『山喰らいが泣いている』

さだめごとは因習となり、願いは容易に呪いに転じる。庚子の年、それは霧の中に。


PC1:〝アリス・サポジション〟 七扇・T・絵麻(ななおうぎ・てれじあ・えま)(キャラシート)PL:すらい
PC2:〝プロフェッサー・F〟 門脇 ふみ(かどわき・- )(キャラシート)PL:黄色の月
PC3:〝 輝く血刃(エスペランサ・グリム)日和原 要(ひわはら・かなめ)(キャラシート)PL:しんごろ
PC4:〝 導き手(リードシート)十束 しのぎ(とつか・- )(キャラシート)PL:缶詰
PC5:〝ストレイド〟 陸奥 晴明(むつ・はるあき)(キャラシート)PL:サムトー

メイン雑談

目次

  • プリプレイ
  • OP0:ありきたりの悲劇
  • OP1:欠けた器
  • OP2:〝ゆりかごむら〟
  • OP3:〝揺籠村〟
  • OP4:〝門脇〟
  • OP5:〝七扇〟
  • OP6:〝やまくらい〟
  • シーン1:かねの娘
  • シーン2:神隠し
  • シーン3:交差点
  • マスターシーン:あの子が欲しい 相談しましょ
  • シーン4:平穏な村
  • シーン5:平穏な筈の村
  • シーン6:金継ぎ
  • マスターシーン:山喰らいが泣いている。
  • シーン7:〝高桐〟
  • マスターシーン:〝屋根斬り〟
  • シーン8:迷い
  • クライマックス
  • バックトラック
  • ED1:また会いましょう
  • ED2:蝋燭は要らない
  • ED3:明日はきっと、少しだけ良い世界

  • プリプレイ

    ■トレーラー
    それは人外魔境の街に有りながら、誰も存在を知らぬ村。
    あらゆる地図記録に名を記さず、衛星写真にも写らない。
    古老の口伝の中にのみ存在を知り得る土地、歴史から斬り捨てられた秘境──

    誰もが歓びを以て迎えられ、幸福なままに老いてゆく。
    誰もが死の床で言うのだ。満ち足りた生だった。幸せだった。
    ああ、この一生に悔いは無い──

    ダブルクロス The 3rd Edition.『山喰らいが泣いている』

    「死ぬ為に生まれたのだから」
    「だから、死ぬのです」

    ダブルクロス────それは裏切りを意味する言葉。

    ■自己紹介
    GM:では、自己紹介から始めていきます。
    GM:まずはPC1,七扇さん。キャラシURLを張りつつどうぞ。
    七扇・T・絵麻:押忍
    七扇・T・絵麻http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYmpqQuQIM
    七扇・T・絵麻:皆さんおなじみ!就活失敗!大卒退魔師!七扇・T(テレジア)・絵麻です
    七扇・T・絵麻:家に嫌気が指して就活をするのに家のせいで世間知らずがたたり失敗。結局家業を継いでるという残念経歴を持つ
    七扇・T・絵麻:こんなんでも家の仕込みはしっかりしているので戦闘とあらばガチのガチ。炎と鍛鉄の力で退魔の太刀を振るう退魔師でございます。
    七扇・T・絵麻:性能は普通の白兵。でも結構速めに殴って鬼切りでEロの解除を狙います。ミドルも加護でどうこう出来るぞ
    七扇・T・絵麻:以上!なんか今回因習…とか古い村…とか……
    七扇・T・絵麻:仕事しがいがあるなあ~!
    七扇・T・絵麻:よろしくお願い致します
    GM:よろしくお願い致します。ちなみにひとつ聞き忘れてたのですが、
    GM:〝嫌な事故〟って何年くらい前の想定でした?
    七扇・T・絵麻:具体的には決めてませんが凄く昔ではないかと。
    GM:ふむふむ
    七扇・T・絵麻:3~4年前とかになるんじゃないだろうか
    GM:4年としましょう
    GM:では、ハンドアウトはこちら
    PC1
    これは昔の話だ。
    あなたは知人をひとり、斬った。

    ……これは、つい先日の話だ。
    あなたは〝七扇〟の名の下に呼び出された。
    そこに、懐かしい顔も一つ。

    GM:何があったんでしょうね。
    七扇・T・絵麻:こ…こわい…(ウォーズマン顔)
    GM:がんばれ。
    GM:未来はきっと明るい。
    GM:さて、PC2。門脇 ふみさん、同様にどうぞ
    門脇ふみ:は~い!
    門脇ふみhttps://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYiv6hxAIM
    門脇ふみ:「門脇と申します。S大学で准教授を務めているわ」
    門脇ふみ:「私の事は気さくにF教授(プロフェッサー・エフ)と呼んで頂戴ね!」
    門脇ふみ:門脇ふみ!総合文芸科(准)教授!
    門脇ふみ:年齢は秘密!准教授の最少就任年齢記録を調べれば類推出来るかもだが秘密ったら秘密。
    門脇ふみ:オールドの家系出身だが文学の魅力に捕まり、邪魔する歴史だけが自慢のクソ実家をぶちのめして出てきたお茶目さん!
    門脇ふみ:崩落戦の時代もUGN側で参戦していましたが
    門脇ふみ:戦況が落ち着いた後、クソ実家との兼ね合いがめんどくさそうだなーと考え
    門脇ふみ:フリーランス待遇としてS大学で悠々准教授ライフを送っています。
    門脇ふみ:性能としてはDロイスの破壊者を生かしてイニシアチブ14で範囲硬直罪をばら撒きます。
    門脇ふみ:追撃のブラッドボムでダメージはさらに加速する
    門脇ふみ:160点版と言う事でラストアクションとグリーディエンブレムを搭載!
    門脇ふみ:金とパワーに磨きがかかったぞ!
    門脇ふみ:クソみたいな因習や文化にはにはそれ相応の理由があるわ。
    門脇ふみ:だからこそできる物にはアップデートのメスを入れて行かねばならないわねぇ~!!!
    門脇ふみ:以上!休講分の単位は無条件出席扱いよ~!
    GM:ハンドアウトはこちらだ
    PC2
    門脇という家がある。血を媒介とした陰陽術を用いる、旧い家だ。
    高桐という家がある。門脇家の遠縁にあたる。受け継ぐ術の系統も極めて近い。
    あなたは既に家との繋がりを断った筈だ。

    ある日、高桐 理央という少年があなたを尋ねてくる。
    彼は〝ゆりかごむら〟という伝承について語る。

    GM:という訳でぽんぽんと行くぜお次
    GM:PC3,日和原 要くん!
    日和原 要:あーい!
    日和原 要http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYz9-v2wIM
    日和原 要:「僕にもまだ、出来ることはあるからね」
    日和原 要:日和原要(ひわはら・かなめ)、22歳、男性。日本支部RラボからN市第四支部への出向エージェント。
    日和原 要:元イリーガルエージェントで、役職上研究職である今も、内勤より戦闘の方に適性があります。
    日和原 要:ぼんやりとした雰囲気の、それでいて年の割に達観した節のある青年。だがやるときゃやるぜ。
    日和原 要:因習。村社会。そしてその崩壊。そういうのに一家言あるムーブを狙って……いければいいな……!
    日和原 要:─特記事項:"賢者の石"の特殊事例、"無疵なる石(ハートレスメモリー)"適合者。
    GM:ほほう
    日和原 要:1シナリオ1回、シーン中の任意のキャラクターのタイタス化したロイスを1つ復活させられます。
    日和原 要:Sロイスだって例外ではない。
    日和原 要:その関係で、バックトラック前にちょっとだけ演出とか挟ませてもらうのをお願いすると思います。サクっとやりますので…!
    日和原 要:自己紹介はこんな感じで!よろしくお願いします!
    GM:バックトラック前までその札を温存できるかどうか楽しみにさせていただこう
    GM:ハンドアウトはこちら
    PC3
    第四支部に所属するが故に、あなたは他支部エージェントに比べて、研究職に近い一面を持つ。
    故に人脈もまた同様であり、だからこそ揺籠村の情報に真っ先に辿り着いた。

    けれども、もしかすれば内心であなたが心惹かれるものは。
    〝あらゆる病苦を断つ〟刀の話ではあるまいか。

    GM:では続いて、そうだな
    GM:PC4,十束 しのぎちゃん。PC5,陸奥 晴明くん。順番にどうぞ!
    十束しのぎ:はい!
    十束しのぎhttps://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY4_zOwwIM
    十束しのぎ:「聖剣です。宜しくおねがいします。ヒトの皆様。この剣が正しく振るわれる事を希望します。」
    十束しのぎ:「え?個性が、薄い…?せ、聖剣ですよ…!?この世に一つの……え?複数本ある…!?」
    十束しのぎ:「どうしてー!?」
    十束しのぎ:十束しのぎ(とつか -)、見ての通り聖剣です!
    十束しのぎ:およそ一度も使用されず、神話にも語られなかった聖剣がRBとしてヒトの姿になりました。
    十束しのぎ:UGNのヒトの皆様に保護され、第4支部でチルドレン待遇を受けつつ、学校に通ったりしてます。
    十束しのぎ:もうちょっと早く見つかれば聖剣のままだったかもしれませんね。
    十束しのぎ:見た目は高校生相当ですが人間としては4年目ほど。メンタルも据え置き、成長途中です。
    十束しのぎ:意識は聖剣時代より数千年ほど存在していますが、ひっそり存在していたので知識は偏ってます。
    十束しのぎ:最近の趣味はヒトの常識を学ぶことと聖剣を研ぐことです。
    十束しのぎ:博物館の皆さんとか手入れされて皆にちやほやされてお貴族じゃないですか?羨ましいですよね。
    十束しのぎ:……こほん、続けます。
    十束しのぎ:性能はピュアソラリスの至近白兵聖剣です。
    十束しのぎ:自分にアドレナリンと狂戦士聖剣を掛けて殴ります。
    十束しのぎ:暴走などマイナーが開かない場合は狂戦士で他の人のダイスバフとC値を下げます。
    十束しのぎ:射程は短いのでC値下げは2R目になるかと
    十束しのぎ:帰還の声で誰かのエフェクトの使用回数を回復したりします。
    十束しのぎ:160点では奇跡の雫を取得して他の人を復活させます。
    十束しのぎ:最近は縁が合り、とあるお屋敷のメイドなどもしてます。
    十束しのぎ:聖剣、学生、メイドの3足のわらじ、がんばります。
    十束しのぎ:ヒトの姿になりましたが、聖剣として扱ってくれる勇者様も募集中!
    十束しのぎ:──そこのあなた、勇者に興味は有りませんか?
    十束しのぎ:あっ、逃げないで!逃げないで!
    十束しのぎ:……というわけで今回は山登り。頑張っていこうと思います!
    十束しのぎ:以上!自己紹介でした!
    陸奥 晴明:では私も参りましょうか
    陸奥 晴明:「陸奥晴明です。 えっと、自己紹介って……何を話せば……すいませんちょっと時間もらえます?」
    陸奥 晴明:陸奥晴明です。17歳、UGNチルドレンやってます。
    陸奥 晴明:性格は単純、積極的、前向きで難しいことは考えず即断即決の直情型の炎使い。でした。
    陸奥 晴明:数年前に相棒のチルドレンを失って以来、豹変。自信なさげな優柔不断系氷使いにクラスチェンジ。
    陸奥 晴明:現在は慎重で些細なことで考え込みやすく、悩み多き高校生をやっております。
    陸奥 晴明:性能的にはそこそこの行動値(パーティ内同列3位)から氷の塔でボチボチ火力の範囲攻撃。
    陸奥 晴明:バディムーブと凍てつく刃で地味にアドを稼いでいく所存です。 炎とか怖いので使えません。
    陸奥 晴明:今日も今日とて消極的に、用心深く自分の能力に予防線張りながら頑張ろうと思います。よろしく!
    GM:ふむふむ……
    GM:ふむ
    GM:陸奥くんって今回初稼働でしたっけ?
    陸奥 晴明:はい!
    GM:なるほどなるほど
    GM:相棒を失ったあたりのエピソードとか、内々で決めてたりってあります?
    陸奥 晴明:あ、考えてありますので必要あれば
    GM:では、DMで頂いてちょっと何分か案を考えましょう
    GM:ということでハンドアウトですが、ラージナンバー故に今回、セットとなっております
    十束しのぎ:なるほどね!
    陸奥 晴明:了解!
    PC4&PC5
    あなた達の立ち位置を敢えて言うならば、〝偶然にも〟その時に手が空いていた人材となる。
    旧い血筋の者達の間で、存在することが当然であるとして語られる〝ゆりかごむら〟なる伝承。
    霧の中、その村へ辿り着き、とある刀を確保する事があなた達の任務だ。

    ……偶然とは、有るものだ。
    ひどい話だ。

    陸奥 晴明:なんだ偶然か……
    十束しのぎ:偶然かぁ
    十束しのぎ:お刀、気になりますね!
    GM:OK,受領しまして読みました
    GM:ちょっと5分ほどお時間くださいな
    陸奥 晴明:よろしくお願いします!
    十束しのぎ:リーディングターイム
    GM:おk
    GM:では
    GM:お待たせしました、セッション開始していきます。よろしくお願い致します。
    十束しのぎ:よろしくおねがいします
    陸奥 晴明:よろしくお願いします!
    七扇・T・絵麻:よろしくお願い致します
    日和原 要:よろしくお願いしまーす!
    門脇ふみ:よろしくお願いいたしますー!

    OP0:ありきたりの悲劇


    GM:最初に話すのは、五年ばかり前のことになるだろうか。
    GM:この出来事は、後に何か大きな事件を引き起こすこともなければ、
    GM:誰かの命を密かに救うような、ヒーローらしいイベントも呼び起こさない。
    GM:何も珍しくない、任務後の風景だった。
    宮代 霧江:「晴明! 侵蝕チェックして、早く!」
    宮代 霧江:と、少女の切羽詰まった声が、夜の廃墟に響いた。
    GM:廃墟の半ばは凍て付き、半ばは焼けただれている。そのちょうど境目に、粉々に砕け散ったジャームの残骸が有る。
    GM:余裕の勝利である。あなたの侵蝕状態は、数値出表すならせいぜい100%を少し過ぎた程度だ。
    GM:が。少女はあなたへ駆け寄り、レネゲイドスカウターを突きつけた。
    陸奥 晴明:「分かってる分かってる!大丈夫だよ、心配すんなって」
    陸奥 晴明:腕から吹き出す炎を消し飛ばし、おとなしく検査を受ける。
    陸奥 晴明:「ちょっと食らった程度だ、大したことねえよ。霧江、お前こそ怪我は?」
    宮代 霧江:表示される数値が100を越えた時には、少女は一瞬、険しい顔をしたが、
    宮代 霧江:だが、元より冷静な性質だ。さほど数値が伸びず止まるのを見ると、氷像のような無表情となって、
    宮代 霧江:「爪の切り傷が少し。毒かも知れないからこの後でラボに行く。侵蝕は97%」
    陸奥 晴明:「了解。ま、こうやって話せるってことは多分大丈夫じゃねえかな?」
    宮代 霧江:「……うん。私も、陸奥も、自然回復での帰還可能域……お疲れ様」
    宮代 霧江:淡々と、感情の起伏も薄く話す彼女。
    宮代 霧江:だが、右手をすっと掲げて、掌をあなたに向ける。
    陸奥 晴明:「うん、おつかれ! 今回もサポートサンキュ、おかげで助かった!」
    陸奥 晴明:笑いながらハイタッチし、そのまま握手。
    宮代 霧江:がしっ、と手を掴む。対象を凍て付かせる氷の手と、焼き尽くす炎の手。組み合わせて、ちょうど良い程度の熱になる。
    陸奥 晴明:「ま、俺達にかかりゃこんなもんだな! 今回も大勝利!」
    宮代 霧江:「……帰ろう。報告もあるし、明日普通に学校だし……宿題やった?」
    陸奥 晴明:「宿題……うえー……嫌なこと思い出した……」
    宮代 霧江:「やっぱり。知ってた」
    陸奥 晴明:「仕方ねえだろー、向き不向きだよ。考えるのとか苦手なんだよ俺……」
    宮代 霧江:「半分だけ写して、もう半分は雑な筆跡で埋めて。適度に不真面目な生徒の演出」
    宮代 霧江:「私はいつも通り、全部やってくから。後、教室では話しかけないでね」
    宮代 霧江:戦闘後の握手も、教室内カーストの分離も、いつものルーチンだ。
    宮代 霧江:違うことと言えば、ひとつ。〝大勝利〟の言葉に対し、喜びを見せなかった程度のことか。
    陸奥 晴明:「見せてくれんの!?サンキュー霧江!借りはこう……そのうち返す!あんがと!」
    宮代 霧江:「…………」
    宮代 霧江:「……はぁ」
    陸奥 晴明:「ん?どした霧江?」
    宮代 霧江:溜息を吐く。……そして少女は、ジャームの骸の傍にしゃがみ込んだ。
    陸奥 晴明:「あ……」
    宮代 霧江:「らい病、って知ってる?」
    陸奥 晴明:「ん?いや……初めて聞く」
    宮代 霧江:「……じゃあ、ハンセン病って言い方だと?」
    陸奥 晴明:「いや、悪い。分からねえ。 ……何かの、病気のことか?」
    宮代 霧江:「うん。病気でね、細かいことは抜きにするけど……感染すると、皮膚が変形したりするの」
    陸奥 晴明:「変形……」
    宮代 霧江:「はっきり、見て分かるくらい。……感染する病気で、感染者はひどい差別を受けたって」
    陸奥 晴明:「差別……か」
    宮代 霧江:「遺伝病だ、って誤解が広がったりもして、患者は隔離されたりも。それが当たり前なんだ、必要なんだ──って」
    宮代 霧江:「ねえ」
    宮代 霧江:「もし、さ。ジャーム化が、治る病気だったらどうする?」
    陸奥 晴明:「……えっ」
    陸奥 晴明:「治る病気、って……だって、ジャームになったらもう戻らない、って……」
    宮代 霧江:「オーヴァードの能力は、レネゲイドウィルスが由来。……で、ジャームは、姿が変わったり、心の構造が変わったりするけど」
    陸奥 晴明:口ごもる。先の話の、「誤解」という言葉を思い出し。
    宮代 霧江:「治る病気だって、姿が変わっちゃうものはある」
    宮代 霧江:「……心のあり方が変わる病気だってあるんだよ」
    宮代 霧江:「だから、さ、もし」
    宮代 霧江:「もし、私達が今、殺しちゃったジャームが、もし──」
    宮代 霧江:──元から、考え込む性質ではあっただろう。だが。
    陸奥 晴明:「霧江……」
    宮代 霧江:ここ数ヶ月。宮代 霧江は笑わなくなった。
    宮代 霧江:目をぱっちりと見開いて、規則的な、時計の秒針が刻む音のような瞬きをして、
    宮代 霧江:抑揚も少なく淡々と、話すようになった。
    陸奥 晴明:彼女の笑顔が少なくなったことには、気づいていた。
    陸奥 晴明:けれど、深く考えなかった。彼女は冷静だから、と。
    陸奥 晴明:──自分は、考えるのも、悩むのも苦手だから。
    宮代 霧江:「本当に、いいのかな、私達」
    宮代 霧江:「……このまま、ジャームを殺し続けて……いいのかな……」
    陸奥 晴明:「霧江!」
    陸奥 晴明:続く言葉を遮るように、名前を呼ぶ。
    宮代 霧江:「…………」
    陸奥 晴明:「考えても……仕方ないだろ。俺たちは」
    陸奥 晴明:「俺たちは、UGNだ。UGNチルドレンだ」
    陸奥 晴明:「こうする他の生き方なんて知らないし、ジャームを放ってもおけない」
    宮代 霧江:「……そっか」
    宮代 霧江:「うん」
    陸奥 晴明:「だから……あんまり、悩みすぎんなよ」
    GM:あなたの言葉に、少女は、
    宮代 霧江:「そうだよね」
    GM:と。
    GM:……きっと数ヶ月前ならこの言葉を、微笑みながら言ったのだろうに。

    GM:これが最初の話だ。あなたの他に、誰も知らない。
    GM:そして次の話だ。あなたの他に、誰も覚えていない。
    GM:一年ほどが過ぎた。あなた達は優秀なるUGNチルドレンとして前線に立ち続けた。
    GM:大きな負傷をすることもなく。他の誰かと組むことも少なかったから、仲間を失うこともなく。
    GM:勝利を積み重ね続けて、そうして辿り着く。
    GM:……ひどい戦いだった。
    GM:あまりにも多くの人間が死んでしまった。
    GM:それは半ば、災厄のようなものであり、完全な隠匿は不可能であったが故に、
    GM:〝崩落戦〟として鮮明な恐怖を、UGNに刻み込んだ。

    ジャーム:「ォオオオオオオオォオオォオォォ──ッ!!!」
    GM:甲冑を纏った、多腕の怪物であった。
    GM:腕が四つ。その全てが、分厚い刃の刀を掴んでいる。
    GM:人のような骨格だが、頭部は牛のようで、湾曲した角を備えた、巨躯。
    GM:今また斬撃が──陸奥 晴明、あなたの頭上へと降り注ぐ!
    陸奥 晴明:「う……おおぉぉぉ!」
    陸奥 晴明:辛うじて直撃を避け、炎を纏った拳を叩きつける。
    GM:ボゴンッ!
    陸奥 晴明:「ぐうっ……!」
    GM:甲冑をへこませ、内部の肉に熱を届かせる拳──だが、一撃では沈まない!
    陸奥 晴明:「く、っそ、まだまだ……!」
    GM:しかし、深く一撃を与えた。ならば、〝いつもの〟連携で仕留められよう。
    陸奥 晴明:「……霧江!」
    陸奥 晴明:背中を守る相棒に声をかける。 それだけで、全てが伝わる。
    GM:一人が動きを止め、一人がとどめを刺す。炎と氷の二重奏。物理的な防御であれば、いかなる物体であろうが貫く──
    陸奥 晴明:はずだ。
    宮代 霧江:「……さむい、よ」
    宮代 霧江:──筈、だった。
    宮代 霧江:「さむいよ、陸奥……」
    陸奥 晴明:「……!?」
    宮代 霧江:あなたが放つ炎の熱波が、ジャームの周囲に壁を成す程の戦場で、
    宮代 霧江:氷使いである筈の少女は、己が身体を抱きしめて震えていた。
    陸奥 晴明:「何を……」
    ジャーム:「グゥウウウゥウウゥゥゥッ──」
    ジャーム:怪物が唸る。
    陸奥 晴明:彼女の変調には、気づいていた。気づいていたのに。
    陸奥 晴明:自分は、考えなかった。
    陸奥 晴明:考えたくなくて、目を逸し続けた。
    宮代 霧江:怪物の胸元を、少女が指差す。
    宮代 霧江:誰が作ったのか。不格好な、手作りの首飾り。
    宮代 霧江:誰かが作ったのだ。
    宮代 霧江:誰かが、あの怪物に与えたのだ。
    宮代 霧江:少女はそれを見てしまった。
    宮代 霧江:だから。
    宮代 霧江:「さむいの」
    宮代 霧江:「駄目、もう──」
    陸奥 晴明:だから、これは、当然の報いだ。
    陸奥 晴明:でも、けれど、
    陸奥 晴明:神様。罰は、自分だけに。
    ジャーム:「──ォオオオオオオォオォォォッ!!!」
    ジャーム:怪物が咆哮し、あなた達に背を向ける。死を怖れたのだ。
    ジャーム:死を怖れる、ひとの名残。
    宮代 霧江:そんなものを見せられた少女は、
    宮代 霧江:「あはっ、は、ははは……」
    宮代 霧江:一年と数ヶ月ぶりに、笑った。
    陸奥 晴明:「霧、江……」
    宮代 霧江:「晴明」
    宮代 霧江:「さむいよ」
    宮代 霧江:ふらふらと、少女は歩く。
    陸奥 晴明:気づいてはならない。
    宮代 霧江:あなたの腕を、熱を求めて。
    陸奥 晴明:彼女が、何をしてほしいのか。何を望んでいるのか。
    宮代 霧江:気付きたくないと目を逸らそうとも。
    宮代 霧江:容赦なく、彼女は奪うだろう。
    陸奥 晴明:だって、気づいてしまったら、俺は、
    陸奥 晴明:「何も考えずに、迷わずに、やれてしまうから」。
    宮代 霧江:熱を奪う。それが彼女の力だった。
    宮代 霧江:それで何体もジャームを殺してきた。
    宮代 霧江:……彼女の認識ならば、何人も、だ。
    宮代 霧江:「私、もう、駄目みたい……っははは、あは……」
    陸奥 晴明:「霧江……俺、俺は……」
    宮代 霧江:「ずっとね。ずっと頭のなか、ぐるぐるしてるの」
    宮代 霧江:「私が殺したひと。どんな顔してたんだろ、どんな声してたんだろ。家族はいたのかな、家族は悲しんでるのかな」
    宮代 霧江:「ジャームは、ひとを殺したりするから、殺されるんでしょう?」
    宮代 霧江:「私、たくさん殺したよ」
    陸奥 晴明:「駄目だ、駄目だ……駄目だよ」
    宮代 霧江:少女の手が、あなたの頬に触れる。
    宮代 霧江:冷たい。
    宮代 霧江:死人のような──いや。
    宮代 霧江:地の底のような、凍て付いた手だ。
    陸奥 晴明:「考えるな……考え、たら……」
    陸奥 晴明:「あ……」
    宮代 霧江:その指先が、肌が、髪が、凍結を始めている。
    宮代 霧江:戦場の火の中、吐き出す息が白い。
    陸奥 晴明:何を考えているか分かる。ずっと一緒に居たから。
    陸奥 晴明:彼女は、熱を求めている
    宮代 霧江:「最期にひとつだけ……わがまま、いいかな」
    陸奥 晴明:手を握る。 いつかのように、いつものように。
    陸奥 晴明:震えながら、言葉を待つ。
    陸奥 晴明:きっと、さいごのことばだから。
    宮代 霧江:「殺して」
    宮代 霧江:「さむいの、無くなるまで……暖めて……」
    陸奥 晴明:かれは、まよわずじっこうした。
    陸奥 晴明:なやむのは、にがてだから。
    GM:しゅう。
    GM:氷が溶けて、水になって、それが蒸発する音だった。
    GM:人の肉が焼ける臭いなど、そこにはなかった。
    GM:もう〝これ〟は〝ひと〟でないのだから。
    GM:濡れた学生服が、あなたの腕の中に残る。
    陸奥 晴明:「あ」
    陸奥 晴明:「あ、ああ、う、あああ」
    GM:学校指定の靴が、靴下を収めたまま、砕けたアスファルトの上に落ちている。
    GM:飾り気の無い髪留め。小学校の頃から使っていた、プラスチック製のまるい飾りがついていて、
    GM:たった一つのおしゃれの耳飾りが、
    GM:からん。
    陸奥 晴明:声にならぬ声が喉から出る。
    陸奥 晴明:迷わない男は、正しい選択をした。
    陸奥 晴明:彼女の残したものを拾い集めて、抱きとめて、
    陸奥 晴明:「うああぁぁぁぁぁぁ!」
    陸奥 晴明:狂うことすら許されず、叫んだ。

    GM:……後日。宮代 霧江の私室の荷物整理が行われた。
    GM:彼女には奇妙な盗癖──と呼んで良いものか──があったようだ。
    GM:自分が殺したジャームの身につけていた、生前の遺品と思われるものをかき集めて、
    GM:だいじに、だいじに、磨いて、並べて、埃を払っていたのだという。
    GM:この出来事は、後に何か大きな事件を引き起こすこともなければ、
    GM:誰かの命を密かに救うような、ヒーローらしいイベントも呼び起こさない。
    GM:崩落戦の地獄にあっては、何も珍しくない風景だった。

    OP1:欠けた器


    GM:七扇さん、登場侵蝕!
    七扇・T・絵麻:36+1d10
    DoubleCross : (36+1D10) → 36+5[5] → 41


    GM:さて。
    GM:こちらの話もまた、始まりは五年ほど前になる。
    GM:とは言っても、最初のエピソードにおいてあなたは、傍らから見つめていた立場となる。
    GM:だから、あまり長い話にはなるまい。

    GM:七扇家の本家の屋敷には、砂利の敷かれた中庭がある。
    GM:屋根こそ無いが道場代わりのその場所へ、あなたは手を引かれて訪れた。
    七扇 ほむら:「ねえさま、ねえさま! こっちです、こっちこっちこっち!」
    七扇 ほむら:当時のあなたが17歳。この少女──あなたの従姉妹である七扇 ほむらは14歳。
    七扇 ほむら:あなたをねえさまと呼んで良く懐いている、顔立ちの割に幼い雰囲気の少女であった。
    七扇・T・絵麻:「はっはっは」
    七扇・T・絵麻:瞳孔の白い眼。ジャーマンの血が混ざる少女はことこの呪術の家系においても異質な存在
    七扇・T・絵麻:故に、何のしがらみもなく自然と懐いてくれるこの子は自分にとっても大事なひだまりのような存在であった。
    七扇・T・絵麻:「そんなに引っ張っては饂飩になってしまうよ、ほむら」
    七扇 ほむら:力は案外に強い。剣術を嗜むが故に体の使い方を心得ているのだ。
    七扇 ほむら:「そうしたらちゃんと食べてあげます。ふふん」
    七扇 ほむら:「……じゃなくて! 紹介したいひとがいるんです!」
    七扇 ほむら:と言って、彼女はあなたを片手で引っ張りながら、片手で庭の方を指差す。
    GM:そこには、一言で言うなら〝特に言うべきこともない容姿の青年〟がいた。
    七扇・T・絵麻:「ほほう」
    GM:ひとのよさそうな顔。それなりに鍛えているのだろう、それなりの体格。
    GM:両手に一振りずつ、重心が先に偏重した木刀を持って、ぶんぶんと振り回している。
    七扇 ほむら:「私の許嫁です!」
    七扇・T・絵麻:「いっ」
    七扇 ほむら:嬉しそうに、少女は言った。
    七扇・T・絵麻:「よ」「……良い、方そうだ、ね……」
    七扇・T・絵麻:日本語が怪しくなる。年端もいかぬかわいいかわいい妹分が、このろくすっぽ知らぬ男に持っていかれるのか……
    七扇 ほむら:「そうなんですぅ~! 水瀬さんったらすっごく優しくてえ~!」
    七扇 ほむら:真っ赤になった顔で、首をぶんぶんと振る。後ろで纏めた長い髪が、ばさり、ばさり。
    七扇・T・絵麻:(何かあったら叩き切ってやろうかしら)
    GM:……と。そのやりとりに気付いたのだろう。青年はぴたりと手を止め、あなたの方へ向かってきて、木刀の間合いより少し遠い位置で脚を止めた。
    七扇・T・絵麻:握られていないほうの手に自然力がこもる
    七扇・T・絵麻:む。(心得があるわね。やはり背後から…)
    七扇・T・絵麻:「…お初にお目にかかります。七扇本家の絵麻と申します。」
    七扇・T・絵麻:そこは令嬢。慇懃な挨拶を先手を取って行う
    GM:「もしかして、絵麻さん──ああ、やはり!」
    門脇 水瀬:「初めまして、門脇 水瀬と申します。門脇の家の次男坊でして、この度、七扇家でお世話になることと相成りました」
    門脇 水瀬:ぐっ、と頭を沈めるような深い一礼。
    GM:門脇家──或いは聞いたこともあるかも知れない。いわゆる〝オールドオーヴァード〟の家の一つだ。
    GM:七扇の家が、武器を用いた退魔の術に長ける一方で、門脇家は陰陽の術に長ける。
    GM:歴史こそ七扇の家に比べれば浅いが、異なる技術体系にて力を持ち、地盤も近い家であった。
    七扇・T・絵麻:「門脇の…成程。」
    七扇 ほむら:「この人が、私の夫になる方です! ……ねー?」
    門脇 水瀬:「は、はは……」
    門脇 水瀬:苦笑い、という風情ではある。悪感情は持っていないのだろうが、扱いかねている、というところか。
    七扇・T・絵麻:正直言って家のことなどまあどうでもよい。上が勝手に進めるものだ。私がきちんと上に立てばその時にするものである
    門脇 水瀬:「……いや、その。弁解だけさせていただけますか」
    七扇・T・絵麻:「ほう」
    門脇 水瀬:「六年間。握手以上の事は決してしないと誓います!」
    七扇 ほむら:「えーっ!?」
    七扇・T・絵麻:「驚きましたね。貴方は感情を読むことに長けているようです」
    門脇 水瀬:「えーっ、じゃない! ほむらさん、まだ14歳でしょうが!」
    門脇 水瀬:「……まぁ、その、はい。こちらに来てからですね、その」
    門脇 水瀬:「お手伝いさんだとかの視線がちょっと……痛くて……」
    七扇・T・絵麻:嫌味が通じているのかいないのか
    七扇・T・絵麻:「その程度のことは当たり前です」
    七扇・T・絵麻:そう、家のことなど知ったことではない
    七扇・T・絵麻:嫡男を作り、門脇の家も確かな連帯を得たいところであろうが、そういうことではない
    門脇 水瀬:「……でしょう?」疲れたような顔をして「私だってまだ17ですよ……家って言うのはこれだから……」
    門脇 水瀬:「余所の家の大事な娘さんに、何かあったらどうするつもりなんですかね全く……」
    七扇・T・絵麻:「これはこれは。弁えられているようで、話が早くて助かりますよ」にっこりと笑顔を浮かべて
    七扇・T・絵麻:「その礼に免じ、ほむらの笑顔を奪うようなことがあれば、私が素っ首撥ね落としてあげましょう。」
    七扇・T・絵麻:私にとって大事なことは一から十までその点なのだ
    門脇 水瀬:「はは、その点はご安心を」
    門脇 水瀬:にっ、と彼は笑った。太陽のような、陰りをはね除ける笑い顔。
    門脇 水瀬:「私が生きている限り、ほむらさんを悲しませるような事はしません。そればかりは、」
    門脇 水瀬:「門脇の家としてではなく。この場所まで自分で歩いてきた、私として約束します」
    七扇・T・絵麻:「…はいはい。」嘆息。
    七扇・T・絵麻:「なんだかかしこまるのも馬鹿らしくなってきたわ。…ほむら、私部屋に戻るから。存分にかわいがってもらいなさい」
    七扇・T・絵麻:妹分の頭を撫でて
    七扇 ほむら:「はーいっ! それじゃ、あなた?」撫でられる手にも、気もそぞろ。〝許嫁〟へと熱い視線を向けて、
    門脇 水瀬:「は、はは……」引きつった笑みをほむらに返しながらも、
    七扇・T・絵麻:「ほらほら、水瀬君?汗でも流して小洒落た店にでも連れて行ってやんなさい。甲斐性が無い人間にうちから出す嫁はいないっての」

    GM:彼は、良くやった。
    GM:余所の家に婿に出されて、味方もなく、その癖に〝許嫁〟には酷く惚れ込まれて──面倒な立場ではあっただろう。
    GM:だが、彼は常に何事にも真摯であった。言葉を軽んじることなく、言行は常に一致させ、模範的な、かつ健全な生活を心がけていた。
    GM:初めは冷ややかだったお手伝い達の目も、だんだんと、ほむらのアタックを応援する方向に色が変わっていったものだ。
    GM:……さて。
    GM:さて。さて。さて。
    GM:一年が過ぎた。
    GM:七扇の家は、戦いの気配に敏感であった。だからこそ本家は、戦火に巻き込まれる前の避難を決定できた。
    GM:崩落戦の夜。
    GM:あなたは、従姉妹を避難させる為に、車で埋まった車道の脇を馳せていた。
    七扇 ほむら:「ねえさま! ねえさま! 水瀬さんは!?」
    GM:彼は──屋敷に残っている。
    GM:屋敷を狙うものがあらば迎撃すると、自ら買って出て、刀ばかりをひと束も集めて、門の前に立ったのだ。
    七扇・T・絵麻:「落ち着きなさい。彼だって門脇のはしくれ、そう簡単にやられるわけないじゃないの。」
    七扇 ほむら:「でも、でも……!」
    七扇・T・絵麻:「貴方の愛する許嫁は、貴方を残して簡単に死ぬと思う?」
    七扇 ほむら:いつもとは逆。あなたに手を引かれながら、少女は走っている。
    七扇 ほむら:……怯える目。剣術の心得はあれど、本当の戦いを知らない子供だ。
    七扇・T・絵麻:速歩きだ。長距離を移動する際に余計な消耗はしていられない
    七扇 ほむら:「……死に、ません」
    七扇・T・絵麻:「そういうこった!」崩した笑い
    GM:ああ。
    GM:確かに彼は、帰ってきた。
    GM:その会話から、数分ばかり後の事だった。
    GM:あなた達の進行方向から、誰かが走ってくる。
    GM:……七扇・T・絵麻。あなたが、その気配から真っ先に受け取ったであろう感情は、
    GM:一時たりと存在を許したくないという、嫌悪感だった。
    七扇・T・絵麻:「……」手を、離し、太刀に手をかける
    七扇・T・絵麻:肉体に鋼の感情が駆け巡る。
    七扇・T・絵麻:人間という応用性に長けた生物を、ただ目の前の化生を仕留めるための装置に変える。この太刀は“そういうもの”だ
    GM:感情に遅れて、黒煙の中から、
    門脇 水瀬:「は、はぁっ……!」
    七扇 ほむら:「水瀬さんっ! 良かった、ご無事で──」
    門脇 水瀬:両手に血刀。腹部に大きな火傷痕。息を切らしている。
    門脇 水瀬:「……はぁ……はぁ……ぁああぁ」
    七扇・T・絵麻:「名を」
    七扇・T・絵麻:「名を、名乗れ」
    七扇・T・絵麻:鯉口を切る
    GM:きっと普段ならば、
    GM:〝門脇 水瀬です!〟と律儀に応じてから、〝……知ってるでしょ?〟と困ったような顔をしただろう。
    GM:だが。
    門脇 水瀬:「……へ、は」
    門脇 水瀬:「っ、は、ははははは──」
    GM:その肉体が、歪に蠢いた。
    GM:膨れ上がる。鎧を纏う。キュマイラ/モルフェウス。
    GM:もとより両手に血刀。背に負う二振りを、新たに生えた手が掴む。
    七扇・T・絵麻:「あな浅まし」
    七扇・T・絵麻:「礼節の一をも果たせぬか、化生」
    ジャーム:「──ォオオオオオオオオオォオォッ!!!」
    ジャーム:朱の甲冑が炎に映えて、湾曲した角に血濡れの赤艶。
    ジャーム:怪物は四振りの刀を振りかざし──あなた目掛けて走る。
    七扇・T・絵麻:「約束を果たしてくれよう。」
    七扇・T・絵麻:「その素っ首、貰い受けることにすら能わず。野に晒してくれる」
    七扇・T・絵麻:爆破抜刀
    七扇・T・絵麻:闇夜の森に緋色の閃光が奔り、緋に灼けた視界が慣れると、異形の首が月明かりに晒される光景を目にする
    七扇・T・絵麻:化生であることも、四刀であることも関係はない
    七扇・T・絵麻:そういうものだ。“鬼切りの古太刀”という刀は
    七扇・T・絵麻:灼熱の一閃に血濡れすら煤と散る。刀を払い、納刀
    七扇 ほむら:「あ、」
    GM:どさっ。
    七扇・T・絵麻:「————」特に感傷は湧かない。馴れ果てたものは畜生にも劣る。
    GM:空に跳ね上がった首は、落下の間にひとの形へと戻っていた。
    GM:腕が二つ減った体が、刀を二つ、がらがらと落とす。
    GM:そうして仰向けに伏した骸へ、少女は寄り添おうとした。
    七扇 ほむら:「あ、あ……あ……」
    七扇 ほむら:「水瀬、さん……」
    GM:──銃声が聞こえた。
    GM:近い。
    七扇・T・絵麻:「さっ、行きましょほむら。大丈夫、誰が来ようと私が切るわよ!」
    七扇・T・絵麻:アドレナリンが出ているせいか声が大きい。高揚とも言える。
    七扇 ほむら:「あぁ、あ、ぁぁぁ」ならば
    七扇 ほむら:「ああぁああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁ」
    七扇 ほむら:そのうめき声はきっと、聞こえまい。
    七扇・T・絵麻:「ほむら…?」
    七扇 ほむら:小さな、小さな声だった。
    七扇・T・絵麻:ぼやぼやはしていられないだろう。急がないと。大事な大事な妹分なのだ
    七扇・T・絵麻:胴を抱え走り出す
    七扇 ほむら:「あ」
    七扇・T・絵麻:全て終われば、元通りのはずだ
    七扇 ほむら:首を失った骸の傍に転がる、ビーズで作ったような、ちゃちな首飾り。
    七扇 ほむら:伸ばした手が空を切って、
    七扇・T・絵麻:そうだ。ほむらも私も無事に返す。この子を失わずに済むはずだ
    七扇・T・絵麻:彼女の笑顔を守ろう。私にはその力があるのだから
    七扇 ほむら:あ、の音だけ、暫く発し続けた少女が、違う音を奏でたのは翌朝。
    GM:戦火から離れた、七扇の分家の一つの玄関先で、
    七扇 ほむら:「……水瀬さんは?」
    GM:と、言ったのだ。

    OP2:〝ゆりかごむら〟


    GM:門脇さん!
    門脇ふみ:は~い!
    門脇ふみ:門脇ふみの侵蝕を1増加しました(侵蝕率:35->36)
    門脇ふみ:余裕のよっちゃんねぇ

    GM:第九地区、S大学。
    GM:その、研究室のひとつである。
    GM:総合文芸科准教授であるあなたは今日、変わった客を迎えていた。
    GM:客からの、事前の頼み事はひとつ。他の誰にも聞かせてくれるな。
    GM:だから、きっとあなたは一対一で、その少年と向かい合っている。
    高桐 理央:「門脇 ふみ、さん……ですね……?」
    高桐 理央:声も体も、髪のひとすじひとすじも細い少年であった。湯飲みへ伸ばした指までが、細い。
    門脇ふみ:「──はい。こちら粗茶ですが」事前に準備していた備え付けの急須より緑茶を淹れる。
    門脇ふみ:「高桐さんでしたっけ。お菓子とかはお好きかしら?」お茶菓子もセット。
    高桐 理央:湯飲みを持ち上げ、茶を啜る。逸らした首もまた、細い。
    高桐 理央:「菓子は……好きです……が……」
    高桐 理央:「口の中が……乾いてしまうので……」
    門脇ふみ:「あらら、それでしたらドリンクの方がよかったかしらね……?」
    高桐 理央:息継ぎの頻度が多い為、言葉を多々途切れさせながらも、
    高桐 理央:「よかった……」
    高桐 理央:「門脇の家のひとと……お会いできたのは……」
    高桐 理央:「幸運でした……」
    門脇ふみ:「…………その仰り方ですと、『実家』の縁と見て宜しいかしら。」
    門脇ふみ:「私の権限でできる人払いは済ませておりますから、少しでも寛いでいってくださいな」
    高桐 理央:こくん、とひとつ頷いて、
    高桐 理央:「……来訪者をもてなすのは……どのような風習なのでしょうね……」
    高桐 理央:「定着を期待しているのか……外から来る物資を喜んでいるのか……」
    高桐 理央:「ただ……喜ぶための切っ掛けにすぎないのか……」
    門脇ふみ:「そうですわね。私の場合ですと……訪れる切欠へのねぎらいかしらね。」
    門脇ふみ:「変化は望むにせよ望まぬにせよ、必ずどこかに訪れる。」
    門脇ふみ:「それが大嫌いな人達もいることはもちろん分かってますけどね。」
    門脇ふみ:「ふふ。」「──それでも私はやりたいようにやる道が好きですし、性分ですから。」
    門脇ふみ:「流れ者らしく、貴方のような勇気を祝福してあげたいのですわ。」こちらも茶を一口。
    高桐 理央:「……ご本家のことならば……ええ……」
    高桐 理央:「大きな形は変えず……ひとの繋がりによる権力は望む……」
    高桐 理央:「陰と陽の調和が取れたとは言い難い……印象でしたが……」
    高桐 理央:「……………………」
    高桐 理央:ずず、とまた茶を啜る。
    高桐 理央:「……〝ゆりかごむら〟という伝承は……ご存じですか……?」
    GM:──それは、N市近郊に伝わる古い物語だ。明確な文献も少なく、知るものはせいぜいが80歳以上の老人ばかり。
    門脇ふみ:「……〝ゆりかごむら〟ですか。」
    門脇ふみ:(確か……歴史学科の教授さんがその辺りの資料を探してるとか言ってたかも……?)
    GM:恐らくは世界大戦を経て、語り継ぐものの大半を失ったものであろう。二十年もあれば自然消失する類いの話だ。
    GM:が。
    高桐 理央:「……山中、霧の奥深く。ひとの声がする、火の粉が散る音がすると……足を向けたなら……」
    高桐 理央:「霧の中のひととなり……次に出会えるのは暦が巡った先……そういう話です……」
    高桐 理央:「……今年の六十干支は……おわかりですね……?」
    門脇ふみ:「……初めて、その伝承を耳にしました。」
    門脇ふみ:「貴方はその伝承を何処でお聞きに?」
    高桐 理央:「……………………」
    高桐 理央:「……今年は庚子の年。庚は金の気の陽を、子は水の気の陽を指し──」
    高桐 理央:「金は即ち鋼……刃……相生により水を生じます……」
    高桐 理央:「……即ち、金気たる霊刀と、それより生ずる水──霧が、川が、命が、六十年に一度露わになる年……」
    高桐 理央:「…………と。あなたがもし、門脇の家を去らねば……或いは知っていたやもしれません……」
    門脇ふみ:「…………」陰陽道。愛すべきクソ実家共の扱う呪術血統。
    門脇ふみ:私の覚悟で踏みにじった選択。
    高桐 理央:「……高桐の家は……数代を昇れば……門脇の家に繋がります……」
    高桐 理央:「……何処で、と問われれば。其処で……と……答えましょう……」
    門脇ふみ:「……ま、そうでしょうね。」その言葉自体に異論はない。
    高桐 理央:「……もし」
    高桐 理央:「もし、六十年にほんのひとたび……入り口を開く村があるとしたなら……」
    高桐 理央:「あなたは……見てみたい、ですか……?」
    門脇ふみ:「──高桐さん。」
    門脇ふみ:「貴方、最高の誘い文句よ」
    高桐 理央:「……………………」
    門脇ふみ:「60年に1度の村!すごくワクワクしますわね!!」
    高桐 理央:目の開きも、細い。一種、眠たげにも見える目つき。
    高桐 理央:「……条件が……あります……」
    門脇ふみ:「山登りの準備もしなきゃいけないし!あとは臨時休校の連絡も……あら?」
    門脇ふみ:「あらら、ごめんなさいね……流石に楽しい旅行のつもりで声をかけたわけではないでしょうし。」
    高桐 理央:「……ええ」
    高桐 理央:「……〝ゆりかごむら〟には……一振りの、神刀があるとされています……」
    門脇ふみ:「では改めて。条件とは?」
    高桐 理央:「……それは……手にすれば霧を生じ……振るえば河を生じ……突き立てれば命をも生じると言われる刃……」
    高桐 理央:「……全て命は水より生じるものなれば……逆説的に〝あらゆる命を生かし得る〟……」
    高桐 理央:「……神刀『病み喰らい』」
    高桐 理央:「私は……その刀が欲しいのです……」
    門脇ふみ:「その伝承が本物であれば──いえ、『本物でなく』とも。」
    門脇ふみ:「手を伸ばさずにはいられない理由があるわけですね。」
    高桐 理央:「……故は、明かしません。……あなたに言えることは、ひとつ……」
    高桐 理央:「私達は……急がなければならない……と……いうことです……」
    門脇ふみ:「勿論!無理に尋ねたりなんてしませんわ。」(必要がない限りですけど。)
    門脇ふみ:「急がなければならない理由……ですか。」
    門脇ふみ:「因みに、そちらもまだ秘密?」
    高桐 理央:「……いえ……そちらは……明かせます……」
    高桐 理央:「……『病み喰らい』を狙うものは……私だけではありません……」
    高桐 理央:「彼は……いえ、彼らもまた……手立てを選びはしないでしょうから……」
    門脇ふみ:「……そうでしょうね。『実家』も伝えているわけでしょうし。」
    門脇ふみ:「あそこで知ってる位なら、他に手を伸ばしたがる者がいない訳がない。」
    高桐 理央:「……ええ……門脇の本家も……そうでしょうが……」
    高桐 理央:「……真に恐るべき、者達の名は」
    高桐 理央:湯飲みを置く。ようやく、中身が半分になった。
    高桐 理央:「七扇」
    高桐 理央:茶の温度に比して、冷たい声で、彼は言った。
    門脇ふみ:「──あらあら」ぺらりと、手元のノートを開く。
    門脇ふみ:「確かに其れなら、私に声をかけるべきですわね、高桐さん」
    門脇ふみ:コトンと軽い音を立て、空の湯呑がおかれた。

    OP3:〝揺籠村〟


    GM:PC3、4、5! 登場侵蝕!
    陸奥 晴明:陸奥 晴明の侵蝕率を+6(1d10->6)した(侵蝕率:47->53)
    十束しのぎ:十束しのぎの侵蝕率を+7(1d10->7)した(侵蝕率:36->43)
    日和原 要:日和原 要の侵蝕率を+8(1d10->8)した(侵蝕率:33->41)

    GM:第四支部、ブリーフィングルーム。
    竹垣 渉:「点呼を取ります。日和原 要ー」
    日和原 要:はい、と小さく応える。
    竹垣 渉:「十束しのぎー」
    陸奥 晴明:落ち着かない様子で周囲をきょろきょろと見回している。
    十束しのぎ:「はいっ」
    十束しのぎ:ピシ、と姿勢を整えてる。
    竹垣 渉:「はい、元気がよろしい。陸奥……えーと、」
    竹垣 渉:「……?」
    竹垣 渉:「むつ、はるあきら……?」
    陸奥 晴明:「陸奥……あ、俺だ!はい!むつはるあき、到着してます!」
    陸奥 晴明:慌てて姿勢を正し、早口で返答する。
    竹垣 渉:「はるあき……と」手元の資料にふりがなを書き込み、
    竹垣 渉:「竹垣 渉。はーい、俺です。はい全員揃った」
    陸奥 晴明:「(びぃっくりした……あっぶね、流すとこだった)」
    陸奥 晴明:「あ、はい。これで全員ですか」
    GM:あなた達は、新たに決定した任務への参画にあたり、このブリーフィングルームに集められた。
    GM:名簿を読み上げているのは竹垣 渉(たけがき・あゆむ)。同じく第四支部所属のエージェントである。
    GM:戦闘員・兼研究者。専攻分野は、レネゲイドウィルスによる人体の治療。
    GM:今回の任務において、あなた達とチームを組むひとりである。
    陸奥 晴明:「(竹垣さん、日和原さんと十束さん……)」
    陸奥 晴明:自分以外の面々を改めて確認して思考に入る。
    陸奥 晴明:「(日和原さんは研究員だったよな、確か。どっかへの調査任務か?)」
    陸奥 晴明:「(だとしたら俺は護衛役かな、十束さんは……レネゲイドビーイングだし、そっち関連で何かあるのか)」
    陸奥 晴明:「(いやでも、確か日和原さんも十束さんもかなり戦れる方だったような……?)」
    陸奥 晴明:「(……要らない子って言われないように頑張らねえと、うん)」
    陸奥 晴明:自分にできることを確認しながら、益体もない思考をする。
    GM:──任務。
    GM:概要に関しては、事前に簡単に告知されている。
    GM:それを再確認するように、竹垣は言った。
    竹垣 渉:「七扇」
    竹垣 渉:「……という家があります。いわゆる退魔の家系。十二地区なんかに多いやつですね」
    竹垣 渉:「知り合いとかいます?」
    陸奥 晴明:「俺はちょっと……ただ、そういう話、聞いたことなら」
    十束しのぎ:「七扇様、ですか。いえ、私は存じ上げませんね」
    十束しのぎ:「退魔というなら、個人的に興味は惹かれますが」
    陸奥 晴明:「今の第十ニ支部長もそういう家の人、なんでしたっけ」
    日和原 要:「名前だけなら、かな。代々、EXレネゲイドの刀剣─遺産を受け継ぐ家系として、知れ渡ってはいるから」
    竹垣 渉:「レネゲイドウィルスが正式に発見される以前から、世界にはオーヴァードが存在しました。七扇家はその一つ──十二支部長も、たしか……?」
    十束しのぎ:「(刀剣)」そわっ。
    日和原 要:「いや、あそこはそういうのとは無縁、のはずだよ。逆に言うと─」
    竹垣 渉:「逆?」
    日和原 要:「何の助けも借りず、人の身で人ならざるものと渡り合ってきた、とも言えるかな」
    十束しのぎ:自分のルーツに近似の話題に反応しかけ、自制。
    陸奥 晴明:「……そっちのほうが大分目眩してくる話ですね?」
    日和原 要:「ああ、ごめん、話を逸らしたね。今は、七扇さんの家の話を。渉さん、続きをお願いします」
    十束しのぎ:「ほわー……ヒトの方のワザというものですか」
    十束しのぎ:「あぁ、そうですね。その七扇様が、いったい?」
    竹垣 渉:「何の助けも借りず……か」
    竹垣 渉:「……あぁ、はい。七扇家の話ですが──不穏な動きがあります」
    陸奥 晴明:「不穏……というと?」
    十束しのぎ:「不穏、と言いますと」
    竹垣 渉:「本家は言うに及ばず、分家、屋号を分けて遠方に暮らす一族郎党の端に至るまで、召集を掛けていると」
    陸奥 晴明:「いきなり人集めてるってことですか? なんかお祭りごととか……じゃ、ないですよね」
    十束しのぎ:「親族の集まり……と言うには大規模ですね?」
    竹垣 渉:「言うまでもなく、オーヴァードである彼らが、その総力を集めた場合」
    竹垣 渉:「それは私達、UGNの1支部とまではいかずとも。非オーヴァードを数百も集めた軍隊より、遙かに強大な軍事力となります」
    日和原 要:「一族郎党、全員に。となると─」
    日和原 要:「確か、この街にも、ひとり」
    陸奥 晴明:「何か悪いこと企んでるにせよ、そうでないにせよ」
    十束しのぎ:「目立つことには変わりない、と」
    陸奥 晴明:「何より、それだけの戦力が集まってるだけで危険、かな」
    竹垣 渉:「諜報の限りにおいて、彼らがいずこかの勢力を攻撃するようなそぶりは見せていませんが」
    竹垣 渉:「……どうにも彼らは、〝揺籠村〟に連なる情報を収集しているようです」
    竹垣 渉:〝揺籠村〟──この名称は、UGN内部の資料にも存在はしている。
    竹垣 渉:が。
    竹垣 渉:知っているという人間はよほどの物好きか、一度見たものは忘れない記憶力の持ち主か、であろう。
    竹垣 渉:竹垣は語る。それは、宵惑山という山において生じる一種の現象である。
    竹垣 渉:近代における、信用に値する資料での観測は二度。1960年と、1900年。
    竹垣 渉:いわく、〝霧の中にひとが消える〟〝霧の中からひとが現れる〟──神隠しにも似た話だ。
    竹垣 渉:N市近郊の古いオーヴァードの家には、より仔細な話が知られているというが。
    日和原 要:「──ああ」
    日和原 要:なるほど、という風に、小さく頷く。
    十束しのぎ:聞き覚えはない。故にその説明に耳を傾ける。
    陸奥 晴明:「えっと。前の事例が1960年、1900年。それで、今年が……」
    陸奥 晴明:指折り数えて考える。 二度目の観測が一度目の60年後。
    陸奥 晴明:「今年。再び起こる……と、彼らは考えている?」
    陸奥 晴明:自信なさげに呟く。
    竹垣 渉:「2020年……恐らくは何らかの確信を以て、彼らは動いているように見えます」
    日和原 要:「あまりに周期が長すぎて、設立してたかが20年弱のUGNじゃ、マトモな研究対象にはなってない、ってところかな」
    竹垣 渉:「ええ、こればかりは畑違いです。……そして、彼らばかりではありません」
    十束しのぎ:「といいますと?」
    竹垣 渉:「ひとつには、ファルスハーツ」
    竹垣 渉:「ここ数ヶ月で台頭してきた〝スレイヤーセル〟のNo.3、〝詩篇7-10〟と呼ばれる男が動いている──と、〝裏側〟の情報筋から」
    竹垣 渉:「そして、ひとつには門脇家──陰陽道の家です」
    GM:門脇家、と、彼女は言った。
    GM:日和原 要。
    GM:あなたはその家名を聞いて、ひとり、顔が思い浮かぶ人物がある。
    GM:それは、彼女自身の性質や信条が故に、家との関わりが薄く──
    日和原 要:「というと、門脇先生のご実家の?」
    竹垣 渉:「……えっ?」
    竹垣 渉:「お知り合いが……いらっしゃるんですか?」
    GM:──関わりが薄い故に。もし、門脇の〝家〟が何らかの企てをしていたとて、
    GM:その企てに力を貸していない可能性が高い。そういう人物だ。
    日和原 要:「うん。この街に来てから、何度か、仕事関係で意見を聞きにね。ただ─」
    日和原 要:「そういう、家の話とはあまり縁の無い人だと思うよ」
    竹垣 渉:「……………………」少しの間、腕組みをして考え込み、
    竹垣 渉:「なるほど。縁が無いなら、むしろ好都合かも知れません」
    竹垣 渉:「日和原さん、アポは取れますか? 可能なら、俺とあなたとでお話を伺いにあがりましょう」
    竹垣 渉:「門脇・七扇の家の動向について少しでも情報があれば、儲けものでしょうから」
    日和原 要:「やってみるよ。先生のゼミも、しばらくは休みだって聞いたし」
    日和原 要:小さく頷きながら。
    竹垣 渉:「十束さん、陸奥さん」
    十束しのぎ:「はい」
    陸奥 晴明:「は、はい!」
    竹垣 渉:「宵惑山のあたりは、一般の携帯電話でも、その他の通信機器でも、十分に電波の届く範囲です」
    竹垣 渉:「先んじて現地に向かい、近づくものがあれば接触せず、支部への連絡を」
    竹垣 渉:「……もし七扇の家が動くとすれば、数十人規模のオーヴァード集団となるでしょう」
    陸奥 晴明:「先行偵察、ですかね。」
    竹垣 渉:「はい」
    竹垣 渉:「敵対すると決まった訳ではありませんが、探りを入れていると知られても、お互いに気分は良くない」
    竹垣 渉:「接触はせず、まずは観察につとめるよう、お願いします」
    十束しのぎ:「ふむふむ」
    陸奥 晴明:「了解。目立った動きはせず、慎重に、ですね」
    十束しのぎ:「わかりました。目的は先行と観察。戦闘と敵対行動は極力避けます」
    陸奥 晴明:こくりと頷き、自戒する。常に慎重に、考えて動くこと。
    十束しのぎ:「陸奥晴明様とは暫定のバディとなりますね。よろしくおねがいします」
    陸奥 晴明:「ああ、よろしく。えーと……十束さん」
    陸奥 晴明:呼ばれ方に戸惑い、呼び方に一瞬迷って返答する。
    十束しのぎ:「はい、十束しのぎです。自己紹介もなく不躾でしたが」
    十束しのぎ:「日和原要様、陸奥晴明様、竹垣渉様」
    十束しのぎ:立ち上がり、ついとスカートをつまんで
    十束しのぎ:「皆様のお役に立てるよう、精一杯務めさせていただきます」
    日和原 要:「ああ、改めて」
    陸奥 晴明:「え、ああ……はい、こちらこそ。陸奥晴明です」
    日和原 要:「要。日和原、要だ。晴明くん。しのぎちゃん。渉さん。今回はよろしく。それと─」
    日和原 要:「どうか、皆無事に戻ってこれるよう。僕も、全力を尽くすよ」
    日和原 要:それが一番大事だ、と言いたげに。柔らかく、けれど年不相応に深みのある声色で。
    陸奥 晴明:「……そうですね」
    陸奥 晴明:「皆、無事に。それが一番だ。俺も、やれるだけのことやるよ」
    陸奥 晴明:「叩ける石橋は叩いて行こう。崩れない程度に。 ……それで良いですよね?」
    陸奥 晴明:竹垣に視線を向けて確認を取る。
    竹垣 渉:「はい」
    竹垣 渉:「思い煩わない程度の慎重さで……と、言い足しましょうか」
    竹垣 渉:戦歴、6年。崩落戦のことは知っている。
    竹垣 渉:「……陸奥さん。十束さんは比較的、UGNにおける任務経験の浅い方です」
    竹垣 渉:「が」
    竹垣 渉:「それを理由に、あまり気負いすぎないように」
    陸奥 晴明:「あ、あはは……すいません、ご心配おかけして。了解です」
    陸奥 晴明:頭をかき、苦笑しながら頭を下げる。
    日和原 要:「まあ、うん。石橋を叩いて叩いて、確かめるのも大事だけど」
    日和原 要:「思い切って橋ごと飛び越えると、案外上手くいく。そういう時もあるんだよ、晴明くん」
    日和原 要:先ほどとは真逆。悪戯っぽく、ウィンクなどしつつ。
    陸奥 晴明:「……うん」
    陸奥 晴明:それに、どうにか笑顔で返しながら。
    陸奥 晴明:「ありがとう、日和原さん」
    陸奥 晴明:戸惑いと迷いを隠して、感謝の言葉を口にした。

    OP4:〝門脇〟


    GM:PC2&PC3!
    日和原 要:日和原 要の侵蝕率を+10(1d10->10)した(侵蝕率:41->51)
    門脇ふみ:門脇ふみの侵蝕を4増加しました(侵蝕率:36->40)

    GM:第九地区、S大学。その、研究室のひとつである。
    GM:……と、同じ事を書いたが、時間は幾分か流れている。
    GM:門脇ふみ。
    GM:あなたはフィールドワークの為の荷造りをしつつ、アポの時間を待っていた。
    GM:すると、部屋のドアを三度ノックする音がして、
    門脇ふみ:「ふふんふんふ~ん……」懐かしめの曲を口ずさみながらトランクケースに荷造りをしているぞ!
    竹垣 渉:「失礼します。門脇先生、いらっしゃいますでしょうか?」と、ドアの向こうから声がする
    高桐 理央:「……おや…………お客さん…………ですか……」
    高桐 理央:未だ、少年は研究室にいた。門脇ふみの道案内を務める為だ。
    門脇ふみ:「あらいけない!アポの時間があったことすっかり忘れてたわ!!!」
    門脇ふみ:「高桐さんは……隠れたほうがいいかしら?」
    高桐 理央:「……お客さんの……素性は…………?」
    門脇ふみ:「UGNの方よ。口裏合わせならできると思いますわ。」
    高桐 理央:「……………………」
    門脇ふみ:「──は~い!ちょっとお待ちくださいね~!」のんびりと扉へ向かう。
    高桐 理央:空の湯飲みを手に、彼はソファから立ち上がる。
    高桐 理央:そしてクローゼットの中に、しゅるりと身を隠し、内側から戸を閉めた。
    門脇ふみ:後ろ手にガッツポーズをして扉を開けます。
    竹垣 渉:「初めまして。UGNの竹垣 渉と申します」一礼
    門脇ふみ:「──あら!アポを取っていただいた方で宜しいでしょうか?」
    日和原 要:「ご無沙汰してます、門脇先生。─お出かけ、ですか?」
    日和原 要:服装と、ちらりと部屋の中に見えた荷物を見て、目を細める。
    門脇ふみ:「竹垣さんに……日和原さんも!」「初めまして、門脇と申しますわ。」
    門脇ふみ:「そうですわね。フィールドワーク用の準備をしてた所ですわ!」
    竹垣 渉:「お名字ばかり、存じ上げています」
    門脇ふみ:「まあ、そうでしょうねぇ。」
    門脇ふみ:「私の事は気さくにF教授(プロフェッサー・F)とでもお呼びいただければ!」
    竹垣 渉:「プロフェッサー……?」
    竹垣 渉:「……悪役みたいですね」
    日和原 要:「先生、と呼ぶよりも似合っているのがまた。─とまあ、そんなわけで、門脇先生」
    日和原 要:「少し、お時間を頂戴したいんです。また、ご教示いただきたいことが、少し」
    門脇ふみ:「ホホホ、昔から星新一先生の大ファンでしてね…」
    門脇ふみ:「ええ、日和原さん。それが私へアポを取った理由になりますかしらね?」
    日和原 要:「まさに。─先生は」
    日和原 要:目を、細めたまま。
    日和原 要:「揺籠村、という名はご存知ですか」
    門脇ふみ:合わせるように顔を引き締めたまま。
    門脇ふみ:「──ええ。これより『私が』向かう予定の場所ですわ。」
    竹垣 渉:「……向かう予定、と仰いましたが……」
    竹垣 渉:「……それは、〝門脇〟の者として……ですか?」
    門脇ふみ:「いいえ?個人的な学術興味故ですわ」
    門脇ふみ:「あそこの場合私が直々にせがんでも突っぱねるでしょうからねぇ」
    日和原 要:「村、というのは、ええ。どれほど友好的に見えても、見せてもらえない一線というのは」
    日和原 要:「あるものですから。門脇先生には、釈迦に説法でしょうけど」
    日和原 要:苦笑いのような、けれど何か懐かしいものを思い出すような笑みを浮かべながら。
    門脇ふみ:「ふふふ。」「……さて、お客様を立たせているのもなんですし、良ければお茶でも如何?」
    門脇ふみ:二人を研究室に招きます。
    日和原 要:ではありがたく、と返事をして、お招きに応じましょう。
    GM:ならば室内。
    GM:あなた達はソファに腰掛けて、用意されていた茶菓子と、テーブルに残る僅かな暖かさに気付くやも知れない。
    門脇ふみ:「──はいどうぞ。粗茶ですが」皿に盛ってあったお茶菓子と淹れ直したお茶を二人に配る。
    日和原 要:ちらり、と卓上を見てから、椀を手に。
    日和原 要:いただきます、と告げて、茶をひとくちだけ。
    竹垣 渉:出された茶に手をつけないまま、
    竹垣 渉:「揺籠村の存在については、何処でお聞きになりました?」
    門脇ふみ:現在進行形で隠している秘密をおくびにも出さず、ニコニコと笑みを浮かべている。
    門脇ふみ:「ええ。上の階で歴史学科を担当している先生からお聞きしましてね。」
    竹垣 渉:「ほう」
    竹垣 渉:じいっ、と真顔のままで見つめて
    竹垣 渉:「どうやって、向かうおつもりですか?」
    門脇ふみ:「ホホホ……とりあえずN市の近郊にあるという事ですからね。」
    門脇ふみ:「伝承が残っていた地域付近のホテルを借りて、しらみつぶしでいく予定ですわ!」
    日和原 要:「そういうところも変わりませんね、先生。実際、先生ならそれでなんとかなりそうだ、と思えてしまうのも事実ですけれど」
    日和原 要:ことり、と小さく音をさせて、椀を卓上に戻す。
    門脇ふみ:「しかし、UGNのお二方から丁度向かう先のお話を聞けたのは意外でしたわね」
    日和原 要:「僕らの目的も、まあ、その辺りということで。というわけで、先生」
    日和原 要:「いつものように虱潰しもいいですけど、もう少し効率よくいきませんか」
    門脇ふみ:「ふふふ。」
    門脇ふみ:「つまり……そういうことですわね?」
    日和原 要:「そういうこと、です。僕らの手の数は限られていますから」
    竹垣 渉:「はい」
    竹垣 渉:「利害が一致しないまでも、相反しないならば手を組む方が良い──と、考えます」
    竹垣 渉:「日和原さんの知人であることを以て、あなたの人格に対する担保はありますが」
    竹垣 渉:「俺達からでも、示せるカードは有る」
    門脇ふみ:「信用して頂けて嬉しい限りです。」「そちらのカードというと、“揺籠村”の場所でしたり?」
    門脇ふみ:(それだけだとちょっと弱いけれど……まぁ高桐さんへ情報の横流しもできるしトントンってとこかしらね)
    日和原 要:「実のところは、まだ捜査中、ですけれどね。僕らの仲間が、いま、現地─山に入っています」
    日和原 要:「あるいは、現地だからこそ分かることも、あるかもしれない。言ったでしょう、手の数は限られている。だから」
    日和原 要:「手は、多ければ多いほどいい。もちろん、足も、頭も、です」
    門脇ふみ:「あら!そちらも手が早いですわね」
    竹垣 渉:「ええ」
    竹垣 渉:「もし誰かが、あの近辺に向かったのなら」
    竹垣 渉:「我々の情報網は必ず、それを見つけるでしょう」
    門脇ふみ:(私の場合、尚の事って感じねぇ。有名税って辛いわぁ~)
    GM:かちゃ。
    GM:と、音がした。
    門脇ふみ:「──!」
    GM:クローゼットの戸が内側から押し開けられた際の、金具の立てた音だった。
    日和原 要:「…………」
    高桐 理央:「…………」片手に空の湯飲みを持った、痩躯の少年が、するりと滑るように現れて、
    日和原 要:「早めに話を纏めて、ここを辞するべきだったかなあ」
    門脇ふみ:「………………」目を逸らす。
    高桐 理央:門脇ふみの隣に、何事も無いかのように腰を下ろした。
    高桐 理央:「…………それでも……良かったのでしょうが…………」
    日和原 要:「うん。でも、こうして姿を見せてくれた、ということは」
    高桐 理央:「……どうせ、向こうで……お会いすることになるでしょうから…………」
    日和原 要:うん、ともう一度相槌を打って、頷いて。
    門脇ふみ:「払いきれなくてごめんなさいね、高桐さん。」
    高桐 理央:「……ふみ、さん。UGNは……欺くには……相手が悪い…………」
    高桐 理央:「ですから……力を借りることにしませんか……?」
    門脇ふみ:「あら、宜しいの?」
    門脇ふみ:「もう少しのんびりしていたら私がその提案をするところでしたわ」
    高桐 理央:「……ええ。私には……欲しいものがありますが……」
    高桐 理央:「実のところ……それを〝保持したい〟のでも……ないのです……」
    門脇ふみ:「……そうなのね。」軽く頷いて、二人に向き直る。
    竹垣 渉:「欲しいもの……ですか?」
    高桐 理央:「はい……刀を一振り……」
    門脇ふみ:「お二方もごめんなさいね。実は大ウソついちゃってましたの」
    日和原 要:「話してくれるつもりだったんでしょう?」
    門脇ふみ:「揺籠村の存在は、彼から詳細をお聞きしていました。」
    門脇ふみ:「ええ。とはいえもう少し良い感じの所があるかなーと思っていたのですが……」
    門脇ふみ:「まぁ誤解を招くよりはマシね!」
    高桐 理央:「ええ……七扇に先を越されるよりは……さらにマシ、かと……」
    高桐 理央:「……UGNの方。何処までの情報を……ご存じですか……?」
    日和原 要:「なら、問題ないじゃないですか。今話してもらうか、後で話してもらうか、それだけの違いです」
    日和原 要:そう、門脇先生に応えてから。渉さんに、ちらりと視線をやって、小さく頷く。
    門脇ふみ:「ありがとうね、日和原さん」
    門脇ふみ:「改めてこちらが高桐理央さん。私に『60年に一度入れる村』を紹介してくれた方ですわ」
    竹垣 渉:頷き返して「七扇、門脇。それにFH。少なくとも三つの勢力が、揺籠村の情報を求めています」
    竹垣 渉:「捜し物にしては、規模が大きい。何を企てているにせよ、迅速に対応を、と思いましたが──」
    門脇ふみ:「(上手くいけば)下手すれば第5の勢力として私たちが殴り込んでいたわけですわねぇ」
    高桐 理央:「……彼らが探しているのは……とある刀でしょう」
    日和原 要:「それが、君の欲しいもの、かな。保持したいわけではない、という」
    高桐 理央:「ええ……一度、この手に収めて……一度、振るえれば……それで良いのです……」
    門脇ふみ:(大抵の場合、一回だけって神話はとんでもないオチになるわよねぇ)
    高桐 理央:「……どうです」
    高桐 理央:「あなた達が……七扇に〝刀〟を渡さず……私の元に届けてくれるなら……」
    高桐 理央:「私は……〝ゆりかごむら〟への道を示しましょう……」
    門脇ふみ:(命を生かす刃『病み喰らい』。話ができる以上そこまで思い詰めているわけでも無さそうですが。)
    門脇ふみ:(確かに楽しい旅行では終わらなさそうね。)
    日和原 要:「それが」
    日和原 要:語る少年の目を、じっと見つめて。
    日和原 要:「どういったものか、君がそれを振るって、何をしようとしているのか。振るったとして、何が起こるのか」
    日和原 要:「今すぐ、じゃなくていい。追々、教えてくれるなら」
    日和原 要:「僕らは、協力者─仲間でいられると思う。どうかな?」
    高桐 理央:「……………………」
    高桐 理央:少年は、視線を逸らさずに応じた。目の開きは、細い。瞼と瞼の隙間で、瞳は揺れもせずに留まっている。
    高桐 理央:少しの間。
    高桐 理央:「……私は……ひとを斬るような……七扇のような生き方はしていない……」
    高桐 理央:「ただ、ひとり……生かしたいひとがいるのです……」
    高桐 理央:「……そう答えるのが……誤りも無く、偽りも無く……よろしいでしょう……」
    日和原 要:「誰かのために何かをしたい、というのは。何よりも尊ばれるべき動機、だと思う」
    日和原 要:「信じるよ。誤りも、偽りも無いと言う、その言葉を」
    門脇ふみ:「──OK!一先ず話はまとまったかしらね!」ぱちん、と手を合わせる。
    日和原 要:「ええ、そのようで。僕らも、先行組を追って出発する準備は出来ています」
    門脇ふみ:「私と高桐さんはUGNとチームを組んで揺籠村に入り、最初に凄い神刀を確保!」
    門脇ふみ:「危険そうなものでなければ高桐さんが一回使ってUGNへ管理を移譲する!って所かしら?」
    竹垣 渉:「単純ながら、妥当な線かと。……現地組に先に話を伝えます、合流もスムーズになるかと」
    竹垣 渉:通信端末を取り出す。十束、陸奥の両名へ連絡を取るべく操作を行い──
    竹垣 渉:「……?」
    門脇ふみ:「あら……如何しました?」
    竹垣 渉:怪訝な顔をして、言う。
    竹垣 渉:「……衛星経由。エベレストの山頂に居ようが、通信は届く筈なのですが」
    竹垣 渉:「圏外です」

    OP5:〝七扇〟


    GM:──時系列としては、数日ばかり前になる。
    GM:早朝だ。日は昇ったが、まだその光が、街に十分な熱を与えていない頃合い。
    GM:七扇・T・絵麻。あなたの住む部屋の、玄関扉を叩く音がする。……チャイムではなく。
    七扇・T・絵麻:「あ゛ぁ…?」
    七扇・T・絵麻:えらく調子の悪そうな声。
    GM:少し間が空いて、
    GM:がん。
    GM:がんっ。
    GM:扉を叩く音が強まる。
    七扇・T・絵麻:不安定な仕事だ。どうにかなってはいるが、生活リズムが不規則にならざるをえない。それはそれとして今日は二日酔い気味である
    七扇・T・絵麻:「ちょっとちょっとっ」
    七扇・T・絵麻:「ご近所さんに変な噂されたらどうするっての」
    七扇・T・絵麻:手早く身支度してドアから外を覗く
    GM:ならば、そこから見える来訪者は、
    七扇 燎雅:眉間に皺が張り付いて取れなくなったような、いかめしい顔の、白髪の男だ。
    七扇 燎雅:七扇 燎雅。あなたの叔父に当たる。そして、
    七扇 燎雅:七扇 ほむらの父親である。
    七扇・T・絵麻:「グェ……」
    七扇・T・絵麻:ヒキガエルの断末魔みたいな声が出る
    七扇 燎雅:「開けろ」
    七扇 燎雅:「そこに居るのは分かっている、開けろ」
    七扇 燎雅:「さもなくばこのまま扉を貫く」
    七扇・T・絵麻:鍵を開ける
    七扇・T・絵麻:「いや100歩譲って大家さんに鍵借りなさい…って、そういうアレじゃあないですね…」
    七扇 燎雅:「特務召集だ」
    七扇・T・絵麻:「なんですって?」
    七扇 燎雅:と言いながら、その男は扉を開け、室内に上がり込もうとする。
    七扇・T・絵麻:「いやいやいやいや」
    七扇・T・絵麻:「茶の一つでも出せと?いまいち綺麗ではないのでご遠慮いただけますでしょうか?」
    七扇 燎雅:「……………………」
    七扇 燎雅:手はドアノブを離れ──懐へ収まる。
    七扇 燎雅:ゆったりとした着物の懐には恐らく、短刀の一つも呑んでいるのだろう。
    七扇 燎雅:「ならば、この場で伝える」
    七扇 燎雅:「分家の末端に至るまで、七扇の全てに召集が掛けられた」
    七扇 燎雅:「いかなる任にも優先して受命せよ」
    七扇・T・絵麻:「……」
    七扇・T・絵麻:「戦争でも?」
    七扇 燎雅:「戦なぞ」眉間の皺を僅かにも緩めず、はっ、と笑い飛ばして
    七扇 燎雅:「何の珍しいことがあろうか」
    七扇・T・絵麻:この人が来るということは、嘘偽りではないだろう
    七扇・T・絵麻:「簡単に・・・」
    七扇・T・絵麻:「…謹んで拝命仕ります。して、その任とは?」
    七扇・T・絵麻:せめてもの抵抗のつもりか、腕を組んで聞く態勢を取る。
    七扇・T・絵麻:本家の言うことなど突っぱねたいところだが、動いてる人間が人間である。
    七扇 燎雅:「〝ゆりかごむら〟を落とす」
    七扇 燎雅:「名は……お前でも、一度や二度は聞いたことがあろうな」
    七扇・T・絵麻:「落とす…!?」
    七扇・T・絵麻:瞠目
    七扇・T・絵麻:「この仕事をしてれば、聞かないほうがヤブだけど…」
    七扇・T・絵麻:「どうして今更…?あの代物は手を出せばパワーバランスが崩れるが故の不可侵のはず…」
    七扇・T・絵麻:「というか、実際にあるの…?例の刃が…!」
    七扇 燎雅:「見たという者は誰も、生きてはいないがな」
    七扇・T・絵麻:「そりゃ実際にあれば秘匿は徹底するでしょう。それほどの代物…」
    七扇 燎雅:「だが、今年は庚子の年だ。この機を逃せば次は六十年の後。となれば」
    七扇 燎雅:「多少の博打であろうとも、今動かねばなるまい」
    七扇・T・絵麻:「…人死にが出るわよ。」
    七扇 燎雅:「それは」
    七扇 燎雅:「この、小さな小屋の寄せ集めのような家での話か?」
    七扇 燎雅:扉の向こう、男はぐるりと周囲を見渡して、
    七扇 燎雅:「生憎と、刀は置いてきたのだ。全て斬るには……少々時間が掛かろうな」
    七扇 燎雅:この男がわざわざ〝斬る〟と言ったのなら、その対象は人ではない。家屋だ。
    七扇 燎雅:人を斬る程度のことに、一々難易度を考えるような、大人しい性質の男ではない。
    七扇・T・絵麻:「……」
    七扇・T・絵麻:生憎とこちらは個人戦闘がメインだ。この男を相手に全員を守るのは不可能と言わざるをえない。
    七扇・T・絵麻:奇跡が3度と起きて護りきろうと、本家に楯突く真似をしてその後が無事とも言えないだろう
    七扇・T・絵麻:「……拝命は既に賜ったわ。そんなところでガタガタブレたりはしないわよ」
    七扇 燎雅:「ならば、良い」
    七扇・T・絵麻:「本家が大マジってのも分かる。“大馬鹿野郎”とじじさまにでも伝えて頂戴」
    七扇 燎雅:「三日後の日の出の刻、本家の内庭に来い」
    七扇 燎雅:「それまでに言葉を学び直すことだ」
    七扇 燎雅:扉の向こう、男は背を向けて歩いていく。
    七扇 燎雅:足音は無い。衣ずれの音も無い。
    七扇・T・絵麻:「……」
    七扇・T・絵麻:「ヘッ!……ヘッ!ヘッ!」
    七扇 燎雅:〝無音〟が遠ざかって、少し、周囲が賑やかになった。
    七扇・T・絵麻:ビビるのが素直に嫌いだ。いないところで虚勢を張らざるをえない
    七扇・T・絵麻:「………戦争…また、か。」
    七扇・T・絵麻:部屋の奥に視線を見やる。注連縄で囲われた結界の中に鎮座する愛刀・多々羅
    七扇・T・絵麻:何人死ぬのだろう
    七扇・T・絵麻:何人、笑えなくなるのだろう

    GM:三日という時間は、あまりにも短い。
    GM:日の出が集合時刻ならば、夜明け前には既にそこに居る必要があろう。
    GM:七扇本家の内庭、砂利敷きの中庭。
    GM:そこには既に、見知った顔、知ってはいるが口を利いたことも無い顔、どこの末端とも知らぬ顔、
    GM:合わせ数十人が帯刀し、集まっていた。
    七扇・T・絵麻:戦装束。洋装ではあるが、本家の人間ならば絵麻はこういう格好で闘うことくらいは知れているだろう
    七扇・T・絵麻:(あーあ、随分様変わりしちゃってまあ)
    七扇・T・絵麻:(こないだの朝霧との合同任務に顔出したやつもいるけど…)
    GM:空の暗闇が少しずつ、少しずつ薄れていく時間帯。
    GM:あなたは、一瞬
    GM:……本当に、ほんの一瞬だ。水滴が額に落ち、冷たいと思う時間よりもずっと短い、僅かな時間、
    GM:殺気とも紛う強い念が、背に叩き付けられたことを感じ取るだろう。
    七扇・T・絵麻:戦いに生きるものの条件反射だ
    七扇・T・絵麻:柄尻を押し、背中の急所を太刀の鞘でかばう
    GM:ならば
    GM:ついぞ物理的な接触は無いまま、その殺意の主は、
    GM:あなたの横を通り過ぎ、正面に出て、振り向くだろう。
    GM:……或いは振り向くまであなたは、それが誰であったか、気付かないかも知れない。
    七扇 ほむら:何故ならば。
    七扇 ほむら:真白の髪をしていたからだ。
    七扇 ほむら:真白の眉に成り果てていたからだ。
    七扇 ほむら:この場に刀を携えて集まった誰よりも、
    七扇 ほむら:或いは召集を掛けた七扇 燎雅──彼女の父よりも白い、老婆のような髪をして、
    七扇 ほむら:「ねえさま」
    七扇 ほむら:「……久しぶりですね」
    七扇 ほむら:その少女は、言った。
    七扇・T・絵麻:「……ほむら」
    七扇・T・絵麻:ああ、かわいいほむらよ
    七扇・T・絵麻:正しく花火のようだった笑顔は耐えて久しい
    七扇・T・絵麻:忌むべき戦争が終わっても、この子を見ればあの日まで引きずり戻されてしまう
    七扇 ほむら:「来てくださって、良かった」
    七扇 ほむら:「私の為に」
    GM:東の空。山の稜線に日が掛かる。
    GM:眩い程の光を白髪が散らしながら──七扇 ほむらは、進み出た。
    GM:集められた数十人の前に立つ、七扇 燎雅の隣へ。
    GM:そして、空を見た。
    七扇 ほむら:「時間です」
    七扇 ほむら:「……〝病み喰らい〟を取りに行きましょう」
    七扇 ほむら:「あれは病を癒やす刀なれば、きっと、きっと。ええ、きっと」
    七扇 ほむら:「治るんです」
    七扇 燎雅:「………………」男は、その隣で苦々しげな顔をしながらも、
    七扇 燎雅:「行くぞ」
    七扇・T・絵麻:「……」瞑目
    七扇・T・絵麻:それの是非を問える立場ではない
    七扇・T・絵麻:少女の世迷い言一つでここまでの動員は出来ない
    七扇・T・絵麻:総力戦なのだ
    七扇 燎雅:「二列縦隊、宵惑山に入る」
    七扇 燎雅:「〝ゆりかごむら〟の陥落成るまで、もはや引き返せぬと知れ」
    七扇・T・絵麻:(…終わりか。気ままな生活ってのもあっけないわね)
    七扇・T・絵麻:昨日今日で死ぬ覚悟を済ませてはいないが
    七扇・T・絵麻:それでも、思うところが無いとは言えぬ。
    七扇・T・絵麻:首尾よく上手くいけば、あの笑わぬ妹分に日が差すのか?
    七扇・T・絵麻:そう、上手く行けばいいのだろうが…
    七扇・T・絵麻:黙考をしながら歩は進む。挑むは御伽話。争うは血肉
    七扇・T・絵麻:せめてもの救いが、鉄火場に落ちていることを願おう
    GM:ざんっ。
    GM:数十の足音が揃う。

    OP6:〝やまくらい〟


    GM:PC4!
    十束しのぎ:十束しのぎの侵蝕率を+9(1d10->9)した(侵蝕率:43->52)

    GM:──霧の中にいる。
    GM:霧が周囲を満たしている。
    GM:伸ばした手の先がぼやける程の、白い世界に、あなたはいる。
    GM:ここはN市近郊、宵惑山。
    GM:平時ならば、然程の高さもなく、この季節ならば木々の葉も少ない。
    GM:故に見通しもよく、通信機器の電波は十分に入る筈だった。
    GM:……いや、そもそも。二人でこの山に入ったのだ。
    GM:本来ならば陸奥 晴明が、あなたの隣にいた筈だ。だが。
    GM:気付くと、あなたは一人だった。
    十束しのぎ:「ふむ」
    十束しのぎ:端末をしまう。支給された高性能であるはずのそれは圏外を示している。
    十束しのぎ:知識としては知っているが、そもそも圏外の表示を見たことがなかったので新鮮だ。
    十束しのぎ:「陸奥晴明様ー」
    十束しのぎ:声を飛ばしてみる。
    十束しのぎ:霧に吸い込まれるように反応はなく、シンとしている。
    十束しのぎ:「ふむ、ふむ」
    十束しのぎ:左腕に右肘をおき、指の背を顎に添えるように構えて首をかしげる。
    GM:こだまは、有るのだ。
    GM:自分の足音とて、当然だが聞こえる。
    GM:何処かで、山の獣が動いているような音もするのだが、
    GM:返事は無いし、誰かがあなたを探す声も聞こえない。
    十束しのぎ:ヒトの体を得て、全てが十全に使いこなせているとは言えない。
    十束しのぎ:知識と乖離するこの山の状態が、もしかしたら山というフィールドのデフォルトの感覚なのかもしれない。
    十束しのぎ:が、
    十束しのぎ:「それなら何かしらの注意は受けるはず……ですよね?」
    十束しのぎ:答えは返らないままに疑問を口にする。
    GM:然り。
    GM:この状況は──尋常のあり方ではないのだ。
    十束しのぎ:「うん、私が迷子となったのか」
    十束しのぎ:「あるいは………異常事態ですか」
    十束しのぎ:「となれば」
    十束しのぎ:「迷子の時は待機が常道と聞き及びますが、困難を打破するにはせめて前に進むしかなさそうですね」
    十束しのぎ:「………なにより」
    十束しのぎ:深々とした静寂。こちらを見るもののない、気配だけ感じる空間。
    GM:とはいえ、だ。
    GM:そもそも、〝前〟とはいずこであろうか。
    GM:自分は真っ直ぐ進んでいるのか? その保証すら無い空間で、
    GM:ひとではない、多種の生物の気配ばかりが満ちた霧の中。
    十束しのぎ:それはこの4年で培った感覚より以前、永く浴びていたものを思い出すような。
    十束しのぎ:「このままでは私、まーたひとりぼっちですからね」
    十束しのぎ:標はないが当て所無く足をすすめる。
    十束しのぎ:当人としてはまっすぐ。グルグルと循環するという発想すらないまま……
    GM:……それは、突然のことであった。
    GM:ぴぃ──
    GM:と、高い音が霧中に響いた。
    十束しのぎ:「む」
    GM:鳥の声音かと紛うそれを、二度目に聞けばもう誤りはするまい。
    GM:笛の音だ。
    十束しのぎ:「鳥……いえ、笛?」
    GM:それは楽を奏でている。
    GM:あなたが進もうとしていた方向から、少しばかり斜めに、左手に外れた方角。
    GM:誰かが、この霧の中で笛を吹いていた。
    十束しのぎ:「合図でなし、木の洞のイタズラでなし、………であればこれは、ヒトの手によるものですか」
    十束しのぎ:一瞬そう考え、口に出す頃には足をその方角に向けている。
    十束しのぎ:もともと当てのない探索だったのだ。変化を優先しよう。
    十束しのぎ:笛の音に導かれるように、霧の中を進む
    GM:あなたは、歩いていく。
    GM:何もしるべの無い霧の中、笛の音色だけを頼りに進むと──突然に、だ。
    GM:伸ばした手の指先すらぼやける霧の中に、誰かの背を見つけるだろう。
    GM:……もっとも、それを見つけるタイミングとは即ち、相当近い位置に来てからなのだが。
    十束しのぎ:「おや」
    十束しのぎ:両手の先も見えない霧の中、突如現れた至近の背中に声を漏らす。
    :「わっ!?」
    十束しのぎ:「こんにちは。笛を奏でていた方でしょうか?」
    GM:ぴたり。
    GM:背後からの声に驚愕した背が飛び跳ね、笛の音が止み──
    GM:飛び跳ねた〝誰か〟はそのまま、べしゃっと俯せにすっ転んだ。
    十束しのぎ:「まっ」
    十束しのぎ:その挙動に少し目を丸くしたあと、駆け寄る
    十束しのぎ:「すみません、驚かせてしまいましたか?」
    十束しのぎ:しゃがみ込むように、転んだ相手に手を差し伸べる。
    十束しのぎ:そしてその容姿を確認するように努める。
    ???:──その人物は。
    ???:そうだな、こう形容しよう。
    ???:〝この世ならざるもの〟であると思えよう姿をしていた。
    ???:「……おおう。ひとか。そうか、ひとか──ん? ひと?」
    ???:起き上がり、差し伸べられた手を当然のように受ける。
    ???:……俯せに転んだ筈が、白い着物は汚れていない。
    ???:その瞳は、こがね色に輝いている。恒星──己自身に秘めたる力で輝く、星のようにだ。
    ???:「……ひとか?」
    ???:首を傾げている。
    十束しのぎ:その手をしっかととり、体勢を持ち上げる手助けをし。
    十束しのぎ:「こんにちは、十束しのぎと申します」
    十束しのぎ:青色の瞳。星を映す空、あるいは照らす海のような目を瞳に向けて。
    ???:「おう」と、その人物は横柄に頷き
    ???:「……ぬしや、ひとでは無いな。さては。いや、そうであろう」
    ???:「……そうであろ?」
    十束しのぎ:「ヒトとしては新参者になりますね」
    十束しのぎ:「そうであります」
    ???:「やはりか」何やら満足げに頷き
    十束しのぎ:「ご慧眼です」
    ???:「ならば、これ。このような所に迷い込んでは危ないぞ。はよう山を降りるが良い」
    十束しのぎ:「かくいう貴女も、ヒトというにはなかなか超越した似姿で」
    ???:「まぁな」
    ???:「……いや、うむ。この姿はよいのだ。それはあまり重要ではないのだ」
    ???:「この神域を暴きたるからには、名のあるあやかしの類いであろうが」
    ???:「あやかしも、神のはしくれも、人には勝てぬ。早々に逃げるがよいぞ」
    十束しのぎ:「そうですね、同感です」
    十束しのぎ:「私もあやかしであるよりは聖なるかなを心がけておりますが」
    十束しのぎ:少し眉を下げて
    十束しのぎ:「行くにしても戻るにしても、私は迷子なのでして」
    ???:「む?」
    ???:「自力で入ってきたのではない……?」
    十束しのぎ:「そうですね」
    ???:「えっ」
    十束しのぎ:「いつの間にやら白い闇。更には同道した方もはぐれてしまう始末」
    十束しのぎ:「そちらの奏でた笛の音を、さても救いの手かと思った次第でして」
    ???:「……ええと」
    ???:「ひい、ふう、みぃ……」
    ???:「…………」
    十束しのぎ:「いかがなさいまして?」
    ???:「十束 しのぎよ。今、昭和に換算すると何年だ?」
    ???:「……たしか、昭和でよかった筈だな、うん」
    十束しのぎ:「『しょうわ』ですか。それでしたら」
    十束しのぎ:「90年は超えていたかと」
    十束しのぎ:「現在は「れいわ」と呼ぶらしいですよ」
    ???:「……九十を越える……ほうほう」
    ???:「そして、昭和の次が〝れいわ〟か、ふむ」
    ???:「ええと、前が確か……三十五年……もしや、庚子の年か?」
    十束しのぎ:「ちなみにしょうわの次は平成。平和と成る、と呼ぶらしいですが……」
    ???:「へいせい」
    十束しのぎ:「あぁ、そうですね。九十五年となりますか」
    十束しのぎ:「それがなにか?」
    ???:「……なるほど。それは帰れぬ訳だ」
    ???:その人物は、困り果てたような、或いは何かに苦しむような、そんな顔をして言った。
    十束しのぎ:「おや、どうやらご事情通のご様子」
    十束しのぎ:「そして、なにか苦しんでおられるようですね、貴方」
    ???:「……十束 しのぎよ。もう暫し歩けば、ひとの村がある」
    十束しのぎ:「ほう、村があるのですか」
    ???:「そこに至れば宿を得られよう。食も得られよう。だが」
    十束しのぎ:「だが?」
    ???:「だが決して、取り込まれるでないぞ」
    十束しのぎ:「取り込まれる、ですか」
    ???:「うむ」
    十束しのぎ:「問題のある方々なので?」
    ???:「……ひとに有らざる我らは、ひとに感化されるものであろ?」
    ???:「そも、我らがこうして取る姿が、ひとを模したもの」
    ???:「我らはひとを真似る。が……真似るべきでないものもある、ということだ」
    十束しのぎ:「………えぇ、そうですね。そうですとも」
    十束しのぎ:「使い手が魔であれば魔と呼ばれ、聖であれば聖と呼ばれる」
    十束しのぎ:「元来私達はそういうものですから」
    十束しのぎ:「ご忠告、感謝します。……ええと」
    ???:「む? ……ふむ。もしや、ぬし、つるぎか」
    十束しのぎ:「貴方の呼び方をお聞きしても?」
    十束しのぎ:「えぇ。そうですね。この身は剣。聖剣として生まれ、語られることを夢見る身です」
    ???:「そうか、そうか。ならば──我が忘れられた名を告げても良かろうな」
    ???:「ひとを模した身の名は持たぬ。だが」
    ???:「火の中より、この世に出で来たりし日には」
    GM:ざぁ──
    GM:風が吹いた。
    GM:木々がざわめく。霧が晴れてゆく。
    ???:「〝やまくらい〟、と呼ばれていたよ」
    ???:「もう知るものも、誰もいないが」
    十束しのぎ:「やまくらい様。」
    十束しのぎ:ざわめく風に揺れる髪を押さえて。
    GM:笛を持つ、ひとならざるもの──〝やまくらい〟。
    GM:その背の向こう、さして遠くも無い、森の中。
    GM:炊飯の煙が、空へと昇っていくのが見えるだろう。
    ???:「そら、行け」
    ???:「ここで私に出会ったと、村のものには話すなよ」
    十束しのぎ:「えぇ、覚えました。改めて、私の名前は十束しのぎ。聖剣を志し、語られなかった一振りの鉄です」
    ???:「語られなかった、か」
    十束しのぎ:「知られざる私が、貴方の親切と名を覚えておきましょう」
    ???:「……そうだな。親切かどうかは知らんが、余計な世話を最後に焼こうか」
    十束しのぎ:「えぇ。なのできっと貴方は大先輩。ご忠告もしっかり受け止める次第です」
    十束しのぎ:「お世話ですか?」
    ???:「我らのようなものが名を残す時とは即ち、ひとの世に争いのある時」
    十束しのぎ:「……………」
    ???:「だが、うむ。ぬしや、優しげな顔をしておるからな」
    ???:「ひとと争うのを好むような性質には見えんが、どうだ?」
    十束しのぎ:掛けられた言葉を噛み締めて
    十束しのぎ:「…………そうですね」
    十束しのぎ:「相争うのは苦手です。私はきっとヒトのため。魔を払い平和を招くために聖剣としてあるのですから」
    ???:「ふふ、その意気や良々。ならば」
    ???:「先達として忠告するが、目一杯、わがままになるが良い」
    十束しのぎ:「わがまま、に?」
    ???:「そうさ。斬ると決めたなら、使い手の腕がわらべにも劣ろうが、斬ってみせる」
    ???:「斬らぬと決めたなら、使い手が喚こうが怒鳴ろうが、毛ほどの傷もつけぬ」
    ???:「斬るものをひとに任せると、ひとはひとばかり斬るからのぅ。ぬしが決めるが良かろうて」
    十束しのぎ:「なるほど、それは確かに"わがまま"です」
    十束しのぎ:「えぇ、えぇ。使い手を選ぶのが聖剣なれど。斬るものも選ばなければ不公平ですね」
    十束しのぎ:「きっと私が出会う勇者ならば、そんなわがままも許してくれるでしょう」
    十束しのぎ:「お言葉、しかと受け止めました!」
    十束しのぎ:「して、ふむ」
    十束しのぎ:「含蓄あるお言葉。やまくらい様も、さぞや名のある刀剣だったのでは?」
    ???:「名が、それよ」
    ???:「我が名こそ、〝やまくらい〟。今や誰も呼ぶこと無き我が名」
    十束しのぎ:「あぁ、なるほど。私はヒトとして初めて銘を頂きましたので、つい」
    ???:「……うむ。下手すると自分でも忘れるところであったぞ、あまりに正しく呼ばれぬでな」
    ???:口元を手で覆い、〝やまくらい〟は笑った。鈴の音に似た笑い声。
    ???:「さぁ、いけ。そして忘れるな」
    ???:「取り込まれるな、呑まれるな。必ずや帰ると念じてゆけ」
    ???:「ぬしは同類。世話焼きは特別待遇よ。運が良かったのぅ」
    十束しのぎ:「えぇ、では。先達のお心遣いありがたく頂戴いたします」
    十束しのぎ:「十束しのぎ。止まらず進み、帰るべき場所へ帰ることとします」
    十束しのぎ:「やまくらい様もどうかご創建で」
    十束しのぎ:「縁があったらまた逢いましょう」
    十束しのぎ:つい、とワンピースのスカートをつまみお辞儀をする。
    十束しのぎ:自分の知る最大級の礼儀の作法である。
    ???:惜別の言葉の代わりに、笛の音が鳴る。
    GM:霧は晴れた。……既に世界は塗り変えられている。
    十束しのぎ:音の見送りを背に受けて。
    十束しのぎ:晴れた視界を歩んでいく。
    GM:ようやく春になるか、ならぬかの、葉のまばらだった森が、
    GM:今は夏のように青々として広がっている。
    GM:それでも、向かうべき道を誤ることは無いだろう。高く昇る炊飯の煙。風に乗って、獣の肉を焼く匂い。
    GM:数分も歩いて、森が開けた。
    GM:そこには確かに、村があった。
    GM:道は舗装されていない。電信柱だの、電線だの、そんなものもない。
    GM:時が止まったように古い、あまりにも古いその村で──
    村人:「あ……?」鍬を担いだ男がひとり、ちょうど通りかかって、あなたを見た。
    村人:彼は、ぱぁっと晴れやかな、苦しみも悩みも何も忘れたような笑顔になって、
    村人:「もしかして……〝外〟のお客人かい!?」
    十束しのぎ:「こんにちは」両手を前に揃えて、軽いお辞儀
    十束しのぎ:「ええと、そうですね。霧に巻かれて道に迷ってしまいまして」
    村人:「ああ、ああ! そうかいそうかい、そりゃあさぞお疲れだろう!」
    十束しのぎ:「炊事の煙が見えたので、誰かがいらっしゃるのかと思いまして」
    十束しのぎ:「よろしければ道を教えて頂ければ、と」
    村人:興奮を抑えきれない様子で男は頷き、それからくるりと、村の中央の方へと向き直って、
    村人:「おーい! みんなぁ! お客人だぞぉ!」
    GM:近くの家々の戸が開く。少し遠くの畑にいた者が、農具を放り出して駆け寄ってくる。
    GM:……分かるだろう。あなたは歓迎されているのだ。
    GM:程なくあなたは、村の中で最も大きな家へと案内されることだろう。
    GM:〝客人〟に沸きたつ村の熱気。歓声。
    GM:……彼らに聞こえぬまま唱和する笛の音が、ひょう、と鳴った。

    GM:PC5人全員、ロイス取得が可能です。
    門脇ふみ:ロイス!高桐さんに!
    七扇・T・絵麻:七扇ほむら/庇護/悔恨○/ロイス
    十束しのぎ:やまくらい様に取るとPC間があぶれる……!
    十束しのぎ:それはそれとして「先達 やまくらい ○P尊敬/N羨ましい」で取得
    十束しのぎ:以上!
    陸奥 晴明:日和原 要 ○P:連帯感/N:隔意
    陸奥 晴明:以上!
    門脇ふみ:〈今回はダブルブッキングしてよかったかもね〉高桐 理央/〇誠意/猜疑心で取得!
    門脇ふみ:以上です!
    日和原 要:ひとまず竹垣さんに取らせてもらいましょう。「■連帯感/不信感」で!
    七扇・T・絵麻:以上です
    日和原 要:こちらも以上です!

    シーン1:かねの娘


    GM:PC1 & PC4!
    十束しのぎ:十束しのぎの侵蝕率を+8(1d10->8)した(侵蝕率:52->60)
    七扇・T・絵麻:46+1d10
    DoubleCross : (46+1D10) → 46+6[6] → 52


    GM:七扇・T・絵麻。あなたが目を覚ますと──
    GM:……そう。目を覚ますのだ。
    GM:きっと瞼を開くより先に意識が覚醒したことだろう。胸元にかかる重さと、家の寝床より些か固い背中の感触をまず知る。
    GM:あなたは意識を失っていたらしい。
    GM:風の流れがある。自然風だ。だが、外に吹き晒しな訳ではないらしい。
    GM:では。
    GM:瞼を開きますか?
    七扇・T・絵麻:開きましょう
    七扇・T・絵麻:肉体の重みはありますか?
    GM:あなた自身の、という意味であればむろんイエスだし
    GM:胸元にかかる重さという事なら
    七扇 ほむら:すやすやと穏やかな寝息を立てて、あなたの胸元を枕にしている。
    七扇・T・絵麻:「…!?」
    GM:あなたがまず見るのは、照明器具など何もない天井だ。
    七扇・T・絵麻:上体だけ起こし周囲を見渡す
    GM:その次にはきっと、あなたの妹分の──久しく見ていない、穏やかな寝顔。
    GM:周囲にあるものは、囲炉裏、木の棚、竈。あなたの体の下には寝具。それから、
    GM:見知らぬ少女がひとり。
    七扇・T・絵麻:(妙だ…あの後出立してから…それから、なんだ?)
    GM:十束しのぎ。
    GM:あなたの目の前で、今まで眠りこけていた女性が、ようやっと目を覚ました。
    GM:状況を説明しよう。
    GM:あなたは村を訪れ、村人達の歓迎を受けた。そして、村の中でもっとも大きな建物へと招かれた。
    GM:……すると程なく、〝村の入り口で眠りこけていた〟という二人が運び込まれたのである。
    GM:そして、七扇・T・絵麻。あなたに記憶があるのは、〝霧けぶる山へ踏み込んだ〟ところまでだ。
    GM:あるいはうっすらと、隊列を組んだままで山中を歩いていたことは覚えているやも知れない。
    GM:その途中で意識が途切れ、気付くとこの状態だった──ということだ。
    七扇・T・絵麻:額に手を当てて記憶をなぞり終える
    十束しのぎ:「おはようございます。ご機嫌はいかがですか?」
    十束しのぎ:目を覚ました女性が一通りの状況を確認し終えた頃に声をかける
    十束しのぎ:ピシリ、と正座の姿勢を維持した、桃色の髪を持つ少女だ。
    七扇・T・絵麻:「貴方は…ここの住人かしら?」
    七扇・T・絵麻:村である保証もない。道中の宿のような場所かもしれないのだ
    十束しのぎ:「いえ、私も迷い込んだものです。十束しのぎと申します」ペコリ、と頭を下げて。
    十束しのぎ:「霧に巻かれてこの場所に迷い込みまして。そちらは村の入口で倒れていたとのことですが……痛むところはありませんか?」
    七扇・T・絵麻:「それは…どうも。七扇本家の絵麻と申します」
    七扇・T・絵麻:上半身だけで礼
    七扇・T・絵麻:「村…?ということは、ここが“揺篭村”なのかしら」
    七扇・T・絵麻:どのような素性なのか、情報が少なすぎる
    七扇・T・絵麻:こういうときは従順に話を聞き、従う。必要な情報が湧き出すのを待つのが上策だ
    十束しのぎ:「そうかもしれませんね。あいにくと、村の名前は私もお聞きしていませんが……」
    十束しのぎ:「ところで、七扇様と申しましたか」
    十束しのぎ:「違っていては申し訳ありませんが、こちらへはご家族一同でおいでで?」
    七扇・T・絵麻:「家族…まあ、家族みたいなものだけど」
    GM:さて。
    GM:七扇の家の娘に問おう。
    GM:あなたは〝ゆりかごむら〟を陥落させるという命を受け、結果、この場所にいる。
    GM:その事実を、どこまで、この少女に伝える?
    GM:複数人でここへ来た、ということまでか。
    GM:それとも、より多くのことを伝えるのか。
    GM:無論、それはあなたの自由だ。
    七扇・T・絵麻:「名字と、人数を聞いたということは」
    七扇・T・絵麻:「目的も把握されておいでで?」
    七扇・T・絵麻:刀の位置を確かめる
    十束しのぎ:「んー」言っておいて難しい顔。人差し指を顎に添えている。
    七扇・T・絵麻:「どのようなお話をお聞きになられたかはわかりませんが…。この村をお離れになられたほうが良いかと。」
    七扇・T・絵麻:「じき、ここは戦火に包まれると思われます」
    十束しのぎ:「ええと、そうですね。確信ではないのですが、そちらがご家族で集まっていることと、ゆりかごむらを探しているという情報は聞いておりました」
    七扇・T・絵麻:「成程」
    十束しのぎ:「なので、えぇ。出来れば穏便に済ませるならばそれに勝るものはありませんが」
    十束しのぎ:無手の両手をアピールする。
    十束しのぎ:無論、体全てが剣である自分は、素手の時点で武器を構えているようなものだが。
    七扇・T・絵麻:そもそも呪術師にとって“行動の秘匿”は呼吸に等しく重要なものである。
    七扇・T・絵麻:物質的な要素がなくとも、形而上の要素があれば呪をかけられる世界において、今回の作戦もまた秘密裏のもの
    七扇・T・絵麻:逆に言えば、そもそもこの七扇家の作戦行動の一端でも知り得ているということは、只者ではない
    十束しのぎ:当初の目的は先行偵察。故に相手方との接触も避けるように、とのことだったが。
    十束しのぎ:こと自分が巻き込まれてしまっては、そのような不穏な種を巻いている暇もない。
    七扇・T・絵麻:「無論」
    七扇・T・絵麻:「関係のない方を巻き込みたくはないですので…貴方の言が全て真実ならば、速やかな退去を願います」
    十束しのぎ:「あぁ」両手をあげて降参の姿勢のまま、笑顔を浮かべて
    十束しのぎ:「そうですね。何事もない内に出られるといいのですが」
    十束しのぎ:「何分この状況。神隠しと聞いておりますので」
    GM:出られると──ああ、確かに。
    GM:実際の所、何処かへ赴くならば、帰る手段もまた必要だ。
    GM:だが。
    GM:此処へどうやって訪れたか分からぬ以上、どうして帰れば良いのかもまた、思案所であろう、と──
    GM:考えている間に、のんびりとした足音がする。
    GM:ざっか、ざっか。わらじで摺り足気味にゆっくりと、
    七扇・T・絵麻:油断はしない。既に最悪の状況であると想定をしている
    ハナ:「あんれ。もう起きてたかぁ」
    七扇・T・絵麻:膝に眠る少女が偽物であるぐらいは考えなければいけない。ここは既に戦場なのだ
    十束しのぎ:「あ、おはようございます。えぇ、起きられたみたいで」
    ハナ:……容姿に関して言うならば、きわだった所の無い、だが愛嬌のある顔の──恐らくは、少女だ。
    ハナ:奇妙なのは衣服か。彼女が着ているものは、セーターだ。
    ハナ:この村の風景には、あまり似合う代物ではない。
    ハナ:「んん、んん、起きたならいいんだぁ。怪我とかねぇか?」
    ハナ:「こっちの娘っ子はまだ寝でらたなぁ。めんけぇこと
    ハナ:未だに寝息を立てているほむらの傍へしゃがみ込んで、白髪に指を通し、頭を撫でる。
    ハナ:まだ18か19くらいの歳に見えるが、浮かべる微笑には母親の如きものが見える。
    七扇・T・絵麻:「…ええ、はい。問題なく。助けていただき、感謝致します」
    七扇・T・絵麻:目線で十束のほうに意志表示。少なくとも積極的に争いを起こしたいわけではない
    十束しのぎ:「そうですか、お怪我がなくてよかった」
    十束しのぎ:その目線に笑顔で答える。警戒をといてずりずりと正座の姿勢で近づくように。
    ハナ:「ええんだ、助けたとかじゃねえで」
    七扇・T・絵麻:七扇は攻めるつもりだが、個人の意見としては今でも村ひとつと引き換えに行うような所業ではないと思っている
    ハナ:「〝外〟からのお客人をもてなすのは、当たり前のことだで」
    ハナ:漫画のように擬音をつけるなら、〝ぺかーっ〟とでもなりそうな笑顔。
    十束しのぎ:「良いヒトなのですね」
    ハナ:「あはは、そうだがねえって
    ハナ:違う、と言うニュアンスのようだ。
    ハナ:「お客人は、〝祭り〟の知らせ。だがら、おらぁ達も嬉しんだ」
    十束しのぎ:「お祭り、ですか。外から誰か来ると祝うのですか?」
    七扇・T・絵麻:(祭り…?)
    七扇・T・絵麻:60年に1度、とくれば、村人も異質な存在であるはずだ
    ハナ:「おう。ずーっと昔から、そういうことさ、決まってる」
    ハナ:「だがら、お客人は大事なんだ。不便とか有ったらなんでも言ってけろよ」
    七扇・T・絵麻:「わざわざ来なさるということは、よっぽどの方なのでしょうね」
    七扇 ほむら:……と、その時だ。
    七扇 ほむら:「んぅ……」
    十束しのぎ:「おや」
    七扇 ほむら:とか細い声がして、目を閉じたまま、少女が体を起こす。
    七扇 ほむら:眠たげに目をこすりこすりして──ぱちり。
    七扇・T・絵麻:「ほむら…」
    七扇 ほむら:「……あっ」
    七扇 ほむら:七扇・T・絵麻。あなたの姿を認めた時、彼女は子供のような顔をやめて、普段のうつろな、人形のような顔に戻った。
    七扇 ほむら:それから、周囲をきょろきょろと見渡し、同胞の姿が一つとて無い事を──
    七扇 ほむら:それから腰に手をやって、刀が奪われていないことを確認する。
    七扇 ほむら:「…………」少し、何かを思案するような間の後、
    七扇 ほむら:「ねえさま、ここは……」
    七扇・T・絵麻:「…村の中よ」
    七扇・T・絵麻:聞いた話を共有します
    七扇 ほむら:「……そう、ですか」
    七扇・T・絵麻:「こちらのしのぎさんも来訪者。」
    七扇・T・絵麻:「この人は無関係。目溢しして頂戴」
    七扇 ほむら:そう聞くと、十束しのぎの方へと向き直って
    十束しのぎ:「おはようございます。十束しのぎと申します」
    七扇 ほむら:「七扇 ほむらです。以後、お見知りおきのほど……」と、床に手をついて頭を下げる
    十束しのぎ:「これはご丁寧に。こちらこそよろしくおねがいします」こちらも負けじと手を付きお辞儀。
    ハナ:「ん。やっぱ、外のひとの名前さ、長ぇなぁ」
    ハナ:自己紹介を聞いて、ぽつりと溢す。
    ハナ:「……あ」
    ハナ:「いげね、忘れでだ。おめさんら、腹ぁ空いてねえか?」
    十束しのぎ:「お腹ですか。……七扇様たちはいかがですか?」
    七扇・T・絵麻:「……」
    七扇・T・絵麻:毒物である可能性もあるが・・・そうならばわざわざ生かす理由もないだろう。
    七扇・T・絵麻:「ええ、いただきましょう。」
    七扇 ほむら:「……じゃあ、私も」
    七扇 ほむら:いつぞや、後をついて歩いていた時のように、後追いでの意思表示
    十束しのぎ:「でしたら、私もご相伴に預からせていただきましょうか」
    十束しのぎ:「一人では寂しいですからね」
    十束しのぎ:その二人の意思を確認したあとに追従する。
    ハナ:「ん! 任せとけ! お客人さまには、とびきり上手ぇもんさ作るからよ!」
    ハナ:「んだば、ちょっと時間もかがるし、その間、散歩でもなんでもしてればいいさ」
    十束しのぎ:「お手伝いを……と思いましたが、お言葉に甘えてしまいましょうか」
    十束しのぎ:「七扇様方も、どうでしょう。動けそうですか?」
    ハナ:「あっははは。んだことさせたら、おらぁが怒られるもの!」
    七扇・T・絵麻:「私は平気…ほむらは?どうする?」
    七扇 ほむら:「…………」こくん、と頷いた。
    七扇・T・絵麻:「よし、少し散歩しましょ。」
    七扇・T・絵麻:何をするにしてもまずは状況の把握からだ。
    十束しのぎ:「えぇ、そうですね。ご一緒しても?」
    七扇・T・絵麻:じっとしていて得られるものは大したものではない。目的のものが手に入ればそもそも戦闘そのものが起こらなくても済むかも知れないのだ
    七扇・T・絵麻:可能性が薄かろうと、やる価値は十分にある試みである
    七扇・T・絵麻:「…良いけど。」
    七扇・T・絵麻:事情を知ってもついてくる。どういうことなのかもう少し詳しく聞いておきたい
    七扇・T・絵麻:単純に村人に告げ口して回られるのも面倒なのもある
    十束しのぎ:距離を置くべきか、それとも監視を行うべきか。
    十束しのぎ:ある程度迷いはしたけども、どの道後で顔を合わすのだ。
    十束しのぎ:親交を深めておくに越したことはない。
    十束しのぎ:「(………と、思う!)」
    GM:これは面白い話だ。
    GM:七扇・T・絵麻。七扇の家の方針に従いながらも──個人的な信条として、戦にまでするつもりはない。だが。
    GM:何者とも知れぬ少女に、あまり手の内を明かしたくないという想いはあるのだろう。
    GM:十束しのぎ。その任は、〝揺籠村〟に関して動く複数勢力への警戒だ。警戒対象の一つに七扇の家が含まれている。
    GM:そして、警戒しているとは示したが──まだ、自分が何者であるかは伏せている。
    GM:もし、共に散歩に出ると決まったならば、
    GM:腹の探り合いはまだまだ、続くということだろう。

    GM:ロイス取得のみ可!
    七扇・T・絵麻:十束しのぎ/誠意/警戒○/ロイス
    十束しのぎ:「七扇・T・絵麻 ○P好奇心/N刀使いですが警戒」
    十束しのぎ:以上!

    シーン2:神隠し


    GM:PC2&3&5!
    門脇ふみ:門脇ふみの侵蝕を8増加しました(侵蝕率:40->48)
    陸奥 晴明:陸奥 晴明の侵蝕率を+5(1d10->5)した(侵蝕率:53->58)
    日和原 要:日和原 要の侵蝕率を+6(1d10->6)した(侵蝕率:51->57)
    門脇ふみ:エンジンかかってきたわね……

    GM:さて、唐突ですが
    GM:PC2とPC3のみ、知覚判定をお願いします。目標値は……
    GM:2dx+1
    DoubleCross : (2R10+1[10]) → 10[5,10]+1[1]+1 → 12

    GM:高いな。目標値12で
    日和原 要:5dx+1
    DoubleCross : (5R10+1[10]) → 6[1,1,3,4,6]+1 → 7

    日和原 要:失敗で。
    門脇ふみ:やばいわね。
    門脇ふみ:2dx+1>=12
    DoubleCross : (2R10+1[10]>=12) → 9[3,9]+1 → 10 → 失敗

    門脇ふみ:財産さえ使えれば……!
    GM:ふむ。では
    GM:──衛星経由の通信という、おおよそ遮断され得ない筈の機器の、圏外。
    GM:支部に伝達を行いつつ、あなた達は直接、宵惑山へと赴いた。
    GM:事前に使うと聞かされていた、登山道から脇に逸れる細道。
    GM:日和原 要、門脇ふみ。あなた達はその道を、
    GM:お互いの姿も霞むほどの霧の中、歩いている。
    高桐 理央:「…………これは…………面容な…………」
    日和原 要:「面妖。うん、そう呼ぶのが一番しっくりくるかな、これは」
    門脇ふみ:「どんどん霧が深まっていくわね……繋ぐものを用意しておくべきかしら?」
    日和原 要:「それか、手でも繋ぎますか、門脇先生」
    日和原 要:小さく笑いながら。
    門脇ふみ:「あら、お相手さんのご機嫌取りは大丈夫かしらね?」
    門脇ふみ:ニコリと笑い、軽口を返す。
    日和原 要:「黙ってたとして、後が怖いですから。やめときましょうか。─ともあれ」
    高桐 理央:「ともあれ……ええ…………」
    高桐 理央:「……私も混ぜて……くださいませんか…………」
    日和原 要:「そっち!?」
    高桐 理央:「駄目ですか…………?」
    門脇ふみ:「ホホホ、両手に花ねぇ~!」
    GM:と。
    GM:霧の中、賑やかにやっていたあなた達であるからして、
    GM:そうだな、より達成値の低かった日和原くんにしよう。
    日和原 要:お…?
    GM:あなたは霧の中、ちょっと前方不注意になった瞬間、
    GM:どんっ
    GM:と何かに激突する。
    GM:そして、陸奥 晴明。
    GM:……少し遡って説明しよう。あなたは十束しのぎと共に、山中の、身を隠すのにちょうど良いだろう地点を目指して歩いていた。
    GM:細い道だ。どちらかが、歩くのが遅れたということもない。にも関わらず。
    GM:気付けばあなたは霧の中にいて、隣にいるべき者がいなかった。
    GM:進むこともできず、戻ることも出来ぬ。そういう有様で、通信機も圏外な上に、
    GM:今、背中におもいっきり体当たりを喰らった。
    陸奥 晴明:「……!」
    日和原 要:「わっ」
    陸奥 晴明:即座に前方へ飛び、両手から滴り落ちた影が球体を生成。
    日和原 要:軽い衝撃を感じて、たたらを踏む。
    門脇ふみ:親指を噛み、出血させる。
    陸奥 晴明:振り向きざま背後の相手へ攻撃を叩き込もうとし──
    陸奥 晴明:「……ん」
    陸奥 晴明:「……あれ、日和原さん?」
    門脇ふみ:親指より流れ出す血が霧に紛れ出────
    陸奥 晴明:「わわっちょっとまってまって!」
    門脇ふみ:……そうとして、止まった。
    日和原 要:「晴明くん?って、ちょっ、先生ストップ!ストーップ!!」
    陸奥 晴明:影を霧散させ、攻撃態勢を解いて両手を上げる。
    日和原 要:「晴明くんも!そうだよ、僕だよ!─って」
    門脇ふみ:「……あらやだ!日和原さんのお知り合い?」
    日和原 要:掌を晴明くんに、待って、のポーズのように向けたまま、辺りを見回して。
    陸奥 晴明:「びっくりしたぁ……すいません日和原さん、連絡がどうにも取れなかったもので」
    高桐 理央:「…………おや……旅の道連れが……プラマイゼロ…………」
    日和原 要:「ええ。言っていた、先行組のひとり。陸奥晴明くんですよ。でも─」
    陸奥 晴明:「……?」
    日和原 要:「うん、連絡が取れないのは、こっちでも把握してた。そして─」
    門脇ふみ:「やっぱり!UGNの先遣隊の方ね!」
    日和原 要:「─しのぎちゃんは?」
    陸奥 晴明:「あっ……十束さんのことですか」
    陸奥 晴明:戦闘用に固めていた表情をなんとか柔らかくし、表情をころころと変えながら応える。
    陸奥 晴明:「はぐれちゃったんです。この霧の中で、突然」
    陸奥 晴明:「お互い距離は開けていなかったし、気をつけていたはずなのに……」
    日和原 要:「そっか。大変だったね、晴明くん。と、そうか」
    日和原 要:労うように、目を細めながらそう言ってから、今更気付いた、という風に。
    門脇ふみ:「この霧の中で逸れたとなると、探すのは骨が折れそうね……」
    陸奥 晴明:「通信も届かないし、今は彼女を探しながら、なんとか拠点を見つけて」
    陸奥 晴明:「救援を待とうか、と思っていたんですが……」
    日和原 要:「じゃあ、しのぎちゃんを探すのを再開する前に」
    日和原 要:「紹介するよ。こちら、門脇ふみさん。ブリーフィングで僕が言ってた「門脇先生」その人だよ」
    日和原 要:門脇さんに視線をやり、そして、その隣。彼女の、そして自分たちの同行者に、視線。
    陸奥 晴明:「あっ、貴女が……はじめまして、UGNの陸奥晴明です」
    陸奥 晴明:ペコペコと頭を下げる。
    陸奥 晴明:「……そちらの方は?」
    門脇ふみ:「陸奥さんね!改めてよろしくお願いするわ~!」ぺこりとお辞儀!
    門脇ふみ:「気軽にF教授って呼んで頂戴ね!」
    陸奥 晴明:「(大学教授の助手……にはあまり見えないけど)」
    高桐 理央:「…………高桐 理央……と、申します……門脇さんの……」
    高桐 理央:「…………遠縁……です…………」すぅ、と、陽炎のゆらめくような一礼
    陸奥 晴明:「は、はあ……? F教授……」
    門脇ふみ:「ホホホ、そういう事らしいですの。」
    陸奥 晴明:「(遠縁……か)」
    陸奥 晴明:ブリーフィングで聞かされた門脇家、それに遠縁。 当然関係はあるだろうが、今は保留。
    高桐 理央:「では……F教授……」
    門脇ふみ:「はぁい、高桐さん!」
    門脇ふみ:心なしかテンションが上がっている。
    高桐 理央:「……竹垣さんが…………いません…………」
    門脇ふみ:「…………」きょろきょろと見回す。
    日和原 要:「─いや、ついさっきまで一緒に─」
    日和原 要:「─いや。晴明くんとしのぎちゃんも「突然」はぐれたんだったね」
    GM:──いない。
    GM:確かに、一緒にいた筈だ。
    GM:狭い山道を歩くにあたって、一番後ろに回ってはいたが、
    GM:それでもUGNのエージェントが、こうも容易くはぐれることがあろうか──。
    陸奥 晴明:「えっ?竹垣さんも来られてたんですか?」
    門脇ふみ:「────真面目に、手繋ぎを候補に入れる必要が出てきたわね。」
    陸奥 晴明:「ってことはそちらもはぐれた、か……やっぱり尋常な状況じゃなさそうですね」
    陸奥 晴明:「俺はともかく、竹垣さんたちがそういう点でしくじるとは想えないし」
    日和原 要:「霧の中の神隠し、か」
    高桐 理央:「……ふみ、さん……これは……」
    GM:……と、高桐が言う。
    GM:それに合わせて、門脇ふみ。あなたは恐らく気付くだろう。
    GM:この霧は自然の現象ではない。いわゆる〝結界〟に相当するものだ。
    門脇ふみ:「ふむー…………」顎に手を当て、空気の『成分』に五感を凝らす。
    高桐 理央:「……〝私達〟の……専門分野……では……?」
    陸奥 晴明:「この霧が原因……なんですかね?ぱっと見で分かる異常ではありますが」
    門脇ふみ:「そうみたいね、高桐さん。」仄かに霞む中、『紛れ込ませた』術式の気配。
    日和原 要:「おそらく、ね。僕らじゃ感じられない何かも」
    陸奥 晴明:「ううん、じゃあ専門家の皆さんにお任せしますか」
    高桐 理央:「外から入り込むものを……拒む……霧……」
    高桐 理央:「……いえ……これは…………分断する……ための…………?」
    日和原 要:「古いレネゲイドに。そう定義されるよりも、遥か昔からそれに触れてきた人達なら」
    門脇ふみ:「恐らくはこの霧。」「『ルール』に沿った術式が張られているわね」
    日和原 要:こくり、と。陸奥くんの言葉に頷く。
    陸奥 晴明:頷き返しながら周囲の警戒に移る。
    門脇ふみ:「単純に入った人を追い払うか、もしくは散り散りにして各個迎撃する類か。」
    門脇ふみ:「一先ずこれ以上の分散を避ける方針で動きましょうか……そうね。」
    門脇ふみ:そういうと、引っ張ってきていたスーツケースからノートを取り出し、
    門脇ふみ:びりり、と一枚破り取る。
    門脇ふみ:──親指より流れ出す血が。白紙のページに文字を刻み始める。
    高桐 理央:「……ああ…………なるほど…………」
    高桐 理央:「〝それ〟なら……たしかに……役に立つ…………」
    門脇ふみ:Frailty, thy name is──(弱きものよ、汝の名は──)
    門脇ふみ:──wind.(風なり。)
    門脇ふみ:「 ふっ 」吐息と共に吹き飛ばした紙は粉々に散り。
    門脇ふみ:周辺の霧を押し戻し、この場にいる者たちの視界を確保する!
    門脇ふみ:「──ひとまず、中和する結界を張りなおしました。」
    門脇ふみ:「私から半径5m以上離れないようにね!」
    高桐 理央:「……結界破りの……呪法のひとつ……」
    高桐 理央:「……紙は〝神〟に通じます……いかなる命であれ……神たるものの言葉には劣る……」
    高桐 理央:「……と、いえど……」
    高桐 理央:何やら、悲しげな顔をして
    高桐 理央:「…………なんで……横文字なんですか…………」
    陸奥 晴明:「あ、こだわりとか……持っておられで……?」
    日和原 要:「僕らなりに言えば、ワーディングの応用、という感じかな。うん、でもまあ、こうやって無理に理屈を付けるより」
    門脇ふみ:「ふふふ、久しぶりの反応ねぇ。少女漫画はお嫌いかしら?」
    日和原 要:「不思議で、そして格好いい。そういう気持ちは大事だよ、晴明くん」
    高桐 理央:「はるあき……?」
    陸奥 晴明:「あ、それは分かる……俺は横文字に浪漫感じるけど、逆タイプですかね」
    陸奥 晴明:「? はい。むつはるあきです」
    陸奥 晴明:「あっすいません、さっきの自己紹介、声小さかったですかね?」
    高桐 理央:「…………あぁ、いえ……失礼しました。……半分ほど……聞き流していたもので……」
    陸奥 晴明:「あ、それならよかった……」
    陸奥 晴明:「(……良かったのか?聞き流されてるけど)」
    GM:偶然、というものはあるのだ。
    GM:もし、あなたの名を音でなく文字で知ったのなら、或いは彼は
    GM:「せいめい」か「はるあきら」か、そのどちらかで読んだのだろう。
    GM:……さて。
    GM:あなた達は歩いていく。
    GM:霧さえ無ければただの山道であろうが──それでも、奇妙なことに。
    GM:山の一点。空へ向けて、煙が立ち上るのが見えたことだろう。
    GM:ひとの営みの気配。近づけばより色濃く、ひとの声。ひとの足音。そして、
    村人:「あんれ、またお客人か!」
    GM:──あなた達は、歓迎されるだろう。

    GM:ロイス取得のみ!
    門脇ふみ:時短も考え保留するわ~!
    日和原 要:門脇先生に「■好奇心/食傷」で!
    門脇ふみ:以上!
    日和原 要:以上!
    陸奥 晴明:ロイス保留で!以上!

    シーン3:交差点


    GM:合流シーンではあるが……
    GM:全員、任意登場!
    門脇ふみ:なっ
    門脇ふみ:比較的余裕あるし行こう
    日和原 要:!?
    門脇ふみ:門脇ふみの侵蝕を9増加しました(侵蝕率:48->57)
    十束しのぎ:十束しのぎの侵蝕率を+1(1d10->1)した(侵蝕率:60->61)
    門脇ふみ:グエーッ
    陸奥 晴明:陸奥 晴明の侵蝕率を+1(1d10->1)した(侵蝕率:58->59)
    十束しのぎ:横並びになっていく
    七扇・T・絵麻:出るか
    日和原 要:出ておきませう。
    日和原 要:日和原 要の侵蝕率を+10(1d10->10)した(侵蝕率:57->67)
    日和原 要:グワーッ
    七扇・T・絵麻:52+1d10
    DoubleCross : (52+1D10) → 52+6[6] → 58


    GM:では、そうだな。
    GM:シーン2の三人組。
    日和原 要:あいさ
    GM:あなた達は村人達に歓迎されながら、それこそ輿でもあれば乗せられそうな勢いで
    GM:左右にそれぞれ10人くらいは村人が配置される、大名行列のような有様で
    GM:村で一番大きな建物へと案内されるだろう。すると、
    ハナ:「あんら、まぁ! お客さん増えた!」
    GM:と、素朴な顔立ちの少女の驚愕に出迎えられる。
    陸奥 晴明:「(増えた?)」
    GM:……その賑やかさには、〝散歩〟に出ようとしていたあなた達も気付くだろう。
    日和原 要:「こんにちわ。─増えた、ということは、僕らの他にも?」
    ハナ:「そーだがす。ほれ、ちょうどその辺さ……ああ、いやまだ出る前だらが
    門脇ふみ:「はぁい!こんにちわ~!」第一村人にひらひらと手を振る!
    十束しのぎ:「おや」
    十束しのぎ:料理の間、散歩に出ようとしていた足でその声に気づく。
    十束しのぎ:「これはこれは。顔見知りのヒトのお方もそうでないヒトのお方も。お疲れさまです」
    七扇・T・絵麻:「……」
    七扇・T・絵麻:(他の集団?誰だろう)
    陸奥 晴明:「あっ、十束さん! 良かった、ここに来てたのか」
    門脇ふみ:「あら!もしかして陸奥さんが逸れた人?」
    十束しのぎ:「どうも、陸奥晴明様。はぐれてしまい申し訳ありません」
    ハナ:「おんや、知り合いだか」
    日和原 要:「ああ、無事だったんだね、しのぎちゃん。よかった。それと─」
    ハナ:「なら、えがったべ。えがったな、うんうん」ニコニコしながら頷いている
    十束しのぎ:「あ、七扇絵麻様。こちら、私の同道人の方々です。どうやら皆様もおいでなさったようで」
    十束しのぎ:言って、七扇さんに同道の皆様を紹介する。名前を呼びつつ。
    高桐 理央:「…………!」
    陸奥 晴明:「はい、一緒に来た十束さんです。ごめんねこっちこそ、迷子になっちゃって」
    陸奥 晴明:「七扇絵麻さん」
    陸奥 晴明:復唱し確認する。その姓もブリーフィングで聞いているが。
    日和原 要:「─ああ、あなたが。こうして会うのは初めてかな、七扇・テレジア・絵麻さん」
    七扇・T・絵麻:「…?私を、知っている…」
    七扇・T・絵麻:「…ということは、UGNかしら貴方」
    陸奥 晴明:「日和原さん、ご存知なんですか?」
    門脇ふみ:(お知り合いが?)そっと高桐さんに耳打ち。
    高桐 理央:「……………………」無言。だが、何を聞いて口を閉ざしたかは分かるだろう。
    高桐 理央:〝七扇〟の名だ。
    七扇 ほむら:「UGN……なんでここに……?」
    七扇・T・絵麻:嘆息
    日和原 要:「うん。言っただろ、名前は知れている、って。もちろん、それは、EXレネゲイドを受け継ぐ家としてというのもあるけれど」
    日和原 要:「─UGNイリーガルエージェント。"アリス・サポジション"七扇・テレジア・絵麻といえば、外から来た僕の耳にも届くくらいには、腕利きとして有名だ」
    門脇ふみ:(成る程ね。)「あら!そちらの方もUGNの方でしたのね~!」
    陸奥 晴明:「(教授はともかく、高桐さんに七扇さん、それに俺たち……)」
    陸奥 晴明:「(結果的に各勢力集まっちゃった、か。 すぐに争いにならなきゃ良いけど)」
    七扇・T・絵麻:「まあ、秘匿組織の中でも向こうは世界規模。こちら旧くとも一つの国のいち呪術一家」
    七扇・T・絵麻:「局所的な戦闘能力はともかく、情報操作は向こうのほうが秀でているわよ。」
    七扇・T・絵麻:(これは、ほんの少しだけど良い兆候かもしれない…。)
    七扇・T・絵麻:(彼らに全てを話せば、協力してもらえる可能性は高いわ。)
    門脇ふみ:ニコニコと人の良い笑みを浮かべる。『見』の姿勢!
    陸奥 晴明:「あ……イリーガルの方でしたか」
    陸奥 晴明:少し息をつく。 少なくとも話が通じないということはなさそうだ。
    日和原 要:「あと、まあ。僕も"元"イリーガルだからね。勝手に共感を覚えてるだけ、とも言うけれど─改めて」
    日和原 要:「UGNの日和原。日和原、要だ。第四支部所属ではあるけれど、今、ここにいるのは、支部員としてというよりも」
    七扇・T・絵麻:「ということは十束さん、貴方も?」
    七扇・T・絵麻:日和原君の挨拶を待つのも同時に
    十束しのぎ:「あぁ、そうですね。申し遅れました」
    日和原 要:小さく頷いて、十束さんの言葉を促す。
    十束しのぎ:「十束しのぎ、UGNでは第4支部に籍を頂いております」
    十束しのぎ:「先程は名乗り漏れて申し訳ありません。何分、身分は軽々に明かさぬようにと言い含められておりまして」
    十束しのぎ:ペコリ、と挨拶と同時に頭を下げる。
    陸奥 晴明:「あっすいません、自己紹介遅れて……陸奥晴明、同じくUGN第4支部です」
    七扇・T・絵麻:「成程ね」
    七扇・T・絵麻:「名は出ているけど改めて。イリーガルもやっている、七扇家のT(テレジア)・絵麻と申します」
    日和原 要:「─僕らは、UGN本来の目的。隠し、守り、良からぬことを防ぐ。そのためにやって来た。─だから、うん」
    日和原 要:「まずは、落ち着いて話をしてくれて。ありがとう、絵麻さん。─そちらの子は、どうかな」
    日和原 要:七扇さんの傍、白い髪の少女に、努めて柔らかい視線で。
    陸奥 晴明:釣られてつい、と視線を向ける
    七扇 ほむら:「…………」す、と動く。絵麻の背後へ、彼女を盾にするように。
    七扇・T・絵麻:「……(事情を、知っている様子ね。これは)」
    七扇・T・絵麻:ほむらにとっては敵対存在にも等しいだろう。いない場所で話をしたいが…
    七扇 ほむら:身を縮める。これは──
    陸奥 晴明:「(あ……失礼だったかな)」
    陸奥 晴明:すっ、と視線を横にずらす。
    七扇 ほむら:端的に言おう。人見知りだ。
    門脇ふみ:(いけない、自己紹介のタイミング逃したかも……)ボケボケ!
    七扇・T・絵麻:「…この子は人見知りなのよ。」
    七扇・T・絵麻:「七扇ほむら。私の親族で妹分よ。」
    陸奥 晴明:「あ、それは……すいません。無作法でした」
    陸奥 晴明:ペコペコと頭を下げる。
    日和原 要:「ごめん、不躾だったね。─ああ、それと」
    日和原 要:視線を、少女から。協力を求め、同行したふたりに。
    門脇ふみ:「!」ぺかー!
    日和原 要:「こちらが、今回協力をお願いした、大学の先生。─フィールドワークに僕らが同行した、とも言うけれど」
    十束しのぎ:「そちらの方々は私も初見ですね」
    門脇ふみ:「皆さん初めまして!S大学で准教授を務めている──」
    門脇ふみ:「『門脇』ふみと申します。よろしくお願いいたしますわ。」
    高桐 理央:「…………高桐 理央…………です…………」
    七扇・T・絵麻:「門脇?」
    GM:門脇。そして、その分家のひとつである高桐。
    GM:……この二つの家名を、あなたならば当然、知っていよう。
    七扇・T・絵麻:「高桐も…」
    GM:いや。特に先のひとつについては。
    七扇 ほむら:「…………ぇ」
    GM:おぞましい程に、良く知っていよう。
    七扇・T・絵麻:「…ほむら。一旦戻る?」
    七扇 ほむら:「…………」
    七扇・T・絵麻:「貴方がどうしたいかに合わせるわよ」
    七扇・T・絵麻:帽子を下げて目線を隠しつつ
    七扇 ほむら:「……」ふるふる、と首を左右に振る。そうしながら、あなたの服の背をきゅっと握る。
    門脇ふみ:「……『実家』とは、縁を切っております故。」
    門脇ふみ:「湧き立つ思ひなどあれば、席を外しましょうか?」
    日和原 要:"門脇"と"七扇"。ふたつの"家"の面々に、ゆっくり視線を巡らせて、小さく頷く。
    陸奥 晴明:はらはらしながら両方を見回す。
    七扇・T・絵麻:「お気になさらず」
    門脇ふみ:「では、有難く。」
    日和原 要:「─色々ある、というのは、勿論知ってるよ。けれど、こうして、穏当に出会えたんだもの」
    日和原 要:「もう少し、話をしてみてもいいんじゃないかな。そして─僕らにも、話を聞かせてほしい」
    七扇・T・絵麻:「そのご両家が並ぶということは」
    七扇・T・絵麻:「七扇の動きを察して、UGNと共同で動いたということでいいのかしら」
    高桐 理央:「…………はい」
    高桐 理央:「そのように考えていただいて……さしつかえ……無い、かと……」
    門脇ふみ:「ええ。高桐さんと共同で専門として御呼ばれいたしておりますわ。」
    七扇・T・絵麻:「…安心してちょうだい。」この場の全員に伝えるように
    七扇・T・絵麻:「この場でどうこうは何もしないわよ。私とほむらにあなた達5人ではあまりに多勢に無勢」
    日和原 要:「─ありがとう、門脇先生。理央くん。絵麻さん。─ほむらちゃん」
    日和原 要:順番に、ゆっくりと名前を呼んで、そして。
    日和原 要:「─晴明くん。しのぎちゃん」
    陸奥 晴明:「はい!」
    十束しのぎ:「はいっ」
    日和原 要:「あまりゆったりできる状況じゃないけど、まず僕らは、知らなきゃならない」
    日和原 要:「ここが、どういうところなのか。誰が、何をしようとしているのか」
    日和原 要:声を潜めるように、小さく。
    陸奥 晴明:「……そうですね。俺たち、まだ着いただけですし」
    陸奥 晴明:「一度どこか休めるところで、ゆっくり話しませんか?」
    門脇ふみ:「ホホホ、学者魂に火が付きますわね~!」
    十束しのぎ:「七扇絵麻様とほむら様、先程まで私と数の優位がある際も実力行使はなさらなかったので、物騒な方ではないと私は思います」
    十束しのぎ:「皆様で協力して物事をすすめるというなら、私は賛成票です」
    陸奥 晴明:「えっと、できるならお二人にも……」
    十束しのぎ:「そうですね。散歩に出ようと思っていましたが、この人数ならどこかの部屋をお借りして落ち着いたほうが良さそうです」
    陸奥 晴明:「ありがとうございます! ……なにせまだ、迷うにも悩むにも材料が足りないもので」
    陸奥 晴明:「ひとまず情報交換と、状況がはっきりするまで互いに助力できれば……と」
    陸奥 晴明:「思うんですが……いかがでしょう」
    七扇・T・絵麻:「ほむら、何をするにしても、まずは状況を整えてからよ。」
    七扇・T・絵麻:今他の人間を探しにいけば追撃される可能性はあると想像をしてもらう
    七扇 ほむら:「…………少し、だけ」
    七扇 ほむら:「外にいる」
    七扇・T・絵麻:ふたたびの嘆息。「遠くには行かないようにね。」
    七扇 ほむら:七扇ほむらはそう言って、あなたの背から手を放す。
    七扇 ほむら:一度、小さく頷いた。そして亡霊のように、気配も薄く、するすると──
    高桐 理央:「…………迷子になられても…………困ります…………ので…………」
    高桐 理央:その後を追うように歩いていく。
    陸奥 晴明:「……大丈夫ですか?」
    日和原 要:「─どうやらこの村じゃ、"お客様"は大切に扱われるようだから。近くにいてくれるなら、きっとね」
    陸奥 晴明:「そう……ですね。それじゃ、向かいましょうか」
    門脇ふみ:そっと見送る。彼女の変調は我が名を告げた時より起きていたからだ。
    門脇ふみ:傍にいては、想い出の整理もままならないだろう。
    七扇・T・絵麻:「高桐の。」
    七扇・T・絵麻:呼び止め
    高桐 理央:「…………」ぴた、と足を止める。
    七扇・T・絵麻:「あの子が元は門脇の家に嫁ぐ予定だったのは存じておりますか」
    七扇・T・絵麻:「返答はいらないわよ。」
    七扇・T・絵麻:「ただ、それだけは覚えておいて頂戴ね。」
    高桐 理央:返答は要らない、とあなたは言った。
    高桐 理央:だから、この言葉は、遠ざかってからのものとなる。
    高桐 理央:「……忘れよう筈も…………ありません…………」
    GM:──あなた達は、村でもっとも大きな建物。
    GM:昔、昔、その昔は、
    GM:〝むらおさ〟などと呼ばれる者が住んでいたらしい建物の一室に集まる。

    GM:ロイス&調達が可能! 調達に関してはこう、ここに来る前に買ってたことに過去が書き換わる感じで。
    日和原 要:調達!ボディアーマー狙い!
    十束しのぎ:ボディアーマー!
    日和原 要:2dx+1>=12
    DoubleCross : (2R10+1[10]>=12) → 8[6,8]+1 → 9 → 失敗

    陸奥 晴明:アッすいません!
    門脇ふみ:先にロイス!日和原さんへ!
    陸奥 晴明:購入なんですけど
    日和原 要:失敗しておく!ロイスは…保留で!以上です。
    陸奥 晴明:バディムーブって1R1回ですけど購入判定には1回使える感じで良いですか?
    GM:ふむ
    十束しのぎ:6dx+1>=12
    DoubleCross : (6R10+1[10]>=12) → 9[1,2,3,6,6,9]+1 → 10 → 失敗

    陸奥 晴明:全員の購入が同時に行われると考えて誰かに一回
    GM:そうですね。全員1回ずつメジャーアクションしてる1ラウンド、って扱いにしましょう
    日和原 要:あ、なるほど。<バディムー
    十束しのぎ:2点財産入れて購入しましょ。
    日和原 要:こちらは判定してしまったので、他の方に使っていただければ!
    陸奥 晴明:大丈夫、後出しです
    十束しのぎ:バディムーは判定後なので
    十束しのぎ:十束しのぎの財産点を-2した(財産点:11->9)
    陸奥 晴明:どうしても欲しい物あったら出します
    十束しのぎ:購入して以上。
    門脇ふみ:〈ナントカフォローしていきたいところねぇ…〉日和原 要:〇連帯感/食傷で取得!
    七扇・T・絵麻:ロイス、ごちゃごちゃしてマジで取るの大変だし詳しく話してないので保留します
    陸奥 晴明:とりあえず私も応急キット買っておきます 今回HPリソースの方折られるし
    門脇ふみ:と言う事はグリーディエンブレム使ったら終わりか……(メジャー使用の為)
    七扇・T・絵麻:取り敢えずぼであま
    陸奥 晴明:1DX+4+0@10>=8 調達
    DoubleCross : (1R10+4+0[10]>=8) → 1[1]+4 → 5 → ファンブル

    日和原 要:晴明くーん!?
    七扇・T・絵麻:2dx+1
    DoubleCross : (2R10+1[10]) → 6[3,6]+1 → 7

    陸奥 晴明:どの応急キットを買うか迷ってたら買えませんでした。以上
    七扇・T・絵麻:だめ!以上です
    門脇ふみ:情報にも使えるしかエンブレムつかお!財産ポイントに+2ダイス!
    陸奥 晴明:あ、じゃあ日和原さんの購入に使いましょうかバディムーブ
    門脇ふみ:2d10+6
    DoubleCross : (2D10+6) → 15[10,5]+6 → 21

    陸奥 晴明:9だったら足りますよね
    十束しのぎ:12ですからね。足りると思います
    門脇ふみ:ホホホーッ!生還したらしばらくモヤシ生活ね!!!
    GM:9+3で12ジャスト
    陸奥 晴明:門脇さんはお金いっぱいあるしここで使っちゃいましょう
    日和原 要:予算ガメてきすぎでは!?
    門脇ふみ:財産点21へあがって終わり!(メジャー使用済みの為)
    陸奥 晴明:日和原さんの購入判定にバディムーブを使用、達成値+3。ボディアーマーどうぞ
    陸奥 晴明:人の買い物手伝ってたら自分が買うもの忘れてたよ。 ロイス保留で以上です!
    GM:OK!

    マスターシーン:あの子が欲しい 相談しましょ


    七扇 ほむら:少し離れたところで、泣いていた。
    七扇 ほむら:村の中央にある、もっとも大きな建物。かつては〝むらおさ〟、今は客人の為の──
    七扇 ほむら:そこから少し歩いた水車小屋の影で、少女は泣いていた。
    七扇 ほむら:だが。
    七扇 ほむら:泣いていようとも、武の心得は衰えない。背後に立つ気配に気付く。
    七扇 ほむら:……それが、攻撃の意思を持たないことも。
    高桐 理央:「……………………」
    高桐 理央:「……七扇……ほむら、さん………………」
    高桐 理央:「……私は…………あなたが嫌いです…………」
    七扇 ほむら:ぐすっ、と鼻を啜り
    七扇 ほむら:「……知ってる。けど」
    高桐 理央:「ええ……けれども…………」
    高桐 理央:「私達は…………きっと…………」
    高桐 理央:「同じ目的で…………ここにいる…………」
    七扇 ほむら:小さく頷く。
    高桐 理央:「あなただけが…………いえ…………」
    高桐 理央:「……もしかすれば……絵麻さんも、また…………異なる思惑を…………お持ちかもしれません…………」
    高桐 理央:「ですが…………」
    七扇 ほむら:「うん」
    七扇 ほむら:「……ひとり、どうにかできる……?」
    高桐 理央:「同じことを…………考えていた、ところです…………」
    七扇 ほむら:「ねえさまは、大丈夫」
    高桐 理央:「〝門脇〟も…………ええ…………問題はUGN…………」
    七扇 ほむら:「日和原 要」
    高桐 理央:「日和原 要」
    高桐 理央:「…………おや。また、気が合った」
    GM:すっ……
    GM:と、高桐は踵を返す。
    GM:〝客人〟が泣いている様を、見ぬようにする心遣いが、村人に存在したが故、
    GM:二人の会話を聞いたものは、居ない。

    シーン4:平穏な村


    GM:登場侵蝕を求める前に、このシーンについてざっくり言いますと、
    GM:PC達の方針決定→情報収集判定→共有ロール、となります。
    GM:方針決定については、登場前にお聞きしますのと、情報項目もまず先に提示します。

    情報項目
    【ゆりかごむらの調査】 目標値8 《知識:科学》or《情報:学問》or《情報:UGN》or《情報:噂話》
    【たたら場】 目標値10 《知識:科学》or《情報:学問》or《情報:UGN》or《情報:噂話》
    【刀場】 目標値8 《交渉》or《知識:レネゲイド》or《情報:UGN》
    【〝ゆりかごむら〟の伝承】 目標値9 《情報:UGN》or《情報:噂話》 目標値7 《情報:裏社会》
    【〝門脇〟と〝高桐〟】 目標値9 《情報:UGN》 目標値8 《情報:裏社会》
    【七扇家・竹垣──行方不明者の痕跡】 目標値8 《交渉》or《情報:UGN》or《情報:噂話》

    GM:先に予告しておくと、増えます。
    GM:1シーンでクリアできる量ではないので、必然的に調査は2シーン以上に分かれるかと思います。
    GM:そして、方針決定についてです。
    GM:まず絵麻さんに、これを決めてもらいます
    GM:「A・七扇の思惑を仲間に相談する / B・密かに七扇の目的達成の為に行動する」
    七扇・T・絵麻:Aで以降と思います
    七扇・T・絵麻:いこうと
    GM:OK!
    GM:ならば次の選択は、五人全員で考えていただくことになりましょう
    GM:「A・七扇家の襲撃を村人に伝える / B・村人には伏せたままで対応する」
    七扇・T・絵麻:どうしよっか
    GM:おっと、この選択肢だと公平感が無かったか
    GM:正確に書きます
    日和原 要:おっと。
    門脇ふみ:なんだろう(ドキドキ)
    陸奥 晴明:おおっと
    GM:B・村人には〝まだ〟伏せたままで対応する
    GM:ですね
    陸奥 晴明:あ、なるほど
    日和原 要:なるほど。
    門脇ふみ:なるほどね。
    十束しのぎ:なるほどね。
    日和原 要:そういうことなら、一旦伏せて調査次第で……ということで、自分はBかな。
    GM:うむ、こうじゃないと正しくないですごめんね
    十束しのぎ:しのぎちゃん的にはやまくらい様が気ぃ付けてな的な助言をしてくれたので、Bの様子見していく感じのイメージかな
    陸奥 晴明:いえいえ!ありがとうございます!
    門脇ふみ:対応有難しですぜー!
    陸奥 晴明:私もまだ村人に話すのは早いと思うのでBかなあ
    GM:ふむ、過半数を見ましたね
    門脇ふみ:私もBね!普段の村がどんなところかもわかってないですし!
    七扇・T・絵麻:Bでいきましょう。
    七扇・T・絵麻:村そのものの性質が妙なので無理に動くと面倒そう
    GM:よろしい。では
    GM:情報項目を踏まえて……登場侵蝕! 登場は任意だ!
    陸奥 晴明:出ます!
    陸奥 晴明:陸奥 晴明の侵蝕率を+5(1d10->5)した(侵蝕率:59->64)
    日和原 要:出ましょう!まずは項目の数を減らす!
    日和原 要:日和原 要の侵蝕率を+4(1d10->4)した(侵蝕率:67->71)
    十束しのぎ:出るのだ!
    十束しのぎ:十束しのぎの侵蝕率を+2(1d10->2)した(侵蝕率:61->63)
    門脇ふみ:早速登場!もぎ取ってきた財産21が唸るわ~!
    門脇ふみ:門脇ふみの侵蝕を2増加しました(侵蝕率:57->59)
    七扇・T・絵麻:58+1d10
    DoubleCross : (58+1D10) → 58+10[10] → 68


    GM:では
    GM:各々、挑む情報を選ぶがいい!
    陸奥 晴明:情報項目、共有メモのとおりです
    GM:情報開示によって追加情報が出るのを見越して、少し後手に回るのもありです
    日和原 要:精神が5あるので、知識で振れるやつをいこうかと思っています。財産点も3点だけある。
    門脇ふみ:ゆりかご村系か門脇について調べたいですね
    陸奥 晴明:バディムーブは購入のときと同じ感じでよろしいでしょうか?
    十束しのぎ:どうしましょ、特に目星もないならキャラ的にタタラ場か刀場かな
    陸奥 晴明:私は噂話とUGNに関してはコネと固定値あります
    十束しのぎ:調査を全員で1Rとして誰かに1回飛ばせる判定かな、バディムー
    門脇ふみ:学問とUGNにコネあります!
    GM:バディムーブの記述を読み直してきた
    十束しのぎ:社会6とUGN1とコネと財産があります
    GM:そうですね、全員で1Rとします
    陸奥 晴明:ありがとうございます! 了解しました!
    門脇ふみ:財産点の暴力があるので控えに回るべきかな
    門脇ふみ:後詰だ後詰
    日和原 要:了解です。<バディムー
    陸奥 晴明:教授としのぎちゃんに残ってもらって
    陸奥 晴明:UGNで抜けそうなところから行きましょうか
    日和原 要:そうしましょうか。まず調査、伝承、行方不明者あたりから、かな。
    十束しのぎ:ですかね
    門脇ふみ:はーい!では様子見!
    十束しのぎ:様子見!
    陸奥 晴明:じゃあゆりかご村の伝承行こうかな
    陸奥 晴明:良ければ情報:UGNで判定、コネ使います
    十束しのぎ:待機二人は財産点あるから、他3人が抜けそうだったらバディムーヴ飛ばしてもらって良さそうね。
    十束しのぎ:頑張れー
    日和原 要:了解です。七扇さん、どこいきます?
    七扇・T・絵麻:どうしようかな…
    七扇・T・絵麻:家のことで補正ないですかね
    GM:ほう、具体的には?
    七扇・T・絵麻:七扇と門脇については当事者側なので、何かしら判定に補正があるなら受け取りたいというアレデスね
    GM:そうですね、具体的にどの情報項目についてになるでしょうか
    七扇・T・絵麻:【〝門脇〟と〝高桐〟】ですね
    GM:この項目であれば、情報:裏社会の目標値が1下がっていることを補正としています
    七扇・T・絵麻:成程、了解です
    七扇・T・絵麻:じゃあ普通に判定しよう
    十束しのぎ:おぉ、すでに調整済みだ
    陸奥 晴明:とりあえず私が〝ゆりかごむら〟の伝承について行きましょうか
    七扇・T・絵麻:2dx+1 素で判定だ
    DoubleCross : (2R10+1[10]) → 2[1,2]+1 → 3

    日和原 要:あい。では、こちらで調査を振りましょう。
    七扇・T・絵麻:あ
    陸奥 晴明:コネ:UGN幹部使って判定、ダイス4固定値1目標値9です
    七扇・T・絵麻:すんません、侵蝕分上げてないのでもういっこ…
    七扇・T・絵麻:1dx+1
    DoubleCross : (1R10+1[10]) → 2[2]+1 → 3

    七扇・T・絵麻:駄目!!!!
    陸奥 晴明:4DX+1+0@10>=9 情報(UGN)
    DoubleCross : (4R10+1+0[10]>=9) → 4[1,3,4,4]+1 → 5 → 失敗

    陸奥 晴明:金4点払います。
    日和原 要:知識:科学で素振りと参りましょう…!
    日和原 要:6dx>=8
    DoubleCross : (6R10[10]>=8) → 10[1,6,7,8,8,10]+8[8] → 18 → 成功

    陸奥 晴明:七扇さんお金あります?
    GM:調査、はゆりかごむらの調査でよろしいかしら
    日和原 要:あ、ですです。<ゆりかごむら
    陸奥 晴明:陸奥 晴明の財産点を3した(財産点:7->3)
    日和原 要:項目の一番最初のやつです。言葉が足りなかった、すみません。
    日和原 要:そしてなぜかすっごい成功した。
    陸奥 晴明:3点払えばバディムーブと合わせて無理やり抜けますが
    七扇・T・絵麻:おかねあります!
    七扇・T・絵麻:ください
    陸奥 晴明:あれ、というか
    陸奥 晴明:七扇さんコネ持ってませんでした?
    七扇・T・絵麻:UGNのほうなので
    十束しのぎ:裏社会だからね…
    七扇・T・絵麻:固定値で回そうとした結果ですね…
    陸奥 晴明:あ、そっちだったか、失礼
    七扇・T・絵麻:やっぱダイスだな
    陸奥 晴明:ではバディムーブ回します、達成値+3
    七扇・T・絵麻:ありがとです
    七扇・T・絵麻:そこに財産2点足して成功だ!
    七扇・T・絵麻:残り財産2
    日和原 要:これで先行3人は全員成功かな。
    十束しのぎ:【ゆりかごむらの調査】,【〝ゆりかごむら〟の伝承】,【〝門脇〟と〝高桐〟】それぞれ抜いた形ですか
    十束しのぎ:開いた情報で追加ないか見てから教授と私は動きましょうか。
    陸奥 晴明:ですかね!
    GM:ふむ、ならば
    門脇ふみ:OKよ!

    【ゆりかごむらの調査】
    およそ2km四方程度の小さな村である。衣服こそ、外来の人々から得たのか比較的新しいように見えるが、文化レベルは近代の水準に到達していない。
    日の出と共に目覚め、日の入りと共に眠る。石積みの竈と薪で火を起こし、或いは囲炉裏で暖を取る。
    村の周囲には田畑が広がり、更にその外を森が、山が覆う。
    人口は数百人。赤ん坊から、80代の老人まで。赤ん坊の数から察するに、年に20人ほどが生まれ、20人ほどが亡くなるらしい。
    この村には、名字という概念が存在しない。また、家はあるが、〝誰の家〟と決まってもいない。
    敢えていうならば、〝あの家には誰が寝ていることが多い〟という程度だ。
    即ち彼らにとっては、村全体が一つの大きな家であり、個々の家とはせいぜいが部屋程度の認識である。
    財産も同様。よく使うお気に入りの一品、というものはあっても、完全な専有は無い。
    ゆりかごむらは、あらゆるものを分け合うのだ。

    また、〝ゆりかごむら〟の周辺の地形は、宵惑山(よまどいやま)近辺と稜線が完全に合致する。
    高所へ昇って周囲を見渡すなどした場合、視界の限り、ひとの暮らす気配は、この村にしか存在しない。
    であれば、此処はやはり、宵惑山──N市なのだ。
    あなた達が住まうN市とは、あまりにも異なる様相であるが。

    【〝ゆりかごむら〟の伝承】
    N市とその近辺の集落の、一部老人世代には伝わっている伝承。
    山中、霧の奥深く。ひとの声がする、火の粉が散る音がする。
    足を向けたなら、霧の中のひととなり、次に出会えるのは暦が巡った先。そういう話だ。

    N市付近の旧家には、もう少し仔細な内容が知られている。
    それは宵惑山(よまどいやま)において、六十年に一度発生する現象である。
    揺籠村なる異界には、〝やみくらい〟と呼ばれる神刀が眠るという。
    曰く〝手にすれば霧を生じ、振るえば河を生じ、突き立てれば命をも生じる〟。あらゆる病を癒やし命を生み出す神秘の一刀であるという。
    オーヴァード、ジャームは、レネゲイドウィルスの産物だ。即ち〝病〟と言えよう。
    幾つかの旧家は、〝やみくらい〟がレネゲイドウィルスの効力すら断つのではないかと考えている。

    ……一方で、村人達に〝やみくらい〟について問えば。
    それは〝かみさま〟だと答えが返るだろう。

    【〝門脇〟と〝高桐〟】
    門脇家は、陰陽道の流れを汲む家系の一つである。
    だが、その祖まで遡れば、決して〝尊い血筋〟と呼べる程ではない。歴史が比較的浅いのだ(それでも数十年単位ではないが)。
    故に門脇家は、婚姻を通じて他の血筋を取り込むことで、家格を高めようとしていた。
    高桐の家もまた、その〝取り込まれた〟血筋だ。
    数代前の当主が門脇家の娘を貰い、以降、実質的な分家扱いを受けている。

    門脇家の性質を考えるに、七扇のように多くの兵力を駆っての侵攻などは行うまい。
    事前の調査・諜報の結果も合わせ、かの勢力は高桐 理央の他、動いている者は無いと見て良い。

    GM:これらの情報の開示により
    GM:【高桐 理央】 目標値11 《情報:裏社会》
    GM:の情報項目が追加されます。
    GM:あっと、失礼!
    GM:もう一つ追加があるな
    十束しのぎ:残りがたたらば、刀場、七扇家、高桐ね…
    十束しのぎ:おっと。
    門脇ふみ:おお!
    陸奥 晴明:夫!
    GM:【時間の流れ】 目標値9 《情報:UGN》or《情報:噂話》
    GM:あぶないあぶない
    陸奥 晴明:おっと!
    門脇ふみ:アッこれも気になる!
    十束しのぎ:重要そう!
    GM:なので、残る項目はこうだ

    情報項目
    【時間の流れ】 目標値9 《情報:UGN》or《情報:噂話》
    【たたら場】 目標値10 《知識:科学》or《情報:学問》or《情報:UGN》or《情報:噂話》
    【刀場】 目標値8 《交渉》or《知識:レネゲイド》or《情報:UGN》
    【七扇家・竹垣──行方不明者の痕跡】 目標値8 《交渉》or《情報:UGN》or《情報:噂話》
    【高桐 理央】 目標値11 《情報:裏社会》

    門脇ふみ:では改めて【高桐 理央】行くわよ~!情報:裏社会で素振り!
    門脇ふみ:1dx=>9 私の社会ダイスは1よ。
    DoubleCross : (1R10[10]>=9) → 6[6] → 6 → 失敗

    十束しのぎ:【時間の流れ】行きます。情報:UGN、コネ:UGN幹部で判定ダイス+2個
    門脇ふみ:OK!財産5使用で発破!
    GM:よし、では
    門脇ふみ:財産点16に!

    【高桐 理央】
    現在の高桐家当主。
    門脇・高桐両家による〝品種改良〟の産物であり、高いオーヴァード能力を持つ。
    だが、門脇の本家に良い印象を抱いてはいないらしい。

    ……村人との会話から察するに、〝ゆりかごむら〟内で彼は、〝やみくらい〟がいずこに有るか探っているようだ。
    また、それとは別に彼は、村の鍛冶場に興味を抱いている節が見受けられる。

    十束しのぎ:ではこちらも判定行きます。
    十束しのぎ:9dx+1>=9
    DoubleCross : (9R10+1[10]>=9) → 10[1,1,2,4,5,6,9,10,10]+8[8,8]+1 → 19 → 成功

    十束しのぎ:よし。
    GM:では

    【時間の流れ】
    村人との会話から察するに、〝ゆりかごむら〟の時の流れは、現世と同じではない。
    前回、客人が外から流れ着いたのが、彼らの感覚に照らすと5年前だ。
    単純計算で12倍、時が食い違っている。

    村の者に時折、比較的近代風の衣服を着ているものがいるのも、この為だ。
    60年前。村の視点で言うならば5年前の来訪者の衣服であろう。
    ……さて。もとの持ち主は?

    GM:【ゆりかごむらの調査】と【時間の流れ】の開示により、
    GM:【〝祭り〟】 目標値12 《情報:噂話》 目標値9 《知識:文学》or《情報:学問》
    GM:の情報項目が追加されます。

    GM:──夕暮れ時。
    GM:西からの日が村を撫でている。
    GM:西とは言ったが、この世界に北極、南極にあたる概念は存在するのだろうか。
    GM:確かなことは、日が昇り、そして沈むことである。その地点を東西という基準にするならば、方角の概念もまた存在しよう。
    GM:茜の空。村人達は各々、住み慣れた家へと戻る。日が落ちたなら、然程の夜更かしもせず眠るのだ。
    GM:あなた達もまた、宿として宛がわれた家屋へ戻り──暖炉の前か、囲炉裏を囲むか。
    GM:そうして情報の共有を始めるのだろう。
    七扇 ほむら:「……………………」七扇・T・絵麻の背後に、隠れるように白髪の少女。
    GM:一方で高桐 理央は、まだ単独での調査を続けているようで、戻ってきてはいない。
    門脇ふみ:ぺたり、と血文字が記されたノートの紙片を閉まった戸に貼り付ける。
    門脇ふみ:Frailty, thy name is Breeze.(弱きものよ、汝の名はそよ風なり。)
    門脇ふみ:「さて、これで夜風の対策もばっちりね!」
    七扇・T・絵麻:七輪で炭を起こして囲炉裏に配置し、炭を組んで竹で吹く
    七扇・T・絵麻:「あんまり密閉すると酸欠で死ぬわよ。」
    七扇・T・絵麻:「囲炉裏を落として寒々としながら寝るのもいいんだけれど」
    十束しのぎ:「炭ですからねぇ」
    十束しのぎ:簡素な骨組みの団扇や火かき棒を用意している。
    日和原 要:「うん。オーヴァードと言っても、生き物だからね。暖かい場所で、安全に眠れるならそれがいい」
    陸奥 晴明:「そうですね。安全に……」
    門脇ふみ:「ふふふ。風の対流を操作してるだけですから密封にはならないと思いますわ」
    七扇・T・絵麻:「ま、茅葺きの通気性もあるし問題ないでしょ…」
    七扇・T・絵麻:「ほむら、今日は疲れたでしょ。ちょっと話し合いをするから、先に休んでおくといいわ」
    七扇 ほむら:「…………」ぴく、と肩が震えた。普段の人形のような顔に灯る感情の、
    七扇 ほむら:その色に名をつけるなら〝不安〟となろうか。
    七扇 ほむら:だが、白髪の少女は立ち上がり、部屋の戸口まで。
    七扇 ほむら:「…………」振り返り、少し寂しげな顔をした後で、ようやく部屋を出ていった。
    陸奥 晴明:「七扇さん、彼女には……」
    十束しのぎ:「……共有はしなくてもよろしかったのです?」
    七扇・T・絵麻:「ちょっと聞かせないほうが良い類よ」
    十束しのぎ:「なるほど、そう判断されたのなら」
    七扇・T・絵麻:「というわけで」
    七扇・T・絵麻:皆にありのまま、七扇家の計画を伝えます
    門脇ふみ:そっと囲炉裏のそばに腰を下ろす。
    七扇・T・絵麻:「家の人間に愛着が一切ないわけではない…でも、そのために無辜の人間が犠牲になるのは間違いでしょう。」
    日和原 要:その話を、眉間に皺を寄せながら、何度か頷きつつ聞いて。
    日和原 要:「絵麻さんが、そう思ってくれるなら」
    十束しのぎ:その話を実感の薄い表情で聞く。
    陸奥 晴明:「それは……」
    門脇ふみ:「絵麻さんも大変みたいですねぇ……」
    日和原 要:「UGN(R:ぼくら)とは、普段の任務のように協力し合える。そういうこと、かな」
    七扇・T・絵麻:「うちが衰退しようとも、そういうことはやめてもらおうというわけよ。」
    七扇・T・絵麻:「もっとも…あの子には重ね重ね悲しい思いをさせてしまうことになるのでしょうけど」
    七扇・T・絵麻:瞑目
    陸奥 晴明:「……本当に、良いんですか?」
    陸奥 晴明:「手を貸していただけるなら、助かりますけど……でも」
    陸奥 晴明:「ご家族と……それに、話の前に遠ざけたってことは、 ほむらちゃんも……」
    十束しのぎ:「その場合、七扇絵麻様は不利益を被られるのでは?」
    七扇・T・絵麻:「そうね」
    陸奥 晴明:「そうね、って……!」
    七扇・T・絵麻:「じゃあこの村の神が奪われてもいいと?その過程で人が死んでもいいと?」
    陸奥 晴明:「それは……」
    日和原 要:「─まず、前提としてだよ。僕らは、この村のことを、何も知らない」
    日和原 要:「何を、どうするか。どうしたいか。決めるのは、知ってからでも遅くはない。いや、知ってからにするべきだ」
    十束しのぎ:「……そうですね。七扇様のご家族がどうあれ、まずこの村はだいぶ特殊だと思います」
    十束しのぎ:「まず可能かどうか。止めるにしてもどう止めるかを考えるためにも、この場所を知ることは大事だと思います」
    陸奥 晴明:「……うん」
    陸奥 晴明:「そうだね。考えるにしても、迷うにしても、まず材料がなきゃ」
    門脇ふみ:「絵麻さんとほむらさん以外の七扇の人たちがどこへ逸れたのかもわからない以上、」
    門脇ふみ:「下手に動いて村の人に感づかれる方が面倒そうよね……」
    七扇・T・絵麻:「そうね…。ちょっと家の都合上、おかしい村に対しての認識が緩かったけど」
    七扇・T・絵麻:「異常そのものよね」
    十束しのぎ:「こちらが覚悟を決めましても、七扇家の皆さまがやってこない可能性もありますからね」
    十束しのぎ:「それで、ええと。この村に関して調べてらっしゃったんですよね。陸奥晴明様に日和原要様」
    十束しのぎ:「えぇ、まずは異常の解明を優先したい所です」
    日和原 要:「そういうこと。─渉さんの行方も、まだ分かっちゃいない。七扇の家の人たちもだ。みんなを探すためにも─」
    日和原 要:うん、としのぎちゃんの言葉に頷いて。
    日和原 要:「まずは、僕が調べた─見て、聞いて回った限りでの、この村のこと」
    日和原 要:調査結果を、口頭で伝えるに相応しい簡便さに纏めて伝えましょう。
    陸奥 晴明:「俺は、この村について伝わってる伝承について。 N市近辺のお年寄りに伝わってる話なんだけど……」
    陸奥 晴明:「この村の中で聞いて回った話と合わせたら……正直」
    陸奥 晴明:「かなり、難しい話を聞いた。 ……どこまで信じていいかも分からないんだけど」
    陸奥 晴明:同じく、この村の伝承に関して分かったことを伝える。
    陸奥 晴明:〝やみくらい〟がレネゲイドを断つ、という話に、少し表情を暗くしながら。
    十束しのぎ:「ふむ」その報告に軽く相槌を打っていく
    十束しのぎ:「一つの家のような村に、人気のない周辺地形。それに還暦毎に巡る霧の話と………神様である、やまくらい様のお話ですか」
    門脇ふみ:(あら、高桐さんもしていた話ね)手元のノートに要点をプロファイリングしている。
    七扇・T・絵麻:「レネゲイドを断つ、ねえ」
    陸奥 晴明:「確かにレネゲイド”ウイルス”、それに能力分類をシンドロームなんて呼称してるけど」
    日和原 要:「かみさま、と呼ばれる刀。何もかもを共有する共同体。僕らの知る"日常"から、あまりに離れた─いや」
    日和原 要:「取り残された、切り離された。そんな感じかな」
    陸奥 晴明:「本当に、60年前から孤立してるんですかね?」
    七扇・T・絵麻:「レネゲイドの産物を切るというと、私の刀も似たような代物なんだけど」
    陸奥 晴明:「それにしては何か……違和感も感じるんですけど。60年前の人にしては……」
    日和原 要:「─服」
    日和原 要:ぽつりと、ひとことだけ。
    十束しのぎ:「取り残された、という点については」
    十束しのぎ:「私も話を聞いていたのですが、どうやらそこにも齟齬があるようです」
    十束しのぎ:門脇さんと日和原さんの言葉に目を向けて、
    門脇ふみ:「あら十束さん、何か気になることが?」
    十束しのぎ:「どうやら、ここの人たちに取っては、『外』の人の来訪はせいぜい数年ぶり…5年ぶり程度の感覚のようです」
    十束しのぎ:「私達の知らない間に、60年の間にも誰かが迷い込んできたか……」
    十束しのぎ:「あるいは、実際に、この村にとっては5年前の話なのか」
    門脇ふみ:「そうよね……私たち『外の人』を見た時の反応も、思ったより地味でしたから。」
    門脇ふみ:「60年前なんて、この文化水準なら1世代か2世代くらいサイクルされててもおかしくはないですし」
    陸奥 晴明:「(刀……レネゲイドの産物を切る……)」
    七扇・T・絵麻:「服…そう、60年とは言うけど、意外と新しい服を着ている人間もいた」
    十束しのぎ:「そうですね、恐らくそれが60年前……この村にとっては5年前にはいってきた服のようです」
    十束しのぎ:「………無論。迷人の服というのなら。その持ち主がどうなったかまではわかりませんでしたが」
    七扇・T・絵麻:「村で5年程度なら劣化もそこまでこないはず。」
    七扇・T・絵麻:「その時の来訪者がどうなったのか…。これを知る必要がありそうね」
    日和原 要:「60年に一度、というのは信頼していい話だと思う。確か─神社の古文書にも当たってもらってたよね。そっちの記述はどうだったかな」
    日和原 要:伝承を調べていた晴明くんに、確認するように。
    陸奥 晴明:「……単に旅人が居着いただけ、とかなら良いんだけど」
    七扇・T・絵麻:「大丈夫でしょ。5年前なら全然聞き取りが出来るレベルよ。」
    七扇・T・絵麻:「聞き取りが出来ないならないでそれもまた手がかりの一つ。」
    門脇ふみ:「そうよね。」「5年暮らしただけなら、私たちを見て思うところもあるでしょうに」
    陸奥 晴明:「そうですね。……穏便に済む話なら良いんだけど」
    十束しのぎ:「……あ、そういえば」
    十束しのぎ:「高桐理央様のお姿が見えないようですが。あの方も何処かで探しておられたんでしょうか?」
    陸奥 晴明:「あの人はあの人で、色々調べてるみたい」
    陸奥 晴明:「ただ……こういうこと言うと、あれなんですけど」
    陸奥 晴明:「正直言うと、彼の目的がまだ見えないのが少し、不安です」
    陸奥 晴明:「会ったばかり、というのもあるんですけど……七扇さんや門脇さんはご存知なんですか?」
    門脇ふみ:「そうよね。一応病み喰らいを探しているとは依頼されたときに耳にしましたが……」
    七扇・T・絵麻:「ほむらを見てくれていたようではあるけど」
    陸奥 晴明:「ほむらちゃんを?でも」
    七扇・T・絵麻:「家の立場としては、七扇の家に加担してもおかしくはないわね。多少の警戒をするつもりよ」
    門脇ふみ:「高桐さん自体は、門脇(うち)の分家当主らしいわね。」
    十束しのぎ:「分家さん、ですか」
    門脇ふみ:「とはいえ縁を切ってる私に声をかけているし、門脇の本家に思うところはありそうよね……」
    日和原 要:「彼本人の思惑で、何か動くかもしれない、と?」
    陸奥 晴明:「てっきり、門脇さんのご実家とのつながりもあるのかと思ってたんですが」
    陸奥 晴明:「上手くいってない、自分の思惑、ですか」
    七扇・T・絵麻:「彼は何と言ってついてきたのかしら。」
    七扇・T・絵麻:「わざわざ離縁した家系の人間を連れてきた理由も良く分からない。協力者のはずなのに情報が足りないのは危険よね」
    陸奥 晴明:「えーっと」 ちら、と日和原と門脇に目を向ける
    日和原 要:「─"やみくらい"を。一度、ただ一度、自分に振るわせてほしい、と」
    日和原 要:「そう口にした言葉は、きっと、彼の掛け値なしの本音だったと思うよ」
    十束しのぎ:「刀を一度振るう、ですか」
    十束しのぎ:「つまり、先程のやまくらい様の権能を当てにしている、とひとまずは見るべきですかね」
    門脇ふみ:「『ひとを斬るような』」「『七扇のような生き方はしていない』」
    門脇ふみ:「とも言っていたし、隠し事はまだまだありそうよね、彼」
    七扇・T・絵麻:「耳が痛いわね…」
    門脇ふみ:「村の方に鍛冶処を訊ねてたりもしていたらしいし……」
    陸奥 晴明:「何のために……は、分からない、と」
    陸奥 晴明:「……今の段階じゃ分からない、かな。直接聞くでもしないと」
    陸奥 晴明:「最悪、一度でも使ったらまずい物だったら、止めないとですよね」
    十束しのぎ:「ですね。それが高桐様個人の思惑か、あるいは高桐様もご家族を上げての思いかはわかりませんが……」
    陸奥 晴明:「そういえば、門脇本家も動いてるんですかね」
    日和原 要:「そうだね。─刀や剣、武器なら─いや、そこにあるものやひる人が、どれだけ"よい力"を持っていても。どう使うか次第で、それは良くも、悪くもなる」
    日和原 要:「─剣を振るう人には、こんな話、釈迦に説法だろうけどね」
    七扇・T・絵麻:「あの家は多数の有力な家系を家に引き込むことで家の格を高める戦略を取っている」
    陸奥 晴明:「引き込む、っていうと……結婚とか、養子とか?」
    七扇・T・絵麻:「そういうこと。陰陽道においては家柄そのものが効力を発揮する世界…ちゃんと意味のある行為なのよ」
    七扇・T・絵麻:「なので家そのもの歴史はそこまで深いわけではないわ。貴重な人材を辺境に部隊を組んで送り込むなんて真似もまずしないでしょう」
    七扇・T・絵麻:「なので、門脇の大規模な部隊はまずいない。と言えるわ。現実的ではない。」
    陸奥 晴明:「じゃあ、動いてるのは高桐さんだけ……と」
    陸奥 晴明:「七扇さん、ありがとうございます。 大体これで、現状はまとまったかな」
    十束しのぎ:「ふむ。動きが個人か群体か、というのは重要なところですものね」
    十束しのぎ:「えぇ、陸奥晴明様。後はこの情報を持って明日もどうするかのすり合わせか……あるいはもうお休みになられたほうがいいか、と言った所でしょうか」
    GM:──では。
    GM:あなた達がそのように、情報を共有している時だ。
    GM:ふと、家の外に、何者かの気配を知るだろう。
    七扇・T・絵麻:「——」
    GM:……が。それが敵対的なものでないことは直ぐに分かる。
    GM:がらっ。
    ハナ:「こんばんは~。はぁ、まだ起きてだがぁ」
    陸奥 晴明:「ハナちゃん?」
    ハナ:あなた達の世話係を務めている少女、ハナ
    ハナ:……その背には、おんぶ紐で女の子が背負われている。
    ハナ:年齢は3歳か、4歳ほどだろうか。
    ハナ:そして、その手には、
    ハナ:「遅くまで何かしでだって聞いてさ、ほれ」
    ハナ:大きな平盆に、どっさりと、白米のおにぎり。
    ハナ:「具も色々だけんど、はぁ……うっかり、どれさ何入れたか、目印つけるの忘れちまって……」
    日和原 要:「ありがとう。─うん、何が出るか分からない、というのも。それはそれで、楽しいものだよ」
    陸奥 晴明:「あはは……大丈夫だよ、ありがとう」
    ハナ:「……ええと。塩だけのと、しし肉、鳥肉、わらび、あとは川の魚さ焼いて身を解したのだ」
    日和原 要:ねえ、と。誰にともなく、同意を求めるように。
    十束しのぎ:「わぁ、ありがとうございます。ハナ様!」
    子供:「あー。あー」まるで赤ん坊のような無垢な笑顔で手足をばたばたとさせている
    ハナ:「盆は、どこでも見えるとこさ置いといてくれたら、洗っておくから」
    ハナ:「あんまりよいっぱりするでねぇぞ、体さ良ぐねぇからなぁ
    陸奥 晴明:「うん、お気遣いありがとう」
    十束しのぎ:「はい、これを頂いたらおやすみすることにします」
    GM:……と言って、ハナは去っていった。
    GM:あまり器用ではないのだろう。大きさもまちまち、形も歪。具の分量も揃っていない。
    GM:味は……まぁ、普通だ。普通に美味である。良い米を正しい炊き方をして、まともな具を入れたのだから、不味くはならないのだ。
    GM:夜食を得て、夜は過ぎていく。或いはまた少し、語り合うこともあるかも知れない。夜の内に調べ物に出るものもいるかも知れない。
    GM:村は静かだ。
    GM:どの家も鍵を掛けず、何をも恐れずに眠っている。
    GM:まるで一つの大きな獣がその身を横たえているかのように、〝ゆりかごむら〟は眠っている。

    GM:ロイス&調達が可能!
    陸奥 晴明:ロイス 七扇・T・絵麻 ロイス P:連帯感/○N:不安
    陸奥 晴明:調達は再び手当キット!
    陸奥 晴明:2DX+4+0@10>=8 調達
    DoubleCross : (2R10+4+0[10]>=8) → 6[3,6]+4 → 10 → 成功

    陸奥 晴明:成功!とりあえず保持しておきます
    門脇ふみ:ロイス!七扇さんへ!
    七扇・T・絵麻:ロイス保留です
    七扇・T・絵麻:調達はぼであま
    七扇・T・絵麻:3dx+1
    DoubleCross : (3R10+1[10]) → 8[1,5,8]+1 → 9

    七扇・T・絵麻:むり!以上です
    十束しのぎ:ロイスは…保留で。購入はアーマー買ったのであとは他の人が買えなかったものかブルゲ応急辺りを狙うために構えておく。
    陸奥 晴明:誰か3足りなかったらバディムしますよ
    門脇ふみ:〈新たな勇気になるかしらね?〉七扇・T・絵麻:〇連帯感/猜疑心 で取得!
    門脇ふみ:購入は医療トランクかUGN戦闘服行きたいわね
    日和原 要:ロイスは…保留で!調達はボディアーマー!
    日和原 要:2dx+1>=12
    DoubleCross : (2R10+1[10]>=12) → 10[10,10]+10[1,10]+2[2]+1 → 23 → 成功

    日和原 要:???
    門脇ふみ:戦闘服行きましょ!素振り!
    門脇ふみ:1dx+4=>18
    DoubleCross : (1R10+4[10]>=18) → 7[7]+4 → 11 → 失敗

    陸奥 晴明:七扇さん、バディムしましょうか?
    門脇ふみ:もうちょい見送りましょ!今回は以上です
    七扇・T・絵麻:くだせえ
    十束しのぎ:じゃあ戦闘服こちらで狙いましょう。
    陸奥 晴明:ではバディムーブ。達成値+3どうぞ
    門脇ふみ:わーい!
    七扇・T・絵麻:ありがたく!入手です。装備します
    陸奥 晴明:あ、日和原さんボディアーマー余ってたらお借りできます?
    十束しのぎ:7dx+1>=18 戦闘服
    DoubleCross : (7R10+1[10]>=18) → 9[1,3,5,5,6,9,9]+1 → 10 → 失敗

    十束しのぎ:おや。
    十束しのぎ:7dx+1>=18 戦闘服
    DoubleCross : (7R10+1[10]>=18) → 10[1,2,4,6,8,9,10]+7[7]+1 → 18 → 成功

    十束しのぎ:あ、出来た。そして失敗。以上。
    十束しのぎ:あ、ラグが…
    陸奥 晴明:ラグで2回振っちゃった!
    GM:たまにある奴だ
    十束しのぎ:回っちゃったけどラグで最初のほうが反映出来てなかったので失敗ですね。残念。
    門脇ふみ:この場合先に回した奴(失敗)で良さそうですかね?
    日和原 要:あ、自分で着る用でしたが、必要なら譲りますぜ!>晴明くん
    陸奥 晴明:どんまいです
    陸奥 晴明:え、日和原さん自分用のは
    日和原 要:こちらは《リミテッドイモータル》があるので、最低限必要なHPは自前で確保できる。
    十束しのぎ:こちらは以上で!
    陸奥 晴明:前のシーンで買ってますよ
    陸奥 晴明:輪脚がバディムーブして成功させた
    日和原 要:あ、そうだった!
    日和原 要:では2着目を晴明くんに。失礼しました。
    陸奥 晴明:というわけで良ければ受け取ります
    陸奥 晴明:装備!
    陸奥 晴明:私は以上!
    陸奥 晴明:陸奥 晴明の装甲を8した(装甲:0->8)
    七扇・T・絵麻:私は以上
    日和原 要:あ、以上です!
    GM:OK

    シーン5:平穏な筈の村


    情報項目
    【〝祭り〟】 目標値12 《情報:噂話》 目標値9 《知識:文学》or《情報:学問》
    【たたら場】 目標値10 《知識:科学》or《情報:学問》or《情報:UGN》or《情報:噂話》
    【刀場】 目標値8 《交渉》or《知識:レネゲイド》or《情報:UGN》
    【七扇家・竹垣──行方不明者の痕跡】 目標値8 《交渉》or《情報:UGN》or《情報:噂話》

    GM:登場は任意!
    門脇ふみ:引き続き!
    門脇ふみ:門脇ふみの侵蝕を3増加しました(侵蝕率:59->62)
    日和原 要:出るぜ!
    陸奥 晴明:私は出ます!
    日和原 要:日和原 要の侵蝕率を+1(1d10->1)した(侵蝕率:71->72)
    陸奥 晴明:陸奥 晴明の侵蝕率を+3(1d10->3)した(侵蝕率:64->67)
    日和原 要:ほっ……
    七扇・T・絵麻:出るか
    十束しのぎ:十束しのぎの侵蝕率を+7(1d10->7)した(侵蝕率:63->70)
    七扇・T・絵麻:68+1d10
    DoubleCross : (68+1D10) → 68+3[3] → 71

    日和原 要:こちら、行方不明者の痕跡、でいこうかと思っております。
    門脇ふみ:財産が16あるのでまた後詰に行くぜ!
    GM:ふふ
    十束しのぎ:こちらも後詰待機だ
    日和原 要:というわけで早速!コネ込みで情報:UGN!
    十束しのぎ:GMがじゃあくなわらいを
    GM:これが全てとは……言ってないぜ……
    日和原 要:4dx+1>=8
    DoubleCross : (4R10+1[10]>=8) → 10[4,4,9,10]+3[3]+1 → 14 → 成功

    陸奥 晴明:七扇さんどれ行きます?
    十束しのぎ:増えるのだ…
    日和原 要:だからなぜここで回るのか。
    陸奥 晴明:助かる!
    七扇・T・絵麻:うーむ
    十束しのぎ:あとたたらばと刀場か
    七扇・T・絵麻:刀場かたたら場ですね
    七扇・T・絵麻:刀場はしのぎちゃんが行きたいだろうし
    十束しのぎ:ですね、UGN噂話10かUGN8
    七扇・T・絵麻:ワンチャンたたら場でいきます
    陸奥 晴明:バディムーブ待機!
    七扇・T・絵麻:UGNコネを使用します
    十束しのぎ:バディムーありますしね
    七扇・T・絵麻:5dx
    DoubleCross : (5R10[10]) → 7[2,4,4,5,7] → 7

    七扇・T・絵麻:バディムくだせぇ
    陸奥 晴明:バディムーブ!達成値+3!
    GM:では
    七扇・T・絵麻:押忍!達成です
    GM:まず二つだな

    【七扇家・竹垣──行方不明者の痕跡】
    七扇の家の者達。或いは竹垣 渉。この村を訪れるにあたり、姿を消した者達だ。
    村人達に聞いてみても、そのような者は見ていないと応えるだろう。

    が。一部の村人は、そう答える前に〝どこか〟に視線が行くのだ──一瞬だが。
    複数人の村人の反応、視線の向きから、村を覆う森の一点に何かがあるのだと推測できる。

    この空間にも太陽は昇る。太陽の軌跡を基準として東西南北を定めた際、村の北側だ。
    ……もしそこを目指して歩いたのならば。森を進んだ先に、突如、際立って大きな崖を見るだろう。
    下が霧で見えない程に深い、深い、どこまでも深い断崖だ。

    (〝ゆりかごむら〟の伝承 達成による追加情報)
    ……尚、これは余談なのだが。
    〝次に出会えるのは暦が巡った先〟という、ゆりかごむらの伝承。
    だが実際に戻ってきた者がいたという記録は無いのだ。

    【たたら場】
    ゆりかごむらの外れに、たたら製鉄の為の設備が有った。
    村人の話によれば、そこで鉄を溶かして農具をつくり、また刀を打つらしい。
    必要な時に村人の総出を駆り出して行う一大作業。
    ……だが。鍛冶場で鉄を打つ者は、村人の中でもまた特別な血を引くものに限られるという。

    門脇ふみ:後は刀場と祭りか……
    陸奥 晴明:新しい情報項目は出ますか?
    GM:現時点では、有りません。ですが
    陸奥 晴明:おっと
    GM:●小イベント〝襲撃者〟 参加可能人数:日和原 要+1まで
    GM:●小イベント〝忘れられたるもの〟 情報開示者+1まで
    GM:が、閲覧可能となります。
    門脇ふみ:なっばっ
    陸奥 晴明:とうとう襲われる!
    GM:これはシーン内イベント。再登場の必要はありませんが、指定人数までが参加可能なイベントとなります。
    十束しのぎ:襲撃者!
    門脇ふみ:比較的侵蝕に余裕があるのは私ね。
    GM:なお、これはちょっと長くなるので、情報収集パートが終わってからとします
    陸奥 晴明:はい!
    門脇ふみ:了解です!じゃあ私が祭りに行きましょうかね!
    陸奥 晴明:では情報の残りは祭りと刀場でしょうか
    十束しのぎ:じゃあ刀場狙いましょう
    陸奥 晴明:あ、私まだ手番余ってますので先生きますよ
    陸奥 晴明:どっちが良いかな
    陸奥 晴明:刀場狙って良いですか?
    十束しのぎ:じゃあ先行ってもらおうかな
    門脇ふみ:有難くもうちょっと待機!
    陸奥 晴明:では刀場、情報:UGN、コネ使って判定
    陸奥 晴明:4DX+1+0@10>=8 情報(UGN)
    DoubleCross : (4R10+1+0[10]>=8) → 6[1,5,6,6]+1 → 7 → 失敗

    陸奥 晴明:財産1消費!
    陸奥 晴明:陸奥 晴明の財産点を2した(財産点:3->2)
    GM:では

    【刀場】
    何十本かの刀が収められた建物がある。建物の構造としては、神社のそれに良く似ている。
    村人の話によれば、この村の代々の鍛治師が叩き上げたものらしい。
    見れば、旧いものほど力を秘めていることが窺い知れよう。
    逆に言うならば、新しいものほど質が悪い。

    GM:【たたら場】と【刀場】の開示により、
    GM:【〝ゆりかごむら〟の刀】 目標値9 《知識:レネゲイド》or《知識:科学》 七扇・T・絵麻のみ自動成功。
    GM:の情報項目が追加されます。
    門脇ふみ:おお!
    陸奥 晴明:まだあったか!先に行ってよかった
    十束しのぎ:あ、七扇さん自動成功項目だ
    日和原 要:ふえた!
    門脇ふみ:とはいえ普通に他の人が開けてもいい感じですかね
    十束しのぎ:七扇さんに残すか自分で言ってみるか
    十束しのぎ:9だしね。
    陸奥 晴明:七扇さんはこのシーンもう情報収集したので
    陸奥 晴明:祭りで新しい項目でなければ行って良いかと
    十束しのぎ:ですね。先に教授祭り行きますか?
    門脇ふみ:じゃあ今度こそ祭りに行きましょうかね!
    十束しのぎ:お願いしまーす
    門脇ふみ:コネの都合上情報:学問で先ずは素振り!
    門脇ふみ:2dx+1=>9
    DoubleCross : (2R10+1[10]>=9) → 7[3,7]+1 → 8 → 失敗

    門脇ふみ:ここでコネ:大学教授発動!判定を振りなおすわ!
    門脇ふみ:ダブルスパイカスタマイズ効果も適用して判定ダイス+1!
    門脇ふみ:3dx+1=>9
    DoubleCross : (3R10+1[10]>=9) → 10[1,1,10]+9[9]+1 → 20 → 成功

    GM:ふむ
    GM:では
    門脇ふみ:完璧ね……(キリッ)

    【〝祭り〟】
    ゆりかごむらは、5年に一度、外界からの来訪者を迎える。
    彼らは多くの場合は迷い来るもので、村の外への帰還を望むことが多い──留まりたいと願う者もいるらしいが。
    よってこの村では、彼らが無事に帰路につけるよう、〝かみさま〟に祈りを捧げる祭りを開くという。
    誰もが望む場所に至るように。村が、次の5年も平穏であるように。祭りは繰り返されて来たのだという。

    彼らの言葉を信じるならば、あなた達の行く手を閉ざす霧も、〝祭り〟の後には晴れるのだとか。

    もう一度書こうか。
    彼らの言葉を信じるならば。

    GM:●小イベント〝祭りを喜ぶ娘達〟 参加可能人数:情報開示者+1まで
    GM:が、閲覧可能となります。
    ハナ:おまつりだー
    門脇ふみ:ホホホーッ!参加確定しちゃったわね
    陸奥 晴明:5人でイベント3つ、1人は確定で+1まで
    GM:ふふふ
    GM:ダブっていかんとは……言ってないぜ
    日和原 要:なん…だと…
    陸奥 晴明:あ、なるほど
    十束しのぎ:では、手番残った私が【〝ゆりかごむら〟の刀】に行きましょうか
    門脇ふみ:安心だぜ……
    陸奥 晴明:お願いします
    十束しのぎ:コネなしの素振り
    十束しのぎ:7dx>=9
    DoubleCross : (7R10[10]>=9) → 10[3,3,4,5,5,8,10]+6[6] → 16 → 成功

    十束しのぎ:ヨシ。
    GM:社会強者どもめ
    十束しのぎ:オホホ。剣ですので。

    【〝ゆりかごむら〟の刀】
    ゆりかごむらの刀は、特殊な方法で採取された鉄を用いて作られている。
    即ち鍛冶場に入る資格を持つ者の〝特別な血〟を煮詰め焦がし、僅かな鉄を集め、それを繰り返して一振り分の鉄とする。
    この技術体系は、とある旧家のそれに酷似している──千年分は原始的だが。

    GM:●小イベント〝旧き血の名は〟 参加可能人数:情報開示者+1まで
    GM:が、閲覧可能となります。
    GM:また、全ての情報項目を一発クリアしました。すごいね。
    門脇ふみ:イベントが……4つ!
    陸奥 晴明:ヤッター
    十束しのぎ:ウォー!
    七扇・T・絵麻:やりくち同じやんけ!!!
    十束しのぎ:とある旧家。どこなんでしょうねぇ
    日和原 要:じっくりことことに込んだ血……。
    陸奥 晴明:えっと、イベント4つですっけ
    十束しのぎ:ですね。情報項目の共有メモに付きしておきました
    陸奥 晴明:有り難い!

    登場メンバー
    ●小イベント〝祭りを喜ぶ娘達〟 門脇ふみ & 日和原 要
    ●小イベント〝旧き血の名は〟 十束 しのぎ & 七扇・T・絵麻
    ●小イベント〝襲撃者〟 日和原 要 & 陸奥 晴明
    ●小イベント〝忘れられたるもの〟 七扇・T・絵麻 & 陸奥 晴明


    GM:●小イベント〝祭りを喜ぶ娘達〟
    GM:──何はともあれフィールドワークの時間である。
    GM:というと些か雑に過ぎるかも知れない。ので少しばかり捕捉する。
    GM:様々、村についての情報は得られた。その中に、この村から帰還する為の手立てらしき話も有った。
    GM:村人曰く、帰還の手立てには〝祭り〟が関わってくるらしい。
    GM:そういう文化的なアプローチとなると、あなた達の出番であろう。
    村人:「うん、そうさ。あたしは前の時のことはあんまり覚えてないんだけどね」「お酒飲んで寝ちゃってたもんね」「お椀にたった一杯だけなのに」
    GM:あなた達は今、3人の村娘達から話を聞いている。
    門脇ふみ:「あらら……そうでしたのね。」「外で酔いつぶれて大丈夫だったの?」
    村人:「大丈夫って?」何を心配しているのか分からない、というような顔をする。
    GM:例え話になるが、貴女の質問は、〝寝室で酔っ払って寝ちゃったらしいけど大丈夫?〟とさほど変わらない
    GM:……無論、〝この村では〟という注釈がつくが
    日和原 要:「本当に、「どの部屋で寝るか」くらいの感じなんだね。僕らから見ると、不用心にも見えるけど─それが、この村の「当たり前」なんだ」
    GM:然り。
    GM:外で眠っていて、悪党が傷つけに来ることも無ければ、所持品が盗まれることもない。
    GM:気付いたものがいれば、適当に何処かの家に運び込んで布団でも被せるだろう。ここはそういう村なのだ。
    門脇ふみ:「……ホホホ、ちょっと心配が過ぎたみたいね。」(少なくとも、村の空気は平和って感じ…?)
    日和原 要:「ですね。あとは─」
    日和原 要:教授の言葉に、にこやかに頷きつつも。不信感、あるいは不穏を感じる心は、晴れない。
    門脇ふみ:「そのお祭りに私たちも参加するなら、何をするお祭りかもお聴きしたいですわね。」
    門脇ふみ:「お酒で盛り上がる前にも平和を願うためにすることとかがあったりしますの?」
    村人:「何を……? ああ、なるほど!」「〝前〟の時のお客人達も聞いてたんだっけ?」「うん。そういう時は、こういう風に言うといいんだって」
    村人:「〝この村の祭りは、村を守ってくれるかみさまを喜ばせる為の祭りだ〟だって!」
    門脇ふみ:(“前”──60年前の迷い人か。)
    村人:「その時の〝かね役〟が村をぐるっと歩いて、あっちの広場に集まって」と、村の中央にある開けた方角を指差し
    村人:「歌ったり踊ったり、食べたり飲んだり! 以上!」
    門脇ふみ:「ありがとう!『かね役』っていうのは…村の人がやるのかしら?」
    村人:「うん。いっつもそうだって」「綺麗なおべべ着てさ、楽しそうでさー」
    村人:「今年は、ハナだったよね?」「うん」「いいなー」
    門脇ふみ:(さて。十中八九、何か起きるなら『祭り』のようね)
    日和原 要:「あの子が、"かね"役。─かね。かね、か。うん、ありがとう、色々教えてくれて」
    日和原 要:「ああ、それと─僕からも、ひとつだけ、いいかな」
    日和原 要:娘たちと、そして、教授に確認するように。
    村人:「?」三人揃って、息の揃った舞のように首を傾げる
    門脇ふみ:パチリとウィンク。『いつでもどうぞ』の意だ!
    日和原 要:ありがとう、と。改めて小さく告げて、頷いてから。
    日和原 要:「君たちに話を聞く前に、色々教えてくれた村の人が言ってたんだ。祭りは、外から来た人が、無事に帰れるようにお祈りするためでもある、って」
    日和原 要:「僕らの前に。その前に。そのまた前に来た人が、きちんと家に帰れたか。みんなは、知っているかな」
    村人:一人目は
    村人:「……?」良く分からない、というような顔をする
    村人:二人目は
    村人:「……たぶん?」
    村人:三人目は
    村人:「帰ったんでしょ? お客人は、祭りが終わったら帰るんだもの」
    日和原 要:「そう、か。うん、そうだね。もう"ここにいない"のなら、それは」
    門脇ふみ:「──村の人にも、挨拶はしてないのね。」
    村人:「酔っ払って寝てたし……」「踊り疲れて寝てたし……」「お腹いっぱいで寝てたし……」
    門脇ふみ:「ホホホ……無理に起こすのも良くないですものね!」
    門脇ふみ:すぐに瞼で眼を覆う。
    門脇ふみ:ここばかりは『嘘』をつけないからだ。
    日和原 要:「そう、だね。楽しいお祭りなら、尚更だ。─じゃあ、先生?」
    日和原 要:これでいいか、と確認するように。
    門脇ふみ:「ええ、興味深いお話でした。楽しそうなお祭りでよかったわ~」
    日和原 要:「ええ。楽しみにしましょう。それじゃあ、僕は、例のところに。あまり晴明くんを待たせると、悪いですから」
    村人:「ええ! 今年はね、私達みんな踊り役なの!」「今まで、こっちの二人はお料理運んだりばっかりだったけど」「やっと三人一緒なの!」
    GM:──役。
    GM:この村に生きるものは、余程の幼子でも無ければ、誰でも何かしらの仕事を持っている。
    GM:川まで水を汲みに行くもの。森で木の実を拾うもの。家々を巡って掃除をするもの、などなど……
    GM:その制度はどうやら、〝祭り〟にも適用されるようで、
    門脇ふみ:「皆さんも可愛いおべべを着られるといいわね~!」
    村人:「お客人も、踊り役やりたかったら教えてあげる!」「お客人は特別よ、歌でも踊りでも好きな役をしていいの」「かね役の他ならね」
    門脇ふみ:「……日和原君も、気を付けて頂戴ね」「やっぱり此処には『色々』隠れてるみたい。。」
    GM:──門脇ふみ。あなたは調査を続けるのだろう。
    GM:日和原 要。あなたが向かうのは、
    GM:先んじて陸奥 晴明が調査に向かった、村の北側だ。
    GM:行方知れずの者達の痕跡を探して村人に話を聞いている間に、浮上してきた可能性の一つ。
    GM:この空間にも太陽は昇る。太陽の軌跡を基準として東西南北を定めた際、村の北側だ。
    GM:……もしそこを目指して歩いたのならば。森を進んだ先に、突如、際立って大きな崖を見るだろう。
    GM:下が霧で見えない程に深い、深い、どこまでも深い断崖だ。

    GM:●小イベント〝襲撃者〟

    GM:その道中のことであった。
    GM:あなたはふと、背後に何者かの気配を感じるだろう。
    日和原 要:「─うん?」
    GM:森の中ゆえに見通しは悪い。だが、恐らくは20mか、30mか、その程度に距離をあけて。
    GM:尾行しているという気配。呼吸音や足音を隠さず、誰かが追っている。
    日和原 要:「─何か」
    日和原 要:「何か用事なら、声をかけてくれるとありがたいけれど」
    GM:答えは無い。追跡者は、あなたとの距離を縮めないようにしている。
    GM:そして。
    GM:その〝一閃〟は全く異なる方角から降り注ぐ。
    GM:いずこからか空を駆け、木々の葉を貫いて、
    ???:《コンセントレイト:オルクス》+《ディストーション》
    ???:9dx7
    DoubleCross : (9R10[7]) → 10[5,6,6,7,7,8,8,9,9]+10[2,5,7,7,9,10]+10[3,6,8,10]+3[2,3] → 33

    日和原 要:「ッ!?」
    GM:矢が、あなた目掛けて飛来する!
    日和原 要:回避ーッ!
    日和原 要:2dx
    DoubleCross : (2R10[10]) → 9[8,9] → 9

    日和原 要:無理ですネ!
    ???:4d10
    DoubleCross : (4D10) → 14[4,8,1,1] → 14

    GM:装甲有効!
    日和原 要:や、優しい…!装甲で8点止めて6点通り、HP18へ。
    GM:では。その一撃は浅くあなたに突き刺さるだろう。
    GM:見えぬ距離からの狙撃だ。
    GM:反撃? 敵は遠すぎる。
    GM:そして逃れようと言うならば──背後に、未だ正体も分からぬ追跡者。
    日和原 要:飛来したソレが、肩に直撃する。白い上着が、じわり、と赤く染まって。
    ???:《コンセントレイト:オルクス》+《ディストーション》
    GM:第二射。
    ???:9dx7
    DoubleCross : (9R10[7]) → 10[1,2,2,5,5,5,7,8,9]+10[6,7,8]+10[3,8]+5[5] → 35

    日和原 要:回避ァ!
    日和原 要:2dx
    DoubleCross : (2R10[10]) → 6[3,6] → 6

    ???:4d10
    DoubleCross : (4D10) → 24[6,2,10,6] → 24

    ???:8軽減で16か
    日和原 要:イエス、残り2!
    GM:──次の矢は、心臓に近かった。
    GM:射撃精度は相当なものだ。そして矢勢は、枝葉をもろともせずに届かせる。
    GM:対策は、現時点では──無い。ならば、逃げるか隠れるか。
    GM:だが、既に後方には、物言わぬ影が付きまとう。
    GM:あなたは先へ進むしか無い。
    GM:陸奥 晴明を待たせる、村北部の断崖へ。
    日和原 要:「うん、これは困ったな。でも」
    日和原 要:刺さった矢を、ばきりと折って。肉に埋まった矢じりを、呻き声を抑えながら抉り出す。
    日和原 要:それを、藪の中へと放り棄てて。
    日和原 要:「─行くしかない、か」
    日和原 要:背後の気配と、飛来する矢。命を狙うものに違いはない、けれど。これは、まるで。
    日和原 要:「追い込まれているみたいで、気持ちが悪いな、これは」
    日和原 要:走る。こうして、山中を駆け抜けるのは、初めてというわけではない。
    日和原 要:─ひとりで、というのは、初めてだけれど。
    GM:三の矢。四の矢が飛来する。
    GM:それは馳せるあなたの背後に突き刺さっては霧消する。だが。
    GM:振り返って観察する暇は、さほどはあるまい。
    GM:文字通り〝矢継ぎ早〟の遠距離攻撃と、つかず離れずの追跡者。
    GM:あなたは走り、

    GM:──陸奥 晴明。
    GM:あなたはきっと、断崖を見下ろしていることだろう。
    GM:底は見えない。深い霧の中に沈んでいる。
    GM:目算の距離は、一体何百mあるのかも分からない。
    GM:此処に何かがあるのだろう。だが、何があるとはまだ、明確には分からない。
    GM:調査を始めようとした、ちょうどその時だった──誰かが森の中を駆けて来る音を聞くのは。
    陸奥 晴明:「(七扇や竹垣さんについて、聞かれた村人がこっちを見てた……って話だけど)」
    陸奥 晴明:「流石に下は見えないな……む」
    GM:がさがさがさっ。
    GM:ざっ
    陸奥 晴明:振り返り、音の方角へ意識を走らせる。 戦闘態勢。
    GM:……と。飛び出して来たのは、
    日和原 要:「─晴明くん!」
    日和原 要:左半身を血に染めた、青年だ。
    陸奥 晴明:「日和原さん!? その傷は……!」
    陸奥 晴明:「──敵ですか」
    日和原 要:「ごめん、油断した。─少なくとも、ふたり。飛び道具使いと、追跡者がひとりずつ」
    GM:──しぃん、と。とたんに山は静かになった。
    日和原 要:「ここまで来れば、少なくとも"前から"撃たれることはないと、そう踏んで来たんだけれど─」
    陸奥 晴明:「了解。遠距離は俺がやります。まだ動けます?」
    日和原 要:「うん、大丈夫。ちょっとくらい血が流れた方が、僕はやりやすいしね。とはいえ」
    陸奥 晴明:「簡単な手当道具なら持ってきてる……んですけど」
    日和原 要:「─妙だ。あれは、間違いなく殺すつもりでやっていたと思ったけど」
    日和原 要:頷きつつ、しぃっ、と自分の唇に人差し指をあてる。
    GM:……遠く、遠くに川の流れる音。
    陸奥 晴明:「合流して2対2になるのを避けた、とか?」
    GM:獣が駆ける音。鳥の羽ばたき。
    GM:さまざまな自然音を切り裂いて──
    日和原 要:「かも、しれない。それとも─」
    陸奥 晴明:「(手当するにしても、まずは安全な場所に行かなきゃ……)」
    日和原 要:まるで、息を吸うのと同じくらい、自然に。
    日和原 要:己の身体を、少年の前へ滑り込ませて。
    ???:《コンセントレイト:オルクス》+《ディストーション》
    GM:第三射。

    GM:ここで特別裁定を行います。
    陸奥 晴明:おっと!
    日和原 要:む!
    GM:この攻撃に対するドッジには、〈白兵〉〈射撃〉〈RC〉を用いることを可能とし、
    GM:また攻撃対象は日和原 要としますが、ドッジを陸奥 晴明が代行することを許可します。
    ???:9dx7
    DoubleCross : (9R10[7]) → 10[1,1,3,4,6,6,8,9,10]+10[2,4,8]+4[4] → 24

    陸奥 晴明:私が代行して失敗した場合、ダメージは私が受ける、でよろしいでしょうか
    GM:即ち、リアクション有利の法則を用いまして、
    GM:24以上の達成値が出たらドッジ成功とします。
    GM:ふむ、ダメージ先。
    GM:そうですね、この場合はそうした方が面白いでしょう。
    日和原 要:というわけで、相談の結果、ドッジは自分で。
    GM:OK,どうぞ!
    日和原 要:2dx+4
    DoubleCross : (2R10+4[10]) → 3[2,3]+4 → 7

    陸奥 晴明:バディでも流石に無理っす
    日和原 要:モヤシっ子が仇となった。
    GM:では
    ???:3d10
    DoubleCross : (3D10) → 16[7,2,7] → 16

    ???:8点通しですね
    日和原 要:死ぬ…リザレクト!
    日和原 要:日和原 要の侵蝕率を+4(1d10->4)した(侵蝕率:72->76)
    GM:次の矢は、随分と高くから降ってきた。
    GM:まるで、空めがけて投げ上げたボールが落ちてくるような軌道で、
    GM:放物線を描き、日和原 要の胸へと矢は飛ぶ!
    陸奥 晴明:「──日和原さん!」
    日和原 要:「ッ、あ──」
    日和原 要:いかなオーヴァードであろうと、致命傷。そう思われた一撃は、しかし。
    日和原 要:「─大、丈夫。僕は、こう見えても」
    日和原 要:莫大な、それこそ人体に収まる量の大半とも思える血が、傷口に粘液のようにまとわりついて。
    日和原 要:「─死ににくさには、自信があって、ね」
    日和原 要:命を繋ぎ止め、膝を突かせない。
    ???:「──見事」
    GM:と、声がした。
    陸奥 晴明:「!」
    GM:矢の軌道と同じように、高い空からだ。
    日和原 要:聊か血の気の失せた顔で、そちらを見上げる。
    陸奥 晴明:声の方角──上空へ視線を向ける
    GM:……だが。次の言葉は続かなかった。
    GM:その一言で、弓手の仕事は終わったからだ。
    GM:最後の一撃だけを、空から落とすような軌道にしたことも、声を振らせたことも、
    GM:全ては視線を空へ誘導し、地を馳せる者を隠す為。
    陸奥 晴明:「(しまった、もうひとり……!)」
    七扇 ほむら:「────っ!」
    七扇 ほむら:その、白髪の少女は、
    七扇 ほむら:刀を抜かず、素手で、日和原 要へと飛びかかった。
    七扇 ほむら:胴に腕を巻き付け、体重を浴びせ、
    七扇 ほむら:己ごと断崖の底へ──
    日和原 要:「きみ、は─!」
    陸奥 晴明:誘導されたことに気づき、もうひとりの敵を眼に映し、
    陸奥 晴明:「──なっ」
    陸奥 晴明:攻撃の手が、止まる。迷う
    七扇 ほむら:「やった」
    七扇 ほむら:「……ごめんね、水瀬さん」
    日和原 要:捨て身なればこそ、捌き切れるものでなく。ふたり分の体重で、身が宙に踊る、その刹那。
    日和原 要:「晴明くん」
    日和原 要:やけに、はっきりと。
    陸奥 晴明:間に合わない。攻撃すれば日和原まで巻き込む
    陸奥 晴明:遅れた一手を悔やみながら、自身を呼ぶ声を聞く
    日和原 要:先ほどそうしたのと同じように。自分の唇に、人差し指を添えて。
    日和原 要:─このことは、仲間内に納めて。決して、村の皆に広まらないよう─
    日和原 要:唇は、そう動かしたつもりだが。果たして、それが少年に伝わったかどうかは─。
    GM:落ちてゆく。
    GM:霧の底へ。
    GM:いや──この断崖に、底はあるのだろうか。
    GM:少なくとも衝突音は聞こえない。
    GM:また、森は静かになって、
    GM:……陸奥 晴明。
    陸奥 晴明:「……!」
    GM:君は〝また〟、目の前で仲間を失った。
    陸奥 晴明:上……弓手へと視線を向ける。
    GM:もはや矢は届かず、声も聞こえない。……故に、分かるだろう。
    GM:その弓手が狙ったのは、日和原 要だったと。
    GM:君ではない。
    陸奥 晴明:「最初から、誘い込んで……ここに落とすのが狙い……それに……」
    陸奥 晴明:考えがまとまらない。 ……迷ってばかりだ。
    陸奥 晴明:迷い、悩み、遅れた結果、何もできなかった
    陸奥 晴明:「……違う」
    陸奥 晴明:「まだ、終わりじゃない。決めつけるな──思考を、止めるな」
    GM:ああ、そうだ。
    GM:考えろ。それがお前の義務だ。
    GM:任務とは言わない。使命とも言わない。これは〝義務〟だと、敢えて言おう。
    陸奥 晴明:『─死ににくさには、自信があって、ね』
    陸奥 晴明:彼は、そう言った。 まだ、終わったとは限らない。
    陸奥 晴明:「考えろ、今、やるべきことは……」
    GM:やるべきことは。
    GM:……まずは、仲間に知らせる事だ。
    陸奥 晴明:「……戻って、皆に伝える」
    GM:この空間では、基地局を経由する通信機が作動しない。P2Pの通信、トランシーバーの如きものならば可能だが、
    GM:やはり、己が足で走り、口頭で伝えるに勝る術は無い。
    GM:が。
    GM:ならば、問おう。
    陸奥 晴明:「(日和原さんを助けに行くにしても、人手が居る……それに)」
    GM:伝えると言うならば、果たしてそれは──
    GM:「A・七扇 ほむらの行動を伝える / B・口を閉ざして一部の事実だけを伝える」
    GM:──いずれだ?
    陸奥 晴明:迷う。悩む。 だが、答えは出さなければ。
    陸奥 晴明:「……伝えなきゃ、な」
    陸奥 晴明:彼女の思惑、行動、その意図。自分ひとりでは分からない
    陸奥 晴明:隠してはいざと言う時、仲間の判断にも悪影響が出かねない……なにより
    陸奥 晴明:「一人で悩んでも、ろくなことにならない」
    陸奥 晴明:自戒するようにこぼし、仲間の元へ向かう。
    GM:ならば、あなたは向かうのだろう。
    GM:確か、今、他の面々は──
    GM:たたら場と鍛冶場を見て来る、と言っていた筈だ。

    GM:●小イベント〝旧き血の名は〟

    GM:揺籠村の、はずれである。
    GM:方角としては西端になろうか。たたら場と鍛冶場は隣接している。
    GM:村人の就寝する区画とは、背の低い小さな林で区切られているが、迷うこともあるまい。
    GM:そして、あなた達がそこへ向かうのを見とがめる村人もいない。あなた達は大切な〝客人〟だからだ。
    GM:そして、刀場。
    GM:鍛冶場で産み出された刀を収めた建物は、神社のような形をして、鍛冶場からまた少し離れて存在する。
    GM:……七扇・T・絵麻。あなたには、奇妙な光景であったことだろう。
    七扇・T・絵麻:(妙だ。この構造…)
    十束しのぎ:「ほう、ほうほう」
    十束しのぎ:納められた刀達を見て、感嘆混じりの声を漏らしている。
    七扇・T・絵麻:鼻をひくつかせる。乾いてはいるが、血の匂いの残り香を感じる
    十束しのぎ:自らの出生からして、刀というものに対する興味は高い。
    十束しのぎ:「? どうされました?」
    十束しのぎ:匂いをかぐような仕草を見て七扇さんに振り向く。
    七扇・T・絵麻:「鉄鉱石の貯蔵庫が無い。奥にあるかもしれないけど、それにしても施設全体の構造的にそこまで無いはず」
    十束しのぎ:「あぁ、なるほど…集めた側から使っているのですかね?」
    十束しのぎ:人差し指を顎に当てて、刀を作れるだけの貯蔵する場所があったかを考える。
    七扇・T・絵麻:「たたらを踏むにはかなり大きい構造物がいるわ。でもここは小規模なものしかない。高炉はきちんとしたものがあるけど。」
    七扇・T・絵麻:「少量の鉄を繰り返し精錬することを考えているように見えるわ。…そして、この構造は見覚えがある」
    十束しのぎ:「ふむ」言われてみれば、と。
    十束しのぎ:刀剣の作製に興味を持って少し調べていたことを思い出す。
    十束しのぎ:「見覚え、ですか?」
    七扇・T・絵麻:「七扇家のたたら場と似ている」
    七扇・T・絵麻:小さい頃、何度か見に行った。今腰に下げているものもまた、そうして産まれた代物である。
    十束しのぎ:「七扇様の……?」
    七扇・T・絵麻:「もし、うちと同じ手法で打ったとするならば…ロクなもんではないわよ」
    十束しのぎ:「同じ技術体系、ということでしょうか」
    七扇・T・絵麻:「そういう風に見える」
    十束しのぎ:「ろくなものではないとはまた、穏やかではありませんね」
    七扇・T・絵麻:「うちは呪術の家系よ。大概のものがロクなもんじゃないわ」
    七扇・T・絵麻:「化生…ジャームの血を絞り取り、密教の護摩の火、道教にならって組んだ炉で三日三晩焼き焦がし、鉄を取る。」
    七扇・T・絵麻:「そうして出来上がった鉄を退魔の武装としてきた。元は化生の血である代物よ。」
    十束しのぎ:「魔性の血から精製した鉄、ですか……」
    七扇・T・絵麻:「だけど、もし、浄化の手順を省き、ただ煮詰めた鉄から打った刀があるとするならば…」
    七扇・T・絵麻:そういう設備がないかを見渡してみる。
    七扇・T・絵麻:「妖刀も妖刀よ。」
    十束しのぎ:「なにかに対抗するために同じものを使用するというのは確かに、まじないの基本ですね」
    十束しのぎ:「…………ふむ」
    十束しのぎ:「つまり、ここにあるお刀はその類かもしれぬ、と」
    十束しのぎ:「そういったお考えでしょうか」
    七扇・T・絵麻:「可能性は高い。」
    七扇・T・絵麻:太刀紐を外す
    七扇・T・絵麻:「貴方、剣に興味あるみたいね。」
    十束しのぎ:「え? あぁ、そうですね。興味は大いにあります」
    十束しのぎ:会話中、何度かその太刀にも目を向けていた。
    十束しのぎ:「生まれが生まれなもので」
    七扇・T・絵麻:「そういえば只者ではないと思ってたけど、貴方だけは具体的なところを伺ってない気がするわ」
    十束しのぎ:「おや、これは失礼」
    十束しのぎ:こほん、と一つ。姿勢を整えて。
    十束しのぎ:「私、十束しのぎはヒトの皆様の言う所のレネゲイドビーイング。ヒトの形を持つ聖剣でございます」
    十束しのぎ:つい、とワンピースの裾をつまんでお辞儀。
    七扇・T・絵麻:「?聖剣…?」
    七扇・T・絵麻:眉をひそめる
    十束しのぎ:「聖剣です」胸を張る。
    十束しのぎ:「実績はございませんが。少なくともそうであると自負しております」
    七扇・T・絵麻:「聖剣…聖なる剣ね」
    七扇・T・絵麻:「人の出自に対して文句をつける真似がいかに醜いかとも思うけど、よくわからないのよね、聖剣という考え」
    十束しのぎ:「え?わかりませんか?」少し首を傾げる
    七扇・T・絵麻:「剣は殺めるためのもの。そこに聖なる存在という概念を与えられてるのよ。」
    七扇・T・絵麻:「まるで殺める行為の中にも聖なる行いだと言えるものがあるよう。」
    十束しのぎ:「ふむ」
    七扇・T・絵麻:「それなら」手に握った太刀に視線を落として
    七扇・T・絵麻:「この刀だって、ある意味聖剣よね。」
    十束しのぎ:「七扇絵麻様は、退魔の術を修めているとお聞きしましたが」
    十束しのぎ:「魔を打ち倒すというその行いは、聖なる行いではないのでしょうか」
    十束しのぎ:幼子がただ疑問を発するような顔。
    七扇・T・絵麻:「…そうね。そう言ってくれるの。」
    七扇・T・絵麻:「…ありがとう。」
    七扇・T・絵麻:帽子の鍔を下げて
    十束しのぎ:「わ、わわっ」
    十束しのぎ:「あ、頭を上げてくださいな!そんな!」
    十束しのぎ:わたわたと行き場のない両手があわあわする
    七扇・T・絵麻:「人の出自をなじった人間に優しい言葉をかけてくれたんだもの。礼をしないと女がすたるわ」
    七扇・T・絵麻:「…そう、聖なる行い。そういうことを4年前にもして」
    七扇・T・絵麻:「ほむらの笑顔を奪ったのもまた私。」
    十束しのぎ:「七扇ほむら様……」
    十束しのぎ:同行していたもう一人、白い少女を思い出す。
    七扇・T・絵麻:「あの子の許嫁を斬ったのよ、これで。」
    七扇・T・絵麻:太刀を鞘ごと突き出して
    十束しのぎ:「許嫁……婚約者のお方を、ですか」
    十束しのぎ:その太刀を改めて目にする
    七扇・T・絵麻:「彼は、もう戻れなかった。…でも、それを淡々と斬り捨てて、ひとから笑顔を奪っておいて。」
    七扇・T・絵麻:「…私は、自分を正しいと言うことなんて出来なかったわ。」
    十束しのぎ:「七扇絵麻様は……」
    七扇・T・絵麻:怒涛のごとく、秘していたことを喋ってしまった
    七扇・T・絵麻:あるいは、聖なる存在だという少女に対して告解をしたかったのかもしれない
    十束しのぎ:「……その御方を斬ったことを、後悔なされているんですか?」
    七扇・T・絵麻:「……」
    七扇・T・絵麻:「しているのか、していないのか。」
    七扇・T・絵麻:「妹の笑顔を奪ったことは後悔しているけれど。ジャームを生かしておく道理は無い。」
    七扇・T・絵麻:「一言では答えきれないわ…」
    十束しのぎ:「…………私は、先程ああ言いましたが」
    十束しのぎ:「実は、聖剣として振るわれたことはなく。剣を振るった七扇絵麻様の苦悩を、十全に理解しているとは言えませんが」
    十束しのぎ:「先達の剣の逸話に則るのならば、剣は振るったときではなく。その後の顛末も含めて逸話となると思っています」
    十束しのぎ:「……なので、七扇絵麻様が。その御方を斬ることで、何かを奪い……しかし、それで残せたものがあるのなら」
    十束しのぎ:「その残したものがあることで。その斬った瞬間が悔恨や後悔にはならないように。何かが変われば良いと、私は思います」
    七扇・T・絵麻:「剣による殺傷だけでなく、それによる最終的な行いこそが…。“聖なる道”だと」
    十束しのぎ:「……すみません。この様な時の言葉はまだ苦手で……ただ」
    十束しのぎ:「えぇ、はい。剣を振るって奪ってしまったものがあるなら。いつかそれを返すことも出来れば良いなと」
    十束しのぎ:「鞘入りの身ながら、思うのです」
    七扇・T・絵麻:「いえ、…ありがとう。」
    七扇・T・絵麻:(剣の方の気持ちか…)
    七扇・T・絵麻:己の太刀に視線を落とす。元はと言えば、この刀は化生に奪われてきたものが抗うための牙として産まれてきたもの
    七扇・T・絵麻:ひとときの感情で悪だと決めつけるのは人間のエゴかもしれない…。私が、使うと選んだものなのだから
    七扇・T・絵麻:「刀と…向き合ってみるわ。私の“聖なる行動”が見つかるようにね。」
    GM:……ああ。
    GM:ああ、ああ、ああ。
    GM:なんと言わせてもらおうか。
    GM:きっとあなたは、この出会いで救われたのだ。
    GM:その先に続く道の暗闇全てを払ったとまでは言わずとも、
    GM:光明に辿り着く為の道を見いだせたかも知れないというのに。
    GM:それが、今だ。
    GM:……偶然とは、有るものだ。
    GM:ひどい話だ。
    GM:陸奥 晴明。
    GM:あなたは馳せに馳せて、今、ここへ辿り着いた。

    GM:●小イベント〝忘れられたるもの〟

    陸奥 晴明:「……十束さん、七扇さん」
    陸奥 晴明:息を切らせて駆け込み、二人に声をかける
    十束しのぎ:「陸奥晴明様? どうしましたか、大変お慌てのようですが」
    陸奥 晴明:「二人共、来てもらえませんか。 それに、門脇教授も呼ばないと」
    七扇・T・絵麻:「あら、日和原君はいいのかしら。既に先に待ってるの?」
    陸奥 晴明:「それが……」
    陸奥 晴明:周囲を見渡し、誰かに聞かれないよう、小声で続ける。
    陸奥 晴明:「……襲撃されました。それで日和原さんが、崖から落ちて」
    七扇・T・絵麻:「襲撃…!?」
    十束しのぎ:「………なん、と」
    陸奥 晴明:「助けに行かないと。それにもう、分かれて動くのは危険だと思います」
    七扇・T・絵麻:「分かったわ。一旦戻りましょう。」
    陸奥 晴明:「それから……」
    十束しのぎ:「襲撃とは。相手の姿や正体などは……あぁ、門脇ふみ様も交えたほうが効率的ですか」
    陸奥 晴明:「……そう、だね。うん、ごめん」
    陸奥 晴明:一瞬、七扇に視線を向け、すぐに戻す。
    陸奥 晴明:「急ごう。 ……話さなきゃいけないことも、あるから」
    七扇・T・絵麻:「…?」

    GM:──そうして、皆、集まった。
    GM:あなた達は今、陸奥 晴明を先導として森の中を進んでいる。
    GM:七扇・T・絵麻、門脇 ふみ、十束 しのぎには初めての光景であり、
    GM:陸奥 晴明にとっては、先の往復と合わせて三度目の光景となろうか。
    陸奥 晴明:「俺は先に崖に到着してて、日和原さんのこと待ってたんだけど」
    陸奥 晴明:「森から傷だらけの日和原さんが駆け込んできた。襲われた、って」
    陸奥 晴明:「襲撃者は二人。 飛び道具、多分弓使いと、それにもうひとり」
    門脇ふみ:「……しくじったわね。私と別れて直ぐかもしれない」少しばかり顔をしかめている。
    十束しのぎ:「飛び道具とは別ということは、そちらの姿は確認されたので?」
    陸奥 晴明:「……ああ」
    陸奥 晴明:「もう一人……日和原さんが『追跡者』、って呼んでた方は……」
    七扇・T・絵麻:「おおかた、飛び道具で意識を逸らされて、その際に…ってところでしょうけど」
    七扇・T・絵麻:「どういう人間だったのかしら?」
    陸奥 晴明:「……七扇さんの仰るとおりです」
    陸奥 晴明:「追跡者は……」
    陸奥 晴明:「七扇、ほむらさんでした」
    十束しのぎ:「え?」先程聞いた名前。並走する七扇さんに目線を向ける
    門脇ふみ:「……ほむらさんが!?」
    七扇・T・絵麻:「………」
    七扇・T・絵麻:「それは」
    七扇・T・絵麻:「見間違いということではなく?」
    陸奥 晴明:「間違いないと思います。 ……姿を変えるエフェクトの類でなければ」
    陸奥 晴明:「上空の弓使いに気を取られた隙に、彼女が飛び込んできて」
    七扇・T・絵麻:「…………」
    陸奥 晴明:「そのまま二人共、崖に……」
    陸奥 晴明:「……リザレクトが間に合えば、生きている可能性は十分あると思ってます」
    門脇ふみ:(─七扇の本隊もまだ見つかってはいない、昨夜も絵麻さんより先に就寝していた。)
    門脇ふみ:(ほむらさん自身か弓の方の企み、あるいは……共謀か)
    陸奥 晴明:「だからまずは、日和原さんを助けに。それから……」
    十束しのぎ:「と、あれば……まずは救助が最優先でしょうか」
    七扇・T・絵麻:走る足が少しずつ遅くなっていく
    七扇・T・絵麻:「………」
    門脇ふみ:「そのとおりね。崖の深さはどのくらいでした?」
    十束しのぎ:「日和原要様はもちろん、襲った側の七扇ほむら様も……」
    十束しのぎ:「………七扇絵麻様?」
    十束しのぎ:遅れる七扇さんを見る。
    七扇・T・絵麻:「……御免なさい、少しだけ。少しだけ待って」
    門脇ふみ:「──っと。」
    門脇ふみ:絵麻さんの変調に気づく。
    陸奥 晴明:「七扇さん……」
    七扇・T・絵麻:(正しい行い……正しい行い、私はあの子から奪った。これから行うことで更に奪うことになって、それは、正しい行い……?)
    七扇・T・絵麻:「あの子は……ああなってまで…それが、正しい行い…?」
    七扇・T・絵麻:瞑目し、震える体を押さえつける
    陸奥 晴明:「……」
    陸奥 晴明:「何が正しくて、何が間違ってるのか」
    陸奥 晴明:「俺には分かりません。彼女の目的も、理由も、過去も、知らない」
    陸奥 晴明:「だから……話、聞きませんか」
    陸奥 晴明:「日和原さんも、ほむらさんも、助けて」
    陸奥 晴明:「何があったのか、どうしてこんなことしたのか」
    七扇・T・絵麻:「分かってるつもりよ、ええ。」
    七扇・T・絵麻:「…だから、少しだけ。時間を貰ったわ。もう大丈夫。」
    七扇・T・絵麻:「御免なさい。急ぎましょう。」
    七扇・T・絵麻:何をするにしても、これ以上遅れて良いことはない。
    陸奥 晴明:「……大丈夫なはず、ないでしょ」
    陸奥 晴明:「急ぐのは必要ですけど、焦っても良いことありません」
    七扇・T・絵麻:「だとしても!」
    七扇・T・絵麻:「…急がないと。命がかかっているのよ」
    陸奥 晴明:「命がかかってるから、です」
    陸奥 晴明:「いくら走っても、道間違えちゃ意味がない」
    陸奥 晴明:「……余計なお世話かもしれませんけど、」
    陸奥 晴明:「ほむらさんについて、一人で決めないで欲しい」
    陸奥 晴明:「悩む、迷う時間が要るなら、俺も頑張って作りますから」
    陸奥 晴明:「十束さんも、門脇さんも。 ……手伝ってくれる?」
    門脇ふみ:「ええ。悩める生徒たちの相談に乗るのも私の役目ですもの!」
    門脇ふみ:「二人分頑張る位お茶の子さいさいよ!!」
    十束しのぎ:「私も十全に。ヒトの皆様を導くことが我が喜びです」
    七扇・T・絵麻:「……」大きい嘆息
    七扇・T・絵麻:「…あの子はね、多分命がけよ」
    七扇・T・絵麻:「何をやってもおかしくはない。最悪、七扇家をまとめて相手取ることになるわ」
    七扇・T・絵麻:「いいのね?」
    陸奥 晴明:「もともと、最悪そうなることは考えてましたし」
    門脇ふみ:「あら、私は元々その予定でしたわよ?」
    門脇ふみ:「UGNの皆様から声がかからなければ二人で殴り込んでたわけですしねぇ。」
    陸奥 晴明:「……だ、そうなので。その時はその時で、なんとかしましょう」
    十束しのぎ:「私も陸奥晴明様と同じく。敵対可能性を視野に入れた任務行動ですから」
    陸奥 晴明:「できればそうならない道を探すのも、一緒に考えるってことで」
    陸奥 晴明:「正しい道が一つとは、限りませんから」
    七扇・T・絵麻:「…ほんとに。UGNってのは度し難い組織ね。」
    七扇・T・絵麻:「分かったわ。でも急ぐのは本当よ。落ち着くのにも時間はいるもの。」
    陸奥 晴明:「はい。日和原さんにいつまでも待たせるのも、悪いですしね」
    十束しのぎ:「えぇ。申し訳ありませんが七扇絵麻様については頭をクールに、体はホットに」
    十束しのぎ:「ひとまずは、足を動かすといたしましょう」
    門脇ふみ:「OK!まずは崖を調べましょうか!」
    七扇・T・絵麻:(…ほむら。)
    七扇・T・絵麻:(かわいい妹分よ。かわいいからこそ、私は貴方のために選ぶことにするわ…正しい行いを)

    GM:千尋の谷、という形容がある。
    GM:一尋は六尺。即ち、おおよそ1.8m。1800mの谷という事だ。
    GM:無論、それは定型句であり、事実かほどの深さの谷などそう有りはすまいが、
    GM:霧に底を隠された谷は、或いは比喩でなく本当に千尋もあろうかという、果てしない深さで口を開いていた。
    GM:あなた達は辿り着く。
    GM:そして、見て、知るのだ。
    GM:尋常の手段で、谷の底へ辿り着く術は無いと。
    陸奥 晴明:「……日和原さん、怪我はあったけど意識はあった」
    門脇ふみ:「──さて。」
    陸奥 晴明:「能力で上手く衝撃を殺して、着地できていれば……」
    門脇ふみ:「飛び降りたら登るのは大変そうね、これ」
    GM:然り。
    GM:そも、降りて良いものか。
    GM:霧の底が、千尋で済むと誰が決めた? 或いは無限遠の異界に繋がるかも知れない。
    GM:元より異常を経て此処へ来たからには、尋常の物理法則が待っているとは限らないのだ。
    GM:……さて。あなた達がいかなる行動に出るかは分からぬ。が。
    GM:その前に──ひとり、ここを訪れるものがいる。
    ハナ:「あんれ、まぁ」
    ハナ:ざかざかと足音を立てて、自分の存在を隠す様子もなく
    ハナ:「足跡がこっち来でだからおっかけたら、ほんにおった」
    ハナ:「お客人達、こんなとこさ来て楽しいだか……?」
    陸奥 晴明:「ハナちゃん?」
    ハナ:「ん?」
    十束しのぎ:「ハナ様も、どうしてこちらへ?なにか私達にご用事でしたか?」
    ハナ:「おお。もう暗くなって来たし、お客人がいねえばな」
    ハナ:「折角の〝祭り〟も楽しぐねえって、みんな言っでら」
    ハナ:「だがらおらぁ、お客人さ呼びに出されたのよ」
    陸奥 晴明:「呼びに……そっか」
    ハナ:「外ぁさんびぃべ? 酒も飯もたんと用意しであるし、ほれ」
    ハナ:「〝祭り〟の夜だ。お客人もめいっぱい、楽しんでけろ」
    GM:──さて。
    GM:選択の時間だ。
    GM:まだ謎のままにある事柄も多かろう。だが。
    GM:当面の問題としてあなた達は、二つ、向かい合うべき問題がある筈だ。
    GM:ひとつに、谷底へ消えた仲間。
    GM:ひとつには──全て事が終わった後、いかにして現世へ戻るかだ。
    GM:〝祭り〟の後には、帰る術が見出されると、村人は言う。
    GM:……現状、他の手がかりと呼べようものも無い。
    GM:さりとて、霧の谷底で、日和原 要が無事であるという保証もまた、無いのだ。
    GM:ならば。
    GM:A・皆で霧の底を目指す / 〝霧の神域〟
    GM:B・〝祭り〟を見届ける / 〝祭りの夜〟
    GM:C・二手に分かれて行動
    GM:選んでいただこう。
    陸奥 晴明:えー、皆さん
    陸奥 晴明:選択はCで……よろしいでしょうか!
    十束しのぎ:はーい。
    門脇ふみ:大丈夫!私は祭りの方に行くわね~!
    十束しのぎ:厳正な抽選の結果、Cを選んで谷底に七扇さんと陸奥さん、祭りを見届ける門脇さんと十束に…なるようだな!
    陸奥 晴明:日和原さんを助けなきゃ!
    GM:よろしい、では
    GM:あなた達はそのように行動する事になる。
    七扇・T・絵麻:向かいます
    GM:門脇 ふみ、十束 しのぎはハナに同行して村へ戻り
    GM:七扇・T・絵麻、陸奥 晴明は、〝後で向かう〟などの何らかの方便でこの場に残るだろう。
    GM:西空に太陽が落ちていく。
    GM:夜になる。

    GM:ロイス&調達が可能!
    門脇ふみ:ロイスは保留!購入!
    日和原 要:ロイスは保留で、購入は応急手当キット…!
    陸奥 晴明:ロイス保留
    日和原 要:2dx>=8
    DoubleCross : (2R10[10]>=8) → 9[7,9] → 9 → 成功

    日和原 要:成功。即座に使ってもよろしいでしょうか。
    門脇ふみ:全ツッパする覚悟でUGN戦闘服を引っ張り出すわよ!
    GM:OKです
    陸奥 晴明:調達、応急手当もういっちょ行きますか……!
    陸奥 晴明:2DX+4+0@10>=8 調達
    DoubleCross : (2R10+4+0[10]>=8) → 9[1,9]+4 → 13 → 成功

    陸奥 晴明:成功!持っておきます
    日和原 要:では自分に応急手当キット使用!
    日和原 要:2d10+4
    DoubleCross : (2D10+4) → 5[3,2]+4 → 9

    日和原 要:ちょろっと…ちょろっと回復した…!
    日和原 要:以上です!
    門脇ふみ:2dx+4=>18
    DoubleCross : (2R10+4[10]>=18) → 8[5,8]+4 → 12 → 失敗

    十束しのぎ:戦闘ありそうだし医療キットか、門脇さんが失敗したらこっちも狙ってみるかな?
    門脇ふみ:かなりいいわね!財産点6追加で購入!
    十束しのぎ:と思ったら振ってた。
    七扇・T・絵麻:ロイスは
    陸奥 晴明:ブルーゲイル使える人誰か居るかなあ
    門脇ふみ:装備してRCダイス+1!私は以上よ~
    七扇・T・絵麻:しのぎちゃんのをP感情誠意にしといて、陸奥晴明/連帯感○/不安/ロイスで取ります
    七扇・T・絵麻:購入はどうしようね。
    七扇・T・絵麻:ブルーゲイル
    十束しのぎ:七扇さんのロイスをP好奇心からP尽力に変更。
    陸奥 晴明:セットアップ開いてるの七扇さんだけかしら、もしや
    七扇・T・絵麻:3dx+1
    DoubleCross : (3R10+1[10]) → 9[2,4,9]+1 → 10

    陸奥 晴明:あ、例によってバディムーブあるので!
    十束しのぎ:私セットアップ強化だからね…一応応急手当買っておこう。
    門脇ふみ:すっかり忘れてたわ~
    十束しのぎ:あ、トランクの方が良いかな
    門脇ふみ:トランクか手術キットの方がいいかもっすね
    十束しのぎ:ワンチャントランクで。
    十束しのぎ:7dx+1>=20
    DoubleCross : (7R10+1[10]>=20) → 10[5,5,5,7,8,8,10]+6[6]+1 → 17 → 失敗

    門脇ふみ:バディムポイントだ!
    十束しのぎ:くそっ!後出しで+3出来るなにかが…あれば…!
    陸奥 晴明:バディ!
    陸奥 晴明:バディムーブで達成値+3します!
    十束しのぎ:20!買えました!繰り返し使えるトランクを購入して以上です!
    陸奥 晴明:私も以上で全員終わりかな?
    門脇ふみ:すごいぜ!
    日和原 要:バディムー…神…
    十束しのぎ:神バディファイト…
    十束しのぎ:全員終わりのようだ
    GM:よし
    GM:OK!

    シーン6:金継ぎ


    GM:全員登場!
    陸奥 晴明:陸奥 晴明の侵蝕率を+7(1d10->7)した(侵蝕率:67->74)
    日和原 要:日和原 要の侵蝕率を+10(1d10->10)した(侵蝕率:76->86)
    日和原 要:オワーッ
    門脇ふみ:門脇ふみの侵蝕を5増加しました(侵蝕率:62->67)
    十束しのぎ:十束しのぎの侵蝕率を+10(1d10->10)した(侵蝕率:70->80)
    十束しのぎ:おもしれー出目。
    七扇・T・絵麻:71+1d10
    DoubleCross : (71+1D10) → 71+8[8] → 79


    GM:──〝霧の神域〟
    GM:と、便宜的に名付けよう。
    GM:この空間に名を与えるものはいない。何故ならば、
    GM:本来、この空間を認識する者は、ただ一人であるからだ。
    GM:一人?
    GM:数え方には些か検討の余地があろうが。
    GM:それはさておき、日和原 要。
    GM:あなたは激痛と共に目を覚ますだろう。
    GM:霧けぶる森の中、あなたは仰向けに倒れている。
    日和原 要:「っつ、ぅ」
    日和原 要:視線と、頭を僅かに動かして、自分の身体を見下ろす。痛み。血に染まった上着。
    GM:リザレクトは正常に発動している。それでもまだ、全ての負傷が完治していない。
    GM:致命傷にも近い矢と、そして高所よりの落下。
    GM:その二つが故の損壊だ。
    日和原 要:─けれど。それでも。まだ、死んではいない。生きていると、自分自身が認識する限り。
    GM:ああ、死んではいない。
    GM:だが、端から見ればどうだろう。
    GM:まるであなたは屍のようだ。だから。
    ???:「……ああ、またか」
    ???:「哀れよの、また二人……こうして捨てられて来おったか」
    GM:ずる、ずる、と音がする。そして誰かの声がする。
    GM:そちらに目を向けたならば、眩いほどに白い着物を着た──男か女かは分からぬ何かが、
    GM:白髪の少女の腕を掴み、引きずっているのが見えるだろう。
    日和原 要:ゆっくりと、そちらに目を向けて。
    日和原 要:「─ああ。ちょっと、待って」
    日和原 要:血の張り付いた喉から、カサついた声を発する。
    ???:「ひぇっ!?」
    ???:どしゃっ。
    ???:すっ転んだ。
    日和原 要:「あっ」
    ???:死体に声をかけられたと思ったのだから無理も無い──のかも知れない。そういうことにしておこう。
    日和原 要:「─いや、その、ごめん。驚かすつもりはなかったん、だけど」
    日和原 要:やはり、ゆっくりと、身体に力を込めて、上半身を起こそうとして。
    ???:「……な、何故生きておる……妖怪変化の類いか……?」起き上がる。……派手に転んだ筈だが、衣服に土埃の類いは付着していない。
    日和原 要:目の前の人物がそうなったように。どしゃりと、地面に倒れる。
    日和原 要:「ああ、懐かしいな。"こう"なった直後は、よく言われた。近寄らないで、化物!ってね」
    日和原 要:「─けれど、僕は人間だ。君が引きずっている、その子も、きっと、まだ」
    日和原 要:そうであってほしい、と願うように。
    ???:「……まぁ、大概化物だの。ひとか、それとも物の怪か──」
    ???:「──て、んん?」
    ???:その子、と言われて、引きずっているものを。
    ???:否。
    ???:「……骸と思うて、せめて墓でもと思うたが」
    ???:手を放し、その少女を仰向けに地面に横たえる。
    日和原 要:「うん。そう思ってくれたことは、とても嬉しい。でも─」
    日和原 要:「どう、かな。多分、今は動けないだけ、だと思う」
    七扇 ほむら:原型を保っている──という時点で、或いは判断が出来るだろう。
    七扇 ほむら:そも、いかに頑強な人間だとて、数百mかそれ以上の高度から地面に叩き付けられたのなら、人の形を保てようものか。
    七扇 ほむら:腕も脚も繋がっている。関節の角度が正常だ。……即ち、リザレクトは既に発動しているのだ。
    ???:「……………………」おそるおそる、と言った雰囲気で、少女の胸元に耳を当てて
    ???:「……なんと」と、驚いたような顔
    ???:「ぬしら、何者だ……? 空より降り来たりしからには、よもや神の類いではあるまい」
    日和原 要:「良かった。─ああ、残念ながら、僕らは神様じゃない。さっき言った通り、人間だ」
    日和原 要:今度こそ、先ほどにも増してゆっくりと。細心の注意を以って、少しずつ身体を起こす。
    ???:「ふぅむ」
    日和原 要:「揺籠村の北の外れから、ここまで落ちて来た。正確に言えば、その子─ほむらちゃんに落とされた、んだけども」
    ???:「ひととは、かほどに頑強では無かったと思うたが──この娘子に?」白髪の少女に視線を向けて
    ???:「おっそろしい娘だな……」眉の両端をひゅっと下げる
    日和原 要:「そうする理由があったんだろうね。─うん、だから」
    日和原 要:立ち上がる。骨は、筋肉は動く。痛みがあるのも、生きているという証左に他ならない。
    日和原 要:「ここは、どこなのか。君は─あなたは、誰なのか。よければ、教えてもらえないかな。代わりと言ったら何だけど─」
    日和原 要:「僕らのこと。僕らがここに堕ちるまでにあったこと。知っている限り、教えるよ」
    ???:「代わり? ……ほほ」浅く唇に弧を描かせて、肩を揺らし
    ???:「代わりに差し出せる程に、愉快な土産話の持ち主と嘯くか。ふむ、面白い」
    ???:「なれば話して聞かせい。悠久の無聊の慰めよ」
    日和原 要:「─言っておいて何だけど、あまり話は上手じゃないからね、僕。ええと」
    日和原 要:「─僕は要。日和原、要。君の名前は?」
    ???:「名は無い。既に忘れられたる者と思うが良いさ」
    ???:「ひとの手により生じ、ひとに忘れられ、今やその形さえも歪みながらここにある」
    ???:「……そうさな。もし、呼ぶに名が無くては不便と言う意味合いであれば」
    ???:「〝とうま〟と呼ぶが良い。それが良かろう、うむ」
    日和原 要:「じゃあ、とうまさん、で。─なんだか、それこそ」
    日和原 要:「神様か、神社みたいな呼び方だ」
    ???:「気にするでない。……それより、ほれ、ほれ。次はなれの番ぞ」
    ???:「僕〝ら〟と言うたは、この娘子か──それとも、まだ居たか」
    ???:「あの村の者どもはまた……まだ、祭りを続けておるか?」
    日和原 要:「そうだね、じゃあ─」
    日和原 要:「僕らUGNが、そして─ふたつの一族と、ひとつの組織が揺籠村に訪れた理由と、そして」
    日和原 要:「ここに来て、僕らが知った、揺籠村のことを─今まさに行われようとしている、祭りのことを」
    日和原 要:「聞いて、くれるかな。とうまさん」
    ???:「……込み入った話らしいのぅ」
    日和原 要:「随分ね。だから、できれば─」
    ???:うむ、と頷いて、横たわるような姿勢となる──空中にだ。
    ???:まるで空中に床があるように寝そべって、耳を傾ける。
    日和原 要:「─楽な格好で、って言いたかったんだけど、楽なのそれ?」
    ???:「さよう。随分と楽だぞ、なれも真似るがいい」
    ???:「……のう? そんな、死人のような姿で寝たふりなぞせずに」
    日和原 要:その言葉に誘われるように。視線は─
    七扇 ほむら:「…………」すう、と上体を起こす。まだ傷の全ては完治していないようだが、
    七扇 ほむら:「……まぁ、いいか」
    七扇 ほむら:「一番厄介そうなひとは……どうにか出来たし」
    七扇 ほむら:溜息。そして諦観交じりの、己への嘲笑。
    日和原 要:「─そのために、自分ごと?」
    七扇 ほむら:こくん、と頷いて
    七扇 ほむら:「後は、彼がやってくれるから」
    七扇 ほむら:「ねえさまは賢いけど、目は曇りやすいし。先生とか教授みたいなひとは……専門のことで目が埋まるし」
    七扇 ほむら:「他の二人も、あなたみたいに、ひとを纏めることはできないでしょう」
    七扇 ほむら:「……ごめんね。けど、これでもう邪魔は入らない」
    日和原 要:「どう、かな。普段の言動や見た目から、その人の本質を見抜くのは、とても難しい。君が、こんな無茶をする子だと、僕が見抜けなかったように」
    日和原 要:「けど、うん。まずは─」
    日和原 要:「君が無事で、よかった。いや、状況は全然良くないんだけどね」
    日和原 要:自分をこんな状況に追い込んだ相手を、心底、心配しているような。この場に不似合いな、柔らかい声。
    七扇 ほむら:「……………………」
    七扇 ほむら:「状況は、分かってる?」
    日和原 要:「うん。村も、僕も─行方が分からない七扇の家の人たちも、渉さんも。とても、よくない状況だということは、嫌でも分かる」
    七扇 ほむら:「良かった。錯乱してるんじゃなくって」
    七扇 ほむら:──と、少女が言った。その時だ。
    ???:「待てい」
    日和原 要:「─うん?」
    ???:「なれは今、〝七扇〟と言うたか?」
    ???:虚空に寝そべりながら、だが
    ???:その顔は強ばっているようにも見える。
    日和原 要:「ああ、言った。─とうまさん。何か、心当たりが?」
    ???:「……!」
    日和原 要:声色は柔らかいまま、目を細める。
    ???:その表情は。表情の変遷は。その存在がなにものであったとしても、
    ???:〝人間らしい〟と表すのに相応しいものであった。
    ???:喜び。期待。困惑。そういうものが混ざり合って、笑顔になりながら怯えていて、
    ???:そして、〝それ〟は言った。
    ???:「七扇 藤間の血筋のものか……!?」

    GM:──〝ゆりかごむら〟
    GM:日の出と共に目覚め、日の入りと共に眠る村が、今は夜空を赤く染めている。
    GM:村の中央広場に燃える薪。門門に立つ松明の火。
    GM:その中を、村の者達が成した行列が練り歩く。
    GM:先触れに、舞い手の少女が三人。獣の革張りの鼓に合わせ、跳ね、弾むように。
    GM:追って、歌声が四つ。高低の旋律を喉にて奏でる。他に楽器は無し。
    ハナ:そして、着飾った娘の姿。
    ハナ:この日ばかりは、おんぶ紐は無い。あの四歳ばかりの、赤子のような子は、他の村人の腕に抱かれて、
    ハナ:彼女は誇らしげな顔で列の先頭を歩き、今、ようやく中央広場に辿り着いた。
    GM:……儀礼的な部分が一通り終了する。そして、
    村人:「うたげだぁ!」「メシじゃー!」「酒じゃぁ!」と
    村人:騒がしく声が上がって、荘厳な雰囲気は立ち消える。
    門脇ふみ:「オホホホ!これでひと段落かしらね~!」パチパチと拍手をしている。
    十束しのぎ:「……私、あまりお祭りには詳しくないのですが」
    十束しのぎ:「切り替えが早いですねぇ、皆様」
    十束しのぎ:見様見真似でパチパチと拍手をしてる
    門脇ふみ:ニコニコと人のいい笑みを崩さないまま、着いてきてもらったしのぎちゃんを見る。
    門脇ふみ:「こうしたお祭りは人々が移り変わるごとに、どうしても伝えられる形式が変わってきますからね。」
    門脇ふみ:「さて──しのぎちゃん。」微笑みを崩さぬまま。少しばかり眼を細め。
    十束しのぎ:「ふむ。儀礼と実用とが混合するということですか」
    十束しのぎ:「はい?」目線だけで答える。
    門脇ふみ:「村の方から聞いた話を簡単に纏めると、残っている私たちは大変危険な状況になる可能性が高いわ。」
    十束しのぎ:「あぁ」「そのようですね」
    門脇ふみ:「何が起きてもいいように、いつでも戦える心構えはしておいてね」
    十束しのぎ:「祭りの後には霧も晴れてくださるようですが…えぇ」
    門脇ふみ:「ええ。私もなるべく一緒にいるけど、いざとなったらあの崖で落ち合う事!」
    十束しのぎ:「この霧ですからね。はぐれることの考慮も必要ですか。えぇ、了解しました」
    十束しのぎ:「ともあれ。外からの客が来た時に開かれると言うには、関連する行事でも行われるのかと思いましたが……」
    門脇ふみ:「……しのぎちゃんって、本当に良い子ねぇ」少しばかり、張りつめていた雰囲気を緩める。
    十束しのぎ:「今の所は普通のお祭りと言った感じですねぇ」
    十束しのぎ:「そうですか?ありがとうございます」ペコリ、と頭を下げて
    門脇ふみ:「ふふ。」「……何か起きるなら、村の人が寝静まった辺りかしらね」
    十束しのぎ:「……あぁ」頷いて。「お話を聞いた方々も、寝静まっていて気付かなかった、でしたっけ」
    GM:村は活気に満たされている。
    GM:酒を飲むもの。飯を食うもの。或いは酒を注ぐもの。飯を作るもの。
    GM:役割は分割され、皆それぞれ、己が役割を楽しんでいる。
    GM:大人達の間を駆け回り、木皿を運ぶばかりの子供でさえ、笑顔を輝かせているのだ。
    GM:昼間、門脇 ふみが話を聞いた三人組の少女達は、未だ鼓の音に合わせて舞を続けている。
    GM:疲労感は有る筈だ。だが、幸福そうに笑っている。
    GM:この村では誰もが、幸せに笑っている。
    GM:役割を与えられ、それに準じることで、何も迷うことなく生きていけるから。
    GM:彼らが不幸になることは無いのだ。
    GM:……ああ。彼女もだ。
    ハナ:「お客人さんらー」
    ハナ:しゃら、しゃら、と鈴の音。豪奢な衣装の足首にくくりつけられた鈴だ。
    ハナ:彼女もまた、幸せそうな笑顔を浮かべて、あなた達の元にやってきた。
    門脇ふみ:「ええ、他の人にも話を聞いておきたかったけど……」そこまで言って、近づく人に気づく。
    十束しのぎ:「まぁ、ハナ様。お綺麗ですね」
    門脇ふみ:「──あらハナさん!すっごくお洒落な服じゃないの~!」
    ハナ:「へへ。似合うだか?」と、楽しげに袖を掲げて揺らして
    ハナ:……それから彼女は、きょろきょろと周囲を見渡す。
    ハナ:誰も彼も己の役割──配る役、或いは食べる役を楽しんでいる事を確認して、
    ハナ:「……実はな。この後、祭りさもう少し続くんだ。んで」
    ハナ:「本当はお客人には内緒なんだども……見てみてぇが?」
    ハナ:声を潜めて、あなた達に問う。
    十束しのぎ:「ほうほう」こちらも声を潜めて
    門脇ふみ:「ふむふむ」合わせて小声!
    十束しのぎ:「……見せてくださるので?」
    ハナ:「……たたら場の方によ、隠れるのにええ具合の場所さ有って、」
    ハナ:「小屋の壁も、ちびっと、覗けるくらいのちっけえ穴が空いてるでよ」
    ハナ:「……内緒だで?」
    十束しのぎ:「………わかりました」人差し指を唇の前に当てる
    十束しのぎ:「内緒、ですね?」
    門脇ふみ:「ふふふ!もちろん内緒よねぇ」パチリとウィンク。
    十束しのぎ:「秘密を持つのってドキドキしますねぇ」
    ハナ:「んだら──」
    GM:──あなた達は、ハナに案内されて、宴の輪を抜け出すだろう。
    GM:たたら場、鍛冶場、刀場。村の西側、背の低い林に遮られれた場所。
    GM:ハナが示したのは、たたら場の裏手の、草が伸びに伸びた一角であった。
    GM:なるほど、此処に身を潜めれば、夜闇ではそうそう見つかることもあるまい。
    GM:たたら場の建物にも近い。壁の節穴から中を覗き込む事も可能だろう。
    GM:そういう場所へ、ハナはあなた達を連れてきて、
    ハナ:「……なぁ」
    ハナ:「おらぁも、みんなも、生まれてからずーっとここにいるけどよ」
    十束しのぎ:「かくれんぼというやつですね。……どうしましたか?」
    ハナ:「お客人達は、いろんなところにいけるんだろ?」
    十束しのぎ:「そうですね。えぇ。……色んな所に、いけます」
    門脇ふみ:「……そして、帰りたい所もある。」
    ハナ:「綺麗なおべべだの、お人形だの」
    ハナ:「そういうのも……たぐさん有るって?」
    門脇ふみ:「そうねぇ。最近だともっと凄いわよ!」
    十束しのぎ:「えぇ。お洋服もお人形も。私も知らないくらい沢山の人が居て、たくさんのものが作られてます」
    門脇ふみ:「綺麗なおべべを凄い速さで作れたりする道具もいっぱいできてるわねぇ~」
    ハナ:「そうだがぁ……」
    ハナ:数歩、ハナは草むらから離れて、
    ハナ:「……うるさぐすんなよ」
    ハナ:と言って、たたら場の建物の中に入っていった。
    門脇ふみ:「……」そっと手を振り。
    門脇ふみ:親指を噛み切る。
    ハナ:程なく、室内で火を灯したのだろう。壁の節穴から、室内で静かに座るハナの姿が見えるようになって、
    GM:……………………
    GM:………………
    GM:…………
    GM:少し、時間が過ぎた。
    GM:幾人かの村人が、たたら場を訪れた。
    GM:そのうちの一人は、ハナが背におぶっていた子を抱えている。
    GM:三歳か、四歳か。まだ言葉を話せない。それでも床に降ろされれば、自分の足で立つことは出来るようだ。
    GM:その子は、「あぁ」「あぁ」と唸りながらも、幼子の無垢な笑顔でハナに駆け寄ろうとして──
    村人:「ハナよぅ、聞き分げる気さなったらが?」
    村人:一番年かさの村人が、その子供を抱き留める。
    ハナ:「…………」
    ハナ:首を振って、それから言うことには
    ハナ:「……やっぱり、おらぁの役割だ。そう決まって生まれたんだもの」
    村人:「今は事情が違え。前の祭りの時さ、〝病み喰らい〟様がいなくなっちまって──」
    村人:「刀さ打てるのはおめぇだけだ。おめぇがいねぇば、村が困る」
    ハナ:「……けど! けどよ、おらぁが〝かね役〟だ!」
    ハナ:「鉄さ叩くだけのこと、誰だって出来んべさ! 大事なのは〝かね〟だろう、じっさま!?」
    村人:「ハナ! ききわげのねぇ!」
    村人:「おめぇが打たねぇば、この村はどうなる!? 今はな、今は──」
    村人:「今は、この子が〝かね〟になる番だ! その為に生まれた、村の子だ!」
    ハナ:「いやだ!」
    ハナ:……盗み聞きをしようとせずとも。
    ハナ:その声は、たたら場の外まで通っただろう。
    ハナ:「村の子じゃあねえ! おらぁの子だ!」
    ハナ:「おらぁの子なんだ……殺さねえでけろ!」
    村人:「……っ、ハナまで〝病んだ〟が……!」
    GM:じゃっ。
    GM:村人のひとりが、腰に吊していた刀を抜いた。
    GM:十束 しのぎ。あなたにはもしかすれば、見覚えのある刀──見覚えのある顔かも知れない。
    GM:刀場におかれていた数十の内の一。恐らくは近年に打たれたもので、
    GM:数十の刀の中で、もっとも出来の悪い代物だ。
    村人:「斬れ。いなぐなれば、ハナも諦めるべさ」
    村人:「……なぁに、また生めばええ。いいや、生んでもらわにゃなんねえ」
    村人:「もう、〝かね〟の血は……ハナしかいねえんだ……」
    ハナ:「……っ!」
    ハナ:少女は、息を吸った。そして、
    ハナ:意を決したように、あらぬ方向を。
    村人:……村人達には、あらぬ方向と見えよう。
    ハナ:数日をかけて、桐と短刀を使って拡げた、小さな節穴の方へと振り返って、
    ハナ:「助けて……誰か、助けてくれろぉ!」
    門脇ふみ:「しのぎちゃん」血が滴り続ける親指を、取り出していたノートに押し付ける。
    門脇ふみ:「『殺』れるわね?」
    十束しのぎ:「えぇ」その素手の五指は既に鋼の硬度。その瞳は鋼を映し。
    十束しのぎ:「私のほうが強いです」
    門脇ふみ:『弱きものよ、汝の名は──』白紙に刻まれて行く文字は。
    門脇ふみ:「チャンスは一瞬。任せるわ」
    門脇ふみ:『──大地なり。』“ち”を従える傲慢な命令。
    門脇ふみ:ぐ
                   ら り

    十束しのぎ:駆ける。ともすれば、壁にぶちかますのも戸惑わない速度。
    門脇ふみ:大地が軋みを上げる。
    十束しのぎ:元よりこの身にはヒトの形に剣の属性を宿し、触れた側からサクリと斬れる。故に障害を気にせず前へ。
    門脇ふみ:軋みの向き(べくとる)は、駆ける刃の足踏みを最適なる力で助けるだろう。
    十束しのぎ:助けを求める声に応えて、ただ疾く
    十束しのぎ:出来の悪い鋼が何かを起こすより早く身を躍らせ、鋼の2指がその刀身を掴み、足刀がその使い手に峰打ちにて打ち据える。
    門脇ふみ:一拍遅れる形で、自身も駆ける。更なる紙片に呪言を刻みつけながら。
    GM:壁は、有って無きが如し。
    GM:刃の用途の一つは〝斬る〟ことなれば。
    GM:村人達は──戦いの素人たる彼らは、ほんの一瞬、驚いた顔をして、
    村人:「なぁっ……!?」
    GM:とまでは、言うことが出来ただろう。
    GM:そこまでだ。
    GM:刀を持っていた男が、足刀にて打ち伏せられる。
    GM:足の小指側側面。横へ突き出す事で打撃と成す、足刀。力自慢の喧嘩程度では見る事の出来ぬ高度な蹴り技の一つ。避けられよう筈も無い。
    十束しのぎ:「突然失礼」
    ハナ:「あ──殺さねえでけろ!」咄嗟に、少女は叫んだ。
    十束しのぎ:ひらり、と残心を解いた太ももをスカートの内に隠し、刀身を持った刀をくるりと回して逆手に持つ
    ハナ:たった今、彼女の子の命を奪わんとしていたとて。
    ハナ:……それでも、家族なのだ。
    門脇ふみ:「ハナちゃん!怪我はない!?」制圧済みの小屋に遅れて駆け込む!
    十束しのぎ:「ご安心くださいハナ様。峰打ちです」
    ハナ:「お、おらぁ平気だ、その子は──」
    ハナ:視線を巡らせる。
    ハナ:……子は、何が起こったかも分からぬような顔をして、床に倒れた者達を見ている。
    ハナ:が。母の視線が己へ向いていると別れば、無邪気な顔をして駆け寄り、ぎゅうっと抱きつくのだ。
    ハナ:「…………よがった」
    ハナ:「よがった、よがったよぅ……」
    門脇ふみ:「……ええ。本当に」ほう、と息を吐く。
    ハナ:「ごめんなぁ、こわい思いさせて……本当、ごめんなぁ……」
    十束しのぎ:「まったくです」
    十束しのぎ:最初に蹴り飛ばした男の腰から鞘を奪い、抜身の刀をパチリと収めている。
    GM:……この村の誰もが、幸せそうに笑っていた。
    GM:何をすれば良いか、生まれた時には決められている。
    GM:長じるに従い、成長し、特性も変わろう。そうなればそうなったで、また新たな役割が与えられる。
    GM:この村には、不要とされる者は無い。
    GM:誰もが歓びを以て迎えられ、幸福なままに老いてゆく。
    GM:誰もが死の床で言うのだ。満ち足りた生だった。幸せだった。
    GM:ああ、この一生に悔いは無い──
    ハナ:「お客人も、よぅ……ごめんなぁ、おらぁの勝手のために、ごめんなぁ……」
    GM:──あなた達は今、初めて。
    GM:この村の人間が、泣いている顔を見た。
    門脇ふみ:「気にしないで頂戴…言ってくれれば遠慮なく手伝っていたけど」
    門脇ふみ:「──でも、ハナちゃんは本当に頑張ってくれたわ。」
    十束しのぎ:「もちろんですとも」
    十束しのぎ:「あ、でも。私はわがままですので。斬るものは選びますけどね?」思い出したかのように付け足し。
    門脇ふみ:「貴方の勇気があったから」「私たちは貴女を助けられたのよ、ハナちゃん。」
    ハナ:子を抱きしめたまま、こく、こく、と頷いた。
    ハナ:何度も何度も、ずるずると鼻を啜りながら。かわいいと言うには少々崩れすぎた、ぐしゃぐしゃの泣き顔で。
    ハナ:……それでも、直ぐに泣き止む。
    ハナ:「……逃げるべぇ。今のうちに」
    ハナ:母親は、強いのだ。
    十束しのぎ:「さて、しかし。どうしたものでしょうねこの状況」
    十束しのぎ:「あぁ、そうなりますか。やはり」
    門脇ふみ:「あら、行く先に心当たりが?」
    ハナ:「んーん。なーんもね」
    ハナ:「けど、こごさ居るよりよっぽどいい」
    ハナ:「もしかしたら〝かみさま〟が本当にいて、助けてくれっかもしれねえしさ」
    門脇ふみ:「──そうよね。其れでしたら……」
    十束しのぎ:「……ふむ、となれば門脇ふみ様。合流を最優先で考えるべきでしょうか」
    門脇ふみ:「そうね!私たちには一応向かいたい所がありますし。」
    ハナ:「……もしかして、他の、何か用事があるって言ってだ人のとこだか?」
    門脇ふみ:「ハナちゃんを助けられるかはまだ分からないけど、一緒についてあげるくらいはできますわ」
    門脇ふみ:「ええ!この村に残る理由もなくなったし、行くとしましょうか。」
    門脇ふみ:「──谷底へね!」
    GM:……。
    GM:行く、か。
    GM:その決意の言葉を聞いたものは、未だ口を利けぬ幼子の他には二人だけ。
    GM:だから、一度使った言葉をまた引っ張ってくるならば、〝偶然とは、有るものだ〟と言おう。
    GM:そして、同じように続ける。
    GM:〝ひどい話だ〟
    GM:《ワーディング》
    GM:──夜気より余程冷たく澄んだ気配が、村一帯を覆う!
    門脇ふみ:「──!」白紙のノートに指を据える。
    十束しのぎ:「………ハナ様」
    十束しのぎ:「これよりは、私達から絶対に離れぬよう、お願いします」
    ハナ:「……ああ」反応がある。恐らくはこの少女もオーヴァードなのだろう。戦いに用いる程の強い力は無いとしても。
    GM:これより訪れる者の前には、彼女の存在などまるで陽炎のようなものだ。
    GM:……とは言うが。
    GM:〝彼〟を形容するに相応しい言葉もまた、〝陽炎〟なのだ。
    GM:ゆらり、と闇が揺らいで、
    高桐 理央:「……困ります…………ね…………」
    高桐 理央:彼は、現れた。
    門脇ふみ:「──あらまぁ。」
    高桐 理央:「彼女は…………死ぬ為に生まれたのだから」
    高桐 理央:「だから、死ぬのです…………」
    高桐 理央:「…………それが……ひいては村のため…………そして…………」
    高桐 理央:「私の…………私達の…………ため…………」
    門脇ふみ:「それが最終的な貴方の目的に繋がる……って所かしら?高桐さん」
    高桐 理央:「…………ええ」
    高桐 理央:「見て…………分かりました…………」
    門脇ふみ:「私が門脇家を飛び出した理由も。きっと貴方はご存知でしょうに」
    高桐 理央:「…………それが……なにか…………?」
    高桐 理央:「〝病み喰らい〟は…………打たれることを待っている…………」
    高桐 理央:「……私が欲しいものは…………今…………ここに、無いのです…………」
    高桐 理央:「……いいえ」
    高桐 理央:「私達が、欲しいものは」
    高桐 理央:Eロイス《悪意の伝染》
    高桐 理央:以降、このシーンに追加で登場できるものがいなくなる──という効果だが、今回は既に全員が登場している。
    高桐 理央:よって、この効力は、
    高桐 理央:〝他の誰もこの場に近づけなくなる〟と見做す。
    高桐 理央:……彼が周囲に展開した、結界の力によって。
    高桐 理央:「……プロフェッサー・Fと……そちらは…………UGNの方でしたか…………」
    門脇ふみ:(『切り離した』か。)
    門脇ふみ:「しのぎちゃん」「想定とは違うけど、予定通りの事態だわ。」
    門脇ふみ:「──荒療治が必要みたいね。」
    十束しのぎ:「えぇ、こんばんは。高桐理央様」
    十束しのぎ:「そして、そのようです門脇ふみ様」
    十束しのぎ:「………えぇ、話し合いで解決できたらなによりですが。ねぇ」
    高桐 理央:「……ええ」
    高桐 理央:「もし……准教授が……本家と繋がりが深ければ…………そして……」
    高桐 理央:「私が……今のようでなければ…………有り得たのかも知れませんが…………」
    高桐 理央:薄く、口元に笑み。
    高桐 理央:「〝わたしを守る盾は神である。神は心の直き者を救われる。〟……ですから」
    高桐 理央:──弓手、と幾度か書いた。その偽りを謝罪しよう。
    高桐 理央:彼は弓を持たない。
    高桐 理央:ただ、矢のみを手に持った。
    高桐 理央:二つの矢を、十字架のように交差させ、額を縦の辺に触れさせる姿は、あたかも異郷の神へ祈りを捧げるようであり、
    高桐 理央:「門脇、我が怨敵よ……UGN、我らが怨敵よ」
    高桐 理央:「……〝詩篇7-10〟…………高桐 理央が…………殺し奉る…………」

    エンゲージ

    高桐 理央

    10m

    門脇ふみ 十束しのぎ


    GM:……少し、時間は遡る。
    GM:崖の上に集った四人。うち二人が、〝祭り〟の為に村へ戻った直後だ。
    GM:七扇・T・絵麻。陸奥 晴明。単刀直入に聞こう。
    GM:どうやって降りる?
    七扇・T・絵麻:《贋作師》
    七扇・T・絵麻:で大量の刀を作って足がかりを作りつつ降りるつもりでございました
    陸奥 晴明:氷の回廊を持ってるのですが、これで道作って移動とかできますでしょうか
    GM:よろしい、いずれも通しましょう。
    GM:ならばあなた達は、一切の傷を受けることなく、霧の中へ降りていくことができる。
    GM:……呆れる程に長い道程だが。
    GM:千尋? そんなものではきかぬだろう。数千mも降下した先に〝それ〟はあるが、
    GM:まだ、その光景をあなた達は知らない。
    七扇・T・絵麻:ザリザリと、土を荒く削る音が響く。
    七扇・T・絵麻:偽物の火祓刀・多々羅が宙に浮き、切れ味が落ちる都度に新しく崖の壁面へと刺し貫き、重みで落下するに任せる
    陸奥 晴明:腕から滴り落ちる影が凍りつき、足場を形成。
    陸奥 晴明:階段を降りるように、慎重に下へと降りていく。
    陸奥 晴明:「うわっ、と」
    陸奥 晴明:同行者の脚が予想以上に速い。慌てて降下の速度を上げる
    陸奥 晴明:「来る時迷った霧。この下にも立ち込めてたらまずいか、と思いましたが……」
    陸奥 晴明:降りながら周囲と下を見渡し、様子を探る
    GM:周囲も、下も、霧ばかりだ。
    GM:落下している感覚がなければ、自分が動いていることも分かるまい。
    七扇・T・絵麻:緩慢な落下の途中で小さいサイズで作った太刀を落とす。刃も落としてあるので万が一人にあたったとしても問題はないはずだ。
    七扇・T・絵麻:これの反響音が返ってくれば、もうすぐというところだろう
    七扇・T・絵麻:「まずいのは、私達もだけど落ちた日和原君もよね。」
    七扇・T・絵麻:「もちろん、ほむらも」
    GM:落とした太刀の音は、遠く、遠く、
    GM:……十数秒で、反響音。
    GM:行きと戻りで考えて、少なくとも1000mは無い。
    七扇・T・絵麻:「そのためにこうやって、目印となる傷を壁面へつけている。真っ直ぐたどれば問題なくいけるはず…っと」
    陸奥 晴明:「一応、離れすぎないようにしましょう。来た時と同じ霧なら、安心はできない」
    陸奥 晴明:「状況から考えたら、二人もそう離れた場所には居ない、とは思うんですが」
    七扇・T・絵麻:「ええっと重力加速度がざっくり9.8……反響で……」
    七扇・T・絵麻:「…もうすぐ底よ。」
    陸奥 晴明:「速いな、計算……了解です」
    七扇・T・絵麻:「大まかよ大まか…さて」
    GM:その、おおよその計算通り。やがてあなた達は、霧の底に辿り着く。
    GM:靴裏が踏みしめるのは、大地だ。
    七扇・T・絵麻:着地
    陸奥 晴明:「よっ、と」
    GM:質感は、森の土に近い。多種の栄養を含んでいて、植物が生えている。獣が程ほどに踏み固めている。
    GM:そういう質感の土の上、木々の合間に、あなた達は降り立つ。
    七扇・T・絵麻:「深い谷に霧が立ち込めているのに植物が生い茂っている…。尋常ではない可能性があるわね。」
    陸奥 晴明:「どういう場所なんでしょう……」
    GM:植物が生い茂り、小動物の気配。虫や、鳥も。
    GM:この空間には、生態系が成り立っている。
    陸奥 晴明:「谷の底に何があるか、は村の人間にも聞いていないし」
    七扇・T・絵麻:再び太刀を作り、手近な地面に突き刺す
    GM:いかなる場所であろうか。それを知りたいのならば、最良の方法は、
    GM:ふむ
    陸奥 晴明:「それに、二人は何処に……七扇さん?」
    七扇・T・絵麻:「目印よ」
    七扇・T・絵麻:「互いに移動してすれ違ったら最悪でしょ。これを見れば向こうも察すると思うけど…。他に方法は思いつくかしら」
    陸奥 晴明:「いえ、良いと思います。日和原さんも、無事ならもう動いてるかもしれないし」
    GM:──では。
    GM:あなた達は目印を定め、何らかの行動を起こそうと考え始めるのだろう。
    GM:その一助となる情報が舞い込む。
    GM:音だ。
    GM:……少し離れた場所から、誰かが会話をしているような〝音〟がする。
    陸奥 晴明:「……ん?」
    七扇・T・絵麻:「どうやら…余計なお世話だったかしらね」
    七扇・T・絵麻:念の為に余り合間を空けず、太刀を突き刺しながら移動
    陸奥 晴明:「……行きましょうか」
    陸奥 晴明:「会話……誰と、話してるんでしょう」
    GM:……。
    GM:少しばかり、歩くことになる。
    GM:時には、伸ばした手の位置さえ危うくなる程に霧は濃くなるが、
    GM:それでも、音の出所は変わらない。あなた達が迷うことはあるまい。
    GM:そして、恐らくは十分に近づいて、あと数歩歩けば声の主が見えようという距離で、
    ???:「七扇 藤間の血筋のものか……!?」
    陸奥 晴明:「(もし、ほむらさんが生きていて、日和原さんが彼女と話してる……話せている、なら……)」
    GM:あなた達は、その声を聞く。
    陸奥 晴明:「……!?」
    GM:日和原 要。
    GM:あなたと彼らの時系列が、合流する。
    陸奥 晴明:すぐそばを歩く『七扇』に視線を向ける。
    GM:……そうだな、言い添えよう。
    GM:七扇・T・絵麻。あなたは、今聞こえてきた名前について、まるで心当たりが無いだろう。
    日和原 要:「その、「藤間」さん、という人は。残念ながら、僕の知識にはない。あるいは、その血に連なる人なら、とも思うけれど─」
    GM:家系図の類いでも。或いは古老の言葉でも。該当する記憶は無い、と断言して良い。
    七扇・T・絵麻:「…藤間?」
    日和原 要:「─そちらはどう、かな」
    七扇・T・絵麻:誰と話しているのだ?
    日和原 要:かける言葉は、共に落ちて来た少女に、というよりは。
    ???:「その、血と……? 七扇の血の者が、この血におると言うのか……?」
    日和原 要:近くはなく、けれど決して遠くもない気配に。
    七扇・T・絵麻:(…この霧が、レネゲイド由来ではないならば。一時的に晴らすことも出来なくはないけど)
    陸奥 晴明:「……日和原さん!」
    七扇・T・絵麻:「日和原君!」
    七扇・T・絵麻:「ほむらは無事かしら!?」
    日和原 要:「うん。ごめん、心配をかけた。僕も、そしてもちろんほむらちゃんも、こうして」
    ???:「のわっ!?」予想外の方向からの声に一瞬落下しかけ、
    七扇 ほむら:「……!」
    日和原 要:「無事わけ、だけれど─」
    七扇 ほむら:大地に腰を下ろしたまま。血に塗れた姿のまま、うつろな目をする。
    日和原 要:威厳があるのかないのかよくわからない、宙に浮く姿に苦笑い。
    陸奥 晴明:「すいません、遅れました。とりあえず、無事で良かった」
    陸奥 晴明:「日和原さんも……ほむらさんも」
    七扇・T・絵麻:「で、覚えの無い声も聞こえるけど。どなた様かしら?」
    日和原 要:「重ね重ね、ごめん。そして、ありがとう、来てくれて。門脇先生としのぎちゃんは、村の方かな。そちらも気になるけれど─」
    七扇・T・絵麻:「七扇について詳しいようね。私が当代の七扇が一人、絵麻だけど」
    ???:「……まったく。今日は驚かせてくれる者が多い。厄日かのう」
    ???:「して、七扇を名乗るものよ。……遠慮は要らん、近う寄れい。顔も見えんでは話しもしづらかろ?」
    七扇・T・絵麻:声の元に近づく
    ???:「そして、どなたと問われれば答えに迷う。この地のぬしである、とでも答えようか」
    陸奥 晴明:「ぬし、ですか」
    ???:「うむ。形ばかりだがの」
    日和原 要:「とうまさん、と呼んでいたけれどね。─この呼び方も、君のいう所の「藤間」さん、に由来すると思って、いいのかな」
    日和原 要:ふたりに、今まで話していた相手の呼び名を告げつつ、そしてその当人に問いかける。
    陸奥 晴明:「とうまさん、ですか。 この地の、というと」
    陸奥 晴明:「この山と、あの村の?」
    ???:「ふむ。……そうさな、然りと答えよう。であるが、暫し待てい、待てい」
    ???:「そうも嵐のように問うてくれるな。我は今、驚き疲れて休んでいるところであるぞ」
    陸奥 晴明:「あ……っと、すいません。こちらも気を急きました」
    ???:「なんじゃ、なんじゃ。なぜ、こたびに限って三人も四人も、この場所へ生きて辿り着く……?」
    七扇・T・絵麻:「このような地に住まうとは七扇の口伝にも歴伝書にも何も聞いてはいないけど…。」
    七扇・T・絵麻:「なんでこのような場まで来てうちの来歴に関わる現象が…?」
    ???:「……そして、七扇か」
    ???:「そうさな、七扇の家名を持つものであれば、問おう」
    ???:「我が真実の名、知るや知らずや、いかに?」
    七扇・T・絵麻:「真実の…名…?」
    七扇・T・絵麻:「真実も何も、初対面の相手をどう見聞して答えを出せというのかしら…。禅問答の類?」
    ???:その答えを聞くや、宙に浮かぶ〝それ〟は悲しげな顔をして、
    ???:「忘れよ。なれの咎ではない。或いは失伝の類いであろう」
    七扇・T・絵麻:「失伝ねぇ」
    日和原 要:「─永く、伝わるとね。失われるものもある。そして」
    日和原 要:「歪んでしまうものも。これも、七扇の家の人は、重々承知のことだろうけどね」
    ???:「既にして二十の祭りを過ぎて、今宵は二十一度目の夜」
    七扇・T・絵麻:「20…?」
    ???:「ひとは、然程に長く生きられぬ。承知の上さ」
    七扇・T・絵麻:「…1200年前の話!?」
    ???:諦観の滲む微笑。崩れた姿勢を立て直し、再び虚空へ寝そべって、
    陸奥 晴明:「せんにひゃ……!?時間の流れがおかしいとか、そういう話は確かにあったけど」
    ???:「それよりも、なれら」
    ???:「ほむらとは、この娘の名か?」
    ???:ぱん、と両手を打ち鳴らす。そうすれば、
    ???:〝それ〟を中心とした半径数mの霧が、主の意を汲んだように晴れていく。
    GM:そうなれば、
    GM:七扇・T・絵麻。もう見えるだろう。
    GM:声を上げず、そこに座っていた少女の姿が。
    七扇 ほむら:「あ…………」
    七扇 ほむら:リザレクトこそ完了してはいても、着物を濡らす血の赤が、彼女の受けた傷の深さを告げている。
    七扇・T・絵麻:「……」誰にも気づかない程度に、息を呑んで
    七扇・T・絵麻:「……こんなことをするとは露ほどにも思わなかったわ」
    七扇 ほむら:「もっと良い子だって、思ってましたか……?」
    七扇・T・絵麻:「自ら手を下すとまでは思っていなかった。……そう、貴方の思いを慮りかねるのはこれで2回目……姉貴分失格ね。」
    七扇・T・絵麻:「こんな手段を取ってまでして、貴方が取り返したいものは何?」
    七扇 ほむら:「………ねえさま」
    七扇 ほむら:「〝病み喰らい〟が、どのような刀と呼ばれているか、ご存じでしょう?」
    七扇 ほむら:「誰がその力を見たわけでなくとも。七扇の家に、門脇の家に、どのように伝えられているか」
    七扇・T・絵麻:「〝手にすれば霧を生じ、振るえば河を生じ、突き立てれば命をも生じる〟“あらゆる病を癒やし命を生み出す”」
    七扇・T・絵麻:(…霧。そういえば)言いながら。
    七扇 ほむら:「はい」
    七扇 ほむら:「……私は、奪ったものを返さないとならないんです」
    七扇・T・絵麻:「そのために」
    七扇・T・絵麻:「また奪うの、貴方は」
    七扇 ほむら:「これが最後です」
    七扇・T・絵麻:「いいえ。絶対に最後じゃない」
    七扇 ほむら:「いいえ、いいえ」
    七扇 ほむら:「いいえ、ねえさま。ねえさま」
    七扇 ほむら:「……そういえばねえさまは、昔からそうでしたね」
    七扇 ほむら:「私の話を聞いてくれることは……ありませんでした」
    七扇・T・絵麻:「……」
    七扇 ほむら:「私が門脇 水瀬さんを、どう思っていたか、知っていましたか?」
    七扇 ほむら:「門脇 水瀬さんが、私をどう思っていたかは?」
    七扇 ほむら:「聞いたこともなければ、知ろうともしなかったでしょう」
    七扇 ほむら:「だって、興味が無いから」
    七扇・T・絵麻:「本気で、そう思っているの」
    七扇・T・絵麻:「ならば」
    七扇 ほむら:「……だって!」
    七扇 ほむら:声を荒げる。
    七扇 ほむら:「だって、ねえさまは聞いてくれなかった!」
    七扇 ほむら:「私が何で泣いてるのかも、何で苦しんでるのかも」
    七扇 ほむら:「私が〝何を奪ったのか〟さえ聞こうとしないじゃないっ!」
    七扇・T・絵麻:「……そうね。」
    七扇・T・絵麻:言葉で片付けることは如何様にも出来た。
    七扇・T・絵麻:だが、そういうことじゃない。それは本物ではない
    七扇・T・絵麻:「御免なさい」
    七扇 ほむら:「…………っ」
    七扇・T・絵麻:帽子を脱いで、深く頭を垂れる
    七扇・T・絵麻:「生涯の過ちだと恥ずるばかり。」
    七扇・T・絵麻:「少しでも、ほんの少しでも…砂粒一つでも、赦しを乞えるのならば」
    七扇・T・絵麻:「今からでも教えて欲しい…。貴方の、苦しみを。悲しみを。」
    七扇 ほむら:「…………っ、ふ、ふ」
    七扇 ほむら:「ふふっ……ふ、ふ……ぅ……」
    七扇 ほむら:笑っているような、啜り泣いているような、
    七扇 ほむら:そんな音を唇の隙間から鳴らして、白髪の少女は俯き、
    七扇 ほむら:……そして、言うのだ。
    七扇 ほむら:「……私達は、愛し合ってなんていなかった」
    七扇 ほむら:「私はただ、恋に恋焦がれていただけの子供で──」
    七扇 ほむら:「水瀬さんは、二つの家に忠実であろうとしてただけで」
    七扇 ほむら:「愛情じゃなかった。恋心にさえ、なれてなかった。だから」
    七扇 ほむら:「水瀬さんには、それが耐えられなかったんです」
    七扇 ほむら:「あの人は、ジャームになった。なってしまった。だって」
    七扇 ほむら:「ちゃんとあの人を愛せなかった私が、あの人の支えを奪ってしまったんだもの」
    七扇 ほむら:「……だから。今からでも返さないといけないんです」
    七扇 ほむら:「本当にあの人を愛しているひとのところへ……水瀬さんを!」
    七扇・T・絵麻:「愛している人…」
    七扇・T・絵麻:「そのために“病み喰らい”を振るう、と。」
    七扇 ほむら:「はい」
    七扇 ほむら:「そして──私の仕事はもう、終わりました」
    七扇 ほむら:「後は、私は要りません」
    七扇 ほむら:「……できることなら、遠目にでもお目に掛かってみたかったけど」
    七扇・T・絵麻:「後は、高桐が為す…そういうことか。別れた二人がまずいかも知れないわね」
    七扇・T・絵麻:話を聞いて、冷静に判断すればそこまで難しい類推ではない。
    七扇・T・絵麻:「…“病み喰らい”がどう作られているかは、知っている?」
    七扇 ほむら:「……?」一瞬、きょとんとした顔になって
    七扇 ほむら:「いいえ。……それが、何か?」
    七扇・T・絵麻:「たたら場と鍛冶場に行ってきたわ。」
    七扇・T・絵麻:「匂ったのは、血。獣の脂も混ざらぬ、人間の血。」
    七扇 ほむら:「……!」
    七扇 ほむら:そうまで言えば、伝わる。この少女とて七扇の家のものであるのだ。
    七扇・T・絵麻:「人間の血でもって、病み喰らいはつくられている。」
    七扇・T・絵麻:「“奪われた”もので出来ているのよ。」
    七扇 ほむら:「……火は?」
    七扇・T・絵麻:「結界の陣も、経典も護摩木もない。」
    七扇 ほむら:うぅ、と呻くような声が、喉奥で鳴った。
    七扇・T・絵麻:「あるいは。そういう力があるのでしょう、“病み喰らい”には。」
    七扇・T・絵麻:「でも、それを用いて。本当に後悔しないと貴方は言える?」
    七扇 ほむら:言葉が無い。……或いは、それが答えのようなものだ。
    七扇 ほむら:その成り立ちを聞けば分かる。それは〝呪物〟だ。
    七扇・T・絵麻:「…私は。」
    七扇・T・絵麻:「止めてくるわよ。」
    七扇・T・絵麻:今度こそ。淀みなく
    七扇 ほむら:怨念を幾万の層と成して叩き上げる刃に、奇跡を求める術など無い。
    七扇 ほむら:そのようなことは、きっと
    七扇 ほむら:五年前の幼子だとて、分かっていた筈だ。それでも、
    七扇 ほむら:「……ねえさま」
    七扇 ほむら:「何故、こんなところまで降りて来たのですか?」
    七扇・T・絵麻:「勿論。」
    七扇・T・絵麻:「今度こそ、ちゃんと踏ん切りをつけて戦いたかったからよ。」
    七扇・T・絵麻:脱いだ帽子はまだ手の中にある。
    七扇・T・絵麻:「かわいい妹分を寒い谷に置いておくわけにもいかないしね。」
    七扇 ほむら:ちゃきっ。
    七扇 ほむら:左手の親指が、刀の鍔を押す。
    七扇 ほむら:即ち、〝鯉口を切る〟。
    七扇 ほむら:「踏ん切りをつけると、仰いましたね」
    七扇 ほむら:「ならば、ねえさま」
    七扇 ほむら:「この場で私と、立ち会ってくださいませ」
    GM:──選択だ。
    GM:七扇・T・絵麻。あなたは問われている。
    GM:「A・一騎打ちに応じる / B・一騎打ちに応じない」
    七扇・T・絵麻:「死ぬわよ」
    七扇・T・絵麻:「——なんて、今更か。」
    七扇 ほむら:「ねえさま、私と喧嘩したこと無いでしょう?」
    七扇 ほむら:「私、強いんですよ」
    七扇・T・絵麻:「そう。」
    七扇・T・絵麻:「……悪いわね、日和原君、陸奥君。あと…ええと、どなたか存じませんが。」
    七扇・T・絵麻:鯉口を切る
    七扇・T・絵麻:「ここだけは譲れない。」
    七扇 ほむら:「私もです」
    七扇 ほむら:「ならば」
    日和原 要:「いいよ。─対話には、色んな形がある。絵麻さんとほむらちゃんにとっては、これがそうなんだろうからね」
    日和原 要:「─お互い、生きてるんだもの。存分に、話すといい」
    陸奥 晴明:「……貴女がたの答えの為に、必要なら」
    陸奥 晴明:「今は……止めません。だから」
    陸奥 晴明:「きちんとケリ、付けてください」
    七扇・T・絵麻:太刀を握る。その重みを感じる。
    七扇・T・絵麻:これもまた、“奪ったもの”だ。ならば、取り返すべきものなのか?
    七扇・T・絵麻:否だ。
    七扇・T・絵麻:欠けたものを埋めるために、刀ではまた何かを欠けさせることしか出来ない。ならば
    七扇・T・絵麻:『これ以上奪わせぬように振るう』
    七扇・T・絵麻:完全な答えではないのだろう。それでも
    七扇・T・絵麻:今の瞬間は、これが七扇の解答である
    七扇・T・絵麻:「七扇家!」
    七扇・T・絵麻:「本家筆頭、T(テレジア)・絵麻!推して参る!」
    七扇・T・絵麻:裂帛の啖呵を切り、居合の構えを取った
    七扇 ほむら:「七扇本家、燎雅が一子、ほむら!」抜刀。右手のみで保持し、高く旗のように掲げ持つ。
    七扇 ほむら:「いざ!」
    GM:刃を斜めに構えて、その水平距離が50cm。
    GM:肩を突き出し、腕を伸ばして60cm。
    GM:一足、前足を滑るように踏み出して50cm。
    GM:しめて160cmを双方の間合いとし、刃の触れ合わぬ空間を挟み。

    エンゲージ
    七扇 ほむら

    4m

    七扇・T・絵麻

    ラウンド1


    GM:セットアップ!
    七扇 ほむら:無し!
    七扇・T・絵麻:セットアップなし
    GM:では
    GM:行動順そのまま、割り込みは無い。そして以降、セットアップとクリンナップにやる行動もないぜ!
    七扇・T・絵麻:ということは、マイターン
    GM:いえす、ユアターン
    七扇・T・絵麻:マイナーで接敵
    七扇・T・絵麻:メジャー!《コンセ:サラマンダー》+《炎の刃》+《アマテラス》!判定時に《砂の加護》+《砂塵霊》!
    七扇 ほむら:割り込みは無し、リアクションはガード。ダメージまでどうぞ!
    七扇・T・絵麻:まず命中から
    七扇・T・絵麻:9dx7+4
    DoubleCross : (9R10+4[7]) → 10[1,4,4,4,7,7,8,9,10]+10[2,6,8,8,9]+10[9,9,10]+10[4,5,9]+10[8]+10[10]+6[6]+4 → 70

    七扇 ほむら:what
    七扇・T・絵麻:(オートで侵蝕が86になり、判定に補正が乗っております)
    七扇・T・絵麻:本気で当たらねば失礼というもの
    七扇・T・絵麻:ではダメージ
    七扇・T・絵麻:8d10+44
    DoubleCross : (8D10+44) → 43[5,1,6,4,7,9,4,7]+44 → 87

    七扇 ほむら:ガード値がどうとかいう次元じゃないですね消し飛びまして
    七扇 ほむら:門脇 水瀬のロイスをタイタス化。昇華して復活! 演出どうぞ!
    七扇・T・絵麻:※(侵蝕表記ミス。上記の侵蝕は85、メインプロセス終了時に8上がって93)
    七扇・T・絵麻: 
    七扇・T・絵麻:初撃。居合使いにとって、全霊をかけるべきもの。
    七扇・T・絵麻:手は抜かぬ。こと、仕合うことの重みをよもや量り損ねる歳ではあるまい
    七扇・T・絵麻:摺足でじりじりと間合いを潰す…3m
    七扇・T・絵麻:七扇独自の抜刀姿勢、異常に低い姿勢…2m
    七扇 ほむら:左手に鞘。右手に刀。刀を高く旗のように掲げる変形の大上段。
    七扇・T・絵麻:踏み入るは一瞬。閃くは刹那。…1m
    七扇 ほむら:間合いに入れば打ち下ろす、と決めている。故に。
    七扇・T・絵麻:故に。
    七扇 ほむら:「かあぁっ!!!」裂帛。袈裟懸けに振り下ろされる一刀。
    七扇 ほむら:殺意はあるか? そう問われれば、答えに窮するが。
    七扇 ほむら:殺し得る刀かと問われれば。
    七扇 ほむら:容易い、と答えを返そう。
    七扇・T・絵麻:そう
    七扇・T・絵麻:その間合いから、一歩だけ下がるだけで
    七扇・T・絵麻:“太刀”なれば、一つ遠い間合いから仕掛けられる。
    七扇・T・絵麻:摺足とはそも前後自由の足さばき。マントはその動きを不明瞭にし、力の入れ具合を隠す。
    七扇・T・絵麻:故に、空を切る袈裟懸けを見てから
    七扇・T・絵麻:——爆破抜刀
    七扇・T・絵麻:焔の扇が霧を吹き散らし、逆袈裟の一文字をその体に刻む
    七扇 ほむら:人の肉体なぞ、容易に断つ剣閃。右の脇腹へ入り、左肩へ抜ける──
    七扇 ほむら:抜ける、筈だった。
    七扇 ほむら:「ぎ、ぃっ」歯を食い縛りながら呻く。……そして、半歩、踏み出していた。
    七扇 ほむら:七扇・T・絵麻の太刀は、人の肌に有らざる手応えを感じ取った事であろう。
    七扇・T・絵麻:「…これは。」
    七扇 ほむら:刃の触れた箇所が固かった。骨の如く。
    七扇 ほむら:否。それは真実、骨であった。
    七扇 ほむら:エグザイル/ノイマン。太刀筋の軌道予測と、直撃地点の肉体操作。
    七扇 ほむら:〝一撃で両断されなければ反撃の機がある〟──!
    七扇 ほむら:「間合い」
    GM:……では。
    GM:七扇 ほむらの手番だ。
    七扇 ほむら:マイナーは無し。
    七扇 ほむら:メジャー、《コンセントレイト:エグザイル》+《オールレンジ》+《コントロールソート》+《マルチウェポン》
    七扇 ほむら:対象は言うまでもなく、判定。
    七扇 ほむら:11dx7+3
    DoubleCross : (11R10+3[7]) → 10[1,2,2,2,2,4,4,5,8,9,9]+6[4,5,6]+3 → 19

    七扇・T・絵麻:ドッジ
    七扇・T・絵麻:5dx
    DoubleCross : (5R10[10]) → 10[2,2,3,5,10]+1[1] → 11

    七扇・T・絵麻:だめ
    GM:ふっ
    GM:ダメージ!
    七扇 ほむら:20+2d10
    DoubleCross : (20+2D10) → 20+12[2,10] → 32

    七扇 ほむら:……装甲有効なんだよなぁ
    七扇・T・絵麻:装甲無視がないのならば
    七扇・T・絵麻:残りHP3点
    七扇 ほむら:肉体に刃を食い込ませながらも、進んだ。
    七扇 ほむら:右手には抜き身の刃。七扇の家の流儀で打たれた、退魔の刀である。
    七扇 ほむら:そして左手には、鞘。
    七扇 ほむら:……手元の操作で刃の突き出す、仕掛け鞘。
    七扇 ほむら:七扇ほむらは、退魔の刃を二つ用いる。
    七扇 ほむら:「この──」
    七扇 ほむら:右の刀が頭上から振り下ろされる。
    七扇・T・絵麻:なまじ振るった太刀が肉に刺されば、容易に引くのは容易くはない
    七扇 ほむら:左の鞘が、腹を目掛けて突き上げられる。
    七扇 ほむら:それはさながら、巨獣の一噛み。
    七扇 ほむら:「──お節介焼き!!」
    七扇・T・絵麻:ざくり。手応えはあるだろう。
    七扇・T・絵麻:だが望む感覚ではない
    七扇・T・絵麻:ぬかった刃の反対。同じく“鞘”を頭上に掲げ、右の一撃を受ける。
    七扇・T・絵麻:この鞘は太刀を鍛える“炉”である。故に盾たりうる
    七扇・T・絵麻:そして左は、持ち上げた足で受ける。内臓を切られれば致命たりうるが故の防御
    七扇 ほむら:ぎぎ、と歯を食い縛る。軋む音がする程に。そうして両腕に力を込める。
    七扇・T・絵麻:「あんたも妹ができれば分かるわよ」
    七扇 ほむら:儚げな外見とは裏腹、前のめりの剣技の使い手。退く運足を持たない娘だ。
    七扇 ほむら:だが。
    七扇 ほむら:ついに刃は、〝姉〟の体を断ち切れず。
    GM:クリンナップ。そしてセットアップ。同時処理!
    七扇 ほむら:無し!
    七扇・T・絵麻:なし
    GM:ならば。

    ラウンド2


    GM:そしてあなたの手番だ、七扇・T・絵麻。
    七扇・T・絵麻:私のターン
    GM:一つの太刀は肉を貫き、一つの刀は鞘に受け止められ。
    GM:もはや間合いと呼べるものは存在しない。
    GM:鍔迫り合いというには、些か奇妙な形──。
    七扇・T・絵麻:姿勢が不安定だ。そう長い拮抗ではない。故に、次で決める
    七扇・T・絵麻:マイナーなし
    七扇・T・絵麻:メジャー、《コンセ:サラマンダー》+《炎の刃》
    七扇・T・絵麻:7dx7+4
    DoubleCross : (7R10+4[7]) → 10[1,2,3,4,4,5,7]+2[2]+4 → 16

    七扇 ほむら:リアクションはガード固定。ダメージどうぞ。
    七扇・T・絵麻:2d10+20
    DoubleCross : (2D10+20) → 15[6,9]+20 → 35

    七扇 ほむら:ガード値は3点。残HP12から32点を通し、戦闘不能──復活エフェクトなど無し!
    七扇 ほむら:演出どうぞ!
    七扇・T・絵麻: 
    七扇・T・絵麻:「私は、貴方には負けられない」
    七扇・T・絵麻:「退魔の一家として」太刀はぬかり、骨で止められている。ここから力押ししようと大してダメージは出せないだろう
    七扇・T・絵麻:「イリーガルとして」鞘は上段で受けている。ずらせば直ちに袈裟懸けが振るわれるだろう
    七扇・T・絵麻:故に、第3の刃
    七扇・T・絵麻:鞘がにわかに高温を放つ。これは“炉”である。故に刀を生み出すのになんら疑問はない
    七扇・T・絵麻:緋色の炎が鯉口から伸び、どろどろと溶鉱が空けた右手に流れ落ち、見る間に鋼玉の脇差を形成する
    七扇・T・絵麻:「そして」「貴方の姉貴分を名乗りたいものとして、ね」
    七扇・T・絵麻:お粗末な一振りであろうと、空いた胴に叩き込むのには十分
    七扇・T・絵麻:今一度、袈裟懸けの一閃が七扇ほむらの体に一文字を引いた
    七扇・T・絵麻:侵蝕98
    七扇 ほむら:払っても、払っても、間隙に流れ込む白い霧。
    七扇 ほむら:その中に今、鮮やかな赤い雨が降った。
    七扇 ほむら:常人ならば致命の一撃。オーヴァードとて、再び立つ事は叶うまいそれを受けて──
    七扇 ほむら:「……本当は……分かってました」
    七扇 ほむら:「都合のいい奇跡なんか……無いって……」
    七扇 ほむら:「〝病み喰らい〟なんて伝承に縋ったって……死んだものが戻ってくることは無い、って……」
    七扇 ほむら:刀を退き、鞘に収める。ぐらつく足。せいいっぱいに踏みとどまって、
    七扇 ほむら:「これ」ぐっ、と。あなたへと突き出す。
    七扇 ほむら:「貸します」
    七扇・T・絵麻:足から血が吹き出し、右手から肉の焼ける異臭。剣士としては相当な消耗だ。
    七扇・T・絵麻:「…確かに」
    七扇・T・絵麻:それでも、右手で受け取る。魂を粗末に扱うわけにはいかないだろう
    七扇 ほむら:「……帰ったら、返してくださいね」
    七扇 ほむら:崩れ落ちながらの一言は、
    七扇 ほむら:四年ぶりの微笑みを伴っていた。
    GM:決着。
    GM:勝者──七扇・T・絵麻。
    七扇・T・絵麻:「——うっ……」
    七扇・T・絵麻:ほぼ同時に膝をつく。自分とて、傷は浅くはない
    陸奥 晴明:「……! 七扇さん!」
    日和原 要:「─話は、できたかな」
    陸奥 晴明:慌てて駆け寄り、傷を確認する
    陸奥 晴明:「無茶なやりかたを……! 傷、見せてください。手当します」
    七扇・T・絵麻:「私よりほむらを見て頂戴…ギリギリリザレクトは出来ると思う」
    陸奥 晴明:「勿論、ほむらちゃんも……それから、日和原さんも、です」
    陸奥 晴明:「落下した傷、ちゃんと処置しましょう。変なくっつき方したら大変ですし」
    ???:「そう焦るでない。ここは我が領域ぞ」
    日和原 要:「大丈夫だよ、僕は。死ににくさには自信がある。それに─」
    ???:「死人を還すような無体ならばさておき、生きている者の傷を塞ぐなど造作も無いわ」
    日和原 要:「なんとかしてくれるひとも、いるようだしね」
    七扇・T・絵麻:「そんな能力が…。」
    七扇・T・絵麻:「貴方、もしかして…“病み喰らい”なの?」
    ???:「…………」ほんの暫し、寂しげな顔をして
    ???:「名ならば、好きに呼ぶが良い。呼ばねば座りが悪いというならば、〝とうま〟」
    ???:「真実の名はと問えば──それは我でなく、ひとが決めるものよ」
    ???:「皆が我を〝病み喰らい〟と呼ぶならば、そうなのであろうよ」
    陸奥 晴明:「……今はともかく。力を貸していただけるなら、感謝します」
    陸奥 晴明:「詳しい話もしたいけど、それはきちんと治療が終わってから……で、良いですか?」
    七扇・T・絵麻:「…ええ。そうしましょう。」
    七扇・T・絵麻:「少なくとも、余り据わりの良い顔してないしね。」
    日和原 要:「─そうだね。じゃあ、ありがたく。それと─」
    日和原 要:なにかを、口にしかけて。
    日和原 要:「─ううん。まずは、落ち着いてから。"これから"の話は、その後だ」
    日和原 要:「─ほむらちゃんのことも、ね。それでいいかな、絵麻さん」
    七扇・T・絵麻:「ええ。」
    七扇・T・絵麻:谷底から出るとなると骨だ。消耗しきってから更に戦いがあるならば、もう少し回復を待ってからのほうが上策だろう
    日和原 要:「よし、じゃあ。お願いします、"とうま"さん。─村のことも、気になるけれど」
    日和原 要:「大丈夫。門脇先生としのぎちゃんなら、きっと、上手くやってくれる」
    ???:「〝しのぎ〟?」
    ???:「……ふむ、そうか、そうか」
    陸奥 晴明:「……はい。二人を信じて、こっちもやれること、やりましょう」
    ???:〝とうま〟と名乗るものは、幾度か頷いて
    陸奥 晴明:「? とうまさん?」
    ???:「気にするでない」
    ???:あなた達を先導するように、霧の中を歩き始めるだろう。
    ???:……懐から、笛を取り出す。
    ???:仮に歩くのが遅れたとて、その音色を辿れば、道に迷うことはあるまい。
    ???:奏でる音に隠された、心の声音を聞く者とていないが、
    ???:言葉にするならば、こうだった。
    ???:──偶然とは、あるものだ。
    ???:潮時かも知れぬなと、〝山喰らい〟は考えた。

    マスターシーン:山喰らいが泣いている。


    ──これは、遠い昔のものがたり。
    宵惑山(よまどいやま)が、その名で呼ばれるより、まだずうっと昔のこと。
    二人の男女が連れ立って、名も無い山へと逃げ込んだそうな。
    何やら追っ手を恐れて嘆く二人を、村のもの達は快く受け入れた。
    何故なら、村人達もまた、昔に戦に敗れて追われ、この地へ逃げ込んだ者達であったから。
    同じ境遇の二人を見捨てることもできず、ひそかに匿う事とした。
    男は感謝の念も深く、鍛冶の技を以て村人へ恩返しをした。
    田畑を拡げる為に農具を打ち、獣を狩る為の鏃を打ち、身を守る為の刀を打ち──
    最後に男は、村の全てを守る刀を打った。
    それから村の周りには、決して干上がらぬ川と、枯れぬ緑と、尽きぬ獣が満ちて、
    彼らは末永く幸せに暮らしたのだとさ。
    めでたし、めでたし。

    GM:……嗚呼。
    GM:そう話が終わったのなら、どれ程に幸福であっただろう。
    GM:何故、二人は追われて逃げた? 男が産み出した守り刀の、力の源は?
    GM:小さな箱に押し込められた営みを真なる幸福と呼ぶものか?

    GM:〝それ〟は、ずうっと考え続けた。
    GM:子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥──十二支。
    GM:甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸──十干。
    GM:これを組み合わせて陰陽の調和を取り、半ばを斬り捨てた六十干支を、二十度も巡らせて。
    〝山喰らい〟:この村の有りようは、
    〝山喰らい〟:この世界の有りようは、本当に彼らの幸福なのか?
    〝山喰らい〟:終わらせるべきではないのか。
    〝山喰らい〟:十二支を〝斬り〟、十干のみを残して、十二分の一にまで世界を遅延させたるは、
    〝山喰らい〟:やがて外界が平穏になりし時、内に囲いたる者を解き放つ為ではなかったか。
    〝山喰らい〟:……だが。
    〝山喰らい〟:〝それ〟は刀である。
    〝山喰らい〟:己が意識を持てども、己が用途を定められぬ存在である。
    〝山喰らい〟:炎の中より出でたりし時、与えられた防衛機構が、その任を終えることを許さない。
    〝山喰らい〟:山喰らいは待っている。
    〝山喰らい〟:いつか己の名を知る〝ひと〟が、新たな令を携えて訪れる日を。
    〝山喰らい〟:けれど……この霧の静寂を掻き乱すものは、
    〝山喰らい〟:空から降り来たる骸ばかりだ。
    〝山喰らい〟:こんな筈ではなかったのに。
    〝山喰らい〟:私は守り刀として生まれたのだから、
    〝山喰らい〟:こんなにも血を浴びるようにと、願われてはいなかった筈なのに。
    GM:笛の音が響く霧に隠れて、今日もまた、
    GM:山喰らいが泣いている。

    シーン7:〝高桐〟


    GM:門脇&十束タッグのみ登場可能!
    門脇ふみ:殺るわよしのぎちゃん!!!
    門脇ふみ:門脇ふみの侵蝕を5増加しました(侵蝕率:67->72)
    十束しのぎ:十束しのぎの侵蝕率を+3(1d10->3)した(侵蝕率:80->83)

    エンゲージ
    高桐 理央

    10m

    門脇ふみ 十束しのぎ

    GM:──結界が張り巡らされている。
    GM:相当な広範囲だ。
    GM:恐らくは半径数百mに及ぶそれは、外部からの干渉を忌む魔の力である。
    GM:決して正道の、ひとが扱う技ではない。
    GM:いにしえの家のように言うならば、化生の力。
    GM:現代の言葉を用いるなら、ジャームのみが持つ暴威。
    高桐 理央:「…………一度だけ……確認しましょう…………」
    高桐 理央:「その……〝かね役〟の娘を…………引き渡したならば…………」
    高桐 理央:「……私は…………それで良い…………優先すべき事柄など……いくらでもある……」
    門脇ふみ:(──踏み外していたか。恐らくは私に会いに来た時から……)
    高桐 理央:「……置いて、去れ」
    高桐 理央:「私には……なすべきことが……多すぎる……」
    十束しのぎ:「生憎と」
    十束しのぎ:「渡せと言われて渡すのならば最初から、助けては居ないのです」
    十束しのぎ:「お互い、矛を納めて対話出来ればよいのですが」
    十束しのぎ:「そういう場面でも無さそうですね」
    門脇ふみ:「……やりたいことをやる為には、足りない事はいっぱいあるわよね。」
    門脇ふみ:「高桐さん」「私はね、こういう時にどう動こうかと決めてあるの。」
    門脇ふみ:「『抱えている者』を決して投げ出さない。一緒に纏めて連れて行くの。」
    門脇ふみ:「私が決め、私が助けた『もの』を奪おうというのなら──」
    門脇ふみ:「私は。貴方を踏みにじるのみよ!」
    GM:では
    GM:セットアップ
    十束しのぎ:セットアップなし!
    高桐 理央:セットアップ、無し。
    門脇ふみ:セットアップはファンアウトいけますがやらない方向でよろしいかしら!
    十束しのぎ:無くて大丈夫です!
    門脇ふみ:OK!ではこちらも無し!
    GM:では
    高桐 理央:イニシアチブで《加速する刻》
    門脇ふみ:ゲェーッッッ
    高桐 理央:「踏み躙る、と────」
    高桐 理央:マイナーアクション。戦闘移動に加えてオートアクションで《縮地》。PC二人と同一エンゲージへ入ります。
    高桐 理央:「──言いました……か」
    高桐 理央:言葉の途中、その姿は消えた。
    門脇ふみ:「……ええ」「貴方より『強き者』としてね。」
    高桐 理央:消えたかと思った刹那、それはあなたの
    高桐 理央:門脇 ふみの背後に現れた。
    高桐 理央:メジャーアクション、《コンセントレイト:オルクス》+《ディストーション》+《形無き剣》+《完全なる世界》
    高桐 理央:形無き剣により、ドッジダイスは-7となります
    高桐 理央:15dx7 命中ダイス
    DoubleCross : (15R10[7]) → 10[1,1,2,2,2,4,4,5,5,5,5,5,6,8,10]+4[4,4] → 14

    門脇ふみ:元々の破壊者補正と合わせて自動ガードよ!
    高桐 理央:2d10+45 武器は素手、バックスタブ込みで装甲有効
    DoubleCross : (2D10+45) → 10[5,5]+45 → 55

    門脇ふみ:装甲分引いても死ぬわね!リザレクト!!!
    門脇ふみ:門脇ふみの侵蝕を5増加しました(侵蝕率:72->77)
    門脇ふみ:HP5!侵蝕77へ!
    高桐 理央:──音も、そして躊躇も無い一撃であった。
    高桐 理央:背後に現れた高桐は、素手にて門脇ふみの背を狙う。
    高桐 理央:狙いは、背骨より僅かに左寄り。
    高桐 理央:背後から肋骨を砕きながら、心臓へ至る軌道の突きであった。
    門脇ふみ:最初の一撃は……受けると決めていた。
    門脇ふみ:胸部より覗いた手を見る。追うように吐血。
    高桐 理央:手は荒々しく引き抜かれる。刀でそうするように、一振り、付着した血を払い、
    高桐 理央:「……門脇の血は……凶器ですから……ね…………」
    高桐 理央:「刀など使えば……そちらの支配下に……たやすく組み込まれる…………」
    高桐 理央:「けれど……私の手では…………支配は……できないでしょう…………?」
    門脇ふみ:くるりと振り向き、その衝撃でもう一度血を零す。
    門脇ふみ:「──先ずは。私が踏みにじった貴方の頼み事。」
    門脇ふみ:「確かに『受け取りました』わ。」空いた穴は塞がれず。血が零れ続ける。
    高桐 理央:「そうですか……では…………」
    高桐 理央:「等価交換で…………かね役の娘を…………いただきましょう…………」
    GM:手番。門脇ふみ!
    門脇ふみ:マイナーは無し!メジャー!
    門脇ふみ:コンセ3虚構のナイフ3鮮血の網ブラッドボム3で高桐さんを攻撃だ!
    /コンボ:『弱きものよ、汝の名は——』

    GM:えーと、鮮血の網があるってことは射撃攻撃だな
    門脇ふみ:ですね!同エン射撃!
    高桐 理央:ならばガード。そして《歪みの領域》で15点のHPダメージをお返ししよう
    GM:ということで判定どうぞ!
    門脇ふみ:グエーッ!!!
    門脇ふみ:7dx7+4 だが喰らってもらうぜ—ッ!
    DoubleCross : (7R10+4[7]) → 10[1,3,3,4,4,5,7]+10[10]+4[4]+4 → 28

    門脇ふみ:ダメージ行くわよ!
    門脇ふみ:3d10+1d10+6 破壊者の補正込み!
    DoubleCross : (3D10+1D10+6) → 14[2,5,7]+8[8]+6 → 28

    門脇ふみ:通るかしらねこれ……
    高桐 理央:ガードはするがガード値とかは無いので……素通しだ! だがまだ生きている!
    高桐 理央:そして門脇さんに15点のHPダメージと
    高桐 理央:E《憎しみの楔》+《傲慢な理想》
    門脇ふみ:装甲ガードは有効!ブラッドボムタイミングはどうしましょうか
    門脇ふみ:ゲゲゲ—ッ!!!!!
    GM:《憎しみの楔》は、対象が取得しているロイスを一つ選択して強制的にタイタス化させるアレだ。傲慢な理想で範囲選択とさせてもらおう
    門脇ふみ:ふむふむ。
    GM:門脇ふみには、『高桐 理央』のロイスをタイタスに
    GM:十束しのぎには、そうだな
    GM:『やまくらい』のロイスをタイタス化。次に〝あれ〟に出会うまで、存在に対する記憶を薄れさせていただこう
    十束しのぎ:ぎゃー了解しました
    GM:で、ブラッドボム
    門脇ふみ:了解です!タイタス!そしてBボム発動!
    門脇ふみ:2d10分のHPを追加で失ってもらうわ!
    GM:えーと、文面を読む限りだと
    GM:命中判定→ガード宣言&歪みの領域使用→歪みの領域のダメージ処理→門脇リザレクト→門脇攻撃のダメージ処理→ダメージが入ったことによるブラッドボム処理→Eロイス処理
    GM:かな!
    GM:ということで2d10振っていただこう
    十束しのぎ:チェーンだ!この後また門脇さんもダメージというわけね。
    門脇ふみ:有難し!では追加から!
    門脇ふみ:2d10
    DoubleCross : (2D10) → 14[5,9] → 14

    門脇ふみ:造血剤は今回使わないで行くわね!
    GM:では、合わせて蓄積ダメージ42……まだまだ生きてる!
    門脇ふみ:順番に行きましょう!先ずは歪み分にリザ!
    門脇ふみ:門脇ふみの侵蝕を8増加しました(侵蝕率:77->85)
    門脇ふみ:そして8だと余裕で自滅するので再リザ!
    門脇ふみ:門脇ふみの侵蝕を8増加しました(侵蝕率:85->93)
    GM:この場合だと、
    GM:最初のリザ復活でブラッドボムのレベルが上がるので
    GM:上がらねえわ
    GM:ボケました
    門脇ふみ:100からだぜ
    GM:演出どうぞ!
    門脇ふみ:侵蝕93!HP8へ!
    門脇ふみ:あ、一応硬直も付与です!
    門脇ふみ:「さて……高桐さん。」大地に零れ落ちる血達が、不気味に蠢き始める。
    門脇ふみ:「刀を使わなかったのは大正解ね。でももうひと捻り欲しかった」
    門脇ふみ:──返り血に塗れた青年の腕に、なにやら蠢く感触が伝わるかもしれない。
    門脇ふみ:肌ではない。
    門脇ふみ:……『袖』だ。
    門脇ふみ:『Frailty, thy name is ──』滴る血より。新たな文字が縫い込まれていく。
    門脇ふみ:──弱きものよ、汝の名は。
    門脇ふみ:『──clothes』(服なり。)
    門脇ふみ:びりり。
    門脇ふみ:文字通り、絹を割く音が響く。
    門脇ふみ:「その装束なら……『できる』と思うのよね。」
    高桐 理央:「…………試します…………か……?」
    門脇ふみ:「ええ。貴方の『矢筒』を探すくらいは。」
    門脇ふみ:伸び堕ちた絹糸が懐の矢を掴み。
    門脇ふみ:引きずり出された矢が。リザレクトも『しない』程度にアキレス腱を突き刺す!!
    高桐 理央:「ほう……?」脚の腱を破壊する衝撃。それをわざわざ、感覚で知るのでなく、目で追った。
    高桐 理央:武技を武器の一つとする者として、脚を奪われるということは、力の大半を奪われる事に他ならない。
    高桐 理央:されど、彼は嘯く。
    高桐 理央:「……あなたは、私の技を知る」
    高桐 理央:「あなたが〝門脇〟で……私が……〝高桐〟だから……」
    高桐 理央:「ならば……逆もまた……しかり……」
    高桐 理央:足の傷より噴き出した血が、逆流する。
    高桐 理央:矢を伝い、解れた袖の衣糸を伝い。そして〝支配権〟という見えぬ糸を伝い、新たな矢と化して門脇ふみへ!
    門脇ふみ:「──そうでしょうねえ。」これも覚悟はしていた。もう少しの我慢だ。
    門脇ふみ:体内に押し込まれたのかき乱す血を。固形状に纏めて掴みだす。
    高桐 理央:「……お互い……血は……武器となる……」
    高桐 理央:「もう少し……血みどろになりましょうか…………」
    門脇ふみ:「だから、一人じゃやりたくなかったのよね。」
    GM:では
    GM:手番、高桐 理央
    高桐 理央:マイナーで硬直を回復。おかげで移動ができないぜ
    高桐 理央:なのでメジャー、《コンセントレイト:オルクス》+《ディストーション》+《完全なる世界》 使用武器は素手の白兵攻撃、対象は十束しのぎ!
    高桐 理央:15dx7 命中判定
    DoubleCross : (15R10[7]) → 10[2,2,3,4,4,6,6,6,6,7,8,9,9,9,10]+10[2,3,4,7,9,10]+10[5,10,10]+6[6,6] → 36

    高桐 理央:回った
    十束しのぎ:ぎぇー。
    十束しのぎ:ガードで。
    高桐 理央:10+4d10 装甲ガード有効
    DoubleCross : (10+4D10) → 10+23[6,8,2,7] → 33

    十束しのぎ:ガード装甲で15弾いて18ダメージ。7点生存
    十束しのぎ:十束しのぎに-18のダメージ!(HP:25->7)
    GM:ではざっくり!
    高桐 理央:──踵を貫いた矢が、高桐 理央の手に戻る。
    高桐 理央:彼の能力は、門脇の家のそれに近い。支配権の行使──現代の分類に照らすならば〝オルクス〟。
    高桐 理央:恐ろしく近い間合いで、彼は矢を投げた。
    高桐 理央:投擲された矢は一度有らぬ方向へ飛び軌道を変化。背後から十束しのぎの首筋を狙う!
    十束しのぎ:「──ッ!」
    十束しのぎ:視界の外から襲う矢に寸前で反応、首筋を「剣」として硬化させる。
    高桐 理央:「おお…………」
    高桐 理央:「……ほう。これは、もしや…………」
    十束しのぎ:ザクリ、とヒトの身を裂き、しかしその下の鋼が軌道を阻み、致命への道を断つ
    十束しのぎ:「ッ、なんですか!」
    十束しのぎ:キュ、と唇を結んで、目の前の敵をキッと睨み据えた
    高桐 理央:「あなたも…………」
    高桐 理央:「よい〝かね〟になるかと…………思いまして…………」
    十束しのぎ:「気の、多い、方ですね!」
    高桐 理央:「材料が多くて…………困ることは……無いでしょうから…………」
    GM:では
    門脇ふみ:「ホホホ!止めといたほうがいいわよ高桐さん!」
    門脇ふみ:「今夜の私は彼女の引率も任せられていますからね!」
    GM:手番、十束しのぎ!
    十束しのぎ:はーい!
    十束しのぎ:接敵してるのでマイナーはなし。
    十束しのぎ:メジャーで【コンボ】:自己保全-『我は聖剣の護り手である』C:ソラリス + アドレナリン
    十束しのぎ:高桐さんに白兵攻撃
    GM:さあこい
    十束しのぎ:7dx7+1
    DoubleCross : (7R10+1[7]) → 10[1,2,2,4,5,7,9]+5[4,5]+1 → 16

    GM:これはいけるかな……?
    高桐 理央:ドッジ
    高桐 理央:6dx
    DoubleCross : (6R10[10]) → 9[3,5,6,7,9,9] → 9

    高桐 理央:無理だった! ダメージ!
    十束しのぎ:2d10+15
    DoubleCross : (2D10+15) → 16[8,8]+15 → 31

    十束しのぎ:装甲有効!
    高桐 理央:一度倒れる……が!
    門脇ふみ:※すみません、メジャーアクション分の侵蝕上げ忘れてました……(93→101)
    高桐 理央:E《不滅の妄執》! 戦闘不能を回避しつつシーンから退場させてもらう!
    十束しのぎ:十束しのぎの侵蝕率を+5した(侵蝕率:83->88)
    GM:という訳で演出をどうぞ
    十束しのぎ:十束しのぎの瞳の蒼が深く染まる
    十束しのぎ:首筋の負傷も忘れ、表情が薄く消え、その瞳の奥にシステマチックな光だけが灯る
    十束しのぎ:「『自己保全』」
    十束しのぎ:抑揚のないシステム音声が口からこぼれ、その素手の五指が鋼へと変貌していく。
    十束しのぎ:片足を下げ低い姿勢。ワンピースの裾がひらりと揺れて。
    十束しのぎ:「『我は聖剣の護り手である』」
    十束しのぎ:身体が弾ける。
    十束しのぎ:地面を踏みしめる音とともに、その素手による掌底が高桐の胴へと沈むと同時。
    十束しのぎ:五指に沿うように『聖剣』の斬撃が放射状に発生する!
    高桐 理央:最初の着弾で、〝仕留めた〟という手応えがあろう。
    高桐 理央:次の、五つの刃が放つ斬撃で、〝斬った〟という手応えがあろう。
    高桐 理央:それは全く、防ぐ手立てすら無いように高桐 理央の体に突き刺さり、その肉体を、
    高桐 理央:切断とまでは行かずとも、その一歩手前に至るまで深く切り裂いた。
    高桐 理央:「……おお」
    高桐 理央:赤々と、血が吹く。
    高桐 理央:この血すら、領域制御の媒介と支得るのが高桐、遡れば門脇の術理であるが、
    十束しのぎ:───殺しはしない。足は既に奪っている。四肢さえ奪えば、後は捕縛を…!
    高桐 理央:それを防ぎ得る手立ては既に、そこに立っている。
    高桐 理央:だが。
    高桐 理央:「…………溶かして、それから……どう、するのでしょうね……」
    高桐 理央:びちっ……と、水気のある音がした。
    高桐 理央:傷口が急速に収縮し、血を弾きながら塞がった。それに伴う異音であった。
    十束しのぎ:「何の、お話でしょうか」
    十束しのぎ:システム音声の口調で問いつつ、その音を聞く
    高桐 理央:「刀を打ったことは……無いもので…………」
    高桐 理央:「……試行錯誤が……必要かと…………存じます…………」
    高桐 理央:「あなたを材料に…………まず……試そうかと…………」
    十束しのぎ:「この状況から」
    十束しのぎ:「私を鋳溶かすおつもりで?」
    高桐 理央:「確かに…………手強いお二人ですが…………」
    高桐 理央:「あなた達は…………果てのある身…………」
    高桐 理央:「私は〝乗り越えた〟身です…………から…………」
    門脇ふみ:「…………」指を構え続ける。大地には既にいくつもの英文が刻まれている。
    十束しのぎ:問い、放ったもう片手を鋼と化して次の動きがあれば即座に振るう構え。
    高桐 理央:「……幾度でも……私を殺せばいい……私もあなた達を殺します…………」
    高桐 理央:「立てなくなるのが……どちらが先か……」
    高桐 理央:「そういう争いを……しましょう、か…………」
    門脇ふみ:「……悠長な話ね。『大切な人』も干からびてしまうのではなくて?」カン、と踵を大地に打ち付け。
    十束しのぎ:「貴方はそれを越えたと見ますか」
    十束しのぎ:「私はそれを、踏み外し落ちたと見ましょう」
    十束しのぎ:「果てなく存在したいと願うのなら……」
    十束しのぎ:「埋まってみますか?幾千年」
    高桐 理央:「…………ふふ」
    高桐 理央:「少し……今のは…………」
    高桐 理央:「愉快な冗談です…………」
    高桐 理央:くすくすと喉奥で笑いながら、ゆらり。
    高桐 理央:陽炎のように揺らめいて、再び彼は動きだそうと──
    竹垣 渉:「──今! 射てください!」
    GM:夜天に声が轟く。そして、
    GM:ざぁ、と雨のように振る、幾本もの矢。
    GM:その全てが、高桐 理央を狙っている。
    高桐 理央:「……お、ぉ?」
    高桐 理央:矢に貫かれながら空を見上げ、弧の角度から射出元を探らんと視線を巡らせるが、
    GM:それよりも速く。
    GM:あなた達の背後に。或いは高桐 理央の背後に、立つ者達がいた。

    エンゲージ
    七扇家 退魔士隊3・4

    10m

    高桐 理央
    門脇ふみ 十束しのぎ

    10m

    七扇家 退魔士隊1・2

    門脇ふみ:「──あらまあ、ご無事でしたのね。」
    門脇ふみ:「『七扇』の皆様!」
    高桐 理央:「……………………」矢傷はさして間を置かず再生する。だが。
    高桐 理央:忌々しげに歪められた表情は、こればかりは直ぐには戻らない。
    十束しのぎ:「あら」
    十束しのぎ:「そんなお顔もするのですね」
    竹垣 渉:「……お待たせしました。紆余曲折がありまして」
    竹垣 渉:「七扇家の手勢のうち、おおよそ半数、20名の方とのみ」
    竹垣 渉:「〝一時的〟と注釈こそありますが、話をつけてあります」
    高桐 理央:「…………七扇……なるほど……」
    高桐 理央:「結界破りは…………彼らの得意技…………でしたか……」
    門脇ふみ:「そして竹垣さんも!お元気そうで何よりですわ~!」
    GM:各々が退魔の刀を持ち、戦に備えて弓を携えて来た兵士達。
    GM:単独での能力の強度は、あなた達には劣ると言えど、彼らもまたオーヴァード──ワーディングで無効化することも叶わない。
    高桐 理央:「…………腹立たしい……ですね」
    門脇ふみ:くるりと囲む円陣と、逸れ者仲間『だった』者を見やる。
    高桐 理央:低い声で、彼は言った。
    高桐 理央:「直ぐに……また……殺しに戻ります…………」
    高桐 理央:「今は……一度…………背を向けさせてもらいましょう…………」
    高桐 理央:その言葉が終わらぬ内に、彼の体は、ばらばらと──薄紙となって崩れていく。
    高桐 理央:一冊の本を、強風の中で、閉じた紐を引き抜いたように。
    高桐 理央:多量の紙片となった彼は、いずこかへと噴き散らされていく。
    十束しのぎ:「────む」
    十束しのぎ:咄嗟につかもうとした紙片はするりと抜けて行く
    門脇ふみ:「ホッホホホ! 首を洗って待ってなさいな~!」ふてぶてしい笑み!
    門脇ふみ:(……ふう、辛うじて援軍が来て良かったわ)
    十束しのぎ:「…………むぅ」
    十束しのぎ:空の手を幾度か握った後。パチリと閉じて開いた目には光が戻っている。
    竹垣 渉:「…………」十束しのぎの、光を取り戻した目とは裏腹。彼女の顔には影が差している。
    GM:彼女が率いて来た──というと語弊があるやも知れないが──二十人からなる七扇の者達も、
    GM:決して勝利の高揚に浸っているような顔をしてはいない。
    門脇ふみ:「──さて。」(この状況において……一番ヤバいのは。)
    竹垣 渉:「……現状の確認を、させてください」
    竹垣 渉:「同時行動していた他三名は……どちらに?」
    十束しのぎ:「逃した……というには自惚れですか。えぇ、しかし」
    門脇ふみ:「そうですわね。」森の北側に目を向ける。
    十束しのぎ:「ありがとうございます、竹垣渉様。まずはお礼を」
    十束しのぎ:「そして他の方々は…」同じく目を向ける「別行動中ですね」
    竹垣 渉:「……いち早く合流しましょう。この村は、危険です」
    門脇ふみ:「三人は崖の底へ……向かっておりますわ。もう着いてるとは思いますが」
    門脇ふみ:「そちらも」「楽しい旅行とはならなかったようですわね」
    竹垣 渉:「そちら〝も〟ということは」
    竹垣 渉:「……何か良くないものでも、御覧になりましたか?」
    門脇ふみ:「ええ。UGNの皆様に『保護』をお願いしたい……『家族』が。」
    門脇ふみ:「二人ほど。」
    竹垣 渉:「それは……俺達と同じように、この村に囚われていた方ですか──」
    竹垣 渉:と、少し間を開けて
    竹垣 渉:「〝リードシート〟、現場の独断ですが提案があります」
    十束しのぎ:「はい、なんでしょうか?」
    竹垣 渉:「七扇家の目的は、この〝揺籠村〟の制圧」
    竹垣 渉:「……それに同調するのはいかがか、と」
    十束しのぎ:「制圧に協力する、ということですか」
    竹垣 渉:「はい。この村の住人は、ジャームではありませんが」
    竹垣 渉:「ジャームと同等に邪悪なものと、私は判断します」
    竹垣 渉:淡々とした口調でありながら、声音に怒りが滲んでいる
    竹垣 渉:「俺と彼らは、崖から投げ捨てられたのですよ」
    十束しのぎ:「崖から……ですか」
    十束しのぎ:七扇さんのことを思い出しつつ。
    門脇ふみ:「…………それはそれは。」微笑みが消える。
    竹垣 渉:「俺の認識し得た範囲にいたのが、彼ら二十名。まだ半数ほどが居たということですが」
    竹垣 渉:「生憎と、残りの面々の発見には至らず。或いは既に命尽きている可能性すら有る」
    竹垣 渉:「日和原さんと合流し、判断の統一を見てからですが──俺は、彼らとの協調路線こそ」
    竹垣 渉:「未来への憂いを残さない、最前の道と考えています」
    門脇ふみ:(……と言う事は、日和原さん達と入れ違いになったか)
    門脇ふみ:「まぁ確かに。『制圧』とやらが一番手っ取り早そうですが……」
    門脇ふみ:「もろ手を挙げて賛成はできませんわね、少なくとも…この場では。」
    十束しのぎ:「諸手を挙げて賛成、とは言えませんね」
    竹垣 渉:「……分かりました」
    十束しのぎ:「結論を出すにしても、竹垣渉様の言う通りに合流してからのご相談ということでよろしいですか?」
    竹垣 渉:「ええ、そうしましょう。あなた達の治療は、移動しながら行います」
    門脇ふみ:「……ありがとう。竹垣さん」
    GM:──では。
    GM:急に大所帯になってしまったあなた達は、再び村の北へと向かうだろう。
    GM:そこに彼らがいる筈だ。
    GM:……無論。高桐 理央が狙っている〝かね役〟も、そこへ同行させる事になるのだろうから、
    GM:彼があなた達を追って、再び姿を現す可能性もあろう。
    GM:警戒しつつも、迅速に。
    GM:あなた達は、征く。

    GM:ロイス取得のみ可能!
    門脇ふみ:ロイス保留で以上よ~!
    十束しのぎ:ロイス保留で~以上!
    GM:OK!

    マスターシーン:〝屋根斬り〟


    GM:──〝霧の神域〟に、さぁ、と風が吹いた。
    GM:真白の霧を掻き分けて吹きよせられたるは、透ける程の薄紙の束。
    GM:それはやがて折り重なり、一つの、ひとの形を成した。
    高桐 理央:「……七扇の手勢……UGN……」
    高桐 理央:「…………不意を突ければさておき…………いささかならず……手に余る…………」
    GM:霧の中を、彼は歩く。
    GM:この霧は結界の如きもの。視界を閉ざし人を迷わすものであるが、
    GM:陰陽道の流れを汲む術者なれば、彼にそのようなまやかし、さしたる役にも立たぬ。
    GM:門脇ふみが居たが故、あなた達が、目を開いたままで村に辿り着いたようにだ。
    GM:……高桐 理央は、探していた。
    GM:この霧の中、何処かに、骸がある筈だと。
    GM:村の、としかさの者を操り聞き出した。祭りの後、血を絞られた〝かね役〟の骸は、〝かみさま〟に捧げられるのだと。
    GM:ならば、何処かに。血を失ったとしても、なんらかの霊力が残る骸が。
    GM:骨でも、皮膚でもいい──あるのではないか。あるならば、武器に転用し得るのではないか。
    GM:そう思い、彼は探し歩いていた──
    GM:ひゅっ
    GM:霧が揺れた。
    GM:痛みは無かったし、触れたという感触も無かった。だが。
    GM:高桐 理央の首は、宙を舞っていた。
    高桐 理央:「な…………?」
    GM:首と、胴と、分かれて落ちた骸を一瞥したその男は、
    七扇 燎雅:「……高桐の小倅か」
    七扇 燎雅:「手間が省けたな」
    七扇 燎雅:血汚れの一滴も無い白銀の刃を鞘に収め、また霧の中を彷徨い始める。
    七扇 燎雅:行く先は遠いが定まっている。遠くで音が聞こえたのだ。
    七扇 燎雅:爆発音。白刃が打ち合い、火花を散らす音。
    七扇 燎雅:「ゆりかごむらを、殺し尽くす」
    七扇 燎雅:「……殺さねばならぬのだ」


    シーン8:迷い


    GM:シーンプレイヤーは日和原 要。他、任意登場可!
    陸奥 晴明:出ましょう
    陸奥 晴明:陸奥 晴明の侵蝕率を+5(1d10->5)した(侵蝕率:74->79)
    日和原 要:日和原 要の侵蝕率を+7(1d10->7)した(侵蝕率:86->93)

    GM:霧の神域──〝やしろ〟。
    GM:それは外目には小さな、何処かで見たようなつくりの建物だった。
    GM:少し記憶力に自信があるなら、その構造は断崖の上、〝刀場〟と良く似ていることが分かるだろう。
    GM:内に入ればそこは……呆れるほどに、広かった。
    GM:外と内で、空間がイコールで繋がっていないとでも言おうか。明らかに収まる筈の無い空間がそこにある。
    GM:木板の床の広間には幾つも棺が横たえられている。他に家具も無い。そういう場所だった。
    陸奥 晴明:「ふうっ……」
    陸奥 晴明:怪我した二人の応急処置を終え、とりあえず一息つく。
    陸奥 晴明:「やしろ、か……村で見た刀場みたいだと思ったけど」
    陸奥 晴明:「こんなに広いとはな……あの人の能力、なのかな」
    日和原 要:「何かの繋がりはある、のかもね。どちらが先か、どちらが元かは─少し踏み込んだ話に、なりそうだけど」
    日和原 要:手当を終えたあと、少し見て回ってくる、と席を立った青年が、ひょっこりと顔を出す。
    陸奥 晴明:「わっ」
    陸奥 晴明:落ち着いていた表情がころころと変わりだす。
    日和原 要:「ああ、ごめん。声が聞こえたからつい、ね」
    陸奥 晴明:「びっくりしたあ……おかえりなさい、日和原さん」
    陸奥 晴明:「ああ、いえ。ちょっと考え事してただけなんで」
    陸奥 晴明:「見回り、お疲れさまです、何か見つかりました?」
    日和原 要:「いいや、幸いと言うべきか、残念ながらと言うべきか、特には」
    陸奥 晴明:「そうですか……悪いものが見つかるよりは良い、のかな」
    日和原 要:「絵麻さんは、静かに瞑想してたけど、あれが彼女なりの休息なのかもね」
    日和原 要:ほんとはちゃんと休んでほしいけど、と。苦笑いめいた表情を浮かべて。
    陸奥 晴明:「休み方は人それぞれ、なんですかね。 その辺は任せたほうが良いのかな……」
    陸奥 晴明:「でも休むって言ったら、日和原さんもですよ」
    日和原 要:「僕は大丈夫、って言っても、うん。確かに、根拠が無いように思えるよね。─よし、じゃあ」
    陸奥 晴明:「根拠、というか……単純にこう、心配で」
    陸奥 晴明:「ん、はい?」
    日和原 要:「うん、若い子に心配をかけるのは、よくない。よくないから、ちょっとだけ話をしよう」
    日和原 要:並ぶ棺、その一つの横に、ゆっくりと腰を下ろす。
    陸奥 晴明:「話、ですか?」
    日和原 要:「そう、話。晴明くんのことで、気になることもあるしね」
    陸奥 晴明:「俺について……」
    陸奥 晴明:神妙な面持ちで、少し頭をかく。
    日和原 要:「支部長から聞いていたんだよ。優秀だけど、優柔不断な傾向がある、って」
    陸奥 晴明:「それは……はい。そのとおりだと思います」
    日和原 要:「優柔不断については、僕も人のことを言えた義理じゃあない。それに、物事を慎重に考えられる、っていう長所でもある」
    日和原 要:「─さて、晴明くん自身は、どうなのかな。きみは─」
    日和原 要:両手の指を互い違いに搦めて、眼前で組んで。
    日和原 要:「きみは、そんな自分自身が好きか、嫌いか。もしきみが、「そうなった」きっかけがあったのなら」
    日和原 要:「それを、きみは、覚えているかな」
    陸奥 晴明:問いにほんの少し、息を呑んで。
    陸奥 晴明:「……長くなるかもしれませんけど、良いですか?」
    日和原 要:「うん、聞くよ。手当をしてもらったお礼代わりになるかは、分からないけど」
    陸奥 晴明:「お礼なんてもらうようなこと、してないですけど……それじゃあ」
    陸奥 晴明:一瞬躊躇ってから、再び口を開く。
    陸奥 晴明:「相棒が居たんですよ、俺」
    陸奥 晴明:「同じチルドレンの仲間で、ずっとコンビでやってた奴が」
    日和原 要:小さな声で、うん、と。幾度か、相槌を打ちながら。きみの言葉に、聞き入っている。
    陸奥 晴明:「その頃の俺は……考えることも、迷うことも、なーんにもありませんでした」
    陸奥 晴明:「俺、もともと考えるの苦手で。やるって決めたら一直線で」
    陸奥 晴明:「難しいことはそいつに任せて、代わりに俺は最速で突っ走る」
    陸奥 晴明:「そういう役割分担をしてたんです」
    日和原 要:「そして、終わった後。また無茶をして、って怒られる。それとも、じっと睨まれるタイプの関係かな」
    陸奥 晴明:「両方、かなあ。……よくわかりますね」
    陸奥 晴明:「俺は、その役割に。疑問を持ちませんでした」
    陸奥 晴明:「俺たちの間ではそれが正しくて、ずっとそうして上手く行ってたから」
    陸奥 晴明:「……でも、駄目だったんですよ」
    陸奥 晴明:「そいつはずっと俺の代わりに、一人で考えて、迷い続けて」
    陸奥 晴明:「とうとう、耐えられなくなった。 崩落戦の時の話です」
    日和原 要:「─ひどい、戦いだったそうだね。オーヴァードも、そうでない人も、大勢犠牲になった。─ああ、そうか。きみたちは」
    陸奥 晴明:「ええ。でも俺たちのことは、遅かれ早かれ起きていたと思います」
    陸奥 晴明:「最後の引き金になっただけで……ずっと、様子がおかしかったから」
    陸奥 晴明:「気づいていたのに、俺は何もできなかった」
    陸奥 晴明:「……正しいことに甘えすぎて。自分では、何も考えられなくなっていた」
    陸奥 晴明:「だから……あいつに、」
    陸奥 晴明:「介錯を、頼まれたときも。迷うことすら、できなかった」
    陸奥 晴明:「もうだめだ、って本人は言ってたけど。 ……何の確認も、取れちゃいなかったのにね」
    日和原 要:「迷えなかったことを、後悔してる?」
    陸奥 晴明:「……はい」
    陸奥 晴明:「たとえ、同じ答えを出すことになったとしても」
    陸奥 晴明:「俺は、考えるべきだった」
    陸奥 晴明:「与えられることに、甘えるべきじゃなかった」
    陸奥 晴明:「今の俺にとってのきっかけは、それです」
    日和原 要:「そうか。─そのきっかけがあって、きみが、今も迷い続けているっていうのなら」
    日和原 要:「晴明くん。きみは、きっと大丈夫だ」
    陸奥 晴明:「……大丈夫、ですか?」
    陸奥 晴明:意外な言葉に困惑の表情を浮かべる。
    日和原 要:「うん。─晴明くん。生命活動の停止というのも、もちろん「死ぬ」ことだけれど」
    日和原 要:「人が誰かを忘れる時。人が誰もを忘れた時。それが、本当に「人が死ぬ」時だと思う」
    陸奥 晴明:「忘れた、時……」
    日和原 要:「きみは、覚えている。覚えて、悔いて、迷って、それでも生きている」
    日和原 要:「きみが生きて、迷い続ける限り。きみの隣にいたその子は、ずっと、きみの傍で─心の中に、生きている」
    陸奥 晴明:「心の、中で」
    日和原 要:「スタンド・バイ・ミー、ってね。─もちろん、死人が何かを語ることは、ない」
    日和原 要:そう言ってから、少しの間、目を閉じて。
    日和原 要:「けれどね。人が─あるいは、この世界に生きる、ヒトの形ならざる同朋が。誰かのために何かをしたいと願ったなら」
    日和原 要:「奇跡は起こる。僕は、それを知っている。オーヴァードも、そうでない人も、心が壊れていない限り」
    日和原 要:「無疵なる記憶を、誰もが持っている」
    陸奥 晴明:少し目を閉じて、受け取った言葉を何度も反芻して。
    陸奥 晴明:「さっきの……自分のことが好きか嫌いか、って。話ですけど」
    陸奥 晴明:「俺、いろんな人に優柔不断って言われて。コードネームも、皮肉混じりだったりするんですが」
    陸奥 晴明:「……結構、今の自分のこと、気に入ってるんです」
    陸奥 晴明:「迷ってばかりで、そのせいで色んな人に支えてもらってますけど」
    陸奥 晴明:「それでも……迷い続ける限り、霧江が俺の中に居るなら」
    陸奥 晴明:ほんの少し、考えて。
    陸奥 晴明:「……うん。やっていける気がするし、やっていきたいって思えます」
    日和原 要:「─僕が「大丈夫だ」って言う理由。分かってもらえたかな、これで」
    日和原 要:安心したように、微笑んで。
    日和原 要:「好きでも、嫌いでも。良い思い出でも、嫌な思い出でも」
    日和原 要:傍らの棺に、そうっと手を添えてから。床に手をついて立ち上がる。
    日和原 要:「今傍にいる人でも、もういない人でも。─その絆を、自分が覚えている限り」
    日和原 要:「僕らは何度でも立ち上がって、歩き出す」
    陸奥 晴明:「……ありがとうございます、日和原さん」
    陸奥 晴明:「正直、迷うことあるんですよ。今も。迷い続けること、そのものにも」
    陸奥 晴明:苦笑しながら、頭をかく
    日和原 要:「いいんじゃないかな。僕も、うん」
    日和原 要:「よく叱られるからね。現在進行形で」
    陸奥 晴明:「でも……聞いてもらって、そう言ってもらえて、楽になりました」
    陸奥 晴明:「……そっか。日和原さんにも、居るんですね」
    日和原 要:「ああ。もういない人が、ひとり。傍にいる人が、ひとり。─また会いたいと思う人が、ひとり」
    陸奥 晴明:「うん……じゃあ」
    陸奥 晴明:「何ができるか分からないけど……祈ってます」
    陸奥 晴明:「忘れないように、離れないように。……また、会えるように」
    日和原 要:「─そして、いつか、笑って話せるように」
    日和原 要:自分もきみも、と。小さく頷いて─。
    ???:「幸福者よな」と、声がした。
    日和原 要:「本当にね。─オーヴァードと言っても、心は、人のままだから」
    ???:広間に並ぶ無数の棺──木組みの粗末なものだが──の傍らに佇んで、いつのまにか、
    ???:それこそ霧のように、〝それ〟は居た。
    ???:「忘れられねば、本当の死ではない──か」
    ???:「ならば、なれの目に〝ゆりかごむら〟は、生きているように見えたか?」
    ???:「……私は、はて。生きているのか?」
    陸奥 晴明:「……とうまさん」
    日和原 要:「─僕の私見でいいかな」
    ???:「むしろ、それを聞いているのだ」
    ???:「というより。他に聞く相手なぞおらんぞ。人間の次に大きな生き物は、この森だと……そうさな、イノシシくらいのものか」
    日和原 要:「なら、遠慮なく」
    日和原 要:意外と鋭い軽口に、少し楽しそうな苦笑いを浮かべてから。
    日和原 要:「─揺籠村は、死にかけていた。60年─中の感覚なら5年ごとに繰り返し訪れる客人を暖かく迎える、それ自体は明るいものだけど」
    日和原 要:「それは、機能だ。生き方じゃあない。─きっと、外から介入を受けたら、ぼろぼろと崩れ落ちるものだ」
    日和原 要:「そして─あなたは」
    日和原 要:「─このまま忘れられることを、望んでいる。それが誰にとってもいいことだと思っている。そんな風に、僕には見える」
    ???:「ふふ」
    ???:「……そうさな。恐らくはそれが正しいのだろうよ」
    ???:「そも、〝ゆりかごむら〟は、忘れられる為に作られた」
    ???:「誰の手も届かぬ霧の中で、幸福に生き続けられるように」
    ???:「いつか外界に恒久の平穏来たりし時には、時の揺り籠の役を終えんとして、な」
    日和原 要:「恒久の、平穏。─けれど、そんなことは」
    ???:「それこそ、永遠に訪れぬ……か?」
    日和原 要:「今を生きる人間として、無理だ、なんて言わない。言いたくない。─でも、それはとても難しい」
    ???:「で、あろうよ」
    ???:「なに、分かっておるわ。……鬼に堕した女を諦められなんだ馬鹿な男の、哀れな夢よ」
    陸奥 晴明:「村のことに関しては……俺も、同じような意見です」
    陸奥 晴明:「でも、貴女は」
    陸奥 晴明:「七扇さんの名前を知って……聞いていましたよね。自分の、名前を」
    ???:「ああ、聞いたな」
    陸奥 晴明:「正しいかどうか、じゃなくて……誰かに、覚えていてほしかったなら」
    陸奥 晴明:「生きていたいって、ことなんじゃないですか?」
    ???:「……どうかな。それは、私には答えが出せぬ問いやも知れんよ」
    ???:「ただ、少し迷うておる」
    ???:「果ても無く思える程に永き時を閉ざして、隠し続けたこの村は」
    ???:「まだ、この形で続けるべきなのか?」
    ???:「或いは、そうではないのか?」
    ???:「……迷ったところで、選ぶ手立ても無いがな」
    ???:「さて──ひとよ」
    日和原 要:「─うん」
    陸奥 晴明:「……はい」
    ???:「なれと、連れと。はたしてどうする」
    ???:「ただこの村を去り、霧の中の夢として忘れ去るか」
    ???:「或いは──」
    GM:──足音が聞こえる。
    GM:幾つも、幾つもだ。
    GM:方向は、ひとつではない。
    陸奥 晴明:「……日和原さん」
    ???:「…………」
    ???:目を閉じ、懐より取りいだす、笛。
    ???:近づく足音を招き寄せるように奏で始める。
    日和原 要:「─ああ。忘れるか、心に刻むか。それを決めるためにも」
    陸奥 晴明:「ええ。迷うためにも……生きるとしましょう」
    GM:ひゅうぅ、と澄み渡る笛の音が、
    GM:泣き声のように喧しく、霧を掻き乱して、ひとを呼ぶ。
    GM:〝     〟が泣いている。

    GM:ロイス&調達可能!
    陸奥 晴明:ロイス保留、購入はどうしようかな
    日和原 要:晴明くんに「■連帯感/食傷」で!購入は無しでいいかな…。
    陸奥 晴明:バックラーでも狙いましょうか、購入8
    陸奥 晴明:2DX+4+0@10>=8 調達
    DoubleCross : (2R10+4+0[10]>=8) → 9[8,9]+4 → 13 → 成功

    陸奥 晴明:成功!装備します。ガード値2
    陸奥 晴明:以上!
    日和原 要:こちらも以上で!

    クライマックス


    GM:全員登場。追加で、アイテムのやりとりとかあるなら登場して直ぐ、描写前にやっちゃおう。
    GM:たぶん後でやろうとすると高確率でGMが忘れるぞ。
    陸奥 晴明:ありがたい!
    日和原 要:イエッサー!
    陸奥 晴明:陸奥 晴明の侵蝕率を+5(1d10->5)した(侵蝕率:79->84)
    日和原 要:日和原 要の侵蝕率を+9(1d10->9)した(侵蝕率:93->102)
    門脇ふみ:はーい!
    門脇ふみ:門脇ふみの侵蝕を6増加しました(侵蝕率:101->107)
    七扇・T・絵麻:98+1d10
    DoubleCross : (98+1D10) → 98+7[7] → 105

    十束しのぎ:十束しのぎの侵蝕率を+4(1d10->4)した(侵蝕率:88->92)
    陸奥 晴明:えー、アイテムこちら、応急手当キットが2つあります
    陸奥 晴明:しのぎちゃんが医療トランク持ってましたね確か
    門脇ふみ:回復アイテムは特にないし、死ぬこと前提ビルドだから他の人優先で大丈夫よ~
    日和原 要:自分も、最低限のHPは確保できているので、優先度低くて問題なく。
    陸奥 晴明:私は最大値
    十束しのぎ:一応ガード値とかのあれもあるので回復したらワンチャン…耐えられないかしら…
    陸奥 晴明:じゃあしのぎちゃんが使います?
    陸奥 晴明:七扇さんはどうかしら
    七扇・T・絵麻:余ったのならば貰いましょう
    十束しのぎ:使わないのももったいないしあるなら使っておきましょう。
    七扇・T・絵麻:じゃあしのぎちゃん優先で
    陸奥 晴明:ではどうぞ
    十束しのぎ:自前のトランクも使うか
    十束しのぎ:7+2d10 トランク
    DoubleCross : (7+2D10) → 7+12[6,6] → 19

    十束しのぎ:19+2d10 キット
    DoubleCross : (19+2D10) → 19+16[6,10] → 35

    門脇ふみ:全快!
    十束しのぎ:最大値になったから残り一つは七扇さんだな
    七扇・T・絵麻:では戴きましょう
    十束しのぎ:十束しのぎのHPを18回復(HP:7->25)
    七扇・T・絵麻:3+2d10
    DoubleCross : (3+2D10) → 3+12[3,9] → 15

    七扇・T・絵麻:まあまあ
    陸奥 晴明:アイテムのやりとりはこんな感じで大丈夫かな?
    GM:よし

    GM:──笛の音が聞こえる。
    GM:門脇 ふみ、十束 しのぎ。あなた達は霧の底へと降り立った。
    GM:竹垣 渉や七扇家の退魔師達は、少し遅れて追随している。
    GM:〝かね役〟とされたハナと、ハナの子の護衛の意味も兼ねてだ。

    GM:──笛の音が聞こえる。
    GM:そして人の声も、足音も。
    GM:七扇・T・絵麻。あなたは瞑想から目覚めるだろう。
    GM:傍らには、今まで眠りこけていた七扇ほむらが、
    GM:近づく者の気配に何を感じたか、幾分か強ばった表情をしている。

    GM:笛の音が止む。
    GM:或いは目覚め、或いは辿り着く。或いは最初からそこにいた。
    GM:あなた達五人は再び、霧の〝やしろ〟にて再会を果たす。
    GM:……十束しのぎには少しばかりの、〝見覚えがある程度の誰か〟の違和感だけを残して。
    ???:「……集まったようであるぞ、〝客人〟が」
    七扇・T・絵麻:瞑想を終え、立ち上がる。
    十束しのぎ:「(おや……)」その顔に、うっすらと既視感を覚えるのも一瞬。
    陸奥 晴明:「……! 十束さん、門脇さん!」
    日和原 要:「ああ、無事でよかった。─と安堵するのは、まだ状況が許してくれないかな」
    十束しのぎ:「皆様、ご無事だったようで安堵しました」
    門脇ふみ:僅かばかり霧が薄れた先より、妙齢の婦人が歩み出る。
    門脇ふみ:「──日和原さん!絵麻さんに陸奥君も!」
    陸奥 晴明:「そちらも、とりあえずは無事で何よりです」
    日和原 要:「─まずは、手短に。村とこちら、それぞれで何があったかを、話そうか」
    日和原 要:いいかな、と。自分以外の来訪者4人、とりわけ絵麻さんに、順に視線を。
    陸奥 晴明:「そうですね。話すことも、聞かなきゃいけないこともありますし」
    七扇・T・絵麻:「…全員揃ったようね」
    GM:──では。
    GM:あなた達は、些か手短にはなろうが、情報を交換したことだろう。
    GM:村で何が有ったか。霧の中で、何が有ったか。
    七扇・T・絵麻:「意志統一は、必要ね。」
    ???:〝とうま〟とばかり名乗る、ひとでないものとの邂逅のことも。
    ???:「大所帯になったものじゃのー」愉快そうに肩を揺らして笑い、
    ???:十束しのぎの方へは目配せをして、片目をパチッと瞑って見せる。
    ???:……その仕草に含まれた意味も、今はまだ、明瞭に思い出すのは難しかろうが。
    門脇ふみ:「そちらの方がとうまさんね!よろしくお願いしますわ~!」
    十束しのぎ:「…………?」真似をしてパチリ、と片目を閉じる。
    十束しのぎ:失敗して両目が閉じる。
    ???:「よろしく、か。答え次第では、そうならぬやも知れぬぞ」
    ???:「なれらも、この棺の住人達と同じように。時を止めて、いつかの目覚めを待つか」
    ???:「或いはこの身を殺して奪う賊徒に成り果てるやもしれんのだ」
    ???:「……さて、問おうか」
    ???:〝それ〟は、あなた達五人を一度に視界に収め得る箇所に立ち、
    ???:「なれら、何を求めてこの地に来たりて、今また何を求めんとする?」
    日和原 要:「─僕は、僕たちはUGNだ。僕たちが「やるべきこと」は、世界のどこであっても、変わらない」
    日和原 要:「変わってしまった世界で、傷付く人がひとりでも少なくなるよう。レネゲイドが─かつては怪異と呼ばれていたモノが、誰かを傷付けることがないよう」
    日和原 要:「護り、戦い、そして生きる」
    門脇ふみ:「……未知なる地と。そこに埋もれた営みを知る為に降り立ち。」
    門脇ふみ:「見定めさせて頂きましたわ。この村は。もうすぐ命を終える。」
    門脇ふみ:「私は……ここで新しく抱えた『約束』を。護りたいと思っております」
    門脇ふみ:「どういう形であれ、この村に変わるべき時が来ていますの」
    陸奥 晴明:「この村に来た時はまだ……何をすべきか、分かりませんでした。でも」
    陸奥 晴明:「ここの人達は今、誰かにもらった正しさに寄りかかって生きている」
    陸奥 晴明:「それは、楽なことかもしれないけど。とても恐ろしくて、危ういことです」
    陸奥 晴明:「このままじゃいけない……自分で考えて道を決めるべきだと、俺は思います」
    十束しのぎ:「私がここに赴いたのは任務です。が、」
    十束しのぎ:「今の私は、『助けてほしい』と請われ、それに答えるつもりです」
    十束しのぎ:「そのためにどうするか。私にはまだ分かっておりませんが、えぇ」
    十束しのぎ:「困難を切り開くのが聖剣としての私の役目だと思いますので」
    七扇・T・絵麻:「私は退魔師なので、やるべきことは一つ。」
    七扇・T・絵麻:「やむをえず少数を斬り捨てることはあれど、人を贄にする時代は終わり。とこしえの平穏のために犠牲を出さずとも生きていける社会にはなりました。」
    七扇・T・絵麻:「血に濡れた揺り篭は仕事を終えました。故に、この輪廻を終え、新たなる贄をこれ以上産まぬよう我々は務めることとします。」
    七扇・T・絵麻:「もとより退魔の本質は、健全たる命を取り戻すことです故。」
    ???:「さよう、か」
    ???:「……ああ。思えば随分と長い時が過ぎたな」
    ???:「前の祭りの時にも、驚いていた様子ではあったよ。人を贄とするなぞ、な」
    ???:「時の流れから我が身を切り離したが故に、この村は」
    ???:「とうの昔に置き去られて──」
    GM:──あなた達は、
    GM:何も繕わず、隠しもせぬ殺気を帯びた者が近づいてくる気配を、背に知るだろう。
    GM:足音は無い。衣ずれの音も無い。
    GM:刃を振るうに躊躇も無い。
    七扇 燎雅:「──ぬるいぞ、UGN」
    七扇 燎雅:「ぬるいぞ、七扇本家筆頭」
    七扇 燎雅:大半の者には、知らぬ顔であろう。
    七扇 燎雅:或いは市内の名家に関して、幾分かの知識を持つなら、見覚えがあろうか──という程度だ。
    七扇・T・絵麻:「燎雅の叔父様」
    七扇・T・絵麻:敢えて、親族としての呼び名を呼ぶ
    門脇ふみ:「あら──もしや七扇のお方?」
    七扇 燎雅:しかし。その居住まい、足運び。既にして〝やしろ〟の全てを射程に納めている──
    日和原 要:「─ああ。絵麻さんの縁者。なら、この圧も納得だ」
    七扇 燎雅:「……そういうお前は、門脇の鼻つまみものか」
    七扇・T・絵麻:「ほむらの父。七扇の…まあ、偉い人よ」
    七扇 燎雅:目の動きのみで、あなた達を睨め付け、
    十束しのぎ:「それはそれは。先程の皆様とは違った面持ちですね」
    七扇・T・絵麻:「強いわよ」
    陸奥 晴明:「ぬるい、とは」
    七扇 燎雅:「この村にいきるものを、人と思うか」
    陸奥 晴明:「貴方は、俺達とは別の道を選ぶと?」
    七扇・T・絵麻:「人でしょう。」
    七扇 燎雅:「或いは見たものもいるだろう。あの悍ましき〝祭り〟の様を」
    門脇ふみ:「そうみたいね。」ひりりと来たる殺意。
    門脇ふみ:「確かに。あれはもう終えるべき因習よ。」
    門脇ふみ:「それでも。私は『ひと』を目にしておりますわ。」
    七扇 燎雅:「否」
    七扇 燎雅:「……絵麻よ。本家筆頭とは言え、お前は腰が軽い」
    七扇 燎雅:「だから知らんのだ、七扇の家の恥を」
    七扇・T・絵麻:「恥、と」
    十束しのぎ:「なにか、ご存知のようですね?」
    七扇・T・絵麻:「何分恥の多い半生を送っておりますが、家の恥とは。この場で該当するようなものは皆目存じ上げませぬ」
    七扇 燎雅:「我らは魔を断つもの。人の世と魔の域の境に立つもの」
    七扇 燎雅:「……だが。そのさかしい頭ならば、既に気付いておろうが」
    七扇 燎雅:「いにしえに一人、居たのだ。愚かにも道を違え、魔に与して果てへ逃れた男が」
    七扇 燎雅:「かの愚者が為に、我ら七扇の血は時を隔てて──」
    七扇・T・絵麻:「……」先程聞いた名前
    七扇・T・絵麻:「七扇藤間」
    七扇 燎雅:「……知っていたのか?」些か怪訝そうな顔をする
    七扇・T・絵麻:「先程耳にしたもので。」
    七扇 燎雅:「ならば、これは知っているか」
    七扇 燎雅:「……その忌々しき名は、よりにもよって……」
    七扇 燎雅:憎悪と怒りに声が震えている。息を吸い、それを沈めて、
    七扇 燎雅:「ジャームと成り果てた女に、子を生ませたのだ」
    七扇・T・絵麻:眉をひそめる
    門脇ふみ:(お熱い事。)
    十束しのぎ:「お子を、ですか」
    七扇 燎雅:「……明らかになったのは六十年も前。七扇の家のものが〝ゆりかごむら〟に迷い込み、戻り来てよりだったが」
    七扇 燎雅:「その言を聞いた者達の、私の、憤りが分かるか」
    七扇・T・絵麻:「………」
    七扇 燎雅:「退魔の家たる七扇の血が、こともあろうに化生の血と混ざり合って、異界にて引き継がれている」
    七扇 燎雅:「……不出来な刀を作る為に、薄くとも我らの血を引く者が殺されていると!」
    七扇・T・絵麻:「故に、根切りをと」
    七扇 燎雅:「そうだ。我が祖父の代よりの悲願であった」
    七扇・T・絵麻:「…ねえ。」みんなに振り返って
    十束しのぎ:「なんでしょうか、七扇絵麻様」
    七扇・T・絵麻:「昔の親族の人がさ、まあジャームなのは流石にまずいとはいえ子供を作って、今まで家系を繋いでるの、そんなに気にすることじゃないわよね」
    七扇・T・絵麻:「婚姻も子を作るのも人の権利よ」
    七扇・T・絵麻:「でもって、生贄に関しては、昔の倫理観からすればあってもおかしくはないもので」
    七扇・T・絵麻:「こと現代に当たって、それを罪として処断する行いは是と思う?」
    GM:その問いに、真っ先に応じたものは
    七扇 ほむら:「…………」首を振りながら一歩前へ進み出た、白髪の少女。
    七扇 ほむら:「そうやって……家を、血脈を、って執着して幸せになった人なんて、いません」と、言い切った。
    七扇・T・絵麻:「…末裔たる2人が、否と。」
    七扇・T・絵麻:頷き返して、叔父を見据える
    七扇・T・絵麻:無論自分も含めて
    七扇・T・絵麻:「だいったい」
    七扇・T・絵麻:「倫理観がヤクザと変わりないじゃないの。血のあるなしで根切りとか、この現代に持ち込める価値観だと思ってるわけ?」
    七扇 燎雅:「…………」眉間に皺の寄った表情は変わらないが、幾分か口が開いた──呆気に取られたような顔。
    七扇 燎雅:反論される、という事態になれていないが為だ。
    門脇ふみ:「ええ、ええ。全くもって。」
    門脇ふみ:「真面目に聞いてみれば─本当にくっっっだらない理由ですわね!」
    門脇ふみ:「今の理由で褒められるのは精々『おじいちゃん想いの良い孫』くらいですわよ、叔父様!」
    門脇ふみ:「そんな理由で動くのを他の七扇の皆様に秘密にしたいのも納得ですわね!ホッホホホ!!!」
    門脇ふみ:徹底的に煽る!少しでも剣を鈍らせる建前とややこしくした私怨を込めて!
    日和原 要:「─あなたが私怨に凝り固まった人なのか、歴史ある家の汚点を雪ぐ義務感を背負った人なのか。申し訳ないけど、僕には分からない」
    日和原 要:「ただ、どちらであっても。─あなたは、対話する、という選択肢を最初から持っていない。そう、見える」
    日和原 要:「─あなたは。彼らを人と思うか、と僕らに問うた。なら、自信をもってこう言うよ」
    日和原 要:「互いに語らう術を忘れない限り、僕らは人だ。─人は、対話し、記憶する生き物だ」
    日和原 要:「だから、僕らも、あの村の人も。─そして、あなたが、対話することを思い出してくれるなら」
    日和原 要:「みな、人だ」
    日和原 要:腕に巻かれた、赤く染まった包帯を解いて。光を反射する、鮮やかな血が、とろりと流れ出す。
    陸奥 晴明:「仮に貴方の言うその人の行いが、罪であったとして」
    陸奥 晴明:「子や孫にまで罰を迫るなんて、それこそ時代遅れの話でしょう」
    陸奥 晴明:「それに、この村には。そんな歴史も因習も、まだ何も知らない子が居るはずです」
    陸奥 晴明:「それを斬ることを、貴方は……迷いなく、正しいと言えるんですか?」
    十束しのぎ:「家系のお話、親族のお話は私にはわかりません。ので口を挟む幕はないでしょうが」
    十束しのぎ:「多くの命を奪うなら、止めざるを得ないでしょうね」
    十束しのぎ:「私は聖剣であり、そして」
    十束しのぎ:「人を守る楯、だそうですので」
    七扇 燎雅:「……だからぬるいと言ったのだ」
    七扇 燎雅:低い声で、呟くように言う。怒り、苛立ち、そういうもので、手の甲に血管を浮かばせながら。
    七扇 燎雅:手は腰の刀へと伸びて──ほんの一瞬ばかりの逡巡、
    GM:その合間に、
    ???:「……燎雅、と言うたか」
    ???:「なれや、我が真名を知るものか?」
    ???:と、問う。
    ???:機能、と評する言葉があった。あれは正しい。
    ???:〝これ〟は己が意思がどうあろうと、その上位にひとつの規則を定めている。
    七扇 燎雅:そして、
    七扇 燎雅:「無論」
    七扇 燎雅:「その姿こそ、ひとのように紛れていようと。名を違えることはない」
    七扇 燎雅:「お前の名は──」
    七扇 燎雅:「……………………」
    七扇 燎雅:「…………?」
    GM:奇妙な沈黙があった。
    七扇 燎雅:当然知る筈の名を、告げることが出来なかった困惑。
    ???:ついに己が名を知るものが現れたかという、安堵と諦観の混ざり合った感情。
    GM:声がする。
    GM:きっと、聞き覚えのある声がする。
    :「──汝は」
    ???:「……! ま、待てっ!」
    ???:何に思い至ったか。〝それ〟は焦り、裾を乱して〝やしろ〟の中を駆け、外にいるだろう声の主を探さんとした。
    :だが、もう遅い。
    :「そうあれかしと願われて血を流す〝つるぎ〟なり」
    :「千二百年の時に研磨されて残った〝いのり〟なり」
    :「やがて来たりし日には、世を覆う病の一切を断ち、」
    :「以て我が大望成就す礎となるべし〝ちから〟なり」
    :……門脇 ふみ。あなたならば、分かるだろう。
    :もっとも基本的な術であり、そうであるが故に、数多の術の根幹を成す思想。
    :支配する手段の、きっと、最もシンプルでありながら強く縛り付ける形は、
    :「弱きものよ、汝の名は──〝病み喰らい〟なり」
    :名を与えることだ。
    ???:……真名を知らぬものに、容易に支配されぬ為の、名の秘匿であった。
    ???:それが何時しか口伝の変遷を呼び、誰も〝それ〟の名を知るものはいなくなっていた。
    ???:〝病み喰らい〟という名で呼ばれるものは、
    ???:断じて、千二百年も前に産み出された一振りの刀ではない。
    ???:それは六十年前。
    ???:或いは五年前──先の祭りの日にようやく死に至った、ある女の名である。
    ???:共同体の話を乱す〝病〟に冒されたものを喰らい続けた、とあるジャームの名である。
    ???:「ぁ──」
    GM:小さな声がして、〝それ〟は、消えた。
    GM:……大気が熱を帯びていく。
    GM:暑い。まるで夏のようだ。
    GM:いいや。
    GM:熱い。まるで炉の傍に居るようだ。
    GM:あなた達の立つ箇所からも、戸口から〝やしろ〟の外は見えるだろう。
    GM:気温の上昇に伴い、霧が晴れていく。
    GM:突如、あなた達の体を突き抜ける衝撃。
    GM:それは恐らくは、幾度も繰り返して習い覚えた心地であろう。
    GM:強烈な妄執が波となり、あなた達の体内のレネゲイドを喚起する。
    GM:衝動侵蝕! 目標値は9!
    門脇ふみ:なっばっ
    陸奥 晴明:10DX+1+0@10>=9 意思
    DoubleCross : (10R10+1+0[10]>=9) → 7[3,3,4,4,4,4,4,6,7,7]+1 → 8 → 失敗

    陸奥 晴明:ミスってやがる!暴走!
    陸奥 晴明:陸奥 晴明の侵蝕率を+14(2d10->8,6)した(侵蝕率:84->98)
    日和原 要:うおーッ!!
    七扇・T・絵麻:4dx
    DoubleCross : (4R10[10]) → 10[4,6,8,10]+8[8] → 18

    門脇ふみ:8dx>=9
    DoubleCross : (8R10[10]>=9) → 9[2,3,5,6,6,7,7,9] → 9 → 成功

    日和原 要:5dx>=9
    DoubleCross : (5R10[10]>=9) → 10[4,4,5,8,10]+10[10]+10[10]+5[5] → 35 → 成功

    十束しのぎ:ヒューマンズネイバー+思い出の一品 衝動判定の判定ダイス+1個、達成値+1
    日和原 要:!?
    七扇・T・絵麻:清冽たる意志
    GM:35
    門脇ふみ:UGNスゴイカタイイシ
    GM:コンセ噛んでもあまりいかぬぞ
    日和原 要:攻撃で出てくれ、この出目。
    七扇・T・絵麻:105+2d10
    DoubleCross : (105+2D10) → 105+12[9,3] → 117

    十束しのぎ:6dx+5>=9
    DoubleCross : (6R10+5[10]>=9) → 8[1,3,6,7,7,8]+5 → 13 → 成功

    日和原 要:ともあれ。
    日和原 要:102+2d10
    DoubleCross : (102+2D10) → 102+9[4,5] → 111

    日和原 要:111!OK!
    十束しのぎ:十束しのぎの侵蝕率を+3(2d10->2,1)した(侵蝕率:92->95)
    門脇ふみ:107+2d10
    DoubleCross : (107+2D10) → 107+11[5,6] → 118

    十束しのぎ:何だその落ち着き。
    門脇ふみ:ウゲーッ!!!
    GM:よし
    GM:では、少し描写。

    GM:──消えた。
    GM:あなた達の目の前で、ふうっと、まるで周囲に満ちる霧の一部になったかのように。
    GM:いや、霧は晴れた。だから、もはや何も痕跡を残さず、
    GM:〝とうま〟と名乗っていた何者かは、消えてしまった。
    GM:代わりにあなた達が知るものは、
    GM:強烈な、熱だ。
    GM:それは〝やしろ〟の外に在り、今も尚、少しずつ熱量を増している。
    日和原 要:「な─に?」
    陸奥 晴明:「今の、声は……何が、」
    十束しのぎ:「……これは……?」
    七扇・T・絵麻:「……行きましょう。」
    七扇・T・絵麻:何が待ち受けようとも、やるべきことはとっくに腹の底で固まっている
    七扇・T・絵麻:「この目で何があったかを見定め、そして斬る」
    十束しのぎ:「………そうですね、放っておくわけにも行きません」
    門脇ふみ:「──そうみたいですわね。」やれやれ、と額に手を当てて。
    陸奥 晴明:「……はいっ!」
    七扇・T・絵麻:「私が普段やってきたことと代わりはないわ。」
    七扇・T・絵麻:零下の冷たさを持つマグマのような、冷たく熱いドロドロの嫌悪感を感じている。相当な化生の気配
    日和原 要:「─そうだね。そして」
    日和原 要:「やるべきことをやって、還る。家に帰るまでが任務、だからね」
    門脇ふみ:「私たちが訪れた事で崩れ始めたというなら、結末を見届ける位はしなくては。」
    門脇ふみ:ばさりと最後のノートを取り出し、空いた指を噛み切る。
    GM:ならば。
    GM:あなた達は、〝やしろ〟の外に出る。
    GM:霧の晴れた〝神域〟は、何処までも続く山の中に在った。
    GM:人工物など存在しない。
    GM:きっと、ほんの二百年も前には、世界はこういう形をしていた。
    GM:随分遠くまで見通すことが出来るだろう。
    GM:そして。
    GM:……その、随分遠くの山から、だんだんと、あなた達の方へと
    GM:〝真っ赤に灼けて溶けた鉄の川〟が流れてくる。
    七扇・T・絵麻:「…それが、血か!」
    七扇・T・絵麻:「村を守るために刀と化した血が、それなのか!」
    門脇ふみ:「……なんともまぁ。」
    :「……恐ろしいものです…………伝承、とは…………」
    :「ひとつ、ふたつ、間違えただけで…………このようなものを創り出す…………」
    :「きっと……村の者達は……村を守れと祈り…………血を……」
    :「刀を捧げたのでしょうね…………」
    GM:灼鉄の川は山を登り、山を降る。
    GM:その中に住む獣を、鳥を、虫を飲み込み、
    GM:木々を、灰すら残らぬ程に焼き尽くして腹に収める。
    GM:それはあたかも巨大な怪物が、山を貪り喰らうようだった。
    門脇ふみ:「──それでは、貴方の悪あがきの感想をお聞きしようかしら。」
    門脇ふみ:「高桐理央。」
    高桐 理央:「…………胸が……高揚します…………」
    高桐 理央:その少年は相も変わらず陽炎のような存在感で、あなた達から幾らか離れた、だが案外に近い位置に現れた。
    七扇・T・絵麻:「これが、目的だったと。」
    七扇・T・絵麻:「この力を手にすることこそが、貴方の本懐だったと言うのか」
    高桐 理央:「……本当ならば……今年の祭りの血も…………吸わせたかったのですがね…………」
    高桐 理央:「邪魔が入りましたことは…………残念です…………より強く生まれたでしょうに…………」
    高桐 理央:「ですが…………」
    高桐 理央:「……生まれた時から……完全でなくとも良い…………」
    高桐 理央:「〝育つ〟でしょうから…………」
    GM:……川の流れは、捻れ曲がる。
    GM:やがて幾つもの山を焼いた大量の熱源は、高桐 理央の後方に集束した。
    GM:地盤を溶かしクレーターを形成し、その中へ流れ込み、灼けた鉄の池となり。
    GM:周囲の温度を更に上昇させながら──
    日和原 要:「─なるほど、確かに。これなら、ただ一振り、ただ一度で十分だ」
    陸奥 晴明:「ええ、十分に……最悪、だ」
    門脇ふみ:「そう」「……これは。個人的な所感ですけれど」
    高桐 理央:「……聞きましょう」
    高桐 理央:「悪党に身を委ねたからには…………こう言ったほうが良いですか…………?」
    高桐 理央:「〝冥土の土産に〟と…………」
    門脇ふみ:「ふふふ。こんなド派手な剣を人に使うというならば」
    門脇ふみ:「その人が生き返る前に死体ごと燃え尽きちゃうと思いますわ~?」傲岸不遜!
    高桐 理央:「…………ふふ…………ふふふふ…………」
    高桐 理央:「ふふ……はは……あははははは……!」
    高桐 理央:「これで終わりと思いましたか……?」
    GM:これは、何か。
    GM:千二百年前に分かれた七扇の血──薄まりはすれども、浄化という行程を経ずとも、
    GM:それでも真似事のように集められた鉄。怨念と共に生まれた刀。
    GM:そういうものから生まれた、いわばレネゲイドビーイングの如きものであるが──
    GM:今問うているのは、そのような分類の話ではない。
    GM:灼けた鉄を一所に集めたるはなにゆえか、ということだ。
    GM:……溶鉄の池の水面が、粘性高く流れながら突き上がった。
    病み喰らい:それは、馬鹿げて巨大な──
    病み喰らい:もはや何とも言えぬ形の物体だった。
    病み喰らい:表面に血管の浮いた、巨大な鉄の塊。これが恐らく、もっとも形容するに相応しかろうが、
    病み喰らい:それは脈動しているのだ。
    七扇・T・絵麻:「そうか」
    高桐 理央:「ええ」
    七扇・T・絵麻:視界のほぼ全てを埋め尽くす質量。片手で足りる数の人間が制圧出来るものとは到底思えぬそれを目にしようと
    七扇・T・絵麻:七扇の中にある“正しき行い”は小揺るぎもしない
    七扇・T・絵麻:「言葉はそれだけか。」
    高桐 理央:「ええ…………後は…………」
    高桐 理央:「後は全て……喰らうだけでしょうから…………」
    七扇・T・絵麻:「ならば当方もまた布告しよう!」
    七扇・T・絵麻:「今日、私は目をそむけた過去と対峙した!世を飲むような自嘲と悔恨の雨を背負い、私はこの場にいる。この手にその証を携えて!」脇差の如く身につけている、もう一本の退魔の刃
    七扇・T・絵麻:「過ぎた過去を取り戻さんとすること程無常なるものは無い!だが同時に無常なるからこそ未来への戒めたりうる!過去へ唾をかけ、自らのみのために奪い取るその行い、断じて見過ごすこと能わず!」
    七扇・T・絵麻:「然らば私は戦おう!過ぎ去りしものに縋り、今を貪り、未来を食いつぶす。醜く肥え太った積年の怨恨、あるいは我が身のありえた影として、この七扇が手討ちにいたす!」
    七扇・T・絵麻:「……そして終わらせよう、世界から切り離されし村よ。人の命を食らわずとも、世は既に豊かさに満ちている。野を降り、そして尽くを改める時は今ぞ。」これだけは静かに
    七扇・T・絵麻:「七扇本家、T(テレジア)・絵麻!推して参る!」
    高桐 理央:「終わらせては…………なりません…………」
    高桐 理央:「〝ゆりかごむら〟は…………あの、忘れられたる〝つるぎ〟は…………」
    高桐 理央:「私達のささやかな願いのため…………燃やし尽くすのですから…………」
    病み喰らい:赤熱した鉄塊が蠢く。
    病み喰らい:表面に波打つ、血管の如き部位のひとつひとつが、あたかも軟体生物の触腕のように蠢き、地面に食い込み、
    病み喰らい:ずるずると我が身を引きずり、あなた達の方へと。
    高桐 理央:「あなた達の……血も…………病に満たされている…………」
    高桐 理央:「……喰らわれて、ください」

    ラウンド1



    エンゲージ
    〝病み喰らい〟
    高桐 理央

    10m

    七扇・T・絵麻
    門脇ふみ
    日和原 要
    十束しのぎ
    陸奥 晴明

    GM:セットアップ!
    七扇・T・絵麻:なし
    門脇ふみ:《ファンアウト》を使用するわ!
    陸奥 晴明:ヒュー!
    門脇ふみ:私以外の人は戦闘移動しなさい!拒否可能!
    門脇ふみ:侵蝕122へ!
    十束しのぎ:女王の降臨 + 狂戦士 対象が次に行うメジャー判定のC値-1(下限6),ダイス+12個。自身へ。
    十束しのぎ:十束しのぎの侵蝕率を+10した(侵蝕率:95->105)
    七扇・T・絵麻:私はPCエンゲージと病み喰らいエンゲージのちょうど中央、5m地点へ
    日和原 要:では、自分も移動。七扇さんとは別の、PCエンゲージと病み喰らいの中間、5m地点へ。
    十束しのぎ:病み喰らいにエンゲージ。
    陸奥 晴明:では2mほど前に出てセットアップエフェクト
    陸奥 晴明:自身を対象に<原初の黄:活性の霧>。攻撃力+18、回避ダイス-2 コンボ:オーバードライブ
    GM:すると

    エンゲージ
    〝病み喰らい〟
    高桐 理央
    十束しのぎ

    5m

    七扇・T・絵麻 2m 日和原 要

    3m

    陸奥 晴明

    2m

    門脇ふみ

    陸奥 晴明:陸奥 晴明の侵蝕率を+3した(侵蝕率:98->101)
    GM:たぶんこんな感じだ
    七扇・T・絵麻:押忍。問題なしです。ありがとです
    十束しのぎ:分かりやすい
    GM:では
    門脇ふみ:ようし!
    高桐 理央:セットアップ無し
    病み喰らい:《オーバーアクセル》。暴走を受け、このラウンドのみ行動値を+12する
    病み喰らい:さらに
    病み喰らい:E《ありえざる存在》+《超越活性》
    病み喰らい:《ミラーパレス》
    病み喰らい:暴走中のみ、病み喰らいを対象とする攻撃ダイスを-10個だ。
    GM:そして
    GM:NPCカードをふたつ提示する
    門脇ふみ:おお!
    十束しのぎ:NPC!
    日和原 要:あ、セットアップで《光の剣》!
    日和原 要:遅いですかね、流石に…。
    GM:良いか、やっておこう
    GM:NPCカード提示はその後で
    GM:光の剣大丈夫かな?
    日和原 要:押忍、使わせてもらいます。侵蝕+2で113!
    GM:OK、では

    NPCカード1
    NPCカード:七扇 ほむら
    シナリオ1回
    セットアップ時に使用。七扇・T・絵麻専用カード。
    《融合》を用いてマルチウェポンを付与する。
    マルチウェポン5 メジャーアクション/白兵・射撃/侵蝕+3/武器もう一つ使用可能、命中達成値に+(LV-5最大0)

    また、このカードを用いたラウンドのみ、下記の武器を所有している扱いで攻撃を行ってよい。
    血粋刀・刃二つ(鬼切りの古太刀相当品)命中±-0、攻撃力10、ガード値2

    NPCカード2
    NPCカード:七扇 燎雅
    シナリオ1回、自動発動
    クリンナッププロセスに、エネミー最大3体に30ずつのダメージを与える。

    GM:そして
    病み喰らい:オートアクションでEロイス《囚人の鳥籠》。これにより〝???〟を対象とし、Eロイスが解除されるまでシーンに復帰できないものとする。
    GM:ということで
    GM:現状で、〝解除し得る〟Eロイスを提示する
    高桐 理央:《不滅の妄執》《憎しみの楔》
    病み喰らい:《ありえざる存在》《囚人の鳥籠》
    GM:以上だ
    七扇・T・絵麻:NPCカードを使用!七扇ほむら!
    七扇・T・絵麻:我が刃となりて戦列に加わるのだ
    GM:では
    七扇 ほむら:「ねえさま!」と、あなたを呼ぶ声が背後に立つ。
    七扇 ほむら:彼女の力をあなたは知っている。故に、振り向かずとも分かろう。
    七扇・T・絵麻:何も言わず、腰の一刀を佩き直す
    七扇・T・絵麻:「行くわよ。」
    七扇 ほむら:エグザイル/ノイマン由来の身体変形・精密操作。それは即ち、
    七扇 ほむら:〝己が身体を甲冑と成すも容易い〟ということ。
    七扇 ほむら:「はいっ!」
    七扇・T・絵麻:「遠い親戚一同見に来てんのよ。」
    七扇・T・絵麻:「今張り切らないでどうするっての!」
    七扇 ほむら:変幻する。人の形から、衣服の上へと纏う〝外骨格〟の形へ。
    七扇 ほむら:今、この一瞬。あなたの四肢の全ては、平常時の倍に届く力を発揮しよう。
    七扇・T・絵麻:1200年。戦乱を越えて続いてきた呪いと刃の家系。
    七扇・T・絵麻:その業の末裔が今の時をもって“先祖返り”する。
    七扇・T・絵麻:「改めて!七扇・T・絵麻!ほむら!」
    七扇・T・絵麻:「参る!」
    七扇 ほむら:「参る!」
    七扇 ほむら:鎧が、あなたに唱和する。
    GM:では
    GM:イニシアチブ。特になければ行動値13の門脇さんだ。
    陸奥 晴明:こちらなし!
    GM:たぶんみんな無し!
    GM:門脇さんターン!
    門脇ふみ:頑張るわよ~!
    門脇ふみ:マイナー無し!メジャー!
    門脇ふみ:侵蝕補正によりコンセ3鮮血の網ブラッドボム4虚構のナイフ3!/コンボ:『弱きものよ、汝の名は——』
    門脇ふみ:病み喰らいも対象にするとデバフで自動失敗するから高桐さんだけ狙うわよ~!
    GM:あっ、そうか視界範囲選択
    GM:OK,来いやぁ!
    門脇ふみ:9dx7+4 チャーッ
    DoubleCross : (9R10+4[7]) → 10[4,4,5,6,6,7,8,10,10]+10[2,9,9,10]+10[1,3,8]+10[9]+2[2]+4 → 46

    高桐 理央:いちおう……ドッジ!
    高桐 理央:6dx>=46
    DoubleCross : (6R10[10]>=46) → 9[2,3,4,5,8,9] → 9 → 失敗

    高桐 理央:37ばかり足りなかったな
    門脇ふみ:よく頑張りました♡ ダメージ!
    門脇ふみ:おっと失礼!造血剤使用宣言してなかった!
    門脇ふみ:発動したらブラッドボムの反動を踏み倒すわね。
    門脇ふみ:5d10+1d10+9 破壊者補正込み!装甲とか有効!
    DoubleCross : (5D10+1D10+9) → 23[5,10,4,3,1]+1[1]+9 → 33

    高桐 理央:素通しだね……!
    高桐 理央:えーと、前のラウンドに喰らったのがあれだから
    高桐 理央:ラウンドじゃないシーンだ
    高桐 理央:登場していきなりですが、虫の息です
    門脇ふみ:あらまぁ。
    高桐 理央:というか《不滅の妄執》での食い縛りなレベルですねはい
    高桐 理央:という訳で演出どうぞ!
    門脇ふみ:その前にブラッドボム爆破と硬直付与しますわ~
    陸奥 晴明:ブラッドボムのダメージ出しました?
    門脇ふみ:3d10 追加!
    DoubleCross : (3D10) → 12[2,2,8] → 12

    高桐 理央:はっはっは
    高桐 理央:残HPを12回空に出来る……が!
    高桐 理央:不滅の妄執が続いているから生き残ーる!
    門脇ふみ:なんたるめんどくささ!あとは絵麻さんにお任せね
    高桐 理央:という訳で演出どうぞ
    門脇ふみ:白紙のノートを開き。辺りの熱に合わせて溶け落ちてしまいそうな少年を見据える。
    門脇ふみ:「……高桐さん。貴方も無茶するわね。」
    門脇ふみ:流れ出す血はささやかに。
    門脇ふみ:刻まれるページは独りでに破れ、指の先より舞い散りだす。
    門脇ふみ:風に舞い。血の呪言が晴れた天に混ざり行く。
    高桐 理央:「……無茶をしなければ…………叶わない願いがあるなら…………」
    高桐 理央:「あなたは…………無茶をしないのですか…………?」
    門脇ふみ:「ふふふ!現在進行形でしておりますわ。」
    門脇ふみ:『Frailty, thy name is storm.』
    門脇ふみ:「その上で、できると信じておりますのよ」「今日のフィールドワークを来週に来る生徒たちに伝えるために!」
    門脇ふみ:ごうん。
    門脇ふみ:舞い散る風が指向性を帯びる。
    門脇ふみ:振り下ろされし鎌いたちが、願いに寄り立つ少年を更に切り刻む!
    高桐 理央:刃と化した暴風に斬り刻まれ、しかし体からはもはや赤い血も流れない少年。
    高桐 理央:だからこそ彼は、夏の日の幻のように風の中で揺らめくばかりで──だが。
    高桐 理央:だが、同型の術を用いるあなたならば分かるだろう。
    高桐 理央:既にその力は弱まっている。咄嗟に結界を張り巡らし、身を守ることすら出来ないほどに。
    高桐 理央:……それでも立つのは。怨念の如き妄執が故か。
    高桐 理央:「私、も…………」肩で息をし、辛そうに。だが、笑いながら、
    高桐 理央:「できる、と…………信じて、来ました…………から…………」
    高桐 理央:彼は、言う。
    門脇ふみ:(これで踏みとどまるか。私では……彼の未練を断ち切れそうにない)
    門脇ふみ:「そうね。貴方は本当によく頑張ってきています。」
    門脇ふみ:「故に。私はあなたを踏みにじる。」
    門脇ふみ:「あなたの想い人を…尊ぶためにね。」
    門脇ふみ:侵蝕122→130
    GM:では行動値12同値が二人。PC優先で日和原くん!
    日和原 要:押忍!
    日和原 要:マイナー、戦闘移動で病み喰らいにエンゲージ。
    日和原 要:メジャー、病み喰らいを対象に《C:エンジェルハィロゥ/光の舞踏/鮮血の一撃/ブラッドボム/マスヴィジョン》で攻撃。
    日和原 要:ダイス−10個でも、3つは振れる!
    日和原 要:そして《ブラッドボム》使用直前に造血剤を使用。
    日和原 要:参ります!
    日和原 要:3dx7+4
    DoubleCross : (3R10+4[7]) → 10[2,8,10]+10[2,7]+10[8]+10[10]+1[1]+4 → 45

    日和原 要:???
    GM:ダイス10個増やしてもこの数値ならなくない?
    病み喰らい:暴走リア不!
    日和原 要:たぶん減りますね。達成値。というわけでダメージ入ります!
    陸奥 晴明:ダメージロール前!
    陸奥 晴明:<凍てつく刃>を使用します。 コンボ:ディアボーン
    陸奥 晴明:ダメージダイスを一つ追加、固定値をLV*3で+9。改めてどうぞ!
    日和原 要:ありがたい!では!
    日和原 要:5d10+26+1d10
    DoubleCross : (5D10+26+1D10) → 22[8,3,1,6,4]+26+4[4] → 52

    日和原 要:まずは52点。
    日和原 要:あ、装甲その他諸々有効です!
    病み喰らい:相応の手応えはあるが……倒すにはまだ遠いな! 52点素通しだ!
    GM:演出どうぞ!
    日和原 要:そして《ブラッドボム》追加ダメージ!
    日和原 要:2d10
    DoubleCross : (2D10) → 12[7,5] → 12

    GM:わあ
    GM:合わせて64減ったぜ!
    日和原 要:バックファイアは造血剤で無効化。では……。
    日和原 要:「─力がある。それを使いたい。─ああ、それは、当たり前のことだ。けれど」
    日和原 要:腕から流れる血が、掌に集まり。赤黒い光を放つ刃が、一振り。
    日和原 要:「─自分が望む形。望まれた形。そうではない使い方を"させられる"のは─」
    日和原 要:「─とても、悲しい。だから」
    日和原 要:空いた手で、手早く錠剤を口に放り込む。無疵なる石として再定義する以前に振るっていた力を、束の間取り戻すため。
    日和原 要:「悪いけれど。あなたを、あなたたちを、止める」
    日和原 要:刃を振りかぶる。太刀筋は単純。されど。
    日和原 要:「─疑似励起:賢者の石(イミテーション・フィロソフィカス)」
    日和原 要:賢者でなく、愚者ですらない結晶から。一時だけ、埒外の出力を汲み上げて。
    日和原 要:真正面から、血色の大剣を、それにぶつける。
    病み喰らい:まるで、山を斬るようなものだ。
    病み喰らい:土を抉ることは出来よう。底に埋まる石を砕く程度は訳も無い。だが、山ひとつを砕くことなど──その筈であった。
    病み喰らい:鋼の強度でありながら、体表の血管は生物の如き柔軟性をも持つ異形の塊に、
    病み喰らい:異なる赤色を帯びた大剣は、真っ向から立ち向かう。
    病み喰らい:……衝撃!
    病み喰らい:それは深々と怪物の肉に切り込み、濁流の如き血を吹き出させた。
    病み喰らい:……幾百年以上も澱み腐った、悪臭を放つ血を。
    GM:では
    GM:行動値12,病み喰らいだ
    病み喰らい:マイナーは無い
    病み喰らい:メジャー、《魔獣の衝撃》+《魔獣の本能》+《雨粒の矢》+《炎神の怒り》+《憎悪の炎》
    病み喰らい:シーン選択で肉体任せのダイスを振り、1でもダメージが入ったら病み喰らいへの憎悪をプレゼントする
    病み喰らい:もちろん対象は……PC5人!
    病み喰らい:17dx 命中判定
    DoubleCross : (17R10[10]) → 10[1,1,2,4,5,5,5,7,7,8,8,8,9,10,10,10,10]+6[1,5,6,6] → 16

    病み喰らい:……まぁね! コンセ無いもんね!
    陸奥 晴明:暴走リア不!
    十束しのぎ:ガード!
    日和原 要:ドッジを…試みる!
    門脇ふみ:ドッジダイスは……侵蝕補正も合わさりギリギリ2個!避けるわよ~!!
    七扇・T・絵麻:ドッジを試みよう
    日和原 要:4dx
    DoubleCross : (4R10[10]) → 7[1,1,5,7] → 7

    日和原 要:駄目!
    七扇・T・絵麻:6dx
    DoubleCross : (6R10[10]) → 10[2,2,7,7,7,10]+5[5] → 15

    門脇ふみ:2dx>=16
    DoubleCross : (2R10[10]>=16) → 7[4,7] → 7 → 失敗

    七扇・T・絵麻:うお~ッ!
    陸奥 晴明:15ですか
    七扇・T・絵麻:もらえますか!
    GM:あぶねえ……!
    門脇ふみ:ダメだわーッ!!!
    GM:……あっ
    陸奥 晴明:<バディムーブ>を使用します。 コンボ:アナザーリンク
    十束しのぎ:後乗せで達成値を上乗せできれば・・!
    GM:おのれUGNチルドレンーっ!
    陸奥 晴明:達成値+3。七扇さんの回避を成功させます
    十束しのぎ:UGNのファンになります!!
    日和原 要:UGN!UGN!
    門脇ふみ:さっすがUGNねぇ~!!!!!
    十束しのぎ:UGN様が私を見たわ!
    七扇・T・絵麻:助かる~!
    GM:ぬぬぬぬぬ……ダメージ行くぞオラァ!
    病み喰らい:13+2d10
    DoubleCross : (13+2D10) → 13+7[1,6] → 20

    病み喰らい:装甲ガードはもろもろ有効だ
    七扇・T・絵麻:意外に弱い
    十束しのぎ:装甲ガードで15引いて5点ダメージで残り20
    十束しのぎ:十束しのぎに-5のダメージ!(HP:25->20)
    陸奥 晴明:装甲で8tenn
    陸奥 晴明:8点軽減、12点ダメージで残り22!
    陸奥 晴明:陸奥 晴明に12のダメージ!(HP:34->22)
    門脇ふみ:装甲で7引いて死!
    日和原 要:装甲で8点引いて12、HPは7なので死!うぐぐ…竹垣さんへのロイスをタイタス化、昇華してHP11で復活!
    門脇ふみ:じゃあね高桐くん!タイタスカッティンしてHP11で復活!
    病み喰らい:この怪物には、目も口も、生物として備えるべき部位が存在しない。故に、咆哮などもなくそれは発動したが、
    病み喰らい:予兆と呼べるものは、その巨躯が赤熱し、周囲の大気が水気を奪われてカサついていく様から読み取れたやも知れない。
    病み喰らい:突然に、巨体の血管が張り裂ける。
    七扇・T・絵麻:(…これは、熱波か!)
    病み喰らい:腐りきった血は燃え上がり、あたかもコールタールの雨の如く、あなた達の頭上へ降り注ぐ!
    門脇ふみ:舌打ちをして風で逸らし…切れない
    日和原 要:己の血に染まった白い服が、ドス黒い血に上書きされる。当然、体の方は耐え切れない…が、それでも。膝をつくことは、ない。
    陸奥 晴明:腕から滴り落ちた影が、球体を形成する。
    陸奥 晴明:かざした両腕で従えた2つの影球。それらにレネゲイドを昂ぶらせ、氷の弾倉を装填。
    十束しのぎ:「────!」燃える雨を見る。
    陸奥 晴明:『Shift R L Gatling』
    十束しのぎ:病み喰らいの最前で、炉の中に放り込まれた熱を感じながら。
    陸奥 晴明:当然、全ては落とせない。この状況、守るべきは──
    陸奥 晴明:「何ォ処を」
    十束しのぎ:剣たるその身は、斬るべき相手を見る瞳に煌々とした光を携えて、ただ耐えた。
    陸奥 晴明:「──狙ってんだ、コラァッ!」
    陸奥 晴明:叫びとともに、掃射。放たれる無数の弾丸が、”七扇”を狙う凶弾を撃ち落とす
    七扇・T・絵麻:「…!助かります。」
    高桐 理央:「な…………っ!?」
    高桐 理央:雨だ。
    高桐 理央:腐り切った血が、燃えながら降り注ぐ雨だ。
    高桐 理央:傘ならば、想定もしよう。
    高桐 理央:雨粒を撃ち落とす者を想定する程──この少年は生死の場に慣れてはいない。
    門脇ふみ:(─この力で甦るのは勘弁願いたいわね、私。)
    陸奥 晴明:「……多分、この場の切り札は貴女達だ」
    陸奥 晴明:「露払いはします。任せましたよ」
    陸奥 晴明:自らの受けた傷を凍結させながら、笑う。
    七扇・T・絵麻:浴びるのは既に覚悟していた。後はどれくらい刃で“瀉血”をすれば済むのかを考えるばかりであった。
    七扇・T・絵麻:「燃えるじゃないの。」
    七扇・T・絵麻:「存分にやらせてもらいましょうか!」
    高桐 理央:「……ええいっ!」
    高桐 理央:矢を両手に構える。
    高桐 理央:弓は無い。投擲にて十分な殺傷力を得る。
    高桐 理央:それはただ一人、腐血の雨を免れた者へと狙いを定め──
    GM:行動値10、絵麻or陸奥!
    陸奥 晴明:どちらから動きましょう!
    七扇・T・絵麻:私から行きましょう
    陸奥 晴明:了解、お願いします!
    七扇・T・絵麻:マイナー、高桐エンゲージへと接敵
    七扇・T・絵麻:メジャーで《コンセ:サラ》+《炎の刃》+《マルチウェポン》!オートで《砂の加護》使用!
    七扇・T・絵麻:13dx7+4 オラーッ
    DoubleCross : (13R10+4[7]) → 10[2,2,3,3,4,4,7,8,8,8,9,9,10]+10[4,6,7,7,8,8,8]+10[2,2,5,6,10]+10[9]+6[6]+4 → 50

    GM:なんかみんな
    GM:全体的に殺意高くない……?
    七扇・T・絵麻:あ、対象高桐です
    高桐 理央:ドッジ!
    高桐 理央:6dx>=50
    DoubleCross : (6R10[10]>=50) → 9[2,4,5,5,7,9] → 9 → 失敗

    高桐 理央:避けられるかぁ!
    高桐 理央:ということで命中、かつダメージも勿論通る
    高桐 理央:鬼切りふたつ。解除するEロイスはいかがなさる
    七扇・T・絵麻:《不滅の妄執》、《憎しみの楔》を指定
    七扇・T・絵麻:ダメージ!
    七扇・T・絵麻:6d10+32
    DoubleCross : (6D10+32) → 32[9,4,2,2,8,7]+32 → 64

    GM:では、ちょっと処理が長くなる
    高桐 理央:まずはダメージが通る!
    高桐 理央:これによりEロイスふたつが解除される。
    高桐 理央:《不滅の妄執》解除により、HPが0になったら戦闘不能になるように。そして勿論戦闘不能から、
    高桐 理央:《蘇生復活》! 最後の悪あがきだ、HP1。
    高桐 理央:そして《憎しみの楔》が消えたことにより
    GM:十束しのぎ。
    GM:あなたは思い出しても良いし、
    GM:その名を誰かに告げても良い。
    GM:名を告げるのは台詞だから、当然オートアクション相当。誰の手番でも出来る。
    高桐 理央:という訳で
    高桐 理央:あと一撃で確実に倒れる。その次にはもう、再び立つ術など無い。
    高桐 理央:断言できる。戻れる橋はもう渡りきったのだ。
    高桐 理央:演出どうぞ!
    七扇・T・絵麻:纏う甲冑の更に外側、肩掛けのコートに多々羅の鞘を通す。丁度、刀を背負うような状態
    七扇・T・絵麻:「高桐よ——戦いの場で冷静さを欠くとは。瞬きの間に終わるぞ。」
    高桐 理央:「何を──」
    七扇・T・絵麻:鞘の炉が点火。アルミナを骨組みにブースターが瞬時に形成され、肉体を超音速まで加速。文字通り“瞬きの間”に懐へと飛び込み…妹の刃を抜き放つ
    高桐 理央:因子を付与しての領域支配。矢、ふたつを、己が意のままに飛翔させんと、
    高桐 理央:腕を振りかぶるより
    高桐 理央:行動の前に息を吸い込むより、
    高桐 理央:瞬きよりも、速かった。
    高桐 理央:斬。
    七扇・T・絵麻:意の外より飛来した鞘と刀の二閃がその腕を斬り飛ばし
    七扇・T・絵麻:いよいよ己の太刀を抜刀。紅玉でほむらの刀と繋ぎ、即席の長大退魔刀を形成。胴輪を膾に断った
    七扇・T・絵麻:「幼きものよ。戦いの場に立てば誰もが平等」
    七扇・T・絵麻:「せめて家の者として、その首を貰い受けよう」
    七扇・T・絵麻:侵蝕127
    高桐 理央:「ぎっ、ぁ──が、っ、ぁ……っぐぅ……!」悲鳴は上げなかった。苦痛に呻き、奥歯を軋ませながらも。だが。
    高桐 理央:斬り断たれた体が別々に地面に転がる。
    高桐 理央:立つどころか、地面に手をついて姿勢を立て直すことすらも叶わない──
    高桐 理央:「──いやだ」
    高桐 理央:「いやだ、嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ……」
    高桐 理央:灰が舞う。
    高桐 理央:少年の懐の内より、である。
    高桐 理央:それが何であるかを、目視して直ぐに知り得るのは、それこそエンジェルハイロウ並みの視力を必要としよう。
    高桐 理央:が。
    高桐 理央:懐の内よりまろび出た小さな容器と、その内にまだ半ば残るものを見れば、想像もつくやも知れない。
    高桐 理央:灰が舞い、病み喰らいの熱に焼かれる。
    高桐 理央:少年は這いつくばりながら、
    高桐 理央:「……諦めて……なる、ものか……!」
    高桐 理央:腕も脚も無い虫のような姿のままで言う。
    七扇・T・絵麻:「その志、貴賤を越えて天晴なり。」
    七扇・T・絵麻:ジャームに対する嫌悪を越えて。その姿勢を見る。
    七扇・T・絵麻:退魔の刃がもたらす代償。化生に対する嫌悪感。
    七扇・T・絵麻:それこそが正しい感情なのか?否。私にとっては否だ。
    七扇・T・絵麻:私は退魔の徒。正しく相手を見定め、斬る。嫌悪とは無理解だ。相手を知り、然るべくして斬る。そこにあるべきは、誠実なる精神と、悪逆に対する強い怒りである。
    GM:では
    GM:行動値──ではない
    GM:イニシアチブ!
    陸奥 晴明:ムッ!
    高桐 理央:《更なる絶望》
    高桐 理央:──灰が舞い散り、燃え上がる。
    高桐 理央:燃えて、溶けて、形を成す。
    高桐 理央:それは直ぐにも、元の体積より遙かに大きく膨れ上がって、
    高桐 理央:ぼこぼこと、肉と鉄の混ざり合った何かとして組み上がる。
    高桐 理央:いいや。
    高桐 理央:〝蘇生する〟。
    高桐 理央:「…………〝病み喰らい〟…………叶えてくれ…………」
    高桐 理央:「僕の…………たったひとつの願いを…………!」

    エンゲージ
    〝病み喰らい〟
    高桐 理央
    十束しのぎ
    日和原 要
    七扇・T・絵麻
    ジャーム

    8m

    陸奥 晴明

    2m

    門脇ふみ

    ジャーム:それは、
    ジャーム:人のような骨格を持つが、腕は二本にはおさまらず、
    ジャーム:身体は甲冑の如きものに覆われており、全ての手が刀を持つ。
    ジャーム:牛の如き頭を持った怪物である。
    ジャーム:「ゴォオオオオオオォオオォオォオォ──」
    七扇・T・絵麻:「…ほむら。」
    七扇 ほむら:「……ぁ、あ」
    七扇 ほむら:「ああああぁ……」
    七扇 ほむら:〝鎧〟が怯えたような声を上げた。
    七扇・T・絵麻:刃二つを納刀。金打の音が響く
    七扇 ほむら:あなたの四肢を支える外骨格が、形を保てずに崩れ落ちて、
    七扇 ほむら:「……そんな、そんな……うそ、嫌、嫌ぁ……!」
    七扇 ほむら:如何に、ひとつ場を乗り越えたと言えど。
    七扇 ほむら:〝それ〟を見て戦えるほどにはまだ、強くは無い。
    七扇 ほむら:〝それ〟は確かに、四年前のあの日──陸奥 晴明達と戦い、七扇・T・絵麻に斬られた怪物の姿であった。
    高桐 理央:「……違う!」
    高桐 理央:「違う、違う、違う……違うっ!」
    高桐 理央:悲痛な程の叫び声が響く。
    七扇・T・絵麻:「それが、答えだ。」
    七扇・T・絵麻:「ほむら。よくこの場まで来て、あまつさえ刃を携えてくれた」
    七扇・T・絵麻:「故に、嘘偽り無く言う。」
    七扇・T・絵麻:「私達は、あれを斬る。安寧を与えるために。」
    高桐 理央:「……違う……まだ、不完全なんだ……不完全なだけだ……!」
    高桐 理央:「そう、だ……もう一度……次は上手くいく、上手くいく……」
    七扇 ほむら:「……は、い……はいっ、はい……」
    GM:同じものを求めた筈の二人。
    GM:あなたに返す言葉は、こうも食い違う。
    GM:……あらためて。
    GM:行動値10、陸奥 晴明!
    陸奥 晴明:「──────」
    陸奥 晴明:見覚えがあった。忘れられる筈がなかった。
    陸奥 晴明:その姿。あの日──自分が正しさに甘えた、その代償を払ったあの日。
    陸奥 晴明:奴が、七扇ほむらの求めた人なら。 七扇・T・絵麻が殺した人ならば。
    陸奥 晴明:そこに、たどり着かせてしまったのは、誰だったのか。
    GM:君だ。
    GM:……と、言えば良いだろうか。
    GM:事実を並べるだけならば、それもまた、正しいのだろう。
    陸奥 晴明:「(……ああ、なんて)」
    陸奥 晴明:……偶然とは、有るものだ。
    陸奥 晴明:ひどい、話だ。
    GM:ああ。
    GM:本当に、ひどい話だ。
    陸奥 晴明:『だけど』
    GM:だけど。
    GM:ひどい話だと嘆いて、棚に上げておけるなら、どれ程に楽だろうか。
    GM:自分は棚に戻すだけ。後は誰かが磨いてくれる。
    陸奥 晴明:「(俺は、どうすれば良いのか……迷うさ。悩むさ。そのために)」
    陸奥 晴明:「(もう、楽なだけの正しさは、選ばない)」
    陸奥 晴明:自分は、露払いをすると言った。
    陸奥 晴明:迷いと悩みを覚えても。
    陸奥 晴明:決めたことはやり通す。それだけは、変わらない。
    GM:死者は戻らない。
    GM:時は戻らない。
    GM:……〝やり直し〟なんて、出来はしない。
    GM:けれども。
    GM:〝やり忘れ〟に手をつけることなら出来るだろう。
    GM:陸奥 晴明。
    GM:きっと君は、その為に、此処に居る。
    陸奥 晴明:マイナーアクション、自身の暴走を解除。
    陸奥 晴明:メジャーアクション、<コンセントレイト:サラマンダー>+<氷の塔> コンボ:アヴィオール
    陸奥 晴明:対象は高桐 理央、病み喰らい、”ジャーム”
    GM:さあ来い
    陸奥 晴明:ロイス取得、対象:ジャーム。 P:執着  ○N:悔悟
    陸奥 晴明:タイタス化して判定ダイスを+10、よろしいですか
    GM:良いぞ良いぞ
    陸奥 晴明:では、判定。
    陸奥 晴明:11DX+5+0@7 アヴィオール(侵食上昇6)
    DoubleCross : (11R10+5+0[7]) → 10[2,2,3,4,4,4,5,5,7,10,10]+10[5,6,10]+1[1]+5 → 26

    病み喰らい:暴走リア不
    高桐 理央:すごい状態ではあるがデータ的にはいける……ドッジ
    高桐 理央:6dx>=26
    DoubleCross : (6R10[10]>=26) → 10[1,2,3,4,6,10]+10[10]+7[7] → 27 → 成功

    高桐 理央:えっ
    ジャーム:じゃあ……ドッジ……
    七扇・T・絵麻:何ぃ!?
    ジャーム:9dx>=26
    DoubleCross : (9R10[10]>=26) → 10[1,2,2,4,4,8,9,10,10]+8[6,8] → 18 → 失敗

    ジャーム:ならば。26だと生き残るな……けれどもほぼ死に体と言っていいレベルになる
    ジャーム:そして
    ジャーム:E《怨念の一打》
    陸奥 晴明:ん?26は命中なので
    陸奥 晴明:ダメージはこれからですよ
    GM:あっごめん
    GM:ボケた
    GM:ダメージ!
    陸奥 晴明:ではダメージ。固定値氷の塔と活性の桐LV6で36
    陸奥 晴明:3d10+36 (侵食100)
    DoubleCross : (3D10+36) → 13[1,2,10]+36 → 49

    陸奥 晴明:装甲、ガード友好
    ジャーム:これは……死ぬ!
    病み喰らい:死なない! 累積ダメージ113!
    高桐 理央:何故か避ける!
    ジャーム:そして改めて、E《怨念の一打》。陸奥くんに49点のHPダメージをお返しする。
    ジャーム:道連れじゃー!
    GM:ということで
    GM:処理&演出どうぞだぜ
    陸奥 晴明:では戦闘不能。高桐 理央にロイス P:感服 ○N:隔意で取得して復活。
    陸奥 晴明:陸奥 晴明に11のダメージ!(HP:22->11)
    陸奥 晴明:『Shift L Pincer』
    陸奥 晴明:左の影球より、上方と左右へと氷の弾丸を発射。 孤を描き、挟み込むように誘導させる。
    陸奥 晴明:当てるためでも、削るためでもない。行動を制限し、敵を動かすための弾。
    陸奥 晴明:──かつては、宮代霧江が得意としていた、牽制と状況のコントロール。
    陸奥 晴明:『Shift R Lance』
    陸奥 晴明:「動かした」その先へ影を纏わせた高速弾。命中──そして。
    陸奥 晴明:命中したその部位が凍りつき、冷気が熱を奪い。影が、レネゲイドを喰らう。
    陸奥 晴明:「今度こそ」
    陸奥 晴明:「勝たせてもらう。俺『たち』に」
    病み喰らい:巨大な鉄塊が帯びた熱は膨大だ。その全てを奪うことは出来ずとも──急激に冷却された体が砕け、方々で欠け落ちている。
    病み喰らい:ばらばら、ばらばら。破片が雨のように落ちてくる。
    ジャーム:ましてや、それほどの体躯も無いジャームであれば。翻弄されたが故に直撃する冷却弾にて、半ば凍り付く。
    ジャーム:だが──怪物とても意地があるのだろうか。
    ジャーム:逃げるでない。踏みとどまり、腕を大きく拡げたのだ。
    ジャーム:その弾丸が、背後にいる少年を狙わぬように──命じられもせぬままに、盾となって。
    ジャーム:「グォオオオオオォオオォォォッ!!!」
    ジャーム:完全に凍結し絶命する瞬間、怪物は刀を投げた。
    ジャーム:異形の渾身を込めた投擲は弾丸の如く、陸奥の胸へと届く。
    陸奥 晴明:「ガッ……」
    七扇・T・絵麻:「……!陸奥君!」
    陸奥 晴明:反応も間に合わず、貫かれる。 ──ああ。
    陸奥 晴明:「あのときも、相討ちだったっけなあ」
    陸奥 晴明:刀を引き抜く。貫かれた傷を凍結させ、流れる血を影が食い尽くす。
    陸奥 晴明:「大丈夫、です」
    陸奥 晴明:「今度は……〝やり忘れ〟ずに、済みそうだ」
    GM:では
    GM:イニシアチブ
    高桐 理央:《更なる絶望》
    高桐 理央:「まだ、まだだ……今度こそ、次は、次こそは──」
    高桐 理央:灰は、まだ半分残っている。
    高桐 理央:先と同じように、灰は舞い散り、焼かれて
    高桐 理央:……焼かれた灰は、肉と鉄が混ざり合ったものとなって、やがて形を整えて現れる。
    ジャーム:獣のような顔。鎧に覆われ、刀を持ち、人の言葉を発することもなく、
    高桐 理央:「違う! 違う、違う、違うぅっ……!」
    高桐 理央:「僕が欲しいのは……こんなものじゃない……」
    高桐 理央:泣きそうな声で、少年は良い、
    ジャーム:泣くことも忘れた怪物が、少年の前に立ちはだかる。

    エンゲージ
    〝病み喰らい〟
    高桐 理央
    十束しのぎ
    日和原 要
    七扇・T・絵麻
    ジャーム_2

    8m

    陸奥 晴明

    2m

    門脇ふみ

    陸奥 晴明:陸奥 晴明の侵蝕率を+9した(侵蝕率:101->110)
    GM:行動値6.手番、高桐
    高桐 理央:硬直していて動けない……マイナーが使えないぜ……
    高桐 理央:だからメジャー、《コンセントレイト:オルクス》+《ディストーション》+《完全なる世界》。対象は
    高桐 理央:1d5
    DoubleCross : (1D5) → 1

    高桐 理央:絵麻さんか
    高桐 理央:15dx7 命中判定
    DoubleCross : (15R10[7]) → 10[1,1,1,2,2,3,4,4,4,5,5,6,8,9,10]+10[2,8,9]+6[5,6] → 26

    七扇・T・絵麻:ドッジ
    七扇・T・絵麻:6dx
    DoubleCross : (6R10[10]) → 9[3,3,4,7,8,9] → 9

    七扇・T・絵麻:駄目
    高桐 理央:3d10+15-5 ダメージ
    DoubleCross : (3D10+15-5) → 12[4,5,3]+15-5 → 22

    高桐 理央:装甲とかは有効だぜ
    GM:あれ
    GM:ボデマの……装甲って……
    GM:8
    GM:22-8=14……?
    七扇・T・絵麻:ええと
    十束しのぎ:七扇様のライフポイントは…15!
    七扇・T・絵麻:現在体力が15、装甲8なので
    七扇・T・絵麻:1点残ります
    GM:おのれUGN……
    門脇ふみ:妖怪1たりないが……敵に!
    GM:お前達はいっつもそうだ……
    GM:演出!
    高桐 理央:断ち切られた腕。
    高桐 理央:無造作に地面に転がったそれは、〝高桐 理央の一部〟である。
    高桐 理央:ならば。腕が切りおとされても生きていられるという前提が必要だが──
    高桐 理央:切りおとされた腕を操作する程度の事、造作も無い。
    高桐 理央:ふたつの腕が浮遊し、七扇・T・絵麻の首元へ──
    高桐 理央:まるで愁嘆場のヒステリーのように、両手で首を絞め上げんと飛来する!
    七扇・T・絵麻:まとわりつく腕。異能の膂力が細首を絞り、青筋が浮かび上がる
    七扇・T・絵麻:「カッ……コ…まるで…子供の、ゴホッ、駄々だな、高桐の」
    七扇・T・絵麻:紅玉のナイフを作り、腕を突き刺して燃やす。首の周辺も燃えるが構いはしない
    高桐 理央:「だから……なんだ……」
    高桐 理央:「取り上げられたものを…………返して、欲しいと…………」
    高桐 理央:「願って、何が……悪いんだ…………」
    七扇・T・絵麻:「その意、わからないものではない」
    七扇・T・絵麻:「なればこそ、他から奪ったもので為そうとするその行いもまた道理に非ず」
    七扇・T・絵麻:「……篤く弔おう。我々は過去を悼み、今に繋げるのが本懐であるが故」
    GM:行動値5.手番、十束しのぎ!
    十束しのぎ:では、マイナーで聖剣効果。C-2。
    十束しのぎ:メジャーでC:ソラリス + アドレナリン。対象は病み喰らい
    GM:さあ来い
    十束しのぎ:で、判定前に「名前を思い出す」「名前を告げる」で自PCと病み喰らいかな。演出はまとめていこう。
    十束しのぎ:では判定。
    十束しのぎ:11dx4+1
    DoubleCross : (11R10+1[4]) → 10[3,3,3,3,4,5,6,9,10,10,10]+10[1,4,4,5,8,8,10]+10[1,2,4,5,8,9]+10[1,3,4,9]+10[2,9]+10[5]+10[7]+1[1]+1 → 72

    GM:うっへぁ
    病み喰らい:暴走リア不だ……ダメージ!
    十束しのぎ:8d10+15
    DoubleCross : (8D10+15) → 51[3,4,9,5,9,9,2,10]+15 → 66

    十束しのぎ:装甲有効!
    病み喰らい:113+66=179……ふむ
    病み喰らい:だいぶ大きく削った……が!
    病み喰らい:まだ命に至る傷ではない!
    病み喰らい:それでも赤熱の巨体の半分以上は機能を奪われていると見てよいだろう。
    病み喰らい:演出どうぞ!
    十束しのぎ:「(────あぁ)」
    十束しのぎ:思考がクリアに。
    十束しのぎ:阻害された記憶が取り戻される。
    十束しのぎ:私は、その名前を知っている。
    十束しのぎ:「…………改めて、私の名前は十束しのぎ。聖剣を志し、語られなかった一振りの鉄です」
    十束しのぎ:スカートの端をつまんで小さくお辞儀。
    GM:オーヴァードの力の源は、〝絆〟だ。
    GM:それを奪い取れば、力の一端もまた失われると。
    GM:認識阻害の結界はあくまでも、そういうものであった。
    GM:だが、今。
    十束しのぎ:「しのぎは刃と峰を分かつ境界線。剣のバランスを保つ根幹」
    十束しのぎ:「人の思いを束ねる聖剣にして、人の楯」
    十束しのぎ:五指を整えた片手を軽く、地面に向けて一度降る。
    十束しのぎ:その剣圧は足元に一文字を引き刻む。
    GM:鬼を切る刀が結界を切り開き、
    GM:聖剣が次なる一刀の為に、そこにいる。
    十束しのぎ:「ここは境界線、人々を守る最前線」
    十束しのぎ:「剣/楯たる私はここを守ります」
    十束しのぎ:「………貴方に求められた役目は、貴方の束ねる想いは」
    十束しのぎ:「貴方の名前に込められた意味は、この境界線を侵すことですか?」
    十束しのぎ:「────"やまくらい"様」
    十束しのぎ:名を告げる。
    十束しのぎ:私を導いた大先輩。その彼女が教えてくれた名は、静かにその場に響く。
    GM:その名を、
    七扇 ほむら:知らぬ娘がいた。
    七扇 燎雅:「……何者だ、あれは」
    七扇 燎雅:知る男がいた。
    高桐 理央:そして
    高桐 理央:「〝やまくらい〟──そうか……それが、本当の…………名か…………!」
    七扇・T・絵麻:「それが…真名。」
    高桐 理央:「…………〝やまくらい〟! その名に賭けて命を受けろ!」
    高桐 理央:「もう一度……〝ゆりかごむら〟を作った時のように……」
    高桐 理央:「命を……産み出せ……!」
    高桐 理央:名を知り、使役せんとする少年がいた。
    GM:だが。
    GM:何が起こるでもない。
    GM:少年の叫びは虚しく響くばかりで、
    七扇 燎雅:「……あれは、〝ひと〟の言葉しか聞かん」
    七扇 燎雅:「お前ではもう無理だ、高桐」
    十束しのぎ:「ならば」
    十束しのぎ:十束しのぎの瞳の青が深く染まる。
    十束しのぎ:ヒトとしての外観を維持したまま、その意識を聖剣のサポートデバイスである本質へ近づけて行く。
    十束しのぎ:淡く、その桃色の髪から零れ落ちるように、青の光が溢れて。
    十束しのぎ:掲げた腕に剣を象るように十字の光が収束する
    十束しのぎ:りん。
    十束しのぎ:………りん、りん、りん。
    十束しのぎ:鈴を鳴らすように同じ拍子で済んだ音。
    十束しのぎ:光が集るごとにその音と密度は増して。
    十束しのぎ:「────『自己拡張』」
    十束しのぎ:無機質なシステムメッセージがその桜色の唇からこぼれ、
    十束しのぎ:カッ、と
    十束しのぎ:辺り一面を一瞬。白の光が覆い、
    十束しのぎ:晴れる
    十束しのぎ:【『この身、未だ成らず無垢なる剣』】
    十束しのぎ:光は晴れ、その手に握られるは実体のある剣。
    十束しのぎ:それは蒼銀の直剣。
    十束しのぎ:破邪を示す聖なる剣。
    十束しのぎ:打ち倒せざるものを打ち倒す。
    十束しのぎ:不可能に立ち向かう英雄に寄り添うがための自己進化。
    十束しのぎ:無垢なる剣はあらゆる可能性をその身に宿す。
    十束しのぎ:未だ人を導く王を選別せず
    十束しのぎ:未だ暴虐なる竜を討伐せず
    十束しのぎ:未だ比類なき悪を払拭せず
    十束しのぎ:しかし。
    十束しのぎ:その身は未だ神話の序章を綴る
    十束しのぎ:いつかの明日に語られる神話を
    十束しのぎ:今この身で再現する───
    十束しのぎ:「振るわれる刀がそこに一振り」
    十束しのぎ:「振るわれる剣がここに一振り」
    十束しのぎ:「さぁ」
    十束しのぎ:十束しのぎの瞳に光が宿る
    十束しのぎ:それは聖剣を導くモノとしてではなく
    十束しのぎ:今の自分は、聖剣を担うヒトとして
    十束しのぎ:剣を正眼に、試合を挑むように構える。
    十束しのぎ:「鍔迫り合い、ましょう───!」
    十束しのぎ:ド
    十束しのぎ:   ンッ!
    十束しのぎ:音の爆発……否。
    十束しのぎ:聖剣の担い手としてブーストされた十束しのぎの、大上段
    十束しのぎ:過程が認識されない最速の振り。
    十束しのぎ:桜色の光を伴う剣圧が、目の前に迫る『刀』に、光の奔流を叩きつける──────!!!
    病み喰らい:ギャリッ
    病み喰らい:刃を受けたるその身は、外殻こそ生物のような質感であったが、
    病み喰らい:内へと切り込めば、鋼の強度であった。
    病み喰らい:されど、その鋼は、
    病み喰らい:千二百年の研鑽も知らず、ただがむしゃらに打たれて捨てられた、数打ちの鋼に過ぎない。
    十束しのぎ:「は、あああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!!!」
    病み喰らい:断つ。
    病み喰らい:聖剣は、容易にそれを断ち──
    病み喰らい:きぃんっ──
    病み喰らい:怪物の腹の中に、澄んだ音を聞くだろう。
    病み喰らい:……もしかするとそれは、耳からではなく、刃から体内へ伝わった音であったかも知れない。
    病み喰らい:腐れた血の怪物の中にあって、その音はいやに穏やかで、
    病み喰らい:打ち合わされた刃に伝わるものもまた、悪意ではなく──
    十束しのぎ:「ッ───それが!」
    十束しのぎ:「貴方の、"真打ち"ですか───!」
    GM:然りとも、否とも言えよう。
    GM:〝病み喰らい〟は、真実の姿を持たぬ怪物である。
    GM:そういう神様がいて、全てが良いようになるのだという願いの果てに産み出された、誤ったシステムである。
    GM:ついぞ〝病み喰らい〟を、正しく鍛え上げたものなどいなかった──正しい形など存在しないのだから当然だ。
    GM:だが。
    GM:〝ゆりかごむら〟にただ一振り。真実、七扇の血を用い、浄化の火を経て生み出された刀がある。
    GM:十束しのぎ。
    GM:あなたはもう、〝それ〟の名を呼んだ。
    GM:古きつるぎは応えない。
    GM:……けれどもそれは、〝届いていない〟ことを意味しない。
    十束しのぎ:あぁ、そうだ。
    十束しのぎ:切り開くために生まれたのだ。
    十束しのぎ:あらゆる障害をこの身で切り裂いて。
    十束しのぎ:"ヒト"を導くために、私はあるのだから!
    十束しのぎ:十束しのぎの侵蝕率を+5した(侵蝕率:105->110)
    GM:……では。
    GM:クリンナッププロセス。
    GM:NPCカード:七扇 燎雅が自動発動する。
    GM:最大3体のエネミーへ、30のHPダメージを与えるNPCだが、
    GM:さて、誰を狙う?
    七扇・T・絵麻:ジャーム 高桐 病み喰らい へ攻撃をお願いします
    GM:では
    ジャーム:かろうじて生き残る。
    病み喰らい:まだまだ耐える。
    高桐 理央:復活エフェクト無し。アイテム、Eロイスその他無し。
    高桐 理央:戦闘不能。宣言によりとどめを刺すことは可能だ。
    ジャーム:Eロイス《怨念の一打》
    ジャーム:七扇 燎雅に30点のHPダメージを与え、
    七扇 燎雅:これにより七扇 燎雅は戦闘不能となる。
    七扇 燎雅:──刀を抜く。
    七扇 燎雅:構えと呼べるものはない。片手に持ち、おもむろに持ち上げれば、
    七扇 燎雅:刀身が消えた。
    七扇 燎雅:……否。正確には、見えなくなっただけだ。
    七扇 燎雅:七扇・T・絵麻ならば知っていよう。彼の剣は、その異能により分解、再構築され、
    七扇 燎雅:刃の先端は分子ひとつ分。最も幅広い部分でさえ原子数個分の、極めて薄く細く、恐ろしく長い刃へと変じる。
    七扇 燎雅:故に、接触の音すらない。腕が風を切り、ひょう、と鳴るだけだ。
    病み喰らい:或いはその外甲を大きく穿たれ、
    ジャーム:或いは肉の大半を削ぎ落とされる。
    高桐 理央:そして
    七扇 燎雅:「……高桐の家に、恨みがあるでもないが」
    七扇 燎雅:「私の娘を泣かせたな」
    高桐 理央:さらり、と
    高桐 理央:残る肉体が断ち割られた。
    七扇 燎雅:刃が再び構築され、刀を鞘へ収める。もはや終わったものと見たのだろう。彼は戦場に背を向けようとし──
    七扇 燎雅:──その背へ突き立つ、四つの刀。
    ジャーム:「…………グゥウウォオオオオォオオォオォッ……!」
    七扇 燎雅:「な…………に…………?」
    ジャーム:おおよそ死んでいると言っても過言ではなかった。
    ジャーム:肉体の大半が朽ち、後は動かなくなるのを待つばかりの獣が、
    七扇・T・絵麻:「叔父様…ッ!」
    ジャーム:まるで人のように立ち上がって、七扇 燎雅を貫いていた。
    七扇・T・絵麻:およそ干渉出来る距離ではなかったとはいえ
    七扇 燎雅:「……かあぁっ!」咄嗟に体を前に走らせ、刃を引き抜きながら間合いを取る。だが。
    七扇 燎雅:いかなるオーヴァードとは言え、相当の深手である。
    七扇・T・絵麻:本人は覚悟ぐらいできていよう。それがほむらに与える衝撃はいかばかりか。
    七扇・T・絵麻:「ほむら!叔父様を下げて!」
    七扇 ほむら:「とうさま……!」
    七扇 ほむら:悲痛な声を上げて駆け寄り、指示を受けたまま、引きずって後方へ下がろうとする娘と、
    七扇 燎雅:「ぐ……む……! ええい、離せ……この程度、どうということも……ぉ、お……」
    七扇 燎雅:抗うそぶりを見せながら、ずるずると引きずられていく父親。
    七扇・T・絵麻:(…その威勢が続くなら、大したものね)
    GM:……これより、この二人の加勢は望めない。
    GM:が。
    GM:それが大局を揺るがす要因とはなるまい。
    GM:五人いる。
    GM:誰もが己が意思の元、この地に今、立っている。
    七扇・T・絵麻:これより、一切の後顧の憂い無し
    七扇・T・絵麻:背負った太刀を再び佩く。
    GM:然り。
    GM:憂い無く、不足無し。
    GM:多少なりと傷を負うたやも知れぬが、オーヴァードよ。
    GM:これからだ。
    GM:クリンナップ! 処理必要な人はいるか!
    門脇ふみ:ないぜ!
    十束しのぎ:ないぜ!
    日和原 要:ないぜ!
    陸奥 晴明:なし!
    GM:たぶん無いな!
    GM:では

    ラウンド2


    GM:セットアップ!
    七扇・T・絵麻:永劫無いぞ
    陸奥 晴明:<原初の黄:活性の霧> コンボ:オーバードライブ!
    門脇ふみ:ファンアウト使えないので無し!
    陸奥 晴明:陸奥 晴明の侵蝕率を+3した(侵蝕率:110->113)
    陸奥 晴明:対象は自身、ラウンド間攻撃力+18!
    病み喰らい:無し
    ジャーム:無し
    十束しのぎ:ある!
    日和原 要:武器は作ったので無し!
    高桐 理央:無し
    高桐 理央:というかこいつは戦闘不能だな!
    十束しのぎ:女王の降臨 + 狂戦士。対象が次に行うメジャー判定のC値-1(下限6),ダイス+12個。対象自身!
    十束しのぎ:十束しのぎの侵蝕率を+10した(侵蝕率:110->120)
    十束しのぎ:以上!
    GM:よろしい
    GM:では、行動順で
    GM:行動値13,門脇ふみ!
    門脇ふみ:OK!
    門脇ふみ:マイナーで戦闘移動!病み喰らいエンゲージに接敵!
    門脇ふみ:メジャー!コンセ3鮮血の網虚構のナイフ3!ブラッドボムはケチるわ!
    門脇ふみ:病み喰らいはダイスが足りないから対象はジャーム2のみ!

    エンゲージ
    〝病み喰らい〟
    高桐 理央
    十束しのぎ
    日和原 要
    七扇・T・絵麻
    門脇ふみ
    ジャーム_2

    8m

    陸奥 晴明

    門脇ふみ:ヨシ!判定行くわよ~!
    GM:そして判定どうぞ!
    門脇ふみ:9dx7+4
    DoubleCross : (9R10+4[7]) → 10[3,4,6,7,8,8,8,9,10]+10[2,2,3,5,6,8]+5[5]+4 → 29

    門脇ふみ:ダメージ!
    ジャーム:……ドッジ!
    ジャーム:9dx
    DoubleCross : (9R10[10]) → 10[1,1,2,3,4,5,5,7,10]+9[9] → 19

    ジャーム:惜しいな……
    門脇ふみ:セフセフ……改めてダメージ!
    門脇ふみ:3d10+1d10+9 これでいいはず!
    DoubleCross : (3D10+1D10+9) → 14[2,10,2]+1[1]+9 → 24

    門脇ふみ:装甲有効よ!
    ジャーム:先のおじさん斬撃と合わせると……死ぬ!
    ジャーム:仕返しの何かも無しだ演出どうぞ!
    門脇ふみ:OK!侵蝕137へ!
    門脇ふみ:満身創痍の少年とジャーム二人に歩み寄りながら…後ろ手に紙片を一枚放つ。
    門脇ふみ:「……高桐さん」「貴方の大切な人、まだ残っているかしら?」
    高桐 理央:肉体を五つに別たれた少年は、きっと何かを言った。
    門脇ふみ:紙片は老齢の剣士を穿った刀たちにへばり付き、ふわりと浮き上がる。
    高桐 理央:空気を声帯に送り込むことも出来ない体では、声など生じなかったが。
    高桐 理央:唇の動きが、こう言っている。
    高桐 理央:〝違う〟
    高桐 理央:〝僕が〟
    高桐 理央:〝欲しかったのは〟
    高桐 理央:と。
    門脇ふみ:「……そうよね。」少しだけ、眉尻が下がる。
    門脇ふみ:「できることなら。貴方の想い出だけは……踏みにじりたくなかった」
    門脇ふみ:一時、眼を閉じる。開いた瞳には覚悟を宿し。
    門脇ふみ:「私は、この日の事を覚えておくわ」
    門脇ふみ:『弱きものよ、汝の名は──』
    門脇ふみ:四振りの刀が、倒れない様にするのがやっとのジャームの頭上に振り上げられ。
    門脇ふみ:『かたななり』
    門脇ふみ:振り下ろした刃は、想いの結実を散り散りに裂いた。
    GM:雨が降るようだった。
    GM:刀も、ジャームの血も。
    GM:噴き上がって、さあっと落ちてそれっきり。ほんの一瞬だけ鮮やかで、もう何も無い。
    ジャーム:鎧を纏う怪物はついに崩れ落ちる。最後の瞬間まで闘争の意思は途絶えぬまま──
    ジャーム:或いは、妄執は途絶えぬまま。
    ジャーム:〝まだ残っているか〟──否。
    ジャーム:これは既に、どこかで生きていた誰かとは似ても似つかない存在であるが、
    ジャーム:何故とも分からぬ妄執に従い、〝立ち塞がること〟だけは完遂した。
    GM:では
    GM:行動値12、日和原くん
    日和原 要:はぁい。では、削れるだけ削りに行く!
    日和原 要:マイナーなし。メジャーで病み喰らいに攻撃。判定前に、病み喰らいに「憧憬/■憐憫」でロイスを取得。
    日和原 要:更に取得したロイスをタイタス化、昇華。ダイス+10個の効果を付与。
    日和原 要:組み合わせは《C:エンジェルハィロゥ/光の舞踏/鮮血の一撃/ブラッドボム/マスヴィジョン》、造血剤を使用。
    日和原 要:判定!
    日和原 要:13dx7+4
    DoubleCross : (13R10+4[7]) → 10[3,4,5,6,7,7,8,8,9,9,9,10,10]+10[2,3,5,5,5,6,7,8,9]+10[1,8,9]+4[1,4]+4 → 38

    病み喰らい:暴走リア不だ!
    日和原 要:OK,ではダメージ!
    日和原 要:4d10+26
    DoubleCross : (4D10+26) → 16[9,4,1,2]+26 → 42

    日和原 要:諸々有効の42点!
    GM:とブラッドボムか
    日和原 要:イエス。追加ダメージが
    日和原 要:2d10
    DoubleCross : (2D10) → 15[5,10] → 15

    日和原 要:15点。
    病み喰らい:合計57通しだから
    病み喰らい:209+57=266
    病み喰らい:だいぶ弱って来てはいるが……まだまだ動くぜ!
    病み喰らい:演出どうぞ!
    日和原 要:OK、ではさらりと!
    日和原 要:「─僕はね。あなたのような人を、知っている」
    日和原 要:「世界の誰よりも優しくて、だからこそ、悪意ある計画(プラン)に利用された神様を知っている」
    日和原 要:人ならざる隣人を、敢えて人と呼びながら。
    日和原 要:「─あなたが、こうなるのを、僕らは止められなかった。だから─」
    日和原 要:「これが、僕らの、あなたへの呼びかけだ」
    日和原 要:昏く輝く刃を、生物ならざる巨体へと、柄尻まで全て埋まるほど深く突き刺して。
    日和原 要:病み喰らいの体内で、刃が、大量のレネゲイドクリスタル─疑似的に再現された、賢者の石へと変換され。爆裂する。
    病み喰らい:赤熱する巨体が一瞬、異なる色に光り輝いた。
    病み喰らい:それは腹の中へ叩き込まれたクリスタルが放つ圧倒的な光量。
    病み喰らい:突き刺された一点を起点とし、外殻の複数箇所が爆ぜ──鮮血は霧のように際限なく噴き出す。
    病み喰らい:悲鳴も上げぬ塊であれ、体表の血管の脈動は、
    病み喰らい:着実に弱っている。
    GM:手番、行動値10二人。いずれか!
    七扇・T・絵麻:私の手番で
    陸奥 晴明:お先にどうぞ!
    七扇・T・絵麻:マイナーなし。
    七扇・T・絵麻:メジャー、《コンセ:サラマンダー》+《炎の刃》+《アマテラス》!オートで《砂の加護》+《砂塵霊》!
    七扇・T・絵麻:高桐理央/謝意○/憐憫/ロイスのロイスを取得、タイタスとしてダイス+10個で判定!
    七扇・T・絵麻:11dx7+4 オラーッ
    DoubleCross : (11R10+4[7]) → 10[1,2,3,3,4,5,8,8,9,9,10]+10[1,1,3,7,7]+10[4,7]+10[10]+6[6]+4 → 50

    病み喰らい:暴走リア不だ……ダメージ!
    七扇・T・絵麻:6d10+54
    DoubleCross : (6D10+54) → 31[9,5,10,3,1,3]+54 → 85

    病み喰らい:85……
    病み喰らい:まるっと通しで……209+85=294
    病み喰らい:……だが! どうにかまだ生きている!
    病み喰らい:そして。
    病み喰らい:〝病み喰らい〟が所有する、解除可能な
    病み喰らい:Eロイスは二つだ。
    病み喰らい:《ありえざる存在》《囚人の鳥籠》
    七扇・T・絵麻:なれば
    七扇・T・絵麻:《囚人の鳥籠》を解除します
    GM:よろしい
    GM:ならばあなたの一刀は、異形の体内に囚われた刀を抉り出すだろう
    GM:演出どうぞ!
    七扇・T・絵麻: 
    七扇・T・絵麻:溶鉱滂沱の如く。現象の規模は最早人の埒の外にあると言える。
    七扇・T・絵麻:だとしても。
    七扇・T・絵麻:「我が祖の宿業、忘れ形見の弔いとあらば、出し惜しみはしない。」
    七扇・T・絵麻:鞘に仕込まれた八卦炉が灯る。
    七扇・T・絵麻:「刮目するがいい。火祓刀・多々羅 最大出力形態」
    七扇・T・絵麻:鞘の内の温度は鋼の融点を軽く超え、刀身は溶けるどころか気化し始めた…自滅か?否。否だ
    七扇・T・絵麻: 
    七扇・T・絵麻:この太刀の本体は鋼か?それとも切れ味か?呪いを断つその異能か?
    いずれも答えたり得ない。この太刀の本体は、化生への底知れぬ殺意だ。
    異能を通して、七扇は今迄になくその魂を引き出していく。
    四肢を飛ばし、首を掻っ切り、塵一つ残さず焼き焦がす。その魂(さつい)に相応しき刃であり続けることが、この太刀の真の形態。

    七扇・T・絵麻:私の選んだ刃。その全てを寄越しなさい。遍く怨敵を斬り散らし、我が前から尽く退けなさい。
    七扇・T・絵麻:——抜刀
    七扇・T・絵麻:只々に白い。陽光の濃淡が刃紋を描くほむらの太刀。
    七扇・T・絵麻:溶鉄・アルミニウム・氷の粒・多量の各種気体。
    それらがモルフェウスの砂によって精妙にコントロールされ、星の緻密をもって太刀の形に拘束されたもの。

    七扇・T・絵麻:夢想の刃を七扇は振るう。それは音越えの抜刀によって意図的にバランスを崩し、斬撃の刹那に超新星の熱と開闢の鋭利さを閃かせる。
    七扇・T・絵麻:そうして
    七扇・T・絵麻:八つ目の扇が、山を真二つに隔てる。
    七扇・T・絵麻:“生ぬるい”溶鉱に火を入れ、膨大な熱量と斬撃の余波が荒れ狂い、真一文字の空を刻んだ。滅びの光景。あるいは生誕のための炎
    七扇・T・絵麻:「正しき姿へと打ち直そう、七扇の刃達よ」
    七扇・T・絵麻:火祓の一閃が、混沌に沈むことわりを取り出す。
    七扇・T・絵麻:侵蝕142
    病み喰らい:──初めには。
    病み喰らい:何かドロドロとした、混ざり合った、何とも断じられぬものがある。
    病み喰らい:そこから形が生まれて、やがて命を育むに至る。神話の一つの類型だ。
    病み喰らい:と、なれば。
    病み喰らい:刀を鍛えるとは、神話の再現でもあるのだろう。
    病み喰らい:其れは人界の熱に非ず。遙か原初を再現する灼熱である。
    病み喰らい:偽りの神の名を与えられたる巨体は、いっとき、炎に耐えたが。
    病み喰らい:見よ。
    病み喰らい:人の世は遂に、神の御座をも鋳溶かすに至る。
    病み喰らい:──ぃいいいいぃいいいいいぃいぃいぃぃぃ。
    病み喰らい:声では無い。金属の軋む音がして、
    病み喰らい:巨躯は融解。再び赤々と煮えたぎる液状の鉄へと還った。
    GM:そして。
    GM:落下し、その下にある石を易々と貫いて、地面に突き立った刀が有った。
    GM:いかなる故か、赤熱する怪物の腹から零れ出ながら、歪みもない刀であった。
    GM:誰であると、問うまでも無かろう。
    GM:〝それ〟はすぐにも、人を模したかたちとなった。
    ???:「────────」
    ???:「十束しのぎよ、我が同類よ」
    ???:〝それ〟が問う。
    ???:「千二百年。我が霧は、かの人間達の揺り籠であった」
    十束しのぎ:言葉を聞く。
    ???:「それを断たんとする者に、なれは我が名を知らせたのだな」
    ???:言葉ばかりを聞くならば、責め立てているようでもあろうが、
    ???:〝それ〟はなんとも愉快そうに、笑みを抑えきれず、口元を袖で隠してすら居る。
    十束しのぎ:「えぇ」
    ???:「信じられる〝ひと〟であると」
    十束しのぎ:それを受け止めるのは穏やかな笑顔。
    ???:「なれもまた、信じるか?」
    十束しのぎ:唇を手の甲に触れさせる様に隠して。
    十束しのぎ:「もちろんですとも」
    十束しのぎ:くすくす、と童子のように笑って。
    十束しのぎ:「斬るものを選ぶのが剣のわがまま。ならば、」
    十束しのぎ:「同じものを斬ろうとする"わがまま"なヒトを信じるのに、何の不具がありましょう?」
    ???:「何も無い」
    ???:「……ああ」
    ???:「すがすがしい程に、何も無いな」
    ???:あなた達に背を向ける──いや。
    ???:〝それ〟は〝病み喰らい〟と対峙して、言うのだ。
    ???:「七扇の末裔よ。我が名を以て我が身を定めよ!」
    ???:「なれが望むは何か!」
    ???:「刀たる我が身を以て、何を斬ろうと言うのか」
    GM:最後の選択だ。
    GM:「A・〝因習を〟 / B・〝怪異を〟」
    七扇・T・絵麻:「承け給う!承け給う!」
    七扇・T・絵麻:「そ名は“山喰らい”!名のままに、この山に巣食う旧き因習(ことわり)ごと飲むがいい!」
    七扇・T・絵麻:「七扇の御名を持って勅令を下す!」
    〝山喰らい〟:「勅を受く──我が身はつるぎなればこそ」
    GM:──雲間から光が差して、街が明るくなる、あの瞬間のように。
    GM:世界の解像度が変わった。
    GM:目で観て取れる変化より先、あなた達が気付くのは、
    GM:所有する通信端末が、大量の通知を受けて鳴動する、その音だ。
    GM:次に気付くだろう声は、
    竹垣 渉:「えっ」
    ハナ:「……ほ?」
    ハナ:「ほあぁあぁっ!? なっ、なんだじゃいきなり!? はぁ!?」
    GM:あなた達の後方、十数m。聞き知った声が幾つか──
    GM:いいや、幾つも。
    村人達:「えっ!?」「な、何が起こったぁ……?」「熱っ、ここ熱くない!?」「あれ、お客人があんなところに──」
    七扇・T・絵麻:「大義」
    七扇・T・絵麻:「旧い血の神秘。とくと拝ませてもらったわ」
    門脇ふみ:「──本当に凄い斬り方してたのねえ、七扇のご先祖様って。」
    〝山喰らい〟:「左様」
    〝山喰らい〟:「村一つ、山一つ。まるごとこの世から斬り失せるが為に」
    〝山喰らい〟:「我が名は〝山喰らい〟と定められたのよ」
    門脇ふみ:「それが巡りにめぐって”病み”喰らいとは。人間の不完全さ、ここに極まれりって感じですわね。」
    十束しのぎ:「あぁ、いいですねぇ」
    十束しのぎ:「静けさよりはヒトの声のほうが私の好みです」
    村人達:「──あっ!」
    村人達:「え──な、何、あれ……」「なんだぁ……?」「何か、こわくない……?」
    竹垣 渉:「あの、状況の説明を──あ、いえ」
    竹垣 渉:「……見て、だいたい分かりました」
    ハナ:「あんれ、まぁ」
    ハナ:「お客人ら、とんでもねえことしてたんだなぁ」
    陸奥 晴明:「……後は」
    陸奥 晴明:「皆で、帰るだけです」
    GM:村人が、UGNが、七扇の家の者達が、
    GM:村から外れた母親が、みんな、あんぐりと口を開けて見上げた先には、
    GM:再び、赤熱した鉄の池から立ち上がる怪物の姿。
    日和原 要:「そう。─誰一人、欠けることなく」
    日和原 要:─そんなことは、夢物語だと。事実、獣として果てた者がいたとしても。
    日和原 要:「めでたしめでたしで、終わるためにね」
    七扇・T・絵麻:今一度の《ワーディング》
    七扇・T・絵麻:炉の熱気をはらんで、七扇を中心に世界が塗り替えられる。そう、私は退魔師。化生を葬るまでは引かぬ
    陸奥 晴明:「その為に……もうひと頑張り、行きますか」
    十束しのぎ:そして聖剣とは言うまでもなく。
    十束しのぎ:困難を切り開くモノである。
    十束しのぎ:「えぇ」
    十束しのぎ:「これが最後の山場です!」
    病み喰らい:周囲の大気から水分を蒸発させ、表面の血管を虫の足のように大地に這わせて、再び〝病み喰らい〟は動き出す。
    GM:行動値10,陸奥 晴明!
    陸奥 晴明:では、マイナーなし
    陸奥 晴明:メジャー、<コンセントレイト:サラマンダー>+<氷の塔> コンボ:アヴィオール
    陸奥 晴明:日和原さんのロイスをタイタス化、ダイスを+10個
    陸奥 晴明:対応なければ判定
    GM:さあ来い!
    陸奥 晴明:11DX+5+0@7 アヴィオール(侵食上昇6)
    DoubleCross : (11R10+5+0[7]) → 10[1,2,3,4,4,4,4,6,6,7,10]+10[2,7]+10[10]+6[6]+5 → 41

    陸奥 晴明:ダメージダイス!固定値36!
    病み喰らい:暴走リア不! ダメージ来いやぁ!
    陸奥 晴明:5d10+36 (侵食100)
    DoubleCross : (5D10+36) → 14[4,2,2,4,2]+36 → 50

    陸奥 晴明:50!装甲ガード有効!
    病み喰らい:50通し。294+50=344
    病み喰らい:病み喰らいのHPは……
    病み喰らい:330!
    病み喰らい:撃破だ。復活エフェクトの類いは無い。
    病み喰らい:演出どうぞ!
    陸奥 晴明:刃は届いた。つるぎは打ち直され、新たな姿を定めた。
    陸奥 晴明:ならば後は、幕引きだ。
    陸奥 晴明:左右の銃身たる影球を合成し、結合。『砲弾』を生成する。
    陸奥 晴明:一つになった影球が凍りつき、漆黒の氷槍へと変換されていく。
    陸奥 晴明:『Shift Assault Cannon』
    陸奥 晴明:蛇のもたらすあらゆる力が、氷槍を加速させる。
    陸奥 晴明:放たれるのは最速、最大火力の一射。
    陸奥 晴明:「行っ……けぇぇぇぇっ!」
    陸奥 晴明:咆哮とともに、放たれる。
    病み喰らい:偽りの神を穿つ槍。
    病み喰らい:千二百年の忘却を終わらせる槍。
    陸奥 晴明:赤熱する怪物、偽りの神を真っ向から貫く。
    病み喰らい:黒く冷たい死が、〝病み喰らい〟に届く。
    病み喰らい:ぴしぃっ──
    病み喰らい:罅が入る。
    ハナ:「あぁっ」
    ハナ:それが何かも知らぬ筈なのに、子を抱く母の声は、怯えているようだった。
    ハナ:きっと不可逆の何かが起こるのだと分かってしまうから、
    ハナ:逃れることを望んでも尚、日常が失われる事に怯えてしまう。
    ハナ:……けれども。
    〝山喰らい〟:「恐れるな。何も怖いことなど無い」
    〝山喰らい〟:ただ一振りの刀が言う。
    病み喰らい:がらがらと、崩れて砕けていく。
    病み喰らい:鋼の強度、溶岩の熱、今はいずれも失われて、
    病み喰らい:ただの土塊のようになって、山の土と混ざって朽ちていく。
    七扇・T・絵麻:それでいい。
    七扇・T・絵麻:旧い家の権威など、その身にはただ重い装束であっただろう。
    〝山喰らい〟:「昨日と同じ今日」
    〝山喰らい〟:「今日と同じ明日」
    〝山喰らい〟:「繰り返し時を刻み、変わらぬ〝だけ〟の村などより、な」
    〝山喰らい〟:背負うものの無くなった刀は、歯を剥き出しにして、にいっと笑った。
    〝山喰らい〟:……悪戯っ気のある子供のような顔をして、あなた達に振り向き、
    〝山喰らい〟:「じゃろ?」
    〝山喰らい〟:と、言った。
    七扇・T・絵麻:太刀を払い、納刀。
    七扇・T・絵麻:「ええ、本当に。」
    七扇・T・絵麻:「良いことも悪いことも、変わらねば変わらない。次に進めていかないと」
    門脇ふみ:「ホホホ!この後の事を考えると早くも頭が痛くなりますが」
    陸奥 晴明:「進める……か。そうですね」
    陸奥 晴明:「俺たちの守る日常は、前に進むためのものだ」
    陸奥 晴明:「辛くても苦しくても、足踏みしてばかりは、いられない」
    門脇ふみ:「それでも。60年に一度の冒険をした甲斐は……ありましたわね」
    十束しのぎ:蒼銀の剣は桜色の光と消えて。
    十束しのぎ:「もっちろんです」
    十束しのぎ:空いた両手でむに、と頬を持ち上げて。いたずらっぽい子供の笑顔を真似するように笑顔になって。
    十束しのぎ:「境界線のこちら側へようこそ、大先輩」
    十束しのぎ:「歓迎いたしますよ?」
    〝山喰らい〟:「ふん、言いよる。これでも、客人の話から、外の事も相応には知っているのだぞ
    〝山喰らい〟:「今更、電話程度のことでは驚いてやらぬから、そう思うが良いわ!」
    日和原 要:「─変われないもの。変わらなければいけないもの。うん。それを前に進めるのは、僕たち、人の─そして」
    日和原 要:「共に歩む、隣人たちの力だ。でもね」
    日和原 要:ほんの少しだけ。悲しそうに、目を伏せてから。
    日和原 要:「─変わらなきゃいけないことも、ある。そして、それと同じくらい」
    日和原 要:「変わってはいけないもの。忘れてはいけないものも、ある。─そうだね、ゆっくり話してもいいけれど」
    日和原 要:手にした、いまだ輝きを保つ赤黒い刃を、上空に放り投げる。それは、空中で、パリンとあっけなく砕けて。
    日和原 要:柔らかな光が、世界を満たして──。

    日和原 要:──さて。今、君たちには何が見えているだろう。
    日和原 要:──愛しい人だろうか。大切なものだろうか。それとも─憎くてたまらない誰かだろうか。
    日和原 要:──言葉は交わせるだろうか。それとも、ただ、微笑んでいるだけだろうか。
    日和原 要:──残念ながら。今、神様は眠っていて。世界を救えるほどの力はないけれど。
    日和原 要:──こうして。途切れかけた絆を結び直すことはできる。それが。
    日和原 要:──それこそが、神様の、さいしょのねがいだった。

    日和原 要:Dロイス:無疵なる石を使用。シーン内のキャラクターは、任意のロイスをひとつ、タイタスからロイスに戻すことができます。
    日和原 要:自分も対象に。病み喰らいへの昇華済みタイタスをロイスに復帰。
    七扇・T・絵麻:私も高桐へのタイタスをロイスに
    十束しのぎ:所持しているタイタス無し。
    門脇ふみ:高桐理央のタイタスをロイスへ。
    陸奥 晴明:日和原さんへのタイタスをロイスに。
    〝山喰らい〟:七扇 藤間 ○慕情/嫌気 のタイタスをロイスへ復帰する。

    〝山喰らい〟:ひとの体を模しているからだろうか。ひとのような夢を見た。
    〝山喰らい〟:これは夢なのだと自覚できるからこそ、自分が夢を見ることに驚いた。
    〝山喰らい〟:知った顔が一つ。
    〝山喰らい〟:言いたいことは決まっている。
    〝山喰らい〟:「千二百年もこき使いおって」
    〝山喰らい〟:「馬鹿め」
    GM:夢が終わって、目が覚めたなら。
    GM:空の青に飛行機が、雲を一筋描いていた。

    バックトラック


    GM:バックトラック!
    GM:まずはEロイスだが
    GM:Eロイス
    ・高桐 理央
    《悪意の伝染》
    《憎しみの楔》
    《傲慢な理想》
    《不滅の妄執》
    《更なる絶望》
    《更なる絶望》

    ・病み喰らい
    《ありえざる存在》
    《超越活性》
    《破壊神顕現》
    《囚人の鳥籠》
    《変異する悪夢》
    《悪夢の鏡像》

    ・ジャーム1
    《怨念の一打》

    ・ジャーム2
    《怨念の一打》

    GM:本当はもう一つミドル戦闘がある予定だった故、長いぞ
    七扇・T・絵麻:14個
    十束しのぎ:なっげぇ
    GM:いえす、14個
    門脇ふみ:いっぱい……
    七扇・T・絵麻:ふるか…
    日和原 要:期待値でめっちゃ帰って来れる。
    七扇・T・絵麻:142-14d10
    DoubleCross : (142-14D10) → 142-82[2,5,5,7,7,2,10,7,10,1,4,5,7,10] → 60

    十束しのぎ:振るぞ~
    七扇・T・絵麻:ばいふり
    門脇ふみ:当然振りますわよ~!
    十束しのぎ:120-14d10
    DoubleCross : (120-14D10) → 120-62[2,2,1,8,1,6,5,8,3,9,5,4,6,2] → 58

    七扇・T・絵麻:60-12d10
    DoubleCross : (60-12D10) → 60-56[6,1,1,9,9,5,3,5,10,2,3,2] → 4

    十束しのぎ:倍振り
    七扇・T・絵麻:すっきり帰還
    十束しのぎ:58-8d10
    DoubleCross : (58-8D10) → 58-39[4,1,4,9,2,6,8,5] → 19

    門脇ふみ:137-14d10
    DoubleCross : (137-14D10) → 137-77[6,4,2,10,1,1,9,8,1,2,6,8,9,10] → 60

    十束しのぎ:めっちゃ帰還。
    門脇ふみ:倍振りね!
    日和原 要:135-14d10
    DoubleCross : (135-14D10) → 135-96[3,3,9,10,8,7,8,6,9,4,4,9,10,6] → 39

    日和原 要:めっちゃ下がった。
    陸奥 晴明:14個数フリます。
    陸奥 晴明:119-14d10
    DoubleCross : (119-14D10) → 119-68[5,1,3,7,10,2,2,2,8,10,2,4,6,6] → 51

    陸奥 晴明:よし。ロイス3個等倍
    陸奥 晴明:51-3d10
    DoubleCross : (51-3D10) → 51-22[6,9,7] → 29

    門脇ふみ:60-10d10
    DoubleCross : (60-10D10) → 60-48[2,9,10,2,3,1,8,3,6,4] → 12

    陸奥 晴明:帰還シました!
    門脇ふみ:余裕の帰還だわ~!
    日和原 要:ロイス5つで等倍振り!
    日和原 要:39-5d10
    DoubleCross : (39-5D10) → 39-36[8,3,7,9,9] → 3

    日和原 要:3%で帰還。
    GM:その他に、いつもの5点と、
    GM:〝病み喰らい〟撃破5点、〝山喰らい〟の現世への帰還2点、〝ゆりかごむら〟の円満終了3点。
    GM:Eロイスは数が多すぎるので今回は経験点から省略させてもらうが、
    GM:つまり15+侵蝕分をどうぞだ
    十束しのぎ:倍で18点!
    門脇ふみ:侵蝕点3なので18!
    日和原 要:17点!
    陸奥 晴明:あっ30%斬ってら。17点!
    七扇・T・絵麻:18点でゴンス
    GM:18*3+17*2か
    GM:54+34=88なので
    GM:私はたぶん29点
    GM:という訳で全員帰還!
    日和原 要:わーい!
    陸奥 晴明:ヤッター!むしゃむしゃ
    十束しのぎ:もしゃー!
    門脇ふみ:フフ・・・経験点はおいしいね
    七扇・T・絵麻:有り難く

    ED1:また会いましょう


    GM:幾日かの時が過ぎた。
    GM:体感で1日ほどの、霧の中の物語。その間にこちら側では、二週間近い時間が流れていたという。
    GM:未読通知が山と積もっていたのも、むべなるかな。
    GM:それはさておき──あなた達はそれから、幾日かの休息と事後処理を経て、ここにいる。
    七扇・T・絵麻:掃除と、墓への水かけ、線香。
    七扇・T・絵麻:家のものは伴っていない。個人としてのお参りである
    七扇・T・絵麻:この敷地に入るのも相当に久方ぶりだ。七扇に対する不信感もあろうが、今回は高桐の人間が関わっていたということ、そして個人…と、帯同する人間一人ということで通してもらった
    陸奥 晴明:「……すいません。無理を言ってしまって」
    七扇・T・絵麻:「何も無理じゃあ無いわよ。故人を弔うのにいちいち許可が要るほうがおかしいと思わない?」
    陸奥 晴明:「それは……なら、良いんですが」
    七扇・T・絵麻:「…とまあ、今回ばかりはそうも言えないけどね。」門脇水瀬については、特に
    陸奥 晴明:全てが終わってから。七扇・T・絵麻に、頼み込んだ。
    陸奥 晴明:門脇水瀬の、墓参りをさせてほしい、と。
    陸奥 晴明:「俺も、どうしても。話したいことがあったので」
    七扇・T・絵麻:「妙な偶然もあるもんよ。」
    七扇・T・絵麻:柄杓をひるがえす
    七扇・T・絵麻:「話しって?」
    陸奥 晴明:「…………」
    陸奥 晴明:手を合わせ、黙祷。 それから静かに、呼吸を整える。
    陸奥 晴明:「やまくらいの事件。あの時現れた、ジャーム」
    陸奥 晴明:「俺は以前、彼と戦いました」
    陸奥 晴明:「あの、崩落戦の日に」
    七扇・T・絵麻:「……ということは」
    七扇・T・絵麻:「何か、あったのね。」
    七扇・T・絵麻:単に撤退した相手だというのならば、さほど気にかけるものでもない
    七扇・T・絵麻:「うちの子が迷惑をかけたわ…ごめんなさい」
    陸奥 晴明:「……彼にあの日、手傷を負わせたのは俺です」
    陸奥 晴明:「そして……取り逃がしてしまったのも」
    七扇・T・絵麻:「それは、気にしてはいない。」
    陸奥 晴明:「……でもっ」
    七扇・T・絵麻:「いずれにせよ、戻ってこれない子だった。貴方が責を感じる必要は無いわよ」
    陸奥 晴明:「……俺が、しっかりしていれば」
    七扇・T・絵麻:「そもそもうちと門脇の諸々に巻き込まれてジャームに堕したのだから。うちがケリをつけるのがスジなのよ」
    陸奥 晴明:「もっと考えていれば……貴女達にも、」
    七扇・T・絵麻:「だから、貴方が不甲斐なく感じるというのならば」
    七扇・T・絵麻:桶を手に取る「今後のことでしょ。」
    陸奥 晴明:「……」
    陸奥 晴明:「俺は」
    陸奥 晴明:「あの日まで、沢山見過ごしてきました。自分の犯した過ちを」
    陸奥 晴明:「あの日も、そして今も……それを、思い知らされて。だから」
    陸奥 晴明:「もう二度と、正しさに甘えない」
    陸奥 晴明:「向き合い続けて、誰かにもらったものじゃない、自分の信じた道を選ぶ」
    陸奥 晴明:「今日よりも良い明日を、迎える為に」
    陸奥 晴明:「誓います。貴女にも……彼にも」
    陸奥 晴明:「ありがとうございます。七扇さん」
    七扇・T・絵麻:「…なんで、私に?」
    陸奥 晴明:「殺される覚悟で、話したつもりだったんですよ」
    陸奥 晴明:「恨まれても、憎まれても仕方ないと思って。……なのに」
    七扇・T・絵麻:「…はーっ。」
    七扇・T・絵麻:「じゃあ今怒ったるわ。」
    陸奥 晴明:「えっ」
    七扇・T・絵麻:「なーに人を担保に使ってんのよ。」
    陸奥 晴明:「た、担保?」
    七扇・T・絵麻:「“誰かに貰ったものじゃない道を選ぶ”のなら、誓うべきは己の魂以外にないでしょうが」
    陸奥 晴明:「……己の、魂に」
    陸奥 晴明:「……ああ、確かに」
    七扇・T・絵麻:「貴方の決意ってのは、人に見せて承認を得るものじゃないでしょう」
    陸奥 晴明:「今、自分の命。貰い物みたいに思っちゃいました」
    七扇・T・絵麻:「謙虚も過ぎれば奢りと変わらない。」
    七扇・T・絵麻:「覚悟を決めたというのなら、一番誇るべき自分を持ちなさいな。」
    陸奥 晴明:「……ははっ」
    陸奥 晴明:「本当に……格好良い人だな」
    七扇・T・絵麻:「どうだか。」荷物をまとめる。
    陸奥 晴明:「ご忠告、痛み入ります」
    七扇・T・絵麻:「反省は好きにしてもらって、次の墓に行くわよ。」
    陸奥 晴明:「次?」
    七扇・T・絵麻:「…貴方がそこまで迷うってことは。大事な何かをその時亡くしたってことじゃない?」
    七扇・T・絵麻:「昨日今日でそこまでほむらの心配を出来るっていうのなら、相当なお人好しで済ませるけど」
    七扇・T・絵麻:「うちの者が傷つけたんだから、そこは私だけでも参りにいかないと」
    陸奥 晴明:「……お見通し、ですか」
    陸奥 晴明:「……はい。来てくださるなら、喜んで。行きましょう」
    GM:あなた達は歩き始める。
    GM:すると程なく──
    七扇 ほむら:「あっ……」
    七扇 燎雅:「……チッ」
    GM:まだ朗らかとまでは言えないが、柔らかに笑う少女が一人と──あからさまに顔をしかめた男がひとり、連れだって歩いて来るのを見るだろう。
    七扇・T・絵麻:「あらま」
    七扇 ほむら:「ねえさま。……と、そちらの方は、えーと」
    七扇 ほむら:「……えーと」名乗りは聞いた筈なのであるが。
    陸奥 晴明:「えっ……と、こんにちは。 陸奥晴明です。UGNの」
    七扇 ほむら:「そうでした、陸奥さん。ごめんなさいね」と軽く頭を下げて
    七扇 ほむら:「……お墓参りですか?」
    陸奥 晴明:「……ええ」
    七扇・T・絵麻:「もう掃き清めたから、後はしっかりお参りしてきなさい。」
    七扇・T・絵麻:「貴方が一番伝わるはずよ」
    七扇 ほむら:「じゃあ、おふたりはもう?」
    陸奥 晴明:「はい。これからまた、別の相手に報告を」
    七扇 ほむら:「そうでしたか……」と、少しの逡巡
    七扇 ほむら:くるり。
    七扇 ほむら:七扇 ほむらはその場で180度回って、あなた達と視線を揃えた。
    七扇 燎雅:「……む」
    七扇 ほむら:「じゃあ、ご一緒します」
    七扇・T・絵麻:「ええ…?」
    陸奥 晴明:「えっ?」
    七扇・T・絵麻:「良いの。二度手間じゃないのそれ」
    七扇 ほむら:「だって。ねえさま、滅多に本家に寄りつかないでしょう」
    七扇 ほむら:「水瀬さんなら何時でも会えますし。それよりレアモンスターを優先です」
    陸奥 晴明:「レアって。……はは」
    七扇・T・絵麻:「まあそりゃ諸手を上げて喜びますけど…」ちらりと叔父のほうを見る
    七扇・T・絵麻:何しろ妹分は顔がいいのだ
    七扇 燎雅:視線を向けられれば、彼は平時の通り、いつ人を斬らぬとも分からぬような目をしながらも、
    七扇 燎雅:「……本家筆頭であろうが、知った口を利こうが」
    七扇 燎雅:「大層な信条を見つけようが……つまるところ、必要なことは、一つだ」
    七扇 燎雅:「腕が立つか、否か」
    七扇 燎雅:「怠れば、無礼のツケを払わせると知れ」
    七扇 燎雅:そう言い捨てて歩いて行く。
    七扇 ほむら:「と、いうことですので」
    七扇・T・絵麻:「娘に甘いわね…」
    七扇・T・絵麻:(まあ分かるわ。ほむら顔がいいものね)
    七扇・T・絵麻:「はいはい。じゃあどういう人だったのかを陸奥君にレクチャーしてもらいながら行きましょう」
    七扇 ほむら:「行きましょう。その後はちょっと、お買い物もしたいんです。白髪染めとか」
    七扇・T・絵麻:「パツキンとか茶色も良いんじゃない?」
    七扇 ほむら:「冗談です」
    陸奥 晴明:「(……俺、二人の邪魔にならなきゃいいんだけど。)」
    陸奥 晴明:でも、
    陸奥 晴明:「……良かったですね、七扇さん」
    七扇 ほむら:少女はクスクス笑いながら、七扇・T・絵麻と陸奥 晴明の間に、グイグイと身を押し込む。
    陸奥 晴明:ポツリとつぶやいて。
    七扇・T・絵麻:(あ~~~)
    七扇・T・絵麻:(役得、役得だわ~~~)
    七扇・T・絵麻:我が身の幸福を噛み締めながら歩くのであった

    七扇 燎雅:「……あと二年あれば」
    七扇 燎雅:「酒が飲めたな」
    七扇 燎雅:掃き清められた〝息子〟の墓の前に腰を下ろし、七扇 燎雅は呟いた。

    ED2:蝋燭は要らない


    GM:休日の、N市での事だった。
    GM:いきなり話を脱線させるのだが。
    GM:まぁN市は広い街であるからして、様々な娯楽施設も有るし、
    GM:昨今世間を騒がせるウィルスなどとも縁の無い世界である。
    GM:よって週末に何かしらの、大きなイベントがあるのは特に不思議な事ではないのだ。
    GM:その為に今日は、一風変わった衣服で撮影をしている者がちらほら見受けられて
    山喰らい:「のう、十束しのぎ」
    山喰らい:「〝コスプレ〟とはいったい、なんのことだ」
    山喰らい:待ち合わせ場所では、神々しさのオーラなど微塵も持たない、普段着としての和服姿の〝山喰らい〟が居た。
    十束しのぎ:「ふむ」顎に手
    十束しのぎ:「コスプレ、聞いたことがあります」
    十束しのぎ:「いわゆる、コスチューム……衣服をプレイ……要するに使用する意味合いでしょうから」
    山喰らい:「衣服を使用?」首を傾げて
    山喰らい:「さっきから何度も〝なんのコスプレですか?〟と聞かれてな……」また逆方向に首をかくん。
    十束しのぎ:「はい。刀と剣は斬るのが使用方法。衣服を使用するというのなら…」
    十束しのぎ:「すなわち、オシャレです!」断言。
    山喰らい:「そうか、着飾る事をコスプレと言うのか、ふむふむ」
    山喰らい:「……なんぞ意味合いに違和感があるが、まぁ良いであろう」
    十束しのぎ:「間違いありません」根拠もない。
    GM:と言う訳で
    GM:何かしら微妙な誤解を生じさせながらも、
    山喰らい:「では、行くとするか」下駄ですらない。わらじ履きの足を持ち上げて歩き始める。
    GM:今日は、ショッピングなりウィンドウショッピングなりをゆったり楽しんだ後、
    GM:どこぞで食事でもして帰るかみたいな、雑プランニングの一日なのである。
    十束しのぎ:「えぇ、はい」いつものワンピース姿に底の低いローファー。つまりはいつもの西洋寄りの衣服で隣に立つ。
    十束しのぎ:「というわけで」その手には、使い込まれた大学ノートが握られている。
    山喰らい:「ふむ」そのノートを覗き込む
    十束しのぎ:何度も開いては書き込んだであろう開き癖と、付箋に寄って情報項目が記載されている。
    十束しのぎ:「本日はやまくらい様に楽しんで頂こうと、様々なプランを用意しております」
    十束しのぎ:明らかに一日二日のもの量ではなく、普段より何かしらを書き留めているのが見て取れる。
    山喰らい:「その心持ちは大義であるぞ。して」
    山喰らい:街をぐるりと見渡して
    山喰らい:「どこからだ?」
    山喰らい:「どこだろうと構わぬぞ。何もかも皆目新しい」かなりウキウキしている様子
    十束しのぎ:「えぇ、まずはヒトの皆様の文化に根付く場所……」
    十束しのぎ:「すなわち、"らんち"を経験して頂きます!」
    十束しのぎ:くわっ。
    十束しのぎ:「ヒトの皆様の生命維持に食事は不可欠。よって、最も文化として大成する分野と言えましょう」
    山喰らい:「らんち──聞き覚えがあるぞ、昼食であるな」
    山喰らい:「……ふむ。ふむ!」
    山喰らい:「根本的なことを聞くのだが」
    十束しのぎ:「なんでしょう!」
    山喰らい:「我ら、ものを喰えるのか?」
    十束しのぎ:「………………………」黙考。
    十束しのぎ:「大丈夫です」
    十束しのぎ:「今はヒトの身を得ているので死にはしないと思います」
    山喰らい:「ならば良し。これ、はよう案内せい。はようはよう」
    山喰らい:と、十束しのぎの背をぐいぐいと押し始める。
    十束しのぎ:「ふふふ。楽しみにしてください。山喰らい様は永く山の中に居られた身…」フフン、という顔でグイグイと押されている
    十束しのぎ:「此度はなんと海。いわゆる海鮮を用意しているのです」ガリガリ。不穏な音が聞こえたので足を動かす。
    山喰らい:「海!」
    十束しのぎ:「海です!」
    山喰らい:「実は良く知らん!」
    十束しのぎ:「私もです!」
    十束しのぎ:任務で海岸に行ったきりである。
    十束しのぎ:同僚に海の生物を起源にしたRBは居るが人の形をしているのである。
    山喰らい:「我、山喰らいであるからな。海、縁が無いのじゃ」
    山喰らい:「湖のでかいやつで、塩水が満ちているというのは知っているぞ」
    十束しのぎ:「そのようです。つまり私達、鉄にとっては切れ味を落とす鬼門」
    十束しのぎ:「しかし今はヒトの身なれば、海のものだって食べてしまえるのです」
    山喰らい:「奇妙な話よのう。〝レネゲイドビーイング〟と言うのだったか」
    山喰らい:己の手を持ち上げて、眺めながらに言う。
    十束しのぎ:「そうですねぇ。振るわれる私達が、振るう腕を手に入れるとは」
    山喰らい:……〝こちら側〟へ戻ってから、UGNにより、基礎的なこの世界の知識は得た。
    山喰らい:オーヴァード、ジャーム、レネゲイドウィルス。刀剣が人の形を取ることも、今は、珍しいとは言えまま有る話だと。
    十束しのぎ:持ち上げた手に手のひらを重ねる。
    山喰らい:「……ん?」重ねられた手をじっと見て
    山喰らい:「……ふむ」指を互い違いにするように閉じてみる。
    十束しのぎ:同じように閉じる。
    十束しのぎ:「ふふ」
    十束しのぎ:「触れれば斬れる刃が、斬らないことも、こうして掴む事も選択できるのです」
    十束しのぎ:「わがままな刀や剣にとってはもってこいではありませんか?」
    十束しのぎ:手の感触を確かめるようににぎにぎ
    山喰らい:「ふん。それは元々、我の言うた理屈ではなかったか」
    山喰らい:「我が儘に、斬るものを選べとな」
    山喰らい:「それが故に今、我はここに居る。あの霧の中ではなく、だ」
    十束しのぎ:「バレちゃいましたか」
    山喰らい:「ふふ。改めて教えられずとも忘れぬよ。記憶力は良いのでな」
    十束しのぎ:「えぇ、私達は斬るものを選び、着るものを選び、握るものを選び、生きるものを選ぶのです」
    十束しのぎ:「その記憶力で、これから覚えることはいっぱいですよ?」
    十束しのぎ:「なにせ、千年、二千年。ヒトの皆様の生み出すものは、選びきれないほどに溢れておりますので」
    十束しのぎ:「どれだけ有っても時間が足りません」
    山喰らい:「ともあれ、今はその〝海鮮〟とやらが気にかかる」
    十束しのぎ:「おおっと、そうでした」
    十束しのぎ:使用人として仕えているお屋敷の住人から教えてもらった店である。
    十束しのぎ:当然予約制。
    十束しのぎ:「もちろん、道筋にも興味を引くものが多く配置されたルートをご用意しております」
    十束しのぎ:「急ぎつつ、全部楽しんでもらいますよー」

    GM:──という訳で。
    GM:結論から言うと。
    山喰らい:「……! …………! …………!」
    GM:むちゃくちゃ楽しんでいた。
    十束しのぎ:「…………!………!」
    GM:口にものが入っているので喋ることは出来ないが、初めて体験する〝美味い〟という感覚にバグっているような、
    十束しのぎ:その対面で絶句していた。
    GM:ほら、そうだな。例えばあれだ。
    GM:小さな子供に初めてお菓子とかあげた時の、外国人が撮影した動画。あれの子供を少し落ち着かせたくらいのテンションである。
    十束しのぎ:そしてそれについては似たようなものである。
    十束しのぎ:今まで無機物の友人とこうして出かけることはなかった。
    十束しのぎ:ヒトの感覚というものを贅沢に発揮する機会などは、こちらにもなかったのである。
    十束しのぎ:無論、これでも4年ほど先んじてヒトの社会に溶け込んでいる身である。はしゃぐことはしない。
    十束しのぎ:しない、が
    十束しのぎ:「──────────!!」
    十束しのぎ:思わずシステム的な人格で統制してしまうほどの衝撃を帯びている。
    十束しのぎ:舌の上に載せた途端。いやさそれ以前、鼻腔が、目がそれを認識した段階ですでに"楽しんでいる"感覚に、認識がバグを起こしたのだ。
    十束しのぎ:「や、山喰らい様……!」
    十束しのぎ:感想はない。ただ驚きを共有するための呼びかけのみが漏れる。
    山喰らい:「これが……シーフードスパゲッティーとやらの……力……!」
    山喰らい:割と安パイなところを喰っていた。
    山喰らい:「我……スパゲッティー喰らいに転職する……!」
    十束しのぎ:「スパゲッティー喰らい」
    山喰らい:「山とか喰らっても美味しくないし……」
    十束しのぎ:「そうなんですね……私、食べたことないから……」
    十束しのぎ:自らの頼んだ品と相手の皿は違う。魚の身を食べてみたかったのでいわゆる和。
    山喰らい:「基本的に……こう……」
    山喰らい:「かさばる……」
    十束しのぎ:「かさばる………」
    山喰らい:「かさばる荷物をぐいぐいと押し込む感じ……」
    十束しのぎ:「あぁ………それはなんとも」極上の感覚のみを残して溶ける今の感覚とは天と地。スパゲッティと山。
    十束しのぎ:「山喰らい様、ここでお耳に入れておきたいのですが」
    十束しのぎ:そのお膳を、ススス、と相手側に寄せて。
    山喰らい:「……む?」フォークの扱いには早くも習熟。くるくる巻き付けながら
    十束しのぎ:「ヒトの皆様は、友人と食事する時、お互いの膳を分け合うのだそうです」
    十束しのぎ:食べてみたくなった。
    十束しのぎ:色とりどりの刺し身の膳を差し出しながら、チラチラとスパゲティを見ている。
    山喰らい:「ほう。共同体らしい風習であるな、良き発案である」
    山喰らい:と言うや、フォークごとずいっと押し出される皿。各種海鮮色取り取り、半ばほど残されている。
    十束しのぎ:「では」
    十束しのぎ:2本のフォークで、その大振りな身を掴み、差し出す
    十束しのぎ:「『あーん』」
    十束しのぎ:真面目な声色。
    山喰らい:「む?」
    山喰らい:「……ふむ。当世は幼子にするように喰わせるのが流行りであるか」とひとり頷き、
    十束しのぎ:「いえ、私もよく知りませんが」
    十束しのぎ:「先日、そのようなものを目にしまして」テレビで。
    山喰らい:「あ」と口を開いて少し身を乗り出す。
    十束しのぎ:その口の中、赤く燃えるような舌の上に、しっとりとした刺し身を乗せる。
    山喰らい:刺身とはなんであるか、は注文の際に聞いている。
    山喰らい:なんでも、魚だと言う。
    山喰らい:魚ならまぁ……山の中に川は流れていて、そこに泳いでいたなぁ……。
    山喰らい:けれど、あれは目の前の切り身を作れるほどの大きさは無いと思ったが。
    山喰らい:そんなことを考えながら、ぱくり。
    山喰らい:「…………………………!」
    山喰らい:口を閉じ、無言のまま。目だけがキラキラと輝いている。
    十束しのぎ:慈愛の笑み。
    十束しのぎ:その反応を今しがた自分がやった所だ。
    山喰らい:こくこくと何度も頷いたり、手をひっきりなしに開いたり閉じたり
    山喰らい:情動の整頓が出来ていないのである。
    山喰らい:実際、バグを起こしたような挙動であった──が、それも飲み込んでしまえばようやく落ち着いて、
    山喰らい:「……美味」
    山喰らい:「美味ぞ、これ」
    山喰らい:「ずるいな人間」
    十束しのぎ:「わかります」
    十束しのぎ:「ずるいですよねヒト」
    十束しのぎ:真剣な顔。
    山喰らい:「うむ、ずるい」
    十束しのぎ:「私達が数千年ぐらいジッとしてる間」
    十束しのぎ:「食べてたんですよ、これ」
    山喰らい:「どうせなら鍛刀の段階で喰えるようにしておけと言うに……」
    山喰らい:「……これはきっちりと取り替えさねばなるまいな……」
    十束しのぎ:「そうです……!」
    十束しのぎ:言って、差し出されたスパゲティのフォークに手を伸ばそうとする。
    山喰らい:「これ」
    山喰らい:と、その手を遮るように此方が手を伸ばして、
    山喰らい:「鳥の親と雛ではあるまいし、一方が一方に喰わせるばかりということもあるまいよ」
    十束しのぎ:「はい?」
    十束しのぎ:「ふむ」
    山喰らい:フォークを持ち上げ、巻き取ったスパゲッティを十束しのぎの口元へ運ぶ。
    十束しのぎ:薄く目をつむり、垂れる髪を耳に掛けるようにかきあげて、薄桜色の唇を開く
    十束しのぎ:「あーん」
    十束しのぎ:魚の味を想像しつつ待つ姿勢。
    十束しのぎ:そして、
    山喰らい:ぐいっ
    山喰らい:と押し込む。
    十束しのぎ:もぐ。
    十束しのぎ:押し込まれる。
    十束しのぎ:「────────!!」
    十束しのぎ:例えるならば稲妻。
    十束しのぎ:刺し身とは魚の切り身である。
    十束しのぎ:いわゆる素材の味ですら正気を失わせるに足るものに、更に他の素材を組み合わせたなら?
    十束しのぎ:魚の味を引き立てる、そのために研鑽した技術を注いだのなら?
    十束しのぎ:「………………………」
    十束しのぎ:くるぅり、と衝撃で回転して。
    十束しのぎ:「………………うわ、美味し」
    十束しのぎ:口調が崩れた。
    山喰らい:「……くく」
    山喰らい:「なるほど……愉快よなぁ」
    十束しのぎ:「えー、マジですかこれ。うわー、駄目でしょこれは、えー」
    十束しのぎ:普段、ヒトの礼儀として学んだ作法が飛んでいる。
    十束しのぎ:「………美味っ」
    十束しのぎ:とか言っちゃう
    山喰らい:「美味いものとは、面白いな」
    山喰らい:「喰うだけでなく、喰わせてもまた愉しめるとは」
    十束しのぎ:「マジですね」ではなく「そうですね」
    十束しのぎ:「えー、発展しますよこんなの。絶対楽しいじゃないですかこんなの。うわー」
    山喰らい:「……ふむ。これは足繁く通うべき店である。我覚えた」
    十束しのぎ:「あー、そっかそっか、蘇芳様がヒビキ様になんであんなにしてるのかな?と思ったけどこれかー。うわー」
    十束しのぎ:ブツブツと方針しつつ。
    山喰らい:「現世に戻れい」
    山喰らい:と、対面からの声。
    十束しのぎ:「はっ」
    十束しのぎ:「これは失礼しました」数秒の記憶がない
    十束しのぎ:「ですが山喰らい様、大変ですよ通うのは」
    十束しのぎ:「いわゆる対価……通貨が必要ですから」
    山喰らい:「なれ、割とひとより〝こちら側〟だな……」と呆れつつも
    山喰らい:「うむ、それよ」
    山喰らい:と深く頷いて言うには
    山喰らい:「その旨、UGNより聞き知っておる。当世、何をするにも代価は必要であるとな」
    山喰らい:「故に我もまた人のように、なんらかの職を得ねばなるまいと思うが──問題がある」
    十束しのぎ:「問題、ですか」
    山喰らい:「名だ」
    十束しのぎ:「……名前」
    山喰らい:「なれは、十束しのぎと名乗っておろう。当世の、人の名の形式であるな」
    山喰らい:「どのように定めたものだ?」
    十束しのぎ:「私の名ですか。その頃はまだ私も、ヒトの文化に馴染んでいなかったものですから」
    十束しのぎ:「詳しい人より銘を頂きました。
    山喰らい:「今の〝ひと〟は、家の名と己の名と、二つの名を連ねて名乗ると」
    山喰らい:「受け取ったのは、その家名か?」
    十束しのぎ:「いえ、家名と、己の名の双方を」
    十束しのぎ:「十を束ねる、しのぎ……刀において刃と峰の境界を司る名前です」
    十束しのぎ:「語られる逸話がないのなら、十も百も束ねて自分のものにすればいい、と」
    十束しのぎ:「なにせほら、それまでは聖剣(じぶん)と他者を呼びわける必要もありませんでしたから」
    山喰らい:「……なるほどのう」
    山喰らい:「良き名であるな、十束しのぎ」
    十束しのぎ:「ありがとうございます」
    山喰らい:「……ふむ」
    山喰らい:小首を傾げて
    十束しのぎ:「この名を語り継いでもらうのが当面の目標……という話をすると、出会った頃の焼き直しになりますのでカットしまして」
    十束しのぎ:「つまり、そういう話をなされるということは」
    十束しのぎ:「家名がないのが問題と?」
    山喰らい:「うむ。己の名はとうに定めておるでな」
    山喰らい:「故に、十束しのぎ。もののついでじゃ、折角じゃ。なれに名付けを頼もうかと思うておった」
    十束しのぎ:「なんとっ」
    十束しのぎ:「わ、私にですか」
    山喰らい:「不服か?」
    十束しのぎ:「い、いえ、その」
    十束しのぎ:「名付けとか経験がないもので……その」
    十束しのぎ:「よろしいのですか?」
    山喰らい:「構わぬ──というより、これが恐らく最良であろう」
    十束しのぎ:「………………」
    山喰らい:「我が名は〝とうま〟。これに重ねる家の名なれば」
    山喰らい:「信に値するものに委ねるが良し、と心得る」
    十束しのぎ:「わ、わかりました。そこまで言われるのなら……」
    十束しのぎ:「とうま様…………その家名……」
    十束しのぎ:ふむ、と両手を合わせて唇の前へ。目を細めて考える姿勢を取る。
    十束しのぎ:まず考えつくのは自らの家名。十束。十を束ね………剣に由来する家名。
    十束しのぎ:ただこれは自らが貰ったものであるし。同じ理由で周りから拝借するのもどうか。
    十束しのぎ:「…………………………」
    十束しのぎ:さてどうしたものか、と下を見、上を仰いで。
    十束しのぎ:「……………ふむ」
    十束しのぎ:ピンとひらめいた。
    十束しのぎ:「天野(あめの)、ではいかがでしょう?」
    山喰らい:「ほう?」
    十束しのぎ:大学ノートに、新しく字を描く。
    十束しのぎ:「やまくらい様は永く山に居られました。そして今、海を知りました」
    十束しのぎ:「なれば次は天(そら)でしょう」
    十束しのぎ:「故に、天と、地を表す野のいち文字で、天野(あめの)。天野とうま様……で、いかがでしょうか」
    山喰らい:腕を組み、目を閉じる。
    山喰らい:少しの間、押し黙って、じいっと動かないでいる。
    十束しのぎ:「……………」
    十束しのぎ:掲げたまま止まっている。
    山喰らい:そも、呼吸も不要。脈動さえ不要の、人に似た姿をしているだけの存在。
    山喰らい:わずかの身じろぎさえなく、岩のような、鋼のような──
    十束しのぎ:「(これが緊張というのでしょうか)」
    十束しのぎ:同じ似姿であって、何故かじっとりと汗の感触を幻覚する
    天野 とうま:「良い」
    天野 とうま:くわっ、と目を見開く。
    十束しのぎ:「!」ぱぁ、と笑顔になる
    天野 とうま:「有り難く、その名を受け取ろう。これより我は天野 とうま。そういう名の、出自も分からぬ者じゃ」
    十束しのぎ:「ふふふ、では」
    十束しのぎ:「お誕生日おめでとう、というべきでしょうか。天野とうま様」
    天野 とうま:「うむ。……良きものを貰った。感謝するぞ、十束しのぎ」
    天野 とうま:「ああ、今日は良き日だ」
    天野 とうま:「明日も、その次も、そのまた次も」
    天野 とうま:「尚良き日になると良いなぁ」
    十束しのぎ:「えぇ、えぇ」
    十束しのぎ:「なりますとも、天野とうま様」
    十束しのぎ:「昨日より今日は前に進み、今日より明日はなお進む」
    十束しのぎ:「いいえ、たとえ前でも後ろでも」
    十束しのぎ:私達は伝説ではなく、今なお生きて。
    十束しのぎ:「停滞ではなく変化することが出来るのですから、きっと」
    十束しのぎ:「良き日に、出来るのです」
    十束しのぎ:さて。
    十束しのぎ:誕生日を迎えたヒトは─────ケーキを食べるのだったかな?
    十束しのぎ:この後の予定を頭のなかで組み替えて。
    十束しのぎ:人間のように笑った。

    ED3:明日はきっと、少しだけ良い世界


    GM:UGNが、その任務の途上において、誰かを保護するのは珍しいことではない。
    GM:が。
    GM:それが百人単位となると話は別であり、ましてそれが〝現代の常識や倫理を知らない集団〟というのは更に特殊な事例だ。
    GM:つまり〝ゆりかごむら〟の住人達である。
    GM:日和原 要。
    GM:あなたは事後処理の一環として、彼らからのヒヤリングに当たっていた。
    村人達:「ああ。だがら、女の人二人は村さ連れてって、その他は〝やみくらい〟様のいらっしゃる谷さ投げたよ」
    村人達:「そしたら、普通に歩いて村に来る人がいんだもの。ありゃ驚えたわなぁ」
    GM:悪びれる事も無く、その村人は言う。悪いと考える理由が彼には無いからだ。
    日和原 要:「─なるほど。なるほど」
    日和原 要:書き留める。記録する。もちろん、気持ちの良い話ではないけれど。
    日和原 要:それを、自分の─自分たちの尺度だけで捻じ曲げることは、してはならない。あの先生なら、そう言うだろうか。
    日和原 要:そんなことを思いながら、筆を走らせる。
    村人達:「〝やみくらい〟様がいるからさ、村の周りは豊かなんだ」
    村人達:「獣も鳥もいくらでも居て、枯れない川があって。……それを、前の祭りの時にはよぅ」
    村人達:「……けどなぁ」
    日和原 要:「けど?」
    日和原 要:ぴたり、と筆を止める。
    村人達:「もう、村ぁ、無えんだって?」
    日和原 要:「─はい。しばらくの間は、この施設で過ごしてもらって」
    日和原 要:「そのあと、これから先のことを、考えましょう。─ええ、色々と、今までとは変わってしまうけれど」
    村人達:「そっかぁ」
    村人達:「……変わるって、なんだろな?」
    日和原 要:「─変わる、というのは」
    日和原 要:ぱたり。手帳を閉じる音が、小さく、けれど強く響いて。
    日和原 要:「生きることです。生きていれば、何もかもが変わっていく」
    村人達:「……そっかぁ」
    村人達:「やっぱりまだ、良くわかんねぇなぁ」
    村人達:「俺ぁよ、俺の親父も爺様もよ。あの村で生まれたんだ」
    村人達:「あの村で、って言ったけどよ」
    村人達:「あの村の他に、人が住むところがあるって言うのもまだ、よくわかんねぇや」
    GM:と、その男は言った。

    GM:……また次のヒヤリングの為にあなたは移動する。
    GM:今度は十代半ばの少女の場所だ。個室が与えられている。
    GM:今日の分の仕事はこの少女と、あとは〝ハナ〟という名の娘に、その子。それで終わりだ。
    GM:という事で部屋を訪れたあなたは、先客を見ることだろう。
    門脇ふみ:「──それで。貴方はあの村だと何してたのかしら?」
    門脇ふみ:ニコニコと柔らかい笑みで、村の想い出を書き留める女性が一人。
    村人達:「木の実取りと、お酒造り。お祭りの時には、お酒を注いで回る役割よ」
    村人達:「クワの実から作るお酒がね、美味しいって良く褒めてもらってたんだけど──」
    村人達:「……〝こっち〟って、二十歳にならないとお酒を飲んじゃいけないって……ほんとう……?」
    門脇ふみ:「ホホホ!それに関しては本当(マジ)ねぇ」
    村人達:「ひどい……私の楽しみが……」しょげている
    門脇ふみ:「お酒っぽい飲み物もいっぱい知ってるから、もう何年かはそれで我慢してもらう形になるわねぇ……」
    門脇ふみ:「もうちょっと大きくなったら私も付き合ってあげるから、元気出してね!」
    門脇ふみ:※19くらいなら目を瞑ってあげるわ!の意
    日和原 要:短いノック。返事を待たずに、扉が開いて。
    日和原 要:「まだ昼なんですから。不健全な話は程々にしてくださいね?」
    日和原 要:ふたりが交わしていた会話の断片、それを耳にして、楽しそうな苦笑いを浮かべながら。
    村人達:「不健全って、何がさぁ」
    村人達:自分は何も悪いことしてないのに……という顔をしながら、退屈しのぎにと与えられたファッション誌に手を伸ばす。
    門脇ふみ:「─あら、日和原さん!ナントカ元気になったようで何よりですわ!」
    日和原 要:「未成年がお酒の話をするのはね、あんまり健全じゃあないんだよ。─と言っても、うん。人生に楽しみは必要だけどね」
    日和原 要:そう、少女に頷いてから。
    日和原 要:「ええ、おかげさまで、心身共に。─むしろ、事件を「締め」にする方が大変だな、と今更ながら」
    日和原 要:もう一度、決して暗くはない苦笑い。
    門脇ふみ:「ホホホ…流石の私も担当講義を丸一週間すっぽかしてたのは肝が潰れましたわね…」
    門脇ふみ:日和原さんは元気そうに振る舞う教授の髪が、ボサボサになっていることに気づいてもいいかもしれない。
    日和原 要:普段と同じような、けれど、疲労感に似た何かを滲ませる姿を目にして。
    日和原 要:「─大変ですね。大人って」
    日和原 要:同輩に、と言うよりは。先達に対する態度で。
    門脇ふみ:「ありがとう。」ニコリ、と微笑み。
    門脇ふみ:「だからこそ、楽しい時を目いっぱい楽しんでいる所も見せていきたいのよね。」
    門脇ふみ:『ゆりかご村の文化』と書かれたノートをぱたりと閉じた。
    GM:……それからあなた達は、少々の聞き取りを行った。
    GM:たいした話ではない。彼らがどのように暮らしてきて、
    GM:どれ程に〝こちら〟の常識と外れた生き方をしてきたのか。
    GM:これから先、〝こちら〟に適応する為のハードルはどの程度の高さであるか。
    GM:それを図る為の、定型文のような質問だ。
    GM:それらが終わり、あなた達が部屋を去る時、
    村人達:「ねえ。これ、なんて書いてるの?」
    村人達:ファッション誌の一頁。売れ筋のブランドを紹介する記事を指差して、少女が言った。
    村人達:ゆりかごむらに文字という文化は無かった。あらゆるものが口伝で残されていたからだ。
    日和原 要:ほぼ100%の識字率。無為に人が死ぬことのない社会。そんな、現代日本の常識の外に生きた人達。
    日和原 要:それを、悲しいものと思うのも。憐れむのも。多分に、自分たちの勝手なのだろう。─だから。
    門脇ふみ:「…そうねぇ。この紙?」踵を返し、文字を眺める。
    日和原 要:「ああ、これはね─」
    日和原 要:せめて。柔らかく、暖かい声で。
    門脇ふみ:新しい文化をどう伝えるべきか、回る頭脳を加速させながら。
    GM:やがてあなたが、〝そこには大したことが書いていない〟と正しく伝えたのなら
    村人達:「ふぅん」
    村人達:「お酒飲めないのはやだけども」
    村人達:「こういう服はちょっと、いいなぁ」
    GM:読めない文字を前にして、少女はそんな風に笑うだろう。

    日和原 要:施設の廊下。少女の部屋を辞した後、次の─そして最後の部屋へと向かう、その僅かな間。
    日和原 要:「─ああ、そうだ先生」
    日和原 要:まるで、なんでもないことであるかのように。
    日和原 要:「高桐さんですけれど」
    日和原 要:さらりと、その名を口にする。
    門脇ふみ:「あら……高桐さん。」ちょっぴり眉を寄せる。
    日和原 要:「先生には、お報せしておく方がいいと思って。─とはいえ、概ね、先生が予想している通りだと思います」
    門脇ふみ:「……そうでしょうね。あの継戦力では、限界などとうに超えていたはず」
    日和原 要:「"治療手段"の目途が立つまで、冷凍チャンバーに収容。期限は未定。事実上、寿命が尽きるまでの監禁です」
    門脇ふみ:「…………」ふう、とため息を一つ。
    門脇ふみ:「伝えてくれてありがとう、日和原さん。わざわざすみません」
    日和原 要:「いえ。─少なくとも、彼と関わった僕らには、覚えておく義務がある」
    日和原 要:「そう思ったから、僕が勝手にお伝えしたまでです。酷い奴だと笑ってもらっても構いません」
    門脇ふみ:「ホッホホ!それで行けば私は世紀の極悪教授になっちゃいますわね!」
    門脇ふみ:「…しかし、凍結処理になりましたか。」微笑を維持したまま、頬を少し擦る。
    門脇ふみ:「高桐さんにとっては、一番つらい罰になりそうね。」
    日和原 要:「─それでもね。本当にどうしようもない、眠っているだけで災厄を撒き散らすようなジャームでもない限り」
    日和原 要:「僕らが「終わらせる」ことはできない。それが、UGNという組織の強さであって─」
    日和原 要:「─弱さと、残酷さでもある。僕は、そう思います」
    門脇ふみ:「ええ。そういう選択肢を尊ぶ事も、また必要なのでしょう。」
    門脇ふみ:(私一人じゃ、中々選べない選択でもありますからね。)
    門脇ふみ:「そういう甘くてひどい所もひっくるめて、私はUGNが気に入ってますのでね!」
    門脇ふみ:「また機会があれば是非声をかけてほしいですわ!ホホホホホ!」
    日和原 要:「そう言ってもらえると、僕も─エージェント、チルドレン、支部長。UGNのみんなも、助かります。─ああ、それじゃあ」
    日和原 要:「ひどい話をしたついでに。僕個人として、先生にひとつ、お願いしても?」
    門脇ふみ:「あら!どうなさいました?」
    日和原 要:「では、これを」
    門脇ふみ:「大学の極秘資料とかは、ちょっと冒険が必要かもしれませんけど…?」
    日和原 要:懐から取り出した、USBメモリをひとつ。あなたに手渡す。
    日和原 要:「逆ですよ。UGN内部でも、未だ機密扱いになっているとある事件─」
    門脇ふみ:そっと受け取り、手元で確認する。
    門脇ふみ:「──ほほう?」(やる気スイッチON)
    日和原 要:「数年前、とある島で起こった。古い因習と、優しい神様と、邪悪な計画(R:プラン)が絡み合った、世界を滅ぼしかけた事件」
    日和原 要:「─ええ。もちろん、資料自体はお渡しできるものじゃありません。支部長級でなければ、閲覧すら許可されませんから。ですが」
    日和原 要:「事件当事者の、覚書。文才も何もない少年が書き留めた、日記のようなもの」
    日和原 要:「─それを、先生。あなたに記録─いえ。記憶していてもらいたい」
    門脇ふみ:「あらま!そんな大事な物を私に?」
    門脇ふみ:といいつつそそくさと懐に仕舞う!
    日和原 要:「先生だからこそ、です。─ついさっきも、あなたは彼女の話をきちんと聞いて、覚えていようとしてくれた」
    日和原 要:「─あの子を。ハナちゃんを気にして、こうしてここまで足を運んでくれた」
    日和原 要:「この記憶(メモリー)は、そんな人に知ってもらうことこそ相応しい。そう思ったから」
    日和原 要:「あなたに託します、教授」
    門脇ふみ:「……ふふ。信用されてますわね。」
    門脇ふみ:「いいでしょう!貴方の頼みもキッチリ抱えさせて頂くわ!」
    門脇ふみ:「UGNと比べれば頼りはないですが、少なくとも口伝では残さないことを確約しておきます!」
    日和原 要:「ああ、良かった。─あと5年、先生に会うのが早かったら、進路を変えていたかもしれません」
    日和原 要:喉を鳴らすように、楽しそうに笑ってから。
    日和原 要:「─さて。今日の聞き取りは、あと一人で終わりなんですが」
    門脇ふみ:くすりと微笑みを浮かべ。
    日和原 要:「先生。よろしければ、お願いしても?─ええ、実際、一番協力的だったので、彼女から聞くことは殆ど終わっています」
    日和原 要:「となれば、残った時間。僕が難しい話をするよりは─ね?」
    門脇ふみ:「─ホホホ!確かにレディの話は長引きますものね。」
    門脇ふみ:「OK!それじゃあハナちゃんには私から上手く伝えておきますわ~。」
    日和原 要:よろしくお願いします、と。にこやかに応じてから。
    日和原 要:「では、先生。僕はこれで。─ああ、本当に」
    日和原 要:「あなたが、あの村に関わってくれて。よかったです」
    日和原 要:そう告げて、あなたに頭を下げてから。丁字路を、あなたが行くべき道とは反対側へ。
    門脇ふみ:「……ふふ。日和原君もいたからこその結果ですわ!」
    門脇ふみ:丁寧に会釈を返し、元々の行き先へゆるりと足を向け。
    GM:目的の部屋は、二人部屋だった。
    GM:二人とは言うが、母ひとり、子ひとり。
    GM:入室した時、母親の方はボーッと椅子に座っていて、子の方はベッドの上で、絵本を拡げてはしゃいでいた。
    ハナ:「……ん?」気配か、足音か。訪問者に気付き、彼女は振り向いた。
    門脇ふみ:コンコン、と丁寧なノック。
    ハナ:「どんぞ」
    門脇ふみ:「こんにちは。門脇ふみですわ~!」入室!
    門脇ふみ:「─久しぶりね、ハナちゃん!慣れない環境で体調崩してない?」
    ハナ:「んぁ、お客人の」
    ハナ:と、彼女は応じた。それから、
    ハナ:「ん、大丈夫だぁ。おらぁ頑丈だもの。喰うもんも美味いし、何も困ったこたぁね」
    ハナ:とは言うが──やはり、元気は無い。住み慣れた地を離れた後であり、
    ハナ:……加えて。己の子の命を奪おうとした者達とも、まだ遠く離れてはいない。
    ハナ:彼らに悪意があったのならばさておき、そうでもないのだ。
    ハナ:やるせない気持ちというものはあって、その決着もまだついていないのだろう。
    門脇ふみ:「……嘘おっしゃい。私が家を飛び出す2歩ぐらい前の顔しちゃって。」
    門脇ふみ:(とはいえ現代の知識も仕入れる必要があるでしょうし、無理に引っ張り出すわけにもいかないのよねぇ)
    門脇ふみ:むにむにとハナちゃんの頬を優しくつっつく。
    ハナ:「んぉ」
    ハナ:ぶに、とへこむ頬。十代の肌は直ぐにも元の形に戻る。
    門脇ふみ:「あらやだもちもち!」(ちょっと羨ましいわね)
    ハナ:「……暫くは、ここさ居られるって言うけんども」
    ハナ:「その後、おらぁどうしたら良いんだべなぁ」
    ハナ:「なーんもわがらね」
    ハナ:「明日やることがわがんねぇ日さ、来るとは思ってねがったじゃ」
    門脇ふみ:「そうねえ……村もほぼ潰れて、いきなり別世界ですものね。」
    門脇ふみ:(ブッ潰したことに後悔はないけど)
    門脇ふみ:「生活基盤もUGNの皆様がある程度用意してくれるとは思うけど、ハナちゃんも色々考える必要があるのは確かよ。」
    門脇ふみ:「もちろん何もわからないのも確かだと思うから……先ずは手元の事から考えてみましょうか。」
    門脇ふみ:ちらり、とベッドの上ではしゃぐ子供に目をやる。
    門脇ふみ:「そういえば」「なんだかんだで聞き損ねていたことがあったのですが。」
    子供:子供は──本を幾つも幾つも拡げて、きゃっきゃと機嫌よさそうにはしゃいでいた。
    門脇ふみ:「ハナちゃんの息子さんって、お名前は何というのかしら?」
    子供:見た目には、三歳か四歳ほどか。言葉は話さないが、自分の足で立って歩くことは出来るようだ。
    門脇ふみ:(本好きの身としては将来有望ね……!)
    ハナ:「モモ、ってんだ」
    ハナ:「こっちの人の名前は長いらしいけんども、おらぁハナで、この子はモモさ」
    門脇ふみ:「モモちゃん!良い名前ねぇ~!」
    子供:名を褒められたことも分かっているのか、どうなのか。
    子供:或いは、特に気にしていないのか──モモは一冊の本を手に取り、
    子供:「あー、あー」
    子供:と、母親の手元へグイグイと押し付ける。
    ハナ:「こら、モモ。何度も言ってるべさ、おらぁ読めねえんだって」
    門脇ふみ:「ふふふ……」近くの椅子が独りでにハナの隣に動いてくる。
    門脇ふみ:その背もたれには、いつの間にやら血文字が書かれた紙片。
    門脇ふみ:「どうやら」「私の出番のようですわね!」
    門脇ふみ:動いてきた椅子に座り、ハナちゃんにくいくいと手招きのジェスチャー!
    ハナ:「……ん?」
    門脇ふみ:「その本なら私が読めますわよ!」
    門脇ふみ:「ハナちゃんも一緒にいかがかしら?」
    ハナ:「ああ……なら、読んでけで。おらぁ良いよ、本は良い」
    ハナ:と彼女は良い、
    子供:「あー」
    子供:モモは、あなたの手元に本を運ぶだろう。
    子供:……が、その本を見れば。読む、という行為もまた難しいかも知れない。
    門脇ふみ:「はぁい。ありがとうねモモちゃん!……あら?」
    子供:何せそれは、子供向けの学習用の本。ひらがなの五十音表だったのだから。
    子供:「う」
    子供:表を指差す。
    子供:あ行の一番下。
    門脇ふみ:「そこだと……『お』ね!」
    子供:こくこく、とモモは頷いて
    子供:「う」
    子供:か行の一番上を。
    門脇ふみ:「因みに、今モモちゃんが言った『う』はここよ!」
    子供:あ行の一番上を。
    子供:さ行の一番上を。
    子供:左端の方。わ行という奇妙な括りの行の、
    門脇ふみ:ついでに指示しつつ。文字を眺めて行く。
    子供:一番下を、指差す。
    門脇ふみ:「『お』『か』『あ』『さ』『ん』……」
    ハナ:「……!」
    ハナ:がたん、と椅子が鳴る。
    門脇ふみ:「…………大変よハナちゃん!!!この子天才だわ!!!!!!!!」
    ハナ:危うく椅子をひっくり返しかけながら、振り向いた娘はあんぐりと口を開けていて、
    子供:「あ」
    子供:笑っていた。
    子供:きっと、今日までのどんな日よりも嬉しそうにだ。
    子供:ずっと言葉を話せなかった子供は、〝こちら側〟に来てようやく、
    子供:誰かに何かを伝える術を得たのだから。
    門脇ふみ:「ああ!大丈夫ハナちゃん!?怪我はないかしら──!」ドタバタとハナちゃんの方に向かう!!!
    ハナ:「〝おかあさん〟って……言ったんだか……?」
    子供:モモはまた笑って、
    子供:あ行の真ん中。それから、わ行の一番下。
    門脇ふみ:「『う』『ん』…………」
    門脇ふみ:「……確率的に言えば、そう考えるのが自然だと思うわ!!!!」
    ハナ:「……………………」
    ハナ:呆然と、それを聞いていた。にわかには信じがたいことだと。
    ハナ:けれども、我が子が嬉しそうな顔をしていることだけは分かる。
    ハナ:それだけは、世界の誰よりも確実に分かるのだ。
    ハナ:ふらふらとベッドに近づいて、子を腕の中に思いっきり抱きしめた。
    ハナ:……その目から、大粒の涙がぼろぼろと落ちて行く。
    門脇ふみ:モモちゃんには……追加でシンドロームを見てもらう検査の必要はありそうだ。
    門脇ふみ:それでも。一つだけ安心できることはある。
    門脇ふみ:この親子は…ちゃんと愛を伝え合えているから。
    門脇ふみ:いつか私の様に泣かせてしまうことがあるかもわからないけれど、
    門脇ふみ:この日の想い出を。お互いが大切に抱えられる人生を歩んでほしい。
    子供:母親の腕の中、まるで赤ん坊のように腕をばたばたとさせながら──その手はやはり五十音表を指して
    子供:あ行の一番上。
    子供:ら行の二番目。か行の一番上──濁点を探して少し指を迷わせて、
    子供:た行、一番下。あ行の真ん中。
    子供:それから小さな手を、あなたに向けて目一杯に振った。
    門脇ふみ:「……ふふ。どういたしまして!」
    門脇ふみ:よくある願いを託すとしよう。世にありふれている大切な願いを。
    門脇ふみ:(どうか……健やかに。まだまだ楽しい世界というには課題が盛りだくさんですが。)
    門脇ふみ:(モモちゃんもハナちゃんも、幸せな人生を過ごせますように。)
    門脇ふみ:小さなお呪いと共に、或る教授はパチリとウインクを返した。



    GM:Dx3rdセッション『山喰らいが泣いている』、一切の行程を終了致します。
    GM:お疲れ様でした!
    門脇ふみ:お疲れさまでしたァ!!!!!
    日和原 要:お疲れ様でしたー!幸せな結末……。