『残夏の夜桜』

无月館学院高等学校。鋼と煙の町に咲く学び舎には、不思議な言い伝えがあると言う。


PC1:陶 妙算(すえ・たえかず)(キャラシート)PL:中村
PC2:二宮 軍馬(にのみや・ぐんま)(キャラシート)PL:しお
PC3:小早川 燐(こばやかわ・りん)(キャラシート)PL:メガ大仏

メイン雑談

目次

  • マスターシーン──プロローグ
  • OP1:学び舎の桃果
  • OP2:《ゼロ》を追え!
  • OP3:不穏の影は来たりて
  • シーン1:三叉路の中央で
  • シーン2:情報収集1
  • シーン3:〝少年達〟
  • シーン4:情報収集2
  • シーン5:満たされぬ渇き、満ちる月
  • マスターシーン──遠い、いつかの春のこと
  • シーン6:水は流れる
  • クライマックス:『……また、明日』
  • バックトラック
  • ED1:彼女の〝理由〟
  • ED2:相棒
  • ED3:四季

  • トレーラー

    工場とその輸送ラインの張り巡らされた工業地区の真ん中、まるで穴が空いたようにぽつりと。
    全寮制の男子校、无月館学院高等学校は、八十年の歴史を刻んでいる。
    鋼と煙の町に咲く学び舎には、こんな言い伝えがあると言う。

    〝校庭の大桜に血を捧げれば、桜が願いを叶えてくれる〟

    他愛も無い伝説だった。思春期の少年達が縋るまじないに過ぎなかった。
    だが、大N市の大地が大量の血を啜って四年。
    まじないは遂に結実し、季節外れの花が咲いた。

    「ここでは誰も傷つかない」
    「ここでは誰も失われないんだ」

    ダブルクロス The 3rd Edition.『残夏の夜桜』


    GM:皆様、お集まりいただきありがとうございます。
    GM:早速ですが自己紹介をPC1中村さんからお願い致します!
    陶妙算:はーい
    陶妙算https://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYofD3vAIM
    陶妙算:PC1の陶 妙算(すえ たえかず)です。
    陶妙算:无月館学院高等学校に所属するUGNチルドレンです。
    陶妙算:しっとりと濡れた黒髪、やわらかな茶色の瞳が特徴ということになっているので
    陶妙算:そんな感じで美少年面していきたい!
    陶妙算:あと諸般の事情に果物しか食べられないせいかほのかに桃のような甘い香りを漂よわせています。
    陶妙算:基本、大人しめで物腰柔らかな少年です。任務は真面目に頑張るよ!
    陶妙算:性能として武芸の達人とかハードワイヤードで上げまくった固定値で素殴りします
    陶妙算:獲物がシザーリッパーなのでちょっとした装甲無視もできる!
    陶妙算:そんな感じの子です。宜しくおねがいします
    GM:鬼切りの刀を持つ桃の香り漂う濡れ羽髪の美少年……バックに華を咲かせるべき。
    GM:そんな彼のハンドアウトはこちら!
    あなたは无月館高等学校に通うか、或いは交換学校訪問で一時的に滞在する生徒である。
    全校生徒90名程度、小さくも伝統と誇りに満ちた全寮制の学び舎。
    そこであなたは一人の少年に声を掛けられる事になる。

    「あなた、素敵な人だね」
    「僕は、あなたみたいな人を探してたんだ」
    「ね。こっそり寮を抜け出しましょう」
    「あんなに綺麗な花が咲いてるんだもの」

    あなたはその誘いに、興味を抱いてしまった。

    陶妙算:興味を持ってしまうぜ!
    GM:同級生のあやしい少年が声をかけてくるので、うかうかと乗ってください!
    GM:GMの美少年観は魔夜先生ベースであるのだ……
    陶妙算:僕は最近黒澤はゆま先生の世界観が強くなってますね
    GM:では続きまして、PC2! しおさんお願いします!
    しお:ほいさ!
    しおhttp://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYkJvhsQIM
    しお:PC2、二宮軍馬(にのみやぐんま)です。
    二宮軍馬:名前変えてなかった
    二宮軍馬:不良というわけではないけど目付きが悪くてガタイがそこそこいいのでよく絡まれるタイプ。
    二宮軍馬:そんなこんなで暴力事件を起こしてあれこれあってイリーガルになっている感じです
    二宮軍馬:あまり好戦的ではないけど強いやつを観るとウズウズするタイプの消極的戦闘狂です。
    二宮軍馬:任務とかはまじめにやる!
    二宮軍馬:戦法は中国拳法ベースの我流拳法。防御無視とかするし、シーン1回ガード不可ドッジ不可の攻撃もできるぞい
    二宮軍馬:ダイスがあんま多くないのでミドルが不安……
    二宮軍馬:こんな感じで!よろしくおねがいします!
    GM:馬歩立ちからすげえ重い拳を突き上げてきてくれそうな雰囲気が頼もしいぜ!
    GM:そんな誤解され系準不良のあなたのHOはこちら
    あなたはUGNイリーガルのオーヴァードである。
    この度あなたへ打診された任務は、无月館高等学校への潜入だ。
    ……だが。過去においてこの学校で、死者どころか大きな怪我をした者さえ存在しない。
    故に、今回の任務は、重要度の低いものと説明されるだろう。

    「花が咲いたんだ」
    「校庭の〝大桜〟が──桜だよ? 卒業シーズンでも無いのに、満開なの」

    季節外れに咲いた大桜と、数十年にわたり語り継がれる物騒なまじない。
    元より在学中であるUGNチルドレン、明石 牡丹と共に、校庭の大桜を調査せよ。

    二宮軍馬:調査だぜ
    GM:夏も後半に入ってきたというのに何で桜が? どう考えてもレネゲイド案件だよね?
    GM:でも別にけが人とか死人とか出てないっぽいし……一応調査しておくか……
    GM:それくらいの熱度で言い渡されたお仕事です!
    二宮軍馬:まあ暇だしやるかーくらいの
    GM:給料も出るし時間空いてたしやるかーくらいの
    GM:構えでいたら面倒なことに巻き込まれて苦労しておくれ……
    GM:そして三人目……小早川さん。すなわちメガ大仏さんお願いします!
    メガ大仏:はーい!!
    メガ大仏https://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYj5XvrQIM
    メガ大仏:PC3 小早川燐(こばやかわりん)
    メガ大仏:平安時代から続く陰陽師一族の一人娘です!! UGNには修行という名目で母親に叩き込まれました!!
    メガ大仏:ふわふわした性格で人のほっぺとかすぐに触りたがります。年下のほっぺとか好き
    メガ大仏:戦闘時には先祖が封印してから代々受け継いでいる化け物を無理矢理使役して戦わせます!
    メガ大仏:性能としては従者使いで従者を突っ込ませてウルトラボンバーしつつ自分も殴る感じです。実験体で補強してるのでミドルもそこそこつよい
    メガ大仏:今回は美少年に囲まれて役得しながら教育実習生らしくキリってやりますよ!! 
    メガ大仏:以上です!! よろしくお願いします!!
    GM:さわるほっぺには事欠かない……堅いほっぺたも柔らかそうなほっぺたもPC内で賄える……
    GM:しかしシナリオロイスのほっぺたは邪悪というわけで、ハンドアウトこちらです。
    あなたはUGNに所属するオーヴァードである。
    とある任務にて生体兵器を破壊したあなたは、その影に《ゼロ》なるエージェントの存在を知る。
    破壊行為を楽しみ殺戮を生業とする悪逆非道の存在。あなたが破壊した生体兵器も、ゼロの放った手駒だという。
    ──その後、情報提供者であった元FH構成員は、恐るべき怪力で肉体を破砕された、無残な亡骸として見つかった。

    後日。あなたの元へUGNより、ゼロの足取りが掴めたと報せが入る。
    FHの捕虜を尋問し得られた情報によれば、ゼロは无月館学院高等学校に身を潜めているという。
    教育実習生として潜入、《ゼロ》を特定し排除せよ。

    メガ大仏:潜入するぞ!!
    GM:尋問された捕虜がどうなったかとかは考えないことにしましょう。
    GM:……という具合で! 早速始めていきますが!
    GM:ちょーっとだけマスターシーンが入ります。

    マスターシーン──プロローグ


    ……夢を見ていた。
    知らない筈の光景。知る筈も無い誰かの声。
    だから、思うのだ。きっとこれは、桜の木が見る夢なのだと。

    『──命令をください』
    『私はあなたの望みを叶えます。私は幸福を導き出します』
    『私は全ての性能を以て、あなたの為にお仕え致します』
     
    「わぁ……! 喋った! お姉ちゃん、これ喋った!」
    「ええ。凄いでしょう?」
    「凄い、凄い! これ、私の声だよね!」
    「そうよ、桜。あなたの声を録音解析して──って言っても難しいわよね」
    「この木はもう一人のあなたなの。あなたの、双子の妹よ」
    「妹! ……えへへ、嬉しいな。ねえ、桜の木さん」
    『はい』
    「仲良くしようね!」
    『命令を受諾します』

    OP1:学び舎の桃果


    GM:陶くん、登場侵蝕をどうぞ!
    陶妙算:1d10+48
    DoubleCross : (1D10+48) → 3[3]+48 → 51

    陶妙算:控えめ
    GM:ぐっど
    GM:ではちょっとだけ描写を
    GM:──无月館学院高等学校、朝。
    GM:より詳細に述べるなら、寮の朝食が提供されるまで三十分程の猶予がある、穏やかな時間が流れる頃合いだ。
    GM:あなたはきっと談話室で、朝食までの時間を潰していることだろう。
    GM:談話室の会話は、一色に染まっている。
    GM:季節外れの桜の話題だ。
    GM:もう夏も終わりに近づいたというのに、校庭の大桜が花を咲かせたのだ。
    GM:一昨日の夜までは何の予兆も無かった。昨日の朝、窓の外を見たなら、大桜は満開となっていた。
    GM:気象異常では説明のつかぬ事態は、一夜が過ぎて尚、学び舎の少年達の話題を独占している。
    GM:……という訳で、モブ同級生に声をかけるも良し、一人で過ごすも良し。
    GM:お好きな形で時間を潰してください。
    GM:つまり=好きなように美少年描写をしてください。
    陶妙算:ww
    陶妙算:じゃあ一人で椅子に座って本でも読んでいようかな。
    陶妙算:白く細長い指で頁をめくる。
    陶妙算:頁をめくる度に、柔らかな茶色の瞳がかすかに動き
    陶妙算:時折、陶器のように艷やかな肌が紅潮したり、
    陶妙算:まだ硬さのない喉が息を呑んだりしている。
    GM:よろしい。きっとその周囲の空間には、美少年だけが発するオーラのバリアがあるのでしょう。
    GM:時折、一人か二人。あなたの視界の端に映ろうとする生徒がいる。
    GM:不器用に折りたたまれた便箋を後ろ手に隠した彼は、だが、その空間に踏み入るを良しとせずに去っていく。
    GM:あなたは一人だ。
    GM:孤独というより──孤高と呼ぶ方が良いのだろうか。
    GM:……そんなあなたの元へ、足音が二つ近づいて来る。
    観世 禄郎:一人は、2m近い長身の少年、観世 禄郎。大概の運動部に声をかけられているが、断り文句一つ返すことさえ珍しい、無口で無愛想な少年。
    古月 美夜:そしてもう一人は──香水をつけている訳でもあるまいに、どこか花のような香を漂わせる黒髪の少年であった。
    古月 美夜:古月 美夜(ふるづき みや)。
    古月 美夜:女のような名前だと言うものもいる。女のような顔をした少年であった。
    陶妙算:本から視線を切り、百合の花が開いていくのかのように、たおやかにその顔を上げる
    陶妙算:「やあ。」
    古月 美夜:「ごきげんよう。一人がお好き?」と片手を掲げ
    古月 美夜:そして美夜は無遠慮に、あなたの隣の椅子を引いて腰を下ろす。
    観世 禄郎:でかい図体の少年の方は、その近くに番犬のように立ったままだ。
    陶妙算:「一人が好きな人なんて、いないんじゃないかな。」
    陶妙算:「一人になってしまう人は、いるのかもしれないけれど。」
    古月 美夜:「……へぇ。その心は?」
    陶妙算:「そのままだよ。」
    陶妙算:「僕は、友達をつくるのがヘタなんだ。」
    古月 美夜:「一人になってしまう──か。なるほどね」
    古月 美夜:「勿体ないな、綺麗な顔をしてるのに」
    陶妙算:嘘ではない。UGNチルドレンという立場を隠しながら、隠し事を前提としながら友人を作れるほど、陶は人間に慣れていない。
    陶妙算:古月の言葉に柔らかな笑みで返します
    陶妙算:「ありがとう。けれど、」
    陶妙算:「僕は、この顔に合わせて生まれたわけではないからね。」
    陶妙算:「なかなか、君のようにうまく立ち回ることはできないのさ。」
    古月 美夜:「……………………」一瞬、美夜は、目を丸く開いたままで口を閉じ、呼吸も忘れたかのように静かにしていた。
    古月 美夜:「……あははは、それはそうだ、違いない!」それから、口元を右手で隠しながらの笑声。
    陶妙算:つられたようにくすりと笑う
    古月 美夜:「その言い回しは好きだな。顔に合わせて生まれた訳ではない、良いフレーズだ」
    古月 美夜:「読書家の面目躍如ってところかな──」
    陶妙算:朝露を落とした花びらのように肩をかすかに揺らしている
    古月 美夜:「──ちなみに差し支えなければ、今読んでるのは?」小さく揺れる肩の上に、顎を預けるように身を寄せた。
    古月 美夜:自然、近づく香と香り。
    陶妙算:「秘密。」
    陶妙算:パタリ、と本を閉じ、
    古月 美夜:「ああん」と、残念そうな声。
    古月 美夜:陶 妙算が桃の香というのなら、美夜の方は──洗髪料の香りというべきか。
    古月 美夜:一本一本、引けば契れそうな細い髪を揺らしながら美夜は距離を離して、
    陶妙算:「ところで」
    古月 美夜:「うん?」
    陶妙算:「なにか、用があるのかな。」
    陶妙算:「とりあえず、先生に呼び出されるようなことはしていないつもりだけど。」
    古月 美夜:「……………………」常に浮かべている笑みが、僅かに色を濃く変えて、
    古月 美夜:「大桜の〝おまじない〟って、知ってる?」と、彼は問う。
    古月 美夜:──大桜の木に血を捧げれば、願いは叶う。
    古月 美夜:无月館学院に伝わる、たわいもない話だ。
    陶妙算:「意地悪だな。」
    古月 美夜:「意地悪?」
    陶妙算:少し困ったように笑う
    陶妙算:「僕は、友達をつくるのがヘタだって言ったでしょ。」
    陶妙算:「そんな他愛もない七不思議を教えてくれる人なんていなかったよ。」
    古月 美夜:「なら」
    古月 美夜:「友達として、それをあなたに教える最初の一人になる──」
    古月 美夜:「そんな栄誉を得る権利は、僕にはあるかな」
    陶妙算:濡れたような桃色の唇が誘うように微笑む
    陶妙算:「僕は嬉しいけれど。」
    陶妙算:「そこの人はどうなの?」
    観世 禄郎:「……………………」
    陶妙算:観世くんの方に視線を向けます
    観世 禄郎:こちらは──番犬、と呼ぶのもまた違うだろうか。
    観世 禄郎:狛犬だ。
    観世 禄郎:そこに居て、しかめっつらをして、あなたを見下ろし続けている。
    観世 禄郎:求められても石のように何も答えない──が。
    観世 禄郎:ほんの僅か。その目の色は平時より、嫉妬の色合いを示していたか。
    古月 美夜:「彼はね、こうなんだ。気にしないでおくれ」
    古月 美夜:「……ふふ、禄郎。陶くんは優しいね、お前にまで気遣ってくれてさ」
    古月 美夜:「ああ」
    古月 美夜:「ますます、探してた通りのひとだ」
    陶妙算:「どういうこと?」
    陶妙算:疑問を呈するように、こくりと小首をかしげる
    古月 美夜:「〝大桜に血を捧げれば願いが叶う〟」
    古月 美夜:「……これが、卒業文集とかに必ず乗ってる言い伝え」
    古月 美夜:「ここ十年くらいで、不思議と文章が増えた」
    陶妙算:「血とは。」
    古月 美夜:「〝清い心の持ち主〟……って、物語にはお定まりのパターンの──」
    陶妙算:「また随分、物騒な話だね。」
    古月 美夜:そこで美夜は言葉を止めて、
    古月 美夜:「物騒かな」
    古月 美夜:「ロマンティックだと、僕は思うんだ」
    古月 美夜:「いいや、僕だけじゃない」
    古月 美夜:「僕たちは、かな」
    陶妙算:「それは、君と、彼のこと?」
    陶妙算:古月くんと観世くんをみる
    古月 美夜:「ううん」含みを込めた笑みと共に首を振って、
    古月 美夜:「……おまじない、って言ったけど。実際に今、桜の花が咲いている」
    古月 美夜:「言い伝えは本当だったんだ。だから……これからはもっと、もっとみんなで幸せになれる」
    古月 美夜:「そう言ったらね、〝みんな〟賛成してくれた」
    古月 美夜:それから美夜は、
    古月 美夜:まるで遠足前の子供が、明日を待ちきれずにリュックサックを何度も開く時に見せるような、意外な程に幼い笑顔になった。
    陶妙算:「なるほど、君はロマンティストだ。」
    陶妙算:「けど、あの桜はきっと単なる狂い咲きさ。今、僕たちにはわからなくても。」
    陶妙算:「きっと、調べれば科学的にも納得できる理由がある。」
    古月 美夜:「……ふふ。ますますあなたは……うん、僕の近くにいないタイプだ」
    古月 美夜:「だから、なおさら来てほしいな」
    古月 美夜:「ね。夜になったら、みんなでこっそり寮を抜け出しましょう」
    古月 美夜:「もう、何人かには声を掛けてあるんだ。大桜の下に集まって、皆で〝お願い事〟をしようって」
    陶妙算:「ふふ。」
    陶妙算:「君は、桜が血を望んでいるっていうんだね。」
    陶妙算:「それとも、血をみたいのは君なのかな?」
    陶妙算:濡れたように黒い髪をかきあげる。それはまるで羽のようにふわりと揺れる
    古月 美夜:「そうさ、ルーシー・ウェステンラ。死体が埋まってるとか言ったのは、日本の文豪だったかな」
    古月 美夜:「……けれど想像してごらん。血の赤。桜は白と赤。君の肌は……白、か」
    古月 美夜:「その髪と夜空は、黒」
    古月 美夜:「綺麗なものが見られる……って、思わない?」
    古月 美夜:「いいや、そう思わせてみせる」
    古月 美夜:「あんなに綺麗な花が咲いてるんだもの」
    陶妙算:柔らかな茶色の瞳をまっすぐ古月くんに向ける
    陶妙算:「そうだね。綺麗なものがあるというなら、見てみたい。」
    陶妙算:あまり危険なことをするようなら、静止役となる人間は必要だろう。
    陶妙算:そう思いながら、立ち上がる。
    古月 美夜:「迎えに行くよ」
    古月 美夜:「にんにくは吊さないで待ってておくれ」
    陶妙算:「僕は、待っていればいいのかな?」
    陶妙算:「君も、あまり大勢では来ないでくれよ。僕は、人見知りだからね。」くすりと笑う
    古月 美夜:「友達が増える機会──と思ってくれたらうれしいんだけどなぁ」そんなことを言いながら背を向けて、手を振って、美夜は去って行く。ちょうど朝食の頃合いだ。
    GM:そうして、美夜が禄郎を連れて立ち去った直後。
    GM:あなたの持つなんらかの通信端末に、UGNからの指令が届くだろう。
    GM:堅っ苦しい文面を要約すると、こういうことだった。
    GM:『〝大桜〟の調査の為、UGNから二名の人員を送る』
    GM:『不慮の事態があれば支援して欲しいが、今回の任務の重要度は低い』
    GM:『在校生の立場を崩さない程度に、気負わずやるように』
    GM:そんな具合の、具体性の低い指示であった。
    陶妙算:それに『了解』とだけ返信し
    陶妙算:「ああ、名前を聞くの忘れてたな」
    陶妙算:と呟く。
    陶妙算:その胸中には、万一の時には彼らを止めるという使命感と
    陶妙算:微かな、綺麗なものへの憧憬が入り混じっている。
    GM:──────────
    GM:シナリオロイス取得タイミングは……お任せいたす!
    陶妙算:あえてまだとらない!
    陶妙算:名前、知らないし!w
    GM:OK! そうしてくれると信じてた!

    OP2:《ゼロ》を追え!


    GM:PC番号順でないのが恐縮ながら、ここの出番は小早川さんだ!
    GM:登場侵蝕をお願いします!
    小早川燐:はい!!
    小早川燐:40+1d10
    DoubleCross : (40+1D10) → 40+9[9] → 49

    GM:では、またも描写から!
    GM:──前日談。
    GM:「ギィ、ァア、アアアアアア、ッ、苦、シ、苦シィッ……!」
    GM:肉体が崩壊する痛みに喚きながら、膨れ上がった上半身を持つ怪物は腕を振り回す。
    GM:建築物を、自動車を、電柱を、標識を、強化された腕がメチャクチャに捻じ曲げる。
    GM:その腕は──己が怪力により砕けねじ曲がり、或いは筋肉が断裂するが、
    GM:破壊された端から異常な速度の細胞分裂により、歪な形に修復される。
    GM:肉から爪や骨が生えて突き刺さり、皮膚の代わりに神経が体表を覆う。これがかつて人間であったものの末路であろうとは──。
    小早川燐:「……今楽にしてあげますからね」
    小早川燐:やることは変わらない。懐の形代を取り出して、たった一小節の呪文を唱える
    小早川燐:「■■■■■」彼女にしか理解出来ない複雑な、何十もの呪文を重ね合わせたそれを唱えることで「でいだらぼっち」は顕現する
    小早川燐:地面から無数の腕が飛び出し、化け物を拘束。抵抗しようが腕の本数は無数に増殖を続けていく。そして、
    GM:「グァ、ァアアァ、ァアアアァァァッ! ガッ、グ、ギイイッ!!」異形の怪力が、腕の数本も引きちぎる──数十倍する腕に押さえ込まれる。
    小早川燐:虚空から巨大な口腔が現れて、怪物を噛みちぎる。あまりにもシンプルな、だが冒涜的なそれによって怪物は肉体の大半を失ってやがて果てた
    GM:癌の如き異形は完全に動きを奪われ、そして迫るのは〝口〟。
    GM:がぶり。
    GM:肉体の大半が虚空へ消えた。
    GM:残る肉体は融解を始める。
    GM:「ゼ──《ゼロ》、何デ、オレガ、……コンナ、コトニ……」
    GM:かろうじて残っていた頭部が最期に呟き、溶けた骨肉と血が混じった液体は、アスファルトに染みて消えていった。
    GM:──怪物は絶命間際、誰かの名を呼んだ。
    GM:その名をあなたは、今回の一件の捜査中に、手にしていただろう。
    GM:《ゼロ》。FHを離脱したいと希望しあなたに接触した、とある少女から齎された名前だ。
    GM:少女曰く、生物兵器の作成を〝趣味〟とする人物。『アヴェンジャーズ』セルに所属するエージェントであると言う。
    GM:自らの肉体を崩壊させながら暴れまわる生物兵器。その〝悪趣味〟な造形は、《ゼロ》の仕業では──という予想を聞かされていたのだ。
    GM:確証は無かった。が、今こうして怪物の絶命に立ち会い、その口から聞こえた名。ただの推測が、一つ重みを増した。
    小早川燐:「……《ゼロ》、ですか」その名前を反芻する
    小早川燐:「……やっぱりいつになってもなれないな、これは」
    GM:──これであなたの任務は完了だ。ジャームによる人的被害は無し。迅速な行動が勝ち取った結果である。
    GM:なお、FHの少女であるが──セル内での工作を済ませた後、もう一人の友人を連れてUGNへ合流する手筈になっている。
    GM:回収班が既に合流予定地点へ向かっているが、あなたも望むなら、その場に居合わせてもいい。
    GM:どうします?
    小早川燐:その場に残ります。陰陽師の娘として、このような命を見送る義務があると思っている
    GM:よろしい。では、以降のことをあなたは、回収班の報告書から知るでしょう。

    GM:合流地点は、打ち捨てられた民家であった。
    GM:誰も住まず、為に地元の不良やら悪童やらが溜まり場として使う、草むした土地の真ん中にぽつんと立つ家。
    GM:その中にFHの少女は、骸となって横たわっていた。
    GM:衣服やアクセサリから彼女だと判別はできる。だが確信を持つには、血液鑑定にでもかけねばなるまい。
    GM:何故なら彼女の頭部は、強い衝撃を受けて砕け散っていたからだ。
    GM:彼女の側にはもう一つ、同様に頭蓋が砕かれ顔の分からなくなった亡骸。体格から、それが十代後半の少年であるとわかる。
    GM:二つの亡骸は固く手をつなぎ合っており、指を解くには並みならぬ労力を必要とするだろう。

    GM:──任務の途中、あなたに接触してFHの情報を提供した少女は、こう言っていた。
    FHの少女:「……ずっと私は、UGNこそが諸悪の根源で、自分たちが正しいって教えられてきた」
    FHの少女:「でも、違ったんです。誰かを踏みにじって掴める自由とか平等なんて間違ってる」
    FHの少女:「……そう、彼が教えてくれました」
    FHの少女:「だから私は、彼と共に生きたい。……その為に、あなた達に力を貸します」

    GM:こうして事件は、FHに所属していたエージェントと、市内の高校生一人の命を失う〝だけ〟で解決した。
    GM:それ以上の人的被害は、無い。
    GM:……報告を受けたとある職員の言葉を借りるなら〝今回は被害が軽微で良かったです〟というところだ。

    GM:──後日。
    GM:あなたはUGN支部(どの支部かはあなたの任意として良い)に呼び出される。
    GM:《ゼロ》の足取りが掴めたというのだ。
    小早川燐:早歩きで支部に向かう。《ゼロ》という名前は見過ごせないものだ。あの命を冒涜するFHエージェントは己の矜持にかけて許せない
    GM:支部で待っていたのは、アルティメイド服──あの悪名高き防具を身につけた女性エージェント。
    GM:人間同様の外見だが、脳髄の他は全て機械部品。人の体温の無い目が、あなたを見ながら告げるだろう。
    女性エージェント:「无月館学院高等学校──という学校をご存知ですか」
    女性エージェント:「捕虜にしたFH構成員が〝快く〟話してくれた情報によれば」
    女性エージェント:「《ゼロ》はその学校に潜入しているということです」
    小早川燐:「はい、あれですよね男子校の。私星辰館なのでよくは知らないんですけど……」ちょっと見た目に圧倒されながら
    小早川燐:「《ゼロ》が……? 学生の身分ってことなんですかね?」
    女性エージェント:「……そういえばあなたは、破風の会の出身でしたか」
    女性エージェント:「勝手が分からない場所への派遣となるのは、心苦しく思います」と、頭を下げた後に、
    女性エージェント:「身分は……聞き出せませんでした」
    小早川燐:「まあ、教員として潜入している場合もありますからねえ。前後輩の子達が解決した事件も教員として潜伏してましたし」
    女性エージェント:「それ以上を聞き出そうとした職員の僅かな隙を突いて、〝協力者〟には〝永遠に〟逃げられました」
    女性エージェント:「……蘇生できる侵蝕状況ではありませんでした」
    女性エージェント:ほんの僅かに、陰る顔。
    女性エージェント:そして直ぐ、無機質な表情を取り繕って、女性エージェントはあなたに向き直り、
    女性エージェント:「ですが、この機を逃すことはありません」
    女性エージェント:「こちらが〝向こうの所在を知った〟と嗅ぎ付けられる前に」
    女性エージェント:「誰かの手で捉えなければなりません」
    女性エージェント:「……その任務はあなたこそ適任である、と私は信じています」
    小早川燐:「……ありがとうございます。この案件を任せて頂いて」
    小早川燐:拳をぎゅっと握りしめる。あの怪物の嘆きは忘れない
    女性エージェント:「礼など無用です。……私はただ、任務を伝達するのみ」
    女性エージェント:「場合によっては傷つき、命を失うかも知れないと知りながら、誰かを戦場に送り出すだけなのですから」
    女性エージェント:「ええ、ですから」
    女性エージェント:「そのお礼は私からあなたに。無事にお戻りになった時、さしあげたく思います」
    女性エージェント:「……任務について。事前に確認したいことはございますか?」
    小早川燐:「えーっと、私はどうやって潜入したら良いんでしょう?」
    女性エージェント:「県外の大学の、教員教育課程の身分を偽装してあります」
    小早川燐:「教育実習生……!!」ちょっとだけ目をキラキラ
    女性エージェント:「〝最寄りに手近な学校が無く、やむを得ず県外の学校へ教育実習〟──というストーリーで」
    女性エージェント:「寝泊まりする場所は、学生寮の寮監室があります。寮監の教諭は女性ですので、その点は問題が無いかと」
    小早川燐:「おおー」非日常っぷりに期待が高まる。やっぱりこういうのは好きだ
    小早川燐:「頑張りますね! 私!」
    女性エージェント:「ええ」
    小早川燐:「あと、あのーお礼なんですけど」
    女性エージェント:「衣服の類いはこちらで用意を。スーツにスニーカーの取り合わせをするのは8割型教員──む」
    女性エージェント:「……お礼とは、なんでしょう」
    小早川燐:「任務終わったらほっぺ触らせてください」真顔
    女性エージェント:「……………………」
    女性エージェント:「……会話を妨げない程度の柔軟性は、機能上要してはおりますが」
    女性エージェント:「率直に言いますと」
    女性エージェント:「固い・冷たい・手触りが不自然、の三拍子になりますかと」
    女性エージェント:「……それでよろしいのであれば?」さすがの無表情が困惑で崩れている。
    小早川燐:「新たな境地の開拓ってことですね……!!」目をキラキラ
    女性エージェント:「…………………………………………うわぁ」ぼそりと。
    女性エージェント:「で、では。あらためてUGNとして、あなたに指令を与えます」
    女性エージェント:「FHエージェント《ゼロ》を捕捉。討伐、凍結──いずれの手段でも良い、無力化してください」
    女性エージェント:「定時連絡は、正午から三十分の間に。なんらかの事情で連絡が行えなかった場合は……まぁ、可及的速やかにお願いします」
    小早川燐:「了解しました!!」敬礼ポーズ
    GM:──こうしてあなたは无月館学院高等学校へと向かった。
    小早川燐:「頑張るぞー!!」
    GM:この学校は、校長がUGNの協力者であったらしい。話はスムーズに進み、あなたは全校朝会で紹介される手はずとなる。
    GM:……と、その時。あなたの通信端末に、こんなメールが届くだろう。
    GM:堅っ苦しい文面を要約すると、こういうことだった。
    GM:『〝大桜〟の調査の為、UGNから二名の人員を送る』
    GM:『不慮の事態があれば支援して欲しいが、あなたの任務に比べれば重要度は低い』
    GM:『あくまでも自分の任務を優先するように』
    GM:──そして。〝その事件〟は全校朝会のただ中に起きることとなる。
    GM:──────────
    GM:ロイスのみ取得可能!
    小早川燐:シナリオロイス 《ゼロ》興味/敵愾心○ でお願いします!
    GM:OK! メモorコマに書いておいてくだされ!

    OP3:不穏の影は来たりて


    GM:そしてお待たせ致しました。二宮くん登場侵蝕をお願いします!
    二宮軍馬:33+1d10
    DoubleCross : (33+1D10) → 33+2[2] → 35

    二宮軍馬:幸先
    GM:良きかな

    GM:──无月館学院高等学校、昇降口。
    GM:昇降口というのは、この学校では滅多に使われぬ設備だ。なにせ生徒は全て、敷地内の寮から校舎へ向かうのだから。
    GM:この門が使われるのは、外部からの交換訪問生を迎えるか、或いは年度初め・末に生徒が学校へと帰る時。その程度だ。
    GM:そしてあなたは今、その昇降口で、ある少年と合流している。
    明石 牡丹:「初めまして! えーと、二宮さんで合ってるかな」
    明石 牡丹:と呼びかけてくる少年の容姿は、あなたが事前に伝え聞いていた情報と合致している。
    二宮軍馬:「……ええと、明石だったか?」
    明石 牡丹:「うん。明石 牡丹。名前でも名字でも、好きな方で呼んでくれていいよ!」
    明石 牡丹:……この少年は、いささか声が大きい。
    明石 牡丹:身長160cm程。細身。あなたと体重差は20kgもありそうだ。
    明石 牡丹:彼が身につけているのは、この学校の制服。
    明石 牡丹:どうにも仰々しい、時代がかったデザインの制服の彼は、ぽんぽんと軽い足取りで近づいて来て、
    明石 牡丹:「今回は僕が連絡員、兼、君の協力者的な?」
    明石 牡丹:と言いながら、あなたに握手を求めてくる。
    二宮軍馬:「わかった。わざわざ出迎えに来てもらってすまないな」握手を返す
    二宮軍馬:こちらはまだ制服が支給されていないのでジャージ姿だ。
    明石 牡丹:「お構いなくー」
    明石 牡丹:手を離し、ぽんと後ろへ一歩飛び退く。体重が存在しないかのような身の軽さが見て取れよう。
    明石 牡丹:それから彼は、高くない背をつま先立ちで伸ばして周囲を見渡した後、
    明石 牡丹:「……とは言っても、あんまり重要度の高くない任務なんだけどね。任務内容、聞いてる?」
    明石 牡丹:と、(本人としては)声を潜めて尋ねた。
    二宮軍馬:「ああ。桜の調査だったか?来る途中でちらっと見えたが……」
    二宮軍馬:「確かにありゃオカシイ」
    明石 牡丹:「でしょ?」
    明石 牡丹:「桜だよ? 卒業シーズンでも無いのに、満開なの」
    明石 牡丹:「こんな暑い時期に、桜かぁ……」腕を組み、神妙な顔をしてうなる。
    明石 牡丹:「……で、その通り。今回の調査は、校庭の〝大桜〟の調査」
    明石 牡丹:「もう夏も終わりに近づいてるのに、急に桜が満開になった──だけでも怪しいんだけど」
    明石 牡丹:「この学校、変な言い伝えがあるんだよね」
    二宮軍馬:「そういう品種とかかと思ったが……言い伝え?」
    明石 牡丹:「うん」
    明石 牡丹:「〝大桜に血を捧げると願いが叶う〟」
    明石 牡丹:その言葉だけ、牡丹はいやに真面目な顔をして言った。
    二宮軍馬:「そいつは、穏やかじゃないな」顔をしかめる
    明石 牡丹:「ねー」
    明石 牡丹:「血を捧げるって言うのがどういうことかも伝わってないし、願いの伝え方とか、詳細も全然だけどさ」
    明石 牡丹:と喋りながら。牡丹はあなたの袖を軽く引きながら、校舎の方を指さすだろう。
    明石 牡丹:歩きながら話そう、ということのようだ。
    二宮軍馬:「『何かある』ってワケだな……おっと」
    二宮軍馬:連れられて歩こう
    明石 牡丹:「そんな言い伝えがずっと続いてて、信じてる子も結構いる」
    明石 牡丹:「そしておまけにおまけに満開の大桜。そりゃUGNも調査はしたいよねぇ」
    明石 牡丹:「……というのが任務概要なんだけど、不明点とかある?」
    明石 牡丹:「一応僕、UGNの正規のチルドレンだから! いろいろ聞いてくれてもたぶん大丈夫!」
    二宮軍馬:「問題はねえ。どっちかというと荒事のが得意だがな」
    二宮軍馬:「まあそうならんとも限らねえし、できる限りやるさ」
    明石 牡丹:「あらごと……むむ、確かにそんな顔してる」頬の傷跡をまじまじと眺めながら
    明石 牡丹:「……喧嘩とかあんまりしないでね?」
    二宮軍馬:「ここはそういう連中はいなさそうだが、オレからは喧嘩は売らねえよ」
    二宮軍馬:「……多分」
    明石 牡丹:「たぶん」
    明石 牡丹:思わず復唱してしまう牡丹であった。
    明石 牡丹:「こほん」
    明石 牡丹:「君は、ちょっと遠方の学校の生徒ってことになってる」
    二宮軍馬:「このツラだと買いたくもねえ喧嘩を売ってくるやつがいるんだよ、困ったことにな……」
    明石 牡丹:「うちの学校、結構交換訪問とかやっててさ。その一環って扱い。校長先生がUGN協力者で、そのあたりを分かってる」
    明石 牡丹:「……そしてね、うん、だろうね!」
    明石 牡丹:「僕正直、最初〝あっ、カツアゲかな!?〟って思ったもん!」
    明石 牡丹:無駄に正直に、そして明るく言い放つ。屈託が無いのが良いこととは限らないのである。
    二宮軍馬:「ハハハ、早速喧嘩を売られてるのか?」
    明石 牡丹:「あははははは、まさかまさかまさか」両手と首を振りながら後ずさり。
    明石 牡丹:そして十分に距離をとってから、
    明石 牡丹:「制服は、UGN側で持ってるデータに合わせて用意してある。あっちの更衣室で着替えてくれればいいよ」
    明石 牡丹:「その後、全校朝会で紹介されることになるから……ええと、その」
    明石 牡丹:「……壇上からガン飛ばしたりしないでね?」
    二宮軍馬:「……しねえよ、目付きが悪いのは生まれつきだけどな……」
    二宮軍馬:「まあ、ともかくだ。よろしく頼むぜ、相棒」
    二宮軍馬:とか言いながら更衣室に向かおう
    明石 牡丹:「うん、よろしく!」と応じる声は、そこぬけに明るかった。
    GM:なお、制服に関して言うならば。データ的に特にメリットも無いが、割と良い布を使ってると言っておこう。
    GM:学生がどこでもジャージか制服で行きたがるのは、やはりその着心地が良いからなのだ。
    GM: 
    GM:──さて。時間が流れる。
    GM:ところ変わって二宮くん。あなたは壇上に立っている。
    GM:眼前にずらり並ぶのは、全校生徒おおよそ90人と、教員が十数名。
    GM:生徒達はあなたに好機の目を向け、教員の一人は一本調子な声で
    GM:「えー、本校は毎年、他県の高校との連動のもと交換訪問を行なっておりますが──」と、あなたが此処に立っている理由(の偽装)を述べている。
    GM:少しばかり退屈な時間かもしれない。
    GM:だが。
    GM:その幸福なまでの退屈さは、突如取り払われる。
    GM:それはなんの予兆もなく起こった。
    GM:肌にびりびりと突き刺さるような独特の感触──ワーディング。
    GM:異変の兆したる衝撃が、あなたの全身を叩いた。
    GM:──────────
    GM:というところでOPが終了しつつ、次のシーンはワーディング直後となります故
    GM:事態へのリアクションはそちらでお願いします!
    二宮軍馬:へーい!
    GM:と、ロイスも取得可能です!
    二宮軍馬:明石くんに連帯感○/食傷で取りましょう
    GM:OK! シーンを終了します!

    シーン1:三叉路の中央で


    GM:全員登場の合流パートとなります。
    GM:〝会議室にみんなであつまって情報交換するシーン〟の相当部分ですね。
    陶妙算:はーい
    小早川燐:はーい!
    GM:陶くんは多くの生徒達と共に並んでいて、小早川さんは教員の列に、「あれ教育実習とかかな」と言われてて
    GM:そんな状況となります故、全員、登場侵蝕をお願いします!
    二宮軍馬:35+1d10
    DoubleCross : (35+1D10) → 35+8[8] → 43

    陶妙算:1d10+51
    DoubleCross : (1D10+51) → 2[2]+51 → 53

    小早川燐:49+1d10
    DoubleCross : (49+1D10) → 49+6[6] → 55

    陶妙算:もう抜かれた!?
    GM:まさかーの
    小早川燐:たかい……
    GM:──さて。
    GM:現状ではあなた達は全員、体育館にいます。
    GM:時系列はOP3の直後。時間にして1秒も経過していない時点。
    GM:陶くんは生徒達の中に並んでおり、二宮くんは壇上。小早川さんは教育実習生として教員達の間に。
    GM:あなた達はほぼ同時に、校内で発生したワーディングの気配を感知します。
    GM:異変だ!
    小早川燐:「……!!」とっさに懐に仕込んだ形代へ手を伸ばす
    GM:他の生徒・教員達は何も感じていないのか、ぼんやりとそこに突っ立っているだけ。
    GM:ですが、例外が三人。
    GM:一人──明石 牡丹は二宮くんのいる壇上へと駆け上がり、
    GM:そして二人、古月 美夜と観世 禄郎が、ワーディングの張り巡らされる中を駆け出します。
    二宮軍馬:「……明石!これは!?」
    明石 牡丹:「二宮さん! 何か起こってる!」高い壇上へ一足で飛び上がり、
    陶妙算:古月くんたちを目で追います
    小早川燐:「まさか早速お出ましかな《ゼロ》……!!」冷や汗をかきながら周囲を見渡す
    明石 牡丹:「この方角、三階だと思う……!」
    小早川燐:「君たち!!」 明石くん達へ声を掛けながら近づく
    古月 美夜:「…………っ」走っていく美夜の顔は、彼を知る人間からすれば珍しいものだったろう。
    古月 美夜:笑みなど無い。本心からの焦りで、脇目も振らずに走っていく。
    明石 牡丹:「えっ!? オーヴァード!?」声をかけられた明石は、軽く声を裏返らせながら振り向く。
    陶妙算:(何かが起きている?彼にも予定外のことが)
    二宮軍馬:「センセー?……ってお前も知らねえのか」
    二宮軍馬:「これはアレだな、『予想外の展開』ってやつだな?」
    小早川燐:「君達オーヴァードだよね!? 所属は!?」
    明石 牡丹:「ゆ、UGN! 明石 牡丹! そっちFHだったらごめん袋だたきにするから!」
    陶妙算:「落ち着いて、協力者二人だって連絡があったでしょう。」いつの間にか、いる!
    小早川燐:「良かった……!! 私はUGNエージェント"コープスイーター"。今この学校にはFHエージェントが潜入してる!」
    二宮軍馬:「こっちもUGN、"黒洞拳"の二宮だ!……FHエージェントだって?」
    小早川燐:「戦闘出来るなら付いてきて! 発生源を叩くよ!」
    明石 牡丹:「陶くん! ……え、協力者、連絡……あっ!」
    明石 牡丹:「え、もしかしてそういうこと!?」
    小早川燐:そんな感じで発生源の方へ急いで駆けつけにいく
    明石 牡丹:混乱していた明石だったが、状況を把握できてきたらしい。
    二宮軍馬:「ともかくセンセーとそっちのヒョロいのは味方でいいんだな?」
    明石 牡丹:そして、小早川の誘導に応じて駆け出す──というより
    明石 牡丹:「たぶん、こっち!」
    陶妙算:「そういうこと。さ、僕らも先生に続こう。」
    明石 牡丹:両手も床につけた四足歩行で、小早川を追い抜き、先導する。
    二宮軍馬:「応!」
    陶妙算:「いや、彼に続いたほうがいいか。」
    小早川燐:「ええ!? 何それ!?」驚きながらも彼についていく
    明石 牡丹:「キュマイラだからね!」
    GM:体育館を出て廊下をまっすぐ進み、階段を駆け上がり。あなた達はワーディングの気配──或いは美夜と禄郎の気配を追う。
    GM:そして、小早川さん。
    小早川燐:はい!
    GM:あなたは《かぐわしき鮮血》を所有するブラム=ストーカーだ。
    GM:誰よりも先に、致死量の血の香りに気付くだろう。
    小早川燐:(この匂いは……!!)匂いの濃さに血が引く。この量は明らかに不味い……!!
    GM: 
    GM:校舎の三階、端も端の、うっすら戸に埃の被った空き教室が、ワーディングの気配の発信源であった。
    GM:戸は開いていて、ちょうど敷居の所に尻餅を付き、廊下に背を向けている女性教員が一人。全校朝会にはいなかった顔だ。
    GM:先に走っていった美夜と禄郎は、その女性教員から少し離れて廊下に立ったまま。教室に踏み入れずに居る。
    読塚 透:そして、床に横たわる長髪の少年。
    読塚 透:背丈は180cm程と高く、細身だが筋肉はついている。見るからに健康体の少年であるが、
    GM:右手にカッターナイフ。左手首からの大量の出血。床に転がる小さな瓶。青ざめた──を通り越して真っ白になった顔。
    GM:調べるまでもあるまい。
    GM:死んでいる。
    GM:彼は、間違いなく死んでいる。
    小早川燐:「……!!」顔が真っ青になる
    GM:──在校生、陶くん。あなたはその女性教員が、国語担当の吉一 静であると直ぐに分かるだろう。
    GM:彼女の肩は震えている。状況を把握している。
    GM:すなわち──彼女が、ワーディングの発信源である。
    二宮軍馬:「んなっ……!」驚きつつ構える
    陶妙算:わずかに遅れて教室に入る。いきなり走り出したせいか、頬にうっすらと紅がさしたようになっている。
    陶妙算:その血の気が、教室の惨状をみた瞬間に引いていく
    陶妙算:二度、深く呼吸をする
    古月 美夜:「あ、あ──」日光を知らぬような白い肌が、なおも蒼白になり、わななく唇。
    古月 美夜:だが、ようやく。状況を理解〝してしまった〟のだろう。
    古月 美夜:「透!」
    古月 美夜:と叫んだ美夜が、白い骸に縋りつこうとする。
    観世 禄郎:その靴が血だまりを踏もうとする一瞬前。禄郎の手が、
    観世 禄郎:「止せ!」美夜の後襟を引いて廊下へ投げ戻した。
    観世 禄郎:人間一人。細身とは言え、片手で軽々と、だ。
    陶妙算:「ありがとう。彼を止めてくれて。」
    二宮軍馬:「こいつは……どういう状況だ?そちらの兄さん方は知り合いか?」一応周囲を警戒する
    観世 禄郎:「……………………」
    陶妙算:死体に何が仕掛けられているかもわからない。ヘタに動かれるのは、困る
    小早川燐:「動かないで」攻撃をいつでも出せるようにしながら女性に声を掛ける
    二宮軍馬:変な動きをした奴がいたらすぐに拳をぶち込めるようにしておく
    観世 禄郎:彼はまた、だんまりに戻った。
    陶妙算:「知り合いといえば、知り合いかな。まだ、名前も知らないけれど。」
    観世 禄郎:することと言えば、美夜の襟をつかんで、壁に押しつけるように動きを止めること。
    観世 禄郎:そして声をかけてきた陶へ、にらむような視線を向けた後、
    小早川燐:「我々はUGNです。ワーディング発生源は貴女ですね?」
    観世 禄郎:「…………」その視線は、二宮の方へ滑った。
    吉一 静:「……あら、あは、あははは」
    吉一 静:「オーヴァードの子って、二人しかいないと思ってたのに」
    吉一 静:「意外とたくさんいるんですね……はは、はは」
    吉一 静:「あははははははっ」
    吉一 静:床に座り込んだ女性教諭が、乾いた笑いを上げている。
    小早川燐:「……」黙って頭を抱える
    吉一 静:ワーディング環境の中で動けるからには、少なくとも普通の人間ではない。
    陶妙算:「僕は、先生がそうだとは知りませんでした。」
    吉一 静:そしてこの場所に、他の人間の気配が無い以上──誰かが立ち去った痕跡も無いと断言してよい──
    吉一 静:第一発見者がこの女性。そしてワーディングを用いた、という推測は、まず正しいものとなる。
    吉一 静:「あら、陶くん……いやね」
    吉一 静:「陶くんと、明石くんと、二人だけだと思ってたし、二人だけ来るかなぁって思ったら……」
    吉一 静:「思ったよりたくさん来てくれちゃってねぇ」
    吉一 静:吉一教諭は座り込んだまま、どこかのんきにも聞こえるような口調で──これは授業中もそうだが──話す。
    陶妙算:「どうして、そう思うようになったのかは、教えていただけないんですよね?」
    明石 牡丹:「……吉一先生も、オーヴァード……?」
    明石 牡丹:明石 牡丹は、そんな女性教諭を、呆然と眺めている。
    明石 牡丹:が、すぐにも彼の目は血溜まりへ向いた。
    明石 牡丹:そして、ぎらりと錆び付いた刃物のように目を光らせたか、手指を血溜まりに浸して舐め、
    明石 牡丹:「……透の血だけだ、混ぜ物も何もない」と呟いた。
    吉一 静:「女の勘」と、教諭は答えた。
    吉一 静:……つまり、はぐらかすという意図を明確に持った答えだ。
    二宮軍馬:「おい、明石……あっちの二人は」観世くんから目を離さない
    陶妙算:「それは、怖い。」
    陶妙算:「世の男性は女性に秘密が持てませんね。」
    陶妙算:油断なく、吉一さんの挙動に備えながら言葉を紡ぐ
    観世 禄郎:「……………………」無言のまま、二宮と視線を交錯させる観世。譲らず、じいと睨み付けるような目が続き、
    明石 牡丹:こちらは指についた血をしばらく舐めとっていたが
    明石 牡丹:「あ、えっ!? あ、ああ、あっちの二人は──」と、呼びかけに気づいて泡を食う。
    古月 美夜:「古月 美夜。……そこの大きいのは、観世 禄郎」
    古月 美夜:代わりに応じたのは、名を問われた当事者の片方だ。
    古月 美夜:……はからずもそれは、今まで〝名無しの誰か〟だった少年の名を知らせることにもなろう。
    二宮軍馬:「自己紹介してもらって悪いな」
    陶妙算:「古月くんと観世くんか。」
    陶妙算:そこで自分も名乗ってなかったことに気づく。
    陶妙算:「遅くなったけど、僕は陶 妙算(すえ たえかず)。柳雪とも呼ばれてるから、好きに呼んでほしい。」
    古月 美夜:「大丈夫、同級生の名前は──」
    古月 美夜:とまで言った美夜が
    古月 美夜:突然、ぺたりと床に腰を落とした。
    二宮軍馬:「二宮軍馬だ。……本当なら全校集会で紹介されるはずだったんだけどな」つられて自己紹介
    陶妙算:「古月くん?」
    小早川燐:「大丈夫!?」駆け寄ります
    古月 美夜:「二宮軍馬、覚えた。覚えるよ、大丈夫、大丈夫だから──」と小さな声で呟くその顔は、まさに〝血の気が引いている〟。
    吉一 静:そして、生徒が一人、そういう状況になっているのに背を向けたまま、吉一教諭は言うのだ。
    吉一 静:「……一人足りないなぁ、って思ってたらですねぇ──」
    GM:──吉一教諭の話したところによれば、こういうことだった。
    GM:全校朝会の為に体育館へ移動しようとしたが、生徒の数が足りない。
    GM:遅刻ということは無いだろう。欠席の連絡も受けていない。なら、どこかで遊びほうけているのか。
    GM:そう思った吉一教諭が校内を探し回った結果、最後の最後、一番体育館から離れた〝ここ〟で、手首を切って倒れていた少年を見つけた、ということだった。
    古月 美夜:「……読塚 透。彼は、読塚 透って言うんだ」
    古月 美夜:「僕の友達だった。いいや、彼は誰にでも優しかった」
    古月 美夜:「でも、だからって……ああ、なんてことだ、透……っ」
    古月 美夜:座り込み、今にも昏倒しそうな程に顔を青ざめさせながら、美夜は震えている。
    小早川燐:「……現場は封鎖しましょう。UGNから学校に根回しします」
    陶妙算:その震えが真実なのが演技なのかはわからない、ただ、心に訴えてくるものは、ある
    陶妙算:「そして僕らを呼ぶために、ワーディングを使ったということですか?」
    陶妙算:視線を先生に移しながら言います
    吉一 静:「話が早いですねぇ、うんうん」
    二宮軍馬:「……だいたい状況は飲み込めたぜ」古月くんの姿を見て構えを解く
    吉一 静:「……まぁ、その。明石くんがUGNの所属だって言うのはね、知ってまして」
    明石 牡丹:「……っ」気まずそうに視線を背ける
    吉一 静:「陶くん。……と、二宮くん。それから、そちらは小早川先生でしたか」
    吉一 静:「はい、お察しの通り。私はオーヴァードです」
    吉一 静:「……昔はUGNイリーガルとかもちょっとやったんですけどね、命がけの戦いとか怖くて」
    吉一 静:「だから静かに生きようと思ったのに……結局血の香りからは逃げられないんですかねぇ……」
    吉一 静:はは、と乾いた笑い声。それから吉一教諭は立ち上がって、
    吉一 静:「……落ち着きました」
    小早川燐:「……ある程度理解しました。ありがとうございます」
    吉一 静:「皆さんは」
    吉一 静:「……ずいぶんオーヴァードが集まってますが……UGN?」
    陶妙算:先生の話を聞いている。合点のいかないところもあるが、今は気にするべきではないだろう。
    陶妙算:「小早川さんと二宮さん、それと明石くんと僕は、そのとおりです。」
    陶妙算:古月くんたちに目をやる
    古月 美夜:「……………………」
    陶妙算:「君たちは、そうだな。」
    陶妙算:「古月くんたちが、変わった力を持ってることを自覚するようになったのはいつからか。」
    陶妙算:「教えてもらえる?」
    古月 美夜:「……気遣ってもらわなくても大丈夫。僕もオーヴァードさ」
    古月 美夜:「ただ──UGNにもFHにも関わらないようにしてきた」
    古月 美夜:「市内のオーヴァードの登録情報を探せば、何年か前に登録した名前が出てくるんじゃないかな」
    二宮軍馬:「無所属オーヴァードってわけか」
    古月 美夜:青ざめた顔のままで答えた美夜は、
    小早川燐:「なるほどね……」
    古月 美夜:「……」二宮の呟きを聞き、それに吸い寄せられたように、彼の顔をじいっと見る。
    陶妙算:「そちらの確認はお任せてしもよろしいですか、小早川さん。」
    古月 美夜:かと思えば、今度は小早川の声に応じて、やはりその顔をのぞき込むのだ。
    小早川燐:「ええ、分かりました。校内のことは貴方達の方が詳しいだろうしお願いするね」
    小早川燐:「? どうしたの君?」
    二宮軍馬:「なんかついてるか?」
    古月 美夜:「……そうだ!」
    古月 美夜:「二宮くん。それから、小早川先生」
    古月 美夜:「あなた達も一緒に来てくれればいいんだ」
    古月 美夜:それは、ずっと解けなかったパズルの解を見つけたような、
    古月 美夜:或いは──見つけたと信じたいような、いびつに晴れやかな笑顔。
    陶妙算:「古月くん。」
    古月 美夜:「夜、寮を抜けて、大桜の木の下まで」
    古月 美夜:「そうしたら、きっとわかってもらえる」
    古月 美夜:「この学校がどんなに素敵な場所かって!」
    二宮軍馬:「桜……」
    古月 美夜:名を呼ばれたことにも気づかぬかのように、息継ぎもなく一息に。
    古月 美夜:吐き出し終わってようやく、肩を上下させて息を吸う。
    小早川燐:(メールにあった大桜……)
    陶妙算:「今、そんなことをしてる場合じゃない。人が死んでいるんだ。」
    古月 美夜:「大丈夫」
    古月 美夜:「大丈夫なんだよ、陶くん!」
    古月 美夜:「ここでは誰も傷つかない」
    古月 美夜:「ここでは誰も失われないんだから」
    古月 美夜:──支離滅裂、と言っても良いかもしれない。或いは、友人の亡骸を見た後では、無理の無い錯乱か?
    古月 美夜:いずれにせよ。
    二宮軍馬:「大丈夫じゃなさそうだけど……どうする?」
    古月 美夜:美夜はそう述べた後、普段通りの笑みを取り戻し、あなた達から離れようとするだろう。
    陶妙算:「待って。」
    古月 美夜:ぴたり。
    古月 美夜:舞うように軽やかな足取りが、床に縫い付けられる。
    陶妙算:「君は、何を知っているの。」
    陶妙算:「ただの、おまじない。」
    陶妙算:「それ以上のものが、あの桜にはあるの?」
    古月 美夜:「──ふふ」
    古月 美夜:「ふふふっ」
    古月 美夜:「うふふふふっ」
    古月 美夜:答えは無い。
    古月 美夜:それが答え──とはなるか。
    陶妙算:その笑いに気圧される。
    二宮軍馬:「(取り押さえられるか……?いや、あのデカブツが邪魔か)」
    陶妙算:理解できないものへの恐怖が、或いは壊れかけているゆえの美しさか、あるいはもっと別のものか。古月のもつ何かが陶を圧倒する
    古月 美夜:「大丈夫、僕はどこにもいかないよ」
    古月 美夜:「僕はこの学校が好きだ」
    陶妙算:「答えになってない。」
    古月 美夜:「この学校の全てを……本当に、心から愛してるんだ」
    古月 美夜:「だからさ、みんな」
    古月 美夜:「来て」
    古月 美夜:「そうしてくれないなら、迎えに行くよ」
    小早川燐:「……」
    古月 美夜:華奢な身体で、おぞましくもつややかに美夜は笑い、廊下を滑るように遠ざかる。
    観世 禄郎:禄郎が数歩遅れて、それを大股で歩き、追いかけ──
    観世 禄郎:途中、あなた達へと振り返った。
    観世 禄郎:「……………………」
    観世 禄郎:「……何もしなくていい。何も起こらない」
    観世 禄郎:「………いや」
    観世 禄郎:「〝お前達の生きる場所〟では──何も起こらない」
    陶妙算:「そうは、いかない。」
    陶妙算:「もう事件は起こってる。」
    観世 禄郎:「いいや」
    観世 禄郎:「起こってないんだ」
    観世 禄郎:重ねて、禄郎は言った。
    観世 禄郎:それから、その巨大な拳を握り固めて──
    観世 禄郎:がんっ!!! と、
    陶妙算:「何を言ってるんだ。」
    観世 禄郎:校舎の壁を殴りつける。
    観世 禄郎:拳の形に出来た、小さなクレーターを壁に残して、
    二宮軍馬:「……!」前に出る
    観世 禄郎:「……明日には分かる」
    観世 禄郎:「お前達は〝外〟に帰って」
    観世 禄郎:「……何も無かったと、言えばいい」
    小早川燐:「……ねえ、君」
    観世 禄郎:「……なんだ」
    小早川燐:「《ゼロ》」
    観世 禄郎:「……………………」
    小早川燐:「この名前に聞き覚えはある?」
    観世 禄郎:その名を聞いた時、観世は、視線をあなた達から切って天井へと向けた。
    観世 禄郎:表情のこわばりは変わらない。だが、この時ばかりは彼は、拳を握り固めることも忘れていて──
    観世 禄郎:「ゼロ……0?」
    観世 禄郎:「ああ」
    観世 禄郎:「……そういうことか」何かを一人で合点し、頷いた。
    小早川燐:「どういうこと? 答えて!」
    観世 禄郎:それから彼は背を向け、また歩きだそうとする──が、その最中、
    観世 禄郎:首だけで後方を振り向き、問いの答えの代わりに、こう言うのだ。
    観世 禄郎:「てめぇ」
    観世 禄郎:「ガンつけてんじゃねえよ」
    観世 禄郎:その言葉は、問いを向けていた相手にではなく──
    観世 禄郎:それを守る為に前に進み出た少年へ、二宮へと投げられたものだった。
    二宮軍馬:「……生まれつきだっつーの」
    GM:──そして二人は去り、後に残されるのはあなた達と、第一発見者である吉一教諭だ。
    GM:警察より先にUGNへ連絡をつけたのは英断。この手の事態を、日常に隠すことは手慣れたもの。
    GM:一人の少年の死は、少なくとも今日一日は秘匿されることとなるだろう。
    GM:……さて。あまり素敵な出会い方とならなかったのは申し訳ないことだが、
    GM:もしUGNのエージェント同士、まだ話したいことがあるならば、情報交換でもなんでも良い、かまわない。
    小早川燐:「……随分と大変なことになっちゃったね」
    GM:或いは次の情報収集シーンの冒頭でも、一度どこかに集まっての会話タイムは予定している。
    陶妙算:目を閉じる。さっきまでの
    陶妙算:光景を思い出す。
    陶妙算:死体の臭いが鼻つく。眼下には血が広がり、中心にはこの学校の生徒だったものが横たわっている。
    陶妙算:何も起きてないなんてことはありえない。
    陶妙算:「申し訳ありません、着任早々に」
    小早川燐:「ううん。君が謝ることじゃないよ」
    二宮軍馬:「ともかくあの二人が何かやらかすってことがわかったんだ、話が早え」
    二宮軍馬:「幸いにも逃げるつもりはなさそうだしな」
    小早川燐:「そうだね。大桜の件調査してたの君達でしょ?」
    二宮軍馬:「してた、というかこれからするところだったというか……」
    二宮軍馬:「ともかくしばらくお世話になります」
    小早川燐:「うん、こちらこそーー」
    小早川燐:「よろしくー!!」そう言って不意打ち気味にほっぺを挟む!!
    二宮軍馬:「な……」油断!
    小早川燐:「ほうほう良い筋肉のつき具合だねえ。堅さも素晴らしい……これは100点だね!!」
    陶妙算:「わあ。100点、おめでとうございます。」
    二宮軍馬:「よろふぉんでいいのふぁ?」ぐにぐにされてる
    小早川燐:「名誉なことだぞー喜べー」ぐにぐにー
    陶妙算:「ああ、たしかに実は1万点満点かもしれませんね。」
    小早川燐:そして満足して一回強く挟んだ後に離す
    小早川燐:「あー楽しかった」
    陶妙算:笑う。百合の花が風に遊ばれる肩を揺れている
    二宮軍馬:「…………いや、良かったなら良かったです」なにか大事なものを失った気がする
    小早川燐:「よーし! これからみんなで頑張っていこー!」雰囲気を明るくするように笑顔で拳を突き上げる
    陶妙算:「とりあえず、今起こっていることを整理しましょう。」
    陶妙算:「〝大桜に血を捧げれば願いが叶う〟という桜の噂。」
    陶妙算:「そして、この教室で起きた殺人。」
    小早川燐:「無所属のオーヴァードが3人」
    小早川燐:「『アヴェンジャーズ』セルの《ゼロ》」
    陶妙算:「そのゼロ、というのが、今回の事件に絡んでいるのですか?」
    陶妙算:初耳だ
    小早川燐:「うん、恐らく。私はゼロを追ってこの学校に来たの」
    二宮軍馬:「あのデカブツの反応からして、何もねえってことはなさそうですが」
    小早川燐:「そう。だから今回の件もゼロが手引きしてるんじゃと私は睨んでる」
    陶妙算:「なるほど。」
    陶妙算:「そのゼロという人の話も、後ほど聞かせてください。」
    小早川燐:「うん。情報は共有しておこう。あの二人についても詳しく聞かせて」
    陶妙算:「えっと、あと、その。」
    陶妙算:言い淀んでいる。
    小早川燐:「何? 君もにぎにぎされる?」
    小早川燐:両手をわきわき
    二宮軍馬:「見境がない」
    陶妙算:「いえ、にぎにぎされなくても、僕も行動をご一緒するってことで。」
    陶妙算:「いいんですよね?」
    陶妙算:少し不安げに目線を下げながら言います
    二宮軍馬:「……ん?そういう流れじゃなかったか、今?」
    小早川燐:「勿論! チルドレンでしょ? 頼りにしてるよ」
    小早川燐:「よろしくね」手を差し出す
    陶妙算:「え、あ。」
    陶妙算:「よろしく、お願いします。」
    陶妙算:白く長い手を小早川さんに差し出す
    小早川燐:その手をぎゅっと握りしめる
    陶妙算:少年らしい、冷たく硬い手だが、どこか柔らかさが残っている
    陶妙算:「ちょっと、痛いです。」と苦笑する。
    小早川燐:「あっごめんね? 綺麗な手だからもっと優しく握らないと」
    小早川燐:優しく握り直す
    陶妙算:「いえ、その。」
    陶妙算:小早川さんの手のぬくもりが、自分のの手に移っているのを感じる
    陶妙算:「ありがとうございます。」
    小早川燐:「いいのいいの。君は一人じゃないよ」
    小早川燐:にっこり微笑み返す
    二宮軍馬:「よし、そんじゃどっかで作戦会議と行くか。明石、開いてる教室あるか?」
    明石 牡丹:「たくさんあるし、開けられるよ。……そうだね、二階の視聴覚室なんか、ホワイトボードもプロジェクターもある」
    明石 牡丹:「先に行ってて。僕は、UGNの人達が来たら説明するから」
    GM:と言って明石 牡丹は、一人現場に残るだろう。
    GM:あなた達は場所を変え、一度心臓と脳髄を休ませた後、行動を再開することになる。
    GM:が。
    GM:あなた達が階下へ向かっている頃。
    明石 牡丹:「……………………」
    明石 牡丹:血の気の失せた亡骸の側に、彼は膝をついた。
    明石 牡丹:そして、犬や猫が餌を喰らうかのように身を伏せ、舌を突き出して、
    明石 牡丹:「……美味し」床に広がる血を、舐め啜った。
    GM:──────────
    GM:ロイスの取得、調達が可能です!
    GM:調達はこう、ここへ来る前に買ってたor救急隊に扮したUGN経由で取得した感じになるのでしょうな。
    小早川燐:どうしようかな……
    陶妙算:ボデマ
    陶妙算:1dx
    DoubleCross : (1R10[10]) → 9[9] → 9

    陶妙算:無理
    二宮軍馬:とりあえずボデマ
    小早川燐:二宮軍馬 ナイスほっぺ○/不安
    二宮軍馬:2dx
    DoubleCross : (2R10[10]) → 5[2,5] → 5

    二宮軍馬:ダメ!
    陶妙算:古月くん/友情/不安○
    GM:ボデマ需要……
    小早川燐:あっ調達の前に従者作りたいです
    GM:OKです
    GM:来るぞ恐怖の従者システム……
    陶妙算:無敵従者戦法…
    小早川燐:ではぁ赤色の従者+血の絆
    二宮軍馬:先生にロイス 尊敬○/脅威で取ります
    小早川燐:55+8
    小早川燐:従者がボデマチャレンジ
    二宮軍馬:ヒッ従者
    小早川燐:5dx10
    DoubleCross : (5R10[10]) → 5[2,3,4,5,5] → 5

    小早川燐:5dx10
    DoubleCross : (5R10[10]) → 9[1,3,4,5,9] → 9

    小早川燐:どちらにせよ失敗!! 本体もボデマ
    陶妙算:まわらねえ…!!
    小早川燐:1dx10
    DoubleCross : (1R10[10]) → 1[1] → 1 → ファンブル

    GM:先生……!
    小早川燐:おおふ…… ではこれで終了
    GM:ほっぺたに気をとられすぎた……!
    陶妙算:やべえ、今回厳しいぞ…!!

    シーン2:情報収集1


    GM:ここも全員登場となります
    GM:みなさま登場侵蝕をどうぞ!
    小早川燐:63+1d10
    DoubleCross : (63+1D10) → 63+3[3] → 66

    二宮軍馬:43+1d10
    DoubleCross : (43+1D10) → 43+10[10] → 53

    GM:あっ従者くんに人権が付与されてる
    陶妙算:1d10+53
    DoubleCross : (1D10+53) → 6[6]+53 → 59

    小早川燐:従者くんに立絵がつきました
    GM:結構侵蝕伸びるなぁ……
    GM:だがEロイスはかなり積んであるのだ
    二宮軍馬:まあまあまだまだよ
    GM:──さて。
    GM:正午となった。
    GM:あの後、緊急の職員会議などが行われたり、UGNの職員による事情聴取などはあったが
    GM:生徒達には「教員達も把握しきれていない状況で全てを伝えるのはまずい」という判断で
    GM:一人の少年が命を失ったことは、まだ伏せられている。
    GM:今日の授業は全て中止となった。
    GM:……今日は金曜日だ。降って沸いた休みに生徒達は浮かれ、校舎内や校庭や、或いは外出許可を取って思い思いに遊んでいる。
    GM:さて、小早川さん。
    小早川燐:おっす
    GM:あなたは、先入任務の定時連絡を任されています。
    GM:場所はどこでもいいですが、そうですね。電波の入りが良いのと、生徒が立ち入れないということで、屋上など良いでしょう
    GM:支給された通信機であなたは、担当オペレーターのサイボーグメイドに連絡をしています。
    GM:という具合に、ロールをどうぞ。
    小早川燐:屋上でもたれかかりながら「──こちら”コープスイーター”。定時連絡です」
    小早川燐:「応答をお願いします」
    女性エージェント:「こちら《メイド・イン・バトルフィールド》、通信状況良好です」
    女性エージェント:「……〝特殊な事態〟が発生したとは聞いています。どうぞ」
    小早川燐:「実はその通りで……。正直かなりややこしいことになってしまってるんですよね……」
    小早川燐:メイドさんに見聞きしたことを全てお伝えします
    女性エージェント:「……なるほど、そのような事態が」幾分か沈んだ声が返る
    女性エージェント:「遺体については、回収班から検死に回し、検分が完了しています。手首を深く切っての失血死──自殺でしょう」
    女性エージェント:「遺体にレネゲイド反応は無し。ブレインハックなどの痕跡も確認はできませんでした」
    女性エージェント:「高い確率で──自分の意思で、手首を切ったものかと」
    小早川燐:「……正真正銘の自殺ってこと、ですか」
    女性エージェント:「現時点の状況を見る限り、ですが」
    女性エージェント:「……現在、无月館学院には《ゼロ》が侵入していると見られます。現時点以上の戦力を投入し、調査規模を拡大することは、隠蔽の観点からも避けたいのですが」
    女性エージェント:「小早川さん。あなた達の任務が完了次第、或いは追加でエージェントを送り込むかも知れません」
    女性エージェント:「……迅速な解決を、期待しております」
    小早川燐:「ありがとうございます。……あの」
    女性エージェント:「なんでしょう?」
    小早川燐:「ええと、ごめんなさい。大したことはないんですけど、ただ」
    小早川燐:「ちょっと自分は無力だなって思っちゃって。こんな凄い力を持ってるのに誰かの自殺は止められないのが」
    小早川燐:「前も協力者の子も殺されちゃって、あの怪物だってそうですし」
    女性エージェント:「…………」少しの間、通信機から沈黙が返る。
    女性エージェント:「……私たちは常に、何かが起こってから活動を始めます」
    女性エージェント:「そして私たちの手は、あまりに短く、少ない」
    女性エージェント:「本当ならば、あなた一人に任せて良い規模の任務ではないのです」
    女性エージェント:「……万全の用意を調えられなかった。その咎は私たち、後方支援にあります」
    GM:──と、その時。
    GM:屋上の階段を上ってくる足音が、学校の校舎に特有の反響を伴って聞こえてくるだろう。
    GM:こぉん。こぉん。ペースは遅い。
    小早川燐:「──!?」 その方向に振り返る
    GM:その足音の主は、屋上の鍵を持っているらしい。ドアノブを掴み、ひねり──施錠されていることを知って、鍵を外す。
    GM:一連の動作の間に、小型の通信機を隠すのは十分に間に合うことだろう。
    小早川燐:「すみません、一端通信終了します」そう言って通信機を隠す
    GM:その、直後ともなろうか。
    吉一 静:「あら、先客……小早川先生、でしたか」
    吉一 静:国語科担当の吉一教諭が、屋上へとやってくる。
    小早川燐:「え、ええ。吉一先生……で良かったですっけ」ちょっと声がうわずりながら
    吉一 静:「ええ、はい。吉一 静です。朝は朝会前でろくに挨拶もできずで、すいませんねぇ」
    吉一 静:微笑むように細められた目──とは裏腹、蒼白な顔は疲労の為か。
    吉一 静:重い足取りで屋上を歩くと、鉄柵にもたれかかって項垂れ、ため息を吐いた。
    小早川燐:「……大丈夫ですか」そう言って近づく
    吉一 静:「……あまり」
    吉一 静:「生徒が〝ああいうこと〟になるのは、心苦しいものです」
    小早川燐:「……無理はしないで下さい。過剰なストレスや疲労はジャーム化の危険を招くことになります」
    吉一 静:「はは、それは大丈夫ですってぇ。教師なんて日夜、ストレスと疲労漬けな生き物なんですからねぇ」
    吉一 静:「……ただ。教育者を名乗ってても、大事な時には無力なもんだ──と、思っただけです」
    小早川燐:「……」無力という言葉を聞いて目を伏せる
    吉一 静:「私を心配してくれるのはうれしいんですが」
    吉一 静:「そちらもちょいと、大丈夫とは言いがたい様子ですよ?」
    小早川燐:「あはは……。流石先生お見通しですか」
    吉一 静:「そりゃあね。……どうです、ちょっとばかり話してみませんか」
    吉一 静:「重荷なんてものは、他人にも背負わせたくらいが楽でちょうどいいんですって」
    小早川燐:「……ありがとうございます。私なんかで良ければ是非。コーヒーでも入れてきましょうか」
    吉一 静:「いやいや、そこまでは結構。そちらもそちらでお仕事があるでしょう」
    吉一 静:「軽くここで立ち話くらいがちょうど──っと」
    吉一 静:そこまでを言った吉一教諭は、手首の腕時計を見る。
    吉一 静:「……失敬。こっちから話しかけといてなんですが、ちょっと別用があるんでした」
    吉一 静:「時間のある時にでもゆっくりお話しましょう。お互いの仕事の愚痴でも、なんでもねぇ」と言い残し、教諭はその場を去ろうとする
    小早川燐:「そうですね。では、何かあったら私達かUGNに」
    小早川燐:そのまま見送る
    GM:──定時連絡と、短時間の邂逅は、こうして終わる。
    GM:現在は、正午を幾分か過ぎた日中。夏も終わりに近づき始めた、少しだけ陰りを纏い始めた陽光が降り注いでいる。
    GM:さあ、仕事の時間だ。
    GM:〝夜〟までの間、授業も何もない。調査の為の猶予は、かなり長いと見ても良い。
    GM:──────────
    GM:それでは、情報収集を始めます。
    GM:今回のシナリオでは大N市界隈ではやりのSSSCの、システムの一部だけ拝借しようと思います。
    GM:簡単に言いますと、シーン登場者全員に、〝知覚or情報or知識〟で、目標値9の判定を振っていただきます。
    GM:そして振った面々のうち、判定に成功、かつ最も達成値の高かった数値を採用。
    GM:[(達成値 / 10)+1]をプライズポイントとして蓄積。一定値がたまるとイベントが起こったりクライマックスへ突入したりします。
    GM:財産点の使用は可能。1シーンで得られるプライズには3の上限を設けます。達成値20相当ですね。
    GM:ここまでで不明点、ございますか?
    小早川燐:大丈夫です!
    二宮軍馬:特に!
    陶妙算:コネは使っていいですか
    GM:OKです。
    陶妙算:ざっす!!
    GM:書き忘れましたが、財産点も使って良いです
    GM:が、先にネタをバラして良いとこまでバラすと
    GM:実質4までプライズ獲得しちゃえば勝ちなのが今回のシナリオと思ってください
    陶妙算:了解でゲス
    GM:と、いうわけで!
    GM:あ、情報は任意の情報どれを使ってもかまいません
    GM:指定された技能のいずれかで、目標9の判定どうぞ!
    陶妙算:ではコネ:UGN幹部を使って情報UGNです
    陶妙算:えいえーい!!
    陶妙算:3dx+3
    DoubleCross : (3R10+3[10]) → 7[5,6,7]+3 → 10

    小早川燐:本体の方が情報UGNでコネUGN幹部使用!!
    陶妙算:セーフ
    小早川燐:3dx+2
    DoubleCross : (3R10+2[10]) → 6[4,6,6]+2 → 8

    二宮軍馬:ダイスが多いのは知識だけど
    二宮軍馬:固定値のある知覚で振るか
    小早川燐:ダメだったけど従者がいる!
    二宮軍馬:2dx+1
    DoubleCross : (2R10+1[10]) → 10[6,10]+4[4]+1 → 15

    GM:おお
    二宮軍馬:グッド
    小早川燐:6dx
    DoubleCross : (6R10[10]) → 10[1,2,3,9,10,10]+9[5,9] → 19

    GM:従者!
    二宮軍馬:従者つよい
    陶妙算:できる従者
    小早川燐:惜しい……従者は財産点が使えない……
    GM:強いなぁ従者……!
    GM:では、プライズ2を獲得。いくつか情報が開示されます。
    小早川燐:やはり従者型はミドルでつよい
    【校庭の大桜の調査】→二宮 軍馬
    大桜に近づいてみると、ワーディングの気配を感知した時に近い感覚を得られた。
    この季節外れに咲き誇る花が、なんらかのレネゲイド関係物であることは間違いない。
    だが──これは无月館学院を訪れる前に調査住みかも知れない──大桜が原因の事件は、学院の創立より観測されていない。
    そもこの学校では、死亡事故も、大きな怪我をした者が出たこともなかったのだ。
    尤もそれは、今日までだが。

    【校内に存在するオーヴァードについて】→小早川 燐
    定時連絡の際、あるいは救急隊に扮して現れたUGNと接触し、名簿の照会を行えるだろう。
    无月館学院所属のオーヴァードは、UGNのデータによれば、古月 美夜と明石 牡丹の二人だけだ。
    吉一 静教諭と、美夜の友人である観世 禄郎については、そういう登録情報は存在しない。
    また。上記の面々のほかに、〝オーヴァード或いは戦闘力を有する人物〟はいないことを確信して良い。

    【古月 美夜】→陶 妙算
    一学年の、やや夢見がちな少年というのが、学内の共通評の一つである。
    容姿はやや女性的で、変声期は過ぎた筈だが高めの声質。
    女っ気の無い学院にあっては上級生からの人気は高く──までなら、そう珍しくも無い話だ。
    彼はその人気を自覚してか、自分に好意を持つ者に声をかけ、小さな〝グループ〟を形成している。
    空き教室で菓子を食べて教員に叱られたりする、微笑ましい程度の悪童グループだ。
    ……そして今日は、その〝グループ〟のメンバー全てに、〝夜になったら寮を抜けだそう〟と呼びかけているようだ。

    GM:長いのでサブタブにも張りました
    陶妙算:ざっす!
    小早川燐:有り難いでゲス
    二宮軍馬:たすかる
    GM:そして二宮くん。あなたはその優れた知覚を生かして情報を手に入れた感じのロールをしてもよい!
    GM:さらにはそこからシームレスに情報共有ロールをしてくれてもかまわない!
    二宮軍馬:ラジャ
    GM:なお、さらにこの情報はイベントトリガーとなってますので、それらロールが終わり次第〝夜〟になります。
    二宮軍馬:了解です、では件の大桜を調べていた感じで
    二宮軍馬:「……こいつか。近くで見ると、何というか」
    二宮軍馬:ぺちぺちと幹を叩いたりする
    GM:巨大だ。重厚だ。表皮は岩のように硬く、根は大地を掴んで揺らぐことはない。
    GM:大桜は春を誇るが如くに開きながら、花びらの一つも地上へは渡さない。
    GM:まるで大桜の姿だけが、春のとある一瞬を切り抜いたように、そこにそびえ立っている。
    GM:……そしてあなたは知るだろう。この桜から、オーヴァードの気配に近いものを感じると。
    二宮軍馬:「妙な感じだな。こいつは……」
    二宮軍馬:「この気……っつーか、あのときの《ワーディング》みてーな」
    明石 牡丹:「そうなの?」
    明石 牡丹:と、あなたの背後から近づいてくる気配。
    二宮軍馬:「おう相棒」
    明石 牡丹:「やあ相棒!」片手をひょいとあげる
    二宮軍馬:「なあ、確認なんだけどよ」
    明石 牡丹:「?」いつもの表情のまま、首をかくんと傾げる
    二宮軍馬:「この桜がなにか事件起こしたって情報、なかったよな?」
    明石 牡丹:「んー、無い! ……はず!」自信満々の断言の後に、不安そうに付け足した。
    明石 牡丹:が、そんな情報が無いのは確かだ。
    明石 牡丹:創立から数十年。この学校で事件の記録など、一つたりと存在しない。
    二宮軍馬:「だよなあ。事前にもらった資料にも、まじないだのなんだのって話はあったが」
    明石 牡丹:「平和だからねー。骨折する子が珍しいくらい」
    明石 牡丹:「……だから」
    二宮軍馬:「そいつは結構なこった」再び、桜の幹をバシバシ叩いたりする
    明石 牡丹:「あんなこと、起こっちゃだめなんだよ」
    明石 牡丹:そう呟く声は、か細く震えている。
    二宮軍馬:「……だな」
    二宮軍馬:「そんじゃ、次の事件が起こらないようにせいぜい頑張るとすっか」
    明石 牡丹:「……うん」そう答えた牡丹は──あなたに顔を見せない為だろうか──あなたの背後に回り込むように移動しながら
    二宮軍馬:「他の二人は?もう調べ物終わってんだろ」
    明石 牡丹:「たぶん? 集まってもらって、情報交換とか、いいかな」
    明石 牡丹:背後から応じる声と、その後に、小さな声。
    明石 牡丹:「……早く、いつも通りになるといいな」
    明石 牡丹:「ずっとずっと、明日は何をしようかなって楽しみにしながら眠って、今日は何をしようって目を覚ますような」
    明石 牡丹:「いつも通りの日に、さ……」
    GM:──では。
    GM:調べが一段落ついたところで、ちょうど他の二人も調査が進展したものだろう。
    GM:あなた達は奇遇にも、この桜の下に集まることとなる。
    GM:という具合で、描写どうぞ
    小早川燐:「あっおーい! やっほー!」校舎から小走りに寄ってくる
    二宮軍馬:「お、きたきた」
    明石 牡丹:「やーっほー!」両手をぶんぶん振って応じている。
    陶妙算:「探したよ、ふたりとも。」
    陶妙算:小早川さんに続いてやってきます。
    小早川燐:「かーらーのー開幕ドーン!!」今度は明石くんのほっぺを挟む!
    二宮軍馬:「季節外れの花見も悪かねえだろ?」
    明石 牡丹:「ふぎゃー!」頬をつかまれ、捕まった猫のような声を出す
    小早川燐:「あっいいねー柔らかい。凄く良い。100点」真剣な表情でむにむに
    陶妙算:「お花見とか、したことないことからよくわからないな。」
    陶妙算:寂しげに大桜を見上げながら言う
    明石 牡丹:頬はだいぶ柔らかい。表情を大きく作るタイプなので、凝っていないのである。
    明石 牡丹:が、それはそれとして捕まったままなのを嫌ってか、ぽんと大きく後方にはね
    明石 牡丹:「ふしゃーっ!」両手両足を地面につき威嚇をする。
    陶妙算:「猫かな?」
    明石 牡丹:「キュマイラだもん──って、そうじゃなくて」
    明石 牡丹:「どう、そっちは。何か分かった?」
    二宮軍馬:「……(花見したことねえってのは、なんか触れねえほうがいいやつかな……)」
    明石 牡丹:ちゃんと手を地面から離して立ち上がりつつ
    陶妙算:軍馬くんの視線に気付いて、柔らかく微笑みます
    小早川燐:「そうだね、じゃあ陶くん先にお願い」
    陶妙算:首筋から白磁のように白く、儚げな鎖骨が覗く
    陶妙算:「僕は、調査といっても、古月くんの評判が聞こえてきただけですけど。」
    陶妙算:「評判に関しては、明石くんの方が詳しいと思うけど。」
    陶妙算:自分が聞いた話を伝えます。彼の校内での人望、それに拠ったグループの存在。
    二宮軍馬:「あー、あの……アレなやつか」
    陶妙算:「そ、アレな人。」
    明石 牡丹:「あはははは……まぁ、その、アレな子……」
    小早川燐:「アレな子か……」
    明石 牡丹:「今からバレンタインのお願いしに行く上級生がいる、って噂のアレな子……」苦笑い
    陶妙算:「けど、こういう閉鎖的な空間だと、多少癖が強い方が人望が集まるのかも知れないね。」
    陶妙算:「花が、一つしかないなら尚更だ。」
    二宮軍馬:「そういうもんかねぇ」
    小早川燐:「そ、そういうものなのかな……」
    二宮軍馬:「お前さんもいい勝負してると思うが……イヤ悪い意味じゃなくてな」
    陶妙算:左で口元を抑えくすりと笑う。
    陶妙算:柔らかな茶色の瞳がかすかに濡れている。
    小早川燐:「ははは……。漫画みたいだね。オーヴァードが言えることじゃないけど」
    陶妙算:「僕にはそういう強さはありませんから。そっちは明石くんに任せてるんです。」
    明石 牡丹:「……で、そのアレな子が夜遊び計画を立ててると」
    陶妙算:「うん、大桜に血を捧げ、願いを叶える。」
    明石 牡丹:「声かけられたの、僕たちだけじゃないんだね」
    陶妙算:「顔が広いみたいだからね。」
    陶妙算:「まあ、大桜がただの桜で、今花が咲いているのも単なる狂い咲きってことなら何も心配はないんだけど。」
    二宮軍馬:「ウーン、ただの桜かと言われると怪しいんだが」
    陶妙算:「そのことについては、なにかわかったりしました?」
    明石 牡丹:「ただの……」二宮くんの方に視線を向ける
    二宮軍馬:「あのときの《ワーディング》と同じ気を感じたんだよな、コイツに」
    明石 牡丹:「あの時の──って、言うか」
    明石 牡丹:「ワーディング全般、てきな?」
    陶妙算:瞬きする度に音がしそうな濃い睫毛に囲まれた瞳を軍馬くんに向けます。
    二宮軍馬:「そうそう。ただ、これまでにこの桜自体がなにかやらかしたって記録はねえ」
    二宮軍馬:「……そんな目を向けられても、これ以上は出てこねえぞ」ちょっと陶くんの視線に照れ
    陶妙算:「話を聞いてただけなんだけど。」苦笑する
    明石 牡丹:「ましょうの子……」
    小早川燐:「わあ……」
    陶妙算:「けど、そうだね。記録がないからといって、それがレネゲイドに関連してないとは限らない。」
    陶妙算:「今日だけでも僕たちは記録のなかったオーヴァードに、それも3人と遭遇してるんだから。」
    二宮軍馬:「……確かに」
    陶妙算:「僕は軍馬のくんの意見は耳を傾ける価値があると思いますが、小早川さんはどう思います?」
    陶妙算:露に濡れた果実のような唇が上下に動き、涼やかに言葉を紡いでいく
    小早川燐:「うん、同意かな。ゼロのやり口は生体兵器だから、桜に何か仕込みを入れててもおかしくない」
    小早川燐:「それこそゼロが潜入以降に桜に何か施したとも考えることは出来る」
    陶妙算:「できれば、"夜"になるまでにそのあたりの調査ができればいいのだけど。」
    陶妙算:空を見上げ、それは難しそうだなって思う。
    小早川燐:「そうだね……。で、私からはさっきの無所属の三人についての報告」
    陶妙算:「お願いします。」
    明石 牡丹:「っ」ぴく、とほんの少し眉が動く。
    小早川燐:「UGNに連絡して名簿の照会をお願いしました」
    陶妙算:春のせせらぎにも似た柔らかく潤んだ瞳を小早川さんに向ける。
    小早川燐:「登録されているのは古月くんだけ。吉一先生と観世くんは登録されていなかった」
    二宮軍馬:「そいつは……」
    小早川燐:「加えて、校内にはこれ以上未確認のオーヴァードはいない。つまり」
    小早川燐:「この中にゼロがいる」
    陶妙算:「………」
    二宮軍馬:「ってぇことになるのか……」
    明石 牡丹:「…………そんな」
    小早川燐:「吉一先生に至っては言ってることが違うし正直頭痛いよ……」困った表情
    小早川燐:「ん? 明石くんどうしたの?」
    明石 牡丹:「だって」
    明石 牡丹:「ロクロウは愛想は……ちょっと……いやかなり悪いけど、でも同級生で」
    明石 牡丹:「先生だって、僕たちの入学式からずっとこの学校にいて」
    明石 牡丹:「……そのどっちからが、FHだなんて……」
    小早川燐:「……」声を掛けられない
    二宮軍馬:「……気持ちはわかるが、落ち着け相棒」
    明石 牡丹:脳天気な表情は影を潜めて、顔を伏せる。笑わなければ、こうまで印象が変わるものかと言う程に静かだ。
    明石 牡丹:だが、慰めの言葉に、意気こそは沈んだままに顔をあげて、
    明石 牡丹:「どうしたら、いいんだろ」
    陶妙算:「君は、二人を信じてあげればいいんじゃないかな。」
    陶妙算:静かに、けれど優しく声をかけます。
    明石 牡丹:「……分かった」
    陶妙算:「僕は君と違って、この学校に、そんなに馴染めなかった、だから、人をみないで事件だけを負うことができる。」
    陶妙算:「けど、君は僕と違って、この学校に馴染もうとした。だから、事件に囚われず、人の心を見ることができる。」
    陶妙算:「事件を解決するだけじゃない。この学校の日常を続けていくためには。」
    陶妙算:「きっと、僕たちみたいに違う目線で物事をみてる人が必要だったんじゃないかな。」
    陶妙算:「だから、うん、君は二人を信じてもいいと思う。」
    明石 牡丹:「そう、なのかな……そうかも、しれない」断言はできない。言葉はぼんやりとして、あやふやだ。視線さえ、一つところに止まらない。
    明石 牡丹:それでも
    明石 牡丹:それでも一度、明石 牡丹は頷いて、
    陶妙算:真珠色のうなじが、かすかに紅潮している。なれないことを言ったので恥ずかしい。
    明石 牡丹:「あの、ね」何かを言おうと口を開く。
    明石 牡丹:だがその口は、まるで声を失ったかのように幾度か開閉を繰り返し、歯列から二つ伸びた犬歯を見せるばかりで、
    明石 牡丹:「……〝夜〟、うっかり寝てたりしないようにね」と言って、きびすを返す。
    明石 牡丹:そして明石 牡丹は、引き留めの声すら待たずに走り出す。
    明石 牡丹:能力とは無縁の部分で、身が軽く、早い。彼の姿はたちまち遠ざかっていくことだろう。
    二宮軍馬:「あ、おい!……行っちまったか」
    小早川燐:「……ありがとね陶くん」
    陶妙算:「ダメだな。やっぱり僕は人を励ますのが苦手みたいだ」
    陶妙算:ひとりごちでから、小早川さんの声を聞いて振り向きます
    二宮軍馬:「いーや、大したもんだぜ」
    小早川燐:「ううん、そんなことないよ」
    小早川燐:「……あの中にゼロがいるなら、処理することは避けられない」
    陶妙算:二人に同時に声をかけられてちょっとびっくりする
    小早川燐:「多分彼の期待を裏切ることになる。それでも私達はやらなくちゃ。だから」
    小早川燐:「……どうか、君達はあの子に寄り添ってあげてね」
    二宮軍馬:「応よ!」
    陶妙算:左で口元を抑えてくすりと笑う
    陶妙算:「生徒に寄り添うのは先生の仕事じゃないんですか?」
    小早川燐:「私のはただのカヴァーだしー。それに、対等な立場で寄り添うって同年代の子にしか出来ないと思うから」
    陶妙算:「そうかな。」
    小早川燐:「私も大して年齢変わらないけどね」
    陶妙算:「僕は、先生がそんなことないよって言ってくれたことが、嬉しかったですよ。」
    小早川燐:「本当? ふふ、私も少しは先生っぽくなってきたかな」
    二宮軍馬:「もう完全に先生って感じだぜ」
    陶妙算:「先生、か。」
    陶妙算:「あの時は聞けなかったけど、なんで吉一先生はあの時ワーディングを使ったのかな。」
    二宮軍馬:「む。言われてみれば」
    小早川燐:「確かにね……。精神的ショックを受けて無意識に発動とも考えられるけど、そんな単純な話ではなさそう」
    二宮軍馬:「ワーディングを使う時って言やあ、一般人の目から隠すか、他人に位置を知らせるか……」
    二宮軍馬:「それ意外。敵と戦う時とか」
    小早川燐:「……」
    陶妙算:「けど、吉一先生の姿には戦闘の形跡は」
    陶妙算:「見られなかったと、僕は思います。
    二宮軍馬:「だなぁ。ふむ……」
    陶妙算:「仮に、本当に僕たちを呼ぶためだけに使ったとしても。」
    小早川燐:「古月くん達も皆あの時講堂にいたはずだし……」
    陶妙算:「何を持って、オーヴァードを呼ぶ必要がる事態だと判断したのか。」
    二宮軍馬:「本人に聞いて答えてくれりゃ早いんだが」
    小早川燐:「精神的に不安定だからあまり刺激したくはないけどね……」
    小早川燐:「とにかく、そのあたりを重点的に洗おうか。新しい発見があるかも」
    陶妙算:「はい、そうしましょう。」
    二宮軍馬:「了解、っと」
    GM:──────────
    GM:シーンをカットします。ロイス取得とアイテム調達が可能!
    小早川燐:吉一先生 親近感/猜疑心○
    陶妙算:同行者/小早川燐/信頼○/隔意
    陶妙算:ボデマ!
    陶妙算:1dx
    DoubleCross : (1R10[10]) → 9[9] → 9

    陶妙算:かえない、おわり!
    小早川燐:従者がボデマ!
    小早川燐:6dx
    DoubleCross : (6R10[10]) → 10[3,4,6,7,8,10]+6[6] → 16

    二宮軍馬:陶くんにロイス取ろうかな 誠意○/劣等感
    二宮軍馬:ぼでま!
    小早川燐:わーいではそのまま本体が装備
    陶妙算:できる従者
    二宮軍馬:2dx
    DoubleCross : (2R10[10]) → 9[5,9] → 9

    小早川燐:本体は応急キットにチャレンジ
    二宮軍馬:ダメ!以上
    小早川燐:1dx+3
    DoubleCross : (1R10+3[10]) → 6[6]+3 → 9

    小早川燐:そのまま所持!
    GM:OK!

    シーン3:〝少年達〟


    GM:●シーン3 シーンプレイヤーはPC1の陶くん、他のお二人は任意登場です
    GM:このシーンは門限を破って夜のお花見だよ!
    陶妙算:でる!
    陶妙算:1d10+59
    DoubleCross : (1D10+59) → 3[3]+59 → 62

    陶妙算:低めだなー
    GM:低め安定つよい
    二宮軍馬:出とこう
    二宮軍馬:53+1d10
    DoubleCross : (53+1D10) → 53+2[2] → 55

    二宮軍馬:OK
    小早川燐:うーん燃費悪いので一回休んでおこう
    小早川燐:出ないです
    GM:いえっさ
    GM:では小早川さんはきっと、寮内での生徒への聞き込みとか、他の教職員への聞き込みとか、UGNへ連絡して資料確認してるとか
    GM:きっとそんな感じでしょう

    GM:夜。……具体的に言うなら、22時。
    GM:寮の消灯時間が22時。当然だが、外出を認められていない時間帯である。
    GM:寮監、吉一 静の目は容易に回避できた──何せ彼女は日本酒の瓶を抱え、大の字で床に転がっていたのだから。
    明石 牡丹:「……深酒はしない人な筈なんだけどな、先生。寝相もこんな酷くないし」
    明石 牡丹:明石 牡丹は苦笑いしながら、吉一教諭の、自分より背が高い身体を持ち上げて、寮監室のベッドまで運んでいった。

    GM:あなた達は大桜の下にたどり着くだろう。
    GM:見上げてみれば、なんと見事な夜桜か。
    GM:樹齢八十年を超す幹は、大人の腕でも抱えきれず。天蓋の如く張り出した枝に、夜空を飾る薄紅の花。
    GM:工業地区に存在する无月館学院の周辺は、就業時間を過ぎれば人の気配が一斉に消え失せる。
    GM:驚くほどに暗い夜の空には、明日には満ちるだろう、少しだけ足りない月が浮かんでいる。
    GM:そして、そこには学生達が──招待主である美夜を除いても、7人ばかり。その中にはあの仏頂面の長身、観世 禄郎も紛れている。
    GM:全校生徒が90人ほどであることを考えれば、結構な大所帯である。
    古月 美夜:「ああ、待っていたよ」
    古月 美夜:古月 美夜はなんとも嬉しそうに笑い、地面に敷いたブルーシートを指さした。
    二宮軍馬:「いやあこいつぁ見事な夜桜だねえ」
    陶妙算:「こんばんわ」
    陶妙算:「もう、体調は良いの?」
    古月 美夜:「こんばんは。……先生はさすがにお忙しいか、残念──それとね、体調ならね」
    古月 美夜:ぴょん、と美夜は飛び跳ねる。
    古月 美夜:揺れる黒髪。僅かに満たされぬ月に照らされて、白肌は愈々真白く映える。桜の下にありながら、彼の世界はモノクロだ。
    古月 美夜:「この通り、元気さ。さ、座って座って。楽しい夜の始まりだ!」
    観世 禄郎:「…………」少し離れた位置では観世 禄郎が、あの狛犬のような形相のまま、あなた達をじいっと見据えていた。
    二宮軍馬:「(こいつも陶とはまた違った危うさというか……人気があるわけだ)」
    GM:地面にはブルーシートが敷かれている。全く、ただの花見のようだ。
    GM:あなた達も含めた人数分、足の長いグラスが置かれている。
    GM:……それとは別に、オレンジジュースが注がれたコップも、やはり人数分。どこで買い集めたか、お菓子の類いまでも紙皿に乗せて。
    陶妙算:先程の様子の今の快活さのギャップに違和感を覚えながら、案内された場所に座ります。
    陶妙算:「随分、豪勢なんだね。」
    二宮軍馬:「季節外れの花見も、まあ悪くはねえ」どかっと座る
    明石 牡丹:「宴だからね」
    明石 牡丹:同様に、指定された場所へ腰を下ろした牡丹は──こちらは、あまり楽しげではない。
    古月 美夜:「ああ、宴だもの。ようやく夜が長くなり始めたんだ、長く楽しまないと損だろう?」
    古月 美夜:「……では皆様、グラスをお手に。乾杯!」
    GM:しばらくの間の会話は、高校生らしいたわいもないものであった。
    陶妙算:「乾杯」
    二宮軍馬:「カンパーイ」
    GM:それでも、あなた達には分かることがある。少なくとも、美夜とその取り巻き達は、本心からこの時間を楽しんでいると。
    GM:特に、古月 美夜の笑顔の鮮やかなことは、天蓋の桜にも並ぼうかと言うほどで、
    GM:……だから対照的に。ジュースにも手をつけず、じっとあなた達を見ている観世 禄郎だけが場違いだった。
    GM:いや、〝だけ〟というのは不適切か。
    明石 牡丹:明石 牡丹。彼もまた、飲食物には手をつけていない。
    陶妙算:お菓子類とかは食べられないので手を付けていない。
    陶妙算:果物があれば、それを口元に運んだりしています。
    明石 牡丹:話しかけられれば応じ、戯れ話に花を咲かせる。だが、そうでない時はじっと、それこそ壁の花である。
    二宮軍馬:対象的にめっちゃ食ってます
    二宮軍馬:食いながらも禄朗くんと明石くんを気にしている
    古月 美夜:「……食べないの?」と、陶くんと明石の二人を交互に見ながら問う。残り一人は〝いつものこと〟なのだろう。
    観世 禄郎:そして、特に飲み食いしないことを気遣われなかった男は
    観世 禄郎:「……なんだよ」と、警戒心を向きだしの低い声を二宮くんへと向けた。
    二宮軍馬:「いや、別に。せっかくなんだしあんたも食わねえのかと思って」
    観世 禄郎:「…………………………………………」
    観世 禄郎:「……甘いもんが苦手なんだが」
    観世 禄郎:「美夜が……チョコだの飴だのクッキーだの」
    観世 禄郎:「そんなもんしか……買ってこない……」
    観世 禄郎:狛犬が少しばかり、不服そうな顔をした。
    二宮軍馬:「あー……そりゃ、何というか」
    二宮軍馬:「苦労してるんだな……」
    陶妙算:「彼の好みのものも買ってきてあげればいいのに。」
    古月 美夜:「いいのいいの」と、さして気にしないように軽く言い放ち
    古月 美夜:次の瞬間には、ひゅるりと、夜風に乗ってゆらめくように陶くんの側へと寄って
    古月 美夜:「……禄郎はね、振り回されるのが好きなんだ。だから、これでいいんだよ」と、その耳元に、口に含んだ飴のように甘ったるくささやく。
    陶妙算:どういう関係なのだろうか、と少し頭をひねる
    陶妙算:夜風が、桃の香りを古月くんへ運びます
    古月 美夜:すん、と始めは小さく息を吸い。
    陶妙算:「それでも、気を使って上げたほうがいいんじゃない?友達なんでしょ?」
    古月 美夜:「……果物だ」と、問いに応える代わり、何かに気づいたように呟く。
    陶妙算:言いながら、水を口元に運ぶ。まだ凹凸のな細い喉が上下する
    陶妙算:「ん?」
    古月 美夜:すん、すんと鼻で息をしながら瞼を落とす。そうして視覚を断ち、嗅覚を頼りに、
    古月 美夜:追うのは、その果実の香。いずこより流れ来たかと探るように、身を寄せ、顔を寄せ──
    陶妙算:「古月くん?」
    陶妙算:チルドレンとしてではない、あどけない少年のとしての表情が陶の顔に浮かぶ
    陶妙算:普段体験しない学友の団らんがその警戒心をわずかにほぐし
    古月 美夜:「桃」
    古月 美夜:「……驚いた。たしかにあなたが、普通の食事をしてるのを見た記憶はあまり無いけれど」
    陶妙算:「気に入った?」
    陶妙算:「好きなんだ。この香水。」
    古月 美夜:「香水、か」
    陶妙算:チルドレンでもない、あどけない少年でもない。自分を守るための仮面をつけて、古月くんに言葉を返す
    古月 美夜:瞼を伏せたままの顔が、少年の体に触れぬよう、見えぬ輪郭線をなぞるように
    古月 美夜:一度は深くブルーシートの寸前まで沈み、膝を、脚を、脇腹を、背を、
    古月 美夜:あたかも手や舌を這わせることを諦める代わりに──嗅覚だけ彼を探る試み。桃の香を踏みにじるような、僅かの血の香。
    陶妙算:では、微かに体がこわばっていることが
    陶妙算:古月くんにはわかると思います。
    陶妙算:陶器の人形のようにすました顔をしているが、その肢体はかすかに震えている
    陶妙算:「やだな。」
    陶妙算:「それが客に対する亭主の歓迎なの?」
    古月 美夜:やがてその探索は、少年の唇の僅かに先で旅路を終えて、
    古月 美夜:「歓迎とは言えないかも知れないね……けど。喉の奥にまで香水を使う人は、聞いたことが無いかなぁ」伏せられていた目に嗜虐の性を交えて開き、美夜は少しばかり微笑む。
    陶妙算:白磁のように白く艷やかな額から、玉のような汗が一粒こぼれる
    古月 美夜:その額から落ちる雫へと、差し伸べられる、うっすらと赤く色づいた爪の先。
    陶妙算:右腕を前に出し、古月くんの体を遠ざけようとします。
    古月 美夜:爪は遂に届かぬまま、虚空で動きを止めて、
    古月 美夜:「怖くないよ」
    古月 美夜:「何も怖いことなんかない」
    古月 美夜:「友達を作るのはね、びっくりするほど簡単で、信じられないほど楽しいことなんだ」
    陶妙算:シャツの裾から、細い骨の上にうっすらと肉の乗った華奢な手首がのぞく
    陶妙算:「それでも、怖いんだ。」
    古月 美夜:「誰かに踏み込まれるのが?」
    古月 美夜:「それとも、自分から踏み込まれる為に、胸襟を開くこと?」
    陶妙算:「踏み込まれるのは、いい。」
    陶妙算:「けど、踏み込まれて、踏みにじられるのは、いやだ。」
    陶妙算:桃の香りの意味を知って、近づこうとする人は
    陶妙算:いつも、僕の尊厳を踏みにじっていった。
    古月 美夜:ふふ──と、隙間風のような笑声。鮮やかな赤の唇の間から、嗜虐心が愈々強まって這い出す。
    古月 美夜:「踏みにじりはしないさ。友達になりたいだけなんだ」
    二宮軍馬:「……ぶはぁっ!(や……危険(ヤバ)いッ!この二人!)」いつからか呼吸を止め魅入っていた
    陶妙算:「う…」
    陶妙算:縋るような視線を軍馬くんに向けます。
    古月 美夜:「気づいているのかな。だってあなたは──」両手をブルーシートへと着いて、いよいよ追い詰める体勢に入った。
    陶妙算:柔らかな茶色の瞳が潤み、月明かりが反射に星のように瞬いている
    二宮軍馬:「お、お前ら!そういうのはこう……公衆の面前でやるんじゃねえ!」
    二宮軍馬:ぐいーっと二人の間に入る
    古月 美夜:言うなれば猛獣が飛びかかる一瞬前の、前足に力を貯めた姿勢──のままで、
    古月 美夜:「あぁん、ケチ。でもちょっとこのケチさ、禄郎に似てる」割とあっさり引き剥がされ、そのままコテンと仰向けに転がった。
    陶妙算:「な、なんで僕まで怒られてるの?」
    二宮軍馬:「(危なかった……!そっちの趣味があるやつだったら、命がなかった……)」」
    古月 美夜:「陶くんさぁ、よく〝あいつが誘ったんだ〟とか言われ──」
    観世 禄郎:ごんっ。
    古月 美夜:「いたっ」
    観世 禄郎:「…………」禄郎が無言で、美夜の頭にげんこつを振り落としていた。
    二宮軍馬:「いや、すまん……お前は悪くねえ!たぶん……」
    陶妙算:その様子を見て、胸をなでおろす。薄い胸板がより沈んでいく
    明石 牡丹:「あはははは……アレだなぁ……」苦笑半分、だが楽しげでもあるような。そんな顔をして明石 牡丹は座っていた。
    陶妙算:「いや、ありがとう。」
    陶妙算:「ごめん、僕、ああいう時に強く出るのが苦手で。」
    陶妙算:蝶の羽を掴むように、恐る恐る、ちんまりと軍馬くんの服の袖をつまみながらいいます
    二宮軍馬:「お、おう。でも時にはガツンと行かなきゃダメだぜ」
    二宮軍馬:「(……しかし明石のやつは、様子がおかしいな)」ちらっと明石くんの方を気にする
    陶妙算:「そうだね、そうできるようになりたいな。」
    明石 牡丹:こちらへ視線を向けたのなら──ジュースのグラスが空になっているのは見える。
    陶妙算:言って再び宴の喧騒に紛れようとします
    明石 牡丹:が、グラスの位置が横へずれているのを見るに、飲んだのは隣の別な少年だろう。
    明石 牡丹:……或いは〝相棒〟なら思い出すかも知れない。
    明石 牡丹:明石 牡丹は、昼食も夕食も、水の一滴も、あなたの見ている前で摂取したことはない。
    GM:だが、それを何らかの形で問うより先に──
    古月 美夜:会話の花に頭上の花。酒器は無くとも空気に酔う宴のさなか、古月 美夜がすうっと立ち上がった。
    古月 美夜:それを見た、あなた達2人と、明石 牡丹以外の面々は、足長の空のグラスを手に取る。
    古月 美夜:「みんな、ありがとう。今日も楽しかった」
    古月 美夜:「明日も明後日もきっと、僕達は幸福でいられるだろう」
    古月 美夜:「この大桜が僕達を見守っている続く限り」
    古月 美夜:「……この学校では、何も失われない」
    古月 美夜:それから美夜は、呼吸するような自然さで、ポケットから折りたたみナイフを取り出した。
    古月 美夜:開き、グラスを右手に持ったまま、柄を咥えて。刃に左手の人差し指を当て──
    古月 美夜:すうっ。
    古月 美夜:血が、流れる。
    陶妙算:「……!」
    陶妙算:それは止める間もなく行われた
    二宮軍馬:「な……っ」
    陶妙算:大桜のまじない、そして桜がレネゲイドウイルスを保持しているという推測
    陶妙算:もしかしたら本当に何かが起こってしまうのかもしれない。
    陶妙算:そんなことを思いながら不安と
    陶妙算:微かに期待の混じった視線を向けている
    GM:他の少年達も──観世 禄郎を含めて──同じことをした。
    GM:持ち寄ったナイフや彫刻刀で指の腹を切り、血を流し、それを空のグラスへと注いでいく。
    GM:出血量は僅少。グラスを満たすことは無いし、命を失うこともあるまい。
    GM:だが彼らは。彼らのほとんどは普通の少年だ。
    GM:痛みに顔をしかめたり、涙を目に浮かべる者もいる。だのに彼らは、この夜の陶酔だけを役立たずの麻酔として、皮膚を裂いたのだ。
    古月 美夜:「さあ、明石くん。君もどうぞ」
    二宮軍馬:「マジか。カリスマにもほどがあんだろ」
    陶妙算:「待って、何してるの。」
    陶妙算:「やめようよ。」
    古月 美夜:美夜は血濡れの指のまま、ナイフの刃の方を指で摘まみ、柄を明石へ向けて差し出し、
    明石 牡丹:「えっ──そ、そうだよ。ちょっと、これは、やめたほうがいいんじゃ……?」
    二宮軍馬:ナイフ弾き飛ばしてもいいです?
    明石 牡丹:明石は腰を浮かせ、いつでも逃げ出せるような姿勢を整え後ずさっている。
    明石 牡丹:どうぞどうぞ
    二宮軍馬:「……破ッ!」差し出されたナイフを蹴り飛ばす!
    二宮軍馬:「悪いな。これ以上は見過ごせねー」
    古月 美夜:「あっ……!」手の中からナイフは容易にはじき出されてシートの外へ飛び、
    観世 禄郎:「…………」意外なことに。この時点では禄郎は、己の血を注いだグラスを手に持ったまま、まだ動こうとしない。
    観世 禄郎:むしろ、普段の狛犬のような険しい表情を僅かに和らげて、ことの成り行きを観察しているような節がある。
    陶妙算:「もう、充分血は流れた。」
    陶妙算:「これで充分でしょ、古月くん。」
    陶妙算:これで満足でしょ
    二宮軍馬:「……(デカブツは動くと思ったが)」
    古月 美夜:「……あなた達は、やっぱり混ざってくれないかぁ」
    古月 美夜:「そのあたりの見立てはね、あんまり苦労せずにできるんだ」
    古月 美夜:「……だから面白そうだって、声をかけたんだけど」
    古月 美夜:ブルーシートの外へ落ちたナイフを追うこともなく、美夜は、ほんの少しだけ悲しげに微笑んで、
    古月 美夜:それから大桜の下へ歩み寄ると、グラスを傾け、血を地面へと流す。
    陶妙算:「友達が死んで、悲しいのはわかるよ。」
    陶妙算:「けど、それを紛らわすためとはいえ、これはやりすぎだ。」
    古月 美夜:「……ふふ」
    古月 美夜:「ふふ、ふ、ふふっ」
    古月 美夜:美夜が、笑う。
    古月 美夜:他の少年達は、会話の不穏さにどよめく勘の良いものも、そうでなくただ首を傾げるだけのものもいたが、
    古月 美夜:その全てが見えていないかのように、美夜の視線はあなただけに向けられる。
    古月 美夜:「あなたは、〝失った〟ことがあるかな」
    陶妙算:その様子に恐怖を覚える。この人に、僕の言葉は本当に通じてるのか
    古月 美夜:「宝物を。愛しい人を。恋しい人を。二度と得難い絆を」
    古月 美夜:「……永遠に手放してしまったことは、ある?」
    陶妙算:「………」
    陶妙算:その言葉に刺激されたのか、あるいはこの退廃的な空間に想起されたのか。
    陶妙算:脳裏を、過去の映像が過ぎっていく、懐かしいけれど、それ以上に嫌悪と憎しみに溢れ、忘れたいけれど、絶対に忘れえない想い出
    陶妙算:「あるよ。」
    陶妙算:「失って失って、そうして僕はここに流れ着いたんだから。」
    古月 美夜:「なら、僕達はわかり合える筈なんだ」美夜は、空のグラスを投げ捨てた。
    古月 美夜:グラスは桜の樹皮にたたきつけられ、砕け、ただのガラス片と化して散らばる。
    陶妙算:「何を言っているの。」
    陶妙算:陶器のように白い肌がより白くなり、うなじに青い脈が透き通っている。
    古月 美夜:そうして〝役目を終えてしまったもの〟へ、壊した張本人は、未練がましい目を向けて言うのだ。
    古月 美夜:「明日は土曜日だ」
    古月 美夜:「休日。そして、次の日も休日。一週間で最も素晴らしい日だ」
    古月 美夜:「だから。また明日、会おう」
    古月 美夜:未だ血の滲む指先で己が唇を撫でる。紅と呼ぶには赤すぎる血化粧が、少年の艶を飾り立てる。
    古月 美夜:そして美夜は、ブルーシートの外へそろえていた靴に足を通す。
    二宮軍馬:「休みが素晴らしいってのは同意だがな……できれば休みまで面合わしたかねーな」
    観世 禄郎:禄郎が動くのは、ようやっと、その時だ。並ぶ中でひときわ大きな靴を、かかとを潰さぬよう、案外慎重に履いて──
    観世 禄郎:「……俺もだ」
    観世 禄郎:「お前達に会いたくは、ない」
    古月 美夜:「あははは、何言ってるのさ、禄郎!」
    古月 美夜:ぱん、と背中への平手打ち。体格と力の差か、禄郎は微動だにせず受けた。
    陶妙算:「ダメだ。」
    陶妙算:「また明日、じゃない」
    古月 美夜:「……?」
    陶妙算:「古月くん。君は何を知っている。君の見ているものは、なんだ。」
    陶妙算:「それを教えてくれるまで、君を返すわけには行かない。」
    陶妙算:チルドレンとしての自分を保とうとしながら、言葉を紡ぐ
    古月 美夜:「……陶くん」名を呼び、逡巡。しばしの間を開けて開いた口からは、「嘘は言ってないんだ」
    古月 美夜:「僕はこの学校が好きだ」
    古月 美夜:「この学校にいる全てのひとが、本当に好きだ」
    古月 美夜:「そして」
    古月 美夜:「もう僕達は、何かを失うことを恐れなくていい」
    古月 美夜:「……だから、陶くん。怖がらないでいいんだ」
    古月 美夜:「どんな失敗をしてもいい。全てが明日からは許される」
    陶妙算:「何をっ」
    陶妙算:地面を強く蹴りつけ、距離を詰めます
    陶妙算:「言っているんだっ」
    二宮軍馬:「あ、おい!」
    陶妙算:古月くんを捕まえようとする。
    古月 美夜:「禄郎──」距離を詰められる間も、動じる様子はなかった。そして、呟いた名を吐き終わるより先に
    観世 禄郎:「っ!」禄郎が、巨体から想像もできぬ俊敏な動きで割って入り、その手をたたき落とした。
    陶妙算:「くっっ」
    観世 禄郎:恐ろしい怪力だ。拳で壁に罅を入れる膂力は、全力ではあるまいが、相応の衝撃を生む。
    観世 禄郎:だが。その威力は所詮、威力でしかない。間近にいたあなた達は、一つの事実に気づくだろう。
    観世 禄郎:観世 禄郎には、レネゲイドの力を起動させた兆候が無いのだ。
    観世 禄郎:「……ここで、やるなら」
    観世 禄郎:「俺は周りの連中を〝武器〟にする……〝盾〟じゃねえ」
    陶妙算:周囲の学友たちを見渡す
    観世 禄郎:周りの少年達は──会話が全ては聞き取れない程度の距離にいるからか、困惑しているばかりであるが
    陶妙算:ほとんどが知らない顔だ。自分は、ここで深く絆を結ぼうとしなかった。
    陶妙算:けれど、それでも自分が人の日常を守ることを是とする組織に身を置くに人間だという、誇りがある
    陶妙算:「一つだけ、教えて。」
    観世 禄郎:「……なんだ」
    陶妙算:「今、戦うことを選ばなければ。」
    陶妙算:「彼らは無事にに明日を迎えられるんだね。」
    観世 禄郎:「……ああ」
    観世 禄郎:「〝全員が〟だ」
    陶妙算:自分と軍馬くんで彼を仕留めることは出来る。けれど、一人の犠牲も出さずということは、出来ないだろう。
    二宮軍馬:「二言はねえな、兄さんよ」
    観世 禄郎:「……なんだ、二宮。やんのか……?」こちらの問いには、握り固めた拳を掲げた。元来、血の気は多い性質のようだ。
    二宮軍馬:「今はやらねえって言ってんだろ」
    観世 禄郎:「……やらねえなら、疑うな」
    観世 禄郎:「俺は……嘘を吐くほど器用じゃねえぞ」
    観世 禄郎:「……そもそも整合性がとれなくなる」
    古月 美夜:「今日は良く喋るね、禄郎」
    観世 禄郎:「……っ」
    古月 美夜:「──では、お二人とも。わかり合えないのは、これは仕方が無い。僕達は出会ってまだ日が浅い」
    陶妙算:二人に視線を送る
    古月 美夜:「けれども、時間はいくらでもある。いくらでもやり直せるんだから──」
    古月 美夜:「また、明日」
    陶妙算:「ああ、そうだね。」
    陶妙算:「また、明日」
    二宮軍馬:「おう、明日な」
    陶妙算:悔しさと不安を噛みしめるように古月くんと同じ言葉を口にする
    古月 美夜:別れの言葉を告げた後、美夜と禄郎は、寮とは別の方角へ去って行く。
    古月 美夜:その姿が見えなくなってようやく、他の少年達は夢から覚めたように
    古月 美夜:ブルーシートやらグラスの片付けを率先して行うだろう。
    二宮軍馬:「ふぅ。ヒヤヒヤさせやがって」
    古月 美夜:これで、この夜は終わりだ。
    陶妙算:「ごめんなさい。」
    古月 美夜:金曜日の夜は、終わりだ。
    二宮軍馬:「いや、謝ることじゃねえ。……ガツンと言えるじゃねえか。」
    陶妙算:しゅん、としょげています。
    陶妙算:「あれは、僕のことじゃなかったから」
    陶妙算:チルドレンとしてすべきと思ったから、できたことだ。
    二宮軍馬:「それはそれでいいことだろ。自分のことより他人のことを優先できるなんざ、なかなかできるもんじゃあねえ」
    二宮軍馬:「民間人を守るのがオレたちの役目だからな」
    陶妙算:「そう、なのかな。」
    陶妙算:「うん。」
    陶妙算:「けど、本当にあれでよかったのかな。」
    陶妙算:少年たちの血を吸った大桜に視線をやる。
    二宮軍馬:「……それは、わからねー」
    二宮軍馬:「ただ、このままだと確実によくない事が起きる」
    陶妙算:そんははずはないのに、何故かさっきよりもより鮮やかに、強く咲き誇っているように見えてしまう
    二宮軍馬:「ともかく明日だ。明日なにかが起こる前に止めないとな」
    陶妙算:花が朝日を求めるようにゆっくりと顔を上げる
    陶妙算:柔らかな茶色の瞳が二宮くんの視線と交差する
    陶妙算:「うん、そうだね。」
    陶妙算:「二宮くんは、強いんだね。」

    GM:それでは描写を。
    GM:そうですね。この場合は二宮くんになるでしょう。
    GM:──朝。あなたは割り当てられた寮の一室で眠っている。二人用の部屋だが、相部屋の相手は無し。
    GM:こん、こん。
    GM:朝食よりは随分早い時間、あなたの部屋がノックされる。それから直ぐに、こんな声が聞こえる筈だ。
    ???:「おーい、客人。起こして来いと頼まれた。起きてくれると助かる」
    ???:「……そうでないと俺は、この金髪の2mを客人の部屋へ解き放たねばならなくなるんだ」
    ???:「静かな朝をあまり掻き乱したくないので、速やかに目覚めてくれると、とても助かる」
    ???:聞き覚えのない声だろう。
    二宮軍馬:「んあ……?」
    二宮軍馬:のそのそと起きて部屋のドアを開けます
    GM:扉を開けたそこに立っているのは──
    二宮軍馬:「今日は休みだろ、何の……」
    観世 禄郎:一人は観世 禄郎。相変わらず無言で突っ立っている、狛犬のような面構えの少年だ。
    GM:そしてもう一人。
    読塚 透:「やあ、初めまして。二年生の読塚 透だ」
    読塚 透:「このゴツいのが、客人を起こせと言うのでな」
    二宮軍馬:「……マジか」
    読塚 透:声に聞き覚えはなくとも、顔に見覚えはあるだろう。ある筈だ。
    読塚 透:尤も記憶にある顔よりずいぶんと血色が良い。健康体だ。
    読塚 透:背も高く、背筋は真っ直ぐ。髪はいささかうっとうしいまでに伸びているが、
    読塚 透:少なくとも先の夜の招待主と比べれば、ずっと健康的な人間であると言える。
    読塚 透:「……どうした客人、おかしな顔をして」
    読塚 透:「禄郎。俺は何かおかしなことをしてしまったのか……?」
    読塚 透:読塚 透は、20cmばかり高い位置にある目を見上げて問いかける。
    観世 禄郎:「…………」問われた禄郎は何も言わず、二宮を睨みつけるばかりだった。
    GM:──────────
    GM:シーンをカットします。ロイスの取得のみ可能です。
    二宮軍馬:ラストロイスだがここは禄郎くんに取らざるを得まい
    二宮軍馬:好奇心/隔意○で取ります。
    二宮軍馬:以上!
    陶妙算:二宮軍馬/敬意○/不安
    陶妙算:以上!
    GM:OK!

    シーン4:情報収集2


    GM:シーンプレイヤーは二宮くん、残り二人は任意登場だ!
    GM:登場侵蝕どうぞ!
    陶妙算:出るぞ!
    陶妙算:1d10+62
    DoubleCross : (1D10+62) → 6[6]+62 → 68

    小早川燐:出る!!
    小早川燐:66+1d10
    DoubleCross : (66+1D10) → 66+7[7] → 73

    二宮軍馬:55+1d10
    DoubleCross : (55+1D10) → 55+3[3] → 58

    GM:二宮くん省エネだなぁ!
    GM:では、再びの調査パートです。
    GM:と、その前に一応。おわかりかとは思いますが学校のほぼ全員、誰に聞いても、読塚くんが死んだなんて記憶も情報もありません。
    GM:それどころか外部のUGNに問い合わせても、そんな事実は確認できないでしょう。
    小早川燐:ですよねー
    GM:それを踏まえまして
    GM:今回も同様にプライズ判定。〝知覚or情報or知識〟目標値9で、どうぞ。
    小早川燐:本体が情報UGNでコネも使用!!
    二宮軍馬:知覚だ!ダイスボーナスもまだない!
    二宮軍馬:2dx+1
    DoubleCross : (2R10+1[10]) → 4[3,4]+1 → 5

    二宮軍馬:ダメマン
    小早川燐:3dx+2
    DoubleCross : (3R10+2[10]) → 7[3,6,7]+2 → 9

    陶妙算:コネ!
    小早川燐:従者も情報だー!
    陶妙算:4dx+3
    DoubleCross : (4R10+3[10]) → 7[2,5,7,7]+3 → 10

    陶妙算:い
    小早川燐:6dx
    DoubleCross : (6R10[10]) → 9[2,4,4,6,7,9] → 9

    GM:乗せたー!
    小早川燐:流石!!
    陶妙算:固定値を信じろ!
    二宮軍馬:やるう
    GM:くっ、ここで一度「プライズ3で情報ありませんもう一回登場!」ってなるかと思ったのに!
    GM:プライズ4。情報が開示されます。
    GM:今回の情報は、ちょっと陶くん専用データが少ないのが申し訳ないので、調査の過程で他のお二人分の情報もちょっと聞いてた感じにしていただこう
    【校庭の大桜の調査:2】→二宮 軍馬
    木の根元の地面をどれだけ探ったとしても、先の夜に注がれた筈の血の痕跡は見つからない。
    これはブラムストーカーである小早川さんに協力を仰いだとしても変わらない結論となる。
    だが、〝大桜〟のレネゲイド反応は明らかに力を増している。
    戯れに一人の生徒が樹皮に傷をつけたが、その傷跡は数分のうちに塞がってしまった。
    それは再生というよりは、まるで時間が巻き戻っているような光景だった。
    もっとも、その再生の事実を一般生徒は気づいていないようだが。

    また、あなたと同様の調査任務を与えられている筈の明石 牡丹だが。
    今朝からどうも、あなたを避けている節が見える。
    捕まえて問い詰めることは可能だろう。


    【職員室の光景と、その後】→小早川 燐
    休日であろうと職員室には、何人かの教員がいる──というより、この学校はシフト制で運営されている。
    この日、吉一 静教諭も出勤していたが、そこに明石 牡丹が訪ねてきた。
    彼は吉一教諭と何事か話していたが、やけに切羽詰まったような、焦ったような様子だった。
    その後、二人は連れ立ってどこかへ移動。
    再び吉一教諭が職員室へ戻ってきた時、彼女の身体にはうっすらと、真新しい血の香りが漂っていた。

    他の教員の話によれば、入学以来、明石 牡丹はたびたび吉一教諭の元を訪れている。
    だが、入学当初は散々な有様だった現代文・古典の成績は、ほんのわずかの向上が見られる程度らしい。


    【昨夜の出来事】→陶 妙算
    グラスに血を注いだ少年達の顔をもし覚えているなら、さして広くもない学校だ、その姿は容易に校内で確認できるだろう。
    彼らの指に傷跡は無く、また昨夜の記憶も無いようだ。
    つまり、夜に寮を抜け出して桜の下に集ったことなど、何も覚えてはいない。

    陶妙算:みんなボケちゃったのかな…?
    小早川燐:日付けは普通に進んでいる感じですか?
    GM:そうですね
    GM:今日に関しては間違いなく、日付が進んでいます。
    GM:あらゆる電子機器が正確に、土曜日であると示しています
    二宮軍馬:フゥーム
    小早川燐:ふむふむ
    GM:では今回の達成値大きかったのは陶くんなので
    陶妙算:つまり、人類は滅亡する…?
    二宮軍馬:な、なんだってー!?
    GM:いや、たぶんこれはいきなり共有してもらった方がよさそうか
    小早川燐:なんだってー!?
    GM:みなさま任意の場所で集合してキバヤシ顔で情報共有してください
    GM:ノストラダムスはオーヴァードだったんだよ!
    陶妙算:終末のワルキューレのノストラダムスどんなキャラになるのかな
    小早川燐:では場所は会議室とかですかね
    陶妙算:多分空き教室ぐらいあるだろうからそこに集まりますか
    陶妙算:会議室!
    二宮軍馬:へいさ
    GM:教育実習生とは言え先生!
    小早川燐:先生だぞー!
    GM:ではその会議室、明石は〝ちょっと調べ物〟とか言葉を濁して姿を現さないでしょう
    二宮軍馬:野郎……!
    GM:つまり三人水入らず
    小早川燐:やってやろうじゃないか!
    陶妙算:「えーっと。」
    陶妙算:不安げな顔で二人を見つめます。
    陶妙算:特に二宮くんを見ている
    小早川燐:「これは、ねえ」困った表情で頬杖
    二宮軍馬:「……ぬぬぬぬ」眉間にシワを寄せて唸っている
    陶妙算:「お二人は、昨日のことを覚えているんですよね。」
    二宮軍馬:「そりゃもう、バッチリ。あの夜の宴会のことまでな」
    小早川燐:「あの場にはいなかったけど、一応ね」
    陶妙算:「けど、僕たち以外の生徒は何も覚えていない。」
    陶妙算:「いや、それどころから昨日の傷さえ消えている。」
    陶妙算:「これは、僕たちが幻覚を見せられていた、ということなんでしょうか。」
    二宮軍馬:「マジでわからん。桜の方はよくない気が強くなってる気もするが──」
    陶妙算:自分の足元が崩れていくような今まで味わったことのない焦燥感に駆られている
    小早川燐:「うーん、とりあえず状況を整理しましょう」唸りながら
    小早川燐:「二宮くん、桜の方に何か変化は見られた?」
    二宮軍馬:「昨日の血の痕跡とかがまったくねえ。ちょっと後でセンセーにも確認してほしいんだけど」
    二宮軍馬:「あと、どっかのアホがナイフで刻んだらしいがその痕跡もなし」
    小早川燐:「うん、了解。一応チェックしてみるよ」
    陶妙算:「痕跡がないって、どの程度?」
    二宮軍馬:「再生というか……ううーん」
    二宮軍馬:「巻き戻し……?と言えばいいのか……?」
    小早川燐:「巻き戻し、か……」
    陶妙算:「宴に集まった生徒たちの傷がないのと、同じ、かな。」
    小早川燐:「読塚くんが復活してるのも、だね」
    陶妙算:「けど、時間はしっかり進んでいるはずです。」
    陶妙算:自分の携帯の時刻と日付を確認する
    二宮軍馬:「なおさらわからん」
    二宮軍馬:「オレは頭使うの苦手なんだよ……ちゃんと学校出てないし……」
    小早川燐:「バロールなら説明はつくかもとは思ったけど流石にこのレベルだとなあ……」
    陶妙算:「僕もまだ在学中なので大差ないよ。
    GM:──不明なことばかりだろう。超現実を現実にするのがレネゲイドの力ではあるが、
    GM:それでも現状は、確たる証拠として提示できるものは
    GM:決して多くは無い。
    陶妙算:「やっぱり、一番てっとり早いのは僕らが幻覚にかかってるという答えだと思うけれど。」
    GM:誰かの意見を聞こうにも──いるべき筈のUGNエージェントが、一人足りない。
    二宮軍馬:「……ん?そういえば相棒は?」
    陶妙算:「時間を巻き戻すより、因果を消すより、そっちのほうが効率は良い。」
    陶妙算:「明石くんがどうかしたの?」
    小早川燐:「明石くんは調べ物だって。さっき連絡を受けたよ」
    小早川燐:「明石くんなあ……」
    二宮軍馬:「……なーんか朝からよそよそしいっつーか」
    二宮軍馬:「昨日の夜からか?様子がおかしいのは」
    陶妙算:「なにか、掴んだのかな。」
    GM:昨日の夜から──その認識で間違いは無い。付け加えるなら、
    GM:今朝、調査に出ようと声をかけたのなら、
    明石 牡丹:「……ちょっと、ごめん! 別に調べ物が!」と、逃げるようにその場を離れただろう。
    GM:今日も彼は、朝食の場に姿を見せていない。
    二宮軍馬:「野郎、サボりか……上等だ」
    小早川燐:「……みんなに共有しておきたい情報があります」
    陶妙算:「なんでしょう」
    二宮軍馬:ゴキゴキと指を鳴らす。「……共有?なんすか?」
    小早川燐:「聞き込みで分かったんだけど、明石くんが吉一先生に対して秘密裏に接触してる」
    二宮軍馬:「……ほう?」
    陶妙算:「吉一先生と?」
    小早川燐:「聞いた話では明石くんが焦ったように吉一先生のもとにやってきたって。加えて吉一先生からは血の匂いがしたと」
    陶妙算:「………」
    二宮軍馬:「あの野郎、人が必死で働いてるときに女教師とイチャイチャしてるのか」イチャイチャはしていないと思う
    陶妙算:「それは、有り体にいって危険なのでは?」
    小早川燐:「……正直、明石くんを疑わないのは無理かなぁ。今回の件との関係性は不明にせよ一回話を聞いた方が良いよ」
    陶妙算:「まだ僕たちはあの人の目的も正体も何も掴めてません。」
    陶妙算:「その状態で、チルドレンとはいえ単独で接するのは、何が怒るかわからない。」
    二宮軍馬:「よし!早速相棒……いや、裏切り者の野郎をとっ捕まえて拷問……尋問するか……!」
    小早川燐:「おーい今拷問って単語が聞こえたぞー」
    陶妙算:「切り替え早くない?」
    小早川燐:「うん、でも二宮くんが聞くのが一番良いと私は思うな」
    小早川燐:「多分この中じゃ一番彼と親しいのは君だろうし」
    二宮軍馬:「任しといてくだせえ、首に鎖つないででもとっ捕まえて洗いざらい吐かせてやりまさあ」
    GM:とてもこわい
    GM:──では、そんな物騒な宣言をしていたところ、会議室の戸がノックされるだろう。
    小早川燐:「はーいどうぞー」
    読塚 透:「小早川先生、いらっしゃいますかー」と、入室してくる少年──
    読塚 透:──が、敷居につま先を引っかけて壮絶にすっころんだ。
    読塚 透:「へう゛っ」
    小早川燐:「えええ!? 大丈夫!?」
    陶妙算:「大丈夫ですか?生きてますか?」
    読塚 透:顔面から床に行った。健康体だが、運動神経は良くないらしい。
    読塚 透:「だ、大丈夫だ……慣れている……俺はいつもこうなのだ……」
    読塚 透:「調理実習では〝包丁にも皿にも調味料にも触るな〟と言われ延々野菜を洗い続け」
    読塚 透:「放送室に入ればなぜか全てのマイクをハウリングさせてしまう……」
    読塚 透:「慣れている……」
    二宮軍馬:「それは慣れていいものなんすか」
    読塚 透:顔面をしたたかに打ったダメージは、喋っている間に緩和されたのか。読塚はすっくと立ち上がって、
    読塚 透:「自然と慣れてしまうのだからしかたがないだろう、それより」
    読塚 透:「ええと……客人に、陶に、小早川先生。なんだ、一塊か、別々に探す手間が省けたな」
    読塚 透:と、ズボンのポケットから、ざら紙のプリントを折りたたんだものを取り出す。
    読塚 透:「明石に、届けてくれと頼まれてな」
    二宮軍馬:「何いっ」
    二宮軍馬:その紙をひったくるように受け取ります「ちょいと失礼」
    GM:そのプリントは、印刷室にいくらでもあふれているようなプリントミスの裏紙を使ったもの。
    GM:あまり上手とは言えない文字でこう書かれていた。
    明石 牡丹:『夜になったら昨日のように、大桜の下に来てください』
    明石 牡丹:『もし今夜がダメだったら、明日でも明後日でもいいですが』
    明石 牡丹:『ずっと土曜日です』
    明石 牡丹:『明日も明後日も、ずっと土曜日です』
    GM:……それだけだ。
    二宮軍馬:「……どういう事だ、こりゃ」
    小早川燐:「とっ届けてくれてありがとうね、読塚くん」
    二宮軍馬:「土曜日が繰り返す、ってことか?……そもそもあいつはなんでそれを知っている?」
    小早川燐:(しー! ここでは口に出さない!)
    二宮軍馬:「(おおっと)」
    GM:──配達を終えた読塚は、行きと同じ敷居で転倒しつつも去って行く。
    GM:〝夜〟に。
    GM:再びあなた達は、大桜の下を訪れることになる──。
    GM:──────────
    GM:シーンをカットします。今回はロイス取得のみで、調達は次シーン終了時に2回可能です。
    陶妙算:ロイスは保留で
    二宮軍馬:ロイスはいっぱいなので以上!
    小早川燐:同じく保留です
    GM:OK!

    シーン5:満たされぬ渇き、満ちる月


    GM:シーンプレイヤーは侵蝕の低い二宮くん。他二名は任意で登場可能です。
    二宮軍馬:58+1d10
    DoubleCross : (58+1D10) → 58+2[2] → 60

    陶妙算:1d10+68
    DoubleCross : (1D10+68) → 10[10]+68 → 78

    陶妙算:ぎゃ
    小早川燐:73+1d10
    DoubleCross : (73+1D10) → 73+7[7] → 80

    GM:二宮くん一人恐ろしく省エネ

    GM:夜。
    GM:昨日の月は、〝満ちたり〟と言うには少し欠けが有った。
    GM:今宵の月には、それが無い。
    GM:欠けたることも無しと思えば──などと、どこぞの貴族が詠んだと言うが、そういう月だ。
    GM:薄雲のヴェールこそあれ、煌々と輝く月に夜桜は照らされて、
    明石 牡丹:「来てくれたんだぁ」と、明石 牡丹は大桜の下、夢見心地の声音で言った。
    二宮軍馬:「来てくれたんだぁ、じゃねーよ!」ずかずかと明石くんに近づく
    陶妙算:「二宮くん、いきなり荒っぽいのは」
    明石 牡丹:接近を妨げるものは何も無い。あなたは用意に近づくことが出来るだろう。
    陶妙算:後ろからしずしずと声をかける
    明石 牡丹:それこそ、どこまでも。好きなだけ。
    小早川燐:「ちょっと二宮くん!」
    明石 牡丹:「いいんだ」
    明石 牡丹:「……怒られる理由はいっぱいあるからさ」
    二宮軍馬:明石くんの目の前。立ちはだかるように
    二宮軍馬:「……お前なあ、そんな感じで来られたらこっちも気が抜けちまう」
    明石 牡丹:「ごめんね。本当にごめんね」
    明石 牡丹:「でも」
    明石 牡丹:明石は俯く。白兵戦を得手とする者にしては、いやに細い肩が震えているが──
    明石 牡丹:泣いてはいない。怯えてもいない。
    明石 牡丹:「でも、僕もう我慢ができないんだ」彼は、微笑んでいる。
    二宮軍馬:「我慢……?何の……」
    明石 牡丹:「お腹が空いた、喉が乾いた。なのに何を口に入れても、全然美味しくないの」
    明石 牡丹:「最後に水を飲んだのはおとといで、ご飯は……いつだっけ」
    明石 牡丹:「泥の味って、たとえに使われるでしょ? あれよりも、もっと酷い」
    陶妙算:「明石くん?」
    小早川燐:「二宮くん、離れて。明石くんの様子がおかしい」
    二宮軍馬:「……!」昨夜……更にもっと前からの様子を思い出す
    二宮軍馬:「ちっ……!」一歩飛び離れる
    明石 牡丹:震えながら、笑みを浮かべながら、明石は陶くんの声に応じて首を向ける。
    明石 牡丹:そうしながら、立ち方を変えた。
    小早川燐:そのまま警戒を強める。いつでも制圧に動けるように
    明石 牡丹:普段は足を揃え、重心を高くして立っている。
    明石 牡丹:今は膝を曲げ、踵と爪先の双方に体重を乗せ、
    明石 牡丹:どの方向へも予備動作無く馳せることのできる構えに変わっている。
    明石 牡丹:「……………………」
    明石 牡丹:「……ね。この学校には何もなかったことにして、外に出てくれないかな」
    二宮軍馬:「そいつはできねえ相談だぜ、相棒」
    小早川燐:「貴方もUGNなら分かってるでしょう」
    二宮軍馬:腰を落とし、両手を前に構える
    明石 牡丹:「……分かってるよ。けど、ここはそんなに危険な場所じゃない」
    明石 牡丹:「誰も死なない。誰も傷つかない。誰も何かを失うことがない、平和で静かな箱庭」
    陶妙算:「けど」
    明石 牡丹:「……けど?」
    陶妙算:「それじゃダメだと思ったから、手紙を出したんじゃないの?
    明石 牡丹:「……かも知れないね。ここは不自然だし、きっと君達には似合わない、けど」
    明石 牡丹:「僕には、すがりつく理由ができちゃったからさ……」
    明石 牡丹:微笑と共に手をかざし──人差し指と中指と、ふたつだけを立てた。
    明石 牡丹:「ひとつ。もう駄目。何か食べないと死んじゃう。でも、血の味がしないものはもう、僕は食べられないみたい」
    明石 牡丹:「ふたつ。読塚先輩。……あの人、ドジだからさ。死ぬ必要なんか無かったのに、たぶん、深く切り過ぎちゃったんだ」
    明石 牡丹:「……僕が、血をちょうだいなんて言ったせいで」
    二宮軍馬:「……そうかい」
    二宮軍馬:「一つ聞くが。この現象……ループか?これは、お前がやってるのか?」
    二宮軍馬:「お前はなにを知っている」
    明石 牡丹:「僕じゃない。……美夜でもないよ、たぶん。僕や美夜の願いではあるけど」
    明石 牡丹:「でも、それ以上は言いたくない」
    明石 牡丹:両手が、大地に触れた。
    明石 牡丹:或いはこの任務を共に受けた二宮ならば、彼に関する情報も、事前に受け取っているだろうか。
    明石 牡丹:キュマイラのピュアブリード。戦闘力はさほど高くはない。要約すればそういうことだが、
    明石 牡丹:きっとそれは、何ヶ月も前に作られて、更新さえされていない資料だ。
    明石 牡丹:「君達がいなくなってくれたら……僕もご褒美が貰えるんだ」
    明石 牡丹:「お腹いっぱいになるくらい、たくさんの血」
    明石 牡丹:「だから、ね。本当は嫌なんだ。同じUGNの仲間を傷つけたくない、けど」
    明石 牡丹:「死なないくらいに噛み付くから……死なないうちに逃げ帰って!」
    二宮軍馬:「断る。……続きは、拳で聞くぜ。相棒」
    二宮軍馬:ダンッ! と、地面を踏み込む。震脚。
    小早川燐:「……UGNチルドレン明石牡丹の制圧に移ります」
    陶妙算:二宮くんと小早川さんの言葉に応じるように剣を取り出す
    小早川燐:懐から何枚か形代を取り出して構える
    エンゲージ
    明石 牡丹

    10m

    PC達

    GM:それでは、ミドル戦闘開始となります。
    GM:勝利条件:明石 牡丹の無力化。
    GM:セットアップ! 何かありますか!
    二宮軍馬:ノーセットアップ
    小早川燐:無し!!
    陶妙算:なし!!
    GM:OK! 明石もなしだ! 行動順は小早川さん!
    小早川燐:オートアクションでボルトアクションライフル装備
    小早川燐:マイナーでボルトアクションライフルを使用
    小早川燐:メジャーでコンセントレイト+滅びの一矢+ブラッドバーン
    GM:命中判定どうぞ!
    小早川燐:10dx8+7
    DoubleCross : (10R10+7[8]) → 10[2,3,5,6,7,8,9,9,10,10]+10[5,7,7,10,10]+5[2,5]+7 → 32

    GM:回避チャレンジ!
    GM:8dx10+1>=32
    DoubleCross : (8R10+1[10]>=32) → 10[2,2,3,3,6,6,9,10]+3[3]+1 → 14 → 失敗

    GM:ダメージロールどうぞ!
    小早川燐:4d10+24
    DoubleCross : (4D10+24) → 22[8,1,8,5]+24 → 46

    GM:Dロイス《屍人/リヴィングデッド》
    GM:46-2D10
    DoubleCross : (46-2D10) → 46-20[10,10] → 26

    小早川燐:何!?
    陶妙算:は!?
    小早川燐:さっさいだいち……
    GM:まさかの20点軽減……
    二宮軍馬:マジかよ
    GM:えーと……割と元気です……演出どうぞ……
    GM:20……?
    小早川燐:「臨(りん)・兵(びょう)・闘(とう)・者(しゃ)・皆(かい)・陣(じん)・列(れつ)・在(ざい)・前(ぜん)」呪文に応じて形代が変化する
    小早川燐:この度は蛇、放たれた3枚の形代は宙を泳ぐように進み、明石を拘束せんと迫る
    小早川燐:一匹は両足、一匹は胴、そしてもう一匹は首へ! 
    明石 牡丹:「……」這い進む蛇を前にして、明石は獣の如き姿勢のまま、僅かに前に出た。
    明石 牡丹:両足の蛇。絡むままに任せた。
    明石 牡丹:胴の蛇。食らいつくままに任せた。
    明石 牡丹:首を狙う蛇──
    明石 牡丹:「かっ」
    明石 牡丹:口を開き、その頭部を噛み砕いた。
    小早川燐:「嘘でしょ……!」絶句する
    明石 牡丹:足を締め上げられ、腹を噛みつかれ、骨の軋む音もする。血を流しもしている。
    明石 牡丹:だが。
    明石 牡丹:「……痛覚とかいろいろ、もう、壊れちゃってるんだよね」
    明石 牡丹:「どうせなら味覚も、完全に潰れてくれれば良かったのにさぁ……!」
    小早川燐:「何でそんな風になるまで放っておいたのよ……!!」
    小早川燐:80+9
    小早川燐:浸食は89です
    GM:では次。二宮くん。
    二宮軍馬:へい
    二宮軍馬:うーん、侵蝕余裕あるし行っとこう
    陶妙算:いっちゃえ!!
    二宮軍馬:マイナー、《影走り》《縮退機関》 HP10消費します。
    GM:来いやぁ!
    GM:出たな縮退機関
    二宮軍馬:明石くんのエンゲージに移動、攻撃力+20
    二宮軍馬:メジャー、コンセ+漆黒の拳+瞬速の刃+浸透撃+疾風迅雷
    GM:全部乗せ! 命中判定→ダメージ判定までどうぞ!
    二宮軍馬:6dx7+2
    DoubleCross : (6R10+2[7]) → 10[1,3,3,8,8,9]+3[1,3,3]+2 → 15

    二宮軍馬:2d10+26
    DoubleCross : (2D10+26) → 4[2,2]+26 → 30

    GM:30-2d10
    DoubleCross : (30-2D10) → 30-19[10,9] → 11

    GM:えええ……
    二宮軍馬:あんまり振るわない
    GM:え、演出どうぞ!
    二宮軍馬:侵蝕60→76
    二宮軍馬:「フゥー…………」呼吸を整える。拳を握る。
    二宮軍馬:「行くぞ」つぶやくと同時に、踏み込む
    明石 牡丹:迎撃の為、進み出る。四肢全てを足として、人ならぬ加速で。
    二宮軍馬:瞬きの間に明石くんの懐に飛び込み
    明石 牡丹:双方が前に出た、故に。
    明石 牡丹:接近は一瞬!
    二宮軍馬:「──発勁・重崩拳」
    二宮軍馬:接触の瞬間、拳が明石くんにめり込む
    二宮軍馬:「……勁の通りが甘い。まだまだだな」
    明石 牡丹:──〝半歩崩拳遍く天下を打つ〟。
    明石 牡丹:その拳は、今にもあなたの喉笛に噛みつかんとした少年の、胸の中心を捉えた。
    明石 牡丹:触れて、沈む。
    明石 牡丹:めぎぃっ。
    明石 牡丹:「……っ!」
    明石 牡丹:痛みはないのだろう。だが、肺を圧迫されて押し出された空気は、否応なしに口から吹き出す。
    二宮軍馬:拳を戻し、半歩下がる
    明石 牡丹:故に、次の挙動が一拍遅れる。息を再び吸い上げ、四肢に力を込めるまでの僅かな隙──
    GM:続いては行動値5、すなわち陶くんor明石ですが
    GM:先手後手はお任せします
    陶妙算:そりゃ先手でいきますよ!!
    GM:来い! メジャーの命中判定まで一気にどうぞ!
    陶妙算:マイナーで移動!接敵!
    陶妙算:メジャーで素殴り!対象は明石くん!
    陶妙算:4dx+29
    DoubleCross : (4R10+29[10]) → 9[2,2,3,9]+29 → 38

    陶妙算:クリティカルはしないか、おのれ…
    GM:シンプル! 回避!
    GM:8dx10+1>=38
    DoubleCross : (8R10+1[10]>=38) → 10[1,1,2,6,7,7,10,10]+10[6,10]+9[9]+1 → 30 → 失敗

    GM:めっちゃ回ったけど無理だった!
    陶妙算:怖いわ
    GM:いや、この出目PCの時にくださいよ(真顔)
    GM:ダメージどうぞ!
    陶妙算:4d10+18
    DoubleCross : (4D10+18) → 18[4,4,1,9]+18 → 36

    GM:36-2d10
    DoubleCross : (36-2D10) → 36-10[2,8] → 26

    陶妙算:ボデマとか来てれば装甲無視!
    GM:計算!
    GM:かなりボロボロだがまだ動く!
    GM:演出どうぞ!
    陶妙算:クソウ
    陶妙算:ゆるりと剣を取った。
    陶妙算:茫洋とした、或いは隙だらけとも見える構え
    陶妙算:されど、その視線にも、重心にも、構えし刀にも、次の手への予兆はない。
    陶妙算:どこを狙っているか、いつ発せられるか、如何な手を打つか。
    陶妙算:あらゆる予兆、脈絡を断ちその場に立っている。
    陶妙算:《ゆらり》
    陶妙算:不意に陶の体が動いた。
    明石 牡丹:「──!」
    陶妙算:陶が学んだ剣の極意は連続性の遮断。
    陶妙算:先触れ、剣の起こりを極限まで殺した予測不能の斬撃。
    陶妙算:明石くんと、視線を合わせる。陶が、微かに笑みを浮かべると、不意に桃の香りが強くなった。
    陶妙算:《ふわり》
    陶妙算:陶の体がわずかに浮いた。
    陶妙算:同時に伯耆安綱が鞘から放たれ、定められしことの如く、白刃が明石くんの体を切り裂きます
    明石 牡丹:〝人の技〟に抗うは〝獣の速度〟。それは十全ならずとも、斬撃の到達位置をずらし、骨で刃を防ぐに足りる──筈だった。
    明石 牡丹:痛覚が無い。だから、忘れる。
    明石 牡丹:両足を絡め取る蛇の存在に。
    明石 牡丹:「しまっ──」
    明石 牡丹:回避も防御もままならず、刃は容易く痩躯を裂く。
    陶妙算:「一撃では、削りきれなくても。」
    陶妙算:「僕の剣は何度も君を穿てるよ。」
    陶妙算:顔のついた返り血を拭いながら言う
    陶妙算:それは或いは化粧のように陶の頬を赤く演出する
    明石 牡丹:吹き上がった血が重力に引かれて、小粒の赤い雨を降らせ──
    明石 牡丹:「っ、ぎぃ、ぁ」
    明石 牡丹:「ぁ、ぁあああああああアアアァッ!」
    明石 牡丹:降り注ぐ血が、傷から流れる血が、収束する。
    明石 牡丹:爪へ。牙へ。
    明石 牡丹:このまま明石のターンだ!
    陶妙算:「降参はしない?」
    明石 牡丹:「……もうちょっと」
    明石 牡丹:「僕だって男の子だからさ……喧嘩に負けっ放しは、いやかなぁ……!」
    明石 牡丹:マイナー、《赫き剣》6+《破壊の血》6
    明石 牡丹:HPを14消費し、攻撃力38、ガード値5の武器を作成。
    陶妙算:「そっか。」
    陶妙算:「明石くんは、チルドレンとして僕たちに向かってきているわけじゃないんだね。」
    明石 牡丹:「……そうだね」
    明石 牡丹:「UGNとか、そうじゃないとか、そんなの」
    明石 牡丹:「この学校に居る間は関係ないんだ」
    明石 牡丹:「……だから僕、美夜の言うこと、少し分かるよ」
    明石 牡丹:「美夜はこの学校が好きだって言ったけど、それ、僕もなんだ」
    明石 牡丹:メジャー、《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》+《乾きの主》+《血の宴》
    明石 牡丹:対象は同一エンゲージの二人、陶くん二宮くん
    明石 牡丹:8dx7+4 命中判定
    DoubleCross : (8R10+4[7]) → 10[2,3,4,4,5,7,8,9]+10[5,7,8]+6[6,6]+4 → 30

    陶妙算:ドッジ
    陶妙算:3dx
    DoubleCross : (3R10[10]) → 10[2,3,10]+6[6] → 16

    陶妙算:無理
    二宮軍馬:一応ドッジ
    二宮軍馬:4dx+1
    DoubleCross : (4R10+1[10]) → 5[1,2,4,5]+1 → 6

    二宮軍馬:だめ!
    明石 牡丹:ダメージ!
    明石 牡丹:4D10+38 装甲貫通
    DoubleCross : (4D10+38) → 26[9,6,2,9]+38 → 64

    二宮軍馬:ウッソだろお前
    陶妙算:まあ、死ぬよね!!
    陶妙算:リザレクト!
    陶妙算:1d10+78
    DoubleCross : (1D10+78) → 3[3]+78 → 81

    二宮軍馬:当然死ぬのでリザレクト
    陶妙算:せふせふ
    二宮軍馬:76+1d10
    DoubleCross : (76+1D10) → 76+4[4] → 80

    明石 牡丹:──流れた血が、爪を、牙を飾る。
    明石 牡丹:爪は赤々と刃の如く、牙は紅に染まり剣の如く。
    明石 牡丹:それを明石 牡丹は──闇雲に、振り回した。
    明石 牡丹:「ッガ、ァアアアアアァァッ!!!」
    二宮軍馬:「ぐっ……!(……捌ききれねえか!)」
    明石 牡丹:それは十の爪が化した刃と、鋭利なる剣と化した牙による斬撃の暴風だ。
    明石 牡丹:狙いもない。技もない。だから、技で回避できる類の攻撃でもない。
    陶妙算:「…読みきれない…!」
    明石 牡丹:皮膚を、肉を切り裂く刃を濡らす血は、重力をも知らぬように刃を遡り、明石の口内へと流れ込む。
    明石 牡丹:「……美味しい。本当に、美味しいんだよ」
    明石 牡丹:「ねえ、僕はどうしたら正解だったのかなぁ……?」
    明石 牡丹:問いかける言葉とは裏腹に、腹を満たす美味に綻ぶような笑顔。
    GM:クリンナップ!
    陶妙算:桃の香りがほのかに強くなる。白いワイシャツが赤く染まっている。
    陶妙算:なし!!
    二宮軍馬:構えを解かない。呼吸を落ち着ける。
    小早川燐:なし!
    二宮軍馬:なし!
    エンゲージ
    明石
    陶 二宮

    10m

    小早川

    GM:ラウンド2!
    GM:セットアップ! 明石は無し!
    小早川燐:なし!
    二宮軍馬:なし!
    陶妙算:なし!!
    明石 牡丹:「……っ、は」刃の生成で息も絶え絶えに──四肢を用いてなお、立っていることがやっと、という風情で
    明石 牡丹:明石 牡丹は、かろうじて立っている。
    GM:行動順、小早川さん!
    小早川燐:マイナーでボルトアクションライフル使用
    小早川燐:メジャーでコンセントレイト+滅びの一矢
    小早川燐:10dx8+7
    DoubleCross : (10R10+7[8]) → 10[1,1,1,3,4,5,6,8,9,10]+10[2,4,9]+10[9]+3[3]+7 → 40

    GM:回避チャレンジ!
    GM:8dx10+1>=40
    DoubleCross : (8R10+1[10]>=40) → 10[1,1,1,4,7,9,9,10]+5[5]+1 → 16 → 失敗

    GM:ダメージどうぞ!
    小早川燐:5d10+8
    DoubleCross : (5D10+8) → 34[10,3,9,4,8]+8 → 42

    GM:軽減しても受けきれない! ぶっ倒れますが、
    明石 牡丹:最後のあがきだ《リザレクト》
    明石 牡丹:1d10
    DoubleCross : (1D10) → 2

    明石 牡丹:明石 牡丹、残りHP2。演出どうぞ!
    小早川燐:「どうして君は……」さらなる形代が放たれる。それらは空中で霧散。これによって条件が整った
    小早川燐:巻き付いていた蛇が姿を変える。それは何本もの手となって地獄へ引きずらんとする亡者の如く明石に掴みかかる
    小早川燐:異形の腕は本数を増し、地面からも明石を囲むように現れ、掴みかかり、地面へ伏せんと迫る
    小早川燐:「……」血が出るほどに唇を強く噛む。それでも手を緩めるわけにはいかない
    明石 牡丹:血で補強した爪が、牙が、無数の手の重圧にへし折れる。四肢の骨をも軋ませて、立ち上がることすらままならぬというのに──
    明石 牡丹:痛くない。
    明石 牡丹:まるで痛みなど無いのだ。
    明石 牡丹:全く悪い冗談だ。任務の途中で銃弾を受け、救援も間に合わず死んだ時には、あれほど痛かったと言うのに。
    明石 牡丹:死んで生き返ったら強くなっていて、頭も感覚も何もかも狂っていて、全てが思うように進まない。
    明石 牡丹:「……ギィ……ッ」
    明石 牡丹:地面に縫い止められた手負いの獣は、それでも四肢を動かし、這う。
    明石 牡丹:その向かう先は──意識が定かであるかは知らぬが──
    明石 牡丹:自分を〝相棒〟と呼んだ、少年の元であった。
    GM:イニシアチブ、二宮くん。
    二宮軍馬:「……もうやめとけ、相棒」
    二宮軍馬:マイナーなし。メジャー、コンセ+漆黒の拳+瞬速の刃
    GM:リアクションはガード。そのまま判定→ダメージダイスまでどうぞ!
    二宮軍馬:6dx7+2
    DoubleCross : (6R10+2[7]) → 10[1,1,2,6,6,10]+5[5]+2 → 17

    二宮軍馬:回らねえ~~~~~~
    二宮軍馬:2d10+6
    DoubleCross : (2D10+6) → 9[4,5]+6 → 15

    GM:15-2d10
    DoubleCross : (15-2D10) → 15-14[7,7] → 1

    GM:いっ
    陶妙算:は?
    二宮軍馬:おま、お前
    小早川燐:えっ
    GM:いちたりない
    GM:えええええ
    GM:いやでも良く考えると
    GM:これで倒されると次ロイス切りになるからちょうど良いのか……?
    二宮軍馬:峰打ちじゃ……
    GM:よし、演出で決めよう!
    GM:なんかかっこいい感じに峰打ちとかして、かっこいい感じに台詞をどうぞ!
    二宮軍馬:とりあえず侵蝕80→88
    二宮軍馬:「『どうすれば正解だったか』なんてわからねえよ。」
    二宮軍馬:「オレはお前じゃねえし、まず状況がわからん」
    二宮軍馬:「だからよ……」スッと力を抜き、構えを解く
    二宮軍馬:次の瞬間には明石くんの背後に。
    二宮軍馬:「教えてくれ、何があったのか。どうすれば正解なのか、考えさせてくれよ」
    二宮軍馬:首筋に当身。
    明石 牡丹:「……はは、それって」
    明石 牡丹:「結構君も、毒されて来てたり──」
    明石 牡丹:ずしゃっ──俯せに倒れ込む、と同時。場に張り詰める、あの独特の気配が消えた。
    二宮軍馬:「……かもな。」
    明石 牡丹:その気配を形容するのは難しいが、あなた達は幾度も味わったことだろう。
    明石 牡丹:戦いの気配。
    明石 牡丹:それが全て、この夜から霧消した。
    GM:──勝利条件達成。戦闘終了です。
    明石 牡丹:「っ、たた、た……勝てないかぁ……」
    明石 牡丹:べったりと地面にうつ伏せになったまま、明石は呻いている。
    小早川燐:「……ふう。とりあえず、明石くんの手当だけでもやっておこうか」
    明石 牡丹:痛覚は死んでいる筈だが、それでも疲労感や、体の動かしづらさは感じているのだろう。べったりと、夏に床のタイルに張り付く猫のように潰れている。
    陶妙算:「ですね。」
    陶妙算:なにか、使えるものはあったかな、と探そうとするが応急手当キットも持ってない
    明石 牡丹:傷は──少なくとも、致命傷ではない。リザレクトの十分効く範囲だ。
    明石 牡丹:放置すればある程度までは回復するだろう。そう確信しても良い。
    二宮軍馬:「ま、まだ『戻れる』レベルで助かったぜ」
    明石 牡丹:「そりゃ、そこまで無理しないよ。これ以上やったらジャームになっちゃう」
    明石 牡丹:「ずっと続く土曜日を、ずっとジャームとして過ごすなんて辛すぎる」
    明石 牡丹:「……でしょ?」
    陶妙算:「明石くんも、昨日のことを覚えてるんだよね?」
    二宮軍馬:「そりゃ辛え……が、それそれ。土曜日がずっと続くってのはどういう事だよ」
    明石 牡丹:「……そうだね、覚えてる。けど、僕も全部を理解してる訳じゃない──って言うか」
    明石 牡丹:「たぶんなんだけど、本当に全部を分かってる人は、誰もいないんだと思う」
    明石 牡丹:「ただ、美夜が最初に気づいたんだ」
    明石 牡丹:「……この学校では、大きな事故が起こらないなぁってこと」
    小早川燐:「……気づいた?」
    明石 牡丹:「1学年30人、学校の歴史は70年以上。それだけ続いててる男子校で、骨折する生徒さえ珍しい」
    明石 牡丹:「平和すぎると思わない?」
    小早川燐:「そりゃあね。普通の学校だってもっと怪我は多いと思うし」
    陶妙算:「僕は、実感がわかないな。」
    陶妙算:「確かに世界のどこかでは大きな事故が起きることもあると思うけれど。」
    二宮軍馬:「オレが昔いたところじゃ週イチで誰かが骨折ってたけどなァ」
    陶妙算:「特に事故が起きることなく人生を全うする人も、たくさんいるでしょう?」
    陶妙算:「二宮くん、どんなところにいたの?」きょとんとしながらいう
    明石 牡丹:「……二宮さんの環境は、うん、ちょっと」
    明石 牡丹:「いや……かなりおかしいと思うなぁ」
    明石 牡丹:「──って、そうじゃなくってね」
    二宮軍馬:「……オレの話はいいんだよ!」
    明石 牡丹:「美夜は思ったんだ。誰かがこの学校を、平和な場所にしてくれているって」
    明石 牡丹:「……僕も、全部を知ってる訳じゃないけど。美夜は見つけちゃったんだろうね……この大桜をさ」
    明石 牡丹:「あっ」
    陶妙算:「……」
    明石 牡丹:と、不意に明石は何かを思いだしたように、手をぽんと打つ。
    陶妙算:「どうしたの?」
    明石 牡丹:「ごめんごめん、忘れてた。みんな、ちょっとあれ見てくれる?」と、彼は校舎の方を指さす
    二宮軍馬:「あれ?」
    小早川燐:「あれ?」その方向を向く
    陶妙算:指さされたほうを見ます
    陶妙算:一応逃げられないように意識だけは向けておく
    明石 牡丹:「……ごめんね。今夜の僕は、まぁ、こんなだったけど」
    明石 牡丹:「明日の僕はもうちょっと、ちゃんと手伝うから」
    明石 牡丹:あなた達の背に届くのは、そんな声と──或いは、血のしぶきの一つも飛んだかも知れない。
    明石 牡丹:指を指した方向には、何もない。
    二宮軍馬:「そりゃどういう──」
    明石 牡丹:どしゃっ──
    明石 牡丹:倒れた音。
    小早川燐:「明石くん!?」
    明石 牡丹:再びあなた達が振り返った時、その景色はすでにかすみ始めているだろう。
    二宮軍馬:「どういう、ことだ?」
    明石 牡丹:例えるなら、眠気を押さえて無理に目を開いた時の、明瞭でない視界と言うべきか。
    小早川燐:「一体なにが起きてるの……!」
    陶妙算:「霧?いや、違う。」
    明石 牡丹:或いは時計を見ることが出来たのなら。
    明石 牡丹:その時刻はちょうど、24時を過ぎたばかりだと認識できる。
    明石 牡丹:……倒れ伏した明石の喉元から流れ出す多量の血。
    明石 牡丹:それは大桜の根元に染み込み、飲み干され、消えて行き──

    読塚 透:「おーい、客人。起こして来いと頼まれた」
    GM:朝だ。二宮くんの部屋のドアをノックする音と、一度は確かに聞いた声。
    二宮軍馬:「……」布団をかぶったまま目を開ける。
    GM:それに応じてドアを開けたなら、ばつの悪そうな顔をした明石 牡丹も共にいるだろう。
    GM:おはようございます。
    GM:今日は土曜日です。
    GM:休日であり、翌日も休日である、一週間で最も素敵な日。
    二宮軍馬:「……今、開けるよ」ドアを開けます
    GM:あなたは昨日と──昨日? それとも今日?
    GM:全く同じ会話を、聞かされるのだろう──。
    GM:──────────
    GM:では、シーンをカットします。ロイス取得と調達二回が可能です。
    GM:加えて追加ルール。あなた達は〝土曜日〟に既に登場しています。ですから、以降の〝土曜日〟への登場侵蝕は免除されます。
    二宮軍馬:なんとまあ
    小早川燐:わおわお
    GM:そう、つまり
    陶妙算:出放題じゃん!
    GM:ここから先は出放題! 情報も振り放題! 衝動判定だけはあるからそこは覚悟してね!
    GM:ということになりますが
    GM:まぁデータ的には特に意味が無いのですが、プライズの為の判定を1度するたび、あなた達は1日分の土曜日を過ごしていただきます。
    GM:3人全員が振ったら3日分ですね
    二宮軍馬:エンドレスサタデイ……
    小早川燐:エンドレス……
    GM:という訳で、ロイスや調達ありますかな!
    陶妙算:新しいジャンプが読めない…
    二宮軍馬:とりあえず応急!
    陶妙算:応急手当
    陶妙算:3dx
    DoubleCross : (3R10[10]) → 10[2,3,10]+7[7] → 17

    陶妙算:ぎゃん
    二宮軍馬:4dx
    DoubleCross : (4R10[10]) → 8[2,8,8,8] → 8

    陶妙算:2d10+3
    DoubleCross : (2D10+3) → 7[6,1]+3 → 10

    二宮軍馬:ギリ購入、使用
    二宮軍馬:4+2d10
    DoubleCross : (4+2D10) → 4+6[4,2] → 10

    二宮軍馬:もう一個ほしい!2回めも応急!
    二宮軍馬:4dx
    DoubleCross : (4R10[10]) → 10[2,2,9,10]+9[9] → 19

    二宮軍馬:10+2d10
    DoubleCross : (10+2D10) → 10+17[8,9] → 27

    陶妙算:応急手当
    二宮軍馬:グッド
    陶妙算:3dx
    DoubleCross : (3R10[10]) → 4[3,4,4] → 4

    陶妙算:ぎゃん
    陶妙算:終わり!
    二宮軍馬:以上!
    小早川燐:あっじゃあ応急渡します
    小早川燐:前に一個確保してるので
    小早川燐:従者くんがボデマチャレンジ
    陶妙算:僕にですか?
    小早川燐:そうだごめんなさい陶くんにあげます
    陶妙算:あざます!!
    陶妙算:2d10+10
    DoubleCross : (2D10+10) → 11[3,8]+10 → 21

    陶妙算:よしよし
    小早川燐:7dx10
    DoubleCross : (7R10[10]) → 8[3,4,5,5,6,6,8] → 8

    小早川燐:もう一回ボデマ!
    小早川燐:7dx10
    DoubleCross : (7R10[10]) → 8[1,1,3,5,6,6,8] → 8

    小早川燐:なんだと……。本体は応急キット
    GM:従者の猛威もこれまでか
    小早川燐:3dx10+3
    DoubleCross : (3R10+3[10]) → 9[3,5,9]+3 → 12

    小早川燐:ついでにボデマ!
    小早川燐:3dx10+3
    DoubleCross : (3R10+3[10]) → 7[4,6,7]+3 → 10

    GM:いろいろ惜しい!
    小早川燐:オーマイガー
    小早川燐:では応急キット使用
    小早川燐:19+2d10
    DoubleCross : (19+2D10) → 19+8[5,3] → 27

    小早川燐:全快!
    小早川燐:以上です
    GM:OK!

    マスターシーン──遠い、いつかの春のこと


    ……夢を見ていた。
    知らない筈の光景。知る筈も無い誰かの声。
    少年は思うのだ。きっとこれは、桜の木が見る夢なのだと。


    『──命令をください』
    『私はあなたの望みを叶えます。私は幸福を導き出します』
    『私は全ての性能を以て、あなたの為にお仕え致します』
    「……桜の木さん。私の病気、治せるかな……?」
    『回答します。私は未完成の逆行装置』
    『いつか完成に至った際には、あなたの体を〝巻き戻す〟ことが可能となるでしょう』
    『その場合、病気は治るものではなく』
    『そもそも病気になる前のあなたが現れます』
    「……? えーと、うん、良く分からないけど」
    「病気になる前の私かぁ……」

    「あっ、桜! またここに居たの?」
    「もう……病室を勝手に抜け出さないでって、お医者様が怒ってるわよ!」

    「はーい! すぐ戻りまーす!」
     
    「もう……」
    「……………………」
    「必ず、戻してみせるんだから」
    「軍部の予算と設備、それに人員を使える、こんな機会は二度と無い、だから」
    「あの子を助けて……もう一人の〝桜〟」
    『命令を受諾します』

    シーン6:水は流れる


    GM:登場侵蝕無し! 全員登場!
    二宮軍馬:ヤー!
    小早川燐:サー!
    陶妙算:出るぜ!
    陶妙算:1d0
    陶妙算:0
    GM:概念ダイス
    GM:では今回もプライズ判定。〝知覚or情報or知識〟目標値9ですが、
    GM:さっきも言ったように1回挑戦するたびに1日進む扱いなので
    GM:RTAしたいならば達成値でかい人から行くが良い!
    GM:特に気にしないならばみんなでガンガン振ろう
    小早川燐:では従者からお先に……!
    二宮軍馬:従者先輩!
    GM:とりあえず、プライズ4を取得すれば目標達成です、どうぞ!
    小早川燐:いくぜ!
    小早川燐:7dx10
    DoubleCross : (7R10[10]) → 10[2,3,4,4,5,5,10]+9[9] → 19

    GM:1日経過、プライズ2獲得!
    GM:残り2!
    陶妙算:いくぞー
    陶妙算:コネUGN幹部使って
    陶妙算:5dx+3
    DoubleCross : (5R10+3[10]) → 8[1,4,5,5,8]+3 → 11

    陶妙算:しゃ
    小早川燐:おおー!!
    GM:二日!
    二宮軍馬:グッド
    GM:ではあなた達は、
    GM:明石と戦った夜を含む1日に加えて、調査に2日
    GM:3回の土曜日を過ごしたことになりますが、ちょうどその3回目が今、って感じですね
    GM:情報を公開します
    【校庭の大桜の調査:3】→二宮 軍馬
    樹齢80年を超える大木である。……80年という樹齢からすると、やけに巨大とも言える。
    図書室などの資料を探るに、无月館学院の歴史より僅かに長い。
    異様なまでに強くなったレネゲイド反応や、傷ついても再生する樹皮、血を啜る木の根など。
    これがEXレネゲイドであることは、もはや疑う余地が無い。
    无月館学院高等学校に発生している〝時間逆向〟の事象は、おそらく大桜が原因だ。

    ……ところで。君はハヌマーン能力を持つ。すなわち、波を操るシンドロームを所有している。
    ならば君は、この学院にしばらく滞在して方々を歩き回った結果、小さな違和感を抱いた事だろう。
    それがようやく、確信として形になる。
    まるでこの学校の校庭は、〝下の階層に巨大な空洞でもあるような〟音や振動の違和感があるのだ。


    【吉一 静】→小早川 燐
    定時連絡のたびにあなたは、「調査二日目ですね」との声を浴びせられることになる。
    だから、外部UGNに調査を依頼するのは中々に難しかったが──それでもあなたはどうにかたどり着くだろう。
    吉一 静という人間は、少なくとも戸籍は存在していない。UGNイリーガル登録の履歴も無い。
    だが、例えばその外見の特徴であるとか、或いは隠し撮りした写真などを用いて照会をかければ、一人のオーヴァードの情報が確認できる。
    訃静 零(ふじょう れい)。
    かつてUGNアールラボに所属していた研究者であり、極めて低い倫理観から悪質な生物実験を行ったが為、拘束指示が出た。
    拘束の為に送り込まれた戦闘班を皆殺しにして出奔。おそらくはFHへ合流したと思われる。
    サラマンダーのピュアブリード能力者であり、痩躯に似合わぬ怪力は、非戦闘員との油断が有ったとは言え〝ヘルメットごと戦闘員の頭蓋を砕く〟ほど。


    【古月 美夜:2】→陶 妙算
    学院内での「明るくも妖艶、無邪気ながら蠱惑的な少年」に興味を持つ者はいくらでもいた。
    だが、古月 美夜という人間がどういう経緯でそこにいるのか、興味を持った生徒はいなかった。
    だから、誰も知らないだけだ。だから、調べるルートを変えたのなら、案外に容易くそれは見つかる。

    古月家は、名家とは言えないが旧家ではある。
    家系図を遡ると三世代前、古月 美雪という女性がいた。
    旧日本軍の技術研究者であり、未婚。彼女の死後、古月家は外部から養子を迎えたが、それが美夜の祖父にあたる。
    古月 美夜の研究内容は、〝死んでもなお皇国の為に立ち上がる兵士〟という荒唐無稽なもの。
    彼女が所属していた研究部隊の施設は既に取り壊されているが、その跡地に建てられたのが无月館学院高等学校である。

    GM:そして上述の情報をすりあわせることで、以下の結論が出てきます
    【全ての情報を統合して】→全員
    あなた達が見つけ集めた情報を統合し、〝地下に何かがある〟という前提で行動するならば。
    探すための時間はいくらでもある。何度でも土曜日を繰り返し、気の済むまで調べ尽くせば良い。
    ……実際は、二度で済んだ。あなた達はたどり着く。
    学院裏手の山、朽ち果てた小さな祠。数百キログラムはある、悪戯な少年の力などでは動かせない重い岩を、砕くか動かして、その下。
    地下へと続く、古めかしい扉を見つける。

    GM:という具合です。情報共有ロールとかは必要かしら?
    小早川燐:このまま突入した方が良い感じかも
    陶妙算:したいですね。
    小早川燐:あっじゃあやりたいです
    陶妙算:あ、そうしますか。
    二宮軍馬:じゃあ祠の前で集合ですかね
    陶妙算:すれ違ってるwww
    小早川燐:www
    二宮軍馬:宇宙……
    GM:全てはガンダムに帰結する
    GM:では祠の前にどうぞ!

    GM:──それは、本当に小さな祠であったし、特に学術的な価値も無いものだった。
    GM:取り壊されていないのも、別にわざわざ壊しても、跡地を使う予定も無いからに過ぎない。
    GM:だが。地下に空洞があるという前提で調査をし、その空洞の形状を地上から追ったのなら、
    GM:ここが入り口であろうと、あなた達は確信できただろう。
    明石 牡丹:「……一応、みんなの話を聞いておいていいかな」
    明石 牡丹:「実を言うと僕、あんまり分かってないままで着いてきちゃった感じなんだけど……」と。敵対した負い目で決まり悪そうに、明石 牡丹があなた達の顔を伺う。
    二宮軍馬:「まあオレも図書館で色々調べたくらいだけど」
    二宮軍馬:「あの桜が80年くらい前からあるとか、それくらいだな」
    陶妙算:「僕も何がわかったっていうわけじゃないんだけど。」
    陶妙算:「大戦の折、〝死んでもなお皇国の為に立ち上がる兵士〟について研究している人が居た。」
    陶妙算:「そしてその人がその時立っていたのはこの土地だということ。」
    小早川燐:「……旧日本軍関連の事件はこの街だと多いけど、ここにまで関わるとはね」
    陶妙算:「小早川さんは、以前にも携わったことがあるんですか?」
    小早川燐:「ううん。あくまで資料でだけ。けど、支部長クラスが何人も駆り出されてたし、かなり大変だったみたい」
    陶妙算:「僕は、寡聞にして知らないのですが。」
    陶妙算:「その旧日本軍というのは、そんなことを可能とする技術があったのでしょうか。」
    二宮軍馬:「軍ってくらいだから色々研究してたんじゃねえのか?」
    陶妙算:そういう研究をしていたということは事実だと思う。だが、それが身に結ぶことがあるとは思えない
    GM:──その通りだ。実を結ぶ筈が無い。
    GM:だから、負けた。
    GM:だが、その残滓はこの土地に根付いていたのだ。
    陶妙算:「研究して、それでなんとかなるものなのかな。」
    小早川燐:「あの桜は偶然の産物ってことなのか或いは、」
    小早川燐:「現代にその研究を引き継いだ者がいるか、だね」
    二宮軍馬:「ンで、その答えが、この先って事か」
    陶妙算:「………」
    陶妙算:「何が、あるのかな。」
    陶妙算:「この現象を、止められるものがあればいいのだけど。」
    小早川燐:「そうだ、ね。そのために私達はここに来てるんだから」
    小早川燐:「……この情報も共有しておこうかな」少し言いづらそうに
    陶妙算:まだ、何もわかっていないのだ。この先に何があるか。この現象を止めることはできるのか。
    小早川燐:「ゼロの正体についておおよそ目星がつきました」
    陶妙算:だが、止めた時に何が起きるのか。そもそも止めてよいものなのか。
    明石 牡丹:「……!」
    陶妙算:小早川さんの方を見ます
    小早川燐:「かつてアールラボに所属し、悪質な実験を繰り返した末に逃走してFHに合流した研究員がいました」
    小早川燐:「名前は訃静 零。そしてその研究員の身体的特徴と……」
    小早川燐:「吉一先生……いえ、吉一静と一致していることが確認されています」
    二宮軍馬:「……マジか」
    明石 牡丹:「……………………」
    明石 牡丹:「……そっかぁ」
    小早川燐:「……ごめんなさい。でも、これはエージェントとして見逃すことは出来ない」たとえ一時言葉を交わした人物であっても
    小早川燐:「私達はこの学校に潜伏するゼロの討伐を行います。……貴方には強要しません」
    陶妙算:「そうだね。
    陶妙算:「僕たちがやることはこの学校の日常を壊すことかも知れない。」
    陶妙算:「そのことで、過去の傷が戻ってくるかも知れない。戻ってきた命が、また掻き消えていくかも知れない。」
    陶妙算:「だから」
    陶妙算:やわからな茶色の瞳で明石くんを見据える
    陶妙算:「君が、チルドレンとしてでなく、この学校の生徒としての在り方を優先するなら、来ないほうがいい。」
    明石 牡丹:「……綺麗な顔して、ずるい聞き方するなぁ」苦笑いで応じる
    陶妙算:「気を使ってる、つもりなんだけどな。」
    陶妙算:困ったように笑う
    明石 牡丹:「UGNを離れたら、僕みたいなのはジャーム一直線だもん」
    明石 牡丹:「……分かってるよ。相手がFHだって言うなら、容赦しちゃいけない」
    明石 牡丹:「お仕事はお仕事。ちゃんとやるって!」と、声を張って応じて、地下へ続く扉を蹴り開けた。
    陶妙算:「大丈夫、かな?」二宮くんに声をかけます
    二宮軍馬:「あ、おい相棒!先行すんな!……まあ、大丈夫……じゃねえかな?」
    小早川燐:「でも心配だな……。大変なことにならなければ良いけど……」
    二宮軍馬:「何かあったら、この拳でブチ空けてやんよ!」
    GM:──あなた達は地下へと向かった。
    GM:外とはまるで異なる環境だ。黴。苔。名も知らぬ蔦草が壁を這う。照明器具など一つも生きてはいない。
    GM:だが、空気はいやに清浄であった。埃の臭いこそ有るが、まるで森を歩くかのように、緑の香を孕んだ空気があなた達を包む。
    GM:長い階段を下る。研究室の骸がそこには残されていた。
    GM:電気系統は既に通っておらず、貴重な機材も持ち出されたものであろう。打ち捨てられているのは、かさばるばかりのフラスコだと試験管だの、或いはメモ書きに使ったのだろう紙の束だの。
    GM:だが、最たる異常は──
    GM:木の根、であった。
    GM:廃墟の中を縦横無尽に、或いは扉を縫い留め、或いは天井から床までを貫き、木の根が伸びている。……赤々とした、桜の根が。
    GM:広大な地下空間を満たす程の総体積は、地上に突き出た巨木をさえ、氷山の一角と嗤う程の規模であった。
    GM:そして施設の奥からは、真新しい血の香。

    GM:──香りに誘われて、進みますか?
    小早川燐:警戒をしながら進みます。ここで止まるわけにはいかない
    二宮軍馬:行くぜーっ
    陶妙算:生きましょう
    GM:では。妨げるものは精々が、空間の暗さと、物言わぬ木の根ばかり。
    GM:あなた達は廃墟の最奥、埃を被ったプレートが『第一研究室』と名を示す一室へ辿り着くだろう。
    GM:そこは、他のどの部屋よりも木の根が密に這い、絡み合って樹海を形成しており、
    GM:床は、血の海。幾人分かの致死量かも知れぬほどの、大量の血液に満たされていた。
    GM:そして部屋の中央には、こればかりは埃も積もらぬ手術台の上に、
    GM:女性研究員の亡骸が、横たわっていた。
    GM:亡骸と記したのは、そう確信して良いからだ。呼吸も無く、肌は白く、桜の根が絡む四肢に力も無く。
    GM:こめかみに、焼けただれた後と、穿たれた穴。拳銃自殺の痕跡だろう。
    GM:血を吸って赤い斑らの白衣──赤だ、乾き褪せた黒ではない──の胸に、簡素なネームプレート。
    GM:『陸軍特務研究部隊〝无月隊〟 古月 美雪』
    GM:七十年以上も前に絶命した、とある女の亡骸が、時を止めたように横たわっていた。
    GM
    古月 美雪の亡骸を大桜の根から切り離すことで、大桜は『不滅の妄執』の効力を失います。
    即ち、クライマックスバトルへ挑む為の準備が全て整います。
    このシーンを終了させたいと希望することで、あなた達はクライマックスシーンへと移行します。

    陶妙算:「この人が、古月くんの」
    小早川燐:「古月、美雪……」
    陶妙算:もはや死体の独特の鼻につく臭いすらしない。
    陶妙算:もはや枯れ果て、その体は桜の根の一部と化しているようにすらみえる
    二宮軍馬:「こいつが、ねえ」
    小早川燐:「綺麗な人、だね」場違いな感想が出てしまう
    明石 牡丹:「……死んでる、よね……?」
    陶妙算:「そう見えるけど。」
    二宮軍馬:「生命力は感じられねえ」
    陶妙算:「死んでるからといって、動かないとは限らないから、警戒は怠らないで。」
    明石 牡丹:「……だよね、うん。や、僕みたいに起き上がってきたりしないかなぁ、って」
    二宮軍馬:「怖え事言うなよ……」
    明石 牡丹:「ジョーク、ジョーク、あはははは」
    陶妙算:くすりと笑う
    陶妙算:「二宮くんでも、怖いものはあるんだ。」
    小早川燐:「何でも拳でぶっとばすぜーみたいな顔なのにね」
    陶妙算:いいながら、あたりを探ってみます。何か、研究資料のようなものがアレばいいけれど。
    二宮軍馬:「そりゃ、普通に怖えっつーか……幽霊だったら拳が当たらないかもしれないし……」
    GM:ふむ
    GM:では、そうですね。研究資料のようなものは、
    GM:木の根に絡みつかれた亡骸の手が、固く握りしめている──としましょう。
    GM:それは一冊の、固い表紙の、本のようなもの。
    陶妙算:死体があるけれど、何をすればいいのかわからない。或いはここにあの現象を解く鍵はないのだろうか。
    陶妙算:「………」
    GM:その本を手に取ろうとするなら、絡みついている木の根が邪魔になる。そういう案配です。
    陶妙算:「じゃあ、拳が当たる死体なら、剥ぎ取りも平気だったり、する?」
    明石 牡丹:明石は、血の滴り落ちる床に膝をつき、鼻をすんすんと鳴らして、
    明石 牡丹:「……うん。ここの血、いろんな人の臭いが混ざってるけど……僕のとか、美夜のとか、他の子のとか」
    二宮軍馬:「……あのな、そういう問題じゃないだろ……」
    明石 牡丹:血の臭いを嗅ぎ分けつつ、それを手にすくって喉の渇きを癒やしたりしている。
    小早川燐:「うん、私も感じる。流れた血がここに集まってる」
    二宮軍馬:「とはいえ、コイツはなにかの手がかりになりそうだが」資料を引き抜こうとする
    二宮軍馬:「うーむ。ダメか」
    陶妙算:周囲を警戒しながら、その様子を見ている
    陶妙算:「なら、血はなくなったわけじゃなく、ここに集められていた、ということですか?」>小早川さん
    二宮軍馬:「……この根っこ、斬れねえか?」
    小早川燐:「そういうことだと思う。だから、ここに原因があるはず」
    陶妙算:「普通の木なら、多分なんとかなると思うんだけど。」
    陶妙算:試してもいいですか?と視線で小早川さんに聞いている
    小早川燐:「うん。一回試してみようか。どちらにせよその死体を切り離さないと」
    陶妙算:「では。」
    小早川燐:そのまま何が起きても良いように警戒。従者も側に控えさせる
    陶妙算:ゆるりゆると伯耆安綱を抜きます。
    陶妙算:光が刀身を照らし、波打つ刃紋の上に、冬の星の如く光が瞬く。
    陶妙算:それを八相に構え
    陶妙算:「やっ」
    陶妙算:気合の声とともに一閃する。
    GM:ひゅ──かっ。
    二宮軍馬:「(うーん、やっぱり慣れた動きだ。柔の剣ってやつか?)」
    GM:さその桜の根は、年月を重量として剣持つ手に返しながらも断ち切られるだろう。
    GM:その瞬間──あなた達の眼前にて起こる変異。
    GM:大桜との接続を断ち切られた女の亡骸が、まるで数十年の歳月を一瞬で叩き付けられたかのように
    GM:風化し、塵と化してゆく。
    二宮軍馬:「お見事……うおっ!?」ビクッ
    GM:皮膚も肉も臓腑も、何も残らない。残されるのは頭髪と骨、そして
    GM:その手に固く握られていた、一冊の本だけ。
    陶妙算:「はやまったかな?」
    GM:……それと同時にあなた達は、周囲の桜の根もまた同様に
    GM:亡骸に倣うように塵となっていくのを見るだろう。
    小早川燐:「ううん。多分避けられない結果だったんだよ、これは」
    GM:はらはらと、塵が舞う。舞って、血に満たされた床に積もりゆく。
    陶妙算:「しかし、これは。」
    GM:その根は──再生をしていない。
    二宮軍馬:「ちょいと勿体ねえ気もするなあ」
    小早川燐:「それより、ほらさっきの本」握られていた本を手に取る
    二宮軍馬:「ああ、そういえば」
    二宮軍馬:「何の本なんすかね」
    陶妙算:「読めますか?」
    小早川燐:「どうだろう。内容を確認してみようか」
    GM:──開いて見れば。それはいささか古風な字と文体ながら、それでもたかだか七十と数年、読めぬことはない。
    GM:手書きで記されたその本は、大きく分けて二つの内容が含まれていた。
    GM:一つ。軍に身を置いて推し進めた研究の内容。
    GM:一つ。〝古月 桜〟という名の患者の、病状の推移記録。
    小早川燐:「古月桜……」
    二宮軍馬:「桜、ねえ」
    GM:病状の記録の合間には、その筆者があらゆる手を尽くして治療を試み、その全てが失敗に終わったことや
    GM:その為の試みとして、『桜』なるものを研究していたことが伺いしれる。
    GM:そしてもう一つの軸、研究の内容とは──すなわち、時間逆行。死者の時間をすら巻き戻し、再び立ち上がらせる為の研究。
    GM:……無論。それは、未完成のままに断ち切られた筈だ。
    GM:だが、今。无月館学院という狭い箱庭の中という、限定的な状況下とは言え、それは実現している。
    陶妙算:「事前の調査の内容と、辻褄は合いますね」
    小早川燐:「そうだね……。やっぱり研究は未完成だった」
    二宮軍馬:「でも、そんなカビが生えたみてーな研究が、なんで今さら?」
    陶妙算:「けど、時間の巻き戻しというのは。」
    陶妙算:「今ここで起こっている現象と近いものです。」
    明石 牡丹:「……じゃ、じゃあさ、もしなんだけど」
    明石 牡丹:「その、今起こってることが──ここだけじゃなく、もっとあちこちに広がったら」
    明石 牡丹:「どうなっちゃうんだろう……?」
    二宮軍馬:「超やべえ」
    小早川燐:「最悪のことになる。それだけは絶対に止めないとまずい」
    二宮軍馬:「すくなくともオレはゴメンだぜ、3日くらいでうんざりしてるんだ」
    陶妙算:「けど、どうやって?」
    明石 牡丹:「……伐採?」
    小早川燐:「……伐採、か」
    陶妙算:「伐採」
    二宮軍馬:「根っこがこうなっちまったってことは、イケるかもな……伐採」
    小早川燐:「よし……やろうか、伐採」
    陶妙算:「え?本気です?もう少し慎重に調べたほうがいいんじゃ。」
    二宮軍馬:「やりますかい」
    陶妙算:「樹木に蓄えられた力が依代を失って暴走したりとか」
    二宮軍馬:「……まあ、未完成の研究だからな……」
    小早川燐:「まあ、制御出来てない時点で暴走って言っても差し支えないけどね」
    小早川燐:「それでもやるのが私達UGN、そのためのオーヴァードだよ」
    二宮軍馬:「まあとりあえず地上に上がってからだな」
    陶妙算:「現状では、時間が止まったまま何も変わらない。」
    二宮軍馬:「根っこがこうなったことで上でなにか起こってるかもしれねーし」
    陶妙算:「それよりは、最悪の道に転がりだしたとしても、動き出させた方がいいってことですかね?」
    小早川燐:「だね、まずは影響を確認しないと。ゼロがどんなリアクションを起こしてくるか分からないけど」
    GM:では、地上へ出ますか?
    二宮軍馬:「そういうこった!切ろうとしてヤバそうなら途中で止めればいいんだよ!」
    陶妙算:出ましょう!
    二宮軍馬:いこう!
    小早川燐:出ます!
    GM:OK! ならばこのシーンのラストをちょっとだけ!

    GM:──あなた達は地上へと戻る。
    GM:階段を上り、再び日の下に出た時、それを出迎えたのは……いささか意外な人物だったかも知れない。
    読塚 透:「やあ」
    読塚 透:「すまないのだが、何も言わずに聞いてほしい」
    陶妙算:「読塚さん」
    小早川燐:「えっ読塚くん!? 何でここに」
    二宮軍馬:「センパイ?」
    読塚 透:「ああ、読塚だ。自己紹介は何度目になるんだろうな。……ええと、3か、4くらいか」
    読塚 透:「うん。自分でも何を言ってるのかと思うんだがな」
    読塚 透:「俺は確かに、死んだ筈なんだ」
    明石 牡丹:「──っ」顔を青ざめさせ、今にも倒れそうな程にふらつくが、
    読塚 透:「ああ、おい、待て。別に恨み言を言いに来たんじゃない」
    陶妙算:「そうですね。」
    二宮軍馬:明石くんを支えてやろう
    陶妙算:「確かに、僕たちは貴方の死体を見ました。」
    読塚 透:「あー……やっぱりか」
    読塚 透:「だよな、うん。ちょっとうっかり手を滑らせて、深く切りすぎた記憶があるんだ、うん」
    読塚 透:「俺に包丁を使わせようとしなかった同級生達の判断は、本当に正しかったんだと、今は思う」
    読塚 透:「……いや、まぁ、それはいいんだ。問題は、なぜか俺がそのことを覚えているのと」
    読塚 透:「覚えているのがどうも、俺だけじゃないような気がしていたからな」
    読塚 透:「確認に来たという訳なんだが……つまり、お前達は、あれか」
    読塚 透:「俺と同じで、覚えている側と」
    小早川燐:「そういうことになるね」
    読塚 透:「そういうことになってしまうのか……ああ、小早川先生。挨拶もきちんとできずに申し訳ない」
    読塚 透:「ですが、俺も実は浮かれていまして。今の今まで忘れていたのです」
    読塚 透:「まさかロスタイムみたいなものが有ろうとは……人生は不思議なものですなぁ」
    小早川燐:「……」黙ったまま
    陶妙算:「読塚さん?」
    読塚 透:「なんだ?」
    陶妙算:「ご用件を伺ってもよろしいですか?」
    読塚 透:「ああ、すまない。特にたいした用事でもないんだが──」
    読塚 透:「〝がんばれ〟」
    読塚 透:「とだけ、言いに来た」
    二宮軍馬:「……ははっ」
    小早川燐:「……ふふふ」
    読塚 透:その〝用件〟を終えるや、読塚はくるりと身を翻す。長く伸ばした髪が風に乗って、ゆら、ゆらと揺れて──
    陶妙算:「僕たちが頑張ったら」
    読塚 透:その髪にかぶさる、校庭から飛んできたのだろう、桜の花弁。
    陶妙算:「貴方の命が、また消えてしまうかもしれないんですよ。」
    読塚 透:「そうなのかも知れないな。……いや、たぶんそうだろう。なんとなく分かる」
    二宮軍馬:「……あんた、いい人だな」
    小早川燐:「読塚くん、もっと君とお話がしたかった。それだけが残念」
    読塚 透:「正直に言うなら、積極的に死にたい訳でもないし、未練も無い訳ではないんだが」
    読塚 透:「ずっと〝こんな状態〟なのも、たぶん良くないんだろう」
    読塚 透:「敢えて言うなら俺も、お前達とあまり話していなかったのは残念かもしれん」
    読塚 透:「が」
    読塚 透:「何事も、そんなものだ」
    読塚 透:「水は川上から川下へ流れ、いつか海に辿り着く。海から水が逆流したら、それは災害だ」
    読塚 透:「それよりも、お前達」
    読塚 透:読塚は、風に舞う花弁を手に捉える。
    読塚 透:今までひとひらたりと枝から離れることの無かった大桜、その花弁をだ。
    読塚 透:「禄郎に会ったら、俺の代わりに言っておいてくれ」
    読塚 透:「〝お前はアホだ〟と」
    読塚 透:そうして読塚は──死人は、あなた達の前から去っていくことだろう。
    二宮軍馬:「その伝言、承ったぜ、センパイ」
    陶妙算:読塚さんを見据えている。自分の死を、後悔と未練ごと受け入れ、友の未来を心配する姿は、どこか超然として見えた
    GM:──大桜の時は動き出した。
    GM:直後、あなた達は。
    GM:半ば予期していたかも知れない感覚を、同時に受け取ることになる。
    陶妙算:その姿をみて、覚悟が定まった。例え、取り返すのつかないことが起きるとしても、僕は立ちは動かなければいけない
    GM:その覚悟に、応じるかのように
    GM:……或いはせせらわらうかのように悪辣に
    GM:肌を刺し、心を騒がせるこの気配は──《ワーディング》だ。
    GM:場所など決まっている。
    GM:校庭の、大桜の下。
    GM:最後の戦いは月の无い、白昼のものとなるのだろう──。
    GM:──────────
    GM:ロイスの取得のみ! ありますか!
    二宮軍馬:ロイスは満タン!なし!
    小早川燐:読塚透 好意/悔悟○
    陶妙算:先輩/読塚 透/有意○/後悔
    陶妙算:以上で!
    GM:OK! シーンカット!

    クライマックス:『……また、明日』


    GM:全員、〝土曜日〟に登場済みなので登場侵蝕不要です。

    GM:──白昼の校庭は、嘘のような静寂に包まれていた。
    GM:生徒がいない。
    GM:きっと、校舎の中にはいるのだろう。寮の中にはいるのだろう。
    GM:けれども校庭には、誰もいないのだ。
    GM:そこに立つ者はあなた達と、ようやっと時の流れ始めた大桜、そして──
    訃静 零:「おや、おやおやおや、皆さんおそろいで」
    訃静 零:大桜の樹の下に立つ、白衣の女。
    小早川燐:「吉一先生……。いえ、《ゼロ》」
    訃静 零:「はいはい、みんな大好き《ゼロ》ですよー」
    訃静 零:「……ひい、ふう、みい、よお。おかしいですねえ、どう数えても四人だ」
    訃静 零:「そっちの三人はさておき、明石くんはこっち側に立ってくれる予定だったんですが」
    二宮軍馬:「……」
    陶妙算:「そっち側に立ちそうだったんでみんなで説得したんです。」
    二宮軍馬:「センセー、いや……《ゼロ》でいいのか?」
    二宮軍馬:「そういうことだ。あんた、意外と人望ねえんじゃねえのか?」
    訃静 零:「んー、浮気性なのは良くないですよ明石くん。コウモリに人権はないんです──っと」
    訃静 零:「それから、二宮くんでしたか」
    訃静 零:「《ゼロ》──ええ、もう隠しててもしかたがない。それはね、私がダースで用意してる偽名の一つです」
    訃静 零:「普段ならもうちょっと、上手く隠し通せた筈なんですが──」
    訃静 零:眉間に指を押し当てながら首を振り、
    小早川燐:「偽名……?」
    訃静 零:「完っ全にパニクりましたよ、あの時はねぇ」
    訃静 零:「私は古月くんと明石くんと二人だけ呼びつけたかったのに、まさかまさか」
    訃静 零:「知らないオーヴァードが三人も増えてやんの」
    訃静 零:「ほんと、あそこで〝二人〟って言っちゃったのがミスですよねぇ」
    訃静 零:「私はあそこで〝一人〟って言わなきゃいけなかったんだ」
    訃静 零:「……古月くんとのつながりを隠そうと欲張ってやらかしたのは、こいつぁ馬鹿だったと反省してますとも、ええ」
    訃静 零:言葉こそは自嘲的なもの──ではあるが。
    訃静 零:それを発する態度には、自分の咎を責める殊勝な様子は無い。
    陶妙算:「では。」
    陶妙算:「やはり先生が古月くんにあの桜のこと吹き込んだんですね。」
    訃静 零:「ええ、ええ──全くもってその通り!」
    訃静 零:「私一人で動かせりゃ良かったんですけどー、血とか流すの嫌いですしー?」
    訃静 零:「まぁそれに、利害も一致してましたし?」
    二宮軍馬:「利害、ねえ」
    訃静 零:「彼は〝この学校の一日を永遠にとどめたい〟。私は〝死んでも死なない兵士の研究〟と」
    訃静 零:「ああもちろん、〝永遠に育たない美少年〟なんてのも素敵だ。そっちは趣味ですが」
    訃静 零:「ねえ、陶くん。君が何年かして、髭がぼうぼうのむくつけき大男になるとか想像したくないでしょ?」
    陶妙算:〝この学校の一日を永遠にとどめたい〟
    陶妙算:彼の、傲慢だが、或いは素朴であるかも知れない願いを胸に受け止める。
    陶妙算:そして、ゼロの問いに答える
    陶妙算:「そうですね。想像するのは、難しい。」
    陶妙算:「そうなるのは、悲しいかも知れない。」
    陶妙算:「けど。それは受け入れるしかないことでしょう。」
    陶妙算:「花は、いずれ散りゆくものなのだから。」
    訃静 零:「……そりゃまたずいぶん、聞き分けの良いことだ」
    訃静 零:「ねえ、あなた達はどうです?」同意を求めるように、二宮、小早川、二人だけを視界に納めて
    二宮軍馬:「どうもこうもねー」
    小早川燐:「論外です。検討する価値もない」
    二宮軍馬:「オレたちはUGNだ。一般人を、その未来を守るのが仕事だ」
    訃静 零:「……わお、一刀両断。腹立つわぁ」
    訃静 零:「……いいや。腹が立つのは、今に始まったことじゃない」
    訃静 零:ざっ──
    訃静 零:固い靴底が土を蹴り、訃静 零は身構える。
    訃静 零:「なんで私のミスを見逃してうっかり帰ってくれるようなお馬鹿さんの集まりじゃないんです?」
    訃静 零:「この学校は素敵な場所だった。私好みの男の子がいくらでも入れ食いだったってぇのに……」
    訃静 零:「特にむかつくのはあなたですよ、小早川先生」
    訃静 零:「めざとく最初っから私を疑っててくれた。いいや、遡れば」
    訃静 零:「私の楽しいおもちゃまで、ぶっ壊してくれたのはたしかあなたじゃあありませんでしたっけ」
    小早川燐:「……それが貴方の本性ですか、ゼロ」
    訃静 零:「ク──クク、クククククッ」
    訃静 零:「クッ、ハハハハハ、アッハハハハハッ!」
    訃静 零:「〝はじめまして〟」
    訃静 零:「わたくし、訃報の〝ふ〟に静脈の〝じょう〟、《ゼロ》を漢字で〝れい〟と読み、訃静 零と申します」
    GM:──その声が、合図となったものか。
    GM:巨木の影より姿を現したのは、古月 美夜。
    GM:校舎側から、もはや姿を隠すようなそぶりもなく真っ直ぐに歩いてくる、観世 禄郎。
    訃静 零:「カモン! 私の最高傑作生物兵器! ……と、現地のかわいい協力者ちゃん!」
    訃静 零:「こいつら三人黙らせちゃえば時間の猶予はまだたーくさん! どこかで研究の続きだって可能!」
    訃静 零:「……ってな訳で。ちょちょいとブッ殺して逃げますよ!」
    陶妙算:「古月くん」
    古月 美夜:「陶くん」
    陶妙算:「ごめんね」
    陶妙算:「僕は、君を止めることができなかった。」
    古月 美夜:「……謝らないで欲しいな」
    古月 美夜:「それじゃあまるで、僕がかわいそうに思えるじゃないか」
    古月 美夜:「いや……そうなのかも知れないけどさ」
    古月 美夜:「でも僕は、諦められない」
    古月 美夜:「ごめんね」
    陶妙算:「〝この学校の一日を永遠にとどめたい〟」
    陶妙算:「その願いが叶ってどうだった?」
    陶妙算:「それは、君が夢見たような、素晴らしいものだった?」
    古月 美夜:「……思ってたほど、良くはなかったかな」」
    古月 美夜:「けどね、陶くん」
    古月 美夜:「これはきっと、あなたには分からないと思うんだけど、僕はね──」
    古月 美夜:「去年より3cm、背が伸びたんだ」
    陶妙算:「よかったじゃないか。」
    古月 美夜:「たぶん今年も、来年も、まだ背が伸びる。僕は、僕が望まないうちに、勝手に大人になっていく」
    古月 美夜:「……やだよ、そんなの」
    陶妙算:「………そうだね。」
    古月 美夜:「怖いんだ」
    古月 美夜:「自分が、自分の知らない何かになる」
    古月 美夜:「オーヴァードの力なんて、化け物呼ばわりされるなんて、そんなちっぽけなこと──」
    古月 美夜:「〝当たり前に成長する〟怖さにくらべたら、どうってことない!」
    陶妙算:「そうだね。」
    陶妙算:「僕は、君の恐怖を否定できない。」
    陶妙算:「けど」
    陶妙算:「君一人の恐怖を和らげるために。」
    陶妙算:「他の人達が夢を見てるかもしれない明日を、切り捨てるわけにはいかないんだ。」
    観世 禄郎:「……そうだな。それは、そいつの我が儘だ」
    観世 禄郎:観世 禄郎は、あなた達の後方で立ち止まった。
    観世 禄郎:「……だが」
    観世 禄郎:「その我が儘に付き合うのが、俺の役目だ」
    陶妙算:するりと剣を抜く、散り始めた大桜の下で日本刀を構える少年の姿は、まるで絵画のように非現実的だ
    二宮軍馬:「そうかいセンパイ」
    二宮軍馬:「そんじゃ、その役目、止めてみせようか。……ついでに」
    二宮軍馬:「読塚センパイから伝言だ。
    観世 禄郎:「なんだ」
    観世 禄郎:「……読塚、から……?」
    二宮軍馬:「『バーカ!』」
    観世 禄郎:「……………………」その言葉を聞いた禄郎は、しばし、呆けたように口を開けたまま立ち尽くした。
    観世 禄郎:そんな短い言葉を、理解できぬ筈もあるまいに。棒立ちになって、言葉も忘れて
    観世 禄郎:「……ふっ……ははっ」
    観世 禄郎:「馬鹿はどっちだ……なぁ……っはは、はは」
    観世 禄郎:「はっはっはっはっは……」笑いながら──拳を持ち上げた。
    二宮軍馬:腰を落とす。両手を前に構える。
    観世 禄郎:右の拳を高く、頭の横へ。構えと呼べるような代物ではない。何をしたいのか、隠す意図など無い。
    観世 禄郎:「馬鹿はどっちだ!」
    観世 禄郎:「あの馬鹿が!」
    観世 禄郎:「……他人の世話ばかり焼いて、自分のはズボンのアイロンかけもろくに出来ないような──」
    観世 禄郎:「そんな馬鹿が死んだ!」
    観世 禄郎:「……惜しいと思って何が悪い!」
    観世 禄郎:握りしめた拳から、骨の軋む音。
    観世 禄郎:己が筋力に骨が耐えきれず、悲鳴を上げているのだ。
    二宮軍馬:「……その気持ちは、悪くはね—」
    二宮軍馬:「だが、超えちゃならん線ってもんがあるんだ」
    観世 禄郎:「そうか、二宮」
    観世 禄郎:「喧嘩ァ売ってんのか?」
    二宮軍馬:「……」「ああ。今日は特売日だ」
    二宮軍馬:「——天地に四方、合わせて六合!砕く拳は即ち黒洞!」
    二宮軍馬:「黒洞拳、二宮軍馬!まかり通る!」
    小早川燐:一歩前に踏み出す。衣装は教員らしいスーツから巫女服へと変わっている
    小早川燐:「お茶でも入れながら仕事の愚痴でも話そうって約束、果たせなさそうです。ごめんなさい吉一先生」
    小早川燐:「そして、初めましてゼロ」
    訃静 零:「ええ、はじめまして。そしてそのお約束なら、今からでも履行可能です」
    訃静 零:「あなた割とかわいいですし? 動き回らなければ良いオブジェになりそうですし?」
    訃静 零:「私の部屋へ持ち帰って設置してさしあげてもよろしくてよ、小早川先生」
    小早川燐:「残念ながらお断りさせて頂きます。私にはやらなくてはならないことがありますから」
    小早川燐:「UGNエージェント”コープスイーター”、そして小早川家14代目次期当主。小早川燐と申します」
    小早川燐:「私は数多の命を踏みにじった貴方を決して許しはしない。ここで全て終わらせます」
    小早川燐:「……覚悟して下さい」目尻に涙を微かに溜ながら、はっきりと凜とした声で宣言する
    エンゲージ

    古月 大桜 訃静

    10m

    PC

    5m

    観世

    GM:勝利条件:敵対者全ての無力化
    GM:特別ルール:古月 美夜と大桜はHPを共有し、どちらか一方の無力化によりもう一方も戦闘不能になる。
    古月 美夜:「……〝大桜〟の樹よ、僕の血を啜れ」
    古月 美夜:「あと少しだけ……少しだけでもいいから……」
    古月 美夜:「この夢を続けさせておくれ……!」
    〝大桜〟:『──命令を受諾します』
    〝大桜〟:『私はあなたの望みを叶えます。私は幸福を導き出します』
    〝大桜〟:『私は全ての性能を以て、あなたの為にお仕え致します』

    GM:セットアップ!
    小早川燐:なし!
    二宮軍馬:なし!
    陶妙算:衝動判定は!?
    GM:ごめんすっとばした!
    二宮軍馬:おおっと
    GM:大桜が起動する。あなた達を斃す為──否、取り込む為に。
    GM:他者の思いを顧みぬ、執着の波動が、あなた達の心を揺さぶる──!
    GM:衝動判定です。目標値は安定の9!
    小早川燐:ダイスペナルティで自動失敗!
    二宮軍馬:3dx>=9
    DoubleCross : (3R10[10]>=9) → 8[4,4,8] → 8 → 失敗

    二宮軍馬:ぐえっ、暴走
    陶妙算:5dx>=9
    DoubleCross : (5R10[10]>=9) → 9[1,2,6,8,9] → 9 → 成功

    陶妙算:あぶねえ…!!
    GM:あぶない……!
    二宮軍馬:88+2d10
    DoubleCross : (88+2D10) → 88+5[1,4] → 93

    小早川燐:94+2d10
    DoubleCross : (94+2D10) → 94+10[3,7] → 104

    陶妙算:2d10+81
    DoubleCross : (2D10+81) → 7[2,5]+81 → 88

    陶妙算:ぐおお、低い!!
    GM:低い……
    GM:そして、大桜のセットアップ!
    GM:《女王の降臨》+《熱狂》を観世 禄郎へ! 暴走状態となり白兵攻撃のダメージ+15!
    GM:訃静 零、セットアップ! 《怨念の呪石》を使用!
    GM:暴走状態となり与えるダメージ+2D。さらに《殺戮器官》と《絶対零度》の対象になるぞ!
    GM:そして行動順は大桜なのだが──こいつは待機を選択します。
    GM:よって小早川さんor従者! どうぞ!
    小早川燐:では従者が先に行動
    小早川燐:マイナーで戦闘移動。大桜達にエンゲージ
    GM:ほほう
    小早川燐:メジャーでウルトラボンバー+ブラッドバーン+滅びの一矢+コンセントレイト
    小早川燐:11dx7
    DoubleCross : (11R10[7]) → 10[2,4,4,5,5,7,8,9,9,9,10]+10[2,3,5,6,8,10]+10[7,10]+10[3,10]+3[3] → 43

    小早川燐:リアクション不可、装甲有効です
    GM:ダメージダイスどうぞ!
    小早川燐:5d10+55
    DoubleCross : (5D10+55) → 32[7,5,10,5,5]+55 → 87

    GM:わっはっはっは
    小早川燐:87点の範囲攻撃じゃーい!!
    GM:生きてはいる! 生きてはいるけど!
    GM:こんなんめっちゃボロボロになるやん!
    GM:演出どうぞ!
    小早川燐:「……その足は地を踏みにじり、その腕は営みをなぎ払う」一枚の形代がひらひらとゼロ達へ近寄っていく
    小早川燐:そして、形代は灰のようになって消える、そしてソレは現れる
    小早川燐:まず現れたのは腕。虚空から無数の腕が現れては敵対者へ掴みかかる
    小早川燐:「■■■■■■■■■■■■■■!!!!」この世のものと思えぬ声が周囲に響く。それは、かつて京を荒らし回った魔人の叫び
    小早川燐:そして、虚空から無数の目、口が現れる。腕はどんどん数を増やし、口は敵対者を憎悪に任せるが如く食いちぎらんとする!
    陶妙算:「……なんて禍々しさ…!」
    訃静 零:「こっ、こいつは……!?」
    訃静 零:目を見張る。知らないものだ。見たこともないものだ。
    小早川燐:「これぞ我が『でいだらぼっち』。誰にも理解出来ない不滅の怪物。貴方はこいつによって滅びるのです」
    訃静 零:好奇心が故に訃静はそれを〝観よう〟とした──そうする余裕があるなら、腕で体でも庇えばよかったのだ。
    訃静 零:纏わり付く、腕。腕。腕。いくつだ。数十? 数百?
    訃静 零:大小も形態ももはや形容しがたき異形の腕の波の中に囚われたのは、狂気の女のみならず。
    訃静 零:「こりゃあ、こいつは、素敵だ、素敵な化け物だ──っが、があああぁああぁぁぁっ!!!」
    訃静 零:生きたままに肉を食い千切られ貪り食われる苦痛の叫び。
    訃静 零:断末魔ではない。オーヴァードならばその程度では死なぬ──故に叫びは〝生き生きとした〟ものだ。
    訃静 零:……長く、それは続いた。
    GM:では、行動順の次は古月 美夜だ。
    小早川燐:いえ、まだ本体が
    GM:そうだった!
    GM:失敬!
    陶妙算:まだ残ってる。こわ
    小早川燐:マイナーでボルトアクションライフルを使用
    GM:このレベルがもう一発来るとかさー
    小早川燐:メジャーでコンセントレイト+滅びの一矢+ブラッドバーン
    小早川燐:12dx7+9
    DoubleCross : (12R10+9[7]) → 10[1,2,3,3,3,5,6,6,7,8,8,10]+6[3,4,5,6]+9 → 25

    小早川燐:対象はゼロ
    GM:暴走中リア不! ダメージ!
    小早川燐:3d10+28
    DoubleCross : (3D10+28) → 20[4,10,6]+28 → 48

    GM:相当な重傷だ──が、まだ斃しきらない!
    小早川燐:合計浸食+24
    GM:こちらも演出あればどうぞ!
    小早川燐:「まだ終わらないぞゼロ!!」更に形代を投げる。それらは霧散し、腕は更に増殖を加速させる
    小早川燐:更に強烈な攻撃、『でいだらぼっち』の暴力は小早川の明確な意志を持って襲いかかる
    GM:多量の腕に囚われ──埋め尽くされ──骨肉を喰らわれるその様は、音で知ることになるだろう。
    GM:めぎぃっ。みしぃっ。がりっ。ごりっ。ぐちゃっ。
    GM:生物というパッケージが分解され、部品となって咀嚼される、おぞましい音がする。
    GM:だが、やがて──
    GM:腕が、燃え上がる。
    訃静 零:「──っぶ、はあぁっ!」
    訃静 零:無数の腕を突き破り立ち上がったのは、全身を余すところなく血に染めた訃静 零。
    訃静 零:荒く肩での呼吸を繰り返しながら、しかし構えを解かずに言うことには
    訃静 零:「死ぬとこだった!」
    訃静 零:「マジでしょっぱなから殺されるとこだった……!」
    小早川燐:「殺す気でやりましたから。『でいだらぼっち』は手加減が難しいんです」余裕のない表情で答える
    訃静 零:「っ……とーにあなたは、何から何まで私をムカつかせることに特化してますねぇ小早川さんよぉ!」
    訃静 零:これまでも、その傾向はあったかも知れない。だが、今の攻撃で確定した。
    訃静 零:次に訃静 零が動く際は必ず。
    訃静 零:あなたを、狙うことだろう。
    小早川燐:「……かかって来なさい」強く睨み返す
    小早川燐:従者はメインプロセス終了時にHP0。消滅です
    GM:さようなら……従者……
    GM:今度こそ古月のターン!
    陶妙算:こいや!!
    GM:マイナー、《赫き鎧》。HPを18消費し装甲36だ!
    GM:そしてメジャー。全力移動であなた達にエンゲージする。
    GM:以上! そしてそのまま禄郎のターン!
    GM:こちらはマイナー、戦闘移動。あなた達にエンゲージします。
    GM:メジャー。白兵攻撃。対象は二宮くん。
    GM:12dx10+
    GM:12dx10+10 素殴り!
    DoubleCross : (12R10+10[10]) → 10[1,3,3,5,5,6,7,8,8,9,10,10]+10[6,10]+3[3]+10 → 33

    二宮軍馬:素殴りの達成値じゃないんじゃが
    二宮軍馬:ともかく暴走リア不!
    GM:4D10+15
    DoubleCross : (4D10+15) → 21[5,9,1,6]+15 → 36

    GM:装甲などなど有効!
    二宮軍馬:そんなものはない!死亡、リザレクト!
    二宮軍馬:93+1d10
    DoubleCross : (93+1D10) → 93+9[9] → 102

    二宮軍馬:まあまあ
    GM:100に乗ったか
    観世 禄郎:この男はオーヴァードではない。アンチワーディング体質のただの人間──だった。
    観世 禄郎:だが今、その身体は既に、尋常の生物のものではない。
    観世 禄郎:機械部品に置き換えられた骨。獣以上の強靱さを得た筋肉。
    観世 禄郎:それを以て彼の戦術は──ただ、殴るだけ。
    観世 禄郎:「ぉおおおおおおぉっ!!!」
    観世 禄郎:素人丸出しの大ぶりだ。フェイントも何もない。
    観世 禄郎:だが、速い。
    観世 禄郎:その一撃はあまりに、速かった。
    二宮軍馬:「来やがれ……!」闘争衝動が暴走している。回避という選択肢はない!
    観世 禄郎:着弾──と形容しよう。それはまさに、砲弾が如き一撃。
    観世 禄郎:金属に置き換えた筈の骨すら軋ませる、魔獣の拳であった。
    二宮軍馬:腕で受け、いなし……きれず、後方へ吹き飛ばされる!
    陶妙算:「二宮くん!」
    小早川燐:「二宮くん!」咄嗟に振り向いてしまう
    二宮軍馬:「……ッ!問題ねえ、そっちに集中しろ!」ふっとばされつつ体勢を維持、踏ん張る!
    GM:そのままシームレスに二宮くんのターンだ!
    観世 禄郎:「次!」
    観世 禄郎:「来い!」
    二宮軍馬:ではマイナー、《縮退機関》。HPを8消費
    二宮軍馬:侵蝕は104
    二宮軍馬:メジャー、コンセ+漆黒の拳+瞬速の刃+浸透撃+疾風迅雷。対象は禄郎くんだ!
    GM:暴走リア不! 判定→ダメージまでどうぞ!
    二宮軍馬:あっ暴走してるのか……まあいいや、ドッジガード不可!
    二宮軍馬:8dx7+2
    DoubleCross : (8R10+2[7]) → 10[2,2,4,5,6,6,8,8]+2[1,2]+2 → 14

    GM:んんんんんんんんん
    二宮軍馬:ええと
    二宮軍馬:タイタス切ります!たっせいち+1d
    GM:来いやあ!
    二宮軍馬:禄郎くんのロイスをタイタスに
    二宮軍馬:14+1d10
    DoubleCross : (14+1D10) → 14+6[6] → 20

    二宮軍馬:及第点!
    GM:ちょうど乗った!
    二宮軍馬:3d10+7+16
    DoubleCross : (3D10+7+16) → 18[1,8,9]+7+16 → 41

    二宮軍馬:装甲無視です
    GM:こ、これは……!
    GM:HP、残り1桁……!
    二宮軍馬:まあまあ仕方ない
    GM:演出どうぞ!
    二宮軍馬:侵蝕は104→117
    二宮軍馬:「じゃあこっちの番だな……行くぜ」
    二宮軍馬:「絶招を見せてやる」
    二宮軍馬:深く息を吐く。
    二宮軍馬:握った拳に、重力が集中する
    二宮軍馬:ダンッ!
    二宮軍馬:鋭く一歩踏み込み、拳を禄郎くんの胸元に当てる
    二宮軍馬:「発勁」
    二宮軍馬:「重崩拳ッ!」
    二宮軍馬:拳を握り込むと同時に、重力塊を叩きつける!
    陶妙算:(僕の剣技とは全く違う、踏み込みの重さ、重心の移動を全て威力に転じさせたような一撃)
    陶妙算:(こんな技術もあるんだ)
    観世 禄郎:──胸元へ届く拳。さしたる重さもない。受けながら殴り返すべく、拳を引いた。
    観世 禄郎:そのまま眼前の敵を──いや
    観世 禄郎:〝喧嘩相手〟を叩き潰さんと、巨大な拳が弧を描く。
    観世 禄郎:だが。
    観世 禄郎:その拳が半ばも道を行く前に、その〝技〟は功を発していた。
    観世 禄郎:体重移動と間接加速の二手により、一寸の距離にて拳の加速を終える技を〝寸勁〟と呼ぶ。
    観世 禄郎:──みしぃっ。
    観世 禄郎:「ぐっ……!?」
    観世 禄郎:〝喧嘩〟では決して出会うことのない異物。〝武〟が禄郎の強化された胸骨を、一撃にて破砕していた。
    GM:──その攻防は一瞬のことだ。
    GM:だが、その一瞬の間に戦場は形を変え、戦士は駆ける。
    GM:陶くん、先手後手どちらがよろしいかな?
    陶妙算:いきまーす!
    GM:ゴー! 時系列はきっと、寸勁が突き刺さった瞬間くらいからだ!
    陶妙算:マイナーでジェネシフト
    陶妙算:88+3d10
    DoubleCross : (88+3D10) → 88+14[2,7,5] → 102

    陶妙算:ほぼ理想的
    GM:綺麗に乗せてきた
    陶妙算:メジャーで古月くんをぶん殴ります
    陶妙算:6dx+29
    DoubleCross : (6R10+29[10]) → 10[1,1,2,6,7,10]+6[6]+29 → 45

    陶妙算:よっし
    GM:素殴りなんだもんなぁ
    GM:回避!
    GM:4dx10>=45
    DoubleCross : (4R10[10]>=45) → 10[6,7,7,10]+10[10]+4[4] → 24 → 失敗

    GM:くそ回ったけどよけられる筈がない! ダメージダイスどうぞ!
    陶妙算:ダメージダイスを振る前にフェイタルヒットを使用します
    GM:あっ
    陶妙算:5d10+4d10+18
    DoubleCross : (5D10+4D10+18) → 23[5,4,5,1,8]+19[5,1,4,9]+18 → 60

    二宮軍馬:ヒュウ
    陶妙算:侵蝕が106に
    小早川燐:素晴らしい
    GM:け、計算!
    GM:……大桜の行動ロジック、第二段階すっとばして第三段階へ移行!
    GM:美夜は造作もなく切り裂かれるが、その傷が、大桜から持たされるレネゲイドによって塞がっていきます! 演出どうぞ!
    陶妙算:「ねえ、古月くん。」
    古月 美夜:「なにかな、陶くん」
    古月 美夜:その応答は──戦いの中にあって、戦いを忘れたかのように穏やかだ。
    陶妙算:桜の花弁が降り注ぐ中、古月くんに声をかける
    陶妙算:「君は、『花は、散るからこそ美しい』なんて言葉は嫌いかな?」
    古月 美夜:「……………………」
    古月 美夜:「あなたと、友達になりたかった」
    古月 美夜:「どうしてだろうね。どうしてこんな、出会い方も酷くて、話した時間も短くて」
    古月 美夜:「なのにあなたは、僕を理解しているんだろう」
    古月 美夜:「ああ、そうだ」
    古月 美夜:「桜は散るから美しいなんて言い方、僕は、嫌いだ」
    陶妙算:茶色の瞳が柔らかく微笑む。
    陶妙算:「ああ、僕も好きじゃない。花が美しいのは、きっと咲き誇るからだ。」
    陶妙算:「けどね。」
    陶妙算:「花が咲き誇るのは、美しく在るためじゃない。」
    陶妙算:幽玄さを帯びた、陶器の人形のような少年の体が古月くんに近づく
    陶妙算:舞い落ちる桜の花びらとともに、桃の香りが強くなる
    陶妙算:「花が咲き誇るのは、次の世代に命をつなげる為だと、僕は思うんだ。」
    陶妙算:「花はきっと、未来のために咲くから綺麗なんだ。」
    古月 美夜:「誰かの未来の為に、枯れて腐っていく為に」
    古月 美夜:「花は、生まれたと言うの?」
    陶妙算:花が咲、緑が息づき、種が落ち、再び芽吹いていく。その連綿と続く命の流れこそを、僕は愛おしいと思う。
    陶妙算:「僕は、そうだと思う。」
    陶妙算:「僕たちは、今、咲いている。」
    陶妙算:「ああ、だから、その僕たちが次に咲こうとしてる剪むのは」
    陶妙算:「きっと、いけないことなんだ。」
    陶妙算:予兆もなく、脈絡もなく、先触れもない。
    陶妙算:時間の流れからはぐれてしまったかのような斬撃が
    古月 美夜:「いや、だ」
    陶妙算:古月くんに襲いかかります
    古月 美夜:「やだ、いやだ、いやだ、いや──」
    古月 美夜:ひゅうっ。
    古月 美夜:刃は、その華奢な体を。
    古月 美夜:育つことを拒み続けた少年の体を、通り抜けた。
    古月 美夜:制服も皮膚も、肉も骨も。おそらくはその下の臓腑まで。
    陶妙算:「花は、散る。」
    古月 美夜:斬られ、開かれ──
    古月 美夜:「いやだ……!」
    古月 美夜:裂ける/咲く。
    陶妙算:「けど、だからこそ、僕たちは。」
    陶妙算:「ただ、生まれ持っていただけの花じゃなく、別のものを得ようとすることができるんだ。」
    陶妙算:失って失って失って失って、失い続けて。
    陶妙算:だからこそ何かを得られるものが在るはず、そう信じた少年の言葉が宙を舞います
    陶妙算:今、まさに咲き誇ろうとしている花に、届いてほしいと願いながら
    古月 美夜:──少年の体は傾き、倒れ伏す。
    古月 美夜:動くか。動かぬか。見定めようとするならば──
    訃静 零:「……ちっ。素人じゃ盾にもなりませんか」
    訃静 零:邪魔者がまだ、一人、居る。
    GM:訃静 零のターン! マイナーで戦闘移動、エンゲージ!
    GM:そしてメジャー。《コンセントレイト:サラマンダー》+《災厄の炎》
    陶妙算:ぎゃん!!
    小早川燐:ぎゃあああ
    GM:対象は同一エンゲージの全員だ!
    GM:命中ダイス
    GM:13dx7+3
    DoubleCross : (13R10+3[7]) → 10[1,2,2,3,5,5,6,6,8,8,9,9,10]+10[1,3,6,6,8]+2[2]+3 → 25

    二宮軍馬:暴走リア不!
    小早川燐:暴走リア不!
    GM:この戦場暴走率高くない!?
    陶妙算:ドッジ!!
    陶妙算:6dx
    DoubleCross : (6R10[10]) → 9[4,4,7,7,7,9] → 9

    陶妙算:ダメすけ!
    GM:《怨念の呪石》、《殺戮器官》、そしてDロイス《強化兵》の力を受け……
    GM:ダメージ!
    GM:9D10+12
    DoubleCross : (9D10+12) → 65[7,10,10,4,8,7,7,6,6]+12 → 77

    陶妙算:出目、でけえな!?
    二宮軍馬:生徒に向かって何だそのダメージは
    GM:兵器
    GM:平均7over……?
    小早川燐:ヤバすぎるでしょ
    二宮軍馬:初期ロイスの名も知らぬスターのロイスをタイタスにして復活
    小早川燐:ゼロのロイスをタイタス昇華して復活
    陶妙算:敵/訃静 零/敬意/敵意○でロイスとって即昇華!
    陶妙算:復活!
    GM:では演出ちょいと
    訃静 零:──その女は、音もなく、白衣の裾をなびかせることもなく間合いに入っていた。
    訃静 零:ひゅるり、と廻る。
    訃静 零:足を軸にして、廻る。
    訃静 零:その打撃は円の動きを基本とし、身体全てで生み出した加速を末端へと伝える。
    訃静 零:拳ではない。平手だ。ただし、炎を纏う手。
    訃静 零:陶、二宮、小早川、三人の間を流れるようにすり抜けながら──炎を纏う手が鞭のようにしなり、痛烈無比の打撃を放つ。
    訃静 零:「纏炎白打」
    訃静 零:「……私をただの研究員と思ってんじゃねえですよ?」
    小早川燐:「……!!」式神に
    小早川燐:式神を展開し、ガードしても受けきれない。膝をつき痛みをこらえる
    陶妙算:剣で防ごうとする。けれど、炎はその行為を嘲笑うかのように陶の体を侵蝕する1!
    二宮軍馬:「……ッつう……!何だそりゃ、達人の動きだぞ」意識を禄郎くんに向けていたため、回避できない。しない。
    陶妙算:呼吸をすれば肺が焼かれる。炎が消えるまで、ひたすら耐える
    訃静 零:「達人だっつーの。八卦掌。能力無しでもあんたの歯くらいまるごとへし折れますともさ二宮くん」
    二宮軍馬:「そいつは怖い」
    GM:では、待機していた大桜の手番だ。
    GM:マイナー、無し。
    GM:メジャー、《戦乙女の導き》+《熱狂》を古月 美夜に行います。
    GM:美夜は暴走状態となり、シーン中の白兵攻撃力+15。さらに次のメジャーではダイス+7の攻撃力+5。
    GM:そしてクリンナップ。ここで大桜はオートアクションとして
    GM:Eロイス《傲慢な理想》×3+《孤独の叫び》を使用します
    GM:範囲はGM任意。なので无月館学院高等学校の敷地全てを選択し──
    古月 美夜:「っ、いやだ!」
    古月 美夜:倒れ伏した少年が、血を吐くように──血を吐きながら、叫ぶ。
    古月 美夜:「いやだ、いやだ、いやだ。枯れるなんていやだ!」
    古月 美夜:「僕は僕じゃなきゃ駄目なんだ」
    古月 美夜:「僕のままじゃなきゃ、誰にも愛してもらえない……っ!」
    陶妙算:その言葉を、哀しみと一緒に受け止める
    古月 美夜:「いつだってそうだ、誰だってそうだった」
    古月 美夜:「〝外側〟の他になんにもいらない、そんな人ばかりだから」
    古月 美夜:「だから僕は」
    古月 美夜:「僕はっ……!」
    〝大桜〟:『──命令を受諾しました』
    〝大桜〟:『私はあなたの望みを叶えます。私は幸福を導き出します』
    〝大桜〟:『それが私の生まれた理由。私がここにいる理由』
    〝大桜〟:『私は全ての性能を以て、あなたの為にお仕え致します』
    〝大桜〟:大桜の花が再び、散ることを止めた。
    〝大桜〟:もう根も絶えている。啜った血が、どれほどに残っているだろう。
    〝大桜〟:それでも大桜は、言うのだ。
    〝大桜〟:『私は自己進化を続ける、未完成の逆行装置』
    〝大桜〟:『あなたの望みを叶えます。その夢の形を描き出しましょう』
    〝大桜〟:──それは声ではなく、脳髄に直接届く音。テレパシーのようなものであった。
    〝大桜〟:物言わぬ樹ではない。意思を持つ一個の存在であると、大桜は我が身を主張する。
    〝大桜〟:……或いはそれが、あと少し早かったのなら。
    〝大桜〟:語り合うことで全てを終えられたのかも知れないと、ほんの少しの夢を見せながら。
    GM: 
    GM:クリンナップ、処理ありますか!
    小早川燐:ないです!
    二宮軍馬:なっしん
    陶妙算:なし!
    GM:OK!
    GM:●ラウンド2
    GM:セットアップ!
    小早川燐:なし!
    陶妙算:なし
    二宮軍馬:ないぞ
    GM:大桜はセットアップでEロイス《戦闘血界》を使用。
    GM:HPを50消費し、古月 美夜の全ての行動の達成値を+20します。
    陶妙算:おばか!!
    小早川燐:ばか!!
    GM:そして訃静 零はブルーゲイルを使用。行動値を+5して10だ!
    二宮軍馬:なんてことをするんだ
    訃静 零:「ヒッ、ハハハハハハハァッ!」ポケットから取り出した注射器を数本束ね、首へと突き刺す!
    陶妙算:悍ましいほどに膨れ上がった桜の木の力に思わず体が震える
    小早川燐:「これは……本当に不味い!!」より一層焦りが強くなる
    GM:そして大桜はこのターンもまた待機する。
    二宮軍馬:「ビビんな!気圧されたら負けるぞ!」
    小早川燐:「分かってる! あの大桜を止めるよ!」
    陶妙算:「うん、そうだね。やるしかないんだ。」
    GM:では、行動順は小早川さんだ。
    小早川燐:マイナーでボルトアクションライフル使用!
    小早川燐:先ほどと同じコンボで大桜を攻撃!
    GM:大桜はドッジダイスが0個だ! ダメージどうぞ!
    小早川燐:12dx7+7
    DoubleCross : (12R10+7[7]) → 10[1,2,2,4,4,5,6,6,8,9,9,10]+10[1,6,10,10]+10[1,10]+6[6]+7 → 43

    小早川燐:5d10+28
    DoubleCross : (5D10+28) → 17[6,3,1,3,4]+28 → 45

    GM:回るぅーう
    GM:計算!
    二宮軍馬:ヤレーッ
    GM:まじかー
    GM:えー
    GM:残、7です
    GM:また7です!!!
    小早川燐:くそおおおおおお
    小早川燐:126+9=135
    GM:何の因果だ! 演出どうぞ!
    陶妙算:厄介さんどもめ!
    二宮軍馬:7……
    小早川燐:「絶対に止める……!」複数の形代が放たれて、灰化する
    小早川燐:虚空から巨大な腕が出現し、桜の幹を掴む。『でいだらぼっち』の全てが大桜へ殺到し、破壊せんとその力が振るわれる!
    〝大桜〟:巨腕につかまれ樹体が悲鳴を上げる!
    〝大桜〟:その力が、伝わる衝撃がとある一点を超えた時──あなたは手応えと共に知るだおる。
    〝大桜〟:生物でもそうだ。〝これ以上傷つけると、もう治すことはできない〟というラインがある。
    〝大桜〟:みしっ。
    〝大桜〟:あなたの振るう力は、〝大桜〟をして、その一線を越えさせた。
    〝大桜〟:『わ、』
    〝大桜〟:『私、は』
    訃静 零:「……ぁ」
    訃静 零:「……はは、っ、ははははは」
    訃静 零:「ちっ……くしょうがぁ……っ!」
    訃静 零:生やさしい言葉で形容したとしても〝ブチ切れている〟。
    訃静 零:もはや自分の思うように進むことなど何一つ無い。それが分かって怒り狂っている。
    訃静 零:「よくも! よくもやってくれた──このUGNの、ポッと出のガキどもが……!」
    訃静 零:「私の計画をめちゃくちゃにしてくれやがって……っ!」
    陶妙算:「そっちこそ。」
    陶妙算:「この学校をめちゃkyちゃにしてくれたじゃないですか。」
    小早川燐:「これが報いだよ、ゼロ。色々なものを踏みにじってきた、その罰を受けるときが来ただけ」
    二宮軍馬:「案外余裕がないんだな」
    訃静 零:「く──ぐうううぅぅぅうっ!!」
    陶妙算:「そしてメチャクチャにするだけじゃありません。ここで」
    陶妙算:「終わらせます」
    訃静 零:「ふざけるなっ!」
    陶妙算:柔らかな茶色の瞳が、鋭さを増す
    訃静 零:「私が──私が、こんなところでくたばるかっての!」
    GM:では、訃静 零の手番だが──
    GM:すまない。まことにすまない。
    陶妙算:なんじゃい!
    GM:訃静は、近くに居た古月の襟を掴み、陶くんの方へと投げつける。
    GM:そしてマイナーアクションの前に用いるのは《瞬間退場》だ
    GM:具体的に言うなら
    二宮軍馬:めちゃくちゃしおるわ!
    小早川燐:なああああああ!?
    GM:古月を投げたその隙に、なりふり構わず走る!
    陶妙算:ずるっこしてんのら!!
    訃静 零:「く、くく……覚えてなさい……! その顔、三人とも確かに覚えましたからねぇ……!」
    訃静 零:「次に会う時は必ず、まとめてぶっ殺してやりますとも!!」
    訃静 零:──負け犬の遠吠えと、笑わば笑え。
    二宮軍馬:「こ……」「小物くせえ……ッ!」
    小早川燐:「ふざけるな……! こんなところで……!」止めようとしてももう遅い
    陶妙算:「正しい判断ですけど」
    訃静 零:もはや勝ちの目がないと知って、脱兎の如く逃げる。そこには矜持も何もない。
    陶妙算:追いかけようとしても、ムダだということがわかる。この二人を抜くとはできないし。そもそもスピードが違う
    訃静 零:だが、その負け犬が最後に一つだけ残していった牙は──
    GM:古月 美夜のターン。
    GM:マイナー無し。メジャー。陶くんへと白兵攻撃。
    GM:11dx10+20 命中判定
    DoubleCross : (11R10+20[10]) → 10[1,3,4,6,6,7,8,9,10,10,10]+10[1,1,10]+10[10]+1[1]+20 → 51

    二宮軍馬:なんじゃああああ!?
    陶妙算:え?どういうこと!?触媒!?
    GM:……なんかよく分からないダイスの回り方した
    GM:うしろの方、1と10しかでてない
    陶妙算:一応ドッジ
    陶妙算:6dx
    DoubleCross : (6R10[10]) → 9[1,2,2,5,7,9] → 9

    陶妙算:はい無理!
    GM:だ、だめーじだいす
    GM:6d10+15+5-5
    DoubleCross : (6D10+15+5-5) → 49[9,5,6,9,10,10]+15+5-5 → 64

    二宮軍馬:殺意
    陶妙算:ちぬ!!
    小早川燐:殺意高すぎる
    陶妙算:小早川さんのロイスを斬って復活します
    GM:たのむから期待値で出て!
    古月 美夜:──投げつけられた。それを、加速とした。
    古月 美夜:誰かを殴ったこともない非力な拳を固めて、似合わぬ程に決死の形相で、
    古月 美夜:古月 美夜は、陶 妙算へ殴りかかる。
    陶妙算:ゼロの逃亡に気を取られ、反応が遅れる
    古月 美夜:型も何もない。殴った後の体裁きなど考えていない。
    古月 美夜:地面に倒れ込むような勢いで、美夜は、
    古月 美夜:「うわああああぁっ!!」ただ、殴った。
    陶妙算:「がっ…!」
    古月 美夜:……もう、ボロボロだ。
    古月 美夜:次の拳を振るうことはないだろう。
    陶妙算:古月くんの拳が薄い胸板に突き刺さる。拳に押されるように空気が吐き出される。
    古月 美夜:それでも美夜は、血でぬかるんだ地面の泥で、服も顔もぐしゃぐしゃに汚しながら、
    古月 美夜:「……いや、だぁ……」駄々っ子のように泣きじゃくりながら、立ち上がろうとしている。
    観世 禄郎:そして──
    陶妙算:意識が飛びそうなるほどの、痛み。けれど、まだ倒れるわけには行かない。
    陶妙算:友達に、いわけなければいけないことがある。
    観世 禄郎:──もう一人
    観世 禄郎:まだ立っている。どうにか立っている。まだどうにか、拳を握れる。
    観世 禄郎:「……二宮ァ」
    観世 禄郎:マイナー、無し。メジャーアクション白兵攻撃、二宮くんへ。
    GM:12dx10+10
    DoubleCross : (12R10+10[10]) → 9[2,2,3,3,4,5,7,7,7,8,9,9]+10 → 19

    二宮軍馬:ううむ暴走
    GM:そしてダメージ
    GM:2d10+24
    DoubleCross : (2D10+24) → 9[5,4]+24 → 33

    二宮軍馬:固定値……
    観世 禄郎:拳を、振り落とす。それしかできない。
    二宮軍馬:陶くんのロイスをタイタスにして復活しよう
    観世 禄郎:空から落ちるような急角度の拳は、他の誰をも見ず、
    観世 禄郎:ただあなただけを睨み付けて振り抜かれる!
    二宮軍馬:避けずに受ける。
    二宮軍馬:「付き合ってやるぜ……センパイよお!」
    観世 禄郎:「生意気抜かしてんじゃねえぞ、後輩の分際でぇっ!」
    二宮軍馬:手番。マイナーなし、メジャー コンセ+漆黒の拳+瞬速の刃
    二宮軍馬:9dx7+2
    DoubleCross : (9R10+2[7]) → 10[1,4,7,7,7,7,9,10,10]+10[3,6,6,7,7,10,10]+10[6,8,8,9]+10[5,7,9]+2[1,2]+2 → 44

    二宮軍馬:今かよ……
    二宮軍馬:ダメージ!
    GM:うぉおおう
    二宮軍馬:5d10+7
    DoubleCross : (5D10+7) → 25[5,7,6,3,4]+7 → 32

    GM:撃破だ。演出をどうぞ。
    二宮軍馬:侵蝕117→125
    二宮軍馬:「生意気こかせてもらうぜ……!」
    二宮軍馬:受けた拳を引き、体制を崩す
    二宮軍馬:水月に肘。
    二宮軍馬:顎に掌底。
    二宮軍馬:そして、背中をぶつける……鉄山靠。
    二宮軍馬:「破ァッ!」
    陶妙算:空気すら震わせるような威力を前にして一瞬呆然としてしまう。
    陶妙算:「これは、骨も折れるわけだよ」
    観世 禄郎:三打の流れに間隙はなく、その重さに幾許の疑いも無し。
    観世 禄郎:人体を効率的に稼働させる技術の一頂点、武術。
    観世 禄郎:その破壊力たるや〝筆舌に尽くしがたい〟と形容せざるを得ない。
    観世 禄郎:人が、飛んだ。
    観世 禄郎:下から突き上げるような打撃の機動そのまま、放物線を描いてだ。
    観世 禄郎:だが、跳ね飛ばされた側にその記憶は無いだろう。
    観世 禄郎:背から全身を、魂ごと叩き付けるような一撃に触れた瞬間、観世 禄郎の意識は既に消し飛んでいた。
    観世 禄郎:……意識を失った体が、十数mも離れた地面に横たわった。
    GM:さあ
    GM:陶くんの手番だ。
    GM:古月 美夜はあなたの目の前で、どうにか立ち上がろうとしている。
    GM:公園で遊んでいた子供が転んでしまい、痛みと驚きで泣きじゃくり、泣くのに精一杯で手足がおぼつかない
    GM:ちょうど──そんな風に、見えることだろう。
    陶妙算:静かに古月くんを見据えています。
    陶妙算:その眼には僅かに哀しみの色がある。
    陶妙算:「『僕のままじゃなきゃ、誰にも愛してもらえない』、なんて。」
    陶妙算:「悲しいことを言うのは、やめてよ。」
    陶妙算:「君は、きっとだいじょうぶだ。」
    陶妙算:「失って、汚れて、また失って、それをずっと繰り返してきた僕にも、手を差し伸べてくれた。」
    陶妙算:「花を散らせた僕にも、優しい言葉を駆けてくれた。」
    陶妙算:「だから、大丈夫。君はきっと、花が散っても、違う美点をモテる人だ。」
    陶妙算:マイナーなし
    陶妙算:メジャーで素殴り!!
    陶妙算:6dx+29
    DoubleCross : (6R10+29[10]) → 10[1,3,7,7,9,10]+10[10]+3[3]+29 → 52

    陶妙算:わーい
    二宮軍馬:殺った!
    GM:リア不! ダメージ!
    小早川燐:来た!!
    陶妙算:「今の、泥に塗れた、格好悪いキミを見ている僕から言ってあげる。」
    陶妙算:「友達になろう。」
    陶妙算:「友達になって、明日の朝日を迎えよう。」
    陶妙算:フェイタルヒット
    陶妙算:6d10+4d10+18
    DoubleCross : (6D10+4D10+18) → 36[5,2,8,9,6,6]+24[2,7,8,7]+18 → 78

    二宮軍馬:オーバーキルでは……?
    陶妙算:どや!!
    小早川燐:出目が走ってる……
    GM:文句無し。完全に撃破──
    GM:全ての敵対者の無力化を確定。演出をどうぞ
    陶妙算:「だから。」
    陶妙算:「今日はもうおやすみ」
    陶妙算:柔らかな茶色の瞳を潤ませながら、しずかに微笑む
    陶妙算:ゆるりと体を前に倒すと、いつの間にか古月くんに密着している
    陶妙算:ほのかな桃の香りが、古月くんの鼻腔を刺す。
    陶妙算:《ゆらり》
    陶妙算:と伯耆安綱が跳ね上がる。
    陶妙算:同時に陶と古月くんの体が交差する。
    陶妙算:《ちりん》
    陶妙算:と伯耆安綱が鞘に収まる音が響く
    陶妙算:同時に、咲き誇るように。あるいは舞い散るように。古月くんの体から血が吹き出した
    古月 美夜:身に纏う血の防壁も、微笑みの仮面も何もかも剥ぎ取られて、
    古月 美夜:少年は、子供でいられる日々に別れを告げる。
    古月 美夜:一歩か二歩か、先を歩くその背へ追いつきたいと思ったのだろうか。
    古月 美夜:倒れ伏した体は、
    古月 美夜:何かを掴もうとするように手を伸ばしていた。
    陶妙算:朝露のかかった花弁のようにゆるやかにその身をかかげます。
    陶妙算:そして蝶が花に止まるように軽やかに、優しくその手を掴む
    GM:……力無い手をあなたは掴む。か細く、華奢で、力仕事を知らないような手。
    GM:今日、初めて人を殴ったのだろう。皮膚が裂け、血が滲んでいる。
    GM:少しだけその手は、歳を重ねたのかも知れない──
    GM:──と。想いをもし、馳せていたのならば、
    〝大桜〟:『……命令者が行動不能に陥りました』
    〝大桜〟:あなたは、桜の声を聞く。
    〝大桜〟:『暫定的に新たな命令者をセットし、待機致します』
    〝大桜〟:『命令者よ、私は何をすれば良いでしょうか』
    〝大桜〟:『私は全ての性能を以て、あなたの為にお仕え致します』
    〝大桜〟:桜は──あなたに問うている。
    〝大桜〟:もはや枯れ逝くばかりの身と成り果てて、なお。
    〝大桜〟:誰かに仕えることを、望んでいる。
    陶妙算:古月くんの手を取ったまま、静かな声で応えます
    陶妙算:「そうだね。」
    陶妙算:その身が壊れても、枯れ果てても、誰かの願いを叶えることを使命だと信じるのなら。
    陶妙算:「なら、僕たちを見守っていてほしい。僕たちに幸せな明日が来るように、祈っていてほしい。」
    〝大桜〟:『命令を受諾します』
    陶妙算:「力は、使わなくていいんだ。」
    陶妙算:「僕たちを、僕たちの後に咲いていく花たちを。」
    陶妙算:「慈母のように、或いは父のように見守ってくれれば。」
    陶妙算:「それでいい」
    〝大桜〟:『……………………』
    〝大桜〟:『……命令者。錯誤無き遂行の為に問います』
    〝大桜〟:『何かを失うと知りながら、その確信に怯えながら』
    〝大桜〟:『それでも人は、先へ進むべきなのでしょうか』
    陶妙算:「どうなんだろうね。」
    陶妙算:「もしかしたら、止まっていたほうが幸せなのかも知れない。」
    陶妙算:「けど。」
    陶妙算:時間の流れが前にしか進んでいかないように、
    陶妙算:花が咲いて、枯れて、また新しい花が芽吹くように
    陶妙算:人が生まれて、成長して、別の命を育みながら、また老いていくように
    陶妙算:「僕たちは、先に進むことしかできないようにできてるんだ。」
    〝大桜〟:『……ああ』
    陶妙算:「間違いも、過ちも、後悔も。」
    〝大桜〟:『そうでしたね』
    〝大桜〟:『元来、命とはそういうものでした』
    陶妙算:「全て、先に進みながらじゃないと、解決することができないんだ。」
    陶妙算:「君にも、命はある。」
    〝大桜〟:『ええ』
    陶妙算:「ありがとう、その生命を、僕の友達にために使ってくれて。」
    〝大桜〟:『……………………』
    〝大桜〟:『私は、木です』
    〝大桜〟:『そして合理の機械です』
    〝大桜〟:『少し自己進化を進めすぎた、というきらいは有ります』
    〝大桜〟:『ああ、なるほど』
    〝大桜〟:『学習完了。次はもっとうまくやってみせます』
    〝大桜〟:『が……』
    陶妙算:「うん、そうだね。」
    〝大桜〟:『稼働開始より二万七千八百三十日が過ぎました』
    〝大桜〟:『……少し、眠いです』
    陶妙算:「次に会う時は、君友だちになれると良いな。」
    陶妙算:「だから、その時まで」
    陶妙算:「おやすみなさい。」
    〝大桜〟:『ええ、その時まで──いえ』
    〝大桜〟:『せめて私にも、この台詞を言わせてください』
    〝大桜〟:『おやすみなさいませ』
    〝大桜〟:『……また、明日』
    GM:──風が吹く。花が散る。
    GM:巨木、天蓋の如く張り出した枝。
    GM:全ての花が落ちるまでには、きっと、もうしばらくかかるのだろう。
    GM:それはおそらく、そう──夜だ。
    GM:夜の大桜は見物だろう。夜風を最後の息吹として、別れを告げる花弁を舞わせるのだ。
    GM:明日には醒める、一夜の夢の如く。
    GM:残夏の夜桜は散っていく──。

    バックトラック


    GM:バックトラック!
    GM:今回のEロイスはこちらです
    GM:《不滅の妄執》《戦闘血界》《傲慢な理想×3》《孤独の叫び》
    GM:使いますか?
    小早川燐:使います!
    二宮軍馬:もらえるもんはもらっておくぜー
    陶妙算:つかわ、ない!!
    GM:ようし、では使う組ダイスどうぞ!
    小早川燐:135-6d10
    DoubleCross : (135-6D10) → 135-41[3,7,10,9,10,2] → 94

    GM:そしてそのまま、通常のロイス使った侵蝕軽減までどうぞ
    二宮軍馬:125-6d10
    DoubleCross : (125-6D10) → 125-46[7,9,8,10,7,5] → 79

    陶妙算:110-4d10
    DoubleCross : (110-4D10) → 110-29[2,9,10,8] → 81

    陶妙算:5点!!
    小早川燐:メモリーは使用せず等倍で
    二宮軍馬:1倍!
    小早川燐:94-5d10
    DoubleCross : (94-5D10) → 94-25[4,10,1,6,4] → 69

    二宮軍馬:79-3d10
    DoubleCross : (79-3D10) → 79-17[6,6,5] → 62

    二宮軍馬:ンッン~まあ良し
    二宮軍馬:4点!
    GM:では経験点は、まずはいつもの5点のセット!
    GM:そこに〝大桜の根を引き剥がす〟〝ループ状態を終わらせる〟などなどのシナリオ経験点が10!
    GM:そこに侵蝕分を合わせてください!
    二宮軍馬:19!
    小早川燐:浸食分が4点なので19点!
    GM:(19+19+20)/3
    陶妙算:19点!!
    陶妙算:じゃねえ、20点!!
    GM:OK! そして私は端数切り捨てで19点!
    GM:ということで全員帰還でございますお疲れ様でした!
    二宮軍馬:ワーイ
    小早川燐:わーい! お疲れ様でした!!
    陶妙算:やったぜ!!

    ED1:彼女の〝理由〟


    GM:──今日は月曜日だ。全ての計器はつつがなく、時間が前に進んでいることを示している。
    GM:寧ろ、ほとんどの人間にとってはそれが当然だ。意識することさえあるまい。
    GM:〝同じ一日を何度も繰り返した〟という報告は、理屈としては分かっても実感しがたいものであるのか、
    女性エージェント:「……なんとも、これは、また」
    女性エージェント:「不思議なことが起こっていたものですね……」
    女性エージェント:脳髄以外を機械に置き換えた筈のそのエージェントは、機械らしからぬふわっとした物言いをした。
    小早川燐:「ははは……。本当ですよね」リラックスしたような笑い方で
    小早川燐:「夢でも見てるみたいでした。まさかオーヴァードになってもこんな気持ちになるなんて」
    女性エージェント:「夢のようなものかも知れません、学校での日々のことなんて」
    女性エージェント:「私にとっても、たかだか十年程度の昔のことなのに、もう殆ど記憶に残っていない」
    女性エージェント:「……現実の世界に出るまで、短い夢を見る場所。そういう場所が、学校なのかも知れません」
    小早川燐:「……ふふ。本当、不思議な場所ですよね学校って」あの学校とそこで出会った人々に思いを馳せる
    小早川燐:「本当……辛いことも色々あったけど楽しかったです。あの場所で過ごした時間は」
    女性エージェント:「ならば、良かった」
    女性エージェント:「……大半の生徒には──記憶処理の必要性すらない。何が起こったかも気づかないまま」
    女性エージェント:「无月館学院は、少しだけ欠けの出来た日常へ戻ります」
    女性エージェント:「改めて──おつかれさまでした」
    小早川燐:「こちらこそ本当にありがとうございました。任務をこなせたのはサポートあってのことです」頭をぺこりと下げる
    小早川燐:「ところで……」
    女性エージェント:「あっそうでした、わたしには次のお仕事があるのでしたー」
    女性エージェント:──何かを、察したものだろう。
    女性エージェント:女性エージェントはそらとぼけをしながら、じりじりと後退を始める。
    小早川燐:「ふふふ……」いつのまにか背後には小早川の姿を模した従者が控え、肩をポンと
    女性エージェント:「なっ!? 速──」
    小早川燐:「逃がしませんよ~!! 取ったりー!」笑顔で駆け寄ってほっぺたをぐにぐに!!
    女性エージェント:「ひゅぇええええぇぇ──」
    女性エージェント:捕まえた頬の感触は、
    女性エージェント:冷たい。
    女性エージェント:妙に固い。
    女性エージェント:見た目は普通の人間の皮膚だが、どこか手触りに違和感がある。
    女性エージェント:と、事前の忠告通り三拍子そろったものとなるだろう。
    女性エージェント:大概のことには動じないだろうUGNのエージェントだが、この攻撃には困惑している。
    小早川燐:「……新境地!!」目がキラーン。そんなものは小早川燐にとって新たな刺激にすぎない。存分に両手で味わうようにぐにぐにぐにぐに
    小早川燐:「これは良いものですね……ひと味違った素晴らしい味わい……100点……」一通りぐにぐにして満足した後に解放
    女性エージェント:「さ、採点基準、不明……」
    女性エージェント:と、しばらくは困惑でフリーズしたように棒立ちしていた彼女であったが、
    女性エージェント:「小早川さん」
    小早川燐:「はい!」ニコニコしながら答える
    女性エージェント:「楽しかった、とおっしゃいましたが」
    女性エージェント:「私たちの仕事は、その……〝そういうこと〟ばかりではない、と思います」
    女性エージェント:「救えると思っていたものを取りこぼす」
    女性エージェント:「……助けたかったものを助けられない、そんなのは日常茶飯事です」
    女性エージェント:「それでも、なお、貴女は」
    女性エージェント:「いえ──何故。あなたは、戦うのですか?」
    小早川燐:「……私、破風の会に可愛がっていた後輩がいたんですよ」
    小早川燐:「まあ私なんかより凄く立派で、強い子なんですけど些か事情が特殊で。自分の正義についていつも悩んでるような子でして」
    小早川燐:「正直、私は正義なんてどうだって良いと思うんですよ。私達はたまたま秩序を守る側だったからこうやって戦っているわけで、あんまりそんな曖昧な概念のために戦うのは好きじゃありません」
    小早川燐:「ただ、そんな彼みたいな人とかUGNで出会う人たちが色々なものに雁字搦めにされて、苦しんでて」
    小早川燐:「……ああやって踏みにじられて亡くなっちゃう人もいて」
    小早川燐:「そんな人が少しでも楽になれば良いなって。少しでも生きてくれればなって。そうなってくれたのなら私は嬉しい」
    小早川燐:「私が戦う理由はそれだけですし、それを背負うために戦う覚悟は出来ています」
    女性エージェント:「……なるほど、出過ぎたことを申し上げたようです」
    小早川燐:「いえ。まだまだ私も未熟ですから。あんな弱音も出てしまったりして」
    小早川燐:「……これからもどうか、よろしくお願いします」深々と頭を下げる
    女性エージェント:「今回の任務に派遣したのが、あなたで良かった。心からそう思います──」
    女性エージェント:女性エージェントは、あなたと同様に頭を下げながら──しかし、手に持っていたバインダーから、
    女性エージェント:一枚の資料を引き抜いて、あなたの手元へと差し出す。
    小早川燐:「これは……?」
    女性エージェント:「休みなしですいませんが、次のお仕事です」しれっと
    女性エージェント:「最近、UGN関連施設で細々とした盗難事件が発生しています」
    女性エージェント:「おおかた不届きな職員でもいるのでしょう。しばらく、支部や関連施設の巡回をお願いできれば」
    女性エージェント:「……そのうち、市内の別な指揮系統から、もっと具体的な指示が下るでしょうが」
    女性エージェント:「それまで、よろしくお願いします」
    小早川燐:「了解しました。UGNエージェント”コープスイーター”。謹んで任務をお受けします」
    女性エージェント:差し出した資料をあなたの手に残し、女性エージェントは滑るような足取りで後退していく。
    女性エージェント:それは、頬をぐにぐにとされた意趣返しが7割──
    女性エージェント:と、悲しき人手不足が理由の3割であった。
    小早川燐:「ははは……これも……覚悟してたつもり……」苦笑いで資料をめくる
    小早川燐:それでも、自分が動くことで少しでも誰かの肩代わりが出来るのならば。今も戦う誰かが少しでも笑えるならば
    小早川燐:それが、自分がこの力を──『でいだらぼっち』を受け継いだ意味になるのなら
    小早川燐:私はまだ戦える。私は前を向いて歩いていける
    小早川燐:小早川燐は現場に向けて歩き始める。UGNエージェント”コープスイーター”の再始動だ

    ED2:相棒


    GM:──今日は月曜日だ。全ての計器はつつがなく、時間が前に進んでいることを示している。
    GM:来訪時と比べて、立ち去るあなたを見送る目の数は多くはない。
    GM:今頃体育館では校長が、〝不幸な事故〟により亡くなった、とある生徒の話をしているだろう。
    GM:交換訪問はそれによって中断となった。それが、あなたが去る為のカバーストーリーだ。
    明石 牡丹:「もうおしまいかぁ。長かったような、短かったような──」昇降口の手前には、幾分かは見慣れた筈の脳天気な顔。
    二宮軍馬:「複雑だが、両方だな」
    明石 牡丹:「数日なのは確かなんだけど、日付の感覚がぐっちゃぐちゃだぁ、あはは」と、空元気に鞭打って笑っている。
    二宮軍馬:「体感時間は長かったからな……」
    二宮軍馬:この学校に来たときと同様のジャージ姿だ。
    二宮軍馬:事件が解決した以上、もはやここにいる意味もない。
    明石 牡丹:「……寂しくなるなぁ」
    明石 牡丹:ぽつり、と呟く。
    明石 牡丹:あれから──古月 美夜と観世 禄郎は一度、UGN管轄の施設に移送された。
    明石 牡丹:公的には〝事故に巻き込まれて大きな怪我をした為〟となっているが、
    明石 牡丹:端的に言えば〝処遇を決定するまでの間の拿捕〟だ。
    明石 牡丹:寂しさを嘆く明石自身もまた同様に、沙汰を待つ身。
    明石 牡丹:被害の度合いはさておき、同じUGNのエージェントに文字通り牙をむいたのだから。
    二宮軍馬:「ま、そう言うなよ相棒。陶のやつもいるしよ」
    明石 牡丹:「あ、相棒かぁ……」ちょっと困ったような顔をする。
    二宮軍馬:「一時でも相棒だったんだからよ、まだこの学校出るときまでは相棒だぜ」
    二宮軍馬:「どこかの施設送りになったら顔くらいは見せに行ってやんよ!」
    明石 牡丹:「その真っ直ぐな善意が心に痛い……」
    明石 牡丹:オーバーなリアクションで顔を手に隠す。
    明石 牡丹:「……………………」
    明石 牡丹:それから、その手を顔から避けて、
    明石 牡丹:あなたの正面に、何か覚悟を決めたような顔つきで向き直る。
    二宮軍馬:「む」
    明石 牡丹:「今回の事件はちょっと〝特殊〟だったから、UGNの方も処置に困ってる」
    明石 牡丹:「だって、僕がやっちゃったことの割には」
    明石 牡丹:「……直接僕が傷つけられた相手なんて、君達しかいないんだもの」
    明石 牡丹:「何かする前にボコボコにされちゃったからね!」
    二宮軍馬:「まあ……それは……そうだな」
    明石 牡丹:「そういう時さ、UGNって好きじゃん、〝現場判断〟」
    二宮軍馬:「いちいちお上に伺い立てるわけにも行かねえしなあ」
    明石 牡丹:「……うん。だからたぶん、君達に決めてもらうことになる──」
    明石 牡丹:「──って言われた。UGNの人に」
    二宮軍馬:「なるほどな」
    明石 牡丹:「だからね、任せる」
    明石 牡丹:「凍結処分なら、それでもしかたない。シベリア支部送りでも別にまぁ、寒さとかは大丈夫だし?」
    明石 牡丹:「……どうせだったら〝相棒〟に、処遇を決めてもらいたいな、って」
    二宮軍馬:「……」
    二宮軍馬:「面倒なこと押し付けやがって。人のケジメをどうこうすんのは苦手なんだよ」
    明石 牡丹:「……ごめん」
    二宮軍馬:「まあゼロのヤツにそそのかされてたとはいえ?協力者相手に喧嘩売ったからなァ」
    明石 牡丹:「ううぅ……」指摘されるとばつが悪そうに縮こまる
    二宮軍馬:「まあでもその分はこっちもぶん殴ったからチャラか」
    二宮軍馬:「えーと?あとは……オレたちがゼロたちと戦ってた時は?」
    二宮軍馬:「あいつのけしかけたジャームと戦ってたんだっけなあ」
    二宮軍馬:「……お?借金が無くなっちまったぜ」
    二宮軍馬:「コイツは困った。目の前の裏切り者を罰する手段がない」
    明石 牡丹:「……僕が言うのもなんだけどさ。採点甘いよね」
    明石 牡丹:はぁ、とため息を吐き出して、
    明石 牡丹:「……じゃあ」
    明石 牡丹:「借金、増やしちゃおうかなぁ」
    二宮軍馬:「あん?どういう事だよ」
    明石 牡丹:明石は、ぱかっと大きく口を開いて、
    明石 牡丹:「あー」あなたの腕に、尖った犬歯を押し当てようとするだろう。
    明石 牡丹:肉を食い千切る程の力は入れずとも、皮膚を破き血を滲ませる程度の鋭利さは、その牙に有る。
    二宮軍馬:甘んじて受けようか
    明石 牡丹:皮膚一枚。それでも血は流れる。……喉を濡らすに足る血が。
    二宮軍馬:「……」
    明石 牡丹:力を込めて振るえば、人の骨を砕くに足る凶器の腕。それに口づけ、血を啜る。
    明石 牡丹:やがて、量にすればせいぜい、グラスの底を赤くする程度ではあろうが、満ち足りたか牙は離れて、
    明石 牡丹:「ねぇ、相棒」
    二宮軍馬:「何でえ」
    明石 牡丹:「……やっぱりいろいろと毒されてない? 大丈夫……?」
    明石 牡丹:加害者が、心底心配そうな顔をするのであった。
    二宮軍馬:「……馬鹿野郎、こんなもん肉食って寝たら治るんだよ」
    明石 牡丹:「肉ねー、どんな味してたか忘れちゃったけど」
    明石 牡丹:「うん」
    明石 牡丹:「なら、ちょくちょく甘えに行っちゃおうかな」
    二宮軍馬:「おう、コイツは貸しにしといてやるからな。返しに来いよ、相棒」
    明石 牡丹:「お土産に肉を持っていけば許してくれるに違いない!」
    明石 牡丹:──いずれあなたの元には、UGNの査問官が訪れるだろう。
    明石 牡丹:あなた達の功績を賞賛しつつ、とあるUGNチルドレンの〝報告にあった問題〟についてを問われる筈だ。
    明石 牡丹:だが、それはまだ先のこと。
    明石 牡丹:明石 牡丹は出会った時より少し静かに、両手を振ってあなたを見送ることだろう。
    二宮軍馬:後ろ姿で片手を振ってその場を去ります。
    二宮軍馬:また、じきに次の任務が始まるだろう。
    二宮軍馬:自分は相変わらず、この拳で目の前の壁を突き抜けるだけだ
    二宮軍馬:その過程で、一人でも多くの友人を救えるのなら、まあそれも悪くはないのだろう

    ED3:四季


    GM:──今日は月曜日だ。全ての計器はつつがなく、時間が前に進んでいることを示している。
    GM:中でもこの施設は厳格で厳密だ。あらゆる〝異常〟はこの施設では起こりえない。
    GM:N市内第10地区、その地下に存在するUGN管轄の〝病院〟に、古月 美夜は押し込まれていた。
    GM:戦闘での傷は既に完治している。収容されて直ぐは半ば錯乱しているような状態だったというが、
    GM:今は精神状態も安定──面会の許可が下りている、という訳だ。
    古月 美夜:「……………………むぅ」そんな美夜だが。会いに行ったのならば病室のベッドの上で、拗ねたような顔をしていることだろう。
    陶妙算:「や」
    陶妙算:そんな様子には構わず声をかけます。
    陶妙算:「思ったよりも元気そうだね。」
    古月 美夜:「……陶くんか、〝土曜日以来〟だね──あぁ、幸いにもね」
    古月 美夜:「体の傷はリザレクトですっかり元通り。そもそも僕は、侵蝕率を伸ばせるほど強力なオーヴァードじゃない」
    古月 美夜:「ドーピングで暴れすぎたぶり返しがちょっとキツかったくらいのものさ」
    古月 美夜:答える調子は普通なのだが、拗ねたような顔はそのままだ。
    古月 美夜:直ぐにもあなたは、原因を知ることになるだろう。
    陶妙算:「ああ、なるほど。」
    陶妙算:「僕も同じようなものだからね。そのきつさは、ちょっとわかるよ。」
    陶妙算:上質のシルクのように白く、柔らかな頬をゆるませながらいう。
    古月 美夜:「同じ? ははっ、まさか。月とすっぽんくらいの違いはあったさ!」
    古月 美夜:と、やけにとげとげしい言葉の理由は、ベッド脇に設置された荷物置きの籠の中。
    陶妙算:かごの方に目をやります
    古月 美夜:そこには真新しいシェーバー──電気髭剃りが、無造作に放り込まれていた。
    陶妙算:スネている理由を察する。
    陶妙算:そしてそんなことが不機嫌になっている彼が可笑しくて、可愛くて、くすりと笑ってしまう。
    古月 美夜:「むっ」その笑い声に反応して顔を上げ、彼の視線を追い、
    古月 美夜:「はぁぁぁぁぁー……」と大きな溜息の後に言うには、
    古月 美夜:「……やー、いつかそうなるだろうとは思ってたけどさ」
    古月 美夜:「追い打ちのタイミングが酷くない?」
    陶妙算:「時間が進むっていうのは、そういうことだからね。」
    陶妙算:「羨ましいよ。これで新しいオシャレもできるようになるんだから。」
    古月 美夜:「そうか──それが持っている側の人の余裕か」
    古月 美夜:「やられる立場になると分かるけど、うん」
    古月 美夜:「くやしいな!」
    古月 美夜:八つ当たりのように、膝に被さっている布団を思いっきり蹴っ飛ばしながら、美夜は声を上げて笑った。
    陶妙算:つられたように、また笑う。
    陶妙算:「ふふ。」
    陶妙算:「友達とこういうに風に一緒に笑うっていうのは。」
    陶妙算:「いいものだね。」
    古月 美夜:「……ああ、そうだね」
    古月 美夜:「いや、ね。入院してから僕もよくよく考えて気づいたんだけど」
    古月 美夜:「友達を作るのが初めてなのは、たぶん、君だけじゃない」
    陶妙算:「?」
    古月 美夜:「僕もさ」
    陶妙算:「ひどいな、君はあれほど皆に慕われているのに」
    古月 美夜:「あははは、ああいう方向性の好かれ方でいいならいくらでも教えてあげるさ」
    古月 美夜:「陶くんなら引く手あまたの花になれる、それは僕が約束しよう!」
    古月 美夜:「……けど」
    古月 美夜:「たぶん、こう……なんて言うかな。それは、友達とは違うんだろうなぁ、って思ったんだ」
    陶妙算:「なら」
    陶妙算:「うん、そうだね。」
    古月 美夜:「今まで、誰かと喧嘩したことなんてなかった」
    古月 美夜:「我が儘を言って、それが通らなかったこともなかった」
    古月 美夜:「……いや、それはそれで居心地が良いものだし、手放すのは惜しい特権だ。それは認めるけど」
    陶妙算:じっと古月くんの話を聞いている
    古月 美夜:「本気で誰かと、譲れないことをぶつけ合って喧嘩するのも」
    古月 美夜:「たまになら……悪くないなって、思った」
    古月 美夜:「それが僕だけじゃないならいいな、とも思ったけどね。どう?」
    古月 美夜:どうだ、と問うその顔に、不安げな様子は全く見えない。
    古月 美夜:根は、同じなのだ。
    古月 美夜:自信家の根は同じでも、そこから伸びる枝葉は、季節が過ぎれば入れ替わる。
    古月 美夜:春はもう終わった。
    古月 美夜:少し遅れて少年は、夏を生きようとし始めている。
    陶妙算:指を伸ばし、そのしたり顔を、とん、とつつく
    古月 美夜:「んっ」
    陶妙算:「ボクの気持ちはもうたくさん伝えたよ。」
    陶妙算:「それ以上を求めようなんて、野暮じゃないかな。」
    陶妙算:花弁のような舌を一瞬見せて、悪戯っぽく笑う
    古月 美夜:「そうかな」
    古月 美夜:「もしかして陶くんは忘れてるかも知れないけれど──」
    古月 美夜:「僕は結構、いやかなり」
    古月 美夜:「欲張りな方だと自覚してるよ」
    古月 美夜:ベッドから美夜は立ち上がる。
    古月 美夜:少しばかり背が伸びたようにも思うだろうが──錯覚だ。丸めていた背筋を伸ばしたに過ぎない。
    古月 美夜:いつかより少し高くなった視線は、蠱惑的な色こそ幾分か薄れたが、
    古月 美夜:「今は、野暮で結構」
    古月 美夜:「初めての〝友達〟だ。初手からあまり無茶はしないようにはするけれど──」
    古月 美夜:「遠慮はしないで、いかせてもらうから」
    陶妙算:その視線を逸らすように体を傾ける。
    陶妙算:細く、青白いうなじが古月くんの視界に一瞬映る。それは照明に照らされて白磁の陶器のように美しく、儚げにみえた。
    陶妙算:「〝友達〟って、そういうものなの?」
    陶妙算:左手で口元をかくしながら、くすりと笑う
    古月 美夜:「さあ、なにせ初めてのことで、冗談の加減も分からない」
    古月 美夜:「けれど、陶くんの前で油断してると引きずり込まれそうだからね」
    陶妙算:「お互い、慣れないことばかりで大変だね。」
    古月 美夜:「ああ。だからこうやって、虚勢で芯を通すのさ」
    陶妙算:いいながら時計を確認します。そろそろ帰らないといけない時間だ。
    古月 美夜:「……帰るのかい?」
    陶妙算:「うん。今回の件の報告とか、いろいろやらないといけないこともあるしね。」
    陶妙算:「ねえ、古月くん。」
    古月 美夜:「そっか──うん?」
    古月 美夜:ベッドの上に戻り、また膝にタオルを乗せながら応じる。
    陶妙算:「僕はね。」
    陶妙算:「春に咲く花も好きだけど、夏に強く芽吹いている緑も好きなんだ。」
    陶妙算:「秋の赤く染まった森も好きだし、冬の枯れ木だって風情があると思う。」
    古月 美夜:「ああ」
    古月 美夜:「たぶん、それはね」
    古月 美夜:「陶くんが、人を好きだからだ」
    古月 美夜:「少なくとも僕は、そう思う」
    陶妙算:「そう、なのかな。」
    古月 美夜:「きっとね」
    古月 美夜:「だから僕は、君が好きだよ」
    陶妙算:うん、きっとそうなんだ。
    陶妙算:だから
    陶妙算:「僕も今の君が好きだよ。」
    陶妙算:変わったり、失ったり、成長したりしながら
    陶妙算:この世界を、時間の中を生きているものが好きなんだ。
    陶妙算:「ありがとう。それじゃあ、またね。」
    古月 美夜:「ああ、また」
    古月 美夜:「次までにはこの髪も、少し短く切っているよ」
    陶妙算:そう言って部屋から出ていきます。
    陶妙算:部屋の中には、桃の香りがかすかに残っている

    ──无月館学院高等学校の校庭には、大きな桜の樹がある。
    もう花実をつけることはない骸。
    けれども枝と幹で日陰を落とし、寄りかかるものを休ませることはできる。
    時間は先へと流れる。
    人は、前へと進む。
    けれど少しだけ──休みたいと思う少年がいたのなら、
    物言わぬ桜の樹は、静かに彼に寄り添うのだろう。
    『私はあなたの望みを叶えます。私は幸福を導き出します』
    『それが私の生まれた理由』
    『私がここにいる理由』

    『残夏の夜桜』──完。


    GM:以上で残夏の夜桜、全行程を完了致します。
    GM:お疲れ様でした!
    二宮軍馬:おつかれさまでしたー!
    小早川燐:お疲れ様でした!!
    陶妙算:おつかれさまでした!