『栄光と勝利の偽典』

私はできるんだ。


PC1:〝デュオツインダブル〟 二階堂 双次郎(にかいどう・そうじろう)(キャラシート)PL:有限無限
PC2:〝影剣一究(ラウェインブレード)三楼人 椿(みろうど・つばき)(キャラシート)PL:赤いポスト
PC3:〝柳雪(りゅうせつ)陶 妙算(すえ・たえかず)(キャラシート)PL:中村

メイン雑談

目次

  • プリプレイ
  • OP1
  • OP2
  • OP3
  • シーン1
  • シーン2
  • シーン3
  • マスターシーン
  • クライマックス
  • バックトラック
  • ED1
  • ED2
  • ED3

  • プリプレイ

    ■トレーラー
    得られる筈の栄光があった。向けられる筈の賞賛があった。
    それは今、お前のものではない。それは今、私のものではない。
    この処遇は正当か? それとも不当であるのか?
    人の身に裁きを任せようか。神に裁きを委ねようか。

    ……後者は気にくわないな。神は嫌いだ。

    インリークォの〝葉〟の暴走──呼び寄せられたるは〝刀狩り〟の二人組。
    尋常ならざる者を斬り続けた刃ならば、きっと悍ましき血が染みついていよう。
    さあ、渡せ。


    ダブルクロス The 3rd Edition.

    『栄光と勝利の偽典』

    ダブルクロス、それは裏切りを意味する言葉。

    ■自己紹介
    GM:自己紹介タイム!
    GM:今回のPC1は二階堂 双次郎くんだ。
    GM:キャラシのURLを張りつつ自己紹介どうぞ!
    二階堂 双次郎https://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYmN3H1QIM
    二階堂 双次郎:「あ……えっと……はい、二階堂…双次郎です……」
    二階堂 双次郎:「役には立ってみせるんで……よろしくお願いします」
    二階堂 双次郎:元ゾディアックウェポン使いの二刀流のチルドレン!
    二階堂 双次郎:双子の兄と共にエリートチルドレンとして生きてましたが、重大な任務に失敗し、兄は剣士としての生命を絶たれ、兄弟揃ってゾディアックウェポンを剥奪されました…
    GM:じゃあくUGN時代かな
    二階堂 双次郎:人見知りするし物静かな性格でしたが、兄が引退してからは人と積極的に会話するように努めていますが…
    二階堂 双次郎:なかなか上手くはいかないようです。
    二階堂 双次郎:失敗が有ったとはいえ、エリートはエリート 二刀流の二回攻撃とバディムーブで頑張るぞ!
    GM:OK,君のハンドアウトはこちらだ。
    PC1:二階堂 双次郎
    シナリオロイス:〝無尽無刀(シヴァ・タクト)〟

    あなたは双子だ。だから不便なこともさぞや多いだろう。
    今日もあなたが双子だった為に、理不尽な痛みに遭遇するのだ。

    「二階堂 壱志か」
    「ゾディアックウェポンを渡してもらおう」

    GM:さて、ところで双子の次郎くん
    GM:一卵性です? 二卵性です?
    二階堂 双次郎:一卵性です…兄との見た目の違いは髪の分け目くらい
    GM:OKOK,ちなみに兄と双次郎くんはどっちが強いとかありますか?
    二階堂 双次郎:兄の方がいつも少し上を行く感じでした
    GM:OK,尚更に良いですね
    GM:いきなり理不尽な喧嘩を売られますので、それなりに人目につきにくく自分の日常っぽい場所を考えておいてください
    GM:さて。
    GM:PC2、三楼人くん!
    GM:私はぶっちゃけ何度も見てるからキャラシもはやって感じだが、ログ読者の為にURLからどうぞだ。
    三楼人 椿http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY2J6aqQIM
    三楼人 椿:カラスさん卓での異常な出勤頻度にもめげずにがんばる、限界生活イリーガル。
    三楼人 椿:イリーガルとして相応の報酬はもらってるはずなのに、そのお金はどこへやら。13地区の孤児院に通っているらしいぞ。
    三楼人 椿:見た目は少年、反応は好青年、その正体は他者救済のための破綻者。コワイ。
    GM:他者救済者なのに、基本的に他者の善性とかを信じてないんですよね
    GM:人間は悪だって前提の元に人間を救おうとしてる歪み
    三楼人 椿:黒いクローバーような植物型の「傍らに立つ影」を従えて、一本の両手剣担いで戦います。
    三楼人 椿:性能としては、《憎悪の炎》+《復讐の刃》による強制タイマンアタッカー! 
    三楼人 椿:80%を超えればフルパも乗るぞ!
    三楼人 椿:最近どうやらプライベートで可愛らしい後輩と一緒にいるところを見かけるとかなんとか……
    三楼人 椿:それはそれとして無自覚に他人をたらしこむ罪づくりボーイでもある。なんなのこのこ
    三楼人 椿:今回は、デパートでの一件に関連した話だそうで……ともかく、がんばるぞー!
    GM:まぁ基本的に、読んでなくても分かるようにはしているつもりだが……しかし!
    GM:それはそれとして前回参加者なので、色々とこう、見られた結果がこのハンドアウトです
    PC2:三楼人 椿
    シナリオロイス:〝夢惑う羽(ピエリナエ)〟最上 由良

    あなたは先日、第九地区のショッピングモールにて戦闘を行った。
    その光景を監視カメラで見ていたものが居たのだろう──これはUGNの推測の範囲を越えない。
    だが、その人物があなたにこう持ちかけてくる事までは、予想出来ただろうか。

    「わ、わた、私は、わた……あいつ、あいつが、きら、嫌いだから」
    「イ、イ、イ、インリークォの実験場……ひ、ひとつ、ひとつだけ、教える」

    GM:あやしい女が声を掛けてきます
    GM:まぁ、なんだ、その
    GM:頑張ってね
    三楼人 椿:怪しさ・・・
    GM:つよくはないから大丈夫だよ
    三楼人 椿:なんなんだろうねその激励は……
    GM:さて、
    GM:そして最後に固定値の鬼くんどうぞ
    陶妙算:はーい
    陶妙算https://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYjdLjxgIM
    陶妙算:PC3の陶 妙算(すえ たえかず)です。
    陶妙算:第十支部所属のチルドレンです。
    陶妙算:しっとりと濡れた黒髪、やわらかな茶色の瞳が特徴の美少年って感じの子です。
    陶妙算:あと諸般の事情に果物しか食べられないせいかほのかに桃のような甘い香りを漂よわせています
    GM:毎回思うけど業が深いね……
    陶妙算:少々友人に依存しがちな面はありますが、基本にUGNの理念に忠実な真面目なチルドレンです。
    陶妙算:性能としてはやたら高い白兵固定値で避けたり殴ったり100%超えたらフェイタルヒットしたりします。
    陶妙算:以上です。宜しくおねがいします!
    GM:ゲットダウンを許すな
    陶妙算:許して
    GM:さて、被DVの才能がある陶くんのハンドアウトはこちらです
    PC3:陶 妙算
    シナリオロイス:〝弾丸爆華(ブラストチャージ)〟

    あなたの振るう『伯耆安綱』──果たして来歴はいかなるものか。
    名高き名刀の名を冠するからには、相応の逸話があるに違いない。

    ……と、考えたものが居たのだろう。

    「伯耆安綱を渡してくれるか」
    「女を傷つけるのは趣味じゃないんだ」

    GM:襲われます
    GM:夜道とかがいいかな
    陶妙算:性別誤認されてる…!
    GM:良くあることでしょきっと
    陶妙算:夜道での事案、了解です
    GM:剣を抜いて見せびらかしてくるチャラめの男と戦ってください
    GM:というわけで
    GM:さっそく始めていきます、よろしくお願い致します
    三楼人 椿:よろしくおねがいします!
    二階堂 双次郎:いざ!よろしくお願いします!
    陶妙算:しゃす!!

    OP1


    GM:PC1,登場侵蝕をどうぞ
    二階堂 双次郎:40+1d10
    DoubleCross : (40+1D10) → 40+9[9] → 49

    二階堂 双次郎:どうしよう…

    GM:──放課後。
    GM:あなたはちょうど数十分前、授業という檻から解き放たれたばかりだ。
    GM:まぁ、普段の事はさておき。今日は特に何も予定が無く、寄り道もせず真っ直ぐ帰る最中である。
    GM:が。
    GM:私も、それ以外の者も、君が何処へ帰るのか。道中は誰と一緒に歩いているのかを知らない。
    GM:という訳で、少し教えてもらいたい。日常の風景の一つに、二階堂 双次郎がどう溶け込んでいるのか。
    二階堂 双次郎:「…………」一人、若干俯きながら帰路についている
    二階堂 双次郎:別に気分が落ち込んでるわけじゃない、大体いつもこんな感じだ…
    GM:18歳。そろそろ進学か就職かを考え始める時期とは言え、親しく言葉を交わす友人も居るだろう──
    GM:──居るか?
    GM:俯く肩に手を掛けて、どうした双次郎と名を呼んでくれる友人はいるのかい?
    二階堂 双次郎:居る。居てくれる。
    二階堂 双次郎:だがあいにく、数少ない友人も今日は部活で忙しくて…
    二階堂 双次郎:今日は、というよりいつもそうだが。
    二階堂 双次郎:自分は部には所属していない。
    二階堂 双次郎:オーヴァードでチルドレンというのもあるが…なにより
    二階堂 双次郎:兄さんのことがが心配なんだ
    二階堂 双次郎:あの日…兄さんは僕を庇って…そして、二度と戦えない体になった
    二階堂 双次郎:今でもまだ…辛いリハビリは続いてる
    二階堂 双次郎:『俺のことは気にするな、お前はお前の人生を生きろ!』
    二階堂 双次郎:そう、言ってくれるけど…
    二階堂 双次郎:兄さんは僕よりずっと強くて、優秀で…
    二階堂 双次郎:あの時僕が攻撃を受けるべきだった…そう考えない日は無かった
    GM:──それは。
    GM:足音だとか、息づかいだとか、これと言える何か一つの音では無かっただろう。
    GM:だがあなたは──兄でなく、あなたであろうと──気配を感じ取る。
    GM:突然だった。……加えて言うに、気配を秘匿しようという意志もないように思える。
    GM:誰か、自分は此処にいるのだと気配を発している何者かが、あなたを尾行していた。
    GM:それに、あなたは気付くだろう。
    二階堂 双次郎:「…………」これでもチルドレンとして長らく戦いを続けてきた
    二階堂 双次郎:ひとまず人気の無い場所へと足を進める…できるだけ一般人を巻き込まないように
    二階堂 双次郎:「…………えっと、そろそろ……顔を出してくれませんか……?」
    GM:ならば。
    GM:場所は──こうしよう。
    GM:神社だ。
    GM:既に管理する者もいなくなって久しい神社。おそらくは市役所の職員が、登記者の親族を探してひぃひぃ言っているような場所だ。
    GM:草生した石畳は所々罅割れて、背の高い木々が、数十m先の道路と境内とを完全に隔てている。そういう場所にあなたは来て、
    〝無尽無刀〟:「……お望み通りに」
    〝無尽無刀〟:──カラフルな少女だった、と言おうか。
    〝無尽無刀〟:前髪と、残りの部分と、横髪と、合わせて三色に染め分けている。
    〝無尽無刀〟:黄色に近い金。黄緑。薄めの紫。耳には輪のようなピアスが吊されている。喋る際にちらちらと見える舌にすらピアスだ。
    二階堂 双次郎:「…………どうも」
    〝無尽無刀〟:「随分、雰囲気変わったね」
    〝無尽無刀〟:「おかげで探すのに随分手間取った」
    〝無尽無刀〟:……少女は、あなたから10mほど離れた箇所で立ち止まって、言った。
    二階堂 双次郎:「…………FHかそれ以外かは分からないけど……目的は何だ」
    〝無尽無刀〟:「……覚えてないか。だろーね」
    〝無尽無刀〟:「あんたには一蹴された。顔もろくに見てもらってないだろうさ」
    〝無尽無刀〟:「けど、こっちは忘れてない。……二階堂 壱志」
    〝無尽無刀〟:少女は右手を、まるでオーケストラの前で指揮を執るように振りかざした。
    〝無尽無刀〟:──突如、あなた目掛けて空を駆ける5つの斬撃!
    二階堂 双次郎:「…………え?」
    二階堂 双次郎:「………!!!」呆気にとられ少し反応が遅れるが…
    二階堂 双次郎:すぐさま"イーダース"と"リュンケウス"を抜刀!五つの斬撃を正確に裁きながら、謎の少女へ駆け寄る!
    二階堂 双次郎:「……どこの誰だか知らないけど」
    〝無尽無刀〟:「……その剣!」左手を振るう。次は足下から迫り上がる斬撃──その正体は、
    〝無尽無刀〟:〝糸〟だ。
    〝無尽無刀〟:UGNでもFHでも、戦闘データの蓄積があるだろう。その中で、非オーヴァードの戦争に用いられることはなかったが、
    〝無尽無刀〟:オーヴァードの闘争においてのみ、有用性を確認できた武器がある。
    〝無尽無刀〟:細く長い鋼の糸。それが少女の十指から伸びて、10mのリーチを誇る斬撃を振るっていたのだ。
    二階堂 双次郎:「……それも当然か」
    二階堂 双次郎:(僕は戦った相手のことは忘れない……あらゆる戦闘パターンを覚えて次に活かすために)
    二階堂 双次郎:(このタイプの糸使いは…記憶に無い!)
    GM:──或いは。以前と戦闘スタイルが変わった、という可能性もあろう。技を磨き成長するのは、UGNだけの特権ではない。
    GM:だが。事、この少女に限って言うなら。あなたには全く記憶が無い、と言って良いだろう。
    GM:顔も、声も、何も知らない。そして、
    〝無尽無刀〟:「二階堂 壱志! ……こんなものか!」
    〝無尽無刀〟:五つの斬撃を打ち払われる。間合いを詰められる。
    〝無尽無刀〟:だが。間合いを一歩詰める度、手首と指の動きのみで制御される10の刃は、
    〝無尽無刀〟:縦横無尽に空を踊り、八方からあなたに絡みつくように斬りかかる。
    〝無尽無刀〟:「そんなものじゃないだろう──本気を出せ!」
    〝無尽無刀〟:「〝ゾディアックウェポン〟を出せ!」
    二階堂 双次郎:「…………!」
    二階堂 双次郎:かつて授けられた至高の剣…その名を聞いて、足が止まる
    二階堂 双次郎:「…………さっきから」
    二階堂 双次郎:「…………嫌がらせのつもりなら……そろそろやめて欲しい」
    二階堂 双次郎:「僕は”二階堂 双次郎”で!〝ゾディアックウェポン〟は、もう無い!」
    二階堂 双次郎:「どうやって僕の過去を知ったかは分からないけど……」
    二階堂 双次郎:「…………流石に頭に来るな」
    二階堂 双次郎:その目は謎の少女を強く睨みつけているが…
    二階堂 双次郎:その手に握った刃は届かない 糸の斬撃が道を阻む
    〝無尽無刀〟:刃の結界は、間合いを支配する。痛みを得ずに踏み込むことは許されない。
    〝無尽無刀〟:さほど大きくもない体が、楽隊を駆り立てるように勇躍し、刃は幾度となく石畳を、周囲の木々を斬り削るが──
    〝無尽無刀〟:「……どうしても、抜かないつもりか」
    〝無尽無刀〟:ひゅっ──
    〝無尽無刀〟:鋼糸は少女の指先に取り込まれ、斬撃の嵐は止む。
    〝無尽無刀〟:「分かった」
    〝無尽無刀〟:「……もういい、分かった。相手にされてない事は分かった──なら」
    GM:……〝双子だ〟などと、思いもしないのだろう。
    GM:仮にそう言ったところで、信じたかどうかは怪しいものだ。
    GM:刃の軌道こそ正確だが、少女は決して冷静ではない──真実の言を真実と悟れない程度には。
    二階堂 双次郎:「……抜けるもんなら抜いてみたいさ」
    二階堂 双次郎:「この手に……有るのなら」
    〝無尽無刀〟:「はぐらかすなら、好きにしろ」
    〝無尽無刀〟:「あんたが私を舐めたこと、絶対に後悔させてやる」
    〝無尽無刀〟:「……必ず、思い出させてやる!」
    〝無尽無刀〟:くる──
    〝無尽無刀〟:少女はあなたに背を向ける。……一見無防備に見える背を。
    〝無尽無刀〟:だが、10mの射程と柔軟な軌道を持つ刃が故に、それは決して隙ではなく──
    〝無尽無刀〟:鮮やかな色合いの少女は、林の中へ姿を消した。
    二階堂 双次郎:「…………」納刀し、頭を掻く
    二階堂 双次郎:深追いは危険だ……剣士の勘がそう告げている
    二階堂 双次郎:いろいろ言いたいことはあるが…
    二階堂 双次郎:「どうしたもんかな…………」どうやら、なかなか難しい案件になりそうだ

    GM:ロイスのみ取得可能!
    二階堂 双次郎:謎の少女(〝無尽無刀〟) 興味/〇いちいち人のトラウマを…

    OP2


    GM:PC2登場侵蝕!
    三楼人 椿:28+1d10
    DoubleCross : (28+1D10) → 28+9[9] → 37


    GM:──災害の爪痕とは、中々に深く残るものだ。
    GM:瓦礫が撤去され、亡骸が葬られ、道路は再び敷き直され、傍目には清潔な街の姿が産まれようとも、
    GM:手付かずに残るものもまた、有る。
    GM:あなたは今、そういう場所にいる。
    GM:ステンドグラスだったものが、細かく砕けて散らばっている。
    GM:白かった筈の、だが煤けてしまった壁が、大きな穴の空いたままかろうじて形を残している。
    GM:N市郊外、廃教会。
    GM:あなたは匿名の手紙により、此処へ呼び出された。
    三楼人 椿:ぱきり、ぱきりと色のついたガラス片を靴で踏み砕き、ときにどかして。
    三楼人 椿:「……随分粋な場所に呼ぶじゃねーの」中をかるく歩き回った後、原型を留めている数少ないチャーチチェアの1つに腰掛ける。
    ???:「そ、そう、そ、そっ、そっかな……悪く、わる、くない場所だと、お、思うけど」
    ???:──朽ちた祭壇の影から声がする。
    三楼人 椿:「……ん」「えーっと?」
    ???:「か、かみ、神様が、死ぬ、死、死ん、死んだみたい、で、さ」
    三楼人 椿:立ち上がり、人懐っこい笑みを貼り付けたまま
    三楼人 椿:「ははは、神様が死んだみたい、か。たしかにそれっぽいな」
    ???:「……ら、ラウェ、ラウェイ──ラウェイン、ブレード……で、い、いい、いいか、な……」
    三楼人 椿:「あぁ。あってる」
    GM:あなたが肯定すると、声の主は朽ちた祭壇の影から──かがみ込んでいたのだろう──ずるりと這いだして立ち上がり、
    〝夢惑う羽〟:「わ、私、が、〝夢惑う羽(ピエリナエ)〟……あ、あな、あなたを、呼ぶ、よ、呼んだひと……」
    〝夢惑う羽〟:吃音が酷い他は、さほど目立つ所の無い少女であった。
    〝夢惑う羽〟:見目は……まぁ,良い部類に入る。だがそれも、眉根に寄せている皺が帳消しにしている。
    三楼人 椿:「……おう」「ところで、さ」
    三楼人 椿:「……癖じゃねえなら、もうちょっと落ち着いて話さねえか?」「話は最後まで聞くって約束するからさ」チャーチチェアに座り直して
    〝夢惑う羽〟:「……………………」
    〝夢惑う羽〟:少女は恨めしげな目であなたを見ながら、片手で己の口を塞いだ。
    三楼人 椿:「……?」
    〝夢惑う羽〟:少しの間、口を閉じて沈黙したままであったが──やがて、それでは何も進まないと観念したか、
    〝夢惑う羽〟:「……は、はな、は、は、は、話、だけど、基本的に、書い、書いてある、書いてある通り──」
    〝夢惑う羽〟:……意識すると些か吃音が酷くなったようだが、
    〝夢惑う羽〟:要約すると、以下の通りである。
    GM:あなたは一通の手紙で呼び出された。差出人は〝夢惑う羽(ピエリナエ)〟──インリークォの下級研究員だ。
    GM:彼女の手紙は、言葉に比べて読みやすい文字で端的に書かれていた。
    GM:〝先日の、第九地区のショッピングモールの事件について。首謀者の情報を提供したい〟
    GM:〝ついては仲間を連れずひとりで来るように。こちらも同行者は連れていかない〟
    GM:……ということだった。
    GM:そして。
    GM:少女は、己の言葉が十分に伝わらないことを理解しているのだろう。あなたに二通目の手紙を差し出し、
    〝夢惑う羽〟:「こ、こ、これ、これ、これを、読んで、読んだら、わ、分かる、分かるから」
    三楼人 椿:「ん」「わかった」受け取り、手紙に視線を落とす
    GM:では。
    GM:こちらは、全文がこれだけだ。
    GM:『〝毒持つ翼(ポリスティナエ)〟堤 ゆえ、研究所の所在地は○○○○』
    GM:『ショッピングモールにおける〝生物実験〟で得られたデータにより、兵器研究は大幅に進展』
    GM:と。
    三楼人 椿:「毒持つ翼(ポリスティナエ)……そういえば、結局主犯は顔を出してなかったな、あのときは」
    GM:然り。……或いは事件の後、逆瀬川 苗か、彼女の所属する第九支部から、主犯のコードネームだけは伝え聞いていたかも知れない。
    GM:が。フルネームに関してはUGNのデータベースにも存在していない、新情報である。
    三楼人 椿:「……なぁ、あんた。一応同じセルの人間なんだよな」「なんでこんなことするのか、聞いてみてもいいか?」
    〝夢惑う羽〟:そう問えば、少女の唇は酷く歪んだ。憎悪がまだらに散らばった笑顔であった。
    〝夢惑う羽〟:「わた、私は、私は、私、私……」
    〝夢惑う羽〟:「……あ、あいつが、嫌い」
    〝夢惑う羽〟:「嫌い、嫌い、嫌い、嫌い、嫌い、嫌い、嫌い、嫌い」
    〝夢惑う羽〟:「嫌い、だから」
    〝夢惑う羽〟:「だ、だ、だだか、だから、潰して欲しい、……そ、それじゃ、それ、駄目?」
    三楼人 椿:「……わざわざ俺を指名してきたってことは、俺の性格知らないわけでもねえだろうに……」
    三楼人 椿:実際、損得だけで考えるなら、受けない理由はないのだが……
    〝夢惑う羽〟:その呟きに対する答えは──一枚の写真だ。
    〝夢惑う羽〟:それはどうやら、監視カメラの映像をキャプチャしたもので、画質は些か荒いが、
    〝夢惑う羽〟:あなた〝達〟が、あの蜂の怪物と戦っている様を映したものだった。
    〝夢惑う羽〟:「せ、せい、性格、性格なんて、い、いい、べ、べ、別に、いい」
    〝夢惑う羽〟:写真を、あなたに見える向きで突き出しながら
    〝夢惑う羽〟:「し、ししし、し、しら、知らない振り、し、して」
    〝夢惑う羽〟:「……あ、あいつを……野放しに、でき、できる?」
    三楼人 椿:「……なるほど、そりゃできねえわ」
    〝夢惑う羽〟:「た、たす、助かる」
    GM:──そして少女は、あなたを見据えたまま後ずさりを始める。
    三楼人 椿:「よし、まぁ任しときな」「……これは半分独り言なんだけど」
    GM:背後から切りつけられる事を恐れるように、背を見せずに距離を離しながら、
    〝夢惑う羽〟:「ひ、ひと、ひと、独りごと、と……?」
    三楼人 椿:「UGNとしての損得はともかく……あんまり褒められたもんじゃねえぞ、『それ』」彼女の様子を見て、この場での戦意はないと示すように両手を掲げ、手のひらを見せる
    〝夢惑う羽〟:……果たして、何をどう曲解したものか。
    〝夢惑う羽〟:少女は口を両手で覆い、一瞬、強い憎悪を込めてあなたを睨み付け、
    〝夢惑う羽〟:「わ、……わ、わら、わ、わ……わ、わら」
    〝夢惑う羽〟:「わらう、な」
    〝夢惑う羽〟:そうだけを言い残し、廃教会を出た。
    三楼人 椿:「……?」「……最近どうも、コミュニケーションが上手く行かない事が多いなぁ」
    三楼人 椿:手紙にもう一度視線を落とす。“毒持つ翼”の研究所の所在地。
    三楼人 椿:……無論、罠の可能性だって考えないわけじゃない。けど、ソコについて考えるには、自分には学が足りない。
    三楼人 椿:まぁ、いい。最悪──
    三楼人 椿:──『救えない』相手が、一人から二人になるだけ……
    三楼人 椿:「…………よし」パン、と両頬を両手で挟むように叩いて、不穏な思考を打ち切る。
    三楼人 椿:「……師匠や姉ちゃんに怒られちまうな」
    三楼人 椿:よいせ、と立ち上がって、手紙を懐にしまい廃教会を後にする。

    〝夢惑う羽〟:「あ、ああ、あ、あ、後、後は、あと、後、後は」
    〝夢惑う羽〟:「あっちが、やって、やってく、くく、くれ、くれる」
    〝夢惑う羽〟:「い、いい、い、痛い、いた、痛い目、見る、見れ、見、見ればいい……」
    〝無尽無刀〟:「……別にあんた達の喧嘩とかは、どうでもいいけど」
    〝無尽無刀〟:「約束は守ってよ」
    〝夢惑う羽〟:こくん。
    〝夢惑う羽〟:得意でない言葉の代わりに、少女は大きく頷いた。

    GM:ロイス取得可!
    三楼人 椿:ロイス “夢惑う羽” ○興味/不信
    GM:OK!

    OP3


    GM:PC3登場侵蝕!
    陶妙算:1d10+48
    DoubleCross : (1D10+48) → 2[2]+48 → 50

    陶妙算:安定!

    GM:じっとりと汗ばむような夜だった。
    GM:空気が流れずに淀んで、人に絡みつくような。
    GM:何かこう、肌に触れる大気を重く感じるような──そういう夜。
    GM:いかなる理由かは問わない。
    GM:あなたは歩いている。
    陶妙算:まるで桃源郷から抜け出してきたかのような
    陶妙算:透明感があり、どこか現実味の薄い美少年が月明かりに照らされている。
    陶妙算:当たり前のように歩いているが、見るものがみればわかる。
    陶妙算:無造作に見えてその重心にはほとんど変化がなく、いかなる不意打ちにも対応ができるだろう。
    GM:左様。左様。
    GM:たおやかなれど一廉の剣客。血に魅入られた狂人の如く背後から駆け、切り伏せんとするは容易でなかろう。
    GM:剣とは即ち、〝そういうこと〟に対処する為の術理とも言えようからだ。
    GM:だが。ならば。
    GM:堂々とそこに居るものに対して、この少年の剣は如何に閃くのであろうか。

    GM:橋に差し掛かった。
    GM:何百年か前には、木で組まれていたのだろう、短い橋だった。
    GM:せいぜいが五間程度の河幅に掛かる、自動車を通す事も出来ようコンクリート製の橋の上。
    GM:大柄な影が立っていた。
    GM:……否。
    GM:それは背丈を言うならば、せいぜいが六尺程度に過ぎぬ。
    GM:だが、彼の背に揺らめく陽炎が、本来の背丈より、その体を大きく見せているのだ。
    GM:夏の暑い夜。肌に触れる空気が、また少し温度を上げた。
    陶妙算:夜風が、そっと陶の頬を撫でていく
    陶妙算:濡羽烏の黒髪がふわりと遊び
    陶妙算:じわりと肌に迫る夏の熱さすら忘れさせるような
    陶妙算:涼やかな視線がその巨大な影に向けて投げられる
    陶妙算:「こんばんわ。」
    陶妙算:「いい夜ですね。」
    陶妙算:瞬きする度に音がしそうな濃い睫毛に囲まれた目が、柔らかな微笑みを演出する。
    〝弾丸爆華〟:「こんばんは。……あんたの育ちには負けるよ」
    陶妙算:「あはは」
    陶妙算:そっと白く細長い指を口元へ運びながら笑う。
    陶妙算:「お上手ですね。」
    〝弾丸爆華〟:対峙する男の笑顔は、不自然さやぎこちなさとは無縁だが、柔らかいとも言い難かった。
    〝弾丸爆華〟:……傍目には、軽薄そうな顔に見える男だった。
    〝弾丸爆華〟:眉の色を見れば、頭髪の金が〝染めている〟のだとは分かるだろう。
    〝弾丸爆華〟:後頭部ばかり髪が長く、それを編んで房にして垂らしている。そういう男だった。
    陶妙算:「けど、そんな言葉はこんな無粋な場所には似合いませんよ?」
    〝弾丸爆華〟:「笛の音が足りなかったかな」
    〝弾丸爆華〟:「夜ってだけで雰囲気あるじゃん、って思ったんだけどさぁ。それとも俺じゃ不足だったかな」
    〝弾丸爆華〟:男は、手を首の後ろへ運ぶ。
    〝弾丸爆華〟:──しゃらっ。
    〝弾丸爆華〟:背に、背骨に沿わせるように仕込んでいたのだろう鞘から引き抜かれるは、刃渡り一尺程度の小太刀である。
    陶妙算:意識してかせずか
    陶妙算:先程よりもほんの僅かに腰を落としている。
    陶妙算:「不足だなんて、とんでもありません。」
    陶妙算:「ただ」
    陶妙算:「僕の相手はもう定まっていますので。」
    〝弾丸爆華〟:「あれ。これひょっとして、俺、フられてる?」
    陶妙算:そういうと同時に
    陶妙算:陶の周りの空気がかすかに揺れる。
    陶妙算:ワーディング
    陶妙算:相手が、ただの凶器を持った暴漢であれば
    陶妙算:これでことが済む
    〝弾丸爆華〟:──無論。
    〝弾丸爆華〟:このような夜に、このような橋の上で獲物を待ち受ける男が──ただの暴漢であろうものか。
    〝弾丸爆華〟:へらへらと笑みを浮かべた口元が、ワーディングの余波を受け流しながら、
    〝弾丸爆華〟:「UGNの〝柳雪〟か?」
    〝弾丸爆華〟:と、問いを吐く。
    陶妙算:「なるほど。」
    陶妙算:「わざわざ僕に会いに来てくださったわけですか。」
    陶妙算:流れるような動きで、腰に差した刀。伯耆安綱を抜き放つ。
    陶妙算:薄く、強く鍛えられた鋼が月明かりに照らされ、朔ノ月の如く軌跡を残す
    〝弾丸爆華〟:「正確には、〝それ〟だけどね」
    〝弾丸爆華〟:抜き放たれた刀の、月光を散らす刀身を顎で示し──ゆらり。
    〝弾丸爆華〟:男は陽炎を背負ったまま、ゆらり、ゆらり、体を揺らしながら進み始める。
    〝弾丸爆華〟:小太刀は右手に、逆手。ナイフ術にも似た構えと言えようか。
    陶妙算:その歩調に合わせ、陶も前に進んでいく
    陶妙算:まるで、風に遊ばれる白百合のようにしなやかに
    陶妙算:そして、獲物を伺う猫のごとく油断なく
    〝弾丸爆華〟:腕の長さと踏み込みの距離ならば、金髪の男が勝ろう。得物の間合いはあなただ。
    〝弾丸爆華〟:構えの差もある。制空権を先に得るのはあなた──の筈、だった。
    〝弾丸爆華〟:ごうっ
    〝弾丸爆華〟:男の背が、炎を噴いた。
    陶妙算:「───ッ」
    〝弾丸爆華〟:それはまるで、ある種の花火が恐ろしい速度で馳せるかのように、
    〝弾丸爆華〟:脚の動きを伴わず、人外の域の速度まで瞬時に到達し、あなたの背後に現れる。
    〝弾丸爆華〟:刹那──背後から肩を狙う逆手持ちの斬撃!
    陶妙算:さくり
    陶妙算:と、男の手に薄い手応えが走る。
    陶妙算:肉を切った感触ではない。
    陶妙算:その刃先には朱い血筋すらついていない。
    陶妙算:薄い布を、切っただけの手応え
    陶妙算:「この服、お気に入りなのに」
    陶妙算:撫でてしまいたくなるような衝動に襲われる、きめ細やかな肌が露わになり
    陶妙算:月明かりが恥じらいとほんの少しの怒りで紅潮した陶の表情を照らす。
    陶妙算:《つい》
    陶妙算:と、中点を駆け上っていく、淡い閃光のような斬撃が男に襲いかかる
    〝弾丸爆華〟:「おっと悪い、弁償するから一緒に買いにいかな──いっ!?」逆手持ちの小太刀を前腕に沿わせ、その斬撃を受ける。
    〝弾丸爆華〟:その防ぎ方はまるで、拳を腕で払うような──良く言えば喧嘩殺法、悪く言えば素人じみた動きだ。
    〝弾丸爆華〟:この一合で分かるだろう。この男は剣士ではないと。だから──
    陶妙算:刃先が触れ合った瞬間、
    陶妙算:単純な膂力では敵わないと判断し
    陶妙算:むしろ、相手の押し返そうとする力を利用して跳ねるようにして距離を取る
    陶妙算:「残念ですけど。」
    陶妙算:「それをしたい相手も決まってますので。」
    〝弾丸爆華〟:右肘の裏に左手を当てる。左手で押し込む力を加えた、腕による薙ぎ払い。
    〝弾丸爆華〟:それは炎の尾を引いて、ちりちりと大気中の塵を焦がしながら、
    〝弾丸爆華〟:「一晩に二回もフられるとか、俺かっこ悪ぃ~」
    〝弾丸爆華〟:その腕の力をも逆用し引き離された間合いに、自虐的な言葉と裏腹、男は楽しげに笑っている。
    陶妙算:夜の闇に晒された左肩を相手に向けるように半身の姿勢を取る。
    陶妙算:一刀流。《斜》の構え
    陶妙算:古流の構えでは有るが、相手の動きに対応しやすく、こちらの動きは読み辛くさせる実践的な構えだ
    陶妙算:「その割には、嬉しそうですが?」
    〝弾丸爆華〟:「そりゃあね……いいね、いいね。こいつは俺の流儀じゃねえのに、このままじゃ楽しくなっちまうよ」
    〝弾丸爆華〟:「なんてーの? ブチ上がる? 今、俺、すっげえそんな感じだからさ、今のうちに聞いとくんだけど」
    〝弾丸爆華〟:「伯耆安綱を渡してくれるか」
    〝弾丸爆華〟:「女を傷つけるのは趣味じゃないんだ」
    陶妙算:刃先越しに漆のように光る瞳を相手に向ける。
    陶妙算:「お断りします。」
    陶妙算:「この剣は、僕の誇りです。」
    〝弾丸爆華〟:左手を顎の下。逆手持ちの小太刀は、顔から拳四つ離れた場所に。たん、たん、と小刻みに跳ねながら、
    〝弾丸爆華〟:「だよね」
    〝弾丸爆華〟:「剣士ってのはだいたい、そういう連中だもんなぁ」
    陶妙算:「それに」
    陶妙算:露に濡れた果実のような唇、釣り上げ、くすりと笑う
    陶妙算:「僕は」
    陶妙算:「殿方には、少し、強引に迫られる方が」
    陶妙算:「好きですから。」
    陶妙算:相手が自分の性別を誤認しているなら、それで剣筋がわずかでも鈍るのなら
    陶妙算:その優位性をわざわざ消すこともない。
    陶妙算:「刀が欲しければ、力づくでどうぞ?」
    陶妙算:微笑みのうちに、わずかな妖艶さをたたえながらそう言葉を紡ぐ
    〝弾丸爆華〟:「お嬢ちゃーん……それ、悪い男に引っかかる子が良く言う奴ー……」眉の端をしゅんと下げながらも、男のステップは次第に加速する。
    〝弾丸爆華〟:肘から。膝裏から。腰から。肩から。首から。足首から。
    〝弾丸爆華〟:背後へ向かって炎が噴き出す。複数の関節から、夜気を焦がすように。
    〝弾丸爆華〟:姿勢がほんの少し前のめりになった──いざ、いざ、いざ、
    陶妙算:「はい、悪い人も、好きなんです。」
    陶妙算:各部位の炎の強さを見極めようとする。
    陶妙算:そのわずかな出力の違いから、相手の軌跡を、その到達時間を見極め
    陶妙算:必殺の一閃を、いざ!
    〝弾丸爆華〟:「じゃあ俺でもいいんじゃねえかなぁっ──!!」
    〝弾丸爆華〟:──と。
    〝弾丸爆華〟:男が踏み出そうとした、その時だった。
    GM:軽快な音楽が、男の懐から鳴り響いた。
    GM:きっと現代に生きる人間なら、飽きる程に聞いている曲だろう。
    GM:スマートフォンの一部端末の、デフォルトの着信音であった。
    〝弾丸爆華〟:「……! はい、もしもし!」
    〝弾丸爆華〟:男は、物凄い勢いで後方に飛んでいた──飛ぶと同時、左手が懐からスマートフォンを抜き打ち、耳へ押し当てていた。
    陶妙算:男の鼻先を、伯耆安綱の一閃がかすめ
    陶妙算:不意に弛緩したその空気に、しばしの間呆然としてしまう。
    〝弾丸爆華〟:「どしたのシヴァちゃん! え、俺!? ちょっとだけ取り込み中、いやちょっとだけ!」
    〝弾丸爆華〟:少し間合いを誤れば鼻を失っていた──そういう局面でありながら、
    〝弾丸爆華〟:「今から来いって? もー行くよ行く行く、3分で行っちゃう! カップラーメンに今からお湯入れたらベストなタイミングで着いちゃう!」
    〝弾丸爆華〟:電話向こうの誰かに、男は喜色を随分とハッキリ示して応答する。
    陶妙算:「ほら。」
    陶妙算:「せっかくの、二人きりの逢瀬だというのに、そうやって他の人との電話の夢中になるんですもの。」
    〝弾丸爆華〟:「…………」スマートフォンを操作し、此方側のマイクをオフにして、
    〝弾丸爆華〟:「悪いっ!」小太刀を持ったままの右手で、拝むように詫びる。
    陶妙算:「そんな人をお相手として定めるなんて、できません。」
    〝弾丸爆華〟:「ごめんってー。もー、そんな拗ねなくてもいいじゃんよう」
    〝弾丸爆華〟:「ちゃんとまた会いに来るから! 今度はちゃんと時間ある時に!」
    〝弾丸爆華〟:「……んで」
    〝弾丸爆華〟:ぼうっ
    〝弾丸爆華〟:足裏からの炎が強まり、男の体は更にまた遠く間合いを離して、
    陶妙算:「ふうん」
    陶妙算:「名前も教えずに、言っちゃうんだ。」
    陶妙算:相手が期待しているように、上目遣いに少し拗ねたような視線を送る
    〝弾丸爆華〟:「つれない男の方が好きかなって思ったんだけど、そういうのじゃ無い感じ?」
    陶妙算:「僕が好きなのは、ちょっと悪いとこもあるけど優しい人ですので」
    陶妙算:優しげな桃の香りを漂わせながら、そう言う
    〝弾丸爆華〟:「じゃあ俺、条件に完全一致じゃん! ……うそうそ、彼氏とか居るってことでしょ、分かる分かる」
    〝弾丸爆華〟:「大丈夫。俺、彼氏持ちを横取りしようとか考えないから!」
    〝弾丸爆華〟:「……奪うのは武器だけだ。ちょっと必要があってね」
    〝弾丸爆華〟:大気が揺らぐ。
    〝弾丸爆華〟:陽炎が男の体を、徐々に夏の夜へ溶かして、
    陶妙算:「けど、その理由は教えてくれないんですよね」
    陶妙算:「悪い人、だから」
    陶妙算:そのゆらぎに一切動じず、男から視線を切らさない
    〝弾丸爆華〟:「〝弾丸爆華(ブラストチャージ)〟──秘密とか有った方がいい男っぽいだろ?」
    〝弾丸爆華〟:「追っかけなら大歓迎だよ、お嬢ちゃん」
    GM:陽炎が消える。
    GM:男の姿ごと、夏の夜の陽炎が消えた。
    GM:そうして夜はまた、蒸し暑いばかりの、平凡な梅雨の夜になった。
    陶妙算:「そうですね。待ってるだけは、性に合いませんから。」
    陶妙算:鈴の鳴るような軽やかな声が、少年の口から漏れ
    陶妙算:そして、夜の闇に溶けていった

    GM:ロイス取得のみ可!
    陶妙算:敵?/〝弾丸爆華〟/好意/警戒○
    陶妙算:以上で
    GM:OK!


    シーン1


    GM:全員登場!
    陶妙算:1d10+50
    DoubleCross : (1D10+50) → 1[1]+50 → 51

    陶妙算:めっちゃ落ち着いてる…!!
    二階堂 双次郎:49+1d10
    DoubleCross : (49+1D10) → 49+2[2] → 51

    GM:ただでさえ侵蝕が増えない構築のくせに
    三楼人 椿:37+1d10
    DoubleCross : (37+1D10) → 37+1[1] → 38

    三楼人 椿:おちつき~
    二階堂 双次郎:落ち着きすぎてる…
    GM:全体的にローテンションだ

    GM:──N市内UGN施設。
    GM:そうだな。平凡な会議室である、としておこう。
    GM:あなた達はそれぞれに呼び出され、会議室の適当な椅子に座っているか、
    GM:たまにひねくれ者ならば壁を背に立っていたりもするが、それは良いとしよう。
    陶妙算:資料の置かれた椅子に端正な挙措で座っています
    涼風 こころ:「点呼を取ります──二階堂 双次郎さん」
    二階堂 双次郎:(今日は初めて会う人が多いなぁ……)「あっ、はい………」
    涼風 こころ:「陶 妙算さん」と、まずはUGN所属の二人の名を呼ぶ
    陶妙算:「はい。」
    陶妙算:と鈴の鳴るような声で返事をします
    涼風 こころ:「それから、三楼人 椿さん──あれ」
    涼風 こころ:「……あっ、あの時の」
    三楼人 椿:「ほい」
    三楼人 椿:人懐っこい笑みを浮かべたまま返事をする。
    三楼人 椿:「あぁ、あん時以来だな。あれから元気にしてたか?」
    涼風 こころ:「まぁ、それなりに」と社交辞令で返す、屋内でも麦わら帽子を頭に乗せたままの少女
    二階堂 双次郎:(妙算、か……もしかして男性だったりする感じ?いやでも名前だけで判断するのも失礼かな…)声にならないような声で独り言を言っている
    陶妙算:その独り言に気づいたのか
    涼風 こころ:「またインリークォ絡みの事件……運が無いんですね」
    陶妙算:二階堂さんの方を振り向いた、水仙の花が綻んだかのような笑みを作ります
    二階堂 双次郎:「ひょえっ!………」ふいに向けられた笑みに驚いて硬直してしまう
    三楼人 椿:「はは、まぁその分悪運は強い方だからさ」目を三日月型に歪めて、かるく声にだして笑ってから
    二階堂 双次郎:(あれ……もしかして聞かれちゃってた?………いかんいかん、任務の説明を聞かなきゃ…)
    涼風 こころ:「お集まりいただきありがとうございます。バイトオペレーターの涼風 こころです」
    涼風 こころ:「今回は正規人員が二名、イリーガルが一名。監視中が一名の四名での任務となります、よろしくお願いします」
    二階堂 双次郎:「よ、よろしく、お願いします…………あの、監視中というのは……?」
    二階堂 双次郎:恐る恐る手を挙げながら訪ね
    涼風 こころ:「はい、私です。つい最近までFHで戦闘員をさせられてたので……」
    涼風 こころ:「部屋の外とか、割と近いところで様子を窺ってる人がいたら、あなた達じゃなく私を監視してる人だと思いますのでご安心ください」
    陶妙算:「了解しました。」
    二階堂 双次郎:「な、なるほど………」
    三楼人 椿:「わかった」
    陶妙算:「ちなみに貴方が所属されていたセルというのは」
    涼風 こころ:二階堂が言い淀む様子を見て、表情はさほど変えぬまま
    陶妙算:「インリークォと近しい組織、ということなのでしょうか?」
    涼風 こころ:「FHからの離反者はできませんか?」
    涼風 こころ:……と答えてから、その視線を陶へと向けて
    涼風 こころ:「いえ。インリークォそのものです」と、強くは無いがはっきりと言う。
    GM:※FHからの離反者は信用できませんか?
    陶妙算:「なるほど。」
    陶妙算:「そして、上層部は貴方のその経歴が今回の任務に有意に働くと」
    陶妙算:「そう考えたわけですね。」
    涼風 こころ:「そうでもありますし、少し違うところもあります」
    陶妙算:「なら、僕には不安も不満もありません。改めて、ご協力お願いします。」
    涼風 こころ:「そこは順を追って説明させてもらいますが──その前に」
    陶妙算:柔らかな茶色の瞳を、優しげに細めながらいいます。
    二階堂 双次郎:「別に!そそそ、そんな信頼できないとか言うつもりはなくて……FHに居たのも、いろいろ事情があるのでしょうし……」
    涼風 こころ:「不安がある方の意見というのも聞いておかなければならないかな、と」
    三楼人 椿:「ま、一応俺も言っておくと……彼女とは前の仕事で関わったこともあるし、特に不安はないぜ」「よろしくな」
    涼風 こころ:「──では、今回は民主主義を採用します。多数決です」
    陶妙算:「それに、二階堂さんは多分元々こういう顔色……という方だと思いますし。」
    陶妙算:「はあい、あまり気になさらないでください。」
    涼風 こころ:「……一応だけ。このメンバーでの作戦行動が不安だと思った場合、いつでも良いので仰ってください」
    涼風 こころ:「その場合、直ぐに代わりの人員を探すよう、担当官に申請します」
    涼風 こころ:こほん、と咳払いを一つ挟んで
    二階堂 双次郎:「……どういう経緯が有ったにしても……」
    二階堂 双次郎:「今あなたとこうして……同じチームとしてここに居る……信頼するには、それで十分なので……」
    二階堂 双次郎:おどおどしながらも真っすぐな眼で涼風を見て
    陶妙算:「では、全員同意見ということで」
    陶妙算:「改めて涼風さん。今回の任務についての説明をお願いします。」
    涼風 こころ:「では、改めまして」
    涼風 こころ:と、説明を始める。
    GM:あなた達が集められた理由を端的に言えば、〝インリークォ〟セル絡みの案件だ。
    GM:三楼人 椿が、インリークォの研究員に接触を受けたこと。加えて、
    涼風 こころ:「陶 妙算さん。所属不明のオーヴァードに襲撃された、という話でしたが」
    涼風 こころ:「その時の状況を教えてもらえますか?」
    陶妙算:「はい」
    陶妙算:「かしこまりました。」
    陶妙算:と言って立ち上がり、自分が襲撃された経緯を語ります。
    陶妙算:相手は、金髪の軽薄そうな男であったこと
    陶妙算:炎を使った瞬間的な加速を利用した戦闘方法を使用すること
    陶妙算:その目的が、自分というよりも自分の持つ刀であったこと
    陶妙算:そしてその男は〝弾丸爆華〟と名乗ったこと
    陶妙算:「以上です。
    陶妙算:「ちなみに、皆さんのうちに〝弾丸爆華〟という名に心当たりの有る方は?」
    涼風 こころ:「私が。……そうですね、先に二階堂さんにも──」
    涼風 こころ:言葉を句切り、椅子に座ったまま、改まったように背筋を伸ばして、
    涼風 こころ:「二階堂さんも、同様に襲撃を受けたそうですね?」
    二階堂 双次郎:「…………あっ、はい…お、恐らく〝弾丸爆華〟とは違うと思われますが……」
    二階堂 双次郎:「……糸使いの女性で、髪が……こう、三色に分かれた大分奇抜なオーヴァードでした……」
    涼風 こころ:「こういう女性でしたか?」と、写真を一枚差し出す
    GM:その写真は、おそらくは数年前のものだろう。髪型、髪色共に今と相違はあるが、
    GM:顔立ちは間違い無く、あなたが遭遇したオーヴァードと同じだ、と断言して良い。
    二階堂 双次郎:「ああ、はい!この人です……狙いは恐らく」
    二階堂 双次郎:「僕の兄と………〝ゾディアックウェポン〟……だと思います」
    涼風 こころ:「…………なるほど」
    涼風 こころ:「実は、この写真なんですが──インリークォセルの研究員からの提供なんです」
    陶妙算:「貴方の他にも内通者が?」
    涼風 こころ:「〝夢惑う羽(ピエリナエ)〟──最上 由良。下級研究員で、特に大きな権限がある訳でも無い……下っ端ですね」
    涼風 こころ:「……と。内通者と呼ばれるのは、こう……間違ってないんですけど、とっても微妙な心地が……」
    涼風 こころ:「……いえ、間違ってないんですけど」
    陶妙算:「あ、ごめんなさい。」
    三楼人 椿:「〝夢惑う羽(ピエリナエ)〟……って、あいつ……」
    陶妙算:「え、えっと、では協力者で、どうでしょう?」
    涼風 こころ:「そうですね、それくらいだと気分が楽です。FHに居たのは事実ですし、あまりお気になさらず」
    陶妙算:「三楼人さんの知己の方ですか?」
    三楼人 椿:「知己……ってわけじゃねえな。うん」
    陶妙算:目の縁いっぱいにみなぎる茶色い瞳を三楼人さんに向ける
    三楼人 椿:「俺も、そいつから情報提供を受けたんだよ」
    陶妙算:「それは……」
    二階堂 双次郎:「…………随分協力的な人がいるんですね……」
    陶妙算:「また、奇妙な縁ですね。」
    三楼人 椿:「死ぬほど緊張してるみたいな、変わった喋り方の奴だったんだけど……」もらった手紙、あわせて二通を取り出して
    三楼人 椿:「……まぁ、協力的、って言って良いのかはちょっと何だけどな。」
    陶妙算:「ふむ…」
    三楼人 椿:手紙をテーブルの上に。中身はとある研究員の研究所の所在地。
    三楼人 椿:「〝毒持つ翼(ポリスティナエ)〟。だったっけな。そいつ曰く」
    三楼人 椿:「『嫌いだからぶっ潰してくれ』……だと」
    二階堂 双次郎:「インリークォ………内乱が有ってもおかしくないセルだとは思いますけど……」
    陶妙算:「なるほど。私情ですか。」
    陶妙算:「直感で良いので、教えてほしいのですが。」
    陶妙算:三楼人くんに柔らかな茶色の瞳を向ける。
    陶妙算:「三楼人さんには、その、〝夢惑う羽(ピエリナエ)〟の嫌悪と怒りが」
    陶妙算:「信用できるものに映りましたか?」
    三楼人 椿:「……」
    三楼人 椿:「わかんね」
    三楼人 椿:両手を天秤のように掲げ、肩をすくめる。
    陶妙算:「わかりました。」
    三楼人 椿:「本気かどうかとか、信用できるかはともかく、表面的にはたしかに嫌ってるようにみえたぜ」
    陶妙算:「けれど、こちらに何か隠しているという可能性を否定できるほどに。」
    陶妙算:「向こうも胸を開いているわけではないということですね。」
    三楼人 椿:「そういうこったな」
    二階堂 双次郎:「敵の敵は味方………とはいかない感じですね……」
    陶妙算:「では、こちらの情報を洗う際にはそのことを念頭に置くようにいたします。
    陶妙算:「ええ、全く世情は複雑怪奇です。」
    陶妙算:二階堂のつぶやきに柔らかく微笑みながら返答する
    陶妙算:同時にほのかに桃の香りが溢れ出す
    陶妙算:「とりあえず」
    陶妙算:「僕たちが話せる情報としては、この程度でしょうか?」
    陶妙算:「今のところは、複数のオーヴァードがそれぞれの目的で動いている。という程度のことしかわかりませんが。」
    陶妙算:「上層部は、その裏に何かが有る。少なくともその可能性があると、見ているわけですね?」
    二階堂 双次郎:(話を纏めるのも上手いし……す、すごくいい匂いがする)
    三楼人 椿:(なんかいい匂いすんな……)
    涼風 こころ:「もう少々、話せる情報はあります。私の分が」
    陶妙算:「ああ、申し訳ありません。」
    陶妙算:「お聞かせ願えますか?」
    涼風 こころ:「……私にも〝夢惑う羽(ピエリナエ)〟からの接触がありました。先ほどお見せした写真と」
    二階堂 双次郎:(それに比べて俺は……特に最近は単独任務が多かったからうまく馴染めるかどうか……)
    涼風 こころ:「もう一枚。金髪の軽薄そうな男というのはたぶん、この人物かと」
    GM:同様に写真を一枚。こちらも数年前、まだ髪を染めていない時期ではあるが、顔立ちには面影がある。
    陶妙算:その写真をじっと見つめ
    陶妙算:「確かに」
    陶妙算:「幾分か若い感じますが、たしかに面影はあります。」
    涼風 こころ:「〝無尽無刀〟と〝弾丸爆華〟。この両名が〝毒持つ翼〟の指揮の元、UGN所属者が所有する武器類──」
    涼風 こころ:「中でもとりわけ、直接対象に斬撃を与える武器」
    涼風 こころ:「……つまり、〝相手の血に触れる武器〟を集めているというのが、私への接触内容でした」
    陶妙算:静かに、腰元に差した伯耆安綱に触れる。
    二階堂 双次郎:「!………」
    陶妙算:「"斬る"のではなく、"殺す"のでもなく。"血に触れる"ことを主においている、と」
    涼風 こころ:「はい。切れ味を求めているのではないのでしょう」
    涼風 こころ:「確認した所、既にUGN内で同様の襲撃が、他に七件。うち五件で実際に、〝対オーヴァード戦で使用した経歴を持つ刀剣類〟が奪われています」
    三楼人 椿:「相手の血に触れる、ねぇ」
    涼風 こころ:「その内の幾つかは、例えばキュマイラの膂力を前提に作られた重量のものであったり」
    涼風 こころ:「或いはブラックドッグシンドローム由来の電力で駆動するチェーンソーであったり。他人が武器として用いるのには適さないものも含まれます」
    二階堂 双次郎:「……単なる武器集めではない、と………」
    三楼人 椿:……自分の武器は、何年も前から荒事に使っているが、腰や懐にさしているようなものではない。
    陶妙算:「インリークォは、生物の研究開発を得意とするセルと伺ったことがあります。」
    陶妙算:「それが"血に触れた武器"を求めてるというのは、何か、不気味なものがありますね。」
    三楼人 椿:さらに、特に銘があるわけでもない数打ちの両手剣。相手の求める所ではないからか、まだ受けていないだけなのか。
    二階堂 双次郎:「…………ブラム=ストーカー能力が関わってるとか……僕にはそこまでしか考えられませんね」
    三楼人 椿:「……二人にわかんねえなら、俺もわかんねえわ」
    陶妙算:「安心してください。僕も似たようなものです。」
    涼風 こころ:「わかることは、ひとつ」
    涼風 こころ:「おそらく奪われた刀剣類は、非人道的な目的に利用されるだろうということです」
    涼風 こころ:「なので、今回の私達チームは」
    涼風 こころ:「〝刀剣類の奪還〟と、〝内通情報の精査〟を行い──可能ならば密告を受けた研究所を」
    涼風 こころ:「その機能が停止するまで叩くことが、目標となります」
    陶妙算:「明確な目標設定、助かります。」
    三楼人 椿:「おう、了解!」
    二階堂 双次郎:「……幸か不幸か〝無尽無刀〟は僕……正確には違うんですけど、」
    二階堂 双次郎:「今のところは僕個人に注意を向けていると思うんで……いくらでも囮に使ってください……」
    涼風 こころ:「……武器ではなく、二階堂さん個人にですか?」
    二階堂 双次郎:「…………ええ」
    陶妙算:「お志は立派だと思いますが。」
    二階堂 双次郎:「〝無尽無刀〟は……僕を二階堂壱志だと」
    三楼人 椿:「えぇーっと、二階堂……さん?」
    陶妙算:「僕たちの武器が奪われたら、その分敵の計画をすすめることにもなります」
    陶妙算:「一人で犠牲になろうとせず、チームで頑張りましょう。」
    三楼人 椿:「あんまそういう、自分を道具みたいに言うの、控えたほうがいいですよ」「こう、うまく言えないんスけど」
    陶妙算:「そのために、僕たちは集まったんですから」
    二階堂 双次郎:「僕の……双子の兄だと思っている様です……」
    涼風 こころ:ぱらぱら、と手元の資料を捲る。二階堂 双次郎の項目を閲覧し、
    二階堂 双次郎:「あ、いやその、すみません…………いや、こういう時は……」
    二階堂 双次郎:「ありがとう…ございます………ですかね」上手く笑えないなりに頑張って作った笑顔で
    陶妙算:「ええ、改めて、宜しくおねがいします」
    陶妙算:清らかな白い肌に、ほんのり血がのぼった薔薇の頬を綻ばせながら言います
    三楼人 椿:「おう、よろしくおねがいします!」にっ、と人懐っこい笑みを浮かべながら
    二階堂 双次郎:(この優しさに……報わなきゃな……)二振りの愛刀の柄を強く握り、決意を

    GM:ロイス&調達が可能!
    陶妙算:うおー!
    陶妙算:ボデマ!
    陶妙算:1dx
    DoubleCross : (1R10[10]) → 8[8] → 8

    陶妙算:ダメ!
    陶妙算:同僚/二階堂 双次郎/有意○/不安
    陶妙算:以上で
    二階堂 双次郎:自分は応急キットを!
    二階堂 双次郎:2dx+2>=8
    DoubleCross : (2R10+2[10]>=8) → 10[8,10]+6[6]+2 → 18 → 成功

    二階堂 双次郎:ボデマ買えたやんけ!
    陶妙算:めっちゃ買えてる
    三楼人 椿:ロイス
    同行者 二階堂双次郎 ○有為/不安

    三楼人 椿:とりあえず調達はぼでま
    二階堂 双次郎:ロイス 陶妙算 〇なんかいい匂いする…/劣等感
    三楼人 椿:1dx+4>=12
    DoubleCross : (1R10+4[10]>=12) → 8[8]+4 → 12 → 成功

    三楼人 椿:ぴったり成功! 装備!
    陶妙算:調子がいいぜ
    GM:ボデマ率が高まっていく

    シーン2


    GM:登場の前に情報項目提示
    情報項目
    【刀狩り】 目標値8 《情報:UGN》
    【〝夢惑う羽(ピエリナエ)〟よりの情報精査①】 目標値9 《情報:FH》or《情報:噂話》
    【〝無尽無刀(シヴァ・タクト)〟】 目標値11 《情報:UGN》or《情報:噂話》

    GM:三つだが、追加情報が出る可能性もあるし、やや難易度が高いこともある。複数シーンに分けて攻略するつもりで来るが良いぞ。
    GM:挑戦したい人は登場侵蝕!
    陶妙算:いくぜーー!!
    陶妙算:1d10+51
    DoubleCross : (1D10+51) → 3[3]+51 → 54

    二階堂 双次郎:もちろん行きます!
    陶妙算:ひっく
    三楼人 椿:イクゾー!
    三楼人 椿:1d10+38
    DoubleCross : (1D10+38) → 9[9]+38 → 47

    二階堂 双次郎:51+1d10
    DoubleCross : (51+1D10) → 51+5[5] → 56

    陶妙算:どうしようかな。
    陶妙算:とりあえず
    陶妙算:【刀狩り】 目標値8 《情報:UGN》
    陶妙算:をいかせてもらっても?
    陶妙算:自分のシナリオロイスだし!
    二階堂 双次郎:バディムーブあるんで欲しい時は言ってください……
    陶妙算:いくぜ!コネUGNを使って
    陶妙算:3dx+3
    DoubleCross : (3R10+3[10]) → 7[1,6,7]+3 → 10

    陶妙算:足りた!大丈夫!
    GM:固定値3がなー、強いのよなー
    陶妙算:UGNの情報を出してくれるGMの優しさにすべてを掛けている
    GM:じゃあ、そうだな。先に刀狩りの開示してしまおう
    【刀狩り】
    ここ数日、貴重な刀剣を持つオーヴァードが襲撃され、刀剣を奪われる事件が数件発生している。
    犯人は二人。
    〝無尽無刀(シヴァ・タクト)〟──数十本の鋼糸を操る〝奇剣士〟。
    〝弾丸爆華(ブラストチャージ)〟──言うなれば〝人間ロケットエンジン〟。
    いずれも比較的最近になってUGNのデータベースに掲載されたオーヴァードである。
    奪われた刀剣はEXレネゲイドであったり遺産であったり、そうでなくとも尋常ならざる力を持つものだ。

    襲撃された者達の共通の証言として、
    ・姿や素性を隠そうとしているようには見えない
    ・命を奪う──つまり口封じを企てるそぶりは無かった
    という二点が浮上する。

    二階堂 双次郎:では自分は無尽無刀ちゃんを
    三楼人 椿:じゃあ夢惑う羽いきます
    二階堂 双次郎:コネ:UGN幹部使用!ダイス2個増加
    二階堂 双次郎:4dx+1
    DoubleCross : (4R10+1[10]) → 8[1,5,5,8]+1 → 9

    三楼人 椿:1dx+2>=9
    DoubleCross : (1R10+2[10]>=9) → 6[6]+2 → 8 → 失敗

    三楼人 椿:財産点なんてものはない
    陶妙算:バディムーブ!!
    二階堂 双次郎:財産2点使っています自分の分を成功させます
    二階堂 双次郎:そして…バディムーブ!
    二階堂 双次郎:椿さんの達成値を…+3!
    陶妙算:出来るチルドレンムーブだ!!
    GM:一人で二人分の判定を成功に持って行けるの強い
    三楼人 椿:うおー!
    GM:再登場の侵蝕を二人分節約って事だもんな……
    GM:では
    二階堂 双次郎:エリートなんで……
    【〝夢惑う羽(ピエリナエ)〟よりの情報精査①】
    三楼人 椿と接触した際に提供した住所は、〝毒持つ翼〟がFH加入時より使っている研究所であるようだ。
    傍目には平凡な家屋のようだが、FHの戦闘員とおぼしき人員の出入りが確認できる。
    その中には〝無尽無刀〟と〝弾丸爆華〟らしき人物も含まれる。

    おそらくこの情報は〝真〟である。

    【〝無尽無刀(シヴァ・タクト)〟】
    素性が判明した。
    本名、縄手 ヤツメ。市内の定時制高校、紡方高校に通っている。18歳。

    数年前、コードネームも与えられない、はしたの戦闘員として二階堂 壱志と交戦していたと確認できた。
    その時点では、ワーディングとリザレクト程度の力しか持たない非力なオーヴァードであったようだ。
    いかなる手段でか、現在では単独行動が可能なレベルの戦闘力を得ている。


    GM:──あなた達はそれぞれ、何らかの手段での調査を行った。
    GM:聞き込み調査だったり、UGN内の資料をひっくり返したり、諜報班への依頼を行ったり、方法は様々だが。
    GM:ひとまず、各々がそれなりの情報を得た頃合い。
    GM:UGNよりの支給端末に、涼風 こころからのメールが届くだろう。
    涼風 こころ:『会議室じゃなく、宿直室に集まってください』
    GM:と。

    GM:宿直室。
    GM:窓辺に吊された風鈴が、ちりん、ちりんと鳴っている。
    GM:扇風機がぶんぶんと唸りを上げながら、首を左右に振っている。
    GM:盆の上にコップが四つ。冷蔵庫から出したばかりなのだろう、麦茶の冷えたペットボトル。
    GM:切り分けたスイカが乗った皿、丸テーブル。
    GM:そしてテレビに繋がれたゲーム機とコントローラー複数に、少し昔の流行りのパーティーゲーム。
    涼風 こころ:「おかえりなさい」と出迎える少女は、扇風機の前で、顔を団扇で扇いでいた。
    陶妙算:「…なんとも、風情がありますね。
    三楼人 椿:「えぇーっと、なんとも……」
    陶妙算:目の前に広がる風景に少し困惑しながら、なんとか言葉をみつけます
    三楼人 椿:反対に、とっさに言葉がみつからずに少し置いてから
    二階堂 双次郎:「………ただいま……って言うべきなんですかね……?」
    三楼人 椿:「えっと……こういうの、好きなのか?」とりあえず丸テーブルのちかくに座って
    涼風 こころ:「親睦を深めた方がいいと思って」真顔である。
    涼風 こころ:それから、こくんと強めに頷いて
    涼風 こころ:「ほぼ唯一の趣味」
    涼風 こころ:と、ゲーム機を指差す。
    陶妙算:「それは、お気遣いありがとうございます。」
    陶妙算:扇風機の風が陶のカラスのように黒い髪を揺らし
    二階堂 双次郎:(人の家い入るのもかなり久々だな……しかも女性の!……)そわそわしている
    陶妙算:その風を目を細めながら心地よさそうに受ける
    三楼人 椿:「なるほどな……たしかに親睦は大事だ」「ほら、二階堂さんも座って」
    陶妙算:少し、間をおいて、しゃなりと端正な挙措でテーブルに座ります
    涼風 こころ:膝で畳の上を横に動いて、扇風機の前を空ける。
    涼風 こころ:それから、カットしたスイカの一切れを手に取りつつ、
    涼風 こころ:「一応、私の進捗から。……と言っても大きな成果はありません。〝毒持つ翼〟の指揮下にある戦闘員に動きが無いかを調べたんですが」
    涼風 こころ:「無し。動いてるのはおそらく、刀狩りの二人だけです」
    涼風 こころ:そこまで喋って、しゃくしゃくとスイカを齧る。
    陶妙算:とくりとくり、と器へお茶を注ぎ
    陶妙算:露に濡れた果実のような唇へと運んでいく
    陶妙算:こくり、こくりとまだ喉仏のないつるりとした喉が優しく上下する
    陶妙算:「なるほど」
    二階堂 双次郎:「刀狩り、か……」
    二階堂 双次郎:真剣な表情で聞いているがその手にあるのはスイカだ
    陶妙算:「その、刀狩りについてですが。」
    陶妙算:「やはり〝無尽無刀〟と〝弾丸爆華〟が動いているものとみて間違いないと思います。」
    陶妙算:「それ以外の人間が動いているかは確認ができませんでしたが、涼風さんがいないというのなら、そういうことなのでしょう。」
    陶妙算:「それと」
    陶妙算:「少し気になることが二点」
    陶妙算:「彼らはどうやら、自分たちの正体を隠す気もなく」
    陶妙算:「そして武器を奪うだけで相手を殺してもいない。つまり、情報の封鎖も行っているようにはみえないのです。」
    陶妙算:「ただ、粗雑なだけならいいのですが。」
    陶妙算:「あえて目立ち、揺動をしているようにも見えますね。」
    陶妙算:「お二人の調査では、何か掴めましたか?」
    陶妙算:月に輝くような雪の頬を、優しく綻ばせながら二人に問いかけます
    二階堂 双次郎:「……自らの行動を隠さないというのは……〝無尽無刀〟もそうでした」
    二階堂 双次郎:「僕は彼女から尾行を受けていたのですが……気配を隠すそぶりも見られませんでした」
    二階堂 双次郎:「そのおかげか、素性も簡単に割れましたね」
    陶妙算:「やはりそれは」
    陶妙算:「貴方が、彼女にとって特別な存在…少なくとも彼女が総認識しているから、というわけではなく
    陶妙算:「共通のやり方として、そのような襲撃方法を選んでいるわけですね。
    二階堂 双次郎:「そう思われます」
    二階堂 双次郎:「〝無尽無刀〟……本名、縄手ヤツメ。定時制の紡方高校に通っているようです……」
    陶妙算:「その、お兄さんとの因縁というのは」
    陶妙算:「何か掴むことは出来ましたか?」
    二階堂 双次郎:「……以前はコードネームすらない無名の戦闘員でしたし、兄からも話を聞いたことはありませんでした。が……」
    二階堂 双次郎:「かつて兄が単独で引き受けた任務の中に」
    二階堂 双次郎:「インリークォセルの拠点の一つへの破壊工作任務が有り…ちょうどその時期に彼女もその拠点に配属されていたようです」
    陶妙算:「因縁、というのは少々不十分ですが。」
    陶妙算:「その任務の際に貴方のお兄さんと彼女の間に、何かがあった可能性は」
    陶妙算:「十分にありますね。」
    陶妙算:「そこで何があったのか。」
    二階堂 双次郎:「彼女は……かつて兄がゾディアックウェポンの使い手であったことを知っていました」
    陶妙算:「それは、彼女の動機を知るには、必要なことの一つだと思います
    陶妙算:そう言って、二階堂さんの言葉の続きを待ちます
    二階堂 双次郎:「それに……その言葉から兄に対する復讐の念も伝わってきました」
    二階堂 双次郎:「当時の彼女は固有の能力を殆ど持たない非力なオーヴァードだったと資料にはありました」
    陶妙算:「可能性ではなく、確信があるわけですね。」
    陶妙算:「彼女と、貴方達の間に」
    陶妙算:「断ち切らねばならない因縁が有ると」
    二階堂 双次郎:「…………ええ。そして……彼女は今は糸使い…〝無尽無刀〟の名に恥じない強さを身に着けています」
    陶妙算:その言葉にこくりと頷いて
    二階堂 双次郎:「……兄はもう戦えない身。その因縁は……僕が背負い、そして……この手で断ち斬るつもりです」
    陶妙算:「あまり、気負いすぎないでくださいね。」
    陶妙算:と言って、三楼人さんに視線を向けます
    陶妙算:「すいません。少々話が長くなってしまいました。」
    三楼人 椿:「ん。いや、いいよ」
    陶妙算:「三楼人さんからも、何か補足はありますか?」
    三楼人 椿:「俺も、血はつながってないけど、姉ちゃんがいるからさ……っと、そうだそうだ」
    三楼人 椿:「“夢惑う羽”の情報。あれの裏がとれた」
    二階堂 双次郎:「………ほう」
    三楼人 椿:「手紙の住所。あれは、“毒持つ翼”がFH加入時からつかってるトコだそうでな」
    三楼人 椿:「パッと見は民家なんだけど、FHの人間がちょくちょく出入りしてる」
    陶妙算:「木を隠すなら森の中、ですか。」
    三楼人 椿:「んで、その中に」
    二階堂 双次郎:「……以外と溶け込んでるんですね……」
    三楼人 椿:「派手な髪色の女の子──“無尽無刀”と、金髪の男──“弾丸爆華”もいた」
    三楼人 椿:「まだちょっと怪しいところもあるけど……情報に関しては、信用していいとおもう」
    陶妙算:「彼らがそこに出入りしてるということは」
    陶妙算:「彼らが集めた武器も、少なくとも一度はそこに集まるとみてよいのでしょうね。」
    二階堂 双次郎:「……なんか不良のたまり場みたいだ……」
    涼風 こころ:「可能性としては。けど、そこまではまだ確証が持てませんね」
    陶妙算:「直接踏み込むことができればよいのでしょうが。」
    涼風 こころ:「おそらくは其処だろう、と推測はできますが、万が一に別な場所だった場合」
    涼風 こころ:「襲撃を機に場所を移されでもしたら、少々面倒なことになります」
    涼風 こころ:「確実な特定に加えて、突入時の撃ち漏らしを防ぐ為の戦闘班増員を申請した方がいいでしょう──正規人員の方にお願いできますか?」
    陶妙算:「了解です。」
    二階堂 双次郎:「……任せて…下さい……」
    陶妙算:「そしてその許可が降りるまで、極力細部の情報を詰めていく」
    陶妙算:「そういった方針でよろしいですか?」
    涼風 こころ:「はい、或いは──」
    涼風 こころ:と言いかけながら、ゲーム機のコントローラーの一つを手に取り、
    涼風 こころ:「ちらっ」
    涼風 こころ:とあなた達を見る。
    三楼人 椿:「……えっと」
    涼風 こころ:「30分だけでいいんで」
    三楼人 椿:「……許可が降りるまで、ゲーム?」
    涼風 こころ:「駄目ですかね」
    二階堂 双次郎:「………連携をとるためにも……交流を深めるのは大事だと思うんで……」
    涼風 こころ:「お姉さんいらっしゃるって事でしたけど、お姉さんとゲームしたりとかってありませんでした?」
    三楼人 椿:「……はは。久しぶりだから、あんま強くねーぞ?」
    二階堂 双次郎:「……陶さんはどうですか…?」
    陶妙算:「皆さんが、手加減してくださるなら」
    陶妙算:「その、こういうゲームをあまりしたことがないので」
    三楼人 椿:「大丈夫、俺も似たようなもんだから」
    二階堂 双次郎:(兄さん以外とするゲームなんて初めてかも……)うずうずしている
    涼風 こころ:「では」と、表情はつとめて変わらないようにしながらも、うきうきとした様子でメニュー画面を操作しながら
    涼風 こころ:「…………」ふと、その手が止まって押し黙り、少ししてから口を開く。
    陶妙算:「何か、トラブルでも?」
    陶妙算:不安げな表情
    涼風 こころ:「三楼人さんと二階堂さんは、ご兄弟がいらっしゃるんですね。陶さんは?」
    涼風 こころ:「……いえ。なんだかちょっと、羨ましいなあって思ったりしまして」
    陶妙算:「僕も、兄弟はいませんよ」
    陶妙算:「ふふ、仲間ですね」
    涼風 こころ:「お仲間さん、ですね」
    陶妙算:と少し優しげに笑います。
    三楼人 椿:「おー? なんだ、2体2でやるかー??」
    涼風 こころ:「おっ」
    陶妙算:「ええ、兄弟がいる恵まれた二人をボコボコにしてあげましょう。」
    涼風 こころ:「ちょうどいい、確かにそれなら平等だと言いたいところですが」
    二階堂 双次郎:「ゲームだけは……兄さんに負けたことがないから……!……負けないよ」
    涼風 こころ:「1 VS 3でも結構です。自信はあります」
    涼風 こころ:また少しの間。
    涼風 こころ:にっこりと、顔一杯で笑顔を作って、
    涼風 こころ:「同じくらいの歳の人と、こうやって集まって遊ぶの、初めてです」
    陶妙算:「ふふ、その経験は僕はちゃんとありますよ。」
    陶妙算:少し自慢げにいいます
    涼風 こころ:「FHに居たころも、同じくらいの歳の子はいました。同じ境遇の子も。……きょうだいみたいに育てられた子も」
    涼風 こころ:「けど、こんな風に遊ぶの初めてで、私、すごく浮かれてます」
    涼風 こころ:「私、今、普通の子みたいじゃないですか?」
    陶妙算:「涼風さんは、最初から、しっかりした普通の人でしたよ。」
    三楼人 椿:「そうそう。あ、俺でよけりゃ、まだいつでも付き合うぜ、こういうのも」
    陶妙算:「頼らせて頂いてます。」
    涼風 こころ:「いつでも、ですか」
    涼風 こころ:「なら次は六人……いや、七人でやりましょう」
    涼風 こころ:「三楼人さんのお姉さんと、二階堂さんのお兄さん」
    涼風 こころ:「……あっ。陶さんが誰かひとり連れて来てくれたら、素数じゃなくなってバランスが良くなります」
    陶妙算:「兄弟じゃなくても良ければ」
    涼風 こころ:「大丈夫です。私も兄弟じゃないひとを連れて来ますから」
    陶妙算:「ふふ」
    二階堂 双次郎:「……俄然、任務にやる気が出ますね」
    三楼人 椿:「ははは、いいけど、姉ちゃんはこういう対戦ゲームむちゃくちゃ弱いぞ?」
    陶妙算:「じゃあ、僕も大好きな友だちを連れてきますね」
    涼風 こころ:「大好きな友達、ですか」
    涼風 こころ:「やっぱり私達、2VS2がちょうど良さそうな気がします」
    陶妙算:「はい、とても大切な人です。」
    涼風 こころ:スタートボタンを押す。デモ画面が中断され、タイトルコール。
    涼風 こころ:「楽しみです」
    涼風 こころ:エアコンの無い部屋。満面の笑みを浮かべた頬に、汗が一筋。
    二階堂 双次郎:「……帰らなきゃならない理由が……一つ増えた……」
    三楼人 椿:「あーそうだな。ついでだし、兄弟じゃないけど後輩も一人連れてこようかね……」コントローラーを握りつつ笑って。
    三楼人 椿:「拗ねられたらたまったもんじゃねえし」
    二階堂 双次郎:(兄さんにはどう伝えようかな……喜んでくれるかな……)
    二階堂 双次郎:(友達が増えたって………言ってもいいかな……)
    二階堂 双次郎:コントローラーに触れながら、そんなことを考える
    二階堂 双次郎:首筋を伝う汗が、少しくすぐったい

    GM:ロイス&調達可能!
    陶妙算:ボデマ
    陶妙算:1dx
    DoubleCross : (1R10[10]) → 7[7] → 7

    陶妙算:ダメ!終わり!
    三楼人 椿:ぼでま!
    三楼人 椿:1dx+4>=12
    DoubleCross : (1R10+4[10]>=12) → 4[4]+4 → 8 → 失敗

    三楼人 椿:はい
    三楼人 椿:おわり!
    二階堂 双次郎:男はボデマを目指すもの いざ
    二階堂 双次郎:2dx+2>=12
    DoubleCross : (2R10+2[10]>=12) → 9[5,9]+2 → 11 → 失敗

    二階堂 双次郎:ここは財産点使います!装備!
    GM:金持ちめ……
    二階堂 双次郎:ロイス 三楼人 椿 〇なかなかやりますね/劣等感
    二階堂 双次郎:涼風 こころ 連帯感/〇その投げは反則だって!

    シーン3


    情報項目
    【〝夢惑う羽(ピエリナエ)〟よりの情報精査②】 目標値11 《情報:UGN》or《情報:FH》
    【〝弾丸爆華(ブラストチャージ)〟】 目標値9 《情報:UGN》or《情報:噂話》

    GM:挑戦する奴ぁ登場!
    二階堂 双次郎:行きます……!
    陶妙算:1d10+54
    DoubleCross : (1D10+54) → 1[1]+54 → 55

    陶妙算:すっげえ安定してる
    二階堂 双次郎:56+1d10
    DoubleCross : (56+1D10) → 56+1[1] → 57

    二階堂 双次郎:すげえ落ち着くじゃん これがゲームの力…
    三楼人 椿:1d10+47
    DoubleCross : (1D10+47) → 4[4]+47 → 51

    陶妙算:ゲームに癒やされすぎでしょ
    GM:そこそこ登場シーン数が重なって来た筈なのに侵蝕が伸びない
    陶妙算:〝弾丸爆華(ブラストチャージ)〟いきまーす!
    陶妙算:3dx+3
    DoubleCross : (3R10+3[10]) → 6[1,5,6]+3 → 9

    陶妙算:ギリギリ成功!
    三楼人 椿:うおおお情報精査!
    三楼人 椿:1dx+2>=11
    DoubleCross : (1R10+2[10]>=11) → 9[9]+2 → 11 → 成功

    三楼人 椿:やったぜ
    二階堂 双次郎:バディムーブ…が出る幕も無し
    三楼人 椿:あっ技能よくみてなかった
    二階堂 双次郎:すごいぜ
    三楼人 椿:情報:UGNだから固定値ないやん。
    三楼人 椿:達成値9!
    陶妙算:バディム!!
    二階堂 双次郎:足りなければ…増やせばいい!バディムーブをお食べ!
    三楼人 椿:ひゃっはー! ダブルクロスの最強無敵エンブレム!
    二階堂 双次郎:達成値+3して12にします!成功!
    三楼人 椿:あらためて達成値12で突破!
    陶妙算:頼れるエリートチルドレンだぜ
    GM:では
    【〝夢惑う羽(ピエリナエ)〟よりの情報精査②】
    涼風 こころへの提供情報──〝無尽無刀〟と〝弾丸爆華〟が〝毒持つ翼〟の命令で刀剣類を集めている──についてだが、
    刀剣の運び込まれた箇所を特定できた。
    三楼人 椿へ示された住所、その隠された地下階である。

    あなた達は確信を持って、研究所の破壊・刀剣類の奪還の為に行動できる。

    【〝弾丸爆華(ブラストチャージ)〟】
    素性が判明した。
    本名、見寺 紫炎。市内の定時制高校、紡方高校を卒業後、進学・就職はしていない。19歳。
    後輩の言葉を借りるなら〝年下の面倒見が良いバカ〟。

    戦闘データ解析より、彼と〝無尽無刀〟は、インリークォセルの生物兵器であると推測できる。
    非力なオーヴァードの戦闘力を補う為、外付けのパーツを幾つも組み込んだタイプと言おうか。
    過去に同系統の改造手術を行われた戦闘員が確認されている。改造者は〝毒持つ翼〟。

    GM:そして追加情報を一つ
    【〝弾丸爆華〟の後輩】 目標値12 《情報:UGN》or《情報:噂話》

    陶妙算:後輩…?
    陶妙算:頼むぜ二階堂さん!!
    二階堂 双次郎:僕が行きましょうか……
    陶妙算:君しかいない!
    GM:行け!!!
    二階堂 双次郎:コネ:UGN幹部使用!ダイス2個増加!
    二階堂 双次郎:4dx+1>=12
    DoubleCross : (4R10+1[10]>=12) → 8[4,4,5,8]+1 → 9 → 失敗

    二階堂 双次郎:財産パワー3点を喰らえ~~~!達成値+3して突破します!
    GM:やりおるわい
    【〝弾丸爆華〟の後輩】
    ……彼の後輩のひとりに、最上 由良という少女がいる。
    定時制高校の生徒という立場はカバーであり、その正体はFHエージェントだと判明した。

    〝夢惑う羽(ピエリナエ)〟最上 由良。
    彼女は刀狩りの二人と、以前から接点を持っているようだ。
    だが。
    親しげに接する〝弾丸爆華〟を、〝夢惑う羽〟は疎んでいる。


    GM:住宅街の端の方にある、さほど目立つところの無い家であった。
    GM:現在、この家の周辺は、地中配管破損によるガス漏れという体裁で立ち入りが制限されている。
    GM:無論。それはUGN職員による情報操作の結果であり、故に現在、あなた達は、
    GM:見とがめる者も何もなく、その家の中にいる。

    GM:台所。
    GM:さも床下の収納が有りそうな板を外すと、其処は地下階へ続く階段だった。
    涼風 こころ:「みんな、準備はいい? ……ですか?」
    陶妙算:伯耆安綱の柄に手を触れながら
    陶妙算:「「はい、いつでも」
    二階堂 双次郎:「…………抜かりなく」
    二階堂 双次郎:覚悟と共に二振りの刀を手に
    三楼人 椿:「ああ」
    涼風 こころ:「私はバックアップ。みんな前衛向きみたいだから、先に行って」
    三楼人 椿:『トリフォリウム』とつぶやく。足元の影から、黒に限りなく近い赤黒の両手剣が射出される。回転しながら落下するそれをうけとめて
    三楼人 椿:「了解」
    涼風 こころ:「熱源探知機によると、今は下には二人だけ。……たぶん、刀狩りの二人だから」
    陶妙算:「出来ることなら、初手で制圧、と行きたいですが。」
    涼風 こころ:「人数では勝ってる。けど、油断なく行こう」
    涼風 こころ:「じゃなかった。行きましょう」
    陶妙算:こころさんの言葉に少し緊張がほぐれるを感じながら
    陶妙算:「行こう、でいいですよ。その方が貴方らしい」
    涼風 こころ:「……ごめん。なんか、慣れると敬語が抜けるみたいで」
    涼風 こころ:「じゃあ、改めて」
    涼風 こころ:「行こう」
    二階堂 双次郎:「はい!……炎も糸も…斬ってみせます……!」
    陶妙算:音もなく、静かに階段を降りていく
    三楼人 椿:「おう、行くか」両手剣をかついで続く

    GM:階段の下は──個性のある空間とは言えなかった。
    GM:殺風景、と言うのが良いだろうか。
    GM:打ちっぱなしのコンクリートをペンキで白く塗ったような、雑な空間。
    GM:案外に広くはある。が、防音の対策が施されているのか、足音が反響するようなことはなかった。
    GM:……さて。
    GM:陶 妙算。唐突に聞くのだが、
    GM:君は記憶力は良い方かな?
    GM:記憶力と言っても、あれだ。世界史の暗記科目とかではなく、
    GM:初めて訪れた土地を一度歩いて、道を或る程度覚えられるか。そういう話だ。
    陶妙算:これでも普通の街を歩いていて迷子になったことはありません
    GM:そうか。そうか。
    GM:ならばきっと、この空間には見覚えがあるだろう。
    GM:此処を訪れたことがある、ということではない。
    GM:同じ形の空間を以前、見たことがあるのだ。……天井の高さ、通路の長さや配置まで。
    GM:たしか〝あの時〟は、この廊下をこう進んで、こちらに曲がったら資料室があったな、と。
    GM:〝あの時〟を参考に考えれば、おそらく刀剣類を保管できるスペースはあっちで、人が滞在する場所は此処だと。
    GM:判断できるだろう。
    GM:何故ならば。
    陶妙算:「……?」
    GM:此処は、君が〝大切な友人〟と呼ぶ彼と、初めて出会った際の任務で訪れた、
    GM:あの地下空間と同じ構造をしているからだ。
    陶妙算:あるきながら感じていた妙な既視感を感じていた理由に
    陶妙算:ようやく気づいた。
    陶妙算:ここは、あの時。"彼"と一緒に訪れた場所と似た作りになっている
    陶妙算:「すいません、皆さん。」
    陶妙算:「しばらく、僕の後に着いてきて頂いてもよろしいですか?」
    三楼人 椿:「ん? ……わかった」
    涼風 こころ:「……わかった」対オーヴァード弾を装填した拳銃を、銃口を天井に向けて保持したまま頷く。
    陶妙算:「僕は以前、ここと同じ構造の拠点に潜入したことがあります。」
    二階堂 双次郎:「……無闇に歩いてどうにかなるとは思いませんが……何か分かりました……?」
    陶妙算:「その時の記憶を辿っていけば、多分、二人が待ち受けている場所も」
    陶妙算:「奪われた武器が保管されている場所も、ある程度予想ができます。」
    三楼人 椿:「……なるほど」
    二階堂 双次郎:「……それは好都合」
    陶妙算:「どちらから行きますか?」
    涼風 こころ:「同じ構造──」数瞬の思案「──生物兵器の資料が置かれている場所は、想像がつきますか?」
    陶妙算:「まず、確実に武器を確保するか、刀狩りを倒して安全を確保するか───」
    陶妙算:と言いかけてこころさんの方に向き直ります。
    陶妙算:「そうですね。」
    陶妙算:「いくつか、実験資料をまとめていた部屋もありました。」
    陶妙算:「まずはそこを当たってみましょうか?」
    涼風 こころ:「お願い。」
    二階堂 双次郎:「……みすみす情報を渡すくらいなら資料室ごと燃やす!なんてことをされた経験があったので」
    二階堂 双次郎:「先に実験資料から当たるのは賛成です……」
    陶妙算:「鎌倉武士並みに覚悟が決まってますね……」
    涼風 こころ:「確かに、隠蔽の可能性はあるね……それも怖いし。後、〝刀狩り〟の改造時の記録が手に入れば」
    三楼人 椿:「おっかねー……」
    涼風 こころ:「ボス戦の前に攻略サイトを見るようなものだから、役に立つと思う」
    陶妙算:「戦闘時に、優位に立てるかも知れない。と」
    陶妙算:「わかりました。ついてきてください。」
    涼風 こころ:「企業系の攻略wikiよりずっと」と頷いて、あなたの後を追うだろう。
    陶妙算:記憶をたどりながら。あの拠点で、"彼"の実験記録を見つけた部屋を目指す。
    GM:面白いほど、
    GM:不気味なほど、
    GM:滑稽なほど、
    GM:奇っ怪なほど、全く同じ構造の通路を抜けて、同じような部屋に辿り着くだろう。
    GM:同じように、資料は並べられている。
    涼風 こころ:涼風は部屋に入るや、早々に当たりをつけて資料を漁り始めながら、
    陶妙算:「ここに、あたりがあればいいのですが。」
    涼風 こころ:「みんなも、何か重要そうなものが有ったら教えて」
    涼風 こころ:と協力を要請するだろう
    陶妙算:と言いながら自分も資料を探す。
    GM:では。
    GM:同じ場所だ。
    GM:あの時と同じ場所に、同じようなものがある。
    GM:……相違点も少し有る。その記録に残る被検体の年齢は、かつて閲覧した際の資料より更に何歳か幼く、
    GM:実験内容は、〝ラフィングバーナー〟の施したものに比べれば、まだ人道的と呼べる程度のもの。
    GM:というより、あの女の実験は、他者を痛めつけて楽しむという節が過分に含まれていて無駄が多く、
    GM:此方の方がより効率的に、対象を実験動物としか認識せず淡々と実験を進めていたことが分かるだろう。
    GM:……さて。
    陶妙算:あまりにも、あの事件をなぞっていくような配置に、既視感を超え、僅かな不安を覚える
    GM:ここまで、陶 妙算にしか分からぬように書いた。
    GM:だから他の者にも分かるように、端的に書かせてもらおう。
    GM:涼風 こころが、今回の任務の標的の資料を探している間、
    GM:陶 妙算は、彼の〝大切な友達〟が過去に虐げられていた、その記録を発見する。
    GM:発見してしまった。
    GM:……と、いうことだ。
    陶妙算:「っ…………」
    陶妙算:思わず、その資料を破り捨てたくなるような衝動に襲われるが
    陶妙算:その衝動を、理性で必死に抑える。
    陶妙算:あの人は、この実験に、加虐にずっと耐えてきた。ならば、それを見たと言うだけ僕が、逃げるようにそれを破り捨てることは。
    陶妙算:"彼”に対する侮辱となってしまうような気がした。
    三楼人 椿:「……陶」
    GM:記録は数年前で途切れている。……即ち、その時点で〝飼い主〟は、〝次の飼い主〟に実験動物を譲り渡した、ということだ。
    三楼人 椿:「どうかしたか?」
    GM:譲り渡した後の事は、君が良く覚えているだろう。
    GM:良ぅく覚えているだろうよ。
    二階堂 双次郎:「……あの、なんか、顔色悪いですけど……変なものでも見ました……?」
    陶妙算:「え……?」
    陶妙算:二人の声のした方に振り向こうとして
    陶妙算:思わず、体のバランスが崩れてしまう
    陶妙算:「あっ……」
    陶妙算:いつの間にか視界に床が映っていて、それがどんどん近づいてくる
    三楼人 椿:「うおっ、とと!」とっさに手を出し、胸元からお腹あたりに腕を巻いて支えるように
    三楼人 椿:「セーフ。大丈夫か?」とっさのため、半分抱くような体勢。
    陶妙算:強く抱きしめたら、そのまま折れてしまいそうほどに華奢な体。
    陶妙算:どこか現実感のない甘い桃の香りが三楼人くんを包む
    陶妙算:「ごめんなさい、ありがとう。」
    二階堂 双次郎:「……ほっ……まあグロテスクな画像も…多いですし……」
    陶妙算:どこか虚ろ気な茶色の瞳で、二人の顔を見上げる。
    陶妙算:「うん、そうですね。」
    陶妙算:「少し……僕には刺激が強かったみたいです。」
    三楼人 椿:「いーよいーよ。……何を見たのかは、聞かねえほうがいいか?」そっと、折れそうな体を労るように床に一度座らせる
    陶妙算:弱った子犬のような視線を投げながら。
    陶妙算:「ごめんなさい。そうしてくださると、助かります。
    陶妙算:数瞬、どうすればいいのか、迷ってから、そう告げる
    三楼人 椿:「ん。わかった」「資料は俺たちでやるから、ちょっと休んでな」
    三楼人 椿:おそらく無自覚なのだろう
    陶妙算:その言葉に、力なくコクリと頷く
    三楼人 椿:烏の濡羽を思わせる艶のある黒髪に手を触れ、頭に手をのせて、ぽん。ぽんと
    三楼人 椿:子供をあやすような、安心させるためのような仕草
    陶妙算:「……大丈夫ですよ。そんなに心配しなくても」
    陶妙算:雪のような肌を、かすかに紅色に染めながら言葉を紡ぎます
    二階堂 双次郎:(三楼人くんは………手慣れてるな)
    陶妙算:「でも、ありがとうございます。」
    涼風 こころ:「…………」二人のやりとりを傍目に見ながら、そっと二階堂の隣に立ち、
    涼風 こころ:「ねえ」と、他の二人に聞こえぬような小声で呼ぶ
    陶妙算:会ったばかりの人でも、辛い時に、その大きな手で撫でられるとどこか安心してしまって。
    三楼人 椿:「ん」「無理はすんなよ。まだ任務はまだ先があるんだ」
    陶妙算:あのときの志木くんも、こんな風に安心してくれたのかな…と考えてしまう
    陶妙算:「…うん」
    二階堂 双次郎:「は、はい……何です涼風さん……?」
    涼風 こころ:「これ」
    涼風 こころ:視線を合わせず、言葉少なくあなたに手渡されるものは、
    涼風 こころ:〝無尽無刀〟縄手 ヤツメの改造記録。ならびに経過観察の資料だ。
    二階堂 双次郎:「これは………!」
    二階堂 双次郎:手渡された資料を読み進めていく
    GM:それは、非力な人間が人間であることを諦め、兵器へ転じていく様を綴ったものだ。
    GM:生命活動と戦闘に必要な部位は、残し、強化する。
    GM:不要な部位は──切除する。空いた空間に、人体に存在しない機能を備えた〝新しい臓器〟を埋め込む。
    GM:最初は、拒絶反応による苦痛が見られたと、資料には記されている。淡々とした文面で。
    GM:だが、こうも書いてある。
    GM:〝被験者の強い希望により、改造部位を追加〟と。
    GM:名も覚えられず、弟に語るまでもなかった、一介の戦闘員の少女。
    GM:それが不要な機能を削ぎ落として、戦う為に洗練されていく行程は、刃物を研ぐのに似ているかも知れない。
    二階堂 双次郎:読み進める度、ページの一枚一枚が重くなっていく気がした
    二階堂 双次郎:(ただひたすらに力だけを追い求めて……まるで自分を……道具のように)
    二階堂 双次郎:かつての自分の姿が重なる。ゾディアックウェポンを失い、それを埋めようとして…
    二階堂 双次郎:力が欲しい 成果が欲しい と………
    〝無尽無刀〟:『あんたには一蹴された。顔もろくに見てもらってないだろうさ』
    GM:分かるか。
    GM:理由が分かるか。
    GM:こうまでする理由は、ひどく単純だ。
    GM:〝その他大勢としてあしらわれた〟──ただそれだけで、
    GM:凡庸な少女は、平穏な未来を投げ捨てて、己を兵器として鍛造した。
    GM:二階堂 壱志の咎ではない──が。
    GM:故に彼女は二階堂 壱志に執着する。
    GM:故に彼女は、あなたを狙うのだ。
    二階堂 双次郎:…………いいだろう
    二階堂 双次郎:受けて立とうではないか
    二階堂 双次郎:自分が背負うべきもの……そういった罪悪感、義務感からではなく
    二階堂 双次郎:ただ、見過ごせないのだ
    二階堂 双次郎:自らを道具に変えよう 足りないものを力で埋めよう そうすることの辛さ
    二階堂 双次郎:〝縄手ヤツメ〟を縛る〝無尽無刀〟のその糸を………断ってみせよう
    二階堂 双次郎:〝ゾディアックウェポン〟にも負けはしない……この二刀流で!
    二階堂 双次郎:それが…"デュオツインダブル"二階堂 双次郎の………思いだ

    GM:ロイス&調達が可能!
    陶妙算:おら!!
    陶妙算:志木くんのことでショック受けてるからジェネシフトでも決めようかな。
    陶妙算:1d10+55
    DoubleCross : (1D10+55) → 3[3]+55 → 58

    陶妙算:割と余裕
    陶妙算:ボデマ
    陶妙算:1dx
    DoubleCross : (1R10[10]) → 1[1] → 1 → ファンブル

    陶妙算:余裕じゃなかった!!
    GM:陶くん……
    陶妙算:同行者/三楼人椿/感謝○/隔意
    陶妙算:以上で
    二階堂 双次郎:財布に穴が開いてる…
    二階堂 双次郎:ボデマいきます
    二階堂 双次郎:2dx+2>=12
    DoubleCross : (2R10+2[10]>=12) → 10[3,10]+8[8]+2 → 20 → 成功

    三楼人 椿:ぼでま!
    三楼人 椿:1dx+4
    DoubleCross : (1R10+4[10]) → 2[2]+4 → 6

    三楼人 椿:はい
    二階堂 双次郎:よし!どなたかにおすそ分けします
    三楼人 椿:同行者 陶妙数 ○庇護/隔意
    三楼人 椿:以上!
    陶妙算:僕は持ってない!
    二階堂 双次郎:じゃあ陶さんにあげようかな…?
    陶妙算:いただきます…!
    二階堂 双次郎:どうぞ!
    陶妙算:以上で!

    二階堂 双次郎:ジェネシフトします!
    二階堂 双次郎:4d10+56
    DoubleCross : (4D10+56) → 23[8,2,3,10]+56 → 79


    マスターシーン


    GM:──十年前。
    〝夢惑う羽〟:「わわ、わ、わ、私は、も、最上、最上 由良です」
    GM:自己紹介を始めようとすると、教室の数カ所から笑い声が上がった。
    GM:教員が反射的に、笑った子供を叱りつける。生まれ持ったハンディキャップを嘲るのは良くないことだからだ。
    GM:既にして最上 由良は、新任の女性教員が自分の為ではなく、社会的倫理の為に他の生徒を叱っているのだと理解していた。
    GM:最上 由良は入学したその日を最後に、小学校へ行かなくなった。

    GM:……両親は口うるさく小言を吐きはしなかったが、それなりの値段がした傷一つ無いランドセルを見つめる目にやりきれなさが込められていた。
    GM:時々、担任教師が家を訪れては、〝由良さんの力になりたいんです〟と熱弁するのを、冷めた心で聞いていた。
    〝夢惑う羽〟:「だ、誰が……お前、なんかに……た、たす、けてもらうって……?」
    GM:独り言は普段より、吃音の度が抑えられた。

    GM:深夜。まだ幼い最上 由良は、そっと自宅を抜け出していた。
    GM:向かう先は二件隣の民家。庭先では、その家の娘がレジャーシートの上に、高校の教科書を積み上げて待っていた。
    GM:「や」と、その娘は片手を上げながら、自分の顔を懐中電灯で照らしながら呼びかける。
    GM:最上 由良は何も言わず、教科書の一つを手に取って、ぱらぱらと捲り始めた。
    GM:やがて、由良がその記述の全てを理解・または暗記した頃、家の娘は言うのだ。
    GM:「由良ちゃんは賢いねぇ」
    GM:かわいそうな子だと自分を扱わない人間が、一人だけでもいる事に最上 由良は安堵していたし、
    GM:「私はねぇ。もう受験なんだけど、これも良く分からないんだよね」
    GM:一学年の教科書をつまみ上げて自嘲気味に笑う彼女を見ていると、
    GM:自分はやはり優れているのだと確信し、安堵できたのだ。

    GM:──五年前。
    GM:既にして最上 由良はファルスハーツに所属し、一つのラボを与えられて生物兵器の開発に挑んでいた。
    GM:他者の命を素材として消費する事に抵抗は無かった。それよりも、畏怖と敬意を多分に向けられる環境は快適だった。
    GM:だが一方で、自分の頭脳で解決出来ない問題というものに、彼女は産まれて初めて遭遇していた。
    GM:どうしても意図する通りの兵器の挙動を実現出来ない。大量のプリントアウトされた実験データをデスクに広げ、頭を抱えていたその時だった。
    ???:「8番の被験者(そざい)の免疫系の反応。自己免疫疾患が誘発してる、これを利用しようよ」
    ???:「由良ちゃんが悩んでるの、既存部位と新しい部位の結合強度だと思うけど。既存部位を一度全部殺し切っちゃってさ」
    GM:背後に立った女が、迷い無くデータの一つを指差して言った。
    GM:それは最上 由良には天恵とも言える指摘であり、同時に、若き俊才を自負する己の矜持に傷をつけるものでもあった。
    GM:誰か。振り返り、愕然とした。
    〝毒持つ翼〟:「久しぶり。今日から此処のラボに配備された──コードネームも貰ったよ」
    〝毒持つ翼〟:「〝毒持つ翼(ポリスティナエ)〟だ、素敵だろぉ」
    GM:それは、自分より遙かに劣ると見下しながら、その賞賛の声に救いを見出しても居た、幼馴染みの娘だったのだ。

    クライマックス


    GM:全員登場!
    陶妙算:1d10+58
    DoubleCross : (1D10+58) → 6[6]+58 → 64

    三楼人 椿:51+1d10
    DoubleCross : (51+1D10) → 51+1[1] → 52

    二階堂 双次郎:79+1d10
    DoubleCross : (79+1D10) → 79+2[2] → 81

    GM:侵蝕格差よ

    GM:──地下研究所内。、第一実験室前。
    GM:おそらく、この先だ。
    GM:経験則を用いずともこの段階ならば、三人とも分かっているだろう。
    GM:分厚い扉の向こうから、隠そうという意図の無い気配が二つ。
    GM:〝刀狩り〟のオーヴァード二人は、この扉の向こうにいる。
    GM:大扉は電子ロック式だが、あなた達の力でこじ開ける事は可能だろう。
    GM:……が、もう少し楽な手段が、あなた達の後方から歩いてくる。
    〝夢惑う羽〟:「き、きき、きた、き、来たね、本当に、本当に──」
    〝夢惑う羽〟:学生服。吃音。〝夢惑う羽〟だ。
    陶妙算:三楼人くんの方に一瞬視線を向ける
    三楼人 椿:「……よう。あんたも来てたんだな」声の方に振り向いて、片手をかるく掲げながら
    〝夢惑う羽〟:「こ、こ、こ、ここ、こ、これ、ひ、ひつ、必要かな、って」学生服のポケットから取り出したものは、研究員のIDカードだ
    二階堂 双次郎:「もしかして貴方が・・・三楼人くんに情報提供した・・・?」
    〝夢惑う羽〟:そうだ、という言葉の代わり、学生服の少女は、にいっと口が裂けたような笑い方をしながら頷いた。
    〝夢惑う羽〟:大扉の横にあるリーダーにIDカードを通す。解錠を示す電子音。一拍遅れて扉が左右に開き始める。
    二階堂 双次郎:「・・・・・・いよいよか」
    陶妙算:ひとつ、深く呼吸をする。
    三楼人 椿:「さて……」肩を回して
    陶妙算:怒りも動揺も沈め、一振りの剣としてFHと相対する
    〝夢惑う羽〟:「……こ、この研究、研究所も、ポ、ポリ、スティナエも」
    〝夢惑う羽〟:「ちゃ、ちゃんと、つぶ、潰して、潰してよ」
    〝夢惑う羽〟:……そう告げて少女は、あなた達が向かうべき方角とは別。資材倉庫の方面へと歩いて行く。
    二階堂 双次郎:「・・・本当に個人的な意思で潰して欲しいって感じでしたね・・・」
    三楼人 椿:「……あんまりこういう話は、好きじゃねえんだよなぁ。個人的に」
    陶妙算:「こういう話が好きな人はきっと別の組織に行ってますよ。」
    三楼人 椿:「……それもそうか」
    GM:では──あなた達は先へ進むだろう。

    GM:分厚いコンクリートにて構成された直方体の部屋。
    GM:その中央に、〝刀狩り〟の二人は、臨戦態勢で待ち構えていた。
    〝無尽無刀〟:「……めちゃくちゃ早いね」
    〝弾丸爆華〟:「マジで早いね。ちょっとUGNの情報網舐めてたわ……」
    〝弾丸爆華〟:「まー、あの時の可愛い子が? おっかけて来てくれたし? チャラにしても良いくらいの不幸だけど!」
    陶妙算:「それはよかった。」
    陶妙算:「ついでに貴方方のこれまでの成果も全て踏み躙らせていただきますが」
    陶妙算:「その無礼もチャラにしていただけますか?」
    〝無尽無刀〟:「そこのアホ金髪のことは好きにしていい」
    〝弾丸爆華〟:「シヴァちゃん!? ……あと君もけっこう辛辣!」
    〝無尽無刀〟:「だけど。私はもう、踏み躙られるのはいやなんだよ」
    〝無尽無刀〟:しゅる──鋼糸が指から伸びる。
    〝無尽無刀〟:一つの指から四本。合わせ四十本の刃。
    〝無尽無刀〟:「考えようによっては都合が良いよ。あんた達の剣、此処で回収させてもらう」
    〝無尽無刀〟:「〝剣一つにつき強化手術一回〟──そういう取引だからね」
    二階堂 双次郎:「・・・・・・それ以上はさせない」
    二階堂 双次郎:「・・・たとえ君がいくつ刃を増やそうと・・・この”デュオツインダブル”は負けない」
    二階堂 双次郎:「この剣で全てを断って・・・証明してみせる」
    〝無尽無刀〟:「そんな剣に興味は無い。……言ったろ、本気を出せって!」
    〝無尽無刀〟:「それとも、もう忘れたか!? せいぜいが十数時間前のことでも!」
    〝無尽無刀〟:「だとしても、私は忘れちゃいない。忘れられなかった……」
    〝無尽無刀〟:「……有象無象の羽虫扱いで、ただ一振りであしらわれた!」
    〝無尽無刀〟:「私にはとどめを刺しもしないで、あんたは走ってったんだ!」
    二階堂 双次郎:「・・・剣士は剣を通して語るもの」
    二階堂 双次郎:「僕の剣を・・・見ていてくれ・・・!」

    エンゲージ
    〝無尽無刀〟[5] 〝弾丸爆華〟[3]

    10m

    二階堂 双次郎[6] 三楼人 椿[7] 陶 妙算[5]

    GM:さあ、戦いだ。だが。
    GM:衝動判定は一度、省略させていただく。
    二階堂 双次郎:だが・・・?
    GM:即ち、即座にセットアップ!
    三楼人 椿:およ
    〝弾丸爆華〟:無い!
    陶妙算:おっす!!
    〝無尽無刀〟:無い!
    三楼人 椿:《原初の黄:スタートダッシュ》で刀狩りたちにエンゲージ! 52→56
    GM:これがあるんだよなぁ
    陶妙算:やったぜ!
    二階堂 双次郎:無い!
    陶妙算:なし!
    GM:OK!
    GM:ではイニシアチブ順。スタートダッシュしてもらって本当に申し訳ないんだが、そのままみろうどくんの手番だ
    三楼人 椿:うおー! ではマイナーなし。メジャーで▼我流・憎の剣 《コンセ:ウロ》+《原初の赤:憎悪の炎》+《原初の赤:カスタマイズ》
    三楼人 椿:対象は……なんか糸系エフェクトもってそうな無尽無刀!
    GM:さあこい!
    三楼人 椿:8dx+1@7 命中で対象;椿の憎悪付与
    DoubleCross : (8R10+1[7]) → 10[2,3,4,7,10,10,10,10]+10[6,6,7,7,7]+10[9,9,9]+10[5,5,10]+2[2]+1 → 43

    三楼人 椿:命中じゃないHPダメージ入ったらだ
    GM:避けられる予感はまるで無いが……
    〝無尽無刀〟:まず一応ドッジ!
    〝無尽無刀〟:10dx
    DoubleCross : (10R10[10]) → 10[4,4,6,6,6,8,8,9,9,10]+8[8] → 18

    〝無尽無刀〟:無理よね知ってる
    〝弾丸爆華〟:《炎陣》! カバーする!
    GM:ダメージどうぞだ!
    三楼人 椿:5d10+10 装甲ガード有効
    DoubleCross : (5D10+10) → 21[9,4,1,4,3]+10 → 31

    三楼人 椿:ダメージが入ったら憎悪してもらいます
    〝弾丸爆華〟:ふむ……装甲で8軽減して23通し! 軽減したけどかなりの深手だ演出どうぞ!
    三楼人 椿:「ま、俺はどちらさんかに、なにか因縁があるわけじゃないんだけどさ」『トリフォリウム』とつぶやく。
    三楼人 椿:足元の影から、限りなく黒に近い赤黒の──何重にも血液の塗り重ねられた両手剣が射出される。
    三楼人 椿:受け止める腕には、黒の甲冑。蔦のようなもので編まれた西洋甲冑姿。そのまま床を踏み砕く勢いで、接近。
    〝無尽無刀〟:「──紫炎!」
    〝弾丸爆華〟:「呼び捨ては勘弁してくんないかな!」
    三楼人 椿:「事情はどうあれ、一度引き受けたバイトだ」「それに、いろいろやんちゃしてるみたいだしな……!」
    三楼人 椿:「ちょいと、痛い目見て反省してもらうぜ!」
    〝弾丸爆華〟:接近する敵対者の軌道上に飛び出す男──その右手には逆手持ちの短刀!
    三楼人 椿:「そぉ、らぁ!」大上段からの、踏み込みの加速度ものせた振り下ろし。
    〝弾丸爆華〟:短刀を持つ右手。右手首を左手で掴んで補強し、振り下ろしの軌道に正面から叩き付ける。
    〝弾丸爆華〟:眩い火花が散る。質量と速度に劣る防御行動では防ぎ切れず、斬撃は致命傷とまではならずも〝弾丸爆華〟を捉える!
    〝弾丸爆華〟:「ぐ、がっ! ……つぁ、どうよシヴァちゃん、守ったぜ!」
    〝無尽無刀〟:「まだ来る、続けて」
    〝弾丸爆華〟:「お褒めの言葉は!?」
    〝無尽無刀〟:「65点」
    〝弾丸爆華〟:「後輩が厳しい……!」
    〝弾丸爆華〟:深手ではある。だが。
    〝弾丸爆華〟:軽口とニヤけた顔がそのままだ。まだやるのだろう。やれるのだろう。
    GM:では
    GM:行動値6、二階堂くん!
    二階堂 双次郎:いきます!マイナーアクション!
    二階堂 双次郎:戦闘移動してエンゲージ!
    二階堂 双次郎:オートアクションで"イーダース"と"リュンケウス"を装備
    二階堂 双次郎:マイナーアクション!
    二階堂 双次郎:違う、メジャー
    二階堂 双次郎:コンボ:"アパレーティダイ" コンセントレイト:ノイマン+マルチウェポン
    二階堂 双次郎:攻撃対象は〝弾丸爆華〟!
    GM:来い!
    二階堂 双次郎:9dx+4@7
    DoubleCross : (9R10+4[7]) → 10[1,1,3,3,3,6,8,8,10]+10[1,3,7]+10[7]+5[5]+4 → 39

    〝弾丸爆華〟:無駄な肉体の高さを利用して……ドッジ!
    〝弾丸爆華〟:12dx
    DoubleCross : (12R10[10]) → 10[1,2,2,3,4,4,6,6,7,8,9,10]+1[1] → 11

    〝弾丸爆華〟:筋肉は飾りだったダメージどうぞ……
    二階堂 双次郎:4d10+22
    DoubleCross : (4D10+22) → 17[2,4,5,6]+22 → 39

    二階堂 双次郎:どうだ・・・!
    〝弾丸爆華〟:8軽減で31通し……累計54! 倒れるねこれは
    〝弾丸爆華〟:なので《燃える魂》!
    〝弾丸爆華〟:HP20で復活する! 27点までのダメージなら生き残るぜ!
    GM:という訳で演出どうぞだ
    二階堂 双次郎:───抜刀。
    二階堂 双次郎:左手には"イーダース"
    二階堂 双次郎:右手には"リュンケウス"
    二階堂 双次郎:古き神話にて・・・最も有名なあの双子と争い敗北した双子の名を冠する剣
    二階堂 双次郎:悔しさを忘れぬように。悔しさを強さに変えるようにと名付けられた剣だ。
    二階堂 双次郎:「・・・・・・まずはお前から斬ろう・・・〝弾丸爆華〟!!!」
    〝弾丸爆華〟:「俺ってば大人気!」
    〝弾丸爆華〟:一刀目の傷も癒えぬまま、彼は〝待ち〟の姿勢を取る。
    〝弾丸爆華〟:壁だ。
    〝弾丸爆華〟:この壁を越えねば、後ろの本命に辿り着けない。そういう意志を見せている。
    二階堂 双次郎:「押し通る・・・!」
    二階堂 双次郎:剣が舞う。一閃。
    二階堂 双次郎:続けて、一閃。さらに、一閃。
    〝弾丸爆華〟:短刀を持つ腕を、一閃。
    〝弾丸爆華〟:追いかけるように二つ。三つ。
    〝弾丸爆華〟:技量を言うならば、比べるべくもない。
    〝弾丸爆華〟:〝弾丸爆華〟は反射神経のみで、〝デュオツインダブル〟の剣を防がんとする!
    〝弾丸爆華〟:「通さねえよぉっ!!!」
    二階堂 双次郎:二刀流はただ剣を2本振るうだけの剣術ではない。
    二階堂 双次郎:二振りの剣のコンビネーション……休みなき怒涛の剣閃が襲えば
    二階堂 双次郎:どれだけの反射神経を持ってしても……いずれ必ず剣を急所へ届かせる!
    二階堂 双次郎:「…………ハァッ!!」
    〝弾丸爆華〟:「うおぉっ……!?」
    二階堂 双次郎:立ちはだかる壁が鮮血に染まる──
    二階堂 双次郎:しかし
    〝弾丸爆華〟:然り。
    〝弾丸爆華〟:「……っつ、お兄さんさぁ……」
    〝弾丸爆華〟:「その剣術……何年くらい修行すればできんの……?」
    〝弾丸爆華〟:血染めの男は苦痛に顔を歪めながらも、あくまで平静を装ってみせる──痛みに声は震えているが。
    二階堂 双次郎:「これは……僕だけの剣術だ。何年かけても……この胸に燃える思いが無い限り…手にはできないよ。」
    〝弾丸爆華〟:「想いの強さは負けてないつもりなんだけど……一途じゃなきゃダメ……?」
    〝無尽無刀〟:「ダメ」
    〝無尽無刀〟:小声の追い打ち。
    GM:では。行動値のPL優先、と行きたいところだが──このままでは壁が潰れるので
    〝無尽無刀〟:シナリオ1回の《加速する刻》を使わせてもらうぜチクショウ!
    陶妙算:こんにゃろ!!
    二階堂 双次郎:おのれーっ
    GM:全員をエンゲージへ引きずり込むまで耐えてくれると思ったのに使えない壁め……
    〝無尽無刀〟:マイナー、戦闘移動。むろん、同一エンゲージにたっぷり敵対者がいるが、
    〝弾丸爆華〟:《間隙の魔術師》!
    陶妙算:ずるっこしてんのら!!
    〝弾丸爆華〟:対象、〝無尽無刀〟。その戦闘移動をシーン内任意の位置移動へ書き換える。
    〝無尽無刀〟:これにより10m後方に下がるぜ!

    エンゲージ
    〝無尽無刀〟[5]

    10m

    二階堂 双次郎[6] 三楼人 椿[7] 〝弾丸爆華〟[3]

    10m

    陶 妙算[5]

    〝無尽無刀〟:そしてメジャー。《コンセントレイト》+《マルチウェポン》+《ヴァリアブルウェポン》+《スキルフォーカス》+《神機妙算》
    〝無尽無刀〟:使用武器はワイヤーウィップを四つ。対象は二階堂、三楼人の両名!
    二階堂 双次郎:げぇーーっ範囲攻撃!
    〝無尽無刀〟:12dx7+1 命中判定
    DoubleCross : (12R10+1[7]) → 10[1,1,2,4,6,6,6,8,8,9,9,10]+10[4,7,7,8,9]+10[3,7,9,10]+10[7,8,10]+10[2,8,10]+10[6,7]+10[8]+6[6]+1 → 77

    GM:ん?
    陶妙算:wwwwww
    陶妙算:最強じゃん
    三楼人 椿:だが俺には《復讐の刃》がある!
    GM:えーと、C値間違いとかは無いようですね
    二階堂 双次郎:ヤバいって
    GM:ほう、復讐の刃
    GM:では射程距離の欄をご確認ください。
    三楼人 椿:……あっ!
    GM:ふははははははは
    三楼人 椿:こ、こいつ~!!!
    二階堂 双次郎:復讐の刃は・・・至近!
    GM:さあ……ガードかドッジか選ぶんだな!
    二階堂 双次郎:どうせ避けられんしガード!
    三楼人 椿:ガード!
    〝無尽無刀〟:では、《間隙の魔術師》効果で〝弾丸爆華〟の《バックスタブ》が適用されます
    〝無尽無刀〟:24+20+8d10 装甲ガード有効
    DoubleCross : (24+20+8D10) → 24+20+47[10,7,4,7,3,6,6,4] → 91

    〝無尽無刀〟:消し飛べやぁ!
    二階堂 双次郎:装甲ガード合計11点軽減!死!
    三楼人 椿:耐えられるわけがない。ガード装甲込でも11しかないのだ! リザレクト!
    二階堂 双次郎:1d10+81
    DoubleCross : (1D10+81) → 10[10]+81 → 91

    三楼人 椿:メジャー分の侵蝕忘れてたので一緒に
    三楼人 椿:56+8+1d10
    DoubleCross : (56+8+1D10) → 56+8+2[2] → 66

    三楼人 椿:HP2点で復活
    GM:格差が縮まらない
    〝弾丸爆華〟:「……シヴァちゃんごめん! もう持たねえわ!」
    〝無尽無刀〟:「は!? ……ちっ、じゃあ仕方ない、やって!」
    〝弾丸爆華〟:「おう!」
    〝弾丸爆華〟:ぱちん、と指を弾いた。
    〝無尽無刀〟:すると〝無尽無刀〟の体は瞬時に、炎の柱の中に飲み込まれた。
    〝無尽無刀〟:近接戦闘を得手とする剣士達の間合いに、突如噴き上がる火柱。
    〝無尽無刀〟:……だが。もしその突然の噴出に惑わされることなく敵の気配を追い続けたのなら、
    〝無尽無刀〟:〝無尽無刀〟が瞬時に、10mも後方に移動していたことを知るだろう。
    〝弾丸爆華〟:オルクスとサラマンダー、二つのシンドローム結合が故に発生した、〝弾丸爆華〟の能力は、
    〝弾丸爆華〟:領域内の実体と陽炎を、瞬き一つの間に入れ替えること。
    陶妙算:(速い…!?いや、違う、あれは疾さとは別の!?)
    〝無尽無刀〟:「しゃああぁっ!」両腕を高く振り上げ、振り下ろす。その動きに、指先のしなりに合わせ、
    〝無尽無刀〟:総数40の刃が、二階堂・三楼人の両名の頭上へ、豪雨となって降り注ぐ!
    陶妙算:「二階堂さん、三楼人さんっ!」
    三楼人 椿:「がっ、遠っ……!」駆けて斬る。一手で行うにはあまりにも遠い。
    二階堂 双次郎:(驚く暇すら与えない……か)瞬時に剣を構えなおし受けの体勢をとるが・・・
    二階堂 双次郎:以前の数倍にも増した斬撃は見切れず…無数の傷が刻み付けられる
    三楼人 椿:40の刃に総体を切り刻まれる。引き裂かれた鎧の隙間から血液が噴き出す。しかし。倒れるより早く、鎧の隙間を蔦が塞ぎ
    三楼人 椿:中の肉体を、蔦が補修する。動かさせ続ける。
    〝無尽無刀〟:「まだ、まだ!」
    〝無尽無刀〟:「この刃は尽きない、一度じゃ終わらない……何度でも何度でも何度でも!」
    〝無尽無刀〟:「二階堂 壱志!」
    〝無尽無刀〟:「お前が私を思い出すまで、切り裂き続けてやる!」
    GM:では
    GM:行動値順。陶くんの手番だ
    二階堂 双次郎:HP10で復活 メジャー分の侵蝕合わせて侵蝕96に
    陶妙算:うっす!
    陶妙算:マイナーで移動。二階堂くんたちのところにエンゲージ!
    陶妙算:メジャーで〝弾丸爆華〟を素殴り!
    陶妙算:いくぞ!
    GM:来い!
    陶妙算:4dx+29
    DoubleCross : (4R10+29[10]) → 6[2,2,3,6]+29 → 35

    陶妙算:低い…!
    〝弾丸爆華〟:ドッジ!
    〝弾丸爆華〟:12dx
    DoubleCross : (12R10[10]) → 9[3,3,6,6,7,7,8,8,8,9,9,9] → 9

    〝弾丸爆華〟:ワンチャン有るかと思ったのに!
    〝弾丸爆華〟:ダメージどうぞ!
    陶妙算:4d10+11
    DoubleCross : (4D10+11) → 23[8,6,6,3]+11 → 34

    陶妙算:よっし、平均超え!!
    〝弾丸爆華〟:34-8=26。HPは残り20……もう復活エフェクトは無い! 倒れる
    〝弾丸爆華〟:演出どうぞ!
    陶妙算:「〝無尽無刀〟の言うとおりですよ。」
    陶妙算:縦横無尽に暴れ回る〝無尽無刀〟の刃の隙間を縫うようにして
    陶妙算:いつの間にか〝弾丸爆華〟の間合いに入っている、
    〝弾丸爆華〟:「心当たりが多すぎて──どれか分からねえんだよなぁっ!」
    〝弾丸爆華〟:間合いに入ったものへ──迎撃。剣ではない。
    陶妙算:「ちゃんと一途にしてないから。こうやって僕なんかにあっさり間合いを詰められる。」
    〝弾丸爆華〟:より慣れた手段なのだろう。爪先を押し込むような、いわゆるヤクザキックだが、
    〝弾丸爆華〟:それは付け焼き刃の短刀術より、よほど手練れの技だ。
    陶妙算:伯耆安綱を盾にするようにして、その蹴りを受け止める。
    陶妙算:いや、受け流す。
    陶妙算:ふわり
    陶妙算:その蹴りの勢いを利用し、
    陶妙算:くるり、と自分の体を回転させ
    陶妙算:一瞬で〝弾丸爆華〟の上を取る
    陶妙算:「行きますよ」
    〝弾丸爆華〟:速度と体重が乗った蹴りは、その方向だけを変えられて床に落ち、
    〝弾丸爆華〟:「げっ!?」
    陶妙算:鈴のように軽やかな言葉が響き
    陶妙算:伯耆安綱が、闇夜に霜が落ちるように、ほろりと〝弾丸爆華〟に落ちていく
    〝弾丸爆華〟:反射速度は、やはり見事なものだ。咄嗟に腕を上げ、短刀を振り上げた。
    〝弾丸爆華〟:受け止めて切り返す。まだチャンスはある。せめて一撃くらいは。
    〝弾丸爆華〟:すうっ
    〝弾丸爆華〟:……と、刃が通っていった。
    〝弾丸爆華〟:両断された短刀の刃が、コンクリートの床にからりと落ちて──少し遅れて〝弾丸爆華〟は言った。
    〝弾丸爆華〟:「……剣道……今から習おうかなぁ……」
    〝弾丸爆華〟:「あーでも月謝とか……しんどい、かも……」
    〝弾丸爆華〟:切断面から赤々と血の華を裂かせて、〝弾丸爆華〟は床に倒れ伏した。
    陶妙算:「FHから抜けるなら」
    陶妙算:「僕で良ければご教授しますよ。」
    陶妙算:と、言って、〝無尽無刀〟に視線をやる
    〝無尽無刀〟:40の刃を携えた少女の目は、未だ闘志を衰えさせていない──いや。
    〝無尽無刀〟:「あんたら、そういうの良く言うよね」
    〝無尽無刀〟:「あの時の私は言われなかったけど。その時についてったエージェントが言われてた」
    〝無尽無刀〟:「……そっか。それくらいのレベルにはなったか」
    陶妙算:「僕たちは、貴方方がしていることを止めたいだけで」
    陶妙算:「貴方方を討ち果たしたいわけではありませんから」
    GM:では。行動値3、本来の手番で〝無尽無刀〟
    〝無尽無刀〟:マイナーは無い。本当は退き撃ちしたいけど射程が10mしか無いの……
    陶妙算:おう!
    〝無尽無刀〟:いや、これは……そうだな
    〝無尽無刀〟:訂正だ。マイナー、戦闘移動で二人のエンゲージに入る!
    〝無尽無刀〟:どうせなら少しでも侵蝕を消費させてやるぜ……メジャー!
    陶妙算:攻めてくるなおい…!!
    〝無尽無刀〟:《コンセントレイト》+《マルチウェポン》+《ヴァリアブルウェポン》+《スキルフォーカス》+《神機妙算》、対象はPC3人!
    〝無尽無刀〟:12dx7+1 命中判定
    DoubleCross : (12R10+1[7]) → 10[2,3,3,3,4,4,7,8,8,9,9,10]+10[1,1,3,5,6,10]+10[8]+5[5]+1 → 36

    二階堂 双次郎:ガードで!
    陶妙算:ゲットダウン!ドッジ!
    陶妙算:4dx+29
    DoubleCross : (4R10+29[10]) → 10[4,6,7,10]+8[8]+29 → 47

    三楼人 椿:今度こそ《復讐の刃》!
    陶妙算:超避けた
    GM:これを……これを避ける……!
    GM:こんにゃろう!!!!
    陶妙算:侵蝕が66に、ゾロ目!!
    三楼人 椿:66→72
    GM:では、先にダメージ出してしまおう
    〝無尽無刀〟:24+4d10
    DoubleCross : (24+4D10) → 24+26[9,4,6,7] → 50

    三楼人 椿:そのダメージは死ぬぜ
    陶妙算:殺し返せ!!
    二階堂 双次郎:11点軽減するも死! リザレクト!
    二階堂 双次郎:96+1d10
    DoubleCross : (96+1D10) → 96+9[9] → 105

    三楼人 椿:6dx+1@8 復讐の刃
    DoubleCross : (6R10+1[8]) → 7[2,2,4,5,6,7]+1 → 8

    三楼人 椿:は?
    陶妙算:謙虚かよ
    GM:くそ……ドッジさえ出来れば……
    GM:リア不め
    三楼人 椿:1d10+10 フルパがのってないから……
    DoubleCross : (1D10+10) → 4[4]+10 → 14

    〝無尽無刀〟:では14-8で6点通し……だが6点でも割とそれなりの割合でダメージが入ってるぞ!
    〝無尽無刀〟:つまり最大HPが低いのだね
    三楼人 椿:1d10+72 リザレクト
    DoubleCross : (1D10+72) → 7[7]+72 → 79

    三楼人 椿:フルパに1足りねえ!
    〝無尽無刀〟:──何度でも。その宣言の通りに再び刃は舞い上がる。
    〝無尽無刀〟:その重量を度外視するならば、射程10mの刃を振り回すには、肘から先を少し動かすだけでいい。
    〝無尽無刀〟:僅かな動作から生み出される、40本の刃による包囲陣。
    〝無尽無刀〟:あなた達3人の間合いまで飛び込んだ〝無尽無刀〟を起点として発生し、外から内へ包み斬るように展開される、鳥籠を狭めるが如き斬撃!
    陶妙算:「……!」
    二階堂 双次郎:(リーチと技の多彩さは認めざるを得ないか……!)
    陶妙算:視界を全て覆い尽くすような斬撃の糸
    陶妙算:先程のように自分だけわずかに射程が離れてるわけでもない
    陶妙算:〝弾丸爆華〟が立っていたときの彼女の攻撃ならば、自分もその糸に切り裂かれていただろう
    陶妙算:だが
    陶妙算:今は〝弾丸爆華〟はいない。
    陶妙算:そのことが、彼女の業をわずかに鈍らせている
    陶妙算:つい、と伯耆安綱を煌めかせる。
    陶妙算:反撃をする余裕はないが、自分の身を守る程度の空間を、鳥籠の中に確保する
    三楼人 椿:避ける道はなく、防ぐ術はない。だが、相手がこちらの間合いに居るなら、もとよりどちらも選ぶつもりはない。
    三楼人 椿:迫る刃を一瞥すらせず、駆ける。両手剣を片手で振るい、総体を微塵にされながらも、補修。補修。補修。リザレクトを待たずに蔦が肉をつなぎとめる。
    三楼人 椿:剣で守ったもう片手を引き絞るのと、相手の懐にたどり着くのはほぼ同時。
    三楼人 椿:ほか二人とは対象的に、彼の技は剣術などではない。実戦で鍛造された喧嘩殺法から繰り出す、ボディブローが、彼女の胴を打ち据える。
    陶妙算:(あれを掻い潜って、反撃を…!)
    〝無尽無刀〟:みしぃっ
    〝無尽無刀〟:拳に返る感触は、人の肉のそれではない。
    〝無尽無刀〟:例えるならば、虫の外骨格だ。
    陶妙算:自分が回避で精一杯だった攻撃を前にして前に出ていく少年の姿に驚異を感じる。
    〝無尽無刀〟:「ぐっ……その、程度ぉっ!」
    〝無尽無刀〟:牽制の斬撃。僅かばかりの間合いを空ける。……或いはこの距離ならば、少女の色鮮やかな瞳の構造を観察出来たかも知れない。
    〝無尽無刀〟:それは最大限、人のような形に取り繕ってはいたが──複眼であった。
    陶妙算:そして、その反撃を受けても一切怯まぬ少女にも同等の脅威を
    二階堂 双次郎:先ほどの負傷にリザレクトが間に合わず、動きに鈍りが出る───
    二階堂 双次郎:自分のオーヴァードとしての能力は、そう特殊なものではない。
    二階堂 双次郎:単純な身体能力強化と、それを制御する演算能力だ
    二階堂 双次郎:結界も張れず、動かせないはずの体を強引に動かすような荒業も成し得ない
    二階堂 双次郎:故に、斬撃をその身で受け止める他にない───今、この時は
    GM:クリンナップ!
    〝無尽無刀〟:無い!
    陶妙算:なし!
    三楼人 椿:なし!
    二階堂 双次郎:クリンナップなし
    GM:よろしい。では。
    GM:本来、これはイニシアチブに使うべきものなのだが、処理を一通り済ませて分かり易くしたかったので、どうかご容赦いただきたい。
    GM:《さらなる絶望》
    GM:《さらなる絶望》
    陶妙算:おばか!!
    三楼人 椿:おばか!!
    GM:二体のエネミーを、あなた達から10m手前の位置呼び出す。
    GM:……そのエネミーは。


    GM:──少しだけ、時を遡る。
    〝夢惑う羽〟:「ふふ、う、ふふ、うふふ、ふふふふ……ふ、っ、ふふ、ふ……」
    〝夢惑う羽〟:〝夢惑う羽〟は一人、研究所の中を歩く。
    〝夢惑う羽〟:下級研究員として、〝毒持つ翼〟の部下として勤務した場所だ。外の人間が知らぬような場所を、当然のように知っている。
    〝夢惑う羽〟:例えばそれは、さして重要な物が何も無い、物置部屋の壁の向こう──
    〝夢惑う羽〟:「や、や、やっぱり、やっぱり、やっぱり、居た」
    〝毒持つ翼〟:「やぁ、由良ちゃん」
    〝毒持つ翼〟:隠匿された第六実験室。培養槽の前に、〝毒持つ翼〟が立っていた。
    〝毒持つ翼〟:「やってくれたねぇ。UGNを此処まで引き込んだ上に──」
    〝毒持つ翼〟:本当に感心しているような声音で言いながら、〝毒持つ翼〟は培養槽を見上げる。
    〝毒持つ翼〟:……見上げたのだ。それは、首を目一杯に上へ向けなくては頂点を見つけられない程度の高さが有った。
    〝毒持つ翼〟:「──私のラボで、こんなものを作るなんて。人の〝収蔵物〟を横取りしようとしたのも、これの材料?」
    〝夢惑う羽〟:「す、す、すご、凄い、凄いでしょ、でしょう?」
    〝夢惑う羽〟:「い、EXレネゲイドや、レネ、レネゲ、レネ、レネゲイドウィルスに、かんっ」
    〝夢惑う羽〟:「感染した、け、け、血液の染み、染みついた、金属、金属、金属金属を模倣元にして──」
    〝夢惑う羽〟:「りん、鱗粉をじぶ、自分、自分で作れる、作れるようになった」
    〝夢惑う羽〟:「あ、あ、あ、あ、あなた、あなたの、あなたの蜂、より、ずっと強い……!」
    〝夢惑う羽〟:勝ち誇ったように、〝夢惑う羽〟は宣言した。
    〝毒持つ翼〟:「そうかもねぇ」
    〝毒持つ翼〟:……〝毒持つ翼〟は、やけに優しげな微笑みを浮かべて頷いた。
    〝夢惑う羽〟:「そ、そう、そう、そうよ……! わ、私の、私の方が、私が、ずっと」
    〝夢惑う羽〟:「あな、あなた、あなたより、あなたより、ずっと、ずっと、ずっとずっとずっとずっとずっと」
    〝夢惑う羽〟:「賢いし、役に、立つ」
    〝毒持つ翼〟:「そうだねぇ」
    〝夢惑う羽〟:「ほ、本当なら、本当は、〝戴冠計画〟だって……あ、あなた、なんかじゃなく……!」
    〝毒持つ翼〟:その言葉を遮るように、〝毒持つ翼〟の腕が、〝夢惑う羽〟を抱きしめていた。
    〝夢惑う羽〟:「……っ!?」
    〝毒持つ翼〟:「由良ちゃんは賢いねぇ」
    〝毒持つ翼〟:「みんな知らないんだよ。由良ちゃんは賢くって良い子だ、良い子良い子」
    〝夢惑う羽〟:子供を宥めるような口調だった。耳元で囁かれる言葉は、根拠も無く対象を肯定し甘やかすだけのもので、
    〝夢惑う羽〟:けれども。それを聞かされた最上 由良は少しの間、憎悪も反発心も忘却した。
    〝夢惑う羽〟:だから。耳朶を這うくすぐったさが、〝毒持つ翼〟の髪か指か唇か、そんな夢想に耽ってしまって、気付くのが遅れた。
    〝夢惑う羽〟:「……なっ、ぁ……!?」
    〝夢惑う羽〟:腕を振り払い、逃げようとする。膂力の差が大きい。逃げられぬまま、耳の中を這い進むものの悍ましさに身震いする。
    〝毒持つ翼〟:ぶつんと音を立てて最上 由良の鼓膜を食い破ったのは、蜂だった。小さな蜂が、哀れな少女の耳道を遡って行ったのだ。
    〝毒持つ翼〟:「ねぇ、由良ちゃん。これから三半規管と聴神経を経由して、あんたの脳をいじり回す」
    〝夢惑う羽〟:「う、ぁ、あ、あ、ああ、あ、の、脳、脳って、脳、いや──気持ち悪い、何、とって、取って、取って取ってぇ……!」
    〝毒持つ翼〟:「気付いてたよ。あんた、私のことが好きだったでしょ。見下しながら」
    〝毒持つ翼〟:「これからは、そんな矛盾に苦しまなくていいんだよ」

    〝毒持つ翼〟:《歪んだ囁き》、対象は最上 由良。
    〝毒持つ翼〟:二階堂 双次郎へのロイスを 素材/○敵 に書き換えます。
    〝毒持つ翼〟:《歪んだ囁き》、対象は最上 由良。
    〝毒持つ翼〟:三楼人 椿へのロイスを 有為/○素材にもならない に書き換えます。
    〝毒持つ翼〟:《歪んだ囁き》、対象は最上 由良。
    〝毒持つ翼〟:陶 妙算へのロイスを 素材/○敵 に書き換えます。
    〝夢惑う羽〟:「や、やめ、やめてっ、や、やだ、や、い、いっ、いやだ、いやだ」
    〝夢惑う羽〟:「わっ、わ、わた、わたし、わたしっ、わたしを」
    〝夢惑う羽〟:「わたしを消さないで──」
    〝毒持つ翼〟:《歪んだ囁き》、対象は最上 由良。
    〝毒持つ翼〟:堤 ゆえ へのロイス、 慕情/○嫉妬を
    〝毒持つ翼〟:○盲信/空洞 へと書き換えさせます。

    〝毒持つ翼〟:「ねえ、由良ちゃん。私のこと、好き?」
    GM:心因性の吃音は、もう何処かへ消え去って、
    〝夢惑う羽〟:「はい」
    〝夢惑う羽〟:「心から、愛しています」
    〝夢惑う羽〟:最上 由良は穏やかな微笑みを浮かべて言った。


    GM:──戦いのさなか。
    GM:高い、高い、第一実験室の天井が突如、〝引き剥がされた〟。
    GM:此処は地下だ。即ち、
    GM:偽装元である民家と、大量の土と、その重量に耐え得るコンクリートの天井が、同時に引き剥がされたことになる。
    二階堂 双次郎:「……今度は一体何が……?!!」
    三楼人 椿:「おいおい、今度はなんだ……!?」
    GM:轟音。ぱらぱらと落ちるコンクリート片。
    GM:あなた達は地底にいながら、空を見上げる事になるだろう。
    GM:そこには。
    〝イミテート・クラウン〟:巨大な──あまりにも巨大な蝶が羽ばたいていた。
    〝イミテート・クラウン〟:羽を左右に広げたならば、10m近くにもなるだろう。翼は鱗粉が為か、金属的な光沢を帯びている。
    〝イミテート・クラウン〟:明らかに、自然世界の生物ではない。そういうものの背に、
    〝夢惑う羽〟:「UGNが3人、その他のオーヴァードが2人──オーヴァードの血を啜った刃は2本」
    〝夢惑う羽〟:「いいえ、43本……全部回収するわ」
    〝夢惑う羽〟:あなた達を第一実験室へ招いた筈の少女が、穏やかな顔で座っていた。
    三楼人 椿:「っ、お前、口調……」
    〝夢惑う羽〟:「口調? ……ああ、あれね」
    〝夢惑う羽〟:「凄いでしょう? 全部〝治していただいた〟のよ」
    〝夢惑う羽〟:光景の異常さと噛み合わぬ、静かな語り口。
    二階堂 双次郎:「……先程とは」
    二階堂 双次郎:「……口調も立場も……まるで違うようですね」
    〝夢惑う羽〟:「ふふっ」
    〝夢惑う羽〟:少女はポケットからスマートフォンを取り出し──それを、三楼人 椿の方へと投げる。
    〝夢惑う羽〟:空と地中と。相当な高度差だ。結構な速度で、スマートフォンは落ちてくるだろう。
    三楼人 椿:「……っととと……っ!」壊さないよう、すぐに落下地点に向かい、キャッチする。
    GM:ならば。キャッチしたそのスマートフォンは、通話中の表示になっていると分かるだろう。
    GM:スピーカーモードだ。向こう側の、誰かが言った。
    電話の声:「〝ラウェインブレード〟?」
    三楼人 椿:「……あぁ、そうだ。あんたは?」
    電話の声:「〝毒持つ翼(ポリスティナエ)〟」
    三楼人 椿:「っ……あんたが……!」
    〝毒持つ翼〟:もったいぶる事も無く、電話向こうの女は名乗った。
    三楼人 椿:「……あんたが、彼女を」「最上を、あんなふうにしたのか」
    〝毒持つ翼〟:「由良ちゃんも酷いよねぇ。あんたらUGNを私のラボに招き入れて、かき集めた武器まで奪おうとして」
    〝毒持つ翼〟:「だからちょっと〝お仕置き〟したんだけど。どうかな、気に入ってくれた?」
    三楼人 椿:「巫山戯るな」みし、とスマートフォンがかすかに音を立てる
    〝毒持つ翼〟:「実際に体験したユーザーの感想がね、やっぱり一番信用できるんだ」
    〝毒持つ翼〟:「前の実験の感想はヴォル・ディアナに聞きに行った。今度はあんたがいいかなと思ったんだけど」
    〝毒持つ翼〟:「で、どうだい」
    三楼人 椿:「……」
    〝毒持つ翼〟:「結構切実なんだよねぇ、人材不足問題。裏切り者も簡単には殺せない」
    〝毒持つ翼〟:「それもこれもあんたらが手強いせいだよ、UGN」
    三楼人 椿:「あの人があんたに、何を言ったのかは知らねえがな」
    三楼人 椿:「ものを作ったり、人をいじるより前に」
    三楼人 椿:「粘土細工からやりなおしたらどうだ」「最上を返せ、〝毒持つ翼〟」
    〝毒持つ翼〟:「〝今のそれ〟が最上 由良だよ、ラウェインブレード」
    〝毒持つ翼〟:「……どうしたんだい。彼女はインリークォだぞ?」
    〝毒持つ翼〟:「そう優秀な人材でも無かったがね。あのショッピングモールの実験にも、3%くらいの貢献はしているんだ」
    〝毒持つ翼〟:「まさかいまさら、か弱い乙女だと思って救ってやろうってつもりでもあるまい?」
    三楼人 椿:「よくわかってるじゃないか」
    〝毒持つ翼〟:「そうかい。なら私もか弱い乙女だ。人間の雌は雄に比べて体が小さく非力に産まれる。私を救ってくれないの?」
    三楼人 椿:「もう一度立場を考えてから言ってみなよ」
    〝毒持つ翼〟:「ふむ」ほんの一拍、間が空いて
    〝毒持つ翼〟:「ラウェインブレード。君、助けるのが楽そうな子を助けるのが趣味かね」
    三楼人 椿:「最上はFHの人間でも、今の俺の雇い主だ。あんたの細工の被害者だ」
    三楼人 椿:「アンタがメスでもオスでも関係ない」「返してもらうぞ」
    〝毒持つ翼〟:「近々あんたに会いに行くよ」
    〝毒持つ翼〟:「今は由良ちゃんの作品と遊んでな、ラウェインブレード」
    GM:つー……
    三楼人 椿:「っ待……」
    GM:通話は断ち切られる。そして。
    GM:空の光を遮る大きな翼は、鱗粉を散らしながら降りて来る。
    GM:羽から飛び散る鱗粉は、鋼の色をしている。
    GM:口の中に吸い込んだのなら、砂のようにじゃりじゃりと、歯と擦れて不愉快な音を鳴らすだろう。
    陶妙算:「三楼人さん」
    陶妙算:「来ますよ。」
    陶妙算:敵の攻撃の気配、ただそれだけを告げる。
    陶妙算:彼が、それだけで前を向ける人間であることは、ここまでの道中で知っている。
    三楼人 椿:「……」少しヒビの入ったスマートフォンを、懐にしまい込むように鎧の中に
    三楼人 椿:「……ああ、わかってる」おろした剣を、構え直す
    〝無尽無刀〟:「……由良、あんた……イメチェンにしちゃ趣味悪いんじゃないの」
    〝夢惑う羽〟:「ふふ」
    〝夢惑う羽〟:「ふふふふ……ふふふっ!」
    〝夢惑う羽〟:「〝戴冠計画〟プロトタイプ、ゆえ様がくださったコードネームは〝イミテート・クラウン〟」
    〝夢惑う羽〟:「あなた達を殺すものは、紛い物の王冠で十分!」
    〝夢惑う羽〟:「……ふふ」
    〝夢惑う羽〟:「ふふふふふっ」
    〝夢惑う羽〟:「言葉に詰まらないって──気持ちいいのね」
    〝夢惑う羽〟:本当に嬉しそうに、少女は笑った。

    GM:……さて。
    GM:飛ばしていた宣言を二つさせていただこう。
    GM:まず一つは衝動判定。難易度は9だ!
    GM:〝夢惑う羽〟の狂気は些か心を揺さぶったかも知れない──だが致命的な危機でもあるまい!
    陶妙算:オラ!!
    陶妙算:5dx+2>=9
    DoubleCross : (5R10+2[10]>=9) → 9[3,3,4,4,9]+2 → 11 → 成功

    陶妙算:成功!
    三楼人 椿:3dx+1>=9
    DoubleCross : (3R10+1[10]>=9) → 10[1,5,10]+3[3]+1 → 14 → 成功

    陶妙算:2d10+66
    DoubleCross : (2D10+66) → 12[7,5]+66 → 78

    陶妙算:まああまあ上がった!
    三楼人 椿:2d10+79
    DoubleCross : (2D10+79) → 15[5,10]+79 → 94

    二階堂 双次郎:5dx>=9
    DoubleCross : (5R10[10]>=9) → 6[1,1,2,5,6] → 6 → 失敗

    GM:エリートー!
    陶妙算:二階堂どん!!
    二階堂 双次郎:ウガー——ッ
    二階堂 双次郎:105+2d10
    DoubleCross : (105+2D10) → 105+14[8,6] → 119

    GM:とうとう40の差が開いた

    エンゲージ
    二階堂 双次郎[6] 三楼人 椿[7] 陶 妙算[5] 〝無尽無刀〟[5]

    10m

    〝イミテート・クラウン〟[6] 〝夢惑う羽〟[12]

    GM:では続いて、もう一つの飛ばしていた宣言を
    GM:とは言っても、たいしたことではない。
    GM:〝ラウンド1〟

    ラウンド1


    GM:セットアップ!
    〝夢惑う羽〟:《常勝の天才》 このラウンド中の〝イミテートクラウン〟の攻撃力を+32します
    陶妙算:バカ!!!
    〝イミテート・クラウン〟:こちらは無い
    陶妙算:なし!
    二階堂 双次郎:・・・なし!
    三楼人 椿:《フルパワーアタック》!
    三楼人 椿:行動値0!
    三楼人 椿:侵蝕94→98
    GM:では
    GM:イニシアチブ
    〝夢惑う羽〟:《ブリッツクリーク》 対象は〝イミテート・クラウン〟
    〝夢惑う羽〟:対象はイニシアチブにメインプロセスを行い、かつ行動済みになりません
    二階堂 双次郎:うぎゃー!
    陶妙算:ジャームじみた戦術!!
    〝イミテート・クラウン〟:では手番一度目
    〝イミテート・クラウン〟:マイナー、無し。メジャー、《コンセントレイト》+《斥力の鎚》+《因果歪曲》+《黒の鉄槌》+《黒星の門》。対象は二階堂、三楼人、陶、〝無尽無刀〟!
    〝イミテート・クラウン〟:1点でもダメージが入った場合、16m戦闘移動していただきます。
    陶妙算:げ、どう!!
    〝イミテート・クラウン〟:ちなみに彼我の距離は10m。合計で26mの距離になりますね。
    〝イミテート・クラウン〟:では命中判定
    〝イミテート・クラウン〟:14dx7+4
    DoubleCross : (14R10+4[7]) → 10[2,2,3,3,3,4,4,5,7,8,9,9,10,10]+10[1,4,5,6,7,9]+6[1,6]+4 → 30

    陶妙算:ゲットダウン!!
    GM:しょぼいな、これは困った
    陶妙算:侵蝕が80に
    〝夢惑う羽〟:《勝利の女神》 今の判定の達成値を+24します。
    陶妙算:バカ……!!
    二階堂 双次郎:リアクション不可!
    三楼人 椿:どのみち足りないだろうしドッジワンチャン
    陶妙算:4dx+29
    DoubleCross : (4R10+29[10]) → 8[1,2,2,8]+29 → 37

    陶妙算:くっ、殺せ…!!
    三楼人 椿:7dx+1>=54
    DoubleCross : (7R10+1[10]>=54) → 9[2,3,4,4,8,9,9]+1 → 10 → 失敗

    三楼人 椿:ウワーッ!
    GM:では
    〝夢惑う羽〟:6+32+6d10 ダメージ
    DoubleCross : (6+32+6D10) → 6+32+34[3,2,9,4,10,6] → 72

    陶妙算:死ぬ!!リザレクトで復活!!
    三楼人 椿:耐えられるわけがない。リザレクト!
    陶妙算:1d10+80
    DoubleCross : (1D10+80) → 7[7]+80 → 87

    三楼人 椿:1d10+98
    DoubleCross : (1D10+98) → 9[9]+98 → 107

    陶妙算:上がってきたぞ!
    二階堂 双次郎:陶さんへのロイスをタイタスに昇華して使用!
    二階堂 双次郎:HP17で復活!
    GM:そっちで行くのか、ふむ
    GM:では軽く演出
    〝夢惑う羽〟:「やれ! やってしまえ!」
    〝夢惑う羽〟:「〝インリークォ〟の理想に──ゆえ様に仇なす者だ、殺してしまえ!」
    〝イミテート・クラウン〟:巨大な羽を打ち鳴らす。羽の表面に付着した鋼の鱗粉は、ギラギラと輝きながらあなた達に吹き付けられる。
    〝イミテート・クラウン〟:……もっとも。その時点ではまだ、少しざらざらする、吸い込んだら口の中がじゃりじゃりする。その程度の嫌がらせでしかない。
    〝イミテート・クラウン〟:……が。直後、あなた達の体は急激に後方へと、激しく殴打されたように吹き飛ばされる!
    陶妙算:「……!?」
    三楼人 椿:「ッ、な……ァっ!?」
    陶妙算:攻撃の初動すら、予備動作すら見えない。いや、なぜこうなったかすら理解が出来ない。
    二階堂 双次郎:「…………っ、一体……何が……?!」
    陶妙算:臓腑が焼かれるような衝撃とともに後方に吹っ飛ぶ!!
    GM:あなた達を殴打したものは、その鱗粉だ。
    GM:より正確に言うならば、
    GM:〝イミテート・クラウン〟が発した磁力により反発、遠ざかろうとした大量の粉末があなた達の体に叩き付けられた。それが故の衝撃である。
    〝夢惑う羽〟:「ふ──ふふふふふっ! 分からないでしょ!? ざまぁない、本当にざまぁないったら!」
    〝夢惑う羽〟:「……どんな気分よ、縄手 ヤツメ! 哀れんで見下してた相手に良いようにやられるのは!」
    〝無尽無刀〟:「ぐ──っ!」〝無尽無刀〟もまたあなた達と同様に弾き飛ばされ、床に伏せっている。
    〝無尽無刀〟:先の打撃のダメージが蓄積している為か。直ぐに立ち上がる様子は無い。
    〝夢惑う羽〟:「知ってるわよ、知ってるわ。あんた達は剣士、なら──」
    〝夢惑う羽〟:「〝近づけない相手〟と戦う方法なんて無いわよねぇ?」
    〝夢惑う羽〟:勝ち誇ったように、〝夢惑う羽〟は笑っている。
    〝夢惑う羽〟:「……そうだ。〝イミテート・クラウン〟、先にアレ回収しなさい」
    〝イミテート・クラウン〟:声も無く、頷くこともない。だが、その命令に従ったのだろう──磁力が一瞬だけ強まると、
    陶妙算:そのとおりだ。少なくとも自分には、間合いの外の敵に刃を届かす術を持たない。
    GM:ばぎばぎばぎばぎばぎっ
    GM:……と、悍ましい破壊音が鳴った。
    陶妙算:なら、どうすればいい。そう思考を巡らせた瞬間、その音に思考を遮られる
    〝無尽無刀〟:「ぅ──ぁあうああぁあぁぁぁぁぁっ!?」血を吐くような悲鳴が、傍にいるあなた達の耳を叩くだろう。
    〝無尽無刀〟:十指から四つずつ伸びた四十の刃。その全てが〝イミテート・クラウン〟の磁力に引き寄せられ、
    〝無尽無刀〟:体から毟り取られた。その激痛が為の悲鳴であった。
    三楼人 椿:間合いより外への攻撃手段。正確には蔦による攻撃はあるが、あくまでも移動や拘束、簡単な露払い程度にしか使えない。
    〝夢惑う羽〟:「……そいつだけは間合いが長いもんねぇ。危ない危ない、油断して失敗したら怒られちゃうわ」
    陶妙算:「……そういえば、貴方は最初から彼女たちを潰して欲しい、と」
    陶妙算:「僕たちに近づいたんですものね。」
    〝夢惑う羽〟:「そういえば、そうだったわね」
    〝夢惑う羽〟:「……うざったいのよ、こいつら。気安く人の肩は叩くし、慣れ慣れしく呼びかけて来るし」
    〝夢惑う羽〟:「〝何か困ったことがあるなら言え〟なんて、綺麗な言葉を吐くけどね」
    〝夢惑う羽〟:「哀れみやすい相手を探してるのが見え見えで、殺したいくらい不愉快だったわ」
    二階堂 双次郎:「その程度で………?FHらしいといえばそうですが……」
    〝夢惑う羽〟:「その程度?」
    〝夢惑う羽〟:「あんたに何が分かるっ!」
    〝夢惑う羽〟:「生まれてからずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ただ言葉がろくに使えないだけで」
    〝夢惑う羽〟:「かわいそうだ、病気だ、困ってるんだ、助けなきゃ──押し付けの善意に晒されて!」
    〝夢惑う羽〟:「……それがどんなに屈辱だったか……あんたに分かるかっ!」
    二階堂 双次郎:「…………分からないさ」
    GM:では
    陶妙算:2d6+11
    DoubleCross : (2D6+11) → 11[6,5]+11 → 22

    GM:行動値12、〝夢惑う羽〟
    〝夢惑う羽〟:待機。動きたくない。
    GM:行動値6、〝イミテート・クラウン〟
    〝イミテート・クラウン〟:待機。次に近づいて来たらまた吹っ飛ばしてやろう。
    陶妙算:なんて奴らだ
    GM:PL優先の法則を無視して申し訳ない。だが、待機だから先に宣言させていただいた。
    GM:よって手番、二階堂くん!
    二階堂 双次郎:はい!
    エンゲージ
    二階堂 双次郎[6] 三楼人 椿[7] 陶 妙算[5] 〝無尽無刀〟[5]

    26m

    〝イミテート・クラウン〟[6] 〝夢惑う羽〟[12]

    二階堂 双次郎:と、届かねぇ・・・
    GM:頑張って走っておいで
    GM:この戦闘においては〝無尽無刀〟とのエンゲージ分割には離脱を要求しないよ
    陶妙算:やったぜ
    三楼人 椿:やったぜ
    二階堂 双次郎:敵として攻撃はしてきますか?
    GM:どうなるかな
    二階堂 双次郎:分からないなら・・・とりあえず新しく出てきた敵に向かいます!
    GM:ほう
    二階堂 双次郎:マイナー!戦闘移動!
    二階堂 双次郎:〝イミテート・クラウン〟に向けて11m移動!
    二階堂 双次郎:メジャーアクション!全力移動!
    二階堂 双次郎:〝イミテート・クラウン〟に向けて22m移動!
    GM:よろしい。同一エンゲージだ。
    二階堂 双次郎:これで手番終了!
    GM:では。あなたが駆け出す瞬間、もしかすれば
    GM:……もしかすれば聞こえないかも知れない程度の、小さな声が発せられた。
    〝無尽無刀〟:「……行け」
    〝無尽無刀〟:「なんでもいい……近づけ……!」
    GM:さて。
    GM:行動値5,陶くん。
    陶妙算:同じくマイナーで戦闘移動、メジャーで全力移動をしてイミテートクラウンたちに近づきます
    GM:よろしい、演出はありますか?
    陶妙算:一瞬、〝弾丸爆華〟に視線を向ける。
    陶妙算:或いは、彼と協力できたのなら、一瞬で距離を詰めて彼女に一太刀を浴びせることができたかもしれない。
    陶妙算:だが、戦況がそれを許さなかった。いや、この状況を作った人間が、そうさせてくれなかった。
    〝弾丸爆華〟:血の海の中、仰向けに倒れている彼は、やはりオーヴァードであるからだろう。動けぬ程には重傷だが、呼吸は落ち着いていた。
    〝弾丸爆華〟:……そして、きっと。あなたと同じことを思っているのだろう。
    〝弾丸爆華〟:「……ちくしょう……かっこ悪いぜ俺……」
    〝弾丸爆華〟:腕で目元を覆いながら、口調ばかりは普段のように軽薄な呟き。
    陶妙算:全てが後手後手に回っている。それでも、今できることを全力でやるしかない。
    陶妙算:意を決し、その軽妙なつぶやきに笑みで応える
    陶妙算:「あの人を守ろうとする貴方は、カッコよかったですよ。」
    陶妙算:「貴方が彼女にそうしたように、僕たちも今から世界を守ります。」
    陶妙算:「…守れるように、祈っててください」
    陶妙算:そこで言葉を切って、距離を詰めます。
    〝夢惑う羽〟:「どうやって? ……ふふふふふ、〝イミテート・クラウン〟の放つ磁力! そして飛翔能力!」
    〝夢惑う羽〟:「あんたらがどれだけ頑張ったところで、その剣は届かない!」
    陶妙算:「けど、貴方も先程の出力を何度も出せるわけではないでしょう。」
    〝夢惑う羽〟:「……ええ、そうかもね。でも」
    〝夢惑う羽〟:「さっきの数分の一の出力でも。ぼろぼろのあんた達を殺すことは出来そうじゃない?」
    〝夢惑う羽〟:「大言壮語も程々にした方が、後々恥をかかなくて済む──」
    〝無尽無刀〟:行動値5.〝無尽無刀〟の手番を宣言する。
    〝無尽無刀〟:マイナーで戦闘移動。メジャーで全力移動。そして。
    GM:GM権限にて『エンゲージの封鎖』を宣言します。
    三楼人 椿:えっ
    GM:基本ルルブ1の240P。エンゲージが封鎖されている場合、離脱を行おうとするキャラクターは、封鎖している敵と肉体による対決を行う。
    GM:そこで敗北した場合、離脱を行うことはできない。
    GM:ちなみに記述を読んでいただくと分かるが、封鎖されててもエンゲージへの侵入についての記載って無いっぽい。
    三楼人 椿:よかった
    GM:つまり、エンゲージからの離脱には判定が必要だが、侵入には判定が要らないということだね。
    GM:じゃあ、どういうことかって?
    GM:この戦闘中、いかなる手段であれ〝無尽無刀〟の存在するエンゲージから離脱を図る場合、
    GM:〝無尽無刀〟と肉体判定での対決を行い勝利しない限り、離脱はできません。
    〝無尽無刀〟:──ひゅうっ。
    〝無尽無刀〟:腕を、指揮者のように振った。
    〝無尽無刀〟:その指先に刃は無い。だが──白く、細く、長く、伸びて絡まるものがあった。
    〝無尽無刀〟:糸だ。
    〝無尽無刀〟:大量の糸がドームのように、〝イミテート・クラウン〟を、〝夢惑う羽〟を、
    〝無尽無刀〟:そして二階堂 双次郎を、陶 妙算を捕らえていた。
    〝無尽無刀〟:「……大言壮語が、なんだって?」
    〝夢惑う羽〟:「──っ!」
    〝夢惑う羽〟:「下がれ!」
    〝イミテート・クラウン〟:命令を受け、巨大な蝶──〝イミテート・クラウン〟は羽ばたき、あなた達から距離を離そうとするが、
    〝イミテート・クラウン〟:多量の糸によって編み出された籠から、外へ抜け出す事は叶わない。
    〝無尽無刀〟:「最上 由良。あんたなら私の改造ベースが何か知ってるでしょ!」
    〝夢惑う羽〟:「どこまで私の足を引っ張って!」
    GM:外骨格。複眼。広義の〝むし〟ではあるが、昆虫ではない。
    GM:刃が尽きて尚、張り巡らされたる白。
    GM:蜘蛛の糸。
    陶妙算:「…助かります、〝無尽無刀〟」
    〝無尽無刀〟:「……助けたつもりは無い」
    〝無尽無刀〟:「あの虫をさっさと駆除しろ、UGN!」
    二階堂 双次郎:「…………そうですね」
    二階堂 双次郎:「……敵の敵は味方ではない……ですが」
    二階堂 双次郎:「存分に……利用しあいましょう……!」
    GM:では
    GM:行動値0、三楼人 椿!
    三楼人 椿:マイナー戦闘移動、メジャー全力移動でエンゲージ!
    GM:行動値が0だと、たぶん合計で15mだから11m足りないかな……?
    三楼人 椿:アイェーッ足りない! ともかく移動!
    GM:では
    〝イミテート・クラウン〟:待機した分の手番!
    陶妙算:こいや!!
    〝イミテート・クラウン〟:マイナー、無し。メジャーで離脱を宣言。
    〝イミテート・クラウン〟:肉体による〝無尽無刀〟との対決に挑みます
    〝イミテート・クラウン〟:4dx
    DoubleCross : (4R10[10]) → 8[3,6,7,8] → 8

    〝無尽無刀〟:10dx
    DoubleCross : (10R10[10]) → 10[1,2,2,4,5,6,8,8,8,10]+7[7] → 17

    〝イミテート・クラウン〟:巨大な蝶は主命を遂行しようと、がむしゃらに糸の檻にぶち当たる──が、
    陶妙算:ナイスマッチョ!!
    〝イミテート・クラウン〟:糸は揺るがず、切れず。
    〝夢惑う羽〟:「何やってんの、その程度の糸!」
    〝無尽無刀〟:「蝶を逃がす蜘蛛を見たことあるわけ?」
    〝夢惑う羽〟:「……っ!」
    〝夢惑う羽〟:待機手番。
    〝夢惑う羽〟:マイナー、無し。メジャー、〝無尽無刀〟への素手白兵攻撃。
    〝夢惑う羽〟:4dx 命中判定
    DoubleCross : (4R10[10]) → 10[1,9,10,10]+5[4,5] → 15

    〝夢惑う羽〟:オートアクション《天才》、判定達成値を+10
    〝無尽無刀〟:また、封鎖を行っている間、〝無尽無刀〟はリアクションを行えないものとする。
    〝夢惑う羽〟:2d10-5 ダメージ
    DoubleCross : (2D10-5) → 17[8,9]-5 → 12

    〝夢惑う羽〟:苛立ち紛れの拳が、〝無尽無刀〟の頬を打つ。非力ではあるのだろう。だが、それなりに堂に入ったスイング。
    〝無尽無刀〟:「っ……!」脳を揺らされ、膝がぐらつく。……ほんの一瞬だけ糸の檻が緩み、だが直ぐに立て直す。
    〝無尽無刀〟:「それだけ?」
    〝無尽無刀〟:「いじめられっ子のパンチ、退屈なんだよ!」
    〝夢惑う羽〟:「く、ぅううぅ~っ!」
    GM:クリンナップ
    〝夢惑う羽〟:無し
    〝イミテート・クラウン〟:無し!
    陶妙算:なし!!
    三楼人 椿:なし
    二階堂 双次郎:なし!
    GM:では

    ラウンド2



    GM:セットアップ!
    〝夢惑う羽〟:ネタ切れ!
    〝イミテート・クラウン〟:無し!
    陶妙算:なし!
    三楼人 椿:100%を越えたので使えるようになったぜ!
    二階堂 双次郎:フルパワーアタック宣言!
    三楼人 椿:▼我流・魁の腕 《原初の黄:スタートダッシュ》+《フルパワーアタック》 セットアップで行動値が戻ってるから、12m移動してエンゲージ!
    三楼人 椿:その後再び行動値0!
    二階堂 双次郎:ラウンド攻撃力+15! 行動値0!
    GM:フルパワー持ち二人、なんだかとってもデジャヴだわ
    三楼人 椿:侵蝕107→115
    二階堂 双次郎:侵蝕4増加 123へ
    三楼人 椿:演出を少々
    三楼人 椿:「屈辱、だったか。最上」歩きながらも、鎧の上から、さらに蔦が編み込まれていく。
    三楼人 椿:「……それ自体はわからんでもねえさ」「俺も、こっちは好きでこの生活してるってのに、勝手に心配面して、前に立つ奴には、飽きるほど見てきた」
    三楼人 椿:「けど、さ」「そうやって、他人が全員自分を見下して、見え見えの憐憫を善意のメッキで取り繕ってるように見えるときゃ」ぐっ、と体が沈み込む。
    三楼人 椿:「……一番自分を下に見てるのは、てめぇ自身だ!」蔦を前方に。鳥かごに突き刺さる蔦を引き、一気にその中に飛び込んだ
    三楼人 椿:「さぁ、最上由良。俺はあんたを見下さねえ、かわりに見上げもしねえ」「首根っこに縄くくってでも同じ場所に引きずり込んでやるから」
    三楼人 椿:「正面から喧嘩と行こうじゃねえか!」剣を、構える。
    〝夢惑う羽〟:「いまさら理屈ばっかり綺麗に整えて!」
    〝夢惑う羽〟:「……知ってる。分かってる。お前だって笑ってる、笑ってた!」
    〝夢惑う羽〟:「私は優秀なのに、優れてるのに、なのに──」
    〝夢惑う羽〟:「お前もやっぱり笑ってたんだ!」
    GM:虫籠の中。
    GM:狂気にも等しい嘆きの声が、きぃきぃと喧しく鳴っている。
    GM:その後方で巨大な蝶は、音も無く羽ばたき続けている。
    GM:では
    〝夢惑う羽〟:行動値12、〝夢惑う羽〟は待機!
    GM:行動値6、二階堂くん!
    陶妙算:いけ!!
    二階堂 双次郎:いえ、フルパワーアタック宣言したので0です!
    陶妙算:フルパワーコンビだった!
    GM:あっ
    〝イミテート・クラウン〟:では行動値6のこいつ!
    〝イミテート・クラウン〟:マイナーは無し。メジャーはさっきと同じで《コンセントレイト》+《斥力の鎚》+《因果歪曲》+《黒の鉄槌》+《黒星の門》、対象も同じだ!
    〝イミテート・クラウン〟:もちろんダメージが入ったら戦闘移動だかんな!
    〝イミテート・クラウン〟:14dx7+4 命中判定
    DoubleCross : (14R10+4[7]) → 10[1,1,2,3,3,3,3,5,6,6,7,9,10,10]+10[2,4,10,10]+10[2,10]+2[2]+4 → 36

    〝夢惑う羽〟:……難しいがここは女神無し!
    三楼人 椿:同エンゲージだな? 《復讐の刃》宣言!
    陶妙算:よっしゃあ!!ゲットダウン!!
    陶妙算:5dx+29
    DoubleCross : (5R10+29[10]) → 10[1,2,3,10,10]+9[4,9]+29 → 48

    二階堂 双次郎:リア不!
    陶妙算:超回避!!
    GM:回避48ってどういうことだよ
    三楼人 椿:115→121 侵蝕
    〝夢惑う羽〟:6+4d10 装甲などなど有効
    DoubleCross : (6+4D10) → 6+21[2,1,8,10] → 27

    三楼人 椿:それは死! だがこっちも判定させてもらうぜ!
    GM:よし来い、移動処理はその後だ!
    三楼人 椿:8dx+1@7
    DoubleCross : (8R10+1[7]) → 10[1,1,2,3,3,4,9,10]+5[1,5]+1 → 16

    三楼人 椿:2d10+30
    DoubleCross : (2D10+30) → 13[6,7]+30 → 43

    GM:わぁ
    〝イミテート・クラウン〟:流石に一発で倒れはせんが……結構深めにざっくり行ったな……!
    三楼人 椿:そして陶くんのロイスをタイタス昇華して復活!
    〝夢惑う羽〟:「殺せ! 殺して! 全部殺して──今すぐ!」
    〝イミテート・クラウン〟:またも羽は大きく打ち鳴らされる。
    〝イミテート・クラウン〟:磁力の波が、羽の動きに合わせて発生──それがあなた達に付着した金属粉を激しく動かす。
    〝イミテート・クラウン〟:身体に密着したものが、短距離で急激な加速を得ることによる衝撃は、さながらワンインチパンチの如く──
    〝無尽無刀〟:10dx
    DoubleCross : (10R10[10]) → 10[1,1,3,4,7,7,9,9,10,10]+10[7,10]+5[5] → 25

    GM:ではPC3人、肉体でダイスを振りな
    三楼人 椿:8dx
    DoubleCross : (8R10[10]) → 9[1,2,3,4,6,7,8,9] → 9

    GM:うっかり26以上を出したら16m後方に吹っ飛んでもらう!
    二階堂 双次郎:10dx
    DoubleCross : (10R10[10]) → 10[1,1,1,3,4,4,6,7,9,10]+7[7] → 17

    二階堂 双次郎:危なかった…
    陶妙算:回避をしたので、移動は発生しないぜ!!
    三楼人 椿:全身に一度にかかる、急激な加速、重力じみた斥力。それに対し
    三楼人 椿:「ん゛……ラァ!」増設された鎧の一部を蔦に戻し、束ね、地面に突き刺す。さながら百足のような様相になりながら、強引に接近する。
    三楼人 椿:「いいからとっとと……」全身をきしませながら、巻き付いた蔦で擬似的に射程を伸ばした両手剣を振りかぶり
    三楼人 椿:「降りてこいやぁぁ!!」振り下ろす。蔦の一本一本が毒虫のように、触れたその体を削り食み、切り裂く
    陶妙算:半歩、体を動かす。
    陶妙算:宙を舞う粉を全て避ける神業など、自分の技量では出来るはずもない。
    陶妙算:だが、相手も全ての粉を精密に操ることは出来ないだろう。
    陶妙算:ならば
    陶妙算:この密閉された空間の中に、磁力と磁力が反発し力が相殺する隙間は存在するはず。
    陶妙算:その隙間に入り込み、何事もなかったのように〝イミテート・クラウン〟の攻撃をやり過ごす
    二階堂 双次郎:今は防御を捨てる。躱し方ではなく、敵を斬ることに思考を傾ける。
    〝イミテート・クラウン〟:空を飛ぶ為に軽量化された体。地に足をつけて戦う少女に比べて、その〝外骨格〟は脆い。刃は容易く肉に通るだろう。
    〝イミテート・クラウン〟:だが。この敵は悲鳴を上げることはない。口どころか口吻すら無く、おそらく体内に共鳴器官の類いも無いのだ。
    〝夢惑う羽〟:その分、飼い主の方は──いいや。
    〝夢惑う羽〟:「……なるほど……衝撃に対してのアプローチ……最低限の動きでいい……」
    〝夢惑う羽〟:「応用するなら……? 対斬撃、加速、力の方向は関節が変える……」
    〝夢惑う羽〟:ぶつぶつと、何事かを呟いている。
    GM:では
    GM:行動値5,陶くん!
    陶妙算:(何度も通じる手じゃない。いや、先程の彼女がアレを本気で制御したら、恐らく避けることは出来なかった)
    陶妙算:マイナーでジェネシフト
    陶妙算:3d10+89
    DoubleCross : (3D10+89) → 11[4,4,3]+89 → 100

    陶妙算:よっしゃあ!!ちょうど100!!
    GM:ピタリ賞かよぅ
    陶妙算:(余裕はない。全力で行く)
    陶妙算:メジャーで素殴り!
    陶妙算:対象は〝イミテート・クラウン〟!
    陶妙算:6dx+29
    DoubleCross : (6R10+29[10]) → 10[1,5,6,6,8,10]+6[6]+29 → 45

    GM:ならば
    陶妙算:回る回る!!
    GM:おっとすまない
    〝夢惑う羽〟:《インタラプト》
    GM:C値11で振り直していただこう
    陶妙算:なんやて
    陶妙算:6dx11+29
    DoubleCross : (6R10+29[11]) → 8[1,3,4,5,6,8]+29 → 37

    陶妙算:37!!
    〝夢惑う羽〟:《チェンジ》
    〝夢惑う羽〟:対象を〝夢惑う羽〟に変更していただく。
    陶妙算:にゃ、ろ!
    〝夢惑う羽〟:《カウンター》+《コンセントレイト》
    〝夢惑う羽〟:4dx7
    DoubleCross : (4R10[7]) → 10[6,6,8,9]+10[8,10]+10[4,8]+5[5] → 35

    陶妙算:うわあああ!!!勝利の女神!!で死ぬ!!!
    〝夢惑う羽〟:そして《天才》+《勝利の女神》で達成値を+34
    〝夢惑う羽〟:達成値69だ!
    陶妙算:ばっきゃろい!!
    〝夢惑う羽〟:ということでダメージだします
    〝夢惑う羽〟:7d10-5
    DoubleCross : (7D10-5) → 28[1,4,6,3,3,8,3]-5 → 23

    〝夢惑う羽〟:死ねえ!
    陶妙算:く、死ぬ!!
    陶妙算:三楼人くんのロイスを切って復活!
    陶妙算:HPは13に
    陶妙算:演出!!
    GM:カモン!
    陶妙算:地面を蹴り、音もなく跳ねる
    陶妙算:陶の通常の跳躍では届かない高さ。
    陶妙算:それを、〝イミテート・クラウン〟の磁力を利用することで無理やり届かせる
    陶妙算:「やあっ!」
    陶妙算:裂帛の気合とともに
    陶妙算:伯耆安綱がきらめき
    陶妙算:〝イミテート・クラウン〟を羽根を切り裂く
    陶妙算:はずだった
    〝夢惑う羽〟:──動きは一度、近づいてくる時に見た。
    〝夢惑う羽〟:磁力は、当然把握している。どの程度の出力か。この場の影響はどの程度か。
    〝夢惑う羽〟:ならば計算できる。
    〝夢惑う羽〟:構えから。これまでの会話で得た性質の情報から。
    〝夢惑う羽〟:〝どの軌道で、どれだけの速度の斬撃が届くのか〟を予想できる──!
    〝夢惑う羽〟:「らああぁっ!」
    〝夢惑う羽〟:斬撃の軌道に割り込んだ──かと見えた一瞬。その足が、陶の手を蹴り上げた。
    陶妙算:「…!!」
    〝夢惑う羽〟:攻撃を中断させる目的ではない。寧ろ、剣閃の速度をより加速させながら、その軌道だけを捩じ曲げる動き。
    〝夢惑う羽〟:有らぬ方向へ振り払われた腕。がら空きになった胴体に触れる肘、そして、
    〝夢惑う羽〟:「弾け!」
    〝イミテート・クラウン〟:羽ばたき。
    〝夢惑う羽〟:馬鹿げて強烈な磁力が、〝夢惑う羽〟を突き飛ばす。……その加速は肘を伝わり、陶の胴へ衝撃となって叩き込まれる。
    陶妙算:瞬間、伯耆安綱を強く掴む。
    陶妙算:かろうじて、徒手空拳になることだけは防ぐが
    陶妙算:「……!!」
    陶妙算:それ以上の行動は取れない。反撃を、もろに受ける!!
    陶妙算:「かっっ……!」
    〝夢惑う羽〟:密着状態から放たれる無寸勁。〝夢惑う羽〟は格闘技の熟練者ではないが、
    〝夢惑う羽〟:「物理法則なら、計算できる」
    〝夢惑う羽〟:「研究員なら喧嘩が弱いとでも思った?」
    陶妙算:空気の塊が口から吐き出される。それを取り戻すように、必死に呼吸をする。
    陶妙算:「いいえ」
    陶妙算:「僕は全力でした。ただ、貴方が僕を上回っただけのこと。」
    〝夢惑う羽〟:「その剣、全部叩き落としてやる」
    〝夢惑う羽〟:「あんたが一番細いし、へし折れやすそうだしね」
    陶妙算:「……見縊らないでほしいな。」
    陶妙算:「これでも、自分より強い相手に立ち向かうことには」
    陶妙算:「慣れてるんですよ。」
    陶妙算:伯耆安綱を構えながら言う。
    陶妙算:そうだ。"あの人"も
    陶妙算:常に、自分よりも大きな理不尽に抗い続けていた。
    陶妙算:困難を前にしても、強敵を前にしても、恐怖を前にしても、強く、笑い続けていた。
    陶妙算:「僕だって、こんなところで折れるわけにはいかないんです。」
    〝夢惑う羽〟:「……へし折ってやる」
    〝夢惑う羽〟:「あんたから詫びを入れるまで、全部打ち返してやる!」
    GM:では
    GM:行動値0の二人……どっちから行く!
    二階堂 双次郎:では自分が!
    二階堂 双次郎:死んでましたが兄さん<二階堂 壱志>へのロイスをSロイスへ指定!そして…昇華!HP最大値36で復活!
    二階堂 双次郎:そしてイニシアチブプロセスに時間凍結を宣言!
    GM:二回殴る気だな
    二階堂 双次郎:ではまずイニシアチブにメインプロセスを行います!
    二階堂 双次郎:マイナーで暴走解除!
    二階堂 双次郎:メジャーで攻撃!対象はイミテート・クラウン〟!
    GM:割り込めるものがもう無いな……
    GM:来い!
    二階堂 双次郎:10dx+1@7
    DoubleCross : (10R10+1[7]) → 10[1,2,3,5,5,6,8,9,9,9]+3[1,1,2,3]+1 → 14

    GM:マジ?
    〝イミテート・クラウン〟:いけるかも知れん……ドッジ!
    〝イミテート・クラウン〟:4dx
    DoubleCross : (4R10[10]) → 10[6,10,10,10]+7[3,5,7] → 17

    〝イミテート・クラウン〟:本当に行けてしまった
    二階堂 双次郎:そんなぁ
    二階堂 双次郎:ロイス切って判定に+1d10!
    GM:私が言うのもなんだが……リアクション有利の法則があるから……
    GM:3割は失敗するぞ……!?
    二階堂 双次郎:14+1d10
    DoubleCross : (14+1D10) → 14+5[5] → 19

    GM:乗せて来たか……ならば当たる!
    二階堂 双次郎:僕は…やれる!
    二階堂 双次郎:2d10+22+15
    DoubleCross : (2D10+22+15) → 14[10,4]+22+15 → 51

    〝イミテート・クラウン〟:装甲無しの素通しだ……蓄積ダメージ43+51=94!
    二階堂 双次郎:装甲ガード有効!
    〝イミテート・クラウン〟:ほぼ致命傷、だがかろうじて生きている……そういう具合だ!
    二階堂 双次郎:では次も僕のターン!
    二階堂 双次郎:マイナー無し!
    二階堂 双次郎:メジャーアクション!コンボ:"アパレーティダイ" コンセントレイト:ノイマン+マルチウェポン
    二階堂 双次郎:対象は〝イミテート・クラウン〟!
    二階堂 双次郎:10dx+1@7
    DoubleCross : (10R10+1[7]) → 10[1,2,3,4,5,5,6,7,8,9]+4[1,3,4]+1 → 15

    GM:あのさぁ
    GM:あのさぁ……
    〝イミテート・クラウン〟:ドッジ
    〝イミテート・クラウン〟:4dx
    DoubleCross : (4R10[10]) → 10[2,4,7,10]+6[6] → 16

    GM:たいがいにせーよ!!!!
    二階堂 双次郎:うわあああああああ
    GM:一番頭抱えてんのたぶんGMやぞ!
    二階堂 双次郎:今更引けん!アッシュ・レドリックへのロイスをタイタスに昇華!判定+1d10!
    二階堂 双次郎:15+1d10
    DoubleCross : (15+1D10) → 15+5[5] → 20

    GM:前のめりすぎる……!
    GM:さあ来い……来い!
    二階堂 双次郎:3d10+22+15
    DoubleCross : (3D10+22+15) → 18[3,5,10]+22+15 → 55

    〝イミテート・クラウン〟:蓄積ダメージ、94+55
    〝イミテート・クラウン〟:即ち149
    〝イミテート・クラウン〟:……
    〝イミテート・クラウン〟:…………
    〝イミテート・クラウン〟:……………………撃破! 復活エフェクトは無しだ演出どうぞ!
    二階堂 双次郎:「ハァ………ハァ………」
    二階堂 双次郎:(血を流しすぎたな……)
    二階堂 双次郎:(前にもこんなことが有ったな……自分でもまだ立っているのが不思議なくらいで)
    二階堂 双次郎:(………心臓の鼓動が………やけに大きく聞こえる)
    二階堂 双次郎:(………こんな状況なのに……やけに落ち着くな……)
    二階堂 双次郎:(周りの動きも………止まって見える)
    二階堂 双次郎:(ああ、あの時も…………こうだったな)
    二階堂 双次郎:(だったら……やれるはず)
    二階堂 双次郎:(────そのために)
    二階堂 双次郎:(一緒に戦ってくれ、兄さん!)
    二階堂 双次郎:「斬る!!!!!」
    二階堂 双次郎:瞬間的に出力を増加 限界を超えた速度で肉体を稼働させ
    二階堂 双次郎:二人の剣聖を同時にその身に宿したような…"デュオツインダブル"の由来と所以たる二刀流の繰り出す構えを取る
    二階堂 双次郎:まずは跳躍
    二階堂 双次郎:〝イミテート・クラウン〟の背後へ一瞬で移動し………
    二階堂 双次郎:左の羽を斬り落とす!
    〝イミテート・クラウン〟:斬──一撃は深く入る。だが!
    〝イミテート・クラウン〟:羽を切りおとすに足る筈のあなたの剣は、その目的を果たす一歩手前で力を失う。
    〝イミテート・クラウン〟:磁力の〝反発〟。
    〝イミテート・クラウン〟:〝イミテート・クラウン〟が発した膨大な磁力は、あなたの意志と裏腹に、振り下ろされた剣を空へと押し返す!
    〝夢惑う羽〟:「ふ、は──あははははははっ!」
    〝夢惑う羽〟:「そんなもので! そんな剣で! ゆら様にも認められた私の作品が殺せると!?」
    二階堂 双次郎:「…………”そんなもの”……?」
    〝夢惑う羽〟:「やってしまえ、〝イミテート・クラウン〟! もう素材は十分に揃った、あんな剣に興味は無い!」
    〝夢惑う羽〟:「持ち主ごと潰して砕いてしまえっ!」
    〝イミテート・クラウン〟:羽を動かす。重力場を発する。これまでに幾度も、幾度も見せた挙動。
    〝イミテート・クラウン〟:だが、次のそれは──あなたの持つ剣に磁性を纏わせて、
    〝イミテート・クラウン〟:床下に埋められた鉄骨と強く引き合わせる為のもの。
    〝イミテート・クラウン〟:二つの剣を大地へ引き寄せる力はまるで、屍が地の底から手を伸ばし纏わり付くようだ。
    二階堂 双次郎:(地面に衝突させる算段か……)
    二階堂 双次郎:しかし………"デュオツインダブル"の剣は止まらない
    二階堂 双次郎:剣筋には寸分の狂いもない
    二階堂 双次郎:強い力で押さえつけっれるなら……それ以上の力で跳ね返す!押し通る!
    二階堂 双次郎:それが"デュオツインダブル"二階堂双次郎の剣!
    二階堂 双次郎:斬れないものなら………何度だって斬ってきた!
    二階堂 双次郎:「…………………シャァッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」
    二階堂 双次郎:─────斬。
    二階堂 双次郎:続けざまに右の羽も……
    二階堂 双次郎:─────斬。
    二階堂 双次郎:羽を失いもがく蝶の背に二刀を突き刺し……
    二階堂 双次郎:「……………………セイヤァァァァァァァァッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!」
    二階堂 双次郎:─────斬!
    〝イミテート・クラウン〟:羽。
    〝イミテート・クラウン〟:羽。
    〝イミテート・クラウン〟:頭。
    〝イミテート・クラウン〟:胸。
    〝イミテート・クラウン〟:腹。
    〝イミテート・クラウン〟:……きっとこれが、虫を解体するにあたって、もっとも効率の良い分割方法だ。
    〝イミテート・クラウン〟:虫ではあるのだろう。分割されて床に落ちても、少しの間は足を動かしていた。
    〝イミテート・クラウン〟:が。
    〝イミテート・クラウン〟:やがてその体は力を失い──それに伴って、空間を支配していた磁力が消え去った。
    〝夢惑う羽〟:「………………………………え」
    〝夢惑う羽〟:「なんで?」
    〝夢惑う羽〟:「なんで再生系が正常に動作しないの?」
    〝夢惑う羽〟:「結合は?」
    〝夢惑う羽〟:「その程度のこと、出来るように」
    〝夢惑う羽〟:「出来るように、作って──」
    〝夢惑う羽〟:……呆然と呟く少女の耳から、小さな虫が這い出して来たのを、あなた達は見るかも知れない。
    〝夢惑う羽〟:その虫はあなた達と敵対することもなく、何処かへと
    〝夢惑う羽〟:何処かへと飛んで行った。そして。
    〝夢惑う羽〟:「────────ぁ」
    〝夢惑う羽〟:ぱたっ……
    〝夢惑う羽〟:少女の身体は、糸の切れた人形のように床に崩れ落ちた。
    二階堂 双次郎:「…………”斬った”」
    二階堂 双次郎:「それだけの…………ことだ」

    GM:〝イミテート・クラウン〟討伐、〝夢惑う羽〟戦闘不能。
    GM:あなた達は、戦闘を終わらせる権利を得た。

    〝無尽無刀〟:「終わった……か」
    〝無尽無刀〟:糸の檻が解けていく。
    〝無尽無刀〟:檻を構築する為だけに立ち続けていた少女もまた、力尽きて倒れ伏す──かに見えた。
    〝無尽無刀〟:《魔獣の証》
    〝無尽無刀〟:あなた達と同一エンゲージで〝イミテート・クラウン〟の攻撃を受けた〝無尽無刀〟を、戦闘不能になり得るものと判断。
    〝無尽無刀〟:この復活エフェクトによりHP20で復活する。
    〝無尽無刀〟:また、体内に埋め込むタイプの武器を引き剥がされた。代替物を入手することは不可能と判断し、
    〝無尽無刀〟:〝無尽無刀〟の装備を『素手』のみと変更する。
    GM:戦いを終わらせる権利を持つのは、勝者の側だ。
    GM:どうする?
    二階堂 双次郎:戦いを…………終わらせます
    GM:よろしい。
    GM:ならば。これは厳密な戦闘処理ではない。
    GM:とある少女の、
    GM:自分が間違っていると分かっても、それでも止まることは出来なかった少女の踏ん切りだ。
    〝無尽無刀〟:マイナー、無し。
    〝無尽無刀〟:メジャー、《コンセントレイト》+《スキルフォーカス》。使用武器は素手、対象は二階堂 双次郎。
    〝無尽無刀〟:10dx+11 命中判定
    DoubleCross : (10R10+11[10]) → 10[1,1,1,3,5,5,6,7,7,10]+4[4]+11 → 25

    〝無尽無刀〟:※訂正
    〝無尽無刀〟:10dx7+11
    DoubleCross : (10R10+11[7]) → 10[1,1,3,3,4,5,6,8,9,10]+10[6,8,9]+10[5,9]+1[1]+11 → 42

    〝無尽無刀〟: 
    〝無尽無刀〟:──ふらふらと体を揺らしながらも、少女は踏み留まる。
    〝無尽無刀〟:武器を剥ぎ取られた両手は、全ての爪を失い、拳を握ることさえ叶わない。
    〝無尽無刀〟:一歩一歩、踏み出す足がふらつく。倒れずに進む為だけに、随分な時間を掛けた。
    〝無尽無刀〟:それでも。
    〝無尽無刀〟:「二階堂……壱志……!」
    〝無尽無刀〟:〝無尽無刀〟は、あなたの前に立つ。
    〝無尽無刀〟:刃の無い右手を振り上げた。あの斬撃の雨を降らせた時と同じ形で。そして──
    〝無尽無刀〟:5d10-5
    DoubleCross : (5D10-5) → 33[9,10,1,6,7]-5 → 28

    〝無尽無刀〟:──骨も砕けよとばかりに振り下ろされた平手が、あなたの肩を打つだろう。
    〝無尽無刀〟:それはきっと、十分な痛みを呼びはしても、
    〝無尽無刀〟:あなたを打ち果たすにはあまりに非力な一撃だった。
    二階堂 双次郎:「…………いい一撃だ」
    二階堂 双次郎:「……君は……これからもっと強くなれる」
    二階堂 双次郎:「………………僕はもっと強くなるけど」
    〝無尽無刀〟:「……すごく、むかつく……」
    〝無尽無刀〟:ぐらり
    〝無尽無刀〟:少女の身体は、あなたと擦れ違うように床へ落ちる。
    〝無尽無刀〟:「次は……もっと追い詰める……」
    〝無尽無刀〟:「二階堂 双次郎……」
    GM:戦闘終了。
    GM:あなた達の勝ちだ。

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    GM:バクトラの時間だコラァ!
    三楼人 椿:こらぁ!
    陶妙算:だらあ!!
    二階堂 双次郎:まじで危険域だ…
    陶妙算:生き残って…
    GM:Eロイスは《歪んだ囁き》が4つと《更なる絶望》が2つです
    GM:二階堂くんは振ってください
    GM:他のお二人はどうするかな?
    二階堂 双次郎:そりゃ勿論…!
    陶妙算:いらない!!
    陶妙算:素振り!
    陶妙算:100-4d10
    DoubleCross : (100-4D10) → 100-16[6,1,2,7] → 84

    陶妙算:おっけい、5点!
    二階堂 双次郎:前の手番の侵蝕+15を足して138
    二階堂 双次郎:138-6d10
    DoubleCross : (138-6D10) → 138-42[9,10,1,8,5,9] → 96

    三楼人 椿:ふる!
    三楼人 椿:121-6d10
    DoubleCross : (121-6D10) → 121-39[5,2,5,10,7,10] → 82

    二階堂 双次郎

    等倍振り!ロイスは残り2個!

    三楼人 椿:通常バクトラ素振り!
    三楼人 椿:82-4d10
    DoubleCross : (82-4D10) → 82-21[10,9,1,1] → 61

    二階堂 双次郎:96-2d10
    DoubleCross : (96-2D10) → 96-10[4,6] → 86

    三楼人 椿:4点!
    GM:では各々、
    二階堂 双次郎:5点!
    GM:いつもの5点にシナリオ5点Eロイス6点、そこに侵蝕を足して持っていきな!
    三楼人 椿:合計20点!

    ED1


    GM:──UGNの管轄下にある、とある病院の一室。
    GM:本来は数人ばかり入る部屋なのだが、今は一人の入院患者が部屋を専有している。
    GM:それはまぁ、R案件のオーヴァードなので、一般患者と一緒にするのはもちろんダメなのだが、
    〝弾丸爆華〟:「痛いよ~、そして寂しいよ~」
    〝弾丸爆華〟:「シヴァちゃん俺との相部屋断ったってマジ~?」
    GM:マジなのだ。
    GM:うるさいという理由で断られて、この男はひとりで入院中なのであった。
    陶妙算:コンコン
    陶妙算:とドアをノックする音が聞こえてきます
    〝弾丸爆華〟:「しくしくしく……はーい、どうぞー」割と元気な声だ。
    陶妙算:声に応じるようにドアが開く
    陶妙算:薄く白いワイシャツにスラっと伸びる細い足を隠すように多い黒い長ズボン。
    陶妙算:唇と頬に、うっすらと紅をさし、うなじに青い脈が透き通っている。眦のつんと尖った目はあくまで大きく、鼻は仏師がそっとつまみあげたというように整った形をしていた。絵巻物の牛若丸が飛び出てきたような美童がそこに立っていた。
    陶妙算:「こんにちわ。」
    陶妙算:「お元気そうでなによりです。
    陶妙算:しゃなり、と病室に入る
    陶妙算:ほのかな桃の香りが部屋の中を満たしていく
    〝弾丸爆華〟:「……あーっ!」と、あなたの顔を思いっきり指差して騒いだ男は、
    〝弾丸爆華〟:「わっほぉうい! 来てくれたんだぁ! ささ、何も無いとこだけど座って座って!」いそいそと、ベッド脇の椅子を引く。
    〝弾丸爆華〟:「やー、良かったぁ! もう本当に退屈でリザレクトしそうなくらい退屈だったからさぁ!」
    陶妙算:「せっかく無事に帰れたんですから無茶はしないでくださいね?」
    陶妙算:と薔薇の頬を綻ばせながら、促されるままに座ります。
    〝弾丸爆華〟:「無茶したくってもさぁ、結構体のあっちこっちバキバキであんまり動けないでやんの」
    〝弾丸爆華〟:「おまけにここの看護師さん、みんな真面目でさ……あんまりおしゃべり付き合ってくれないの……」
    陶妙算:「その気になれば、関節の駆動なんか無視して動けるくせに」
    〝弾丸爆華〟:「まぁ、うん、動けるね! 動こうと思えば動けるけど痛いでしょ!? やだよもう痛いの!」
    陶妙算:「ふふ、そう言っていただけるなら安心です。」
    陶妙算:「ホントに、そう思ってるならですけど。」
    〝弾丸爆華〟:「痛いの平気なのはシヴァちゃんだけで、俺は改造手術とか本当は大っ嫌いだからね!?」
    陶妙算:柔らかな茶色の瞳で、〝弾丸爆華〟をじっと見つめます
    〝弾丸爆華〟:「……ぅお」
    〝弾丸爆華〟:「な、なに、どしたの? いきなり見つめられるとちょっとテレるんですけど」
    〝弾丸爆華〟:「……告白? 愛の告白とかされちゃうの俺?」
    陶妙算:「こういう時に真面目に話を聞いてくれない人は嫌いです」
    陶妙算:と、少しむくれたような顔で言います。
    〝弾丸爆華〟:「げっ──ごめん! 真面目に聞く、そりゃあもう全力で真面目に聞く! はい真面目になった!」
    〝弾丸爆華〟:びしっ、とベッドの上に背筋を伸ばして座る。
    陶妙算:その様子をみて、左手で口元を隠しながらくすりと笑う
    陶妙算:「痛いのが苦手と仰る割には」
    陶妙算:「今回の戦闘も、それに至るまでの経緯も含めて」
    陶妙算:「貴方は随分無理を重ねてますよね?」
    〝弾丸爆華〟:「不器用なの、俺」
    〝弾丸爆華〟:「さらーっとなんでも上手く出来りゃいいんだけどさぁ、なんか何やっても、こう……」
    〝弾丸爆華〟:「泥臭いとか地べたが似合うとか丸刈りにしたら甲子園に行けそうとか……そんなことばっかり言われてさ……」
    〝弾丸爆華〟:「無理……したくないんだけどね……」
    〝弾丸爆華〟:割と切実な声であった。
    陶妙算:「………」
    陶妙算:「だから」
    陶妙算:「自分と似たあの人のことを放っておけなかったんですね。」
    陶妙算:窓から入る風が、艶やかな墨のような髪を撫でていく。
    〝弾丸爆華〟:「…………うーん」
    〝弾丸爆華〟:がしがしと頭を引っ掻く。答えに本気で困っているような、真剣な顔をして、
    陶妙算:「あ、見当違いでしたか。恥ずかしいな。」
    〝弾丸爆華〟:安い整髪料で染めた、藁のような金髪が、指に掻き乱されてグシャグシャになり、
    〝弾丸爆華〟:「……いや」
    〝弾丸爆華〟:「似てる、っていうのはさ、合ってるかも知れないんだよな」
    〝弾丸爆華〟:「俺達のこと、調べた? 昼の方じゃなくって、定時制に通ってるっていうの」
    〝弾丸爆華〟:「……ちなみに、定時制って知ってる?」
    〝弾丸爆華〟:と言ってから
    陶妙算:「……バカにしてます?」
    陶妙算:と、ちょっと不安げな顔でいいます。そんな常識知らずに見えるのかな。
    〝弾丸爆華〟:「……あ、これは馬鹿にしてる訳じゃなくって! 結構マジな話って言うか!」
    〝弾丸爆華〟:「〝この学校に定時制があるの知らなかった〟って子も割といたりするから……!」
    〝弾丸爆華〟:両手をぶんぶんと振って、そう言い添える。
    陶妙算:「ああ、それは…確かに…」
    〝弾丸爆華〟:それから、ひゅっとスイッチが落ちたかのように静かになって、
    〝弾丸爆華〟:「……いるんだよ。定時制とか、不登校とか、そういうのが見えない奴って」
    陶妙算:その言葉に静かに頷く
    〝弾丸爆華〟:「仕方ないんだけどさ。家の都合で昼は働いてるから、ってやつもいるにはいるけど」
    〝弾丸爆華〟:「ぶっちゃけ、昼に馴染めなくって逃げて来た奴も多いし──俺とかシヴァちゃんとか」
    〝弾丸爆華〟:「あと、最上とかもさ」
    陶妙算:当たり前に生きてるだけでは見えない世界。気づけない場所というのは確かにある。
    陶妙算:「……」
    陶妙算:「それでは。」
    陶妙算:「貴方達にとって、今回僕たちがしたのは。」
    陶妙算:「ただ、貴方達の場所を奪ってしまっただけでしたか?」
    〝弾丸爆華〟:その問いへの答えは、
    陶妙算:自分なりに、正義はあった。
    〝弾丸爆華〟:「どう思う?」
    〝弾丸爆華〟:にっ、と歯を剥き出しにした笑顔。
    陶妙算:「質問に質問で返すのはずるいです。」
    陶妙算:と言ってから言葉を続ける
    陶妙算:「でも、僕はそうであってほしくないと願っているし。」
    陶妙算:「そうだったなら、貴方達が新しく自分の場所だと思えるところに」
    陶妙算:「一緒にいたいと思います。」
    〝弾丸爆華〟:「居場所なんてそんな、難しい話じゃないって。肩凝っちゃうよ?」
    陶妙算:「そうですか?」
    〝弾丸爆華〟:「そーだねー。俺が思うに、まぁだいぶボコボコにされたし、シヴァちゃん的には不満たっぷりだと思うけど」
    陶妙算:と、生真面目な顔で柔らかな線の肩をほぐすように動かす
    〝弾丸爆華〟:「総合的に良かったんじゃね?」
    陶妙算:「総合的」
    陶妙算:露に濡れた果実のような唇から笑みが溢れる。
    〝弾丸爆華〟:「トータルでー、とかそういうニュアンスよニュアンス」
    〝弾丸爆華〟:「シヴァちゃんはすっきりしただろうし、インリークォとも縁が切れて、もうあれ以上虫っぽくはならないだろうし」
    〝弾丸爆華〟:「俺はグッドフレンド兼師匠をゲットした訳だし?」
    陶妙算:「不思議ですね。」
    陶妙算:「貴方からそんなふうに言われると、何故か安心できてしまいます。」
    陶妙算:「本当に、そう思ってくれてるんだろうなって。」
    〝弾丸爆華〟:「そーそー、俺って裏表が全くない男だから」
    〝弾丸爆華〟:条件反射かと思わせる程の速度で返答してから、
    〝弾丸爆華〟:……急に。
    〝弾丸爆華〟:「……で、さ」
    陶妙算:「はい。」
    陶妙算:瞬きする度に音がしそうな濃い睫毛に囲まれた目を〝弾丸爆華〟に向ける。
    〝弾丸爆華〟:「FH抜けるなら、剣術教えてくれるって、マジ?」
    〝弾丸爆華〟:「ちょっと一身上の都合で、かなり早めに強くなりたい理由があるんだけど」
    〝弾丸爆華〟:急に。
    〝弾丸爆華〟:男は、真顔になった。
    〝弾丸爆華〟:真剣な──というのとも、男の言葉を借りればニュアンスが違う。
    〝弾丸爆華〟:全く、僅かにも、表情の中に笑みの要素が残っていないのだ。
    陶妙算:「その上で、僕たちと敵対しないのなら、ともに戦ってくれるのなら。」
    陶妙算:「味方に、僕の技術を伝えることに何も問題はありません。」
    〝弾丸爆華〟:「…………」
    〝弾丸爆華〟:男は一度、深く頷いて──
    〝弾丸爆華〟:ベッドから立ち上がり、窓に近づいた。
    GM:日中であるが、カーテンは閉ざされていた。
    陶妙算:じっ、とその姿を見つめている。
    GM:気温は高くなった。カーテンが揺れていないのは、部屋に冷房が効いているからだろう。
    GM:きっとそこまでは、なんの違和感も無い光景なのだ。
    〝弾丸爆華〟:少し、手が躊躇いを見せた。
    〝弾丸爆華〟:意を決したように、カーテンを開けた。
    GM:そこには、
    GM:あの、背筋を震わせるような音こそは無かったけれども、
    GM:居た。
    GM:何十匹もの蜂がホバリングをして、窓の外に群れを成していた。
    陶妙算:思わず、息を呑む。つるりとした白い喉がわずかに上下する
    〝弾丸爆華〟:「……な?」泣きそうな顔で、彼はあなたへ振り向いて、たった一音だけ発した。
    陶妙算:その声に応じるように
    陶妙算:少年は静かに頷いた。
    GM:……窓の外。
    GM:蜂が、ガラス窓に近づく。
    GM:ガラス窓に触れる。
    GM:UGN管轄のこの病院は、ただの窓とは言え、見た目通りの強度ではない。
    GM:だから、蜂が病室に入ってくる事は無い。
    GM:だが。数十の蜂が触れて、羽ばたきと、かちかちと口を鳴らす音は、
    GM:やがてガラスを伝達して──
    ガラス窓の〝声〟:「見寺 紫炎……」
    ガラス窓の〝声〟:「妹さんは元気かな……?」
    GM:──人の声のようなものになる。
    ガラス窓の〝声〟:「近々ご挨拶に行くよ……」
    ガラス窓の〝声〟:「早期退院の申請をお勧めしておこう……」
    〝弾丸爆華〟:「……は、ははっ、は……」恐怖に引きつった笑み。平静を保とうとしているのだろう。だが。
    〝弾丸爆華〟:勝てぬ相手だと知っているが故に──彼の牙は、この〝敵〟に対しては折られている。
    ガラス窓の〝声〟:「……陶 妙算」
    ガラス窓の〝声〟:羽音と打撃音を合成して作った、偽りの声があなたを呼ぶ。
    陶妙算:立ち上がり、ガラスの方に近づいていく
    陶妙算:「お呼びですか?」
    ガラス窓の〝声〟:「私はね……とても、とても、とても良く〝調べる〟んだ」
    ガラス窓の〝声〟:「あんた達UGNが、私達の情報を探るように……」
    ガラス窓の〝声〟:「だからね……プレゼントを贈ったよ……」
    ガラス窓の〝声〟:「きっと今頃……届いているさ……」
    GM:……蜂達は再び、窓から離れてのホバリングを始めた。
    GM:声は聞こえてこない。だが、そこから離れようともしない。
    陶妙算:「……何を送ってくれたんですか?」
    GM:けれども。あなたがそう問うのならば、きっと。
    GM:それは通信端末への、支部からの緊急連絡──緊急通話という形で知らされるだろう。
    GM:鳴動か。着信音か。
    GM:いずれにせよ、あなたに支給された端末が着信を示す。
    陶妙算:端末を取り出し、その着信を受けます。
    支部員:「第十支部連絡員です。柳雪、今お話をしても良いですか?」
    支部員:と、電話向こうの声は言う。
    陶妙算:「お願いします。」
    陶妙算:緊張を隠すような声で返答する
    支部員:「……差出人不明の荷物が、あなた宛てに届きました。不審な点が見受けられたので、連絡を待たずにスキャンに掛けましたが──」
    支部員:少しの間。
    支部員:「……フルーツの詰め合わせギフトでした」
    陶妙算:自分の体質を、理解してのことなのだろう。
    陶妙算:何故このような体になったのかも知っているぞ、と示唆しているのだろう。
    陶妙算:「わざわざ、ありがとうございます。」
    陶妙算:「後ほど受け取りに伺いますので、そのまま置いていてもらってもよろしいですか?」
    陶妙算:いつものように、鈴の鳴るような軽やかな声で言葉を紡ぐ。
    支部員:「はい。……十分にお気をつけを」
    支部員:差出人不明の荷物が、UGNの支部に届く。
    支部員:有り得ぬ事だ。異常事態だ。故に連絡員の声は強ばっているが──
    支部員:だが。荷物の意味までは、連絡員は知るまい。
    GM:通話は終了する。そして、
    〝弾丸爆華〟:「……俺さぁ」
    陶妙算:「はい。」
    〝弾丸爆華〟:「戦ってる時とかはさ、テンションで怖いのとか忘れられるけど」
    〝弾丸爆華〟:「終わってからこういう風になるの……全然考えてなかったし……」
    〝弾丸爆華〟:「……怖えよ」
    陶妙算:「大丈夫。」
    陶妙算:そっと、〝弾丸爆華〟の手に触れる。
    陶妙算:白く細い指先がかすかに震えているのが、彼に伝わるだろう。
    陶妙算:「僕も、怖いです。」
    〝弾丸爆華〟:「はは……女の子に慰められるの、マジ情けねー……」
    〝弾丸爆華〟:触れられた手の温度に縋るように、少しだけ腕を持ち上げた。
    陶妙算:「でも」
    陶妙算:「怖くても、信頼できる人がそばにいれば、一緒に立ち向かえるようになりますから」
    陶妙算:〝弾丸爆華〟が腕を持ち上げる動作に合わせて
    陶妙算:優しく、彼の手のひらを自分の方に引き寄せ
    陶妙算:そっと、自分の胸に当てる
    陶妙算:「それが男でも、女でも、ね?」
    〝弾丸爆華〟:「ありがと──って、ちょ、や、それはヤバっ!?」
    〝弾丸爆華〟:「……え、ん?」
    〝弾丸爆華〟:「ん……………………?」
    〝弾丸爆華〟:硬直。
    〝弾丸爆華〟:掌に感じるもの。清潔なシャツの布地。人間の体温。細く見えても、戦闘者として引き締まった筋肉の形状。
    〝弾丸爆華〟:すごく偏見として、たぶんちょっと柔らかめではあるんじゃないかと思うが、
    〝弾丸爆華〟:それもまぁ、この男の手に慣れ親しんだ柔らかさとは別種な訳であって、
    〝弾丸爆華〟:「……マジ?」
    陶妙算:「味方になってくれる人に、嘘は付きませんよ。」
    陶妙算:露に濡れた果実のような唇が言葉を紡ぐ
    〝弾丸爆華〟:病室内の時計が、秒針の音を数度ばかり響かせて、
    〝弾丸爆華〟:「ええええええぇえぇぇえぇぇぇぇーっ!?」
    〝弾丸爆華〟:入院中の患者とは思えぬ声量の叫びが響き渡った。



    GM:支部に戻るころには、各種の解析や調査も済んでいるだろう。
    GM:届け物は、おそらくは第11地区──深夜でも営業しているタイプの果物屋から購入した、贈答用のフルーツだ。
    GM:混ぜ物は無し。毒物も、なんらかの生物の卵も、その他一切の混入は無く、
    GM:……また、送り主の痕跡も無かったという。

    ED2


    GM:──放課後。
    GM:あなたはちょうど数十分前、授業という檻から解き放たれたばかりだ。
    GM:と、物語のはじまりと全く同じことを言わせてもらいたい。
    GM:が。あなた自身の状況はきっと、はじまりと少し違っている。
    GM:具体的に言うと今日に関しては、孤独でなく、誰かと一緒に歩いているのだ。
    山下くん:「それでさ、こないだ俺の爺ちゃんが熊を撃退した時の話なんだけどさ……って、双次郎?」
    山下くん:「おーい、どうした?最近お前なんか考えこんでること、多いよな」
    二階堂 双次郎:「あ………ごめん……」
    山下くん:「いや、別にいいんだけどさ…………」
    山下くん:「なんかあるなら相談してくれよな!」
    二階堂 双次郎:自分にはもったいないほどのいい友人だ
    二階堂 双次郎:できることなら相談もしたいが…内容が内容なため、話すわけにはいかない
    二階堂 双次郎:それはあの事件で関わった少女……
    GM:──あの事件で、と。
    GM:あなたが、脳裏に描いてしまったのが悪かったのだろうか。
    GM:いや、それは流石に理不尽な言いがかりであろう。
    GM:が。そもそも、〝少女〟との関わりそのものが、理不尽な言いがかりであったのだから仕方がない。
    GM:それはさておき。
    GM:先日、背後からの気配を感じたあたりに差し掛かった時だった。
    GM:あなたの進路上に、誰かが──
    〝無尽無刀〟:「……………………」
    〝無尽無刀〟:見覚えのあるだろう顔が、腕組みをして、道を塞ぐように立ちはだかった。
    山下くん:「うわ」
    山下くん:「かわいいけど結構ヤバい髪色だ…」
    〝無尽無刀〟:いわゆるパンピー的存在からすると、確かにヤバいと思う。
    〝無尽無刀〟:前髪は黄色に近い金色で、他の部分は黄緑で、横に垂らした巻き髪は紫だ。
    〝無尽無刀〟:繭も黄緑。耳には大きめのピアス。どうみても普通ではない。
    〝無尽無刀〟:こういう格好の人間がそこそこいる、オーヴァード世界がおかしいのである。
    〝無尽無刀〟:「二階堂 双次郎」
    〝無尽無刀〟:よりによって、このあやしい人物は、はっきりとあなたの名を呼んだ。
    山下くん:「な、双次郎、お前の方見てるけど…」
    山下くん:「お、俺、用事有ったの思い出した!お先に!」
    山下くん:あやしい少女を丁寧に迂回しすたこらと消えていく
    山下くん:いい友人ではあるのだが……非常に怖がりなのだ
    〝無尽無刀〟:……横目で逃げていく山下くんを追いかける。
    二階堂 双次郎:「あっ………また……明日……」
    二階堂 双次郎:山下くんを見送り、そして視線を彼女へ向ける
    二階堂 双次郎:「ど、どうしたの……?」
    〝無尽無刀〟:「ちょっと、顔貸して」
    〝無尽無刀〟:物言いも全く、不良のソレである。
    〝無尽無刀〟:親指でグッ、と道の脇──あの神社の方角を指差す。
    二階堂 双次郎:「………いいよ。僕からも、話したいことがあったし」
    二階堂 双次郎:彼女と並んで神社への道を歩いていく
    GM:表の通りと喧騒から遠い、神社の境内。
    GM:今日もやはり、ひとの気配はあなた達だけで、
    〝無尽無刀〟:少女は罰当たりにも、賽銭箱を背もたれに、その前の階段に腰掛けた。
    二階堂 双次郎:「……こら」
    二階堂 双次郎:「……そういうの……よくないと……思う」
    〝無尽無刀〟:「知らねーよ」と、ぶっきらぼうに応じる声
    〝無尽無刀〟:寧ろより深く、賽銭箱に背を預けて、
    〝無尽無刀〟:「で」
    〝無尽無刀〟:「実際、何処に行ったの」と問う
    二階堂 双次郎:「……兄さんのこと、だよね」
    〝無尽無刀〟:「そ。……それと、ゾディアックウェポンと」
    二階堂 双次郎:「……僕と一緒に就いた任務中に…協力なFHエージェントに襲われて」
    二階堂 双次郎:「……僕を庇って重傷を負った…一命はとりとめたけど、今は入院中で、剣は握れない」
    二階堂 双次郎:「恐らく……一生」
    〝無尽無刀〟:「……いつ頃から?」
    二階堂 双次郎:「もう5年前になるかな…あの日のことは、忘れたくても忘れられないよ」
    〝無尽無刀〟:「あの後、割と直ぐか……」
    〝無尽無刀〟:賽銭箱への短い階段の上、膝を揃えた。
    〝無尽無刀〟:揃えた膝に腕を巻き付けて、顎を乗せた。
    二階堂 双次郎:「そんなわけで……ゾディアックウェポンも没収」
    二階堂 双次郎:「僕は二刀流に転向して…なんとかチルドレンを続けていたら…」
    二階堂 双次郎:「僕のトラウマを刺激してくる謎の女が現れた……ってわけ」
    〝無尽無刀〟:「私は五年間、蜃気楼を追いかけてたんだな……」
    二階堂 双次郎:「その執念はすごい……すごいと思うよ」
    〝無尽無刀〟:「……あのなぁ」
    二階堂 双次郎:「でもあんな無理の仕方は……良くないと思う」
    二階堂 双次郎:「体に悪いし結局引きはがされたりで……ろくなことにならなかったろ」
    〝無尽無刀〟:「うるさい」
    〝無尽無刀〟:「……一番使いやすかったんだよ、あれが。リーチも有るし」
    〝無尽無刀〟:「だいたい、〝体に悪い〟って言われたら引っ込みつくのかよ、あんた」
    〝無尽無刀〟:「五年だぞ? 十二歳から今まで五年だぞ?」
    二階堂 双次郎:「う、………それとこれとは話は別で……」
    〝無尽無刀〟:「……五年って……すっごく長いんだぞ……」
    〝無尽無刀〟:膝を抱えた腕に頭を預ける──膝と体の間の空間に顔を埋めるように。
    〝無尽無刀〟:「……私が……ぐすっ…………どれだけ、頑張ったと思って……」
    〝無尽無刀〟:「ぅ……うぅうぅぅぅ~……」
    二階堂 双次郎:自分もかなり無茶な修行や修行をやっただけに、言い返すことはできない…が
    二階堂 双次郎:「…………」隣に腰掛ける
    二階堂 双次郎:傍に居て……慰めることなら
    〝無尽無刀〟:「……で」
    〝無尽無刀〟:顔を埋めたままの少女が唐突に、
    〝無尽無刀〟:「……あんたの兄貴が戦えなくなったのは分かったけど」
    〝無尽無刀〟:「じゃあ、なんであんたがゾディアックウェポン引き継がなかったの……?」
    二階堂 双次郎:「………う!」
    二階堂 双次郎:「またそうやって無意識に人のトラウマを……!」
    〝無尽無刀〟:「あんたがちゃんと引き継いでたら……それで済む問題だったのに……」
    〝無尽無刀〟:鼻をぐすぐすと鳴らし、顔も上げないままだが、
    〝無尽無刀〟:「……才能不足」
    〝無尽無刀〟:「雑魚キャラ」
    〝無尽無刀〟:「役立たず」
    〝無尽無刀〟:子供のような、語彙の少ない罵倒が飛び出す。
    二階堂 双次郎:「グゥ………」
    二階堂 双次郎:「……僕だって元はゾディアックウェポンに選ばれてたんだよ…」
    二階堂 双次郎:「兄さんと一緒に没収されたの!……」
    〝無尽無刀〟:「そこはちゃんと保持してろよ!」
    〝無尽無刀〟:「あの武器目印にして探し回ったんだぞ!」
    〝無尽無刀〟:「全然見つからないし、私には名乗りもしなかったから、記憶を頼りにめちゃくちゃ探したんだぞ……!」
    二階堂 双次郎:「うぅ……うるさい!あれから頑張ったけど……そろそろチルドレンって歳でもなくなるし……」
    二階堂 双次郎:「この手にできるなら……そうしたかったよ!」
    二階堂 双次郎:「……なんていうか」
    二階堂 双次郎:「似てるな、僕たちって」
    〝無尽無刀〟:「……どこがよ」
    〝無尽無刀〟:「典型的な陰気な顔をした隅っこくんの癖に……」
    〝無尽無刀〟:因縁と、性格や口の悪さは全くの別問題である。
    二階堂 双次郎:「ゴハッ……やめなさい!」
    二階堂 双次郎:「…………ゾディアックウェポンに執着して……兄さん…二階堂 壱志に執着して」
    二階堂 双次郎:「で、結局……望んだものは手に入れられそうにない」
    二階堂 双次郎:「未練がましく5年もかけて…さ」
    二階堂 双次郎:「なんか……似てる気がしないかい?」
    〝無尽無刀〟:「ない」
    〝無尽無刀〟:「ぜっっっっっっ…………」
    〝無尽無刀〟:「……っっっったいに、無い」
    〝無尽無刀〟:もの凄く溜めて、物凄く拒絶した。
    〝無尽無刀〟:「あんたには確かに、未来は無いかも知れないけど」
    〝無尽無刀〟:「私はそうじゃない」
    二階堂 双次郎:「未来か……実はそのことで話したいことが……あって」
    二階堂 双次郎:「でもどうやって会おうか考えてて……そんあところに君のほうから……来てくれたから」
    〝無尽無刀〟:「あ?」鼻の辺りだけ赤くなった顔を起こす
    二階堂 双次郎:「でもその前に……なんで今ここに居るのか答えて」
    二階堂 双次郎:「君も……結構重症だったはずだけど」
    〝無尽無刀〟:「UGNの病院に居てもしかたないじゃん」
    〝無尽無刀〟:「まだ40本全部は無理だけど──とりあえず10本までは仕込んだ」
    〝無尽無刀〟:「闇医者のあてなら幾らでもあるから」
    二階堂 双次郎:「げ、……もしかして病院抜けだした上にまた武器を?!」
    〝無尽無刀〟:「悪いか」
    二階堂 双次郎:「………でも……もしかしたら好都合かも」
    〝無尽無刀〟:「また動かせるようになったら、今度こそ──ん?」
    二階堂 双次郎:「君の選択肢は……二つ」
    二階堂 双次郎:「一つは……脱走者としてここで捕らえられて……UGNに収監されるか」
    二階堂 双次郎:「もう一つは……僕の監視のもとでUGNの協力者になるか」
    〝無尽無刀〟:「……年下の女を脅迫?」
    二階堂 双次郎:「……こんな時だけ自分の属性を出さないの!……ちなみに」
    二階堂 双次郎:「僕の監視下に入るなら……兄さんに会える」
    二階堂 双次郎:「もちろん手は出させないけど」
    〝無尽無刀〟:「……会ってどうなる」
    〝無尽無刀〟:「もう剣を握れない病人だから、無抵抗をいいことに八つ当たりしろって?」
    二階堂 双次郎:「………………へえ」
    二階堂 双次郎:「それなりに………」
    二階堂 双次郎:「矜持みたいなのも、有るんだ」
    〝無尽無刀〟:「バカにしてんのか勧誘してんのか統一してくんない?」
    二階堂 双次郎:「いや、ここで兄さんを傷つけるそぶりを見せたらこの場で斬る気でいた」
    二階堂 双次郎:「……その必要がなさそうで、安心したよ」
    〝無尽無刀〟:「斬るなら、兄貴の方じゃなくてあんた」
    〝無尽無刀〟:「その為の刃をくれるって言うなら、UGNに協力してやってもいい」
    二階堂 双次郎:「…………そっか」穏やかに笑って
    二階堂 双次郎:「いいよ……………僕を斬れるくらいになるように……僕が鍛えてあげよう」
    〝無尽無刀〟:「は?」
    〝無尽無刀〟:「…………はぁ?」
    〝無尽無刀〟:小階段の上、立ち上がって
    〝無尽無刀〟:「もしかしてあんた、自分が師匠役か何かやるつもりでいる訳?」
    〝無尽無刀〟:「ゾディアックウェポン没収されたのに?」
    二階堂 双次郎:「……そういうことを言わない!あとこれから師匠と呼びなさい!」
    〝無尽無刀〟:「……あんた、人の心が分からない奴だね」
    〝無尽無刀〟:「次、冗談でも〝鍛えてあげる〟とか言ったら」
    〝無尽無刀〟:「怪我が治ってるとか治ってないとか、関係無くなるから」
    二階堂 双次郎:「…………………………」
    二階堂 双次郎:「じゃあ……ライバルってのはどう?」
    〝無尽無刀〟:「……妥協案」
    〝無尽無刀〟:「けどさ。あんたが私を、ライバルだと思ったとしても」
    〝無尽無刀〟:「私はあんたをいつか斬る。その為に生きるつもりだ」
    〝無尽無刀〟:「それで良いって言うなら。UGNだろうがなんだろうが協力する。今までの協力先が変わるだけだ」
    二階堂 双次郎:「そうだな…………よし」拳をゆっくりと突き出す
    二階堂 双次郎:「形は違えど刃を振るうもの同士」
    二階堂 双次郎:「高みを目指そう」
    〝無尽無刀〟:拳に拳を、重ねるのではなく、叩き付けるように合わせて
    〝無尽無刀〟:「……あんた、やっぱり分かってない」
    〝無尽無刀〟:高みを目指したことは──無い。
    〝無尽無刀〟:そのような、形も分からぬ概念を追い求めたのではなく、
    〝無尽無刀〟:あの日、確かに自分を打ち負かした影を、縄手 ヤツメは追ったのだ。
    〝無尽無刀〟:……確かに自分を打ち負かした少年を、縄手 ヤツメは追うのだ。
    二階堂 双次郎:「強い相手に追いつきたいってのは”高み”を目指すことだと思うんだけどね………」
    二階堂 双次郎:(これからの人生に目標が一つ増えた)
    二階堂 双次郎:(追いつかれないように……もっともっと強くならないと)

    ED3


    GM:こういう名称であるのは、此処が病院のように治療を旨とする場所ではなく、
    GM:かと言って警察組織のように、法に基づいて他者を拘束する為の術も無いからだ。
    GM:つまり。
    GM:言うなれば此処は、〝拿捕したオーヴァードの収容施設〟である。

    係員:「改めて言うまでも無いことかとは思いますが」
    係員:「どのような状態になっていたとしても、彼女がファルスハーツのエージェントであった事に変わりはありません」
    係員:「部屋の外へ連れ出すことは禁止。また、あまり興奮させるような事も無いようにお願いしますね」
    係員:面会室の扉の前で、係員があなたに言った。
    三楼人 椿:「あぁ、わかった」
    三楼人 椿:その言葉に頷き、係員が空けた扉をくぐって、中に入る。
    係員:係員は少し遅れて、あなたの後を追い、
    GM:面会室の中は、随分と殺風景だった。
    GM:凶器として流用できるものを極限まで排除した空洞。
    GM:部屋の中央にある分厚い透明な仕切りの向こう、最上 由良は椅子に座っていた。
    最上 由良:「ぁ…………」部屋を訪れた者を見ると、彼女は小さく頭を下げ、
    係員:「……度々の確認で申し訳ないのですが。お名前と年齢を教えてください」
    最上 由良:「あ、はい」
    最上 由良:「名前は、最上 由良。年齢は……」
    最上 由良:「……自分では四歳だと思ってたんですけど、違うみたいです。持ち物から判断するとたぶん、十八歳です」
    最上 由良:随分穏やかに、係員に受け答えをしていた。
    三楼人 椿:「……よ。」「久しぶり、になるかな」仕切りの前の椅子に座って。普段の人懐っこい笑顔のまま
    最上 由良:「久しぶり……なんです、かね? すいません」
    最上 由良:「私の感覚だと、〝初めまして〟なので……」
    三楼人 椿:「……そっか」
    三楼人 椿:「三楼人 椿」「椿で、いいぜ」
    GM:何も知らない少女は頷き、係員は部屋を出る。
    GM:しん……と静寂に包まれる、何も無い、殺風景な部屋。
    三楼人 椿:言葉に詰まることもなく、刺々しさも消えている。文面だけ見れば良いことに見えても、それを良しと喜ぶことは、どうしてもできない。
    三楼人 椿:さながら別人……かなり、『いじられた』後のよう。素人目にでも見えてしまう。
    三楼人 椿:「……ここに来る前のこと、どのくらい覚えてる?」
    最上 由良:「……保育園で、絵本を読んでたんです」
    最上 由良:「正直、ある絵本は全部、一文字一文字まで頭に入ってたから、全然楽しくはなかったんですけど」
    最上 由良:「でも、他の子は私のしゃべり方を笑うから、一緒に遊ぶのが嫌で……」
    最上 由良:「早くお迎えが来ないかなぁ、って思ったところまでは覚えてるんですけど──」
    最上 由良:微笑んでいるような、困っているような顔をして、
    最上 由良:「……気付いたら、この施設のベッドに寝てたんですよね」
    最上 由良:「たくさん人が来て、いろんな事を聞いてくるんで、なんとなく状況は分かったんですけど」
    最上 由良:「……私、何か大変なことをしたんですよね……?」
    三楼人 椿:「……随分頭がいいんだな。最上は」
    三楼人 椿:“毒持つ翼”の影響によるものか、それともUGNの記憶処理がそこまで遡ったのか。
    三楼人 椿:なんにしろ、だ。『取り戻す』などと啖呵を切っておいて……現実はこれだ。
    最上 由良:「それを、褒め言葉だって受け取れないくらいには、そうですね」
    最上 由良:「皆さんが私を見る目とか、聞いてくる事とか。……よっぽど酷いことをしたんだろうなって言うのは、分かります」
    最上 由良:「けど」
    三楼人 椿:見えないように、拳をぎり、と握りこむ。
    最上 由良:「……何回もお話しをしたように。〝インリークォ〟の事は分かりません……覚えてません」
    最上 由良:「だから、来てくださったのに申し訳ないんですけど……お役に立てることはないと思います」
    最上 由良:すいません、とまた少女は頭を下げた。
    三楼人 椿:「……そうか」
    三楼人 椿:「でも、頭は下げなくていい」
    三楼人 椿:「俺はそんなことを聞きに来たわけじゃないんだ」
    最上 由良:「……? じゃあ、なんの為に……?」
    三楼人 椿:「……覚えてねえかもしれない、というか」「覚えてないだろうけど、最上には、ちょっと世話になったからな」
    三楼人 椿:「その礼と……あとは」「元気にしてるか、とおもってな」努めて明るく。暗い話や責める話題は、この様子だともう聞き飽きているだろう
    最上 由良:「元気────ううん」
    最上 由良:「急に体が大きくなった気がして、まだちょっと動いてると違和感がありますけど」
    最上 由良:「でも、はい。体の具合はいいです、とっても」
    最上 由良:「……それに。良いこともありましたし」
    三楼人 椿:「へえ?」
    最上 由良:「お父さんとお母さんが、面会に来てくれたんですけど──」
    最上 由良:少しだけ声を潜めて
    最上 由良:「……覚えてる限りで、私。お父さんもお母さんも、あんまり好きじゃなかったんです」
    最上 由良:「だけど面会に来てくれた二人、なんでか凄く嬉しそうで、私に優しくって」
    最上 由良:「色んな調査が終わって此処を出られたら、たぶん夏休みくらいになるから」
    最上 由良:「そうしたらみんなで色んなところに遊びに行こうって、約束してくれたんですよ」
    最上 由良:「私、外に出て、誰かに喋ってるの聞かれるのが嫌いだったから。家族旅行とかって、覚えてる限りだと一回も無くって」
    最上 由良:「だから、とっても楽しみなんです」
    三楼人 椿:「……はは、そっか」
    三楼人 椿:「よかったな」「あぁ、本当に」
    最上 由良:「はい」
    最上 由良:「……忘れちゃった私が、どんな人間だったか、今の私には推測しかできませんけど」
    最上 由良:「〝前の方が良かった〟って言う人は、たぶん居ないと思います。だから」
    最上 由良:「きっと今の状態が、幸せって言うんだろうなぁ……って思ってます」
    最上 由良:「ありがとうございました」
    最上 由良:……あなたが、この事件に関わった一人であるとは聞かされているのだろう。
    最上 由良:その少女は心からの感謝を込めて、深々と頭を下げた。
    三楼人 椿:「……こっちこそ」
    三楼人 椿:「ありがとうな」軽く頭を下げた。
    三楼人 椿:……彼女に対して、自分が何を言える。何ができる。14年の過去を連れ去られて尚、幸せと言える彼女に。
    三楼人 椿:手のひらに滲んた傷を、静かにクローバーの葉が覆った。
    係員:「時間です」
    GM:面会の終了を告げる声。あなたはこの部屋を去る事になるだろう。
    GM:〝夢惑う羽〟は、もういない。
    三楼人 椿:“夢惑う羽” ○興味/不信→○誠意/無関心 に感情変更 同時にタイタス化


    GM:──それから、少しばかりの時間が過ぎた。
    GM:思うところがあるのだろうか。言葉を交わしたい相手がいるのだろうか。
    GM:祈りたい、とは言うまい。
    GM:あなたは、13地区の外れにある孤児院へ向かっている。
    三楼人 椿:「……ん」ふと。このあたりにだけにわか雨でも来ていたのだろうか。
    三楼人 椿:水たまりに、顔が写り込んだ
    三楼人 椿:「……いけね。こんな顔してたら姉ちゃんにまた心配かけんな」両頬を挟むように叩いて、普段の笑顔を貼り付ける。
    三楼人 椿:水たまりを乗り越えて、止めていた足を再び進める
    三楼人 椿:……何度も通った道。今更迷うことはない。
    GM:今日は静かだ。まだ少しだけ遠い筈の孤児院の、子供達が楽しげに遊んでいる声までが良く聞こえる。
    GM:もう、建物は直ぐそこに見えている。もう何十mかも歩けば──


    GM:──あなたの右手側には車道があり、あなたは歩道を歩いている。
    GM:何mか先の左手側にベンチが有って、そこに女性が座っていた。
    GM:背をすっかり覆ってしまう程に長い髪の女は、子供向けの絵本を読んでいるようだったが、
    GM:あなたが、その姿を認識できる距離に至るや、「あ」と一声。顔を上げた。
    〝毒持つ翼〟:「やぁ」
    〝毒持つ翼〟:「お時間よろしいかな、ラウェインブレード」
    三楼人 椿:「……子供らのいる場所も近いんだ。あんまりそっちの名前は出してほしくないんだけどなぁ」
    三楼人 椿:「んで、どちらさん?」
    〝毒持つ翼〟:「約束したじゃあないか。近々会いに行くと」
    〝毒持つ翼〟:「ユーザーには直接に、体験の感想を聞きに行くのが私の流儀だからね」
    〝毒持つ翼〟:「ヴォル・ディアナは素敵な敵意を示してくれた」
    〝毒持つ翼〟:「柳雪は……良い子だねぇ。長生きしないタイプのいい子だ」
    三楼人 椿:「……なるほど、あんたが」
    〝毒持つ翼〟:「あんたはどうだい、ラウェインブレード。……由良ちゃんの作品は楽しんでくれた?」
    三楼人 椿:「……とりあえず、なんでこの道を俺が通ると思ってたのかは、置いておくとして」
    三楼人 椿:「感想の前に」
    三楼人 椿:「……最上をあんなふうにした理由と、デパートの一件をしでかした理由。聞いてみてもいいかい」
    〝毒持つ翼〟:「ふむ。その二つはそれぞれ別な答えになるから、どう答えたものかなぁ」
    〝毒持つ翼〟:「そうだな、後者は明確だ。本番環境に近い、かつある程度の広さを確保した閉鎖空間」
    〝毒持つ翼〟:「上手くすればそのまま、モールの設備をまるごと巣にして繁殖を行わせ、この街に解き放つこともできた」
    〝毒持つ翼〟:「残念だがあの時は、あんたらの方が優秀だったがね。私の落ち度として負けを認めることにしたよ、やれやれだ」
    〝毒持つ翼〟:「で、前者か……」
    〝毒持つ翼〟:腕組みをして、真面目くさった顔で首を傾げて、
    〝毒持つ翼〟:「正義の味方が人を助けるのと、あんまり理由は変わらないんじゃないかなぁ」
    〝毒持つ翼〟:と、言った。
    三楼人 椿:「……なるほどね」
    三楼人 椿:「あんた、人を実験に使う虫のようにしか見てないのか、人と虫の区別がついてないのか」
    三楼人 椿:「……まぁどっちでもいいや」
    〝毒持つ翼〟:「ふむ」
    〝毒持つ翼〟:「その諦念はもしかして、こういう事かしら」
    〝毒持つ翼〟:「〝こいつは救えねえな〟」
    三楼人 椿:「あいにく、逆瀬川さんや陶くんみたいな、苛烈な感想は俺には出せねえからな」
    三楼人 椿:「……可哀想に、位には思ってるよ」
    〝毒持つ翼〟:「そう思うなら、助けてくれてもいいんだよ?」
    〝毒持つ翼〟:「あんたが助けようとした由良ちゃんのように、かわいそうな私を助けてくれないかなぁ? ……っふふふふ」
    三楼人 椿:「経験上な」
    三楼人 椿:「そういう話を笑いながらする奴には、まだ手は出さねえよ」
    〝毒持つ翼〟:「ふむふむ」
    〝毒持つ翼〟:こくこく、と声に合わせて首を縦に振り、
    〝毒持つ翼〟:「そうか、そうか。そうかぁ」
    〝毒持つ翼〟:「……急な質問に聞こえるかも知れないがね、正義感溢れる少年。君、年齢並みにポルノ作品は嗜むかい?」
    三楼人 椿:「……普通の年のとり方はしてない自覚はあるもんでな」
    三楼人 椿:「話に聞いた程度の嗜みしかないな」
    〝毒持つ翼〟:「なら、適当に本屋で買って帰るといい。面白い傾向が見えるんだぞぉ」
    〝毒持つ翼〟:「私が思うにああいう作品は、〝罪悪感の軽減〟にかなりの力を入れているんだ」
    〝毒持つ翼〟:「作中で淫蕩の被害を受ける美女美少女。彼女達は結構な割合で、その被害を喜んでみせる」
    〝毒持つ翼〟:「彼女達を苦しめる男の、ともすれば悪意とさえ思えるようなやり口が、彼女達に最上の喜びを──まぁ、幸福感を与える訳だね」
    三楼人 椿:「……その美女美少女と、あんたを同じ目線においてくれ……って話か?」「それとも」
    三楼人 椿:「あんたがその男の立場にいる、っていう話?」
    〝毒持つ翼〟:「違うよ、三楼人 椿」
    〝毒持つ翼〟:「あんたは由良ちゃんを、ポルノ作品のヒロインにしようとしてたって言ってるのさ」
    〝毒持つ翼〟:「あんたの人助けという陵辱で救われて、これからは前向きに幸せに生きていこう」
    〝毒持つ翼〟:「そんな風にあの子が変わる未来。少しくらい夢想したりしなかった?」
    三楼人 椿:「……」
    三楼人 椿:「……あんた、要するに何が言いたいのさ」
    〝毒持つ翼〟:「負けて悔しかったから、捨て台詞を吐きに来たに決まってるじゃないか」
    〝毒持つ翼〟:「けれどまぁ、それはそれとして、だ」
    〝毒持つ翼〟:「あんたの人助けは、ポルノグラフィーを使った自慰みたいなもんだよ」
    〝毒持つ翼〟:「由良ちゃんはあんたの性癖に合致したようで、運が良かったんだろうが」
    〝毒持つ翼〟:「次のお気に入りの一冊を見つけたら、前の一冊は棚の奥に眠らせるか、ごみの日に出してしまうかだろう」
    〝毒持つ翼〟:「私にはそういう風に見えて、とっても、とっても、とおっても」
    〝毒持つ翼〟:「とぉおぉぉぉぉぉっても楽しいなあぁって言ってるんだよ!」
    三楼人 椿:「ッッ……!」半ば反射的に、胸ぐらを掴み上げる。
    三楼人 椿:掴んだ手首から指先にかけて、黒い蔦が這いずり、黒い西洋甲冑のように編み込まれる。
    〝毒持つ翼〟:「うぉっ……!? そうか、私は好みのタイプじゃないか……!」ベンチに座ったままだった女は、ぐい、と吊り上げられ、立たされる。
    三楼人 椿:「……お前……お前、お前っ……!」手首から腕、肩、首にまで蔦が這う。一瞬だけ『それ』を放り、今度は首をその手で握りしめる。
    三楼人 椿:錆びたおろし金を擦り付けるような痛みを、その手は与える。
    〝毒持つ翼〟:「くく……く……図星か!?」細首を締め上げられれば、奥で骨がみしみしと鳴る。狭まった気道から苦しげな息──声。
    〝毒持つ翼〟:「あんたは……あんたの、人助けはっ……っぐ、ぅ」
    〝毒持つ翼〟:「あんたのは、一方的なレイプだ」
    〝毒持つ翼〟:「あの子にセックスを求められなかったのが」
    〝毒持つ翼〟:「そんなに悔しいかい……?」
    〝毒持つ翼〟:毒だ。
    〝毒持つ翼〟:注射器も、粉末も。或いは気体も。一切の媒体を用いずに、ただ。
    〝毒持つ翼〟:ただ空気の振動だけを用いてばらまかれる毒。
    三楼人 椿:「お前はっ……お前だけは……!」普段浮かべている、人懐っこい笑みは剥がれ落ちて
    三楼人 椿:彼の知人……およそ本人すら見たことのないような、貌。
    〝毒持つ翼〟:この女は〝毒持つ翼〟堤 ゆえ。
    〝毒持つ翼〟:ひとを壊す為の毒ならば、腹の中に幾つも仕込んでいる。
    〝毒持つ翼〟:「っく、は……はは、は、ははは……っ!」蔦棘の食い込んだ首が血を流す。気道が、血管が狭まり、顔色は赤を一度通り越して青ざめ始める。
    〝毒持つ翼〟:……その時。あなたは、耳元に、
    〝毒持つ翼〟:ぶぅん
    〝毒持つ翼〟:と、羽音を聞くだろう。
    〝毒持つ翼〟:……或いはその羽音から。あの時、最上 由良の耳から抜け出して行った、小さな蜂を思い出すやも知れない。
    三楼人 椿:「ッ……ぁあああア」ぎりぎりと首を締め上げる。空いたもう片手にも蔦が這い、槍の穂先のような形を作り──
    三楼人 椿:羽音。
    三楼人 椿:聞き取れたのは、運がよかったからか。過去の……UGNイリーガルをするよりもっと前の経験からか。
    三楼人 椿:首を締め上げる手が、少し緩んだ。
    〝毒持つ翼〟:「……っ!」その一瞬の緩みを見逃さず──〝毒持つ翼〟の首から流れる血が突如、何枚もの薄い刃と化す。
    〝毒持つ翼〟:首を掴む手を襲うカミソリの如き斬撃、数条!
    三楼人 椿:「ッ、が……ぁっ!?」掴む手が落とされる、あるいは弾かれる。即座に蔦が補修をするも、どちらにせよ首からは手が離れてしまう。
    〝毒持つ翼〟:「ゲホッ、エホッ……! く、ふふ、容赦無い、危ないなぁ……!」
    〝毒持つ翼〟:咳き込みながらも、転げるように後退して間合いを取る。
    〝毒持つ翼〟:ベンチを挟むような位置を確保して、また幾度か咽せて、
    〝毒持つ翼〟:「惜しいなぁ」
    〝毒持つ翼〟:「その欲望。その歪み方」
    〝毒持つ翼〟:「あんたはUGNじゃなく、こっち側の生き物だと思うんだけどなぁ」
    三楼人 椿:「……冗談。昔話はよしてくれ」
    〝毒持つ翼〟:「昔話? ……あー、あー、なるほど」
    〝毒持つ翼〟:「あんたつまり、人間になろうとしてなりそこねたタイプだね」
    〝毒持つ翼〟:「あんたも由良ちゃんみたいに、何もかも綺麗さっぱり忘れちゃえたら良かったのに」
    三楼人 椿:「ッッ……!」
    三楼人 椿:師も、姉も、なんなら自分も。昔はその通り、FHの人間だった。
    〝毒持つ翼〟:ずず……と。
    〝毒持つ翼〟:敵から視線を逸らさぬまま、後ずさりで距離を離す。
    〝毒持つ翼〟:……〝負け惜しみ〟は十分だ、ということか。これ以上は命に関わると考えたか。
    〝毒持つ翼〟:「──ヴォル・ディアナにも使った脅しを、使い回させてもらおう」
    〝毒持つ翼〟:「私の体内には、〝王の揺り籠〟──涼風 こころが産み落としたのと同じタイプの卵が幾つか埋め込まれてる」
    〝毒持つ翼〟:「私が死ねば、この体を食い破って外へ出るだろう──あんた一人じゃあ手にあまるだろう数がね」
    三楼人 椿:「ッ……お前、そのための場所選びか……!」
    三楼人 椿:引き絞った拳を、そのまま乱暴に振って下ろす。
    〝毒持つ翼〟:「ふふふ……」
    〝毒持つ翼〟:ぴ、とベンチを指差す。そこには、あなたが訪れるまでの間に読んでいたらしい絵本が一冊。
    〝毒持つ翼〟:何処の本屋でも売っているような平凡な、そしておそらくは、今日買って来たばかりなのだろう、カバーも清潔な。
    〝毒持つ翼〟:「寄付しよう。……こういう時は〝タイガーマスク〟とか名乗るのが通なんだっけ?」
    三楼人 椿:「お前、えぇッ……!」足元や裾から、先が鏃のように研がれた蔦が溢れ出す。
    三楼人 椿:飛び出した蔦は……すべて、その肌を傷つける寸でのところで、静止した。
    〝毒持つ翼〟:「……止めたか」
    〝毒持つ翼〟:「私の血で汚れた服で、どんな顔をして孤児院に行くのか」
    〝毒持つ翼〟:「ちょっとだけ楽しみにしてたんだけどなぁ……!」
    〝毒持つ翼〟:「ク、ハハ、ハハハハハハハハハハッ!!!」
    三楼人 椿:「ぐっ……」「……早く行け」
    三楼人 椿:「血で汚れないように喰う方法だって、あるんだぞ」
    〝毒持つ翼〟:「それは怖い。人質作戦、引き際を間違えると人質の効果がなくなるからねぇ……ありがたく退かせてもらおう」
    〝毒持つ翼〟:「けれど、君。私の言ったこと、割と全部本気でね」
    〝毒持つ翼〟:「それはつまり、〝惜しい〟というのも本気なんだよ」
    〝毒持つ翼〟:後ずさりし、距離を離す。10mを越えて、20m。
    〝毒持つ翼〟:もう、双方ともに十分に声を張らねば聞こえぬ位置まで遠ざかって、
    〝毒持つ翼〟:「その欲望を叶えんとするなら、こう叫ぶがいい!」
    〝毒持つ翼〟:「〝世界は黙って俺に救われていろ〟とね!」
    〝毒持つ翼〟:──背を向ける。脱兎の如く走り出す。
    〝毒持つ翼〟:これは〝負け惜しみ〟だ。だから、この逃走も〝敗走〟である筈が。
    〝毒持つ翼〟:臓腑から染み出す毒を十分に流しきった〝毒持つ翼〟は、敗者の顔をしていなかった。
    三楼人 椿:「ッ……誰が言うか、そんな事」さっきまで首を絞めていたのは自分であるはずなのに。
    三楼人 椿:地に膝を付き、甲冑のような手をついて嘔吐くような呼吸をする。さながらついさっきまで呼吸ができていなかったかのように。
    三楼人 椿:──師は、家族と居場所を失い、生き残った長姉と自分を守ることで人間になった。
    三楼人 椿:──姉は、母と妹を失い、自分と孤児院の子どもたちに囲まれて人間になった。
    三楼人 椿:ならば。
    三楼人 椿:自分は、何を失って、何を得れば、人間を名乗れるのだろう。
    三楼人 椿:「ぐ、う……」毒が、引かない。
    三楼人 椿:ついぞ、こみ上げてくる酸っぱい臭いに逆らうことができなかった。
    GM:自分を愛してくれる者を愛したからとて、どれほどの手柄になろうか。罪人でさえ、自分を愛してくれる者を愛している。
    GM:ルカによる福音書、6:32。


    GM:Dx3rdセッション『栄光と勝利の偽典』、一切の行程を終了致します。
    GM:お疲れ様でした!
    三楼人 椿:お疲れ様でした……