『それが私の世界だった』

平穏な日常。満ち足りた毎日。昨日と同じ明日がいつまでも続くといい。
そんなあなたのささやかな願いを打ち砕いたのは、幼馴染みの少女を襲った悲劇だった。


PC1:水落 早苗(みずおち・さなえ)(キャラシート)PL:ミハエル
PC2:原谷 狭霧(はらや・さぎり)(キャラシート)PL:黄色の月
PC3:ルイス=クロウ(キャラシート)PL:EXst

メイン雑談

目次

  • OP1:ルイス=クロウ
  • OP2:水落 早苗
  • OP3:原谷 狭霧
  • ミドル1:学び舎の平穏
  • ミドル2:〝Till I die.〟
  • ミドル3:好き
  • ミドル4:ありふれた呪い
  • ミドル5:0317
  • ミドル6:化け物達
  • エンディング1:一つ、戦いが終わった。
  • エンディング2:一つ、戦いが始まる。
  • マスターシーン:嫌い
  • クライマックス:うたかたの恋
  • クライマックス2:大好き
  • バックトラック
  • エンディング3:恒星よ、羽ばたけ。
  • エンディング4:魔術師は祈らず、ただ唱えるのみ。
  • エンディング5:さようなら。

  • ■トレーラー

    平穏な日常。平凡な毎日。昨日とさほど変わらない今日。
    きっと明日も同じだ。私達は死ぬまで、この退屈を繰り返す。
    生まれ育った葦原市に閉じ込められたまま、私はどこかでそんな風に諦めていた。
    月に一度か二度、家族と電車に乗ってN市に出かける。
    それが何よりの楽しみだった。

    平穏な日常。満ち足りた毎日。昨日と同じ明日がいつまでも続くといい。
    そんなあなたのささやかな願いを打ち砕いたのは、幼馴染みの少女を襲った悲劇だった。
    時は先へと進むだけ。落ちた砂は二度と戻りはしない。
    あなたは日常の守人となる。
    あなた自身の日常と引き換えにだ。

    ダブルクロス The 3rd Edition.『それが私の世界だった』


    「化け物! ……あんたも、化け物だったんだ!」


    ダブルクロス――――それは裏切りを意味する言葉。


    GM:それではセッションを開始して行きます、よろしくお願い致します。
    GM:全体的に、こう
    GM:緩くいきましょう!
    水落 早苗:よろしくお願いいたします
    ルイス=クロウ:よろしくお願いします
    原谷 狭霧:よろしくお願いいたします!
    GM:では早速ですがPC自己紹介ということで
    GM:水落 早苗くん! キャラシURL貼り付けつつ自己紹介をお願いします。
    水落 早苗https://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYn6e2twIM
    水落 早苗:「水落 早苗、ただの男子高校生さ」
    水落 早苗:「まあ、ただのというにはいささか有名すぎるかもしれないな?なにせ、mediaじゃそれなりに有名だからね」
    水落 早苗:水落早苗(みずおち さなえ)天才美形バレエダンサーとしてメディアでも注目を浴びている男子高校生です
    水落 早苗:エフェクト構成としては緑の鞭と要の陣形で20m先から3体に白兵攻撃を仕掛けます
    水落 早苗:かなり試練が課されると聞き及んでいますがそれでも心を折らないように頑張ります
    原谷 狭霧:がんばってー!
    GM:よく考えるとそこまでの試練じゃないかも知れないから気楽に構えましょう!
    GM:PC1としてバリバリやって行って欲しい早苗くんのハンドアウトはこちら
    あなたは葦原市という街で平和に、だが平凡とは言えぬ日々を過ごしている。
    少年バレエダンサーという肩書きとその容姿。美人で評判の姉と妹、隣家の幼馴染……。
    そしていつか、もっと幸福な世界へ進む為に、この街を旅立って行くのだろう。
    あなたは完璧に幸福だった。
    隣家である黒野家が猟奇殺人犯に襲撃され、幼馴染みの黒野 美羽だけが生き残った、その日までは。

    彼女は気丈に過ごしている。神経質になったかも知れない。けれど、それは無理もないだろう。
    変わらず傍にいられるなら、きっと日常の形は何も変わらない筈だ。

    ある日、美羽が言った。
    「信じてもらえないかも知れないけど……私のお父さんとお母さん、化け物に殺されたの」

    GM:さて、お次。
    GM:原谷 狭霧くん!
    原谷 狭霧:うっす!
    原谷 狭霧https://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYxM7GtgIM
    原谷 狭霧:「原谷狭霧だ。アンガーキャリアーってコードネームもあるらしいが……」
    原谷 狭霧:「できりゃあ名前で呼んでくれ。このコードは好きじゃねえ」
    原谷 狭霧:原谷 狭霧(はらや さぎり)!星辰館高校一年生!
    原谷 狭霧:山登りに行ってたら対抗種カエンタケRBに寄生されたかわいそうな子!
    原谷 狭霧:数か月間(夏休み含む)カエンタケ(以下クソキノコと表記)の制御に費やして夏休み明けに復学したぞ!
    原谷 狭霧:エフェクトは典型的な復讐の刃使い!イニシアチブで近づき、殴られるたびに
    クソキノコでおすそ分け殺するぞ!

    原谷 狭霧:対抗種同士という事でナントカ覚醒者同士の触れ合いをしていきたいと考えてます。
    原谷 狭霧:以上!よろしくお願いいたします!
    水落 早苗:よろしくお願いいたします!
    GM:友達になれるといいね!
    GM:さて、きっと友人枠になれるだろうあなたのハンドアウトはこちらだ
    あなたは、UGNに協力するオーヴァードである。きっとこの度の任務も、その縁が故だろう。
    今回あなたが赴くのは、N市から電車で数十分の距離にある、葦原市という小さな町。
    凶悪な殺人事件が発生し、おそらくはR案件であるという。その調査の為である。

    幸いにも葦原町立葦原高等学校は、生徒の人数も少なく、事後の記憶処理が用意だ。
    あなたの任務は転校生の立場を取り、猟奇殺人事件の唯一の生き残りである黒野 美羽の警護と、事件調査に当たることだ。

    物語の開始は朝となるだろう。
    登校する護衛対象黒野 美羽と、それに同行する少年の姿を見つけたあなたは、少し距離を取ってそれを追う。
    すると何やら後方から賑やかな足音が聞こえ――どんっ、と背中に衝撃。
    振り向いてみればそこには、小柄な女子生徒がひっくり返っていた。

    「だ、大丈夫? 痛くない? 怪我とかしてない?」

    その女子生徒はひっくり返ったまま、母親のような口調で言った。

    GM:そして最後に、貴重な大人枠。そして偉い人枠。
    GM:ルイス副支部長!
    ルイス=クロウhttp://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY_KOmqAIM
    ルイス=クロウ:「はじめまして、紳士諸君」
    ルイス=クロウ:「ルイス=クロウ。第六支部の副支部長を勤めさせてもらっている」
    ルイス=クロウ:「なに、所詮は老骨の魔法使いさ」
    ルイス=クロウ:元N市第六支部・支部長。古びた書を携え、自身を魔法使いと称する英国人。
    ルイス=クロウ:現職の河合奏支部長へ席を譲ってからは海外の支部で指導役をしていましたが、N市の現状を聞いて副支部長として戻ってきました。
    ルイス=クロウ:自称御年八〇歳という言葉に見合わぬ顔つきの偉丈夫。通常業務は後方支援が主ですが、腐っても第六支部。
    ルイス=クロウ:お馴染み必中範囲攻撃の《ツインバースト》で無理矢理殴ったり、《砂の加護》やエンブレム使ってちょっとばかり支援が可能です。
    ルイス=クロウ:今回は昔世話をした支部長の元へ自ら赴くこととなりまして。さて何が起ころうか。
    ルイス=クロウ:年寄りで肩書き持ちなので、色々面倒見ることになるでしょう。ただ、若人にも頑張ってもらいます。
    ルイス=クロウ:以上。よろしくお願いします
    GM:もしかすると裏主人公みたいな感じになるかも知れない……そんな人だ……
    あなたが、新人オーヴァードだった山名 和寬へ戦場の心得を与えたのは、もう十数年も前になるだろうか。
    当時は20歳そこそこだった若者は今、葦原市という小さな町で支部長職を務めている。
    彼を含めて支部員はたった2人の閑職だ。左遷みたいなものだと彼は手紙でぼやく。だが、葦原は良い町だとも書いている。
    きっとそれは、あなたの長い戦いの中で育まれた交流の、ほんの一つに過ぎないものではあろうが。

    ――第六支部へ支援要請が降りた。
    葦原市で発生した殺人事件。UGNはそれをR案件と認定した。
    葦原市の支部は極めて小規模であり、在籍エージェントは2人。そして、その内の1人は現在、別案件に当たっているのだ。
    副支部長であるあなたならば、任務に適した部下を派遣する権限はあるだろう。
    だがあなたは、自ら葦原市へ赴くことを決意する。
    それは旧懐故か、ほんの気まぐれか。或いは極めて合理的な判断なのかも知れないが――

    任務は決定した。殺人事件の唯一の生き残りである黒野 美羽の警護と、事件調査、この二つだ。
    N市のUGNは、2人の人員を葦原市に送ることになる。
    1人は星辰館高校に在籍する少年、原谷 狭霧。そしてもう1人があなただ。
    合流は現地にて行い、共同で作戦に当たれ。

    原谷 狭霧:よろしくお願いします!!!立派な大人だぜーッ!
    水落 早苗:よろしくお願いいたします!
    GM:では早速OPですが
    GM:ルイス副支部長からとなります

    OP1:ルイス=クロウ


    GM:こんな手紙が、届いた。

    GM:――ご無沙汰してます。風の噂に、第六支部へ戻ったって話を聞きました。
    GM:母国語で話せる方が楽だろうに、わざわざこんな島国へ戻ってくるとか、相変わらず物好きですね。
    GM:とは言っても、まぁ、数年じゃあそんなに日本は変わりません。飯はイギリスより美味いが、紅茶は負ける。
    GM:人の命はちょっと軽くなりました。……それは、世界のどこに行っても同じでしょうが。
    GM:俺は葦原市の支部長になりました。エージェントは他に一人だけ。こりゃ左遷か何かですかね?
    GM:……ただ、悪い町じゃありません。退屈ですが、それが良い。三十とちょっとで楽隠居した気分で、先生の嫌いそうな不味い珈琲を入れてます。
    GM:休日にでもなったら、遊びに来てください。何も無い町ですから、急ぎの仕事もありません。
    GM:老い先短いんだからわざわざ戦地に戻らないで、のんびり暮らせばいいんじゃあないかと俺は思います。
    GM:山名 和寬。

    GM:ではPC3、登場侵蝕をどうぞ。
    ルイス=クロウ:1d10+32
    DoubleCross : (1D10+32) → 7[7]+32 → 39

    GM:OK
    GM:任務か、他支部との折衝か――数日ばかり執務室を開けて戻って来たら、こんな手紙があなたに届いていました。
    GM:差出人の名は山名 和寬。十数年も前、彼が新人エージェントの頃、戦いの心得を指導した相手です。
    ルイス=クロウ:応対をした職員に礼を言い、封筒を開けて一読
    ルイス=クロウ:「やれやれ。減らず口は変わらんか」
    ルイス=クロウ:わずかな時間ではあったが、彼のことは覚えている。左遷されたなどと言ってはいるが、相応の素質があるということの証左だ
    GM:その減らず口の声を思い出すのが少々難しい程度には、顔を合わせなくなって時間が経つ。手紙は――何年か前に一度、手元に届いた筈だ。
    GM:あなたが海外の支部で指導にあたっていた頃。
    GM:同じ支部の女性と結婚した、という旨の手紙が届いた。
    GM:……その女性が亡くなった時の葬儀の知らせは、ついぞ届きもしなかったが。
    GM:さて。
    GM:その手紙を一通り読み終えた頃。エージェントの一人が、あなたの執務室をノックする。
    モブエージェント:「副支部長、失礼します」
    ルイス=クロウ:あの話を聞いたのは後になってから。気を遣ったかは知らぬが──
    ルイス=クロウ:「どうぞ」
    ルイス=クロウ:読んでいた手紙を畳んでエージェントを迎える
    GM:訪れたエージェントは、またも書面を運んで来た。
    GM:が、今度は少しばかり毛並みが違う。
    モブエージェント:「日本支部経由の連絡です」
    GM:そのエージェントがあなたに差し出したのは、UGNからの正式な伝達文章であった。
    ルイス=クロウ:「──ほう」
    ルイス=クロウ:確認しましょう
    GM:では
    GM:その文章を端的に言うなら、
    GM:〝葦原市で発生した殺人事件をR案件と認定。応援人員を派遣せよ〟ということであった。
    GM:正式な文章特有の堅苦しい言い回しによれば、任務内容は調査と、とある高校生の護衛。
    GM:円滑な任務遂行の為に、〝外見的には学生に見える者〟を1人含むように、とのことだった。
    GM:〝外見的には〟のくだりから、あなたは直ぐ、ちょうど任務を受け持っていないイリーガルに思い至るだろう。
    GM:《アンガーキャリアー》原谷 狭霧。年齢にも戦闘力も申し分ない。
    ルイス=クロウ:「いつもの上層から、か」
    モブエージェント:「はい。どのように返答しましょう?」
    ルイス=クロウ:この第六支部の業務を考えれば普段のものと大差はない。執務机の上に置かれたタブレットを手に、幾度かのスワイプ
    ルイス=クロウ:メンバーとして浮かんだ彼の顔。……荒削りと言ってしまえばそれで終わるが、誰でも最初はそういうものだ
    ルイス=クロウ:「いつもの定型文でよい。第六支部としての業務は変わらぬよ」
    ルイス=クロウ:一人のイリーガルが画面に映り、
    ルイス=クロウ:「任務にあたるメンバーとして、彼に連絡を。星辰館には単位関連の補助時間の手配も含めて頼む」
    ルイス=クロウ:「それと──」
    ルイス=クロウ:「バックアップとして、私が入る」
    モブエージェント:「……副支部長ご自身が?」
    GM:そのエージェントは、〝意外なことを聞いた〟という顔をして――その表情を直ぐに取り繕った。
    ルイス=クロウ:「私の承認が必要な業務は済んでいるだろう?」
    ルイス=クロウ:「奏──河合支部長は相変わらず現場だが、承認が必要な物なら後で判子を押させておけばいい」
    ルイス=クロウ:「……意外かね?」
    モブエージェント:「……まぁ、その……少し」
    ルイス=クロウ:「はは。正直でよろしい」
    ルイス=クロウ:「何、少し旧知の顔を見に行こうと思ったのでね。ちょうどいい話だ」
    ルイス=クロウ:それに、
    ルイス=クロウ:「未熟な人間の尻を叩くのと、責任を持つのが老人の役目だとも」
    モブエージェント:「っはは……そ、その、失礼しました」十代後半程度だろうエージェントは、恐縮して頭を下げる。
    モブエージェント:〝崩落戦〟の頃には、UGNの名も知らなかったような子供だ。
    モブエージェント:だから彼は――知らないのだろう。
    GM:万事は滞りなく手配される。
    GM:現地UGNとの合流タイミングも通達されたが、そこから逆算する移動開始まではまだ十分な時間がある。
    GM:あなたは暫しの間、鋭気を養うこととなるだろう。
    GM:――――――――――
    GM:ロイス取得等々は一度後に!
    ルイス=クロウ:了解
    GM:3人分のOP終わってから纏めて行います。

    OP2:水落 早苗


    GM:では、このシーンはPC1、水落 早苗くんの登場となりますが、
    GM:まだ早苗くんはオーヴァードではないので、登場侵蝕は無しだ。
    水落 早苗:了解です

    GM:ルイス=クロウが任務を受命した、ちょうどその日の事となる。
    GM:放課後。あなたは葦原市にある喫茶店『外科室』を訪れていた。
    GM:……名前が良くないのか、マスターがやけに拘るコーヒーの味が良くないのか、客の入りは悪い。
    山名 和寬:「もうちょっと髭とか似合うダンディなマスターだったら、お客さん来るのかなぁ」
    山名 和寬:「こんな、中途半端なおっさんのやる店に足繁く通ってくれるのさ、君達だけだよね」と、三十代後半のマスターがぼやきながら、あなたにその〝味が良くない〟コーヒーを差し出すだろう。
    水落 早苗:「Ah…そういう問題でもないんじゃないか?お、Thank you master.」
    水落 凪:「だよね。兄貴のアメリカかぶれの舌でもそうなんだしさー」
    水落 凪:と、生意気な口を利く少女の背丈は、カウンター向こうのマスターとさほど変わらない。
    水落 凪:「ガムシロップとか砂糖とかたくさんあれば飲めるけど。ね?」
    水落 早苗:「Hahaha、俺の妹ながら手厳しいなあ」
    山名 和寬:「ほんとにねぇ、優しいのは早苗くんだけだよまったく……」
    山名 和寬:「あー、突然心の優しい美少女が俺の面倒見に現れてくれないかなぁ」
    山名 和寬:とぼやく男やもめの薬指には、手入れを欠かさぬ指輪が一つ。
    GM:とかく、この店は客の入りが悪い。
    GM:客はあなたと、あなたの妹である水落 凪――そして、
    黒野 美羽:「…………………………」
    黒野 美羽:コーヒーの暗い液面に視線を落としたまま微動だにしない、あなたの幼馴染みの3人だけ。
    水落 早苗:「Hey美羽、飲まないのかい?どんなコーヒーでも熱いうちが一番おいしいのに」
    黒野 美羽:「……………………」小さく、首を振る。それだけだ。
    GM:だが、それだけでも反応は大きい方だ。
    GM:何せ他の誰かが声をかけたなら、その首の動きさえ無いのが普段の彼女なのだから。
    GM:美羽は何も答えない。何も言わない。
    GM:二週間前、黒野 美羽の家で〝あの一件〟があってから――基本的にはこの調子だ。
    GM:さて。
    GM:あなたは当然だが、〝あの一件〟について知っている。報道されているより詳細なニュアンスをだ。
    GM:平日、日中。黒野 美羽は体調を崩して学校を休んでおり、両親はその看病の為に、二人揃って家にいた。
    GM:そこへ侵入した何者かが、美羽の腕には縫合が必要になる切り傷を負わせ、そして両親を惨殺した。
    GM:……美羽には他に親戚もいない。今、彼女はあなたの家の空き部屋で日々を過ごしている。
    GM:葬儀の終わった日から、美羽は言葉を発しない。
    水落 凪:「……ここのコーヒー、そのままじゃ飲めないって。ガムシロ有る?」
    山名 和寬:「傷つくけどあるよーう。美羽ちゃんは……4つだっけ」
    山名 和寬:マスターは、美羽ではなくあなたの席へと、ガムシロップを差し出す。
    水落 早苗:「Thank you」と受け取って美羽の席にとことこと歩いていく
    水落 早苗:「milkも必要だったかい?」と聞きながら、黒い水面にとろりとしたガムシロップを落とす
    水落 早苗:——それこそ、いつも通りに
    黒野 美羽:「…………」透明な液体がコーヒーの液面に溶けて、結局は色を変えずに混ざり合う。
    黒野 美羽:その様を彼女は、無言のままに見ていた。
    黒野 美羽:ミルクは――
    黒野 美羽:答えない。
    黒野 美羽:代わりに
    黒野 美羽:「……ねぇ、早苗」
    黒野 美羽:彼女は幾日ぶりにか、声を発した。
    水落 早苗:「?]
    黒野 美羽:「N市に行きたい」
    水落 凪:「……!」両手で口を押さえ、目を丸くしている。
    水落 早苗:「Ncity?」
    山名 和寬:「…………」ぽかん、と口を開けている。
    黒野 美羽:「ん」
    黒野 美羽:彼女は小さく頷き、自分で席を立ち
    黒野 美羽:カウンター向こうにおいてあった牛乳をひっつかみ、コーヒーをカフェオレにしてしまった。
    黒野 美羽:湯気が立つ温度に混ざる不純物。
    黒野 美羽:美味いとは言えぬコーヒーのなれの果てを、彼女はぐうっと飲み干した。
    山名 和寬:「早苗くん!」
    山名 和寬:カウンターをバン! と叩いて身を乗り出すマスター。
    水落 早苗:「ん、なんだいmaster?」
    山名 和寬:「早苗くん! これはなんとかの甲斐性だ、彼女の望みを叶えてあげたまえよ!」
    山名 和寬:「大丈夫! 電車代は俺が出す! なんならおつかいを頼みたいしね、お駄賃だってあげよう若者よ!」
    山名 和寬:と、何で稼いでいるのか分からない妙に分厚い財布を開いて、あなたに万札を二枚ばかり押しつけてきます。
    水落 早苗:「Ok、master。わかっているさ」とウインクしながら万札を受け取ります
    水落 凪:「兄貴! 私もお土産! ラ・ニース・デ・ロワ!」
    水落 早苗:「OKOK、かわいい妹のためだ。行ってくるよ。美羽はどうする?今からにするか?それとも週末?」
    黒野 美羽:「……………………」
    黒野 美羽:「あさって」
    黒野 美羽:「……土曜日だから、いっぱい遊べる」
    水落 早苗:「Niceな提案だね、じゃあ、明後日にしようか」
    黒野 美羽:「…………」こくん、と美羽はうなずき、あなたの制服の袖を掴む。
    黒野 美羽:そしてくいくいと引き――ここ暫く、声を発しない彼女が意思表示に使っていた方法だ――
    黒野 美羽:店を出て、帰路につこうとするだろう。
    水落 早苗:そのまま自然な流れで手をつないで帰路につきます
    GM:では、店を出る直前
    水落 凪:「兄貴!」
    水落 早苗:「どうした凪?」
    水落 凪:「身長はともかくさー、器はデカいとこ見せろよ!」
    山名 和寬:「門限とか思いっきり破って遊んでくるんだぞーう」
    GM:と、好き勝手にはやし立てる声を聞くでしょう。
    水落 早苗:「Hahaha、それこそ心配は無用さ。俺を誰だと思ってるんだ?」
    GM:いちいち格好いいぞ
    GM:では、最後に。

    GM:あなたは美羽を連れて、家までの短い道のりを歩いて行きます。
    GM:葦原市に夕日がかかる。背の低い建物ばかりの田舎町で、西空はまぶしい程に赤色だ。
    GM:その帰路、美羽が言った。
    黒野 美羽:「いつもありがとうね、早苗……ごめんね」
    黒野 美羽:美羽の背丈は、あなたより少し高い。数年前に追い抜かれてそのままだ。
    水落 早苗:「いいや?美羽が気にすることじゃないさ」
    黒野 美羽:「…………」
    黒野 美羽:美羽はあなたの袖を掴み、足を止める。
    黒野 美羽:「早苗になら、言える」
    水落 早苗:「?」
    黒野 美羽:「信じてもらえないかも知れないけど」
    黒野 美羽:「私のお父さんとお母さん、化け物に殺されたの」
    黒野 美羽:その言葉は、先ほどまでとまるで変わらない声音で、
    水落 早苗:「monster?」
    黒野 美羽:あまりにも、何の感慨も無いような平坦さで吐き出された。
    黒野 美羽:僅かの沈黙と、間と。
    黒野 美羽:「……ごめんね、忘れて」
    黒野 美羽:美羽は首を振り、また再び歩き始める。
    水落 早苗:「…いいや、ありがとう美羽。言うの、辛かっただろう」
    黒野 美羽:「……………………」
    GM:化け物。
    GM:あなたはその言葉を、どう受け取ったのだろう。
    GM:殺人犯?
    GM:なるほど、そういう人種は化け物と呼ぶにふさわしい。
    GM:人間として生まれながら人間の行動様式から外れた、怪物と呼んで差し支えあるまい。
    GM:けれど、美羽の言葉は、美羽の沈黙は――
    黒野 美羽:「ねぇ、早苗。N市に行こうよ」
    黒野 美羽:「あの街はすっごく楽しいから、だから」
    黒野 美羽:「きっとなにか、いいこと有るよ」
    水落 早苗:「そうだな、きっと、いいことある」

    OP3:原谷 狭霧


    GM:ではPC2! お待たせしました登場侵蝕!
    原谷 狭霧:ヨッシャア!
    原谷 狭霧:40+1d10
    DoubleCross : (40+1D10) → 40+4[4] → 44

    原谷 狭霧:侵蝕44

    GM:《オールド・メイジ》が任務の詳細を受け取った日の翌日、早朝。
    GM:原谷 狭霧。あなたは極めて迅速なUGNの手配により、真新しい学生服に身を包み、事前に確認した通学路を歩いている。
    GM:現地UGNとの合流は今夜だ。
    GM:だが、あなたには〝取り急ぎ転校生として護衛対象に近づくように〟との指示が出ている。
    GM:……というのも、今日は金曜日。このタイミングを逃すと、次の登校日は月曜だからだ。
    GM:ということで登場だ!
    原谷 狭霧:制服の着心地を確かめながら歩いている。
    原谷 狭霧:(……やっぱヤベーなUGNってのは。昨日の今日であっさり準備完了だろ?)
    GM:さて。あなたはもちろん、ただのんびりと歩いている訳ではない。
    GM:あなたが歩く何十mか先には、今回の任務の護衛対象である黒野 美羽の姿がある。
    GM:もちろん護衛対象の姿は、事前に写真で知っている。
    GM:尚、彼女は1人ではない。彼女より少し背の低い男子生徒と並んで歩いているようだ。
    原谷 狭霧:(初めての経験だらけだが、一周回ってナントカなる気がしてきたぜ……)足は止めない。
    GM:では、そうしたあなたが歩いていた、ちょうどその時だ。タイミングとしては、どこかの曲がり角を曲がった直後だろう。
    GM:何やら後方から賑やかな足音が聞こえ――
    GM:どんっ、と背中に衝撃。
    ???:「に゛ゃっ!!!」
    原谷 狭霧:「━━うおおっ!?」後方不注意!たたらを踏む!
    GM:振り向いてみればそこには、小柄な女子生徒がひっくり返っていた。
    水落 愛梨彩:「だ、大丈夫? 痛くない? 怪我とかしてない?」
    水落 愛梨彩:その女子生徒はひっくり返ったまま、母親のような口調で言った。
    原谷 狭霧:「すすすんません!?大丈夫ですか!!??」慌てて向き直る!
    水落 愛梨彩:「ああっ、こっちこそごめんね? 前見てなくってごめんね? 一年生の子?」
    水落 愛梨彩:あなたの〝年齢〟はさておき。今回の潜入では、護衛対象と同学年、二年生という設定になっている。
    原谷 狭霧:「あ゛ー……こっちは大丈夫です。見えねーってよく言われるけど二年生ですね。」
    水落 愛梨彩:「あれ? ええっと、二年生の子ならだいたい知ってる筈だけどな……あっ」
    水落 愛梨彩:と、その女子生徒はいきなり腕組をして考え込み始めます。
    水落 愛梨彩:かなり小柄だ。140cm有るか無いか。
    水落 愛梨彩:かなり小さめの制服だが、それでも袖を余している彼女は――
    水落 愛梨彩:「もしかして君、転校生だ!」
    水落 愛梨彩:と、袖に隠れた両手をあなたに向けます。
    原谷 狭霧:「そそそそう!!そういうわけなんすよ!!!」早くもボロが出そう!
    水落 愛梨彩:「わぁーっ……!」やけにキラキラした眼であなたを見ている!
    水落 愛梨彩:「そっかぁ……道理でちょっと都会の香りが……」
    水落 愛梨彩:鼻を近づけてスンスンしている。
    原谷 狭霧:「うおお!??そ、そういうのはちょっと!」慌てて引きはがす!
    水落 愛梨彩:「にゃ?」
    原谷 狭霧:(近づいたらクソキノコがマジでやべぇんだよ!)
    水落 愛梨彩:引き剥がされて、一拍ぽかんとしてから、
    水落 愛梨彩:「あっ! ごめんねぇ、この町だと外から来る人って珍しくって、ついはしゃいじゃった」
    原谷 狭霧:(……と言えたらなぁ)「いや、俺もびっくりしただけなんで……」
    水落 愛梨彩:「十軒先までご近所さん、みたいな町だからさ」
    水落 愛梨彩:「君みたいに〝新しい風〟は、すっごく嬉しい!」
    水落 愛梨彩:小さな体でぴょこぴょこ跳ねて喜んでいます。
    原谷 狭霧:「この辺り、大分静かな感じですしね。俺としちゃあ結構新鮮ですよ?」
    原谷 狭霧:「新しい風……ですか?」
    水落 愛梨彩:「うん。毎日おんなじことの繰り返しって、安心するけど飽きるでしょ?」
    水落 愛梨彩:「だから……ようこそ、葦原市へ。君がこの町を気に入ってくれたならよかった!」
    水落 愛梨彩:「あっ、私は水落 愛梨彩、三年生だよ!」
    原谷 狭霧:「あ゛ー……まぁ分からなくもないですけどね。そういうの」
    原谷 狭霧:「よろしくお願いします、先輩。俺は原谷狭霧って言います!」
    原谷 狭霧:「慣れねーこともいっぱいありそうですが、これからお世話んなります」
    水落 愛梨彩:「原谷くん、よろしく!」
    水落 愛梨彩:と、彼女は片手を差しだそうとし――
    水落 愛梨彩:その手に袖が被さっているのに気付いて、少し袖と格闘してから手を出す。
    水落 愛梨彩:非オーヴァードの少女の、戦いを知らぬ小さな手だ。
    原谷 狭霧:「ええ━━」厳重にクソキノコを体内に抑え込み、手を差し出す。
    GM:がしっ。
    GM:非力ながらその手は、しっかりと食いついてくるでしょう。そして、
    原谷 狭霧:「よろしくおねがいし、?」
    水落 愛梨彩:「学校の場所とかわかる? 教室の場所とか職員室とか大丈夫?」
    原谷 狭霧:「は、はあ……?」
    水落 愛梨彩:「せっかくだからこのまま私が案内ツアーしてあげよう! れりごー!」
    水落 愛梨彩:うっかり捕まれたままなら、そのまま引っ張られて歩く羽目になるでしょう。
    水落 愛梨彩:もっとも、140cm有るか無いかの彼女の歩幅は狭いので、ついて行くのに苦労はしません。
    原谷 狭霧:「場所ぐれーなら何とか、っと!」引っ張られる手に逆らわず、着いていきます。
    原谷 狭霧:(……この人との触れ合いも、無かったことになっちまうのかな。)
    原谷 狭霧:(━━ったく、どうなる事やら。)
    GM:――――――――――
    GM:では、ロイスの取得が可能です
    GM:これは3人全員ですね、言葉足らずだった
    水落 早苗:黒野 美羽 〇庇護/不安 で
    ルイス=クロウ:山名和寬へ「過去の教え子:懐旧/〇不安」
    ルイス=クロウ:こちら以上
    水落 早苗:自分も以上です
    原谷 狭霧:〈いい人みてーだな……〉水落 愛梨彩:〇誠意/疎外感 で!
    GM:OK!
    原谷 狭霧:以上です!

    ミドル1:学び舎の平穏


    GM:シーンの前に。ここはいわゆる〝PC1と2の初顔合わせ〟的なもので
    GM:その次のシーンで〝PC2と3〟。その後に全員集合、となります
    GM:ので、ここでの登場はPC1&2、また登場侵蝕はPC2のみだ!
    原谷 狭霧:ヨッシャア!!
    原谷 狭霧:44+1d10
    DoubleCross : (44+1D10) → 44+8[8] → 52

    原谷 狭霧:侵蝕52

    GM:金曜日、朝。明日は休みだと思えば、学生達の気分も少し浮つくものではあるが、
    GM:今日は特にそうだ。とびっきりの非日常がそこにいるのだから
    担任:「急な話ですが、転校生を紹介します。はい、原谷くん入って」
    GM:と、原谷くんは教室へ迎え入れられるでしょう。
    原谷 狭霧:「失礼しまぁす!!!」無駄に気合抜群!!
    GM:早苗くんから見れば、〝昨日まで噂すらなかった転校生がいきなり今日現れた〟なので
    GM:平穏な毎日にはとんだサプライズだ!
    水落 早苗:どんなふうに挨拶しようか、と席で考えてます
    担任:「今日からご家族の都合でこのクラスに入ることになった原谷くんだ」
    担任:「おじいさまと2人で暮らしてらっしゃるらしい。みんな仲良くするようにー」
    担任:「じゃ、原谷くん。簡単に挨拶ね」
    原谷 狭霧:「えーっと、原谷狭霧って言います。チョーク使っていいですかね?」
    担任:「構わんよ」
    原谷 狭霧:「漢字はこんなんで……」黒板に自分の名前を書くテンプレート自己紹介!
    担任:「はい、拍手ー」割とやる気の薄い担任のあおり。
    水落 早苗:ぱちぱちと拍手
    GM:では、ここでいきなりですが水落くん。
    水落 早苗:はい
    GM:あなたの隣席には、黒野 美羽が座っていますが、
    GM:彼女はどうもただならぬ表情で――もっとも幼馴染みのあなたしか分からないような差異だが――
    GM:転校生である彼を見ている。
    原谷 狭霧:「慣れないところも多いと思うんすけど、よろしくお願いします!」
    GM:原谷くんからしたら、護衛対象の少女が
    原谷 狭霧:お辞儀!
    GM:やけに暗い眼で、じっとあなたを見ていることに気付く――という具合だろう。
    水落 早苗:…ふむ、休み時間あたりに声をかけるべきかと思いつつその場は座ってます
    原谷 狭霧:(いかん、何かしくじったか……!?)伏せた顔で焦る!
    GM:ふむふむ
    GM:では、朝の邂逅はそれくらいだ。
    GM:次の時系列は昼休みに飛ぶ。
    GM:なお原谷くんには、初日の分はUGN職員のお手製弁当が渡されている。
    GM:学食とか購買とか面倒だしね!
    GM:護衛対象である黒野 美羽は自分の席で黙々とパンを食べていて、そこへ好んで近づこうとする生徒は無し。
    GM:やはり、家族が殺されたばかりの少女への接し方は、皆迷っているのでしょう。
    水落 早苗:隣でお弁当を食べていても大丈夫でしょうか?
    水落 早苗:美羽さんの
    GM:もちろんOKです
    原谷 狭霧:一つ隣位で食べていいですかね?
    GM:ので、正しくは〝2人に近づこうとする生徒は無し〟となりますか
    GM:それもOKですし
    水落 早苗:では机を向かい合わせてサンドイッチとコーヒーを食べてます、お弁当の
    GM:なんなら護衛対象に軽く接触を図ってもかまいません、そこはお好きに
    黒野 美羽:「……………………」コンビニで買ったパンを黙々と食べている。
    原谷 狭霧:(ウへーッすんごい手の込んだお弁当……)ちらちらと少女を見ながらお弁当を頂いてます
    黒野 美羽:生クリームとイチゴジャムの詰まった菓子パンだ。それを、これも買っておいたのだろうイチゴ牛乳で流し込むような食事風景。
    黒野 美羽:まるで食事を楽しんでいるようには見えないでしょう。
    原谷 狭霧:「……」(確か、あの子は家族を失ったとか聞いたな……)
    水落 早苗:「美羽、あのさ」
    黒野 美羽:「……………………?」
    黒野 美羽:ちらちらと向けられる視線が気になったか、そちらへ一度視線が向くが、
    黒野 美羽:その視線は直ぐ、呼びかけに応じて早苗くんの方へと向かう。
    水落 早苗:「転校生くん来たとき、険しい顔してただろ、その、なにか辛く思ったことがあったのかい?」これは小声で
    黒野 美羽:「…………」
    原谷 狭霧:(話すにしたって何言えばいいか……!)慌てて視線を外しつつ聞き耳を立てる!
    黒野 美羽:そう問われたなら、美羽は今度は、少しの間、原谷くんを見てから
    黒野 美羽:「なんか、あの人……やだ」と、こちらも小声で返すでしょう。
    水落 早苗:「Dislike?」
    GM:小声とは言え、さして遠くもない距離だ。あるいは原谷くんにも、その理不尽なコメントは聞こえたかも知れない。
    原谷 狭霧:(デスライク!?)
    水落 早苗:「それとも、もうちょっと違うNuance?」
    黒野 美羽:「――――」美羽は、何かを答えようとした。やはり小声で、だ。
    GM:が、そんな小さな音をかき消すように
    GM:ガラガラッ、と賑やかに教室の戸が開く!
    GM:そしてものすごく当たり前のような顔をして入室してくるのは、〝3年生のくせに何故か2年生の教室にちょくちょく来る先輩〟こと、
    水落 愛梨彩:「早苗ー! 遊べー!」
    GM:水落 愛梨彩だ! もう早苗くんの同級生は、珍獣を見る目をしているぞ!
    水落 早苗:「Oh、my sister! 今俺ちょっと取り込み中だったのに!」
    水落 愛梨彩:「問答無用! 私の遊び相手以上に重要な仕事なんてないのだー!」
    原谷 狭霧:「水落先輩!なんでこっちの教室に!?」
    水落 愛梨彩:と、真っ直ぐあなた達の方へ向かってきたあげく、適当な椅子を引いてそこに座り、
    水落 愛梨彩:「あっ、原谷くん! とくに理由はない! 強いて言うなら早苗で遊びに来た!」
    水落 愛梨彩:と、暴君ぶりを宣言する。
    水落 愛梨彩:ちなみに愛梨彩の手には、購買で買ったのだろうパンの入った袋が提げられている。だいたい毎日、こうして早苗くんの昼食に+アルファを足しに来るのだ。
    水落 愛梨彩:「早苗!」
    水落 早苗:「conjunction!おかしいって!」
    原谷 狭霧:「早苗ってーと……、こちらの?」なし崩しに確認!
    水落 愛梨彩:「おかしいことなんてnothing! それよりこっちの子、転校生の子だから! 原谷くん!」
    水落 愛梨彩:と、弟の方を向いて言ったかと思えば、
    水落 早苗:「Hello、Mr砂霧。俺は水落早苗」
    水落 愛梨彩:「そうそう、水落 早苗! 私の弟!」
    水落 愛梨彩:「バレエやってるからこの町にしてはちょっと有名人! そして君の友達候補なのだ!」
    水落 愛梨彩:と、原谷くんへ。
    原谷 狭霧:「よろしくな、早苗!改めて、原谷狭霧だ」
    水落 早苗:「よろしく、朝は俺の姉がTroubleを起こしてしまったみたいで申し訳ないね」
    原谷 狭霧:「バレエか。……すまねー、ダンス系はあんまし詳しくねーんだよな」
    水落 愛梨彩:「む、人をトラブルメーカー呼ばわりとは失礼な」
    水落 愛梨彩:「っと、バレエはね! 正直私もわからない!」
    水落 愛梨彩:「けど、早苗はなんだか凄いらしいしー、たぶん卒業したらアメリカとかまた戻るんじゃないかなー?」
    原谷 狭霧:「いやいや、びっくりはしたけどしたけど気にしねーでくれよ!」
    原谷 狭霧:「こちとら転校生なんだ、開幕ぼっちよかぜってーマシさ」
    水落 早苗:「Hmmm…それは、ちょっと、考え中かも?」
    水落 愛梨彩:「いかないの? アメリカ」
    原谷 狭霧:「えっアメリカ行ったことあんの!?すげーな早苗!」
    水落 早苗:「…もう少し、考える時間が欲しいな、って駄目かい姉さん」
    水落 早苗:「まああそこが嫌いってわけじゃないんだけど」
    水落 愛梨彩:「そうそう、うちの弟凄いんだって! きっと未来のスーパースター!」と、やけに誇らしげに原谷くんに言ってから
    水落 愛梨彩:「んー。アメリカは行かないにしても、この町にいても踊る場所が無いと思うなー」
    水落 愛梨彩:「お姉ちゃん、早苗がいなくなっても大丈夫なように、日々遊び相手は探してるし?」
    水落 愛梨彩:「家族の心配とか無用だから、せめて都会に行ってくると良いと思うにゃー」
    水落 早苗:「美少年バレエダンサーという肩書が、いつまで持つかわかったもんじゃないし」これは小声で、姉にも聞こえないくらいの
    GM:さて
    GM:そんな会話の中で、彼女は突然に。
    水落 愛梨彩:「んー、でもさー。都会って良いよねー」
    水落 愛梨彩:「早苗もたしか明日でしょ? N市に遊びに行くの。いーなー」
    黒野 美羽:「……………………」今まで殆ど無反応だった美羽が、原谷くんの方に、少しの間だけ視線を向けた
    原谷 狭霧:狭霧君もN市から来たことにしていいですかね?
    GM:OKですとも
    水落 早苗:「まあそうだな、美羽にもbreakが必要だろ?」
    原谷 狭霧:「N市?奇遇じゃねーか、俺が来たところだぜ」
    水落 愛梨彩:「え。原谷くんもN市!? うっわやっぱり都会人!」
    原谷 狭霧:「まー端っこの方ですけど、ちょっとぐれーなら分かりますよ。どっか用事でもあるんで?」
    水落 早苗:「彼女の息抜きってやつかな」と美羽を見ながら
    水落 愛梨彩:「私は用事とかないんだけどさー。弟だけ遊んでくるのずるいじゃーん」
    水落 愛梨彩:「でも弟のデート邪魔するのも駄目じゃーん」
    黒野 美羽:「……………………」
    原谷 狭霧:「彼女ってーと、そちらの?」頑張って素知らぬ顔付きを維持してるつもり!
    水落 早苗:「黒野美羽、俺の幼馴染さ」
    水落 愛梨彩:「良い子だよ!」
    水落 早苗:「諸事情あってこんな感じなんだけど、まあ、ほどほどにそっとしておきつつ仲良くしてやってくれ」
    水落 愛梨彩:「……良い子だからこそ応援はしてあげたいけど、そうするとこの私のテンションだと高確率でお邪魔なのは分かるんだよねぇ」
    水落 愛梨彩:「だ・か・ら」
    水落 愛梨彩:と、愛梨彩は急に立ち上がって、原谷くんにぐいぐいと接近してきます。
    原谷 狭霧:「黒野……って言うのか。」(諸事情を知ってるんだよなー……)
    原谷 狭霧:「ウオオ、なんすかなんすか!??」クソキノコを抑え込む!
    水落 愛梨彩:「早苗だけ楽しんでくるのがなんとなく悔しいから!」
    水落 愛梨彩:「私は私で別口でN市に連れてってくれたら嬉しいなぁって!」
    水落 早苗:「…ごめんな、Mr狭霧」
    水落 早苗:「嫌なら断ってもいいんだ」
    原谷 狭霧:「ええ!?弟公認!???」
    水落 愛梨彩:「……それにかこつけて弟のデートを見守りたいという魂胆は公然の秘密」ぼそり
    原谷 狭霧:「いやまー、正直N市の方も一度様子見たいとは思ってたし、渡りに船ではあるんだが……」
    水落 早苗:「公認してない、むしろこの時点の言動に謝る点しか見当たらないから謝ってる」
    水落 愛梨彩:「弟が辛辣!」
    水落 愛梨彩:「早苗がそんなんだから、凪もあんな風になるんだよーう!」
    水落 愛梨彩:「……ま! そういうことだから!」
    原谷 狭霧:「まぁそんぐれーは分かりますよ。道案内のお礼ってことで。」ぼそりと返す
    GM:と、九割がた一方的に宣言した愛梨彩は、スマートフォンのいわゆるメッセージアプリを開き、
    GM:連絡先の交換画面を表示させます。
    GM:学生でも大人でも、まぁだいたい皆が使ってる類いのアレですね。
    GM:それで連絡を取ろう、という話のようです。
    GM:連絡先の交換に応じたら、そこでひとまず彼女の話は終わりとなるでしょう。
    原谷 狭霧:「おっ、ありがとうございます!ちょいと失礼して……」QRコードで登録!
    水落 愛梨彩:「よーし、それでは集合場所等々は連絡するので楽しみにしてておくれー!」
    水落 愛梨彩:と、小さな暴風は教室を去っていきます。
    水落 愛梨彩:……やけに多めに買ってきたパンは、あなた達の机の上に残して。
    水落 早苗:「ふう…」とため息をつきつつ美羽の様子を見ます
    原谷 狭霧:「……早苗、あのおねーさんっていつもあんな感じなのか?」どっと疲れが出てきた顔で
    水落 早苗:「…ああ、Alwaysあれだ、本当に申し訳ない」
    原谷 狭霧:「はー。毎日あれだと流石に大変そうだなオイ……」
    原谷 狭霧:「黒野さんも結構付き合わされてんのか?」話題を振る!
    水落 早苗:「Hahaha…俺と凪くらいなら別にいいんだけど他を巻き込むからね…」
    黒野 美羽:「……………………」話題をふられた美羽は
    黒野 美羽:「………………………………」
    黒野 美羽:無言だ。無言でじいっと、原谷くんを見ている。
    黒野 美羽:原谷くんの眼を覗き込んでいる、という方が正しいか。
    黒野 美羽:暗い眼が、あなたを覗き込もうとしている。
    原谷 狭霧:「……あ゛ー、その。変な振り方しちまったか?」
    水落 早苗:「…美羽?」
    原谷 狭霧:目は逸らさない。
    黒野 美羽:しばらく美羽は、原谷くんの眼を見ていた。
    黒野 美羽:が、やがて彼女は俯いてしまう。
    原谷 狭霧:「……」(ちょっと照れて来るな……)
    黒野 美羽:自分の膝に視線を落として、美羽はぴたりと動かなくなった。
    原谷 狭霧:「……うーん、すまねぇ。結構人見知りするタイプか?」
    原谷 狭霧:(特に反応が無けりゃ、いったん離れちまおうか)
    水落 早苗:「いや、さっきも言ったけど事情があってね、ほどほどにしてくれるとありがたいな」
    原谷 狭霧:「あ゛っ、そういやそんなこと言ってたな。」
    原谷 狭霧:「じゃー落ち着かねーみたいだしこの辺りにしとくわ。アドバイスありがとな、早苗」
    原谷 狭霧:そっと席を離れます。
    GM:では
    GM:原谷くんが離れて、声を潜めればきっと届かないだろうという距離に至った時、
    GM:美羽は、早苗くんに、あなたの顔を見ないままに言うでしょう。
    黒野 美羽:「なんか、あの人……やだ」
    黒野 美羽:「こわい感じがする……」
    黒野 美羽:と。
    GM:――――――――――
    GM:では、このシーンもロイスのみ取得可能だ!
    水落 早苗:原谷 狭霧 「転校生君〇興味/警戒心」で
    原谷 狭霧:〈我ながら大分怪しいもんなー……〉黒野 美羽:〇庇護/隔意
    原谷 狭霧:で!
    GM:OK! シーンをカットします!

    ミドル2:〝Till I die.〟


    GM:PC2、PC3のお二人、登場侵蝕をどうぞ
    原谷 狭霧:ヨッシャア!!!
    原谷 狭霧:52+1d10
    DoubleCross : (52+1D10) → 52+8[8] → 60

    原谷 狭霧:ウグ—ッ高め
    ルイス=クロウ:1d10+39
    DoubleCross : (1D10+39) → 1[1]+39 → 40

    原谷 狭霧:侵蝕60
    GM:と、開始の前に
    GM:ルイス副支部長の記憶探索者って、
    GM:どんな感じの能力で、それを所持してることをUGN内でどこまで知られてる想定でしょう
    GM:つまり「GM側から能動的に提案できるか」なのですが
    ルイス=クロウ:まぁ精神干渉する方法がスペルブックを使った「魔法」と名乗ってるくらいの差異ですね
    ルイス=クロウ:別に隠してるわけでもないのでUGN側には知られてても問題ないです
    原谷 狭霧:原谷君の方はよく知らない……って認識でも大丈夫ですかね?
    GM:ふむ
    ルイス=クロウ:原谷君の知識はお任せします
    ルイス=クロウ:ただこちらも聞かれなければ特に説明したりしないですね、性格上
    原谷 狭霧:ありがとうございます!一先ず第6支部の副支部長らしい認識だけしておきます!
    GM:とりあえず精神干渉のあたりに関しては、Dロイスに書かれてるようなの、という認識にしておきます
    ルイス=クロウ:「魔法使いってほんと~?」みたいなこと聞かれない限りは
    GM:では
    GM: 
    GM:――19時頃。葦原市、喫茶店『外科室』。閉店後の店舗のドアからは、最小限の灯りだけが零れている。
    GM:そのドアをノックしたのならば、鍵を外す音の後に、あなた達は店内へ迎え入れられるだろう。
    山名 和寬:「や、お疲れ様です。出迎えがおっさんで本当に申し訳な――って」
    山名 和寬:「……は? ルイス副支部長? ……いやいや、何やってんですかあんた、こんなとこで」
    GM:三十代半ばのくたびれた男、《レーザーメス》山名 和寬が、顎が外れたような顔をしていた。
    GM:誰が応援に向かうという情報は送っている筈だが、どうにも彼には、個人名まで届いていなかったらしい。
    ルイス=クロウ:「旧い知り合いの手紙をもらったわけだが。顔を出されてはマズいのかね?」
    ルイス=クロウ:「変わらんな、山名君」
    山名 和寬:「……普通、こういう地方の案件に、役職持ち出張ってこねえでしょうに……ったく」
    山名 和寬:「ああ、もう。置くまで入った入った。ただでさえあんた、デカいの外人だので目立つんだから!」
    ルイス=クロウ:「第六支部は私のような耄碌ジジィがいなくとも機能するのでね。おかげでこうして歩き回れるわけだ」
    ルイス=クロウ:では案内に従って店内へ
    GM:さて
    GM:喫茶店内の、カウンター向こう。床に隠れた階段を降りた先の地下階が、この町のUGN支部だった。
    GM:地上階に比べればかなりの広さがある。その中の応接室にあなた達は通されるだろう。
    GM:飾り気の無い白い壁と床、蛍光灯の光、安物のソファの部屋。
    GM:テーブルには二人分のコーヒーが置かれているが、決して美味とは言えない筈だ。
    原谷 狭霧:「うおお……きれーな店内の地下がこんな感じって……」
    ルイス=クロウ:ソファに座り、コーヒーを一口
    原谷 狭霧:「超イカスじゃないっすか!」
    山名 和寬:「地下に十分な面積を確保できる土地を、ってのが場所選びの条件だったからね」
    山名 和寬:「UGNはこういう時に金を惜しまないから強いのさ、若者よ!」
    ルイス=クロウ:「手紙に書いていたとおりだな」若干渋い顔
    山名 和寬:「美味しくないけど眠気は覚める、って方向なら大好評ですよ?」と、こちらもソファに腰を下ろして
    原谷 狭霧:「あ、すんません不躾でしたね……」慌て気味に着席。
    山名 和寬:「えーと。ちょっと待ってね資料資料……ああ、あった。原谷くんね。それからよく知った顔の爺様ね」UGNからの支給端末を、おぼつかない手つきで操作してから
    原谷 狭霧:ルイスさんの反応が気になったので自分もコーヒーを頂く。
    山名 和寬:「事前に資料は送ってたと思うけど――送れてる? おっさん、電子機器ちょっと弱いの」
    山名 和寬:任務を請け負った時、あなた達の手元には、今回の殺人事件の概要がデータで送られています。
    山名 和寬:まずは〝表〟――異常者が白昼の黒野家に押し入り、両親を殺害、娘にも負傷を負わせたという一般報道通りの内容。
    山名 和寬:そして〝裏〟――殺害された両親の死体には、食い千切られた痕跡があったということ。
    山名 和寬:遺体の傷口周囲に付着した体液は、人間の物とも、また既存の生物のものとも違う。
    ルイス=クロウ:「私に負けてどうする」慣れた手つきで個人用のタブレットをいじり、詳細を確認
    原谷 狭霧:「……そうっすね。フツーのやつができるとは思えねー犯行ってくらいは分かってます」(にっが……)
    ルイス=クロウ:ふむ、と。顎に手を当て
    原谷 狭霧:耐熱ケース入りのスマートフォンで確認したぞ!
    ルイス=クロウ:「キュマイラ系発症者でも既存の系統樹に分類されないオーヴァードは多いが……」
    原谷 狭霧:(クソキノコみてーな植物のキュマイラって結構珍しいとかは聞いたな……)
    山名 和寬:「はっきりしねえって事は……オーヴァードかジャームか、どっちからだろうって話だ」
    山名 和寬:「戻れなくなった奴か、まだ戻れる奴かは分からん。だが確実なのは、野放しにしておけないってことです」
    ルイス=クロウ:「N市へ早急に打診したのは正解だな。ここまで派手なこともそう起こらなかったのだろう?」
    山名 和寬:「そりゃあもう――」
    原谷 狭霧:「まぁ、こんな事件起こしてる時点でただ事じゃねーのは確かですからね」
    新田 澄佳:「山名支部長が赴任してから、この町でのオーヴァードの確認件数、たしか二件くらいです」と、ひょこっと応接室のドアから顔を覗かせる職員
    新田 澄佳:いかにも戦えそうにない風情の、白衣の女性スタッフである。
    ルイス=クロウ:「おっと、はじめまして」立ち上がって礼を
    原谷 狭霧:「あ、お疲れ様っす!」慌てて立ち上がり会釈!
    新田 澄佳:「あっ……と、こちらこそ初めまして、お疲れ様です。新田と申します」
    ルイス=クロウ:「第六支部のルイスだ。よろしく頼む」
    山名 和寬:「〝戦い以外ならだいたいなんでもやる〟子。美味しい珈琲が飲みたきゃ、そっちに頼んでくださいや」
    原谷 狭霧:「初めまして。原谷狭霧って言います!」
    ルイス=クロウ:「ほう。では、この資料関連も君が精査したのかね?」
    新田 澄佳:「はい。山名支部長、タイピングが人差し指ですから」
    新田 澄佳:「……資料に口頭で補足しますと、傷口に付着した体液。正確に言うなら、〝人間には近いけれど微妙に合致しない〟となります」
    新田 澄佳:「人間から変異したもの、と考えるのが一番自然かな――……って数値でした」
    原谷 狭霧:「微妙に合致しない……?」
    ルイス=クロウ:「ふむ……」
    原谷 狭霧:「……すんません、具体的にはどんな感じなんすかね?」
    原谷 狭霧:※よくわかってない!
    新田 澄佳:「どんな感じ、ううん……そうですね」
    新田 澄佳:「えーと、ものすごい途中をすっ飛ばした言い方になっちゃうんですけど」
    原谷 狭霧:「はい」
    新田 澄佳:「〝これデータ合致する生き物いないけど、一番近いのは人間だな〟」
    新田 澄佳:「〝というか何割かは人間の遺伝子とかだし、残りの何割かは多分、レネゲイドウィルス感染による変異かなー〟」
    新田 澄佳:「……ということが、経験則から推測できる程度の、確定じゃないけどたぶんそうだろう、という数値です」
    ルイス=クロウ:「消去法で絞り込んだ結果か」とはいえ先ほど言ったように神話のモンスターや異形へ変化する者は少なくない、そこまで絞り込めたなら僥倖と言えよう
    原谷 狭霧:「つまり、『人間っぽいけどビミョーに違う、正直よくわかんない生物』……」
    原谷 狭霧:「って感じでいいんすかね?」
    山名 和寬:「原谷くんの認識でいいんじゃないかねぇ」
    山名 和寬:「……まぁつまり、俺達の同類ってこった」
    山名 和寬:「俺達だって外側は人間だけど、ウィルス感染者で、手足ぶった切っても生えてきたりするだろ?」
    原谷 狭霧:「あざます。オーヴァードに近しいやつら、って認識でいいわけだ」
    原谷 狭霧:(つーか俺の認識、さっきの説明言い換えただけだなこりゃ……)
    ルイス=クロウ:「とはいえ、手札はワンペアも揃っていない状況だ」
    新田 澄佳:「……ルイス副支部長の仰るとおりなんですよねぇ……」溜息。確定情報はまだ、何も無い訳である。
    ルイス=クロウ:「原谷君は学校のことも含めて苦労をかけるが、どうかよろしく頼む」
    原谷 狭霧:「大丈夫っすよルイスさん、一応最低限の宿題ももらってきてるんで!」
    GM:よし
    GM:では、こうして合流したあなた達であるが、
    GM:夜間である。本格的に、外へ出向くような調査は難しいかも知れない。
    GM:だが、支部内にある資料を確認し、そこから何かを探すことはできるだろう。
    GM:ということで、情報収集項目を二つ提示します。
    原谷 狭霧:おお!
    【監視カメラの映像】 目標値7《情報:UGN》
    【現場の状況】 目標値8《情報:UGN》目標値6《情報:警察》

    GM:ということで、それぞれ一つずつ挑戦してくれるとちょうど良いでしょう
    ルイス=クロウ:目標値違いますけどこれ解放情報も違うとかありますか
    GM:特にないです
    原谷 狭霧:良ければ難易度低めの監視カメラ行きたいです!
    GM:〝警察経由だとより簡単に情報引っこ抜ける〟程度のものとお考えください
    ルイス=クロウ:ではカメラお任せします
    原谷 狭霧:はーい!情報:UGNで判定!
    ルイス=クロウ:こちらは現場を
    原谷 狭霧:3dx+1>=7
    DoubleCross : (3R10+1[10]>=7) → 10[3,7,10]+7[7]+1 → 18 → 成功

    原谷 狭霧:回った……
    ルイス=クロウ:コネ:UGN幹部使って
    ルイス=クロウ:6dx+2>=8
    DoubleCross : (6R10+2[10]>=8) → 9[1,3,4,5,8,9]+2 → 11 → 成功

    GM:これくらいだとさっくり持っていかれるか……
    GM:では、一つずつ情報を提示します
    GM:監視カメラの映像を何度も見ているうちに気付くとか、そんな感じでしょう
    【監視カメラの映像】
    葦原市の路上には幾つかの監視カメラがあるが、そこに殺人事件の容疑者は映っていない。
    完全に、だ。
    どの監視カメラにも、不審な人影は一切存在しない。何度映像を確認してもそうだ。
    黒野家の最も近くにある監視カメラも同様。映るのはこの町の住人ばかりである。

    山名 和寬:「どうだね、原谷くん。何か見つけた?」
    原谷 狭霧:「ぬううー……」<異形の痕>も出る位集中して眺めているが……
    原谷 狭霧:「……ダメっすね、それっぽい人物が全く見当たんねー。」顔面を手で押さえ、画面から目を離す。
    ルイス=クロウ:「ふむ」
    山名 和寬:「だよねぇー……」
    山名 和寬:「……そうなんだよ。全く、誰もいないんだよ」
    原谷 狭霧:「……」
    原谷 狭霧:「あんまし、良くねー考えだとは思うんすけど。」
    山名 和寬:「映ってるのは近所のおばさん連中とか、早めに帰ってきた小学生とかそんなんばっかりだ」
    山名 和寬:「ん?」
    ルイス=クロウ:原谷君の言葉を待つ
    原谷 狭霧:「俺らみてーな『外部』から来た奴による犯行、って線は優先度を下げてもいいかもっすね……」
    山名 和寬:「……困ったことに、そうなっちまうんだよねぇ」
    原谷 狭霧:「やっぱ、ですか……」
    山名 和寬:「――で、先生。そっちはどうです、何か犯人の手がかりは?」
    GM:ここで、もう一つの情報開示だ
    【殺人現場の状況】
    黒野家の異常に気付いたのは、近所の主婦だ。
    何やら激しい物音がして、幾らチャイムを鳴らしても反応が無かった。
    悪いと思って庭に上がり、カーテンの隙間から室内を覗き込んで惨劇を目撃したという。

    警察、UGNなどの情報を適切に収集、統合したのならば。
    黒野家は今後、特殊清掃が入ったとしても人が住めぬだろう程の血の海だったこと。

    黒野 美羽の両親は、〝人体の大きな間接の殆どを切断されていた〟ことが分かる。

    ルイス=クロウ:切断面などについての情報はわからないってところですか。結果のみ
    GM:ふむ、そうですね。切断面についてを言うならば
    GM:この場合だとどんな傷になるかな
    GM:うむ
    GM:鋭利な刃物で切断されたような、となるでしょうか
    ルイス=クロウ:了解
    原谷 狭霧:ふむふむ
    GM:それも一息に、です。巨大な肉の塊だの、骨だのあれば、普通は何度か刃を動かすので、そこで切断面が荒くなるでしょう
    GM:一発ですぱん。腰だろうが肩だろうが、ほぼ一撃で斬ってます
    原谷 狭霧:ひええ……
    ルイス=クロウ:「検死含めた情報を回してもらったが、食い千切った痕があったにしては理性的かもしれんな」だからこそ判断ができていないと言ったのだろう
    山名 和寬:「理性的? そりゃ本場のブリティッシュジョークってやつで――」
    ルイス=クロウ:「骨と肉含めて一刀両断。言うは容易いが」
    原谷 狭霧:「あ゛ー……結構グロい感じですかね?」
    ルイス=クロウ:「見るかね? 明日の焼き肉が食べられなくなってもよければ」
    原谷 狭霧:「うっし、止めときますわ」
    新田 澄佳:「……凶器はなんだ、って思います?」
    ルイス=クロウ:「さて。凶器に関してはまだ判断もつけられんよ。モルフェウス発症者のブレード、ブラックドッグの高振動ブレード、あるいはバロールの重力刃」
    山名 和寬:「エンハイのレーザーもある、エグザイルの肉体変成。オーヴァードならなんでもあり、ってことですか……」
    ルイス=クロウ:「ジャームであっても、自らの得物に習熟していれば可能ではあるだろうが」
    原谷 狭霧:(俺とクソキノコにはできなさそうな破壊ではあるな)
    山名 和寬:「……ったく、物騒な奴が現れたもんだ」と言いながら、山名は一度のびをして
    ルイス=クロウ:「スタート地点としての情報、以上の意味はないな」
    山名 和寬:「情報が整理できただけでも御の字でさ。こっちはとにかく、とにかく人手が無いんだ」
    山名 和寬:「が、根を詰めてばかりもいけねえや。どうです、夜食なんて。作り置きのオムレツなら有りますよ」
    原谷 狭霧:「一先ずは黒野さんを守りつつ様子見、って感じになりそうっすね」
    ルイス=クロウ:「責任重大だな、原谷君」
    山名 和寬:「そうだな、頑張りたまえよ原谷くん!」
    山名 和寬:便乗するおっさんであった。
    原谷 狭霧:「そ、そうっすね……」(プレッシャーが重い)
    GM: 
    GM:では――支部内で得られる分の情報は集まった。
    GM:明日からの調査に備えて、ルイス=クロウ、あなたは支部内で休憩を取ることになるだろう。
    GM:その部屋のドアが、ノックされる。
    ルイス=クロウ:「どうぞ」タブレットに納めていた電子書籍を眺めていたが。ドアへ視線を向けて
    GM:ドアを開けたその男は開口一番、
    山名 和寬:「スコッチはお好きで?」
    山名 和寬:と、手に持つ未開封のウィスキー瓶を掲げた。
    ルイス=クロウ:「隣にいるのが冴えない男でなければな」
    山名 和寬:「美人のねーちゃん侍らすには、一杯2000円からのバーへどうぞ」
    山名 和寬:「うちは安さが売りの喫茶店でしてね。マスターはむさい男です」
    ルイス=クロウ:「それ以前に店の名前が悪かろう」端末を置いて山名君と向き合う
    山名 和寬:常の通りの減らず口を叩きながら、一つしか持ってこなかったグラスを、答えを聞く前にテーブルへ置き、
    山名 和寬:「洒落た名前でしょ? 俺が《レーザーメス》だから外科室。おかげで普段は人が来ないのなんの」
    山名 和寬:「隠れ蓑にするにゃあ良い環境で――量はシングル? ダブル?」
    ルイス=クロウ:「洒落は通じる相手だけにしておきたまえ」
    ルイス=クロウ:指を一本立てて
    山名 和寬:「シングル、はいはい」
    山名 和寬:ボトルの封を開け、グラスへ酒を注ぐ。氷も何もない、ストレート。指一本分ほどの厚みに注いで、
    山名 和寬:「いや、もらい物でしてね。アイル・オブ・スカイ」
    山名 和寬:「……あれが死んでからどうも、すっかり下戸になりまして」
    ルイス=クロウ:「……すまないな。顔も見せず」
    山名 和寬:「いえいえ。俺が呼ばなかった」
    山名 和寬:「ま、一杯やってくださいや。開けずに腐らすのも酒に悪いと思ってたとこだ」
    ルイス=クロウ:このような仕事だ。誰かを遺し、置いて行かれる話は尽きることもない
    ルイス=クロウ:ただ、そのことに摩耗してはならない。
    ルイス=クロウ:「そう言うならば。遠慮なく頂こう」
    ルイス=クロウ:唇を濡らす程度に傾け、
    山名 和寬:辛口の――それも胡椒のような、分かりやすい辛さの酒だ。
    山名 和寬:スコッチ、ブレンデッド。帝国から独立した大雑把な国が作ったバーボンのような、無闇と強い樽の香りは無い。
    山名 和寬:総じてシンプル。辛さが細かいニュアンスを掻き消している。だがその荒っぽさが案外に心地よい、そういう酒であった。
    山名 和寬:山名は、自分の分のグラスなど用意していない。腰を下ろすこともない。
    ルイス=クロウ:「相変わらず酒に関してはいいセンスだ」
    山名 和寬:「バーなんかやってた方が儲かりましたかねぇ?」
    山名 和寬:「……いや、そりゃ駄目だな。学生が来れねえや」
    山名 和寬:空いたドアの蝶番に背を預けて立ったまま、山名はからからと笑い――
    山名 和寬:ぴたり。
    山名 和寬:笑みを止めて、問うのだ。
    山名 和寬:「……あんた、もういい年でしょう。家族はどうなんですかい」
    ルイス=クロウ:「残念ながら、あれからも縁がない」
    ルイス=クロウ:「まぁ、私もこの歳だ。今更誰かを選ぶこともないだろうし──」
    ルイス=クロウ:「いまの第六支部にいる彼らの面倒を見ているのが、ちょうどいい」
    ルイス=クロウ:「いや、私が面倒を見てもらっているのかもしれんな?」冗談めかして笑う
    山名 和寬:「……かもねぇ」
    山名 和寬:「若い連中が近くにいるってのは、こう、いいもんだ」
    山名 和寬:「あんたみたいに、キャリア40年だの50年だのってとこまで行っちまえば」
    山名 和寬:「周りが全部若手で、逆に楽しくなるのかも知れねえさ」
    ルイス=クロウ:「…………」笑顔は消え。ただ言葉を聞く
    山名 和寬:「……俺には、まだちょっとだけ分からんことがある。あんたの〝理由〟だ」
    ルイス=クロウ:「年若いイリーガルのバックアップ。不満かね」
    山名 和寬:「不満、なんですかねぇ」
    山名 和寬:「俺達はだいたい、良く分からん理由でこの〝能力〟に目覚めちまって、半ば否応無しに戦い始めてる」
    山名 和寬:「だが、どっかで〝理由〟ってのを見つけた筈だ。そうじゃなきゃ命がけで戦い続けてらんねえ」
    山名 和寬:「眼ぇ開いてる時間のほとんどを戦いに使ってたような人間が、そんな、誰とも限らない理由で戦い続けてるってのが」
    山名 和寬:「……俺には分からねえし、もういい加減、止めちまってもいいんじゃねえかって思うんですよ」
    山名 和寬:「まぁ、つまりは」
    山名 和寬:「いつまでやるんです、先生」
    ルイス=クロウ:「……それを聞くのは、二度目だな」
    ルイス=クロウ:彼の面倒を見ていた時、成人したばかりの彼が問いかけたそれを。自分はどう答えたか
    ルイス=クロウ:笑って流すか誤魔化したか。確か、その時の言葉は
    ルイス=クロウ:「“君が一人前になって、私に会ったら教えよう”だったな」
    ルイス=クロウ:「なら、答えよう」
    ルイス=クロウ:「無論。死ぬまでだとも、山名君」
    ルイス=クロウ:返す軽口。口元に、再び笑みを浮かべて答える
    山名 和寬:「…………ははっ」
    山名 和寬:「敵わねぇなぁ、先生には」
    山名 和寬:「やっぱりあんた、ばけもんだ。ばけもんじゃなきゃ、そういうとこにいちゃいけねえ」
    ルイス=クロウ:「そうだろうな。私は結局、死にそびれたのだ」
    ルイス=クロウ:「故に、歩き続けている。やめる理由はない。だから戦っている」
    山名 和寬:「……………………」
    山名 和寬:「〝やめる理由がない〟……か」
    ルイス=クロウ:「私は“魔法使い”だ。だからきっと、君に私の言葉は」
    ルイス=クロウ:「毒かもしれんな」
    山名 和寬:「……そうやって何もかもお見通しなとこは、まあ正直勘弁して欲しいと思ったことはありますがね」と――
    山名 和寬:山名は、壁から離れる。自分の足のみに、体重を移す。
    山名 和寬:「けど」
    山名 和寬:「皮肉とジョークの趣味がちくちくやらしいとこを抜けば、あんた、良い先生でしたよ」
    ルイス=クロウ:「冗談の内容と言う相手は選んだつもりだったがね」
    ルイス=クロウ:「そこは申し訳ない」
    山名 和寬:ははっ、と短い笑声。グラスも瓶をテーブルに残したまま、山名はあなたに背を向けて、
    山名 和寬:「謝られると、それはそれで調子が狂うから困るんだよなぁ」
    山名 和寬:「……明日の調査、よろしく頼みますよ」
    ルイス=クロウ:「ああ。そのために、ここへと来た」
    ルイス=クロウ:「よろしく頼む。山名支部長」
    ルイス=クロウ:グラスを置く。妙にその音が大きく聞こえた
    GM:――――――――――
    GM:ロイス取得と調達が可能です
    ルイス=クロウ:ロイス保留
    原谷 狭霧:ロイスはルイスさんで!
    ルイス=クロウ:調達はUGNボディーアーマー
    ルイス=クロウ:4dx+2>=12
    DoubleCross : (4R10+2[10]>=12) → 10[1,4,4,10]+4[4]+2 → 16 → 成功

    GM:素で持っていった
    ルイス=クロウ:原谷君、着るかね
    原谷 狭霧:〈人生の先輩って感じの人だ〉ルイス=クロウ:〇憧憬/年を聞くのは失礼だよな……
    原谷 狭霧:欲しいです!
    ルイス=クロウ:じゃあどうぞ。こちらは以上です
    原谷 狭霧:わーい!アイテムはとりあえずブルーゲイル!
    原谷 狭霧:3dx>=20
    DoubleCross : (3R10[10]>=20) → 9[2,4,9] → 9 → 失敗

    原谷 狭霧:ダメだわ!以上です
    GM:OK!

    ミドル3:好き


    GM:2&3の次は全員集合だと言ったな、すまないあれは嘘だ。
    GM:PC1、単独登場です。やはり登場侵蝕はありません。
    水落 早苗:はーい
    GM: 
    GM:土曜日だ。
    GM:葦原市とN市をつなぐ電車の、移動時間はおよそ数十分。
    GM:そこから逆算し、大概の店が開店を始める午前10時頃、駅に降り立つように、あなた達は動いていたことだろう。
    GM:あなた達は電車に揺られてN市へと辿り着く。
    GM:駅を降り立った瞬間からもう、その景色は非日常だ。
    GM:ビルの高さ。街を歩く人々の服装や身に纏う雰囲気。空気の流れる速度までが異なるようだ。
    黒野 美羽:「わぁー……」
    GM:美羽は――ここ暫く見た覚えのないような、明るい表情をしている。
    GM:いいや、これが普段の姿だ。こちらが本当の黒野 美羽だと、あなたは知っている。
    GM:という具合で、どうぞ!
    水落 早苗:「いい顔してるじゃないか、美羽」
    水落 早苗:いつものようにリュックサックにお財布、スマホ、筆記用具、絆創膏と消毒液、裁縫セットを持っている
    黒野 美羽:「まずさ、まずさ、どこ行く?」
    黒野 美羽:「あ、えーと……そうだ、服とか見たい!」
    黒野 美羽:「ズボン! つぎはぎじゃないの欲しい!」
    水落 早苗:「Hmmm…そうだな、あそこのshopping mallとかどうだい?」
    黒野 美羽:「うん! ……早苗は? どこか行く?」
    水落 早苗:「夕方あたりに凪から頼まれていたPatisserieに行くくらいかな俺は。君の好きなところを選ぶといい」
    黒野 美羽:「じゃあね、最初は――」
    GM:――では。
    GM:あなた達は暫くの間、買い物であったり冷やかしであったりを楽しむことでしょう。
    GM:この街の風景は、葦原市と何もかも違う。
    GM:空は狭く、ビルが多いからか反射光が眩しく、車の走行音もクラクションも常にどこからか聞こえてくる。
    GM:そして何より、誰もあなた達を気にしていない。
    GM:ただ通り過ぎるだけの人間が、あなた達をじろじろと眺めるようなことが、無い。
    GM: 
    GM:買い物が一段落ついたところで、あなた達は適当なファミリーレストランに入るだろう。
    GM:特に都会ならば珍しくもない平凡な店。だが、葦原市には無い。それだけで美羽は、足取り軽く入り口の階段を駆け上がり、座席についた。
    店員:「いらっしゃいませ。ご注文はいかがなさいますか?」
    黒野 美羽:「ドリンクバーと、えーと、こっちのチーズケーキお願いします。……早苗は?」
    水落 早苗:「ドリンクバーとこのmenuのsalad setを、取り分けられるようにお皿もお願いします」
    店員:「かしこまりました」と店員は去って行き、そう時間も掛からず注文したものが出てくるでしょう
    黒野 美羽:「いただきます」と、両手を合わせてからケーキにフォークを入れて、ぱくり。
    黒野 美羽:「……そこまで美味しくない……」
    水落 早苗:「Hahaha、こっちのsaladはどうだい?」と言って自分で注文しておいたやつを取り分けます
    黒野 美羽:「野菜……うう……いちおう貰う……」と、とりわけられた小皿を受け取りつつ
    黒野 美羽:「じゃあ、こっちも。はい」と、フォークに一口分のチーズケーキを乗せてあなたの口元へ運ぶ。
    水落 早苗:「お、Thanks」と言ってそのままぱくり
    黒野 美羽:「どう?」特にそのやりとりを、特別に思っている風もなく問う。
    黒野 美羽:ちなみに味だが、やや甘みの薄い、さっぱりした味わいのチーズケーキだ。
    水落 早苗:「まあ、悪くはないかな」
    黒野 美羽:「えー」同じく〝美味しくない〟という感想が出なかったのが不満なのか口をとがらせつつも
    黒野 美羽:「……ま、いっか。N市税だと思えばなんでも美味しい!」と、サラダに手をつける。
    水落 早苗:「そうそう、楽しいって気持ちは最大のspiceだからね」
    黒野 美羽:その生き生きとした様子は、葦原市を発つまでは見られなかったもの。
    黒野 美羽:知らぬ者ならば、双子か姉妹かと思うだろう。それほどに、彼女の表情は違う。
    黒野 美羽:「……やっぱりこの街、好きだな」
    水落 早苗:「それは良かった、君の楽しそうな顔を見られただけで、この街に来た甲斐があったよ」
    黒野 美羽:「うわっ、きざ」
    黒野 美羽:「……けどさ。連れてきてもらえたのは、ほんと嬉しい。葦原はさ、ほら、田舎だから」
    水落 早苗:「そうかい?俺としてはnaturalに言ったつもりなんだけど」
    水落 早苗:「落ち着いているのは美点でもあるけど時に退屈になるよね、あそこは」
    黒野 美羽:「うん。ご近所の人の顔とか名前とか、お互いにだいたい知ってるし」
    黒野 美羽:「……みんな、私に何があったかを知ってるし」
    水落 早苗:「…そうだな」
    黒野 美羽:フォークを置く。皿の上にはまだ、チーズケーキが半分以上残されたまま、
    黒野 美羽:「たぶんいつかさ、大人になったらみんな、町を出るよね」
    水落 早苗:「まあ、そうだね。形はどうあれ」
    黒野 美羽:「早苗は?」
    水落 早苗:「俺は…出るつもりではある、けど…」
    水落 早苗:「今凪や姉さん、父さん母さん、近所の人が期待しているほど、輝かしい出ていきかたには、ならないかもなあ…」
    水落 早苗:「俺のこの外見も、バレエの才能も、無限じゃないんだ」
    黒野 美羽:「良く言うもんね。十で神童、十五で天才って」
    黒野 美羽:「けどまぁ、そうなったら、教える方とかすればいいんじゃないかな」
    黒野 美羽:「…………」
    水落 早苗:「でもね」
    水落 早苗:「有限だからこそ、俺はせめて、俺自身が一番かっこいい自分だと思える形で出ていきたい。それだけは、本当」
    黒野 美羽:「はいはい、かっこいいかっこいい」
    黒野 美羽:「昔っからそうだよね、早苗。ヒーローものみたいなこと言うの」
    水落 早苗:「そうかい?いいじゃないか、heroのような生き方。嘘だらけだろうと、自分に恥じないように生きていればいい」
    黒野 美羽:「……………………」
    黒野 美羽:少しの間、美羽は口を閉ざした。
    黒野 美羽:何も言わずにドリンクバーへと立ち、戻って来たグラスに入っているのは、水だ。
    黒野 美羽:「……別にね」
    黒野 美羽:「葦原市が嫌いとか、そういう訳じゃないんだ」
    水落 早苗:「うん」
    黒野 美羽:「代わり映えのしない毎日だって、慣れちゃえば寧ろ楽。マスターの入れる美味しくない珈琲とか、小学校と高校でクラスメートがみんな同じなのとか」
    黒野 美羽:「そういうのを合わせて、あの町は割と好きだし――」
    黒野 美羽:「公園とかさ。ちょっと勇気を出して、通学路の脇に逸れて入ってみた林とかさ、川とか」
    黒野 美羽:「私の家とか、そっちの家とかで、漫画読んだりゲームしたり、だらだらして過ごした思い出とか」
    黒野 美羽:「けど」
    黒野 美羽:「……私は、どうしたらいいのかな」
    黒野 美羽:ぽつん。
    黒野 美羽:涙が一粒、皿の上に落ちた。
    水落 早苗:コップに入ったアイスコーヒーを一口飲んで、口を開く
    水落 早苗:「ごめんね、俺にはその答えを用意してあげることはできないよ」
    水落 早苗:「でもね、好きなだけ迷ってもいいんじゃないかなとは思う」
    水落 早苗:「うん、迷ってもいいよ。どれだけ迷ってても、俺、待っているから」
    黒野 美羽:「……………………」
    黒野 美羽:三つ、四つ。涙の粒が皿に落ちて、
    黒野 美羽:美羽は手の甲で、目元をぐいっと拭った。
    黒野 美羽:それで少しだけ赤くなった眼が、あなたへ向けられて、
    黒野 美羽:「たぶんね、私」
    黒野 美羽:「思い出そのものが好きなんじゃないんだ、って思う」
    水落 早苗:「うん」
    黒野 美羽:「私、たぶん」
    黒野 美羽:「早苗が好き」
    黒野 美羽:「だから、早苗がいた思い出とか、町とか、好きなんだと思う」
    水落 早苗:すこしだけ面食らったような顔をしてから
    水落 早苗:「そうか…ありがとう美羽、俺自身を見ていてくれて」
    黒野 美羽:「バレエとか、才能とか、そんなのは〝後〟の話だもん」
    黒野 美羽:「私にとって早苗は、ただの〝水落 早苗〟だったから……」
    黒野 美羽:「……だから、さ」
    黒野 美羽:「ねえ、早苗は?」
    水落 早苗:「美羽?」
    黒野 美羽:「早苗は私を、どう思ってる……?」と、縋るように美羽は問い、それにあなたが答えるより先に――

    ミドル4:ありふれた呪い


    GM:原谷くん単独登場だ! 時系列としては、ミドル3と同じタイミングになる!
    GM:登場侵蝕をどうぞ!
    原谷 狭霧:なっばっ
    原谷 狭霧:60+1d10 シーンイン!
    DoubleCross : (60+1D10) → 60+1[1] → 61

    原谷 狭霧:ヨシ! 侵蝕61
    GM:良い具合だ
    GM: 
    GM:さて。昨夜、支部で合流した際にあなたはおそらく、
    GM:〝土曜日、黒野 美羽はN市へ向かうようだ〟との情報を共有したことでしょう。
    GM:そしてあなたの任務には、黒野 美羽の護衛も含まれている。
    原谷 狭霧:つまり!
    原谷 狭霧:ダブルデート!!
    GM:山名などは「ちょうど良い――って言い方も変だが、なら原谷くんにそっちは任せるか」と言っていました
    GM:そう!
    GM:だがもちろんこれは遊びではないのだ!
    GM: 
    GM:「こそこそ……」小さな体で駅の人並みに紛れ、遠く歩いていく早苗くん達を見ている不審な学生!
    水落 愛梨彩:「おお……美羽ちゃんがきらきらしてる……都会パワーおそるべし……」
    水落 愛梨彩:「原谷くん原谷くん、どうやらショッピングモールに行くようだよ」
    原谷 狭霧:「……元気そうっすね、黒野さん」適度に地味な服装に身を包んでいるぞ!
    原谷 狭霧:「あ゛ー、やっぱ俺らも中につづくんで?」
    水落 愛梨彩:「さあ、追跡! ちょっと走るけどついてこれるかなー?」
    水落 愛梨彩:と言いつつ駆け出す彼女の足は、さほど速くない。
    原谷 狭霧:「まーそうっすよね、スタミナなら自信あるんで!」(護衛的にも都合がいいしな)
    GM:という理由であなたは、黒野 美羽をつけまわす事になるでしょう。
    GM:一般的高校生である美羽はあなたに気付くこともなく、
    水落 愛梨彩:「あーっ! 早苗、お姉ちゃんへのお土産買ってない!」
    水落 愛梨彩:「……お? ふむふむ、そうかそうかあれが都会の学生御用達のお店……」
    原谷 狭霧:「俺らで二組分買ってけばいいんじゃないっすか?」
    原谷 狭霧:「早苗の分はそっちもち、って事で!」
    水落 愛梨彩:「違うのぉ~! 弟に買わせるから美味しいのぉ~!」ごねる!
    水落 愛梨彩:ちょっとやかましい連れがいる他は、取り立てて言うこともない任務の時間だ。
    GM: 
    GM:さて、さんざん連れ回されたあなたですが、
    水落 愛梨彩:「む。早苗達、ファミレスに入ったな……ふっふっふ、だが窓際の席を選んだのが運の尽き!」
    水落 愛梨彩:と愛梨彩は、ファミレスと道路を挟んで向かい側にあるオープンカフェへ向かいます。
    原谷 狭霧:「ああ、そんなもんっすか……」連れまわされる!!!
    水落 愛梨彩:どこまでもつきまとう気だ!
    水落 愛梨彩:被害者たる原谷くんを半ば強引に席へと座らせ、そして彼女が言うには、
    原谷 狭霧:「ファミレスでは流石に静かにしてくださいよー?」呆れつつ追従!
    水落 愛梨彩:「ふふ……店内では気付かれる恐れがある……狙撃手の心得……」
    水落 愛梨彩:「という訳でここだー! ほらほら、何か頼んでよ。私が連れてきちゃったんだし、私がおごるから!」
    水落 愛梨彩:「そう! 私は気前のいい先輩なのだー! ……にゃはははは」
    原谷 狭霧:「おっいいんすか?じゃーお言葉に甘えて!」
    水落 愛梨彩:「うむうむ、その為の予算は十分。おーい、店員さーん!」
    GM: 
    GM:……少しして。あなた達の席にはそれぞれ、注文通りの品が届いているだろう。
    GM:愛梨彩が選んだのはサンドイッチだ。それを片手に持ったまま、視線は横へ、
    GM:道路の向こう、ファミリーレストランの窓。光の反射や道路を通る車で、ろくに見えもしないそこへと向けられている。
    原谷 狭霧:「やっぱファミレスと云やあこれっすよ!」スパゲッティ明太子ソースを注文!
    水落 愛梨彩:「そっかそっか、たーんとお食べ! 男の子はたくさん食べて大きくなるのだー!」
    水落 愛梨彩:「……食べる量が足りてても遺伝の問題とかあるから、期待はほどほどにね!」
    原谷 狭霧:「……っと、そっちの方ってなんかありましたっけ?」彼女の視線に気づく。
    水落 愛梨彩:「……ふふふふふ。気付かなかったかね原谷くん。ついさっき、早苗があの店に入っていったのさ」
    水落 愛梨彩:「美羽ちゃんのことだから、だいたい街の景色が見える窓側に座っているはず!」
    原谷 狭霧:「う、すんません。さっき座った席良く補足できてなくって……」
    原谷 狭霧:「えー……アレか!」発見!
    水落 愛梨彩:「ふっふっふっふー。これが年上の経験則と言うものよ」
    水落 愛梨彩:「原谷くんも、美羽ちゃんのことは気になるでしょ? 共犯、共犯」
    原谷 狭霧:「う。……気づいてたんすか。」(理由は違うが、ここは合わせとくか……)
    原谷 狭霧:「彼女、大分暗そうな感じでしたからね。流石に心配で」
    水落 愛梨彩:「……あの子、ちょっとご両親に不幸があってさ」
    水落 愛梨彩:「だから、よそよそしい態度だったけど……君を嫌ってる訳じゃないと思うよ」
    水落 愛梨彩:「うん。だから、諦めちゃだめだ!」なんらかの誤解!
    原谷 狭霧:「まーそこは気にしてねーですよ。俺自身いきなりの転校生ですからね」
    原谷 狭霧:「掴みはじゅーぶん!ドンびかれねー程度にじっくり距離測っていきますよ」
    水落 愛梨彩:「……………………」
    水落 愛梨彩:「……そっかぁ。〝ラッキー枠〟は美羽ちゃんかぁ」
    原谷 狭霧:「…………?どうかしました?」
    水落 愛梨彩:「私はね」
    水落 愛梨彩:サンドイッチを、皿の上に戻した。
    水落 愛梨彩:外へ出していた手を、袖の中へと引き戻した。
    水落 愛梨彩:「そう簡単に人って、遠くにいけないんじゃないかなーって思うんだ」
    水落 愛梨彩:「特に、女の子は」
    原谷 狭霧:「……と、言いますと?」なんとなく、空気が変わった気がする。
    水落 愛梨彩:「高校を卒業した後って、大学に行ったり就職したりいろいろだけど……」
    水落 愛梨彩:「田舎ってね。男の子はともかく、女の子って結構、そこに残ってる子が多いんだ」
    水落 愛梨彩:「地元で仕事を見つけて、実家に住むか、それとも誰かと結婚してそっちの家に入って」
    水落 愛梨彩:「土日には隣の街のちょっと大きなショッピングモールに遊びに行って」
    水落 愛梨彩:「月に一回くらいはN市で、少しだけ贅沢に遊んで」
    水落 愛梨彩:「子供を二人か三人抱えて、雑に染めた金髪と伸びたシャツで、背中を曲げて歩いてる」
    水落 愛梨彩:「私とかさ、妹、凪って言うんだけど……それから美羽ちゃんとかは」
    水落 愛梨彩:「そんな感じになるんじゃないかなぁー、って思ってた」
    原谷 狭霧:「…………」(正直、田舎の暮らしって全くイメージは湧かねえが)
    原谷 狭霧:(先輩は、そういう人をずっと見てきたのかな)
    水落 愛梨彩:「都会の女の子って、そこからもう違うよね」
    水落 愛梨彩:「自分はきらきらしてていい、みたいな自信があってさ」
    水落 愛梨彩:薄く、微笑みを作っている。不自然さは無い。良く出来た笑みだ。
    原谷 狭霧:「……そんなもん、なんすか?」
    水落 愛梨彩:「男の子にはピンと来ないかも知れないね、うん」
    水落 愛梨彩:「けど、良く有る話」
    水落 愛梨彩:「それで、時々現れる〝田舎なんかしらない!〟って人こそ!」
    水落 愛梨彩:「田舎から外へ連れてってくれる〝ラッキー枠〟なのだ」
    原谷 狭霧:「へー……」
    水落 愛梨彩:「だから、うん。原谷くん、美羽ちゃんをよろしく頼むよ」
    原谷 狭霧:「…………あっ、俺ェ!??」
    水落 愛梨彩:「他にだれがいるって言うのか!」
    原谷 狭霧:「いやまー、そりゃそうっすよね。びっくりしちまったぜ……」
    水落 愛梨彩:「美羽ちゃんみたいに元気な子は、田舎に閉じ込めてちゃ駄目」
    水落 愛梨彩:「……けど。早苗に背負わせるには、ちょーっと早苗の背中はちっちゃすぎるから」
    水落 愛梨彩:「君みたいな子が背負ってくれるなら安心なんだけどなー――」
    原谷 狭霧:「……」だけど、それだとよう。
    原谷 狭霧:「━━先輩は、良いんすか?」
    水落 愛梨彩:「――私?」両手で、自分の顔を指さして。
    水落 愛梨彩:「あははは、良いよぉ私は。だって私、お姉ちゃんだもん」
    原谷 狭霧:「あ゛ー……出過ぎた真似だったら申し訳ねーんすけどね。」
    水落 愛梨彩:「早苗は都会に出してやりたいし、凪はどこかにお嫁に行くだろうし」
    水落 愛梨彩:「お墓の面倒みるの、一人くらいは残ってないとねぇ」
    水落 愛梨彩:影など何も無いという顔で笑ってみせてから
    水落 愛梨彩:「……原谷くん」
    水落 愛梨彩:と、急に改まって。
    原谷 狭霧:(お姉ちゃんだからって我慢しすぎるのもよくねーとは、思うんすよ。)
    原谷 狭霧:(……って言えたら、なぁ)「はい?」
    水落 愛梨彩:「さっきの言葉の流れを改めて考えると」
    水落 愛梨彩:「なんだか恥ずかしくなるので真っ直ぐすぎるのは良くないと思います……」余った両袖で顔を隠した。
    原谷 狭霧:「ふむ……」
    原谷 狭霧:「!!!」
    原谷 狭霧:「すすすすんません!!!何かそういう流れっすねこれ完全に!???」
    原谷 狭霧:「どどどどどうしましょう先輩!!!」
    水落 愛梨彩:「そういう流れになっちゃうよね意図はともかくぅ……」高い椅子の上で足をばたばたさせている。
    水落 愛梨彩:「どうしようったってー……にゃ゛ぁあああぁぁぁ」
    水落 愛梨彩:奇妙な、深夜に喧嘩している猫のような声を上げて、愛梨彩は横へと視線を外し、
    原谷 狭霧:「うわー……なんだこれ最低かよ俺……」頭を抱える!!!
    水落 愛梨彩:「――あれっ?」
    水落 愛梨彩:と、顔を上げた。
    原谷 狭霧:「━━あん?」
    水落 愛梨彩:その視線は道路の向こう、ファミリーレストランへと向けられている。
    水落 愛梨彩:「ねえ、原谷くん。あの人って」
    水落 愛梨彩:袖の中から手を出して、指さしたその先には――
    GM:シーンをカットします。
    原谷 狭霧:こっここで!!
    GM:ここで! ロイス取得は可能です!
    原谷 狭霧:んー……早苗君に取りたいので新規は保留!愛梨彩さんのロイス感情変更!
    GM:OK!
    原谷 狭霧:〈カラ元気でもなけりゃあいいが〉水落 愛梨彩:〇誠意/割と最低だな俺? に変更!
    原谷 狭霧:以上で!

    ミドル5:0317


    新田 澄佳:PC3のみの登場です。登場侵蝕をどうぞ。
    GM:いきなり発言者を間違えた
    ルイス=クロウ:1d10+40
    DoubleCross : (1D10+40) → 7[7]+40 → 47

    GM
    GM:kono
    GM:このシーンの時系列は、集合の翌朝。美羽達がN市へ向かった後となります。
    新田 澄佳:「おはようございま-す」
    新田 澄佳:新田 澄佳が喫茶店のカウンターを使って、朝食の用意を進めている。
    新田 澄佳:目玉焼き、ベーコン、ソーセージ、トースト。山名が入れるものとは違う、味の良いコーヒー。
    新田 澄佳:ベイクドビーンズは無かったが、代わりに冷凍のミックスベジタブルをバターで炒めながら解凍したものが。
    ルイス=クロウ:「おはよう」
    ルイス=クロウ:朝食の手際を確認しながら
    ルイス=クロウ:「なるほど。山名君の言う通り、なんでもできるのだな」
    新田 澄佳:「戦う以外のことなら、だいたいは……というより」
    新田 澄佳:「そうじゃないとこの支部で働くの、大変なんですよ……」と言って指さした先には、
    新田 澄佳:食べかけのオムレツが乗った、ラップのかかった皿。
    ルイス=クロウ:「察するに余りあるよ」
    新田 澄佳:「支部長が作った〝朝ご飯〟なんですけどね」
    新田 澄佳:「砂糖と塩間違えるなんて、古典的な失敗してるんですもん……」
    新田 澄佳:「あの人、他人に食べさせるものでも味見しないんですよ!」
    新田 澄佳:憤然としている。
    ルイス=クロウ:「やれやれ。男やもめと言うのもどうかとは思うが……」
    ルイス=クロウ:「その当人はどうしたのかね?」
    新田 澄佳:「ちょっと買い出しー、って言って出かけました……あれ?」
    新田 澄佳:「そういえば、まだ戻ってませんねー……結構経つんですけど」
    ルイス=クロウ:「いつ頃に?」
    新田 澄佳:「えーっと……」壁にかかった時計を見て
    新田 澄佳:「一時間くらい経ちますね……」
    ルイス=クロウ:「……その物言いでは。普段から長く出かけることはないのだね」
    新田 澄佳:「狭い町ですもん。業務スーパーなんて、往復20分もあればいけますし」
    新田 澄佳:「近所のおばちゃんにでも捕まったかなー……?」と、首を傾げている。
    ルイス=クロウ:「──ふむ」
    ルイス=クロウ:席から腰を上げて
    ルイス=クロウ:「なんなら、私が探してこよう。朝食前の散歩だ」
    新田 澄佳:「いやいや、副支部長にそんなことまでさせられませんよ!」慌てた様子で両手を振り、
    新田 澄佳:「どーせ、どこかで道草でもしてるに決まってるんです。電話しましょう」
    新田 澄佳:その手をポケットに突っ込み、携帯電話を取りだした。
    新田 澄佳:発信操作――数秒後。
    新田 澄佳:着信音が、カウンターの内側で鳴った。
    新田 澄佳:「……あれっ?」
    ルイス=クロウ:「……」
    新田 澄佳:新田は、音の出所を探る。それはどうにも、食器棚の中から聞こえるようだ。
    ルイス=クロウ:「──随分なところに忘れ物をするのだな?」
    新田 澄佳:棚を開けてみれば――深い丸皿の中に、ぽんと無造作に置かれたスマートフォンが、デフォルトの着信音を鳴らしていた。
    新田 澄佳:「……これ」
    新田 澄佳:「忘れ物……ですかね……?」
    新田 澄佳:表情をこわばらせて、新田はあなたへと振り向く。
    ルイス=クロウ:「意図的に置いたモノをそう呼んでよいなら」
    新田 澄佳:「意図的……ですよね……えっ……?」
    ルイス=クロウ:「新田君」
    新田 澄佳:「は、はいっ」
    ルイス=クロウ:「なんでもいい。彼について何か覚えていることを教えて欲しい」
    新田 澄佳:「お、覚えていること――」
    GM: 
    GM:では。ここで情報収集パートに入ります。
    GM:イメージとしては、新田の証言を元に、山名支部長のパソコンを当たってみたり、などでしょうか。
    ルイス=クロウ:はい
    GM:パスワードを誰かの生年月日四桁にしていたので、あっさりとロックは解除できたことでしょう。
    GM:項目はこちら。
    【改竄の痕跡】 目標値9《情報:UGN》

    ルイス=クロウ:そういうとこだぞ山名君。コネ使って振ります
    ルイス=クロウ:財産点の使用は可能で?
    GM:OKです
    ルイス=クロウ:6dx+2>=9
    DoubleCross : (6R10+2[10]>=9) → 10[1,2,2,7,8,10]+5[5]+2 → 17 → 成功

    GM:余裕でひっこぬくぅ
    GM:では
    【改竄の痕跡】
    丁寧な偽装により発覚が遅れた。
    あと少し、犯人に通信関係の知識があれば、発覚は更に数日先に伸びていただろう。

    確かに葦原市支部は人手不足だが、それ以上に人材の使い方が奇妙だ。
    支部に在籍している正規エージェント黒傘 無常は、N市の任務に派遣されている。
    その任務は既に収束し、呼び戻す事も可能であろう。
    だが黒傘に対しては〝そのまま他県の任務に合流する為移動せよ〟と命令が降りている(これは本人に電話などすれば直ぐにも確認できよう)。

    更に言うならば。葦原市への応援派遣要請は、葦原市支部から行われたものではない。
    人員の不足と案件の重要性を鑑みて、日本支部の側が気を利かせたものであった。

    GM:そして、この情報と証言と、他にもあなたなら幾つかの判断材料があるでしょう。
    GM:もう一つ、情報判定。2個目の判定ですが、再登場は不要です。
    【山名 和寬】 目標値6《情報:UGN》

    ルイス=クロウ:同じ組み合わせで
    ルイス=クロウ:6dx+2>=6
    DoubleCross : (6R10+2[10]>=6) → 10[2,2,5,5,8,10]+1[1]+2 → 13 → 成功

    GM:クリティカるなぁ
    GM:では
    【山名 和寬】
    偽装の実行犯は、葦原市支部長、山名 和寬だ。
    山名はいかなる理由か、自分に近い存在を、自分から遠ざけようとしていた節がある。

    三年前、ジャームの襲撃で妻を失った。
    彼には多くの親戚、或いは友人がいたが、この三年の間にその過半数が死亡している。
    これまでは、その死因が丁寧に分散されていたのと、居住地もバラバラなのでハッキリとはしなかったが――。

    〝最初の一人〟だけは、殺し方を取り繕う余裕など無かった。
    彼の妻の亡骸は〝全身をバラバラにされた後、肉を食い千切られていた〟という。

    ルイス=クロウ:歳を取った分、蓄積は重なり。自然と浮かぶ選択肢は増えてくる
    ルイス=クロウ:最初の情報と、この事実。あと必要なものは、最後の一欠片だ
    ルイス=クロウ:「悪いが、朝食は冷蔵庫へ頼む」
    新田 澄佳:「……うそ、ですよね」その言葉が聞こえていない筈もなかろうが。答えにならぬ答え。
    新田 澄佳:「一ヶ月前の定期検診の時は……侵蝕率、いつも通りだったんです」
    新田 澄佳:「いつも通りだったんですよ……?」
    ルイス=クロウ:「新田澄佳」
    ルイス=クロウ:飄々とした、人当たりのいい老人の声ではない
    ルイス=クロウ:突き刺す、怜悧な冷たさを宿す言葉
    ルイス=クロウ:「N市の第六支部へ連絡を。私の名前を出せばすぐに繋がるだろう」
    ルイス=クロウ:「それと」
    ルイス=クロウ:「悪いが、足を借りる」
    新田 澄佳:指示の通りに朝食を片付けようとしていた手が震え、皿を取り落とす。
    新田 澄佳:出来たての目玉焼きもベーコンも、作り置きの、出来の悪いオムレツも。
    新田 澄佳:砕けた皿と共に床に散らばって、
    新田 澄佳:「……はい……わかり、ました」
    新田 澄佳:怯える声音が、そう応じた。
    新田 澄佳:万事、迅速に進められるだろう。だが、確信に至るまでの調査に幾分か時間を費やした。
    新田 澄佳:間に合うか。
    GM:――――――――――
    GM:シーンをカットします。ロイスのみ可能。
    ルイス=クロウ:原谷君へ。「若人:有為/〇心配」
    ルイス=クロウ:以上です

    ミドル6:化け物達


    GM:このシーンは全員登場ですが、ちょっと順番に出ていただきます。
    GM:まず最初はPC1,早苗くんのみ。登場侵蝕は無し。
    水落 早苗:はーい
    GM: 
    黒野 美羽:「早苗は私を、どう思ってる……?」と、縋るように美羽は問い、それにあなたが答えるより先に――
    山名 和寬:「青春だねぇ~っ」
    山名 和寬:あなたには、耳に馴染んだ声だろう。振り向くより先に、きっとそれが誰なのか分かった筈だ。
    山名 和寬:いつも、時間潰しの為に立ち寄る喫茶店で、金も取らずに不味い珈琲を提供する物好きな男。
    山名 和寬:山名 和寛がそこにいた。
    水落 早苗:「master!奇遇だなあ!」
    黒野 美羽:「あっ――」
    山名 和寬:「やーあ、早苗くん! いや、奇遇って言うのもちょっと違うんだけどさ」
    山名 和寬:「おっさん、君達に用があって来たの」
    水落 早苗:「Have something to do?」
    山名 和寬:「む……悪いね、英語はクイーンズ・イングリッシュじゃないとちゃんと聞き取れねえんだが」
    山名 和寬:「ま、なんとなく分かるからいいか。どうだい、デートは楽しくやってる?」
    水落 早苗:即座に美羽のほうを見ます、どんな表情ですか?
    黒野 美羽:「……………………」美羽は、葦原市にいた時と同じ顔をして押し黙っている。
    水落 早苗:「…まあ、そこそこだったかな」
    水落 早苗:そこそこだった、少なくとも、さっきまでは
    水落 早苗:美羽は、笑顔だったから
    山名 和寬:「そうかい、そうかい」
    山名 和寬:山名は――煙草を一本取り出し、口に咥えた。
    山名 和寬:指先を、煙草の先端に押し当てる。
    山名 和寬:……火を近づけてもいないというのに、煙草は煙を発し始めた。
    山名 和寬:「早苗くんさぁ」
    山名 和寬:「どうして君はこうさぁ、真っ直ぐで応援し甲斐のある素敵な子になっちゃったかなぁ」
    水落 早苗:「What?」
    山名 和寬:「そんなんじゃあ俺、君に好意を持っちゃうだろう?」
    山名 和寬:「だから、こそこそ後をつけてきて、君に幻滅できるくらいの大失敗を期待してたってのに」
    山名 和寬:「そつなくエスコートをこなして、今も美羽ちゃんをまず気遣って」
    山名 和寬:「……困るんだよなぁ」
    GM:様子がおかしい――と、簡単に表現して良いものか。
    GM:山名は、少なくともこの数年は吸ったことが無い筈の、煙草の煙を吐き出しながら、暗い声で語るのだ。
    水落 早苗:「…困る?」美羽の顔色を窺っていた時から持っていた警戒を、さらに強める
    山名 和寬:「おっさん、これでも我慢したんだぜ? 青少年の行く末に希望を抱いてよ」
    山名 和寬:そこに、山名はいる。だが、もうあなたは気付いているだろう。
    山名 和寬:山名との会話が、まるで成り立っていないことにだ。
    水落 早苗:美羽と、masterの間に立ちます
    山名 和寬:「……昨日までは、ギリギリ押さえられてたんだ。時々のガス抜きで、人のふりをしてられた」
    山名 和寬:「今朝起きたらもう、駄目だった」
    山名 和寬:「俺は大丈夫だ――って安心しちまったのが良くなかったのかなぁ……?」
    山名 和寬:山名の肩は震えていた。
    山名 和寬:山名の声が震えていた。
    山名 和寬:「君達に希望を抱くほど、俺は君達をさぁ」
    山名 和寬:大の男が、顔も隠さずに泣いている。
    山名 和寬:「殺したくって殺したくってしかたなくってさぁ……!」
    水落 早苗:「美羽、逃げろ」
    黒野 美羽:「え、ぁ」
    水落 早苗:「振り向かなくていい、とにかく逃げるんだ!」
    黒野 美羽:戸惑っている。逃げねばならないということは分かっているかも知れないが――
    黒野 美羽:一人ではない。ここには、あなたもいるのだ。
    山名 和寬:「……遅いんだよ、ちくしょう」
    山名 和寬:ぴ――
    山名 和寬:と、光条が幾本か、ファミリーレストランの店内に張り巡らされる。
    山名 和寬:虚空から光源も無く生まれた光は、或いは照明器具、或いはガラス、或いは分厚いテーブルを指し示し――
    山名 和寬:ぶぅん。虫の羽音のような、だが数段低い振動音。
    山名 和寬:その全てが、〝斬れた〟。
    黒野 美羽:「ぁ」
    水落 早苗:「美羽!」
    山名 和寬:「……嘘じゃねえんだ。俺は本当に……君達がさぁ、大好きでさぁ……」
    黒野 美羽:名を呼ばれた美羽は、あなたの傍らで怯えすくみ、動くこともできず
    山名 和寬:そして。美羽の胸、確かに心臓が存在する位置へ、光条が伸びた。
    水落 早苗:そのまま美羽を突き飛ばす!
    GM:なんて素敵な主人公……
    GM:では
    GM:美羽の体は軽かった。容易く突き飛ばし、その光条の射程から外へと追いやる事ができるだろう。
    GM:だが、その時には既に。
    GM:あなたの背を、もう一つの光が照らしていた。
    山名 和寬:「……じゃあな」
    GM:ぶぅん。
    GM:あなたの背から心臓までを――《レーザーメス》の振動刃が貫いた。
    GM: 
    GM:……少しだけ、時系列が遡る。
    GM:原谷くん。登場侵蝕をどうぞ。
    原谷 狭霧:ヌオオーッ!!!(やる気満々)
    原谷 狭霧:61+1d10
    DoubleCross : (61+1D10) → 61+2[2] → 63

    原谷 狭霧:侵蝕63
    GM:2シーンつづけてほどよい
    GM
    水落 愛梨彩:「……あれ?」
    水落 愛梨彩:「あの人、どこかで見たような気が」
    原谷 狭霧:「━━あん?」
    水落 愛梨彩:と、ファミレスの方を見ながら愛梨彩が言った、直後だった。
    GM:原谷くん。あなたの所持する通信端末――携帯でもスマホでも、UGNの専用端末でもなんでもいいが、
    原谷 狭霧:じゃあ任務概要受け取ったスマートフォンで!
    GM:OK.ならばそれが、〝緊急時の連絡用〟として登録されている連絡先から、簡素なメッセージを送ってくるだろう。
    GM:第六支部を経由しての連絡だ。
    GM:『山名 和寬をジャームと認定。即刻対処せよ』
    GM:……それが、メッセージの全文だった。
    原谷 狭霧:「━─!?」
    原谷 狭霧:(山名さんがジャーム!?何でそんなことに……)
    水落 愛梨彩:「んー……あの人、どっかで見たなぁ……」ただならぬ雰囲気のあなたには気付かぬまま、愛梨彩は一人呟く。
    水落 愛梨彩:「……あ、そうだ。喫茶店のマスターだ」
    水落 愛梨彩:ぽふん、と袖に隠れた手同士を打ち付けて。
    原谷 狭霧:「……今。喫茶店、って言いましたか、先輩」
    原谷 狭霧:「……それ、なんて店っすか?」
    水落 愛梨彩:「えっ? あ、喫茶店とか好き? でもあそこ、買い置きの牛乳以外全部美味しくないよ?」
    水落 愛梨彩:「『外科室』って名前のお店なんだけどー、そこのマスターさんだったなーって、それだけ」
    原谷 狭霧:「━━ッ」(マスターがジャームで、黒野さんのそばにいて……)
    原谷 狭霧:「……すんません、先輩!」〈ワーディング〉を使用します。
    水落 愛梨彩:「えっ?」
    GM:――では。
    GM:あなたは《ワーディング》を展開する。
    GM:道路を行く車列も、道を歩く人々も、一見するならその流れは変わらない。
    GM:だが、彼らは明確に、この空間から立ち去るように動き始めるだろう。
    GM:無論、その中に存在するオーヴァードやジャームに気付くこともなく――
    水落 愛梨彩:「……えっ。な、なに……? なんか、変な雰囲気っ」
    水落 愛梨彩:「原谷くん、何か変じゃない……?」
    GM:――オーヴァードに、気付くこともなく?
    原谷 狭霧:「すんません!ちょっとガラス割ります!!!」上着を脱いで拳に纏い、カエンタケを生やし━━
    水落 愛梨彩:「ひっ!?」 では、その異形への変貌に、引きつった声を上げます。
    水落 愛梨彩:ワーディング影響下でありながら。
    原谷 狭霧:「━━っ、先輩、もしかしてあんた……」
    原谷 狭霧:「いや違ぇ!すぐに助けがきます!なるべく安全なところに!!」━━ガラスを叩き割る!!!
    原谷 狭霧:割れた窓から振り返らずに、屋外へ飛び出します。
    水落 愛梨彩:「原谷くん!? ねえ、なんなのこれ、怖いよ、ねえっ!」あなたは、そういう声を背に受けながら――
    GM:道路を越え、その向かい側にあるファミリーレストランへ駆け込もうとするでしょう。
    GM:あなたが道路を渡りきった、その時だった。
    GM:店内を目映い光が走り、ファミリーレストランの窓ガラスが切断されたのと――
    GM:ここでルイス副支部長。なんからの手段でかっこよく登場してください。
    原谷 狭霧:(ダッシュじゃ間に合わねー!壁から直接━━!?)
    GM:原谷くんがワーディングを使ったので、正確な場所が特定できた感じです。
    ルイス=クロウ:ふむ
    ルイス=クロウ:では水落君が叩き斬られた直後のタイミングで《ケミカルスモッグ》。
    ルイス=クロウ:1d10+47 登場侵食
    DoubleCross : (1D10+47) → 1[1]+47 → 48

    ルイス=クロウ:ばらばらと宙空に無数の頁が浮かんで周辺一帯の空間の視界を塞ぐ
    GM:では
    GM:塞がれた視界とワーディング効果と。一般人は恐慌を来たし、割れた窓から逃げ去って行くでしょう。
    GM:そう時間も経たず店内には、原谷くん、ルイス副支部長と、
    黒野 美羽:「早苗……早苗!」
    黒野 美羽:背中から大量の血を流して横たわる水落 早苗の傍に寄り添い、その体を揺さぶる黒野 美羽。
    ルイス=クロウ:頁で作られた壁を割るように。中へ足を踏み入れる
    GM:そして
    山名 和寬:「……あぁ、本当に来ちまった」
    ルイス=クロウ:「来るとも。そのために、私はいる」
    原谷 狭霧:レーザーの入った窓のヒビを、赤い菌糸が更に押し広げる
    原谷 狭霧:「━━黒野さん!早苗ェ!!」菌糸の壁を滑るように突入!!
    山名 和寬:「…………」煙草の煙を吐き出しては広げている。そしてじっと、ルイス副支部長の目を見ている。
    GM:そして、原谷くん。あなたが名を呼んだ二人は、先の通りだ。
    原谷 狭霧:「……!」血に塗れた二人の姿が目に入る。
    GM:逃げられる様子も無い。水落 早苗にいたっては――致命傷と、言って良いだろう。
    GM:常人があの傷を負ったのならば、助かるまい。そう確信できる傷だ。
    ルイス=クロウ:「歳を取ると、相応にカンがよくなる。良くも悪くもね」
    ルイス=クロウ:背面。泣き叫ぶ少女と、倒れた少年を一瞬だけ視界に入れ
    山名 和寬:「でしょうね。……だから、あんたには来て欲しくなかったんだ」
    原谷 狭霧:「……ルイスさん、やっぱ、『そういう事』なんすか。」
    ルイス=クロウ:「正直に言ってしまえば。彼が第一の容疑者だったのは確かだ」
    ルイス=クロウ:原谷君へ答える声は、普段の色を持たない淡々としたもの
    ルイス=クロウ:「だが最後のひとつがなかった。痕跡、衝動、多くのピースは指し示していようと」
    ルイス=クロウ:「疑わしきを捕らえることはできない。それを無くせば、我々は守護者たり得ない」
    原谷 狭霧:「……そうっすよね。俺もそうして此処にいる」
    原谷 狭霧:「でもよぉ……やっぱ悔しいよ。」声は、震えている。
    原谷 狭霧:「こうなる前になんとかできたんじゃねーかって、そんな思いが止まらねーんだ」
    山名 和寬:「……やめてくれよぉ、原谷くん。俺はできるだけ、君達を嫌いになりてぇんだぜ?」
    山名 和寬:「先生もだ。あんた、もっと無能でいてくれるか、もっとクソみたいな根性したジジイだったら良かった」
    山名 和寬:「そうじゃねえんだもんなぁ」
    山名 和寬:「そうだったら、あんたら置いてとんずらするところだが」
    山名 和寬:「そりゃ、殺したくなってもしょうがねえよなぁ……!」
    山名 和寬:ぴ――空中に、幾条もの光の線が走る。
    原谷 狭霧:「……安心しろよ山名さん。俺はいろんな気持ち差っ引いたうえで、こう思ってる」
    原谷 狭霧:「クソふざけ腐った真似しやがって。」
    山名 和寬:「ありがとうよ、若者よ」
    山名 和寬:「……その礼と言っちゃあなんだが――」
    山名 和寬:ぴ――山名は、右手で指さした。
    山名 和寬:その指先から、黒野 美羽の喉元へ、光の線が走った――。

    GM:では、
    GM:早苗くん。
    水落 早苗:はい
    GM:いいや。水落 早苗。
    GM:瀕死の重傷を負ったあなたが、その言葉の全てを聞き取れたとは思わない。
    GM:霞む目で、その場の全てを見ているとも思わない。
    GM:体温は下がり続け、手足は動かず。仮に思考が働くならば、これが死なのだと知るだろうが。
    GM:だが、それでも聞こえた。見えたのだ。
    GM:〝殺したい〟と嗤う声が。あなたの名を呼ぶ幼馴染みの悲鳴が。
    水落 早苗:それを聞いてしまったら、まだ終われない。こんなところで終わるなんて、かっこよくない
    GM:そうだ。
    GM:その命を今にも奪わんとする、禍の光の色を、あなたは見た。
    GM:――あれは何だ?
    GM:お前の日常を奪うものだ。
    水落 早苗:壊れたコッペリアのごとく倒れていても、その光を許すことは、できない
    水落 早苗:何より
    水落 早苗:まだ俺は、美羽の言葉に、返事もしてないじゃないか!
    GM:そうだ!
    GM:お前は今、何をしたい。
    GM:お前は今、何が欲しい。
    水落 早苗:——どこで死ぬかは俺が決めたい、そのために力が要るというのなら
    水落 早苗:ロットバルトの手であろうとも、取ってやろうじゃないか!
    GM:ならば吠えろ! 死にかけた呼吸で届く声ではない!
    GM:お前は今、何が欲しい!
    水落 早苗:「…死にたくない、力を、よこせ!!」
    GM:ならば咆哮せよ! 覚醒せよ! お前が求めるものは全て、お前の中に存在する!
    GM:誰かに教わるまでもない――お前はもう戦える!
    GM:さあ、立て!
    水落 早苗:——散乱した荷物から、そばに落ちていた裁ち鋏を乱暴に手に取り
    水落 早苗:そのまま、立ち上がる
    水落 早苗:「悪いけど、どこで死ぬかという権利を売り渡した覚えはないし」
    水落 早苗:「そしてその権利を使うのが『今』だと言ったつもりもない!」
    水落 早苗:そのまま、鋏を振りぬく——無論、そのままでは届かない、が
    水落 早苗:——めきめきと、鋏が音を立てる まるで植物のように 伸びていく
    山名 和寬:「な――っ!?」その声に驚愕を示し振り向く!
    原谷 狭霧:「━━さ、早苗ェ!??」
    水落 早苗:振りぬいた腕を、止めたとき。
    水落 早苗:鋏は、怪物の腹を裂くには、十分な得物になっていた。
    GM:すうっ――と。その刃は、衣服も皮膚も肉も、骨も内臓も、軽すぎる程の手応えで通り抜けるだろう。
    GM:振り向いた山名の腹に咲く、血の赤。
    山名 和寬:「さ、早苗くんもか――っ!!」
    水落 早苗:「Hello、master.いや、今はもうmonsterと言ったほうが正しいかな?」
    水落 早苗:ちらりと、美羽のほうを見ます
    黒野 美羽:「さ……」
    黒野 美羽:「早苗……?」
    黒野 美羽:美羽は、床に座り込んだままあなたの姿を見上げている。
    黒野 美羽:呆然と――という形容が正しいだろう。
    黒野 美羽:見開かれた目は暗く、四肢には未だ力がこもらぬまま。
    水落 早苗:「…ごめん、美羽。俺まだこんなところで死にたくなかった」
    水落 早苗:「…後で何を言ってもいい、化け物と罵ってくれたってかまわない」
    水落 早苗:「でも、今だけは、君を守らせてほしい」
    原谷 狭霧:「ヘッ、いい啖呵じゃねーか早苗!」
    原谷 狭霧:「俺があの野郎を塞ぐ。早苗は黒野さんを死なせねーことだけを考えろ!」
    GM:――美羽は何も答えない。
    GM:あの町にいる時のように。学校にいる時のように。
    GM:美羽は暗い目をして、何も答えようとはしない。
    GM:そして、
    山名 和寬:「なんでお前らそんな良い奴なんだよぉおオォオオオォォッ!」
    山名 和寬:「好きになっちまうじゃねえか! 殺したくなるじゃねえか!」
    山名 和寬:「なんなんだ! なんなんだよジャームってのはよぉ!」
    山名 和寬:涙と共に喚き散らすその声――に伴う、レネゲイドウィルスの異常喚起。
    山名 和寬:それは、これまで幾つもの場数を踏んだ二人なら耐えられても、
    山名 和寬:能力に目覚めたばかりの水落 早苗には、激しく脳髄を揺さぶられるが如きものとなろう。
    GM:衝動判定をPC1のみに適用し、
    GM:そこにEロイス《原初の恐怖》を使用!
    GM:PC1は衝動判定を、本来の2d10ではなく、[1d10+ライフパスの衝動分の侵蝕値]で行ってください。
    GM:ちなみに目標値は15だ。かなり高い。
    水落 早苗:了解しました
    水落 早苗:6dx+4
    DoubleCross : (6R10+4[10]) → 10[1,5,5,6,6,10]+4[4]+4 → 18

    水落 早苗:水落 早苗の衝動判定(原初の恐怖)で侵蝕率+28(1d10+18->10+18)上昇(侵蝕率:33->61)
    GM:ならば。
    GM:あなたの心は穏やかだ。穏やかに昂ぶり、戦いの用意を調えている。
    GM:初めて振るう力を前にしてあなたは――
    GM:舞台に立つが如く、心静かに在るだろう。
    エンゲージ
    早苗

    5m

    山名

    5m

    原谷 ルイス

    GM:セットアップ!
    水落 早苗:ないです
    原谷 狭霧:特になし!
    ルイス=クロウ:ユニークコード。原谷君、水落君、私はシーン中判定に+2D
    ルイス=クロウ:残り二回
    GM:強いな……!
    GM:では
    山名 和寬:《戦いの予感》+《スピードスター》
    山名 和寬:このラウンドの行動値を+50し77とした上で、次の攻撃の威力を+77します
    GM:では、イニシアチブ。
    GM:行動値的に、山名の手番ですな
    原谷 狭霧:はいはーい!エフェクト使用希望します!
    GM:おっ?
    原谷 狭霧:〈異形の転身〉!イニシアチブプロセスに戦闘移動するエフェクトだ!
    GM:そうか、そんなものを備えておったか……!
    GM:来い!
    原谷 狭霧:ようし発動!山名さんにエンゲージ!
    原谷 狭霧:侵蝕63→68 良ければ演出も!
    GM:どうぞ!
    原谷 狭霧:「ギャーギャー喚いて感傷に浸るのはいいけどよー。」一つ、瞬きの間に。
    原谷 狭霧:山名和寬の前に少年が立ちふさがっている。
    原谷 狭霧:「そのままでいいのか?こうして絶好の殺害チャンスが来ちまってるぜ」
    原谷 狭霧:━━その足元は、『直線状に伸びた赤い菌糸』に覆われている。
    原谷 狭霧:原谷狭霧に憑りつくカエンタケは、共生関係のRBだ。
    原谷 狭霧:故に二つの生命の意思が一致した時。その「繁殖速度」はタガを外される。
    山名 和寬:「こういう手合いは――あんまり見た記憶がねぇなぁっ……!」
    GM:異常な近間にて、反射的に僅かに身を逸らすも――退かない!
    GM:そして、改めて山名のメインプロセスだ
    GM:マイナー、《ライトスピード》
    GM:このメインプロセスではメジャーアクションを二回、C値+1で行う。
    GM:1度目のメジャー! 《光の手》+《コンセントレイト:エンジェルハイロウ》+《振動球》+《主の右腕》
    GM:対象は
    GM:1d3
    DoubleCross : (1D3) → 3

    GM:ルイス副支部長だ
    GM:11dx8+4 命中判定
    DoubleCross : (11R10+4[8]) → 10[3,3,3,5,5,6,6,6,7,8,9]+10[1,10]+5[5]+4 → 29

    ルイス=クロウ:ドッジはしておこう
    ルイス=クロウ:1dx
    DoubleCross : (1R10[10]) → 3[3] → 3

    ルイス=クロウ:まぁ当然
    GM:ではダメージ
    GM:3d10+13+77
    DoubleCross : (3D10+13+77) → 10[3,6,1]+13+77 → 100

    ルイス=クロウ:耐えられるわけなかろう。《リザレクト》
    ルイス=クロウ:48+1d10
    DoubleCross : (48+1D10) → 48+2[2] → 50

    GM:おちついている
    山名 和寬:――溜めが必要な、最大火力の一撃。それを使うタイミングとは何時であるか。
    山名 和寬:或いはそれを教えたのも、あなただったのかも知れない。
    山名 和寬:初手。最速、最大火力。
    山名 和寬:無数の光条があなたを指し――その全てが一斉に超振動の刃と化す!
    ルイス=クロウ:全身を切り裂く刃。避けることもなく、それらを受け止める
    ルイス=クロウ:血しぶきが飛ぶ。だが、まだ浅い。オーヴァードを殺すには
    ルイス=クロウ:「採点は必要かね」
    山名 和寬:「貰っておきましょう」
    ルイス=クロウ:「では、8点と記しておくとしよう」
    山名 和寬:「くく――ふ、ヒッ、ハハハハハハハッハハッ!!!」
    GM:では、二度目のメジャーアクションだ。
    GM:再び《光の手》+《コンセントレイト:エンジェルハイロウ》+《振動球》+《主の右腕》 対象は
    GM:1d2
    DoubleCross : (1D2) → 2

    GM:原谷くん
    GM:11dx8+4
    DoubleCross : (11R10+4[8]) → 10[2,3,3,4,4,5,6,6,6,10,10]+5[4,5]+4 → 19

    GM:リアクションはどうするかな!
    原谷 狭霧:当然!〈復讐の刃〉だッ!リアクション放棄ィィッ!
    原谷 狭霧:お先にダメージどうぞ!
    GM:2d10+13 装甲貫通
    DoubleCross : (2D10+13) → 13[8,5]+13 → 26

    原谷 狭霧:素で耐えちまうぜーーーッ!!!
    原谷 狭霧:31-26で残りHP5点!良ければ反撃命中判定!
    GM:復讐の刃の判定も!
    原谷 狭霧:6dx8+4 侵蝕補正込み!
    DoubleCross : (6R10+4[8]) → 10[1,2,4,5,6,8]+7[7]+4 → 21

    原谷 狭霧:まーまー!このままダメージ行きます!
    原谷 狭霧:3d10+2d10+11 決闘者の剣による単体補正と対抗種効果もセットだ!
    DoubleCross : (3D10+2D10+11) → 20[9,8,3]+10[3,7]+11 → 41

    GM:ごっつい
    GM:ほぼ半分削った!
    山名 和寬:――間合いはこの技には関係が無い。
    山名 和寬:光の導線を敷き、大気そのものや、大気中に散らばる微細な物体を超振動させ切断する。
    山名 和寬:それが山名の能力――振動刃が原谷へ照準を合わせ放たれる!
    原谷 狭霧:━━クソキノコの性質は、近けりゃ近いほどいい。
    原谷 狭霧:クソ忌々しい繁殖力も対抗種らしい俺の体内で生命の危機を常に感じてるからとか聞いた。
    原谷 狭霧:故に、俺は避けねぇ。この苦しみをクソ野郎にも『分けて』やりて—からだ。
    原谷 狭霧:「挨拶が遅れちまったけどよぉー……」振動刃が服ごと少年の体を切り裂き━━
    原谷 狭霧:「クソみてーな冥途のお供にクソキノコは如何ってかぁ!!?」
    原谷 狭霧:体内から暴れ出る菌糸たちが目の前の『養分』へ喰らいつく!
    原谷 狭霧:HP5→2
    侵蝕68→74

    山名 和寬:光線と菌糸の軌道は交錯せず互いに着弾!
    山名 和寬:「ぐ、がぁっ!」レネゲイドを喰らうことに特化したレネゲイド――矛盾存在が山名の体組織を補食する!
    GM:ではお待たせ致した、水落くんのターンだ
    GM:覚醒一発目派手にどうぞ!
    水落 早苗:はーい!
    水落 早苗:マイナーで「その刃の名はアンナ・カレーニナ」(緑の鞭L1)コスト2、射程20m、ATK+3の武器作成
    水落 早苗:演出も行っていいですか?
    GM:OKです
    GM:そしてメジャーの判定までどうぞ
    水落 早苗:ぼきり、ともはや元の目的を果たせそうにない大きさになった裁ち鋏の支点が、砕ける。
    水落 早苗:それでいい、この鋏が振るわれる場所は、もはや布の上ではなく
    水落 早苗:今の俺の舞台も、劇場ではないのだから
    水落 早苗:メジャーで「幻想演算:ナッツ・クラッカー」(コントロールソートL1+コンセントレイト;オルクスL2+形無き剣L3+対抗種)ダメージD+2、ドッジダイス-3、C値-2、メインプロセス終了時にHP-3、コスト6
    水落 早苗:7dx@8+6
    DoubleCross : (7R10+6[8]) → 10[1,2,4,5,6,8,10]+1[1,1]+6 → 17

    GM:まわ……らない! しかしリア不ゆえダメージどうぞ!
    水落 早苗:4d10+3
    DoubleCross : (4D10+3) → 17[2,2,6,7]+3 → 20

    水落 早苗:水落 早苗のHP-3 (HP:28->25)
    水落 早苗:水落 早苗の侵蝕率6 (侵蝕率:61->67)
    GM:計算
    GM:もう一押し……というところか!
    GM:重傷だがまだ倒れない! 演出どうぞ!
    水落 早苗:裁ち鋏だったものを軽く振り、そのまま一撃、二撃と振り回す。
    水落 早苗:バラバラに散らばっていたはずの、縫い糸が、縫い針が、待ち針が、いつの間にか彼を縛り付けている
    水落 早苗:切り裂いた山名の服に、鋏に付いたレネゲイドウィルスが感染し——
    水落 早苗:そのまま、オーヴァードを狙うかのように服の繊維が、山名を串刺しにする!
    山名 和寬:「ぐぅ、ぎ、ぃぃいいぃいいぃぃっ!!」歯を食いしばり苦痛に呻くその声は、まごうことなき怪物の咆哮。
    山名 和寬:人でなくなったものが腹の底から声を張り上げながら――
    山名 和寬:「駄目だ!」
    山名 和寬:「その迷いがねぇところまで――俺はどうしても嫌いになれねぇんだ!」
    山名 和寬:「俺は人間ってやつが大好きなんだよおおぉっっ!!!」
    山名 和寬:だから殺したいのだと、吠えている。
    水落 早苗:「熱いLove callだね、嫌いじゃないけど」
    水落 早苗:「美羽に、手を出すことは、許さない」
    水落 早苗:いつものような軽薄な口調だが、目が笑っていない
    黒野 美羽:「ぁ…………っ……」
    黒野 美羽:美羽は、
    黒野 美羽:かたかたと、震えている。
    水落 早苗:「…ごめん、もう少しだけ、待っていてほしい。そのあとなら、俺はいくらでも待つから」
    水落 早苗:「ほかの何でもない『水落早苗』が好きだと言ってくれたのなら」
    水落 早苗:「その言葉、信じさせておくれ」
    GM:ようし、では
    GM:行動値6のお二人、いずれが先に来ますかしら
    原谷 狭霧:浸蝕値と見せ場的にできればお譲りしたいです!
    ルイス=クロウ:まぁ原谷君が高めなので、こっちでも
    原谷 狭霧:有難し!
    ルイス=クロウ:では動きます
    GM:来いやぁ!
    ルイス=クロウ:マイナーでスペルブック起動、メジャーで《エクスプロージョン》《ツインバースト》《砂の加護》
    GM:判定からダメージダイスまでどうぞ!
    ルイス=クロウ:……いいか、リーダーズマーク起動。判定+5
    ルイス=クロウ:8dx+8
    DoubleCross : (8R10+8[10]) → 10[2,2,5,5,8,8,8,10]+7[7]+8 → 25

    ルイス=クロウ:ダメージを
    ルイス=クロウ:3d10+24
    DoubleCross : (3D10+24) → 10[1,6,3]+24 → 34

    ルイス=クロウ:34点
    GM:あっツインバーストもあるんだそうだ
    GM:綺麗さっぱり消し飛びます
    GM:復活エフェクトは……無い……演出をどうぞ!
    ルイス=クロウ:──周囲を覆っていた頁が変化する。
    ルイス=クロウ:潰され、広がり、それらは鏃の形を取って
    ルイス=クロウ:「《Take That, You Fiend/これでもくらえ》」
    ルイス=クロウ:表情は変わらず。矢が一斉に、対象へ殺到する
    山名 和寬:「――この技は、」
    山名 和寬:知っている。
    山名 和寬:何せ、俺の技のアイデア元だ。
    山名 和寬:大量に矢を作って隙間無くぶっ放せば敵は死ぬ。ロングボウの強かったお国柄らしい。
    山名 和寬:「……この技で、かぁ」
    山名 和寬:光条拡散。防壁構築。振動刃にて矢を断つ。一つ、二つ、三つ。
    山名 和寬:断ち切れぬ矢が突き刺さる。四つ。五つ。六つ。
    山名 和寬:「……のたくった文字で書くと、You Finedって」
    山名 和寬:「You're fired……って見えません……?」
    山名 和寬:――迎撃を繰り返し、何時しか光は止む。山名は、肺に空いた穴から煙草の煙をこぼしながら言う。
    ルイス=クロウ:「──私が違うと言ったところで、君はそれを呑み込むかね?」
    山名 和寬:「く……くくく……」
    山名 和寬:「いんやぁ、支部長ジャーム化してくたばったってぇより、」
    山名 和寬:「元支部長、って肩書きの方が面倒が――」
    山名 和寬:ずしゃっ。
    山名 和寬:言葉の途中。山名は、糸が切れたように倒れ伏した。
    山名 和寬:……そして、それっきり、もう動かなくなった。
    ルイス=クロウ:ブックベルトを外し、本を開いた。散らばっていた無数の頁が吸い込まれるように戻ってゆく
    原谷 狭霧:床に手を付け、死体に纏わりつこうとするクソキノコの菌糸を焼き払う
    水落 早苗:鋏を投げ捨て、美羽のもとに走り出す
    GM:では、戦闘終了です。
    GM:ワーディングの影響は未だ解除されないまま。そう時間もかからず、第六支部を中心とした対策班が駆けつけることでしょう。
    GM:その上で、軽い描写のみ。
    水落 愛梨彩:「…………原谷くん」
    水落 愛梨彩:と、あなたの名を呼ぶ声。争いの終結を感じてか、道路を渡ってきたらしい。
    原谷 狭霧:「!……水落先輩。」〈異形の痕〉はまだ収まっていない。戦闘の負担が大きかった
    水落 愛梨彩:「凄い顔してるけど……その……」
    水落 愛梨彩:「……大丈夫?」
    水落 愛梨彩:140cmに満たない小さな先輩はあなたの元へと近づいてきて
    水落 愛梨彩:顔に浮き出た異相へ、手を触れようと背伸びをするでしょう。
    原谷 狭霧:「いっ!?すまねぇ、もうちょっと待ってくれ!」慌てて貌を抑え、飛びのく。
    水落 愛梨彩:「ありゃ」
    水落 愛梨彩:掲げた手を空中で止めたまま。
    原谷 狭霧:「今は……触れるだけでも、ヤバいんです。俺の体。」
    水落 愛梨彩:「そ――そうなの? いや、ちょっと、正直何がどうなってるかよく分からないんだけど――」
    水落 愛梨彩:と言いながらきょろきょろして、床に倒れた山名の骸を見た瞬間に、
    水落 愛梨彩:「――っ」口を両手で押さえ、身を竦ませる。
    原谷 狭霧:「そ、そうっすよね。どっから説明すりゃいいか━━」
    原谷 狭霧:「……俺が、急に店飛び出した理由は。この人がいたからなんです」無理やり体温を引き上げ、〈異形の痕〉を抑え込む。
    水落 愛梨彩:「マスターが…………死んでるの……?」
    原谷 狭霧:「ええ。マスターが……」……正直迷う。言っていいことか。
    原谷 狭霧:「……マスターが、黒野さんを追いかけて、殺そうとしてた。」
    原谷 狭霧:「信じられねーとは思うんですが、俺は黒野さんの家族を殺した奴を探しに転校してきたんですよ。」
    水落 愛梨彩:「……そう、そっか」
    水落 愛梨彩:「死ぬとか殺すとかって言葉が……普通に出てくるのが、原谷くんの〝毎日〟なんだね」
    水落 愛梨彩:愛梨彩はよろめき、倒れ込むように、近くの座席に座り込んだ。
    原谷 狭霧:「ええ。先輩が言ってたじゃないっすか。平和な日常に退屈してる、って。」
    原谷 狭霧:「俺……ちょっとうらやましいって思っちゃったんすよ。そういうのはしばらく縁が遠そうなんで。」
    水落 愛梨彩:「あはは、お互い無いものねだりだ」
    水落 愛梨彩:「……お疲れ様、原谷くん」
    原谷 狭霧:「へッ……ありがとうございます、先輩」
    GM:――水落 愛梨彩が、そう言った。その時、黒野 美羽は、
    黒野 美羽:「……化け物だ、やっぱり」
    黒野 美羽:「本当に、いたんだ……」
    黒野 美羽:床に座り込んだまま、そんな言葉を繰り返していた。
    水落 早苗:「…うん、ごめん、それは、言い訳しない」
    水落 早苗:鋏を放り出し、走って美羽のもとに向かう
    黒野 美羽:では
    黒野 美羽:あなたが美羽の傍に立った時――
    黒野 美羽:「ひっ……!?」
    黒野 美羽:美羽は恐怖に引きつった声を上げ、床を後ずさるでしょう。
    黒野 美羽:きっとそれは、あなたが見たことの無い顔だ。
    黒野 美羽:テレビで流れている怪談話や、ジェットコースターを前にした恐怖とは根底が違う。
    黒野 美羽:生まれて初めて美羽は、心底から恐怖していた。
    水落 早苗:…そのまま走りを止めることなく、美羽を抱きしめる
    黒野 美羽:「――っ!!」
    黒野 美羽:その腕を引き剥がそうとする、力の無い抵抗。
    黒野 美羽:「やだ、やめて、やだ――化け物っ!!」
    黒野 美羽:それでも、死に恐怖する人間の力は恐ろしい。
    黒野 美羽:我が身を傷つける事も厭わぬ抵抗で美羽はあなたの腕から逃れ、
    黒野 美羽:「化け物! ……あんたも、化け物だったんだ!」
    黒野 美羽:あなたを指さし、叫ぶだろう。
    水落 早苗:「…否定はしないさ、俺だってまだ死にたくなかった、君との約束を抱えたまま、死んでいけるわけがなかった」
    黒野 美羽:「うるさい、うるさい、うるさい――あんたがっ」
    黒野 美羽:「あんたが、人殺しだったんだ……!」
    黒野 美羽:錯乱したように美羽はわめきながら――
    黒野 美羽:そうだな、この場合、もっとも頼りがいがありそうな人
    黒野 美羽:ルイス副支部長。あなたの背後に、隠れようとするだろう。
    水落 早苗:——俺は今どんな顔をしているだろうか
    水落 早苗:わからない、とても、かっこいいとは言えない顔かもしれない
    水落 早苗:さっき飲んだばかりのアイスコーヒーの感覚は、もう喉にはなく
    水落 早苗:それでも、何か言わないといけない、このまま美羽から逃げてはいけなかったから
    水落 早苗:「…わかった、俺、待ってるよ。美羽に返事を言えるようになるまで。ずっと、待ってるから」
    GM:では――
    GM:やがて、UGNの一隊が到着し、現場の〝処理〟を行うでしょう。
    GM:UGNエージェント、イリーガルの二人はもちろん、
    GM:〝覚醒者〟と、〝オーヴァードないしアンチワーディング体質〟と見られる二名も、保護という名目で一度支部へ送られる。
    GM:あまりに多くの人間を殺しすぎたジャームは、
    GM:死んだ。
    GM:――――――――――
    GM:では、ロイス取得と調達が可能です
    原谷 狭霧:ロイス!早苗君!
    水落 早苗:黒野美羽へのロイス感情を変更したいです
    GM:変更OK!
    水落 早苗:黒野美羽(〇待っているよ/ごめんね)で
    ルイス=クロウ:水落君に「新たなオーヴァード:同情/〇悔悟」
    原谷 狭霧:〈……巻き込んじまった。〉水落 早苗:庇護/〇悔悟
    水落 早苗:調達は…一応応急手当キットに挑戦しようかな
    水落 早苗:4dx+1
    DoubleCross : (4R10+1[10]) → 10[6,7,9,10]+9[9]+1 → 20

    原谷 狭霧:同じく応急!回復がしたいぜ
    ルイス=クロウ:あとはUGN戦闘服二つ目
    GM:出目が強い
    ルイス=クロウ:ユニークコードで+2D載りますので
    GM:回復はそのまま使っちゃってOK
    水落 早苗:回りすぎですが取得
    水落 早苗:そのまま使っちゃいます
    水落 早苗:応急手当キット使用。HP+8(2d10->1,7) (HP:25->33)
    原谷 狭霧:5dx>=8
    DoubleCross : (5R10[10]>=8) → 10[1,3,3,7,10]+5[5] → 15 → 成功

    ルイス=クロウ:7dx+2
    DoubleCross : (7R10+2[10]) → 10[1,4,5,5,5,8,10]+4[4]+2 → 16

    水落 早苗:修正しておきます
    GM:全員回すなぁ……
    原谷 狭霧:出た!早速セルフ使用!
    水落 早苗:水落 早苗のHP-5 (HP:33->28)
    原谷 狭霧:2+2d10
    DoubleCross : (2+2D10) → 2+6[2,4] → 8

    ルイス=クロウ:防具調達。じゃ、水落君どうぞ
    水落 早苗:これで最大HPなはずです
    原谷 狭霧:HP2→8
    水落 早苗:ありがとうございます!
    ルイス=クロウ:こちら以上
    GM:OK
    原谷 狭霧:ひくい……以上です!
    水落 早苗:自分も以上です

    エンディング1:一つ、戦いが終わった。


    GM:エンディングと銘打ってはいますが、普通に登場侵蝕はあります
    GM:シーンプレイヤーはPC1。早苗くんに「UGNis何」を説明したい場合は登場が可能ですが
    GM:ぶっちゃけるとこの次のシーンが2と3の登場シーンになっています。
    GM:という訳で、登場をどうぞ。
    水落 早苗:水落 早苗シーンイン (侵蝕率:67->76)
    GM:そして文章が抜けてて分かりづらいな
    GM:PC2と3は、早苗くんに「what is UGN」を説明したい場合は任意登場可能です。
    原谷 狭霧:縁が無さそうなので見送ります!
    ルイス=クロウ:じゃあ副支部長の仕事しますね
    GM:おお
    ルイス=クロウ:1d10+62
    DoubleCross : (1D10+62) → 10[10]+62 → 72

    GM:ではルイス副支部長におもっきり投げる方向で考えて……
    GM:よし
    GM: 
    GM:――では。第六支部、となるだろうか。
    GM:ルイス副支部長。早苗くん。あなた達は、
    GM:副支部長の執務室、ということにしておこう。そこにいる。
    GM:ソファで向かい合うなり、片方だけ立ってるなりしても良い。とにかく行われているのは、
    GM:〝オーヴァードとは何か〟
    GM:〝UGNとは何か〟
    GM:そういった基本的な知識と、覚醒に至った早苗くんへの検査の必要性の説明だ。
    GM:という感じで、どうぞ。
    ルイス=クロウ:テーブルに置かれたカップを手に、一口。新しく買ってきた葉は悪くない
    ルイス=クロウ:「それで、水落早苗君」
    水落 早苗:「はい」
    ルイス=クロウ:「多少駆け足で私と、その後ろにあるものの説明をさせてもらったが。問題はないかね?」
    水落 早苗:「大丈夫です、…多分」
    ルイス=クロウ:「正直に言えば。あの直後で混乱する君に、情報を詰め込むのはよくないのだが」
    ルイス=クロウ:「その点は申し訳ないと思っている」
    ルイス=クロウ:目の前の少年へ頭を下げて
    ルイス=クロウ:「何より、間に合わなかったのは我々の責任だ」
    水落 早苗:「え、いや、謝らなくても…」
    水落 早苗:——ほんとのところ、情報の詰込みには大して問題を感じていない、こんなにぼんやりした状態でも、脳は正直引くほど正確に情報を処理している
    水落 早苗:それに
    水落 早苗:「間に合わなかった、とは言いますが、多分」
    水落 早苗:「ルイスさんや原谷くんがいなかったら、俺だけじゃなくて、多分美羽も、死ぬか、それ以上のひどい目にあってたと思うんです」
    水落 早苗:「むしろ、その点で言ったら、お礼を言いたいくらいですよ」
    水落 早苗:「ありがとうございます」
    ルイス=クロウ:「……そうかね」
    ルイス=クロウ:少しだけ、雰囲気が緩む
    ルイス=クロウ:「オーヴァードに目覚めたばかりで混乱し、当たり散らされることも仕事なのだが」
    ルイス=クロウ:「君はどうやらそちらではないようだ」
    水落 早苗:「Hahaha、あんまり当たり散らすのも、かっこよくないですし」
    ルイス=クロウ:「強いな、君は」
    ルイス=クロウ:吐息
    ルイス=クロウ:「さて、話の続きだが。君の体についてもうしばらく調べておきたいことがある」
    水落 早苗:「Inspection?」
    ルイス=クロウ:「オーヴァードの中にはシンドロームとは別に、一定の法則を持つ特殊な能力を有する者がいてね」
    ルイス=クロウ:「例えば原谷君だが。彼は同じウィルスに対して強い攻撃性を有する特性を発現している」
    ルイス=クロウ:「“対抗種”と私達は分類しているが、こういったものを知らずにいると同じオーヴァード同士で問題が起こるわけだ」
    ルイス=クロウ:「なので。君がそうであるか、というところを知っておきたいのだよ」
    水落 早苗:「なるほど、検査ならまたすぐに準備しますよ」
    水落 早苗:「検査不足で他の人に迷惑をかけるのも嫌ですし」
    ルイス=クロウ:頷いて、
    ルイス=クロウ:「……水落君。それで君は」
    ルイス=クロウ:「彼女に、会いたいかね?」
    水落 早苗:「…彼女の様子次第です」
    水落 早苗:「美羽が、まだ『俺』の顔が見られないというのなら、向き合えるまで待ちますし」
    水落 早苗:「ちゃんと、話ができるようになったのなら、逃げません」
    GM:美羽は――支部へ連れてこられてからは、かなり落ち着いたようだ。
    GM:鎮静剤などが投与された訳でもない。時間の経過が故であろう。
    ルイス=クロウ:「……オーヴァードへの覚醒は容易く人を壊す」
    ルイス=クロウ:それは覚醒した人間のことであり。それを見た者のことであり
    ルイス=クロウ:「いままで知っていた世界の外を見てしまった者は、元に戻ることは難しい」
    水落 早苗:「今更ですよ」
    水落 早苗:「今までだって俺は、美羽の知らない世界で生きてきたことがある」
    水落 早苗:「そこは、虚飾も、醜い欲望の蹴落としあいも、残酷なくらいの実力主義もあったけれど」
    水落 早苗:「それでも、『俺』は『俺』だった、美羽だって、そう言ってくれた」
    水落 早苗:「今更外側の種類が変わったところで、水落早苗は、びくともしませんよ」
    ルイス=クロウ:「……」
    ルイス=クロウ:「彼女がいつか受け入れてくれると信じるか」
    水落 早苗:「ええ」
    ルイス=クロウ:「時間はかかるかもしれん。それでもかね?」
    ルイス=クロウ:しつこいように確認を取ってくる
    ルイス=クロウ:何度も積み重ねた過去の風景故だろうか
    水落 早苗:「これまでさんざん待ってもらったんだ、今度は、俺が待つ番ですよ。何年たったとしても」
    ルイス=クロウ:「──そうか」
    ルイス=クロウ:「すまないね。老人の無駄な思い込みに付き合わせてしまった」
    ルイス=クロウ:笑って、お茶請けのクッキーをひとつ摘まむ
    ルイス=クロウ:「私は君の選択を尊重しよう。水落君」
    ルイス=クロウ:「辛い路だとわかってなお、進む君の覚悟を」
    GM: 
    GM:……検査は一通り終わった。幾つか小項目が残っているというが、それは急ぎではないらしい。
    GM:既に夜も更けた。
    GM:水落 早苗。あなたは支部内に用意された宿舎に今夜は宿泊し、明日、残りの幾つかの検査を受けた後に解放されるだろう。
    GM:今、あなたは宿舎へ向かうため、支部内の廊下を歩いている。
    GM:ちょうどその時だ。
    GM:黒野 美羽と水落 愛梨彩が、向こう側の廊下から歩いて来たのは。
    水落 愛梨彩:「あっ、早苗!」
    水落 早苗:「姉さん、寝ていなくていいのかい?」
    水落 愛梨彩:「ふっふっふ。検査でたくさん寝たからね!」無い胸を張る!
    水落 愛梨彩:「おかげで目が爛々と猫ちゃんのように、メガ爛々してるのだー」
    水落 早苗:肩をすくめます
    水落 愛梨彩:「……早苗こそ、体調は大丈夫?」
    水落 愛梨彩:「私達はそうじゃないけど、オーヴァードって結構、無理すると危ないんでしょ……?」
    水落 早苗:「うん、今は平気。悲しいくらいなんともないよ」
    水落 愛梨彩:「そっか、なら良かった」と、彼女はにっかり笑い――
    水落 愛梨彩:「……美羽ちゃんがさ、早苗とお話ししたいんだって」
    水落 愛梨彩:と、突然に話題を切り替えた。
    水落 早苗:「…話、できるのかい」
    水落 早苗:これは美羽のほうを見ながら
    黒野 美羽:「……………………」視線を向けられた美羽は、愛梨彩の顔をちらりと見て、
    水落 愛梨彩:「――あっ! そうだ、見たい番組あったんだ! たしか宿舎テレビあった筈!」
    水落 愛梨彩:と、 愛梨彩は大騒ぎしながら廊下を駆けていく。
    水落 愛梨彩:途中、一度だけ振り返ってあなた達の方を見た後、狭い歩幅で走って、角を曲がって行った。
    黒野 美羽:そして、取り残された美羽は
    黒野 美羽:「……早苗、ごめん」
    黒野 美羽:と、消え入るような声で言う。
    水落 早苗:「うん」
    黒野 美羽:「ごめんね、私――」
    黒野 美羽:髪を掻き毟る。ざり、ざり、と音が立つ程に。
    黒野 美羽:「――早苗に、酷いこと言った」
    水落 早苗:「…気にしてない、と言ったら嘘になる」
    水落 早苗:「mediaや教室の仲間に何か言われるならまだしも、美羽だったからね」
    黒野 美羽:「……そう、だよね」
    水落 早苗:「でも、化け物であることを否定する気もないし、後悔もしてないよ」
    黒野 美羽:「っ……」
    水落 早苗:「だって、美羽をこの手…にしては少し届かなかったけれど、それでも手は伸ばせたんだもの」
    黒野 美羽:〝化け物〟という言葉に。
    黒野 美羽:美羽は身震いしながら、髪を掻き毟る手の力を強める。
    黒野 美羽:ざりっ。ざりっ。
    黒野 美羽:爪の先が、少しばかり赤く染まりながら、
    黒野 美羽:「ごめんね、早苗、ごめんねっ……」
    黒野 美羽:彼女は何度も何度も、謝罪の言葉を吐き――そして、言った。
    水落 早苗:「…怖いよな、震え、止まらないよな、ありがとう美羽」
    黒野 美羽:「……だいじょうぶ」
    黒野 美羽:「こうやって痛くしてると、ちょっと、落ち着くから……」
    黒野 美羽:「それより、さ、早苗……明日はさ」
    黒野 美羽:「明日は、葦原市で……どこかで、遊ぼう?」
    水落 早苗:「うん」
    水落 早苗:「…検査が終わった後に?」
    黒野 美羽:「うん。……駄目、かな」
    水落 早苗:「fantastic!とっても素敵な提案だね!いいさ、行こう!」
    黒野 美羽:「……良かった」
    黒野 美羽:美羽は少しだけ笑顔を取り戻して――
    黒野 美羽:「……じゃあ。私、もう、寝るから」
    黒野 美羽:「早苗」
    黒野 美羽:「また明日、ね」
    水落 早苗:「あ、まって」
    黒野 美羽:「……え?」
    水落 早苗:「最後に、一つ」
    水落 早苗:「返事、忘れてたから」
    黒野 美羽:「あっ――」
    水落 早苗:「好きだよ、美羽、他の誰でもない『俺』を見てくれる、君が」
    黒野 美羽:「……………………」
    黒野 美羽:美羽は、しばらくは声も出せないでいた。
    黒野 美羽:その中に、どんな言葉が渦巻いているのだろう。思いが渦巻いているのだろう。
    黒野 美羽:表に出るのは微笑みと、少しの目に浮かぶ涙だけ。
    黒野 美羽:「……ありがとう」
    水落 早苗:「それじゃあ、Good night!」
    黒野 美羽:「すっごく嬉しいよ、早苗……おやすみ」
    黒野 美羽:――黒野 美羽は、宿舎へと戻っていった。
    GM:――――――――――
    GM:では、登場回数のバランス的に
    GM:早苗くんはロイス取得と調達双方。ルイス副支部長はロイス取得のみ可能です。
    ルイス=クロウ:ロイス保留で終了しておきます
    水落 早苗:ルイスさんにロイス
    水落 早苗:〇感謝/食傷で
    水落 早苗:調達は…狭霧くん用の応急狙います
    水落 早苗:4dx+1
    DoubleCross : (4R10+1[10]) → 10[3,4,6,10]+7[7]+1 → 18

    原谷 狭霧:有難え……
    水落 早苗:そのまま狭霧くんへ
    原谷 狭霧:早速使用して大丈夫ですかね?
    GM:どうせ次のシーンで出るのだし、今使っても問題ないです
    GM:あっ、ちょうどよく
    原谷 狭霧:8+2d10 では早速!
    DoubleCross : (8+2D10) → 8+11[3,8] → 19

    GM:割と戻った。
    原谷 狭霧:HP8→19
    GM:では。
    原谷 狭霧:元気出たぜ!

    エンディング2:一つ、戦いが始まる。


    GM:シーン登場は、PC2&3です。どうぞ。
    原谷 狭霧:74+1d10 シーンイン!
    DoubleCross : (74+1D10) → 74+9[9] → 83

    原谷 狭霧:侵蝕83
    ルイス=クロウ:1d10+72
    DoubleCross : (1D10+72) → 6[6]+72 → 78

    原谷 狭霧:た、高い
    GM:が、がんばれ
    GM: 
    GM:――そろそろ日付も変わる頃か。あなた達は、今回の戦闘に関する報告書を作っているだとか、
    GM:戦闘後の検査待ちであるとか、依頼をしていた整備の完了待ちであるとか、
    GM:そういういずれかの理由で、二人揃って、支部のどこかの部屋にいる。
    GM:談話室だとか休憩室だとか、そういう場所だろう。
    原谷 狭霧:医務室で任意の治療を受けてたぜ!
    GM:ふむ、ならば医務室でも良いかも。
    GM:原谷くんの様子を見にルイス副支部長が医務室を訪れている、という具合に行きましょう。
    ルイス=クロウ:はい
    原谷 狭霧:ありがとうございます……
    ルイス=クロウ:「夜分に失礼する」
    ルイス=クロウ:自分の肩を叩きながら。医務室へ足を踏み入れて
    原谷 狭霧:「うお!?ルイスさんじゃないっすか!」ベッドから起き上がろうとし、
    ルイス=クロウ:「落ち着きたまえ。無茶をした後だろう」
    原谷 狭霧:「痛って!!!」戦闘で酷使した体とクソキノコが悲鳴!
    原谷 狭霧:「うー……、すんません。」ベッドに寝なおす。
    原谷 狭霧:「━━早苗の体、どうでしたか?」
    ルイス=クロウ:「問題ない。ああ、問題なさ過ぎるほどにね」
    ルイス=クロウ:「オーヴァードになったことも素直に受け入れている」
    原谷 狭霧:「そうっすか。……やっぱり早苗もオーヴァードになっちまったんですね」
    ルイス=クロウ:「責任を感じるかね」
    原谷 狭霧:「正直、そうですね。俺よりはマシな感じでよかったとも思うけど。」
    原谷 狭霧:「━━間に合わなかったのも間違いねえんだ」
    GM:では、そうしてあなた達が静かに会話をしていたそのタイミング。既に深夜と言える時間帯だと言うのに。
    GM:かん、かん、かん、かん、かん、かん――廊下を駆ける足音が、近づいて来る。
    新田 澄佳:医務室のドアを突き飛ばすように開けたのは――両目を真っ赤に染めた、新田 澄佳であった。
    新田 澄佳:山名支部長の遺体回収の報を聞き、N市へ赴き、その検視解剖を受け持っていた彼女が――
    新田 澄佳:「お二人とも」走り、荒くなった呼吸を整える間も無く言う。
    原谷 狭霧:「うお!……新田さん!?」
    新田 澄佳:「……来てくれませんか」
    ルイス=クロウ:「……怪我人も含めてかね」
    新田 澄佳:「はい」
    新田 澄佳:「急いで、です」
    ルイス=クロウ:隣の原谷君を一度みやり。ベッドの傍から立ち上がる
    原谷 狭霧:「━━無茶のし時、って奴ですかね?」痛む体を抑え込み、ベッドから降りる
    原谷 狭霧:「ぐ……、ちょっと歩きでも良いっすか」
    新田 澄佳:「……はい」
    新田 澄佳:「歩きながら、読んでください」
    GM:新田はあなた達に、一つずつ、バインダーを差し出す。
    原谷 狭霧:「あざます……」資料を受け取り、開く。
    GM:検死解剖の報告書――ではあるが、規定の書式ではない。
    GM:大急ぎで事実を伝える為に、荒く作られたものだ。
    GM:侵蝕率が200%を超えていた事や、人工的にジャーム化を促す措置の痕跡は見られなかった事などが記されているが、
    GM:最も重要であろう部分は、赤いペンによって、震える手で雑に塗りつぶされていた。
    GM:〝山名 和寬の胃袋からは、三年前に死亡した山名 礼子の肉片が、腐敗しないままに発見された〟
    GM:〝他に内容物は無し。そも当該ジャームは(オーヴァードであった時点から)消化器官が機能していなかったと判断できる〟
    GM:……と、記されていた。
    GM: 
    GM:あなた達は新田の誘導に従い、実験室へ辿り着くだろう。
    GM:無機質な作業台の上、山名 和寛は、腹腔を空にされて横たわっていた。
    GM:それを指さして、新田は言うのだ。
    GM:「……ルイス副支部長、お願いがあります」
    GM:「まだ、もしかして、私の早とちりかも知れないから――だから」
    ルイス=クロウ:「私を呼んだ意味、ということか」
    新田 澄佳:「はい」
    ルイス=クロウ:一歩、近付く
    新田 澄佳:「……〝見て〟いただけますか」
    新田 澄佳:「支部長の、脳髄を」
    ルイス=クロウ:「……成功するかはわからんが」
    原谷 狭霧:「……ルイスさんしかできない感じの奴、って事ですか?」
    ルイス=クロウ:「そうかもしれんな」
    ルイス=クロウ:「そういえば。私が“魔法使い”を名乗っている所以を話したことはあったかな」
    ルイス=クロウ:空いていた手に。気付けば、古びた書が携えられている
    原谷 狭霧:「あ゛ー……そういや初耳ですね。気にはなってたんすけども」
    ルイス=クロウ:「なら披露するとしよう」
    ルイス=クロウ:「エフェクトではない。私のたったひとつの魔法だ」
    原谷 狭霧:「……こんなところで言うべきではないかもなんすけど」
    原谷 狭霧:「そういうの、ワクワクしてきますね」
    ルイス=クロウ:答えに笑って返し
    ルイス=クロウ:ばらり、と書が開く。明らかにその厚みからはありえないほどの頁が宙空に浮かび
    ルイス=クロウ:昼間のように浮かんだそれらから。文字だけが抜け出す
    ルイス=クロウ:Dロイスの記憶探索者の効果を使用。対象は山名君
    ルイス=クロウ:白紙の頁はドームのように周囲を包み。言葉は風景を、人の影を、声を作り出してゆく
    GM:――では。
    GM:或いは、死亡から数時間が経過した脳髄の記憶など、本来は到底探り得ないものであったかも知れない。
    GM:それが叶ったのは。
    GM:肉体ではなく魂がそれを許容した――と、浪漫を語るのも良いだろう。
    GM:だが、綴られる文字に、人の夢など存在しない。
    GM:脇田 直也、永吉 正志、穂坂 史絵、辰野 早矢香、瀬山 侑佳、作田 要一
    GM:速水 朝子、深沢 里絵、小関 愛美上、遠野 友佑、仲道 信悟、長沼 真奈美
    GM:仲井 理、小中 雄祐、瀬良 匡、蓮尾 寿一、三友 岬、赤地 嶺、薮崎 浩充
    GM:中井 美幸、田路 理、小清水 啓太郎、橘田 貴俊、荒谷 和佳子、薩摩 エリナ
    GM:……そして、最初の一人である山名礼子。
    GM:二十六人の人間の名を、あなた達は知るだろう。
    GM:或いは影の姿を見て、或いは誰かの声によく似た音を以て
    GM:山名がいかに彼らと親しくなり、抱いた殺意を抑えきれずに凶行に至るまでと、懊悩を。
    GM:だが殺戮の瞬間に確かに抱いていた喜びを。あなたは垣間見るだろう。
    GM:……二十六人だ。先述の通りに。
    GM:どれほど深くまで潜ったとしても、それ以上は見つかることはない。
    GM:何故なら、そんなものは存在しないからだ。
    GM:……以上が、あなたが探り得た結果。
    GM:そしてあなた達が、その目で、耳で知ることになった結果である。
    新田 澄佳:「……山名支部長じゃ、なかった」
    ルイス=クロウ:「……なるほど、最後の一片は確かに足りなかった」
    原谷 狭霧:「……この名前って」
    新田 澄佳:「知ってる名前が……幾つかあります」
    新田 澄佳:「……何人かのお葬式に、支部長と一緒に出たことも」
    原谷 狭霧:「山名…さん、が言ってたのはそういう事かよ。」
    ルイス=クロウ:「これを知らせたのは私達が最初かね?」
    新田 澄佳:「はい。……まだ、お二人だけです。私も肉片だけで確信は持てませんでした」
    新田 澄佳:「けど――敢えて、一研究員として断言します」
    新田 澄佳:「山名支部ちょ――《レーザーメス》は、人殺しでした」
    新田 澄佳:「けれど、黒野家を襲撃した犯人じゃない」
    原谷 狭霧:「━━!?」
    ルイス=クロウ:「なれば」
    新田 澄佳:「……はい。もう一度調べます。黒野夫妻の死体に付着していた痕跡と――」
    原谷 狭霧:「す、すんません。ちょっと待ってくれ……」
    原谷 狭霧:「━━まだ終わってねーってことですか、この事件?」
    ルイス=クロウ:「私も気を抜いていた、情けない話だがね」
    新田 澄佳:「……もっと早く、この可能性に行き着くべきだった。私が……一番近くにいたのに……!」だん、と非力な手が作業台を叩き、
    新田 澄佳:「お二人とも……人手は少しでも多い方がいい」
    新田 澄佳:「〝新しくデータを得られたレネゲイドウィルスの型〟の比較を……協力を、お願いします」
    ルイス=クロウ:「わかった。先ほどのカルテをこちらへ回す」
    原谷 狭霧:「……本気で言ってるんすか、新田さん」
    原谷 狭霧:「━━あの三人の中に、犯人がいるって言いてぇのか?」
    新田 澄佳:「……っ」言葉も出せぬまま視線を逸らす。それが答えだ。
    原谷 狭霧:「…………一刻を争うんすよね。」
    GM
    GM:では、最後の情報収集だ。
    GM:急ぎで調べる。故に、真実の深さに比して要求される目標値が高い。
    【黒野家を襲ったジャーム】 目標値13《情報:UGN》 or 目標値10《知識:レネゲイド》

    原谷 狭霧:情報:UGNで判定!最悪財産全ツッパで抜けるぜ!
    ルイス=クロウ:情報UGNで
    GM:OK.いずれか一人が抜ければもちろんクリアですが、判定どうぞ
    GM:二人とも達成したらそれは格好いいかもしれない
    原谷 狭霧:ではお先に!
    ルイス=クロウ:どうぞ
    原谷 狭霧:4dx+1>=13
    DoubleCross : (4R10+1[10]>=13) → 8[1,2,3,8]+1 → 9 → 失敗

    ルイス=クロウ:7dx+2
    DoubleCross : (7R10+2[10]) → 9[1,1,3,5,5,6,9]+2 → 11

    原谷 狭霧:グエーッ!財産点4点使用したい!
    GM:財産点がけっこうあるんだもんなぁ……! どうぞ!
    GM:では、9+4=13 情報開示されます。
    GM: 
    原谷 狭霧:ナントカ成功!財産点12→8
    【黒野家を襲ったジャーム】
    死体に残されたレネゲイド反応が最も類似するのは――水落 早苗であった。
    だが、彼が殺人者でないことは、犯行時刻、彼が学校で授業を受けていたという大勢の証言から確実である。
    ならば、誰だ。
     
    ……これは仮定であるが。水落 早苗がその人生のいずれかの時点でレネゲイドウィルスに感染したとする場合、
    同様の生活圏、生活リズムの〝誰か〟もまた、同じタイミングで、同じ系統のウィルスに感染している可能性は高い。
    そして覚醒に伴う〝悲劇〟に肉親が巻き込まれるのは、共にいる時間が長い以上、珍しくもない話だ。
    或いは気付くかもしれない。
    監視カメラに侵入者が映っていなかったのは、誰も黒野家に侵入などしていなかったからだ。
    監視カメラに逃走者が映っていなかったのは、誰も黒野家から逃げ出してなどいなかったからだ。
     
    レネゲイドスカウターとて必ずしも100%正確ではない。
    ましてやある種のジャームは――〝擬態〟に長けている。
    例えば一つの肉体に二つの人格を備え、その人格の切り替えによってレネゲイド侵蝕の状況すら変異させる者。
    〝彼女〟がもし、それだとしたら――
     
    ――あなた達は、至るだろう。

    GM:情報は、以上となります。
    原谷 狭霧:「………………」握りしめている資料の手が、震えている。
    GM:確実な証拠とは言いがたい。
    GM:だが全ての事象が答えを指し示している。
    GM:黒野家を襲撃し、黒野美羽の両親を殺害したのは――黒野 美羽自身だと。
    ルイス=クロウ:「──薄い予感はいつも、当たって欲しくはないものだ」
    原谷 狭霧:「……一番『あり得る』のが、これしかねーってのかよ。」
    ルイス=クロウ:「確実ではない。だが」
    ルイス=クロウ:「昼に言った通り。これが最後の欠片となったなら」
    ルイス=クロウ:「全てが揃った以上。私達は動かねばならない」
    原谷 狭霧:しわくちゃになった資料をそっとテーブルに置き──
    GM:――あなた達が初めに向かうのは、
    GM:彼女のところだろうか。
    GM:それとも、彼のところだろうか。
    GM:いずれにせよ、二人はUGNの宿舎内にいる筈だ。
    原谷 狭霧:「クッッッソが!」壁を叩きつける。
    ルイス=クロウ:「……」
    ルイス=クロウ:「往くぞ、原谷君」
    原谷 狭霧:「━━すんません、ルイスさん」
    ルイス=クロウ:「謝るな。責任は君を選んだ私にもある」
    ルイス=クロウ:「すまないな。だが、君の力が必要になるだろう」
    原谷 狭霧:「……気にしねーでくれ。あんたの判断なら俺は信用できるんだ」
    原谷 狭霧:「このまま……黒野さんのもとに行くんで?」
    ルイス=クロウ:「ああ。もしかしたら」
    ルイス=クロウ:「──いや。彼も、いるだろう」
    GM:ならば。
    GM:あなた達は、彼を呼び起こしに向かうのだろう。
    GM:少しずつ、少しずつ、支部の中が騒がしくなり始める。
    GM:情報の伝達が進み、眠りについていた日常の守護者達が、再び任務へと戻って行くのだ。
    GM:非日常の側に立つことを定められた彼らが――
    GM:――――――――――
    GM:ロイス取得と調達が可能です。
    原谷 狭霧:ロイスは黒野さんの感情変更!
    GM:OK!
    原谷 狭霧:〈やるしかないってのかよ。〉黒野 美羽:〇覚悟/不信感 に変更!
    ルイス=クロウ:黒野美羽にロイス「目標:懐旧/〇討つもの」
    ルイス=クロウ:調達は…いいかな
    原谷 狭霧:購入は最後の応急!
    ルイス=クロウ:ああせめて応急キットは買っとこう
    ルイス=クロウ:5dx+2>=8
    DoubleCross : (5R10+2[10]>=8) → 9[2,4,6,6,9]+2 → 11 → 成功

    原谷 狭霧:4dx>=8
    DoubleCross : (4R10[10]>=8) → 10[1,4,6,10]+4[4] → 14 → 成功

    GM:そのまま使用してもOKです
    原谷 狭霧:セルフ使用だぜ!!!
    ルイス=クロウ:そのまま使用します
    ルイス=クロウ:2+2d10
    DoubleCross : (2+2D10) → 2+8[6,2] → 10

    原谷 狭霧:19+2d10
    DoubleCross : (19+2D10) → 19+14[6,8] → 33

    ルイス=クロウ:以上で
    GM:OK!
    原谷 狭霧:HP31で全快!以上です
    GM:では、シーンをカットします。

    マスターシーン:嫌い


    黒野 美羽:嫌いだった。
    黒野 美羽:いろんなものが、嫌いだった。

    母親:「あんた、聞いた? 田鎖さんのとこの、めぐちゃん」
    父親:「あー。仕事やめて戻ってきたんだっけ」
    母親:「そうそう。デザイナー志望だって言ってたけど、やっぱり無理だったのよ」
    母親:「ご両親も、無理だって言ってあげてたのにねぇ」
    黒野 美羽:「……………………」
    黒野 美羽:他人の陰口が娯楽になっている。そういうところが、嫌いだった。

    父親:「美羽、お前は将来の夢とかあるのか?」
    黒野 美羽:「え……えっとね、私は――」
    母親:「今からそんなこと言わなくてもいいじゃない、あんた」
    黒野 美羽:「――――――――」
    母親:「無理に頑張らなくていいのよ、美羽」
    母親:「美羽はずっとここにいていいの。私達のかわいい娘なんだから」
    黒野 美羽:「……うん」
    黒野 美羽:「そうだね。夢とか、まだわからないや」
    黒野 美羽:用意された正しい答えを探さなきゃいけない。そういうところが、嫌いだった。

    母親:「畑中さんとこの娘ったら、とんだ親不孝ものよね」
    父親:「見舞いにも来ないんだって? 幾ら遠いからって、薄情だよなぁ」
    母親:「持ち家はあるんだから、戻ってくればいいのに……」
    黒野 美羽:「……………………」
    黒野 美羽:人生は本人のものなんだと分かってない。そういうところが、嫌いだった。

    母親:「美羽」
    父親:「美羽」
    黒野 美羽:嫌いだった。
    母親:「ずっとここにいていいんだよ」
    父親:「それがお前の幸せなんだ」
    黒野 美羽:幸せを祈るふりをして、自分達の呪いを感染させようとする。
    母親:「家から出ていくなんて辛いことばっかりだよ」
    父親:「お前の居場所はここにあるんだ」
    黒野 美羽:私のことを知ったような口を利く、血の繋がった他人が嫌いだった。
    黒野 美羽:「うん」
    黒野 美羽:「うん、わかってるよお母さん、お父さん」
    黒野 美羽:そして。
    黒野 美羽:これが呪いだと、分かっているくせに受け入れている、
    黒野 美羽:「私、ずっと一緒にいるよ」
    黒野 美羽:自分が一番、嫌いだった。

    父親:「やめろ――やめてくれ、美羽、やめっ」
    父親:「ぐ、ぎっ、ぃ、ぎゃあああぁあぁっぁぁぁぁっ!?」
    父親:「いだっ、がああ、ぁつ、いだぁぁあぃいぃいいいぃいっ!?」
    母親:「美羽、わからないの!? お父さんよ、お母さんよ!?」
    母親:「私達は親子じゃない! ずっと一緒にいるって言ってくれたじゃな――」
    母親:「――ぁ? ぁ、あぁあぁぁ……あ、足、足ぃっ! 私の足ぃぃいぃっ!?」
    黒野 美羽:「あはっ」
    黒野 美羽:「あははははっ、ははははは」
    黒野 美羽:「美味しくないなぁ、この人達」
    黒野 美羽:「嫌いだからかな」

    黒野 美羽:嫌いなものに埋め尽くされている。
    黒野 美羽:それが私の世界だった。

    クライマックス:うたかたの恋


    GM:全員登場となります。登場侵蝕をどうぞ。
    水落 早苗:水落 早苗シーンイン (侵蝕率:76->80)
    ルイス=クロウ:1d10+78
    DoubleCross : (1D10+78) → 7[7]+78 → 85

    原谷 狭霧:83+1d10
    DoubleCross : (83+1D10) → 83+2[2] → 85

    原谷 狭霧:侵蝕85
    GM:では。場面は、先のシーン直後。
    GM:黒野 美羽こそが事態の元凶、ジャームであると判定されたところから。
    GM:原谷くん、ルイス副支部長、あなた達は早苗くんが体を休めている客室を訪れることでしょう。
    GM:早苗くんは眠っているか、それとも起きて何かをしているか。起きていたなら、にわかにドアの向こうが騒がしくなったことに、そろそろ気付く辺りか。
    GM:合流を、どうぞ。
    水落 早苗:ねています、表向きは気にしていないけれど、やはり寝る子は育つので
    GM:なら、ドアめっちゃノックしたり声をかけたりして起こしてあげましょう!
    ルイス=クロウ:ではドアをノックして
    原谷 狭霧:「……早苗—?」部屋の前で呼びかけるぞ!
    水落 早苗:「…」外が騒がしいのを感じ取り、眠い目をこすりながら体を起こす
    水落 早苗:パチ、と明かりをつけ、鏡で簡単に身を整え、鍵を開ける
    水落 早苗:「どうぞ」
    ルイス=クロウ:声を受けて、ドアを開く
    ルイス=クロウ:「……寝ていたところに悪いな、水落君」
    水落 早苗:「ルイスさん?それに狭霧くんまで」
    原谷 狭霧:「こんばんはだな、早苗。」ルイスさんに続く形で挨拶!
    水落 早苗:「こんばんは、Mr狭霧」
    水落 早苗:「随分と張りつめた雰囲気ですが、何かあったのですか?」
    ルイス=クロウ:「……」
    原谷 狭霧:「……そうだな。かなりやべー事態だ」
    ルイス=クロウ:「単刀直入に言おう。黒野美羽君のことだ」
    水落 早苗:「美羽のこと?何かわかったんですか?」
    ルイス=クロウ:「彼女に関わることだからこそ、君にも伝えねばならない」
    原谷 狭霧:「……ぬ゛うーっ!!」頬をぺちぺちと叩き、腹を据える。
    ルイス=クロウ:「黒野家の殺人を行ったのは、あの時に君を襲った彼ではなかった」
    水落 早苗:「!!」
    ルイス=クロウ:「……君へ、軽率にあのような言葉を吐いたことを。怨んでくれてもいい」
    原谷 狭霧:「っし。……それが分かったのはここに着いてからでな」
    原谷 狭霧:「ルイスさんと何話したのか知んねーが、この人は早苗の事を本気で心配してるはずなんだ。」
    原谷 狭霧:「……だから、これから聞くことの覚悟だけは決めておいてくれ」
    水落 早苗:「…その様子だと、本当に良くない展開のようだね、いいよ、聞こうか」
    原谷 狭霧:「死ぬ気で悩んだうえで、ルイスさんは早苗に伝えることを選んだんだ。」
    ルイス=クロウ:無言の間を置いて。静かに、冷徹ともいえる声で
    ルイス=クロウ:「黒野美羽、彼女はジャームであり。両親を殺害した犯人だと私達は判断した」
    水落 早苗:「…!」
    ルイス=クロウ:「そして私は支部を預かる人間として。決断を下した」
    ルイス=クロウ:言葉は続かない。あの時に説明をした、ジャームという存在へ我々がどうしてきたかを
    原谷 狭霧:「……俺とルイスさんは、これから黒野さんを傷つけに行く。」〈異形の痕〉使用。
    水落 早苗:「…そう、ですか…」
    原谷 狭霧:カエンタケの菌糸が顔まで侵蝕していく。
    水落 早苗:今の自分は、きっととてもひどい顔をしているんだろう
    原谷 狭霧:「早苗は、どうしたい」
    水落 早苗:「…そうだな」
    水落 早苗:「支部としての判断は俺一人で止められるようなものじゃないから、止めない」
    水落 早苗:「でも、せめて美羽の真意だけは、見守りたいかな」
    水落 早苗:「惚れた女を看取れないほどカッコ悪いことは、しないし、できないよ」
    原谷 狭霧:「……早苗。」明らかに無理をしている顔だ。俺だってそうだから。
    原谷 狭霧:でも。
    原谷 狭霧:「━━マジでカッコいいぜ。その答え。」舞台に立つ者へ送る言葉は、エール以外にねーだろ。
    ルイス=クロウ:「ああ。……君の選択は、貴いものだ」
    ルイス=クロウ:表に見えない内側に、どれだけの傷を抱えているのか。それを見せようともせず、立っている
    ルイス=クロウ:己のようにすり切れた者には。それが何よりも美しく見える
    ルイス=クロウ:「往くとしよう」
    原谷 狭霧:「ういっす。」
    水落 早苗:「OK、いきますか」
    水落 早苗:たとえ舞台が戦場であろうと
    水落 早苗:——プリンシパルは、踊るだけだ
    GM:では。
    GM:まずあなた達が確認するべきは、黒野 美羽の為に割り当てられた客室であろう。
    GM:黒野 美羽は、早苗くんの客室からは少し離れた場所。水落 愛梨彩と相部屋だ。
    GM:他の女子職員やエージェントが暮らす区画にある空き部屋にて、休んでいる――筈だった。
    GM:扉に鍵もかかっていないその部屋に入った時、あなた達が見たものは、
    GM:寝台の上、シーツを被せられて蠢く、人間ほどの大きさの盛り上がりと。
    GM:壁。
    GM:切断された挙げ句、破損した部品を外側から針と糸で縫い付けたような、荒い修繕の施された壁であった。
    水落 早苗:「…姉さん?」
    GM:うぅ、うう。うめき声ばかりが返る。
    原谷 狭霧:「━━!」盛り上がったシーツに駆け寄ろうとし、思いとどまる。
    原谷 狭霧:「……早苗、開けそうか?」
    水落 早苗:「ああ、問題ないさ」
    ルイス=クロウ:そちらの対処を二人へ任せ、こちらはエージェントへ連絡。騒ぎを察知して逃走したなら距離は遠くないはずだ
    水落 早苗:そう言って、ここ最近ずっと使っていた裁縫セットから裁ちばさみを片方だけ取り出し、シーツを引き裂く
    GM:シーツを剥ぎ取ったその下にいたのは、縫い糸で縛られ俯せに転がされた水落 愛梨彩。
    GM:足をばたつかせても体がベッドから落ちなかったのは、その糸の拘束が、マットを何度か潜っているからだ。
    GM:糸を切れば、その拘束は解けよう。だが、ならば。
    GM:助けを呼ぶ言葉すらなく、うめき声ばかり上げているのはどういう理屈だ?
    GM:……答えは、簡単なことだ。
    GM:水落 愛梨彩の上下の唇は、糸で硬く縫い合わされていた。
    GM:〝生地〟の上で目立たぬように基本を押さえた、赤い縫い糸であった。
    水落 早苗:…拘束している糸と、口の糸を丁寧に糸切り鋏で取り除く
    原谷 狭霧:「こ、いつは……」
    GM:では。糸自体にはさしたる仕掛けも無い。排除したなら、それ以上の現象は発生しない。そして、
    GM:まず水落 愛梨彩がしたことは、生物として、不足気味だった酸素を思い切り吸い込むことであった。
    GM:口を大きく開き、息を吸い込む。そして開いたままの口、喉の奥から――
    水落 愛梨彩:「ぁ、うあ、あああぁぁあぁぁぁぁああぁぁぁぁっ!」あらん限りの声を振り絞って悲鳴を上げた。
    水落 愛梨彩:その声が呼び水となってか、双眸からは涙が止め処なく溢れる。
    水落 愛梨彩:「ぁああぁぁぁ、あー、ぁあああああーっ!」赤ん坊のように泣きわめきながら、
    水落 愛梨彩:この場合、目の前にいたあなたとなるか。
    水落 愛梨彩:水落 早苗。あなたに縋り付いた。
    水落 早苗:「…姉さん、ごめん。怖い思いさせた」
    原谷 狭霧:「うおぅ!?」びっくりする!
    原谷 狭霧:(……無理もねーか)〈異形の痕〉解除。
    水落 愛梨彩:……暫く、彼女は泣きわめき続けた。ぐしゃぐしゃの顔で、言葉も無く。
    水落 愛梨彩:それはまるで、夜中に目を覚ました時、両親が傍にいないことに気付いた幼子のように、
    水落 愛梨彩:喉が枯れるまで、肺が空になるまで、声を張り上げて泣き続けた。
    GM:……その間に、幾つか描写を追加しよう。
    GM:まず、壁の縫い跡を間近で観察したのならば。針は壁の外――即ち屋外から通されていることを、確信して良い。
    GM:ルイス副支部長。あなたが手配したエージェント達は迅速に支部内外を確認した。
    GM:支部内に潜むジャームは無し。また、支部に設置された観測装置などにより、
    GM:〝なんらかの存在が、人体とは思い難い速度を以て北へ移動した〟という報告を受けるだろう。
    GM:……葦原市は、N市の北に位置する。
    ルイス=クロウ:ジャームに理性はない。彼女の場合、特異性の存在ではあるが現状反転しているとなれば通常のジャームとほぼ同じはず
    ルイス=クロウ:ともすれば、彼女の行動は
    水落 早苗:「…口、怪我しているよね、歯とか折れていないかい?」
    水落 愛梨彩:「…………」暫く泣き喚き、泣き疲れたのだろう。未だ鼻を啜りながらも、彼女は口を開く。
    水落 愛梨彩:唇を貫かれ、口内に血が流れこんでこそいるものの、歯や舌は無事だ。
    水落 愛梨彩:「早苗……」
    水落 早苗:「ん、歯や舌にけがはないみたいだね」
    水落 愛梨彩:「……ねぇ、早苗」
    水落 早苗:「どうしたんだい、姉さん」
    水落 愛梨彩:「何が、あったの」
    水落 早苗:「…俺にもよくわからない」
    水落 早苗:「美羽を探していて、そっちの部屋に行って、そうしたら部屋がめちゃめちゃになってて、姉さんが縛られていた」
    水落 愛梨彩:「美羽ちゃ――」その名を舌に乗せた時、愛梨彩は大きく身震いをして、
    水落 愛梨彩:「あ、あの子、美羽ちゃん、帰るって」
    水落 愛梨彩:「〝家に帰る〟って……言ってた……」
    水落 早苗:「帰る?」
    原谷 狭霧:「……家っていうと、黒野さんのか?」
    水落 愛梨彩:わからない、と愛梨彩は答える。だが――或いはその答えに、水落 早苗、あなたなら辿り着くだろう。
    水落 愛梨彩:違う。黒野家ではない。
    水落 早苗:「…俺の家か!」
    原谷 狭霧:「早苗の方だぁ!?」
    ルイス=クロウ:「……何か思い当たることが?」
    原谷 狭霧:「あるのか?」
    水落 早苗:「…多分、美羽は俺の家に行ったんだと思います」
    GM:……或いは、その答えから逆算できるかも知れない。〝両親を失った黒野 美羽は、隣家に預けられていた〟事や、〝美羽の両親を殺したのは彼女自身だ〟という事実からも。
    GM:今の彼女が家と、自分の帰る場所と呼ぶのは、世界にただ一つ――その場所しか無い事を。
    水落 早苗:「ルイスさん、美羽を追うんでしたよね。…なら多分俺の家に行けば」
    ルイス=クロウ:「足は用意してある」
    ルイス=クロウ:通りがかった支部員を呼び止めて。愛梨彩さんの治療と対応を頼み、
    原谷 狭霧:「……車使うんなら、ビニールシートもお借りしていいっすか?」
    ルイス=クロウ:「手配済みだとも」
    GM:ふむ。ならば支部員は要求された仕事を適切に進めるべく、用意を始めるでしょう。
    原谷 狭霧:「かなり気ぃ張ってる分、座席にクソキノコが付いたら申し訳ないんで……」〈異形の痕〉再使用!
    ルイス=クロウ:「すまない、愛梨彩さん。早苗君を少しだけお借りする」
    水落 愛梨彩:「……ぁ、は……はい……」未だ小さな体を震わせながらも、彼女は頷く。
    水落 早苗:「…いってくるよ、姉さん」
    ルイス=クロウ:「彼女を頼む」支部員へ伝え、部屋を出る
    水落 早苗:舞台に立つ前と変わらない笑顔で、そう告げる
    原谷 狭霧:「……水落先輩。」
    水落 愛梨彩:では――
    水落 愛梨彩:愛梨彩は聞き分け良く、ルイス=クロウの出陣を見送る。
    原谷 狭霧:「責任もって、助けてきます」
    水落 愛梨彩:いつものように水落 早苗が、どこかへ赴くその背を見送る。
    水落 愛梨彩:そして、原谷狭霧
    水落 愛梨彩:「やだっ」
    水落 愛梨彩:愛梨彩の手が、あなたの服の裾を掴む。
    水落 愛梨彩:……それは、咄嗟のことで、何かを考えてそうしたのでもないのだろう。
    原谷 狭霧:「え゛」
    水落 愛梨彩:反射的に手を伸ばしていた。掴んでしまった。その事を認識してから、彼女は消え入るような声で言った・
    水落 愛梨彩:「置いてかないで……」
    水落 愛梨彩:〝家族の心配とか無用だから、せめて都会に行ってくると良いと思うにゃー〟
    水落 愛梨彩:いつぞや、確か、そんな事を言っていた。
    水落 愛梨彩:〝美羽ちゃんみたいに元気な子は、田舎に閉じ込めてちゃ駄目〟
    水落 愛梨彩:〝早苗は都会に出してやりたいし、凪はどこかにお嫁に行くだろうし〟
    水落 愛梨彩:自分を、送り出す側の人間と定めて、誰の背をも押してやろうと。
    水落 愛梨彩:〝あははは、良いよぉ私は。〟
    水落 愛梨彩:いつか、彼女は言っていた。
    水落 愛梨彩:〝だって私、お姉ちゃんだもん〟
    水落 愛梨彩:「いや、一人にしないでっ! 怖いよぉ……!」
    水落 愛梨彩:出来の良い笑顔の仮面は、見る影もなく剥ぎ取られていた。
    原谷 狭霧:「……」〈異形の痕〉を頑張って抑え込む。
    原谷 狭霧:「……先輩。」
    原谷 狭霧:(連れていくわけには……いかねーだろうな。)
    原谷 狭霧:「ふー……」
    原谷 狭霧:「━━愛梨彩……さん。」
    原谷 狭霧:「俺はよう。心配してる人の手を繋ぐのも一苦労する体を持ってんだ」
    原谷 狭霧:「だからこそ、頑張らねーとな」袖を握る彼女の手を自身の手へ繋ぎなおす。
    水落 愛梨彩:「ぁ……」小さな手だ。感情の発露が為か、熱を持っている。
    水落 愛梨彩:ほんの小さな声をあげて、驚いたような顔をした。
    原谷 狭霧:「必ずおかしくなった黒野さんを助けてやる、なんて言えねえ。」
    原谷 狭霧:「一緒に云って傍に立つあなたを守ってやる、なんて格好ついたこともできねー」
    原谷 狭霧:「━━だからこそ、俺は俺にやれることを尽くしてえ。」
    原谷 狭霧:そっと、俺より大きくて、とても小さな体を抱く。
    水落 愛梨彩:戦いを知らない華奢な体だ。刃どころか、投げつけられた石を避ける術すら持ち合わせるまい。
    水落 愛梨彩:少し力を込めれば砕けそうな少女は、あなたの腕の中で、浅い呼吸を繰り返す。
    原谷 狭霧:「俺の邪魔ばっかりしやがるクソキノコはよう。」
    原谷 狭霧:「とっても暖たけーんだ。俺が離れてもな」温もりを分け与える。
    原谷 狭霧:俺とクソキノコの『二つ』分、服の下の命を触れ合わせる。
    原谷 狭霧:「……冷えきる前に、ぜってー戻ります。」
    水落 愛梨彩:少しずつ――少しずつ、呼吸が整う。
    水落 愛梨彩:まだ、怯えている。恐怖はきっと、全てが消えることはあるまい。
    水落 愛梨彩:けれども彼女の手はようやく指を開き、膝の上に置かれて、
    水落 愛梨彩:「……わかった」
    水落 愛梨彩:我が儘をたしなめられた子供のように、俯きながら、そう言った。
    原谷 狭霧:「……あざます。」
    原谷 狭霧:離す前に、もう一度手を握る。
    原谷 狭霧:「……しばしのお待ちを、お姫様」
    GM: 
    GM:では、場面は移る。
    GM:家に帰る、と言ったらしい。
    GM:だがその〝家〟が黒野家の家屋でなかったことは、警察が張った侵入禁止措置のテープやブルーシートを見れば分かるだろう。
    GM:一切、乱れていない。だから彼女の言う〝家〟とはやはり、
    GM:玄関扉の向こうからかすかな物音の聞こえる、水落家のことなのだ。
    GM:扉を開けた直ぐそこで、姿見の大鏡が砕かれていた。
    GM:扉の開け放たれた洗面所の中で、鏡が破砕されていた。
    GM:二階へ上る階段の途中で、割れた手鏡が投げ捨てられている。
    GM:音は二階から聞こえてくる。
    GM:きぃ、きぃ、と何かを引く音。それから、先に聞いた愛梨彩のそれに、良く似た音色のうめき声。
    GM: 
    GM:あなた達は葦原市へ移動し、水落家へ向かう。そこから描写などあれば、どうぞ。
    原谷 狭霧:「あ゛あ゛ーー…………」←時間差でトンデモナイ事を言っていた事実を認識!
    水落 早苗:「何を恥ずかしがることがあるんだい?」
    原谷 狭霧:「いや、大分フカしたこと言っちまったなー、てよぉ……」
    ルイス=クロウ:「男の甲斐性としては悪くない」
    水落 早苗:「いやいや、さっきの君、最高にcoolだったじゃないか」
    原谷 狭霧:「やっぱスターなだけはあんだな、早苗……」
    原谷 狭霧:「ルイスさんまで……ちょっと切り替えねーとなこりゃ……」
    原谷 狭霧:むにむにと頬をいじる。
    原谷 狭霧:「っし、行きましょう!黒野さんはぜってー此処にいるはずなんだ!」菌糸が蠢きだす!
    ルイス=クロウ:「約束とは力だ。我々にとっては、何よりも強いものになる」
    水落 早苗:「ああ、舞台はまだ、終わっていないからね」そう言って、先ほどまでしまっていた裁ち鋏を巨大化させる
    ルイス=クロウ:「……原谷君、水落君。往くぞ」
    原谷 狭霧:「ええ!先行きますよ!」
    GM:あなた達は進む。
    GM:玄関扉を開け放ち、先に記述した通りの光景を過ぎ――
    黒野 美羽:「あ……早苗」階段を上りきった直ぐそこに、黒野 美羽がいた。
    黒野 美羽:「おかえり。思ったより、早かったね」
    水落 早苗:「ただいま、美羽」
    黒野 美羽:あまりにも〝普通〟の調子で、美羽は言う。
    黒野 美羽:だが――その背後に倒れているものを、あなたは見るだろう。
    黒野 美羽:〝それ〟は既に意識など無く、為にあなたが近づこうと、ただ呻くばかりの肉体だ。
    水落 凪:「……ぅ、ぁ……っ」
    水落 凪:両親や兄、姉に可愛がられてのびのびと育ち、今は家族の誰よりも背の高い、少し生意気なあなたの妹は、
    水落 凪:両脚を、奪われていた。
    水落 凪:この場にいる誰よりも背が低くなっていた。
    水落 凪:奪われた二本の脚は、肉のくっついた細切れの骨となって廊下に散らばっている――復元はまず、不可能だろう。
    黒野 美羽:「まだ一人目なのに……もうちょっとゆっくり帰ってきて良かったんだよ?」
    水落 早苗:「…凪と姉さんに随分なことをしてくれるじゃないか」
    黒野 美羽:「だって」
    黒野 美羽:「……この子、嫌いだったんだもん」
    黒野 美羽:「私のことを見下ろして、頭を撫でようとするのが。嫌いだった」
    黒野 美羽:「あとで、もっと短い脚を縫い付けてあげる。子供みたいに短い脚」
    黒野 美羽:「愛梨彩さんも」
    黒野 美羽:「……私を、誰かを、自分と同じものみたいに扱って、こんな町に縛り付けようとするから。嫌いだった」
    黒野 美羽:「あのうるさい口、ちゃんと閉じたままにしてくれた?」
    原谷 狭霧:「…………」ぎち、ぎち。
    原谷 狭霧:微かになる異音は、少年の口腔より響く。
    水落 早苗:「いいや、姉さんは金平糖の精のようにキラキラとしゃべってくれるほうが好みだからね」
    黒野 美羽:「やっぱり、きざな言い回し」
    黒野 美羽:「でもさ、学校の先生とか、テレビのバラエティに出てくる〝教育者〟とか〝コメンテーター〟とか」
    黒野 美羽:「頑張れば未来は開ける、努力すればいいことがある、そんな綺麗な言葉ばっかり言ってるようなのより、ずっと良いよね」
    黒野 美羽:「ねえ、早苗。わかる?」
    黒野 美羽:「あの家さ。いつ帰っても、そんな番組ばっかり流れてるの」
    黒野 美羽:「だから、嫌いだった」
    水落 早苗:「うん」美羽の話を聞きます、そのために来たのだから
    黒野 美羽:「……〝私〟が嫌いだった」
    黒野 美羽:「何にでも、そうだよね、分かるよって馬鹿みたいに繰り返して、自分がなんなのかも見つけられないで」
    黒野 美羽:「こんなつまらない町で人生を無駄にするんだろう自分が、一番嫌いだった」
    黒野 美羽:「嫌いだよ、この世界にあるもの全部。だけど、早苗だけは違う」
    黒野 美羽:「早苗は私に、何かになれとも、何かをしろとも言わなかったもん」
    黒野 美羽:「他の誰でもない私を、早苗だけが好きだって言ってくれた」
    黒野 美羽:「……だから私、頑張ったよ?」
    水落 早苗:「そっか、頑張れたんだ」
    黒野 美羽:「うん。私は自分を好きになれる私になったの」
    黒野 美羽:「自分が嫌いでしょうがなかった私は、一番嫌いだった私は」
    黒野 美羽:「ついさっき、殺したから」
    黒野 美羽: 
    黒野 美羽:Eロイス、開示。
    黒野 美羽:《ファイトクラブ》――自我が分裂し、その内の一つがジャーム化していることを示す。ジャーム化していない人格が表層にある時は、通常の絆を結ぶことさえ可能。
    黒野 美羽:しかし。
    黒野 美羽:既にその〝正常な人格〟は殺されている。故にその最悪の機能、〝正常な人間のように偽装する〟ことはもう出来ない。
    黒野 美羽:ここにいるのはジャームだ。
    黒野 美羽:不可逆の怪物だ。
    黒野 美羽:「だからさ。遠回りしちゃったけど、ここから始めようよ」
    黒野 美羽:「要らないもの全部、少しずつ斬って解して、私達の好きなように縫い合わせて」
    黒野 美羽:「全部」
    黒野 美羽:「全部!」
    GM:ここでジャームは戦闘外ではありますが、
    GM:Eロイス《破滅の足音》を、対象を水落 凪として発動します。
    GM:その効果は、〝1D10+1ラウンド後のクリンナッププロセスに自動的に戦闘不能となる〟。
    GM:リザレクトやタイタス昇華ができない水落 凪が戦闘不能になった場合、ジャームは優先的にそれのとどめを刺そうとします。
    GM:では、ダイスロール。
    GM:1d10+1
    DoubleCross : (1D10+1) → 5[5]+1 → 6

    GM:6ラウンド。さすがにそこまでは行くまい。
    原谷 狭霧:「……黒野さん。」
    原谷 狭霧:「私を殺したってのはよう、どういう事だ」
    黒野 美羽:「……? そのままの意味だよ――えーと、原谷くん?」
    黒野 美羽:「嫌いだった。だから、殺した」
    原谷 狭霧:「……そうかよ」畜生。
    原谷 狭霧:「俺が声をかけた黒野さんは、もういねーってのか」畜生。
    原谷 狭霧:「━━クソ舐めた真似しやがって」畜生!!
    黒野 美羽:「……なにが悪いの」
    黒野 美羽:「私は! 私が一番嫌いだった! いっそ死ねばいいのに、死ぬ勇気もない私が嫌いだった!」
    原谷 狭霧:「俺はよう、謝っておきたかったんだよ。」
    原谷 狭霧:「転校初日からなれなれしく声かけちまったなーとか、」
    原谷 狭霧:「早苗を守れなかったことも。」
    原谷 狭霧:「テメーじゃねえ、黒野さんによう!!」
    原谷 狭霧:「テメーがやったことは、永遠に逃げただけだ!!」
    黒野 美羽:「〝私〟を知らないくせに、勝手なことを言うな!」
    黒野 美羽:「……逃げる必要もなかっただけの誰かが、勝手なこと言わないでよぉ……!」
    原谷 狭霧:「いいや言うぜ!勝手気ままになぁ!!」
    原谷 狭霧:「テメーが弱かろうが強かろうが!俺はテメーが仕出かしたことをぜってーに許さねえ!!」
    原谷 狭霧:「お前が奪ったものを、意地でもわからせてやる!!!」
    原谷 狭霧:怒りの矛先を定める。『正当』なものだと、俺が決める。
    原谷 狭霧:「━━やるぞ、クソキノコ」
    水落 早苗:「…ごめんな美羽、その手は取れない」
    水落 早苗:「俺はいつも言っていた、舞台の上も、この街も、汚れていて、ほつれていて、決してきれいなものではないと」
    水落 早苗:「でもな」
    水落 早苗:「それでもここは、この世界は、俺にとって『愛おしくきらめく世界』なんだ」
    水落 早苗:「それを俺のエゴで、一方的に縫い合わせ、切り取るなんて、できっこない!」
    水落 早苗:「どうせ変わるのだったら、世界より自分のほうを変えてやる!」
    水落 早苗:「何より、姉さんと凪をひどい目に合わせたことは、許したくない!」
    水落 早苗:「それがもうわからないっていうのなら、俺を殺して、美羽をやめてしまえ!」
    黒野 美羽:「……………………」
    黒野 美羽:「……私をやめろ、って」
    黒野 美羽:「それって……死ね、ってこと……?」
    水落 早苗:「少なくとも、俺は大事な人を傷つけた奴に何もできないくらいなら死を選ぶね!」
    黒野 美羽:「そっか」
    黒野 美羽:「……死ね、って言うんだね……アハ、ハハハッ」
    黒野 美羽:「アハハハハハハハハハハ――」
    黒野 美羽:「ごめんね、でも」
    GM: 
    黒野 美羽:Eロイス《傲慢なる理想》と《歪んだ囁き》を使用します。
    黒野 美羽:対象は傲慢なる理想により範囲選択。即ちPC全員。
    黒野 美羽:効果。黒野 美羽へのロイスを取得している場合、そのネガを憎悪に変更した上で、表にしてください。
    黒野 美羽:尤もロイスの感情変更は任意タイミングですので、この効果を適用後、更に変更するかどうかはPC側の自由となります。
    GM: 
    黒野 美羽:――その憎悪は、たった一つを除いた全てに向けられていた。
    黒野 美羽:空間に満ちた悪意は衝動の波となり、あなた達へと叩き付けられる。
    黒野 美羽:悪意にはまるで声があるようだ。
    黒野 美羽:同じものになれ、と。
    黒野 美羽:私を憎め、と。
    黒野 美羽:憎悪に駆られた刃で私を抉ってくれと。
    黒野 美羽:傷つけて欲しい。そう願う声が、あなた達の心に忍び寄る。
    黒野 美羽:「それでも私、早苗が好き」
    黒野 美羽:「だから」
    黒野 美羽:「早苗だけは……殺さないよ」
    水落 早苗:黒野美羽 〇待っているよ/ごめんね→待っているよ/〇憎悪(Eロイス処理)
    水落 早苗:さらに変更を宣言します
    ルイス=クロウ:ロイス未取得のため処理なし
    原谷 狭霧:〈さよならだ。〉黒野 美羽:覚悟/〇憎悪 に感情変更!
    水落 早苗:待っているよ/〇憎悪→ただいま/〇殺せるものなら殺してみろ
    原谷 狭霧:そしてさらにN感情変更!
    原谷 狭霧:〈さよならだ。〉黒野 美羽:覚悟/〇完殺 にて最終決定!
    水落 早苗:ああ、本当に——
    水落 早苗:『うたかたの恋』だったよ
    エンゲージ 屋内、水落邸

    黒野 美羽 水落 凪

    5m

    PC達

    GM:衝動判定をどうぞ。目標値は9です。
    水落 早苗:8dx+4 意志
    DoubleCross : (8R10+4[10]) → 10[3,3,6,6,8,9,10,10]+7[6,7]+4 → 21

    ルイス=クロウ:4dx>=9
    DoubleCross : (4R10[10]>=9) → 9[3,6,7,9] → 9 → 成功

    原谷 狭霧:4dx+3>=9
    DoubleCross : (4R10+3[10]>=9) → 8[2,3,4,8]+3 → 11 → 成功

    原谷 狭霧:83+2d10
    DoubleCross : (83+2D10) → 83+12[3,9] → 95

    ルイス=クロウ:2d10+85
    DoubleCross : (2D10+85) → 18[9,9]+85 → 103

    水落 早苗:水落 早苗の衝動判定で侵蝕率+10(2d10->8,2)上昇(侵蝕率:80->90)
    GM:では、セットアップ
    GM:ありますかな
    水落 早苗:ないです
    ルイス=クロウ:ユニークコード。こちら三人のメジャー判定のダイス+2
    ルイス=クロウ:シーン持続です
    原谷 狭霧:なし!
    GM:強いな……!
    GM:シーン継続2個は強い
    GM:そして美羽も無し!
    GM:ではイニシアチブ。早苗くんの手番となります
    水落 早苗:了解です
    水落 早苗:マイナーで「その刃の名はアンナ・カレーニナ」(緑の鞭L1)コスト2、射程20m、ATK+3の武器作成
    水落 早苗:水落 早苗の侵蝕率2 (侵蝕率:90->92)
    水落 早苗:メジャーで「幻想演算:ナッツ・クラッカー」(コントロールソートL1+コンセントレイト;オルクスL2+形無き剣L3+対抗種)ダメージD+2、ドッジダイス-3、C値-2、メインプロセス終了時にHP-3、コスト6
    水落 早苗:対象は美羽で
    GM:OK,判定どうぞ
    水落 早苗:10dx@8+4
    DoubleCross : (10R10+4[8]) → 10[1,3,5,6,7,7,8,8,10,10]+10[1,2,9,10]+5[3,5]+4 → 29

    GM:回避チャレンジ
    GM:7dx10+1>=29
    DoubleCross : (7R10+1[10]>=29) → 10[2,4,6,8,8,9,10]+4[4]+1 → 15 → 失敗

    GM:無理だった! ダメージ判定どうぞ!
    水落 早苗:5d10+3
    DoubleCross : (5D10+3) → 32[10,1,6,8,7]+3 → 35

    GM:これくらいならまだまだだ! 演出どうぞ!
    水落 早苗:鋏を取り出し、構える
    水落 早苗:そのまま、空間をゆがめてさっと美羽の後ろに回り、刃を振る
    水落 早苗:最も、刃で与える傷はせいぜい服を裂く程度でしかないが
    水落 早苗:背教者が相手だ、これでいい
    水落 早苗:裂かれた服のあたりから、繊維が、美羽を貫く
    黒野 美羽:「ふ――っ、ぐううぅっ……!」背後よりの斬撃を目で追う。肉を貫くのは刃ではなく、変形した異形の繊維。
    黒野 美羽:「そうやって……使うんだね……ハハッ、アハハハハハッ……!」
    黒野 美羽:人間なら致命傷、背面から胸を刺し貫かれながら、化け物は笑った――
    GM:Eロイス《暗き歓び》
    原谷 狭霧:なっ
    GM:ジャーム黒野 美羽はダメージを受けるごとに、シーン中のあらゆる判定の達成値が+2となります。
    GM:その衝動は――《自傷》だ。
    黒野 美羽:「……それも、覚えたよ」
    GM:――おかしいとは思わなかったか?
    GM:美羽が化け物と呼んだのは、あなただけだ。
    GM:他に二人、そこにはオーヴァードがいた。うちの一人は顔すらも変わる、まさに異形だ。
    GM:ならば美羽が、あなただけを指して化け物と呼んだには理由が有る。
    水落 早苗:水落 早苗の侵蝕率6 (侵蝕率:92->98)
    水落 早苗:水落 早苗のHP-3 (HP:28->25)
    GM:では。
    GM:イニシアチブ。黒野 美羽の手番だ。
    原谷 狭霧:ちょおっと待ちねぃ!
    GM:転身来るかい?
    原谷 狭霧:転身……切るぜッ!
    原谷 狭霧:物理で塞いで至近攻撃を絶つぞ!
    GM:ふふ……そうかそうか、ならばどうぞ!
    原谷 狭霧:結構悩むが……致命的なアレではないと信じたい!
    原谷 狭霧:黒野さん行動前にエンゲージだッ
    GM:よかろう、エンゲージ!
    原谷 狭霧:侵蝕95→100 良ければ演出!
    GM:ごー!
    原谷 狭霧:「……」その少年は、無造作に歩み始めた。
    原谷 狭霧:一歩、二歩。無防備なまま。
    原谷 狭霧:なり果てた少女へと、近づいていく。
    原谷 狭霧:「……レディーファーストだ」三歩。
    黒野 美羽:「……………………」
    黒野 美羽:「……じゃあ、先手で殺すね、原谷くん」
    原谷 狭霧:「俺はこう見えて紳士的なんでな」四歩。
    黒野 美羽:「知らない人だから、嫌いとか好きとか考えたこともなかったけど」
    黒野 美羽:「ついさっき、大嫌いになったよ」
    原谷 狭霧:「やってみろよ」五歩。
    原谷 狭霧:「俺もたった今、大嫌いになったんでな」歩みを止める。
    原谷 狭霧:黒野 美羽は。俺の目の前にいる。
    GM:では、美羽の手番だ。
    GM:――そして、あなた達は程なく知るだろう。
    GM:彼女がただ一人、水落 早苗だけを化け物と呼んだ理由、それは。
    黒野 美羽:マイナー、《緑の鞭》
    黒野 美羽:射程20m、攻撃力9の白兵武器を作成、装備する。
    GM:メジャー、《コントロールソート》+《コンセントレイト:ノイマン》+《形無き剣》+《要の陣形》
    GM:対象は要の陣形により、PC3人全員。形無き剣は侵蝕を含めてレベル5に到達している為、ドッジダイスは-5される。
    GM:命中判定
    GM:12dx7+2
    DoubleCross : (12R10+2[7]) → 10[2,3,3,3,4,4,5,8,9,9,10,10]+10[2,3,3,4,10]+6[6]+2 → 28

    GM:リアクションをどうぞ
    ルイス=クロウ:ダイスブースト加えても振れませんね、命中
    原谷 狭霧:〈復讐の刃〉。
    水落 早苗:同じく命中です、ダメージください
    原谷 狭霧:リアクション放棄でダメージ頂くぜ!
    GM:OK,ではまず先にダメージ出します
    GM:むろんここに乗るのは
    GM:D《対抗種》
    水落 早苗:対抗種…!
    GM:5D+10+9
    DoubleCross : (5D6+10+9) → 15[2,2,3,4,4]+10+9 → 34

    GM:みすった
    GM:5d10+9
    DoubleCross : (5D10+9) → 14[6,1,1,1,5]+9 → 23

    GM:続いて復讐の刃の判定どうぞ!
    水落 早苗:装甲もろもろ有効ですか?
    GM:あ、有効です。ガードも有効。
    水落 早苗:装甲で8点はじいて15点受けます
    水落 早苗:水落 早苗のHP-15 (HP:25->10)
    ルイス=クロウ:こちらは食らって戦闘不能、山名君のロイスをタイタス化して蘇生します
    原谷 狭霧:HP31から23ダメの装甲分8引いて残り15!
    原谷 狭霧:HP31→16 このまま反撃命中判定行きます!
    GM:OK!
    原谷 狭霧:10dx7+4 ダイスブースト込みのはず!
    DoubleCross : (10R10+4[7]) → 10[1,3,4,4,4,6,7,7,8,10]+10[1,3,4,8]+3[3]+4 → 27

    GM:復讐の刃はリア不、ダメージどうぞ!
    原谷 狭霧:3d10+2d10+11 決闘者の剣と対抗種バフ込み!
    DoubleCross : (3D10+2D10+11) → 27[8,10,9]+6[3,3]+11 → 44

    GM:けっこうガリっと言ったな……!
    GM:では演出を
    原谷 狭霧:侵蝕100→106
    HP16→13

    黒野 美羽:「……こうやって――」
    黒野 美羽:虚空に腕を振りかぶる。光がきらりと揺れて、或いはその時に見えたかも知れない。
    黒野 美羽:美羽の指先から伸びるそれは、〝糸〟であった。
    黒野 美羽:「――こう!」
    黒野 美羽:腕を振り抜く!
    黒野 美羽:その腕の動きに呼応して、あなた達の周囲の空間が歪み――そこから突き出されたものは、針だ。
    黒野 美羽:衣服を貫けば、その着弾地点の繊維をも針と換えて肉を穿つ、対抗種のレネゲイドウィルスによる全方向刺突!
    原谷 狭霧:「がっ……!?」服の至る所から体内へ異物が穿孔する感触。遅れて来る激痛。
    原谷 狭霧:━━どうってことはない。クソキノコが受け止めてやがるし、異物感なんざいつもの事だ。
    原谷 狭霧:「じゃあ、『遠慮なく』だ」一拍の間を置き
    原谷 狭霧:少年の体に押し込められた菌糸が食らいつき、軌跡を追うように飛び出た『火炎』が少女を焼き払う。
    黒野 美羽:「この、程度ぉっ!!」肉を喰らい、焼く、肉体を侵略するその菌糸を。歯を噛み締めて苦痛に耐える。
    黒野 美羽:肉体の損壊が始まる。崩れた端から、傷口は縫い合わされ、埋められる。
    黒野 美羽:傷を受ける度に少女の肉体は、より化け物らしく変貌していく。
    GM:では、お次。
    GM:行動値6の二人、いずれか!
    原谷 狭霧:見せ場的にルイスさんにお譲りするべきか
    ルイス=クロウ:じゃあ先に動きましょう
    ルイス=クロウ:追記で、黒野美羽へのロイス感情変更を。Nを憎悪に変更して、書き換えはまた少し後に
    ルイス=クロウ:マイナーでスペルブック起動、メジャーで《エクスプロージョン》《ツインバースト》《砂の加護》で黒野美羽を攻撃
    GM:判定どうぞ
    ルイス=クロウ:判定直前にリーダーズマーク使用、RC判定+5。ツインバーストと合わせて残り使用回数1回
    ルイス=クロウ:12dx+8
    DoubleCross : (12R10+8[10]) → 9[1,3,4,5,5,5,6,6,8,9,9,9]+8 → 17

    ルイス=クロウ:ドッジ不可
    GM:おのれいけそうな数値なのに! ガード!
    GM:ダメージどうぞ
    ルイス=クロウ:2d10+27
    DoubleCross : (2D10+27) → 3[2,1]+27 → 30

    ルイス=クロウ:ひどいな、30点装甲有効
    GM:humu,
    GM:この数値だと……少し揺らぎ始めたが、まだ戦える
    GM:ダメージ演出どうぞ!
    ルイス=クロウ:「起動せよ、我が手稿」
    ルイス=クロウ:部屋の中。彼の手の内にある書が開き、頁が舞う
    ルイス=クロウ:憎悪に包まれた精神を、俯瞰するように。もう一人の己は思考する
    ルイス=クロウ:彼女は悪くはなかった。ただ、その幼い少女性に現実は重すぎた
    ルイス=クロウ:行ったことは許されない。されど、折れてしまったことを私は責められない
    ルイス=クロウ:すまない。ただ一言、口の中で呟いた
    ルイス=クロウ:「目標指定<ロック>。加速<カット>、発動<キャスト>」
    ルイス=クロウ:頁が光の矢へ変質する
    ルイス=クロウ:──だがこれは。私にとっては
    ルイス=クロウ:“ありふれた、よくあること”に過ぎない
    ルイス=クロウ:黒野美羽のロイス感情を変更します。「義務/〇無関心」へ
    ルイス=クロウ:呪いたければ呪いたまえ。間に合わなかった私を、これをありふれたものだと割りきった私を
    ルイス=クロウ:一斉に光の矢が彼女へ殺到する
    黒野 美羽:「……!」速い。
    黒野 美羽:破壊力ならば、思考して対応する。だが、思考の余地が無い速度へ対抗するには、
    黒野 美羽:初手は――生物の常。〝咄嗟の反射〟で守る他はなかった。
    黒野 美羽:左腕で頭部を庇いしゃがみ込む。まるで怯える子供のような格好で。
    黒野 美羽:……全ての光の矢が過ぎ去った時、その左腕はとうに炭化して崩れていた。
    黒野 美羽:「……これも、覚えた」けれども。
    黒野 美羽:怪物は、ノイマン能力由来の思考力で〝学習〟する。
    ルイス=クロウ:「──やはり、決定打には遠いか」
    黒野 美羽:「そうだね、おじさん」
    ルイス=クロウ:「ならば、根比べだな。お嬢さん」
    黒野 美羽:「……それはやだなぁ。痛いし、苦しいし」
    黒野 美羽:「けど」
    黒野 美羽:「痛いけど、苦しいけど――これじゃ私は死なない」
    黒野 美羽:糸が虚空に舞う。
    黒野 美羽:失われた左腕の代わり、肩口に集う赤と黒の糸。
    黒野 美羽:それは既に、人の腕となんら遜色のない動作をする〝義手〟として成形されていた。
    GM:では
    GM:原谷くんの手番だ。
    原谷 狭霧:ヨッシャァ!
    原谷 狭霧:マイナーはスルー!メジャーで攻撃!
    GM:判定こい!
    原谷 狭霧:コンボ:胞子目つぶし!侵蝕ボーナスも加わりコンセ3炎の刃2!
    原谷 狭霧:10dx7+4 ダイスボーナス込み!
    DoubleCross : (10R10+4[7]) → 10[1,3,3,4,4,5,6,7,9,9]+10[1,1,8]+5[5]+4 → 29

    原谷 狭霧:うーん惜しい。このままダメージ!
    原谷 狭霧:3d10+2d10+11 さっきと同じ!
    DoubleCross : (3D10+2D10+11) → 11[1,6,4]+15[7,8]+11 → 37

    GM:む?
    GM:リア不です?
    原谷 狭霧:アッごめんなさいリアクションOKです!!!
    GM:おk
    GM:高めだが……今まで3回のダメージを受けている……回避!
    GM:7dx+7>=29
    DoubleCross : (7R10+7[10]>=29) → 10[1,1,3,6,9,10,10]+8[1,8]+7 → 25 → 失敗

    GM:惜しい
    原谷 狭霧:ヒィ
    ルイス=クロウ:がんばるな
    GM:では改めて37ダメージ!
    GM:ふむ、このダメージ量だと
    GM:だんだんふらついて来たな!
    原谷 狭霧:侵蝕106→110
    HP13→10

    GM:演出あるなら!
    原谷 狭霧:はーい!
    原谷 狭霧:長く息を吐く。服はさっき受けた攻撃とクソキノコのせいでボロボロだ。
    原谷 狭霧:ならいいだろう。
    原谷 狭霧:━━服の下から分かるほどに右腕へ菌糸が集まり、異形の腕を形作る。
    原谷 狭霧:「俺はよう。今ものすげー怒ってる」
    原谷 狭霧:「テメー『ら』にだ。黒野美羽」
    黒野 美羽:「……意味がわかんない」
    原谷 狭霧:「早苗とテメーらにどんな話があったかは知らねえ」
    原谷 狭霧:「でも早苗はあの時『待ってる』って言ったんだよ。体張って守った早苗を拒絶したテメーらの事を。」
    原谷 狭霧:「テメー『ら』が早苗の家族にしたことはその答えのつもりなのか?」
    原谷 狭霧:自分の仕出かしたことから逃げるために自分をぶっ殺して、
    原谷 狭霧:自分を罰してもらうためだけに、大切な人を壊す。
    原谷 狭霧:「━━ここからは、俺も八つ当たりだ。」
    原谷 狭霧:異形の右腕が発火する。
    原谷 狭霧:「受け止めてみろや!早苗の対大切な者を助けられなかった俺の分もよぉ!!」
    原谷 狭霧:ありったけの憎悪を込めた右腕を振り下ろし━━
    原谷 狭霧:形象された炎の刃が、化け物『二人』を焼き払う。
    黒野 美羽:二人――そうだったかも知れない。
    黒野 美羽:だがもう、一人だ。
    黒野 美羽:この体にて作動する人格はもはや一つ。……そして、その一つはおぞましい事に
    黒野 美羽:決してもう一つの人格と、激しく乖離している訳ではない。
    黒野 美羽:「……うるさい、黙ってよ……黙れよ……!」
    黒野 美羽:燃え上がる肉体。焼け落ち、喰らわれる。その端から糸が修復を始める。
    黒野 美羽:もはや体組織の七割以上は、自らが生み出した〝糸〟に置き換わっているだろう――
    黒野 美羽:「……知らないくせに!」
    黒野 美羽:「〝お前は何にもなれない〟〝どこへもいけない〟〝ずっと檻に閉じ込められたまま死ぬ〟って」
    黒野 美羽:「言われ続けて育った私の気持ちなんて、なんにも知らないくせに……!」
    原谷 狭霧:「テメーこそ知らねーだろうな!」
    原谷 狭霧:「ある日いきなりクソキノコに寄生されて今までの暮らしも全部投げ捨てる羽目んなった」
    原谷 狭霧:「クソ馬鹿げた宝くじで人生ぶっ壊された奴なんてよぉ!!!」
    黒野 美羽:「知らないわよ! どこかの誰かの〝俺だって不幸だから我慢しろ〟なんて話!」
    黒野 美羽:「あんたがどうだったかなんて、知らない……!」
    黒野 美羽:「私は……私が……ずっと、苦しかった……」
    GM:では、クリンナップとセットアップは纏めて行ってしまおう
    GM:どちらか有る人!
    ルイス=クロウ:なし
    水落 早苗:ないです
    原谷 狭霧:なし!
    GM:では
    GM:セットアップ《異形への変貌》
    原谷 狭霧:なっ
    GM:シーン中、黒野 美羽が受ける侵蝕ダイスボーナスは2倍になる
    GM:現在の侵蝕率は200。ダイスボーナスは6個受け取っているので
    GM:これからはそこにさらに6個増えるよ
    GM:では続いてイニシアチブですが
    GM:《加速する刻》
    原谷 狭霧:ゲゲゲェーッッッ
    GM:イニシアチブにてメインプロセスを行い、行動済みにならない
    GM:という訳で
    GM:マイナー無し。メジャー、《コントロールソート》+《コンセントレイト:ノイマン》+《形無き剣》+《要の陣形》
    GM:対象はPC3人全員。ダメージ回数は4回なので固定値が+8。判定
    GM:18dx7+8
    DoubleCross : (18R10+8[7]) → 10[1,1,1,3,3,4,4,4,5,5,5,6,7,7,7,9,9,9]+10[1,4,6,6,7,10]+10[8,10]+10[2,9]+1[1]+8 → 49

    GM:いずれにせよだいぶ回るなぁ
    GM:リアクション!
    水落 早苗:ドッジできません、受けます
    原谷 狭霧:〈復讐の刃〉ァ!
    ルイス=クロウ:受けます
    GM:7d10+9 ダメージ
    DoubleCross : (7D10+9) → 43[8,8,10,9,2,1,5]+9 → 52

    水落 早苗:リザレクト!
    GM:復讐の刃判定どうぞ!
    原谷 狭霧:死!黒野 美羽さんのロイスをタイタス昇華復活!
    水落 早苗:水落 早苗のHP-10 (HP:10->0)
    原谷 狭霧:HP15で反撃開始だ!
    原谷 狭霧:10dx7+4 数字はそのままのはず!
    DoubleCross : (10R10+4[7]) → 10[2,3,4,5,6,6,6,7,8,10]+10[2,5,9]+10[9]+4[4]+4 → 38

    原谷 狭霧:リア不!このままダメージ行きます!
    原谷 狭霧:4d10+2d10+11 装甲とか有効!
    DoubleCross : (4D10+2D10+11) → 15[3,6,5,1]+10[9,1]+11 → 36

    GM:えーと、これだと
    GM:……かなり、ギリギリのラインまで追い詰めている!
    GM:が、次に一発で仕留められるかは怪しい!
    黒野 美羽:「ガアアアアァアァァァァッ!!!」怪物が咆哮し、糸を振るう。
    黒野 美羽:用いるのは――壁の中に〝縫って〟隠した針だ。
    黒野 美羽:突き刺されば繊維を変質させ肉体を貫く針が、周囲の壁からあなた達へと射出される!
    ルイス=クロウ:美羽さんのロイスをタイタス昇華して蘇生
    水落 早苗:水落 早苗のリザレクト(侵蝕率:98->102)
    原谷 狭霧:「なりふり構わなくなってきたなぁオイ!」クソキノコの菌糸防御もぼちぼち限界だ。
    原谷 狭霧:「このまま根競べと洒落こもうじゃねーか!!」だが、喰らい返す炎の勢いはなおも燃え盛る。
    ルイス=クロウ:着ているコートも既に襤褸切れだ。しかし、まだ終わりではない
    水落 早苗:お気に入りのTシャツが、パーカーが、千々に切れていく
    水落 早苗:だが、まだ、終われないし終わらない。糸を繰り、服を再構成し、立ち上がる!
    原谷 狭霧:侵蝕110→116
    HP15→12

    水落 早苗:マイナーなし
    水落 早苗:メジャー
    水落 早苗:「スワン・レイク」(コントロールソートL2+コンセントレイト;オルクスL3+形無き剣L4+対抗種)ダメージD+2、ドッジダイス-4、C値-3、メインプロセス終了時にHP-3、コスト6
    GM:判定どうぞ!
    水落 早苗:11dx@7+4
    DoubleCross : (11R10+4[7]) → 10[1,1,1,2,2,2,3,5,8,8,9]+10[5,6,9]+6[6]+4 → 30

    GM:回避チャレンジ
    GM:13dx10+11
    DoubleCross : (13R10+11[10]) → 10[1,1,2,3,3,3,4,5,7,7,7,9,10]+3[3]+11 → 24

    GM:おのれ
    GM:ダメージどうぞ!
    水落 早苗:6d10+3
    DoubleCross : (6D10+3) → 26[2,2,8,10,2,2]+3 → 29

    GM:29
    GM:……おそらく、次の一撃で沈む!
    GM:演出行きます?
    水落 早苗:はい
    水落 早苗:服を作り直し、立ち上がり、また舞うように美羽を
    水落 早苗:いや、もはや糸と布で作られた美羽の姿をした、ぬいぐるみを切り刻む
    水落 早苗:構成しなおした服が、自分の身も突き刺して、痛いけど
    水落 早苗:美羽がこれまで負ってきた痛みに比べれば、些末なことだ
    黒野 美羽:糸が切れる。布が切れる。その下に僅かに残る肉や骨が、砕かれていく。
    黒野 美羽:美羽であったものが失われていく。
    黒野 美羽:黒野 美羽という人間の痕跡が、少しずつ、この世界から消えていく。
    黒野 美羽:「痛い、痛い、痛い、痛い痛い痛い痛い痛い」呻く声。嘆く声。だが、それと平行して――
    黒野 美羽:「覚えた、これも覚えた、覚えた、覚えた、覚えた――」
    黒野 美羽:――怪物は、育つ。
    水落 早苗:「ええい、俺を殺さずとも自分をやめるつもりか!」
    黒野 美羽:「……うん」
    黒野 美羽:「私のこと、嫌いでしょ?」
    黒野 美羽:「作り直すから、待っててね」
    水落 早苗:「嫌ってなんかないさ、好きだっただけで」
    水落 早苗:「もう、恋した人が死の上に死を上塗りしていくのが見てられないだけだ」
    黒野 美羽:「そっか」
    黒野 美羽:「……そっかぁ」
    黒野 美羽:「ごめんね、早苗」
    黒野 美羽:「もうちょっとだけ待っててくれたら……なにも辛いことなんかなくなるから」
    黒野 美羽:怪物は、育つ。
    GM:ではこのまま、美羽の手番となる。
    GM:マイナー無し。メジャー、《コントロールソート》+《コンセントレイト:ノイマン》+《形無き剣》+《要の陣形》
    GM:対象はPC3人全員。ダメージ回数は6回なので固定値が+12。判定
    GM:18dx7+12
    DoubleCross : (18R10+12[7]) → 10[1,1,1,1,2,2,2,3,4,5,6,6,7,7,7,9,9,9]+10[2,4,6,6,6,7]+4[4]+12 → 36

    水落 早苗:そのまま受けます
    ルイス=クロウ:食らいます
    原谷 狭霧:〈復讐の刃〉ァ!!!
    GM:ではダメージ
    GM:6d10+9
    DoubleCross : (6D10+9) → 27[7,7,1,5,6,1]+9 → 36

    GM:そして復讐の刃判定どうぞ
    原谷 狭霧:クソキノコロイスをタイタス昇華してHP15で復活!
    原谷 狭霧:判定行くぜ!
    原谷 狭霧:10dx7+4
    DoubleCross : (10R10+4[7]) → 10[1,2,5,7,7,8,9,9,10,10]+10[1,2,8,8,10,10,10]+10[1,3,3,8,8]+6[6,6]+4 → 40

    原谷 狭霧:オルルァ!!!ダメージ!!!
    原谷 狭霧:5d10+2d10+11
    DoubleCross : (5D10+2D10+11) → 26[3,3,10,7,3]+11[6,5]+11 → 48

    GM:……撃破。復活エフェクト等々はありません。
    原谷 狭霧:侵蝕116→122
    HP12

    GM:各人それぞれ侵蝕とかの処理をして、それから原谷くん演出どうぞ
    水落 早苗:さっきの対抗種のHPで残り1になっていたので死にます、そしてこのタイミングで空いてたロイス取りたいです
    GM:ロイスOK!
    水落 早苗:さようなら 赤と白の糸 〇決別/悔悟
    水落 早苗:これをタイタスにして復活します
    水落 早苗:あと侵蝕処理を
    水落 早苗:水落 早苗の侵蝕率6 (侵蝕率:102->108)
    ルイス=クロウ:原谷君のロイスをタイタス昇華、蘇生。すまんね
    原谷 狭霧:「━━」迫りくる糸をじっと見据える。
    原谷 狭霧:避け方なんざ知らねぇ。針は突き刺さり、菌糸が蠢きだす。
    原谷 狭霧:「……早苗。」そんなクソみてーな痛みの中で、たまにわかる時がある。
    水落 早苗:「…なんだい、Mr狭霧」
    原谷 狭霧:「すまねえ。黒野さんの体残せるかわかんねーや」これで決まる。
    水落 早苗:「…その一言が出る時点で、君を責めたりはしないさ」
    水落 早苗:「…こちらこそすまない」
    水落 早苗:「本当は、俺自身の手でケリをつけるべきだった」
    原谷 狭霧:「……ヘッ、こりゃあお互い様って奴だな」
    水落 早苗:「…そうだな」
    原谷 狭霧:━━菌糸が針の軌跡を飲み込み返していく。
    原谷 狭霧:一つの命の終焉を、新たな『養分』を。
    原谷 狭霧:カエンタケは見逃さない。
    黒野 美羽:――食い荒らされて行く。何もかもが。
    黒野 美羽:僅かに残った肉体さえも糸に置き換え――その糸が喰らわれ、朽ちる。
    黒野 美羽:喰う、喰われる。極めて原始的な関係性の戦いの末に――
    黒野 美羽:「――ぁ」
    黒野 美羽:小さな声が、一つ聞こえた。
    GM: 
    GM:……あなた達は感じ取るだろう。水落家に張り巡らされていた糸が消え去ったことを。
    GM:〝ジャーム〟の力もとうとう潰えて、そこに転がっているものは、
    GM:腕も脚も失い、糸で編まれた胴体に、どうにか生前の面影のある頭部だけがくっついたものは、
    GM:もう間もなく、死ぬのだということを。
    黒野 美羽:「早苗……ねぇ、早苗……」
    水落 早苗:「…美羽」
    黒野 美羽:屋外の風の音よりか細い声が、呼ぶ。
    黒野 美羽:「やだ」
    黒野 美羽:「私、こんな町で死にたくない」
    水落 早苗:「うん」
    黒野 美羽:無くなった腕で虚空を掻く。失われた脚で、立ち上がろうとする。
    黒野 美羽:いずれも無為。だから、美羽はあなたを呼ぶのだ。
    黒野 美羽:「……連れていって」
    水落 早苗:ではそれを、抱きとめる
    水落 早苗:「…」
    水落 早苗:一瞬、嫌な想像を、できなかった時の想像をしてしまう
    水落 早苗:だが
    水落 早苗:「…わかったよ、必ず、連れて行くから」
    水落 早苗:願ったこと、守りたいもののために走り出す、全部この手で叶える
    水落 早苗:それが、俺がありたいと思った姿だから
    黒野 美羽:抱き留められた体は、軽かった。
    黒野 美羽:それこそぬいぐるみのような。
    黒野 美羽:空洞になってしまった少女は、言う。
    黒野 美羽:「N市に――連れてって」
    水落 早苗:「ああ」
    水落 早苗:「…ルイスさん、狭霧くん、凪を頼みます」
    ルイス=クロウ:「承った」
    ルイス=クロウ:それ以外の言葉は、不要であろう
    水落 早苗:そういって、2階の窓からすっと飛び降り、N市に向かって歩き出します
    GM:では――
    GM:あなたは、行くのだろう。
    原谷 狭霧:「……行ってこい」

    クライマックス2:大好き


    GM:PC1、水落 早苗
    GM:登場侵蝕をどうぞ。
    水落 早苗:水落 早苗シーンイン (侵蝕率:108->110)

    GM:――あなたは、歩いている。
    GM:電車も無い。道路には車の影も無い。
    GM:街灯さえ僅かの道を、あなたは南へと歩いて行く。
    GM:町から離れれば、夜空は思った以上に明るい。
    GM:小さな町とは言え人工の灯りは強いのだ。だからきっと、こんな星空を、
    GM:彼女と見ることはこれまでも、これからも無いのだろう。
    黒野 美羽:「……そら、凄いね」
    水落 早苗:「ああ、とてもきれいだ」
    黒野 美羽:「月が出てたら、もっといいのにね」
    水落 早苗:「ははっ、綺麗な月ならもう俺の腕の中にいるからいいんだよ」
    黒野 美羽:「……また、きざなこと言ってる」
    黒野 美羽:化け物の顔をして、少女は笑う。
    黒野 美羽:「……ほら、やっぱりやってみたいじゃん」
    黒野 美羽:「月が綺麗ですね、って言って」
    黒野 美羽:「死んでもいいわ、って返してもらうやつ」
    水落 早苗:「あー、あれか、あれもいいけど」
    水落 早苗:「やっぱり、こういう気持ちは俺自身の言葉で伝えたいかな、駄目?」
    黒野 美羽:「……いいけど、ちょっとだけ待って」
    黒野 美羽:「まだ心の準備が出来てないから……あとちょっとだけ」
    水落 早苗:「…ごめん、待っていたらいなくなってしまいそうだから、ここだけは待てない」
    黒野 美羽:「あははは……そうだった」
    黒野 美羽:「ごめん、忘れてた」
    黒野 美羽:「……普通に、明日が来て、明後日が来るんだって思ってたけど」
    黒野 美羽:「そうじゃないんだもんね」
    水落 早苗:「…大好きだ、美羽。後にも先にもない、誰でもない『水落早苗』を待ってくれていた君が」
    黒野 美羽:「……………………」
    黒野 美羽:「……ありがとう」

    GM:あなたは、歩いている。
    GM:もう町の光はどこにも見えない。
    GM:山の間を歩いていくあなた達を送るのは、ようやく聞こえ始めた虫の音だ。
    黒野 美羽:「私さ」
    黒野 美羽:「……全部、全部嫌いって言ったけど」
    黒野 美羽:「こういう綺麗な音とか、綺麗なものとか……考えてみたら、好きだな」
    水落 早苗:「…そうかい、嬉しいな。俺もこういうところは、好きだから」
    黒野 美羽:「うん」
    黒野 美羽:「……あーあ、見たかったなぁ。早苗がバレエでスターになるとこ」
    黒野 美羽:「アメリカなんか行くんだもん、おっかけられないじゃん」
    水落 早苗:「…そのことなんだけどさ」
    水落 早苗:「俺、スターになるのはやめるよ」
    黒野 美羽:「……なんで?」
    水落 早苗:「舞台は楽しい、踊るのも好き、浴びる喝采も悪い気はしない」
    水落 早苗:「けど、どこかで俺は喝采を失うことを恐れていた、心のどこかで俺をあざ笑っていた連中と同じ気持ちを持っていた」
    黒野 美羽:「……………………」
    水落 早苗:「今回のことで気づいたよ、それは最悪だって、君の嫌いだったものと同じになってしまう」
    黒野 美羽:「……もったいないなぁ……けど、しかたないか」
    黒野 美羽:「早苗の決めたことだもんね」
    水落 早苗:「だから、俺は自分に恥じない自分であるために、君の好きな俺そのものであるために、表に立つのは辞めるよ」
    水落 早苗:「なあに、踊るのをやめるわけじゃないさ」
    黒野 美羽:「じゃあこれから……どうするの?」
    水落 早苗:「高校出たら、N市で大学見つけて、どこかのダンススタジオで踊りながら、後進育成。かなあ」
    黒野 美羽:「……そっか」
    水落 早苗:「平凡すぎてお気に召さなかったら、それはそれで悲しいけど」
    黒野 美羽:「ううん、そんなことないよ」
    黒野 美羽:「でも、ちょっと想像できなくって」
    黒野 美羽:「歳を取って背が伸びた早苗がさ」
    水落 早苗:「俺が?」
    黒野 美羽:「あはははっ」

    GM:――あなたは歩いた。歩き続けた。
    GM:やがて、空が白みはじめるころ。あなたは辿り着くのだろう。
    GM:曲がりくねった山道の開けたその箇所からは、N市の風景が一望できた。
    GM:港が見える。工業地帯が見える。ビル群が見える。
    GM:早朝。まだ街は眠っているのだろう。その喧騒はあなたのいるところまでは届かない――
    黒野 美羽:「……わぁ」
    水落 早苗:「よかった、辿り着けて」
    黒野 美羽:少女は笑っている。
    黒野 美羽:……あなたの腕の中では断続的に、しゅる、しゅる、と音が鳴っていた。
    黒野 美羽:欠損する部品を補う為に糸を生成し、体をつなぎ止める行為の繰り返し。
    黒野 美羽:歩き始めたころよりずっと、黒野 美羽は軽くなった。
    黒野 美羽:その音も、もう、止んだ。
    黒野 美羽:「ありがとう」
    黒野 美羽:「……ごめんね」
    水落 早苗:「…いいや」
    水落 早苗:「謝らなくていいんだ、笑っておくれ」
    黒野 美羽:「ううん、ごめん……最後まで私、これだけは変わらないの」
    黒野 美羽:「私、やっぱり、あの小さな町が嫌い」
    黒野 美羽:「私を閉じ込めてたあの町が嫌いで――」
    黒野 美羽:「広くて、なんでもあって、なんにでもなれる、この街が好き」
    水落 早苗:「そっか」
    水落 早苗:否定も、肯定もしない、美羽が思っていることだから
    黒野 美羽:「早苗、はさ」
    黒野 美羽:「……この街は、好き……?」
    水落 早苗:「俺は…」
    水落 早苗:「好きだよ、あの街も、この街も、この世界すべてが」
    黒野 美羽:「かっこいいなぁ……あははは」
    黒野 美羽:苦笑い。けれども、彼女は笑って――
    黒野 美羽:「――ふわ、ぁ」
    黒野 美羽:欠伸をした。押さえる手もなく、大口を開けて。
    水落 早苗:「眠るのかい」
    黒野 美羽:「……うん、まだ寝たくないのに」
    水落 早苗:「そうか…」
    黒野 美羽:「大好きだよ、早苗」
    水落 早苗:「おやすみ、俺も大好きだ」
    黒野 美羽:「私を好きになってくれたからとか……そんなことじゃなくて……」
    黒野 美羽:「……たぶん、もっと簡単に……」
    黒野 美羽:瞼が下りそうになる――眠たげな目を無理に開く。
    黒野 美羽:最期に一つくらい、頼まれた事を叶えようとして、笑う。
    黒野 美羽:いつか、もう戻らない日に見せていたような、無垢な笑顔ではない。
    黒野 美羽:化け物の笑顔だ。
    黒野 美羽:けれども少女は、微笑みながら目を瞑る。
    黒野 美羽:「……ありがとうね」
    黒野 美羽:「楽しかった」
    水落 早苗:「ああ」
    GM:――糸がほつれる。
    GM:レネゲイドコントロール由来の糸は、その痕跡すら地に残すことなく、
    GM:空に塵すら残すことなく、崩れて消える。
    GM:少女の亡骸さえも残さず――けれど。
    GM:まだその体温を、あなたの手が覚えているだろう。
    GM:その声をきっと、あなたが覚えているだろう。
    GM:それは秋の初めの、とある朝のことだった。
    GM:一人の少女が、笑って死んだ。

    バックトラック


    GM:バックトラック!
    GM:まずはEロイス。
    GM:山名が《原初の恐怖》。美羽が《破滅の足音》《ファイトクラブ》《傲慢なる理想》《歪んだ囁き》《暗き歓び》
    GM:合計で6個となりますが、振りますか?
    原谷 狭霧:頂くぜ。喰らったものの責任だ
    水落 早苗:同じく、背負わないといけないから
    ルイス=クロウ:いただきます
    原谷 狭霧:122-6d10
    DoubleCross : (122-6D10) → 122-33[1,9,3,9,8,3] → 89

    GM:ではどうぞ。そのまま通常ロイス分も!
    ルイス=クロウ:115-6d10
    DoubleCross : (115-6D10) → 115-19[6,2,1,5,4,1] → 96

    水落 早苗:110-6d10
    DoubleCross : (110-6D10) → 110-32[1,3,4,5,10,9] → 78

    水落 早苗:等倍で
    ルイス=クロウ:78-4d10
    DoubleCross : (78-4D10) → 78-17[4,1,7,5] → 61

    原谷 狭霧:帰還は確定!等倍振りだ!
    水落 早苗:残ロイス5
    ルイス=クロウ:下がりすぎですね、まぁよし
    水落 早苗:78-5d10
    DoubleCross : (78-5D10) → 78-31[2,4,8,9,8] → 47

    原谷 狭霧:89-4d10 残ロイス4!
    DoubleCross : (89-4D10) → 89-23[3,8,2,10] → 66

    原谷 狭霧:侵蝕分4点!
    GM:では経験点ですが
    GM:いつもの5点! シナリオ目標達成10点!
    GM:そこに侵蝕分を足してください
    水落 早苗:18点拝領します
    原谷 狭霧:19点。
    原谷 狭霧:頂きます。
    ルイス=クロウ:19点拝領します
    GM:56/3
    GM:端数切り捨て18点!
    原谷 狭霧:切り上げだと19!
    GM:えーと
    GM:切り捨てであってた!
    原谷 狭霧:切り捨てだったぜ……
    GM:ということで皆様……お疲れ様でした
    水落 早苗:お疲れさまでした!!!!
    GM:後はエンディングだけですが、これまた明日でよろしいでしょうか?
    原谷 狭霧:お疲れさまでしたぁ!!!!!
    ルイス=クロウ:お疲れ様です。明日問題なく
    水落 早苗:ごめんなさい明日から自分数日ほど夜が空いていなくて…
    GM:ふむふむ
    GM:ならばいっそ、25時リミットお二人は明日で、早苗くん分だけ今日やります?
    原谷 狭霧:自分は現状土曜日までは夜中心になりますね
    水落 早苗:自分は今日EDで大丈夫です
    GM:では、そんな感じにしましょう。
    GM:ということで早速、早苗くんのエンディングだ
    GM:のでお二人はお先に、お疲れ様でした!
    水落 早苗:お疲れさまでした!
    原谷 狭霧:お疲れさまでした!!
    ルイス=クロウ:お疲れ様でした
    GM:明日は一応21時半を目処に!

    エンディング3:恒星よ、羽ばたけ。


    GM:――あれから、少しの時間が過ぎた。
    GM:葦原市は今、平穏を取り戻しつつある。
    GM:黒野 美羽の死亡と、水落 凪の大怪我に関しては、夜間のトラック事故という形で記憶処理が成された。
    GM:あなたの両親は酷く悲しんだろう。だが、それでもあなたの妹は生きている。
    GM: 
    GM:ここはN市内のUGN支部。
    GM:あなたが此処を訪れたのは、戦闘の後遺症などが無いかを確認する為と、
    GM:オーヴァードとして覚醒してしまったあなたが今後どう生きていくかを相談する為だ。
    新田 澄佳:「……今回の事件には、UGNも深く心を――いえ」
    新田 澄佳:「……私が、とっても、心を痛めています」
    新田 澄佳:そう言って新田 澄佳は、いつかの上司が作るよりはよほど上等なコーヒーをテーブルの上に置いた。
    水落 早苗:「あ、coffeeですか?いただきます」といつもの調子で言って、そのまま香りを楽しみつつ飲む
    新田 澄佳:「インスタントだって、ちゃんと作ればこれくらいには美味しくなるんですよ、ねえ?」
    新田 澄佳:「あ、ミルクとか砂糖とか必要なら言ってください。すぐ用意しますから」
    水落 早苗:「Haha、自分で飲むときに参考にしますよ」
    水落 早苗:「あ、milkもsugarも俺は大丈夫です。こんなおいしいcoffee、そのまま味わいたい」
    新田 澄佳:「そうですか……おかわりも有ります、必要なら遠慮なく」
    新田 澄佳:とまでを言って、彼女は長く細く息を吐いた。
    新田 澄佳:「ふー……っ」
    新田 澄佳:肺が空っぽになるまで息を吐き出して、吸い込み、
    新田 澄佳:「水落 早苗くん。あなたはこれから……どうしますか?」
    水落 早苗:「これから、か」
    新田 澄佳:「はい」
    新田 澄佳:「お伝えした通り、オーヴァード能力の覚醒とは基本的に不可逆的なもの」
    新田 澄佳:「あなたはこれから、望むと望まざるとに関わらず、レネゲイドの関与する物事に遭遇するでしょう」
    水落 早苗:「…まずは、凪や姉さんの件もあるし、どこかに引っ越したいかな。好悪にかかわらず、この街は足を失った子に対する風当たりは強いからね」
    新田 澄佳:「……なるほど」
    新田 澄佳:「ならば――それを私達UGNは、支援することが出来るかも知れません」
    水落 早苗:「oh」
    新田 澄佳:「もちろんこれは――まぁ、同じ町で暮らしてた人間のよしみで言ってしまうなら」
    新田 澄佳:「UGNの利益の為です」
    水落 早苗:「利益、あるのかい」
    新田 澄佳:「はい。例えUGN正規エージェントが近くにいたとは言え、戦闘訓練を経ずして」
    新田 澄佳:「ジャーム化したエージェント《レーザーメス》の討伐に寄与した」
    新田 澄佳:「UGNとしてはあなたを即戦力と見ています」
    新田 澄佳:「……まぁ、例えるなら」
    新田 澄佳:「〝十年に一度とまでは言わないけれど、なかなかこのレベルの素材はいないな〟と」
    水落 早苗:「どこぞのwineかな?」
    新田 澄佳:「ははは」
    新田 澄佳:社交辞令的に、そのジョークに応じて
    新田 澄佳:「……世界は今、レネゲイドウィルスの脅威にさらされています。そしていつも守る側とは、後手を強制されるもの」
    新田 澄佳:「だからこそ私達UGNは、欲望に振り回されることなく力を制御できるオーヴァードを常に求めています」
    新田 澄佳:「もしあなたが、このN市にて戦いに身を投じようと言うのなら」
    新田 澄佳:「……まぁ、その為に必要な準備の予算ですとか? いろいろごまかすのが得意な知り合いもいますので」
    水落 早苗:「うん、まあ、悪い取引ではないかな」
    水落 早苗:「乗るよ、その話。…俺の一存で決められるとは思わないけど」
    新田 澄佳:「これは――」
    新田 澄佳:「まだ成人していないあなたに、見知らぬ誰かの為に命を賭けるよう、頼むということです」
    新田 澄佳:「……給与ですとか待遇はもちろん良い。けれどもそれは、命と引き換えにするほど飛び抜けたものとは言えないでしょう」
    新田 澄佳:「ですから、早苗くん。あなたの快諾はとても嬉しいんですが……これだけ聞かせてください」
    新田 澄佳:「あなたが戦うならば、その理由はなんですか?」
    水落 早苗:「俺は、自分が一番かっこいい自分であるために、美羽が好きだと言ってくれた自分であるために、当然やるべきだと判断したことは、全部やる」
    水落 早苗:「それでは、不足かな?」
    新田 澄佳:「……いいえ」
    新田 澄佳:「そういう理由の人は多いんです、案外に」
    新田 澄佳:「自分を認める為。自分が自分である為。それは力強く、外から曲がらない、最期の瞬間まで胸に持つことの出来る目的ですから」
    新田 澄佳:「ならば私は、あなたを信頼し――お願いします」
    水落 早苗:「はい」
    新田 澄佳:「どうかUGNに、力を貸してください」
    新田 澄佳:「この街を、街に生きる人を守る為の力を」
    水落 早苗:「ええ、俺が俺であるために、喜んで」
    新田 澄佳:――その答えを聞いた時、新田は真面目くさった顔の力を抜いて、へにゃりとソファに身を沈めた。
    新田 澄佳:「はー……この役割、なんか悪いことしてるみたいな気分でいやになります……」
    水落 早苗:「いやー、俺も言った後『組織のために己を捨てろ』とか言われたらどうしようかと思いましたよ」
    新田 澄佳:「場合に寄ってはそれも言わなきゃないですしねー……。早苗くんはこんなめんどくさい役割が回らないよう祈ってて――」
    水落 早苗:「あー…祈っときます」
    新田 澄佳:と、不意に新田は、ソファの上でぴょんと跳ね上がり
    新田 澄佳:「――そういえば。コードネームの話って、ルイス副支部長から聞いてました?」
    水落 早苗:「いえ、特には」
    新田 澄佳:「エージェントが本名とは別に、識別用に持つ名前なんですが」
    新田 澄佳:「例えば副支部長が《オールド・メイジ》、原谷くんは《アンガーキャリアー》」
    新田 澄佳:「能力に関係した名称になることが多いんですけど……それも今のうちに決めておいた方がいいかなって」
    水落 早苗:「ふむふむ」
    新田 澄佳:「うーん……」
    新田 澄佳:「……なんて名前にします?」
    水落 早苗:「Ah…どうしましょう」
    水落 早苗:「先ほどの2人からして英語のほうがいいのかな…」
    新田 澄佳:「特にそういうルールも無いんですけどね……でも早苗くんは横文字が似合う気が……」
    新田 澄佳:「……星」
    水落 早苗:「星」
    新田 澄佳:「いや、あの、早苗くん見てるとなんとなく、星って単語が頭に浮かびまして」
    水落 早苗:「ああ、星は好きだね、特にシリウスとか」
    水落 早苗:「色もそうだけど、とても明るく大きく光っているところが気に入っていてね」
    新田 澄佳:「なるほど……なら、シリウス――と行きたいところですが」
    新田 澄佳:「……多分それだけだと先にいる人達にすごく被ると思うので、何か付け足しましょう」
    水落 早苗:「何かかあ」
    水落 早苗:「何だろ、闘ってるときそこまで自分の能力に頓着してないし」
    水落 早苗:「Ms新田はどう見てる?戦ってる時の俺」
    新田 澄佳:「ううん……戦ってる時……難しい」
    新田 澄佳:「……あ」
    新田 澄佳:「えーと、ちょっと待ってくださいね、あれがあーいう意味だから」
    新田 澄佳:と、新田はスマホを取り出して何か検索を始める
    水落 早苗:「??」
    新田 澄佳:それからメモ用紙をテーブルに置き、その上にペンを走らせる。
    新田 澄佳:《シリウス・フェザー》
    新田 澄佳:「……とか、どうです?」
    水落 早苗:「…いいじゃないか、俺は気に入ったよ」
    新田 澄佳:「早苗くんはなんとなく、星みたいで」
    新田 澄佳:「……余計なお節介かも知れませんけど。羽を添わせたかったんです」
    水落 早苗:「ああ、そういう…」
    水落 早苗:「いい、とっても気に入ったよ」
    新田 澄佳:「では……《シリウス・フェザー》で申請をしておきます」
    新田 澄佳:「記述欄節約の為に漢字表記を用意しておくことも、UGNだと割とあるので、そっちは早苗くんで考えておいてくださいね」
    水落 早苗:「よろしく頼みます、漢字表記か…考えておきます」
    新田 澄佳:と言い、新田は立ち上がり、部屋を出て行こうとする。が、その途中で立ち止まり――
    新田 澄佳:「忘れてました」
    新田 澄佳:「早苗くん……いいえ、《シリウス・フェザー》」
    新田 澄佳:「ようこそ、UGNへ」
    水落 早苗:——これから、これまで以上に辛いことがあっても、苦しいことがあっても
    水落 早苗:「はい、よろしくお願いします」
    水落 早苗:願い事は全部この手で叶える、それが、『水落早苗』としての矜持だ
    GM:時は先へと進むだけ。落ちた砂は二度と戻りはしない。
    GM:あなたは日常の守人となる。
    GM:けれども、それは決して、あなた自身の日常と引き換えとはなるまい。
    GM:全てを叶えると誓ったのだから。
    GM:自分の日常も誰かの日常も等しく守り通す。
    GM:それをあなたの名に、《シリウス・フェザー》に誓ったのだから。
    GM:ようこそ、〝大N市〟へ。

    エンディング4:魔術師は祈らず、ただ唱えるのみ。


    GM:N市第12地区。
    GM:此処には、UGNが設立・運営する墓地がある。
    GM:弔われる者はUGN職員のみならず、敵対した勢力の亡骸までも。
    GM:崩落戦より今に至るまで、あまりに多くの魂が眠る場所。
    GM:……全てが終わって幾日かが過ぎ、事後処理も終わったある日、あなたは訪れるのだろう。
    ルイス=クロウ:手に持っていた手紙を折り畳み。懐へ納めて
    ルイス=クロウ:多くの見知った名が刻まれた墓標の間を一人、歩く。
    ルイス=クロウ:いつ来ても、ここは静かだ。まるで結界でも張られているようで、風と鳥の声だけが聞こえる
    ルイス=クロウ:──ひとつめの墓標の前に立ち、しばし佇む。用意していた花の一輪を置いて、次の場所へ
    ルイス=クロウ:それを幾度か繰り返した先に。真新しい、山名和寬の墓は用意されていた
    ルイス=クロウ:「ようやく、一段落終わったのでね」
    ルイス=クロウ:「他の者と兼ねて、ということに関しては我慢してくれ」
    ルイス=クロウ:残った花束を置く。
    GM:真新しい墓に刻まれた名に、役職は冠されていない。
    GM:〝当人の希望〟――ということなのだろう。
    GM:ただ彼の名前と、彼がUGNのエージェントであった事だけが、その墓標からは読み取れる。
    ルイス=クロウ:山名家の人間は彼が最後と聞いていた。奥方の親戚が残されているとの記載のみで
    ルイス=クロウ:ここへ戻ってくる前。もらった手紙には、なんとか家が絶えずに済むなどという軽口が書いてあったのを思い出す
    GM:〝嫁さんの実家の方は、さっさと孫の顔見せろ、ひ孫の顔見せろってうるさいんですがね〟
    GM:〝まぁ、親にぎゃあぎゃあ言われるのも懐かしい気分ですよ〟
    GM:〝……いつかは俺の方が、そういうやかましい親になるんでしょうが〟
    ルイス=クロウ:──謝りはしない。君は罪を犯し、私はUGNとして君を討った
    ルイス=クロウ:最後まで隠し通せるとは思っていなかっただろう。私ではない誰かが動き、いつかは明るみに出ることだ
    ルイス=クロウ:それでも、ひとつ言うならば
    ルイス=クロウ:「もし私がここへ来ることが、さだめであったとすれば」
    ルイス=クロウ:「よく堪えた、と。言っておこう」
    ルイス=クロウ:ただの感傷だ。現実の彼は、多くの人間を殺したジャームであり。
    ルイス=クロウ:そしてこの感覚も。いつか私は、“よくあること”と割りきって捨てるのだろう
    ルイス=クロウ:現在から未来へ。崩落戦からいまへ。
    ルイス=クロウ:さらに遡れば、あの大戦の影が蠢く欧州の夜まで
    ルイス=クロウ:私の後ろには無数の骸が積み上がる。私を残し、進ませようと背を押す白い骨の手
    ルイス=クロウ:無論、死ぬまでだと。彼に答えた
    ルイス=クロウ:止まれるわけがない。死んでいったものが私を進ませる
    ルイス=クロウ:死に損なった一人の少年は、歳を重ね。もういくつもの皺を浮かばせている
    ルイス=クロウ:ありふれたことだ。オーヴァードとして戦い続けた魔法使いにとって、仲間を失うことなど
    ルイス=クロウ:割り切って、歩み続けろと彼らは言う
    ルイス=クロウ:「……いつか、君も私の過去になる」
    ルイス=クロウ:「どうか最期が、無様であるかどうか。待っていてくれたまえ」
    ルイス=クロウ:いつか私も彼らの一員となるだろう。だが、それはいまではないと願う
    ルイス=クロウ:傲慢な願いが叶うようにと、ひとり。空を見上げて
    ルイス=クロウ:──後に続く者達が、過去に囚われることのないように
    ルイス=クロウ:──機構<システム>のような人間ではなく、明日を進めるように
    ルイス=クロウ:今更願うには、大きすぎる。そして世界のためにと奪い続けてきた己が言うには憚られる
    ルイス=クロウ:そんなことを。ひとり、思って
    ルイス=クロウ:山名和寬の墓にかかっていた影が、ふっと。一枚の紙片をそこに残して消えた
    ルイス=クロウ:悼む者も。嘆く者も。
    ルイス=クロウ:──ここにはもう。だれもいない

    エンディング5:さようなら。


    GM:こうして、葦原市における猟奇殺人事件――ジャームによる一般市民殺害という事態は終結を向かえた。
    GM:UGNは少しずつ、この街を日常へ返す為の処置を進めている。
    GM:今日、あなたという存在に対しての記憶処理が行われた。
    GM:規模の小さな高校であるし、ほんの数日だけ滞在したあなたの記憶だ。さしたる難易度ではないという。
    GM: 
    GM:日が西空へと落ちていく。
    GM:茜色に染まる道を、水落 愛梨彩は一人で歩いている。
    GM:いつか。両親を失った少女が、友人や同級生達から遠巻きにされていたように。
    GM:〝妹さんが酷い事故にあった〟という事になっている彼女へ、敢えて声をかけようという者はいない。
    GM:彼女は一人、歩いている。
    原谷 狭霧:━━彼女の向かう先から、一人の少年が歩いてくる。
    水落 愛梨彩:「……あ」
    水落 愛梨彩:少女は足を止めた。
    水落 愛梨彩:周囲を見渡し、誰の視線も自分に向いていないことを確かめてから、
    水落 愛梨彩:「原谷くん」
    原谷 狭霧:ひらひら、と手を振る。
    原谷 狭霧:「……こんにちはっす、水梨先輩」
    水落 愛梨彩:駆け寄ろうとして踏み出した一歩。
    水落 愛梨彩:それをもう片足で押し止めて、袖に隠れた手をぎこちなく持ち上げた。
    水落 愛梨彩:「こんにちは……でいいのか。うん、まだこんばんはの時間じゃないね」
    水落 愛梨彩:「……もうちょっとで、そうなりそうだけど」
    原谷 狭霧:「ちょっと俺も迷ったんすけどね。」足は止めている。
    原谷 狭霧:「……学校の方、どんな感じでした?」
    水落 愛梨彩:「……女の子って器用だなぁ、って思ったよ」
    水落 愛梨彩:「美羽ちゃんとそんなに仲良くなかった子が、すっごい泣いてた」
    水落 愛梨彩:「凪と仲良くなかった子が、本気で心配してるみたいな顔してたし……うん、たぶん本気なんだろうね」
    水落 愛梨彩:「私達、自分をだますのは上手いから」
    原谷 狭霧:「うおー……そりゃまた何というか……」
    原谷 狭霧:(女ってこえー……)
    水落 愛梨彩:「原谷くんは」
    水落 愛梨彩:「お仕事の方は……終わったの?」
    原谷 狭霧:「……ええ、多分先輩も知ってるとは思いますけど。」
    原谷 狭霧:「……俺のこと、学校中の誰も覚えてなかったんじゃねーかと思うんすよね」
    水落 愛梨彩:「うん、UGNの職員の人に聞いた」
    水落 愛梨彩:「学生の……オーヴァード、だっけ?」
    水落 愛梨彩:「そういう子は、いろんな学校に行ったりするから」
    水落 愛梨彩:「葦原市みたいに小さい規模の学校なら、記憶処理で、最初からいなかった事にするって」
    原谷 狭霧:「そうっすね。俺も元々通ってる高校があるんです。」
    水落 愛梨彩:「N市の学校?」
    原谷 狭霧:「ええ。星辰館高校っていうんすよ、俺んとこ」
    水落 愛梨彩:「あ、聞いたことある」
    水落 愛梨彩:「寮とか下宿とかいけそうな子だと、葦原市からも何人かは行ったりしてるみたい」
    水落 愛梨彩:「……だいたいそういう子、地元に戻って来なくなるんだよね」
    原谷 狭霧:「へ、へぇ……もしかしてそういうコが『ラッキー枠』だったり?」
    水落 愛梨彩:「……ううん。そういう子は、『頑張った枠』」
    水落 愛梨彩:「あーあ、もっと私も受験勉強とか頑張れば良かったにゃー」
    水落 愛梨彩:両手をぐうっと掲げ、思いっきり伸び上がるように。
    水落 愛梨彩:……そうしても、あなたの背にはとうてい届かない。小さな少女が、言った。
    水落 愛梨彩:「それじゃあ、これでさよならなのかな」
    原谷 狭霧:「……そうですね。『転校生:原谷狭霧』はこれにてお役御免だ。」
    原谷 狭霧:「でも、帰る前に先輩には謝っておきたいことが一杯あったんで。」
    水落 愛梨彩:「謝る?」きょとんとした顔
    原谷 狭霧:「黒野さんの事もあるけど……一番は愛梨彩さんの家族の事です。」
    水落 愛梨彩:「……………………」
    原谷 狭霧:「早苗や妹さんを、助けられなかった。」
    水落 愛梨彩:「原谷くん、やめて」
    原谷 狭霧:「……あー……」口は開く。言葉が出てこない。
    水落 愛梨彩:「そういう言い方をされたら、私が言える台詞って、一つしかないでしょ」
    水落 愛梨彩:「〝原谷くんは悪くないよ〟。……それ以外のことを言ったら、私、ひどい子だもん」
    原谷 狭霧:「……ひどい子でもいいじゃないっすか。」ぽろり、とこぼれ落ちた。
    水落 愛梨彩:「ううん」
    水落 愛梨彩:「それを言っても私、楽にならないもん」
    水落 愛梨彩:「何かを誰かのせいにした、って記憶はね、苦しいんだよ?」
    水落 愛梨彩:「全部を原谷くんのせいにして当たり散らした――そんな記憶、苦しいばっかりだから」
    原谷 狭霧:「……やっぱり、そんなもんですかね。」
    水落 愛梨彩:「だから、そういう風に聞かれたらさ」
    水落 愛梨彩:「原谷くんは悪くない、って逃げるしか、私はできない」
    水落 愛梨彩:「自分が許されたい為に謝るのは、ちょっとずるい手だと思うにゃー」
    水落 愛梨彩:そんな言葉を、愛梨彩はいつものような朗らかな笑顔でごまかして、言った。
    原谷 狭霧:「……そうっすね。そう言われちゃグゥの音もでねーや」
    水落 愛梨彩:「君は非日常に行き過ぎて、日常の女の子の気持ちをわかっていないのだよ原谷くん」
    水落 愛梨彩:「どうせならこれが最後のチャンスかも知れない! こっちの世界へ戻っておいでー?」
    水落 愛梨彩:おちゃらけた声の調子で、両手で手招きをしながら――
    水落 愛梨彩:愛梨彩は歩き始める。
    原谷 狭霧:「ヘッ、こりゃあ手厳しい」誘いに乗り、歩き出す
    GM: 
    GM:――少しの間、何も話すことなく、あなた達は歩いた。
    GM:やがて、西の空の茜色が薄れて、東空が青く暗く染まり始めた頃。
    GM:見覚えのある家の前に、辿り着く。
    GM:この家の二階で、黒野 美羽と戦ったのだ。
    水落 愛梨彩:「……最後だからさ、真面目に聞くよ」
    原谷 狭霧:「……ええ、できる範囲で良けりゃあ」
    水落 愛梨彩:玄関扉の前に立ち、愛梨彩が言う。
    水落 愛梨彩:「〝戻る〟つもりはない?」
    原谷 狭霧:「……」━━どう答えてもいいだろうとは思う。こんな口約束。
    水落 愛梨彩:「原谷くんには似合わないよ。……あんな、死んだり殺したりって言葉が普通に出てくる場所」
    水落 愛梨彩:「うらやましいって思うなら、戻っておいでよ。……普通の、退屈な毎日にさ」
    原谷 狭霧:このまま、適当なことを言っちまえばいいんだ。俺の生きたい世界を。
    原谷 狭霧:だけど。
    原谷 狭霧:「……すんません、先輩。それは出来ねぇ相談だ」
    水落 愛梨彩:「うん、そうか」
    水落 愛梨彩:「じゃ、これでお別れだ」
    水落 愛梨彩:愛梨彩はポケットからスマートフォンを取り出し、その画面をあなたに見せながら操作を始める。
    水落 愛梨彩:いつぞやの昼休み、連絡先を交換したあのアプリを起動して、
    水落 愛梨彩:登録されたあなたの連絡先を、削除した。
    水落 愛梨彩:「さようなら、原谷くん」
    水落 愛梨彩:「今更だから言うけど、君のこと、結構好きだったな」
    原谷 狭霧:「ええ。……え゛っ」
    水落 愛梨彩:小さな少女は、飛び跳ねるような軽さで、玄関扉の向こうへ消えた。
    原谷 狭霧:「……」沈黙。
    原谷 狭霧:暫くしたのち、がっし、と頭髪を掴む。
    原谷 狭霧:頭髪を左手でつかんだまま、右手で引っ張り出したスマートフォンのアプリを立ち上げる。
    原谷 狭霧:「……」足を動かす。アプリには水落 愛梨彩の名前が『まだ』残ってしまっている。
    原谷 狭霧:『外科医』へと緩やかに足を向ける。連絡先の操作画面を立ち上げる。
    原谷 狭霧:「……」アプリの画面がぼやけていく。暗くなってきたからだろうか。
    原谷 狭霧:歩みは速まっていく。右手は震えている。
    原谷 狭霧:「……できねーことばっかだな、俺。」連絡先は、ブラックリストに放り込んだ。
    原谷 狭霧:こぼれ落ちた声は。震えていた。
    原谷 狭霧:さようなら。
    原谷 狭霧:一番最初に言おうとしていた言葉は、ずっと喉に詰まったままだった。
    GM: 
    水落 愛梨彩:――一人、自室で膝を抱えている。
    水落 愛梨彩:両親は、入院している妹に付き添っている。弟はまだ帰ってこない。
    水落 愛梨彩:隣室には黒野 美羽の私物が、まだ手つかずで残っている。
    水落 愛梨彩:衝動的に隣室に飛び込んで、片っ端から彼女の私物を投げつけてやろうか――
    水落 愛梨彩:そんな衝動に駆られては、〝私はお姉ちゃんだから〟と自分を騙す。
    水落 愛梨彩:慣れたことだ。これまでも、これからも。
    水落 愛梨彩:けれど、一つだけ。彼女をうらやましく思うのは――
    水落 愛梨彩:「美羽ちゃんだったら、言うんだろうなぁ」
    水落 愛梨彩:「〝連れてって〟ってさ」
    水落 愛梨彩:通知音。ガンマンの抜き打ちのように、ポケットにしまったスマートフォンの画面を見た。
    水落 愛梨彩:とりたてて言うこともない、広告メールのタイトルが目に入って――
    水落 愛梨彩:「未練がましいや」
    水落 愛梨彩:ぽぉん、と。スマートフォンをベッドの上に放り投げた。

    GM:ダブルクロス The 3rd Edition.『それが私の世界だった』
    GM:全日程を終了致します。お疲れ様でした。
    水落 早苗:お疲れさまでした!!!!!!!!!!
    ルイス=クロウ:お疲れ様でした
    原谷 狭霧:お疲れさまでした…………
    ルイス=クロウ:若者二人にはとてもつらいお話でした
    GM:けれど副支部長の言うとおり……この世界ではきっと良くあることだから……
    GM:この過去を踏み台にして高く大空に羽ばたいて欲しいなって……