『Wild Flowers』


”星の尾”アルワン(キャラシート)PL:カムリ
血鮫魔女レゼナ(キャラシート)PL:粘土
"祓栗鼠" ミレイユ(キャラシート)PL:いーさにうむ
〝白狼酋長〟ラング(キャラシート)フェロー

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メイン雑談

目次

  • プリプレイ
  • 盟約の払暁(アウローラ)
  • 呪痕の恋情(ラ・ルーチェ)
  • 旗揚げ
  • 探索1:見張りは2匹
  • 探索2:魔女の小屋
  • 決戦
  • 結末

  • プリプレイ


    GM:では卓の前の……プリプレイとかいう感じの時間だ。
    GM:突然ですが今回のキャンペーンでは、ちょっとしたローカルルールをもうけます。
    GM:①武技によるダイス目操作で発生する痛打は、(冒険者レベル)D6の装甲無視ダメージとする。
    GM:これはエネミーが痛打で封殺される・痛打封殺を避けるためにエネミーが過度に強くなる・エネミーが増えすぎることを避ける為です。
    GM:とはいえ普通に1/36引いて何も無しはつまんないので、そっちでは痛打表を振ってもらうことにします。
    GM:②冒険達成の経験点は一律3000点とする。成長点は6。達成回数は2回扱いにする。
    GM:単純に、2倍速で成長するモードみたいな感じです。
    GM:キャンペーンでそれなりの回数をやる予定とは言え、たぶん普通にやってたら
    GM:翡玉等級いかないかなー……くらいで終わりそうでもったいない
    GM:成長速度に下駄を履かせてガンガン成長してもらい、キャンペーン中はフリー卓に出せないことの補填とします。
    GM:これはもうひとつ、駆け込み祈念使用忘れとかの省略の意味もあります。
    GM:PLやるたびに忘れるんだもん祈念
    GM:もちろん金銭報酬も倍相当で得られるように想定します。
    GM:……というところだが質問とか不明点あるかね?
    ”星の尾”アルワン:大丈夫!解りやすかったッス
    血鮫魔女レゼナ:大丈夫です~
    "祓栗鼠" ミレイユ:大丈夫よ
    GM:よろしい、では

    人を旅に誘うものは出会いである。
    そして旅の始まりは、案外ありきたりだったりもする。

    北辺の地ノールベイト。
    この地を切り拓かんとする羅針団の試みは、ついに新たな局面に至る。
    即ち、冒険者ギルドの設立である。
    アールマスとの交流で蓄積したノウハウを元に現地住民を冒険者とし、開拓の一助としようというのだ。

    布告は吹雪も追いつかぬ速度で、凍てつく大地に広がった。
    そして今日、ノールベイト冒険者ギルドの一期兵とも呼べる者達が旅に出る。

    ……目新しさのない第一章、小鬼退治。

    05:Wild Flowers



    ──新天地の開拓は進んでいる。
    氷雪は固く大地を閉ざすも、決して不帰の死地ではなくなった。
    雪の下にも新芽は育ち、獣は平原を闊歩する。
    彼の地に満ちる資源と──そして可能性は、いまや財宝の如き魅力を放っている。
    吹雪が叫び寒風が歌う、ここは北方氷原ノールベイト。
    .

    盟約の払暁(アウローラ)


    GM:ノールベイトの過酷な環境下においては、全ての種族は平等ではない。
    GM:例えば森人のような、敏捷だが華奢で非力な種族は、どうしても生存に適さないのだ。
    GM:適しているのは、例えば持久力に長じる只人。頑丈で器用な鉱人。
    GM:そして──強靱な四肢や分厚い体毛を持つ、一部の獣人達である。
    GM:この集落も、もとは獣人の住む地だったらしい。
    GM:もとは──と言ったのは、ここは既にかつての集落としての機能を半ば失っているからだ。

    GM:石が、ひょうっと小気味良い音を立てて飛んで行く。
    GM:当たった。
    GM:餌に気付いて低空飛行へ移行した小鳥が、つぶてに頭を殴られて落下する。
    GM:その翼が雪に触れた瞬間、子供が数人、ぐわっと小鳥に群がった。
    GM:競うように羽をむしり、肉を食む。たちまち小鳥は骨にされて、そして子供達はまた空を見上げる。
    GM:鳥だ。石を投げる。当たった。
    GM:わっ──と集まる子供達の背を、蹴り飛ばす大きな靴。
    GM:ボロ布を幾重にも体に巻き付け、かろうじて暖を取っているならず者は、背丈が自分の半分ほどの子供から、遠慮なく狩りの成果を奪っていった。

    GM:ここは北方氷原ノールベイト──そのどんづまり。風すら濁る終着点、誰が呼んだか〝雪捨て場〟。
    GM:どこにもいられないような半端な者と、最初からここにいる運の無い奴のたまり場である。
    GM:正面には川。背後には太陽を遮る、そそり立つ断崖絶壁。川沿いに南北へ歩けば、まぁどこかへは辿り着くだろうが──来る者は稀で、去る者は更に少ない。
    GM:廃材と氷でこしらえた住処は、定期的に雪の重みで破損する。その度にまた、雪と氷で補修する。
    GM:眠っている間に家屋が破損した者は幸運だ。夢を見ながら死ねるのだから、まだ苦しみは少なかろう。
    シャロール:「おい、アルワン。お前も鳥落としてきいや。只人は得意なんやろ、石投げ」
    シャロール:スラム街の子供、シャロール。森人であるが、歳はかなり若いと言う。
    ”星の尾”アルワン:「…………他のやつを当たってくれ」
    ”星の尾”アルワン:梟のような雪防眼鏡ゴーグルを被り、雪に埋もれながら空を眺める青髪の少年。
    ”星の尾”アルワン:「おれは混血まざりもの只圃人ハーフリングだ」
    シャロール:「せやったか? すぐ死ぬ種族の見分けはよぅつかんのや」
    シャロール:けらけら笑って、白い息を吐く。常日頃同じような冗談を繰り返しているためか、言葉に澱みが無い。
    ”星の尾”アルワン:目つきは猜疑心に満ちている。知らない仲のシャロールを眺める目線も、どこか廃れたものがあった。
    ”星の尾”アルワン:「鳥打ちのガキどもをお守りしろってなら、行くけど」
    シャロール:「知らん知らん。行きとうないならここらで雪掘ってたらええわ」
    シャロール:「けどそろそろ、掘れる木の根も無うたったからなぁ。つまり燃やす枝もあらへん」
    シャロール:「壁引っぺがして燃したアホは、次の日にはきれーな氷像になっとったわ」
    ”星の尾”アルワン:「……」
    シャロール:「どっちがええと思う? 飢えて枯れて、痩せてしわしわんなってくたばるか」
    シャロール:「まだ見た目のええうちに、カチコチに凍ってさようならするか」
    ”星の尾”アルワン:「なんで、死ぬしかないんだろうな」
    ”星の尾”アルワン:呟いた後に、自分でも愚かなことを言ったと理解したのか、笑う。
    シャロール:「そら決まっとるやろ。あんたらみーんな、うちに比べたらすぐ死ぬ生きもんやしな」
    シャロール:「どうせ暇やし、ひとり残らず死ぬまでは観察しよー、思とったら、中々死なんもんやねぇ」
    ”星の尾”アルワン:「……みんな、生きるのに必死だ。そう簡単にくたばらないよ」
    シャロール:「ま、誤差や誤差。15年ぽっちで死ぬのも100年ぽっちで死ぬのも、誤差みたいなもんや」
    シャロール:「せやからそう悲観せえへんの。あんたが特別運がわるいー、ってことも無いんやから」
    シャロール:この白い森人スノーエルフは常々、脳天気にも聞こえる声音で、諦めにも似た言葉を吐く。
    ”星の尾”アルワン:「そうかもね。”雪捨て場”に来た時から、誤差みたいなもんか……」
    ”星の尾”アルワン:「……いつもうるさいけど、たまには良いこと言うじゃん。シャロール」
    ”星の尾”アルワン:立ち上がる。
    ”星の尾”アルワン:「……気が変わった。鳥を打ちに行こう」
    ”星の尾”アルワン:「運が良ければ、死んでる旅人なんかがいるかも」
    ”星の尾”アルワン:「服は燃やせば暖を取れるし、食べ物か酒でも余らせてたら万々歳だ」
    シャロール:「おーおー、行って来ぃ。おなか痛くなったら残りは喰ったるわ」
    GM:ざか、ざか、ざか
    GM:その時だ。みすぼらしい格好の子供──この前に凍死した大人の、ダボついた衣服を羽織っている──が、雪を蹴立てて走ってくる。
    子供:「おーい、アルワン! シャロール! すげえもん落ちてたぞ!」
    子供:「く……喰えるかはちょっと……わかんないけど!」
    ”星の尾”アルワン:「……脂身はガキどもに残しとけよ」シャロールを見て。
    ”星の尾”アルワン:底の厚い手製の革靴で、駆け出す。
    シャロール:「なんやなんや、もー。動くと無駄に腹ぁ減るのに……」
    GM:……さて。
    GM:吹きだまりの、外。……明確な区切りがあるわけではないが、岩の配置やら何やらで、少し風が強くなるあたり。
    GM:アルワン。君はそこまで駆けて行って、数人の子供達が困惑している様子を見るだろう。
    GM:子供達が取り囲み、おっかなびっくり指の先でつついたりしているのは、
    血鮫魔女レゼナ:黒。
    血鮫魔女レゼナ:一面嫌になるほど見慣れた雪の白に、黒いものが覆いかぶさっている。
    血鮫魔女レゼナ:近寄って眺めてみれば、それは思いの外分厚く、思った以上に大きく。
    血鮫魔女レゼナ:たっぷりと実った肉厚の長身と、それを覆い尽くす黒の修道服と分かる。
    血鮫魔女レゼナ:もっとも神官プリーストの証たる聖印こそ提げてはいないが、それを知る者が此処に居ようか。
    血鮫魔女レゼナ:一見して分かることは、黒衣の尼僧が雪道半ばに這いつくばっていることぐらいだ。
    シャロール:「……可食部位だけはたんまり有るなぁ」
    シャロール:「あっ。うち、ちょっとぽんぽん痛くなってきたわ。喰うならひとりで喰ってええで」
    シャロール:冗談めかして言っているが、眉をぴくぴく震わせて少し遠巻きにしている。
    ”星の尾”アルワン:「…………」しゃがみこんで、しげしげと観察する。
    ”星の尾”アルワン:”雪捨て場”では、死体が最も重要な資源だ。
    ”星の尾”アルワン:特に若い女。このままではよくて大人に使われる・・・・か、悪くて暖炉の肥やしだろう。
    血鮫魔女レゼナ:頭と口元を隠す薄布ヴェールをかいくぐって覗き込めば
    血鮫魔女レゼナ:目に映るのは白だ。肌も髪も。
    血鮫魔女レゼナ:纏う黒衣に、いやさこの無情な世の摂理に反するような白。
    血鮫魔女レゼナ:たとえ雪中にその身を晒していたところで、眼に焼き付いただろう。
    血鮫魔女レゼナ:この世のものとは思えぬ色であった。幽世アストラルか、氷河コキュートスか。
    ”星の尾”アルワン:白を美しいと思ったのは、生まれて初めてだった。
    ”星の尾”アルワン:「こいつは…………」
    シャロール:「……死にかけとんちゃう? それともきっちり死んどる?」
    シャロール:「うち触りたくないわ。アルワン、確かめてみ」
    シャロール:精霊に近しい種族であるからか、それとももっと卑俗な感性か──
    シャロール:白い森人は、倒れ伏す女に近づこうとしない。
    ”星の尾”アルワン:言い淀む。
    ”星の尾”アルワン:生きていてくれ、と思った。初めて、白を美しいと思えたから。
    ”星の尾”アルワン:死んでいてくれ、と思った。美しいものを、これ以上汚したくないから。
    ”星の尾”アルワン:ふくよかな胸に耳を当てて、心臓の鼓動を確かめる。
    ”星の尾”アルワン:只圃人の感覚は鋭い。心音は、微かでも判別できる。
    血鮫魔女レゼナ:伸ばした腕を震わせたのは凍てつく寒さか、女人の吐息か。
    血鮫魔女レゼナ:どちらにせよ、死人は息を吐くことも、胸を打つこともない。ではこの女は?
    ”星の尾”アルワン:「――」
    血鮫魔女レゼナ:微かに身じろぎ、引き絞られた目元が緩む。
    GM:鉛色の空が、暗さを増していく。
    GM:吹く風が、冷たさを増していく。
    GM:夜の声が、近づいてきているのだ。
    GM:女の瞼が開くのに合わせて、暗闇が空に拡がっていくようだった。
    ”星の尾”アルワン:「……このままじゃ、まずい」
    ”星の尾”アルワン:それが、何よりも雄弁な答えだった。
    ”星の尾”アルワン:(『せやからそう悲観せえへんの。あんたが特別運がわるいー、ってことも無いんやから』)
    ”星の尾”アルワン:なら、この女は?
    シャロール:「……捨てとき、そんなん。なんや嫌な臭いするわ」
    シャロール:「やなもんは雪の上に放っておく。そのうち、どっからも見えなくなる」
    シャロール:「それでええやろ、な?」
    ”星の尾”アルワン:ここに辿り着いてしまった時点で、運は最悪だ。
    ”星の尾”アルワン:なら、少しは――揺り戻しがあってもいいのではないか?
    ”星の尾”アルワン:それはささやかな抵抗だったのかも知れない。
    ”星の尾”アルワン:一面の純白に、青い意思で傷をつけるような。小さくか弱い抵抗。
    ”星の尾”アルワン:女の脇の下に手を伸ばし、担ぐ。長身で肉置きのいい女は、支えて歩くにも苦労する。
    ”星の尾”アルワン:「シャロール」
    ”星の尾”アルワン:「大人どもには死んだって言っとけ」
    血鮫魔女レゼナ:洩れた吐息が肩を撫でる。男の選択を冷ややかに見つめるような寒気を催すものだ。
    シャロール:「……勝手にしぃ。せやけどうちは止めたで」
    シャロール:「最悪な運を引いたうちらが、それでも今まで生きてこられたのは何でかわかる?」
    シャロール:「ちょっとでも長く、お日様の下にいようとしたからや」
    シャロール:「夜はな」
    シャロール:「この大地ノールベイトの夜は、うちらが生きられる場所やない」
    ”星の尾”アルワン:「シャロール。お前は……やっぱり、うるさいな」
    ”星の尾”アルワン:ざく、ざく。寒気を催す吐息を振り払うように、ひたすら歩く。歩き続ける。
    シャロール:「……みんな、帰るで! よー戸締まりしとき、隙間風でも余裕で死ねるわこんなん」
    ”星の尾”アルワン:夜が、すべての命を拒む時間なのはわかっている。それでもアルワンは、夜が嫌いではなかった。
    ”星の尾”アルワン:星を見れるから。
    GM:──そうして、あなたは、あなただけの家に帰る。
    GM:あの口うるさい白い森人は、子供達と共に、狭っ苦しい家に帰るのだろう。
    GM:日は落ちて、完全な夜が訪れた。
    GM:家の外は、しぃんと、何もかも死に絶えたかのように静かになった。
    ”星の尾”アルワン:料理は苦手だ。只人の血が流れているはずのアルワンには、しかし創造性というものがまるで欠けている。
    ”星の尾”アルワン:結果、なけなしの木の根と雪で煎じた塩なしのスープを流し込むことしかできなかった。
    ”星の尾”アルワン:漂流した船の廃材で作った掘立小屋には、隙間風がびゅうびゅうと入り込んできて、火を守るのに必死だ。
    ”星の尾”アルワン:食料はこの女に振る舞うスープの分で使い果たしてしまった。明日からどうやって冬を越えるのかはまだ考えられない。
    ”星の尾”アルワン:そもそも、今夜を生き延びられる保証もないのだから。
    血鮫魔女レゼナ:家主から一番良い場所ホットスポットを譲られた女の喉から、すぅ、ひゅぅと吐息が続く。
    ”星の尾”アルワン:「……馬鹿だな、おれは」
    血鮫魔女レゼナ:安普請(と呼ぶのもおこがましいものだが。少年が持たぬ只人の感覚でも、圃人の美意識でも)に流れる音といえば、冷たく打ち据える寒風と
    血鮫魔女レゼナ:頼りなく弾ける火の粉、妖精がいたずらLAPしてのものぐらいだが、今宵は二人分だ。
    ”星の尾”アルワン:ぱちん、ぱちん、と焚火の弾ける爪弾きのような音。風鳴りの音。そして、女の吐息。
    ”星の尾”アルワン:諦めて、掘立小屋の隙間から星を見上げる。
    ”星の尾”アルワン:暇さえあれば、夜空に浮かぶ二つの月と、無数の星々を見ている。だから”星の尾”と呼ばれていた。
    血鮫魔女レゼナ:星と少年とを阻むように広がる壁に、黒いものが纏わりつく。
    血鮫魔女レゼナ:焚火がぱちりとはじけた拍子に、女から伸びた影が揺らめいた。
    血鮫魔女レゼナ:そして隙間風に交じって、聞き取りがたい、聞いたことのない声が。
    血鮫魔女レゼナ:「ここが 果てか」
    ”星の尾”アルワン:「な」
    血鮫魔女レゼナ:影に続き、声に続き。
    血鮫魔女レゼナ:黒と白の女とが立ち上がり、月に並んで少年を見下ろした。
    血鮫魔女レゼナ:ぱちりと開いたその両目は、月の片割れと同様に赤く。
    血鮫魔女レゼナ:はらりと落ちた薄絹ヴェールの奥に、ぱっくりと開いた口はより赫く。
    ”星の尾”アルワンゆきよるしかない日々が、彩られる。どこまでも紅く。
    ”星の尾”アルワン:「あ……あんた……」
    ”星の尾”アルワン:何で生きてる、とか。何者だとか。その歯と目はとか。
    ”星の尾”アルワン:色々なことを聞こうと思っていたが、口から出て来るのは震えと意味をなさない言葉ばかり。
    血鮫魔女レゼナ:びちびちと黒衣の下からせり上がる太い尾。背負った時以上の巨躯に見えて。見下ろす。
    血鮫魔女レゼナ:ハァーッと熱っぽい、しかし矮躯をいっそう震わせる寒気を伴った吐息に交じり。
    血鮫魔女レゼナ:「少年」君を見つめて、爛々と眼を光らせて呼びかける。
    血鮫魔女レゼナ:「君が家に招いたんだ」
    血鮫魔女レゼナ:「責任を取ってもらわないとね」
    ”星の尾”アルワン:良くないものを拾った。シャロールの言った通りだ。
    ”星の尾”アルワン:彼女は夜の住人だった。どこにも還れないアルワンを食い殺す魔性だ。
    ”星の尾”アルワン:彼女はこれから、雪捨て場を食い荒らすだろう。子供たちもシャロールも、皆獲物にされる。
    ”星の尾”アルワン:なのに、思ってしまった。
    ”星の尾”アルワン:「……あんたに、終わらせて貰えるのか……?」
    ”星の尾”アルワン:「倒れてて、それで、あんまりにも、白かったから、それで」
    ”星の尾”アルワン:雪崩れ込んでくる情報が多すぎた。思考が支離滅裂に混線する。
    血鮫魔女レゼナ:「──」じろりと喉を舐める視線。それは四方世界の残酷な面に棲まう捕食者のものか、或いは。
    ”星の尾”アルワン:逃げることすら忘れ、呆けたように女を見ている。
    血鮫魔女レゼナ:長く力強い腕が少年を捉え、抱き上げる。見た目以上の怪力、怪物の膂力。
    ”星の尾”アルワン:「う……おっ!?」
    血鮫魔女レゼナ:ぴったりと背に張り付き、胸をぎゅむりと圧し潰す、体温は酷く冷たく。
    ”星の尾”アルワン:熟れた女の熱、雪の匂い、甘い柔らかさ。
    血鮫魔女レゼナ:がぷりと頸に喰らい付いた一咬みは、強く吸いついて意識を夢界へと押しやって。
    血鮫魔女レゼナ:「おやすみなさい」痛みとは無縁の、安らかな抱擁ヴェーゼであった。
    ”星の尾”アルワン:声を上げることすらできない。ピン、と伸ばした脚はじたばたと空を掻き。
    ”星の尾”アルワン:最後に映るのは、星。そして、月の片割れのような女の目。
    ”星の尾”アルワン:最後になぜか考えた。月も星なのだと。

    血鮫魔女レゼナ:「少年」
    血鮫魔女レゼナ:「一宿一飯の恩、というものが四方世界の道理だ」
    血鮫魔女レゼナ:ここが世の果てであってもね……などと嘯く女。
    ”星の尾”アルワン:「…………」目の下に隈を作り、ぼうっとした意識でそれを聞いている。
    血鮫魔女レゼナ:夜が明けても世界は終わっていなかった。幽世の女も消えてはいなかった。手狭な我が家に居座っていた。
    ”星の尾”アルワン:戦女神の信徒が信じている天国ヴァルハラにしては、やけに狭く、寒い。
    血鮫魔女レゼナ:「少年」
    血鮫魔女レゼナ:「しょうね~ん?」こつんと額をつつく。体格差補正により打点が上昇する。
    ”星の尾”アルワン:「……起きてる。さっきから、ずっと」
    ”星の尾”アルワン:目を擦り、何とか身を起こす。「あんたが……その。”雪捨て場”を壊してなかったから」
    ”星の尾”アルワン:首を振る。「混乱してるだけだ」
    ”星の尾”アルワン:「混沌の遣いとかじゃなかったのか。あんまり奇麗だったから……」
    血鮫魔女レゼナ:「あたしはまだ怪物じゃないからね。信ずる神はどちらも混沌の手合いだけど」しれっと。
    血鮫魔女レゼナ:「今のところ出仕しているわけじゃない。君の世界は壊さないよ」
    血鮫魔女レゼナ:残念だったかな?とでも囁くかのような視線。
    ”星の尾”アルワン:「ああ、そう……」どうでも良い話だ。結局この女も、アルワンの世界を壊してはくれなかった。
    ”星の尾”アルワン:「なら……ここはまともな旅人がいる場所じゃないよ」
    GM:──静かな朝だ。
    GM:雪は、音を吸い込むものだ。だから〝雪捨て場〟はいつも静かだが、それにしても、
    GM:……どん、どん、どん
    GM:扉を叩く音。
    ”星の尾”アルワン:「……」
    ”星の尾”アルワン:僅かな護身具。漂流してきた木箱から拾った鉄線を木の板に巻き付けて作ったボロの鉄拳アイアンフィストを身に着ける。
    ”星の尾”アルワン:「隠れてろ」
    血鮫魔女レゼナ:「一応検分チェックしておいたけど、自分でも身繕いはしてね」
    ”星の尾”アルワン:「みづ……おい!」
    血鮫魔女レゼナ:「一晩中抱き合ってたわけだし」するりと物陰に潜む。
    ”星の尾”アルワン:「くそっ」
    ”星の尾”アルワン:悪態を付き、扉を開ける。
    GM:ボロ扉の外に居たのは、敵対的な存在ではなかった。
    GM:泣きそうな顔の子供だった。
    子供:「アルワン! みんなが……シャロールが……!」
    子供:子供は、あなたの手を引き、外へ出ようとする。
    ”星の尾”アルワン:「…………」
    ”星の尾”アルワン:一瞬だけ、家の奥に目をやる。
    ”星の尾”アルワン:結局、何も言わなかった。
    ”星の尾”アルワン:来いとも言わないが、そのかわりに止めもしない。
    ”星の尾”アルワン:今なら村のろくでなしどもの目をかいくぐって、吹き溜まりから出て行くこともできるだろう。
    ”星の尾”アルワン:……子供の手に引かれ、先を急ぐ。
    GM:──短い距離を走って、あなたは、シャロール達の家の前へ訪れる。
    GM:家……だったものの前、だ。
    GM:そこには、大量の雪の塊があった。
    GM:家は、無かった。
    GM:否。
    GM:木片が散らばっている。
    GM:夜間、雪の重みに、腐った木壁が耐えかねて──潰れたのだ。
    子供:雪に指を立てて、泣きべそを搔きながら削る。
    子供:夜の間に固く凍りついた雪は、その嵩を中々減らしてはくれない。
    ”星の尾”アルワン:子供の手を、後ろから取る。
    ”星の尾”アルワン:「今夜からはおれの所に来い」
    ”星の尾”アルワン:「シャロールは死んだ。雪を掘っても、帰ってこない」
    子供:首を振る。雪に指を立てて、無駄なことを繰り返す。
    子供:「でも、だって、アルワン……!」
    ”星の尾”アルワン:「シャロールがお前たちを守って来たのは、泣き言を言わせるためじゃないだろ」
    ”星の尾”アルワン:「生きるんだ」
    ”星の尾”アルワン:「……生きるんだよ」
    ???:「──違うぞ」
    ???:と、声がした。
    ???:そして、
    ???:柱のように太い腕が、氷の塊を、まるで綿か何かのように貫いた。
    ???:巨躯の、鳥人──鷲人の女性だった。
    ”星の尾”アルワン:「な…………」
    ???:背には身の丈ほどの斧。その斧さえ小さく見えるような、勇壮な翼。
    ???:その女は、絶望の象徴たる雪を、その両腕のみで跳ね飛ばし、
    ???:翼をひとつ羽ばたかせるだけで、払い散らしていくのだ。
    ???:「生きるとは!」
    ???:「諦めて受け入れること──ではないぞ!」
    ???:雪の中に腕を押し込む。掴み、引きずり出す。
    ???:背後も見ずに、後方へ、引き出した子供を──
    羅針団衛生兵:受け止める。
    羅針団衛生兵:「体温が下がっていますが──逆に運がいいかもしれません」
    羅針団衛生兵:「保存ブリザベーションに近い状態だ。治療を開始します」
    ???:「ああ!」
    ”星の尾”アルワン:「た……」何者かなど、どうでもいい。「助かるのか!?」
    ???:「助ける。そのために全力を尽くす」
    ???:「……遅くなったな。近隣の住人から聞いていた。嫌われ者、はぐれ者ばかり集まる集落の噂を」
    ???:「場所を特定するのに時間が掛かり、今日、ようやく辿り着いたんだ」
    ”星の尾”アルワン:運が。
    ”星の尾”アルワン:悪いはずじゃなかったのか。
    〝雪崩のヘイリア〟:「私は『ノールベイト羅針団』のヘイリア。……羅針団の事は知っているか?」
    羅針団衛生兵:……雪の下から引き出された子供達の治療が始まっている。
    ”星の尾”アルワン:「ノールベイトを好き勝手に踏み荒らしてる……余所者ども……」
    ”星の尾”アルワン:「じゃ、ないのか」
    ”星の尾”アルワン:震える声で。
    羅針団衛生兵:人数に、欠けは無い。眠っている最中、纏めて崩落に巻き込まれたものだろう。
    羅針団衛生兵:あの、白い髪に白い肌で、憎まれ口ばかり叩く森人も。
    羅針団衛生兵:静かに、傷だらけの青白い体を治療されている。
    ”星の尾”アルワン:「シャロール……」
    ”星の尾”アルワン:飛びついて、自分の分の防寒具をシャロールにかける。
    ”星の尾”アルワン:すぐにアルワンの体を雪が覆う。
    ”星の尾”アルワン:がちがちと歯の根を鳴らしながら、へイリアに向き直った。
    〝雪崩のヘイリア〟:「間違ってはいないな。我々は外から来て、この地を変えようとしている者だ」
    〝雪崩のヘイリア〟:「……だが。そろそろ我々は、次の段階へ進まねばならないと考えている」
    〝雪崩のヘイリア〟:「外から押し付けるように、救いと発展をもたらすのは、外なる神の有り様にも似ている」
    〝雪崩のヘイリア〟:「思い出すんだよ。私は、誰かに救いを押し付けられたんじゃなくて」
    〝雪崩のヘイリア〟:「冒険が楽しくてしかたないと思ってるうちに、こうなったんだ」
    〝雪崩のヘイリア〟:太い腕をグッと曲げる。銅像のような筋肉の隆起。
    ”星の尾”アルワン:「冒険……?」
    〝雪崩のヘイリア〟:息を吸う。分厚い胸元が、更に膨らむほどに。
    〝雪崩のヘイリア〟:「諸君!」鷲人の女戦士が、〝雪捨て場〟全てに轟く声をあげる。
    〝雪崩のヘイリア〟:「我らの如き外様の開拓者ではなく、先祖代々この地に根付き生きてきた諸君!」
    〝雪崩のヘイリア〟:「我々はその生き様に敬意を表し、そして同時に提案するものである!」
    ”星の尾”アルワン:「嘘だ……世界は、”雪捨て場ここ”にしかない」
    ”星の尾”アルワン:「そうじゃなきゃ……そうじゃなきゃ」
    シャロール:「……そんなんは、夢や」
    シャロール:「わるい……夢やろ……な、アルワン……?」
    ”星の尾”アルワン:以前ならば、唇の端を曲げて頷いていただろう。
    ”星の尾”アルワン:シャロールの手を握る。
    〝雪崩のヘイリア〟:「自分達の苦境を、取り払う術をどこかの他人から借り受けるのではなく」
    〝雪崩のヘイリア〟:「自分達の手で打ち払えるようになりたくはないか!」
    〝雪崩のヘイリア〟:「我と我が手に宿した力で、自分と──手の届く範囲だけでもいい」
    〝雪崩のヘイリア〟:「もっと幸せになりたいと、願ったことはないか!?」
    シャロール:「……その辺におんのやろ、昨日の気味悪いの」
    シャロール:「あんたが、あんなん連れ込むから……この辺りの神さんにバチあてられたんや」
    シャロール:掠れた声で、それでも森人は、けらけらと笑ってみせる。
    シャロール:この台詞は冗談なのだと、殊更に示すように。
    ”星の尾”アルワン:「……馬鹿。お前は……いつも、うるさいんだよ……」
    ”星の尾”アルワン:苦境を振り払う。幸せになる。
    ”星の尾”アルワン:そんなものは、シャロールの言う通り悪い夢だ。
    ”星の尾”アルワン:世界が四方にどこまでも広がっているなど嘘っぱちで。
    ”星の尾”アルワン:アルワンやシャロールたちのような”行き止まり”の居場所は、この雪捨て場にしかない。
    ”星の尾”アルワン:そう、思っていたのに。
    ”星の尾”アルワン:鷲の女が腕を突き上げる空には、きっと月と星がある。
    ”星の尾”アルワン:(諦めさせてくれ)
    ”星の尾”アルワン:(皆の屍の上で、幸せになることを)
    ”星の尾”アルワン:どこにも行けず、シャロールの腕を握りながら。ただ、雪の上に蹲っている。
    血鮫魔女レゼナ:路地の影からくすくすと笑い声が聞こえる。森人の言葉に同調するように。
    ”星の尾”アルワン:「……あんたは……」
    血鮫魔女レゼナ:暗がり、黒衣と白き髪の狭間から赤い目二つ、燃えている。
    血鮫魔女レゼナ:「ざんねん、きみの世界は壊れてしまった」
    ”星の尾”アルワン:「ふ」ぎり、と歯を噛み締める。「ざけんなっ!!」
    ”星の尾”アルワン:「こんな所でも、おれたちの居場所だったんだ!!」
    ”星の尾”アルワン:「それを……それを、”幸せになれる”だと!?」
    ”星の尾”アルワン:雪を殴りつける。何度も。何度も。
    ”星の尾”アルワン:「じゃあ、おれは……これから、どこに行けば良いんだよ!?」
    血鮫魔女レゼナ:「なら、占ってあげよう」
    血鮫魔女レゼナ:「助けて貰った恩返しの一歩目だ、無料でね」
    血鮫魔女レゼナ:ひらりひらりとカードが舞う。
    血鮫魔女レゼナ:手中から溢れた無数の紙束は、知る人が見れば力ある言葉を写した神秘の品タロットで、賢者が見れば触媒以前の安物。
    血鮫魔女レゼナ:しかしそれは道具としては十分だ。人の心や悩みを引き出し、助言や救いを示す。
    血鮫魔女レゼナ:心に繋がる道を紐解く、占い師の商売道具である。
    血鮫魔女レゼナ:「三つだ。二つでもなく四つでもなく」
    血鮫魔女レゼナ:「三つ引きたまえ少年。それで十分なのさ」
    ”星の尾”アルワン:「三つ……?」
    ”星の尾”アルワン:馬鹿げていると思う。それなのに、無視できない。月に魅入られているようだ。
    ”星の尾”アルワン:恐る恐る、聖数マジックナンバーを引く。一枚、二枚、三枚。
    血鮫魔女レゼナ:ずらりと並べられた紙束デッキは、世界を打ち砕かれた少年の目には無限の可能性にさえ見えた。
    血鮫魔女レゼナ:「おめでとう少年。君は今、己の道を選び取ったのさ」
    ”星の尾”アルワン:「……道なんて」ついさっき、壊れたはずだ。だが、彼女の札の中には――文字通り、”世界”が開かれているように見えた。
    〝雪崩のヘイリア〟:「世に出たいと願うなら、冒険者ギルドを訪れるがいい」腰を折り曲げるようにして、少年の手のカードを覗き込む女。
    〝雪崩のヘイリア〟:「……ほう。先行きが良い手札のように見えるな?」その姿勢のまま顔だけを上げ、占い師のような女へ視線を。
    血鮫魔女レゼナ:「一枚目は過去を表す……ネブラ。二枚目は現在を表す、逆転アドウェルサス
    血鮫魔女レゼナ:暗き思慮の渦に取り巻かれる賢しき愚か者、覆る骰子の面に揺るがされる大地。
    血鮫魔女レゼナ:「どうかな、私は苦手なんだこれ」ヘイリアが笑う三枚目は。
    ”星の尾”アルワン:なら、未来は? 怖い。目を背けそうになる。
    ”星の尾”アルワン:だが――
    血鮫魔女レゼナ:きらきらと輝く一の光玉と、それを取り巻く虹色の風。
    ”星の尾”アルワン:「……これは」
    血鮫魔女レゼナ:「払暁アウローラ。君の旅路を占った言葉さ」
    〝雪崩のヘイリア〟:「英雄とて、はじめは諸君らと同じひよっこだった」
    〝雪崩のヘイリア〟:「手取り足取りとはいかないが、望むならば翼を鍛える術を教えよう」
    〝雪崩のヘイリア〟:「……無論、楽しいばかりの道ではない。命を賭して壁に立ち向かい、なお越えられぬ時もある」
    〝雪崩のヘイリア〟:「だが、それも歩みの成果だろう?」
    ”星の尾”アルワン:彼女が示した未来は。赤く瞬く月と、輝く夜オーロラに見える。
    ”星の尾”アルワン:アルワンの世界にはゆきよるしかなかった。モノクロの未来が、色づいていく。
    ”星の尾”アルワン:「…………」
    ”星の尾”アルワン:「……楽園が、欲しい」
    ”星の尾”アルワン:「おれたちみたいな、どこにも行けない星屑みたいな連中が。誰にもなかったことにされずに暮らせる場所」
    ”星の尾”アルワン:女に渡された、払暁アウローラの札を見る。
    ”星の尾”アルワン:「月も夜も、奇麗な場所が良い」
    ”星の尾”アルワン:「契約しろ、魔女」
    ”星の尾”アルワン:「言ったよな。責任を取るって……」
    ”星の尾”アルワン:「おれを、楽園まで連れていけ」
    ”星の尾”アルワン:黄金の瞳で、女を見据える。星のような瞬きが宿っていた。
    ”星の尾”アルワン:「おれは冒険者になって、楽園まで飛んでいく」
    血鮫魔女レゼナ:「生憎と占うのは旅路まで、君の末路を約束するものじゃない」
    血鮫魔女レゼナ:薄絹の向こう側にあっても、三日月に軋む口が少年にだけ見透かせた。
    血鮫魔女レゼナ:「代わりに少年の果てるところは見届けてあげよう」
    血鮫魔女レゼナ:「私が見たいのは、極夜の終わるその時だからね?」
    血鮫魔女レゼナ:約束がひとつ結ばれた。その行く末を知る者は居ない。
    血鮫魔女レゼナ:今はまだ。

    呪痕の恋情(ラ・ルーチェ)


    GM:鉛色の空、風は弱く、足下の雪は大地のように固く、旅には適した日。
    GM:太陽神の神官たるあなたは、この先にあるという小さな村落へ向かっている。
    GM:途中までは、羅針団の輸送隊に同行していたが、途中からはひとり旅だ。
    GM:まだ明るい時間帯で、村に辿り着いた。
    GM:小さな村だが……奇妙な賑わいというか、活気がある。
    "祓栗鼠" ミレイユ:(思っていたより……賑やかね)
    "祓栗鼠" ミレイユ:紫がかった銀色の長い髪を、緩く首元で纏めた小柄な少女が周囲を見回している。
    狼人の少女:とっとっとっ……と、雪上を賭けてくるのは、〝いかにも村の入り口にいそうな少女〟。
    狼人の少女:さながら「ここは白狼の村です!」と飽きずに繰り返してくれそうな、気立てのよさそうな娘が、
    狼人の少女:「あっ、こんにちは! ……もしかして神官の方ですか?」
    "祓栗鼠" ミレイユ:頭上の小さな耳がそちらを向き、程なく少女もくるりと向き直る。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「こんにちは。巡礼神官のミレイユよ」
    "祓栗鼠" ミレイユ:"祓栗鼠"のミレイユ。華奢な身体に雪国らしい防寒具を纏った少女は、名乗り、微笑んだ。
    狼人の少女:「わぁ、よかったぁ! ちょうど神官さまが必要になるタイミングだったんですよぉ!」
    狼人の少女:「今から処刑があるんです!」と、少女Aは無邪気に言う。
    "祓栗鼠" ミレイユ:腰から伸びるふくよかな尻尾が一度大きく揺れる。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「……処刑?」
    "祓栗鼠" ミレイユ:こんな小さな村に物騒なこともあるものだ、と内心考える。或いは、小さな村だからこそ、なのか。
    狼人の少女:「はい! ……村に紛れ込んでた化け物が正体を現したんです」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「まぁ」
    狼人の少女:「それで今、みんなで櫓を組んでるんです……あっちの方で」
    狼人の少女:と指を差すのは広場の方角。なるほど、妙な活気はそちらからの歓声由来か。
    "祓栗鼠" ミレイユ:指差した方へと歩み始める。少女が伴って来ることを確認しながら。
    狼人の少女:「せっかくだから神官さまも見ていきましょう? それで、終わったらちょっとだけお祈りしてくれたら」
    狼人の少女:「やっぱりアンデッドって怖いですしぃ……お祈りって大切ですよね!」
    GM:処刑よりゾンビを怖がる素朴な感性の少女を伴い、あなたは広場へ向かうだろう。
    GM:広場では、木のやぐらのようなものが組み上げられていた。
    GM:祭りのようにも見えるが、明らかにそうでないと判断が出来るのは、
    GM:櫓から、輪になった縄が垂れ下がっているためだ。
    GM:処刑台である。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「化け物が正体を現した、とのことでしたけど」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「一体どんな?」
    狼人の少女:「それがですね……実は私もちゃんと見た事ないんです」
    狼人の少女:「私がもっとちっちゃな子供のころに、そいつ、住んでた家の大人を殺して」
    狼人の少女:「〝俺はやってないんだ〟って言ってたそうですけど、ずっと牢屋に入れられてたんですって」
    狼人の少女:「でも昨日、長老たちの相談で処刑が決まって────あ!」
    狼人の少女:と、広場の奥の方を指差す。
    青年:鎖で腕を拘束された青年が、木の棒で突き回されるように歩いていた。
    青年:狼人の、体格のよい者が多い集落にあっても、周りより頭ひとつか半分は大きな青年だ。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「──────」
    "祓栗鼠" ミレイユ:櫓に近付きつつあった足が、ひたりと止まった。
    青年:見た目には──周囲の獣人、狼人達と違いは無い。
    青年:疲れ果てた虚ろな目をしているが、それは、数年に渡る監禁の為か。
    青年:鎖を打たれずとも、唯々諾々と処刑台に上がりそうな──そういう雰囲気があった。
    "祓栗鼠" ミレイユ:左胸を右の拳で抑えている。何かを堪えるように──ただ、両の目は見開かれて、その男を見つめている。
    "祓栗鼠" ミレイユ:刺すような痛み。それから、鈍く、疼くような痛みが左胸を脅かす。
    GM:……或いは、その衝撃は。
    GM:炎のように、熱病のように、あなたの躰を焼くのだろう。
    青年:視線が、すうっと横へ動いた。
    青年:狼人だが、あまり嗅覚は鋭敏でないのか──視覚情報で初めて、見知らぬ少女の存在に気付いたようだった。
    青年:珍しいものを見たとばかり、じっ……と視線が留まる。
    青年:……彼からすればきっと、ただ、何気なく目を留めただけなのだろうが、
    青年:それはある種の、捕食生物が持つ、獲物に絡みつくような視線でもあった。
    "祓栗鼠" ミレイユ:少女は、太陽神の神官である。──同時に、邪を祓うことを生まれながらに定められた者である。
    "祓栗鼠" ミレイユ:何故か。それは、白い羊膜に包まれて生まれ出た、邪を祓う存在クルースニクである故に。
    "祓栗鼠" ミレイユ:疼いているのは、聖痕だ。邪なる存在──例えばアンデッドなどを目にした時、それはひときわ大きく疼く。
    "祓栗鼠" ミレイユ:だが、彼は生きている。であれば、聖痕は何を訴えるのか。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「…………彼は」 大きく息を吸う
    "祓栗鼠" ミレイユ:「呪われているの、ですか」
    狼人の少女:「長老とかはそう言ってましたねぇ。……あっ、始まりますよ!」
    青年:追われるように処刑台を昇る。縄の前へと歩みを進める。
    "祓栗鼠" ミレイユ:少女の声が終わるより早く、駆けた。
    "祓栗鼠" ミレイユ:全速力で、雪を散らして我武者羅に身体を前へ進める。
    GM:「殺せ!」「殺せ!」と、群衆が叫ぶ。
    GM:彼らの目や声にあるのは憎悪ではなく、どちらかと言うと──説法に集まる信徒の熱狂にも近い。
    GM:尚も言うなら、吟遊詩人を崇める若い女性ファンだとか、そういう熱に近いやもしれない。
    GM:声を揃え、腕を突き上げることを楽しんでいた群衆が──
    GM:「……ン?」「誰だありゃ」
    "祓栗鼠" ミレイユ:吸い込んだ息が肺を凍らせる。それでも、ひときわ大きく吸い込んだだけの声が、熱を切り裂くように響いた。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「止めてください!」
    狼人の少女:「え!? あっ、神官さま、ちょっ──」
    GM:しぃん……と広場が静まりかえった。
    GM:ひとりかふたり、「引っ込めー!」と叫んだ者もいたが、あなたの服装を見るとばつが悪そうに声を小さくする。
    GM:聖職者が常駐していないこの村において、巡礼神官の地位は……どうやら、相当に高いようだ。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「わたしは、太陽神より奇跡を授かりし者! 縁あって、この村に巡礼に参りました!」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「わたしには、分かります……彼が、その身に呪いを宿していること」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「そして、わたしは……呪いを祓う術を、持っています」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「どうか、早まらないで!」
    狼人の長老:「……突然に飛び出してきて、どういうつもりかね」
    狼人の長老:杖をついた老人が、あなたに近づいてくる。
    狼人の長老:怪訝なものを見るような目。素性もわからぬ神官をいぶかしんでいるのだろう。
    "祓栗鼠" ミレイユ:深々と一礼をする。その所作は、幼い頃より随分と繰り返したのだろう、丁寧に精錬されている。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「申し訳ございません」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「ですが、止めなければならないと思いました」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「呪いのために、彼が処刑されなければならないと仰るなら」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「わたしには、それを祓う手立てがあります」
    狼人の長老:「奴の呪いは手の施しようがない! その為に親ふたりを殺したのじゃ!」
    狼人の長老:「牢に繋ぎとどめおいたが、やつの中の悪霊は去ることがなかった……」
    狼人の長老:「事情も知らぬ神官さまに口を挟んでほしくはないですな! ふん!」
    狼人の長老:……外部の干渉を嫌う、あからさまな態度。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「呪いは、ただ時が過ぎるだけで去るものではありません」 首を振る
    "祓栗鼠" ミレイユ:「呪いを身に受けた故に、親を殺めてしまったとすれば、彼こそ被害者ではありませんか」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「どうか、一日で構いません。わたしに時間をいただけませんか」
    GM:群衆はどよめきながら困惑している。長老の言うことは絶対だが、旅の神官さまもまた絶対者なのだ。
    GM:この場合……どちらに味方をするのがいいのだろう?
    GM:と、その時だった。
    GM:これはあくまでも偶然の……そう。賽の目の巡りですらない、どこか遠くで風が吹いただけのことなのだが。
    GM:鉛色の空の、雲が、ぱかりと割れた。
    GM:それだけならば気象現象でしかなく、何も珍しいことはないのだが──
    GM:その、割れた雲一層の上には、もう何も光を遮るものがなかった。
    GM:細く割れた雲間から、一条、差し込んできた太陽光は、
    GM:たまたま、あなたを中心に、地上を照らしたのだ。
    GM:あなたの、真白い髪を。
    "祓栗鼠" ミレイユ:雪のように白い髪を、眩い陽光が照らす。冷たい風に煽られて揺れる様は、どこか神々しいものに見えたやもしれない。
    狼人の長老:「お……!?」
    狼人の長老:たじろぐ長老!
    "祓栗鼠" ミレイユ:そして、少女もまた。信ずる神が、自分の行いの背を押して下さったのだと──そう、感じた。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「……未だ修行中の身ではありますが、太陽神さまより《解呪ディスペル》の奇跡を授かっています」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「わたしに、試させてはいただけませんか。彼の呪いを、祓うことを」
    狼人の長老:「お、おお……」
    狼人の長老:ぺたん、とその場に膝を着く。足腰の弱い老人であったのも理由だろうが、
    GM:それでもう、強弱の関係性がはっきり〝絵〟になってしまった。
    GM:「へへーっ!」「ありがたや、ありがたや……」素朴な村人達が次々に、〝長老を見習って〟平伏する!
    狼人の少女:「え? え……? ……へへーっ!」周りをきょろきょろ見回した後、真似してぺたん!
    GM:たちまち広場は、太陽に照らされるあなたと、その前に跪く民衆達──という構図になってしまった。
    青年:「……………………」
    青年:処刑される寸前だった青年は、首を吊る縄の前で、あんぐりと口を開けて立っていた。
    "祓栗鼠" ミレイユ:流石に少し動揺している。ここまでのことになるとは、思っていなかったという表情。
    "祓栗鼠" ミレイユ:ただ、こうなれば。後に引くことはできないだろう。
    "祓栗鼠" ミレイユ:未だ疼き続ける左胸をぐ、と抑え、青年を真っ直ぐに見つめる。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「大丈夫」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「神は、あなたを見捨ててなどいない」
    "祓栗鼠" ミレイユ:跪いた村人たちに申し訳ないという気持ちを抱きつつ、再び止められる前にと櫓へと足早に近付いていく。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「……わたしを信じて、いただけますか?」
    青年:左右を見る。自分を木の棒で追い立てていた者達も、今は武器を捨てて平伏している。
    青年:腕の鎖が緩み、落ちた。
    青年:自由になった彼は、その場で片膝を着き、
    青年:あなたの手を両手で掬い上げ、額を押し当てた。

    GM:──そうして、夜が訪れる。
    GM:すっかりあなたの信奉者じみたことになってしまった村人達が言うには、彼の呪いは夜に表出するのだと言う。
    GM:だから今、あなたは、地下牢への階段を降りている。
    GM:鍵は開けてあるという。
    青年:鍵は開けてあるが──青年は、逃げ出すこともなく牢の中にいた。
    青年:枯れ草を積み上げただけの寝床に座って、夜闇に両眼を皓々と光らせ、
    青年:あなたが訪れるのを、じっと待っていた。
    "祓栗鼠" ミレイユ:華奢な少女の、軽い足音が。ゆっくりと地下牢へと降りてくる。
    "祓栗鼠" ミレイユ:獣人ゆえに、周囲への感覚は鋭敏だ。視覚に頼らずとも、五感がある程度の情報を得られる。
    "祓栗鼠" ミレイユ:だから、男が逃げずに自分を待っていることも、息遣いも。よく、届いていた。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「こんばんは」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「待っていて、下さったのですね。よかった」
    青年:「……こんばんは」律儀に答えた上に、軽い会釈までする
    青年:「特に……やることも、行く場所もないからな」
    "祓栗鼠" ミレイユ:ずぐ、と左胸がまた一度。大きく疼く。
    "祓栗鼠" ミレイユ:牢の扉──鍵の掛かっていないそれに、手をかけた。
    "祓栗鼠" ミレイユ:その手は、小刻みに震えている。
    "祓栗鼠" ミレイユ:──今になって、恐ろしくなった。本当に、呪いを祓えるのかと。
    GM:きぃ……と音を立てて扉が開く。
    GM:獣の巣の、内側に入る。
    GM:手を離すと鉄格子の扉は、自らの重みで閉まる。
    GM:鍵は掛かっていない。いない、が──
    GM:呪いを受けたと言われる男と、狭く小さな牢の中に、閉じ込められたことには変わりない。
    "祓栗鼠" ミレイユ:呪いを祓えなければ。再び、彼は処刑台に連れ出されるに違いない。
    "祓栗鼠" ミレイユ:希望を見せて、再び絶望へと突き落とす──そんな結果に、なりはしないかと。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「…………」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「……あなたに掛かった、呪いを。祓いに来ました」
    青年:「……すまないが、無理じゃないかと……思っている」
    青年:「俺は、嘘は言っていない」
    青年:「俺は、両親を殺したりはしていない。それは本当だが……」
    青年:「この〝呪い〟が、祓えそうにないのも……本当だ」
    "祓栗鼠" ミレイユ:座ったままの男と、立って相対している。その姿勢の違いが、二人の身体の大きさの差を如実に伝えている。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「やってみなければ、分かりません」
    青年:牢の中、することもなかったのか──鍛え続けたのだろう分厚い肩、太い腕。
    青年:立ち上がると、頭が天井に触れるか──と一瞬、見まがう。
    青年:実際には、天井が低いだけのつくりなのだが、それでも、
    青年:ただ立っただけの男は、あなたの倍も──三倍も大きく見えただろう。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「…………っ」 一瞬、身構える。
    青年:「……どうするんだ?」
    青年:「実は俺は……奇蹟とか、そういうことを……全然知らない」
    青年:「実はすごい術で……祓えたりするのか……?」
    青年:「なら、急いだ方がいい」
    青年:「ここには窓は無いが……俺は夜空のことがわかる」
    青年:ゆっくりと、動いている。急に動けば驚かれると考えてだろうか。
    青年:ゆっくり、手を伸ばして、あなたの肩に置き、
    青年:ゆっくり、しゃがんで、頭の位置を低くしていく。
    青年:「今日は、満月の夜だ」
    青年:「俺には、わかる」
    青年:耳元でそう告げる声は、少しばかりうわずっているように──聞こえる。
    "祓栗鼠" ミレイユ:夜空のこと、というのが一瞬、思考の端に引っ掛かった。……それも、触れられた手の大きさに、重みに、どこかへと消えてしまう。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「……太陽神さまより、《解呪ディスペル》という奇跡を授かっています」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「これは、受けた呪いを祓うことのできるもの」
    "祓栗鼠" ミレイユ:すぅ、と心を落ち着けようと、深く息を吸う。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「大丈夫……わたしは、邪を祓うことが本分ですから」
    "祓栗鼠" ミレイユ:それは、自分に言い聞かせるような言葉で。
    "祓栗鼠" ミレイユ:距離の近付いた、男の厚い胸に──心臓の辺りに、手を翳して。
    青年:「……?」真似をするように、自らも。
    青年:あなたの、早鐘のような心臓の前に手をかざす。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「! ……《遍くを照らす陽光よ、邪を祓う一筋を齎し給え》」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「──《太陽礼賛、光あれディスペル》」
    GM:では
    GM:呪文行使判定をどうぞ。
    "祓栗鼠" ミレイユ:GS9>=10 《解呪》行使判定
    GoblinSlayer : (GS9>=10) → 9 + 8[5,3] → 17 → 成功

    青年:GS5>=17 呪文抵抗
    GoblinSlayer : (GS5>=17) → 5 + 8[3,5] → 13 → 失敗

    GM:──すばらしい。
    GM:それが意識的か無意識かはさておき──彼は、あなたの祈りに抵抗した。
    GM:それでもなお、あなたの祈りは、ただしく神に届いた。
    GM:呪いであるならば、邪法であるならば、その全ては打ち払われるだろう。
    青年:「……終わった、のか?」
    "祓栗鼠" ミレイユ:ほんの小さな、微かな──何かが割れるような感覚があった。
    "祓栗鼠" ミレイユ:それが、頑なに凍り付いていた少女の表情を綻ばせた。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「ええ」
    青年:「……なら、俺はもう大丈夫なのか?」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「ええ。わたしの祈りは、確かに神に届き」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「あなたの身に掛かった呪いを、打ち祓いましたから」
    青年:「……そうか」
    青年:心臓の前にかざした手が、
    青年:肩に置かれた手が、
    青年:「なら」
    青年:「俺は……誰かじゃなく、俺が……」
    青年:あなたの華奢な体を、藁の上へと引き倒す。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「もう呪いのせいで、あなたが────きゃっ?!」
    "祓栗鼠" ミレイユ:ひどく、緊張していたのだろう。呪いを祓えたという安堵が、細い身体に篭っていた力をすっかりと抜いていた。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「なっ、え…………?」
    青年:華奢な腕は、片方の手でも指が回って、閉じ込めてしまえる。
    青年:翳された手はそのまま、心臓を押し潰すようにあてがわれて、
    青年:大きな体が、上から、
    青年:餌にありつく獣のように、あなたに覆い被さっている。
    青年:「呪いじゃなくて、俺が」
    青年:「今……腹を、すかせてるんだ」
    青年:「……飯を喰いたいとかじゃ、なくって」
    青年:「俺の体じゃなくて心のほうが、腹を空かせてるんだ」
    "祓栗鼠" ミレイユ:何が起こっているのか分からないといったように、暗闇の中でまばたきを繰り返す。
    "祓栗鼠" ミレイユ:押し潰されそうになっている心臓が、どく、どく、どく、と拍動する音が厭に大きく響く。
    "祓栗鼠" ミレイユ:そうして──気付く。
    "祓栗鼠" ミレイユ:左胸の疼きが、途絶えていないことを。
    青年:「……思えば……太陽の中にいるあんたを見た瞬間からずっとそうだ」
    青年:「たぶん俺は、呪いとか関係無しに〝こう〟なんだ」
    青年:「あんたが……まぶしくて、きれいで、だから」
    青年:「見てると……噛み付きたくなってくるんだ……」
    青年:「……呪いだったら、あんたが解いてくれるんだろうと思った」
    青年:「けど、まだ腹が減ってる。……だから、俺のせいなんだ」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「…………えっ、あ、あのっ、どうか、お、落ち着いてください……!」
    "祓栗鼠" ミレイユ:じたばたと藻掻いている。絶望的な体格差の前では、児戯にも等しい抵抗だ。
    GM:……たつっ たつっ
    GM:あなたの頬に、雫が落ちる。
    青年:涙だ。
    "祓栗鼠" ミレイユ:(呪いは、確かに解けたのに……どうして……?)
    青年:彼は、獲物を組み敷く悦びに唇を歪めながらも、涙をこぼしている。
    青年:「なぁ。……やっぱり俺は、殺されたほうがいいんじゃないか」
    青年:「だって今、俺は……あんたを襲ってる」
    青年:「俺は、ずっと閉じ込められてたが……それでも」
    青年:「あんたが、嫌がってるだろうっていうのは……思うよ」
    青年:あなたの腕を掴む手は力強く、そのくせ、体重で推し撫してしまわないように膝で体を浮かせていて、
    青年:剥き出しになった牙で首筋に噛み付きそうなほど口を寄せたかと思えば、
    青年:その顔を遠ざけ、泣きながら首を振る。
    "祓栗鼠" ミレイユ:(……呪いは、解いたのに。それでも、心臓が、ずっと痛いくらいに煩い)
    "祓栗鼠" ミレイユ:(どうして……?)
    "祓栗鼠" ミレイユ:混乱した頭で、必死に思考する。
    "祓栗鼠" ミレイユ:思考しながら、闇に慣れ始めた目で、苦悩に苛まれる男の顔を──至近距離で、見た。
    "祓栗鼠" ミレイユ:(────あ)
    "祓栗鼠" ミレイユ:(……呪いなんかじゃ、ないのかもしれない)
    "祓栗鼠" ミレイユ:それは、後から考えれば──酷く愚かで、決定的な勘違いだったのだろうが。
    "祓栗鼠" ミレイユ:確かに祓った呪いと、それでも今なおこの胸を苛む疼きが──少女を、一つの答えへと導いた。
    "祓栗鼠" ミレイユ:(──わたしは、この人、を……)
    "祓栗鼠" ミレイユ:抵抗するように胸を抑えていた両手が、ゆっくりと滑った。
    "祓栗鼠" ミレイユ:牢生活で、切ることもできなかったのだろう。長い白銀色の髪に、恐る恐る手を伸ばす。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「…………だめ、です」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「呪いは……わたしが、解いたん、ですから」
    "祓栗鼠" ミレイユ:伸ばした手で、あやすように男の頭を撫でる。
    青年:「……じゃあ」
    青年:「じゃあ、俺は……どうしたらいい……?」
    青年:あなたの手に触れられた男は、聞き分けのいい子供のように項垂れる。
    青年:あなたを組み敷いたまま、額を、あなたの胸に預ける。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「……わたしと、村を出ませんか?」
    青年:「あんたと……?」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「わたしが、呪いを祓えたと言えば、きっとこの牢からは出してもらえます」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「でも……きっと。あの様子では、ずっと、遠巻きにされてしまうのではないでしょうか」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「わたしは、巡礼神官として旅をしています」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「良くも悪くも、身軽な身です。ひとところに留まることも、少ないですから」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「この村に留まるよりは、気持ちも楽に過ごせるのではと……どう、でしょうか?」
    青年:「……旅の途中、危ないことがあるかもしれない」
    青年:「旅が危ないのは、元々だろうが、それだけじゃあなくて……」
    青年:「俺が、あんたを、危ない目に遭わせるかもしれないんだ」
    青年:「……それでも、いいのか……?」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「その時は……ちゃんと抵抗します」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「……わたし、ほんとは戦えるんですからね?」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「その、今はちょっと、油断しただけで……」
    青年:「……………………」
    青年:「……油断したら……だめなんじゃないか……?」
    青年:彼は、素朴な疑問と共に──ころんと
    "祓栗鼠" ミレイユ:「つ、次からはしませんっ」
    青年:固い石床に、仰向けになった。
    青年:あなたと並んで、石の天井を見上げるように。
    青年:「……ラング、だ」
    青年:「名前。名乗ったり、呼ばれたり……ずっとしてなくて、意識もしなかったが」
    青年:「そういえば俺は、名前があるんだった」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「ラングさん」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「いい名前、ですね」
    "祓栗鼠" ミレイユ:名前を呼ぶ。また一つ、鼓動が跳ねる。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「ミレイユです」
    青年:「ミレイユ……」
    青年:「……美味しそうな名、だ」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「……今度食べようとしたら、剣の柄でえいってしますからね」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「油断しませんから」
    青年:「や、いや、ちがう。菓子みたいな名だと、そう言いたくて……」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「ホントですか……?」
    青年:「俺は嘘はつかない……というか」
    青年:「嘘をつけるほど賢くはないというか……」
    GM:──狭っ苦しい牢の中で、夜は過ぎていく。
    GM:いつの間にか、どちらが先かは知らない。すうすうと寝息を立てて、眠り込み──

    GM:翌朝、である。
    GM:処刑台代わりの櫓の上で、村の若者が踊っている。
    GM:せっかく立てた櫓を、何もせずに解体するのがもったいないので、太陽神の祭りを開くことにしたそうだ。
    GM:とは言え素朴な信仰しかしらない住民達。とりあえず現地の歌を歌って、踊って、にぎやかにしている。
    GM:活気だけは、無駄に有り余っている村であった。
    "祓栗鼠" ミレイユ:少し困ったように、それでも嬉しそうにその光景を見ている。
    〝白狼酋長〟ラング:「待たせた、ミレイユ」
    〝白狼酋長〟ラング:旅支度を調えた青年が、走って来る。
    〝白狼酋長〟ラング:囚人の粗末な服ではなく、旅に出るのに十分そうな分厚い防寒着と、
    〝白狼酋長〟ラング:中古かもしれない、傷のついた鎧。
    〝白狼酋長〟ラング:そして、こちらは真新しい──片手で使うにはいささか大きな剣がふたふり。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「…………」 ほんの少しだけ口を開いて、数秒固まっていた。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「……驚きました。見違えましたね」
    〝白狼酋長〟ラング:「両親の財を、返してもらった」
    〝白狼酋長〟ラング:「それで、村の店で買いそろえた」
    狼人の少女:「私が見立てました!」
    "祓栗鼠" ミレイユ:目を細める。「ありがとう」
    狼人の少女:ぐっと親指を立てる。
    〝白狼酋長〟ラング:「何処へ行けばいいのかも、何をすればいいのかも、まだ知らない」
    〝白狼酋長〟ラング:「旅をしているうちに、その辺りは分かるのだろうな……と思っている」
    〝白狼酋長〟ラング:「だが、少なくとも」
    〝白狼酋長〟ラング:「こういう剣の使い方は、忘れていない」
    "祓栗鼠" ミレイユ:ゆっくりと一つ頷く。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「わたしも、同じですよ」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「ただ……一つ。次に行く場所だけは、決まっています」
    〝白狼酋長〟ラング:「どこだ?」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「オルトビック」
    〝白狼酋長〟ラング:「知らない名だ……」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「寂れた村だったそうです。昔ながらの」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「ただ、ここ最近は急速に発展して、人も物も行き交いが増しているそうです」
    〝白狼酋長〟ラング:「そうか、人がたくさんいるのか」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「ええ。最初に立ち寄るには、ちょうどいい場所だと思いませんか?」
    〝白狼酋長〟ラング:「俺は、そこがいい所かどうかは知らないが……聞いていて楽しそうに思った」
    〝白狼酋長〟ラング:「それに、ミレイユが行きたい場所なんだろう?」
    〝白狼酋長〟ラング:空を見上げる。
    〝白狼酋長〟ラング:ノールベイトの、鉛色の空。今日は風の偶然もなく、
    〝白狼酋長〟ラング:何の変哲もない、平凡な雪国の空模様だ。
    〝白狼酋長〟ラング:「行こうか」
    〝白狼酋長〟ラング:「俺達の、最初の旅だ」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「ええ。太陽神さまも祝福して下さっていることでしょう」
    "祓栗鼠" ミレイユ:厚い雲に覆い隠されているからこそ、その信仰は深く、強い。
    "祓栗鼠" ミレイユ:ずっと絶え間なく、胸が疼いている。その理由を、まだ知らないままに。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「行きましょう、オルトビックへ」

    旗揚げ


    GM:オルトビック。
    GM:西と北に高い山、東に細い川。その間の僅かな土地に詰め込まれたような集落である。
    GM:極端な傾斜のついた頑丈そうな屋根の建物が幾つか、ぎっちり身を寄せるように立ち並ぶ。
    GM:その、ぎっちり──の密度というのが、中々に極端だ。
    GM:古い建物、新しい建物が幾つも入り交じり、それぞれが石造りの通路で繋がっている。
    GM:もともと狭い範囲に建物を集中させていた集落だが、そのわずかな隙間に更に建物を増やし、
    GM:結果的に幾つもの建物がくっついて大きなひとつの建築物になっているような──
    GM:平べったく言うと、アーケード街のあちこちに壁と扉があるようなもんだと思って欲しい。
    GM:そして、そのうちの建物のひとつが、ノールベイト初の冒険者ギルドである。
    GM:まだアールマスなどの大都市のものに比べれば規模は小さく、所属冒険者の数もずっと少ない。
    GM:そのうちヒンシェルウッドなどの大型拠点に、さらに大規模なギルド施設を建設する予定もあるというが──
    GM:今は、たまたま、ギルド施設として運用可能な建物が揃っていたこの村が、
    GM:ノールベイトの冒険者ギルド、第一号である。
    ”星の尾”アルワン:きょろきょろと辺りを見回している。今まで雪と夜しかない世界で生きてきた少年にとっては、あまりに”情報”が多すぎる。
    ”星の尾”アルワン:「……人が多すぎて、頭が痛くなってきた」圃人との混血なだけあって、感覚は非常に繊細だ。
    血鮫魔女レゼナ:「ちょっとした輻輳区スプロールだね、それも新品」
    ”星の尾”アルワン:「輻輳区スプロール? 何だそれ」
    血鮫魔女レゼナ:「横に広がる代わりに幅を狭めた街の作り方さ」
    血鮫魔女レゼナ:「変わったところじゃ縦に積んでくこともある。それはそれでどん詰まりだね」
    ”星の尾”アルワン:「へぇ……そうか、おれたちも纏めて家を建てればよかったのかもな……」
    GM:利用可能な土地が少ない──というのもあるが、この村の場合、
    GM:とにかく雪をかぶりたくない、外の風を浴びたくない……という設計思想が強い。
    GM:通路は、通気口などもあるから半ば外のようではあるが、半ば屋内で、
    GM:気付くといつのまにか数件隣の建物にいる。そういう構成の建築物群。
    血鮫魔女レゼナ:くすくすと笑いながら見下ろし、先導。その身なりと体格からはぐれることはそうそうあるまい。
    血鮫魔女レゼナ:「素人が安物使って真似したら、全部まとめて潰れるかもね」
    GM:建材は、大量の岩や煉瓦、金属を用いている。
    GM:……打ち捨てられたはぐれ者の集落では、真似ることはできまい。
    ”星の尾”アルワン:「あっ。待てよ……ギルドってのもここにあるんだろ」慌てて女を追いかける。
    血鮫魔女レゼナ:「ま、死ななきゃこれからも目にするからね」
    血鮫魔女レゼナ:「今は目的地に向かうとしよう。参考にするのは後にして」
    ”星の尾”アルワン:「……目が回りそうだ」
    GM:ギルドの場所を特定するのは簡単だ。あちこちに看板が有る。
    GM:増設のしすぎで、やや道に迷いやすくなったのを補うためか、看板の数が多い村である。
    GM:その案内表示に従って幾つかの扉を抜けると……際立って大きな建物に辿り着く。
    GM:大きな建物というより……そうだな。
    GM:元々村の広場だった場所に、大量の石畳を敷き、石壁を立て、屋根をつけた場所だ。
    GM:広い空間の、向こう側に酒場のようなカウンターがあり、こちら側には大きなコルクボードがあって、
    GM:その間の地点に、ギルドの受付カウンター。
    GM:……そして、その周囲に乱雑に、適当に、丸テーブルと椅子が並んでいる。
    GM:あちこちのテーブルで飲食が行われ、会話が弾んでいる。
    血鮫魔女レゼナ:黒い衣をはためかせ、するするりと通り抜けてゆく。向かう先はカウンター。
    ”星の尾”アルワン:黒い衣を追うように駆けていく。だが、人にぶつかるようなことはない。
    ”星の尾”アルワン:(そうか……あいつ、身元を普通の人に知られるとまずいんだ)
    ”星の尾”アルワン:(だから顔布フェイスベールと修道着擬きで隠してるんだな……)
    GM:「──あそこの黒い鎧」「〝赤竜司祭〟ファニルだろ? ……南方にいたんじゃないのか」
    GM:「おい、〝大剣無双〟だ。ディーアだぞ、あれ」「マジか? ……マジだな、あんなのまで呼んできてんのか!」
    GM:「立ち上げにあたって、初動は余所の腕利き借りてくる……ってのは聞いたけどよ。〝氷雪の魔姫〟まで連れてくるとは」
    GM:「かなりの労力と金を注ぎ込んだんだろうな……羅針団ってのも案外、本気で」
    GM:「ああ、本気でここにギルドを定着させる気かも……」
    GM:……他地域から来たのだろう冒険者や、冒険者ではないが妙に事情通な労働者や、
    GM:そういう者達が、ギルド内を歩く者の姿を見て、ひそひそと言葉を交わす。
    GM:あなた達に向けられる視線は、まだ少ない。
    GM:……無いわけでないのは、こう、率直に言ってしまうとややアレなのだが……肉感的な体格とかそっち方面で需要が激しいというか……
    GM:まぁ、とにかく。あなた達はあまり目立たず、受付カウンターに辿り着くだろう。
    血鮫魔女レゼナ:「どうもはじめまして。あたしとこの子の登録をお願いしたいのだけど」
    ”星の尾”アルワン:「子供扱いするな。登録くらい自分でやれるよ。えっと……」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「はじめまして、受付嬢のサビーナです……」と名乗った直後、受付嬢はカウンターに頭突きをかました。
    〝不乾之筆〟サビーナ:「私は……史跡・魔術痕調査員なのに……なぜか適性外な筈の対人業務ばかり回ってくる……!」
    血鮫魔女レゼナ:視線を避けず厭う様子を見せることもなく、ゆらりと半身でカウンターに。「おぉっと……」
    ”星の尾”アルワン:今更、この女の名前を聞いていなかったことに気付いて。
    血鮫魔女レゼナ:薄手の──この地では不釣り合いにも──黒衣に身体の輪郭を浮き上がらせている。
    血鮫魔女レゼナ:「そりゃ申し訳ない。読み書きできるとは思ってなかったんだ」
    ”星の尾”アルワン:「……」今更ながらに、この女が物凄い美人なのだろうなということも、周りからの視線のせいで気付いてしまって。
    〝不乾之筆〟サビーナ:顔を上げる
    〝不乾之筆〟サビーナ:「……失礼、取り乱しました。ここは冒険者ギルド。ノールベイト羅針団の支援により運営されています」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「冒険者登録は、あまり難しい業務ではありません。こちらの書類シートに必要事項を記入してください」
    ”星の尾”アルワン:「よ、読み書きくらい……見てろ、ひとりでやってやる」女を一瞥して。
    ”星の尾”アルワン:受付の不健康そうな女の言葉に頷いて、書類を見る。
    〝不乾之筆〟サビーナ:「名前、性別、年齢、職業、髪、目、体格、技能、呪文、奇蹟」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「……髪と目、体格はまぁ、ふわっとした表記でも大丈夫です。こちらで補足しますので」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「技量点と冒険履歴の欄は、ギルド側で使いますので空欄でお願いします」
    ”星の尾”アルワン:「職業じょぶ……? 体格ふぃじかる……?」
    血鮫魔女レゼナ:「ダメそうなら口述筆記お願いね、学士スコラさん」
    血鮫魔女レゼナ:さらさらりと冒険者記録用紙キャラクターシートに羽根筆を滑らせる。
    ”星の尾”アルワン:女の字は綺麗だ。筆跡まで良い匂いがしそうな気がする。
    ”星の尾”アルワン:負けじと、冒険者記録用紙に筆を走らせる。
    〝不乾之筆〟サビーナ:……その記述をちらちらと盗み見て、
    〝不乾之筆〟サビーナ:「……アルワンさんと、レゼナさん。ふたりともノールベイトのご出身ですか?」
    ”星の尾”アルワン:名前は、”星の尾”アルワン。年齢は、たぶん10と5。シャロールが教えてくれたから合っているはず。
    ”星の尾”アルワン:技能? 職業……?
    ”星の尾”アルワン:「えっ」不意に声をかけられたのでびっくりする。感覚が鋭敏だ。
    ”星の尾”アルワン:「おれはそう……だけど」
    血鮫魔女レゼナ:「ええ、ノールベイトの北寄り。入江の民の血筋です」
    血鮫魔女レゼナ:種族の欄に鮫人ジョーズなる、あまり見かけぬ記入をする。(魚人ギルマンの一種とも追記)
    〝不乾之筆〟サビーナ:「ほう、入り江の……彼らの精神性は、ノールベイト南方のそれともまた異なる」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「合理的でありながら力強く、独特の……興味深い文化圏です」
    〝不乾之筆〟サビーナ:記述に目を通し、何度か頷きながら、世間話のようにぽつぽつと言葉を発する。
    ”星の尾”アルワン:言われてみれば、あの歯と鰭。雪捨て場どころか、ノールベイト全体でも滅多にお目にかからない種族だろう。
    ”星の尾”アルワン:人種は、他の冒険者連中の「只人」「圃人」を盗み見て、くっつけた「只圃人ハーフリング」。
    ”星の尾”アルワン:呪文は……
    血鮫魔女レゼナ:「主な仕事は風呼び、雨乞いの類いですがねっと」戦士ファイター魔術師ソーサラー
    〝不乾之筆〟サビーナ:「……星の尾、ふむ。あだなとしては、珍しい響きです──いえ」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「名だけでは、同じ名の誰かと間違われる。他からの呼称を書き添えるのは珍しくありませんが」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「〝只人戦士〟やら〝鉱人術士〟やら、種族と職業絡みの異名を併記する方が……冒険者には多い」
    ”星の尾”アルワン:「えっと……青くて痺れるびりびりを飛ばす奴と……疲れの取れる美味しい水を出すやつ……ああ」
    ”星の尾”アルワン:顔を上げる。
    ”星の尾”アルワン:「……一番の友達にもらった渾名だよ。いつも星を見てるからって」
    ”星の尾”アルワン:「故郷から持ってこれるものが、これくらいしかなかった」
    〝不乾之筆〟サビーナ:──白磁の板に、書類シートの内容を書き写す。
    GM:ギルド発行の身分証。等級の証明証。
    GM:これの付与を以て冒険者登録は、驚くほどあっさりと完了してしまった。
    血鮫魔女レゼナ:「ま、二つ名ってのは手前で名乗るもんじゃないが」くすくすと意地悪く笑う。
    〝不乾之筆〟サビーナ:……くすっ、と笑って、
    〝不乾之筆〟サビーナ:「……まぁ、まぁ。仰る通り、ではありますが……いいじゃないですか」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「二つ名とは、畏敬や憧れが形になったもの」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「誰かに、何かに憧れてこの道に踏み込む方が増えた今は……」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「……自分でそういう名を、名乗ってみるのも、楽しいものかと」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「では……お二人とも、これにて冒険者登録は完了です」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「あなた達は白磁等級。いわば駆け出しの冒険者」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「あちらのコルクボードの左側に、白磁等級向けの依頼書が集められていますので、まずはそちらに目を通し」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「……受けたい依頼が見つかったなら、その書面をこちらのカウンターへお持ちください」
    ”星の尾”アルワン:「……ありがとう」ちゃら、と白磁の冒険者票を首にかける。まだ、実感はないが。
    ”星の尾”アルワン:「れ、ぜ、な」隣の女の冒険者票を見る。「レゼナ」
    ”星の尾”アルワン:「……やっぱり魔女だったのか」
    血鮫魔女レゼナ:「なあに」聖印とは程遠い、怪しげな民芸品に真新しい白磁を重ねる。
    血鮫魔女レゼナ:「それ以外の何に見えたのさ」大きな背中からはみ出すほどの、分厚い大剣グレートソードを揺らしつつ。
    ”星の尾”アルワン:「極夜神の女神……」
    ”星の尾”アルワン:言った後、恥ずかしそうに眼を伏せる。
    血鮫魔女レゼナ:「ま、何者だろうとこれからは冒険者アドベンチャラーさ、二人おんなじね」
    GM:──時間帯の関係か、依頼書はあまり多くは残っていなかった。
    GM:都会と違って、下水の鼠退治なんて依頼は無い。その代わり、雪掻き時の野生動物からの護衛……なんて依頼が幾つか。
    GM:しかしこちらはどうも、オルトビックから随分遠い。言って戻ってでどれだけの時間が掛かるやら。
    GM:お?
    GM:片道で一日かからない程度の村からの依頼がある。道中も、山道での野宿ではなく、近場の村で軒先を借りられそうな位置だ。
    GM:ゴブリン退治の依頼だと言う。
    GM:ゴブリン……〝雪捨て場〟にも現れたことがある。
    GM:棒切れを振り回していたので、みなで袋叩きにしたが、ろくな荷も持たなかったので適当に捨てた。
    GM:喰ったか? ゴブリンを喰おうと考える者はいない。絶対に。
    血鮫魔女レゼナ:「これやってみる?文字の読めるアルワンくん」
    GM:──と、レゼナが伸ばした手が、
    ”星の尾”アルワン:「……」じっと託宣板を見つめる。「小さい……鬼……?」
    〝白狼酋長〟ラング:「……あ」それより一回り大きな、別な手と重なる。
    血鮫魔女レゼナ:「あら失礼。立派な戦士さん」
    ”星の尾”アルワン:「……悪い。あんたらも、同じ依頼受けようとしてたのか?」
    〝白狼酋長〟ラング:「こちらこそ、鮫人の戦士」軽い会釈。一歩後退して依頼書の内容に目を通し、
    〝白狼酋長〟ラング:「どう思う、ミレイユ」
    〝白狼酋長〟ラング:「村を襲って家畜を奪った小鬼……だそうだ」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「小鬼退治。伝統的な駆け出しルーキーの仕事……か」
    〝白狼酋長〟ラング:「人間は襲われていない。食料と薪ばかりごっそりと……」
    ”星の尾”アルワン:「小鬼ゴブリン……あいつら、最悪なんだよな……」
    ”星の尾”アルワン:「食える所も全然ないし……そのくせしぶとくて、ずるいし……」
    血鮫魔女レゼナ:「じゃあ最悪を更新するのも悪くないね……悪くない?ふふ」
    〝白狼酋長〟ラング:「……小鬼、実際に見たことはないな」
    〝白狼酋長〟ラング:「俺の集落には、近づいてきたことがないようだ」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「血気盛んな狼人たちの集落を襲うほど、あいつらは勇敢ではないから」
    血鮫魔女レゼナ:「数の多い小鬼はもっとタチが悪いという。冒険者が必要とされたり、妖術師が利用するぐらいにはね」
    ”星の尾”アルワン:眉を顰める。「寒くて食べるものがないのは、みじめだ」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「そう。問題は数」
    GM:──問題は、数。
    GM:その認識は、初対面の2&2人の中で共有されていると見ていい。
    GM:逆に言えば……単体なら、非力なのだ。
    血鮫魔女レゼナ:(こちらも数をと言いたいとこだけど……うぅん、太陽神の聖印か)
    "祓栗鼠" ミレイユ:「人を襲わなかったということは、今はまだ数を"増やして"いる最中なのかもしれない」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「斥候に来た小鬼くらいは、相手したことあるけれど。でも、数がいたり、場所が悪いと話は別」
    血鮫魔女レゼナ:(ま、一度限りなら悪くはないか)
    GM:石と棍棒を持った子供でも追い散らせる。ただの村人でも打ち勝てる。
    GM:厄介だが、弱い。それが、小鬼だ。
    ”星の尾”アルワン:「……レゼナ。たぶん、二人だと危ない」
    ”星の尾”アルワン:「小鬼は囲んでぶちのめすのが一番だって、シャロールが言ってた」
    血鮫魔女レゼナ:「つまりこういうことだ。報酬と危険とを分け合おう」
    血鮫魔女レゼナ:「私は問題ないよ。そちらのお二人はいかがかしら」
    〝白狼酋長〟ラング:「……どうする?」首をぐりんとミレイユの方に向けて答えを待つ。
    〝白狼酋長〟ラング:散歩中に立ち止まって飼い主の行動を待つ犬のようだ。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「いいと思います」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「わたしも、ラングさんも。多数を相手取るのにあまり向いてないから」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「お二人は、どうですか? 呪文や、武技。数を払えるような手段は」
    〝白狼酋長〟ラング:「ラングだ。初対面の相手には名乗るのだった」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「……ああ、そうでしたね。失礼しました」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「ミレイユと申します。太陽神の神官を務めております」
    ”星の尾”アルワン:「……”星の尾”、アルワン。青くて痺れる光を飛ばせる。でも、一人だけだ」
    ”星の尾”アルワン:「しかも、精霊の機嫌が悪いとお願いを聞いてくれない……」
    〝白狼酋長〟ラング:「……だめなんじゃないのか……?」
    〝白狼酋長〟ラング:無遠慮な発言。悪意はないが、深く考えてもいないのだ。
    血鮫魔女レゼナ:「鮫人の妖術師、レゼナ。冷たく暗い海の産まれで、あまり眩しいのは得意じゃない」
    血鮫魔女レゼナ:「なぁに、水やら風の精霊はこの地じゃいつだって元気だからね」
    血鮫魔女レゼナ:「声を掛ける相手さえいないってことにゃあならないでしょ」
    ”星の尾”アルワン:「じゃあ……そういうラングは、持ってるのかよ。大勢をボコボコにできるような技」
    〝白狼酋長〟ラング:「……無いな」
    ”星の尾”アルワン:レゼナの言葉にちょっとだけ安心しつつ。それはそれとしてむっとしたので言い返すが……
    ”星の尾”アルワン:「無いのかよ」毒気を抜かれた。
    〝白狼酋長〟ラング:「だが、剣は振れるぞ」と、鞘に収まった片手半剣を示す。
    〝白狼酋長〟ラング:なぜか、二振り。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「妖術師、とはあまり聞かない響きですね。魔術師……の親戚? でいいのでしょうか」
    ”星の尾”アルワン:(二つもぶん回すような剣じゃないだろ……何考えてんだ?)ラングの両手半剣を見ながら。
    ”星の尾”アルワン:「魔術師ウィザードじゃなくて……妖術師ソーサリーか」
    血鮫魔女レゼナ:「そんなところさ。ただ高名な妖術師には共通点がある」
    血鮫魔女レゼナ:「宝冠を取り戻せし伝説も、灰色の者を追った狩人も、灰鷹の如き術者も」
    血鮫魔女レゼナ:「こいつの扱いにも優れていたのさ」と両手剣をこつこつ叩く。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「術師であり、偉大な戦士でもある、と」
    ”星の尾”アルワン:「色々でかいな、レゼナ……」
    血鮫魔女レゼナ:「ま、身を守るのは不得手なのでお世話になりますよ」片膝を曲げて一礼。
    ”星の尾”アルワン:自分の身の丈とそう変わらない両手剣を見上げて呟く。
    血鮫魔女レゼナ:「今回に限るにしろ、頭目リーダーをお任せしても?」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「わたしが?」
    ”星の尾”アルワン:「……」しげしげとミレイユを見て。
    ”星の尾”アルワン:「あんたが一番しっかりしてそうな気がする」
    〝白狼酋長〟ラング:「うんうん」頷いている。
    〝白狼酋長〟ラング:「鮫人はなんとなくだが、後ろから見ていそうだし」
    〝白狼酋長〟ラング:「小さい方は後ろを見なさそうだ」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「ラングさんまで……」 困ったように口元が下がる
    血鮫魔女レゼナ:「お互い相手の能力やら性格やら知るわけでもなし。やれるやれないの正解は分かるまい」
    血鮫魔女レゼナ:「だから攻める時は攻める、退く時は退くと指示を委ねる相手は居なくちゃね」
    ”星の尾”アルワン:「……おれたちは、ついさっき冒険者になったばっかりだから」
    ”星の尾”アルワン:「”頭”がいた方がありがたい。大勢で殴り合いをする時も、そう言う奴のいる集団の方が、格段に立ってる奴が多い」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「冒険者としての経歴は、わたしとラングさんも似たようなものですが」
    血鮫魔女レゼナ:「あと信用度は神官が一番」
    血鮫魔女レゼナ:「無頼だのあやしい術師だのは、ねえ?」
    〝白狼酋長〟ラング:「うんうん」信用度の問題はよくわかる……という顔で頷いている。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「まあ……身を害するものに対しては敏い方です。お受けしましょう」
    ”星の尾”アルワン:「レゼナは……いつも人を惑わすようなことばっかり言ってるから……」
    〝白狼酋長〟ラング:「そうなのか?」
    ”星の尾”アルワン:頷く。「おれの未来が、この払暁アウローラの札の中に見えるらしい」
    血鮫魔女レゼナ:札は一揃いのものだが、一枚だけはアルワンの懐にしまい込んだのだ。
    ”星の尾”アルワン:二人にカードを見せる。紅玉を装うように、虹が輝いていた。
    GM:──なにはともあれ、即席の一党結成、というところである。
    GM:後はこの、ボードからひっぺがした依頼書きを受け付けカウンターに持っていき、受領の旨伝えて説明を受ければ、
    GM:あなた達の冒険が始まる……というわけだ。
    "祓栗鼠" ミレイユ:掲示板に近付き、踵を上げて手をめいいっぱい伸ばし、目当ての依頼書を取ろうとしている。
    "祓栗鼠" ミレイユ:ぴょん、ぴょんっ。届いていない。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「むー……!」
    血鮫魔女レゼナ:「はい頭目」ひょいと指で摘まみ取り、腕をまっすぐ伸ばせば届く位置に。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「…………あ、ありがと……」
    血鮫魔女レゼナ:「なぁに、冒険者は助け合いでしょう」くつくつと笑い、尾を揺らしながらカウンターに。
    ”星の尾”アルワン:「……」「背が低いって不便だよな……」ぼそっとミレイユに同情して、カウンターに向かう。
    GM:依頼書を提出すると、先程の受付嬢──というのも微妙に語弊があるのだが──は、
    〝不乾之筆〟サビーナ:「……なるほど、ゴブリン退治ですか」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「これこれこういうルートを辿って、どこそこの村で一晩休憩し、」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「またしばらく同じ道を進みますと、目的の村に到着します」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「おおよその状況は記載の通り。一応は現地で村長から話しを聞いてください」
    〝不乾之筆〟サビーナ:……と、簡潔に状況を説明した。
    "祓栗鼠" ミレイユ:頷く。「分かりました」
    ”星の尾”アルワン:「じゃあ、準備を整えていかないとな」
    ”星の尾”アルワン:「準備を……」
    ”星の尾”アルワン:財布というにもおこがましい、襤褸に紐を括った袋を開ける。中身は空だ。
    〝不乾之筆〟サビーナ:「……ちなみに、みなさん。ゴブリンとの戦闘経験は?」
    血鮫魔女レゼナ:「自慢するほどのことは無し」自慢げに大剣を叩く。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「単独で動いているようなやつなら、何度か」
    〝白狼酋長〟ラング:首を左右に振る。
    ”星の尾”アルワン:「……”家”に迷い込んで来たクソ野郎を退治したことなら沢山あるよ。でも、いつも罠を仕掛けたり大勢で殺してたから」
    〝不乾之筆〟サビーナ:杖を使い、ゆっくりと立ち上がる。
    〝不乾之筆〟サビーナ:低いカウンターを椅子にして、片足を持ち上げた。
    〝不乾之筆〟サビーナ:ズボンの裾を捲り上げる。
    〝不乾之筆〟サビーナ:足首の裏側に大きな傷跡。脹ら脛の辺りも、肉を削ぎ取られたような痛々しい傷が残っている。
    〝不乾之筆〟サビーナ:「……個人的な意見としては、半数が女性であるあなた達一党には」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「別な仕事で経験を積んでもらいたい……と思っています」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「が……残念ながら。今、最も危険度の低い依頼のひとつが、ゴブリン退治です」
    ”星の尾”アルワン:「……この土地は、人間が普通に生きるには、辛すぎる」
    ”星の尾”アルワン:異常に強靭な野生動物。伝承にうごめく死の影。古代の王が残したと呼ばれる、あまりにも異質な遺跡の群れ。
    ”星の尾”アルワン:そう言ったものを、耳聡い友人の噂から。旅人の語りから。そしてあるいは、自身の経験から。幾度となく聞いてきた。
    血鮫魔女レゼナ:「心配はありがたく頂いておきましょう」その上で、小鬼ゴブリンは怪物の中で最も弱いのだ。
    血鮫魔女レゼナ:「きっちり気を付けて冒険してきますよ。怯えるならともかく、避けて進んじゃ臆病者の誹りは免れまい」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「そのためにお二人と組みましたから。警戒することは大切です」
    ”星の尾”アルワン:「……薪と食料を取られて、みじめな思いをしてる人がいる」
    ”星の尾”アルワン:「お腹が空いて寒いのが、この世で何より辛い」静かに言う。それきり、口を閉じる。
    〝不乾之筆〟サビーナ:「……お気をつけて。つねに退路は確保しておきますように」
    〝白狼酋長〟ラング:「……………………」
    〝白狼酋長〟ラング:「……ひとまず、行こうか」
    ”星の尾”アルワン:頷く。
    〝白狼酋長〟ラング:「ここは暖かで、いい場所だ」
    〝白狼酋長〟ラング:「ここで考えることは、きっと、目の前でみた時とは違うんだろう」
    〝白狼酋長〟ラング:「実際に、見に行こう」
    〝白狼酋長〟ラング:「たぶんそれが、」
    GM:それが、冒険というものだ。

    探索1:見張りは2匹


    GM:──そうして始まった冒険だが、案外、静かなものだ。
    GM:初日は移動で終わった。田舎の村に辿り着き、軒先を借りようとして、ちょうど空いていた家畜小屋を使わせてもらえた。
    GM:そして二日目の昼前には、目的の村へ辿り着いた。
    GM:そう難易度の高い道中とは言えまいが、それでも寒冷地の遠距離移動だ。
    GM:さて、あなた達一党の初めての判定といこう。
    GM:寒冷地の長距離移動判定! 体力持久+冒険者レベル+技能防寒着その他で……難易度は16!
    〝白狼酋長〟ラング:GS10>=16 長距離移動+防寒着
    GoblinSlayer : (GS10>=16) → 10 + 9[5,4] → 19 → 成功

    "祓栗鼠" ミレイユ:GS(5+2+2)>=16 寒さに対する抵抗判定(環境適応:寒さ+2、防寒具+2)
    GoblinSlayer : (GS9>=16) → 9 + 8[6,2] → 17 → 成功

    "祓栗鼠" ミレイユ:もこもこ……
    血鮫魔女レゼナ:日光はどうかな
    ”星の尾”アルワン:GS5>=16
    GoblinSlayer : (GS5>=16) → 5 + 8[3,5] → 13 → 失敗

    ”星の尾”アルワン:おれはもうダメだ
    GM:成功者は消耗1、失敗者は消耗2で
    GM:日光、ふむ……夜の移動は無いだろうが、夜休憩も疲労度に含まれるだろうとして
    "祓栗鼠" ミレイユ:"祓栗鼠" ミレイユの消耗を1増加(0 → 1)
    GM:曇天扱いの半分、すなわち-1としようか
    GM:〝白狼酋長〟ラングの消耗を1増加(0 → 1)
    血鮫魔女レゼナ:ありがとうございます!
    ”星の尾”アルワン:”星の尾”アルワンの消耗を2増加(0 → 2)
    血鮫魔女レゼナ:GS10>=16
    GoblinSlayer : (GS10>=16) → 10 + 6[1,5] → 16 → 成功

    血鮫魔女レゼナ:血鮫魔女レゼナの消耗を1増加(0 → 1)
    GM:──さて。
    GM:一党は目的の村に到着し、村長から説明を受けた。
    GM:大筋のところでは、珍しいもののないゴブリン退治の依頼だ。村の食料や薪が奪われた、次の襲撃の前に退治してほしいと。
    GM:……だが、村人から奇妙な情報を得られた。
    GM:ゴブリンが持ち去ったものの中に、清潔な寝具だとか、女物の服だとかが含まれていたらしいのだ。
    GM:ゴブリンが孕み袋の為に寝具や服を用意するか? 有り得ない。
    GM:この情報は、依頼書には無かった。村人側で、そういうこともあるだろうと思って、特別に記述はしなかったらしい。
    GM:奇妙な話であった──
    GM:ところで。
    GM:とある冒険者の活躍により、対ゴブリンの戦術レベルは上がっている。
    GM:ゴブリンの寝床へ襲撃を仕掛けるなら、早朝または夕方──というのが鉄則だ。
    GM:君ら一党は、いつごろに洞窟へ向かうかね? もちろん真昼の、完全にゴブリンどもが寝静まっているタイミングでも、それはそれで良いだろう。
    血鮫魔女レゼナ:今回は急ぐ理由がないみたいなので夕方かな?
    血鮫魔女レゼナ:夜のノールベイトは特に冷えるというのは懸念点だが
    ”星の尾”アルワン:夕方に行こう!レゼナさんのフルスペックが発揮できるし……
    "祓栗鼠" ミレイユ:では、そうしましょうか
    "祓栗鼠" ミレイユ:夕方から夜にかけての方が元気というのは少し分かりませんが……
    GM:不思議な人もいるものですなぁ
    GM:……では、夕方だ。
    GM:あなた達は、ゴブリン達が住み着くという巣──洞窟に辿り着く。
    GM:洞窟から少し離れた茂みで様子を窺ってみれば、
    小鬼:只人の子供程度の体格しかない醜悪な生き物が2匹、欠伸をしながら突っ立っているのを見るだろう。
    小鬼:見張り役のようだ。
    〝白狼酋長〟ラング:「……あれが小鬼か……小さいな。アルワンより小さい」
    血鮫魔女レゼナ:「良かったね少年」
    ”星の尾”アルワン:「何が」
    ”星の尾”アルワン:むすっとしている
    "祓栗鼠" ミレイユ:「む……」
    "祓栗鼠" ミレイユ:じゃあ自分はどうなのだと言いたげだ。……恐らく小鬼と大差はない。
    血鮫魔女レゼナ:「さぁて、どう出るか」
    血鮫魔女レゼナ:「さっと近づいて膾にするのは簡単。それじゃ駄目な理由が見つからなけりゃね」
    GM:怪物知識判定に関しては、こいつは省略して良いだろう。最低難易度、ギルドで情報も得ている。
    小鬼ゴブリン 小鬼1 生命力9 呪文抵抗11 移動力15 先制力4 知能:低い モラルGS4>=13
    粗悪な武器 達成値12 威力3 刺 回避12 装甲2 支援:命中、威力、装甲+1 5m
    【暗視:初歩】暗闇を60mまで見通す。
    ■緑の肌をした小さな人型の魔物。悪賢くはあるが知識はなく、自分が一番という無根拠な自信に基づいて行動する。
     「粗悪な武器」を1つ持っている。5分かけて死体を漁り、1d6で4以上が出れば、粗悪な剣、斧、槍を入手できる。
    〝白狼酋長〟ラング:「……二匹なら、そう手間取らずに倒せるとは思うが……」
    〝白狼酋長〟ラング:「どうする。突っ込むなら、俺はいくぞ」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「まだこちらには気付いていないようです。不意を討つこともできるかと」
    ”星の尾”アルワン:「待って欲しい。これから洞窟に突っ込むなら……次、いつ休憩が取れるか解らない」
    ”星の尾”アルワン:「疲れを取っておいた方が良い、と思う」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「というと?」
    ”星の尾”アルワン:「精霊に頼んで、癒しの水を汲んで貰える。……《命水アクアビット》、で合ってたか?」
    ”星の尾”アルワン:道中で教えて貰った名前だ。
    ”星の尾”アルワン:「そいつが使える。どうする?」
    〝白狼酋長〟ラング:「だれも怪我はしていないが……いいのか?」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「ずっと小鬼と出会いっぱなし、ってことはないと思うのだけれど」
    ”星の尾”アルワン:「解った。なら、また後で考えよう」護身用の鉄線を端材に巻いたものを嵌める。
    血鮫魔女レゼナ:「それじゃ助けを呼ばれる前に、不意を打って仕留める。これでいいみたいだ」
    ”星の尾”アルワン:「……」頷く。「まずはあいつらを殴り倒してからでも遅くない」
    血鮫魔女レゼナ:「あたしはやるよ。音の鳴る具足は付けてないからねぇ」指を滑らせ、肌の輪郭をなぞる。
    〝白狼酋長〟ラング:「俺は……これが、少し不安だ」胸甲の金具を指差す
    ”星の尾”アルワン:「おれもやる。多分……あいつらの、視線みたいなものは。わかると思う」
    ”星の尾”アルワン:それに、レゼナを一人で行かせたくないという見栄もあった。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「それなら……ラングさんは、周囲を見張っていてもらえますか?」
    〝白狼酋長〟ラング:「……わかった、それが安全だと思う」
    GM:では、隠密判定で近づいてもらおうか。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「わたしたちが、先に不意打ちをかける。もし上手く倒せなかったり、どこかから増援が来るようなら、対応をお願いします」
    GM:隠密判定は技量集中+斥or野+技能。まずは挑戦者、こちらで振っていただこう
    "祓栗鼠" ミレイユ:GS11 隠密
    GoblinSlayer : (GS11) → 11 + 8[3,5] → 19

    血鮫魔女レゼナ:GS7
    GoblinSlayer : (GS7) → 7 + 4[3,1] → 11

    GM:というかいまさらだが君ら軽装だなぁ
    ”星の尾”アルワン:GS9 隠密不意打ち
    GoblinSlayer : (GS9) → 9 + 11[6,5] → 20

    ”星の尾”アルワン:すご
    "祓栗鼠" ミレイユ:防具……?
    血鮫魔女レゼナ:金と移動力がない
    GM:では、受動側のゴブリンどもは……
    GM:GS1 いっぴきめ
    GoblinSlayer : (GS1) → 1 + 9[3,6] → 10

    GM:GS1 にひきめ
    GoblinSlayer : (GS1) → 1 + 6[3,3] → 7

    GM:どちらもぼんやりしているな……
    血鮫魔女レゼナ:ゴブリンはそんなもん
    GM:では君らは、同一距離にいるゴブリン2匹──これを0mとして
    ”星の尾”アルワン:めちゃくちゃぼんやりしてる
    GM:任意の位置から戦闘を開始できる。かつ1ラウンド目は君ら3人のみ行動だ
    〝白狼酋長〟ラング:俺は30m地点で1ラウンド目は待機している……
    "祓栗鼠" ミレイユ:よしよし
    GM:ということで何m地点におのおの行きたいかね?
    血鮫魔女レゼナ:任意の位置ってどれぐらいの許容範囲?
    GM:ふむ
    GM:近づくなら0、離れるなら……30m
    ”星の尾”アルワン:0Mかにゃ~ いきなり現れてビックリさせたいぜ
    GM:それ以上離れるとたぶん、木々やら何やらで視線が通らんだろう
    血鮫魔女レゼナ:じゃあ0mかな
    "祓栗鼠" ミレイユ:では同じく0mで
    GM:よし
    ”星の尾”アルワン:オデ ゴブリン 殴る
    GM:0:アルワン レゼナ ミレイユ  小鬼1 小鬼2
    30:ラング

    〝白狼酋長〟ラング:potunn
    GM:では、お待たせした。記念すべき初戦闘だ

    ラウンド1


    GM:行動順決定! ……は、実は意味が無いな
    GM:3人で好きな順番で動くといい
    血鮫魔女レゼナ:じゃあ私から殴るね
    ”星の尾”アルワン:いっけ~!
    血鮫魔女レゼナ大剣グレートソードで【強打攻撃・斬】【超怪力】効力値+2+1+3。対象は小鬼1
    血鮫魔女レゼナ:GS9>=12
    GoblinSlayer : (GS9>=12) → 9 + 7[5,2] → 16 → 成功

    小鬼:回避は……12しかない!
    血鮫魔女レゼナ:4d6+6 斬属性ダメージ
    GoblinSlayer : (4D6+6) → 8[2,2,3,1]+6 → 14

    血鮫魔女レゼナ:以上
    小鬼:装甲は2……12通しだから
    小鬼:生命力9!
    小鬼:しぬ!
    ”星の尾”アルワン:うおおお続くぜ
    "祓栗鼠" ミレイユ:どうぞ~
    ”星の尾”アルワン:後詰任せた!
    ”星の尾”アルワン:小鬼2を鉄拳で攻撃。
    ”星の尾”アルワン:GS11>=12
    GoblinSlayer : (GS11>=12) → 11 + 8[4,4] → 19 → 成功

    ”星の尾”アルワン:武技:無念無想(サ218)を使用する。自身の魂魄点を戦闘中一度判定に追加する。
    ”星の尾”アルワン:効力値23。ダメージ行くぞッ
    GM:さあこい
    ”星の尾”アルワン:2d6+2d6+4
    GoblinSlayer : (2D6+2D6+4) → 4[3,1]+5[1,4]+4 → 13

    ”星の尾”アルワン:出目がしょぼい!!
    GM:だとしても死ぬんだよなぁ……
    小鬼:11通しで……しぬ!
    ”星の尾”アルワン:うおおおおお
    GM:継戦カウンターが1になりつつ……あっさりと戦闘終了だ!
    ”星の尾”アルワン:雪や血で視界を防がれないように、梟の瞳のような雪防眼鏡ゴーグルを掛ける。
    血鮫魔女レゼナ:その隙に一番手は貰う。なぜならうっかり仲間をぶった斬ることはないからだ。
    血鮫魔女レゼナ:「──シィッ!」だっと雪中を滑るように飛び込み、だんびらを振り抜く。
    ”星の尾”アルワン:「早っ……」
    血鮫魔女レゼナ:遠心力を乗せたひと薙ぎ、狙うは小鬼の胴。威力は膂力で十分、確実に当てるのだ。
    小鬼:ざぐん、と肉を斬る感触──がまず先に有って、
    小鬼:「GI?」
    小鬼:その後に、間の抜けた声。
    小鬼:「GI……GIGIGIGI……GUE……」
    ”星の尾”アルワン:レゼナを一人にさせるわけにはいかない。雪を蹴って、飛び出す。
    小鬼:小鬼の上半身だけが、何が起こったかを知らぬままに息絶える。
    ”星の尾”アルワン:孤立が問題にならないほど強いのは、十分に解っている。ただ、そうさせたくなかった。
    ”星の尾”アルワン:感覚を集中する。小鬼の目線、息遣い、焦り――全て、手に取るようにわかる。
    小鬼:「……!」もう一匹が状況に気付いた。
    小鬼:息を吸う。
    小鬼:吸った息を声にすれば、仲間が来る──
    ”星の尾”アルワン:その寸前。
    ”星の尾”アルワン:潜り込むように背を落とし、拳の突き上げアッパー。正確に喉ごと頸椎を潰している。
    ”星の尾”アルワン:誰かに習ったわけではない。だが、昔から――やけに勘だけは良かった気がする。だから、ここまで生き延びて来れた。
    ”星の尾”アルワン:「寝てろ」
    小鬼:みしみしみしっ
    小鬼:いい具合に、いい所に突き刺さったのだろう。
    小鬼:人間の子供だろうが、一撃で殴り殺すのは容易ではないし、小鬼も同様だ。
    小鬼:だが、その拳は確かに、小鬼の命を刈り取った。
    GM:二匹。声を出される前に仕留めきった。
    ”星の尾”アルワン:深く息を吐く。感覚を集中させた後は、いつもこうだ。疲れを我慢するのは得意だが、疲れないわけではない。
    ”星の尾”アルワン:圃人と只人の特徴を歪に受け継いだ、出来損ないの種族だと思う。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「……」 太陽神の意匠の施された片手剣を握って構えていたが、鞘に戻す。そうして、少し離れた位置に待機している男の方へと踵を返して向かう。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「見張り、ありがとう」
    血鮫魔女レゼナ:「あたしより良い狙いだったね、少年」木の幹に擦り付けて大剣の血を拭う。
    〝白狼酋長〟ラング:「……特になにもなかった。ただ待ってただけだ」
    〝白狼酋長〟ラング:「外から近づいてくるやつがいなかった……だから」
    〝白狼酋長〟ラング:「たぶん、全部、中に居る」
    ”星の尾”アルワン:「たまたま良い所に入った」そう言いつつ、悪く思ってはいないようだ。即席の鉄拳を雪に埋め、汚れを洗う。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「じゃあ……次こそ、戦えるってところ見せますから」
    "祓栗鼠" ミレイユ:少し目を細めて微笑む。
    GM:……洞窟はぽっかりと口を開けて、日常と非日常の分岐点らしさを示している。
    GM:この先は、日の光が届かない領域だ。
    血鮫魔女レゼナ:「ふぅむ」じろりと仲間を見回して。
    血鮫魔女レゼナ:「夜闇で困るのは……少年だけかな?」
    ”星の尾”アルワン:「う……」
    血鮫魔女レゼナ:「でもってあたしらは両手が塞がると」大剣に鉄拳。
    血鮫魔女レゼナ:「弱点見つかっちゃったか~」ひらひらと掌を揺らす。
    "祓栗鼠" ミレイユ:投石紐をしまって松明を取り出す。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「大丈夫。わたしが先導します」
    ”星の尾”アルワン:「ミレイユ。いいのか?」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「片手が空いていれば十分ですから」 腰を片手で示す。簡素だが、装飾の施された鞘。
    ”星の尾”アルワン:「……ありがとう。頼りにしてる」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「いえ。わたしも、完全に"視える"とはいきませんから」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「ラングさんも、そうでしょう?」
    〝白狼酋長〟ラング:「……完全に、ではないな」
    〝白狼酋長〟ラング:「どうしても、距離に限度がある」
    血鮫魔女レゼナ:「見える種族も色はわかんないっていうよねぇ、不思議だねぇ」
    ”星の尾”アルワン:「……」どの種族も、万能というわけではない。
    ”星の尾”アルワン只圃人ハーフリングのはぐれものが活躍できる冒険も、これから先に待ち受けているのだろうか?
    ”星の尾”アルワン:「……行こう。あんまり時間をかけたくない」
    GM:──隊列が自然と定まり、あなた達は洞窟へ降りていく。
    GM:小鬼は地下に潜む。日の光から逃れるように。

    GM:では、探索パート……と行きますが、
    GM:マップを用意しての探索は大変なので、ここはよく見るチャート的なものを持ってきます。
    GM:2 緊急事態 2d6ダメージ
    3~5 探索難航 継戦カウンター+1……
    6~11 順調に進む 進行度+1
    12~ 幸運 進行+2!
    イベント 2/4/6

    GM:こういうの!
    血鮫魔女レゼナ:なるほど簡易的だ
    血鮫魔女レゼナ:やりやすい
    ”星の尾”アルワン:ウオーッ
    GM:これを順番に幸運判定で振ってもらって進んでいく……というやつだ
    GM:まぁ見てわかるやつだからね! さくさくと楽しく振っていこう
    GM:というわけでPC番号順にアルワンレゼナミレイユと振ってもらおう!
    ”星の尾”アルワン:よ~し
    ”星の尾”アルワン:では早速こちらから!
    ”星の尾”アルワン:GS
    GoblinSlayer : (GS) → 8[4,4] → 8

    ”星の尾”アルワン:いいねいいね
    ”星の尾”アルワン:6~11 順調に進む 進行度+1
    血鮫魔女レゼナ:GS 続こうか
    GoblinSlayer : (GS) → 10[4,6] → 10

    血鮫魔女レゼナ:6~11 順調に進む 進行度+1
    GM:さっくり進行度が2だな
    GM:では──プチイベントだ。

    GM:……静かに、あなた達は、洞窟の中を進む。
    GM:いささか、奇妙な心地がした。
    GM:空気が澄んでいるのだ。
    GM:それは地下のことであるから、淀んだ水の臭いだとか、カビっぽさも無いことはないが、
    GM:しかしそれは……地上の不潔な家屋より、ずっとわずかな問題に感じられる。
    GM:清潔なのだ。
    GM:ゴブリンの巣穴が清潔?
    GM:……少し進むと、やや広い場所に出た。
    GM:3匹のゴブリンが、がぁがぁといびきを立てて眠っていた。
    GM:もし、入り口の2匹に奇襲を察知されていた場合、
    GM:きっとここまで逃げ帰ったのだろう。そして、仲間をたたき起こして、
    GM:5匹で戦ってくれるなら幸運。まずいのは4匹ばかり待ち伏せに徹して、1匹は増援を呼びに行った場合だ。
    〝白狼酋長〟ラング:「……寝てるな」
    〝白狼酋長〟ラング:「起きる前に、仕留めよう」
    GM:前衛たちの攻撃で1撃1匹倒せると考え、ここでの戦闘は発生しない。継戦カウンター1と引き換えに3匹を仕留められる。
    血鮫魔女レゼナ:こくりと頷き手を大剣へと伸ばし、これを使うには狭い地形だとも思い直す。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「お二人の手際が良くて幸いでした。呼ばれていたら厄介でしたから」
    血鮫魔女レゼナ:すす、と一歩引いて促す。仕留め損なった時に動くぐらいでよかろう。
    ”星の尾”アルワン:頷く。喉を潰し、首の骨を折る構えだ。
    〝白狼酋長〟ラング:無言で剣を構え、小鬼一匹の喉へ突き立てる。
    〝白狼酋長〟ラング:分厚い刀身が気道を潰しながら、やがて骨をも断った。
    "祓栗鼠" ミレイユ:装飾の施された片手剣を音もなく抜き、足音を殺して接近。喉を斬る。
    ”星の尾”アルワン:自由落下の勢いそのままに、肘を喉に落とす。地面に押し付けて、頸椎を砕く。
    血鮫魔女レゼナ:「其の方もお見事で……」
    ”星の尾”アルワン:「……初めての冒険だから、解らないけど」
    ”星の尾”アルワン:立ち上がる。「三人とも、なんか、めちゃくちゃ強い気がするな……」
    "祓栗鼠" ミレイユ:血を払った剣でそれぞれの胸の辺りを指し示す。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「──遍くを照らす陽光よ、魂を導く一筋を齎し給え」
    "祓栗鼠" ミレイユ:太陽神へと捧ぐ、短い言葉を告げる。
    〝白狼酋長〟ラング:「……たぶん、強いのだろう」
    〝白狼酋長〟ラング:「強いから、いままで元気で生きてこられて、冒険者になれた」
    ”星の尾”アルワン:(謎の説得力がある……)
    GM:……とラングは言うが、半分ほどは当たっているかも知れない。しかし
    GM:そもそも、小鬼とは、弱い生き物なのだ。
    GM:只人の子供と同等の体力、知力の生物だ。
    GM:武器を持った大人が4人がかりで、子供の2人や3人に手こずるか?
    GM:〝赤子の手を捻るように〟殺してしまえるだろう。
    GM:楽な仕事だ。
    GM:そう、思ってしまえる。
    血鮫魔女レゼナ:「この調子で進めば楽なお仕事だね」
    ”星の尾”アルワン:「どうだろう。物事はいつも、思うようには進まない」常に悲観的だ。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「……聞いていた小鬼の巣と、違う感じがするのです」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「それが、どことなく違和感があって」
    〝白狼酋長〟ラング:「……そうかもしれない」
    〝白狼酋長〟ラング:「俺がいた牢屋より綺麗だ」
    ”星の尾”アルワン:「綺麗好きな小鬼なんているか?」
    〝白狼酋長〟ラング:「いるのか?」知らないのだ。ミレイユとレゼナを交互に見る。
    血鮫魔女レゼナ:「小鬼と好き好んでつるむ奴ぐらいには珍しいんじゃないかな」
    血鮫魔女レゼナ:「嫌そうに小鬼を使う手合いは、そこそこいる」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「小鬼の巣といえば、とにかく酷い悪臭がするのだと聞いていました」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「入ってみれば、それ程でもない……というか。いえ、話が誇張されていた可能性もあるにはありますが……」
    ”星の尾”アルワン:「……小鬼”以外”がいることも考えて動いた方が良いかも」
    〝白狼酋長〟ラング:「すると……どうしたらいい?」
    ”星の尾”アルワン:「そりゃあ……」
    ”星の尾”アルワン:「……」しばらく腕を組んで。「全然わからない」創造性に乏しい。
    血鮫魔女レゼナ:「今回と同じでいいんじゃない」
    血鮫魔女レゼナ:「小鬼以外が居そうな兆候に気を付けて、改めて手掛かりが見つかったら再考する」
    "祓栗鼠" ミレイユ:頷く。「それで良いと思います」
    〝白狼酋長〟ラング:「わかった。つまり、気をつけるということだな」
    血鮫魔女レゼナ:「起こるか分からないことで勝手に悩んじゃ損だからね」
    "祓栗鼠" ミレイユ:男の言葉に目を細める。「そうです。わたしより暗闇に慣れていそうですから、頼りにしていますよ」
    "祓栗鼠" ミレイユ:松明を再度持ち直し、先へと歩を進めていく。
    GM:……では
    GM:ここで第六感判定を行ってもらおう
    GM:難易度は敢えて今は提示しない
    "祓栗鼠" ミレイユ:GS10 第六感
    GoblinSlayer : (GS10) → 10 + 11[5,6] → 21

    "祓栗鼠" ミレイユ:ふ……
    血鮫魔女レゼナ:GS4
    GoblinSlayer : (GS4) → 4 + 6[5,1] → 10

    ”星の尾”アルワン:GS9
    GoblinSlayer : (GS9) → 9 + 6[2,4] → 15

    〝白狼酋長〟ラング:GS4 第六感判定
    GoblinSlayer : (GS4) → 4 + 7[6,1] → 11

    GM:ほう
    GM:なら、ミレイユは割とはっきりと。アルワンもなんとなく。
    GM:こちらの動きを探ろうと息を潜める、何者かの気配を感じ取る。
    GM:ミレイユに関しては、その感知手段が目視ではなく、
    GM:魔力探知──つまり、ある程度以上の力量を持つ術者によると判断できるだろう。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「……!」 歩みがぴた、と止まる。
    ”星の尾”アルワン:思わず、眉を顰める。
    ”星の尾”アルワン:「……なんだ、これ」
    血鮫魔女レゼナ:「?」尾っぽをぴちぴちと震わせながら、止まった足音に振り向く。
    〝白狼酋長〟ラング:「?」同じく立ち止まり、周囲をきょろきょろ見渡す。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「……どこかから、見られて──いえ、これは」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「呪文使いには、魔力を放出することで周囲を察知する技能を持つ者がいるそうです」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「見られているより、察知されている……という感覚があります。恐らく、これがそうなのでしょう」
    ”星の尾”アルワン:「そうか……この、誰かに見られてるヤな感じは……」
    血鮫魔女レゼナ:「ふぅむ……」
    血鮫魔女レゼナ:「なら今後は待ち伏せされるつもりで進む必要があるね」
    血鮫魔女レゼナ:「いつまでも主導権イニシアチブを握っちゃあいられないか」
    〝白狼酋長〟ラング:「つまり……俺達がここにいるのはバレたのか」
    "祓栗鼠" ミレイユ:頷く。「呪文による奇襲だって有り得ます」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「……厄介ですね。一層、気を張らなければ」
    〝白狼酋長〟ラング:「……小鬼というのはもしかして、結構頭がいいのか……?」
    ”星の尾”アルワン:「ラング。あのさ」
    〝白狼酋長〟ラング:「なんだ」
    ”星の尾”アルワン:「小鬼じゃない。多分、魔術師……」
    ”星の尾”アルワン:「小鬼呪術師ゴブリンシャーマンならこんな面倒なことしないから……って」
    〝白狼酋長〟ラング:「そうか。……なら、みな大変だな」
    ”星の尾”アルワン:(何だこいつ? マジで何も知らないのか?)
    〝白狼酋長〟ラング:「人間同士でさっそく殺し合いをしなければならないらしい」
    〝白狼酋長〟ラング:それだけを言って、隊列の定位置に戻る。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「…………」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「……そう、ね。その可能性もある」
    ”星の尾”アルワン:「まあ、起こってもないことを心配しても仕方ない」
    ”星の尾”アルワン:「気を付けてれば備えができる。……ってことでいいか? レゼナ」
    血鮫魔女レゼナ:「物分かりがよくて偉いね、少年」
    GM:──次の戦闘において、奇襲を仕掛けるのは不可能だろうが、
    ”星の尾”アルワン:「子供扱いするな」眉を顰めて踵を返す。
    血鮫魔女レゼナ:「帰ったら頭を撫でてあげようね」くすくすと笑い、再出発の用意をする。
    GM:同時に敵方からの奇襲にも、十分に備えを取ることができる。
    GM:図らずも同等の条件で、次は戦うことになるだろう。

    探索2:魔女の小屋


    GM:さて、またもやチャートのお時間だ!
    GM:進行度は2。次はミレイユのターンかな
    "祓栗鼠" ミレイユ:ふふ わたしは幸運があるわ
    "祓栗鼠" ミレイユ:GS1
    GoblinSlayer : (GS1) → 1 + 5[1,4] → 6

    "祓栗鼠" ミレイユ:幸運で良かった~
    ”星の尾”アルワン:ラッキーガールがよ
    GM:幸運が無かったらあぶなかったな
    GM:進行度3でアルワンに戻る!
    ”星の尾”アルワン:ウシャアーッ
    ”星の尾”アルワン:GS
    GoblinSlayer : (GS) → 7[4,3] → 7

    GM:進行度4!

    GM:──清潔な寝具や、女物の衣服が盗まれている。
    GM:薪……ゴブリンが暖炉を作るか?
    GM:被害の情報を総合してみれば、なるほど、小鬼ならぬ何者かの存在は予想できたし、
    GM:実際にあなた達もそこまでは至っている──が。
    GM:これは、少々、想像の上だったろう。
    GM:洞窟の奥には、家が建っていた。
    GM:煉瓦造りの、一階建ての、こじゃれた見栄えの小屋である。
    GM:煙突が伸びており、洞窟の天井に突き刺さり──きっとその先端は、どこかの森に突き出ている。
    GM:魔力探知の発生源は、その家の中。
    GM:つまり、壁越しにではあるが──あなた達は見られていると考えて良い。
    GM:窓は無い。窓を開けて見る景色が無いのだから当然だ。
    GM:つまり──出入り口は、重苦しい玄関扉のみ。
    〝白狼酋長〟ラング:「……つまり、たぶんこの扉の向こうで術士が待ち構えている」
    〝白狼酋長〟ラング:「待ち構えてると分かっていれば、奇襲を受けることもないだろうが」
    〝白狼酋長〟ラング:「俺達からの奇襲も成功する筈はない……ということか」
    "祓栗鼠" ミレイユ:小さく頷く。「互いに奇襲は無理でしょうね」
    血鮫魔女レゼナ:「敵が来ると分かってさえいれば、有利なのは守る側」
    血鮫魔女レゼナ:「最低でも術師としては向こうが上手、配下の数は知れず」
    血鮫魔女レゼナ:「さて少年少女、どうするかね?」
    〝白狼酋長〟ラング:「……扉を思いっきり蹴り飛ばす?」
    "祓栗鼠" ミレイユ:くす、と笑う。「アリかも」
    ”星の尾”アルワン:「都会まちの冒険者みたいに、行儀の良いやり方は知らないもんな。おれたち」
    ”星の尾”アルワン:自嘲気味に笑う。
    ???:「やめなさい」
    ???:と、扉の内から声がする。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「向こうから察知されていないなら、物音を敢えて立てて誘き出すという手もあったのだけど──」
    ???:聞くぶんには、穏やかそうな女性の声だ。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「…………今の声、中から?」
    ???:「直すにも手間が掛かるのよ、やめなさい」
    ???:「ゆっくり扉を開いて、静かに入ってらっしゃい。怪しい動きを見せたら燃やします」
    〝白狼酋長〟ラング:「……中だな」
    ”星の尾”アルワン:「おれたちは」声のする方を見る。「”射程圏内”だろうな」
    "祓栗鼠" ミレイユ:肩を竦める。「でしょうね。……どうしますか?」
    ”星の尾”アルワン:「行こう。おれの仲間は全員良く燃えそうだから」
    血鮫魔女レゼナ:「怒らせる以上の手段も無いし、今のうちに入っとこうかね」
    ”星の尾”アルワン:笑えない状況の時にこそ、軽口を叩く。無意識にシャロールの癖が伝染ったのかも知れない。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「分かりました。……わたしが先に行きます」
    "祓栗鼠" ミレイユ:神経を張り詰め、罠に警戒をしながら扉へと近寄っていく。
    "祓栗鼠" ミレイユ:慎重に扉の取手に手を掛ける。
    GM:重い金属扉には、特にトラップを仕掛けてある様子もなく、
    GM:それはただ耐久性の為だけに金属にしてある──という風情で、押せばそのままに扉は開く。
    GM:扉の内側は、普通の家のようだった。
    GM:敢えていうならば少し広いのと、使用人の代わりに小鬼が5匹ばかり床に跪いていること。
    不良術師:そして長椅子に、先程の声の主だろう女が悠々と腰掛け、
    不良術師:あなた達に紅玉の杖を向けていることくらいか。
    "祓栗鼠" ミレイユ:少し離れた位置にいる仲間たちに後手で手招きをする。
    血鮫魔女レゼナ:「どうもどうもこんばんは、童話の魔女さん」
    GM:扉を潜り、数人、横並びに立つくらいの広さはある。……それ以上に動こうとすると、敵も反応するやも知れないが。
    不良術師:「こんばんは、頭巾の女の子」
    ”星の尾”アルワン:……雪防眼鏡を外し、家屋に入る。
    "祓栗鼠" ミレイユ:(小鬼が傅いている……これは一体……?)
    ”星の尾”アルワン:「魔女……あんたも魔女か」
    不良術師:「小鬼退治に出向いてくるのは、悪くても黒曜、普通なら白磁と読んでいたけど」
    不良術師:「白磁等級が、ああも手際良く小鬼を片付けるのは想定の外だったわ」
    血鮫魔女レゼナ:「小鬼退治をしに行ったら魔女の館が埋まってるのも想定外、おあいこさまだね」
    不良術師:「そうかもね」
    不良術師:「見てよこの家。整えるまでにそこそこ時間が掛かったの」
    不良術師:「今から引っ越すの、嫌なのよね」
    GM:……さて、
    GM:ここで観察判定を行ってもらいたい。
    GM:そうだな、難易度は……15としておこう。
    血鮫魔女レゼナ:GS6>=15
    GoblinSlayer : (GS6>=15) → 6 + 6[1,5] → 12 → 失敗

    "祓栗鼠" ミレイユ:GS11>=15 観察
    GoblinSlayer : (GS11>=15) → 11 + 6[4,2] → 17 → 成功

    ”星の尾”アルワン:GS4>=15
    GoblinSlayer : (GS4>=15) → 4 + 5[1,4] → 9 → 失敗

    ”星の尾”アルワン:カスがよ…
    〝白狼酋長〟ラング:GS5 観察判定
    GoblinSlayer : (GS5) → 5 + 7[1,6] → 12

    GM:では、この脳筋一党ではミレイユだけが、状況を詳しく見て取ることができる。
    GM:小鬼達は……よくよく見ると、完全に唯々諾々従っている様子でもない。
    GM:ちらちらとレゼナやミレイユを見たり、或いは話している術士を見たりしては、べろりと舌を垂らしもするのだが、
    GM:何かに縛られているように、手足が動かず、平伏の姿勢を維持しているのだ。
    GM:……なんらかの創造呪文による被造物とは、挙動が異なるように見える。
    不良術師:「ねえ、取引しない?」
    不良術師:「小鬼退治の報酬なんてたかがしれてるわ。いいところ、一人あたり金貨2枚程度」
    ”星の尾”アルワン:「…………」
    不良術師:「同額を払いましょう。その上で、ここの小鬼の首を持って行きなさい」
    不良術師:「それで、あなた達は村人にこう言えばいいの」
    不良術師:「〝たしかに洞窟の小鬼は殺して、証拠も持ってきた〟……ってね」
    不良術師:「全く、何も、嘘はついていないでしょう?」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「なるほど、確かにそうですね。嘘ではありません」 一つ頷く
    "祓栗鼠" ミレイユ:「……一つ、訊いても構いませんか?」
    不良術師:「なあに?」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「何のために、わざわざこんなところで生活を?」
    不良術師:「さあ。ただの気まぐれよ」と言いながら、胸元に下がった首飾りを撫でる。
    不良術師:小鬼達が立ち上がり、武器を手に取り,直立不動となる。
    不良術師:「あなた達は無事に小鬼の首を取ってギルドに戻り、報酬を得る」
    不良術師:「それでいいでしょう? お互いに余計な労力を掛けなくて済むわ」
    ”星の尾”アルワン:「……ここに生きる人々から、生活の糧を奪うことが」
    ”星の尾”アルワン:「それを黙って見過ごすことが、”余計”なのか?」静かに見据える。
    不良術師:「だって、村人なんて赤の他人モブキャラでしょう?」
    不良術師:「あなたの今後せいちょうに影響するわけじゃないわ」
    不良術師:「他の賢そうなひと達は? どう?」
    血鮫魔女レゼナ:「賢そうとはよく分かっていらっしゃる。賢い魔女は小鬼退治なんかに繰り出さず、他人様の食い扶持掠めて生きるものよね」
    血鮫魔女レゼナ:「あたしは賢くも愚かでもない端役、頭目リーダー主役プロタゴニストも譲っているわけだけど」
    血鮫魔女レゼナ:ちらりと神官に視線を移す。善い魔女は助力と視点を送るものと相場が決まっている。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「そもそも──小鬼を退治することは手段であり、目的ではありません」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「この地に生きる人々に健やかなる生活を、平穏を取り戻すこと。そのための、依頼です」
    不良術師:「そう、それは生憎」
    不良術師:長椅子から立ち上がり、杖を手に、首飾りに指を這わす。
    不良術師:小鬼達がめいめい武器を構え、術師を守るように立ち塞がる。
    ”星の尾”アルワン:「……そういうことだ。一度でも他人を見捨てた奴の言う”楽園”なんて、誰が行きたい?」
    不良術師:「私は読み解く者リーダー、遠き地の叡智を受け取る者」
    不良術師:「そちらの慎み深い魔女さまとは、過ごす時代がひとつふたつ違う」
    不良術師:「あなた達の降参タップはもう許さない」
    不良術師:「……攻撃宣言タップは私だけの特権だもの」
    GM:……さて
    GM:ミレイユ、あなたは観察判定に成功した。故に次の判定はいささか有利になる。
    GM:残りの面々は……素の力で頑張ってもらおうか。
    GM:何の判定か?
    GM:鑑定だ!
    GM:こうもあからさまに、首飾りを気にする様子を見れば、アレがなんらかの力を秘めたものとは分かるだろうが、
    GM:では。あれはなんだ?
    GM:鑑定……難易度は15としよう。ただしミレイユには2のボーナスを付与する。
    "祓栗鼠" ミレイユ:知力集中で良いかな?
    GM:そうか、指定が必要だな確かに
    GM:集中でよろし!
    "祓栗鼠" ミレイユ:GS(8+2)>=15
    GoblinSlayer : (GS10>=15) → 10 + 9[4,5] → 19 → 成功

    "祓栗鼠" ミレイユ:フ!
    血鮫魔女レゼナ:魔法知識判定でないなら技能は載らないか
    血鮫魔女レゼナ:GS6>=15
    GoblinSlayer : (GS6>=15) → 6 + 10[6,4] → 16 → 成功

    血鮫魔女レゼナ:そんなもの要らんわ~!
    ”星の尾”アルワン:GS4>=15
    GoblinSlayer : (GS4>=15) → 4 + 5[4,1] → 9 → 失敗

    ”星の尾”アルワン:わかんね”!
    "祓栗鼠" ミレイユ:出目 is POWER
    〝白狼酋長〟ラング:GS4>=15
    GoblinSlayer : (GS4>=15) → 4 + 12[6,6] → 16 → 大成功

    ”星の尾”アルワン:ラングさん!?
    血鮫魔女レゼナ:兄貴だわ
    〝白狼酋長〟ラング:ええ……
    ”星の尾”アルワン:兄貴……!
    GM:で、では
    GM:まずはミレイユ。あれが何か、正確なところは分からない──が!
    GM:あの首飾りがなんらかの魔力を発しており、それにより小鬼を操っているというのは推測できるだろう。
    GM:即ち。あれを破壊できれば趨勢は代わる。
    GM:レゼナ。
    GM:もしかすれば、〝うさんくさい魔女〟であるあなたは、
    GM:どこかの混沌の神が、たわむれにぽんと与える知識で……雷の精霊を酷使し、最後には破滅する愚か者の例を見聞きしたこともあるかもしれない。
    GM:術師の首飾りはどうも、風・雷、そういう特性を持つ精霊の力が込められているように見える。
    GM:そして……ラングは……
    〝白狼酋長〟ラング:「……よくわからんが、わかった」
    ”星の尾”アルワン:「はあ?」
    ”星の尾”アルワン:これは素の”はあ?”だ。
    〝白狼酋長〟ラング:「意味ありそうに持っているあれだ」
    〝白狼酋長〟ラング:「あれを打ち壊す。打ち壊そう」
    ”星の尾”アルワン:「な……何それ……」
    血鮫魔女レゼナ:「はは」
    "祓栗鼠" ミレイユ:頷く。「直感は、時に千の知識に勝ります」
    血鮫魔女レゼナ:「意見は同じだ、笑っちゃうね」
    血鮫魔女レゼナ:「良い同道パーティに恵まれたなこりゃ」
    ”星の尾”アルワン:「くそっ」悪態を吐き、鉄拳を構える。「わかったよ、やるよ!」
    GM:……では、戦闘開始だ
    GM:しかし、ここは屋内。しかも割と普通の家だからな
    GM:5:不良術師バッドリーダー 小鬼の呪文使いゴブリンマジシャン
      小鬼ゴブリン×4
    0:アルワン レゼナ ミレイユ ラング

    GM:せまいぞ
    ”星の尾”アルワン:みちみち
    GM:続けて……怪物知識判定!
    GM:面倒だから難易度13で統一! 1回!
    血鮫魔女レゼナ:GS8>=13
    GoblinSlayer : (GS8>=13) → 8 + 6[1,5] → 14 → 成功

    〝白狼酋長〟ラング:GS4>=13 怪物知識
    GoblinSlayer : (GS4>=13) → 4 + 6[1,5] → 10 → 失敗

    "祓栗鼠" ミレイユ:GS10>=13 怪物知識
    GoblinSlayer : (GS10>=13) → 10 + 7[3,4] → 17 → 成功

    ”星の尾”アルワン:GS6>=13
    GoblinSlayer : (GS6>=13) → 6 + 5[2,3] → 11 → 失敗

    GM:知識格差……

    小鬼の呪文使いゴブリンマジシャン 小鬼2 生命力10 呪文抵抗12 移動力12 先制力7 知能:人並み モラルGS5>=13
    粗悪な武器 達成値12 威力3 殴 回避12 装甲2 支援:呪文行使+1 5m
    「真言呪文」レベル2 達成値13 呪文使用回数2 《火矢》《矢避》
    【暗視:初歩】暗闇を60mまで見通す。

    ■何らかの手法で呪文を会得した小鬼。賢く強い自分が一番偉く得をすべきなので、群れの長として振舞う。
     「粗悪な武器」を1つ持っている。5分かけて死体を漁り、1d6で4以上が出れば、粗悪な剣、斧、槍を入手できる。
    不良術師バッドリーダー 悪党4 生命力26 呪文抵抗17 移動力18 先制力8 知能:人並み モラルGS5>=13
    杖器 達成値15 威力2d6
    回避14 装甲2 支援:呪文行使+2 10m

    「ボス」統率者2
    「魔法視覚」視覚に関する不利な効果を受けない。
    「真言呪文」4レベル 達成値16 呪文使用回数2回
    《火矢》《火球》《火与》《惰眠》
    「覚知の祭器」 自分よりレベルの低いゴブリンを使役できる。
            不良術士の負傷が10以上蓄積した時、この祭器は破壊される。

    ■中途半端に魔術を修めた悪党。文献を読む力はあるが解釈に一考の余地あり。
     「紅玉の杖」を持っている。
    GM:と、いうことで

    ラウンド1


    GM:行動順の決定だ!!!
    "祓栗鼠" ミレイユ:"祓栗鼠" ミレイユのイニシアチブを2D6(→ 7)に変更(0 → 7)
    GM:〝白狼酋長〟ラングのイニシアチブを2D6(→ 8)に変更(0 → 8)
    ”星の尾”アルワン:”星の尾”アルワンのイニシアチブを2D6+1(→ 11)に変更(0 → 11)
    "祓栗鼠" ミレイユ:えらいぞイニシアチブ
    血鮫魔女レゼナ:血鮫魔女レゼナのイニシアチブを2D6(→ 11)に変更(0 → 11)
    GM:こいつらはええ
    "祓栗鼠" ミレイユ:呪文使い!わたしと勝負です!
    "祓栗鼠" ミレイユ:GS
    GoblinSlayer : (GS) → 5[2,3] → 5

    小鬼:7です
    "祓栗鼠" ミレイユ:そんな~
    小鬼:勝ちました
    〝白狼酋長〟ラング:こちらも術師と勝負だ
    〝白狼酋長〟ラング:2d6
    GoblinSlayer : (2D6) → 6[1,5] → 6

    〝白狼酋長〟ラング:まけた……
    ”星の尾”アルワン:ラングさーんッ
    GM:というkとおで
    GM:レゼナアルワンのどっちかから!
    不良術師:何よ!こちとら回避が14あんのよ!
    血鮫魔女レゼナ:私から動こうか
    血鮫魔女レゼナ:なぜなら範囲持ちだから
    ”星の尾”アルワン:うおおおおヤッタレーッ
    血鮫魔女レゼナ:《火球ファイアボール》 p316。不良術師を中心点とし、球状範囲に火属性ダメージ。
    血鮫魔女レゼナ:【血の狂騒】1d3点負傷することで命中・回避・呪文行使・維持・抵抗判定+1
    血鮫魔女レゼナ:血鮫魔女レゼナの負傷数を1D3(→ 3)増加(0 → 3)
    ”星の尾”アルワン:火球だあああああああ!!!!
    血鮫魔女レゼナ:GS9>=10
    GoblinSlayer : (GS9>=10) → 9 + 5[1,4] → 14 → 成功

    GM:むむ
    GM:小鬼どもは抵抗11、マジシャンも12で
    不良術師:呪文抵抗17!
    血鮫魔女レゼナ:呪文抵抗されたなら、装甲適用前にダメージ半減だねえ
    "祓栗鼠" ミレイユ:祈念してダメージ増やしてもいいかも?
    不良術師:家の中で火球とか迷惑冒険者め……!
    ”星の尾”アルワン:祈っちゃおうZE
    不良術師:いやあああああああ
    血鮫魔女レゼナ:初期因果点はいくつだい
    GM:宣言抜けてたわね、6だぜ
    血鮫魔女レゼナ:MCPI$6 リブラ!
    GoblinSlayer : 祈念(2d6) → 8[6,2] → 8 → 成功, 因果点:6点 → 7点

    ”星の尾”アルワン:ウラーッ
    GM:効力値が19になった……
    GM:ダメージどうぞ
    血鮫魔女レゼナ:3d6+2 小鬼たち
    GoblinSlayer : (3D6+2) → 12[5,6,1]+2 → 14

    血鮫魔女レゼナ:14+1d6 中心点の不良魔女
    GoblinSlayer : (14+1D6) → 14+1[1] → 15

    GM:えー、
    GM:小鬼どもは装甲2なので
    GM:みんな12点!
    GM:呪文使いまで含めて消し飛んだわね
    不良術師:あっれー?
    不良術師:装甲2です
    GM:不良術師の負傷数を13増加(0 → 13)
    血鮫魔女レゼナ:血鮫魔女レゼナの残呪文使用回数を1減少(2 → 1)
    ”星の尾”アルワン:わはははは
    不良術師:……あれぇ?
    "祓栗鼠" ミレイユ:流石の火力です
    血鮫魔女レゼナ:きみが自由を取り戻した小鬼に乱暴されないよう、掃除しておいたよ
    血鮫魔女レゼナ:あたしは善い魔女だから
    GM:えー、演出とかを入れてもらいつつ
    GM:アルワンの手番です……
    ”星の尾”アルワン:では……近付いて、殴ります!!(トムブラウン)
    ”星の尾”アルワン:5M前進して、鉄拳で不良術士に攻撃。
    不良術師:回避……14!
    ”星の尾”アルワン:GS10>=14
    GoblinSlayer : (GS10>=14) → 10 + 6[2,4] → 16 → 成功

    ”星の尾”アルワン:武技:無念無想。命中に魂魄分の+5。
    ”星の尾”アルワン:効力値21!
    血鮫魔女レゼナ:素早く振り上げた両手から、バヂバヂと白い稲光が迸る。世界を書き換える妖術の灯!
    血鮫魔女レゼナ:「H火石O成長T投射
    不良術師:「──!」咄嗟に杖を構え妨害の火花を散らす──古めかしい魔術師の手管!
    血鮫魔女レゼナ:「これでもくらえ!テイクザットユー、フィーンド!
    不良術師:だが、咄嗟インスタントに差し込んだ妨害呪文の出力は
    不良術師:至近距離から放たれた火球ソーサリーへの打ち消しには足りない!
    血鮫魔女レゼナ:ごうと音を立てて煮え立つ火球が放たれて、部屋を魔炎が包み込む。
    不良術師:「く──本の置いてある部屋で火球使う!?」
    血鮫魔女レゼナ:標的の肉を焼き、しかしたちどころに消えるこの世ならざる炎である。
    不良術師:炎の中、衣服が形状を保っているのは、相応の術者ではあるのだろうが、
    不良術師:戦い方の治安が──行儀が、良い。
    血鮫魔女レゼナ:「蛮地御用達、魔王殺しの必殺魔法ド定番だよぉ……!」異常法則を呼び込ぶ代償、脳裡の焼ける感覚バーンアウトに酔いながら笑う。
    ”星の尾”アルワン:うおおお こっちもダメージ行くぞッ
    ”星の尾”アルワン:2d6+2d6+4
    GoblinSlayer : (2D6+2D6+4) → 10[6,4]+10[5,5]+4 → 24

    ”星の尾”アルワン:草
    "祓栗鼠" ミレイユ:デカ過ぎる
    不良術師:エグい出目でたわね
    不良術師:装甲が2だから22点通ります
    GM:不良術師の負傷数を22増加(13 → 35)
    不良術師:……………………
    不良術師:負けたんだけど!?
    GM:継戦カウンターが3になりつつ
    ”星の尾”アルワン:こっちには好い魔女がついとるんじゃい!!
    GM:演出後にムービーシーン入ります
    ”星の尾”アルワン:魔女の、この世ならざる異界の炎。閃熱が目を焼く中。
    ”星の尾”アルワン:風防眼鏡を纏った少年が、青い稲妻のように突貫してくる。
    ”星の尾”アルワン:狙いはただ一点。仲間が示した首の”魔道具”。
    ”星の尾”アルワン:技術も何もない、我流の飛び蹴りだが――圃人の速度とバネが乗っていた分、威力は凄まじい。
    ”星の尾”アルワン:胸元の骨をニ三本へし折る勢いで、蹴りが首飾りに炸裂する。
    不良術師:みしいっ!!!
    ”星の尾”アルワン:「こっちには」
    ”星の尾”アルワン:「好い魔女が、ついてる!!」
    不良術師:「────がっ!?」
    不良術師:華奢な体は容易に吹っ飛び、焼け焦げた長椅子の後ろに落ちる!
    ”星の尾”アルワン:「……文字テキストばっかり読んでるから、行儀の悪いやり方に負けるんだ」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「……すごい。あっという間でした」 驚いたように目を見張っている。
    〝白狼酋長〟ラング:「おお……強いな」
    GM:と、決着の衝撃に感嘆するのもつかの間、
    GM:がたん、ばたんっ!
    GM:長椅子の後ろから騒音。
    〝白狼酋長〟ラング:「なんだ」
    ”星の尾”アルワン:「伏兵かよ!?」
    GM:と視線を向ければ、
    GM:術師が倒れた筈の場所で、床板が外されており、
    GM:地下へ続く階段が──そして術師の姿が消えている!
    〝白狼酋長〟ラング:「……逃げ足が速い……!」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「追いますか?」
    ”星の尾”アルワン:「な……なんつー古典的クラシックな……!」
    ”星の尾”アルワン:「追おう!この時間で罠を仕掛ける暇はないはずだ!」
    "祓栗鼠" ミレイユ:長椅子をひらりと軽い所作で飛び越え、階段へと足を踏み入れる。
    血鮫魔女レゼナ:「逃げ道に罠仕込むのはおかしな話だものね」
    ”星の尾”アルワン:アルワンは確かに創造性に乏しいが――推理の材料が足りている事柄であれば、十分に判断できる。
    GM:洞窟の奥から、更に地下の奥深くへ伸びる、長い階段。
    GM:降りていくにつれようやく──ようやく、小鬼の住まいらしくなってくる。
    GM:悪臭。
    GM:食い残しや排泄物、カビ、腐った水。そういうものの臭いが立ちこめる、人が住むべきではない空間の臭いだ。
    GM:これまでは綺麗に飾り立てられた、お上品な魔女の家。
    GM:ここからが、小鬼退治の冒険。

    GM:……というわけで再びのチャートのターン。
    GM:進行度が現在4。2進めることが出来れば目標地点に到達するぜ
    血鮫魔女レゼナ:GS あたしの番だったねえ
    GoblinSlayer : (GS) → 5[3,2] → 5

    ”星の尾”アルワン:やっておしまい!
    "祓栗鼠" ミレイユ:ああーッ
    血鮫魔女レゼナ:おぉっとぉ……
    ”星の尾”アルワン:ぐえーっ
    血鮫魔女レゼナ:3~5 探索難航 継戦カウンター+1……
    GM:カウンターが4になるぜ……
    GM:……なるほど地下階は迷宮だったらしいな。
    GM:罠は無いのかもしれんが……めっちゃ迷う!
    GM:さて、ミレイユ!
    "祓栗鼠" ミレイユ:GS1
    GoblinSlayer : (GS1) → 1 + 6[5,1] → 7

    "祓栗鼠" ミレイユ:フ!
    ”星の尾”アルワン:幸運えらすぎ
    GM:進行5!
    GM:アルワン!
    ”星の尾”アルワン:GS
    GoblinSlayer : (GS) → 10[5,5] → 10

    ”星の尾”アルワン:オリャーッ
    GM:進行6!
    GM:では……これにて目標達成な上で
    GM:ここから先、長時間のムービーがなんちゃらかんちゃらです
    GM:回復とか色々の事前使用がある場合はここでの使用を推奨する
    血鮫魔女レゼナ:変な恰好の装備をしておくと偉い事になるぞ
    ”星の尾”アルワン:あ、恵泉
    "祓栗鼠" ミレイユ:ちゃんと衣服は整えておきましょうね
    血鮫魔女レゼナ:少年、チャを頼む
    ”星の尾”アルワン:継戦カウンター4だからまだ大丈夫か
    ”星の尾”アルワン:よし チャを汲みます
    ”星の尾”アルワン:ということで、《命水》を使用。基349:負傷数と消耗を効果量分回復する効果を与える。一杯で10人分回復可能
    ”星の尾”アルワン:GS9>=10
    GoblinSlayer : (GS9>=10) → 9 + 8[6,2] → 17 → 成功

    ”星の尾”アルワン:負傷3d6+4、消耗2回復!
    ”星の尾”アルワン:これを4人で回し飲みします。
    "祓栗鼠" ミレイユ:"祓栗鼠" ミレイユの消耗を1減少(1 → 0)
    血鮫魔女レゼナ:血鮫魔女レゼナの消耗を-1増加(1 → 0)
    ”星の尾”アルワン:”星の尾”アルワンの消耗を-2増加(2 → 0)
    血鮫魔女レゼナ:血鮫魔女レゼナの負傷数を3減少(3 → 0)
    ”星の尾”アルワン:”星の尾”アルワンの残呪文使用回数を1減少(2 → 1)
    〝白狼酋長〟ラング:消耗が0に!
    GM:……では
    血鮫魔女レゼナ:他はなしだね
    GM:地下の探索は、なかなかの時間が掛かった。
    GM:それはもちろん、不良術師に与えた深手が回復するような長時間ではないが、
    GM:きっと今頃、夕日はとうに沈みきって、月が高々と昇っているころだろう。
    GM:洞窟の中で、その時間経過を知る術も無いが。
    GM:なにせ、小鬼とはほとんど遭遇しなかったのだ。
    GM:一匹か二匹ほど、寝起きで目を擦っているようなのは見たが、そんなものは一瞬で首を跳ねれば終わる。
    GM:群れを成して奇襲できる程の数は、まだ用意されていないようだった。
    GM:さて──
    GM:それでもどうにか、煤のついた足跡の追跡が出来た。
    GM:地下洞窟の最奥に、足跡は逃げ込んでいた。
    GM:こういう場合、相場が決まっている。
    GM:使い勝手は悪いが強力な兵器を、隠しているというパターンだ。
    GM:さあ、あと少し。
    GM:そこの角を曲がれば、この冒険の最終目的地──
    〝白狼酋長〟ラング:「……」片手で鼻を覆っている。嗅覚はさほど鋭くないが、
    〝白狼酋長〟ラング:「……この先から、酷いにおいがする」
    血鮫魔女レゼナ:ふぅ、と精霊の水で喉を潤わせ、大剣担いで角睨み。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「鼻が変になりそうです……」
    血鮫魔女レゼナ:「それだけ追い詰めてるってことさ。魔女さまもこんなところにゃ居たくあるまい」
    血鮫魔女レゼナ:「ちっこい小屋なんか建てさせるぐらいだもの。洞窟の中に」
    ”星の尾”アルワン:さっきから吐くのをこらえている。五感が鋭い分、苦痛にも似た情報の奔流に襲われている。
    ”星の尾”アルワン:「あいつは……憧れてるのかもな、”優雅な魔女”ってやつに……」
    ”星の尾”アルワン:「人の物を奪って暮らすのはただのこそ泥だって、教えてやる」
    GM:角を、曲がる。
    GM:最奥の広場が、視界に入った。
    GM:小鬼は7匹。
    GM:大物が2、小型のザコが5。これだけでも、小さな村ならば潰れかねない戦力だ。
    GM:これに術師の統率と真言呪文が加われば、相当の脅威であっただろう。
    不良術師:術師は、
    不良術師:大型の小鬼2匹の間で、半ば欠損した状態になっていた。
    不良術師:小鬼の住まいでも汚さぬようにしていた衣服は、ほとんどぼろきれのようになっており、
    不良術師:頭部はどこかに転がっていってしまって、その表情はわからない。
    GM:端的に言えるのは、相当の恨みを買っていたのだろうということ。
    GM:そうでもなければ、もう少し長く、殺さずに弄ばれていただろう。
    大小鬼:とは言え、
    大小鬼:死体ならば弄べない──という道理も無い。
    大小鬼:孕み袋としては使えないが。
    血鮫魔女レゼナ:「ハァ……小鬼も覚知も碌なもんじゃないな」
    血鮫魔女レゼナ:魔女であった者の死に様に、それ以上に自身の感じ方に辟易する。
    血鮫魔女レゼナ:このような生臭く、おぞましい有り様ながら……血の臭いを喜ぶ身体なのだ。私は。
    〝白狼酋長〟ラング:「……身の程に合わないことをしようとしたのだな」
    〝白狼酋長〟ラング:「自分より強いものを従えようとして、しくじった」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「…………」 思わず、その無惨な姿から目を逸らす。
    ”星の尾”アルワン:「――」弄ばれる、その姿を。真っ直ぐに見ている。
    ”星の尾”アルワン:全てを見通す梟のように。
    ”星の尾”アルワン:「そうだ。この世界には、最悪なことが多すぎる」
    ”星の尾”アルワン:「だから冒険して、楽園を見つけるんだ。レゼナ」
    ”星の尾”アルワン:「後で……いくらでもくれてやる。だから、力を貸してくれ」鉄拳を打ちあわせ、構えを取る。
    血鮫魔女レゼナ:「じゃ、とっととここを出るとしようか」
    血鮫魔女レゼナ:「ここは目的地には程遠い、だろう?」夜の気配に目を爛々と輝かせて、構える。
    大小鬼:冷たくなって、使い心地の悪くなった肉を投げ捨てた。
    大小鬼:新しいのが、ふたついる。
    大小鬼:同じ雌の腹から、同じ日に生まれた双子で、ひとつずつ分け合える。
    大小鬼:小鬼は他者を尊重しないが、この双子はいささか特別だった。
    大小鬼:なにせ、どちらも自分なのだから。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「……全て、倒しましょう。歪な形であろうと従えるものがいなくなった今、放置するにはあまりに危険過ぎます」
    大小鬼:「「GIGYA、GYAGYAGYAGYAGYA」」
    血鮫魔女レゼナ:「二頭と二組、丁度いい巡り合わせだったね」
    〝白狼酋長〟ラング:「半分ずつ、ということか? ……少し手に余るな」
    "祓栗鼠" ミレイユ:装飾付きの片手剣を抜き放つ。今まで通り、彼らに任せて、とはいかないだろう。
    ”星の尾”アルワン:「余る分は無理矢理掴んでくれ! 手もでかいだろ、あんた」
    ”星の尾”アルワン:「それでも足りなきゃ」ミレイユを見る。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「わたし達は、負けません」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「……いえ。平穏を護るために、負けるわけにはいかないのですから」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「──太陽神さま。どうか邪を祓う力をお貸しください」 儀式のように剣を立て、祈りの言葉を捧ぐ。

    決戦


    GM:……怪物知識判定、難易度は12!
    血鮫魔女レゼナ:GS8>=12
    GoblinSlayer : (GS8>=12) → 8 + 8[4,4] → 16 → 成功

    〝白狼酋長〟ラング:GS4>=12 怪物知識
    GoblinSlayer : (GS4>=12) → 4 + 4[2,2] → 8 → 失敗

    "祓栗鼠" ミレイユ:GS10>=12 怪物知識
    GoblinSlayer : (GS10>=12) → 10 + 5[2,3] → 15 → 成功

    大小鬼ホブゴブリン 小鬼3 生命力20 呪文抵抗13(GS6) 移動力18 先制力2d6+1 知能:低い モラルGS7>=13
    大金棒 達成値16(GS9) 威力2d6+6 殴 投擲10m 回避14(GS7) 装甲6 支援:威力、装甲+3
    「ボス」統率者3
    【暗視:初歩】暗闇を60mまで見通す。
    ■古語で「大きい」を意味する名の通り、先祖返りした巨大な小鬼。古語が同じ音なので「田舎者」とも言う。
     周囲より強い自分は尊敬されるべきだと、威張り散らす。
     「大金棒」を持っている。
    GM:ひとり成功の時点で開示してしまったが……問題あるまい
    ”星の尾”アルワン:GS6>=12
    GoblinSlayer : (GS6>=12) → 6 + 5[1,4] → 11 → 失敗

    ”星の尾”アルワン:まあまあまあ
    GM:20m:小鬼10 小鬼11 小鬼12
    10m:大小鬼ホブゴブリン1 大小鬼ホブゴブリン2
    5m:小鬼13 小鬼14

    GM:敵の配置はこの通りだ
    GM:こちら側は……0~-10での配置が可能としよう
    GM:基本的に、彼我の射線を遮るものはない。
    血鮫魔女レゼナ:0m
    "祓栗鼠" ミレイユ:0m
    ”星の尾”アルワン:ゼロ♡ゼロ♡ゼロ♡
    〝白狼酋長〟ラング:0m
    GM:後衛って概念をどこかに忘れてきたな?
    GM:deha

    ラウンド1


    GM:行動順!
    血鮫魔女レゼナ:血鮫魔女レゼナのイニシアチブを2D6(→ 7)に変更(11 → 7)
    "祓栗鼠" ミレイユ:"祓栗鼠" ミレイユのイニシアチブを2D6(→ 8)に変更(7 → 8)
    ”星の尾”アルワン:”星の尾”アルワンのイニシアチブを2D6+1(→ 8)に変更(11 → 8)
    GM:大小鬼_1のイニシアチブを2D6+1(→ 8)に変更(0 → 8)
    ”星の尾”アルワン:オリャーッ
    GM:大小鬼_2のイニシアチブを2D6+1(→ 5)に変更(0 → 5)
    "祓栗鼠" ミレイユ:BATTLE……
    血鮫魔女レゼナ:大小鬼1とバトルだ
    血鮫魔女レゼナ:GS
    GoblinSlayer : (GS) → 5[3,2] → 5

    "祓栗鼠" ミレイユ:GS
    GoblinSlayer : (GS) → 8[4,4] → 8

    大小鬼:GS1
    GoblinSlayer : (GS1) → 1 + 6[1,5] → 7

    "祓栗鼠" ミレイユ:なんだぁ……?
    血鮫魔女レゼナ:くっ
    大小鬼:む
    ”星の尾”アルワン:GS1 大小鬼1
    GoblinSlayer : (GS1) → 1 + 5[3,2] → 6

    血鮫魔女レゼナ:いや私7だったわ
    ”星の尾”アルワン:ほげほげ~~~~
    GM:そうじゃん
    GM:つまりミレイユ→ほぶ1→アルワンか
    "祓栗鼠" ミレイユ:あとラングさんのイニシアチブ?
    GM:ぬけてた
    GM:〝白狼酋長〟ラングのイニシアチブを2D6(→ 8)に変更(8 → 8)
    GM:こいつはよ
    ”星の尾”アルワン:えらい
    "祓栗鼠" ミレイユ:BATTLE……
    〝白狼酋長〟ラング:GS
    GoblinSlayer : (GS) → 6[5,1] → 6

    〝白狼酋長〟ラング:えらくない……
    ”星の尾”アルワン:このホブはええ!!
    大小鬼:ホブは先制が2d6+1だからな
    GM:では……
    大小鬼:ホブ1 小鬼13と14を統率!
    大小鬼:ホブ2 小鬼10、11、12を統率!
    ”星の尾”アルワン:て テメ~~~~~~~!!!!
    GM:ということで最初の手番はミレイユからだ!
    血鮫魔女レゼナ:ホブ1に統率されてる小鬼を減らせれば、脅威度が下がるかな
    血鮫魔女レゼナ:支援はまだ発生していないため
    "祓栗鼠" ミレイユ:確かに
    "祓栗鼠" ミレイユ:大小鬼狙うよりはその方がいいかな 確実に
    ”星の尾”アルワン:堅実にIKEA
    "祓栗鼠" ミレイユ:では……5m前進。主行動で「曲刀」による攻撃 対象は小鬼13
    "祓栗鼠" ミレイユ:GS11 命中(曲刀)
    GoblinSlayer : (GS11) → 11 + 8[4,4] → 19

    ”星の尾”アルワン:イエスッ
    "祓栗鼠" ミレイユ:1d6+1d6+3+2 斬属性ダメージ(曲刀)
    GoblinSlayer : (1D6+1D6+3+2) → 3[3]+4[4]+3+2 → 12

    "祓栗鼠" ミレイユ:ギリギリ
    GM:小鬼の回避は12だ、よけられぬ
    GM:そして装甲は……2!
    ”星の尾”アルワン:やったぜ。
    小鬼:GUGYA!
    GM:小鬼13が倒れる!
    大小鬼:手番はホブ1だな
    "祓栗鼠" ミレイユ:するりと抜き放った片手剣を構え、軽い跳躍の音一つ残して前進。小鬼へと刃が振り下ろされる。
    大小鬼:まずは小鬼14からの支援を自由行動で受け取る
    ”星の尾”アルワン:(早い。滑らかだ)
    大小鬼:これで命中、威力、装甲が+1だ
    小鬼:さく……と、軽い音がする。命を絶ったという深刻さを思わせない音。
    ”星の尾”アルワン:(機先を制してくれるのは、かなり助かる。連中の進軍の勢いが鈍った。後は――)冷や汗が垂れる。
    小鬼:それを殺すのに最低限の力が加わって、小鬼が一匹倒れ伏す。
    "祓栗鼠" ミレイユ:剣術というよりは、舞踏のような。細腕の延長線上のように、柔らかな手首の撓りに合わせて剣が煌めく。
    小鬼:「GYA! GURAAA!」残る連中が口やかましくわめき立てる
    小鬼:何を言っているかはわからない。小鬼の言葉なぞ、わかるはずもない
    "祓栗鼠" ミレイユ:「……大きいのが動きます、気を付けて!」
    大小鬼:ホブ1、5m前進
    大小鬼:0m地点で……誰にしようかな
    大小鬼:1d4
    GoblinSlayer : (1D4) → 2

    大小鬼:レゼナだ
    血鮫魔女レゼナ:ひんひん
    ”星の尾”アルワン:う ウワ~~~ッ
    大小鬼:大金棒で攻撃
    大小鬼:GS(9+1)
    GoblinSlayer : (GS10) → 10 + 9[3,6] → 19

    "祓栗鼠" ミレイユ:でかいっ
    血鮫魔女レゼナ:血の狂騒しても10出さないと損か
    血鮫魔女レゼナ:いや、夜で+1されて……でも分が悪い
    血鮫魔女レゼナ:GS9>=19 回避 装甲は斬刺以外には1点
    GoblinSlayer : (GS9>=19) → 9 + 9[4,5] → 18 → 失敗

    血鮫魔女レゼナ:ワハハ
    ”星の尾”アルワン:ああ~~っ
    GM:出目がつよい
    ”星の尾”アルワン:祈ってもいいかも
    "祓栗鼠" ミレイユ:いいと思います
    血鮫魔女レゼナ:するか
    血鮫魔女レゼナ:MCPI$7 天秤!
    GoblinSlayer : 祈念(2d6) → 9[5,4] → 9 → 成功, 因果点:7点 → 8点

    GM:のせやがった!
    "祓栗鼠" ミレイユ:流石~!
    ”星の尾”アルワン:かんぺき~
    大小鬼:ならば……めちゃつよアタックは空振りだ!
    大小鬼:ぶごぅん!
    大小鬼:音だけでも生き物を殺せそうな鈍器のフルスイング!
    GM:そして手番はアルワン!
    血鮫魔女レゼナ:「オォ、ォッ!」大剣で受け流す、ほどの技の冴えはない。
    ”星の尾”アルワン:「レゼナ!」
    血鮫魔女レゼナ:群がる小鬼を水流に見立て、その隙間を縫うように駆けて大小鬼から逃げ延びる。
    ”星の尾”アルワン:では、大小鬼1に《雷矢》。基354:『威力』点のダメージを与え、対象の呪文抵抗を4以上上回ると、次の自分の手番が終わるまで行動不能
    "祓栗鼠" ミレイユ:2じゃない?
    ”星の尾”アルワン:2だ!ごめんね
    ”星の尾”アルワン:GS9>=13
    GoblinSlayer : (GS9>=13) → 9 + 9[5,4] → 18 → 成功

    ”星の尾”アルワン:ここに……無念無想!達成値+5!
    大小鬼:ぶんと振り抜かれた大金棒。悔しそうに、だが楽しそうに笑う
    ”星の尾”アルワン:ここは使い時だろう。最終達成値は23だ。
    ”星の尾”アルワン:”星の尾”アルワンの残呪文使用回数を1減少(1 → 0)
    大小鬼:「GYAGA、GA、HAGAHAGAHAGAHA」
    大小鬼:一撃で壊れなかったなら、それはそれで使う楽しみが増えると
    大小鬼:あくまでも自分が勝つ前提で、この鬼は笑う
    "祓栗鼠" ミレイユ:無念無想は武道家と冒険者LVだから使えないかも
    GM:そうじゃん
    大小鬼:そしてホブ2の呪文抵抗判定は
    大小鬼:GS6
    GoblinSlayer : (GS6) → 6 + 7[4,3] → 13

    "祓栗鼠" ミレイユ:よし!
    大小鬼:……期待値はだした
    大小鬼:となると……行動不能!?
    ”星の尾”アルワン:最終達成値は18。4以上上回ったので、お前の行動権は次の手番が終わるまでお亡くなりじゃい!
    大小鬼:おのれぇ……
    ”星の尾”アルワン:あっダメージ!
    ”星の尾”アルワン:4d6+4+2 ダメージ
    GoblinSlayer : (4D6+4+2) → 18[6,6,1,5]+4+2 → 24

    ”星の尾”アルワン:オラ~~~~ッ
    大小鬼:装甲……6!
    大小鬼:18通し!
    GM:大小鬼_2の負傷数を18増加(0 → 18)
    ”星の尾”アルワン:あと2点!これなら纏めて吹っ飛ばせる……!
    血鮫魔女レゼナ:逃げを打った先に、もう一方の大小鬼が待ち構えている。
    ”星の尾”アルワン:ばちン、と。掌の上に、蒼い閃電が走る。
    大小鬼:この大小鬼は2匹でひとつ。故に、知性は低くとも──連携というものは、可能だ。
    大小鬼:逃げて来た雌を捕らえるべく、両手を伸ばして迫る──!
    ”星の尾”アルワン:感覚を集中させる。空気の流れ、筋肉の動き。大小鬼どもがそう動くことすら、理解できていたような気がする。
    ”星の尾”アルワン:「その人は、おれの魔女だ」
    ”星の尾”アルワン:「《雷の鳥よ、おれと共に飛べ。星の先を見せてくれ!》」
    ”星の尾”アルワン:流星の如く。
    ”星の尾”アルワン:「《雷矢サンダーボルト》」
    ”星の尾”アルワン:翳した掌から、光が放たれた。矢のようにも見える。
    ”星の尾”アルワン:レゼナに迫っていた大小鬼の脇腹を焦がし、削り取った。それほどの威力がある。
    大小鬼:ぴしゃぁん!
    大小鬼:雷の矢が大小鬼のかたわれを焼き焦がす!
    大小鬼:が!
    大小鬼:それは深手を負わせることはできたが──命を奪うまでには至らず!
    大小鬼:「GA GAGA」
    大小鬼:……しかし、体を走る衝撃が故に、その巨体はわずかな時間だが動きを止めた!
    ”星の尾”アルワン:その一瞬の隙を、男の嗅覚は逃さないだろう。
    GM:手番は……ラングか
    GM:20m:小鬼10 小鬼11 小鬼12
    10m:大小鬼ホブゴブリン2
    5m:小鬼14 ミレイユ
    0:アルワン レゼナ ラング 大小鬼ホブゴブリン

    "祓栗鼠" ミレイユ:やっちゃえ!
    GM:配置はこう
    〝白狼酋長〟ラング:誰を狙うとPL的に都合がいい?
    ”星の尾”アルワン:大小鬼1を削って貰って
    ”星の尾”アルワン:火球でまとめて吹き飛ばすというのはどうか
    GM:あっ、5m地点に撃つと半径5mで巻き込まれるのか
    GM:ヤベえじゃん
    〝白狼酋長〟ラング:なるほど1を削るといいわけね
    血鮫魔女レゼナ:半径5m出すのはかなり出目だよりになって
    血鮫魔女レゼナ:しかも足りないと不発になるのよ
    "祓栗鼠" ミレイユ:効力値20が必要なのでぇ……
    GM:なるほど
    血鮫魔女レゼナ:呪文使用回数と祈念を両方無駄撃ちするのは避けたい
    血鮫魔女レゼナ:大小鬼2にとどめを刺してもらうのがいいんじゃないかな?
    ”星の尾”アルワン:ああ~ソッチの問題もあるのか じゃあ大小鬼2を殺して確実に戦力を削って貰って
    血鮫魔女レゼナ:男子二人で大物狩り、これよ
    〝白狼酋長〟ラング:ならそうしよう
    ”星の尾”アルワン:次の手番で、大小鬼1を全員で殴ろう
    "祓栗鼠" ミレイユ:お願いします!
    ”星の尾”アルワン:いけーっラングさん!
    〝白狼酋長〟ラング:では10m前進
    大小鬼:ホブ1、移動妨害を試みます
    大小鬼:知能ひくい
    大小鬼:GS3
    GoblinSlayer : (GS3) → 3 + 6[2,4] → 9

    〝白狼酋長〟ラング:GS10>=9 移動妨害抵抗
    GoblinSlayer : (GS10>=9) → 10 + 5[2,3] → 15 → 成功

    ”星の尾”アルワン:えらい
    〝白狼酋長〟ラング:問題なく10m地点
    〝白狼酋長〟ラング:・憤撃
    〝白狼酋長〟ラング:サプリP205 消耗1で使用 命中判定の達成値と威力に「使用時点の消耗数+1」を加算
    〝白狼酋長〟ラング:使っている武器に対応する【武器:】のボーナスを威力に加算
    〝白狼酋長〟ラング:大小鬼2に攻撃するぞ
    〝白狼酋長〟ラング:GS11
    GoblinSlayer : (GS11) → 11 + 6[3,3] → 17

    大小鬼:2ha
    大小鬼:2は行動不能か……じゃあ回避ができない!
    〝白狼酋長〟ラング:2d6+5+1d6+1+1 威力
    GoblinSlayer : (2D6+5+1D6+1+1) → 6[4,2]+5+6[6]+1+1 → 19

    "祓栗鼠" ミレイユ:身動ぎせず受けなっ
    ”星の尾”アルワン:うおおおおお
    "祓栗鼠" ミレイユ:きゃ~!
    血鮫魔女レゼナ:つよつよ
    GM:大小鬼_2の負傷数を13増加(18 → 31)
    GM:〝白狼酋長〟ラングの消耗を1増加(0 → 1)
    GM:これで手番はレゼナ!
    〝白狼酋長〟ラング:ずっ……と前に出た。
    〝白狼酋長〟ラング:器用にではない。ずかずかと突き進むようにだ。
    血鮫魔女レゼナ:《火球ファイアボール》 p316。小鬼10を中心点に球状範囲に火属性ダメージ。
    〝白狼酋長〟ラング:そうして、自分よりずっと大柄な大小鬼の前に立つ。
    血鮫魔女レゼナ:GS9>=10
    GoblinSlayer : (GS9>=10) → 9 + 6[5,1] → 15 → 成功

    〝白狼酋長〟ラング:幸いにして敵は、精霊に撃たれ、麻痺している。
    血鮫魔女レゼナ:呪文抵抗11なので突破、ダメージ
    〝白狼酋長〟ラング:「ん」全身を絞るように両手剣を振りかぶり、
    血鮫魔女レゼナ:3d6+2
    GoblinSlayer : (3D6+2) → 9[2,3,4]+2 → 11

    〝白狼酋長〟ラング:「ぬぉおおおおおっ!」ぶった切る!
    血鮫魔女レゼナ:小鬼10~12、撃破
    GM:装甲2……だから
    血鮫魔女レゼナ:血鮫魔女レゼナの残呪文使用回数を1減少(1 → 0)
    GM:9ダメージちょうどで落とされるやんけ!
    "祓栗鼠" ミレイユ:上手!
    大小鬼:「GI──!?」
    ”星の尾”アルワン:うまい!
    大小鬼:身動きの取れぬまま、渾身の一撃を叩き込まれた大小鬼。
    大小鬼:太い骨、分厚い筋肉の鎧も、より強固な剣を前にしては意味を成さなかった。
    大小鬼:でかい図体が地響きを立てて倒れる。まず、ひとつ。
    ”星の尾”アルワン:「…………す」
    ”星の尾”アルワン:「すげえ………」
    小鬼:14番……支援をしてるので主行動ありません……
    血鮫魔女レゼナ:仲間二人が脅威を取り除く音を聞いたその時、小鬼たちを引き付け逃げ惑っていた女が翻る。
    〝白狼酋長〟ラング:「あとはデカいの一匹と小さいの四匹──いけるぞ!」
    ”星の尾”アルワン:「うっ、おっ、おおっ!」思わず、鬨の声を上げる。
    "祓栗鼠" ミレイユ:力強い、剣閃を目にして。また一つ、大きく鼓動が跳ねる。
    血鮫魔女レゼナ:はらり、口元を隠していた布がはだけて露わになるのは鮫のような笑み。
    血鮫魔女レゼナ:「H火石O成長T投射
    血鮫魔女レゼナ:両手を高く掲げ、赤く、青く、そして白に変わった火の玉をまっすぐ振り下ろす。
    血鮫魔女レゼナ:当然女に群がっていた小鬼どもは、一網打尽!
    小鬼:「BUGYAAAAA!」
    小鬼:親分2匹が雌を使い続けていて、おこぼれを貰えていなかった。
    小鬼:だからついつい、手近な雌を追ってしまったのが……こいつらの不運ではあったが、
    小鬼:それを反省する知能が無いから小鬼なのだし、
    小鬼:反省する機会は、永遠に与えられなくなった。
    血鮫魔女レゼナ:「ク、フウ……ハッハッハッハァ!」笑いながら、ひゅうひゅうと鰓排気。
    血鮫魔女レゼナ:「このまま行こうかぁ!」
    〝白狼酋長〟ラング:「……小さいのが、1匹になった」
    ”星の尾”アルワン:「もう少し、もう少しだ……!」美しき白い炎を星のように目に焼き付ける。
    GM:ラウンド終了処理
    GM:継戦カウンターが5になり……消耗発生!
    GM:〝白狼酋長〟ラングの消耗を1増加(1 → 2)
    ”星の尾”アルワン:”星の尾”アルワンの消耗を1増加(0 → 1)
    ”星の尾”アルワン:飲んでて良かった命水
    血鮫魔女レゼナ:血鮫魔女レゼナの消耗を1増加(0 → 1)
    "祓栗鼠" ミレイユ:"祓栗鼠" ミレイユの消耗を1増加(0 → 1)

    ラウンド2


    GM:ふたたびの……行動順!
    "祓栗鼠" ミレイユ:"祓栗鼠" ミレイユのイニシアチブを2D6(→ 8)に変更(8 → 8)
    ”星の尾”アルワン:”星の尾”アルワンのイニシアチブを2D6+1(→ 12)に変更(8 → 12)
    GM:大小鬼_1のイニシアチブを2D6+1(→ 8)に変更(8 → 8)
    ”星の尾”アルワン:オリャ~~~~ッ
    "祓栗鼠" ミレイユ:BATTLE……
    大小鬼:統率パワーで14番も行動値は8!
    大小鬼:GS1 バトる
    GoblinSlayer : (GS1) → 1 + 8[4,4] → 9

    "祓栗鼠" ミレイユ:GS
    GoblinSlayer : (GS) → 6[2,4] → 6

    血鮫魔女レゼナ:血鮫魔女レゼナのイニシアチブを2D6(→ 3)に変更(7 → 3)
    "祓栗鼠" ミレイユ:くっ 大小鬼に負けた
    ”星の尾”アルワン:こいつ~~
    GM:〝白狼酋長〟ラングのイニシアチブを2D6(→ 6)に変更(8 → 6)
    血鮫魔女レゼナ:のろのろ
    〝白狼酋長〟ラング:のそのそ
    ”星の尾”アルワン:つかれてる……
    GM:アルワンの手番だよ!
    ”星の尾”アルワン:やるぞ~~~
    ”星の尾”アルワン:大小鬼1を鉄拳で攻撃します。
    ”星の尾”アルワン:ごめん一瞬待って!
    ”星の尾”アルワン:やはり小鬼14を鉄拳で攻撃します。5Mは近接圏内だから移動せずに狙えるはず!
    GM:届くな……
    小鬼:回避は12の装甲が2だ!
    ”星の尾”アルワン:GS10>=12
    GoblinSlayer : (GS10>=12) → 10 + 2[1,1] → 12 → 大失敗

    ”星の尾”アルワン:うぎゃあああああああああ
    GM:ぎゃははははははははははははは
    ”星の尾”アルワン:ここで!?!?
    GM:1巻だ!
    大小鬼:俺の手番!
    大小鬼:面白いからアルワン殴るね
    ”星の尾”アルワン:クソッ 来い!
    "祓栗鼠" ミレイユ:そ、そんな……
    大小鬼:GS9 大金棒パーンチ!
    GoblinSlayer : (GS9) → 9 + 4[3,1] → 13

    ”星の尾”アルワン:あっ
    大小鬼:あっ
    ”星の尾”アルワン:GS12>=13
    GoblinSlayer : (GS12>=13) → 12 + 7[4,3] → 19 → 成功

    ”星の尾”アルワン:フ!
    大小鬼:支援入ってるから14だったけどどっちにしても
    大小鬼:すかっ
    大小鬼:……………………
    大小鬼:運が良かったな!
    大小鬼:いや運がなかったな!
    大小鬼:どっちだ!!!!!!
    ”星の尾”アルワン:「う……うおおおおおおおっ!」
    大小鬼:ぎらん
    大小鬼:怪物の目が、あなたを睨む。
    大小鬼:命を奪うことに躊躇いの無い目──というのも、また違う。
    大小鬼:そういうのは,人間同士の争いの話だ。
    大小鬼:むしろ小鬼というのは、命を奪うことを楽しむもの。
    大小鬼:殴りかかろうとするあなたを見て、大小鬼が感じるのは、
    大小鬼:脅威ではない。〝殺せるやつが来た〟という悦び。
    ”星の尾”アルワン:その目を見て。
    ”星の尾”アルワン:雪捨て場にいた、ろくでなしの大人たちを思い出した。
    ”星の尾”アルワン:視界が真っ赤になる。
    ”星の尾”アルワン:「舐めやがっ、」
    大小鬼:大金棒を振りかざす。殴りかかるのに合わせて振りかぶる。
    大小鬼:小鬼がウィズボールを知る筈もないが、さながらアルワンをボールに見立てるかのように──
    ”星の尾”アルワン:単純なことだ。極度に集中を繰り返した結果、間合いを致命的に読み誤った。
    ”星の尾”アルワン:何もなせずに血の染みになって、それから、それから――
    ”星の尾”アルワン:「ふ」飛ぶ。「ざけんなっ!」
    ”星の尾”アルワン:スイングされた金棒に、”飛びついた”。
    大小鬼:ぶぅんっ!
    ”星の尾”アルワン:するりと回って、棒踊りポールダンスのようにすり抜ける。
    大小鬼:確実に叩き潰せると踏んでのフルスイングが空を切った。
    ”星の尾”アルワン:無様に転がり転倒。洞窟の壁に激突する。
    大小鬼:「GURUAAAAAAAAA!!!」
    大小鬼:怒気。咆哮。叩き潰してやる──と、落ちた獲物に向き直る!
    GM:手番、ミレイユ
    ”星の尾”アルワン:助けて~~~~~!!!
    "祓栗鼠" ミレイユ:小鬼えいえいしておくか……? 大小鬼?
    ”星の尾”アルワン:3人で大小鬼殴る、でも良いと思う
    GM:装甲1をどう見るかよね
    ”星の尾”アルワン:もう支援されちゃったわけだし
    "祓栗鼠" ミレイユ:そうなんだよね 狙っちゃうか 大小鬼
    "祓栗鼠" ミレイユ:主行動で「曲刀」による攻撃。対象は大小鬼1
    "祓栗鼠" ミレイユ:攻撃前に【死角移動:初歩】を宣言。対象は移動妨害判定を行う。勝利するとこの手番対象への近接・遠距離命中判定[+2] 成否に関わらず対象の前まで移動し、次の自分の手番まで回避・盾受け判定[-2]
    大小鬼:い、いどうぼうがい
    大小鬼:GS3 知能による判定
    GoblinSlayer : (GS3) → 3 + 5[1,4] → 8

    ”星の尾”アルワン:ば な な
    "祓栗鼠" ミレイユ:GS(11+4)>=8 移動妨害への対抗判定
    GoblinSlayer : (GS15>=8) → 15 + 4[3,1] → 19 → 成功

    "祓栗鼠" ミレイユ:GS(11+2) 命中(曲刀) 死角移動成功時
    GoblinSlayer : (GS13) → 13 + 4[3,1] → 17

    GM:ダブルスコア
    "祓栗鼠" ミレイユ:出目低ッ
    大小鬼:GS7 回避
    GoblinSlayer : (GS7) → 7 + 12[6,6] → 19 → 大成功

    "祓栗鼠" ミレイユ:おい!!!!
    ”星の尾”アルワン:コラ^~~~~~
    大小鬼:は??????
    "祓栗鼠" ミレイユ:ここから入れる祈念はないんですか?
    大小鬼:俺……もしかしてゴブリンチャンピオンだったかもしれない……
    血鮫魔女レゼナ:賽の目ばかりはどうしようもなんねえ
    ”星の尾”アルワン:ゴブリンチャンピオンの卵
    〝白狼酋長〟ラング:ええい! つぎ俺!
    〝白狼酋長〟ラング:憤撃!
    〝白狼酋長〟ラング:サプリP205 消耗1で使用 命中判定の達成値と威力に「使用時点の消耗数+1」を加算
    〝白狼酋長〟ラング:使っている武器に対応する【武器:】のボーナスを威力に加算
    ”星の尾”アルワン:殺せ~~~~!!!
    〝白狼酋長〟ラング:GS(11+3)
    GoblinSlayer : (GS14) → 14 + 4[1,3] → 18

    大小鬼:GS7>=18
    GoblinSlayer : (GS7>=18) → 7 + 5[3,2] → 12 → 失敗

    ”星の尾”アルワン:ヨシ!
    〝白狼酋長〟ラング:2d6+5+1d6+4
    GoblinSlayer : (2D6+5+1D6+4) → 6[5,1]+5+2[2]+4 → 17

    ”星の尾”アルワン:でかいっ
    GM:大小鬼_1の負傷数を11増加(0 → 11)
    "祓栗鼠" ミレイユ:流石♡
    GM:レゼナ!
    血鮫魔女レゼナ:支援あるから装甲8かな
    GM:そうだわ
    GM:装甲7だわ
    血鮫魔女レゼナ:GM!この場所は長大武器のペナルティ乗るかな?
    GM:大小鬼_1の負傷数を1減少(11 → 10)
    血鮫魔女レゼナ:7だった
    GM:ふむ……割と広い場所って書いちゃったしな
    GM:なにせ直線で20m以上、遮蔽物が無い
    GM:ペナルティ無いなこれ
    ”星の尾”アルワン:よおおおし
    GM:どんな洞窟住んでんだよ!!!!
    血鮫魔女レゼナ:大小鬼が長大武器ぶん回してても問題ないわけだ
    "祓栗鼠" ミレイユ:す、と足捌きが変わった。足元の薄い服が風をはらんでふわりと舞い、白い軌跡を残して踏み込む。切り抜ける。
    血鮫魔女レゼナ大剣グレートソードで【強打攻撃・斬】効力値+2+1+3。対象は大小鬼
    血鮫魔女レゼナ:【血の狂騒】1d3点負傷することで命中・回避・呪文行使・維持・抵抗判定+1
    血鮫魔女レゼナ:血鮫魔女レゼナの負傷数を1D3(→ 3)増加(0 → 3)
    血鮫魔女レゼナ:GS12
    GoblinSlayer : (GS12) → 12 + 3[1,2] → 15

    "祓栗鼠" ミレイユ:その独特の歩法に、大小鬼の視界からは完全に消え、剣は確実に通った──はずだったが。
    大小鬼:──もし、小鬼の才能を論ずる機会があるならば。
    大小鬼:同じ母体から同時にふたつ生まれ落ちた、この異形の個体は、
    大小鬼:ある主の天才だった──と言っていいだろう。
    大小鬼:歩みを、見なかった。
    ”星の尾”アルワン:(こいつ)
    大小鬼:ただ、そこへ刃が通るだろうという地点に、ぽんと大金棒を置いたのだ。
    ”星の尾”アルワン:(おれと同じ――)
    大小鬼:偶然ではあるだろう。
    大小鬼:運良く、防げたのだろうが、それでも、
    "祓栗鼠" ミレイユ:「え、あ……っ?!」
    大小鬼:その方法を選べたのは、才能なのだ。
    大小鬼:「GUHU、GUGUGUGUGU」
    大小鬼:にたり、と笑う。
    大小鬼:雌が怯えるのを見るのは、楽しいのだ。
    大小鬼:回避判定……
    "祓栗鼠" ミレイユ:硬い金属の棒に阻まれ、体重を預けていた刃を支点に、弾かれた身体がぐるりと宙を舞う。
    大小鬼:GS7>=15
    GoblinSlayer : (GS7>=15) → 7 + 8[6,2] → 15 → 成功

    "祓栗鼠" ミレイユ:失敗から祈れるまだ遊べる
    血鮫魔女レゼナ:もいっちょ祈ります?
    ”星の尾”アルワン:いのれ!(メイドインワリオ)
    "祓栗鼠" ミレイユ:着地は間に合った。両手両足を地に付け、這うように衝撃を殺して。決定的失敗ファンブルではない……だが、冷や汗が伝う。
    血鮫魔女レゼナ:MCPI$8 ラブリ!
    GoblinSlayer : 祈念(2d6) → 4[2,2] → 4 → 失敗, 因果点:8点 → 9点

    ”星の尾”アルワン:ぐえーっ
    血鮫魔女レゼナ:おぉっと……
    大小鬼:ぐははははははは
    GM:ラウンド終了処理!
    GM:継戦カウンター6……ここでは消耗出ない!
    血鮫魔女レゼナ:「ええい、ラァッ!」ぶんと大振り、大小鬼とミレイユの距離を取らせるための立ち回りに終始する。
    大小鬼:ひゅっ……と、軽やかに動いた。
    大小鬼:もしかすると、冒険者という人種の動きに、目が慣れてきたのかもしれない。
    ”星の尾”アルワン:「こいつ……学んできてる!間違いない!」
    大小鬼:「GIGYA、GYAGYAGYA、GUGU……」
    大小鬼:何かを、レゼナに向けて言った。
    大小鬼:もしかすれば、こう言ったのかもしれない。
    大小鬼:〝待っていろ、あの小さな娘からだ〟と。
    〝白狼酋長〟ラング:「──!」
    血鮫魔女レゼナ:SHAAARっと牙を剥きだして威嚇を返す。
    ”星の尾”アルワン:(通じるとしたら)
    〝白狼酋長〟ラング:その、一瞬の隙を、背後から狙うような形になった。
    〝白狼酋長〟ラング:小鬼を相手に背後から斬りつける──英雄譚としては、あまりに情けない。
    〝白狼酋長〟ラング:だが。
    〝白狼酋長〟ラング:そもそも英雄譚というものを、聞いたことのない男だった。
    大小鬼:「GYAGU!?」
    〝白狼酋長〟ラング:「よかった、当たった」
    〝白狼酋長〟ラング:「みんな、もう少しだけ頑張れ」
    ”星の尾”アルワン:「あ……」
    ”星の尾”アルワン:その、白くたなびく髪を見て。思わず口にしていた。
    ”星の尾”アルワン:「兄貴・・……」
    〝白狼酋長〟ラング:「……おそろしく疲れたが、たぶん勝てる」
    〝白狼酋長〟ラング:「勝つぞ」

    ラウンド3


    GM:行動順!
    "祓栗鼠" ミレイユ:"祓栗鼠" ミレイユのイニシアチブを2D6(→ 8)に変更(8 → 8)
    GM:大小鬼_1のイニシアチブを2D6+1(→ 5)に変更(8 → 5)
    "祓栗鼠" ミレイユ:ずっと8しか出てない
    ”星の尾”アルワン:”星の尾”アルワンのイニシアチブを2D6+1(→ 10)に変更(12 → 10)
    大小鬼:GE
    ”星の尾”アルワン:いける!アイツ疲れて来てるぞ!
    血鮫魔女レゼナ:血鮫魔女レゼナのイニシアチブを2D6(→ 5)に変更(3 → 5)
    GM:〝白狼酋長〟ラングのイニシアチブを2D6(→ 5)に変更(6 → 5)
    "祓栗鼠" ミレイユ:NOT BATTLE
    〝白狼酋長〟ラング:……
    "祓栗鼠" ミレイユ:いやBATTLEあるわ
    〝白狼酋長〟ラング:GS ばとる
    GoblinSlayer : (GS) → 10[5,5] → 10

    "祓栗鼠" ミレイユ:仲良し?
    ”星の尾”アルワン:DOUBLE BATTLE
    血鮫魔女レゼナ:GS ARU BATTLE
    GoblinSlayer : (GS) → 3[1,2] → 3

    大小鬼:GS1 バトル
    GoblinSlayer : (GS1) → 1 + 11[6,5] → 12

    "祓栗鼠" ミレイユ:あのさぁ
    ”星の尾”アルワン:何だお前~~~~~!!!
    "祓栗鼠" ミレイユ:何なんだ君は!!!!!!
    大小鬼:天才です
    GM:アルワン!
    GM:手番!
    "祓栗鼠" ミレイユ:チャンピオンの器が世
    ”星の尾”アルワン:ブチ殺す!!!
    ”星の尾”アルワン:というわけで大小鬼1に鉄拳で攻撃します。
    ”星の尾”アルワン:GS10 命中
    GoblinSlayer : (GS10) → 10 + 7[5,2] → 17

    大小鬼:GS7>=17 かいひ
    GoblinSlayer : (GS7>=17) → 7 + 9[4,5] → 16 → 失敗

    ”星の尾”アルワン:ここだ!使えなかった無念無想!
    ”星の尾”アルワン:達成値+5して効力値22。ダメージ!
    ”星の尾”アルワン:2d6+2d6+2+2
    GoblinSlayer : (2D6+2D6+2+2) → 6[3,3]+7[4,3]+2+2 → 17

    大小鬼:俺の装甲は……7!
    GM:大小鬼_1の負傷数を10増加(10 → 20)
    ”星の尾”アルワン:死に晒せボケ~~~~~~ッ
    "祓栗鼠" ミレイユ:YATTA!
    大小鬼:……………………生命力、20!
    GM:ちょうど撃破……!
    ”星の尾”アルワン:よおおおおおおおし!!!
    ”星の尾”アルワン:長く、息を吐く。呼吸を整え、敵の弱点を探る。
    GM:生物だ。
    GM:二足歩行、二本の腕を持つ、生物だ。
    GM:人体に良く似た構造のそれの弱点は、当然だが人体にも似て──そして。
    GM:今、この瞬間、特に大きな弱点は、
    GM:背に刻まれた傷の真裏。
    GM:即ち、体の正面。
    GM:胸骨!
    ”星の尾”アルワン:感覚を研ぎ澄ます。相手はこちらの攻撃を学習している。なら、敵の予想を超えるしかない。
    ”星の尾”アルワン:創造性に乏しい自分の頭で、何が――
    ”星の尾”アルワン:ラングの背負った二つの剣が、目に入る。何で二つ?
    ”星の尾”アルワン:(そうか)
    ”星の尾”アルワン:駆け出す。わざと、先程までと全く同じ軌道で。単調に。
    ”星の尾”アルワン:殴りかかる。当然、金棒でいなされるだろう。それを待っている。
    大小鬼:怪物の行動は、些か予想を超えてくる。
    大小鬼:いなすのに、金棒すら使わない。
    大小鬼:片方の手で金棒を振り上げ──もう片方の手で、拳を打ち払う!
    大小鬼:ぱんっ!
    ”星の尾”アルワン:「――」
    ”星の尾”アルワン:アルワンの身体が、宙を舞っていた。
    ”星の尾”アルワン舞うことができた・・・・・・・・
    ”星の尾”アルワン:「勝った」
    大小鬼:「GI」
    大小鬼:「GI ZA MA」
    ”星の尾”アルワン:自由落下の勢いに合わせ、描いていた想像イメージを叩き込む。
    ”星の尾”アルワン:拳の振り払いに打ち出される形で跳躍し、二本目の武器・・・・・・
    ”星の尾”アルワン:「お前には、見せてないよな」
    ”星の尾”アルワン:「脚業」
    ”星の尾”アルワン:流星の尾のように。
    ”星の尾”アルワン:全体重を籠めた踵落としヒールドロップが、無防備な胸骨を蹴り砕く。
    大小鬼:めぎ、みしぃっ
    大小鬼:強靱な筋骨は一瞬、その衝撃を耐えた──かに、見えた。
    大小鬼:衝撃を受け止める背筋が、断ち切られていた。
    大小鬼:貫く。
    大小鬼:背を貫き、その衝撃は──
    大小鬼:怪物の心臓を、体外へと、投げ出していた。

    結末


    GM:戦闘終了……そして依頼完了。
    GM:最初の冒険は、あなた達の勝利だ。
    GM:と、いうわけで……
    GM:報酬とか色々の計算タイム!
    GM:今日の目玉はこれ! ドロップアイテムの「紅玉の杖」「大金棒」「大金棒」!
    ”星の尾”アルワン:まあ~~!!でもお高いんでしょう?
    GM:売値は3割なので、15枚27枚27枚ってところだな……
    "祓栗鼠" ミレイユ:十分お高い
    〝白狼酋長〟ラング:杖も金棒もいらないな……
    血鮫魔女レゼナ:ふむふむ
    "祓栗鼠" ミレイユ:わたしも特には必要ないです
    血鮫魔女レゼナ:そんなら杖を貰おうかしら
    血鮫魔女レゼナ:皆に5枚ずつ払う形で
    ”星の尾”アルワン:大金棒……と一瞬思ったけど、鉄拳あるから別にいいな……
    GM:4枚ずつで良いかもしれん、自分の取り分もあるのだし
    血鮫魔女レゼナ:ほな4枚ずつかあ
    GM:となると、ちょっと計算しよう
    報酬 ・依頼達成:経験点3000
          成長点6
    ・金銭収入:202枚
    └基礎報酬
     銀貨80枚(20枚×4人)
    └特別報酬
     銀貨60枚(指名手配中の不良術師の死体確保)
    └売却報酬
     銀貨62枚
     「粗悪な武器」×8=8枚
     「大金棒」×2=54枚
    GM:こうなるかな
    "祓栗鼠" ミレイユ:うおっいっぱい……
    ”星の尾”アルワン:指名手配されてたんかい!
    GM:粗悪な武器に関しては、道中でぶっ倒した15体の粗悪な武器持ちから半分回収できた計算としている
    血鮫魔女レゼナ:デッドオアアライブ魔女だった
    不良術師:デッドオアアライブなのよ
    ”星の尾”アルワン:デッドになってしまった
    不良術師:祈られちゃったらアンデッド化無理なんでもう再登場しないわよ
    GM:ということで、エンディングである

    GM:……あなた達は村を後にし、オルトビックに帰還した。
    GM:疲労感が完全に抜けぬままの帰路ではあったが、足取りはそう重くはあるまい。
    GM:なにせあなた達は、初めての冒険を、仲間を失わずに終えたのだ。
    GM:幾らかの、想定外の手土産を携えて。
    〝不乾之筆〟サビーナ:「……首実検も済みました。確かに、指名手配の術師です」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「その確保報酬や、取得物資の売却金額も含め」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「今回の報酬が……こちらです」
    ”星の尾”アルワン西瓜スイカのような銀貨袋を見て。
    ”星の尾”アルワン:「……詐欺か?」
    血鮫魔女レゼナ:「Chu」
    血鮫魔女レゼナ:細やかな音が鳴ったのは薄布ヴェールの奥だ。
    〝不乾之筆〟サビーナ:「銀貨での支払いなので、この枚数になりましたが」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「金貨に換算するとそこまででもない……無駄遣いはしませんように」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「案外、すぐに消える金額ですから」
    〝白狼酋長〟ラング:「……大変ではあったが、いい稼ぎになったな」
    ”星の尾”アルワン:小分けにした銀貨袋を、ぼうっと見ている。実感が湧かない。
    "祓栗鼠" ミレイユ:「想定より、ずっと大変だったのですから。きちんと計算していただいた額です、有難く頂いておきましょう」
    ”星の尾”アルワン:雪捨て場では意味がなかったが、オルトビックならこれさえあれば何でも買えるように思えた。
    〝不乾之筆〟サビーナ:「……それにしても、大小鬼ホブゴブリンが2匹ですか」
    ”星の尾”アルワン:「最悪だったよ、あいつら……」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「使役していた術者が、〝育ちが良かった〟のが幸いした」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「もっと性悪の悪党であれば……」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「あなた達の到着時点で既に〝繁殖〟していた危険もありました」
    血鮫魔女レゼナ:「小鬼を上手く扱える奴はそうそう居ない」
    血鮫魔女レゼナ:「どこもかしこも不味いからね、怪物にだってそうそう食えたもんじゃないさ」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「逃げ込んだ地下も、随分と探し回ったのです。他には残っていないと思います」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「……優れた術師だったのでしょうに。道を誤ったことは、残念でなりません」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「……………………」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「……術師の末路についても、報告を確認しました」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「後日、羅針団の調査員が……弔いも兼ねて確認しに向かいます」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「……死ねば罪が帳消し……とは、とても言えませんが」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「少しだけ……同情は、してしまいますね」
    血鮫魔女レゼナ:「緑の瞳の加護を得て、眼が眩んだのが命数の尽きだったね」
    血鮫魔女レゼナ:「しっかり足元見て進む教訓とするよ。躓いたら裂け目クレバスなんて事にならないように」
    ”星の尾”アルワン:「”諦めて受け入れることが、生きることじゃない”」
    ”星の尾”アルワン:「……羅針団の、あの鷲の人が言ってた言葉。へイリアだっけ」
    〝白狼酋長〟ラング:「だれだ?」
    〝不乾之筆〟サビーナ:「うちの荒事担当です」小声
    ”星の尾”アルワン:「兄貴の知らない人だよ」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「開拓団の中でも、有名な方だそうですよ」 背伸びして小声で耳打ち。
    ”星の尾”アルワン:「おれの恩人。……魔術師のひとは、自分で何かを変えることを諦めちゃったのかもね」
    〝白狼酋長〟ラング:「ほうほう」しゃがんで耳打ちを受けつつ頷く。
    ”星の尾”アルワン:「だから、生きたまま死んだ。同情はしないけど、覚えておく」
    ”星の尾”アルワン:自分はどうだろう。この大地で、生きられているだろうか。
    ”星の尾”アルワン:「……ふつうの冒険者って、この後どうするの? 帰って寝る?」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「さぁ……どうなのでしょう」
    〝白狼酋長〟ラング:「……どうなんだ?」
    〝白狼酋長〟ラング:「こういう時は、なんとなく知ってそうなやつに聞こう」
    〝白狼酋長〟ラング:「レゼナ、どうなんだ」
    血鮫魔女レゼナ:「反省会」
    血鮫魔女レゼナ:「……は良くないって言うねぇ?」
    血鮫魔女レゼナ:「悲惨な終わりを教訓に、なんて言ったけど」
    血鮫魔女レゼナ:「これは仕事、これからも踏み越えて進んでゆくわけですから割り切って呑み込んで」
    血鮫魔女レゼナ:「次のための活力を得るのです」ぴんと人差し指を立てる。
    〝不乾之筆〟サビーナ:「……なるほど、つまり」
    "祓栗鼠" ミレイユ:「では、ささやかな祝賀会……でしょうか?」
    〝不乾之筆〟サビーナ:ぴ、と指差したのは、広間の脇。酒場のカウンター。
    血鮫魔女レゼナ:「そういうこと」我が意を得たりとしたり顔。ほとんど隠れていても分かる。
    ”星の尾”アルワン:ごくり、と喉を鳴らす。
    GM:──白磁級の報酬は、決して高額とは言えないのだから、無尽蔵に飲み食いは出来ないとしても。
    GM:すこし良い飯を喰い、酒を飲んで、気持ちよく雑魚寝する。その程度の贅沢は許される。
    GM:そして。
    GM:その程度の贅沢すら──もしかすると、これまでの生き方からすれば、目の眩むような眩いものなのかも知れない。
    GM:つつましい祝勝会が始まる。
    GM:……こっそり、ギルドの職員達も、遠巻きにして乾杯している。
    GM:何故かと言えばあなた達が、実質的な第一期の構成員だからだ。
    GM:他地域から手助けに来た腕利き達ではなく、この地域で生まれ育ち冒険者となった初めての世代。
    GM:その依頼の達成を、皆が、つつましく素朴に喜んでいた。

    極夜のエリュシオン────Wild Flowers 勝利。