烏が鳴くから
帰りましょ

狂依存症のフィロソフィー

編曲:霹靂(チルドP)さん(ニコニコ動画マイリスト
作詞:ハシブトガラス

綻び開く一輪の 柔い襞に舌を挿せば
キツく締まる枷のように 逃がさないわ
儚くか細い指なら 奥まで咥えられるから
熱に浮かれ貪りなさい 罪の味を

硬いベッドを真っ赤に染め上げ横たわる
疲れ果て喘いでも痛みが足りない

注いで 甘く苦い蜜を
突き刺し飲ませてよ溺れるほど
私を好きにしていいから 暗い地の底にいつか夜が明けるように



あなたの心の地獄を知る者は他にはいない
想起のたび刺さる棘が抜けないなら
儚くか細い首筋 素肌に浮かんだ動脈
全部わたしのものにする 素敵でしょう!

白い背中に噛み付き 飲み干す血の味で
満たしても 充たしても 痛みが消えない

望まず全てが見える眼を わたしの殺意あいじょうで抉りましょう
空虚の眼窩に口付けて 黒い薔薇の中 今はただ二人きりで


黒猫しにがみの歌も途絶えて 館は静かに眠る もう黒く燃え尽きた神の火たいよう 孤独に光は射さない

融かしてmeltdown
暖かな記憶も 盗み見た醜い人の心セカイさえも
全てはterrible souvenir
忘れ去りましょう いつか夜が明けるまでは








 さとこい共依存どこまでも墜ちていけ救いなどこの地底には無い百合です。救われた時に二人の関係は砕けます。
 そもそも地霊殿って作品の雰囲気が退廃的と言いますか、耽美な色合いを持っていると言いますかね。
 同じ滅びの美の妖々夢はもうちょっと淡く吐かない色合いなのに、暗く毒々しい血みどろなイメージが地霊殿にはあります。
 そういう雰囲気に合うのは、毒のど真ん中にいる少女の語りかなぁとか思いました。
 ボーカルほりまいさんの声質がビックリするほどピッタリでした。計算外の嬉しさ。

 歌詞ですが、一番は猥歌ですね。二番もそのつもりなのですがちょっと血が混ざります。
 どこまでも与えられたがるさとりと、与えながらもその実は奪い取りたいこいしの、ちょっとした致命的なすれ違い。
 従者はどこへ行ったんでしょうね。
 黒猫の歌も途絶えて神の火は黒く燃え尽きて。はてさて。

 こちらは東方ボーカルアレンジサークル『Arca-NadiA』の初作品でございまして、動画から何から気合いが入っています。
 制作の裏話と言うのでもありませんが、主催のロリさんが複数パターンのミックスを準備して、それをメンバーがやいのやいの言いながら選ぶ。
 そんな行程を経て最終的に、動画のこのバージョンになっています。

 Cメロでハルトマンが入ってくるあたりからこの曲は一気に良くなると思うのですが、特にラスサビは凄いですよね。
 メインの少女さとりの裏にハルトマンが流れてくるあれは、編曲担当霹靂さんが数時間でやってくれました。
「こんな風にしたらどうですか」「難しいですね」「そうですか……」「でも出来ました」「なんで?」

 ふりがなもあまり荒ぶっておらず、ストレートに欲望ブッパな感じの歌詞です。
 やっぱりCメロからが自分でもとても好きな感じに仕上がってます。