どうかな、終わったらお茶でも。もちろん刀は置いて」くつくつと笑う。
    藤原 由基:「生憎だが、断る。……きっと、その猶予など無かろうよ」
    藤原 由基:と女は言い――無造作に右手を振り上げた。
    藤原 由基:突如、その右手の中には、長尺の太刀が出現していた。
    藤原 由基:振り下ろす。刀身が急激に延長する。だがそれはあなた達を狙ったものではなく――
    藤原 由基:背後。エレベーターを吊す、ワイヤーを切断していた。
    藤原 由基:籠が、遙か地上へと落下し、壮絶なる破壊音を奏でた。
    藤原 由基:「なぁ、お前達」
    藤原 由基:「先の夜には中々の技を見せてもらった。いずれも、ただ漫然として得た技ではあるまい」
    藤原 由基:「ならば。その技を、その道を、自分がどこまで極められるのか。考えたことはないか?」
    柳原 多々羅:「あるとも。僕も、そのことばかり考えているよ」
    藤原 由基:「だろう。人を殺す為の技とは言え、一つの道だ。歩く、それだけで楽しい」
    藤原 由基:「……だがな。ある日、〝お前はもうこの道を歩けない〟と言われるのだ」
    藤原 由基:「お前にもう時間は無い。この道を極めるなど不可能だ。道の半ばでお前は死ぬ、と」
    藤原 由基:「……この絶望が分かるか」
    柳原 多々羅:「……だから、か」
    藤原 由基:「五年有れば、まがい物の力に頼らずとも、ビルの一棟や二棟、息を吐くように斬っていたろうさ」
    藤原 由基:「五十年有れば、街すら斬る」
    藤原 由基:「仮に百年の寿命を与えられたら、私はこの星とて斬ったやもしれん」
    藤原 由基:「……だがそれは、無いものねだりの幻想だ」
    藤原 由基:「そうは分かっていても……悔しいのでな」
    柳原 多々羅:「……薄々気づいてはいたけど、やっぱり似てるね。僕とお姉さんは」
    柳原 多々羅:「僕も、UGNチルドレンにならずに、どこかでなにか間違っていたら、お姉さんみたいになってたかもね」
    藤原 由基:「ふん」唇の端を吊り上げて、だが場違いな程穏やかな表情のままに、
    藤原 由基:「我流、人斬り、藤原 由基」
    藤原 由基:「死出の旅の供が欲しい。お前達三人、連れて逝くぞ」
    加賀谷守美子:「……酔っ払ってんじゃねえぞ三下」
    加賀谷守美子:「興味ねえって言ってんだ。名乗る気もねえ」
    加賀谷守美子:「手前は何ッにもなれないで、ここで死ね。一人で死ね」
    柳原 多々羅:「……似ている。だからこそ、同情はしない。アンタは人を斬りすぎた」
    「名乗りは、返さないよ」

    加賀谷守美子:「あんたはつまんねえ、ただの人殺しだ。私には、あんたに付き合う気は一個も無え!」
    斎川たつ:「……どこまでも、交わらない、な」
    斎川たつ:「道の先を見ないなら、その道は一人だけで歩け。供には、ならない」
    斎川たつ:布を取り払い、両手剣を改めて下段に構える。
    斎川たつ:「一人で、逝け」
    藤原 由基:「……ふふ、ふふふふ……っ、ふ、はははははっ……!」
    GM:――風の色も匂いも、何も変わらないまま。
    GM:言葉を交わしながら、間合いが埋まっていく。
    GM:あなた達は剣を振るう者だ。
    GM:敵もまた、剣だ。
    GM:ならばその始まりは――
    エンゲージ

    全員

    GM:●ラウンド1
    GM:衝動侵蝕は――まだだ!
    GM:セットアップ!
    加賀谷守美子:なし!
    斎川たつ:なし!
    GM:藤原もなし!
    柳原 多々羅:なし!
    GM:よし、では行動順により柳原くん
    GM:どうぞ!
    柳原 多々羅:はい!
    柳原 多々羅:最初から全員エンゲージってことでいいんですよねこれ
    GM:いえす!
    GM:コマが何故か動かなくて文字のみ表記ですがその通りです!
    柳原 多々羅:では、マイナー無しで、コンボ:明鏡止水 《居合い》(侵蝕75→80)
    GM:判定どうぞ!
    柳原 多々羅:7dx+26
    DoubleCross : (7R10+26[10]) → 9[1,1,2,4,5,9,9]+26 → 35

    GM:回避チャレンジ!
    GM:10dx-3
    DoubleCross : (10R10-3[10]) → 9[1,2,3,3,4,5,8,8,9,9]-3 → 6

    GM:まあ無理だよね! ダメージをどうぞ
    柳原 多々羅:4d10+19+6
    DoubleCross : (4D10+19+6) → 23[7,2,10,4]+19+6 → 48

    GM:わお
    GM:結構初手から深手を追わせた。演出どうぞ!
    柳原 多々羅:「柳原流抜刀術、一の太刀 『明鏡止水』」ふわり、と姿が消える。その懐に入ったときには、すでに抜いていた。オーヴァードの感覚を持ってしても、影も捉えられぬ神速の抜刀が、振るわれる。血を咲かせる。
    柳原 多々羅:「まだ終わってくれるなよ」
    藤原 由基:生きた者を斬る手応えだ。肉を裂けば血が吹く。だが骨までは断てない。
    藤原 由基:「はっ……言われるまでも無い!」
    藤原 由基:手の内にある刀を振るわんとしている、が――
    GM:それより先にあなた達が動く。
    GM:お次、お二人のいずれか!
    加賀谷守美子:斎川さんが先に行ってくださるとこちらの攻撃時に水晶の剣が強くなる可能性がある
    加賀谷守美子:(実際の行動はお任せします)
    斎川たつ:よろしければ先に行かせていただきたく!
    GM:利害が一致した
    GM:さあこい!
    加賀谷守美子:どうぞ!
    斎川たつ:あ、同じこと考えてました 斎川、行きます!
    斎川たつ:マイナーで《千変万化の影》。選択した技能のレベルをシーン間+6(Lv+1)します。
    斎川たつ:技能は<白兵>を選択。
    斎川たつ:侵蝕率2上昇。
    GM:6はつええなぁ
    斎川たつ:メジャーでコンボ『鏡両刃・純』。《コンセントレイト:エグザイル》+《オールレンジ》。
    斎川たつ:C値8、判定ダイス+5。両手剣装備により命中-3。侵蝕率4上昇。
    GM:判定どうぞ! 来い!
    斎川たつ:(4+2+5)dx8+8-3+6 命中
    DoubleCross : (11R10+8-3+6[8]) → 10[1,1,1,1,1,2,2,5,7,8,9]+10[1,10]+3[3]+11 → 34

    GM:回避!
    GM:10dx-3
    DoubleCross : (10R10-3[10]) → 8[1,2,2,2,3,7,7,7,7,8]-3 → 5

    GM:ダメージ!
    斎川たつ:4d10+10+6 ダメージ 装甲有効
    DoubleCross : (4D10+10+6) → 15[3,2,8,2]+10+6 → 31

    GM:これだと、えーと
    GM:まだ立ってるな!
    GM:演出どうぞ!
    斎川たつ:あ、もう少し
    斎川たつ:オートで《喰らわれし贄》。
    GM:おお
    斎川たつ:シーン間、自身の行うウロボロスのエフェクトを組み合わせた攻撃の攻撃力を+9(+Lv*3)する。1シーンに1回まで使用可能。侵蝕率1上昇。
    斎川たつ:これで最後
    GM:吸収能力!
    斎川たつ:オートで《餓鬼魂の使い》。
    斎川たつ:邪毒ランク3を付与。侵蝕率3上昇。
    GM:ではあらためて演出を!
    斎川たつ:侵蝕は102に。《水晶の剣》のレベルが1上がって、攻撃力は+8になります。
    斎川たつ:振るうは枷の重さ。凪風との戦闘でそう言ったが、これには続きがある。
    斎川たつ:見据えるは相手の瞳。刃に映すは己の意志。
    斎川たつ:鏡両刃・基本の型。神速の後では止まって見える程の遅さで、両手の鋼を振り抜く。
    斎川たつ:「共には、立てない」幅を持った重量が、痩身を打つ。
    藤原 由基:敵を斬る為の剣――それを藤原は、我が身を守る為に転じた。
    藤原 由基:手の中で刀が形を変え、分厚く重い鉈の如く
    藤原 由基:その重量にて、両手剣を迎え撃つ――
    藤原 由基:「く、はははっ……!」
    藤原 由基:到底防ぎきれる重さではない。抑えきれぬ切っ先が胸へ届き、皮膚を、肉を立つ。
    藤原 由基:肋骨に届いてようやく止まる斬撃は――
    藤原 由基:「迷いなど無しか! 強いな、お前!」
    藤原 由基:――絶命にはまだ至らない。
    斎川たつ:「それは、光栄」断った肉に鋼を食いこませ、藤原の体内のレネゲイドと自身の組織を入れ替える。
    GM:では。
    GM:その技術を持つ斎川たつ、まずはあなたが最初に気付くだろう。
    GM:少し遅れて、傷口から漏れ出す〝音〟を聞いた二人もだ。
    GM:――イニシアチブプロセス。
    GM:Eロイス《さらなる絶望》
    GM:あなた達が感じ取ったものは、聞き取ったものは、本来ならば心臓がある筈の部位に収まる
    GM:笑声と慟哭を同時にこぼしながら脈打つ、異形の肉塊の存在であった。
    藤原 由基:くくくくく
    藤原 由基:ううううう
    藤原 由基:二つの声がこぼれ出す傷口を抱えて、藤原は穏やかな程静かに、
    藤原 由基:「良いものだろう?」
    藤原 由基:「おかげでまだ暫く、もう暫くは戦える」
    GM:――偽神の心臓、オートアクション
    GM:《予告された終焉》を藤原 由基に使用。
    GM:使用された対象は仮にこの戦いで生かされたとしても、確実にエンディングフェイズで死亡します。
    GM:そしてお待たせ致した、すみこちゃんのメインプロセスです
    GM:と、追記。
    GM:『偽神の心臓』は特殊裁定によりダメージを受けず、またあなた達への攻撃を行いません
    加賀谷守美子:だったらよォー……凪風サンの仇を取るためには……確実にここでぶっ殺してやらねえとなアァ~ッ!
    GM:さあ来いやァ!
    加賀谷守美子:マイナーなし!メジャーでコンボ“振るわば茜”。《コンセントレイト:ブラックドッグ》《アームズリンク》《ライトニングリンク》《バリアクラッカー》!侵蝕は95→107!
    GM:判定!
    加賀谷守美子:12dx8+4
    DoubleCross : (12R10+4[8]) → 10[1,2,2,2,3,5,6,8,8,9,9,10]+7[1,2,3,6,7]+4 → 21

    GM:わんちゃん回避……!
    GM:10dx-3
    DoubleCross : (10R10-3[10]) → 10[1,2,4,4,6,6,9,9,9,10]+3[3]-3 → 10

    GM:ワンチャン無かったダメージ!
    加賀谷守美子:3d10+30+8 ダメージ!
    DoubleCross : (3D10+30+8) → 15[4,9,2]+30+8 → 53

    加賀谷守美子:装甲無視!
    GM:文句なしに一度死ぬ! が!
    GM:偽神の心臓オートアクション《アクアウィターエ》!
    GM:Eロイス《超越活性》と侵蝕率によりその快復力は脅威の100だ!
    GM:演出どうぞ!
    加賀谷守美子:——不意に、としか見えぬ転瞬の間に、少女の右手が辻斬りの顔を掴んだ。
    加賀谷守美子:少女の身は宙にある。跳躍の途上。それが下降に転じる勢いを以て、女の体躯を突き倒し、
    加賀谷守美子:「——アアアアアアッ!!」頭を床に叩き付け、蜘蛛の巣じみた亀裂を走らせ、
    加賀谷守美子:さらに。馬乗りになった体勢から、両の逆手で構えた脇差で、眉間を貫き鍔元まで通す。
    藤原 由基:「……!」油断などしていない。それでも対応できぬ速度と――何より、力であった。
    藤原 由基:顔面を鷲掴む手。引き剥がさんとした時には、後頭部を床にたたきつけられていた。
    藤原 由基:視界が散る。定まった時には既に、眉間が貫き通されている。
    藤原 由基:いかなる人間だろうが絶命させ得る、正しく必殺の一撃――
    藤原 由基:「――しゃあぁっ!」頭を床へピン止めされたまま、藤原は刀を振るった。
    藤原 由基:我が身を貫き止める腕を、両断せんが為に。
    加賀谷守美子:「…………!」妖刀を引き抜き、跳び退る。その動きによっても、額の傷は広がるだろうが——
    藤原 由基:背と足のバネで、その体が跳ね起きる。額の傷は――修復を始めている。
    藤原 由基:「獣のようだな、お前」
    藤原 由基:「狩るのが実に愉しみだ」
    藤原 由基:胸の傷口ばかりは未だに塞がらず、そこからはやはり、あの声が漏れ聞こえている。
    藤原 由基:くくくくく
    藤原 由基:ううううう
    加賀谷守美子:「……化け物め、とでも」
    加賀谷守美子:「返しゃあいいですか」ぶん、と剣を振り、付着した血を払う。
    藤原 由基:「素敵な呼び名だな、それは」
    藤原 由基:笑声と慟哭。異形の心臓が鼓動を加速する。
    藤原 由基:「だが、お前も大概だと思うぞ、娘」
    藤原 由基:「なかなかどうして、一人や二人殺した程度の肝の据わりでもあるまいな」
    GM:では
    GM:藤原のターンに移る
    藤原 由基:――笑っている。哭いている。おぞましき二色の声は、地上200mに吹く風にすら散らされることなく
    藤原 由基:指向性を以てあなた達の耳に届き、こうささやくのだ。
    藤原 由基:壊せ、と。
    藤原 由基:喰らえ、と。
    藤原 由基:恐れよ、と。
    藤原 由基:――Eロイス《堕落の誘い》
    GM:全員、目標9の衝動判定をどうぞ。
    GM:なおこの判定で暴走した場合、〝まず侵蝕値を100にしてから〟、通常の衝動判定分の侵蝕増加を行うことになります。
    斎川たつ:(1+3)dx10+0=>9 衝動判定
    DoubleCross : (4R10+0[10]>=9) → 8[1,2,5,8] → 8 → 失敗

    柳原 多々羅:思い出の一品で達成値+1してダイスロール!
    加賀谷守美子:5dx+1>=9
    DoubleCross : (5R10+1[10]>=9) → 8[2,6,8,8,8]+1 → 9 → 成功

    柳原 多々羅:6dx+2+1>=9
    DoubleCross : (6R10+2+1[10]>=9) → 10[1,2,4,6,9,10]+3[3]+3 → 16 → 成功

    GM:たつさんは元より102だから普通の上昇を!
    斎川たつ:102+2d10 侵蝕増加
    DoubleCross : (102+2D10) → 102+18[9,9] → 120

    GM:そして柳原くん耐えるなぁ
    斎川たつ:ぴっ
    加賀谷守美子:成功したけど100超えてる!
    GM:ふぉう
    柳原 多々羅:2d10+80
    DoubleCross : (2D10+80) → 8[6,2]+80 → 88

    加賀谷守美子:2d10+107
    DoubleCross : (2D10+107) → 14[7,7]+107 → 121

    GM:では
    GM:藤原、マイナー《骨の剣》。素手データを変更します
    GM:そしてメジャー。ただの白兵攻撃。対象はいちばん元気そうな柳原くん
    GM:10dx+29
    DoubleCross : (10R10+29[10]) → 9[1,1,1,2,2,4,5,6,8,9]+29 → 38

    柳原 多々羅:ドッジ!
    柳原 多々羅:4dx+1
    DoubleCross : (4R10+1[10]) → 8[3,6,8,8]+1 → 9

    柳原 多々羅:はい
    GM:4d10+15 ダメージ
    DoubleCross : (4D10+15) → 16[5,6,2,3]+15 → 31

    GM:装甲やガードはもろもろ有効だが……残念
    柳原 多々羅:なすすべもなく死亡! リザレクト!
    柳原 多々羅:1d10+88
    DoubleCross : (1D10+88) → 5[5]+88 → 93

    GM:よし、リザレクってくれたので発動条件が満たせるぜ
    GM:Eロイス《敗者死すべし》
    柳原 多々羅:なんだと
    GM:藤原の攻撃で誰かが戦闘不能になり、エフェクトやタイタス効果で復活するたびに累積で発動
    GM:藤原のあらゆる判定ダイスは+1される!
    GM:なおこの効果、戦闘中はずっと継続ですって
    藤原 由基:――ひゅらっ。
    藤原 由基:剣を振る。本当に、ただそれだけの攻撃だ。
    藤原 由基:いかなる超常の技も用いず、両手で保持した刀を横薙ぎに振るうのみ。
    藤原 由基:それが尋常と異なる箇所をあげるならば、速度と力、その二つのみ。
    藤原 由基:その二つのみを以て、この女はこれまでの戦いに生き残ってきた。
    藤原 由基:「その首貰ったァ!」
    柳原 多々羅:「『明鏡止水」——っ!」如何に速度を誇ろうと、目に映るならばまだ遅い。神速を持って迎撃せんと振るうも、弾かれる。
    柳原 多々羅:速度だけでは届かない領域。単純な膂力の差。凪風の言ったそれがそのまま、形を持って襲い来る。
    柳原 多々羅:吹き飛ぶ。両断こそされねど、深い。すぐに立ち上がりリザレクトを行うが、息が荒い
    柳原 多々羅:「……が、っ……クソっ!」
    藤原 由基:「……悲しいなぁ」
    藤原 由基:「この域にさえ己が力のみで至れぬとは……悲しいものだ」
    藤原 由基:「だがそれでも、お前を斬るには足りるらしい」
    GM:行動順、偽神の心臓
    GM:マイナー無し。メジャー、《さらなる力》を藤原へ
    GM:13dx+20>=20
    DoubleCross : (13R10+20[10]>=20) → 10[1,2,4,4,4,4,4,5,5,8,8,9,10]+4[4]+20 → 34 → 成功

    GM:まぁ失敗はまずありえませぬね、成功です
    GM:偽神の心臓、行動終了。
    GM:そして再び人斬りのターンだァ!
    GM:オートアクション、ウェポンケースを使用。混沌なる者の槍を装備します。
    藤原 由基:藤原の左手が、床に触れた――否。
    藤原 由基:床に、沈んだ。
    藤原 由基:骨の変形して生み出された刃が、床を斬り、その下にある〝何か〟を掴んだのだ。
    藤原 由基:「お前達が見立てより手強い時に備えて、小細工をしていたが」
    藤原 由基:「いやはや、もう使わされるとは思わなかったぞ……!」
    藤原 由基:槍だ。
    藤原 由基:作業台の鉄骨に紛れて隠していた槍を、藤原は左手で引き抜いた。
    藤原 由基:剣。槍。異形の二刀流にて放つ技は――
    GM:マイナー、無し。
    GM:そしてメジャーの前にEロイス開示
    GM:《あり得ざる存在》
    指定:《瞬速の刃》

    GM:《あり得ざる存在》
    指定:《パワーアーム》

    GM:《あり得ざる存在》
    指定:《マルチウェポン》

    GM:ということで改めて
    GM:メジャー、《瞬速の刃》+《マルチウェポン》。対象は再び柳原くんだ
    GM:24dx+27
    DoubleCross : (24R10+27[10]) → 10[1,2,2,3,3,3,3,4,5,5,5,6,6,6,6,7,7,7,7,9,10,10,10,10]+10[2,3,3,10]+1[1]+27 → 48

    柳原 多々羅:うおおドッジ!
    柳原 多々羅:4dx+1
    DoubleCross : (4R10+1[10]) → 5[2,3,5,5]+1 → 6

    GM:5d10+27 ダメージ
    DoubleCross : (5D10+27) → 11[1,2,1,5,2]+27 → 38

    柳原 多々羅:耐えられるわけがない。死亡! リザレクト!
    柳原 多々羅:1d10+93
    DoubleCross : (1D10+93) → 9[9]+93 → 102

    藤原 由基:――二つの得物を縦横無尽に振り回す! もはや首のみを狙うなど考えてはいない!
    藤原 由基:槍の柄があたらば良し、切っ先が当たれば良し。まさに〝振り回す〟斬撃があなたを襲う!
    柳原 多々羅:「乱暴な、ぁ!」だが、届かない。速度だけを追求した細腕の膂力では、弾くには至らない。
    藤原 由基:「お前には、技より速度より力だ」
    藤原 由基:「あちらの獣のような娘は、技で惑わせよう」
    藤原 由基:「顔に傷の娘。あれは速度で当たる」
    藤原 由基:「……磨き覚えたもの、全て使える戦いだ。嬉しいなぁ」
    加賀谷守美子:「多々羅さん……ッ!」思わず声を出す。そうせずにはいられない、怖気をふるうほどの破壊の嵐。
    柳原 多々羅:喉から悲鳴を上げるだけの余裕もない負傷。リザレクトももうそろそろ売り切れと見える。手が震えて、血で前を見ることも難しくとも、手は居合いの型に整えられる。
    柳原 多々羅:「……そうか」「なら、僕も」
    柳原 多々羅:「全部、出しに行く」
    藤原 由基:「ああ、そうしてくれ」
    藤原 由基:「愛しい時よ、加減などしてくれるな」
    GM:クリンナップ。
    GM:邪毒により藤原のHPは、当人の自覚無いままに9減少
    GM:100-9=91
    加賀谷守美子:こちらはなし!
    斎川たつ:こちらもなし!
    柳原 多々羅:なし!
    GM:OK! では休憩に入ります!
    GM: 
    GM:ラウンド2
    GM:セットアップ!
    斎川たつ:なし!
    柳原 多々羅:なし!
    藤原 由基:《ヴァイタルアップ》
    加賀谷守美子:《雷神の降臨》。攻撃力を+45。侵蝕121→128。
    藤原 由基:HPを+[現在の侵蝕率-100]だけ上限無視して上昇させ、更に上昇した分だけ侵蝕率を上げるぞ
    藤原 由基:現在のこいつの侵蝕率は250です
    藤原 由基:すなわち
    藤原 由基:HP! 91+150=241
    藤原 由基:侵蝕率! 250+150=400
    GM:ということで、さあ柳原くん
    GM:どうぞ!
    柳原 多々羅:はい
    柳原 多々羅:マイナーなしで、メジャー。コンボ:明鏡“死”水 《居合い》+《マシラのごとく》(侵蝕102→112)
    GM:判定どうぞ!
    柳原 多々羅:4dx+28
    DoubleCross : (4R10+28[10]) → 10[1,6,8,10]+1[1]+28 → 39

    柳原 多々羅:惜しい
    GM:回避チャレンジ
    GM:14dx10-3
    DoubleCross : (14R10-3[10]) → 10[2,2,2,3,3,5,5,6,7,7,9,9,10,10]+8[4,8]-3 → 15

    GM:ダメージどうぞ!
    柳原 多々羅:4d10+59+8
    DoubleCross : (4D10+59+8) → 13[4,2,3,4]+59+8 → 80

    GM:ごりっと行くなぁ……!
    GM:241-80! 3割以上削った!
    GM:演出どうぞ
    柳原 多々羅:速さだけでは超えられない。膂力の差がありすぎる。あまりにも高い壁。だがそれでこそ、切り伏せ甲斐がある。
    柳原 多々羅:ふわりと消える。懐にはいり、両足で、しかと踏み込む。下駄の歯を半ばまで床に食い込ませるほどに、強く。
    柳原 多々羅:「柳原流抜刀術、一の太刀——改!」神速の抜刀。逆袈裟の剣閃、だけではない。
    柳原 多々羅:「八連・『明鏡“死”水』!」反逆袈裟、左一文字、反袈裟、兜割り、袈裟、右一文字、逆袈裟。そして本来抜刀術では用いられない突きの合計八つの剣閃が、覆いかぶさるように襲いかかる。
    藤原 由基:「お、おおお――っ!?」
    藤原 由基:見えぬ刃とて、ただの居合いならもう、〝どこから来るか〟が分かっている。
    藤原 由基:だが、これは知らぬ。
    藤原 由基:それでも尚、剣鬼。ひとつ、ふたつ、みっつ。四つ目の斬撃までは、右手の刀にて止めた。
    藤原 由基:それでも尚、間に合わぬ。
    藤原 由基:一息ばかりか瞬きすらも叶わぬ刹那。藤原の身に四つ、血の花が鮮やかに咲いた。
    柳原 多々羅:柳原一刀流は、本来『先の先』の流派。ただの居合いしか知らない彼には、起こりを読むことはできても、それに膂力と技術がついていかない。
    柳原 多々羅:ならばどうするか。一度一度の剣閃に、全力で踏み込んで、全身から力を絞り出す。一度でついていかないのなら、何度でも、神速をひねり出す。
    柳原 多々羅:結局の所、技術と速度を以て、数で膂力を押し流す。一度きりの、今の彼に出せる結論だった
    GM:揺らいでいる。呼吸を整えようとしている。
    GM:常の間合いなら、ただの一呼吸だが。
    GM:死合いの距離の一呼吸とは即ち、
    GM:君達の時間だ。
    GM:ということでお二人、いずれかどうぞ。
    加賀谷守美子:こちら雷神の降臨の効果で行動値0!
    GM:そうだった!
    GM:斎川さん!
    斎川たつ:はい!
    斎川たつ:マイナーで暴走解除。
    斎川たつ:メジャーでコンボ『鏡両刃・濁』。《コンセントレイト:エグザイル》+《オールレンジ》+《原初の白:バリアクラッカー》。
    斎川たつ:C値7、判定ダイス+6。ガード不可、装甲値無視の白兵攻撃を行います。両手剣装備により命中-3。侵蝕率10上昇。
    斎川たつ:《千変万化の影》、《喰らわれし贄》のレベルが上がったため、<白兵>の技能レベル+7、攻撃力+12。
    GM:さあ来い!
    斎川たつ:(4+3+6)dx7+8-3+7 命中
    DoubleCross : (13R10+8-3+7[7]) → 10[4,5,5,6,7,7,7,7,7,10,10,10,10]+10[1,2,4,5,5,6,6,7,9]+10[8,9]+10[7,8]+10[7,10]+10[4,10]+2[2]+12 → 74

    GM:い、いちおう回避チャレンジ
    GM:14dx-3
    DoubleCross : (14R10-3[10]) → 9[1,2,2,2,3,5,6,6,6,7,7,8,8,9]-3 → 6

    GM:ダメージどうぞ!
    斎川たつ:8d10+10+12 ダメージ 装甲無視!
    DoubleCross : (8D10+10+12) → 54[10,9,2,3,10,1,10,9]+10+12 → 76

    GM:161-76=85
    GM:まだどうにか……生きている!
    GM:演出どうぞ!
    斎川たつ:速度で当たる。そう、評された。
    斎川たつ:剣を握ってから——姉を殺してから、まだ数年。剣の道を歩み続けてきた彼女には、実力は遠く及ばない。彼女の評は正しい。
    斎川たつ:ならば。教わっていない、制御もできない、そんなものでも。全てを持って対するしか、彼女に食らいつく術はない。
    斎川たつ:「鏡両刃、未だ届かず」先程藤原から吸収したレネゲイドを刃から放出させ、足りぬ速さを補う。
    斎川たつ:先の剣より幾分か速度を上げ、その分増した重みが彼女の身体を下から跳ね上げようとする。
    斎川たつ:すみません、《水晶の剣》分足しておりませんでした……! 反映可能ならさらにダメージ+8です!
    GM:85-8=77,OK
    藤原 由基:速度で当たる――その言葉の裏を返せばつまり、
    藤原 由基:技ばかりではあしらえず、力のみでは押さえ込めない、ということだ。
    藤原 由基:身を狙い振り上げられるその刃を防ぐに、力ばかりでは足りぬということだ。
    藤原 由基:「がああぁっ!!」
    藤原 由基:咆哮と共に刀を振り下ろす。体重を乗せ、速度を乗せ、敵の剣を押しつぶさんと。
    藤原 由基:だが、既に柳原の斬撃にて抉られた体。対する渾身の一撃。止められる筈も無かった。
    藤原 由基:ぶつん
    藤原 由基:防いだ刀ごと、その剣は、藤原の肉を抉る。
    藤原 由基:まるでそれは、鈍器による打撃の如き重さを持った一斬であった。
    GM:では、このままに藤原のターンだ
    藤原 由基:「――っぐ、おぉっ……!」
    藤原 由基:苦痛に呻く喉から、声ばかりではなく血が零れる。損傷した臓器から逆流した血液だ。
    藤原 由基:野の獣ならば、こうも弱れば放置するだけで死ぬ。そう確信し得る傷だが
    藤原 由基:これは獣ですらない。鬼だ。
    藤原 由基:マイナー、無し。
    藤原 由基:メジャー、《瞬速の刃》+《マルチウェポン》+《ジャイアントグロウス》
    藤原 由基:対象はもちろん、同一エンゲージの3人だ!
    GM:27dx+27 命中判定!
    DoubleCross : (27R10+27[10]) → 10[1,1,2,2,2,3,3,3,4,4,5,5,5,6,6,6,7,7,8,8,8,9,9,9,10,10,10]+9[5,8,9]+27 → 46

    柳原 多々羅:ど、ドッジ!
    加賀谷守美子:5dx10 一応ドッジ!
    DoubleCross : (5R10[10]) → 7[1,3,3,4,7] → 7

    斎川たつ:ドーッジ!
    加賀谷守美子:当然無理!
    柳原 多々羅:5dx+1
    DoubleCross : (5R10+1[10]) → 7[1,2,4,6,7]+1 → 8

    斎川たつ:(4+4)dx10+1=>46 回避
    DoubleCross : (8R10+1[10]>=46) → 10[3,4,5,6,6,8,9,10]+6[6]+1 → 17 → 失敗

    斎川たつ:うむ
    GM:ではダメージ! の前にダイス計算を間違ってたことに気付いたので
    GM:達成値は9+27の36に修正となります
    GM:sono
    GM:その上で!
    GM:6d10+27
    DoubleCross : (6D10+27) → 31[7,5,2,10,5,2]+27 → 58

    加賀谷守美子:死!
    柳原 多々羅:たえられるわけがない。死!
    加賀谷守美子:辻斬りのロイスをタイタスに変えて昇華!
    斎川たつ:もちろん死!
    柳原 多々羅:んー、念の為人斬りのロイスをタイタス昇華して蘇生!
    斎川たつ:”辻斬り”のロイスをタイタスに。昇華してHP14で復活!
    GM:deha
    柳原 多々羅:HP12で復活!
    GM:では《敗者死すべし》の効果により、更に判定ダイス+3!
    藤原 由基:「ああ、ああ、ああ――」
    藤原 由基:「ようやっと私は意味を持てた――!」
    藤原 由基:もはや理性など、残っているのだろうか。
    藤原 由基:〝鬼〟は血みどろの顔で笑いながら、両手の得物を振るい、馳せる。
    藤原 由基:そこに型は無い。我流故に。
    藤原 由基:柳原へ、渾身の力を込めて槍と太刀を上段より叩き付け、
    藤原 由基:その反動を以て斎川の傍らを駆け抜けながらに、脇腹から背骨を狙う太刀、横一閃。
    藤原 由基:加速を殺さぬままに、加賀谷の前に踊り出て――
    藤原 由基:「なあ!」
    藤原 由基:槍の刺突と太刀の刺突。二つの突きが僅かに、着弾点とタイミングをずらし放たれる。
    加賀谷守美子:「ぐ、ぅ」体に二か所穴を穿たれ、糸が切れたようにくずおれかけて、
    加賀谷守美子:だん、と踏み締め、未だ立ち続ける。
    柳原 多々羅:「『明鏡……ッぐぁ、あ!」未だ一度のみの八連の神速。震える手に初動が遅れ、ヒザをつ……かない。
    柳原 多々羅:半ばまで食い込んだ下駄の歯をさらに食い込ませるように踏みしめて、居合いの型を崩さずに人斬りをにらみつける
    斎川たつ:「ご、がっ……!」振り上げた剣を倒れ込む勢いで床に突き立て、体勢を立て直す。今度は、地べたを這うことはない。
    藤原 由基:「まだ、立つか。全員が、立ってくれるのか」
    藤原 由基:「強いな、お前達は」
    藤原 由基:「……人間のまま、人間の技を、人間の術理を振るう。たったそれだけの事が」
    藤原 由基:「今の私には、あまりに遠いよ」
    GM:では、このまま
    GM:加賀谷 守美子、あなたの手番だ。
    加賀谷守美子:マイナー無し。メジャーでコンボ“振るわば茜”。《コンセントレイト:ブラックドッグ》《アームズリンク》《ライトニングリンク》《バリアクラッカー》。侵蝕128→140。
    GM:判定を……どうぞ!
    加賀谷守美子:14dx7+4
    DoubleCross : (14R10+4[7]) → 10[3,3,3,4,6,6,6,7,7,7,7,9,10,10]+10[2,2,4,5,6,7,10]+10[1,8]+4[4]+4 → 38

    GM:回避チャレンジ!
    GM:17dx-3
    DoubleCross : (17R10-3[10]) → 10[1,1,1,2,3,3,3,4,5,6,7,7,8,9,10,10,10]+10[3,8,10]+9[9]-3 → 26

    GM:おのれ……!
    GM:ダメージどうぞ!
    加賀谷守美子:4d10+79+8
    DoubleCross : (4D10+79+8) → 20[4,10,1,5]+79+8 → 107

    GM:わぁ
    加賀谷守美子:装甲無視
    GM:……オーバーキル、完全に
    GM:これが間違い無く、とどめとなります。
    GM:演出をどうぞ
    加賀谷守美子:「……私が、何人殺したかなんて、知らねえ」
    加賀谷守美子:本当に知らない。惨劇の日の記憶は無い。身内は誰も手にかけていないのかもしれないし、何人も殺しているのかもしれない。
    加賀谷守美子:「けど」ぱちぱちと大気の爆ぜる音が鳴る。生み出した雷を体内に蓄える。仇討ちのため。助けてくれた仲間のため。恐るべき殺戮の業を、もはやこの場以外で振るわせないために。
    加賀谷守美子:左手を持ち上げる。その中に掴んだ辻斬りの右腕ごと。
    加賀谷守美子:導くように手を引きながら、片足を軸に、くるりと回る。一見すれば軽やかな動きで、互いの立ち位置を入れ替え様に。
    加賀谷守美子:——腰から下を斬り落としている。
    加賀谷守美子:「これで、一人足しになる」
    藤原 由基:「――――――――」
    藤原 由基:その刃は、ただ虚空を駆け抜けたかのように、
    藤原 由基:骨も肉も、何もかも、いとも容易く斬り抜けた。
    加賀谷守美子:秘太刀:幻燈——“受けずに斬る”その技を。
    加賀谷守美子:容易く真似られるはずもない。似ているのは外形ばかりのことだ。
    加賀谷守美子:それでも、そうすることが、一つのけじめだった。
    藤原 由基:「……ありがとう」
    藤原 由基:人斬りが、血に溺れた声音で言う。
    藤原 由基:「ありがとう。私はきっとな、この為に生まれたのだ」
    藤原 由基:「誰かと心ゆくまで斬りあい」
    藤原 由基:「こうして斬られる為に」
    藤原 由基:「……とは言ってもお前は、〝一人で勝手に死ね〟とでも言うのだろうがな」
    加賀谷守美子:「……決まってんでしょうが。あんたは一人で死ぬんだ」声には背を向けたまま、
    藤原 由基:「はは」
    加賀谷守美子:「……でも」
    加賀谷守美子:「地獄には多分、居んでしょうよ」
    加賀谷守美子:「あんたの同類が」
    藤原 由基:「ああ、そうだろうな」
    藤原 由基:「……だが、まぁ待て。思いついたのだ」
    藤原 由基:「今、お前が見せた剣。どう破るか見当がついた」
    藤原 由基:ぐらり。
    藤原 由基:体が傾く。
    藤原 由基:「もう一度……斬って、こい……」
    藤原 由基:「つぎ、は……やぶる……」
    藤原 由基:刃に斬り分かたれた体が、
    藤原 由基:下半身は後ろに、
    藤原 由基:上半身は俯せに。
    藤原 由基:「……さぁ……つづ、き、だ――」
    藤原 由基:――もう、笑声も慟哭も聞こえない。
    藤原 由基:聞こえるのは地上200mを吹き抜ける強風の、びょう、びょうと鳴る音ばかりだ。
    藤原 由基:剣に魅入られた女が一人。
    藤原 由基:今日、此処で死んだ。
    藤原 由基:……それだけのこと、だった。

    バックトラック


    GM:では、バックトラックです。
    GM:ではまずEロイスですが、
    GM:数にして9個。堕落の誘いがあるので実質10個。
    GM:使いますかな?
    加賀谷守美子:振ります!
    斎川たつ:振ります~
    柳原 多々羅:3d10で13って意外と心もとないし,一応振っておきます
    加賀谷守美子:140-10d10
    DoubleCross : (140-10D10) → 140-47[8,5,4,4,2,7,2,8,4,3] → 93

    柳原 多々羅:112-10d10
    DoubleCross : (112-10D10) → 112-58[1,7,2,9,8,8,4,9,5,5] → 54

    斎川たつ:130-10d10
    DoubleCross : (130-10D10) → 130-55[2,7,3,9,1,7,4,7,9,6] → 75

    GM:がっつり戻って張る
    GM:そのまま通常分もどうぞ
    柳原 多々羅:倍振りしたほうが経験点多いまであるけど、素振りでいきますか
    斎川たつ:等倍で通常分振ります。1個タイタスなので6個だ
    加賀谷守美子:93-5d10 一倍振り
    DoubleCross : (93-5D10) → 93-27[7,10,2,2,6] → 66

    斎川たつ:75-6d10
    DoubleCross : (75-6D10) → 75-38[4,9,8,8,6,3] → 37

    柳原 多々羅:54-3d10
    DoubleCross : (54-3D10) → 54-19[7,8,4] → 35

    GM:みんながっつら戻った
    GM:これは復活系あと二つ積んでも良かったな!!!
    GM:えー、では経験点でございますが、
    GM:シナリオ目標達成がミドルボス3点クライマックス5点
    GM:これにいつもの5点セットを加えて13点
    GM:ここにご自分の侵蝕分を合わせてどうぞ!
    柳原 多々羅:3点なので、16点!
    斎川たつ:同じく16点!
    加賀谷守美子:侵蝕66なのでこちらは17点か
    GM:まぁ、いつも「いつもの5点セット」で終わるあれですけども特に今回の良いロールプレイ枠
    GM:柳原くんが終始、呼吸分かってるから人斬りと会話してくれたりPC間で会話してくれたり
    GM:斎川さんはあそこできっちりとどめを刺して呪いを背負っていってくれるあたりが素敵だし
    GM:そして最後のすみこちゃんですよ。ここはもう語彙が無くなりますよ
    GM:好き
    柳原 多々羅:好き……
    斎川たつ:すみこちゃんすき……
    GM:あれだけパワフルな剣を振るってたのに最後にあんな綺麗に斬ってくれるんだもの……
    加賀谷守美子:みんな素敵だったぜェー!
    GM:えー、GMは合計割る3の端数切り捨てで16点をいただきます
    GM:という訳で皆様生還。お疲れ様でした!
    GM:このまま合同EDだぜぇ!

    ED1:帰還


    GM:風が吹いている。
    GM:いや――大気が流れている、というのが正しいのか。
    GM:その風には、血の香りが混ざったままだ。それもやがては薄れて行くだろう。
    GM:地上200m。
    GM:戦いの直後。
    黒傘 無常:「……勝った……?」
    黒傘 無常:エレベーターが切り落とされたが故、その少女は予備用の階段を上り、あなた達の元へと辿り着いた。
    黒傘 無常:戦場を一瞥。三人は立っている。一人は倒れている。決着を疑うべくもない。
    黒傘 無常:「……はー」少女は、金属の足場の上にぺたりと座り込み、細く息を吐いた。
    柳原 多々羅:「……いつになるかはわからないけどさ。きっと、そっちに行くよ。強くなった同類(ぼく)が」風の中で、ゆらりと崩れ落ちるように跪いてかつての人斬りに
    斎川たつ:「ん。終わった。……黒傘さんの、方も?」
    黒傘 無常:「……問題無し。ぜんぶ、滞りなく、おわった」
    柳原 多々羅:「……ん。ああ、無常ちゃん。こっちはどうにか終わったよー」たつからちょっと遅れて、こちらも無常のほうをむいて。
    加賀谷守美子:「……回収の必要とか、あんですか?」ちん、と妖刀を鞘に納め、辻斬りの骸に一瞥を投げる。
    黒傘 無常:柳原の声を聞くや、一度手をポケットに入れたが――
    黒傘 無常:「……おつかれさま、みんなも」
    黒傘 無常:その手は何も掴まぬままに引き出され、
    黒傘 無常:「回収は……うん、する。けど、そこまではあなた達の仕事じゃない」
    黒傘 無常:「……後は、非戦闘員の回収班だけで足りるから」
    黒傘 無常:「エレベーターの修理も、モルフェウスのエージェントを呼んでるから……たぶん、直ぐ」
    GM:その言葉の通り。さほどの時間もかからずエレベーターは修理され、回収班は到着し、
    GM:あなた達は地上へ帰ることになるのだろう。
    柳原 多々羅:「……さて。これで全部終わりってことでいいんだよね」食い込んだ下駄の歯をはずしてから立ち上がり、パンと手を叩き
    斎川たつ:回収班が辻斬りの骸に向かうのを見て、無言で数秒、目を閉じる。
    斎川たつ:「ん。そうなると、思う」包み直した得物をいつものように担ぎながら答える。
    柳原 多々羅:「てことでさ、たつちゃん。守美子ちゃん。改めてナンパしてもいいかな?」無常は外しておくスタイル
    斎川たつ:「……軟派。軽薄」じとっとした目で
    加賀谷守美子:「……はあ」首を傾げる。未だにいまひとつピンと来ていない。
    斎川たつ:「終わったらって、言ったから。約束分は、いい」
    柳原 多々羅:「たつちゃんやっぱりちょっと、僕に対して辛辣じゃないかな?」
    加賀谷守美子:「斎川さんが行くんなら、私も」
    斎川たつ:「嫌なら、断る。そうじゃない、なら。1回くらいは、いいかも、よ」小声で加賀谷さんに
    加賀谷守美子:「嫌ってほどでもねえですし……」むしろ何をするのかすらよく分かっていない1
    柳原 多々羅:「やった! じゃあこの流れで無常ちゃんもさ」
    黒傘 無常:「……スリーウェイのチーズケーキ」
    黒傘 無常:「柳原のおごりで」
    柳原 多々羅:「……あれ、いいの?」防犯ブザーが来るかと思っていて拍子抜けする
    GM:スリーウェイ――N市10地区では有名なケーキ屋である。
    GM:特にチーズケーキは好評を博しているのだが、当然、美味なものはそれなりに値段も張る。
    黒傘 無常:「ホールで」
    柳原 多々羅:「ホールで」
    柳原 多々羅:「……ホールで!?」
    黒傘 無常:「……レアチーズケーキと、タルト生地のと」
    黒傘 無常:「……持ち帰りぶんも」
    黒傘 無常:無表情だが目がちょっと輝いている。
    柳原 多々羅:「待って待って待って。……まさか、全部無常ちゃんが?」顔を手で覆うようにしながらもう片手でストップをかける
    加賀谷守美子:「……ナンパってのは、大食い対決みてえなもんなんですか」さすがに目を丸くして斎川さんに尋ねる。
    斎川たつ:「大食い対決」
    柳原 多々羅:「違うからね? たつちゃんも守美子ちゃんに変なこと教えないでね!?」
    斎川たつ:「……では、ない。はず」黒傘さんに驚きつつ
    斎川たつ:「私たちは、普通に。ケーキ奢ってもらおう」
    斎川たつ:「普通の量で。ね。あそこ、おいしいから」
    加賀谷守美子:「はあ……」
    柳原 多々羅:「~~~~……はぁ、わかったよ。ここまできて否は言えないし、全員分僕が出すよ」うぎぎ、とちょっとの間唸るものの、観念したように
    GM:風が吹いている。
    GM:少しだけ、静かな風になった。
    GM:地上へ降りたならきっと、この耳鳴りのような音は止むのだろう。
    GM:ごうごうと吹き付ける、非日常の風。
    GM:あなた達は日常へと帰還する。
    GM:新しい日常へと、出発する――。

    ED2〝問い〟


    GM:少しの日数が過ぎた。
    GM:肉体の疲労、傷は癒えただろう。戦いの高揚も遠ざかり、あの日の感情を、少し離れて見つめられるようになったことだろう。
    GM:が――
    GM:約束はつきまとう。
    GM:軽口と共に発した約束であろうが、その責務はあなたを追いかけるのだ。
    黒傘 無常:「……おいひい」
    GM:第十地区、ケーキショップ『スリーウェイ』
    GM:行列に並ぶこと30分、そして席に着いてから十数分。
    GM:ちょうどホールのレアチーズケーキが一つ、皿の上から姿を消したところであった。
    柳原 多々羅:「うん、それは、よかった」若干苦しくはあるが、まあ満足そうならいいか、ということで笑顔で
    柳原 多々羅:「もうこの際だから、二人も遠慮しないでいいよ」
    斎川たつ:(本当にホールで食べてる……)「ん。遠慮、してない」もごもごと目の前の皿に乗ったベイクドチーズケーキを頬張っている。
    加賀谷守美子:ベリーのタルトと真剣に向き合っている。山盛りの果実が見た目にも華やかだが、一つ切り口を誤れば簡単に崩れてしまうのだ。
    柳原 多々羅:そして自分は抹茶のケーキを前に、紅茶を揺らしている。
    加賀谷守美子:「……」だが、上手く一口分をフォークに乗せて頬張った時には、かすかに表情を緩めている。「……美味しいです」
    柳原 多々羅:「そりゃよかった。僕も身を切った甲斐があるってものだよ」
    柳原 多々羅:「さて。先日改めて声をかけたのは、もちろん美少女三人(うち一人幼女)とお近づきになりたいっていうのもあるけど、個人的に話しておきたいこともあってね」紅茶を一口。唇を濡らしてから
    黒傘 無常:「……?」通りかかった店員に次のケーキを注文しつつ、耳をかたむけている。
    斎川たつ:ブラックコーヒーを無駄にかき混ぜながら、ケーキから視線を柳原くんに移す。
    柳原 多々羅:「まず、無常ちゃん。……ずっと聞きそびれていたけど、僕についての資料、見たよね。どうだった?」
    黒傘 無常:「……………………」
    黒傘 無常:少しの間口を閉ざして、
    黒傘 無常:「……質問は、正確に」
    黒傘 無常:「相手に質問内容を決めさせて、どんな質問を想定したかで相手をはかる」
    黒傘 無常:「……良くある手だけど、私に向けないでほしい」
    柳原 多々羅:「死者6人。意識不明2人。重傷者5人」
    柳原 多々羅:「……いや、急に物騒な話をしたけどさ。要するに、なんで僕には首輪がないんだろうって、ふとね」
    黒傘 無常:「……………………」
    黒傘 無常:「数える余裕があるから、だと思う」
    黒傘 無常:チーズケーキの間の箸休め、フルーツケーキをフォークで切り崩しながら、黒傘 無常は言う。
    黒傘 無常:「私は、どこかで数えるのを忘れた」
    柳原 多々羅:「数える余裕、ね。……うん、ありがとう。ちょっと、すっきりした」
    加賀谷守美子:「……」そっと二人を見比べるようにする。
    黒傘 無常:「……いちおう」
    黒傘 無常:「誰を、いつ、で覚えてると……たぶん、忘れない」
    黒傘 無常:「数字にすると、私みたいに忘れる」
    黒傘 無常:「……数字で数えるのは、やめた方がいいと思う、よ」
    柳原 多々羅:「うん……わかった」
    柳原 多々羅:「そうする」
    柳原 多々羅:「それでまぁ、あとは二人に聞きたいことが1つ。いや、守美子ちゃんのほうには、もう一個だけあるんだけど」たつと守美子の方に向き直り
    斎川たつ:「何、かな」コーヒーをかき混ぜ続けていたスプーンを置く。
    加賀谷守美子:「……はい」紅茶のカップを下ろす。
    柳原 多々羅:「無常ちゃんにも怒られたし、簡潔にいこう」
    「君たちは……僕が人斬りになったら、彼女のように殺してくれるかい?」

    加賀谷守美子:「……やっぱりまだ、よく分からねえんですけど」
    加賀谷守美子:「ナンパって、相手にそういう話題を振るもんなんですかね」やや半眼になって見つめ返す。
    柳原 多々羅:「……多分、ちがう」視線をそらして
    加賀谷守美子:ふう、と溜息を吐く。
    柳原 多々羅:「……ちょっと、質問がいじわるだったかな」
    加賀谷守美子:「……私は、今回みてえに命令があるか、私の大事なひとが傷付けられるか」
    加賀谷守美子:「どっちかがあればだと思います。……今んところは」言って、紅茶を再び一口飲む。
    柳原 多々羅:「なるほどね……」
    柳原 多々羅:「……たつちゃんは?」
    斎川たつ:「……知らないところで、知らないうちに、そうなったのなら。私は、何も、できない」
    斎川たつ:「でも、届く範囲で。ああなってしまったら。その時は、仕合いにいく」
    柳原 多々羅:「……よかった」
    柳原 多々羅:「……もう一個を聴く気分でもないし、かわりにいいかな」
    加賀谷守美子:(……多々羅さん自身が私の大事なひとになったら、そう簡単に割り切れるか、分からないですけど)その思考は口に出さず、
    加賀谷守美子:「どうぞ」一つ頷いて、促す。
    柳原 多々羅:「守美子ちゃんと無常ちゃんはともかくとして、たつちゃんは最初から、お茶に乗り気だったけど、理由きいていいかな?」真面目な顔から、軽薄な表情に切り替わって
    斎川たつ:(その時、私の剣が彼に届くかは分からないけれど。重みは、きっと増えてる)
    斎川たつ:真剣に柳原くんの顔を見ていたが。
    柳原 多々羅:「もしかして一目惚れとか」横から防犯ブザーの気配を感じてここで止める
    加賀谷守美子:横目で斎川さんを見る。
    斎川たつ:「……」無言で柳原くんの皿に残ったケーキをフォークに刺し、一気に柳原くんの口に突っ込む。
    斎川たつ:多分、勢いよく。
    黒傘 無常:「……柳原」
    黒傘 無常:「もしかして……女の子となかよくなったこと……無い……?」
    柳原 多々羅:「ぬがっ! ▲%○ぬ$&”!」もごもごと言語にならないうめき声。ちょっと咳き込みながらどうにか咀嚼していく
    柳原 多々羅:「むぐ、もご……っはぁ……えっと、なんだって? 無常ちゃん」
    黒傘 無常:「いきなり重い質問をする」
    黒傘 無常:「重い役目を背負わせようとする」
    黒傘 無常:「……距離のつめかたが荒っぽい」
    黒傘 無常:「……どーてーっぽい」
    柳原 多々羅:「どッ……」
    斎川たつ:「仕事上の、円滑なコミュニケーション。終わった後の、打ち上げ。それに、ちょうどいいと。思った」
    斎川たつ:コーヒーを静かに啜る。
    斎川たつ:「あと、どんな理由でも。約束みたいに、なったから」
    斎川たつ:「守れるうちは、約束、守るようにしてる」
    柳原 多々羅:「……やっぱり辛辣……でもないか」助けを求めるような視線を守美子に
    斎川たつ:黒傘さんの言葉に軽く頷いている。
    加賀谷守美子:「でもねえでしょう」淡々とタルトを口に運ぶ。
    柳原 多々羅:「うん、はい」紅茶を一口
    黒傘 無常:「……あの人斬りに、似てるのかもね」
    黒傘 無常:「自分を背負ってもらいたがるところ」
    黒傘 無常:「誰かの中に居場所を残してもらって……」
    黒傘 無常:「自分がいなくなってもいいように、安心しておきたがるの」
    柳原 多々羅:「……なるほど。やっぱり似てるか」
    黒傘 無常:「殺してもらって、ずっと覚えててもらう」
    黒傘 無常:「……やっぱり、女の子の扱いになれてない」
    黒傘 無常:無表情の淡々とした口調による、大ブーイングであった。
    柳原 多々羅:「……13,4くらいまで、刀しか触ってこなかったんだよ」言い訳である
    柳原 多々羅:「……さて、僕ばっか話しててもなんだしさ。もしなにかあれば、ね」
    黒傘 無常:「特に言うこともないけど……」
    黒傘 無常:「……でも」
    黒傘 無常:「次はラ・ニース・デ・ロワがいい」
    黒傘 無常:「……その時までに、その重さを治しておいて」
    柳原 多々羅:「……はぁい。わかったよ、無常ちゃん」

    ED3:「ありがとう」


    GM:ここは静かだ。
    GM:静かであるように、造られた。
    GM:永久の眠りについた者達と、今を生きる者達が、ほんの一時だけ交わる場所。
    GM:UGN 共同墓地。
    女性エージェント:「……お探しのお墓は、どちらですか?」
    女性エージェント:そのエージェントは幽霊のようにふわふわと浮かびながら、あなた達に尋ねた。
    加賀谷守美子:(浮いてる……)まじまじと見つめかけて、
    斎川たつ:手に仏花と桶を持ち、加賀谷さんを見る。
    加賀谷守美子:本来の目的を思い出す。「ええと……凪風流さんって、エージェントの所と」
    斎川たつ:「……由仁場、山門」
    女性エージェント:「……二人とも、UGNの所属ですね」
    女性エージェント:「お悔やみは……私から申し上げることでもございませんので……」
    女性エージェント:そのエージェントは少しの間、浮遊しながら何事かを押し黙って考え込み、
    女性エージェント:「……では、まず凪風様の元へ、ご案内します」
    女性エージェント:彼女には、影が無い。
    女性エージェント:鑑で見ようとするなら――きっと、映りもするまい。
    女性エージェント:亡霊のような彼女について行くならば、多くの墓碑の中から、真新しい墓を見つけ出すことができるだろう。
    加賀谷守美子:「……ありがとうございます」案内に礼を言う。
    女性エージェント:「いえ……」
    斎川たつ:加賀谷さんの後ろをついて、歩く。
    女性エージェント:軽く頭を下げた彼女は――そのまま、周囲の木々に溶け込むように、すうっと姿を消した。
    斎川たつ:「花、これでよかった、かな。加賀谷さん」束になった花を持ち上げる。
    加賀谷守美子:「はい。すみません」頭を下げ、花束を受け取る。「……言っても、こっちのはすぐに済むんで」
    斎川たつ:「ゆっくりでも、いい。居たいだけ、いて、いい」
    加賀谷守美子:「……はい」
    加賀谷守美子:墓石を清め、花を供え、手を合わせる。その最後だけ、少し長く目を瞑ってはいたが。
    斎川たつ:少し後ろに下がって、墓碑に手を合わせる。彼女に手を合わせるのは2回目だ。
    加賀谷守美子:「……でも、もう大丈夫です」そう言って立ち上がり、あっさりと背を向ける。「由仁場さんの方、行きましょう」
    斎川たつ:「……いいの?」少し、意外な顔をする。
    加賀谷守美子:「私は、あのひとが死んだ後で、話す機会をもらえましたし」ぎこちなく微笑む。「……あとは、来たくなった時に来れればいいです」
    斎川たつ:「そっか」生きて帰れば、また来られる。
    女性エージェント:「……それでは、ご案内を」再び案内人は、あなた達の傍に姿を現す。
    斎川たつ:少し分けて持っていた花を全て、凪風さんの墓に備える。荷物は桶だけ。
    加賀谷守美子:「……斎川さん?」戸惑った顔を見せる。
    斎川たつ:「ん。ありがとう、ございます」案内に礼を言い、墓碑に背を向ける。
    斎川たつ:「にいちゃん……あの人が、私に求めるのは、花じゃない、から。ね」歩きながら加賀谷さんに答える。
    女性エージェント:祈りと献花、それが終えるのを見届けた後、案内人は細くも通る声で、
    女性エージェント:「……由仁場様は……ご遺体の〝血の記憶〟の意向を尊重して」
    女性エージェント:「UGN職員の列ではなく……FHエージェントの列に……葬られています……」
    女性エージェント:……やがて、そこへ辿り着くだろう。
    女性エージェント:名も無きエージェントや、UGNとの戦いで果てた戦士達の墓に紛れて、
    女性エージェント:由仁場 山門の墓もまた、ひっそりとそこに有った。
    加賀谷守美子:「……なるほど」少しだけ寂しげに眉根を寄せて、今度は自分が後になって案内に続く。
    斎川たつ:無言で案内してくれたエージェントに一礼し、由仁場の墓に向き直る。
    斎川たつ:墓石を清め、水を換える。そこまでは先程の加賀谷さんと同じだ。
    斎川たつ:しかしその後は、手も合わせず、じっと墓石を見つめて立っている。
    女性エージェント:「……お優しい、のですね」
    斎川たつ:「優しくなんか」呟く声は、限りなく小さい。
    女性エージェント:「……弔いとは、残される者の為にある」
    女性エージェント:「けれどあなたは」
    女性エージェント:「弔われる者の為に、ここにいます」
    斎川たつ:「んー。私が、ここに、来ること自体。嫌がってるかもね」薄く笑って、墓石に背を向ける。
    女性エージェント:「……かも知れません、し」
    女性エージェント:「案外、恨み言を吐く相手を見つけられて……」
    女性エージェント:「生き生きと、してらっしゃるかも……知れません……」
    斎川たつ:(居場所。覚えててもらう。……呪い続ける)先日黒傘さんが柳原くんに言っていた言葉と、由仁場の叫びを思い出す。
    斎川たつ:「生き生きと。ふふ」「あなたが、言うと。冗談には、聞こえない、ね」
    女性エージェント:「私は……ええ……冗談は申し上げません……」
    斎川たつ:「……」
    女性エージェント:「……いえ、私が分かるのは……亡くなられる寸前までのこと」
    女性エージェント:「死語、魂というものが存在するのか、どのように世界を見聞きするのかは――っ、と」
    加賀谷守美子:「……私は、斎川さんと似てるかもしれねえって、言いましたけど」
    斎川たつ:「ん」加賀谷さんに向き直る。
    女性エージェント:「……喋りすぎました……はずかしぃ……」
    女性エージェント:またも案内人の姿は、木々の間に溶けて消えていく。
    加賀谷守美子:「やっぱり、そうでもねかったかも……」
    斎川たつ:気にするな、とエージェントにひらひら手を振っている。
    斎川たつ:「似て、なかった?」
    加賀谷守美子:「斎川さんは、私よりも……んん」少し言葉を探して、案内人の消えた辺りに視線を彷徨わせる。「……強ぇ、って言うか。いや、逞しい、かな」
    斎川たつ:「……鈍感で、自分勝手な、だけ、だよ」
    加賀谷守美子:「そこんところです」頷く。「そうじゃねえと、駄目な方に行っちまう時が、あると思う」
    斎川たつ:「駄目な、方」
    加賀谷守美子:「……由仁場さんの……気持ちが分かる、なんて言えねえけど。ああいうことをした理屈は、理解できるんです」
    斎川たつ:「うん」静かに頷く。
    加賀谷守美子:「でも、あのひとは、間違ってたから。……そういう時に、下手に相手に寄り添っちまうと、誰のためにもならねえことになる。きっと」
    斎川たつ:「……うん」
    加賀谷守美子:「……斎川さんを見てて、そういう風に思ったんです。私が同じ立場だったら、同じことは、できなかったかも。だから」
    斎川たつ:「そっか。似てない、か」
    加賀谷守美子:「……はい。……ちゃんと伝わるように言えたか、自信ねえですけど」
    斎川たつ:「大丈夫。……私も、加賀谷さんが、凪風さんの最後の攻撃を受けた、あれ。私なら、絶対できなかった」
    加賀谷守美子:「そうですか?」目を瞬く。同じことをやりそうな印象でいる。
    斎川たつ:「最後まで、暴れて。付き合うなんて、しなかったと思う」
    加賀谷守美子:「それは」
    斎川たつ:「あれは、加賀谷さんの、強さ」
    加賀谷守美子:「……そう、なんですかね」
    加賀谷守美子:胸元の包みに手を添える。凪風流を斬った剣の柄が、その感触を伝えてくる。
    斎川たつ:「ん。私が見てる、世界では、だけど」少し、自嘲気味に笑う。
    斎川たつ:「似てなくても。ちゃんと強い、よ。守美子、さん」
    加賀谷守美子:「守美子さんは、ちょっと落ち着かねえですね」再びぎこちない微笑みで返す。「でも……なるほど。斎川さんの、世界」
    斎川たつ:由仁場の墓を振り返ることなく、共同墓地の出口に向かう。
    女性エージェント:「……いつでも、どうぞ、いらしてください」
    女性エージェント:「月並みな言葉にはなってしまいますが……ええ……」
    女性エージェント:「死者が本当に、彼らすら知らずに願っていることは……」
    女性エージェント:「誰かが幸せであること……だと、思いますから……」
    斎川たつ:「柳ののみたいに、守美子ちゃん、がいい?」
    斎川たつ:エージェントの言葉に足を止める。「うん。生きてても、同じ」「ありがとう、ございます」
    加賀谷守美子:「ちゃんでも呼び捨てでも、気楽に呼んでもらった方がいいです。……その、先輩なんで」後について出口に向かいながら、案内人に頭を下げて。
    加賀谷守美子:「……死者の世界ってのも、あると思いますか」ふと、頭上に広がる空を見上げる。
    斎川たつ:「死ぬまで、分からない、な」先輩、という言葉にかすかに微笑みながら、同じように空を見る。
    斎川たつ:「そこで、会いたい人に、会えるのなら。あってほしいけど」
    加賀谷守美子:「私も、そう思います。今は」
    加賀谷守美子:今頃、この世ではないどこかで、ろくでなし同士が斬り結んでいるのか。一組の恋人が、数年ぶりに再会を果たしているのか。
    加賀谷守美子:そういう救いがあることを、願ってもいいと許してもらいたい。
    加賀谷守美子:「空想みてえなことでも、現実にあるかもしれねえって。そう考える根拠になるんなら、こういう体になったのも、ちょっとは意味がある」
    加賀谷守美子:「……良いことばっかりでも、そりゃねえでしょうけど」
    GM:――弔いの歌を、案内人が口ずさんでいる。
    GM:その声も、もう遠くなる。
    GM:弔いとは、誰の為にあるものか。
    GM:生きている人間の為だ――とは、良く聞く言葉だ。
    GM:死者は黙して語らない。けれども、もし、ほんの僅かな可能性にかけて問うならば、
    GM:彼らが一番言いたいことはきっと、これなのだ。
    GM:「ありがとう」

    GM:『一刀断世、夢のまた夢』、これにて全日程を終了致します。
    GM:おつかれさまでした!
    柳原 多々羅:おつかれさまでした!
    加賀谷守美子:お疲れさまでした!
    斎川たつ:お疲れさまでした!!