『迎春・幽霊温泉』

N市山中の何処かに佇む館。今は放棄され朽ちるばかりの和風邸宅である。どこかに権利者はいるそうだが、訪れることもない。


PC1:〝夜叉姫〟 興津 和沙(おきつ・かずさ)(キャラシート)PL:中村
PC2:〝貫く邪眼(デモン・ストレイト)黒瀬 直(くろせ・なお)(キャラシート)PL:粘土
PC3:〝パペッティアー〟 緒環 伸(おだまき・しん)(キャラシート)PL:さささ
PC3:〝リトル・ミストレス〟 春日 雪(かすが・ゆき)(キャラシート)PL:しんごろ

メイン雑談

目次

  • プリプレイ
  • OP1:あけましてバス旅行
  • OP2:あけまして落下傘
  • ミドル1:ゲームコーナー的なサムシング
  • ミドル2:待望の温泉シーンですがハンドアウトは読みましたね?
  • ミドル3:おやすみなさいませ
  • マスターシーン1
  • ミドル4:おかえりなさいませ
  • マスターシーン2
  • ミドル5:いらっしゃいませ
  • クライマックス
  • マスターシーン3
  • ED1:家に帰るまでが遠足です
  • ED2:生きて帰るまでが任務です
  • ED3:今年も一年、よろしくお願い致します。

  • プリプレイ

    ■トレーラー
    N市山中の何処かに佇む館。今は放棄され朽ちるばかりの和風邸宅である。
    どこかに権利者はいるそうだが、訪れることもない。
    肝試しの若者や、邸宅の広さから財産を当て込んで忍び込む不届き者やで、
    もはや人が住める有様ではない。

    さて、新年早々すまないのだが。
    そんなおんぼろ和風邸宅付近で、強烈なレネゲイド反応が確認された。
    偵察に向かったUGNの調査員が見たものは、
    小綺麗に改装された挙げ句、中庭にあるのだろう露天風呂からの湯気がもうもうと立ち上がる旅館の姿だった。
    たぶんそんな大きな事件ではないと思う。けど放置しておくのもなんだかなぁ。
    という訳で、三が日の休暇を取れなかった埋め合わせのような形で、あなた達は派遣されるのだった。

    ダブルクロス The 3rd Edition.『迎春・幽霊温泉』

    「おかえりなさいませませ……どうか心ゆくまで、お休みください」
    「どうか、どうか」
    「満ち足りたその後も、お休みください」

    ダブルクロス────それは裏切りを意味する言葉。



    家に帰るまでが遠足です。
    おうちの人を心配させてはいけません。
    生きて帰るまでが任務です。
    待っている誰かを泣かせてはいけません。
    ■自己紹介
    GM:あけましておめでとうございます。
    GM:早速ですが自己紹介からいきましょう。
    GM:PC1、興津 和沙さん。キャラシを貼って自己紹介をどうぞ・
    興津和沙http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYn56cuAIM
    興津和沙:はーい!PC1の興津和沙(おきつかずさ)です!
    興津和沙:星辰館高校でお姫様やってます!かわいい!
    興津和沙:と自称してますが実際には幼馴染の黒川梓があんまり姫力高いのでお姫様扱いされてません、クソが!!
    興津和沙:あと本人も地がヤンキー気質なのであんまりお姫様に向いてません、でも負けねえ!!
    興津和沙:そんなあんまりお姫様に向いてない子がお姫様に憧れて頑張ってるような子です。
    興津和沙:なんかお姫様の概念に任侠とが仁義とか混ざってよくわかんないことになってるけど優しいお姫様って素敵だから別にいいと思う。
    興津和沙:性能としてはつええ槍で殴る!それだけ!
    興津和沙:柄が一丈七尺(約5.1m)、穂先の刃は七十斤(約42kg)。さらに柄の太さは両手の指でも回り切らないほどの大槍で殴れば大体のやつは死ぬ!
    興津和沙:ざっくりそんな感じの子です。宜しくおねがいします。
    興津和沙:今回は温泉に入れるということなのでゆっくりしようと思います!
    興津和沙:以上!
    GM:よろしくお願いします。正統派PC1ができるのが決め手でした。
    GM:ハンドアウトはこちら。
    PC1 《夜叉姫》興津 和沙
    あなたは山岳戦に適した軽装歩兵である事と、妙に深い歴史ジャンル知識を見込まれて選抜された。
    山中に存在する謎の温泉宿の調査任務である。
    ちょっと槍が大きすぎるので送迎バスとか用意できなかったのはゴメンね。
    天井にくくりつけるのも危ないからゴメンね。

    あなたは宿泊用荷物と共にパラシュートで現地へ降下する事になる。湯浴み着か水着はお忘れなく。

    GM:歴史知識の中に高所からの着地方法とかもあるでしょう多分
    興津和沙:パラシュートでリゾートに向かうお姫様なんているの!?
    興津和沙:まあ、刃牙も読んでるから着地方法は知ってるけど…!
    GM:跡部様という偉大な王はパラシュートで学校に向かわれてた筈
    GM:という訳でお次
    GM:黒瀬 直さん。同様にどうぞ
    黒瀬 直http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYh6__xAIM
    黒瀬直:くろせ なお 第12支部に所属する、その道20年のベテランUGNエージェントだ。
    黒瀬直:昔から怪物ぶっ殺す系の生業を続けてきた家の末裔です。35歳!
    黒瀬直:七原町黒ノ門の一丁目がまるまるお屋敷だったりするのである意味お姫様なのかもしれない。
    黒瀬直:令嬢らしく、代々受け継がれてきた遺産"華金弓"(必中の弓)や、瞬時に形成した色んな武器を使って戦います。ピュア砂塵霊の威力を見よ!
    黒瀬直:鳴き声は「殺ァッ!」得意料理は無水鍋!
    黒瀬直:あとワーカーホリック気味で、N市UGN支部と関わったオーヴァードの知り得る限りのデータを頭に叩き込んでいます。
    黒瀬直:というのをUGNエージェント用エンブレム【スーペリアルネットワーク】で再現しています。今回はオルクスでスタート!
    黒瀬直:今回は旧第9支部の古い屋敷に怪事ということで、引継ぎ前に処理し損ねたなんかなのかな……とかちょっぴり気にしてるかもだ。
    黒瀬直:そんな感じで以上!
    GM:第九支部のモブや正規メンバーの中に何故かいる黒瀬さん、という絵面がおもしろいとラブコールがありました。よろしくお願い致します。
    GM:ハンドアウトはこんな具合
    PC2 《貫く邪眼》黒瀬 直
    あなたについて今更書くべきことがあるんだろうか。
    山中に突如出現した、謎の温泉宿の調査任務。現地で第九支部の面々と合流するように通達が来ている。
    今回は珍しく最年長枠でもないし、同一任務に第九支部副支部長が赴く。つまりいつもより責任が軽いぞ。
    とはいえ宿泊セットがある分、物理的には重いかもしれない。パラシュートも装着したし。

    あなたは《夜叉姫》興津 和沙と共に、ヘリから降下して現地へ向かう事になる。
    不要だったらパラシュートは省いてもいいです。

    黒瀬直:省くかも
    興津和沙:省くな
    GM:まぁオーヴァードだし省いてもそんな困らないでしょう
    GM:たぶん
    春日 雪:省かないんですか?
    緒環 伸:省くの……?
    黒瀬直:雪くんたちに期待されては仕方なくないか?
    黒瀬直:省く
    GM:押すなよ絶対押すなよ状態
    GM:さて
    興津和沙:芸人力…
    GM:お次はPC3お二人ですが、先におだまきさんからお願いしましょう何故かATOKが変換してくれない
    緒環 伸:はーい
    緒環 伸https://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY8K7_xAIM
    緒環 伸:緒環 伸(おだまき・しん)。第九支部所属のエージェントです。気がつけば結構な回数稼働してます。
    緒環 伸:古代種であり不老長寿なので、いい年齢(42歳)のわりに見た目は小綺麗な雰囲気の青年。エージェント歴はそんなでもない。
    緒環 伸:中身はわりと適当な性格のおっさんです。雪ちゃんとはこれでも上司部下にあたる!
    緒環 伸:最近ハードな仕事が多かったので、今回は休む気満々ですね。周り女子だらけだし。格好もいつもよりカジュアルで来ました。
    緒環 伸:能力は運命を糸の形で知覚し、僅かに操ることができるピュアオルっぽいやつです。
    緒環 伸:基本的には味方3人までの達成値を上げたりできるのですが、
    緒環 伸:侵蝕120になるとなんか《ナーブジャック》が侵蝕0で撃てます。
    緒環 伸:侵蝕が上がってれば2ラウンド目に再行動なり敵の自爆なり狙えるかなーあんまり期待はしないでね!という感じ。
    緒環 伸:あとは社会と財産点が高めだったり、妖精の手が使えたり、メジャー消費で支援ができたりもする。ミドルもなんとかやります!
    緒環 伸:以上、よろしくお願いします!
    GM:達成値増加が何気に凶悪だった記憶がありますよろしくお願い致します。
    GM:そして雪ちゃん、そのまま連続になりますがどうぞ
    春日 雪:は、では!
    春日 雪http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYkbOJwwIM
    春日 雪:「姓は春日、名は雪と申します。……はい、かの“ディアボロス”とは遠縁にあたります」
    春日 雪:「……それとも、この街ではこう名乗るべきでしょうか。わたしは、“マゲイロス”の血縁者である、と」
    春日 雪:「ですが、今のわたしは第9支部の副支部長を預かる身。なので……ええ、そうですね」
    春日 雪:「気軽に、雪ちゃん、と呼んでもらえると嬉しいです。……ね、いいでしょう?」
    春日 雪:N市第9支部副支部長。小学生。春日一族の出身であり、“マゲイロス”の姪にあたる。
    春日 雪:オーヴァードとしては、薬物精製と領域操作を用いた支援能力に長ける。
    春日 雪:愛用の外套は、かつて治めていた支部を統べる証として先代から受け継いだ遺産。少しずつ心が冷たくなる、という曰く付きだが…。
    春日 雪:支部長としての責務を離れれば、年相応の可愛らしい少女である。今は、まだ。
    春日 雪:シンドロームはソラリス/オルクス。低い行動値を活かして、行動済みの味方を再行動させます。
    春日 雪:そして160点版ですと、ここに他者によるカバーリング(領域の盾)と、味方のダイス追加(ユニークコード)が入ります。
    春日 雪:以上となります!よろしくお願いします!
    GM:一番年下なのに一番年齢制限が危ない子ですねよろしくお願い致します
    GM:さて、この二人は招待枠でハンドアウトもセット
    PC3 《パペッティアー》緒環 伸 & 《リトル・ミストレス》春日 雪
    あなた達はN市第九支部の正規エージェントだ。
    突如変貌した廃墟の調査にあなた達は駆り出された。という事になっている。
    とは言っても駆り出された人数が人数。第九支部からあなた達とチルドレンが一人、それからモブ支部員がたくさんだ。
    〝必要な人は、各自水着を用意して集合〟ということだ。
    つまり温泉宿で休暇を取りつつ、異常事態があったら解決して欲しいとの事である。
    今も仕事中だろう支部長に申し訳なく思いつつも、去年一年分の疲れを癒やして帰ろう。
    がんばってね。

    春日 雪:温泉!温泉ですよ緒環さん!
    緒環 伸:やったね!
    GM:ちなみに根本的なことを聞くんですが、緒環さん雪ちゃん、この卓以前に同席の経験は?
    緒環 伸:GMPLで一度ですね
    春日 雪:緒環さんがPC、雪ちゃんが依頼主NPCとして同席してますね。
    GM:そこからあの幻覚量か……
    GM:OKです。
    GM:ではそんな感じで自己紹介も終わりましたので、みなさまよろしくお願い致します。
    GM:ゆるりと。
    GM:とにかく、ゆるりと。
    春日 雪:ごゆるりと…。
    GM:ではそうですね、OPですが
    GM:PC3組からいきましょう
    GM:という訳でさっそく

    OP1:あけましてバス旅行


    GM:PC3のお二人、登場侵蝕をどうぞ
    緒環 伸:緒環 伸の侵蝕率を+4(1d10->4)した(侵蝕率:40->44)
    春日 雪:1d10+40
    DoubleCross : (1D10+40) → 10[10]+40 → 50

    春日 雪:テンションが…上がっている…!
    GM: 
    GM:N市山中の何処かに佇む館。今は放棄され朽ちるばかりの和風邸宅である。
    GM:どこかに権利者はいるそうだが、訪れることもない。
    GM:肝試しの若者や、邸宅の広さから財産を当て込んで忍び込む不届き者やで、もはや人が住める有様ではない。
    GM: 
    GM:……さて。あなた達は今、送迎バスの中にいる。
    GM:バスの前方の方には、普通の旅行なら添乗員さんでも居るんだろうなぁというスペースが有って、
    末柄 晴:「右手をごらんください。木が真っ白でありますな。左手をごらんください。木が雪化粧しておりますな」
    末柄 晴:「全く見応えの無い景色でありますが、もう少々で目的地ですのでどうかご辛抱を」
    GM:と、直立不動でバスガイドの代わりをしている、男とも女ともつかない声と体格のUGNチルドレンが。
    GM:そして座席にはたっぷりのモブ支部員達がおりまして、
    GM:たぶん緒環さんと雪ちゃん、あなた達は前の方の席で隣り合わせに座っています。そんな感じでおしゃべりでもどうぞ。
    春日 雪:「やどりちゃんからお話を聞いた時は、思わず目が点になりましたけど……」
    春日 雪:「温泉……温泉ですよ緒環さん」
    緒環 伸:「…………」
    緒環 伸:アイマスクをして完全に寝る体勢でいる。半分寝ている。
    緒環 伸:ガイドも聞いていないし、外も見ていない。
    春日 雪:「……緒環さん?緒環さーん……?」
    緒環 伸:「……ん」
    春日 雪:何度か声をかける。少しずつ、少しずつ。
    春日 雪:唇を、耳に近づけながら。
    緒環 伸:何度か呼ばれてようやくアイマスクを上げ、
    緒環 伸:接近がギリギリになったあたりでひょいと顔も上げる。
    緒環 伸:「ああー、何、もう着いた?」
    緒環 伸:にやけた顔をあくびで歪めながら。
    春日 雪:「……ふふ。おはようございます。もうちょっとだけ、かかるみたいですけど」
    春日 雪:「けれど、もうちょっと、です。……ええ、もちろん、お仕事だというのは忘れていませんけれど……」
    春日 雪:かなり近づいていた顔と顔との距離を、ひょい、とあっけなく開きながら。
    緒環 伸:「なんだ、ならもうちょい寝かしといてよ」
    緒環 伸:「こっちはもう休む気満々なんだからさあー」
    末柄 晴:「はっはっは。緊張感の無い任務ではありますからなぁ」
    GM:ほとんど観光バスの様相を呈している車内だが、それもしかたがない。
    GM:何せこれから向かう先は、既に先遣隊がある程度の調査を済ませてあるのだ。
    GM:〝どこからどう見ても温泉旅館だった〟という。オーヴァードもジャームも何もいないと。
    GM:〝じゃあ調査ついでに休暇を消化させない?〟と何処かのお偉いさんが思いついちゃって、こうなったのである。
    春日 雪:「お気持ちは分かりますけど……まあ、その辺りも含めてのメンバー選定、なのでしょうね」
    春日 雪:自分はともかく。緒環さんに、その他の面々は。普段、働きづめ……とまではいかずとも。
    春日 雪:少しゆっくりするくらいしても、罰は当たらない。そんな人たちだと。車内をゆっくり見回し、微笑みながら思う。
    緒環 伸:「そうそう。みんなちょっとは骨休めすべきなんだよ」
    緒環 伸:「まあ、それ言ったらやどりちゃんに一番休んでほしいけどね」
    末柄 晴:「休みが消し飛ぶのも日常茶飯事の職業でありますからなぁ。こういう機会もまた格別、格別」
    末柄 晴:「支部長をお連れできなかったのは残念でありますが。その分も我ら、全力で休まねばなりますまい」
    春日 雪:「……はい、本当に。パイライトくんやベルちゃん、ニーンテさんたちも、来れたら良かったんですが」
    春日 雪:「来れなかった人の分まで、ゆっくりさせてもらいましょう。……いいお土産が、手に入るといいんですけど」
    緒環 伸:「全員で空けるわけにもいかないし、しゃーないわな」アイマスクを外す。
    緒環 伸:「お土産ね。僕、帰りのバスでお土産を間違えて食べるのは名人なんだぜ」ケラケラ笑う。
    緒環 伸:「みんなの分も残ってるといいなあー」
    末柄 晴:「自慢できぬ芸でありますな」
    春日 雪:「じゃあ、しっかり見張ってないといけないですね。ええ、では、そのお役目は不肖、このわたしが」
    緒環 伸:「暇だとなんか食べたくなんない?」
    緒環 伸:「かわいいお目付役だなあー」
    緒環 伸:「……逆に、僕が雪ちゃんを見張ってなきゃなんないような状況にならないよう、祈ってますよ」
    緒環 伸:なんか嫌な予感がするんだよなーという顔。
    春日 雪:「褒めてもお目こぼしはしませんし、わたしが何かするなら……ふふ、ばれないよう頑張りますね?」
    春日 雪:そう、悪戯っ子のように微笑んでから。
    春日 雪:「……いいもの、ですね」
    春日 雪:ふと、窓の外の雪景色へと、視線を流しながら。
    春日 雪:「こうやって、みんなでお出かけする、というのは。……まるで、家族旅行みたい」
    緒環 伸:「お」
    緒環 伸:変わり映えのしない窓の外と、雪ちゃんを交互に見て。
    緒環 伸:「僕ぁ、あれだね。ガキの頃の遠足みたいだと思ったけどな」
    緒環 伸:「家に帰るまでが遠足です」
    春日 雪:「おうちのひとを、しんぱいさせてはいけません」
    春日 雪:それこそ、遠足のしおりを読み上げるように。
    緒環 伸:「そういうこと」
    緒環 伸:雪ちゃんの頭を撫でるように手を持ち上げる。
    春日 雪:「……もし遠足なら、緒環さんは引率の先生、ですね」
    春日 雪:拒むことも、自分から体を寄せることもせず。
    春日 雪:──もし、家族旅行なら。あなたは。みんなは。
    春日 雪:言葉を飲み込みながら、微笑む。
    緒環 伸:「いやー、我ながらこんな先生嫌だね。絶対なんかやらかすよ」
    緒環 伸:軽くぽんぽんと頭を撫でてやりながら。
    春日 雪:微笑みはそのままに。くすぐったそうに目を閉じる。
    緒環 伸:「ま、無事に終わらせて、元気で帰りましょうねっと」
    GM: 
    GM:がっくんがっくん、がったんがったん。舗装されていない山道だ、バスはそれなりに揺れる。
    GM:が、運転手は肉体10の運転5なベテランモルフェウスエージェントだ。
    GM:たぶん巨匠の記憶7にコンセントレイト3を組み合わせているのだろう。特に横転するような事もなく、
    GM:バスは無事に到着する。新築にも見える広々とした旅館が、確かに山中に、唐突に生えていた。
    GM:……と同時にあなた達は感じるだろう。空間に張り巡らされた《ワーディング》の気配を。
    GM:誰かが展開したというより、ワーディング空間にあなた達が踏み込んだ、という具合だ。
    GM:駐車場という洒落たものは無い。ちょっと広い普通の地面に停車する送迎バス。
    GM:車外は雪こそ積もっているが、それもせいぜい足首を少し越える程度で、
    末柄 晴:「到着であります! さあ皆々様、降りた降りた! 後がつっかえているであります!」
    末柄 晴:「この後にもう3人ばかりと合流。その後に宿へ突撃──と、遠足のしおりには書いてありますな」
    末柄 晴:おどけた口ぶり。何も盛っていない手での、ページをめくるようなジェスチャー。
    GM:モブ支部員達はバスガイドモドキの誘導に従い、ぞろぞろとバスを降りていく。
    春日 雪:「手荷物の都合で空路、というお話でしたね。……あの人なら納得です。けれど……」
    春日 雪:残る二人、特に第12支部のあの人は、なぜわざわざ空路を……と、一瞬考えかけたものの。
    春日 雪:「……いえ、まずは建物の確認、そして温泉です!さあ、緒環さん」
    春日 雪:席から立ち上がり、上の荷物台にある外套に手を伸ばす。届かない。
    緒環 伸:「はいはいっと」荷物を手に。
    緒環 伸:「ん」
    緒環 伸:「AコースとBコースがございますが」
    緒環 伸:「安心な方と雑な方ね」
    春日 雪:「ちょっとだけ乱暴な方で」
    緒環 伸:「あいよ」
    春日 雪:一度降ろした腕を、もう一度上げる。
    緒環 伸:じゃあ雪ちゃんを軽く抱っこしてあげましょう。
    緒環 伸:そのまま荷物台に届くように差し上げる。
    春日 雪:「ありがとうございます。……せっかくですし、このまま宿まで、と言いたいところですけど」
    春日 雪:伸ばした両手で、外套とそれに包んだ荷物をしっかり持ってから。
    緒環 伸:「……これは多分怒られるやつだと思うんだけどね」
    緒環 伸:「それだと僕の腕が死ぬ」
    緒環 伸:ひょい、と床に下ろしてあげる。
    春日 雪:「はい、これからお仕事なのに、それはいけません。ですから」
    春日 雪:ふわりと外套を広げ、纏う。片手で下げられる程度に収まった荷物を、その量通り片手にかけて。
    春日 雪:「……じゃあ、行きましょう?」
    春日 雪:もう片方の手を、緒環さんの方へ伸ばす。
    緒環 伸:「エスコートしろってか。わがままなお嬢さんだよ、まったく」
    緒環 伸:苦笑して、手を取る。
    緒環 伸:そのままバスを降りていきましょうか。
    GM:では
    GM:あなた達はバスを降りる。
    GM:吐く息は白い。山の澄んだ空気は、かろうじて氷点下に届かない程度だろう。
    GM:風も無く日差しは柔らか、穏やかな午前中。あなた達は──
    GM:ばらばらばらばらばらばら
    GM:と、遙か上空から聞こえるささやかな音に出迎えられるだろう。
    GM:──────────
    GM:ロイス取得のみ可能!
    緒環 伸:雪ちゃんに○庇護……庇護?/脅威で取得します。
    春日 雪:緒環さんに『■尽力/疎外感』で!
    GM:OK!

    OP2:あけまして落下傘


    GM:PC1&PC2のお二人、登場侵蝕をどうぞ
    黒瀬直:黒瀬直の侵蝕率を+1(1d10->1)した
    興津和沙:1d10+35
    DoubleCross : (1D10+35) → 9[9]+35 → 44

    興津和沙:やったー、ゾロ目!!
    GM: 
    GM:ばらばらばらばらばらばら……ヘリローターの回転音もけたたましく鳴る年初の朝。
    GM:目標地点の高度が600m。そこより更に4000m高いので、高度4600mの地点にあなた達は居る。
    GM:なんでこんな所にいるかと言うと、直前の任務が市内の離れた場所だったのと、寒骨白の輸送の為である。
    GM:バスの天井にくくりつけるのは重心が崩れてどうのこうの、と運転手が躊躇ったのが理由としては大きいか。
    GM:とにかくそういう訳で、あなた達は空を飛んでいる。
    興津和沙:なんか、夢でも見てるかのようにポケーっとしています。
    黒瀬直:「────ところで興津くん」外へ向けていた視線を此度の同行者に向け直し
    黒瀬直:「君、スカイダイビングの経験はあるかな」
    興津和沙:「…………」
    興津和沙:ぽけーっとしていた目に光が宿る
    興津和沙:「ないよ!!」
    興津和沙:「高校生が工藤新一みたいになんでもかんでもハワイでオヤジに習ってると思わないでくださいよ!」
    興津和沙:「っていうかここまでツッコめなかったわ!あまりにもスピーディに話が進んでいくからツッコむ余裕がなかったわ!!」
    興津和沙:「なんで温泉にヘリで行くんだよ!!そしてなんで訓練してない女子高生にいきなりパラシュート落下させようとするんだよ!!」
    興津和沙:「こっちは温泉ってきいてのんびりバスの旅をする気満々だったわ!!ヘリが来た瞬間初夢かな?って思ったわ!初夢かなって思ったままここまで来てたわ!!」
    興津和沙:「違うじゃねえか!!現実じゃねえか!!!」
    黒瀬直:「そうか」
    興津和沙:まるで事前に準備をしていたかのように一気にまくし立てます
    黒瀬直:「少し安心した」
    興津和沙:「安心する要素ありました!?」
    興津和沙:「私不安しかないんですけど!?」
    黒瀬直:「うむ」
    黒瀬直:「なに、心此処に在らずといった面持ちだったのでな」
    興津和沙:「そりゃいきなりヘリに連れ込まれたらそうなりますよ!?」
    黒瀬直:「新年早々から緑林軍掃討に加わってもらい、すぐさま今回の任務」
    黒瀬直:「少々心配していたのだが、思ったより元気なもので安心した」
    興津和沙:「ま、元気だけが取り柄みたいなもんですからね。」
    黒瀬直:「危険と隣り合わせの任務だというのに旅行気分ときたものだ、心強いことだ」
    興津和沙:「いや、可愛いお姫様っても取り柄ですけどね、むしろそっちがメインですけどね」
    薬師院 小夜子:「……ちくしょう。私がツッコむべきところ全部持って行かれてらぁ……」
    薬師院 小夜子:あなた達の横で軽口を叩きつつ顔面蒼白になっているのは、第八支部所属の薬師院 小夜子。
    薬師院 小夜子:美人と美少女と温泉旅館で宿泊してこい、というざっくりした任務概要に釣られて立候補した哀れな女である。
    黒瀬直:「薬師院くんもそう思うだろう?」
    興津和沙:「ツッコむならもっと早く突っ込んでほしかったなあ!私もバスにノリたかった!」
    薬師院 小夜子:「正直私はですね。今から落下が憂鬱ですけどね」
    薬師院 小夜子:「陸路でいいじゃん!!! 空輸じゃなくても!!!」
    薬師院 小夜子:「トラックの荷台とか──いろいろ、こう、あるじゃん!」
    興津和沙:「そうだそうだー!棒高の棒だって、ボートのシングルスカルだってバスの上に乗っけて運んだりしてるんだぞー!」
    黒瀬直:「まあそこは不安か」
    興津和沙:「シングルスカルに至っては長さ8Mぐらいあるんだぞー!寒骨白より長いんだぞー!」
    黒瀬直:「何かあったらいつでも無線で呼べ。すぐ助けに行く」
    興津和沙:「いや、助けに行くって言われても…!」
    興津和沙:「黒瀬さん、パラシュート装備してないじゃないですか!」
    黒瀬直:「うむ」
    興津和沙:「4600mから自由落下しようとしてる人にどう助けを求めろと!?」
    黒瀬直:「機動力が落ちるからな」
    興津和沙:「落とすためのものですからね!?」
    薬師院 小夜子:「和沙ちゃん」
    薬師院 小夜子:「この人を常識で判断しちゃいけないよ……」
    黒瀬直:「降下中の君たちが迎撃されそうになったら私が逆撃する」
    黒瀬直:「だから心配はいらないぞ」
    薬師院 小夜子:「いやまぁ、私も実は崩落するビルから生身で落とされたことありましてね」
    薬師院 小夜子:「いざとなりゃあ自力でどうにかするんで、和沙ちゃんだけ見てくれて大丈夫です」
    興津和沙:「えー、そのレベルの驚異があるの…温泉…聴いた話と違う…」
    黒瀬直:「………」
    黒瀬直:「うむ。というか、だな」
    黒瀬直:「温泉入る気満々なのか……?」
    興津和沙:「え、ほぼ危険はないから」
    薬師院 小夜子:「当然でしょう」喰い気味に
    興津和沙:「ご褒美だと思って温泉で休んできてって誘われたんですけど。」
    薬師院 小夜子:「こうなりゃあヤケです。美人の顔を拝みながら湯船に盆を浮かべて雪見酒」
    薬師院 小夜子:「そうでもしなきゃ割に合わないってもんでしょう」
    黒瀬直:「いや私もそう言われているがな」
    黒瀬直:「危なくないか」
    興津和沙:「いや、勿論UGNのしごとだからある程度のことは覚悟しては居ますけど…」
    黒瀬直:「ふむ」
    黒瀬直:「まあ、興津くんたちが楽しみにしているならばそれも重要なこと」
    黒瀬直:「警護は私に任せ、安心して浴すと良いぞ」
    興津和沙:「いや、私は4000m自由落下しようとしてる眼の前の先輩のほうがよっぽど心配なんですけど…」
    興津和沙:「マジで、大丈夫です?予備のパラシュートとかないんですか?」
    黒瀬直:「平気平気。私は慣れてる」
    興津和沙:「慣れで富士山からジャンプするより危ないことをなんとかしようとしてるこの人…!!」
    黒瀬直:「なんなら君らのパラシュートが故障したら飛んでいくからな」
    興津和沙:「ありがとうございます。けど、「できるだけ無理させないようにがんばります。」
    GM:さて──そんな風にあなた達が話していた頃合いだ。
    パイロット:「目標上空に到着しました。降下の準備をお願いします」
    薬師院 小夜子:「げっ」
    GM:ヘリが空中でのホバリングに移行する。到着してしまったのである。
    黒瀬直:「そうか」
    興津和沙:「うわっ寒っ…!!!」
    GM:だいたい氷点下20度くらいだろうか。そして4600m。
    GM:つまり、「さむい。たかい。こわいだす。」の環境である。
    黒瀬直:「それでは頼りにさせてもらう……準備は良いかな?」
    興津和沙:「高度4600m、寒っ…!!!」
    興津和沙:「えー、っと」
    興津和沙:意志判定
    興津和沙:1dx+1
    DoubleCross : (1R10+1[10]) → 3[3]+1 → 4

    興津和沙:「いや、こえええ!!!!」
    黒瀬直:「そうか」
    薬師院 小夜子:「くそ……美味い話は転がってねぇなぁ……!」ヘリドアから地上を見下ろして
    興津和沙:「たけえ!人がゴミのようじゃん!!旅館がミニチュアじゃん!!」
    薬師院 小夜子:「言うなぁああ! 私だって怖いんだぁああ!」
    薬師院 小夜子:「けど一応……いい歳こいた大人だし……未成年と同じビビり方してる訳にもいかないじゃん……」
    黒瀬直:「薬師院くんは偉いな」
    興津和沙:「いや、無理しないでくださいよ薬師院さん!!怖いもんは怖いですよ!」
    興津和沙:「いっせーの!いっせーの!いきましょう!」
    興津和沙:「4000m、みんなで落ちれば怖くない!」
    薬師院 小夜子:「みんなで落ちれば──」
    薬師院 小夜子:「──パラシュート絡まったらどうすんだよ怖えよ!」
    黒瀬直:「その時は任せろ。私が飛んでいく」
    興津和沙:「ああ!じゃあわかりました!私から行きます!その代わり背中押してください!!」
    興津和沙:「一人じゃ無理、これ!!」
    薬師院 小夜子:「押す……」
    興津和沙:落下して失敗したら間違いなく死ぬ高さを目の前にしてちょっと膝が震えている!
    興津和沙:「1,2,3で押してください。それに合わせて私も飛びますから!」
    黒瀬直:「ではカウントダウンをするぞ」
    薬師院 小夜子:「ひぇええええ……」
    興津和沙:「かのマリー・アントワネットはギロチンを前にしても気丈でいたんだ!私だってお姫様のはしくれ!やってやる!」
    興津和沙:「あ、ゲン担ぎに薬師院さんの靴ふんでいいです?」
    興津和沙:錯乱している
    黒瀬直:「それした人死んでるが」
    黒瀬直:「そのままバッサリだが」
    薬師院 小夜子:「死んでるね、うん。悪気はなかったやつだね」
    興津和沙:「あ、ホントだ!じゃあしない!カウントダウンお願いします!」
    興津和沙:「3!」
    薬師院 小夜子:「ええい……2!」
    黒瀬直:「1」
    興津和沙:「だああああああああっ!!!」
    黒瀬直:「気絶はするなよー」ドン、とギロチンより無慈悲に送り出す。
    興津和沙:黒瀬さんに背中を押されると同時に、自分の体を空中に投げ出す!!
    薬師院 小夜子:「フランス万歳……」両手を合わせて見送る
    興津和沙:(あ、これ、1,2,3だったら猪木だったな!よかった、3,2,1で。お、結構くだらないこと考える余裕はある!いけるか!)
    興津和沙:脳内物質が発散されまくってあたりがスローモーションにみえる頭でくだらないことを考えている
    黒瀬直:「さて、次は薬師院さんの番だが」くるりと向き直る。
    薬師院 小夜子:「あははははは。ですよねー」
    黒瀬直:「……あまり怖いようならば」
    黒瀬直:「なんなら私が補助に着こうか?この辺りは暗いことだしな」
    興津和沙:運転:パラシュート
    興津和沙:5dx+0
    DoubleCross : (5R10+0[10]) → 8[4,5,7,8,8] → 8

    興津和沙:まあまあのパラシュート捌き…!
    興津和沙:ではお二人が会話してる間に興津はパラシュートを開いて落下していきます。
    薬師院 小夜子:「いやいや、フランス繋がりって訳でもないんですけどね」
    薬師院 小夜子:「バスティーユ襲撃の時は」
    薬師院 小夜子:「黒髪片目の愛しい人はもう居なかった筈なんでね」と、後ろ向きにドアへにじり寄る
    黒瀬直:「そうか」
    黒瀬直:「踏ん切り決める助けの方は要るかね?」
    薬師院 小夜子:「そういう楽しみは後に取っておきましょう。主に温泉の方で」
    薬師院 小夜子:「ってな訳で──レディファーストが流儀ですが、今回はお先に失礼ぃぃぃぃぃぃ」
    薬師院 小夜子:ドップラー効果を存分に発揮しながら落下していく
    黒瀬直:「…………」
    黒瀬直:「飛び出すならギロチンというより絞首台だよなあ……」
    黒瀬直:「では、私も行ってくる」
    黒瀬直:再びくるり。パイロットの方へ向き直り、名前を呼んで。
    パイロット:「降下を確認後、〝槍〟を切り離します。空中での回収をお願いします」
    黒瀬直:「うむ。──くんも恙なく帰れるように」
    黒瀬直:「良きフライトを」何ら緊張を感じさせない声色で語り掛けながら、曇りない青空へ身投げした。
    GM:──────────
    GM:ロイス取得のみ!
    黒瀬直:幼子:興津和紗/P信頼〇:N心配 で取得!
    興津和沙:だいぶ錯乱しているのでロイスは保留!
    GM:OK!

    ミドル1:ゲームコーナー的なサムシング


    GM:全員登場です。登場侵蝕をどうぞ
    黒瀬直:黒瀬直の侵蝕率を+6(1d10->6)した
    緒環 伸:緒環 伸の侵蝕率を+10(1d10->10)した(侵蝕率:44->54)
    緒環 伸:わお
    興津和沙:1d10+44
    DoubleCross : (1D10+44) → 7[7]+44 → 51

    春日 雪:1d10+50
    DoubleCross : (1D10+50) → 9[9]+50 → 59

    春日 雪:テンション上がりすぎでは?
    GM:このシーンはいわゆる合流パート兼調査開始パートです。それにしてもみな比較的侵蝕高いね
    GM:という訳で状況としてはですが
    GM:空を見上げるPC3のお二人
    GM:あなた達の視界に、まず最初に飛び込むものはジブリ的な王道
    GM:空から女の子が! だ。存分にリアクションしてくれて構わない
    GM:もちろん姫も騒ぐなり落ち着いたりしながら落ちてきてください
    春日 雪:「……一人目、ですね。何か叫んでいるような……と、言うより」
    春日 雪:「……あのままだと突っ込みますね。建物に」
    興津和沙:「……………ぁぁぁぁぁぁ」
    緒環 伸:「……いやー、マジで降下作戦やるとはな……」
    興津和沙:「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
    興津和沙:「あああああああああああ!!!!!!」
    興津和沙:だんだん近くなってくる少女の悲鳴!!
    興津和沙:「風!風!!風、強っっ!!!」
    緒環 伸:ではイージー《テレキネシス》で落ちてきている相手を上手く引き寄せたいです。
    春日 雪:「……お願い、できますか?初手から事故は流石に、その」
    春日 雪:近づいてくる悲鳴と、だんだん人の形と分かる影を、目を細めて見上げる。
    興津和沙:「コントロールむずっ!!いや、これ初心者がやる環境じゃないって!!」
    興津和沙:昔のディズニーアニメじみて空中ですいむすいむしようとしています!
    緒環 伸:「了解。結局お仕事なんだよなあー」
    緒環 伸:手を軽く差し上げ、目を細める。視界には様々な物を繋ぐ運命の糸が見えている。
    興津和沙:「いや、ちょっ!やばいやばい!!!」
    黒瀬直:形成した皮膜を大鷲の如く広げ、目的地を中心とした旋回運動をしながら滑空している。
    黒瀬直:山中に不審な物や敵が居ないか確認しているのだ。弓をいつでも扱えるように両手は空いている。
    緒環 伸:大きな干渉ではなくとも、軽く糸を引けば、連鎖的に——。
    緒環 伸:くい。
    春日 雪:「…………」
    興津和沙:「ぶつか……!!天狗がいる!?」
    末柄 晴:「おー、流されてらっしゃる。楽しそうでありますなぁ、私も空輸を希望すればよかったか」
    末柄 晴:「しかし、はて。パラシュートを付けていない方も落ちてくるように見えるのは」
    末柄 晴:「これは私の目の異常──でもなさそうでありますな」
    興津和沙:「わあっっ!?」
    興津和沙:風に流されて建物にぶつかりそうになっていたところを、なにか不思議な力で引っ張られるような感じがある!
    春日 雪:「なんですかあれ」
    春日 雪:半分棒読みのような、感情の失せた声。
    緒環 伸:「なんだか良くわからんけど……まあ」
    緒環 伸:糸は確かに連鎖的に動いていく。空中の謎の人物に繋がる糸も、含めて。
    緒環 伸:「大丈夫なんじゃないの? 多分」
    興津和沙:「あ、やった!!なにかな、風かな!?なんだろう、よくわからないけどありがとう!!よし、このままあのバスのところに!」
    黒瀬直:無論、単に同行者が墜ちるさまを放置しているわけではなく。
    黒瀬直:彼女に当たる風を抑え、あるいは誘導もしていた。薬師院さんも視界に収めながら。
    薬師院 小夜子:こちらはなんだかんだでノイマンである。ひぃひぃ言いながらもマニュアル通りにパラシュートを扱い減速に成功している。
    春日 雪:「……そうですね。緒環さんが大丈夫と仰るなら、大丈……」
    春日 雪:大丈夫、と言いかけて。
    緒環 伸:「安心しな。僕の信用性はゼロだぜー」
    春日 雪:「緒環さんとは別口で、だいぶ力技で大丈夫にしてますね、あの人」
    興津和沙:「ふわあああああああああああああああああ!?」
    緒環 伸:「まるで意味がわからん……けど、まあサポートしてる感じではあるよな」
    興津和沙:地面が、近づいてくる!あ、これ思ったより
    緒環 伸:「こっちも凧揚げフィニッシュしますか」
    興津和沙:「は、やああああああああああ!?」
    春日 雪:「ええ、やっちゃってください。ふわりと」
    春日 雪:ちょっといけない感じの勢いで突っ込んでくるパラシュートを、何か面白いものを見るように見つめながら。
    末柄 晴:「お正月の風物詩でありますなぁ」
    興津和沙:「こんな風物詩があってたまるかああああああ!!!」
    興津和沙:と突っ込みながら着地をしようとします!寒骨白がいれば地面に突き立ててブレーキかけてやるのに!
    緒環 伸:「よいしょ」軽く糸を操り、多少は減速させながら着地させる!
    興津和沙:「あぶない!どいてどいてどいてええええええ!って、え?」
    興津和沙:ふわっと最後に体が浮いたような感覚を覚えながら
    興津和沙:足が地面に付きます
    興津和沙:「はあ…はあ…怖かった…!!」
    興津和沙:「足元に地面があるって、こんなにホッとするんだね…!!」
    薬師院 小夜子:そんな騒動から少しだけ離れた場所で、どうにかこうにか着地に成功している薬師院。
    薬師院 小夜子:「永遠に人類の堅き礎たらんことを……」まだベルばらを引きずっている。任務前に読んでいたのだろう。
    緒環 伸:「はい、お疲れさんでした」
    春日 雪:舞い上がる雪煙から身を守るように、きゅっと外套の前を閉じながら。
    興津和沙:「あ、お疲れさまです。うわっ」
    興津和沙:パラシュートが顔にかぶさってくる
    春日 雪:「ようこそいらっしゃいました。依頼に応じてもらって、ありがとうございます」
    春日 雪:「興津和沙さん。薬師院小夜子さん」
    春日 雪:「そして──」
    黒瀬直:「なるほど、幸先がよいことだ」視線を緒環さんに向けつつ、皮膜を広げながらある程度まで降下。
    緒環 伸:「お、あっちも無事着陸だね。月だったら大騒ぎだ」
    春日 雪:「──黒瀬、直さん」
    春日 雪:三者三様で降下してきた、三人に。
    春日 雪:緒環さんが伸ばした糸と同じくらい、ふわりとした笑顔を向け、挨拶を。
    興津和沙:「ぷはっ」
    興津和沙:頭にかぶさったパラシュートを自力で外す
    黒瀬直:「ふっ、ふっ」足元に、手掛かりに、瞬間的に取っ掛かりを形成しながら降りてくる。
    薬師院 小夜子:「あー……ちくしょう、二度とゴメンだこんなもん!」パラシュートを外しながら悪態をついていたが、名を呼ばれれば
    薬師院 小夜子:「おっと。……春日副支部長、お初にお目に掛かります。第八支部《ワゴン・テラーズ》薬師院 小夜子、どうぞよろしく」
    興津和沙:「お疲れさまです。第9支部の人たちですね。」
    黒瀬直:「うむ。空組3名、無事に合流した」その右手には巨大な槍。
    緒環 伸:「どうもどうも。なんだ、揃ってみれば美女揃いじゃん。やったね」こちらはニヤニヤと笑っている。
    興津和沙:「えーっと、《姫》興津和沙です。宜しくおねがいします。」
    興津和沙:風でセットした金色の髪がボサボサになった少女が答えます
    黒瀬直:「第12支部《デモン・ストレイト》、黒瀬直。みなさんよろしく」
    春日 雪:「はい。第九支部副支部長、春日雪です。こちらは─」
    緒環 伸:「姫?」
    緒環 伸:「あれ、なんか聞いた情報だと……?」首を軽く傾げる。
    春日 雪:ニヤつき、そして疑問符を浮かべたような表情の緒環さんの袖をくいくい、と引いて。
    興津和沙:「《姫》ですっ」
    緒環 伸:「ああ、どうも"パペッティアー"緒環伸ですよ。よろしく」
    緒環 伸:「なんとこっちの子の部下です」
    緒環 伸:雪ちゃんを示しながら。
    春日 雪:「はい、上司です」
    春日 雪:えっへん、と。小さな胸を張って。
    末柄 晴:「女心のわからぬ男は白い目を向けられるでありますよ、緒環さん。……と、《シングル・ユーズ》末柄 晴であります」
    黒瀬直:「私もヒラだしな」豊かな胸を張るでもなく
    緒環 伸:「これ以上向けられんのも困るな……」肩を竦める。
    末柄 晴:「今回はバスガイドであったり、旅行のしおり係であったり。早速ながら皆さんをあちらの──」
    末柄 晴:と、末柄は、何故か山中に出現した温泉旅館を指差して
    興津和沙:「うわあ、立派な旅館…」
    末柄 晴:「あの謎の施設へお連れしようと思います」
    黒瀬直:「うむ」謎の旅館を睨みつける。
    春日 雪:「見た目はあんなので、先遣隊からも脅威は無いと報告が上がっていますが……」
    興津和沙:「これ、マジで突然現れた変な建物なんですか?」
    興津和沙:「昔からの老舗ではなく?」
    末柄 晴:「まさに、まさに。特にオーヴァードやジャームの姿も無いとの報告であり──」
    末柄 晴:「建物もまた、急に塗り変わったの如く真新しく。以前の姿はこれこちらに……」と、スマホにかつての写真を表示する。
    末柄 晴:かつての写真──つまり、温泉旅館が生えてくる前、ここにあったボロ屋の写真だ。
    末柄 晴:建物自体は大きいが、壁も屋根も機能していない。腐った木の集まり、といった風情である。
    春日 雪:「……ね?見事な廃屋でしょう?」
    興津和沙:「全然ちげえ…!!」
    黒瀬直:「記憶の通りだな」
    緒環 伸:「キツネに化かされてるんじゃなけりゃいいけどな」
    興津和沙:「っていうか旅館ですらねえ、じゃねえ、ないですわ…!」
    GM:翻って現状は──軽く描写をするが、つまり横と奥行きの広い平屋だ。
    GM:縁側があり、障子で室内と外界を区切る古式ゆかしい日本家屋。
    GM:新築です。と言われて信じられるピカピカの建物。屋根瓦も罅ひとつ無いよ。
    春日 雪:「……やっぱり、ご存知なんですか?」
    春日 雪:ほんの少し、怪訝そうな顔を黒瀬さんに向ける。
    黒瀬直:「崩落戦前までは今の9、10地区は旧第9地区……」
    黒瀬直:「つまりは私や真堂支部長の管轄だったからね」穏やかな態度で視線を返す。
    春日 雪:ああ、と。得心がいった、という風に頷いて。
    末柄 晴:「ほー……それは知りませんでした。ふむふむ」と頷いていて、
    モブ幽霊:「……………………」末柄の後ろに立ってこくこくと頷いている。
    黒瀬直:「…………」
    春日 雪:「ですが、ご覧のように、何が起こるのか分からないのが"こちら側"の──」
    興津和沙:「……おばけっ!!」
    春日 雪:「……はい?」
    緒環 伸:「うわ!?」
    薬師院 小夜子:「うぉぅっ!?」かなり大げさに仰け反った後、後ろに出した足でひっくり返るのを防いだ。
    モブ幽霊:まっくろな影のようなものである。
    モブ幽霊:人間の形をして厚みがあるが、まっくろである。
    モブ幽霊:そんなものがいつのまにか、あなた達の傍にいたのと──
    興津和沙:「いや、おばけ!?なにこれ!?真っ黒クロスケ!?」
    緒環 伸:「おいおい、いきなりかよ……少しは休ませてよ……」
    黒瀬直:「ふむ」自然な足取りで間合いを取りつつ、周囲に視線を配る。
    GM:少し視点を動かしてみよう。温泉旅館の、外へ面した通路。つまりは縁側だが、
    モブ幽霊:同じように真っ黒い影が何人か、すり足でするすると行き来している。
    黒瀬直:「この動きは……」
    興津和沙:「「これ、もしかして」
    興津和沙:「案内しようとしてくれてる?」
    モブ幽霊:「……………………」こくこく、とまた頷いている。
    緒環 伸:「案内? 旅館に?」
    黒瀬直:「良かったな緒環さん」
    興津和沙:不安げに幽霊を見ている
    黒瀬直:「休ませてくれそうだぞ」
    緒環 伸:「それ、永遠に連れてかれるやつじゃないよね……?」
    緒環 伸:「僕、まだわりと未練があるんですけど……」
    春日 雪:「……緒環さん。緒環さん」
    春日 雪:2度、名前を読んで。
    春日 雪:「みんなで帰るまでが遠足、ですよ」
    緒環 伸:「……そりゃそうだ」
    春日 雪:「……ともかく、です。わたしたちの目的は、ここの調査。と、いうことは」
    春日 雪:ぱん、と。胸の前で掌を合わせて。
    興津和沙:「招いてくれるなら、それに乗って見るに越したことはない」
    興津和沙:「かな?」
    春日 雪:「まずは、入らないと始まらない。そうでしょう?」
    春日 雪:まさしく、と。興津さんの言葉に頷きながら。
    末柄 晴:「幽霊、ふむ。これは異なもの、殴れるのでありますかな」と、無遠慮に黒い影に腕を伸ばすが
    モブ幽霊:「…………」ぱん、と末柄の腕を払って、旅館の入り口、玄関へとすり足で歩き始める。
    モブ幽霊:足下を見ると分かるが、ちゃんと雪の上に足跡は残っているぞ。
    緒環 伸:「副支部長さんは勇敢でいらっしゃる」
    緒環 伸:「しゃーないな。あからさまな敵意はないみたいだしね」
    黒瀬直:「まずは相手を知ることから、だね」
    興津和沙:(質量はある。真っ黒だけど、ちゃんと存在はしてるってことなのかな?)足跡をみながら
    春日 雪:「ええ、ええ。……本当の幽霊、本当の死人なら、どうしようもできませんけれど」
    春日 雪:「そこにいて、そこにあるのなら、いくらでもやり様はあります。……ね?」
    春日 雪:そうでしょう、と。黒瀬さんたち空組に、にこりと微笑みながら。
    黒瀬直:「敵意が無いなら矛を収めて、危険を察知すれば相応の対応を」
    黒瀬直:「人相手と何も変わらんな」
    黒瀬直:「私に異論はない」
    興津和沙:「私も、方針に異論はないんだけど」
    興津和沙:自慢の金髪がボサボサに鳴ってしまった少女が不安げに言う
    興津和沙:「あの、入る前に、パラシュート外すの手伝ってもらっていいですか…?」
    興津和沙:「寒い中落下して、手がかじかんじゃって…」
    薬師院 小夜子:「和沙ちゃん……」
    薬師院 小夜子:「……あなた、たぶんこれからすっごく苦労すると思うけど……がんばってね……」
    緒環 伸:「頼りがいのある遠足仲間で安心だ。なら殿でも……と」
    緒環 伸:「えっ、君それずっとくっつけてたの?」
    GM: 
    GM:まっくろな影はあなた達を玄関口へ案内した。
    GM:横スライドの戸をがらがらと開けると、これまた広々とした玄関に、大きな大きな下駄箱。
    GM:そして、あなた達の来訪を待っていたかのように、まっくろな影軍団が10人ほどずらり横にならんでいるのと──
    かなえ:「おかえりくださいませ!」
    かなえ:一人だけ〝ちゃんとした〟姿の少女が元気よく頭を下げて、
    かなえ:「……間違えました、おかえりなさいませ!」
    かなえ:訂正発言の後、もう一度礼をした。背が低く朗らかな、声の大きな女の子だ。
    春日 雪:「あら、かわいらしい」
    興津和沙:「あ、普通の子だ」
    黒瀬直:「おかえりではないが」
    緒環 伸:「ふうん……」周囲の影と少女を眺める。
    かなえ:「うふふ。みなさんのご自宅と思ってくつろいでいただく、城樹のお宿へようこそいらっしゃいました」
    かなえ:「お食事であれば一時間以内には用意が可能。お風呂は掃除中ですが三十分以内には!」
    興津和沙:「えっと」
    興津和沙:「予約とかしてないんですけど、大丈夫なの?」
    かなえ:「お部屋もたくさんございます、よろしければご案内を──と」
    かなえ:「はい!」にっこり。予約無し、もうまんたい。
    春日 雪:「それがここのお名前なんですね。わたしたちは……」
    春日 雪:「ええ、ここがどんな場所なのか、気になってしまって。大勢で押しかけてしまったけれど、大丈夫なようで良かったです」
    緒環 伸:「フレキシブルー」
    興津和沙:「ああ、よかった。ありがとうございます。」
    かなえ:「という訳でまずはお荷物を置いた方がいいですね! お部屋にご案内します!」
    かなえ:「相部屋ご希望の方はおっしゃってくださいな!」
    黒瀬直:「うむ、よろしく」既に履物を変えている。
    興津和沙:「どうします?」
    薬師院 小夜子:「どうするって言うと……部屋割り?」
    興津和沙:こくりと頷く
    薬師院 小夜子:「ふぅん。部屋数はそこそこ有るみたいだけど、一人一部屋は無理そうだねぇ」
    薬師院 小夜子:と建物を眺めて構造を把握している。ノイマンは便利だ。
    興津和沙:「とりあえず末柄さんと緒環さんは確定?」
    黒瀬直:「非常時を考えれば、独力で戦えないものは孤立するべきではないね」
    興津和沙:「私も一人は寂しいですねー」
    末柄 晴:「はっはっは。私は誰と相部屋であろうとかまわないでありますよ。クイーン以外の駒に性別など無縁のものですからな」
    春日 雪:「なるほど。直さんの仰るとおりです。……とすると」
    春日 雪:「……戦えない人ふたりをまとめて、戦える人に守ってもらう、というのもありですね?」
    薬師院 小夜子:「第九支部の方は支援系が多い、って話でしたっけ」
    緒環 伸:「あ、君そういう方向性なんだ……」末柄さんに。
    黒瀬直:「性別……?」
    興津和沙:「あ、あれ?末柄さん、もしかして女性だった?」
    興津和沙:「あ、ごめんなさい。私てっきり…!」
    末柄 晴:「ふふふふふふふふ」女性と思うには低く、男性と思うには高い。微妙なラインの笑い声。
    春日 雪:「和沙さん」
    興津和沙:「なに?じゃない、はい」
    春日 雪:「信念の前に、性別なんて些細な問題だ、と思いませんか?」
    春日 雪:にっこり。
    薬師院 小夜子:(あっ、この子……育ちがいい)
    薬師院 小夜子:(貴重な常識人だ……苦労するんだろうな……)
    黒瀬直:(性別で分ける必要性……?)
    興津和沙:「そ、そうかな…?」
    興津和沙:お姫様になりたいっていう女の子だからの夢を持ってる興津には雪ちゃんの言葉がピンとこない。
    興津和沙:「やっぱり、仕事だとしても男女でお泊りするのって、不健全じゃない…?いや、付き合ってるとかなら、別にいいともうけど」
    緒環 伸:「まあ、どっちでもというならそのまんまにしとくのが……」
    末柄 晴:「ふむ、ではこうしますか。第九支部側は、お父さんとお嬢さんと護衛で3人」
    末柄 晴:「空から来たる方々は、空のよしみで3人、合計二部屋」
    緒環 伸:「お父さん?」
    末柄 晴:「これならバランスがよろしいのではありませんかな、お若いお父さん」
    春日 雪:「……何の仕事をしているのかよくわからない、お金持ちらしい親戚のおじさん、の方が良かったです?」
    黒瀬直:「なんかよくわからんが不審だな」
    緒環 伸:「どっちも誤解生むような言い方はよしてほしいな……!」
    末柄 晴:「おお、副支部長、それは名案。ならば〝パパ〟とお呼びするのがよいのでありましょうか」
    緒環 伸:「さらに誤解が増えた!」
    春日 雪:ふふ、と小さく笑ってから。
    春日 雪:「……大丈夫ですよ、和沙さん。わたし、まだ11歳ですから」
    春日 雪:「お気遣いだけ、ありがたく頂戴しますね?……あ、それと」
    緒環 伸:「僕はこの子の親でも親戚でもないし、仕事はちゃんと……ある程度ちゃんとやってますし」弁解するように。
    興津和沙:(ま、こんなちっちゃい子にそんな気遣いするほうが失礼か…)
    春日 雪:「もちろん、そちらのお部屋にも遊びに伺います。……ええ、綺麗なお姉さまが3人、となれば」
    春日 雪:「これはもう、伺わない方が失礼です」
    緒環 伸:「雪ちゃん」
    興津和沙:「いや、別に失礼じゃないよ?」
    黒瀬直:「いつでも来なさい」膝を曲げて視線を合わせながら言う。
    緒環 伸:「雪ちゃんあのな、言っとくけど……ほどほどにね?」
    興津和沙:(あ、そういうことか)
    興津和沙:任務上のことで一旦合流するつもりなんだ、と解釈する
    薬師院 小夜子:「なんだかちょっと怖い予感がしますがねぇ……と、さて」
    薬師院 小夜子:「では第九支部のみなさんに、黒瀬さん、和沙ちゃん。一息ついたら調査に入ろうかとは思いますが、」
    薬師院 小夜子:「ちょうどあっちに広い部屋があるようで。あちらを集合場所にしましょう」
    春日 雪:「ええ、ええ。温泉宿とはいえ、お仕事。わたし、これでも支部長ですから」
    春日 雪:「お仕事は、ちゃんとしますとも。……では」
    春日 雪:はい、と。薬師院さんの提案に頷いて。
    薬師院 小夜子:提案と共に、指差した先にあるのは
    GM:端的に示すとそこにあるのは、いわゆる休憩スペース。卓球台やら何やら置いてある憩いの空間であった。
    春日 雪:「はい。改めて。みなさん。……よろしく、お願いしますね?」
    興津和沙:「うん、よろしくね」
    GM: 
    GM:では、情報収集パートに入りますがその前に
    GM:全員、意志判定をお願いします。
    GM:目標値は7だ。
    興津和沙:げー!?
    春日 雪:意志。
    興津和沙:1dx+1
    DoubleCross : (1R10+1[10]) → 5[5]+1 → 6

    緒環 伸:2dx+2 思い出の一品使用
    DoubleCross : (2R10+2[10]) → 6[1,6]+2 → 8

    興津和沙:失敗!!
    緒環 伸:一品のおかげ!
    黒瀬直:《砂の加護》を使用。侵食+3してダイス+6
    春日 雪:2dx+1>=7
    DoubleCross : (2R10+1[10]>=7) → 7[6,7]+1 → 8 → 成功

    黒瀬直:黒瀬直の侵蝕率を+3した
    春日 雪:成功してしまった!
    黒瀬直:7dx+1>=7
    DoubleCross : (7R10+1[10]>=7) → 9[5,6,6,7,7,9,9]+1 → 10 → 成功

    黒瀬直:成功!
    GM:ふむ
    GM:ではまず、状況から。
    GM:あなた達は一度部屋に荷物を置いて、調査に適した格好になったり道具を用意したりして、指定された休憩スペースに集まった。
    GM:この空間を軽く描写しますと。
    GM:まるで20年以上も前の怨念が如き格ゲーの筐体やら脱衣麻雀やらエアホッケーやら
    GM:卓球台もあればマッサージチェア、畳の休憩スペースには漫画がたっぷりと。
    GM:そのいずれもが奇妙な吸引力を以て、あなた達に〝謎を解かせまい〟としているのです。
    GM:具体的に言うと。意志判定に失敗したあなた。
    興津和沙:はい……
    GM:空間が持つ謎の力に奪われ、休憩スペースを満喫してしまいます。
    興津和沙:満喫します…
    GM:情報収集を一回パス。その代わり次の判定の達成値が何でも+3になります。
    興津和沙:リラックス効果がw
    GM:そして情報収集ですが、数がちょっと多いです
    春日 雪:効果がある!?
    緒環 伸:ほほう
    黒瀬直:メリットもあるのか
    GM:これはミドル3くらいまでを使ってのんびり達成する予定なので焦らないでください
    黒瀬直:ゆったりさせる気だ
    緒環 伸:ゆるゆる
    GM:メリットが無いと……ダイス目が腐った時に大惨事になるから……
    GM:では、情報ですが
    【山中の日本邸宅の噂】 目標値8《情報:噂話》
    【邸宅の所有者】 目標値8《情報:UGN》or《情報:噂話》
    【建物内のレネゲイド反応】 目標値9《知識:レネゲイド》
    ※【ゲームコーナー】 目標値11《知識:ゲーム》or《情報:噂話》 ※(PCの年齢/10)点端数切り捨ての達成値ボーナス有り

    GM:※印のものは、〝クリアできなくてもシナリオ攻略には影響が無いよ〟情報です。
    GM:開きたければ開こう! みたいな。
    黒瀬直:なるほどなるほど
    GM:なおNPCの薬師院とか末柄くんは自動的に意志判定に失敗し続けるのでよろしく
    GM:と、いうわけで!
    春日 雪:あ、知識で判定する場合は財産点は使えますか!
    GM:使えることとします!
    春日 雪:わーい!
    黒瀬直:私は【邸宅の所有者】開けようかな~
    緒環 伸:そしたら得意分野だと【山中の日本邸宅の噂】か……【ゲームコーナー】……
    春日 雪:では、レネゲイド反応を頂きましょう。財産点はある。
    黒瀬直:遊んできてもいいのよ
    興津和沙:じゃあ興津は打ち切りジャンプ漫画読んでます。
    春日 雪:いいのよ…。満喫して…。
    春日 雪:打ち切り。
    緒環 伸:ならば【山中の日本邸宅の噂】にいきます! ゲームは後でたっぷり遊ぶ!
    GM:たぶん薬師院が横で70年代80年代少女漫画読んでる
    GM:OK,全員挑戦どうぞ!
    黒瀬直:引きずってる
    黒瀬直:【邸宅の所有者】に情報:UGNとコネ:UGN幹部で挑戦します。
    春日 雪:では、知識:レネゲイドで!まず素振り!
    春日 雪:2dx>=9
    DoubleCross : (2R10[10]>=9) → 9[3,9] → 9 → 成功

    黒瀬直:4dx+1>=8
    DoubleCross : (4R10+1[10]>=8) → 8[2,4,7,8]+1 → 9 → 成功

    春日 雪:素で成功してしまった。
    緒環 伸:【山中の日本邸宅の噂】《情報:噂話》でコネ:噂好きの友人(ストーン)使用します。
    緒環 伸:5dx+3=>8
    DoubleCross : (5R10+3[10]>=8) → 10[2,2,5,6,10]+6[6]+3 → 19 → 成功

    緒環 伸:まわる
    黒瀬直:みんなは成功してるけど、姫はちゃんと目当ての打ち切り漫画を見つけられたかな?
    GM:全員成功か
    GM:ふむ
    興津和沙:では知覚で
    GM:では姫も知覚で
    GM:先に言われた!
    興津和沙:2dx+1
    DoubleCross : (2R10+1[10]) → 8[3,8]+1 → 9

    緒環 伸:いい出目
    黒瀬直:さすがオタサーの将
    興津和沙:90年代の打ち切りマンガなら見つかるのでは…!
    春日 雪:目利きが凄い。
    興津和沙:流石にトイレット博士とかは見つけられなそう。
    GM:では情報を
    【山中の日本邸宅の噂】
    ネットを漁っても特に情報は出ないが、地元の若者だと案外に知ってる。それくらいの熱量の噂である。
    雨風吹き込むボロボロの館で、最近は夜になると骸骨が歩き回るだとか、カリカリと何かをひっかく音がするだとか。
    ……が、気になる噂はもう一つ。なんでもこの施設、旧日本軍が関与した研究所の跡地だとか……?
    ぶっちゃけこっちの噂は、かなり信憑性が薄い。

    【邸宅の所有者】
    N市山中に存在する日本邸宅。色々探ると、どうやら50年程も前から有る建物のようだ。
    土地や建物の権利者は『城樹 のぞ美(しろき のぞみ)』という女性。
    1909年の生まれということであるが、死亡届は出ていない。
    どこかで生きているのかもしれない。

    【建物内のレネゲイド反応】
    四方八方、レネゲイドの反応だらけである。なにもかも全てだ。
    壁や床、歩き回っている真っ黒な仲居さん。隠す様子もなく、レネゲイドの産物──特殊なレネゲイドビーイングだろう。
    ただ、一人ばかり例外がいる。真っ黒じゃない彼女である。

    GM:という具合である。
    GM:【山中の日本邸宅の噂】の成功により、【噂は噂でした】 目標値7 任意の《情報:》 挑戦権が解放されました。
    春日 雪:では、そんな感じの話を休憩スペースでする、という流れで。
    GM:ですね
    春日 雪:酷い項目が!>
    黒瀬直:ひどい
    GM:では共有ロールを行っていただきつつ
    GM:共有後に遊びたくなったら卓球したりエアホッケーしたり漫画を読んでも良い!
    興津和沙:はーい
    春日 雪:はい!
    黒瀬直:わーい
    緒環 伸:やったね
    春日 雪:「……まず、分かり切ったことではありますけれど」
    春日 雪:休憩スペースの長いすに腰かけて、ちらりちらりと周囲の様子を窺いつつも。
    春日 雪:「ここは、レネゲイドの何らかの作用により存在します。建物や、その中で働くスタッフ、そのどれもが……」
    春日 雪:「……ええ、レネゲイドビーイング、と呼んで差し支えないかと。確固たる自我があるかどうかは不明ですが」
    モブ幽霊:「……?」通りすがりの真っ黒が、首を傾げて通り過ぎていった。
    興津和沙:視界の端にマッサージチェアに座りながら表紙にロボットのカエルの絵が書かれたマンガを読んでる金髪の少女が映る
    春日 雪:にこり、と真っ黒い影に会釈を返してから。
    黒瀬直:「まあ、隠す努力も見えぬしな……」
    春日 雪:そして、視界の端に映る、全力で満喫する少女に、一瞬だけ羨ましそうな視線を向けてから。
    春日 雪:「……こほん」
    春日 雪:小さく咳払い。
    春日 雪:「その中でも例外なのが、ここでわたしたちを出迎えてくれたあの子。……できれば、あの子から話を聞きたいところです」
    緒環 伸:その様子にちょっとだけ笑いながら話を聞いている。
    緒環 伸:「明らかにあの子だけ様子が違うもんな」
    黒瀬直:「かなえくん、であったな」
    黒瀬直:「見た目にも気を使っているし、喋るからな。城樹のお宿と言っていたか」
    春日 雪:「はい。……ですが、できるなら、自然に。宿の名前の由来などを訪ねることから入るのも、いいかもしれません」
    興津和沙:「カ、カエちゃん……!!!」
    興津和沙:少し涙ぐみながら漫画を読んでいる
    薬師院 小夜子:「フロル……美人だよな……」
    薬師院 小夜子:立ったまま古いコミックスに見入っている。というか、魅入られているといおうか。
    春日 雪:「…………」
    春日 雪:気になる。とても、気になる。
    黒瀬直:「……ふむ」
    黒瀬直:「手短に済ませようか?」
    春日 雪:黒瀬さんからかけられたことばに、はっとして居住まいを正して。
    春日 雪:「いえ、いえいえ。大事なお話ですから、きちんと聞きますとも」
    黒瀬直:「そうか。では続けよう」僅かに言葉が跳ねるような調子。
    黒瀬直:「城樹というのはこの邸宅、土地……本来あるべき廃墟の権利者の名前と一致する」
    緒環 伸:「ああ、じゃああの子がその……?」
    黒瀬直:「いや、本名は城樹のぞ美。ついでに今生きていれば90…か91歳というところだ」
    春日 雪:「何かしら縁のある方、というのはあり得ますが……元の建物が、あのような廃屋ということは……」
    緒環 伸:「まあ、年齢と外見が合わないってことはあり得るけど……普通に考えりゃ違うっぽいね」
    黒瀬直:「死亡届は出ていないが、今は所在も不明だな」
    黒瀬直:「なにしろこの建物も50年以上前に建てられたものだしなあ……」
    興津和沙:「大丈夫…大丈夫だよ、カエちゃんはハイドになんてならないよ…!フィルとサツキたちと一緒にいれば、きっと…!」
    末柄 晴:「ええい、一々脱ぐな! 古くさい絵柄の脱衣に用はないであります!」なぜか脱衣麻雀の女の子に文句を言っている。
    緒環 伸:「ピッカピカの新築に見えるけどね。僕より年上?」
    黒瀬直:「そういうことになる。どのような建物であるかは私も知らなんだが……緒環さんは知っているかな?」
    緒環 伸:「ああ。ここ、地元じゃそれなりに妙な話が流れてたみたいでね」
    春日 雪:「……妙な、ですか?」
    春日 雪:ちらり、ちらり。周囲に視線を向ける頻度が、少しずつ増えている。
    緒環 伸:「夜になると骸骨が歩き回る~とか、何か引っ掻く音が~とか」両手を前に垂らして、大仰に。
    緒環 伸:「ようするに、心霊系の廃墟扱いだったみたいだ」
    黒瀬直:「まあよくある話だね」
    緒環 伸:「ただ、まあ、眉唾っぽいんだけど、ここはね……」
    緒環 伸:「旧日本軍が関わってた研究所だ、とかいう話もあった」
    黒瀬直:「……ほう」
    春日 雪:「……それも、よくある話……ですか?」
    黒瀬直:「数か月前、この山中で一か所訪れたな」
    緒環 伸:「意外とあるんだ……」
    黒瀬直:「よくはないが、ありえない話でもないということだ」
    緒環 伸:「まあ、考慮には入れとけば?というくらいかな」
    黒瀬直:「うむ。可能性の一つということだね」
    黒瀬直:「とまあ、今はこんなところかな」
    春日 雪:「はい。可能性を忘れない、というのは大事ですから。……あの、ところで」
    緒環 伸:「何かな、雪ちゃん」
    春日 雪:「和沙さんたちは、その……大丈夫、なんでしょうか……」
    春日 雪:若干、羨ましさが混じった声。
    興津和沙:「あ、ああ…カエちゃん……」
    黒瀬直:「ふむ」視線を辺りにやる。
    緒環 伸:「ああ、なんか集中してるよな……」
    興津和沙:さっきまで読んでいた漫画を閉じ、その余韻に浸っている
    春日 雪:「90年代のコミックやここに並んでいるゲームには、そんなにも魅力が……!?」
    緒環 伸:じゃあ、興津さんの方に行って、目の前で手を振る。
    興津和沙:反応しない、まだ余韻に浸っている
    緒環 伸:「おーい、お楽しみだったみたいだけど、平気?」
    興津和沙:声をかけられて、ようやく緒環さんに気づきます
    興津和沙:「え?あ」
    興津和沙:「あれ……?」
    興津和沙:「私、ずっと漫画読んでた?」
    緒環 伸:「うん、わりとずっとのめり込んでたね」
    薬師院 小夜子:「……………………ぉう?」近くで本を読んでいた姫が正気に戻って、連鎖的に顔を上げる。
    黒瀬直:「強いて言うなら感想も垂れ流してたな」
    緒環 伸:「雪ちゃんがだいぶ羨ましがってたから、話でもしてあげてよ」
    春日 雪:「はい、わたしたちがここに来た時から、ずっと。時には泣きそうになりながら」
    興津和沙:「え、ごめんなさい…!いや、でもこれホント面白くて!」
    黒瀬直:「そんなにかね」
    興津和沙:「ロボットが人間に反乱を起こした未来で人間と共にあろうとするカエルのロボットの話なんですけど」
    春日 雪:「カエルの」
    興津和沙:そこまで言って、自分の頬を叩く
    興津和沙:「あぶねえ!また夢中になるとこだった!!」
    黒瀬直:「相当嵌っているな」
    黒瀬直:「そんなにか……」
    春日 雪:「……ふふ」
    興津和沙:「いや、これ実際やばいです・魔力が…!」
    春日 雪:気合いを入れ直す興津さんを見て、頬を緩ませる。
    興津和沙:「いや、漫画だけじゃなくて、漫画も面白いんだけどそれだけじゃなくて、旅館全体の魔力っていうか…!」
    緒環 伸:「魔力……ねえ」周囲を見る。
    興津和沙:「言い訳に聞こえるかもしれないけど、マジで全力で休みたくなるんですよっ」
    黒瀬直:「……ふむ」
    緒環 伸:(『ここは、レネゲイドの何らかの作用により存在します。建物や、その中で働くスタッフ、そのどれもが……』)
    緒環 伸:雪ちゃんの言葉を思い出しながら。
    薬師院 小夜子:「……同じく」ぱたん、と少女漫画を閉じて本棚に戻しながら
    興津和沙:「いや、しかしこれホント面白いな…電子書籍で出てるじゃん、買っちゃお」
    春日 雪:「……ええ。ひょっとしたら、それがこの建物の目的なのかもしれません。……ああ、いえ、温泉だから当然なのでしょうけど」
    薬師院 小夜子:「いや、え……そっか、調査……」
    薬師院 小夜子:「調査……なんだよな……完っ全に頭から消し飛んでた……」
    黒瀬直:「とはいえ、時間も時間で日頃も日頃だ」
    緒環 伸:「つまり、全力で調べるな、休めって言ってるわけか」
    春日 雪:「そして、魔力というなら、それに屈するのも悪いことばかりではないかもしれません。だって、ほら」
    春日 雪:「皆さん、とても楽しそうでしたから」
    緒環 伸:「まあなー。なんかさっきからあっちのゲームが気になってんだよなー」
    興津和沙:「あああ、ごめんね!雪ちゃん、じゃない春日さんにばっかり働かせて…!」
    黒瀬直:「息抜きも大切なことだ……なので交代の時間だね」
    末柄 晴:「天和……また天和……これはゲームとして成り立っていない……!」
    緒環 伸:「あの格ゲー確か、僕が大学の頃やってたやつだぜ……」ぼそりと。
    春日 雪:「いいですよ、雪ちゃん、で。……そして、これがわたしのお仕事ですから。気にしないでください、ええ」
    春日 雪:とは言いつつも。視線は、部屋のあちこちへ。中でも。
    黒瀬直:「君が大学生の頃って言われても、いまいちピンと来ないな……」ぼそぼそ
    興津和沙:「大学にしては古くないですかこれ?」
    GM:では、そこへ
    GM:パタパタと小さな足音がして、先ほどの話題にも出た少女が
    春日 雪:「……あら?」
    春日 雪:エアホッケーの筐体に向いていた視線が、足音の方へ。
    かなえ:「お客様ー! すいませーん!」かなえが、廊下をずさーっと横スライドして現れます。
    黒瀬直:「おや、どうしたのかねかなえくん」
    かなえ:「すいませーん、さっき30分くらいで終わるって言ってたお風呂のお掃除なんですが、洗剤を切らしてまして……」
    かなえ:「買い出しに行って戻ってくるのに、もうちょっと時間がかかります!」
    かなえ:「ので!」
    黒瀬直:「買い出し」
    興津和沙:「車とか、大丈夫なの?」
    かなえ:「すいませんがご入浴までもう少し時間を潰しててくださーい!」再び、しゅばっと。
    黒瀬直:「機敏だ」
    春日 雪:「あっ……」
    かなえ:「車なんて悠長なことはしてられませえええぇぇぇぇぇん」ドップラー効果。
    緒環 伸:「パワフルー」
    春日 雪:何かを訪ねる前に走り去っていった声に、困惑気味の表情になりつつも。
    黒瀬直:「結構動けるようだな……しかし」
    緒環 伸:「……時間潰しててだってさ」雪ちゃんに。
    春日 雪:「…………ええ、ええ。そういうことなら仕方ないです」
    春日 雪:「……仕方ないです、よね?」
    緒環 伸:「幸い、ここには暇つぶしにはもってこいのものだらけだ」
    興津和沙:「仕方ないと思うな」
    緒環 伸:「いっちゃえいっちゃえ。僕もなんか昔を懐かしんでるよ」
    興津和沙:「今度はだらけてた組で頑張るから、春日さんたちは遊んでてよ」
    GM:コインの投入口は無い。代わりに機動スイッチがひとつ。
    GM:かちっと押せば、あの安っぽいゲームセンター特有の音が鳴り始めるだろう。
    春日 雪:「……じゃあ、じゃあ、ええと」
    黒瀬直:「うむ。ゆったり思うままに楽しんできなさい」
    春日 雪:いざ、いいよと言われると迷う。けれどやはり、目が行くのは。
    興津和沙:「黒瀬さんも」
    黒瀬直:「えっ」
    興津和沙:「私のこと働き詰めって心配してくれてたけど」
    薬師院 小夜子:「うんうん、黒瀬さんも」
    興津和沙:「それは私だけじゃないでしょ?」
    薬師院 小夜子:「春日副支部長がご興味お持ちなの、たぶんアレですしねぇ」と、エアホッケーの筐体の方へ流し目
    黒瀬直:「む……」
    緒環 伸:「ああ、そうだよ。どうせならうちの副支部長をかまってあげてくれるかな」
    春日 雪:「……あの、直さん」
    黒瀬直:(雪くんに休むのも仕事だよとか言おうとしていたし、反論しては雪くんが)
    春日 雪:黒瀬さんの服の袖口を、きゅっとつまむように。
    黒瀬直:「………」
    黒瀬直:「何かね」
    春日 雪:「少しでいいので……お付き合いを、あ、いえ」
    春日 雪:こういう時に口にするべきは、こうではなく。
    春日 雪:「……一緒に、遊びませんか?」
    黒瀬直:視線を受けて、言葉を受けて、ちらりと筐体垣間見て。
    黒瀬直:「……ハンデを3つほど用意されるか、滅法手加減を加えるか」
    黒瀬直:「選んでくれたまえ。私で良ければ付き合おう」
    興津和沙:「ハンデ用意してもらったほうがいいと思うよ?」
    興津和沙:「この人加減しねえっていったらマジで加減しねえから」
    黒瀬直:「目隠しとか、片腕縛るとかどうだ」
    春日 雪:「……じゃあ、ハンデでおねがいします。そうですね、一つ目は……」
    春日 雪:少し考える仕草を見せてから、そして。
    春日 雪:「……2対1、でどうでしょう」
    春日 雪:ゲームを物色していた緒環さんに、ね?と声を飛ばす。
    緒環 伸:「んえ、僕?」
    春日 雪:「はい。思い出に浸るのも、もちろんいいですけど」
    春日 雪:「わたし、緒環さんとも一緒に遊びたいです」
    緒環 伸:「いいですけどね、あんまり自信ないよ?」先ほどの降下の様を思い出しながら。
    緒環 伸:「……雪ちゃんにそう言われちゃ逆らえないなあー」笑う。
    黒瀬直:既に筐体の前に構えている。真剣な面持ちだ。
    興津和沙:「あはは、頑張ってきてね」
    春日 雪:「……ふふ、やりました。いかに直さんが百戦錬磨のエージェントといえど、緒環さんが味方とあれば……!」
    春日 雪:エアホッケーはちょっとした偶然がものを言う。となれば、この人以上に、味方にして心強い人はいない。
    興津和沙:「じゃ、調査頑張ってくるからそれ終わったら私とも遊んでねー」
    興津和沙:手をふりふりしながら二人を送り出します
    薬師院 小夜子:「あちらが変速タッグマッチか……なら、こっちは正統派タッグマッチだ」
    薬師院 小夜子:「リフレッシュ完了組、一仕事行こうかい和沙ちゃん」
    緒環 伸:「うっわ、これももう十年以上ぶりだわ。あるとこにはあるもんなんだなあー」筐体を眺めながら。
    春日 雪:「ええ、やりますよ。負けた方が、お風呂上りの飲み物をご馳走する。それでいきましょう……!」
    興津和沙:「そうしましょっか。末柄さんも、そろそろ脱衣の世界から戻ってきてー」
    緒環 伸:「あれ、そんな約束しちゃってまあ……」
    黒瀬直:「全力で行く。いつでもハンデを科したまえ」
    黒瀬直:「その上で、勝つ」
    緒環 伸:(……僕、最近は勝たなきゃなんない賭け以外は力は使わないことにしてんだけど……)
    緒環 伸:(まあ、いっかー)
    黒瀬直:鋭い眼光、瞬いて────
    春日 雪:………
    春日 雪:……
    春日 雪:…
    春日 雪:ハンデ、二つ目。目隠しを通り越して、後ろ向き。
    春日 雪:……この人は、ひょっとして背中にも目があるのだろうか。
    春日 雪:………
    春日 雪:……
    春日 雪:…
    春日 雪:ハンデ、三つ目。逆立ち。
    春日 雪:絶望というのは、きっと、あんな気持ちのことだと思います。
    春日 雪:かくして、わたし(と、そして緒環さん)は、何故だか黒瀬さんばかりでなく、全員分のコーヒー牛乳を御馳走する約束をしたのでした。
    GM:──────────
    GM:ロイス&調達が可能!
    春日 雪:ロイス!黒瀬さんに「■誠意/劣等感」。
    緒環 伸:ロイス、黒瀬さんに○信頼/やばい脅威で取得します
    興津和沙:ロイス保留
    興津和沙:応急手当
    興津和沙:1dx
    DoubleCross : (1R10[10]) → 2[2] → 2

    黒瀬直:副支部長:春日雪/P尊敬:N時折寂しそう〇
    興津和沙:ゴミ
    春日 雪:興津さんに「■好意/嫉妬」。ロイスは以上!続いて調達!
    春日 雪:IC掲載、ローラーブーツを購入。
    春日 雪:6dx+4>=11
    DoubleCross : (6R10+4[10]>=11) → 10[2,5,7,8,9,10]+6[6]+4 → 20 → 成功

    緒環 伸:UGNボディアーマーいきます。
    黒瀬直:2dx+1>=10 ホローポイント弾を購入
    DoubleCross : (2R10+1[10]>=10) → 2[2,2]+1 → 3 → 失敗

    春日 雪:成功。装備して、行動値が3になります。以後、セットアップで使用することで、戦闘移動の距離を+5mします。
    黒瀬直:失敗して以上!
    緒環 伸:4dx+3=>12
    DoubleCross : (4R10+3[10]>=12) → 8[2,7,7,8]+3 → 11 → 失敗

    緒環 伸:あ、財産点1使用して購入します。残り13!
    緒環 伸:装備! 以上!
    興津和沙:以上!
    GM:OK!
    春日 雪:以上です!

    ミドル2:待望の温泉シーンですがハンドアウトは読みましたね?


    GM:ではこのシーンの判定だけ終わらせよう
    GM:全員登場! 登場侵蝕!
    黒瀬直:黒瀬直の侵蝕率を+1(1d10->1)した(侵蝕率:40->41)
    緒環 伸:緒環 伸の侵蝕率を+4(1d10->4)した(侵蝕率:54->58)
    春日 雪:1d10+59
    DoubleCross : (1D10+59) → 3[3]+59 → 62

    興津和沙:1d10+51
    DoubleCross : (1D10+51) → 6[6]+51 → 57

    黒瀬直:すごく落ち着いてる。休んだからかな
    春日 雪:やっと落ち着いた。
    黒瀬直:逆立ちエアホッケーで落ち着くな
    GM:ではこのシーンですが、調査の途中で温泉に入れるようになるので
    春日 雪:良いものを見たので…。
    GM:温泉に入りつつそっちも調査したりなんだったりでぐだぐだと過ごしながら調べ物をする、ゆるいシーンです
    GM:そしてこのシーンでもやっぱり娯楽の誘惑
    GM:姫以外の3人に意志判定をしてもらいましょう。目標値は同じく7で。
    興津和沙:よ、よかった…!!無限ループはなかった…!!!
    春日 雪:うおお…!
    春日 雪:あ、使っちゃおう。ユニークコードを使用します。
    春日 雪:このシーン中!みんなの判定のダイス+2個だ!
    緒環 伸:ふとっぱら!
    黒瀬直:副支部長の支援を貰ったんだ!歴戦のエージェント黒瀬直が誘惑に負けるはずもないので砂の加護は使わない!
    春日 雪:意志にも情報にも購入にも効くぞ!
    緒環 伸:やべえー
    黒瀬直:すごすぎる
    興津和沙:やったー
    春日 雪:というわけで。
    GM:これがシナリオ3回とか
    緒環 伸:4dx+2=>7 思い出の一品使用
    DoubleCross : (4R10+2[10]>=7) → 8[1,8,8,8]+2 → 10 → 成功

    緒環 伸:よっしゃ
    黒瀬直:3dx+1>=7 意志の強さ!
    DoubleCross : (3R10+1[10]>=7) → 9[8,8,9]+1 → 10 → 成功

    黒瀬直:あっ成功
    春日 雪:5dx+1>=7
    DoubleCross : (5R10+1[10]>=7) → 10[3,6,8,8,10]+1[1]+1 → 12 → 成功

    春日 雪:意志のクセが強い。
    黒瀬直:ダイス目みんなすごく良いな?
    GM:では、今回は誰も誘惑にひっかからなかった!
    黒瀬直:全然負けない
    GM:続いて情報項目ですが、こちらです
    興津和沙:すごいぜ
    【噂は噂でした】 目標値7 任意の《情報:》
    【とあるセルの失敗談】 目標値9《情報:UGN》or《情報:FH》
    ※【ゲームコーナー】 目標値11《知識:ゲーム》or《情報:噂話》 ※(PCの年齢/10)点端数切り捨ての達成値ボーナス有り
    ※【〝かなえ〟】 目標値9《知識:レネゲイド》or《知覚》

    GM:※マークはやはり、クリアしなくてもシナリオは攻略できる情報となります
    春日 雪:失敗談。
    GM:これの判定と情報開示までやって本日はエンドだ
    緒環 伸:……【ゲームコーナー】いってもいいかな……
    黒瀬直:良いよ~
    春日 雪:いっちゃえ…!
    黒瀬直:浸ってきていいよ~
    GM:そして姫だけ休憩ボーナスで達成値+3
    緒環 伸:というかメインふたつが終わってから様子見てですね!
    春日 雪:では、まず失敗談をこちらでやりましょう。
    興津和沙:いけー
    春日 雪:コネ:UGN幹部を使用。
    黒瀬直:じゃあ姫に噂は噂頼めるかな
    黒瀬直:かなえちゃん調べたい
    春日 雪:11dx+2>=9
    DoubleCross : (11R10+2[10]>=9) → 9[1,1,3,3,4,5,6,7,8,8,9]+2 → 11 → 成功

    興津和沙:はーい
    緒環 伸:おおー
    春日 雪:成功!
    興津和沙:じゃあ、コネUGN幹部を使って噂は噂でしたを
    興津和沙:3dx+7=>7
    DoubleCross : (3R10+7[10]>=7) → 10[1,3,10]+1[1]+7 → 18 → 成功

    緒環 伸:すごい
    興津和沙:よっし
    黒瀬直:噂めっちゃ集まる
    黒瀬直:さすが姫
    興津和沙:リラックス効果
    緒環 伸:じゃあ【ゲームコーナー】を《情報:噂話》で、コネ:噂好きの友人(ストーン)使用で調べます!
    緒環 伸:で、達成値ボーナスが42/10で4かな?
    春日 雪:四十路つよい。
    緒環 伸:5dx+3+4=>11
    DoubleCross : (5R10+3+4[10]>=11) → 10[3,8,10,10,10]+8[2,6,8]+7 → 25 → 成功

    緒環 伸:まわりすぎだよきみ
    GM:出目よ
    黒瀬直:経験が違う
    黒瀬直:知識:レネゲイドで【〝かなえ〟】を調べます。
    春日 雪:つよすぎない?
    黒瀬直:3dx+2>=9
    DoubleCross : (3R10+2[10]>=9) → 7[5,6,7]+2 → 9 → 成功

    緒環 伸:おお!
    黒瀬直:良し
    春日 雪:ヒューッ!
    GM:全員成功……つええな
    興津和沙:いえいいえい
    GM:決して余裕とまではいかない目標値にした筈なのに
    黒瀬直:我々は優秀なので
    春日 雪:爆破とまでいかず、着実にクリアする。これが我々です。
    緒環 伸:やったぜ
    【噂は噂でした】
    これは裏が取れた情報だが、〝この施設が旧日本軍の研究所跡〟というのは根も葉もない噂話だ。
    とはいえ噂自体は息が長い。それこそ何十年単位で流れている噂話である。
    誰かが思いついた話がウケてしまって長続きした。その程度の信憑性だろう。
    問題は、話のディティールが細かい事だ。本当に信じる奴が出るかもしれない。

    【とあるセルの失敗談】
    かつてFHのセルが、此処へ戦力を送り込んだらしい。
    ※【噂は噂でした】開示済みによる追加情報

    何故か。此処は旧日本軍研究所跡地だと真面目に信じ込んだ為だ。
    無論、軍関連の一切は発見されなかった。が、土地になんやかやして色々と実験はしてみたようだ。

    また、〝意志を持たないレネゲイドビーイングの量産〟に成功したセルがある、という話は、UGN等のデータベースに残っている。
    〝ラッツ・アート〟セルという、レネゲイドビーイングの作成・兵器転用を研究していた集団である。
    ラッツ・アートセルは一年ほど前までN市で活動していたが、ある時期を境に足取りが掴めなくなった。
    国外へ逃亡したか、何処かで死んだものと思われている。

    ふたつの情報を併せて考えるに。
    おそらくこの温泉宿は、〝ラッツ・アート〟セルが産み出した意志無きレネゲイドビーイング達によって運営されている。
    彼らの実験は失敗だったのだ。

    【ゲームコーナー】
    設置されているゲームの種類だが、ずいぶんと多種多様である。
    年代もまちまち。20年も前には街で見かけなくなったようなものさえある。
    ……例外無く、軽度のレネゲイド反応がある。モルフェウス能力により作られた精巧な贋作だろう。
    なお、コインを入れなくても動きます。やったね。

    【〝かなえ〟】
    この宿で一人だけ言語を扱うことが出来る、まともな姿をした少女。
    どうにも普通の人間ではなさそうだ。というより、ほぼ確実にレネゲイドビーイングだろう。
    その行動基準は〝来客のおもてなし〟に終始しており、代価を要求することはない。
    仮に〝今週のチャンピオン買ってきて〟とか言ったら、本当に用意してくれる筈だ。

    ※情報開示ボーナス:全員に応急手当キットをひとつずつプレゼント!

    興津和沙:わーい!
    黒瀬直:やったね!
    春日 雪:やったー!そして不穏!
    GM:という具合だ。〝かなえ〟のボーナスはそれぞれアイテム欄に入力しておいてね!
    GM:と、いう訳で
    GM:あなた達は今のところで得られる情報はだいたい調べ終わってしまった。
    GM:なので情報を共有しよう。たぶんそうしてる間にお風呂の掃除も終わるでしょう。
    GM:流れとしては、姫から切り出して貰うのが良いかな
    興津和沙:はーい
    興津和沙:じゃあまた休憩スペースってことでいいですかね?
    緒環 伸:よさそう
    春日 雪:イエスイエス。
    GM:ですね、それが良いでしょう
    春日 雪:お願いします先生!
    興津和沙:「えっと」
    興津和沙:「どうしたの雪ちゃん」
    春日 雪:「はい?」
    興津和沙:「なんか、大阪夏の陣で真田幸村に追い詰められた徳川家康みたいな顔してるけど」
    春日 雪:いつの間に用意したのか、お風呂セットを小脇に抱えてニッコニコ。
    興津和沙:してなかった
    春日 雪:「…………ふふふ。人って、どうしようもない出来事に遭遇すると、最後は笑うことしかできなくなるんですね」
    春日 雪:実際、さっきまでそんな顔をしていたのだ。きっと。
    黒瀬直:「何かあったのかね」
    緒環 伸:「もう僕エアーホッケーはしばらくいいからね?」こっちはげんなりしている。
    興津和沙:「鳴海兄ちゃんと同じようなこと言ってるのになんか意味合いがぜんぜん違う感じになってる」
    興津和沙:なにか悟ったような顔をして
    興津和沙:「あー、大体わかった。お疲れ様」
    興津和沙:「お風呂でゆっくり傷を癒そうね」
    緒環 伸:「それよりもうちょい建設的な話とかしようよ。なんかわかったこととかさ」
    春日 雪:「……そういうところだと思います。直さんの、凄くて、そしてどうしようもないところ。……ええ、ええ、ともあれですね」
    興津和沙:「じゃ、私からいい?」
    春日 雪:はい、と頷く。
    緒環 伸:「どーぞ」
    黒瀬直:「旧軍の噂についてだったか」
    興津和沙:「それなんだけどさー」
    興津和沙:「マジでただの噂っぽい」
    興津和沙:「信ぴょう性ゼロ」
    緒環 伸:「ありゃ、やっぱり眉唾かあ」
    薬師院 小夜子:「マジもんの噂かー」
    春日 雪:「……珍しいですね、こういう流れは。普段、わたしたちがどれほど疑心暗鬼に陥っているか、という話でもありますけど……」
    興津和沙:「表に残ってる記録だとココらへんになんか施設があったって話はないし」
    興津和沙:「そもそも当時ここらになんらかの施設があって話自体も見当たらないんだよね。じゃねえ。見あたらないんですの」
    緒環 伸:「なんで言い直したの?」
    黒瀬直:「そういえば時々言い直すな」
    興津和沙:「お姫様っぽい言い方……したくて……」
    興津和沙:「じゃねえ!それはどうでもいいの!」
    春日 雪:「……和沙さん」
    興津和沙:「ただ気になるのがさ」
    春日 雪:なんとも言えない、それでいて穏やかな視線。
    緒環 伸:軽くウケて肩を震わせている。
    興津和沙:「笑うな!」
    興津和沙:「じゃねえ、笑わないでください!」
    緒環 伸:「いやいやいや、かわいいなって思って。ごめんごめん。続きどうぞ」
    黒瀬直:「私はどちらも愛らしいと思うぞ」真顔
    興津和沙:「ええと、結構いろんな噂があるんだけど」
    薬師院 小夜子:(こいつら……容赦がねぇ……)
    春日 雪:「そうですよ、緒環さん。こんなに可愛らしい女の子に、失礼です」
    春日 雪:と言いつつ、微かに頬を綻ばせている。
    興津和沙:「春日さんは見る目あるね。そのまま大きくなってね」
    興津和沙:「その噂がさ、細かいとこで結構似通ってるんだよね」
    興津和沙:「変にディティールがしっかりしてるとこがあるっつーかさ」
    薬師院 小夜子:「ああ、たまにあるな……色んな人間の口を経由した結果」
    薬師院 小夜子:「弱いところが補間されちまって、パッと聞くにはマジっぽい噂話ってやつ」
    黒瀬直:「膾炙した結果淘汰されたか」
    興津和沙:「そう、それで信憑性が増して、信じる人が増えたのかもしれないし」
    興津和沙:「それとも、旧日本軍の施設はなかったにしろ、なんか別の元ネタがあるのかもしれない。」
    春日 雪:「そうですね。例えば……」
    春日 雪:「FHのとあるセルが、ここで盛大にやらかした、とか」
    興津和沙:「お、なんか確信がありそうな言い方だねえ、じゃねえ、ですわね」
    緒環 伸:「やらかしちゃったかー」
    薬師院 小夜子:「噂の古さ的には、FHが出てくるより前って感じだが……何か分かったんです?」
    春日 雪:「ええ。ラッツ・アートという……簡単に言ってしまえば、レネゲイドビーイングの量産、そしておそらくは戦力化を目論んだセルが」
    黒瀬直:「レネゲイドビーイングを扱うということは、歴史の浅い団体だな」
    春日 雪:「はい。以前は市内で活動していたようです。ここ1年ほどは姿が見えませんが、問題は、そのセルがここでやったこと、です」
    春日 雪:「信じちゃったんですね、その人たち。さっき、和沙さんが単なる噂だって言ったことを」
    興津和沙:緊張した面持ちで雪ちゃんの言葉を聞いている
    黒瀬直:「我々も事実を前提に動いていたしなあ。おかしくはあるまい」
    春日 雪:「もちろん、噂は単なる噂。旧日本軍の何かがあったわけではありません。ですが」
    春日 雪:「最終的に残されたのは。ラッツ・アートが残した、意志の薄い……あるいは、意志のないレネゲイドビーイングたち」
    興津和沙:「それがあの、黒いおばけさんたちってこと?」
    春日 雪:相変わらず、こちらの様子を窺いつつも、スタッフとして働き続ける影のような中居さんたちをちらりと見て。
    緒環 伸:「瓢箪から駒が出ちゃったやつか」
    春日 雪:「ええ。かくして噂はまったく別の都市伝説と化した、という次第で。……けれど、そうなると、気になるのがひとつ。……いえ、ひとり」
    黒瀬直:「かなえくんだな」
    春日 雪:神妙な面持ちで、小さく頷く。
    黒瀬直:「声を掛け回った限り、会話が通じるのは彼女のみだ」
    興津和沙:「なんなんだろうね、あの子」
    緒環 伸:「セルとは関係あるのかないのか」
    興津和沙:「いや、いい子だなあ、とは思うけど」
    黒瀬直:「レネゲイドビーイングには、噂から身を成すものも多い」
    黒瀬直:「伝説を基に神としての自我を造るとかな」
    緒環 伸:「神様ねえ……」
    黒瀬直:「その中で、彼女らが旧日本軍の噂を体現するでもなく」
    春日 雪:「…………ええ」
    春日 雪:ちらり、と緒環さんに視線を送るも、すぐに目を伏せて。再び、話を聞くことに専念する。
    黒瀬直:「こうして平和的に温泉旅館を運営しているのは喜ばしいことだ」
    黒瀬直:「なぜ温泉なのかは、まだ分からんが」
    薬師院 小夜子:「運営……って、言うんですかね、そもそもこりゃ」首をかしげる
    興津和沙:「何十年も残ってる噂よりも、更に強い気持ちがこの土地に残ってた」
    興津和沙:「ってことなんですかね。」
    黒瀬直:「或いは人、かな」
    緒環 伸:「まあ、それで済むならそれに越したことないよな」
    緒環 伸:「ここ、だいぶ行き届いてるし……」休憩コーナーを見回す。
    春日 雪:「はい。気持ち、という話であれば。……少なくとも、悪意は感じられません」
    春日 雪:「浦島太郎になってしまう、という可能性もなくはないですけれど、ね」
    興津和沙:「えーっと」
    興津和沙:「私からは言いづらいんですけど。思いっきり引っかかった私言うのはめっちゃ心苦しいんですけど」
    黒瀬直:「なにかね」
    興津和沙:「緒環さん、割と素でゲームとか楽しんでませんでした?」
    緒環 伸:「ん?」
    緒環 伸:「いや、だってここすごいんだぜ、だいぶ種類が……」
    春日 雪:「そうですね。……ええ、本当に。エアホッケーの惨敗を忘れるかのように」
    春日 雪:猫のように、小さく喉を鳴らすように笑う。
    緒環 伸:「僕がゲーセン行ってたのはざっと二十年くらい前だけど、その頃の格ゲーがあったし」
    薬師院 小夜子:「……………………」目をそらしている。漫画をがっつり読んでいた前科持ち
    緒環 伸:「その頃にはだいぶレゲー扱いだった筐体もあったし」
    緒環 伸:「そりゃ楽しむだろ」
    黒瀬直:「長きにわたる多種多様の素材が組み込まれていたか」
    興津和沙:「えー、20年前からゲーセン通いって」
    春日 雪:「……ですけど、緒環さんから見てもレトロということは。やっぱり、ここのゲームも……」
    緒環 伸:「でまあ、別に遊んでばっかだったわけじゃないよ、一応ね」
    興津和沙:「そりゃ危ないですよ。親御さんと一緒でした?」
    緒環 伸:「この筐体、正規品じゃないね。雪ちゃんも見たろ?」
    興津和沙:90年代のゲーセンは不良の溜まり場でなにかあったらすぐ喧嘩になるみたいなイメージが有る
    緒環 伸:「いや? 別に、普通に友達と」姫に素で返す。
    緒環 伸:「普通ならコイン入れなきゃ動かないところ、全部無料だもんな」
    興津和沙:「不良…!!」
    緒環 伸:「多分、モルフェウスの能力が絡んでる、と見ました」
    緒環 伸:「いや、そんなでもなかったって。うちのホームは!」
    春日 雪:「はい。そういう設定にしている、というのとも少し違う感じでしたし、緒環さんの見立てで間違いないと思います」
    緒環 伸:「プリクラとか出てきて女子が増えてたし……」
    春日 雪:興津さんの勘違い(?)に、笑みを零しながら。
    黒瀬直:「私には出来ぬ類いの調査だなあ」
    黒瀬直:「緒環さん、お疲れ様」
    緒環 伸:「まあ、女キャラ使ったら煽られたり、ハメたら台パンされたりとかいうのはあったけど……」
    末柄 晴:「ゲーセンというのは野蛮人の宴会場か何かですかな?」と、麻雀筐体のあった方面からやってくる
    緒環 伸:「うんうん、こういう遊びながら調べるのはもっと振ってくれていいんだぜー」にこにことしている。
    興津和沙:「幼稚園か小学校低学年ぐらいの子が行く環境じゃないですよ!やっぱり!」
    春日 雪:「本気で麻雀やってた人が言いますか、それを。……ええとですね、和沙さん」
    緒環 伸:「いや、言ったじゃん。大学の頃って……と、あ」
    春日 雪:末柄さんのツッコミに半眼を向けてから。
    緒環 伸:いけね、言ってなかったわと言う顔。
    興津和沙:「え?なに?」
    末柄 晴:「ついに私、人力乱数調整での完封勝利に至ったであります──とそれはさておき」
    春日 雪:「わたしは、11歳です。和沙さんは16歳、直さんは……」
    末柄 晴:「外の支部の方々は知らぬことでありますからなぁ、うむうむ」
    春日 雪:「……35歳。ええ、これもまあ、信じがたい実年齢ではありますけど」
    春日 雪:「……緒環さん?」
    春日 雪:促すように、にこりと。
    興津和沙:「うん。まあ、筋肉の付き方とかやばいよね、黒瀬さん」
    薬師院 小夜子:「十年後にこの若さを保てる自身がねぇや……」かるくへこんでいる
    黒瀬直:「そうか、ありがとう」
    緒環 伸:「はーい」
    緒環 伸:「42歳です!」
    緒環 伸:非常に軽い口調で言う。
    興津和沙:「……………」
    春日 雪:「なのです」
    春日 雪:なぜか自慢げに。
    薬師院 小夜子:「……………………」
    興津和沙:「若くない?」
    薬師院 小夜子:「……スキンケアの方法とかお聞きしていいですか」
    黒瀬直:「ちょっと難しいと思うぞ」
    興津和沙:「え?一番年上なの!?このそこらへんの大学にいそうな兄ちゃんが!?」
    緒環 伸:「え、特になんもしてないわ……」
    興津和沙:「不惑過ぎてんじゃん!!もう惑わねえ年頃じゃん!!!」
    緒環 伸:「古代種というやつ。たまにいるでしょ、なんか百歳オーバーくらいの人がさあ」
    興津和沙:「いるんだ…!そんなのも…!」
    黒瀬直:「うちのメイドにも数百年神様やってるのがいるな」
    緒環 伸:「僕はまだひよっこなんで、半端な歳なんだよね」
    興津和沙:「え?じゃあ緒環さんも神様なの?」
    緒環 伸:「神様って意外と多いんだな……」
    興津和沙:「緒環不動明王?」
    春日 雪:「それ仏様ですよ」
    薬師院 小夜子:「ちくしょう……神め……」
    緒環 伸:「いや? そのうちなれたらなーとは思うけど、今は別に人だよ」
    薬師院 小夜子:「今ほど神って連中を妬ましく思ったことはねぇ……」
    緒環 伸:「見た目以外は普通普通。惑ってるしね」
    黒瀬直:「幼い内に止まると大変だしな」
    興津和沙:「やっぱ孔子様適当だな…」
    春日 雪:「……神様だって惑いもするし、人間みたいに生きたりもする。案外、そういうものかもしれませんよ?」
    緒環 伸:「僕の知ってる神様は……まあ、ちょっと浮世離れしてたけど……いや……」
    緒環 伸:「動画サイトとかは見てるな……」
    緒環 伸:軽くぶつぶつとつぶやいている。
    興津和沙:「どんな神様だよ」
    興津和沙:「人間みたいに生きたりしすぎだろ」
    GM:では、あなた達が年齢の話題でプチ盛り上がりしているそんな時だ
    GM:たん、たん、たんたんたんたんたん……と、鼓の連打のような足音がして
    かなえ:「お客様ーっ!」ずしゃーっと横スライドで登場する、この宿唯一の色付きレネビ。
    黒瀬直:「なんだね」
    かなえ:「お待たせしました、お風呂の用意万端整いました!」
    興津和沙:「あ、お疲れ様」
    春日 雪:「……ついに、ついに来ましたか……」
    興津和沙:「でも危ないから廊下は走らないほうがいいと思うよ」
    かなえ:「お気遣いありがとうございます! えー、男性の脱衣場はあちら、女性はあちら」
    かなえ:「どちらか分類できない方は向こうの方にご用意がございます!」
    緒環 伸:「行き届いてんな……」
    春日 雪:「気遣いがすごい」
    黒瀬直:「進んでいるな」
    かなえ:「なお、城樹のお宿のお風呂は混浴でございます。適宜、湯浴み着か水着をご利用ください──では!」
    GM:しゅばっ
    GM:と、また何処かへ駆けていく色付きレネビ。せわしない。
    興津和沙:「………おい!!!」
    興津和沙:「今とんでもねえことあっさり抜かして行きやがったぞあいつ!!」
    黒瀬直:「あっ水着ってそういう用途なのか」
    薬師院 小夜子:「水着、って通達有ったもんなぁ……」
    黒瀬直:「なんでこんな寒い時期に持ち込もうとしてるのか不審に思っていた」
    緒環 伸:「あったあった。ちゃんと持参しましたよ」
    黒瀬直:「まあ私は持ってきていないのだが」
    春日 雪:「もちろん、わたしも。……いえ、まあ、混浴というのは想定外ですけれど」
    薬師院 小夜子:「……はい?」
    緒環 伸:「ダメじゃん」
    黒瀬直:「見張りに徹するつもりだったしな」
    黒瀬直:「ダメかね」
    春日 雪:「駄目ですよ。……ええ、今回の現場責任者として、仲間外れはぜったい駄目です」
    緒環 伸:「見張りって言っても、せっかく風呂があるのに入らないのはもったいなくない?」
    緒環 伸:「まあ……もしアレなら僕が外すけどさあ」
    黒瀬直:「では観念しよう。さっきも言いくるめられたところだし」
    黒瀬直:「別に隠すものもないし大丈夫大丈夫」
    興津和沙:「隠すべきだとは思いますけれどっ」
    黒瀬直:「ダメだった」
    春日 雪:「隠してくださいね?……ええ、まあ、いざとなったら」
    興津和沙:「黒瀬さんの羞恥心の有無とは別に公衆道徳はわきまえるべきだよっ」
    薬師院 小夜子:「和沙ちゃん……和沙ちゃんみたいな常識人が居てほんっと嬉しい……」ちょっと目の端に涙
    緒環 伸:「女性陣だけで行ってくる? 僕はその後ゆっくりでもいいよ」
    春日 雪:「男性陣には目にタオルを巻いてもらいましょう。そうなったら、エスコートはちゃんとさせていただきますから」
    春日 雪:「……ね?」
    興津和沙:「私は、そうしてくれるとありがたいかな…」
    末柄 晴:「ふーむ、それはつまり」
    緒環 伸:「……それはだいぶ荒っぽくない、雪ちゃん?」
    末柄 晴:「いたいけな少女を初老の男性の介添えとして用いるということでありますかな」
    緒環 伸:「こないだ似たことになったばっかなんだけどさ……」目に怪我をしました。
    春日 雪:「晴さん、言い方言い方」
    黒瀬直:「私が言うのもなんだが逆に危なくないか」
    緒環 伸:「まだ初老じゃないやい」
    興津和沙:「あ、あの、春日さん?」
    興津和沙:「黒瀬さんはともかく、春日さんは、男の人とお風呂に入るとか………えっと、恥ずかしくないの?」
    春日 雪:「もちろん、恥ずかしいと思う気持ちはありますけれど……」
    春日 雪:「それ以上に、楽しそうじゃないですか。みんなで一緒に、大きなお風呂に入るなんて」
    薬師院 小夜子:「ま、水着を着ればプールみたいなもんさ」
    興津和沙:「私は恥ずかしさのほうが勝るかな……って思うんだけど……!!」
    末柄 晴:「……ふむ。しかし、入浴でありますか」
    末柄 晴:「思えば現時点でこの旅館、温泉のみまだ未調査でありますな」
    興津和沙:なんか、コウくんにも申し訳ないし……!!
    興津和沙:「そうだね、入れなかったからね」
    黒瀬直:「それはいかんな」
    黒瀬直:「なるべく早く、出来るだけ多くの眼で調査すべきだろう」
    末柄 晴:「となれば調査にあたる人員は一人でも多く、そう、可能なら全員でかかるべきでありますな、うむうむ」ものすごく晴れやかな笑顔
    興津和沙:ため息をつく……
    黒瀬直:「うむ」真顔
    興津和沙:「なんか、すげえ強引に流されてる気がするんですけど……!」
    緒環 伸:「どういう理屈……」
    薬師院 小夜子:「……和沙ちゃん、和沙ちゃん」すすす、と近くに行って
    春日 雪:「……ええ、勿論、和沙さんの仰られることも分かります。ですから」
    興津和沙:「え、どうしたの二人共」
    薬師院 小夜子:「諦めると……いろいろ楽になるよ……」同情的な視線
    興津和沙:「こんなところで試合終了になってたまるかっ」
    興津和沙:「はい次!春日さん!!」
    興津和沙:「君には期待してるからねっ!建設的な意見をっ」
    春日 雪:では、興津さんの手をそうっと握って。
    興津和沙:「わっ」
    興津和沙:なすがままにされる
    春日 雪:「わたし、これでも副支部長ですから。……ええ、ええ。人間関係も、それなりに噂程度であれば見聞きしています」
    春日 雪:「悪いようにはしません。……だから、ね?」
    興津和沙:もう一回ため息をつく
    興津和沙:「わかったよ。その代わり、私は男の人がいる方には近づかないからね」
    緒環 伸:「……この子、言い出したら聞かないんだわ」興津さんに苦笑い。
    春日 雪:「はい。……それと、和沙さん。もうひとついいですか?」
    春日 雪:手を握ったまま、にこりと。
    興津和沙:「なに?」
    春日 雪:「わたしのことは、どうか。雪ちゃん、とお呼びください」
    興津和沙:「…副支部長なのに?」
    春日 雪:「副支部長でも、です。……わたしは、ひとりでは何もできないんです。だから」
    春日 雪:「……駄目、ですか?」
    興津和沙:「偉い人をちゃん付けするのって座りが悪いんだけどなー」
    興津和沙:「でも、小学生の女の子だもんね、そっちのが可愛いか」
    興津和沙:「じゃあ、改めてよろしくね、雪ちゃん」
    春日 雪:「はい。改めて」
    春日 雪:もう一度、興津さんを見上げるように微笑みを向けて。
    春日 雪:「よろしくお願いしますね、和沙さん」

    GM:そういうことになった。
    GM:そんなわけであなた達は、脱衣場を抜けて露天風呂へ踏み込む事になる。
    GM:露天風呂──この温泉旅館の中庭に位置する。為に、此処までの調査でも目にはしていたろうが
    GM:実際に踏み込むとまぁ、広いこと広いこと。風情としては割と一般的な岩風呂というところである
    GM:雪景色の中に松の木。湯気がもうもうと立ち上り、冬ではあるが寒さは感じない。
    GM:なので水着でも多分寒くないぞ。
    GM:では、また無茶振りのようになってしまうが姫
    興津和沙:はい
    GM:せっかくPC1なのであなたが一番乗りだ
    興津和沙:やったー!
    GM:水着姿を描写するなりなんなりしつつ、ゆっくり温泉に浸かってください
    興津和沙:ではかけ湯をして髪をちゃんとまとめて温泉に浸かっています。
    興津和沙:白い水着をつけているようだがお湯に入ってるのでよくみえない。
    興津和沙:体の内側まで火照らすような温泉の温かさを味わっています。
    興津和沙:その熱の心地よさが、健康的で張りのあるきめ細やかな肌を赤く染めている。
    興津和沙:「気持ちいい…」
    興津和沙:楽しいなって思う。
    興津和沙:本当はUGNの任務だから、そんなことは思っちゃいけないんだけど。
    興津和沙:それでも、どうしてもそう思っちゃう。
    興津和沙:建物の作りも和風で私好みだし、松の木に少し雪がかかってる風景は心がおどる。
    興津和沙:床や柱の木の香りもどこか優しくてつい肺いっぱいに空気を吸い込みたくなる。
    興津和沙:一緒にいる人たちも、黒瀬さんはちょっと変わってるけど優しいし、春日さんも可愛らしくてしっかりした子だと思う。
    興津和沙:緒環さんはそんな雪ちゃんの面倒をちゃんと見てる気のいい兄ちゃんだしだし、薬師院さんも見た目は怖いけど結構楽しい。末柄さんは、いい年して全力で脱衣麻雀するのはどうかと思うけど…
    興津和沙:でも、みんないい人たちで、旅館も好きな雰囲気で、楽しいなって、来てよかったなって思える。
    興津和沙:それなのに
    興津和沙:ちょっとだけ寂しい気持ちになってしまうのはなんでだろう。
    興津和沙:温泉は優しく私の手を温めてくれるのに
    興津和沙:それだけじゃ、物足りないって感じてしまうのはどうしてだろう。
    興津和沙:「ねえ、コウくん」
    興津和沙:湯煙の先へ、小さく声をかける。
    興津和沙:「コウくんが居てくれたら、こんな風に寂しくなったりしないのかな」
    興津和沙:ごつごつした岩風呂の床にそっと手を置く。
    興津和沙:あの人が隣に居てくれたら、手を重ねてくれるかな、と思いながら。
    興津和沙:重ねてほしいな、と願いながら。
    興津和沙:「………」
    興津和沙:けれど、その手の上には水の重さしか感じられなくて。
    興津和沙:「………一緒に来たかったなあ………」
    興津和沙:と星空を見上げながら、少し熱でぽうっとした頭でそんなことを呟きます。
    興津和沙:「なーんて!らしくないらしくない!!私には似合わねえってそんなの!」
    興津和沙:ぽちゃぽちゃ水面を叩いたりする
    GM:水面に広がる波紋──が、途中で逆向きになる
    GM:少し離れた場所。とは言っても、湯気で見えなくならない程度の場所で、
    薬師院 小夜子:「失礼するよ」
    興津和沙:「わっっ」
    薬師院 小夜子:眼鏡もピアスも、メイクも無い。普段より幾分かさっぱりした顔の女が、2mか3mか離れて湯の底に腰を下ろした
    薬師院 小夜子:「や、くつろいでる?」
    興津和沙:「おかげさまで、のんびりさせてもらってます。」
    興津和沙:少し声が強張っている。さっきの、聞かれてないよな…とか思ってる
    薬師院 小夜子:「そりゃ良かった。年上だの上司だのばっかりいて、大変だろ」
    薬師院 小夜子:「折角の機会だし思いっきり羽を伸ばして行こうじゃないか」
    興津和沙:「ま、そこらへんはイリーガルなんで慣れたもんですよ。」
    興津和沙:「大体、いっつもエージェントの人とかと一緒だし」
    薬師院 小夜子:「はは、頼もしいねぇ。我が儘も言わないし、和沙ちゃんは良い子だ」
    興津和沙:「いや、混浴はいやだってめっちゃ我儘いったばかりですけどね…!!」
    興津和沙:「なんでみんな慣れてるんですか!?UGNってそういう訓練もあるの!?」
    薬師院 小夜子:「それは我が儘じゃなくてね」急に真剣な顔をして
    薬師院 小夜子:「貞操観念って言うの」
    薬師院 小夜子:「無くしちゃ駄目」
    薬師院 小夜子:「……後はまぁ、ね、うん。訓練って言うより……こう……オーヴァードって性差少ないじゃん」
    興津和沙:「そうですか…?」
    薬師院 小夜子:「うん。動物だったら雄雌で体格差もあるし、そのまま体格差が力の強弱になるけど」
    薬師院 小夜子:「オーヴァード、それが無いからねぇ」
    興津和沙:「いや、末柄さんはちょっと分かりづらいけど、あとの人はみんなしっかり男の人と、女の人って感じしますけど…」
    興津和沙:「ああ、能力的な…」
    薬師院 小夜子:「そーそー、ジェンダー的な。……だからまぁ、その、なんだ」
    薬師院 小夜子:「周りが色々あれだけど、和沙ちゃんの方が普通だよ、って言いたかったの」
    興津和沙:「………」
    興津和沙:「ありがとうございます。」
    興津和沙:微笑みを向けながら、お礼を言う
    薬師院 小夜子:「いーのいーの。なんか苦労の多そうな顔してるなぁって思ってたし、お互い様さ」
    興津和沙:「そんな顔は、してないと思うんですけど…!」
    興津和沙:「お姫様だし、天真爛漫に楽しんでますよ…!」
    薬師院 小夜子:「そう? なーんか寂しそうな顔してるように見えたけどねぇ」
    薬師院 小夜子:「あーあー。こんな温泉旅行もねぇ。仕事じゃなくて、恋人でも連れて来れたらなー」ばしゃん、と湯をはじいて両腕を伸ばす
    興津和沙:「……………///」
    興津和沙:温泉で火照った顔が、さらに赤くなる
    薬師院 小夜子:「……ん?」
    興津和沙:「聞いてましたね…!?」
    薬師院 小夜子:「……ふふふ」
    薬師院 小夜子:「大丈夫。私、これでも口はめちゃくちゃ堅いから」
    薬師院 小夜子:にい、と。顔の全部を使うような笑顔
    興津和沙:「そんな全然信用できない笑顔されても…!!」
    薬師院 小夜子:「ふっふふふ、口止め料があれば信用度は上がる」
    薬師院 小夜子:「私、他人の恋バナとか聞くの好きでさぁ。どうだいここでひとつ、酒の肴になると思って──」
    黒瀬 直:「興津くん、薬師院くん」と声が掛かる。
    黒瀬 直:「近くへ寄ってもよいだろうか」瞳をしっかり閉じた女が声を掛ける。
    興津和沙:「あ、助けて黒瀬さん!」
    興津和沙:「薬師院さんに脅されてるんです!」
    黒瀬 直:「それはいかんな」ひたひたと、湿った足音立てて、ゆっくりと向かう。
    薬師院 小夜子:「えー、そんな人聞きの悪ーい。……と、どうぞどうぞ、どれだけ近くでも構いませんよ」
    黒瀬 直:白く、長く、そして鍛えられた手足がしっとりと蒸気に濡れて桜色。
    黒瀬 直:その交点には、旅館で用意されたタオルがしっかりと巻かれている、
    黒瀬 直:巻かれてはいるが、丈が心許ない。豊かな胸に今にも押しのけられそうである。蘆原もちょっと危うい。
    薬師院 小夜子:「……………………」
    薬師院 小夜子:「……次から、任務概要の記述を自分判断で省略しないでくださいね」
    薬師院 小夜子:「主に私の理性に悪い」
    興津和沙:「何いってんですかあんたっ」
    薬師院 小夜子:「だってー!」
    黒瀬 直:「はて、また何かやってしまったかな」
    薬師院 小夜子:「ほらー! この人無自覚なんだもん!」
    興津和沙:「いや、まあ男の人が来る前に早く入ってください。防御力が低いです、それっ」
    興津和沙:「っていうかこの人いつも防御力が低いカッコしてるな!パラシュートもつけねえしっ」
    興津和沙:まだ言う
    黒瀬 直:「別段問題は無い」かけ湯を施し、白く濁った湯へ浸かる。
    黒瀬 直:「今から戦闘状態に入るとしても、すぐに衣服を形成することも可能……んっ」
    黒瀬 直:「出来ればそうはなってほしくないな」
    黒瀬 直:「好い湯だ」
    興津和沙:「なら水着作ってくださいよ…!自分用に!」
    薬師院 小夜子:「……その手があったか、いや」
    薬師院 小夜子:「いや、もう、ここまで来たら別にいいんじゃないかしら……目の保養的な意味で……」既に理性が蝕まれ始めている
    黒瀬 直:「必要性を感じないのに力を使うものかよ」ゆったりと身体を沈める。一部は浮く。
    薬師院 小夜子:「天国ってこんな場所なのかなぁ……」
    黒瀬 直:「うむ、極楽極楽」
    興津和沙:「後進に対して正しい姿を見せるのも先輩のあるべき姿と思いますっ」
    黒瀬 直:「姿を見せるのか」
    興津和沙:「公衆道徳とか、倫理観とか守る姿を見せてほしいっ」
    黒瀬 直:「専門外だ」
    興津和沙:「私はともかく雪ちゃんがいるんですよ、あんな小さい子がっ」
    興津和沙:「せめて努力をしろっ!
    薬師院 小夜子:「ごめん……でも私普段からめちゃくちゃ努力してるの……」
    薬師院 小夜子:「主に身の回りの距離感近すぎる未成年の誘惑に……」
    春日 雪:ぺたり、ぺたりと。濡れた床を歩く音がして。
    春日 雪:「ごめんなさい、遅くなりました。……あら」
    春日 雪:いまだ発育途上の体に、白いバスタオルを巻きつけて。
    春日 雪:「……随分、楽しいお話をされていたご様子ですね?」
    緒環 伸:その後ろに、目に白いタオルを巻かれて、情けなさそうな顔で立っている。
    興津和沙:「マジで手ぇ引かれてる…!!」
    薬師院 小夜子:「……かわいそう」
    興津和沙:「あの私が言えた義理じゃないけど。」
    黒瀬 直:「早くおいで」
    緒環 伸:「言うなよ! 自分でもなんだこの状況と思ってるよ!!」
    黒瀬 直:「気持ちいいぞ」
    興津和沙:「緒環さん、自我ある?あった、よかった」
    春日 雪:「さあさあ、もう少しですよ?」
    春日 雪:緒環さんの手をそぅっと握って、湯へと。
    緒環 伸:「なあ雪ちゃん、ぶっちゃけ僕、タオルとかなくても問題ないというか……」
    緒環 伸:「……いや、周りが気にするか。そうだよな……」
    興津和沙:「すいません、します…」
    緒環 伸:「うん、僕が耐えればいいことだ。わかった……」
    春日 雪:「ええ、ですから……」
    春日 雪:「……ちょっとだけ、待っててくださいね?」
    緒環 伸:「待つ?」
    黒瀬 直:「何か、用意があるようだね」
    春日 雪:緒環さんの手を放し、湯の中を女性陣の方へと。
    緒環 伸:「うわ、濡れてる床怖っ! 滑ってリザレクトとかしたくないよ、まったく……」
    緒環 伸:ざぶざぶと、女性陣から少し離れた方に浸かっている。
    春日 雪:「はい。専門の方ほどじゃないですけど、わたし」
    春日 雪:「隠すのも、得意なんですよ?」
    春日 雪:《不可視の領域》。女性陣からは、特に周囲に変わった様子は見られないが。
    春日 雪:「……はい、どうぞ。外していいですよ、緒環さん」
    緒環 伸:「え?」
    興津和沙:「え、いや、困るんだけど…!!」
    黒瀬 直:「おお」見た目に違いはないが、レネゲイドの働きを感じる。
    緒環 伸:「あー、なんかやったな、雪ちゃん……」
    黒瀬 直:「うむ。大丈夫そうだぞ」
    薬師院 小夜子:「あー……オルクスでしたっけ、春日副支部長」
    春日 雪:「……はい、成功ですね。「ここにわたしたちがいる」ことは分かっても、何をしているのかは見えない、分からない」
    興津和沙:「え、いや、なんなの?」
    春日 雪:「緒環さん側からは、そう見えているはずです。……きっと。たぶん。おそらく」
    春日 雪:わざと不安を煽るように、小さく笑いながら。
    興津和沙:「不安を残さないで!?」
    緒環 伸:「……それならあれだな。こっちでも保険かけとくか」
    緒環 伸:イージー《テレキネシス》。周囲の湯気を集めて少し濃いもやを作る。
    興津和沙:きゅっと身を縮めてお湯の中に体を隠そうとする
    春日 雪:「……はい、これで万全ですね。というわけで」
    緒環 伸:「これならちょっとは安心かね。まあ……」
    緒環 伸:一番不安なのはこの子なんだけどな、と思いながら。
    春日 雪:じぃっ……と。視線は黒瀬さん、興津さん、薬師院さんに。
    黒瀬 直:たぷたぷと移動して姫と緒環さんの間を位置取る。
    春日 雪:具体的には、湯の中に見え隠れする、とある豊かな一部に。
    薬師院 小夜子:「……どれ。一応だけ確認しとくかね、未成年の安心の為にも」湯船から立ち上がり、一度領域の外側から確認に向かう
    薬師院 小夜子:……も、その途中。臆病者の直感か、ぶるりと大きく身震い・。
    興津和沙:「どうしたの?雪ちゃん」
    黒瀬 直:「私が見ようか?」ザバーと胸元から湯を垂らしながら立とうとする。
    興津和沙:両腕で自分の胸を隠すようにしている。
    興津和沙:柔らかな肉が腕に押されてぎゅーっとなっている
    春日 雪:「いえ。いえいえ。わたしもいつか、みなさんみたいになれるんでしょうか、と」
    春日 雪:「……そう、思っただけですよ?」
    黒瀬 直:「ゆっくり大きくなりなさい」僅かに微笑みながら。
    緒環 伸:「結局タオル外していいんですかね、これー?」
    GM:では
    GM:一度領域の外に出た薬師院が
    薬師院 小夜子:「おー、さすがにオルクス。……ほー、こうなるのか、へー……」
    GM:とひたすら、何かに感心してから、また元の位置に戻る
    春日 雪:「……ええ、大丈夫みたいですよ?」
    春日 雪:そう、"外側”に向けて声をかけてから。
    薬師院 小夜子:「認識阻害って奴かな。外から見ると、〝誰もいない〟ように見える」
    緒環 伸:「オッケー。せっかくの露天だもんな」そっと目隠しを外す。
    興津和沙:「こっちからは普通に緒環さんが見えるのめっちゃ不安なんだけど…!!」
    春日 雪:「というわけで、ですね」
    緒環 伸:「おー、いい風景。そっちは全然見えないから安心しなさい」
    春日 雪:「そんなに必死に隠さなくても大丈夫ですよ、和沙さん」
    興津和沙:「あ、でもこっちから見えないけど向こうからは普通に見えるよりはいいのかな…?」
    緒環 伸:「んじゃ、上見てるよ。なーに、問題ない問題ない」
    春日 雪:ちゃぷり、と湯の音を立てながら。興津さんに接近。
    興津和沙:「あー、わかった。わかったよ、信じるよ」
    黒瀬 直:「ちょっと境界攻めてみようかな……」
    薬師院 小夜子:「ギリギリのスリル味わおうとしてんじゃねえですよ」
    緒環 伸:そのまま、縁に寄り掛かって空を見ている。
    黒瀬 直:「実際どの辺りから効果が出るのか気になるんだよ」
    黒瀬 直:「日々是鍛錬だ」
    緒環 伸:目の周りには少し赤い傷の跡が微かに薄く浮かび上がっている。
    興津和沙:「塀の上を歩こうとする小学生かな?」
    春日 雪:「……直さんくらいさっぱりしてるのも、ここまでくると微笑ましいですね。そう思いません?」
    春日 雪:ぴたりと。和沙さんの背中に。
    緒環 伸:「別にやりたいならいいけど、僕がどう反応すりゃいいか困るな……」
    興津和沙:「わっっ」
    春日 雪:慎ましい柔らかさと、妙に熱っぽい息。
    興津和沙:意外と鍛えられた体とそれは反対に女性らしい張りのある肌の感触が雪ちゃんに伝わる
    興津和沙:「どうしたの、いきなり」
    春日 雪:「直さんはゆっくりでいい、と言ってくれましたけど……」
    春日 雪:小さな掌が、そっと、興津さんの背中に。
    興津和沙:「…ひゃっ」
    春日 雪:「……あと5年で、和沙さんみたいな強くて、カッコよくて、可愛らしい子になれるか」
    春日 雪:「わたし、ちょっと羨ましいです」
    春日 雪:その手が、背中から滑るように脇腹へ。そして─
    興津和沙:「……いや、ちょっと、春日さん?」
    興津和沙:ぞわぞわした感覚が、お腹のあたりから全身に拡がっていく
    春日 雪:「……はい?」
    春日 雪:にこりと笑い、手は、指が鳩尾のあたりに触れるか触れないかで止まる。
    興津和沙:それを止めるように、雪ちゃんの手を両手で制します
    興津和沙:「あのね。」
    興津和沙:「女の人同士でも、こういうことしちゃダメだからね。」
    興津和沙:片手を握ったまま、ゆっくりと雪ちゃんの方に向き直る
    興津和沙:つんとした、整った鼻先から頬が紅色に染まっている
    春日 雪:「……ふふ。和沙さんは、いい人ですね」
    春日 雪:「はい。わたし、駄目だったり嫌だったりという気持ちは、ちゃんと伝えた方がいいと思うんです。だから」
    春日 雪:「和沙さんには、ここまで。……ちょっと残念ですけど」
    興津和沙:「いや、ほかのひとにもしちゃダメだよ?」
    春日 雪:どこまで本気なのか、冗談なのか。読み取りにくい微笑み。
    興津和沙:困惑した顔
    緒環 伸:「雪ちゃん、ほどほどになー」声はかけておく。
    緒環 伸:「いざとなったら実力行使するよ、さすがに僕も」
    興津和沙:「そうそう、おじちゃんにも怒られちゃうし」
    緒環 伸:女性陣の姿は見えない。声だけがなんとなく聞こえている。
    緒環 伸:……そのわりに、目はどことなく醒めている。
    興津和沙:「人の体を勝手に触るのって、その」
    興津和沙:「大切な人と以外は、しちゃいけないし、大切な人でも、やっぱりその人の気持ちを無視しちゃダメだと思うの。」
    興津和沙:生粋のエージェントは貞操観念が薄いという薬師院さんの言葉を真に受けている
    春日 雪:はぁい、と。"外側”に向けて返事をした後に。
    興津和沙:「だからね、雪ちゃんも、人のことを大事にしてあげてほしいし、自分の体も大事にしてあげてほしいな」
    春日 雪:「……和沙さん」
    春日 雪:もう一度、興津さんの手を。今度は両手で包むように、そうっと握る。
    興津和沙:「なに?」
    興津和沙:今度はちゃんと握り返します。
    春日 雪:「ありがとう、ございます。……ええ、和沙さんの言う通りにできるかどうかは、分かりませんけど……」
    春日 雪:「和沙さんが、大切な人と幸せになれるように。わたし、全力で応援しますね?」
    興津和沙:「…………」
    興津和沙:「だからなんで知ってんの!?」
    興津和沙:「どこまで拡がってんの!?倫理観とか貞操観念以前にプライバシーって概念、どこ!?」
    薬師院 小夜子:(……和沙ちゃん、それは自爆……)口に出せないまま首を振る
    黒瀬 直:「……ふむ」
    黒瀬 直:雪くんが向ける視線を、寂しさだろうかと感じている。
    黒瀬 直:「雪くん」
    春日 雪:「……はい」
    春日 雪:名を呼ばれ、黒瀬さんの方へと湯をかき分けて。
    黒瀬 直:「私で良ければ、付き合うがね」
    春日 雪:「……わたしが言うのも何ですけど」
    春日 雪:「直さんこそ、もっとご自分を大切になさってくださいね?……もちろん、強い人だ、というのは知っていますけれど」
    興津和沙:「あ、雪ちゃんが境界ギリギリを探ってる黒瀬さんのところに」
    興津和沙:「緒環さーーん!大丈夫ー!?雪ちゃんと黒瀬さんが境界線攻めてるけどそっちから見えてないー!?」
    緒環 伸:「おー、平気平気。今んとこ大丈夫」
    黒瀬 直:「強い弱いは関係ないと思うが、そうだな」小さな躰に手を伸ばす。
    緒環 伸:「……見えたって別に平気って言ってんのにさ」小声で。
    春日 雪:「……直さん?」
    春日 雪:自分に伸ばされる手を、不思議そうに見ながら。
    黒瀬 直:「強者の特権を使うとしよう」湯を掻き分けて、肩まで届けて。
    黒瀬 直:そのまま優しく抱き寄せる。
    春日 雪:「きゃっ!?」
    春日 雪:悲鳴と驚きが混じった声が、領域の内外に響く。
    緒環 伸:「? 平気?」声をかける。
    黒瀬 直:「……駄目だったかね?」耳元で囁く。
    春日 雪:「大丈夫、大丈夫ですから……!」
    春日 雪:切羽詰まったような声は、どちらの問いかけに対して応えているのか。
    黒瀬 直:「ふむ」
    黒瀬 直:「なにか間違ったかな」肩を押して少し距離を離す。
    黒瀬 直:桜色に上気した白肌は、35という齢には不釣り合いになめらかだ。
    春日 雪:「……いえ、ただ、ちょっとびっくりして」
    黒瀬 直:「それはいかんな」
    黒瀬 直:「リラックスしてほしかった。反省しよう」
    黒瀬 直:肌にしっかりと刻まれたものも多くある。内面には研ぎ澄まされた筋骨があり。
    黒瀬 直:隠す気が微塵もないのだろう、惜しげもなく晒された成熟した肉体の
    黒瀬 直:至る所に、うっすらと白いすじが走っている。
    春日 雪:「……直さん」
    黒瀬 直:「なにかね」
    春日 雪:そのひとつ。肩口に刻まれた傷痕に、顔を寄せて。
    黒瀬 直:幾重にも、細いものも、太いものも、長いものも、ねじ曲がったものもある中で。
    春日 雪:「和沙さんや小夜子さんはもちろんですけど」
    黒瀬 直:幾分か、新しく見える傷跡。僅かにくすぐったい。
    春日 雪:「直さんも、幸せになってくださいね。……いえ」
    春日 雪:「幸せになってもらいます。わたしの目が届く限り、わたしにとって大切な人には、みんな」
    黒瀬 直:「……私は幸せ者だとも」ゆっくりと手を伸ばす。頭と、背中。
    黒瀬 直:「頼もしい後輩が、こんなにすぐ近くに居るのだから」
    春日 雪:「……もう。本当に、そういうところですよ。直さん」
    春日 雪:浮力で聊か軽減された体重を、そうっと預ける。
    黒瀬 直:静かに受け止める。
    春日 雪:─じくりと。胸の傷跡に、湯が染みたように感じて。
    黒瀬 直:頼られるのは、好きだ。若い者に。頑張っている子たちに。
    黒瀬 直:少しでも与えられるものがあるならば、私にできることならば。
    黒瀬 直:「雪くんは……ふむ」
    黒瀬 直:「雪ちゃんはいま、幸せかね」
    春日 雪:問いかけに、即答はできなかったけれど。
    春日 雪:「……はい。とても」
    春日 雪:「幸せです、わたし。……本当ですよ?」
    黒瀬 直:「そうか」
    黒瀬 直:「では、ますます頑張らねばな」
    薬師院 小夜子:「……………………」
    薬師院 小夜子:暖かく、穏やかな時間。人が背負わずには居られない余分な殻を、衣服ごと剥ぎ取ったような。
    薬師院 小夜子:けれど、そんな空間に居ても。煩悩だとか色々は取り払えないのが、こう、さがという奴で
    薬師院 小夜子:「いいなぁ……」
    薬師院 小夜子:割とはっきり声に出していた。
    興津和沙:じゃあ、恐る恐る緒環さんの方に近づいていく
    緒環 伸:向こうは見えないので、相変わらずのんびり湯に浸かっている。
    興津和沙:なんとなく、このあたりが境界線かな?この辺りならまだ見えないよねって思いながら
    興津和沙:2dx+1
    DoubleCross : (2R10+1[10]) → 6[4,6]+1 → 7

    興津和沙:見破れなかった。
    GM:ではたぶんちょっと足とか腕とかはみ出します
    GM:緒環さんから見ると、虚空に人の腕が浮いたり足だけ生えてたりする微ホラー
    緒環 伸:じゃあきっとそれに気づく。
    緒環 伸:「お」突然空中に浮いた腕を見て。
    緒環 伸:「おーい、なんか深夜にやってるホラー番組みたいになってるけど」
    興津和沙:その直後に金髪の白い水着を着た少女の姿が現れる
    緒環 伸:「……っと」
    興津和沙:「え、あ…!」
    緒環 伸:「見えてるけど、大丈夫?」
    興津和沙:「大丈夫じゃないです。戻ります!」
    興津和沙:しゅっと急バック!ぽちゃん!と水の音が響く
    緒環 伸:「あはは、せっかくさっきぶりに顔合わせたのになあ」
    興津和沙:「そうなんですけど」
    興津和沙:「ちょっと、緒環さんと話がしたかったんですけど。」
    緒環 伸:「こっちはこっちでなんか、人がいるのにぼっちみたいな気分で……」
    緒環 伸:「僕?」
    興津和沙:境界線の内側で緒環さんに背を向けながら声をかける
    興津和沙:「は、はい。そのことで」
    興津和沙:「あの、ごめんなさい。」
    緒環 伸:「ん?」
    興津和沙:「私が我儘言ったせいで、緒環さんを一人ぼっちみたいにさせちゃって」
    興津和沙:「やっぱり、寂しいですよね?」
    緒環 伸:「ああー、そういうこと」
    興津和沙:「自分でもそう仰っちゃうぐらいですし」
    緒環 伸:「そりゃ寂しいさ。僕、こう見えて結構寂しがりでね」
    緒環 伸:軽く笑う。
    緒環 伸:「でも、別に気にしないでいいんだよ」
    興津和沙:「……でも」
    緒環 伸:「混浴じゃなかったら、どうせ男湯の方だったんだし……まあ、それに」
    緒環 伸:「雪ちゃんをちゃんと注意してくれて、どうもありがとうね」
    興津和沙:「えっと」
    興津和沙:「イリーガルなのに、偉そうに上司に注意したこと、怒ったりしないんですか?」
    緒環 伸:「まあ、僕その辺はゆるゆるで生きてるし……」
    興津和沙:「注意っていうか、やっぱり、私の価値観を押し付けちゃっただけだし…」
    緒環 伸:「雪ちゃんは、雪ちゃんって呼んでほしいって言ってたろ」
    緒環 伸:「だから、お姉さんとして話をしてくれて、それで良かったんだよ」
    興津和沙:「お姉ちゃん、かー」
    興津和沙:「そんなふうに聞こえました?」
    緒環 伸:「君が困ったんだから、君の言葉で言やいいのさ、ああいうのは」
    緒環 伸:「まあ、しっかり者のいいお姉ちゃんだね、と思ったよ」
    興津和沙:「優しいお姫様っぽくは?」
    緒環 伸:「君それ好きだなあー」
    興津和沙:緒環さんは見えないけど、ちょっと悪戯っぽく笑っている
    緒環 伸:「まあ、そうだな。その……」
    興津和沙:「お姫様だもん」
    緒環 伸:「僕にはね、もう姫さんって呼びたい人がいて、そこは満席なんで」
    緒環 伸:「返答は控えさせてもらいますよ」
    興津和沙:「ちぇーー……っていうか」
    興津和沙:「不惑なのにそんな人が!?」
    興津和沙:「惑ってるってそういうこと!?」
    緒環 伸:「そういうことも含めて、ね」
    緒環 伸:ほんの少しだけ、優しげに目を細めて笑っている。
    緒環 伸:「まあ歳なんてさ、宇宙の規模に比べたら小さい小さい」
    興津和沙:「まあ、それはたしかにそうですけど」
    緒環 伸:「君と僕とだって、神様と比べたら同じ子供みたいなもんなんだからさ」
    緒環 伸:「最近やっとそう思えるようになったんで、ひとつ不惑になったとは思うよ」

    緒環 伸:湯船に浸かり、少しふやけた手を擦り合わせたりしながらゆったりとくつろいでいる。
    緒環 伸:相変わらず、目の周りにはほんの少し赤い傷の跡が浮かぶが、いずれ治るだろう。
    緒環 伸:ふう、と小さく息を吐く。
    春日 雪:そこへ。小さな水音と。
    春日 雪:「……緒環さん?」
    春日 雪:控えめな声がする。
    緒環 伸:「ん」顔を上げる。
    春日 雪:「お隣、いいですか」
    春日 雪:そう問いかけつつも、返事を待たず隣へ。肩と肩が触れそうで触れない。
    緒環 伸:「ああ……僕はいいけど、雪ちゃんは別に見えててもいいわけ?」
    春日 雪:「……見えたら困るのは、わたしより緒環さんでは?」
    緒環 伸:「別に困んないよ、かわいい子がいれば嬉しいなって思うさ」
    緒環 伸:「それくらい、かな」
    春日 雪:「それくらい、ですか」
    春日 雪:視線を、空へと向けながら。
    春日 雪:「……"姫さん"のこと、レポートを読ませてもらいました」
    緒環 伸:「……ああ、うん。頑張って書いたやつだよ」
    緒環 伸:笑ったままだが、明らかに一瞬動揺をした。
    春日 雪:「はい。とても、暖かいものだと思いました」
    春日 雪:「……レポートを読んで出てくる感想じゃないですけど。わたしは、そう思っています」
    緒環 伸:「……そう。うん。頑張って書いたんだ」
    緒環 伸:「これからも僕が担当でいられるようにね」
    緒環 伸:「雪ちゃんが気に入ってくれたんなら何より!」
    春日 雪:「安心してください。緒環さん以外に任せるつもりはありません。わたしも、やどりちゃんも」
    春日 雪:そう、頷いてから。
    春日 雪:「でも、緒環さん。ひとつだけ、教えてほしいことがあるんです」
    緒環 伸:「何かな」
    春日 雪:では、と。僅かに、息を呑むようにして。
    春日 雪:「……緒環さんは、あの人のことが。"姫さん"のことが」
    春日 雪:「好きなんですか?……ええ、人として、という話ではなく」
    春日 雪:「ひとりの、女性として」
    緒環 伸:「そこね、ちょっと難しい問題なんだよな」
    緒環 伸:聞かれたこと自体にはそれほど動じていない。
    緒環 伸:ただ、答え方を少し考えている。
    春日 雪:いつものような、試すような笑顔ではなく。
    春日 雪:ただただ、応えを待っている。
    緒環 伸:「好きだよ。あの人は僕のたった一人の人で、仲間で、神様で、待っていてくれると言ってくれた人だ」
    緒環 伸:「ただ、そうだなあ……」
    緒環 伸:「雪ちゃん、ちょっと僕的には繊細な話をするけどさ」
    緒環 伸:「これは別に秘密というわけじゃない、雪ちゃんの立場なら調べればすぐわかることだ」
    春日 雪:「はい」
    春日 雪:小さく、頷く。
    緒環 伸:「さっき、別にタオルいらないって言ったろ、見えてても大して問題ないって」
    緒環 伸:「……見た目以外普通、ってのはちょっと嘘でね。僕には古代種のウイルスの影響がひとつ、ある」
    緒環 伸:「『子孫を残す』ことに関して、半分ぶっ壊れてるらしい。本能が」
    緒環 伸:頭の横で、指をくるりと回す。
    緒環 伸:「だから、別に誰の何を見たって大して気にならない。今回も」
    緒環 伸:「……あの時も」一度だけ見た、傷だらけの裸体を思い出す。
    春日 雪:「……子を残し、次に繋ぐ、というのは。人の、いえ。生き物の根っこと言っても、間違いではないと思います」
    緒環 伸:「もちろん、これは別に古代種全般ってわけじゃないんだけどね。僕だけの話」
    春日 雪:「けれど、緒環さんは。もし、誰かと家庭を築いたとしても」
    春日 雪:「その"誰か"を、見送る側になる。……ええ、それは」
    春日 雪:「とても、寂しいことだと思います」
    緒環 伸:「そう。だから、僕はわりと寂しがりなんだよな」笑う。
    緒環 伸:「……でもね」
    緒環 伸:「あの人は、待っていてくれると、とりあえずは約束してくれた」
    春日 雪:「……今すぐじゃ、ないですよね?」
    緒環 伸:「今すぐはお子様だからダメだってさ」
    緒環 伸:「心配しないでいいよ。しばらくは今のままだよ」
    春日 雪:「ああ、よかった。じゃあ」
    緒環 伸:ちゃぷん、とお湯から手を出して、雪ちゃんの頭に伸ばす。
    春日 雪:頭に手を乗せられたまま。その頭を、緒環さんの肩に預けるように体を傾ける。
    緒環 伸:(多分、女性として、というより、人として、というより)
    春日 雪:「わたしが、よぼよぼのおばあちゃんになるくらいまでは。待っててもらえそうでしょうか」
    緒環 伸:(なんだろうな。存在として、僕はあの人を)
    緒環 伸:「……まあ、僕の精進次第なんだけどさ……そうだなあ」
    緒環 伸:「多分それくらいはかかるな、きっと」頭を優しく撫でる。
    緒環 伸:「僕はなんだかんだ、君らに未練たらたらみたいだからね」
    春日 雪:「ふふ、じゃあ」
    春日 雪:眠るように、そうっと目を閉じて。
    春日 雪:「もっと未練を持ってもらえるように、わたし、頑張りますから」
    春日 雪:「……ねえ、緒環さん」
    緒環 伸:「……怖い子だよ」
    緒環 伸:「ん?」
    春日 雪:「いつかわたしがいなくなる、その時には」
    春日 雪:「……きっと、そばにいてくださいね?」

    黒瀬 直:「さて」
    興津和沙:境界線ギリギリのところからまた内側に戻ってゆっくりしている
    黒瀬 直:雪ちゃんと一通り親睦を深めて別れて。
    黒瀬 直:「興津くん、ちょっといいか?」
    興津和沙:「なんです?」
    興津和沙:「か?」
    黒瀬 直:「ふうむ」
    黒瀬 直:「デリケートな話だが、うむ」
    黒瀬 直:「少し背中を改めさせてもらっても構わないか?」
    興津和沙:「………」
    興津和沙:「なんで……?」
    興津和沙:ちょっと怪訝な顔
    黒瀬 直:「問われれば答えるのも吝かではないが」
    黒瀬 直:「というか普通に応えるが」
    興津和沙:「えっとできるば説明がほしいです。」
    黒瀬 直:「なぜと疑われているのかも、聞いておこう」
    黒瀬 直:「私が何用で人の背中を見ようとしているだろう」
    興津和沙:「なんででしょう。」
    黒瀬 直:「具体的な容疑は無しか」
    興津和沙:「容疑というか」
    興津和沙:「こう、いざ見せてくれと言われると」
    興津和沙:「恥ずかしいだけですっ」
    黒瀬 直:「そうか」
    興津和沙:「理由があるなら我慢できますけど」
    黒瀬 直:「では明かそう」
    興津和沙:「はい。」
    黒瀬 直:「いや、無理に我慢してはいかんがね」
    黒瀬 直:「君の背中に傷跡が残っていないか、と」
    黒瀬 直:「確認がしたい。銃弾のな」
    興津和沙:その言葉を聞いて、力抜ける
    興津和沙:「ああ、そういうことですか。」
    黒瀬 直:「うむ」ちゃぷ、と湯が鳴る。
    黒瀬 直:「そういうことだ」
    興津和沙:くるり、と黒瀬さんに背中を向ける
    興津和沙:「ちゃんと治療もしてもらったし、大丈夫だと思いますけど」
    黒瀬 直:視線を向けて、背中を這わせる。
    黒瀬 直:「うむ」
    黒瀬 直:「良かった」
    興津和沙:細く白いうなじが紅色に染まっている
    黒瀬 直:そこに傷跡は、無い。
    興津和沙:それに続く背中も、温泉に当たって赤くなっているが
    興津和沙:つるりときれいな肌がみえるだけだ。
    黒瀬 直:「美しい背中だよ」
    興津和沙:「えへへ、ありがとうございます。」
    黒瀬 直:「お姫様の餅肌だ。私が太鼓判を押す」
    興津和沙:「餅……!?」
    興津和沙:「えっと、そんなにぷにぷにしてます?」
    興津和沙:「正月で太っちゃったかな?」
    興津和沙:お湯の下で自分のお腹の肉をつまんで見る
    黒瀬 直:「温泉に浸かったわけだから、より滑らかになるだろう」
    興津和沙:増えたかな?増えてないような気がする、あれ?でも増えてる?わかんない
    黒瀬 直:「健康的で良いと思うよ。私の評価に意義があるかは知らんが」
    興津和沙:「いえ、黒瀬さんに褒めてもらえるのは、嬉しいですよ?」
    興津和沙:でも、
    興津和沙:確かにあの人に可愛いって言ってもらえたときとは、やっぱり嬉しさが違う気がする
    興津和沙:「黒瀬さんは」
    興津和沙:「こう、特に評価されて、嬉しいって」
    興津和沙:「この人に褒められるともっと嬉しいなって思う人はいるんですか?」
    黒瀬 直:(羽二重肌と言った方が良かったかな……)
    黒瀬 直:「ふむ」
    黒瀬 直:「誰の言でも、嬉しいことは嬉しい」
    黒瀬 直:「掛けられた言葉、その意志、できる限りは返そうとも思う」
    黒瀬 直:「だが、そうだな」
    興津和沙:「うん」
    黒瀬 直:「弟の言葉は、どれもしかと刻まれている。喜びと共に」
    黒瀬 直:「返せないぐらいに、強く」
    興津和沙:「弟さん、か」
    興津和沙:返せないぐらい、という言葉に重みを感じてしまう
    興津和沙:「黒瀬さんにも、そういう特別な人がいたんですね。」
    興津和沙:「ちょっと、ほっとしたな」
    黒瀬 直:「みんながみんな、特別だがなあ」
    黒瀬 直:夜空を見上げる。たくさんの星々。一つだけの月。
    興津和沙:「黒瀬さんって、あの時は大して役に立たなかった…すぐにリタイアしちゃった私の傷まで気にかけてくれるぐらい」
    興津和沙:「色んな人を見てる人だから」
    興津和沙:「あのね、黒瀬さん」
    黒瀬 直:「うむ」
    興津和沙:「私も、最近気づいたんだけどね。」
    興津和沙:「特別な人がいるのって」
    興津和沙:「そう思える人がいるのって」
    興津和沙:「その人の為でもあるけど、自分のためでもあるんじゃないかって思うんだ」
    黒瀬 直:「じぶんのため、か」
    興津和沙:「うん。」
    興津和沙:「皆のためだけだと、ちょっと見えづらくなっちゃうものが。」
    興津和沙:「その人のとめって考えると、もっと鮮明になって」
    興津和沙:「そうやって、鮮明になったもののおかげで、みんなの顔を見えやすくなる」
    興津和沙:「そんな気がするんだ。」
    黒瀬 直:「それは参った」
    興津和沙:「勝っちゃった」
    興津和沙:くすり、と笑う
    黒瀬 直:「だがこれ以上良く見えては、ますます目移りしてしまいそうだな」
    興津和沙:「我儘だなあ。」
    黒瀬 直:「私の周りには良い子が多すぎるからね」
    興津和沙:「でも、みんなを大切にしたい気持ちと」
    興津和沙:「誰か一人を大切にしたい気持ちは、どっちも大事にしていいと思うから」
    興津和沙:「黒瀬さんも、その弟さんの言葉と、その周りの良い子たちを大事にしてあげてね?」
    興津和沙:「もし、その中でまた特別が出来たら、それをまた大事にしてあげればいいと思うからさ」
    興津和沙:「その人を大事にしてあげれば、きっと黒瀬さんのことも守ってくれると思うから」
    黒瀬 直:「金言、しかと受け止めよう」ゆるりと笑みが口元浮かぶ。
    黒瀬 直:「お姫様の言葉だ。これは抗いがたい」
    興津和沙:「うん、苦しゅうない」
    興津和沙:お湯で火照った体で、柔らかな笑みを浮かべる
    黒瀬 直:弟の言葉、輝の言葉、最後の言葉を、私は聞き取れなかったが。
    黒瀬 直:(返すためには、まず受け止めねばな)
    黒瀬 直:「特別、か……」
    黒瀬 直:留めきれぬが溢れるように、何の意味もなく口に出した。

    GM:では。そうしてあなた達が湯船につかり言葉を交わしている間に──
    GM:空は暗くなり始めた。
    GM:冬、太陽の出ている時間は短い。
    GM:露天風呂へ、旅館の影が伸びる──その影に紛れるように、真っ黒な、人間の輪郭をしたレネゲイドビーイングが、
    薬師院 小夜子:「……ん? ふん、ふん、なるほど。声出せないのにどうやって喋ってんだあんた」
    薬師院 小夜子:いつのまにか湯船に盆を浮かべて酒を飲んでいた薬師院に、何事か伝えて去っていく。
    黒瀬 直:「なにかあったのかね。薬師院くん」
    薬師院 小夜子:ぱん、ぱん、と手を鳴らし、ざばっと湯船から立ち上がる。認識阻害の領域から数歩出て、少し声を張って言うには、
    薬師院 小夜子:「夕飯、だそうで」
    黒瀬 直:「……食事か」
    GM:「ええ。……お酒は、どうします?」
    薬師院 小夜子:「ええ。……お酒は、どうします?」
    黒瀬 直:「私は不要だ」
    黒瀬 直:「あまり腹も減っていないしな」
    黒瀬 直:立ち上がる。ゆっくりと、惜しむように。
    黒瀬 直:(仕事の再開……再開と思ったか)
    黒瀬 直:僅かに笑みを浮かべながら、温泉を後にした。
    GM: 
    GM:ロイスの取得、調達が可能です。がっつり人間関係は進んでくれたんじゃないかな!
    興津和沙:応急手当
    興津和沙:1dx
    DoubleCross : (1R10[10]) → 3[3] → 3

    興津和沙:残念
    GM:一個もう有るよ!
    興津和沙:もっとほしい!!
    GM:よくばり!
    春日 雪:ロイスは保留、なんか欲しいものがある人いますか!
    春日 雪:あ、それとですね。
    春日 雪:ユニークコードでダイス+2されております。
    興津和沙:同行者/黒瀬直/親近感○/不安
    緒環 伸:姫に○親近感/不安で取得!
    興津和沙:振りたし
    興津和沙:2dx
    DoubleCross : (2R10[10]) → 7[3,7] → 7

    興津和沙:ダメ
    興津和沙:同行者/春日雪/庇護○/心配
    緒環 伸:あと雪ちゃんへの感情を○慈愛/脅威に変更します。
    興津和沙:同行者/緒環伸/信頼○/罪悪感
    興津和沙:以上で
    緒環 伸:調達はどうしようかな。なんか射撃武器を念のため持ってようかな
    黒瀬 直:幼子:興津和紗/P尊敬〇:N罪悪感 副支部長:春日雪/P庇護〇:N心配 に感情変更
    緒環 伸:ショットガンで
    緒環 伸:6dx+3=>11
    DoubleCross : (6R10+3[10]>=11) → 10[5,5,6,8,10,10]+10[3,10]+1[1]+3 → 24 → 成功

    春日 雪:ロイス取得はなし、緒環さんへのロイスを「■自愛/疎外感」、直さんへのロイスを「■幸福感/恥辱」、和沙さんへのロイスを「■尽力/憤懣」へ偏光。
    緒環 伸:わお 装備します。以上!
    黒瀬 直:同行者:緒環伸/P連帯感〇:N疎外感 で取得
    春日 雪:特に欲しいものがなさそうなら、黒瀬さんか姫用のブルーゲイルを狙います。
    黒瀬 直:2dx+1>=20 ブルーゲイルを購入
    DoubleCross : (2R10+1[10]>=20) → 10[7,10]+7[7]+1 → 18 → 失敗

    GM:惜しい
    黒瀬 直:財産点を2使用。購入成功して以上!
    春日 雪:9dx+4>=20
    DoubleCross : (9R10+4[10]>=20) → 8[1,2,5,6,6,6,6,8,8]+4 → 12 → 失敗

    春日 雪:おごーッ。財産点8を入れて購入!残り10点!
    春日 雪:黒瀬さん、どうぞ。
    黒瀬 直:もうあるぜ
    黒瀬 直:姫にあげて
    春日 雪:おっとしまった。
    春日 雪:というわけで姫、どうぞ(献上品)
    興津和沙:ありがとー!
    GM:では!

    ミドル3:おやすみなさいませ


    GM:ではこのシーンですが。はい、タイトルの通りのわくわく就寝タイムです。
    黒瀬直:わくわく
    興津和沙:寝るぜ!
    GM:修学旅行の夜のように〝お前誰が好きなんだよ〟とか、自由にお話しをしましょう……という所ですが、たぶんもう十分に温泉でもお話はお済みでしょうので。
    春日 雪:おやすめー。
    緒環 伸:めー
    GM:そこではシチュエーション的にしづらかった、という会話があればやっていただこうくらいのライトパート。故、任意登場とします
    GM:シーンプレイヤーは、そうだな
    黒瀬 直:めー
    GM:黒瀬さんが侵蝕一番低いので黒瀬さん、後は任意登場!
    黒瀬 直:黒瀬直の侵蝕率を+7(1d10->7)した(侵蝕率:41->48)
    興津和沙:出!
    興津和沙:1d10+57
    DoubleCross : (1D10+57) → 1[1]+57 → 58

    興津和沙:むう…!!
    春日 雪:出ましょう!さくっとお話をする!
    春日 雪:1d10+62
    DoubleCross : (1D10+62) → 4[4]+62 → 66

    春日 雪:侵蝕格差強ない?
    緒環 伸:出る!
    緒環 伸:緒環 伸の侵蝕率を+7(1d10->7)した(侵蝕率:58->65)
    緒環 伸:たかい
    GM: 
    GM:夕食が終わり、その後ものんびりとした時間が過ぎました。
    GM:人によっては温泉二週目とか行ったかも知れないし、ゲームコーナーやら何やら満喫したかも知れない。
    GM:まぁ一応は形ばかり任務となってるので、就寝前に一度、大部屋に集まった訳なのだが、
    GM:ぶっちゃけこの大部屋で布団を敷いてみんなでお休みなさいしても構わない。それくらいの熱量だ。
    GM:実際、既に真っ直ぐ座れずに横になっている奴もいる。
    薬師院 小夜子:「……天国……ここ……天国……」
    興津和沙:「ご飯、美味しかったー」
    薬師院 小夜子:「私もうここに住む……」
    黒瀬 直:「ふむ」
    薬師院 小夜子:布団の上にぺたんと横になっている。酒が回っているのか顔はわりと赤い。
    興津和沙:「いや、お家に帰るまでが遠足ですからね」
    興津和沙:「じゃねえ、任務!遠足じゃなくて任務っ」
    黒瀬 直:「それは少々よくないな」薬師院くんの傍にしゃがみ込んでいる。
    緒環 伸:「あはは、僕ぁ遠足気分で来たけどね」
    春日 雪:「本当……お仕事ということを忘れてしまいそうなくらい……」
    黒瀬 直:「……ううむ」
    黒瀬 直:「これは言うべきか否か」
    春日 雪:「……いけません。いけませんよ。わたし、今回の現場責任者なんですから……!」
    興津和沙:「どうしたんですか?」
    薬師院 小夜子:「……何かあるんです? 私、いま頭がふわっふわしてて良くわからねぇんですけど……」
    黒瀬 直:「なんか水を差すようだしなあ」
    緒環 伸:「酒飲みには少しくらい水を差してもいいんじゃん?」
    春日 雪:「気付いたこととかがあるなら、是非」
    黒瀬 直:「薬師院くん幸せそうだしなあ……」なでなで
    黒瀬 直:「まあいいか」
    薬師院 小夜子:「ぅにゃー……」猫の鳴き真似をしながら撫でられている。
    黒瀬 直:「薬師院くんは極楽と言ったが」
    興津和沙:「料理にマタタビ入ってましたっけ…?」
    黒瀬 直:「ヨモツヘグリって聞いたことあるか?」
    緒環 伸:「黄泉の国の食べ物だっけ」
    春日 雪:「……指摘、遅くありません?」
    黒瀬 直:「プロセルピナでも構わんなあ」
    薬師院 小夜子:「……………………いま、心臓のあたりがひゅってなった」
    黒瀬 直:「私は食べてないぞ」
    緒環 伸:「まあまあ、マヨイガって話もありますし。あれは食べてもオッケーなやつでしょ?」
    黒瀬 直:「こっそり処理して、持ってきた糧食に手出ししている」
    興津和沙:「どうなんですかね。」
    黒瀬 直:「うむ。食べている者と食べていない者。どちらも居ないといかんからなあ」
    緒環 伸:「対照実験するつもりだこの人」
    薬師院 小夜子:「対照実験……? 私は対照実験のキャットもといモルモット……?」
    興津和沙:「私達を勝手に比較実験の対象にしてやがるこの人」
    春日 雪:「マヨイガ、ですか。……魅乗お姉さまがお持ちの物件に、確かそういったものもありましたけど……」
    春日 雪:「……大抵の場合。出たら二度とたどり着けないとか、跡形もなく消えていた、とか。そういった結末ですね。こういったお話は」
    黒瀬 直:「どうなるんだろうな。この旅館」
    興津和沙:「最初に調査に来た人は」
    興津和沙:「ちゃんと戻ってこれてるんだよね?」
    薬師院 小夜子:「いやいやいや、怖えですよ。いきなり怖い話じゃないですかそ────ぶっ」青い顔して起き上がる。直後、その顔へ直撃する枕(11dx8+1)
    興津和沙:「温泉が混浴だってことまで把握してたっぽいし」
    興津和沙:「薬師院さん!」
    末柄 晴:「うむうむ、しかり。先遣隊は帰還済みでありますな」
    末柄 晴:枕を投げた張本人が悪びれる様子もなくやってきて、
    緒環 伸:「元気だねえ、修学旅行かよ」
    末柄 晴:「まぁ、彼らがここの飯を食ったとは思えぬであります。確かにまだヨモツヘグイの可能性は否定できませんが」
    興津和沙:「お泊りは?」
    末柄 晴:「なぁに。夜が明けてからでも、外へ出ようとしてみれば分かることでありますな、はっはっは」
    春日 雪:「もう、晴さんったら……。……いえ、まあ。ここから先は未知の領域、というのは事実ですが」
    末柄 晴:「良い保土ヶ谷と止め女、がどうしたのでありますか」
    興津和沙:「え?どういう意味?」
    薬師院 小夜子:「戸塚前では放さざりけりってか……おー、いて」鼻をさすりながら起き上がってくる
    薬師院 小夜子:「要は、〝先遣隊はここへ泊まったか?〟ってこったろ」
    興津和沙:「あ、弥次喜多!?」
    末柄 晴:「ああ、なるほど。言え、それはありませぬな、たしか。日帰りツアーの筈であります」
    興津和沙:「あ、じゃあ雪ちゃんの言う通りホントにこっからは未知なんだ。」
    緒環 伸:「はーん。じゃあ夜になったらなんか出てくる可能性もあるわけだ」手をでろんと前に垂らして。
    黒瀬 直:「全員同じ巣穴のモルモットだものな」
    緒環 伸:「……まあ、もう出てるっちゃ出てるけど……」
    興津和沙:黒子三たちの方に視線を移す
    緒環 伸:真っ黒の従業員を見ながら。
    モブ幽霊:「?」布団や枕を積み上げてバリケードを建設している
    興津和沙:「ああ、堂々と出られると対応に困るよね…」
    春日 雪:「雀のお宿ならぬ、幽霊のお宿。……いえ、従業員さんは普通、あそこまでお付き合いくださるものではないと思います」
    興津和沙:「あんたどんだけ本気で枕投げしてんだよっ」>末柄さん
    興津和沙:「陣地作りから初めちゃってるじゃねえかっ」
    緒環 伸:「修学旅行かよ」もう一度言う。
    末柄 晴:「なぁに、あの程度の壁など一撃で粉砕してみせるであります。《オーバーヒート:ハイアー・ザン・ハイアー》!」無駄に本気である
    黒瀬 直:「過剰だよな。サービスも遊びも」
    薬師院 小夜子:「……さて。あのメンタル中学生男子は放っておいて」
    薬師院 小夜子:「まぁ、つまり、なんです。今の所の調査結果を纏めると」
    薬師院 小夜子:「〝まだ有害とは言い切れないが、目立った被害は出ていない〟」
    薬師院 小夜子:「……くらいでいいですかね?」
    興津和沙:「そうですねー。」
    黒瀬 直:「うむ」
    緒環 伸:「そんな感じだよね。あー、僕ももうちょい確認したくなったな」
    興津和沙:「強いて言うなら、たまに遊びの魅力に耐えられなくなる」
    緒環 伸:「またゲームコーナー行ってもいい?」
    興津和沙:「こんな感じで」
    興津和沙:緒環さんを指差す
    春日 雪:「もう……」
    緒環 伸:「いや、だって今やれないパズルゲーが……」
    春日 雪:苦笑いを浮かべて。
    春日 雪:「……部屋の鍵、11時には閉めますからね?」
    黒瀬 直:「問題の無い場であれば再び来れよう」
    緒環 伸:「門限アリかー。中学生ぶりだな」
    興津和沙:「じゃあ、雪ちゃん、私がちゃんと門限には帰るように見張っとくから」
    興津和沙:「緒環さん、対戦しようよ」
    興津和沙:なんだかんだでオキツモ遊びたい
    春日 雪:「ふふ、和沙さんが付いていてくださるなら、わたしも安心です」
    緒環 伸:「おっ、いいの? おじさん手強いよー」嬉しそうにする。
    黒瀬 直:「………」
    黒瀬 直:「いや本当に大丈夫かなあれ……」
    興津和沙:「私だってぷよぷよと超強いからね、負けないよー」
    GM:では、その時だ──
    GM:この判定は特に進行に関して大きな影響を与えない。なので、エフェクトを用いてまで成功させる必要は無いだろう。
    GM:全員、〈知覚〉による判定。難易度は12だ。
    GM:2dx 末柄
    DoubleCross : (2R10[10]) → 10[5,10]+8[8] → 18

    黒瀬 直:でも使っちゃう
    黒瀬直:《砂の加護》を使用。侵食+3してダイス+6
    興津和沙:こいつ
    GM:1dx 薬師院
    DoubleCross : (1R10[10]) → 10[10]+3[3] → 13

    黒瀬 直:黒瀬直の侵蝕率を+3した(侵蝕率:48->51)
    興津和沙:2dx=>12
    DoubleCross : (2R10[10]>=12) → 6[1,6] → 6 → 失敗

    春日 雪:2dx>=12
    DoubleCross : (2R10[10]>=12) → 3[1,3] → 3 → 失敗

    興津和沙:チクショー!
    緒環 伸:5dx=>12
    DoubleCross : (5R10[10]>=12) → 6[2,3,4,4,6] → 6 → 失敗

    黒瀬 直:10dx>=12
    DoubleCross : (10R10[10]>=12) → 9[1,3,4,5,6,6,7,8,8,9] → 9 → 失敗

    緒環 伸:ぬおー
    黒瀬 直:だめ!
    春日 雪:我々は駄目だった!
    興津和沙:NPCだけ成功してるwwww
    GM:まさかの
    GM:なんで枕投げしてる阿呆が一番達成値だすんだよ……
    GM:では
    緒環 伸:ww
    GM:あなた達はそれぞれに、部屋へ戻るなり遊びに出ようとするなり動き始める。
    GM:その時だ。
    末柄 晴:「む」足下を見る
    薬師院 小夜子:「ん?」視線を虚空へ飛ばす
    GM:ほぼ同タイミング。二人ばかり、何かを探すような顔をして──
    GM:だが、その視線は直ぐに元へ戻る。
    GM:〝気のせいか〟というような顔をして。
    春日 雪:「……?どうかされましたか……?」
    興津和沙:「私ねー!最高8連鎖したことあるんだよ、8連鎖!すごいでしょ!」
    興津和沙:全く気づいていない
    末柄 晴:「いえ、特に何も。床の軋みか何かでありましょ──ぶはっ」後頭部に枕が直撃!
    春日 雪:「ゲームセットじゃなかったんですか!?」
    緒環 伸:「そりゃすごいな。手応えありそうだ。こわいねー」
    末柄 晴:「おのれ猪口才な! 柱の強度を慮って封印していた全身全霊、解き放ってみせようか!」
    薬師院 小夜子:「あー、もー。修学旅行テンションの奴は元気だねぇ」
    薬師院 小夜子:と、こちらも〝気のせい〟を払うように首を振り──その挙動で部屋を一通り見渡して
    興津和沙:「負けないからねーっ」
    緒環 伸:「……ここまで本気出さんでもいいからね、興津さん」
    薬師院 小夜子:「…………」
    薬師院 小夜子:「……黒瀬さん、ちょっとだけいいです?」
    黒瀬 直:「夢心地を醒ましてしまってすまんな、薬師院くん」
    黒瀬 直:「とはいえ、効果はあったかな」
    薬師院 小夜子:と。誰も、こちらに意識を向けていないのを確認して、少しばかり近づき。
    薬師院 小夜子:「いやまぁ、酔いは醒めましたね。あのままふわふわしてるのも良かったんですが」
    薬師院 小夜子:「……あんまり酔っ払ったまんまでも、言葉の重みが無くなっちまう」
    薬師院 小夜子:「黒瀬さん」改めて、名を呼ぶ
    黒瀬 直:「うむ」
    薬師院 小夜子:「近くに居たから、和沙ちゃんと話してるのも少しは聞こえてました」
    薬師院 小夜子:「空を見上げてるのも、見てました」
    薬師院 小夜子:「〝目移りしてしまいそう〟なんて言ってたのも、聞いてました」
    黒瀬 直:「混ざってくれても良かったのだがね」
    薬師院 小夜子:「はは、タイミングが見つけられませんでね。……どうも私は、そういう時の押し出しが弱いんだ」
    黒瀬 直:「寂しい思いをさせたかな?」
    薬師院 小夜子:「ついつい、端から眺めちまう。賢そうな顔をして、年上ぶってね。指を咥えて見てるのは得意技で……」
    薬師院 小夜子:「……まぁ、仰る通り。寂しい思いをしてきた訳なんですよ」
    薬師院 小夜子:「そろそろ、どっかで腹を括らないと、一生このままだろうって思いましてね」
    黒瀬 直:「そうか」
    薬師院 小夜子:「……私は」
    薬師院 小夜子:「ひとつだけの月に、なれますか?」
    黒瀬 直:「………」
    薬師院 小夜子:「酔っては、いるかも知れません。けれど、それでも」
    薬師院 小夜子:「自分の言葉を間違えるほど、溺れちゃいないつもりです」
    黒瀬 直:「そうか」
    黒瀬 直:「では、しっかりと受け止めろよ」
    薬師院 小夜子:「……ええ」
    黒瀬 直:「小夜子くん」がしりと両肩を掴む。
    黒瀬 直:自分より少し背の高い彼女を、まっすぐに見上げる。
    薬師院 小夜子:「はい」少しだけ背が高い。骨格は幾分か華奢か。
    薬師院 小夜子:たじろぎそうになる足を押しとどめて、見返す。
    黒瀬 直:「なれるかどうかなど、私は分からん。まだ知らん」
    黒瀬 直:「だがなろうとするならば、だ」
    黒瀬 直:「惑星になれ。引き寄せてみろ」
    黒瀬 直:「離れられんように、な」耳元で囁く。
    薬師院 小夜子:「……普段、妙に子供っぽいとこを見せたりするくせに」
    薬師院 小夜子:「こういう時の答えに限って完璧なの……ずるいんじゃないですか……?」
    薬師院 小夜子:はは、と。軽い、喉に詰まったような笑い声。
    黒瀬 直:「なに、惚れた弱みと言うのだろう」
    黒瀬 直:「生憎、つけこむのは大得意でな」
    黒瀬 直:「強くなってから出直してもいいぞ。何回でも受けて立つ」
    薬師院 小夜子:「諦めさせてもくれなきゃぁ、他の逃げ道も断ってくれて」
    薬師院 小夜子:「ったく……大した狙撃手ですよ、黒瀬さんは」
    黒瀬 直:「お褒めにあずかり光栄の至り」
    黒瀬 直:「なのでこれは敢闘賞だ」
    黒瀬 直:手を取り、軽い口づけを与える。
    薬師院 小夜子:口付けられた手を引く。少しだけ足を引いて、囁く距離ではなく、ただ言葉を交わす距離に。
    薬師院 小夜子:「ははっ……あー、もー。らしくもねえ事しちゃったもんだ。今更恥ずかしくなってきた」
    薬師院 小夜子:「けど、ありがとうございます」
    黒瀬 直:「おう」
    薬師院 小夜子:「諦めはつかねえし、欲しかったもんにもまだまだ遠いんでしょうが」
    薬師院 小夜子:「少なくとも。もし明日死ぬ羽目になっても、心残りがひとつ減りました」
    黒瀬 直:「ああ。好きにするがいい」
    黒瀬 直:「私は、好きにさせてやる」
    薬師院 小夜子:「この稼業にゃ、何よりのプレゼントですよ」普段通りの気障な口調と笑みで、触れられた手の甲に、
    薬師院 小夜子:見えもしない唇の痕にキスをして、踵を返す。
    薬師院 小夜子:「また、ちょっくら風呂でも入ってきます。就寝時間までには戻りますんで、鍵は掛けないどいてください」
    黒瀬 直:「うむ。ゆっくりしてくると良い」背中合わせに言葉を送る。
    薬師院 小夜子:「かなりゆっくりしてきますよ、なにせ──」
    薬師院 小夜子:「女の子の初恋で初失恋だ。立ち直るにゃあ時間がかかる」
    薬師院 小夜子:けけっ、と軽く自分の言葉を笑い飛ばして──
    薬師院 小夜子:襖を閉じた。
    GM: 
    GM:ロイス&購入が可能!
    春日 雪:ロイス保留!購入は自分は特に必要ないですが、欲しいものがあれば買う!
    緒環 伸:ロイスはなし。購入はブルーゲイル!
    興津和沙:じゃあ、強化素材!
    興津和沙:1dx
    DoubleCross : (1R10[10]) → 5[5] → 5

    緒環 伸:手配師(ストーン)を使用します。
    興津和沙:ダメダメ!
    緒環 伸:7dx+4=>20
    DoubleCross : (7R10+4[10]>=20) → 9[1,2,2,4,5,8,9]+4 → 13 → 失敗

    緒環 伸:あ、これは買える。
    緒環 伸:財産点7点払って購入します。残り6点!
    黒瀬 直:星:薬師院小夜子/P好意〇:Nただの好意 で取得
    黒瀬 直:2dx+1>=10 購入はホローポイント弾
    DoubleCross : (2R10+1[10]>=10) → 7[4,7]+1 → 8 → 失敗

    黒瀬 直:財産点2使って成功。残り1で以上。
    春日 雪:では、興津さん用に強化素材を狙ってみましょう。
    春日 雪:7dx+4>=15
    DoubleCross : (7R10+4[10]>=15) → 10[2,4,6,7,8,10,10]+8[6,8]+4 → 22 → 成功

    春日 雪:OK、どうぞお納めください。(献上品ふたつめ)
    興津和沙:きゃっきゃっ
    興津和沙:あざっす!
    GM:以上っぽいな!

    マスターシーン1

    たける様 かつみ様
    今日より日記をつけることとしました。
    けれども今まで文章なんて、お手紙しか書いたことが無かったものですから、
    日記までこうしてお手紙のように、あなた達へ呼びかけるものになってしまいます。
    ふたりとも無病息災でいらっしゃるでしょうか。そうであれと願っております。
    私もふたりで、お帰りをお待ちしております。
    昭和二十年 一月一日

    たける様 かつみ様
    東京に行きたくないと、昔、たける様は言いました。この田舎の山村が身の丈に合うと。
    もし私が少女期の気まぐれに、街の灯りの中に生きたいと我が儘を申していたら、私とこの子は生きていませんでしたでしょう。
    先日、東京がひどいことになりました。
    新聞の紙面は勇ましいことが書かれておりますが、どうしても不安はあります。
    おふたりはご無事でいらっしゃるでしょうか。寒かったり、熱かったり、お腹を空かせてなどいないでしょうか。
    お帰りをお待ちしております。
    昭和二十年 三月十二日

    たける様 かつみ様
    この頃は、とみにじめっとした感じの、いやな空気でいっぱいです。
    もしかしたら私の体のせいかも知れません。腕は前より細くなったのに、お腹ばかり丸くなりましたから。
    あとひと月か、ふた月か。叶うならそれまでに、おふたりが帰って来られますように。
    ふたりで、心から、お帰りをお待ちしております。
    昭和二十年 六月一日

    たける様 かつみ様
    助けてください
    昭和二十年 七月二十一日


    ミドル4:おかえりなさいませ


    GM:全員登場です
    春日 雪:1d10+66
    DoubleCross : (1D10+66) → 6[6]+66 → 72

    黒瀬直:黒瀬直の侵蝕率を+3(1d10->3)した(侵蝕率:51->54)
    緒環 伸:緒環 伸の侵蝕率を+1(1d10->1)した(侵蝕率:65->66)
    興津和沙:1d10+58
    DoubleCross : (1D10+58) → 10[10]+58 → 68

    緒環 伸:いきなり落ち着いたな

    GM:──朝になった。
    GM:夜の間、あなた達がどのような言葉を交わしどのように過ごしたか。それは此処で語られるものではない。
    GM:だが、保証はしよう。
    GM:あなた達は何一つ不自由なく朝を迎えた。
    GM:寒さを感じることは無かった。
    GM:暑さを感じることも無かった。
    GM:餓えを感じることも、決して有り得ない。
    GM:幸福で、穏やかな、宿の夜が過ぎて、朝になった。
    GM: 
    GM:情報収集パートです
    GM:項目はひとつ。
    【でられない】 目標値12 《意志》

    興津和沙:で、できらあ!!
    黒瀬直:いったれ!
    GM:ふふふ
    GM:いいのかな?
    黒瀬直:なっ
    GM:この情報の次に……何かが出ないとは言っていない……!
    春日 雪:まあそうなったらね、こっちで支援飛ばしますので。
    緒環 伸:じゃあチャレンジする人に支援しますか?
    緒環 伸:頭数ひとり減るのが難
    興津和沙:チャレンジしたみ!
    黒瀬直:いけいけゴーゴー!
    緒環 伸:オッケイ!
    春日 雪:ヤッチマイナー!
    緒環 伸:では姫《導きの華》を。達成値+14。侵蝕4上昇します。
    興津和沙:強すぎる
    緒環 伸:緒環 伸の侵蝕率を+4した(侵蝕率:66->70)
    興津和沙:ではありがたく頂戴して…!!
    興津和沙:うおおお!!緒環さんとのパズルゲー修行の成果を見せる時は今!!
    興津和沙:2dx+1+14
    DoubleCross : (2R10+1+14[10]) → 8[7,8]+15 → 23

    興津和沙:支援がなければ死んでいた…!!
    緒環 伸:ナイス!
    GM:やるねぇ
    GM:では
    【でられない】
    最初にあなたが気付いた。何か、建物の周囲を調べようとしていたのかも知れない。
    正面の玄関を出て、雪道を麓の方へと歩いてみる。気付くとあなたは旅館の玄関に立っている。
    飛ぶ? 土を掘る? 何をしてもいい。結果は同じだ。
    旅館から離れようとする度、あなたは元の位置に戻される。
    ……オルクス能力の領域操作に近い感覚だ。

    外部との通信は可能だ。援軍を呼ぶことさえ出来るだろう。……到着するかどうかは別の問題として。

    GM:もうひとつの情報項目にチャレンジできるようになりました。このシーン内の情報はこれで全てです。
    【石積みの墓】 目標値9 任意の《情報:》or《知覚》

    興津和沙:わお
    春日 雪:では、こちらはいただきましょうか。
    緒環 伸:もう僕には応援しかできない
    緒環 伸:がんばれーがんばれー
    黒瀬直:がんばれー
    春日 雪:というわけで、情報:UGNで。
    春日 雪:コネも使って…
    春日 雪:9dx+2>=9
    DoubleCross : (9R10+2[10]>=9) → 10[2,2,4,5,6,7,7,8,10]+8[8]+2 → 20 → 成功

    緒環 伸:すごいぜ!
    GM:強いな……
    春日 雪:成功。
    春日 雪:ふへへ…。
    黒瀬直:さすが雪ちゃん
    GM:このパーティー相手ならもっと一連の情報が難しくても良かったかな!
    GM:では開示
    【石積みの墓】
    探索範囲を、元の位置に戻されるギリギリにまで拡げた。
    恐らくこの空間は、温泉旅館を中心とした、半径数百mの球状の領域だ。
    その北端、旅館の裏手に一本の桜の樹があった。
    木の前には石積みの墓のようなものがあり、〝鼠の意匠のブレスレット〟が投げ捨てるように備えられていた。

    GM:では、情報共有ロールをしていただきたく思いますが、そうですね
    GM:休憩スペースとかでみんなでくつろいでる所に、異変に気付いた姫が情報を持ち込むAパートと
    GM:雪ちゃんがお墓を見つけてそこへ皆をつれていくBパートに分けるといいかな、と思います
    春日 雪:了解デース!
    興津和沙:はーい
    緒環 伸:あ、支援した分姫と一緒にいたりしてもいいですか……?
    GM:ふむ、良いでしょう
    GM:面白さ第一
    緒環 伸:わーい 特に何するとかはないですが
    興津和沙:いえーい
    春日 雪:じゃあそんなふたりを待つぜ!
    GM:では
    GM:休憩スペースだ!
    GM:たぶんみんな、本を読んだりマッサージチェアを使ったりゲームをしたり何もしてなかったりしている!
    春日 雪:「……朝の散歩にしては、遅いですね。近くに見るべき景色も、特になかったように思うんですが……」
    黒瀬直:小夜子くんがこの前読んでいた少女漫画を読んでいる。
    末柄 晴:「ふっふっふ、もうお前の手の内は分かっているであります。このタイミング、このフレームならばお前は上がる事ができない……!」
    春日 雪:「……あ、いえ。もちろん、宿から見える景色は素晴らしいですけれど。「わあ」と驚くのでなく、落ち着く光景という意味で」
    春日 雪:暖かい緑茶の入った椀を手に、ぼうっと窓ガラスの外を見ている。
    黒瀬直:「そうだね。別段変わるものでもない」
    薬師院 小夜子:言えない。〝フォースがかわいそうで途中で読むの止めてしまった〟とか言えない。
    興津和沙:ではそこにかなり動揺した様子の興津が入ってきます。
    興津和沙:本当は走ってきたいぐらいだったけどかなえちゃんに廊下は走らないほうがいいよ、と注意した手前走れなかった!
    興津和沙:「た、大変だ!」
    緒環 伸:後ろから、こちらもにやけた顔を少し緊張させて続く。
    春日 雪:「あ、おかえりなさい、和沙さん。……と、緒環さんも?」
    興津和沙:「出られない!」
    春日 雪:「……………………」
    春日 雪:「はい?」
    緒環 伸:「うん、散歩してたらたまたま行き会ったんだけど……」
    緒環 伸:「そういうわけだ」
    興津和沙:「昨日のパズルゲーの感想戦しながら歩いてたんだけど」
    興津和沙:「この旅館からある程度以上、離れられない。」
    興津和沙:「いつの間にか戻ってきちゃう!」
    薬師院 小夜子:「出られない……って、ん? ……柵とか壁とか、そういうニュアンスじゃなくて──」
    緒環 伸:「あちこち試したんだけどねえ」
    興津和沙:「あのさ、ドラクエあるじゃん」
    興津和沙:「ドラクエの海のマップあるじゃん」
    春日 雪:「ははあ」
    春日 雪:イマイチピンときていない貌で、小首をかしげる。
    興津和沙:「あれ、ずっと北にいってたらなんかいつのまにか南に行ってるじゃん」
    興津和沙:「あんな感じ」
    黒瀬直:「メビウスの輪かな」
    興津和沙:「そう、ループしてんの!じゃねえ、してるんですよ」
    黒瀬直:「端と端を繋げれば、果てはなくなる」
    黒瀬直:「問題はだれがどのように、どこまでやっているかだな」
    春日 雪:なるほど、と。頷きながら、指で空中に八の字を描く。
    緒環 伸:「僕の感想を言わせてもらうなら……なんとなく馴染みがある感覚があった」
    緒環 伸:「オルクスの能力に近い感じ、かなと」
    興津和沙:「一応電波は通じるけど」
    興津和沙:「私達は外に出られないわけだから」
    興津和沙:「応援呼んでも、応援が中に入ってこれるかって言うと」
    春日 雪:「呼び込んだとしても、良くて辿る道は同じ……悪ければ」
    薬師院 小夜子:「……お仲間が増える、ってかい……?」
    薬師院 小夜子:冷や汗だらだら
    春日 雪:「ええ。そして、最悪そのまま行方不明、ということにもなりかねません」
    黒瀬直:「では再び、境界を攻めてみようか」
    春日 雪:「……和沙さん。緒環さん。どの程度離れれば戻されてしまったか、感覚で良いので教えてください」
    春日 雪:「各位、手分けして……そうですね。まずは東西南北。次いで45度ずらして」
    興津和沙:「……」
    興津和沙:「300、いや、400mぐらい?」
    緒環 伸:「とりあえず麓への道はそんな感じだったかな」
    興津和沙:緒環さんの顔を見る
    緒環 伸:「他の方角はまだなんとも」
    春日 雪:「わかりました。では、その辺りの距離を目安に。幸い、敵対的な存在はまだ確認されていませんが」
    春日 雪:「各位、十分にご注意を。……何か見つけたら。何かと遭遇したら、まずは連絡を」
    春日 雪:「いいですね」
    黒瀬直:「うむ」
    興津和沙:「了解」
    春日 雪:すぅっ、と目を細めて、極めて事務的な声で。そう告げる。
    緒環 伸:「あいよっ」

    GM:──それからあなた達は、探索を行った。
    GM:歩き回り、探し回り。境界とおぼしき地点で、或いは石を投げたりもしただろうか。
    GM:その果てに分かったことは、
    GM:〝出口など無い〟ということだ。
    GM:そして──
    春日 雪:『北端、旅館の裏手。境界線近くに集合されたし』
    春日 雪:そんなメッセージを一斉送信して、しばらく。
    春日 雪:「…………」
    春日 雪:体の後ろで指を組んで。桜の木を、その根元をぼんやりと見ている。
    興津和沙:数分ほどして指示があった場所にやってきます。
    黒瀬直:「待たせたね」
    緒環 伸:こちらも、白い息を吐きながら現れる。
    興津和沙:走ってきたのか呼吸が荒い。頬も赤く染まっている
    春日 雪:「いえ、そんなに待っていませんよ。……早速ですが、こちらを」
    興津和沙:「これは?」
    緒環 伸:「何か見つかった?」
    春日 雪:枝に雪を積もらせた桜の木と、その下。粗末とさえ言える墓石と、そこに備えられているものを示す。
    黒瀬直:「腕飾り……拵えてあるのは鼠の意匠か」
    春日 雪:「……お墓、でしょうか。どなたが葬られているか。お参りする人はいるのか。……いえ」
    春日 雪:黒瀬さんの言葉に、頷いて。
    春日 雪:「どなたかが、かつてここに来ていたのは間違いありません。……お供えとしては、少し乱暴すぎるような気もしますが」
    緒環 伸:「形見かなんかなのかね」覗き込む。
    興津和沙:「……」
    春日 雪:「……鼠。これだけで結びつけること、これもまた乱暴かもしれません」
    春日 雪:「けれど、どうしても。繋がりを感じずにはいられない。わたしは、そう思います」
    黒瀬直:「ラット。ラッツ・アートか」
    興津和沙:「ラッツ・アート」
    黒瀬直:「急に足取りが取れなくなったセル、だな」
    緒環 伸:「例のセルの何かがやっぱり関わってるってことかね」
    春日 雪:「はい。彼らに、ここで何があったのか。彼らが、ここで何をしたのか」
    興津和沙:「急に足取りが取れなくなったってだけなら」
    興津和沙:「私達と同じかもね」
    緒環 伸:「閉じ込められちゃった、ってか」
    春日 雪:「……あるいは、その通りかもしれません。ですが、わたしたちは、同じ轍を踏むことはできません」
    春日 雪:「ここから帰り、そしてやるべきことは、まだまだ沢山あります」d
    春日 雪:「……生きて帰るまでが任務です」
    緒環 伸:「そりゃそうだ。骨休めは十分したしね」
    興津和沙:「問題は、これから何をするか、だね。」
    興津和沙:「えっとちなみに」
    興津和沙:「黒瀬さんもやっぱり出られない感じですか?」
    黒瀬直:「私をなんだと思っているのかね」
    興津和沙:「こっちのご飯、食べてなかったから」
    薬師院 小夜子:「くくっ……」笑いを堪えて顔を背ける
    黒瀬直:「ああ、そういうことか」
    黒瀬直:「そうだな。私なりにいくつか試してみたが効果は無かったよ」
    薬師院 小夜子:「上はどうでした?」と、空を指差しながら
    春日 雪:「いくつか。……いくつか?」
    黒瀬直:「上も下も苔むしたアプローチも駄目だな」
    黒瀬直:「なので次は中央を探そうかとも思っている」
    興津和沙:「旅館自体を、ってことですか。」
    黒瀬直:「あるいは発生源だな」
    黒瀬直:「このように」墓を示して
    黒瀬直:「果てが一定の距離にあるならば、その中心が発生源と見るのが道理だ」
    緒環 伸:「まあ、理には適ってるわな」
    春日 雪:「……いい線かもしれません。そして、発生源となると、どうしても無視できない要素があります」
    興津和沙:「それは?」
    春日 雪:「ひとつは、場所。……横も上も下もダメとなると、中心、というのは確かに、理に適った話です」
    春日 雪:人差し指を立てる。
    春日 雪:「もうひとつは、人。……今回の場合、厳密には「人」と呼ばれるものではありませんが」
    春日 雪:「わたしたちは、そういった存在を、既に仲間として迎え入れています。この世界の、新たな隣人(ネイバー)として」
    春日 雪:親指を立てる。
    興津和沙:「かなえちゃん、か」
    興津和沙:「そうだね、わからないことは人に聞いてみるのが一番早いしね」
    ???:「……いいえ」
    ???:「いいえ、いいえ」
    春日 雪:「……あら」
    ???:──声が、寒風に乗って届く。
    ???:「私は最初に言いました」
    ???:「……〝おかえりくださいませ〟って」
    ???:「でもあなた達は帰らなかった、だから」
    黒瀬直:「確かに聞いたな。忠告だったかね?」
    かなえ:「私にしてあげられることはもう、ひとつだけ」
    興津和沙:「間違えたっていったくせに…!!」
    緒環 伸:「あれ、間違いじゃなかったわけか」
    かなえ:「みなさんを少しでも苦しまず、楽しいままに……過ごしていただくことだけです」
    かなえ:「……ごめんなさい」
    興津和沙:「……」
    春日 雪:「謝らないで。……謝らなければならないのは、きっとわたしたちです」
    興津和沙:「でも、最初は帰そうとしてくれたんだよね?」
    興津和沙:「なんで、そうしようとしてくれたの?」
    かなえ:「……だって、あなた達は」
    GM:ひゅう。
    GM:風が吹く。
    GM:冬だと言うのに生暖かい、
    GM:血の香りを孕んだ風が吹く。
    GM:雪の朝、立ちこめる霧を運んだ風が、かなえの姿を包み隠していく。
    かなえ:「あなた達は、おかあさんの待ってる人じゃないから──」
    興津和沙:「…どういうこと?」
    かなえ:霧の中、少女は笑顔のままに首を振る。……応接用の、良く出来た笑顔。
    かなえ:僅かにそれが陰るのを、霧の中であなたは見るのだろう。
    かなえ:「……私は、城樹のお宿で待っています。あそこなら、あなた達が苦しむことはない」
    かなえ:「食べ物も、遊ぶものも、なんだって。欲しいものは全部、」
    かなえ:「おかあさんが、用意してくれます」
    緒環 伸:「…………」
    興津和沙:「…おかあさんが待ってる人じゃないのに、そんなにもてなしてくれるんだ。」
    緒環 伸:「僕が会いたい人も?」
    かなえ:「……おかあさんに言えば、たぶん」
    かなえ:「〝そっくり〟なものを、持ってきてくれます」
    緒環 伸:「それじゃ意味がない」
    かなえ:「……うん」
    緒環 伸:「……意味がないんだよな。苦しくなるだけだよ」
    かなえ:「分かってます」
    緒環 伸:微かに苦く笑って。
    かなえ:「知ってます」
    かなえ:「でも」
    GM:ひゅう。
    GM:風が吹く。
    GM:冬だと言うのに暖かな、
    春日 雪:「……ごめんなさい。わたしたちは、これから」
    GM:暖炉の火のような風が吹く。
    春日 雪:「あなたのご厚意を、無碍にします。……還らなければ、なりませんから」
    亡霊:「──おかえりなさいませ」
    亡霊:風の中に、霧の中に。黒い影が浮いている。
    亡霊:それは、旅館にひしめく意志なきレネゲイドビーイング達に似ているかも知れないが、
    亡霊:「おかえりなさいませ……どうか心ゆくまで、お休みください」
    亡霊:「どうか、どうか」
    亡霊:「満ち足りたその後も、お休みください」
    亡霊:矢継ぎ早に、誰を見るとも無く発せられる言葉は、
    亡霊:意志──ではない。妄念を感じさせる、おぞましい声音である。
    黒瀬直:「すまんが踏みにじらせてもらうとも」
    黒瀬直:「きみらは往路の石畳だ」
    亡霊:「ずっとここに居てください」
    亡霊:「出ていかないで」「一緒にいて」「欲しいものがあれば用意します」「もう辛いことなんてないのですから」
    亡霊:意志の疎通は不可能。……この手の怪物をきっと、あなた達は幾度も見て来たのだろう。
    亡霊:「だから」
    興津和沙:「ごめんね。」
    興津和沙:「私は、お姫様だから」
    興津和沙:「その辛いこと、乗り越えてかなきゃいけないんだ」
    興津和沙:「お姫様は、そうしてハッピーエンドに近づいていくものだから」
    亡霊:その影はきっと、あなた達を見ていないのだろう。
    亡霊:あなた達の向こうにいる誰かだけを見て、歪み果てたのだろう。
    亡霊:だから。
    亡霊:「いかないで」
    亡霊:影は、こう言う。
    エンゲージ
    亡霊

    10m

    PC達

    GM:ミドル戦闘
    GM:勝利条件:1ラウンドの生存
    GM:1ラウンドの終了時点で、エネミーは戦闘を離脱。HPやエフェクト使用回数はクライマックスに持ち越されます。
    GM:つまり、ここで削ると後が楽だよ。
    春日 雪:わーい。
    興津和沙:上等だあ!
    緒環 伸:なるほどだ
    黒瀬直:削ったれ削ったれ
    GM:では
    GM:ラウンド1
    GM:セットアップ!
    黒瀬直:なし
    亡霊:無し!
    緒環 伸:なし
    春日 雪:ローラーブーツ起動、戦闘移動の距離を+5mします。
    興津和沙:なし!
    GM:OK、ではイニシアチブだが、たぶんみなイニシアチブエフェクトは無いね
    春日 雪:アッハイありません。
    緒環 伸:ないです
    GM:無いだろう
    亡霊:《加速する刻》
    黒瀬直:ないない
    黒瀬直:するな
    緒環 伸:ぐえー
    GM:俊敏な幽霊
    春日 雪:グワーッ
    亡霊:では、マイナー
    亡霊:《オリジン:レジェンド》5+《アーマークリエイト》9
    春日 雪:黒くて素早くて…頭文字がG(ゴースト)…!
    興津和沙:ふぁっきん!
    春日 雪:カタイ!
    亡霊:精神判定の達成値を+10し、装甲値23の防具を作成、装備します
    亡霊:メジャー、《雨粒の矢》
    亡霊:シーン選択なのでもちろん全員が対象だ
    亡霊:9dx+16 命中判定!
    DoubleCross : (9R10+16[10]) → 10[1,1,2,2,4,5,8,8,10]+1[1]+16 → 27

    興津和沙:ふぁっきん!!
    春日 雪:おのれ固定値!
    春日 雪:こちらはドッジを試みます。武器はないので。
    緒環 伸:ドッジするしかないぜ
    黒瀬直:2dx>=27 ドッジ!
    DoubleCross : (2R10[10]>=27) → 10[2,10]+2[2] → 12 → 失敗

    春日 雪:2dx>=27
    DoubleCross : (2R10[10]>=27) → 6[4,6] → 6 → 失敗

    緒環 伸:2dx+1=>27
    DoubleCross : (2R10+1[10]>=27) → 10[6,10]+5[5]+1 → 16 → 失敗

    興津和沙:ドッジ!
    緒環 伸:まわったのに!!
    興津和沙:5dx+1
    DoubleCross : (5R10+1[10]) → 10[1,2,4,7,10]+2[2]+1 → 13

    興津和沙:あ
    興津和沙:残念!
    GM:ではダメージ
    亡霊
    亡霊:3d10+2
    DoubleCross : (3D10+2) → 20[10,1,9]+2 → 22

    GM:装甲は有効!
    黒瀬直:HP3で生存!
    緒環 伸:装甲8でダメージ14。HP10で生存です。
    春日 雪:装甲で7引いて被ダメージは15、HP9で生存!
    興津和沙:生存!!
    GM:ほう、全員生き延びた
    亡霊:「いかないで」
    亡霊:「もう良いのです」
    亡霊:「あなた達が戦う必要なんて、苦しむ必要なんて」
    亡霊:「私が全て取り払いますから──!」
    亡霊:雨が降る。
    亡霊:──それは上空にて、冬という季節を理由にできぬほどの冷気に晒され、凍結し
    亡霊:一粒一粒が小さな刃となって、あなた達の頭上に降り注ぐ!
    春日 雪:「……いえ。いいえ。それでも」
    黒瀬直:「足りんよ」瞬時に長盾を形成、降り注ぐ刃を受け止める。
    春日 雪:「その誘いは。その誘いだけは。受けるわけには、いかないんです」
    春日 雪:外套を貫き体を苛む冷たい雨に、苦痛は隠しきれずとも。きっぱりと口にする。
    緒環 伸:「……取り払われたら、困っちゃうよな」傷を負いながら、困ったように笑う。
    緒環 伸:「その誰かのために、僕は戦ってるんだから。今は」
    興津和沙:雪の刃がその身を引き裂いていく
    興津和沙:「うん、誰かが見てくれてるから、私は前を向いてないといけないんだっ!」
    GM:では、行動値順だ
    GM:緒環さん
    緒環 伸:はーい
    緒環 伸:マイナーはなし!
    緒環 伸:メジャー、コンボ『ラケシス、糸を計れ』。《導きの華》《光射す場所》《要の陣形》。侵蝕9上昇。
    緒環 伸:緒環 伸の侵蝕率を+9した(侵蝕率:70->79)
    緒環 伸:対象は自分、黒瀬さん、姫の三人。次のメジャーアクションの達成値が+19されます。
    興津和沙:ありがとう!!すごい!!
    黒瀬直:たすかる!
    緒環 伸:演出少しいきます。
    GM:ちくしょうつええな!
    GM:ゴー!
    緒環 伸:軽く目を細め、不可視の糸を視界に入れる。
    緒環 伸:突然の氷の刃で軽く揺れ動くその糸を、少しずつ制御し、落ち着け、手繰り寄せる。
    緒環 伸:敵と繋ぐ糸は強く。その他は弱く。整え、操る。
    緒環 伸:自分から延びる糸のひとつは、きっと、遠い場所にいる誰かとも繋がっているはずで……。
    緒環 伸:(だから僕はこの糸を)
    緒環 伸:(決して放すわけには、いかないんだ)
    緒環 伸:運命の糸が、思い通りに揺れる様を、"パペッティアー"は見つめる。
    GM:では、次。黒瀬さん
    黒瀬直:マイナーで戦闘移動。5m後退。
    黒瀬直:メジャーでコンボ【金光一閃】《ペネトレイト》《コンセントレイト:モルフェウス》。対象は亡霊。
    黒瀬直:《砂の加護》《砂塵霊》で侵蝕率6上がって60.ダイス上昇。
    黒瀬直:黒瀬直の侵蝕率を+6した(侵蝕率:54->60)
    GM:なんてキリの良さ……こいやぁ!
    GM:リアクションはガード固定なのでダメージまで!
    黒瀬直:11dx7+34
    DoubleCross : (11R10+34[7]) → 10[1,1,1,1,2,5,5,7,9,9,10]+10[1,3,5,7]+1[1]+34 → 55

    黒瀬直:回んねえ
    GM:そしてダメージの直前!
    春日 雪:固定値だけですげえや…
    亡霊:《ディスマントル》7
    興津和沙:なんじゃあ!?
    亡霊:ダメージ21点軽減しまーす♡
    緒環 伸:おのれー
    黒瀬直:さすがモルフェウス
    黒瀬直:オルクスなのでスーペリアルネットワークでダメージ+3、サイドリールで+1D
    黒瀬直:34+7d10
    DoubleCross : (34+7D10) → 34+46[9,8,7,8,5,1,8] → 80

    GM:わははは
    緒環 伸:うおー
    GM:80-21で59点通しですって
    黒瀬直:死んでくれる?
    興津和沙:えぐーい
    GM:けっこうがっつりとダメージ入ったな! まだ死なないけど!
    春日 雪:もはや呪殺レベル。
    GM:これ一発で死んでたまるか!!!!!
    GM:演出どうぞ!
    黒瀬直:刃に刻まれボロボロになった長盾を地面に突き刺し、蹴って後方へ飛ぶ。
    黒瀬直:「うむ。好いな」
    黒瀬直:亡霊を貫き徹す弓筋、いつにもましてよく見えて。
    黒瀬直:見ると同時、金の光がその道なぞる。
    亡霊:ぞうっ
    亡霊:眩き光が影を抉る。削ぎ取られ変形し、だがそれは直ぐにも集束し、終息し──
    亡霊:「か、ひっ」
    亡霊:「ひっ、ひ……ぃ、たっ……痛い、ぃいいぃ……」
    亡霊:人の声で、亡霊は呻く。
    亡霊:では、亡霊の手番──だが
    亡霊:亡霊は待機する。
    春日 雪:なん…だと…。
    亡霊:よってこのラウンド、最後に行動することになります
    GM:なので手番は姫だ!
    黒瀬直:なにが狙いじゃ……
    興津和沙:野郎…!!
    興津和沙:マイナーで移動!接敵!!
    興津和沙:メジャーで〈コンセ:ブラックドッグ>+〈爪剣〉+〈アタックプログラム〉
    GM:さあダメージまで来いやぁ!
    興津和沙:9dx7+12+19
    DoubleCross : (9R10+12+19[7]) → 10[2,2,6,7,7,9,9,10,10]+10[1,2,2,4,6,9]+10[10]+10[8]+6[6]+31 → 77

    興津和沙:だりゃあ!!
    興津和沙:8d10+35
    DoubleCross : (8D10+35) → 57[10,9,4,5,6,8,5,10]+35 → 92

    興津和沙:ずえりゃああ!!
    GM:待って
    春日 雪:!?
    GM:達成値待って
    緒環 伸:わお
    GM:ダメージも7平均待って
    GM:92-23=69
    GM:59+69=128
    GM:…………
    GM:いや、生きてるけど、生きてるんだけどさ
    GM:ほぼほぼ……瀕死……
    緒環 伸:やべえ
    興津和沙:ファック!!
    黒瀬直:やったぜ
    興津和沙:では演出。
    興津和沙:丹田に気を落とし、五体を結ぶ。
    興津和沙:指先から勁を通し槍と己を一体とする。
    興津和沙:穂先を通し亡霊に視線をやる。
    興津和沙:潮合。
    興津和沙:満ちたと思った。
    興津和沙:同時に己が気合に弾かれるかのように動き出す!
    興津和沙:「あああああああ!!」
    興津和沙:裂帛の気合とともに槍を振るい、亡霊と交差する
    興津和沙:槍が、朱き線を描き
    興津和沙:その線が亡霊の体を貫いている
    亡霊:亡霊──と名を与えられこそすれど、それは旅館に巣喰う影と同じ。異形のレネゲイドビーイングに過ぎない。ならば。
    興津和沙:「ごめんね。でも」
    興津和沙:「私達は止まれないから…!」
    亡霊:ならばその槍は過たず、影の体を貫くことが能う。
    亡霊:前へ進むという意志は、
    亡霊:留まれと乞い願う亡霊の体を切り裂き、先へ──
    亡霊:「ぎっ、ぃ」
    亡霊:「ぃ、ぃぃいいいあぁああぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁ……!」
    亡霊:──だが、影は立ちはだかる。
    亡霊:先へ進ませない為に?
    亡霊:応にして、否。
    興津和沙:耳をふさぎたくなるような悲鳴から逃げず、受け止める
    亡霊:「……もう、やめて」
    亡霊:「戦わないで」
    亡霊:「いかないで」
    亡霊:「どうか」
    亡霊:「死なないで……」
    興津和沙:「死なないよ」
    興津和沙:「それだけは約束する」
    GM:では
    GM:雪ちゃんが手番を待機という事だったので、亡霊の手番となる
    亡霊:マイナーは無い。
    亡霊:メジャー
    亡霊:《コンセントレイト:オルクス》3+《ハザードコール》10+《ヒール》1+《ギガノトランス》+《失われた隣人》
    春日 雪:ヒール!?
    亡霊:対象はシーン中に登場している全員だ
    緒環 伸:!?
    黒瀬直:げ、エネミーエフェクト
    GM:えー、極めてめんどくさい構成なので順に行こう
    GM:まずはハザードコール
    興津和沙:なんや!?
    GM:このエフェクトを組み合わせた攻撃でHPダメージを与えることはできない
    GM:オリジン:○○中のみに使用できるこのエフェクトの効果は、「LV点の侵蝕値の上昇」です
    GM:つまり10点だね。
    春日 雪:うわあ(うわあ)
    GM:続いてヒール
    黒瀬直:ゲェーッ!
    緒環 伸:ぐえー
    GM:(LV)D+【精神】のHP回復ですが、これは1d10+6となります。後で私が振ります
    黒瀬直:わあい
    緒環 伸:あ、ありがとー?
    GM:ギガノトランスはシーン選択化のモルフェウスボス御用達エフェクト、そして
    春日 雪:アッハイいただきます。
    GM:失われた隣人、オルクスのエネミーエフェクトです
    黒瀬直:うっす
    GM:これとEAの記述により、リアクションは回避ではなく意志となります
    GM:この対決にエネミーが勝利した場合、対象は「このエネミーが指定したキャラを認識できなくなる」という効果を持ちます
    GM:具体的な効果はGM決定ということですが
    興津和沙:ひえーっ
    黒瀬直:誰が見えなくなるんじゃろうな
    緒環 伸:ひええ
    GM:私はこのキャラを、「PC4人、ならびにNPCとして登場している薬師院 小夜子、末柄 晴の6名」とします
    黒瀬直:………?
    緒環 伸:えっ
    GM:つまり
    春日 雪:…ははあ。
    GM:自分以外の味方を誰一人認識できなくなります
    春日 雪:これ、喰らわないPCがいたら、シナリオ破綻したりします?
    黒瀬直:ひええ
    GM:いいえ、破綻しません
    春日 雪:押忍、了解です。
    GM:長々とした説明になりましたがつまり、命中するとこういう事になります
    亡霊:では、改めて
    亡霊:9dx7+16 命中判定、ドッジは〈意志〉で行うこと
    DoubleCross : (9R10+16[7]) → 10[2,2,3,4,4,5,5,7,9]+10[1,10]+3[3]+16 → 39

    緒環 伸:たっか
    興津和沙:ひえ
    春日 雪:すごいやる気。
    亡霊:そして回復分!
    亡霊:1d10+6
    DoubleCross : (1D10+6) → 2[2]+6 → 8

    興津和沙:けち!!
    春日 雪:そこはもっとやる気出せよ!
    緒環 伸:ちょびっと
    亡霊:あんまり回復してくれない……
    黒瀬直:これだから敵は……
    黒瀬直:2dx+1>=39 ドッジ
    DoubleCross : (2R10+1[10]>=39) → 4[2,4]+1 → 5 → 失敗

    緒環 伸:3dx+2=>39 思い出の一品使用
    DoubleCross : (3R10+2[10]>=39) → 8[3,3,8]+2 → 10 → 失敗

    緒環 伸:ぬー
    興津和沙:2dx+1
    DoubleCross : (2R10+1[10]) → 8[5,8]+1 → 9

    興津和沙:まあ、無理じゃい!!
    黒瀬直:HPは11に。
    春日 雪:では、自分の分のリアクション。3dx+1>=39
    春日 雪:3dx+1>=39
    DoubleCross : (3R10+1[10]>=39) → 7[2,6,7]+1 → 8 → 失敗

    春日 雪:そして効果適用はちょっとお待ちを!
    緒環 伸:HPは18か
    春日 雪:そしてですね。「待機したキャラは行動値が低い順に行動する」「この時待機することはできない」なので、厳密には自分、「行動済み」となっています。
    春日 雪:ゆえに自分に《領域の盾》。緒環さんへの攻撃をカバーリングします。
    春日 雪:(侵蝕76へ)
    GM:なるほど、確かに厳密な裁定だとその通りですね、よろしい!
    GM:では、緒環さんだけはカバーされて、効果の適用は無し。残り三名のみなさん、まず侵蝕+10とHP+8をお願いします
    緒環 伸:カバーリングいただいたため、上のHP回復はなしで。
    春日 雪:侵蝕86、HP17へ。
    興津和沙:侵蝕が85、HPが10
    黒瀬直:黒瀬直の侵蝕率を+10した(侵蝕率:65->75)
    GM:では最後に
    亡霊:《歪んだ囁き》+《傲慢な理想》
    亡霊:そして《虚実崩壊》
    春日 雪:!?!?
    緒環 伸:なっ
    亡霊:歪んだ囁きは、「対象が取得しているロイスひとつ」という話ですが
    興津和沙:ばか!!!
    黒瀬直:うわ
    亡霊:虚実崩壊によってこれを「GMが指定するロイス複数」とします
    黒瀬直:おまえ
    亡霊:あとごめんなさい、傲慢な理想×2ですね
    亡霊:つまりはシーン選択。対象は興津 和沙、黒瀬 直、春日 雪。そしてNPC2人
    春日 雪:ヒャッホウ!!
    亡霊:取得しているロイスの内、先に《失われた隣人》で認識できなくなる対象とされた6人のロイスがある場合
    亡霊:全て、Nを「喪失」とした上で表にしてください
    興津和沙:死んだ……!!
    春日 雪:成程…成程?
    亡霊:この効果は再びお互いがお互いを認識できた時に解除されるものとします
    春日 雪:とすると、ここは……ええ、興津さんと黒瀬さんで。
    GM:おっと雪ちゃん
    春日 雪:あ、全てか。
    GM:いえす
    春日 雪:では緒環さん、興津さん、黒瀬さんのロイスがネガ喪失で表へ!
    黒瀬直:幼子:興津和紗/P尊敬:N喪失〇 副支部長:春日雪/P庇護:N喪失〇 同行者:緒環伸/P連帯感:N喪失〇 星:薬師院小夜子/P好意:N喪失〇
    興津和沙:雪ちゃん、黒瀬さん、緒環さんのロイスを喪失にして表に!
    GM:OK!
    GM:では
    薬師院 小夜子:「《シングル・ユーズ》! 前に出ろ! 私が後ろから援護する!」
    末柄 晴:「承知! ぶん殴る事だけは、大の得意でありますからな!」
    GM:連係攻撃。銃弾が、鋼の拳が、影の体へ届く寸前──
    亡霊:──亡霊は痛みに呻いていた。泣いている。けれどその慟哭は己が苦痛の為でなく。
    亡霊:そして心根は既に捻れ曲がり、歪み果てた。
    亡霊:これは怨霊だ。あなた達の言葉を使うならジャームだ。
    亡霊:そのジャームが──
    亡霊:「ぁぁああぁあぁ…………ぁ、ああああああああぁぁっ!!!!」
    亡霊:まがまがしい黒い霧を広範囲に放出! それはあたかも水面に広がる波紋の如くあなた達へと向かい、飲み込まんとする!
    黒瀬直:「ッ! でかいの来るぞ!注意しろ!」
    春日 雪:「……あぁ、これは」
    亡霊:「苦しいの」
    亡霊:「いかないで」
    亡霊:「ここに居て……!」
    春日 雪:これは、いけないものだ。特にこの人にとっては。だから。
    春日 雪:「ごめんなさい」
    春日 雪:亡霊と、そして自分の隣に立つ人に、小さくそう告げて。
    緒環 伸:「……雪ちゃん……?」
    春日 雪:自身の能力を以って、領域への介入を試みる。それは、ほんのひとり分の安全地帯を作り出すに過ぎないけれど。
    亡霊:そうだ。
    亡霊:この亡霊の力は〝領域操作〟と〝創造〟
    亡霊:ならば同じ〝領域操作〟で介入できぬ道理は無い──が
    春日 雪:「あとは、お願いしますね?」
    春日 雪:そう言って、微笑みながら。為すすべなく、黒い霧に呑み込まれる。
    緒環 伸:「おい、待て、それなら君が——」手を伸ばす。
    緒環 伸:手は、届かない。
    緒環 伸:糸を、掴み損ねた。
    春日 雪:割り込んだ領域は、まるで断ち鋏のように。伸ばされた糸を、ぱちん、と。

    GM:白い。
    GM:白い。
    GM:白い世界の中にあなたはいる。
    GM:白い世界のなかにあなたはいる。
    GM:あなただけがいる。
    GM:春日 雪、あなたはここにいる。
    GM:……確か、戦いの最中。黒い霧に飲まれた筈だった。
    GM:けれどもあなたは傷を負うこともなく、石詰みの墓の前に一人で立っている。
    GM:あなた一人だけが、ここにいる。
    春日 雪:「……わたし、は」
    春日 雪:黄金の光を、覚えている。石柱のような槍を覚えている。
    春日 雪:……手繰られる糸を、覚えている。なのに。
    春日 雪:「……あ、れ」
    春日 雪:それらを、誰が使っていたのか。
    春日 雪:それだけが、ぽっかりと抜け落ちたように。
    春日 雪:「……だめ。それは、だめ」
    春日 雪:思い出せ。思い出せ。自分はひとりでは何もできないと、そう言ったのは自分自身だ。だから。
    春日 雪:いるはずだ。いたはずだ。並び立つように。守るように。見守るように立っていた、誰かが。
    GM:いた筈だ。いたのだ。……忘れる筈もあるまいに。
    GM:けれども。
    GM:今、あなたの周りには誰もいない。
    春日 雪:一人ずつ、名を呼ぶ。……第九支部から道中を共にした、スタッフたちの名を。
    春日 雪:掴みどころのない、青年のような、女性のような人の名を。
    春日 雪:気苦労に苛まれていた、派手な髪色の女性の名を。
    春日 雪:──黄金の光を放つ彼女の名を。勇猛果敢な古代の将軍のような、彼女の名を。そして。
    春日 雪:「……緒環さん」
    春日 雪:自分に向けて糸を伸ばしてくれた、彼の名を。けれど、けれど。
    GM:応える者は無い。何故なら──
    春日 雪:誰も、いない。
    GM:そうだ。
    GM:誰もいない。
    GM:あなたは全て失った。
    GM:何があった? 事実としての記憶は何も無いだろう。ただ、ただ、失ったのだという実感だけがある。
    春日 雪:胸が痛む。傷は塞がり、痕以外に後遺症はない。そのはず、なのに。
    春日 雪:「どうして」
    春日 雪:どうして、それでも。思い出そうとしてしまうのだろう。出来ないと、理解しているはずなのに。
    GM:それはあたかもニュース番組で、昔の友人の死亡を報された時のような、
    GM:目に見えない。手に届かない。けれども、嘘だと振り払えない、気味の悪い重さであなたに纏わり付く。
    GM:さて問おうか、春日 雪。
    GM:ひとりになるのは初めてか?
    春日 雪:「……いえ。いいえ。わたしは」
    春日 雪:「わたしは、ずっとひとりでした。……お父様とお母様が、わたしを連れ出して、そして逃げきれなかったあの時から」
    春日 雪:「だから、ええ。平気ですとも。……ひとりでも、わたしは」
    春日 雪:「わたし、は……」
    GM:ならば、あなたは幸福だ。
    GM:せいぜいが身の丈に合わない虚飾の、その外套のような幸せを剥ぎ取られて
    GM:また元のひとりに戻るだけなのだから。
    かなえ:「……お客様」
    かなえ:少女が、あなたを呼んでいる。
    春日 雪:「……ぁ」
    春日 雪:「……かなえ、さん。……あれ、わたし」
    春日 雪:「……なにを、していたのでしたっけ……」
    かなえ:「……外は寒いですよ。こんな所に一人で居ては、風邪を引いてしまいます」
    かなえ:「戻りましょう。温泉で体を温めてもいいんです。お部屋に炬燵だって用意できますし、炊きたてのご飯もあります」
    春日 雪:「ひとり……ああ、そう、ですね。はやく、戻って暖まらないと」
    春日 雪:「ひとりっきりは、とても、寒いですから」
    かなえ:「ええ」
    春日 雪:氷のカケラがこびりついた外套を、ぎゅっと閉じて。
    かなえ:「帰りましょう、城樹のお宿へ」
    かなえ:「私達はずっと、皆さんを待っていますから……」
    春日 雪:はい、と。どこか、霞がかかったような頭のまま。
    春日 雪:頷き、脚はゆっくりと、宿へと─。

    黒瀬直:暗闇に呑まれながら、曇らず輝く光がそこにあった。
    黒瀬直:相手はオルクス/モルフェウス。領域の支配者にして物理の掌握者。
    黒瀬直:故に一切の間隙を許さぬ完全な球は己を内包、地に足付かず、気密も厳にしての防御態勢。
    黒瀬直:正体不明な敵の一撃。広がる速度、戦場の地形、数手交えて読み取った相手の出力を鑑みて。
    黒瀬直:正確な体内時間と戦闘予測が告げる刻限。防御を解除して状況把握。直ちに戦闘を再開せんとして────
    黒瀬直:そこに、誰も居ない。
    黒瀬直:レネゲイドを感知────該当するのは敵者がばらまいた因子のみ。
    黒瀬直:塗りつぶされた可能性はある。故に未だ決断には至らず。
    黒瀬直:ぶうん。ぶうん。弓弦を鳴らす。
    黒瀬直:虚空へ向けて音を放つ。あるいは誰かが反応しよう。────効果得られず。
    黒瀬直:上天へ向けて矢を放つ。あるいは誰かが見咎めよう。────効果得られず。
    黒瀬直:………………
    黒瀬直:足元へ向けて目を見張る。何か痕跡があるかもしれない。
    黒瀬直:残っているのが、或いは彼女らの血痕であるかもしれないが問題はない。
    黒瀬直:それは、見慣れた物で……
    黒瀬直:「いかんな」
    黒瀬直:「うむ」
    黒瀬直:「……慣れたことだろうに」
    黒瀬直:空へ放ち、当然の帰結として落ちた矢を拾い上げ、べきりとへし折る。
    黒瀬直:この胸の中には、既に確信がある。
    黒瀬直:私は己を信用できない。この目で確かめねば信じることはできない。
    黒瀬直:だというのに、強い確信なのだ。幾度も経験した感覚を、確かに私は刻み直されている。
    黒瀬直:「………………」
    黒瀬直:「感傷によって流す涙は、ただの露にすぎず」
    黒瀬直:「慈雨の働きはない、だったか」
    黒瀬直:「まあ、とうにご無沙汰なのだがね」
    黒瀬直:過ぎた事にかかずらう暇はない。そのような余分を私には認めない。
    黒瀬直:私が今すべきことは、この領域からの脱出である。
    黒瀬直:そして伝えねばならない。私が受けた傷ではなく、私が守れなかった傷を。
    黒瀬直:彼女たちには、帰るべきところがある。帰りを待っている人たちが居る。
    黒瀬直:だから、私には義務がある。生き残った責任がある。
    黒瀬直:「次は、中心だ」
    かなえ:「……………………」さく、さく、と。白雪を踏みしめる足音。
    かなえ:「お客様」
    かなえ:「……まだ、頑張るんですか?」
    黒瀬直:「ああ」
    かなえ:「つらいばっかりですよ、それじゃあ」
    黒瀬直:「まだまだ、だ」
    黒瀬直:「私が歩みを止める理由が、どこにある?」
    かなえ:「……今までの人はみんな、ここで歩けなくなりました」
    かなえ:「それは、理由になりませんか?」
    黒瀬直:「私は強くも特別でもないが」
    黒瀬直:「まだ、歩ける。歩く必要性がある」
    かなえ:「……じゃあ」
    かなえ:「行きましょう」
    かなえ:「いいえ、帰りましょう。城樹のお宿に」
    かなえ:「もう誰も、あなたを待つ人がいなくなったとしても」
    かなえ:「私達だけは、あなたを待っていますから」
    黒瀬直:「そうか」
    黒瀬直:「私は、待つに値しない女だがね」
    黒瀬直:「好きにするがいい、私はすべきことをする」
    かなえ:「もしあなたが、世界の誰からも嫌われているひとだったとしても」
    かなえ:「私達は、待ちます」
    かなえ:……少女は、あなたを先導するように歩いて行く、が。
    かなえ:その小さな足跡で作られた道を、敢えて辿るのかどうかは──
    かなえ:黒瀬 直。
    かなえ:もう飽きる程に重ねただろう喪失に再び出会ったばかりの、あなたが決めることだ。
    黒瀬直:幾つか、試していない手札はある。
    黒瀬直:宿に戻るのは、それが終わってからで……
    黒瀬直:違う。
    黒瀬直:向かうのは、だ。私が帰るべき場所はここではない。
    黒瀬直:あくまで事態の解消のために行くだけだ。私が戻るべき場所は……
    黒瀬直:わずかばかりの風が吹いて、傍らに積まれた小石が崩れた。
    黒瀬直:「ふ」
    黒瀬直:「まだ休んでいる暇はないぞ。人殺し」

    GM:白い。
    GM:純白の──という形容は、まるでお姫様のドレスのようだ。
    GM:純白の──という形容は、まるでお姫様のドレスのようだ。
    GM:白馬の王子様に手を引かれて、赤い絨毯の上。祝福の歌声、歓声。
    GM:〝お姫様〟に憧れる少女の、一生でもっとも輝かしい瞬間を、一人でも多くの人に祝ってもらいたいと願うのは、
    GM:たぶんそれは我が儘なんかじゃなくて、女の子らしい、かわいい願い事。
    GM:……けれども、さて。
    GM:興津 和沙。槍を手に一人佇むあなたは、誰の祝福を浴びられるのかな。
    GM:思い出してみようか。例えばこの度の任務で出会った彼らの顔など──
    興津和沙:「黒瀬さん……」
    興津和沙:パラシュートなしでヘリから落下する変な人。
    興津和沙:けど、前の任務で会っただけの私の傷のことを心配してくれて
    興津和沙:皆に、平等に優しくしようとしてくれる真面目な人。
    興津和沙:「緒環さん…」
    興津和沙:飄々としてて、掴みどころがなくて
    興津和沙:でも雪ちゃんのことを見る目は優しくて、私とも一緒に遊んでくれて
    興津和沙:空から落ちる時に私を助けてくれた、頼りになるお兄さん
    興津和沙:「雪ちゃん…」
    興津和沙:可愛くて、綺麗な女の子。
    興津和沙:しっかりしてるけどどこか儚げで
    興津和沙:つい眼で追っちゃうような、不思議な子。
    興津和沙:「そうだ。私はみんなと、オバケと戦ってて…!」
    GM:……みんな、いいひとだったね。
    GM:いつかあなたの晴れの日に、彼らが参列してくれたのなら
    GM:誰もが我が事のように喜んで、拍手であなたの門出を見送ってくれたのだろうに。
    GM:けれども。
    GM:もう、いないよ。
    興津和沙:寒骨白を掴む。こいつがいれば、私はまだ立ち上がれる。
    興津和沙:「みんな…!大丈夫!?」
    興津和沙:皆がいれば、私はまだ前に進める
    興津和沙:それなのに
    興津和沙:「あ、」
    興津和沙:「あ、」
    興津和沙:「あああああああああああああああっっ!!」
    GM:ああ、それなのに
    GM:それなのに誰も応えない。
    GM:どうしてかなぁ?
    GM:どうしてだろう?
    GM:いいや、あなたは知っている筈だ。
    興津和沙:「私が……!」
    興津和沙:「私は、またっっ!!」
    興津和沙:「誰も、守れなかった!!」
    興津和沙:「や、だ…やだ…!!」
    GM:いやいや、興津 和沙。そう悲嘆に暮れることもないんじゃないか。
    GM:なんと言ったって、あなたの一番大事な彼はまだ失われていないのだから。
    興津和沙:「雪ちゃん!黒瀬さん!!」
    興津和沙:「緒環さん!!」
    GM:ほら。
    GM:もういなくなった人の名前なんか呼んでないで、立ち上がるんだ。
    GM:まぁ、彼もここにはいないんだけどね。
    興津和沙:「あ、ああ…」
    興津和沙:「コウくん……」
    興津和沙:抜け出せない。
    興津和沙:この旅館は出られない。
    興津和沙:それじゃあ、
    興津和沙:「やだよ……」
    興津和沙:「皆が死んじゃって、誰も守れなくて、誰も幸せに出来なくて…」
    興津和沙:「君にも会えないまま、終わっちゃうなんて…いやだ……」
    GM:クイズだ。
    GM:お姫様の物語の、最後のページに書かれるべき言葉は?
    興津和沙:「お姫様は」
    興津和沙:「いつまでも、いつまでも」
    興津和沙:「幸せに暮らしました。」
    GM:〝めでたし、めでたし〟
    興津和沙:「………っ」
    興津和沙:「幸せに………」
    興津和沙:「あ、あああああああ!!」
    興津和沙:「自分だけ生き残って、何が幸せだ!」
    興津和沙:「自分だけ幸せになるなんて、そんなのお姫様じゃねえ!!」
    興津和沙:手をのばす。真っ白な雪に覆われて、もう前は何も見えないけど
    興津和沙:それでも、手をのばす。自分が目指したものを掴むために、きっとあるはずだったものを掴むために
    興津和沙:「お姫様は、皆と……」
    興津和沙:「皆と幸せになるんだ……」
    興津和沙:「だから…だから…」
    興津和沙:「雪ちゃん、緒環さん、黒瀬さん…」
    興津和沙:「一人に、しないでよ…」
    興津和沙:「コウくん………」
    興津和沙:倒れそうになる体を、槍で支える。
    興津和沙:まだ、倒れちゃいけない。それだけはわかる。
    興津和沙:物語の先が、ハッピーエンドじゃなかたっとしても。
    興津和沙:それでも、前に進まなきゃ。
    興津和沙:皆の気もちを、未来に伝えるのも。
    興津和沙:きっと、お姫様の役割だから。
    興津和沙:館に戻ろうとした瞬間、風が吹く
    興津和沙:こつん、と音がした方を振り向くと、積み上げられていた小石が崩れている。
    興津和沙:誰かが、誰かのために立てた小さなお墓
    興津和沙:私はその人たちのことを知らないけど
    興津和沙:それでも、誰かの大切な人が、その大切に思う気持ちが、ぞんざいに扱われるのが嫌だった
    興津和沙:震える手で、その小石を積み直す
    興津和沙:ここに眠っている人の冥福を祈りながら
    興津和沙:雪ちゃんを、緒環さんを、黒瀬さんのことを、絶対忘れないように
    興津和沙:胸に刻み込みながら
    興津和沙:或いは、もう少ししたらここで眠ることになるかもしれない、自分のことを考えながら
    興津和沙:「行ってくる。」
    興津和沙:手を合わせ、祈りを捧げたあと、一言だけ、そうつぶやいて
    興津和沙:館の方に向かっていきます
    GM:ならばあなたを迎える言葉はきっと、
    かなえ:「……おかえりなさいませ」
    GM:だ。

    GM:……黒い霧が晴れた。
    GM:霧が晴れた時、あの〝影〟は何処かへと姿を消していた。
    GM:ジャームに近づいた時の感覚、肌を刺すようなと言おうか、ひりつくようなと言おうか、
    GM:とにかく、そういう感覚的に分かる驚異がもう近くには無い。そして──
    GM:緒環 伸。
    GM:あなたは無事だ。
    GM:あの攻撃によるいかなる影響も受けず、そこに立っている。だから。
    GM:ここまでの三人の姿を全て、見ただろう。
    GM:……見てしまったのだろう。
    緒環 伸:ずっと、見ていた。
    緒環 伸:いや、見ていただけではない。声をかけた。
    緒環 伸:「……雪ちゃん。無事でよかった」
    緒環 伸:返事はなかった。
    春日 雪:応えはない。ただ、わたしは、わたしは、と。言い聞かせるように、繰り返し─。
    緒環 伸:「黒瀬さん、あぶ、危ねえ! いきなりなんで矢!?」
    緒環 伸:矢は近くに突き立つ。やはり返事はなかった。
    黒瀬直:力なく握られた右手から、ぱらぱらと欠片が零れる。血を散らす。誰かに何かを手向けるように。
    緒環 伸:「興津さんも……なんか元気ないな。大丈夫?」
    興津和沙:焦点の合わない眼で、君たちの名前を呟いている。
    緒環 伸:答えは、やはりない。
    緒環 伸:「…………」
    GM:誰も応えない。
    GM:まるで、8mmテープに録画した映像へ、ブラウン管越しに呼びかけているようだ。
    緒環 伸:声をかける。何度も。肩を掴む。
    緒環 伸:掴んで揺らして、それでも、誰も気づかない。
    緒環 伸:「……ごめん」
    緒環 伸:周囲のものなら、と思った。
    緒環 伸:積まれた小石を、崩した。
    緒環 伸:「気づいてくれ、気づいてくれ、気づいてくれ……!」
    緒環 伸:反応はあった。
    緒環 伸:……自分にではない。
    緒環 伸:小石は元通りに戻され、自分は取り残される。
    緒環 伸:……独り、取り残される。
    GM:緒環 伸。
    GM:それを、今更嘆くのか?
    GM:自分は〝そういうもの〟で、惹かれたのも〝そういうもの〟ならば
    GM:これは所詮、いつか至ることが定められた未来の縮図に過ぎない。
    GM:数十年が1日に短縮されただけだ。
    緒環 伸:「……バカを言うなよ」誰にともなくつぶやく。
    緒環 伸:「僕はまだ慣れてないんだ。少しずつ、慣れようとしてたんだ」
    緒環 伸:「こんなのは早すぎる……!」
    緒環 伸:これは。
    緒環 伸:自分の運命の糸を切り離したその時に似ている、と思った。
    緒環 伸:周囲から認識されない、孤独で恐ろしい時間。
    緒環 伸:まるでいつかの予行演習のようだと思っていたけれど……。
    緒環 伸:「……先送りにしてたからか。逃げてたってか。バカバカしい」
    緒環 伸:原因はわかっている。先ほどの攻撃だ。
    緒環 伸:……春日雪が守ってくれた。自分が守るはずの子供が。
    緒環 伸:……子供は先ほど、虚ろな目をして、宿に戻っていった。
    緒環 伸:「…………」
    かなえ:「ああ」
    かなえ:と、声がする。雪を踏みしめる足音がする。
    緒環 伸:あの宿には、何でもあると、苦しみなどないと、言っていた。
    緒環 伸:そちらを、鈍い動きで見る。
    かなえ:……その足音は、片端から消えていく。まるで誰かが、誰かのいた痕跡を消し去ろうとしているかのように。
    かなえ:「かわいそうに」
    かなえ:「……あなただけ、まだ、正しくものが見えてるんですね」
    緒環 伸:「ああ……」
    緒環 伸:「君には、僕が見えるのか」
    かなえ:「ええ、でも」
    かなえ:「あなた達が、おかあさんの待っている人じゃないように」
    かなえ:「私は、あなたが待っていて欲しいだろう人じゃありません」
    緒環 伸:「……なんでもいい」
    緒環 伸:「僕はこう見えて寂しがりなんで、今、誰かと話したかったんだ」
    緒環 伸:「連れてってくれるのかな? 宿に」
    かなえ:「……………………」
    かなえ:「……お宿へ帰りますか?」
    かなえ:「それとも」
    かなえ:「お宿へ、行きますか?」
    緒環 伸:「そうだなあ……」
    緒環 伸:「みんなとは、また会えるかな?」
    緒環 伸:「……まあ、僕のことがわかるかは置いといて」
    かなえ:「その〝みんな〟が、今日のお客様のことなら──はい」
    かなえ:「これからずっと、ずっと、毎日一緒にいられます」
    かなえ:「でも」
    かなえ:「〝それじゃ意味がない〟」
    緒環 伸:「君は、不思議な立場だよな」
    緒環 伸:「行ってほしいのか、帰ってきてほしいのか」
    かなえ:「……ですよね」
    緒環 伸:ふと、ポケットを探る。
    かなえ:「……何処にも帰れなくなった人、待っていてくれる人を亡くしてしまった誰かには、帰って来て欲しいと思います」
    かなえ:「まだ、何処かに帰れる人には」
    かなえ:「時々遊びに来てもらうのが、〝旅館〟の楽しみかただと思います」
    緒環 伸:「健全で何より」
    緒環 伸:ポケットから取り出したのは、一枚の汚れた五円玉だ。……人から借りっぱなしの。
    緒環 伸:イージー《仕組まれた幸運》
    緒環 伸:キン。
    緒環 伸:小さな音を立てて、硬貨が宙を舞う。手の甲で受け止める。
    緒環 伸:「……表」
    緒環 伸:手を開けると、そこにはその通り。表向きの硬貨が微かに光を反射して。
    緒環 伸:(……僕の糸は、まだ切れていない)
    緒環 伸:(僕はこの手で幸運を引き寄せることができる)
    緒環 伸:(僕は、賽を自分で振ることができる)
    緒環 伸:(まだ、やれる)
    緒環 伸:「かなえちゃん、だっけね」
    かなえ:「はい」
    緒環 伸:「連れてってくれないかな。僕を旅館に」
    かなえ:「……はいっ!」
    緒環 伸:「僕はあそこに……行って、また外に帰る」
    緒環 伸:「帰る場所があるんだ。それは、きっと他の奴らも一緒だろ」
    緒環 伸:「家に帰るまでが遠足です」
    緒環 伸:「……ってね」
    緒環 伸:いつものように軽く笑う。それは、とても力のいることではあったが。
    緒環 伸:それでも、やってのけた。
    GM:クリンナップ処理、省略。
    GM:勝利条件:1ラウンドの生存──達成。
    GM:あなた達の勝利だ。

    GM:ロイス取得&調達が可能!
    GM:なお、喪失状態ロイスはまだ反転とか色々が不可能!
    黒瀬直:3dx+1>=10 ホローポイント弾を調達
    DoubleCross : (3R10+1[10]>=10) → 9[6,8,9]+1 → 10 → 成功

    黒瀬直:以上
    春日 雪:…うん、ロイスは保留で!のこり1枠!
    黒瀬直:あと応急手当キット使用
    興津和沙:応急手当
    興津和沙:2dx
    DoubleCross : (2R10[10]) → 8[2,8] → 8

    緒環 伸:ロイスは保留!
    興津和沙:買えた!
    興津和沙:使う!
    興津和沙:10+2d10
    DoubleCross : (10+2D10) → 10+13[9,4] → 23

    黒瀬直:11+2d10
    DoubleCross : (11+2D10) → 11+5[3,2] → 16

    緒環 伸:まず応急手当使います。
    興津和沙:もういっこ!
    興津和沙:23+2d10
    DoubleCross : (23+2D10) → 23+9[8,1] → 32

    春日 雪:調達は…ああ、ではブルーゲイルを。2ラウンドめ以降に入った時用に。
    緒環 伸:12+2d10
    DoubleCross : (12+2D10) → 12+12[4,8] → 24

    興津和沙:ぜんかい!!
    春日 雪:8dx+4>=20
    DoubleCross : (8R10+4[10]>=20) → 10[4,4,6,7,9,9,9,10]+2[2]+4 → 16 → 失敗

    緒環 伸:あっ全快した!
    春日 雪:失敗!
    春日 雪:そして情報収集のボーナスで貰っていた応急手当を使います。
    春日 雪:2d10+17
    DoubleCross : (2D10+17) → 15[8,7]+17 → 32

    緒環 伸:どうすっかな。クリスタルシールド狙いますか
    春日 雪:全快!
    春日 雪:以上です!
    緒環 伸:最後の手配師(ストーン)使用!
    緒環 伸:7dx+4=>25
    DoubleCross : (7R10+4[10]>=25) → 8[3,4,6,8,8,8,8]+4 → 12 → 失敗

    緒環 伸:あー、だめだ。以上!
    GM:よろしいかな!
    春日 雪:はい!
    緒環 伸:はーい
    黒瀬直:はい!

    マスターシーン2

    たける様
    ごめんなさい。あなたの娘は、生まれてくることができませんでした。
    かつみ様
    ごめんなさい。あなたの妹は、生まれてくることができませんでした。
    あなた達が残してくれた名前、ふたつのひとつ。女の子なら〝かなえ〟と名付けよう。
    その名前を呼んであげられたのは、ちっちゃなお棺に寝かせた後だけでした。
    ごめんなさい。
    昭和二十年 八月十五日

    どうか帰ってきてください。
    昭和二十年 八月十六日

    どうか帰ってきてください。
    昭和二十年 八月十七日

    たける様 かつみ様
    あなたは戦地へなど行っていなかったのですね。今日、国のお役人を名乗る人が家を訪れました。
    たける様も、その血を引いたかつみ様も。信じられない程、神様のように力は強かった。その為なのですね。
    おふたりのような兵隊さんが、もし何百人、何千人といたなら、戦争に勝てた。その為に、と。
    お国の為に戦おうとしたあなた達は、戦場の土すら踏まず、この国のどこかで果てたのですね。
    昭和二十五年 一月一日


    ミドル5:いらっしゃいませ


    GM:全員登場シーンとなりますが、指定順でお願いします。
    GM:まずは緒環さん、登場侵蝕をどうぞ。
    緒環 伸:緒環 伸の侵蝕率を+8(1d10->8)した(侵蝕率:79->87)

    GM:では、緒環さん。あなたは雪を踏みしめ、宿へと戻ってきた。
    GM:新雪の上には、誰の足跡も無かっただろう。
    GM:……振り返ったならば、自分の足跡さえも見つけられなかっただろう。
    GM:この領域の中、誰かが残そうとする痕跡は抹消される。……亡霊に察知される限りは。
    GM:あなたは宿の玄関口を潜る──と。
    GM:ご、がんっ
    GM:派手な破壊音を聞くだろう。休憩スペースの方からだ。
    緒環 伸:「……なんだ?」眉を顰める。
    緒環 伸:取り急ぎ音がした方に向かいたいですね。
    GM:OKです、ならば
    GM:そこであなたが見るものは、
    末柄 晴:「……上官も無く同輩も無く、援軍の目処は無く、逃げおおせる目処は無く」
    末柄 晴:「ふむ。つまり此処に至って私が求めるべき戦果は、〝敵の損耗の最大化〟でありましょうな」
    GM:置かれているゲーム筐体を片っ端から殴り壊している末柄の姿だ。
    GM:……もっとも、その行為にどこまで意味があるものか。粉砕した端からそれは、おそらくは領域の支配者であろうジャームの、
    GM:もう一つの能力である〝物質変換・創造〟によって修復されていく。
    GM:修復された端から、殴り壊す。
    GM:壊された端から修復される。
    GM:それを、延々と繰り返している。
    緒環 伸:「……末柄さん」何やってんだこいつ、とも思いながら、声をかけてみる。
    緒環 伸:多分、無駄だとわかりながらも。
    末柄 晴:「弔い合戦と言えば柄にも無いが、勝負をしようか、城樹の宿よ」
    末柄 晴:「そちらの力が尽きるが先か、私がジャーム化するが先か、我慢比べであります」
    GM:無論、声をかけても。揺さ振ったとしても彼には届かない。
    GM:彼はただ、己が命の限りに破壊行為を続ける。その修復へ、〝亡霊〟のリソースを割かせる為に。
    緒環 伸:「……だよな。わかってる。そうだと思ってたさ」
    緒環 伸:肩を軽く掴んでいた手を放す。
    緒環 伸:「ただそれ、僕が昔ハイスコ残したことのある思い出の……」
    GM:そして、あなたは
    GM:休憩スペースの隅。壁際から、啜り泣くような声を聞く。
    薬師院 小夜子:「はは……心残りが一つ減って良かった、ってか。冗談じゃねえや」
    薬師院 小夜子:「おいてけぼりは……一度で腹一杯だっての……」
    緒環 伸:「……」声の方をまた見る。
    GM:直ぐ近くにいる筈だ。眼前で行われている破壊の光景──普通なら気付かぬ筈も無いが。
    GM:この二人は相互に、互いの姿を認識していない。
    薬師院 小夜子:ぐすっ、と鼻を鳴らして──腕で目元を擦り
    薬師院 小夜子:「まだだ。記憶を信じるな。私を信じるな。……信じていいのは実物だけだ」
    薬師院 小夜子:「私だけが生き残って他が全員、死体も残さず死んじまうなんて話、ありえねえ」
    薬師院 小夜子:「おかしいのは私の方だ。絶対そうだ、ある訳ねえ、絶対に……っ」
    薬師院 小夜子:「……けど、なら、何をされた……?」
    薬師院 小夜子:「……………………」
    緒環 伸:「……そうだよな」
    薬師院 小夜子:薬師院は立ち上がり、すぅっ、と息を思いっきり吸い込み、
    薬師院 小夜子:「おーい、誰かいるかーい!」
    薬師院 小夜子:「ちょっと済まないが、彫刻刀とか有れば貸してくれないかい!」
    緒環 伸:「いるよ」すぐ隣で答える。
    GM:あなたの応えは、あなたの言葉は、
    GM:どれほど近くに居ようと、届かない。
    GM:けれども。
    GM:彼らからあなたには、届く。彼らが何をしているか、あなただけは知っている。
    GM:まず二人。失ってしまった、逃げられないと信じ込まされながら、
    GM:それでも悪あがきのように、何かを始めた者がいる。ならば。
    GM:他にもまだ、始めようとする者がいるかもしれない。
    緒環 伸:「彫刻刀、か」ポケットを探る。御守りのような五円玉以外には見当たらない。
    緒環 伸:「今はないけどさ、探せたら探すし、そうでなくても……」
    緒環 伸:「僕は僕で、やることをやる」
    緒環 伸:届かない声を、しっかりと張りながら。
    緒環 伸:「……君たちはちゃんとしてるな。嬉しいよ」
    緒環 伸:「……嬉しい」
    緒環 伸:「僕に気づいてくれなくても、届かなくても、君たちがいて嬉しいよ」
    緒環 伸:「ありがとうな」
    緒環 伸:ゆっくりと、訥々と、いつもの調子とはまるで違ったつぶやきは、自分の耳にしか届くことはなく。
    緒環 伸:「だから、一緒に帰ろうな。絶対だぜ?」
    緒環 伸:約束は一方通行で。
    緒環 伸:それだけでも、よかった。
    GM:言葉は届かない。
    GM:末柄晴はひたすらに筐体の破壊を続け、
    GM:薬師院小夜子は、黒い影が運んで来た彫刻刀を受け取るや、床板に文字を刻み始める。
    GM:……刻まれた文字は、直ぐにも消えて行く。だが構わず、その行程を続けている。
    GM:もう何も出来ない、と判断した二人が辿り着いた解答は、性質こそ違えど偶然にも
    GM:〝リソースを消費させる〟という点で合致していた。

    GM:では。
    GM:登場指示の前に、情報項目の提示です。
    【《寒骨白》:興津 和沙】 目標値40 《任意の命中判定》
    【《スーペリアルネットワーク》:黒瀬 直】 目標値20 《知識:レネゲイド》
    【《不可視の領域》:春日 雪】 目標値20 《RC》

    緒環 伸:たっか
    春日 雪:ひえっ
    興津和沙:はわ
    黒瀬 直:面妖な
    GM:この〝城樹のお宿〟の認識阻害領域を打破するもっとも単純な方法は即ち、力押しです
    GM:ジャームの高出力にも負けぬほどの速度で破壊行動を行い、領域修復に全ての力を注ぎ込ませること
    GM:とは言え、実質的に出力無制限のジャームと、力押しでの勝負は不利になります
    GM:加えて現時点で、喪失感が故にたぶん情緒とかいろいろアレで、全力も出しづらいでしょうしね
    GM:と、いう訳で
    GM:まず先に緒環さんにお聞きします
    GM:緒環さんには、メインプロセス1回の行動権をさしあげます
    GM:この1回で情報項目に挑戦してもいいですし、支援に回ってもいいですし
    GM:なんかこう、美味しくなる感じのアクションをするとしたら、どう動きます?
    緒環 伸:はい。三人の支援を行いたいです。
    GM:承知しました。
    GM:ならばシーン登場指定。残り3名、それぞれ登場侵蝕をお願いします。
    春日 雪:は!
    黒瀬直:黒瀬直の侵蝕率を+1(1d10->1)した(侵蝕率:75->76)
    春日 雪:1d10+86
    DoubleCross : (1D10+86) → 6[6]+86 → 92

    興津和沙:1d10+85
    DoubleCross : (1D10+85) → 8[8]+85 → 93

    GM:では。各人、どの情報に挑むか等々決めていただいたり、支援があるなら支援したりをどうぞ
    興津和沙:白兵で!
    興津和沙:エフェクトは使えますか?
    GM:いけます
    興津和沙:じゃあ使おう!
    春日 雪:RCで自分の項目を。まずは支援待ち!
    興津和沙:【《寒骨白》:興津 和沙】を白兵でぶち抜くぜ
    黒瀬直:【《スーペリアルネットワーク》:黒瀬 直】を知識:レネゲイドで。支援を待ちます。
    緒環 伸:では支援。自分以外三人を対象に、《導きの華》《光射す場所》《要の陣形》。侵蝕9上昇。
    緒環 伸:緒環 伸の侵蝕率を+9した(侵蝕率:87->96)
    緒環 伸:次のメジャーアクションの達成値が+19されます。
    春日 雪:わーい!
    GM:よろしい
    GM:では、各人判定を
    春日 雪:それでは、RCで判定を。
    春日 雪:4dx+1+19>=20
    DoubleCross : (4R10+1+19[10]>=20) → 10[9,9,10,10]+5[2,5]+20 → 35 → 成功

    春日 雪:めっちゃ成功した。
    黒瀬直:2dx+21>=20
    DoubleCross : (2R10+21[10]>=20) → 6[1,6]+21 → 27 → 成功

    GM:さあ
    GM:一番の難関だぞう
    興津和沙:〈コンセ:ブラックドッグ>+〈アタックプログラム〉
    興津和沙:7dx7+12+19
    DoubleCross : (7R10+12+19[7]) → 10[3,4,4,7,7,8,9]+10[1,1,5,10]+2[2]+31 → 53

    緒環 伸:すご
    春日 雪:ワオ…
    GM:やりおるわ……
    GM:では
    黒瀬直:やった!
    興津和沙:よかった…!!

    GM:【《寒骨白》:興津 和沙】
    GM: 
    GM:──あなたは城樹の宿へ〝帰って来た〟。雪原に足跡一つ残すこともなく。
    GM:こうして戻って来てみれば、なんと静かな宿だろう。
    GM:誰もいない。
    GM:共に温泉で語り合った仲間達も、第九支部から訪れた一般職員達も、誰もだ。
    GM:割り当てられた部屋に、荷物はあなたのものだけ。
    GM:さて、興津 和沙。
    GM:あなたはこれから、ここで何をする?
    興津和沙:それでも
    興津和沙:「黒瀬さん」
    興津和沙:声をかけずにはいられなかった
    興津和沙:「雪ちゃん」
    興津和沙:もしかしたら、先に皆が宿に戻ってるかもしれないって
    興津和沙:「緒環さんっ」
    興津和沙:思いたかった。
    興津和沙:「いるんでしょ!返事してよ!」
    緒環 伸:「ああ、いるよ」軽い調子で、届かない返事を返す。
    興津和沙:何度呼びかけても、誰の声も帰ってこなくて
    興津和沙:自分の声がかすかに響いて帰ってくる度に、喪失感だけが確かなものになっていく。
    緒環 伸:「……君は、なんか外に誰かが待ってるみたいだから」
    緒環 伸:「特にちゃんと返してやりたいよな」
    GM:緒環 伸、あなたは呼びかける。
    GM:けれども、あなたには何もできない。
    GM:これまでもそうだったろう。あなた一人で出来る事は本当にささいなものだけで
    GM:何かを大きく変えたいのなら、誰かの手を借りなければならない。
    GM:違う。
    GM:誰かに、手を貸さなければならない。
    緒環 伸:「……僕にできること、か」
    GM:……さて。
    GM:興津 和沙。あなたはあまりにも多くのものを失った。
    GM:だからこそ、敢えて問う。
    GM:あなたはこれから、ここで何をする?
    GM:国を失った。民を失った。ならば、それで終わりか。
    GM:冠を頭に乗せていなければ、〝姫〟ではいられないか?
    興津和沙:「違う…」
    興津和沙:「お姫様は、私の目指すお姫様は、そんなんじゃない」
    緒環 伸:少し遠くを見ていた目を、少女に戻す。
    興津和沙:「"お姫様”は、いつだって」
    興津和沙:伏せていた顔を上げる。
    興津和沙:「ハッピーエンドを目指して、歩いていくんだ」
    興津和沙:「そうするって、約束した!」
    興津和沙:「その姿を、見ていてくれる人がいる!」
    興津和沙:何よりも
    興津和沙:「私自身が、そう在りたいって願ったんだ!!」
    緒環 伸:目と目が一瞬、合った気がした。
    緒環 伸:あまりに強くて眩しい光を見た気がした。
    興津和沙:「だから」
    興津和沙:今も、誰かが見てくれている
    興津和沙:そう信じながら、そう願いながら
    興津和沙:「ぶち抜いてやろうぜ。」
    緒環 伸:今も見ているよ、と、静かに語りかけながら
    興津和沙:「結界も、因縁も、妄執も」
    緒環 伸:「……いいじゃない。お助けしますよ、お姫様」
    興津和沙:「全部!何もかも!全て!!」
    興津和沙:「行くぜ!!寒骨白!!!!」
    GM:──小器用に、賢しらに、手練手管で。そんな言葉はあなたには似合わない。
    GM:誇るは威風。奮うは武勇。そして一丈七尺の、天下無双の大長槍。
    GM:〝領域〟に対し、ただ力であたるという行為は──ともすれば博打、愚かしい行為であろうが、
    GM:あなたの台詞を借りるなら〝かのマリー・アントワネット〟さえ、ギャンブルをたしなんでいたという。
    GM:……あちらは勝ちに恵まれなかったようだが、あなたは違う。
    GM:此処に、〝イカサマ師〟がひとり。
    興津和沙:「"中心"を」
    緒環 伸:そのあまりに長大な槍を、静かに編んだ糸で支える。
    興津和沙:「ぶち壊せ!!」
    緒環 伸:「はい、いってらっしゃい」
    緒環 伸:糸は、確かに槍に力を……そして制御を与えるだろう。
    緒環 伸:「……僕はそうだなあ、馬車の御者くらいにならなれるかね」軽口を叩きながら。
    緒環 伸:「つっても、その足で別の姫さんのとこに行っちゃうから」
    緒環 伸:「帰りはちゃんと、エスコートしてもらうんだよ。王子様に」

    GM:豪勇無双の槍の技に、ほんの僅かの幸運を乗せて、薙ぎ払われたる三丈四方。
    GM:柱も壁も全て打ち砕いた──端からまた、〝城樹の宿〟は再生を始めるが。
    GM:……だが。繕い直せぬものがあった。
    GM:先の言葉を訂正しよう。〝一人で出来る事は本当にささいなもの〟なんて
    GM:人間誰だって、そんなものだ。
    GM:興津 和沙。霧の晴れたような心地の中で、あなたは見るだろう。
    GM:槍の巻き添えにならぬよう、きっとどこかへ逃げていた男の、
    興津和沙:「……っ」
    GM:懐かしいというには少しばかり、短い別れだった顔を。
    興津和沙:さっきまで泣きそうだったのに
    興津和沙:今は必死で歯を食いしばっているのに
    興津和沙:それなのに、思わず頬が緩みそうになる
    興津和沙:「あー、もう」
    緒環 伸:「はは」相変わらず軽く笑っている。
    興津和沙:パラシュートで落下した時も、宿に入ってからも、戦いの時も、
    興津和沙:そして今も
    興津和沙:「助けられっぱなしだね、緒環さん!」
    緒環 伸:「目ぇ覚めたかな? 僕はキスはしてやれないけど」
    緒環 伸:「……っていうか、自分で起きたんだよ、君は」
    興津和沙:「目覚めのいいお姫様だからねっ」
    緒環 伸:「……確かに、あれ食らったらイチコロだよな」
    緒環 伸:壁を見る。既に修復は終わっているかもしれないが。
    興津和沙:仲間の姿が見える。声が聞こえる。それだけのことが、体に力をみなぎらせてくれているのがわかる。
    緒環 伸:「状況はわかる? 他も君と同じような感じでいるみたいなんだ」
    興津和沙:だから、もう一度言いたくなった。さっきは誰にも聞こえてなかったけど、誰にも返してもらえなかったけど
    興津和沙:「わかってる」
    興津和沙:今度は違う
    興津和沙:「行ってくる!!」
    緒環 伸:「オッケー」うなずく。
    緒環 伸:「いってらっしゃい!」

    GM:【《スーペリアルネットワーク》:黒瀬 直】
    GM: 
    GM:たぶんあなたが、この宿にいる誰よりもなれている。
    GM:怪異との戦いも。窮地に追いやられることも。
    GM:ただ一人で、誰の助けを得られずに戦うことも。
    GM:……失うことも。
    GM:だからきっと。
    GM:あなたは心静かに、〝城樹の宿〟へ帰ってきたことだろう。
    GM:あなたの他に誰もいない、この宿に。
    GM:黒瀬 直。あなたは誰の手も借りず、宿の調査を続行している。
    黒瀬直:石積みの墓前にて、繰り返すこと三度。
    黒瀬直:新たな結界破りの方策は徒労に終わり、旅館へ向かい、
    黒瀬直:「では次だな」
    黒瀬直:また別の為すべき行動へ着手している。
    黒瀬直:私に休む理由はないのだから。私がそれを認めないのだから。
    GM:……まるで絡繰り仕掛けの人形だ。
    黒瀬直:ずかずかとした足取りで、眼帯を付けた女が館を闊歩する。
    GM:一つの目的を達成する為に、淡々と、粛々と、動くだけ。
    GM:いつか仕掛けの油が切れるか、ネジが壊れるか、それとも。
    GM:いずれにせよあなたは、動かなくなるのだろう。
    黒瀬直:「敵は領域を変容させるかもしれん」
    黒瀬直:「だがそれは、次に相まみえる時へ向けて、地形把握を怠る理由にはならん」
    GM:だとしても。
    GM:ほんの一時、傷ついた心を休めることは罪ではないというのに。
    GM:この宿には安らぎが用意されている。
    GM:温泉は心地よかっただろう。娯楽なら幾らでも用意される。
    GM:怪しいと、手を付けずに終わらせた山海の美味だとて──今は溺れても良いのだ。
    GM:咎める者も。
    GM:あなたの背を見習う者も、誰もいないのだから。
    GM:それでも黒瀬直、あなたは──
    GM:怠らない、と?
    黒瀬直:歩く。布石を撒きながら。
    黒瀬直:歩く。呪いを吐きながら。
    黒瀬直:歩く。使命を見詰ながら。
    黒瀬直:「……"シングル・ユーズ"ならば」
    黒瀬直:「愚直に石を積み上げようか。まあ、そう語るには破壊的だが」
    黒瀬直:言葉を吐く。思考を出力する。誰の耳に聞こえずとも。
    黒瀬直:「"ワゴン・テラーズ"も、そうだな」
    黒瀬直:「やはり地道に手を動かすか。一人では休めない子だものな」
    黒瀬直:私一人に出来ることはそれほど多くないが、多少の見識は持っている。
    黒瀬直:生き残ったのが彼らならば、どのような方策を取るか。仮定する。
    緒環 伸:「……確かに君の言う通りだったし」前から近づいてくる。
    緒環 伸:もちろん、声は届かない。
    緒環 伸:「"パペッティアー"なら、君の手助けをすることができるかもしれない」
    黒瀬直:「………」
    黒瀬直:独り言を吐きながら歩き、どこぞの部屋へと入る。
    緒環 伸:「多分、君はそのうち自分でたどり着くと思うんだよな。いいやり方に」
    緒環 伸:こちらも独りで喋りながらついていく。
    緒環 伸:「それくらいの信頼はしてるということ」
    黒瀬直:「……"姫"は」
    緒環 伸:「あの子はたどり着いて、上手くやった」
    黒瀬直:「苦しくとも、きっと最後に前を向くだろう。彼女は好い子だ」
    緒環 伸:「さすが、よく見てるわけだ」
    黒瀬直:「"リトル・ミストレス"は、どうかな」
    黒瀬直:「上手くやり過ごすことも出来ようが、寂しがり屋だしな」
    緒環 伸:「……ほんとにね。でも安心するといい」
    緒環 伸:「あの子は、何があっても僕が助けるから」
    黒瀬直:「………」
    黒瀬直:「"パペッティアー"」
    緒環 伸:「はいはい」返事をする。聞こえないとわかっていても。
    黒瀬直:「正直わからんな、うむ」
    緒環 伸:「はは、言われてら」
    緒環 伸:「そうだね、僕は君みたいな戦える人と組まないとやっていけない」
    緒環 伸:「力も知識も大して持ってない」
    GM:知識──
    GM:ある戦いにおいては、力以上の武器となるもの。
    GM:経験と知識の数において、あなたに勝るオーヴァードはそう多くはあるまい……黒瀬 直。
    黒瀬直:私は多くのオーヴァードを知っている。
    黒瀬直:知り得ることしか知らないし、それが活きるかは別問題だが。
    黒瀬直:多少のものは知っている。故に全ての手段を費やす。
    黒瀬直:「第5支部を襲った"パペティアー"は他者を操る、まあ分かりやすい奴だったようだが」
    黒瀬直:「緒環 伸については、あまりよく知らない」
    緒環 伸:「まあ、知り合って短いしね」
    黒瀬直:「……能力だけではない。それより大切な事」
    黒瀬直:「どういう人だったのか、分からない」
    緒環 伸:「それなー」
    黒瀬直:「会って話してみたいものだった」
    黒瀬直:「エアホッケーも、悪くはなかったが」
    緒環 伸:「僕も君ともう少し話したかったよ」
    緒環 伸:「でも、まだ過去形にするのは早いな」
    黒瀬直:「……二つぐらい、か」
    黒瀬直:「知っているのは」
    緒環 伸:「なあ、"デモン・ストレイト"。こんな言葉があるんだけどさ」
    緒環 伸:「『みんなで力を合わせれば、できないことはない』」
    緒環 伸:「エアホッケーで負ける非力な僕でも、君に当てがあるなら」
    緒環 伸:「それを手伝える」
    黒瀬直:「賭け事好きの友人が言っていた」
    黒瀬直:「実に都合の良く、運の好いギャンブラーがいると」
    黒瀬直:《万能器具》
    黒瀬直:大気から物体を生成する……レネゲイドの影響を極めて受けやすい、へらへら笑った人形を。
    黒瀬直:「そして彼は、うん」
    黒瀬直:「運よく生き残って、認識阻害を免れていたとしてだ」
    緒環 伸:「……人形? まさかこれ僕?」
    黒瀬直:「阿呆みたいに独り言を吐いている女がいるならば」
    黒瀬直:「近くに寄り添ってくれるのではないかな」
    緒環 伸:「別に阿呆ってこたないさ。話し相手がいて嬉しいってもんだ……」
    緒環 伸:「……ビンゴ」
    黒瀬直:《テクスチャーチェンジ》
    黒瀬直:遺産:華金弓を変質させる。
    黒瀬直:人の願いを受け入れ叶える弓を、繰り糸に変えて人形に通す。
    黒瀬直:類感呪術の系統だ。要素を似せたものは、同じものとなる。
    黒瀬直:たとえ支配者の阻害があろうとも。断絶があろうとも。
    黒瀬直:最大限に踏み入ればあるいは。
    黒瀬直:「三度目だ。境界線を攻めようじゃないか」
    黒瀬直:幾多徒労に終わろうと。全て試すだけのこと。
    黒瀬直:「居るか?」
    緒環 伸:「君はギリギリが好きだねえ」
    緒環 伸:「居るよ」
    緒環 伸:こくりとうなずく。
    黒瀬直:────いとが、通じた。
    黒瀬直:「良し」
    黒瀬直:「仮定が形成され、状況理解が進行した」
    緒環 伸:「……なるほどねえ」
    黒瀬直:「故にひとつ、冒険だ」
    黒瀬直:大弓取り出し、狙いを定める。
    黒瀬直:単独でジャームと戦うならば、最大の壁はエネルギー上限。
    黒瀬直:遺産の力を以てすれば、瞬間的な出力を越えることはけして不可能ではない。
    緒環 伸:「お姫様の次は冒険者か。どうもファンタジーだね」
    黒瀬直:そして一人でとないと分かったならば、超え続ける必要もない。
    緒環 伸:「ああ……」
    緒環 伸:「たどり着いてくれたかな」
    黒瀬直:「では、力づくでの厄祓いといこう」
    黒瀬直:「見てくれたまえ」
    緒環 伸:「ああ、見てるとも」
    黒瀬直:【金光一閃】

    GM:──今更、何を言う必要もあるまい。
    GM:そこにいる筈の人間が、そこにいるだけのことだ。
    GM:これは驚愕に値することでもなく、予測を上回る異常事態でもなく。
    GM:当然の帰結として導き出された結論であるから、
    GM:だからあなた達はきっと、
    GM:ただ会話を続けるように再会するのだろう。
    黒瀬直:「どうだったかね」後ろへ向けて、声を掛ける。
    緒環 伸:「お見事」ぱちぱち、と手を叩く。
    緒環 伸:その音がもう届くことはわかっている。
    緒環 伸:自分は彼女に、信頼を預けた。これは、そういうことだ。
    黒瀬直:「良し」
    黒瀬直:「他の子はどうしているかな」
    緒環 伸:「興津さんは無事。雪ちゃんは未確認。末柄さんと薬師院さんはまだ休憩コーナーで奮闘中かな」
    黒瀬直:「そうか……」
    緒環 伸:「だから、僕は雪ちゃんのところに行こうかと思ってる」
    黒瀬直:「うむ」
    緒環 伸:「行ってやんなきゃならないんだ。助けられたからね」
    黒瀬直:「うむ。貴方と語り合うのはまた今度だな」
    黒瀬直:「良い店でもあれば紹介してくれ」
    緒環 伸:「ああ、それなら第九にもうすぐ開く店があるから、連れてくさ」
    緒環 伸:「きっといい店になるはずだから」
    黒瀬直:「うむ。楽しみにしておく」
    緒環 伸:「ゆっくり話そうか。寂しがり屋の子供が寝た後とかにね」
    黒瀬直:袖口からするりと火打石を取り出して
    黒瀬直:「第12支部流の必勝祈願だ」カン、カンと打ち鳴らす。
    黒瀬直:「ご武運を」
    緒環 伸:「時代ー」からかうように笑って。
    緒環 伸:「お互いに」腕を軽く上げた。
    黒瀬直:「では、任せた」薄く笑みながら背中を向ける。
    黒瀬直:それぞれがすべきことを為すために。

    GM:【《不可視の領域》:春日 雪】 目標値20 《RC》
    GM: 
    GM:解に至るまでが最も早いのはきっと、あなただ。
    GM:あなたが一番、この〝宿〟に巣喰うジャームに近い力──オルクスシンドロームとしての力を持っている。
    GM:即ち領域形成と認識阻害。
    GM:或いはあなたならば。自分の感情を客観的に見つめて、〝自分は認識阻害を受けている〟と理解できるのかも知れない。
    GM:が。
    GM:分かったからと言って、何ができる。
    GM:……或いはあなたの領域操作を用いて、自分を、この空間内の操作対象から切り離す事が出来るのかも知れない。
    GM:けれど、それだけだ。だって、あなたは、
    GM:一人になってしまったのだから。
    春日 雪:状況は把握できた。理解もできた。それゆえに。
    春日 雪:自分ではどうにもできない。そんな結論に至るまで、大して時間はかからなかった。
    春日 雪:だから。
    春日 雪:「……ごめんなさい」
    春日 雪:小さな鞄ひとつだけがある、灯りの落ちた部屋で。膝を抱えるように蹲って。
    春日 雪:「ごめんなさい、ごめんなさい」
    春日 雪:連れて来た人たちへ。外で待つ人たちへ。
    春日 雪:「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
    春日 雪:瞳の焦点がどこにも合わないまま。ただただ、そう繰り返す。
    春日 雪:やがて、その声も。
    春日 雪:「…………」
    春日 雪:喉は渇き、ヒュゥヒュゥと、短い呼吸を繰り返すだけになって。
    春日 雪:「……ごめん、なさい」
    春日 雪:なんとか、その言葉だけを絞り出して。目を閉じ、俯く。
    緒環 伸:ドアが細く開いて、静かに青年が部屋に足を踏み入れる。
    緒環 伸:その音も、きっと届かない。
    緒環 伸:「……雪ちゃんが謝ることは、何もないんだよ」
    緒環 伸:この言葉も、当然届かない。
    春日 雪:応える声はなく。呼吸は浅く。
    緒環 伸:「君が僕を守ってくれたから、抜け出せた。今度は僕が君を……」
    緒環 伸:「……ちょっと違うかな」
    緒環 伸:「僕が君を助けたいから、助けに来た」
    緒環 伸:この言葉も、届くはずがないのだ。
    緒環 伸:「明かり、つけた方がいいぜ。あったかいお茶でも用意する? 確かあったよな、お茶っ葉か何か」
    緒環 伸:「ここ、備えがいいし……」
    春日 雪:─分かっている。きっと、皆は謝罪など求めていない。
    緒環 伸:用意したところで、彼女の目に留まるとも思えない。
    春日 雪:それでも。副支部長という立場が。何より、誰かがいなければ何もできないという自分の在り方が。
    春日 雪:自分を、許さない。
    春日 雪:─カタカタと、小さく体が震える。寒さのせいではなく。
    緒環 伸:「……君は、聡い子だから。それで余計にしんどくなってるんだろうな」
    緒環 伸:目の前にしゃがみ込む。
    緒環 伸:「でも、ならわかってるだろ。僕がいるんだよ」
    緒環 伸:「君が守ってくれた、僕がいるんだ」
    緒環 伸:外からずっと着ていた上着を脱ぐ。
    緒環 伸:震えている、小さな子供の肩にかけてやる。
    春日 雪:年不相応に大人びた美貌は。目に光がなく、唇に潤いがなく。それでも。
    春日 雪:「……ぁ」
    緒環 伸:それは、認識の上では何の意味もない。子供の身体には少し重たい生地も、長い裾も。
    春日 雪:外套の上から何かに包まれる、そんな不思議な感覚に瞳を揺らす少女は。あなたが知る通りで。
    緒環 伸:残った体温は身体を温めることもないかもしれない。それでも。
    緒環 伸:「やあ、雪ちゃん」
    緒環 伸:それでも、何かしないではいられないような。君はそういう子なんだと、それだけを伝えたかった。
    春日 雪:顔を上げる。焦点が合わず、当然、あなたを見ているわけではないけれど。
    春日 雪:いつもと同じ、底の知れぬ赤い瞳が、あなたの前にある。
    緒環 伸:「迎えに来たよ。お家に帰ろう」
    緒環 伸:「これは家族旅行、なんだろ?」
    春日 雪:「……そうだ。わたし、は」
    春日 雪:もちろん、あなたの問いかけに対する応えではないけれど。
    春日 雪:「ちゃんと、みんなで、帰らなきゃ」
    緒環 伸:「よくできました」
    春日 雪:自分に言い聞かせるように、目を閉じて。神経を研ぎ澄ませる。
    緒環 伸:「なら、やることはわかるよな」
    春日 雪:ほんの少しでいい。この領域に、自分の領域を介入させる。そうすれば、きっと。自分の周囲だけでも。
    緒環 伸:あとは、きっと見守るだけだ。この子はしっかり者だから。
    緒環 伸:……でも、寂しがり屋でもあるから。その時は、きっとほんの少しだけ支えてやろう。
    春日 雪:キィン、と。耳鳴りのような音がして。
    春日 雪:「…………」
    春日 雪:恐る恐る、目を開く。そして、目の前には。
    GM:目の前には──
    GM: 
    緒環 伸:「おはよう」片手を上げる、少しにやついた顔の青年がいる。
    春日 雪:「……緒環、さん」
    春日 雪:擦れた声で、彼の名を呼ぶ。
    緒環 伸:「はいはい。あ、声酷いな。なんか飲み物……」
    緒環 伸:「とりあえず水持ってくるかね」
    春日 雪:「…………」
    春日 雪:飲み物を取りに行こうと立つキミの、服の裾をきゅっとつまむ。
    緒環 伸:「ん」
    春日 雪:「……全部、見てましたね?」
    春日 雪:空いた方の手で、自分にかけられた上着を、抱きしめるように抱えながら。恨みがましい視線。
    緒環 伸:「全部ってほど全部は見てないよ。なんでそんな声になってるのかは知らんし」
    緒環 伸:「なんなら、見てなかったことにしたっていいんだぜ」
    春日 雪:「……見てたって言われるよりもっと恥ずかしいですよ、それ」
    春日 雪:小さく笑いながら、立ち上がる。
    緒環 伸:「ならそっちの方が楽しいかな……」
    緒環 伸:「やっと笑った」
    緒環 伸:自分も笑顔になりながら。
    春日 雪:「はい。わたし、弱いところを見せるのは、好きな人にだけって決めていますから」
    緒環 伸:「大変だ。ならこんなとこで消費してる場合じゃないな」
    春日 雪:「あら。わたしは、今、見ていてくれたことにしても構いませんけど……」
    春日 雪:やはり掠れた声で、けれどいつものように、笑顔を浮かべ。
    緒環 伸:「家族旅行だろ?」
    緒環 伸:「僕は『お父さん』。そういうこと」
    春日 雪:「……はい。ですから」
    春日 雪:「『好き』であることに、変わりはありません」
    緒環 伸:「…………」
    緒環 伸:少し虚を突かれたようにきょとんとして。
    緒環 伸:「……そんなこと言われたら、二度と忘れられなくなっちゃうじゃないか」
    緒環 伸:目の前の女の子の頭に、手を伸ばす。
    春日 雪:「本当にそうなってくれたら、わたしの思い通り、です」
    春日 雪:頭を撫でられる感触に、目を細めて。そして。
    春日 雪:「……では、緒環さん」
    春日 雪:名残惜しさを隠しもせず、けれど努めて事務的な口調で。
    緒環 伸:「あいよ」こちらはいつもの軽い調子で。
    春日 雪:「きっと、みなさんもそれぞれのやり方で進もうとしておられます。ですから」
    春日 雪:「行きましょう。……みんなで帰るまでが、お仕事です」
    緒環 伸:「了解。おうちの人を心配させてはいけません、だね」
    春日 雪:ええ、と頷いて。ゆっくりと立ち上がり、少しふらつく足取りで、扉へと向かう。
    緒環 伸:「おっと」腕を貸してやりながら。
    春日 雪:小さく、ありがとうございます、と。微笑みながら応えて。
    春日 雪:彼の腕に縋るように、少しずつ歩みを進める。あと数歩で、扉に手が届く─
    興津和沙:ドッッガアアアア!!
    春日 雪:「きゃっ!?」
    緒環 伸:「うえっ!?」思わず声を上げる。
    興津和沙:柱ごと!梁ごと!巨大な朱槍が粉砕していく!!
    春日 雪:悲鳴を上げて、緒環さんの腕に抱き付く。
    興津和沙:「っしゃあああああああ!!」
    緒環 伸:「ちょ、あぶ、なんだこれ!?」雪ちゃんを腕で庇いながら。
    興津和沙:ブオン!ブオン!ブオン!!と朱槍が暴れまわりっ
    黒瀬直:「前方不注意だぞ興津くん!」一喝!
    興津和沙:「っと!」
    春日 雪:「……和沙さん、直さん」
    春日 雪:安心したように、小さなため息。
    興津和沙:その声を浴びて槍がピトリ、と止まる
    緒環 伸:「君なあ! 今時のお姫様ってのはブルドーザーで舞踏会に行くのか!?」
    興津和沙:「舞踏会ならちゃんと御洒落していくけど、今行こうとするのはそんなオシャレなとこじゃないじゃんっ」
    末柄 晴:「シンデレラも土木作業に従事する世の中でありますか。いや、不景気不景気」
    興津和沙:「ええっと、けど、ごめんなさい。大丈夫だった?」
    緒環 伸:「にしても、もうちょい洒落を効かせてくれたら嬉しかったかな……」
    緒環 伸:「大丈夫は大丈夫だよ。止めてくれたのはどうも」
    興津和沙:「雪ちゃんも」
    春日 雪:「はい。……ふふ、お元気そうで、何よりです」
    興津和沙:「大丈夫?」
    黒瀬直:「そうか」ずかずかと雪ちゃんに近づく。
    春日 雪:「……直さん?」
    緒環 伸:「お、末柄さんも回復した? ならだいぶ安心だな」
    黒瀬直:そのまま、小さな躰を抱きしめる。
    春日 雪:「きゃ…!?」
    春日 雪:先ほどとは、また色の違う悲鳴。
    黒瀬直:「……良かった」
    末柄 晴:「回復したと言ってよいのか否か、はてさて。少なくとも体内部品の幾つかが破断している感覚はありますな」
    春日 雪:「……はい」
    薬師院 小夜子:「後先考えねぇで暴れてたもんなぁ……それにしてもあー、羨ましい」
    黒瀬直:「……良し」
    春日 雪:短く応えて、僅かな間ではあるけれど、体を預けるようにして。
    春日 雪:「……では、みなさん」
    興津和沙:「うん」
    黒瀬直:「うむ」ゆっくりと距離を取る。
    緒環 伸:「ああ」
    春日 雪:誰かに縋り付くでも、頼るでも、抱きしめられるでもなく。しっかりと両脚で立ちながら。
    春日 雪:「行きましょう。……わたしたちのやるべきことは、まだ」
    春日 雪:「ここからです」
    GM:あなた達はもう一度、肩を並べる。
    GM:そしてもう一度、
    GM:征く。
    GM:──────────
    GM:まずはロイスの処理から
    GM:《失われた隣人》の効果を削除。各ロイスのN喪失固定を解除して別感情に書き換えた上で、ポジネガ反転が可能です
    興津和沙:同行者/黒瀬直/親近感○/不安
    同行者/春日雪/庇護○/心配
    同行者/緒環伸/信頼○/罪悪感

    黒瀬直: 幼子:興津和紗/P尊敬〇:N罪悪感
    副支部長:春日雪/P庇護〇:N心配
    同行者:緒環伸/P連帯感〇:N不満足

    春日 雪:緒環さんを「■尽力/恥辱」、黒瀬さんを「■誠意/劣等感」、興津さんを「■好意/脅威」で。
    GM:ではつづいて
    GM:通常のロイス処理&ラスト調達!
    黒瀬直:3dx+1>=12 調達はUGNボディーアーマー
    DoubleCross : (3R10+1[10]>=12) → 8[5,6,8]+1 → 9 → 失敗

    黒瀬直:以上!
    緒環 伸:ロイスはなしで。
    興津和沙:ロイスは保留
    春日 雪:このシーンでは出てませんが、かなえちゃんに「■憧憬/嫌悪」で。
    興津和沙:ボデマ!
    興津和沙:2dx
    DoubleCross : (2R10[10]) → 4[2,4] → 4

    興津和沙:無理!
    緒環 伸:じゃあUGNボディーアーマーで
    緒環 伸:6dx+3=>12
    DoubleCross : (6R10+3[10]>=12) → 9[2,2,3,4,8,9]+3 → 12 → 成功

    緒環 伸:おっやった
    緒環 伸:どちらかほしい人どうぞー
    興津和沙:じゃあ、せっかくだからもらっていいですか?
    黒瀬直:じゃあ姫にどうぞ!
    緒環 伸:あげる!
    興津和沙:やったー!
    春日 雪:あ、じゃあ黒瀬さん、シューターズジャケットとかどうです。行動値が下がりますが(−2)
    黒瀬直:もらう~
    春日 雪:ダイス+1は黒瀬さんだと誤差になるかもなので、ボディアーマーの方がよければそちらを!
    黒瀬直:雪ちゃんがくれるなら何でもいいよ~
    春日 雪:ではシューターズジャケットにチャレンジ!手配師起動!
    春日 雪:11dx+4>=13
    DoubleCross : (11R10+4[10]>=13) → 10[1,2,2,2,3,4,7,7,8,9,10]+8[8]+4 → 22 → 成功

    春日 雪:成功。どうぞ。
    黒瀬 直:これは……いいジャケットだ!
    春日 雪:ちゃんとした防具ですよ!?
    黒瀬直:装備して以上!
    春日 雪:以上で!

    クライマックス


    GM:全員登場です
    黒瀬直:黒瀬直の侵蝕率を+2(1d10->2)した(侵蝕率:76->78)
    春日 雪:1d10+92
    DoubleCross : (1D10+92) → 2[2]+92 → 94

    緒環 伸:緒環 伸の侵蝕率を+1(1d10->1)した(侵蝕率:96->97)
    緒環 伸:軽っ
    黒瀬直:みんな落ち着いたね
    興津和沙:1d10+97
    DoubleCross : (1D10+97) → 10[10]+97 → 107

    興津和沙:やっば
    GM:そうでもなかった
    緒環 伸:姫ー!
    黒瀬直:姫、暴れたから………

    GM:──〝中心〟へ。
    GM:宿、ということではない。その宿の中でも更に中心、つまり領域を形成する始点を追ったのなら。
    GM:そこには一枚の扉があった。
    GM:薄っぺらい木板の扉。蹴破るどころか、軽く押しただけでも板が割れそうな程の。
    GM:だが、〝有るだろう〟と確信を以て探索しなければ辿り着かず、
    GM:加えてこの〝宿〟が、破損の修復にリソースを注ぎ込まなければ、きっと秘匿も解除されなかった。
    GM:同行した支部員達は、建物内の極力離れた地点へ待避させた。
    GM:末柄晴、薬師院小夜子の両名は其方側の護衛として残り、
    GM:宿の亡霊と戦いに出向いたのはあなた達だけだ。

    GM:扉の向こうは、何処かの山里の、秋の夕暮れだった。
    GM:西の山に日が沈んでいく。そうして生まれた影が、眼下の村に掛かっている。
    GM:周囲の山は赤々と色づいて、夕日と相まって、世界は燃えるように赤かった。
    GM:ちっぽけな山小屋がある。
    GM:味噌汁の匂いと、声が三つ。男が二人に、小さな女の子。
    GM:小屋の前に立つ影が、ひとつ。
    亡霊:「おかえりなさいませ……どうか心ゆくまで、お休みください」
    亡霊:「どうか、どうか」
    亡霊:「満ち足りたその後も、お休みください」
    興津和沙:「……ううん」
    興津和沙:「もういっぱい休ませてもらったよ」
    興津和沙:「いっぱい休んで、いっぱいお話して、元気になれたから」
    興津和沙:「私達、もう、帰るね」
    春日 雪:「はい。……これからも頑張ろう。そう、想わせてもらえましたから」
    緒環 伸:「そうだねえ。昔のゲームを振り返るのも楽しかったけど」
    緒環 伸:「十分堪能したかな。今度はね、ちゃんとコイン入れて遊ぶよ」
    緒環 伸:キン、と小さな硬貨を弾く。
    黒瀬直:「だから次は、きみたちが休む番だ」
    亡霊:「……いいえ」
    亡霊:「いいえ、いいえ、いいえ」
    亡霊:「休みません、いつだって、一日たりと一瞬たりと」
    亡霊:「いつ帰ってきてくれてもいいように、私達は、私は──」
    GM:秋風がさやさやと、色づいた葉を揺らす。
    GM:もうじき冬が来るのだろう。寒々とした風だった。
    亡霊:「……頑張らなくても良かった、何もしてくれないでも良かった」
    亡霊:「ただ、帰って来てくれさえすれば」
    亡霊:「私にはそれだけで良かったのにぃっ──!!」
    興津和沙:「けど、貴方が待ってるのは」
    興津和沙:「私達じゃないんでしょう、"おかあさん"」
    興津和沙:「貴方が待ってた人は、きっと今違うところで貴方を待ってるはずだから」
    興津和沙:「私達が。しっかり送り出してあげる!」
    亡霊:「違う、違うの、違う、違う違う違う、私は、いらない、そんなものじゃない、ただ──」

    GM:クライマックス戦闘を開始します。
    興津和沙:こいや!!
    エンゲージ
    亡霊

    10m

    PC達

    GM:……亡霊にあなた達の声は届かない。
    GM:まるで彼女だけが、この世界から切り離されているようだ。
    GM:あなた達をばらばらに引き剥がして、閉じ込めようとした彼女自身が。
    GM:その気が狂わんばかりの〝さびしさ〟は、波となりあなた達のレネゲイドを強制喚起する。
    GM:衝動判定!
    GM:難易度9!
    黒瀬直:《砂の加護》を使用。侵食+3してダイス+6
    黒瀬直:黒瀬直の侵蝕率を+3した(侵蝕率:78->81)
    春日 雪:4dx+1>=9
    DoubleCross : (4R10+1[10]>=9) → 7[2,5,5,7]+1 → 8 → 失敗

    興津和沙:3dx+1=>9
    DoubleCross : (3R10+1[10]>=9) → 6[3,4,6]+1 → 7 → 失敗

    春日 雪:お、惜しい…!
    興津和沙:暴走!
    黒瀬直:9dx+1>=9
    DoubleCross : (9R10+1[10]>=9) → 10[2,5,5,6,7,8,8,9,10]+9[9]+1 → 20 → 成功

    興津和沙:2d10+107
    DoubleCross : (2D10+107) → 12[3,9]+107 → 119

    緒環 伸:4dx+2=>9 思い出の一品使用
    DoubleCross : (4R10+2[10]>=9) → 10[1,2,8,10]+5[5]+2 → 17 → 成功

    春日 雪:2d10+94
    DoubleCross : (2D10+94) → 4[3,1]+94 → 98

    黒瀬直:81+2d10
    DoubleCross : (81+2D10) → 81+4[1,3] → 85

    緒環 伸:緒環 伸の侵蝕率を+14(2d10->7,7)した(侵蝕率:97->111)
    緒環 伸:うお
    黒瀬直:落ち着き
    GM:侵蝕格差が偉いことになっとるな……!
    GM:では
    興津和沙:格差がえぐい
    GM:セットアップ!
    黒瀬直:ブルーゲイルを使用。侵蝕率と行動値+5
    黒瀬直:黒瀬直の侵蝕率を+5した(侵蝕率:85->90)
    興津和沙:同じく
    興津和沙:侵蝕が124に
    緒環 伸:なし!
    春日 雪:ローラーブーツを使用!
    GM:では
    亡霊:最初のイニシアチブに、回数最後の《加速する刻》!
    亡霊:マイナー、《オリジン:レジェンド》5+《アーマークリエイト》9。装甲値23、精神達成値+10
    春日 雪:あっ、シーン変わったから…!
    興津和沙:こんにゃろ!
    亡霊:そしてメジャーアクション、《コンセントレイト:オルクス》3+《完全なる世界》3+《要の陣形》3
    亡霊:対象は侵蝕が低い順に、黒瀬さん、雪ちゃん、緒環さんだ
    興津和沙:優しさ
    緒環 伸:ぐえー
    亡霊:13dx7+16 命中判定!
    DoubleCross : (13R10+16[7]) → 10[1,1,2,3,3,4,5,5,6,7,7,8,9]+10[1,4,9,10]+10[5,10]+10[9]+10[10]+10[10]+10[8]+10[7]+5[5]+16 → 101

    緒環 伸:は!?
    GM:……んん?
    黒瀬直:えっ
    春日 雪:達成値ェ…
    黒瀬直:4dx-1>=101 ドッジ
    DoubleCross : (4R10-1[10]>=101) → 6[1,3,4,6]-1 → 5 → 失敗

    GM:……入力間違いじゃなさそうである
    緒環 伸:ドッジ!
    緒環 伸:4dx+1=>101
    DoubleCross : (4R10+1[10]>=101) → 10[1,2,3,10]+3[3]+1 → 14 → 失敗

    緒環 伸:まわったけども!!
    春日 雪:あ、そして攻撃エフェクトとかは…!?
    黒瀬直:ほんとだ
    緒環 伸:そうじゃん
    GM:あっ抜けてる
    GM:崩れる大地が抜けてた
    GM:だから正しくは
    亡霊:《コンセントレイト:オルクス》3+《崩れる大地》1+《完全なる世界》3+《要の陣形》3
    GM:ですな
    春日 雪:は、了解です!そして暴走中でリア不!
    GM:ではダメージ
    亡霊:11d10+9
    DoubleCross : (11D10+9) → 69[6,10,10,7,1,1,4,10,4,7,9]+9 → 78

    春日 雪:殺意!
    黒瀬直:リザレクト!
    黒瀬直:90+1d10
    DoubleCross : (90+1D10) → 90+1[1] → 91

    黒瀬直:しぶとすぎる
    緒環 伸:とても無理なので、亡霊に感謝/○食傷でロイスを取得、タイタス昇華して復活します。
    春日 雪:あ、カバーリング間に合いますでしょうか…!
    GM:tyotto
    GM:ちょっと待ってね
    GM:ルルブをあさって来るから数分ばかりこのまま
    春日 雪:は!
    興津和沙:へい!
    黒瀬直:262ページですねカバーリング
    GM:そうですな、アリとしましょう
    春日 雪:ありがたい!では、《領域の盾》を黒瀬さんに。緒環さんをカバーリングしていただきます。
    緒環 伸:ありがとうございます!
    緒環 伸:では上記ロイス取得だけして、タイタス昇華はキャンセルします。
    黒瀬直:緒環さんをカバーリングします。
    黒瀬直:どうも、150ダメージ受けて侵蝕率1でリザレクトする女です
    春日 雪:この時点で自分の侵蝕は102へ。そしてダメージを喰らうので、かなえちゃんのロイスをタイタス化、昇華!復活!
    GM:処理はよさそうだ
    GM:では
    亡霊:──領域の内にあっては王たる権限を奮うオルクス。万物を思うがままに産み出すモルフェウス。
    亡霊:その二つの能力の交点はしかし──なんの変哲も無い、ただの女が握っている。
    亡霊:故に産み出されるものは、女が知る範囲のもの。
    亡霊:……だが、その中で、最も恐ろしいもの。
    亡霊:赤々とした光の塊が、空より雨のように降る。
    亡霊:……焼夷弾の雨が、あなた達へと降る。
    黒瀬直:「ふむ」
    春日 雪:「……直さん」
    黒瀬直:「うむ」
    春日 雪:先刻の黒い霧は、概念的なものだった。ゆえに介入することもできたが、これは。物理的な存在だ。だから。
    黒瀬直:傍らにしゃがみ込む。視線を合わせる。
    春日 雪:「……お願いします」
    春日 雪:黒瀬さんの額に、そっと触れる。それは、ある種のマーキングだ。
    春日 雪:そこに、攻撃がある程度集中する。そんな、呪いめいた。
    黒瀬直:「大役だな。悪くない」
    黒瀬直:返すのは微笑み。余裕に満ちた言葉。
    黒瀬直:大弓の一端を地面に突き刺し、弦をぐいと引っ張り
    黒瀬直:「では、そちらも気を付けて」
    黒瀬直:高速で自身を射出。次いで弓も粒子と転じて後を追う。
    GM:効率良く街を焼き、人を焼き殺す為に作られた悪意の塊。
    GM:──無知な女が過剰に怖れて産み出した炎は、誇張され、本来以上の殺傷力を伴う。
    GM:体に付着し、呆れる程効率良く燃え広がる。
    GM:焼く。肉を、骨を。拾うことも出来ぬようになるまで!
    春日 雪:為すすべなく、炎の舌に舐め尽くされながらも。見上げる視線は、誇らしげで。
    緒環 伸:そちらを見、顔を顰めながらも、自身は動かない。
    緒環 伸:逃げ惑っても仕方がない、そういう種類のものもあるし……。
    緒環 伸:彼女が任されたのだ。ならば、信じ、頼るまで。
    GM:では、行動値順。黒瀬さんだ
    黒瀬直:メジャーでコンボ【金光一閃】《ペネトレイト》《コンセントレイト:モルフェウス》《砂の加護》《砂塵霊》侵食値+11。対象は亡霊。
    GM:リアクションはガード固定だ……一気に来いやぁ!
    黒瀬直:12dx7+15
    DoubleCross : (12R10+15[7]) → 10[1,2,2,3,3,3,4,4,5,5,6,7]+10[8]+2[2]+15 → 37

    緒環 伸:《妖精の手》しますか。
    黒瀬直:いや、確定で倒せるので大丈夫です
    緒環 伸:オッケー!
    黒瀬直:黒瀬直の侵蝕率を+11した(侵蝕率:91->102)
    GM:ダメージは!
    黒瀬直:34+5d10
    DoubleCross : (34+5D10) → 34+32[7,2,6,9,8] → 66

    GM:まぁ分かりきってるけど死ぬよね
    GM:なのでもちろん
    黒瀬直:チッ、ディスマントルは切ってこないよな
    亡霊:《魂の錬成》3 HP30になって復活!
    亡霊:ここで切ったところで死ぬもーん!
    黒瀬直:さすがにしぶとい
    GM:というわけで演出どうぞ!
    黒瀬直:炎の洪水の中を駆ける。地獄の縁を翔け抜ける。
    黒瀬直:火に舐め上げられたあちこちが動かない。肉体を形成物で埋めて強引に押し殺す。
    黒瀬直:この人殺しに、帰りの引率という素晴らしい仕事を託されたのだ。
    黒瀬直:(嬉しくて仕方がない……なっ!)
    黒瀬直:走りながら振り返り、必殺の矢を放つ。
    黒瀬直:ごく当たり前のことだが、狙い過たず敵を貫く黄金の一条だ。
    黒瀬直:「……が、確信が無いな」
    黒瀬直:バスとヘリが来るのは、もう少し先らしい。
    亡霊:射貫かれた──と知覚した時には、既に霊体の崩壊は始まっていた。
    亡霊:妄執に染まりこそすれ、その女は、
    亡霊:戦場に赴く者の覚悟を知らない。
    亡霊:「ぅうううぅぅぅぅ──」空気の漏れ出すようなうめき声。霧散するかに思えた体は、しかし
    亡霊:再構築される。より人に近い形で。
    亡霊:……はからずも彼女を産み落とした者達が、望んでいたような姿に。
    亡霊:年の頃は──黒瀬 直、あなたと同世代だろうか。生活の労苦が故か、10も上に見えるだろうが、
    亡霊:亡霊は、やつれた女の顔をして未だに立っている。
    GM:では
    GM:行動値10の二人、いずれか!
    興津和沙:緒環さん先お願いしていいですか!
    緒環 伸:先に行きたいです!
    緒環 伸:はーい!
    緒環 伸:マイナーなし。メジャーで《導きの華》《光射す場所》《要の陣形》《フラットシフト》。侵蝕0。
    GM:あっ、フラットシフト!
    緒環 伸:対象は黒瀬さん、姫、雪ちゃんの三人。次のメジャーアクションの達成値が+21されます。
    GM:そういえば有ったなぁ……!
    春日 雪:ありがたい…!
    興津和沙:やったー!!
    黒瀬直:わあい
    緒環 伸:どんどんめしあがれ
    GM:演出あらばどうぞ!
    緒環 伸:演出します!
    緒環 伸:少しずつ、少しずつ。敵の輪郭がわかりかけてきた気がする。
    緒環 伸:帰ってきてほしい誰かを待ち続ける亡霊。その歪んだ……それでも、過剰に純粋である想い。
    緒環 伸:元は、目の前にいるような、ただの人間のものであったろう想い。
    緒環 伸:……多くの者は、己の強いと信じるものを……最も恐ろしいと思うものを武器に用いる。
    緒環 伸:切り裂かれることを恐れる者は剣を。貫かれることを厭う者は銃を。
    緒環 伸:この亡霊は、きっと空から降る、全てを焼き焦がす炎を。
    緒環 伸:そして、彼は、全ての事象に張り巡らされる、残酷で無慈悲な運命を手にする。
    緒環 伸:それは、他の武器とは違い、直接人を傷つけることはない。ただ、糸の形をして……。
    緒環 伸:全てを操り、無慈悲に、残酷に、ただの人間を翻弄する。
    緒環 伸:「……さあ。みんな、後はよろしく頼んだ」
    緒環 伸:ただの人間である緒環は、楽器でも奏でるように手を動かし、強いて道化めいた声を張る。
    緒環 伸:「帰りのバスでゆっくり寝たいんだよ、僕は」
    GM:では、姫!
    興津和沙:マイナーで10m移動!接敵!
    興津和沙:メジャーで〈コンセ:ブラックドッグ>+〈爪剣〉+〈アタックプログラム
    興津和沙:対象は亡霊!
    GM:では
    興津和沙:なん!?
    かなえ:《テイクオーバー》 対象がエフェクト使用時に宣言。そのエフェクトは対象ではなく、テイクオーバーの使用者の侵蝕を上昇させる。
    興津和沙:かなちゃん!!
    春日 雪:!?
    かなえ:その侵蝕、もらいうける
    興津和沙:では依然侵蝕は124のまま、殴ります!
    GM:という訳で改めて判定をどうぞ
    興津和沙:12dx7+14+21
    DoubleCross : (12R10+14+21[7]) → 10[1,1,1,3,4,5,6,7,8,8,8,9]+10[3,7,8,9,9]+10[2,5,9,10]+6[5,6]+35 → 71

    興津和沙:ずえりゃ!!
    GM:固定値抜いても36あるじゃねえか!
    亡霊:《ディスマントル》!
    GM:が、ちょっとここに割り込みで
    GM:あ、いや今の無し
    興津和沙:にゃにぃ!?
    GM:色々と間違えた、普通にオートアクションで《ディスマントル》7、ダメージ21点軽減じゃい!
    GM:ダメージどうぞ!
    興津和沙:ではいくぞ!
    興津和沙:8d10+35-21
    DoubleCross : (8D10+35-21) → 43[8,4,6,2,4,2,7,10]+35-21 → 57

    興津和沙:どうだ!!
    GM:57-装甲23=34……ああ,これは
    亡霊:《蘇生復活》
    亡霊:HP1でもっかい復活!!!
    興津和沙:しぶとみ…!!
    亡霊:伊達に色々積んでないよ!
    春日 雪:オノーレ!
    かなえ:──では。
    かなえ:興津 和沙。あなたは炎の雨から逃れた。
    かなえ:呼吸と場の噛み合いを待ち、打ちかかる機を見いだす刹那──
    かなえ:「手伝います!」
    かなえ:背後より、少女の声を聞くだろう。
    かなえ:「おもいっきりやっちゃってください!」
    かなえ:「その反動全部、私が持っていきます!」
    興津和沙:「うん!」
    興津和沙:「ありがとう!」
    興津和沙:焼けた空気を肺に吸い込みながら前に出る。肺がひりつく、けれどこの人が苦しみはこんなものじゃない。
    興津和沙:空が降りてきた炎が大地を焼いている。
    興津和沙:ここにはいないはずの人たちの悲鳴が聴こえる。
    興津和沙:かつてどこかにいた人たちが焼けていく臭いが鼻につく。
    興津和沙:ああ、これは地獄だ。この人が、生きている時に見た地獄のような光景だ。
    興津和沙:駆けながら槍を構える。亡霊に視線をやる。同時にこの光景を焼き付けようとする。
    興津和沙:この人は、こんな風に心を焼かれながらずっと、誰かを待っていたんだ。
    興津和沙:私は、この人に何も出来ない。救ってあげることも、待ち人を連れてくることも出来ない。
    興津和沙:出来ることは
    興津和沙:(ああ、なんだ。)
    興津和沙:交差する瞬間、朱槍が前に出る。
    興津和沙:(この人と、同じだ。)
    興津和沙:ドッガアアッ!
    興津和沙:朱槍が!亡霊の肩に叩きつけられる!
    興津和沙:「もう、いいよ。」
    興津和沙:「もう休んで」
    興津和沙:「貴方は、私達を休ませてくれた。」
    興津和沙:「だから、次は、ずっと頑張ってきた、ずっと耐えてきた貴方が休む番だよ」
    亡霊:生身の体を砕いた感覚とは違う。枯れ木をへし折り、瓦を割り砕くような、乾いた手応え。
    亡霊:ぱきぱきと、砕ける音は
    亡霊:壺に入りきらない遺骨を砕く時の、あの不愉快な音色と同じだ。
    亡霊:「なんで」
    亡霊:「だめ、です」
    興津和沙:「ダメじゃない。」
    亡霊:「そんなことを言って、私をおいていかないで、おねがいですから──」
    亡霊:もう、亡霊は女の顔をしていない。
    亡霊:それはボロ布を纏い、頭髪の残骸を頭に貼り付けただけの、
    亡霊:ただの歩き回る骸骨だ。
    興津和沙:「待っててもあの人達は帰ってこない。」
    興津和沙:「だから、探しに行ってあげてよ…!」
    興津和沙:「会いに行ってあげてよ!」
    興津和沙:「そこで…休んでよ…お願いだから…!」
    興津和沙:涙を流しながら、言葉を詰まらせながら、亡霊に言葉を投げる
    興津和沙:聞こえなくても、届かなくても、それも口にしたい気持ちを形にする。
    かなえ:「……だってよ、おかあさん」
    かなえ:「私も」
    かなえ:「そうして欲しいな、って思う」
    亡霊:「ぅううぅぅうぅぅぅ……ぅううぅううぅぅぅぅっ!!!」
    GM:では、亡霊の手番だが
    亡霊:《加速する刻Ⅱ》
    GM:加速する刻は最後だと言ったな、あれは本当だ。
    亡霊:という訳で二回のプロセスを纏めてやります
    興津和沙:ファッキンジャップ!!
    黒瀬直:てめえ!
    緒環 伸:お、おのれー
    亡霊:行動は二回とも、マイナーが無しでメジャーが《コンセントレイト:オルクス》3+《ヒール》1+《ハザードコール》10+《要の陣形》3
    春日 雪:おのれぇ!
    緒環 伸:はー!!
    黒瀬直:やっば
    亡霊:一度目の対象は姫&黒瀬さん&亡霊。二度目の対象は緒環さん&雪ちゃん&亡霊。
    春日 雪:……なるほど?
    亡霊:9dx7+16 命中判定1度目
    DoubleCross : (9R10+16[7]) → 10[1,2,2,4,5,7,7,7,10]+10[2,4,5,10]+2[2]+16 → 38

    亡霊:9dx7+16 命中判定2度目
    DoubleCross : (9R10+16[7]) → 10[1,2,2,3,4,6,7,10,10]+10[4,4,10]+3[3]+16 → 39

    亡霊:1d10+6 回復1度目
    DoubleCross : (1D10+6) → 7[7]+6 → 13

    亡霊:1d10+6 回復2度目
    DoubleCross : (1D10+6) → 8[8]+6 → 14

    亡霊:亡霊は二度ともリアクションはガード! HP27点回復じゃーい!
    亡霊:みなさんは命中したら侵蝕+10した上で該当のHP回復よろしくお願い致しますわね
    興津和沙:ドッジ!
    興津和沙:8dx+1
    DoubleCross : (8R10+1[10]) → 9[3,4,5,5,7,7,9,9]+1 → 10

    興津和沙:はいダメ!
    春日 雪:自分はリアクション不可!
    黒瀬直:5dx-1>=38 ドッジ1度目
    DoubleCross : (5R10-1[10]>=38) → 10[2,5,6,9,10]+9[9]-1 → 18 → 失敗

    緒環 伸:ドッジ!
    黒瀬直:5dx-1>=38 ドッジ2度目
    DoubleCross : (5R10-1[10]>=38) → 9[2,2,3,5,9]-1 → 8 → 失敗

    興津和沙:いや、暴走中だったわ!リア不!!
    緒環 伸:4dx+1=>38
    DoubleCross : (4R10+1[10]>=38) → 8[1,2,6,8]+1 → 9 → 失敗

    黒瀬直:間違えた。一回しか受けてない
    興津和沙:侵蝕が134に
    黒瀬直:黒瀬直の侵蝕率を+10した(侵蝕率:102->112)
    緒環 伸:侵蝕121に上昇。
    黒瀬直:カバーリングしてもいいのよ
    興津和沙:かなえちゃんに感謝○/罪悪感でロイスをトリます
    春日 雪:必要であれば領域の盾を…飛ばす!
    黒瀬直:どうせ次は5点しか増えない
    GM:あっ、シーンLV回な上に使用者の侵蝕も100越えてる領域の縦
    緒環 伸:もらえるのであればもらいたい……!
    春日 雪:では、黒瀬さんに《領域の盾》。100突破したので回数が1回増えております。
    春日 雪:緒環さんのカバーリングをお願いしたく!
    緒環 伸:いつもいつも大変お世話になっております
    黒瀬直:緒環さんをカバーします
    黒瀬直:黒瀬直の侵蝕率を+10した(侵蝕率:112->122)
    緒環 伸:ありがとうございます!
    春日 雪:あ、浸食上昇は2倍にはならないはず!
    GM:いえす!
    緒環 伸:侵蝕は111据え置き。代わりに回復はなし。
    GM:カバーリングの項目を読むかぎり、2倍になるのはダメージのみっぽい!
    黒瀬直:でも2回は別の攻撃では?
    GM:あっ
    GM:えーと
    春日 雪:そ、そういやそうだ!
    黒瀬直:あとHPは全回復します
    GM:カバー対象が緒環さんだから、うむ
    GM:倍だな!
    緒環 伸:す、すまない
    黒瀬直:なあに問題あるめえ
    GM:描写は短く!
    亡霊:「キィイイィイィィィアアアァアァァァァァァァッ!!!」もはや人の声すら失った、骸骨の、軋むが如き咆哮!
    亡霊:その体から拡散する〝黒い霧〟は、先んじてあなた達を惑わせた認識阻害の領域展開であるが──
    亡霊:既にあなた達は、その業を打ち破っている!
    亡霊:とは言え、体内のレネゲイドウィルスに対する強制喚起は健在! 高侵蝕域にありながら、あなた達の体は擬似的な《リザレクト》を行使する!
    黒瀬直:暗闇に呑まれても、問題は無い。
    黒瀬直:私たちは運命の糸に導かれているのだから。
    GM:然り。
    GM:……故に、次は、その糸の一番うしろを
    GM:小さな手でしっかりと掴んだあなただ、春日 雪。
    GM:手番!
    春日 雪:は!マイナーなし、メジャーで黒瀬さんに支援!
    黒瀬 直:わあい
    春日 雪:《さらなる力/狂戦士》。支援を貰っており、かつ黒瀬さんへの緒環さんの支援が活きているのでこれでいける!
    春日 雪:5dx+1>=20
    DoubleCross : (5R10+1[10]>=20) → 9[3,3,6,7,9]+1 → 10 → 失敗

    春日 雪:もとい、更に+21が乗るので成功。
    緒環 伸:《妖精の手》
    緒環 伸:おっと!
    緒環 伸:今のなし
    GM:そうなんだよ……
    春日 雪:イエス!
    GM:メジャーで達成値だから……
    GM:ちくしょう!
    GM:演出!
    春日 雪:というわけで、黒瀬さんが未行動状態に。さらに、次の判定のダイス+8、クリティカル−1を付与。
    春日 雪:では演出!
    春日 雪:人は、空を飛ぶ生き物ではない。跳び立った者はいつか戻ってくる。それが、同じ場所とは限らないけれど。
    春日 雪:戻ってくるものと、信じて。待ち受ける。
    黒瀬 直:「やはり、運が良いな」そんな君の後ろから声が聞こえる。
    春日 雪:「……いえ。分かっていましたから」
    春日 雪:微笑みを浮かべ、振り向く。
    黒瀬 直:そこに立っているのは、五体満足にして満身創痍と見える女。
    春日 雪:「今、この場に限って言えば。運命は、わたしたちの味方です」
    黒瀬 直:全身に真新しい火傷か、艶々とした金属光沢。
    黒瀬 直:修復の間に合わぬ肉体を、1割は無機物に置換しただろう。
    黒瀬 直:そして鋭き眼光は塞がっている。
    黒瀬 直:「あいにく、目が潰れていてな」
    春日 雪:「……ああ、では」
    春日 雪:冷たい金属と化した部分に触れ、慈しむように撫でてから。
    春日 雪:「……少し、失礼しますね?」
    黒瀬 直:「む」声のする方向に手を伸ばすが、回り込まれて
    春日 雪:えい、と小さな掛け声がして。キミの背中に、少女一人分の重みと。
    春日 雪:うなじに、熱く、柔らかい唇の感触が。
    黒瀬 直:「ん……」かあっと背筋に熱いものが走る。
    春日 雪:領域操作と薬物投与の併用による、他者の視界への介入。至近距離でなければ効果を維持しない代物ではあるが。
    春日 雪:キミの視界が、明るくなる。キミの肩越しの、少女の視界が共有される。
    春日 雪:「……もう一度。お願いできますか」
    春日 雪:ぎゅっと、キミの首に手を回して抱き付きながら。耳元で、囁くような声が。
    黒瀬 直:「……ふぅ」再び、地獄を目の当たりにする。
    黒瀬 直:「うむ。任せておきたまえ」
    黒瀬 直:メインプロセスを開始します!
    GM:GO!
    黒瀬 直:マイナーでホローポイント弾を使用。攻撃力+3.
    黒瀬 直:メジャーで《ペネトレイト》《コンセントレイト:モルフェウス》侵食値+5。対象は亡霊。
    亡霊:リアクションはガード固定! こい!
    黒瀬 直:15dx6+36
    DoubleCross : (15R10+36[6]) → 10[1,1,2,2,4,5,5,6,6,6,6,7,8,9,10]+10[1,3,5,6,6,8,9,10]+10[1,2,2,3,6]+10[8]+10[8]+10[10]+10[9]+2[2]+36 → 108

    興津和沙:ひゅーっ!
    緒環 伸:!?
    GM:わははは
    GM:やりかえされた!
    春日 雪:うわーッ!!
    黒瀬 直:これがおねロリおじさんパワー
    緒環 伸:さすがだぜー!!
    黒瀬 直:17+12d10
    DoubleCross : (17+12D10) → 17+69[8,10,6,1,6,3,7,5,2,6,9,6] → 86

    黒瀬 直:砂塵霊ないのにこんな出る。装甲無視!
    GM:……………………
    亡霊:完全撃破。復活エフェクト無し。
    亡霊:あなた達の勝利確定です。
    GM:演出をどうぞ!
    黒瀬 直:見ての通り、この体はとうにボロボロである。
    黒瀬 直:眼も潰れ、せいぜい盾になる程度の機能を残しているに過ぎない。
    黒瀬 直:そしてもちろん、それは私が止まる理由にはならない。
    黒瀬 直:「見えるのならば、立てるのならば」
    黒瀬直:そしてそこに、糸が張っているならば
    黒瀬直:「砲台程度の役には立とう。今度こそ」
    黒瀬直:金光一閃、幕引きの一矢が放たれた。
    亡霊:──砲台……砲?
    亡霊:砲。弾丸をはなつもの。街を焼くもの。
    亡霊:幸いにも、偶然にも、不幸にも、この身を焼く火などありはしなかったけれど。
    亡霊:どこかの空の下。あの人達が焼かれてはいないか。
    亡霊:もう帰ってこられない程に焼かれていないか、それが怖くてしかたがなかった。
    亡霊:砲。こわいもの。火。こわいもの。別れの寂しさも、死んでしまうのも、何もかも。
    亡霊:けれど、この光は──
    亡霊:「──あぁ」
    亡霊:「まるで夕暮れ時の──」
    亡霊:山小屋から見渡す寒村の、稲穂の波のようだった。

    バックトラック

    GM:バックトラックのみまず速攻!
    GM:Eロイス!
    GM:《虚実崩壊》
    《超越活性》×3
    《歪んだ囁き》
    《傲慢な理想》×2

    GM:7個!
    興津和沙:うおー!
    黒瀬 直:振るぜ!
    興津和沙:振る!!
    緒環 伸:念のためがっつり振る!
    GM:経験点! シナリオ目標達成10! Eロイスは今回は省略! いつもの5点に個々人の点数を足して!
    興津和沙:134-7d10
    DoubleCross : (134-7D10) → 134-34[4,7,4,3,3,3,10] → 100

    興津和沙:あ
    黒瀬 直:黒瀬直の侵蝕率を+5した(侵蝕率:122->127)
    興津和沙:ちょうど!
    春日 雪:ぐぅーっ、悩ましい!(侵蝕122、ロイス5つ、期待値でほぼギリギリ)
    興津和沙:1倍ぶり
    緒環 伸:111-7d10
    DoubleCross : (111-7D10) → 111-52[10,6,6,8,4,10,8] → 59

    緒環 伸:下がりすぎだっつうの
    黒瀬 直:メジャー分増やして忘れてた
    興津和沙:100-6d10
    DoubleCross : (100-6D10) → 100-33[2,8,9,3,10,1] → 67

    GM:すげえ戻った
    春日 雪:だが安全策を取る!Eロイス分使います。
    黒瀬 直:127-7d10
    DoubleCross : (127-7D10) → 127-38[2,5,10,5,9,3,4] → 89

    春日 雪:122-7d10
    DoubleCross : (122-7D10) → 122-35[10,6,2,7,1,8,1] → 87

    緒環 伸:一倍で6個もあるよ
    春日 雪:そして1倍振り。
    GM:なんでこんなEロイス多いかって言うとね、もっと苦しんでくれると思ったからだよ
    GM:みんなつよいね
    緒環 伸:59-6d10
    DoubleCross : (59-6D10) → 59-21[5,5,2,4,4,1] → 38

    黒瀬 直:89-6d10 そして等倍
    DoubleCross : (89-6D10) → 89-34[1,8,9,1,8,7] → 55

    春日 雪:87-5d10
    DoubleCross : (87-5D10) → 87-35[9,8,8,9,1] → 52

    黒瀬 直:強くてすまん
    緒環 伸:すげえ下がる
    春日 雪:4点!
    黒瀬 直:結果的に温泉旅行程度のキツさというわけね
    黒瀬 直:4点!
    緒環 伸:3点!
    興津和沙:4点!
    GM:C(19+19+19+18)/3
    GM:やりかた違ったか25点いただきます!
    黒瀬 直:めしあがれ!
    緒環 伸:どうぞどうぞ!
    春日 雪:はぁい!
    GM:という訳で全員生還でお疲れ様でしたおめでとう!
    春日 雪:わーい!!
    緒環 伸:やったー!
    興津和沙:ごっつぁんです!
    黒瀬 直:おめでとうございます!

    マスターシーン3

    たける様 かつみ様
    何度目の届かぬことばとなりますでしょう。数える事にも疲れました。
    今もまだ雪が降りますと、私は悪い夢を見ます。
    夢の中で、お二人は本当に元気そうにしていて、あの小さな家の中で、四人してかまどの火の前に集まっているのです。
    あの頃と比べて世の中はすっかり暖かくなりました。
    炬燵ですとか、ストーブですとか。エアコンなるものはご存じないでしょう。夏のような風が家の中に吹くのです。
    もう雪の降る夜だとしても、寒さで眠れないようなことは無いのです。
    けれど、それでも。一人待つ身に夜寒は堪えます。
    どうか帰って来てください。
    広い土地を買いました。あなた達がいるかと思ったのです。
    大きな家を建てました。あなた達が帰って来てもいいように。
    もう三十四年も経ったのです。もういいとは思いませんか。私はあの日のままで待っています。
    すっかり様変わりしてしまったこの国で、あなた達が迷ってしまわないように。
    どうか帰ってきてください。
    昭和五十四年 十二月三十一日



    1909年に生まれて、この国では珍しくもない悲劇に巻き込まれた。
    特異だったのは、夫と息子がオーヴァードだったこと。
    当時、オーヴァードという言葉は存在しなかったが、軍部研究機関は〝怪力と異常な治癒速度〟の噂を持つ二人を召集した。
    戦後、夫と息子は帰還せず。彼女は一縷の望みにかけて、〝軍部研究機関の跡地〟と噂された土地を購入した。
    土地から人の骸は発見されず。彼女はその土地を終の棲家とした。
    ……城樹 のぞ美という、数奇な運命を辿った女がいた。

    ED1:家に帰るまでが遠足です


    GM:戦いは終わった。
    GM:半径数百mに渡る〝領域〟は消滅し、直ぐ近くで待機していたUGNの増援部隊が到着。
    GM:負傷者、高侵蝕域者へ迅速に手当にあたり、結果的に、人的被害はゼロに抑えられた。
    GM:あなた達は欠け一つ無い勝利を収めて、今──
    末柄 晴:「えー、右手をごらんください。これから向かう道ですな」
    末柄 晴:「左手をごらんください。さっきまで旅館だった木片が辺り一面に転がっておりますな」
    GM:今、あなた達は、送迎バスへ乗り込んでいる最中である。
    GM:温泉旅館は綺麗さっぱり無くなってしまった。残ったのはただ、元の通りのボロい建物ばかりである。
    春日 雪:「もう少し、楽しんでおけばよかった」
    春日 雪:「……そう、思っていたりしますか?」
    緒環 伸:「んー?」
    春日 雪:決して大きくはない鞄を両手で抱えて、キミを見上げるようにしながら問いかける。
    緒環 伸:「まあ、惜しい気持ちがないとは言わない、けど」
    緒環 伸:元の建物を見やる。
    緒環 伸:「途中からはね、帰りたいなーって感じだったかな」
    緒環 伸:「おうちが一番、っていうね。つまり」
    緒環 伸:「いい休暇だったんだよ」
    春日 雪:「……ふふ。緒環さんや直さんには、もう少し休んでもらってもいいと思いますけど」
    緒環 伸:「んなこと言ったら、僕なんて半年くらいぐうたらするよ」
    春日 雪:実際、黒瀬直を今回のメンバーとして招集したのは、誰かさんからそういう根回しがあったからなのだが。それはさておき。
    緒環 伸:「言質を取られるようなことは言わない方がいいぜ?」
    春日 雪:「じゃあ、今のはオフレコで。……まったくの、口からでまかせ、というわけではないのですけれど」
    春日 雪:「半年も休まれたら、やどりちゃんたちが困ります。もちろん、わたしも」
    緒環 伸:「いいなあ、困らせちゃおっか」冗談を飛ばす。
    春日 雪:「倍返しにしてもいいなら、どうぞ?」
    春日 雪:瑞々しい(あるいは幼い)声で、小さく笑う。
    緒環 伸:「ほら、やっぱり言質を取られるようなことは言わない方がいいんだ」
    緒環 伸:言いながら、バスの中に上がる。
    春日 雪:軽い足取りで、それに続く。
    緒環 伸:行きと同じような、前の方の席が空いている。荷物を上に置く。
    春日 雪:外套を脱ぎ、鞄を包む。上方の棚を見上げて。
    春日 雪:じっ…と、キミの目を見る。
    緒環 伸:「はいはい、Aコースだろ」
    緒環 伸:ひょい、と小さな身体を抱える。
    緒環 伸:上に差し上げてやれば、棚に手が届くはずだ。
    春日 雪:「ありがとうございます。……はい、もう大丈夫ですよ」
    春日 雪:半分、放り込むような形ではあるけれど。棚に荷物を置いて。
    緒環 伸:「はいはい」また下ろしてやる。
    春日 雪:「……ところで、緒環さん」
    緒環 伸:「んー?」
    春日 雪:「Aが安全第一で、Bがちょっと雑な方。行きは、そう言ってましたよね?」
    緒環 伸:「あれっ、そうだっけ?」
    春日 雪:咎めるようなものではなく。からかうような声でそう言って。
    春日 雪:「……もう。本当、そういうところは適当なんですから」
    緒環 伸:「いや、完全に忘れてたわ。はは」
    緒環 伸:「どっちにしろ重い荷物は上。あとはゆっくり帰り道だよ」
    春日 雪:釣られるように、笑いながら。窓側の堰にするりと座る。
    緒環 伸:横の通路側の席にどかりと座る。
    緒環 伸:「いい休暇っつったけど、まあ、疲れはしたね」
    春日 雪:「はい。……特に、緒環さんには」
    緒環 伸:「まあねー。殊勲賞とか貰えないかな」
    緒環 伸:肩を揺らして笑う。
    緒環 伸:「まあ、それはその前に雪ちゃんかな……」
    春日 雪:「……わたしは、何もしていませんよ。誰かがいなければ、何もできないって。改めて、思い知らされました」
    緒環 伸:「それは僕も同じだ」
    春日 雪:笑顔に、ほんの僅かな陰りが射す。
    緒環 伸:「黒瀬さんにも言ったけど……いや、あれは聞いてなかった時か」
    緒環 伸:「まあいいや。昔世話になった人がよく言ってた」
    緒環 伸:「『みんなで力を合わせれば、できないことは何もない』『だから、人に頼ることは気にしなくていい』」
    緒環 伸:「僕らは結局全員で上手くやったんだと、そう思っときな」
    春日 雪:「ああ、それは」
    春日 雪:「……素敵な考え方、ですね。きっと、そう言った人自身も」
    春日 雪:はい、と頷いて。
    春日 雪:「……とても、素敵な方なんですね。緒環さんが、その言葉を覚えているということは」
    緒環 伸:「うん、そうなんだよ」そうだったんだよ、とは言わず。
    春日 雪:空気圧シリンダーの、そしてエンジンの駆動音。
    春日 雪:「……もうすぐ、終わりですね」
    緒環 伸:「まだまだ、おうちは遠いけどね……」軽くあくびをしながら。
    春日 雪:相変わらずの、中身の無いガイドを聞き流しながら。窓の外、廃墟と山中の光景から。
    春日 雪:キミの、眠たげな貌へとゆっくりと顔を向けて。
    春日 雪:「緒環さん」
    緒環 伸:「ん」
    春日 雪:「温泉でわたしが言ったこと、覚えていますか?」
    春日 雪:小さく車体が揺れ、風景が少しずつ流れだす。
    緒環 伸:「どれかなー。いろいろあったからなー」
    緒環 伸:はぐらかすように言ってから。
    緒環 伸:「……覚えてるよ」
    緒環 伸:今度は、少し抑えた声で。
    春日 雪:「はい。……勝手なお願いだというのは、わかっています」
    緒環 伸:「まずね、前提として、君にはまだ選択肢がごまんとあるよな」
    緒環 伸:「もっと大人になって、いい人と会って、とか。そういうのは考えないわけ?」
    春日 雪:「……ええ、ええ。真っ当な生き方が出来るなら、そうでしょう」
    春日 雪:「けど、わたしは。たぶん、そういう生き方は出来ないと思います。……どうして、とは聞かないでくださいね。乙女の秘密です」
    緒環 伸:「聞かないよ。あんまり判断が早いとは思うけど」
    緒環 伸:「……まあ、どっちにせよ、君はそのうち大人になる」
    緒環 伸:「僕はきっと変わんないな」
    緒環 伸:「『お父さん』が見た目お兄さんになって、弟になって、子供になって。孫になるかもしれない」
    春日 雪:「だから、です」
    緒環 伸:「だから、か」
    春日 雪:「人は、変わります。変わるのなら、別れも……ええ、予め覚悟はしておけますけれど」
    春日 雪:「あなたは、変わらないまま、急に消えてしまう」
    春日 雪:「……そんな風に、思うんです」
    緒環 伸:「…………」
    緒環 伸:ずっと、帰りたいと思っていた。その先は、ある小さな池の風景だ。
    緒環 伸:そこには、やはりずっと変わらぬはずの人がいて……。
    緒環 伸:「ああ、それは、少しわかる」
    春日 雪:「そんなつもりはない、とは言わないんですね」
    春日 雪:少しだけ、寂しそうに笑って。
    緒環 伸:「言っただろ、僕には大事な人で、神様がいるんだ」
    緒環 伸:「……その人が変わらないでいてくれることが、どんなに……」
    緒環 伸:言葉が見つからず、口をつぐむ。
    春日 雪:「……人には、無条件に信じられる何かが必要です」
    春日 雪:「それは、自分の信念だったり、大事な人だったり……神様だったり。人によって、それぞれですから」
    緒環 伸:「君にも要るのかい」
    春日 雪:「わたしも、人ですよ。……レネゲイドなんてものがこの世になかったら、ただの小さな女の子です」
    緒環 伸:思い出す。膝を抱えていた子供の姿を。
    春日 雪:「……人ですから。いつか、必ずいなくなります」
    緒環 伸:「……僕は、まだ神様でもない、こんな適当な奴だから。絶対の約束なんてできない」
    緒環 伸:ゆっくりと、言葉を選びながら。
    緒環 伸:「でも、君が都合のいい時に、都合のいい役をしてやることはできるよ」
    緒環 伸:「お父さんだろうが、お兄さんだろうが、弟も、子も孫も」
    緒環 伸:「恋人と旦那以外だったら」
    春日 雪:「……本当、都合のいいことばかり言う人なんですね、緒環さんは」
    緒環 伸:「そうだよ。君がそういう奴に目をつけたんじゃないか」
    春日 雪:くすりと笑いながら。身体を傾け、キミの肩に頭を預ける。
    緒環 伸:「……それでいいなら、いくらでも利用しなさい」
    春日 雪:「はい。……だから、緒環さんも」
    春日 雪:「わたしが、あなたを利用している間は」
    春日 雪:─わたしが世界からいなくなる、その日までは。
    春日 雪:「わたしにとって都合のいい人のままで、いてください」
    春日 雪:そう言って、ゆっくりと瞼を降ろす。
    緒環 伸:「……怖い子に目をつけられたもんだよ、本当に」
    緒環 伸:「…………」
    緒環 伸:「おやすみ。雪ちゃん」
    緒環 伸:そう言って、自分も目を閉じた。

    ED2:生きて帰るまでが任務です


    GM:めっさ揺れている。
    GM:と言ってもこれだけじゃあ、なんのこったか分かるまい。
    GM:しかし揺れているのだ。たぶん国外脱出した国王一家、帰り道の馬車はこんな感じだったんじゃないかしら民衆のせいで。
    GM:まあそれはともかく興津 和沙。
    GM:あなたは愛用の巨大槍を手に、大型トラックの荷台にいます。
    興津和沙:「…………」
    興津和沙:「私いる必要、ある!?」
    興津和沙:「バスが来たから並んでたよね、私!?」
    黒瀬 直:「無いな」
    興津和沙:「そしたらなんかこっち来てーって言われて」
    興津和沙:「寒骨白を運ぶからここに入れてーって言われて
    興津和沙:「中に入って置こうとしたら扉閉められて」
    興津和沙:「どういうこと!?」
    薬師院 小夜子:「あっはっはっはっは。もーこりゃ笑うしかねー」やけっぱちになっている同行者C
    黒瀬 直:「私が見ているから興津くんはバスでも良かったのだが」
    興津和沙:「だよね!?」
    黒瀬 直:という女の目元には包帯がしっかりと巻かれている。
    興津和沙:「いや、みれてねえわ!!」
    黒瀬 直:「うむ」
    興津和沙:「月光になってもん!生来目が見えてねえ人になってるもん!」
    GM:実際のところ、槍の輸送に姫が伴う必要も無かったとは思うのだが、まあ
    GM:そこはUGNのこと。何か深遠なる考えがあるに違いない
    GM:そう思わなければやっていられない、雪の山道である。
    興津和沙:「あ、すいません、つい変なテンションで突っ込んじゃった。」
    興津和沙:「大丈夫ですか?」」
    黒瀬 直:「なに、構わんさ」
    黒瀬 直:「癒える傷、癒えぬ傷」
    黒瀬 直:「多少長くやっていればどちらも増えるもの」
    黒瀬 直:「そしてこいつは前者に過ぎん」
    興津和沙:「治るんですか?ちゃんと?」
    黒瀬 直:「治る治る」
    黒瀬 直:「その内治る」
    黒瀬 直:「多少残っても構うまい」
    興津和沙:「……」
    興津和沙:「じゃあ、今度こそちゃんと休んでくださいね。」
    興津和沙:「せめて、眼が治る間ぐらいは」
    黒瀬 直:「………」
    黒瀬 直:「嘘を吐けぬわけではないが、君にはあまり吐きたくないな」
    興津和沙:「じゃあ、嘘を付かずに休むって言ってください」
    黒瀬 直:「断る」
    黒瀬 直:「今回だって半分休みのようなもの、と言っていただろう?」
    黒瀬 直:「それでも何かあれば、戦わねばならん」
    興津和沙:「はい」
    黒瀬 直:「だから絶対とは言えん」
    興津和沙:「けど」
    興津和沙:「ああ、いや、そうじゃ、ないな」
    興津和沙:「なんで、そんな無理するんですか?」
    黒瀬 直:「そう見えるかね?」
    興津和沙:「眼ですよ。物を見るのも、敵と向かうにも、味方を守るにも、絶対必要な器官です。」
    興津和沙:「それが十分に使えないのに、いざとなれば戦うなんて」
    興津和沙:「無理してるとしか、思えねえよ」
    黒瀬 直:「私はこの状態でも大体のオーヴァードより強いぞ?」
    興津和沙:「強いんでしょうね」
    興津和沙:「でも、それと痛みに耐えることは関係ありません」
    興津和沙:揺れる荷台の上で、立ち上がる。
    黒瀬 直:「ふむ」
    興津和沙:そのまま黒瀬さんに近づき、彼女の体を抱きしめる。
    興津和沙:「こうして、雪ちゃんをぎゅっとしてあげてたよね。」
    黒瀬 直:「立つと危ないぞ……っと」
    黒瀬 直:「ああ」
    興津和沙:「雪ちゃんが、こんな風に誰かが抱きしめてあげないと」
    興津和沙:「立てないぐらい辛い目にあったことを、黒瀬さんは知ってたんだよね」
    黒瀬 直:「………うむ」
    興津和沙:「私も、知ってるよ。同じ経験をしたから」
    黒瀬 直:「だから、支えになれればと思った」
    興津和沙:「支えがほしいって、思ったんだよね」
    興津和沙:「だから、雪ちゃんにそうしてあげた。」
    興津和沙:できるだけ優しく、自分より年上で、自分より強い女の人を抱きしめようとする。
    興津和沙:「雪ちゃんは、それでいいと思う。黒瀬さんがいて、緒環さんもそばに居てくれる」
    興津和沙:「私もいいの、私にはお母さんとお父さんがいて、なんでも話せる王子様がいるから」
    興津和沙:「でもさ」
    興津和沙:「黒瀬さんは、自分が辛かったこと、話せないでしょ?」
    黒瀬 直:「………」
    黒瀬 直:断続的に訪れる振動を感じながら、しっかりと抱きしめてくれる腕の中に、身を任せている。
    興津和沙:「私は、怖かった。皆がいなくなって、帰る方法もわからなくて、凄く怖かった
    興津和沙:「黒瀬さんも、そうなんでしょ?」
    黒瀬 直:「………私は」
    興津和沙:「言わなくても、いいよ。」
    興津和沙:「私は、ちゃんと知ってるから。」
    黒瀬 直:「………そうか?」
    興津和沙:「うん」
    興津和沙:「何も、言わなくていいからさ」
    興津和沙:「目が見えない間ぐらい、この荷台にいる間ぐらい」
    興津和沙:「"お姫様"に甘えなさい」
    興津和沙:「これは、命令です」
    興津和沙:子供のような、けれど優しさに溢れた笑顔を作りながら、言葉を投げます。
    黒瀬 直:「………ふ」
    黒瀬 直:僅かに口元から、吐息がこぼれる。
    黒瀬 直:「それは参った」
    興津和沙:「また勝ってしまった」
    黒瀬 直:「お姫様の言葉では、抗いがたいな」
    興津和沙:「そうそう、お姫様の言うことは聞かないと。」
    黒瀬 直:「………」
    黒瀬 直:「軽んじているつもりは、ないんだ」
    興津和沙:「うん」
    黒瀬 直:何を、とは言わない。
    黒瀬 直:それは自分のことであり、若者たちのことであり。
    黒瀬 直:「重いよ」
    興津和沙:優しく、黒瀬さんの背中を撫でる
    黒瀬 直:「だから頑張らないと、どうしようもないんだ」
    興津和沙:「うん」
    興津和沙:「私もね」
    興津和沙:「友達が一人、死んじゃったことがあってね」
    興津和沙:「今回も、私のせいで、また皆が死んじゃったと思って、皆を守れなかったと思って、すごく辛かった。」
    興津和沙:「黒瀬さんは、私よりももっとたくさんそんな経験をしてて」
    興津和沙:「だから、自分がもうそんな思いをしないように、それよりも、皆にそんな思いをさせないように、頑張ってるんだよね」
    黒瀬 直:「ああ」
    黒瀬 直:「そう、だな」
    黒瀬 直:「………」
    興津和沙:「でも、さ」
    黒瀬 直:「慣れても、慣れないよ」
    興津和沙:「うん」
    興津和沙:「慣れちゃダメだって、知ってるんでしょ?」
    黒瀬 直:「ああ、知っている」
    黒瀬 直:「知って、欲しくないんだ」
    黒瀬 直:「私は我儘だからね」
    興津和沙:「ふふ」
    興津和沙:「私も、我儘だよ」
    黒瀬 直:「ふ」
    黒瀬 直:「かち合ってしまうな」
    興津和沙:「だから、うん、こうしよう。」
    興津和沙:「やっぱり、今日は私に甘えること」
    黒瀬 直:「ふむ」
    興津和沙:「いなくなったと思ったものが、戻ってくるような奇跡が、たまにあるってことを」
    興津和沙:「思いっきり、噛み締めていいんだよ?」
    黒瀬 直:「………仕方ない。甘んじて受け入れよう」
    黒瀬 直:「では、こちらからも一つ」
    興津和沙:「なに?」
    黒瀬 直:「きみは"夜叉姫"ではなく姫と呼ばれることを望む」
    黒瀬 直:「知っているから、私もそれを受け入れる」
    興津和沙:「姫だからね」
    黒瀬 直:「………だが」
    黒瀬 直:「君の口から、直接は聞いていなかったからね」
    黒瀬 直:「お姫様の話をしてくれないか」
    黒瀬 直:彼女の背中に、腕を回す。
    黒瀬 直:「興味があるんだ」
    興津和沙:その手の感触に暖かさを感じて
    興津和沙:少しだけ、頬を緩んでしまうのを感じながら
    興津和沙:「そうやって、カッコつける」
    興津和沙:「でも、意地っ張りの黒瀬さんにしては頑張ってくれたかな」
    黒瀬 直:「はて」
    興津和沙:甘やかすように、黒髪を撫でて
    黒瀬 直:「私はいつでも素直なつもりだがね」
    興津和沙:「ふふ」
    興津和沙:「じゃあ、聞かせてあげる。私が一番大好きで、一番憧れてて」
    興津和沙:「いつかぜってえぶっ倒して
    興津和沙:「いつか、ぜってえぶっ倒してやろうと思ってるお姫様の話っ」

    ED3:今年も一年、よろしくお願い致します。


    GM:それから、数日ばかりが過ぎた。
    GM:あなた達は今、第九支部──オフィスビルが如き施設の、比較的広めの会議室に集まっている。
    GM:事件後のレネゲイド侵蝕率や怪我の治癒具合を見たり、新たな情報があれば交換などしたり──という名目だが、
    GM:まあつまり、任務の後の打ち上げだ。
    GM:……幾分か、新しい報せもあった。
    GM:あの〝宿〟に巣喰ったジャーム──レネゲイドビーイングの、大本となった人間の話や。
    GM:石詰みの墓の前で見つかったのは、〝ラッツ・アート〟セルのリーダー、鬼外 庚助の遺品だった事、等々。
    GM:だからあなた達は知っている。
    GM:75年続いた怨念はようやく、穏やかに眠れたのだと。
    薬師院 小夜子:「それじゃ、余所の支部の人間ながら。今回の任務は全て完了です、お疲れ様でした!」
    春日 雪:「はい、お疲れ様です。……ありがとうございます。どうしても、事後調査に回す人員が確保できなくて」
    春日 雪:そんなわけで、薬師院小夜子への"外部委託"となったわけである。
    薬師院 小夜子:「いえいえ、お互い様お互い様。こっちが人手を借りることもあるんですし」
    黒瀬 直:「うむ。お疲れ様」白杖片手に、何の不自由も無いかのような所作。
    薬師院 小夜子:「持ってこられた報せも、そんなに気が滅入る類いじゃない。足も軽くなるってなもんで──」
    薬師院 小夜子:「──しかし、まぁ、まだ治らないんですかい黒瀬さん」包帯を巻いた顔を覗き込む
    黒瀬 直:「私の眼は多少複雑でな」
    黒瀬 直:「まあ、明日には取れる」
    春日 雪:「念のため、第四支部への紹介状もご用意したんですが」
    薬師院 小夜子:「そりゃ良かった──と言うべきか残念と言うべきか。折角美容室に行ってきたんだ、見せびらかしたかったとこでしたがね」
    春日 雪:苦笑いのような、困ったような笑顔を浮かべる。
    黒瀬 直:「それは残念。あとで写真を送ってくれ」
    薬師院 小夜子:「異形商店、定期便で承りましょう」
    興津和沙:「こんにちわー!」
    興津和沙:「すいません、遅くなりました!
    黒瀬 直:「や、お姫さま」
    緒環 伸:「おや、いらっしゃい」相変わらずゆるく座っていた。
    春日 雪:「もう、本当ですよ和沙さん。形式に則った報告は、ついさっき終わっちゃいました」
    薬師院 小夜子:「おっ、お疲れ様」
    緒環 伸:「ま、見えないのは大変だよね。わかるわかる」
    興津和沙:「いや、ちょっと数学の補習がかかちゃって…、ごめんなさい!」
    黒瀬 直:「うむ。食事には困るな」
    黒瀬 直:「料理は動かん」
    興津和沙:「大丈夫?あーんってしてあげましょうか?」
    春日 雪:「……そういう問題じゃ、ないと思うんですが」
    黒瀬 直:「頼む」
    緒環 伸:「それ以外も全般困んない……? 僕車椅子だったんだぜ」
    緒環 伸:この件の少し前に、両目をやられていた。
    興津和沙:「あははは、甘え方が上手になりましたね」
    黒瀬 直:「この場合は慣れだな」
    興津和沙:「お肉と、野菜、なにから行きます?」
    黒瀬 直:「目が見えんでも困らんよう、修行してるし……」
    黒瀬 直:「お肉を頼む。小さいので良い」
    緒環 伸:「ああ、エアホッケーの時のね……あれだけできりゃ、そりゃそうだわ」
    興津和沙:「はーい。」
    春日 雪:「修行の成果、で片付けてしまっていいんでしょうかアレ」
    黒瀬 直:この女は常日頃からメイドだの執事だの侍らせているので、これを甘えとは認識していないのだ。
    GM:おのれ金持ちめ。
    興津和沙:じゃあローストビーフをつまんで黒瀬さんの口元に持っていく
    黒瀬 直:「あむ」
    黒瀬 直:「……うむ、美味しい」
    末柄 晴:「しかし、なんですな。休暇にいったつもりが結局はひとっぱたらき。幾分か遊び呆けはしましたが」
    興津和沙:「うわあ、口元に持ってたら勝手に反応する…すげえ!!」
    黒瀬 直:「さ、興津くんも雪ちゃんも食べなさい」
    末柄 晴:「まったくどなたもどなたも、とんだ災難でありましたな」
    興津和沙:「雪ちゃんもやってみなよ!面白いよ!」
    黒瀬 直:「しまった。眼が見えんと雪ちゃんに食べさせられんな」
    興津和沙:鳥とかに餌付けする感覚になっている
    末柄 晴:更に肉ばかり積み上げたものと向かい合いながら。
    緒環 伸:「そうだよう、食べな食べな」既にもぐもぐしている。
    黒瀬 直:「今回初めて本気で困ったかもしれん」
    緒環 伸:「そんなにも」
    興津和沙:自分も適当にお肉を食べながらはしゃいでいる
    黒瀬 直:「雪ちゃん、食べさせてくれるかね?」
    春日 雪:「ふふ、楽しそうではありますけど……見てるだけでおなかいっぱいになりそうだから、遠慮しておきます」
    春日 雪:「それに、ほら。……小夜子さんが、物凄く羨ましそうな目で見てますし、ね?」
    興津和沙:「あ、薬師院さん、みてみて!すげえんだよ黒瀬さん!」
    薬師院 小夜子:「んー? あははは、お気になさらず春日副支部長。私は方針を変えたんでね」
    黒瀬 直:「おや、そうか」ぐるりと顔を向ける。
    興津和沙:今度はシュウマイを持っていく
    薬師院 小夜子:「ほうほう、なんだい和沙ちゃん」と身を乗り出して
    黒瀬 直:「む」
    黒瀬 直:「あむ」
    薬師院 小夜子:「……ひよこみたい」
    緒環 伸:「何? ふれあい動物コーナー? これ」
    薬師院 小夜子:「お屋敷のでっかいヒヨコども何してんのかな……」
    興津和沙:「緒環さんもどう?一回100円で」
    緒環 伸:「僕だけ課金かよ」
    黒瀬 直:両目を包帯で巻いたスタイルの良い女が無防備に給餌を受け入れている。
    薬師院 小夜子:「……………………」
    薬師院 小夜子:「……金取ると余計にアレな絵になるな」
    興津和沙:「いただいたお金は黒瀬さんの包帯代になります」
    春日 雪:そんな光景を見て、小さく笑いながら。角砂糖を何個も落とした甘い紅茶を、少しずつ口にしている。
    緒環 伸:「……それは経費で落としなさい」
    緒環 伸:「ああ、そうだ、興津さんさ」思い出したように。
    興津和沙:「あははは、そりゃそうだ。」
    興津和沙:「ん?なに?」
    興津和沙:任務が終わったので気が抜けている
    緒環 伸:皆の喧噪に紛れるように、声を落として。
    興津和沙:「じゃない、なんですか?」
    緒環 伸:「無事帰って、ちゃんと会いたい人には会えたかな?」
    緒環 伸:彼女が苦しんでいた時、悲しんでいた時。
    緒環 伸:ひとつだけ、あの場にいなかった人間の名前があった、ように思う。
    興津和沙:「………」
    興津和沙:笑ったまま、ちょっと顔が赤くなって
    興津和沙:「だから、なんで知ってるの!?」
    緒環 伸:「はは、僕はなんでも知ってるのさー。まあ、嘘だけど!」
    緒環 伸:ケラケラと、愉快そうに笑う。
    興津和沙:「カマかけられた!?」
    緒環 伸:「……その感じだと、大丈夫かな」
    緒環 伸:心配してたんだよ、とは言わずにおく。
    興津和沙:愉快そうに笑う顔をちょっと恨めしそうに見つめて
    興津和沙:「……だって、優しくて、かっこいい…私の…」
    興津和沙:私の、王子様だから……とは流石にこの場では言えなくて
    興津和沙:「私の、友達、だから」
    緒環 伸:「そっかそっか」
    緒環 伸:「大事にしなよ。おじさんからはそんだけ」
    緒環 伸:ニヤニヤとしながら、引き下がる。
    興津和沙:「言われなくても大事しますよっ」
    薬師院 小夜子:「んー。いいねー、青春の光。どんなお酒にもぴったり」ほろよい上機嫌
    薬師院 小夜子:「さて、ここに成人は……ええと、ひのふのみ、か。追加がご入り用なら急ぎのご用命を」
    薬師院 小夜子:「未成年組はジュース? 料理の追加? どんどんご注文を! なにせ厨房の方から逆に、もっと注文しろってオーダーが来てましてね」
    緒環 伸:「はーい、ビールビール」手を振る。
    春日 雪:「……まだ、日は沈んでいませんよ?」
    春日 雪:声に、咎めるような色はなく。
    緒環 伸:目の前には既に缶が一本空いている。
    黒瀬 直:「私はいらん」雪ちゃんのすぐ後ろに立っている。
    薬師院 小夜子:「はーい、ビール一丁!」と、手に持った無線機へ呼びかけると、
    GM:暫くして。廊下の方から聞こえてくる、
    GM:たん、たん、たんたんたんたんたん、と
    GM:歩幅の狭い、小刻みな駆け足の音。
    GM:ずしゃーっと、景気の良い横滑りで、
    かなえ:「ビール一丁お持ちしましたー!」
    黒瀬 直:「おや、この音は」
    緒環 伸:「……おやおや」
    緒環 伸:見覚えのある顔に、頬をほころばせる。
    興津和沙:「かなえちゃん!?」
    春日 雪:「……ええ、正式な報告書には載せてもらっていませんが」
    かなえ:「はい!」
    かなえ:「コードネーム《待チ人来タル》、城樹かなえ! イリーガルだったり厨房お手伝いさんとしてやってきました!」
    かなえ:「私が来たからには安心です。さあさあお客様、じゃなかった皆さん、どんどんご注文をどうぞ!」
    黒瀬 直:「……変わるものもあれば、変わらぬものもあるものだ」何だというわけでもないが、雪ちゃんの頭を撫でる。
    春日 雪:「いいじゃないですか。舌切り雀も、最後はこうです」
    春日 雪:頭を撫でられながら、目を細めて。胸の前で、両手を合わせて。
    春日 雪:「めでたし、めでたし」
    GM:かくして物語は終幕に至り、ぱたりと絵本は閉じられる。
    GM:けれどもそれは、一つのお話。何かが終われば、何かが始まる。
    GM:例えば一つの年が過ぎ去って、新しい年を迎えるように。
    かなえ:「……はい。私、みなさんにご挨拶がしたくて出て来ました!」
    かなえ:「みなさん──」


    明けましておめでとうございます。
    今年一年、どうか。
    無病息災で楽しく賑やかに、よろしくお願い致します。



    GM:Dx3rdセッション『迎春・幽霊温泉』、一切の行程を終了致します。
    GM:お疲れ様でした!
    春日 雪:お疲れ様でした!楽しかった……!!
    黒瀬 直:お疲れ様!
    興津和沙:お疲れ様でしたー!
    緒環 伸:お疲れ様でした!
    興津和沙:ありがとうございました!
    緒環 伸:とても楽しかったです!
    春日 雪:本当……やりたいこと、見たいことが山盛りで…。
    黒瀬 直:ずっと仲良くなりたかったメンバーしか居なくて………
    GM:発言と立絵がいろいろ噛み合わない
    黒瀬 直:すごく楽しかったですね……
    GM:注:ここでみんな何故か風呂用の立ち絵にどんどん切り替えていってます
    黒瀬 直:いやあ素晴らしいセッションでした
    緒環 伸:僕は脱がないからな!!
    黒瀬 直:なんで……?
    GM:PL4人中の二人の立ち絵が風呂仕様やぞ
    興津和沙:私も脱がないよ!!
    GM:まぁそれはさておいてあらためて
    春日 雪:緒環さんとの絡みはもちろんのこと。姫の「物語を前に進める力」、黒瀬さんの可愛さ…そういったものが…。
    緒環 伸:なんで脱ぐ方が普通みたいなこと言うの……?
    春日 雪:そしてね、ギミックとお話の融和度合いがもう完璧で。
    春日 雪:すげえよ烏さん…あなた凄いよ…。
    緒環 伸:とにかく全員大好きだし、シナリオの作りが最高でしたし
    GM:お疲れ様でした、そしてありがとうございました。続きの色々はTLなりなんなりだ!
    黒瀬 直:烏さんは本当に上手………
    緒環 伸:もう本当によかった!
    春日 雪:イィェア!ありがとうございました!!
    緒環 伸:ありがとうございました!
    黒瀬 直:ありがとうございました!