『先へと進め、振り向くな』

N市内の住宅街において、アパートが一棟、丸ごと殺戮の憂き目に遭った。
犠牲者の死因は様々であるが、共通しているのは死体が必ず欠損していたことだ。


PC1:〝バルカノーツ〟 志木 倫堂(しき・りんどう)(キャラシート)PL:そごう
PC2:〝柳雪(りゅうせつ)陶 妙算(すえ・たえかず)(キャラシート)PL:中村
PC3:〝オーバーフロウ〟 津村 孝蔵(つむら・こうぞう)(キャラシート)PL:北白河
PC4:〝カミ〟 玻璃上 八里(はりかみ・やつり)(キャラシート)PL:黄色の月

メイン雑談

目次

  • OP1:志木 倫堂
  • OP2:陶 妙算
  • OP3:津村 孝蔵
  • OP4:玻璃上八里
  • シーン1
  • シーン2
  • シーン3
  • マスターシーン
  • シーン4
  • シーン5
  • クライマックス
  • エンディング1:戦い終わって
  • エンディング2:友達
  • エンディング3:報告
  • エンディング4:次の戦いへ

  • GM:それでは皆様、お集まりいただきありがとうございます。
    GM:セッション開始前に自己紹介ターイム!
    志木倫堂:イェーイ!
    GM:そうですね、志木くんは後が良いとのこと故、陶くんからお願いしましょう
    GM:キャラシのURLを張って自己紹介を! 時間に余裕があるので長めでも大丈夫!
    陶 妙算:はーい!
    陶 妙算https://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYi-KNsgIM
    陶 妙算:PC2の陶 妙算(すえ たえかず)です。
    陶 妙算:しっとりと濡れた黒髪、やわらかな茶色の瞳が特徴(ドラクルージュキャラ作成表より)のUGNチルドレンです。
    陶 妙算:昔、永港ってセルに捕らえられててそこでいろいろあったらしいよ
    陶 妙算:そのせいか知らないけど果物しか食べられないのでほのかに桃のような甘い香りを漂よわせています。
    陶 妙算:基本、大人しめで物腰柔らかな少年です。任務は真面目に頑張るよ!
    陶 妙算:友達をつくるのがヘタな子だけでみんなと仲良くやれたらいいな!
    陶 妙算:今はチルドレンとして活動しながら学校に通ったりなんかしたりしています。
    陶 妙算:性能としては武芸の達人とかハードワイヤードで上げまくった固定値で素殴りします
    陶 妙算:100%超えたらフェイタルもヒットする!!強い!やったー!
    陶 妙算:そんな感じで美少年剣士ヅラしていきたい子です。宜しくおねがいします。
    陶 妙算:15歳!
    陶 妙算:以上です。よろしくおねがいします!
    GM:素殴りで達成値+30とかやってくる恐ろしい子です
    GM:彼の破壊力はドスケベ女装クロスⅡを見ていただければだいたいおわかりになる。
    GM:さて、そんな陶くんのハンドアウトはこちら
    あなたと杉澤 あゆ美は友人、または親しい知人である。
    彼女はかつてFHの研究施設に囚われていた実験台であり、今はUGNへの情報提供者として監視下にある。
    ある日あなたは、杉澤から相談を持ちかけられる。恩人へプレゼントを渡したいが何を選べばいいかわからない、ということだ。
    その恩人の名は、由解 瑛と言う。
    ……これは、アパート一棟殺戮事件の前日の話となる。

    陶 妙算:すげえ物騒な単語が出てきた!!
    杉澤 あゆ美:こんな感じの女子高生がシナリオロイスです
    陶 妙算:どっかに名探偵の孫が身体は子供で頭脳が大人なやつがいるに違いねえ!!
    杉澤 あゆ美:友人度の調整はどれくらいにしましょうかしら
    陶 妙算:ど、どれくらいがいいかな…
    陶 妙算:GMがよろしければダイスで決めたい…
    杉澤 あゆ美:ほほう
    杉澤 あゆ美:どうぞ!
    どどんとふ:「津村孝蔵」がログインしました。
    陶 妙算:友情度 低いほど初対面、高いほど親友
    陶 妙算:1d100
    DoubleCross : (1D100) → 47

    陶 妙算:めっちゃ普通!!
    GM:普通だ!
    GM:ならばまぁ、
    陶 妙算:いい感じに仲のいい友達ですね。
    GM:ですね
    GM:その上で、幾つかある業務の一つで、
    GM:行方不明になったりしてないかなー、と時々様子を見に行くくらいな感じでお願いします
    陶 妙算:了解です!
    陶 妙算:よろしくね!
    GM:では続きまして
    GM:結構登場久しぶりなのでは? GMあまりに棚ぼたで驚いている
    GM:津村さん、自己紹介をお願いします!
    津村孝蔵:はいな。第三支部の津村孝蔵です。36歳男性。狙撃手です。
    津村孝蔵http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY-oPQuwIM
    津村孝蔵:もともとUGNの暗部として狙撃手をやってましたが、現役引退から支部長就任、大N市移籍などいろいろやってます。
    津村孝蔵:今は第三支部でつまらなそうな仕事をしたり、射撃関係の教官みたいなことをやっています。
    津村孝蔵:見るからに無気力で軽そうな男ですが、一応狙撃の腕は衰えていません。でも不摂生が祟って反動が大きいのであまりやりたがらない。
    津村孝蔵:シンドロームはウロボロスピュアで、弾速に特化した感じに発現しています。さらに遺産も持っている。みんな大好き必中の弓。
    津村孝蔵:これは契約と引き換えに、「撃つ前に結果を前借りする」効能があります。これを使ってたから狙撃が強かったんですね。
    津村孝蔵:そのせいで「撃つ前に当たる」という触れ込みがついています。ただ、そもそも当たらない相手には効果を発揮しないのでそこはめっちゃ鍛えました。
    津村孝蔵:というわけで、スペック的にはシナリオ一回の一発屋。そうでないときはそこそこのダメージの攻撃しかできませんが、やるときはやります。
    GM:その一発が尋常じゃなく重いんだよなぁ……
    津村孝蔵:ちなみに、鍛えた結果別に遺産がなくても撃つ前に当てることができるようになりました。よろしくお願いします。
    GM:こんなダンディさんにぶつけるシナリオロイスがこいつでいいのかと悩みもしましたが
    GM:せっかく過去に支部長でいらっしゃったんで、その経歴を使わせていただこうと思います
    GM:故、ハンドアウトはこちら
    あなたは過去一度、あるいは幾度か、FHエージェント《ラフィング・バーナー》と交戦している。
    逃げ足の速さ故にこれまで生き延び続けた彼女であったが、N市内でその姿が目撃された。
    人類社会に益することのない敵だ。次こそは逃すな。

    訃静 零:「こんばんは、外道です」
    訃静 零:画像設定ミスってた
    津村孝蔵:当たった結果を前借りしようとしたけど、「そもそも当たらないからダメ」って言われた。
    GM:ちなみに津村さん、支部長やってたのだいたい何年前くらいの想定でいらっしゃいました?
    津村孝蔵:わりと最近って書いてたので、二~三年前くらいですね。
    GM:ふむふむ、崩落戦よりはちょっとあとくらいですね承知です
    GM:今回の最年長枠ということでまとめ役を振ったり、
    GM:「ここでかっこよく決めてください」みたいなざっくりした振りをするかと思いますが、よろしくお願い致します。
    津村孝蔵:大役だ。できるだけのことをやります。よろしくお願いします。
    GM:では、続きまして
    GM:細かい説明不要! カミ! 自己紹介を!
    玻璃上八里:ヨッシャア!
    玻璃上八里:「カミ!」(任意のシーン登場と光源演出)
    玻璃上八里:「こう!!」(任意のスピニングと光源演出)
    玻璃上八里:「りーーーん!!!!!」(任意のカッコいい決めポーズとド派手な光源演出)
    玻璃上八里https://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYg4K3rQIM スッ……
    玻璃上八里:玻璃上八里!25歳!自分をカミだと豪語する成人女性!!
    玻璃上八里:特技は折り紙の早折りと(任意の光源演出)!
    玻璃上八里:モルフェウスなのに砂ではなく紙が出て来る特異体質の為、こんな戦闘スタイルになりました。
    玻璃上八里:大打撃を受けた再編後の第8支部を助けるために着任!高笑いあるところにカミありだァ!
    玻璃上八里:今回はこの前お邪魔したシミュレーターのお相手がなんかエライことになってたので
    玻璃上八里:心配して立候補しました!ついでにクソアマもぶっ飛ばすぞ!
    玻璃上八里:書き忘れがなければ大体こんな感じで!皆様よろしくお願いします!!!
    GM:OK! そんなハイテンションなところにまことに申し訳ないが
    GM:今回の事件は陰惨だ!
    玻璃上八里:なっばっ
    GM:さて、ハンドアウトはこちら。
    あなたは、〝アヴェンジャーズセル〟所属のエージェント討伐の為に選抜された。
    一つの理由にそれは、かつて当該セルの首領と共に戦った経験が有る為だ。
    そしてもう一つの理由は、つい先日に行った『戦闘シミュレータ』のテスト運用において、彼女に接触したからだ。

    GM:一応は大人だからね! 青少年達を導く側として頑張ってほしい!
    GM:と、いうことで
    GM:それでは志木くんの出番だ! 自己紹介をお願いします。
    志木倫堂:しゃー! やるぞー!
    志木倫堂:PC1、志木 倫堂(しき りんどう)。
    志木倫堂:細く柔らかな亜麻色の髪と凶悪な目つきがトレードマークの少年です。
    志木倫堂:かつて《ラフィング・バーナー》というエージェントに色々されていた元FHチルドレンの16歳。現在は高校に通いつつUGNの手伝いとかをしてる感じです。
    志木倫堂:セルで受けた実験の過程でマイナスの感情はおおむね怒りへと変換されるようになっており、沸点も低いチンピラだ。
    志木倫堂:イリーガルの由解瑛に救出されて以降は彼女によく懐き、ちょっとズレた人間観で以て自分を律しようとしているが、あんまり上手くいっていないぞ!
    志木倫堂http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY37LntQIM
    志木倫堂:キャラシを貼り忘れたぞ!
    志木倫堂:性能は結合粉砕で装甲無視単体打点をやります。足が襲い上にDロイス永遠の炎でさらに遅くなる……
    志木倫堂:シナリオ限定エフェクトのおかげで実質毎回マシラのごとくが撃てます。
    そんな感じです、よろしくお願いします。

    GM:シナリオ限定エフェクトは一応、シナリオ一回の想定だ!!!
    GM:じゃないと侵蝕で死んじゃいますからね!!!
    志木倫堂:あっすいません 了解です
    GM:さて、この物語の主人公たる志木くんのハンドアウトはこちら
    志木倫堂:アホなので読み飛ばしていた
    あなたは過去から目を逸らさずに乗り越えようと努める少年だ。
    ある日あなたは、かつてあなたを救った女性と良く似た何かに遭遇する。

    志木倫堂:アレはセンセイ……じゃない!?
    GM:良く似てはいますが、どこからどうみても違うと認識できる。そんな感じに仕上げてあります
    GM:謎のシナリオロイスに導かれて物語へ巻き込まれるPC1特権で……大いに暴れてください……
    GM:さて
    志木倫堂:さあ今回も許せないぜ……
    GM:自己紹介はこんな具合としまして
    GM:シナリオ開始前に聞いておきたいことその他もろもろある人
    GM:いますか!
    津村孝蔵:今のところは特に!
    志木倫堂:同じく
    玻璃上八里:ないと思う!思い出したら別途見学席にて提示します!
    GM:OK!
    GM:では、シナリオ『先へと進め、振り返るな』開始致します。よろしくお願い致します!
    陶 妙算:おねしゃす!!
    玻璃上八里:よろしくお願いいたします!!!
    志木倫堂:よろしくお願いします。
    津村孝蔵:よろしくお願いします!

    トレーラー

    この世界に君臨する知的生物は、もはや人間だけではない。
    一個体一種の体系を持つとさえ言えよう多様性を誇るレネゲイドビーイング──
    それは人間と同様に有用な資源であると、誰かが考えた。

    N市内の住宅街において、アパートが一棟、丸ごと殺戮の憂き目に遭った。
    犠牲者の死因は様々であるが、共通しているのは死体が必ず欠損していたことだ。
    食われていた。
    傷口に残る歯形は、確かに人間のものであるというのに。

    複数個体、複数の獣化能力。しかして同一の名を持つ〝人造レネゲイドビーイング〟《ブレンデッド》の出現。
    行方を眩ましたUGNイリーガルの女性と、彼女を慕う無力な少女。
    そして悪意と我欲の牙を剥くは〝アヴェンジャーズセル〟の一角、《ラフィング・バーナー》。

    ダブルクロス The 3rd Edition.『先へと進め、振り向くな』

    「笑おう」
    「苦しい時にこそ、楽になる為に、笑おう」

    ダブルクロス────それは裏切りを意味する言葉。


    OP1:志木 倫堂


    GM:では志木くん、登場侵蝕をどうぞ。
    志木倫堂:34+1d10
    DoubleCross : (34+1D10) → 34+2[2] → 36

    志木倫堂:省エネ!
    GM:ぐっど!

    GM:では早速ですが志木くん。この物語の始まりは、あなたの過去の回想からだ。
    GM:是非とも思い起こして貰いたい。

    GM:──崩落戦の傷跡が未だ癒えぬ頃の事だ。
    GM:いいや、傷は未だに癒えてはいないのだろう。だが少なくとも、当時に比べればN市は随分と良くなった。
    GM:少なくともUGNの組織力は回復し、FHの拠点は数を減らしている。
    GM:……だが。当時は、そうではなかったのだ。
    GM:志木 倫堂。あなたは椅子に体を固定され、両の瞼を特殊な器具で開いたままに固定されている。ちょうど、何処かの映画のようにだ。
    GM:そしてあなたが見せつけられているのは──生きた人間が、動物型のジャームに喰われるという光景である。
    志木倫堂:(胸糞の悪い映像を見せつけやがって。何を……)
    訃静 零:「あーあー、苦しそうですねぇ。辛そうですねぇ。可哀想ですねぇ」
    志木倫堂:目の前で展開されるグロテスクな映像に対し、ストレスを貯めています。
    訃静 零:あなたの耳元でそう囁く、FHエージェント《ラフィング・バーナー》
    訃静 零:「でもあなたが悪いんですよ、志木くん」
    志木倫堂:「あァ……?」
    訃静 零:「あなたなんてその火力以外に褒めるところのない出来損ないの怪物だってぇのに」
    訃静 零:「まーだ能力の制御もままならないんですからねぇ!」
    訃静 零:嘲るような言葉と、哄笑。
    志木倫堂:「うるせえよ、さっさとこの意味のねえ実験をやめろ、クソ……」
    志木倫堂:否、無意味ではない
    志木倫堂:彼の周囲の空気が陽炎の様に歪む。レネゲイドが世界を侵す兆候
    訃静 零:「お? お? 来ます? ようやく来てくれます?」
    訃静 零:「よかったー。このままじゃ先にあの子が死んじゃうところでしたからねぇ」
    訃静 零:「別に愛着もないですけど? ちゃんとした人間の実験台って手に入れるのめんどくさいし?」
    訃静 零:「あなたなんかの実験に、そう何体も使ってられないんですって。ほら、早くブチ切れてくださいよぉ」
    志木倫堂:「ッ! こっ……のッッ!!!」
    志木倫堂:爆発するように彼の周囲を炎が覆う。それらは次の瞬間に指向性を得て背後の《ラフィング・バーナー》へと襲い掛かる!
    訃静 零:「おおっ──!?」減らず口の主はその炎に巻き込まれる!
    志木倫堂:「……っろす! 殺す殺す殺す!!! テメーだけはぜってえ————」
    訃静 零:だが、この女は炎の中で──
    訃静 零:「く、っふ、アハハッ、アッハハハハハハハハハ!」
    訃静 零:「そうそーう! そーやるんですよ化け物くぅん! 火ってのはそーやって使うの!」
    訃静 零:「だけど残念、私もあなたと同じサラマンダー。この程度の火力で燃やし尽くせるほど優しくないのと」
    志木倫堂:「——笑う、なぁアアアッッ」
    志木倫堂:叫ぶと同時、更に火勢が上がる。だが、それだけだ。
    訃静 零:「……飼い主に刃向かうとか、実験台としてあり得なくないです?」
    訃静 零:単純な火力であれば──或いは十分、オーヴァードに有効な域に到達していたのだろう。
    訃静 零:だが、ここは彼女の研究室だ。相応の準備をしている。装備を身につけている。彼女自身、高熱を扱うことを得手とするサラマンダー能力者だ。
    訃静 零:「おーい。ムカついたんで、あの子死ぬまで映像流しといてください。そう、今喰われてるあの子」
    訃静 零:「次の実験台はもうちょっと可愛らしい子でよろしく。年頃の男の子とかだと尚良いですねぇ」
    訃静 零:「──という訳で、志木くん! いやさ実験動物のナンバー……忘れた!」
    訃静 零:《ラフィング・バーナー》は満面の笑みを浮かべて、あなたの正面に立つ。
    志木倫堂:ではそれを無力感とか焦燥とかがないまぜになった凶相で睨みつけています。
    志木倫堂:ありとあらゆるマイナスの感情を怒りに転化して、それら全てを燃やしても届かない。
    志木倫堂:それでも。
    志木倫堂:他の何かに押しつぶされる事から逃げるように、ただ目の前の女に能力をぶつける。意味などないと知っていながら。
    訃静 零:「続きはまた明日。映画鑑賞、たっぷり楽しんでくださいねぇ」
    訃静 零:負の感情。振るい方によっては、容易く人の命を絶つ刃。
    訃静 零:だが、悪意の嵩を言うならば──この女に勝るものが、はたしてどれ程にいるものか。
    訃静 零:数十分をかけて〝実験台〟の死を見せつけられた後、あなたは〝檻〟へと押し込められる。
    訃静 零:……栄養バランスばかりは十分な味気ない食事を与えられ、固い床で眠るだけの夜が来る。
    志木倫堂:(こうやって……檻の中で)
    志木倫堂:(機械に繋がれて……獣みたいに、無駄に怒り狂って)
    志木倫堂:「それで、どうなる……。それで……ッ!」
    志木倫堂:瞬間的な昂りから炎が周囲の壁を焼くが、当然何も起こらない
    志木倫堂:無力感を噛みしめつつ眠ります
    GM: 
    GM:──どれ程の時間、眠っただろう。
    GM:あなたはふと、目を覚ます。
    GM:腹の底まで響くような重い音と振動を受けて。
    GM:ずぅん。
    GM:その音は、揺れは、あなたの檻へと近づいている。
    志木倫堂:(……!)
    志木倫堂:(また何か始まるのか)
    GM:暗闇の中。聞こえる音に混ざる呼吸音は、
    GM:人の物ではない。
    GM:獣の息づかい──それが急激に加速し、
    太古の獣:がぎっ!
    志木倫堂:(上等だ、ぶっ壊してやる——)振り向きます
    太古の獣:檻の鉄格子を噛み砕く獣の姿を、あなたは見るだろう。
    太古の獣:人の掌ほどもある長大な牙を二つ備えた、大型の肉食獣。
    志木倫堂:「!」
    太古の獣:それがあなたの檻を、破壊しようとしていた。
    志木倫堂:(なんだこいつは……見覚えが無い、あの女は……?)
    志木倫堂:ラフィングバーナーの姿を探している感じです
    GM:ふむ
    GM:ラフィング・バーナーの姿は見えない。
    GM:それどころか、FHの職員の姿は一つも見えないだろう──檻の中では。
    志木倫堂:では、じりじりと下がりつつ見守ります
    GM:尤もその檻は、直ぐにも破壊される。鉄格子を数本噛み砕かれて。
    GM:そして
    由解 瑛:「いいぞ。よくやった」
    由解 瑛:──その女性の容姿は、今と何も変わらない。
    由解 瑛:色素の薄い長い髪。虹彩異色の両眼。
    由解 瑛:体温の調節機能が人と異なるのだろう、分厚いコートを羽織りながら、彼女は汗一つかいていなかった。
    由解 瑛:「檻の中の子、大丈夫か」
    志木倫堂:「大丈夫ってのはどういう意味だ。検体としてはまだ使えるって言われてるぜ」
    由解 瑛:「違う」
    由解 瑛:「立って、逃げられるか?」
    由解 瑛:「無理そうだったら私が背負っていく」
    志木倫堂:「逃げる……?」
    由解 瑛:「ああ」淡々と、その女は言う。
    志木倫堂:「あんたは、一体」
    志木倫堂:「いや」
    志木倫堂:(何があるにしろ、今よりマシだ)
    志木倫堂:「そうだな、俺はメチャクチャ大丈夫だぜ」
    由解 瑛:「そうか、よかった。なら」
    GM:あなたは檻から出て、彼女を追ったのだろう。
    GM:檻が収められていた実験室から、破壊された隔壁を抜けたのなら──
    志木倫堂:「——へえ」
    GM:そこでようやくあなたは、FH構成員の姿を見る。何十頭の獣達に蹂躙され倒れ伏す、骸となった彼らの姿を。
    由解 瑛:「ほら。もう大丈夫だ、外へ出られる」
    由解 瑛:「……でも、うん。一番捕まえたかった奴は、逃がしたらしい。残念だな」
    由解 瑛:その女は、獣の一頭に耳を近づけ、その獣のうなり声を聞いて、そう言った。
    志木倫堂:聞いているのか聞いていないのか、倒れている奴の頭を蹴飛ばしたりしています。
    由解 瑛:「………………」その姿を見て、思うところがあるのか、
    由解 瑛:近づき、あなたの肩に手を置いて、後ろへ引いて下がらせようとするだろう。
    志木倫堂:「あぁ? 何だよ」
    由解 瑛:「楽しいか?」
    由解 瑛:「……少なくとも君は今、楽しそうにみえないぞ」
    志木倫堂:「気に入らないやつをぶっ殺すと楽しいって聞いたぜ」
    志木倫堂:「よく知らねーけど」
    由解 瑛:「よく知らない──」
    志木倫堂:「いいだろンなこたぁ。この後どうなるんだ、俺は」
    由解 瑛:「……………………」
    由解 瑛:彼女の手は、あなたの肩を離れた。
    由解 瑛:そして、あなたの頬に両手はあてがわれ、
    由解 瑛:唇の両端を、ぐっと持ち上げる。
    由解 瑛:そうして生まれるのはもちろん、いびつな、作り物の笑顔に過ぎないのだが。
    志木倫堂:「んふぁ?」
    由解 瑛:「笑おう、少年」
    由解 瑛:「人間はこういう時、笑うと楽になるらしいから」
    志木倫堂:そう言われても、脳裏を過ぎるのは
    志木倫堂:あの女の、《ラフィング・バーナー》の醜悪な哄笑ばかりだ。
    志木倫堂:こういう時とは、どういう時だろう。自分は今、目の前の女からどう見えているのだろう。
    志木倫堂:断絶。居心地の悪いものではなく、これまで生きてきた世界とは、きっと違うものを知っているような——。
    由解 瑛:「私もまだ、人間のことを全部知ってはいない。けど、君は今、怒ったり憎んだりしているように見える」
    由解 瑛:「……それでだな、うん」
    由解 瑛:「怒りとか憎しみとか、そういうものに任せて、楽になった人間を見たことはない」
    由解 瑛:あなたの頬に当てていた手が引き戻されて、彼女自身の頬に宛がわれる。
    志木倫堂:少し真剣な顔になって、彼女を見ています。
    由解 瑛:「どうしようも無い時こそ、明るく笑おう」
    由解 瑛:「これから君は自由だ。君や、君と同じ境遇のひとを助ける為、私はここに来た」
    由解 瑛:「自由とは、なんでもできるということだ。憎むことだって出来るが……出来れば私は」
    由解 瑛:「私が助けたひと、私の周りのひと、皆に笑っていて欲しいと思っている」
    由解 瑛:そういう当人の笑みは──僅かなものだ。少し口角を上げて、少し眉の端を下げた、浅い笑みに過ぎない。
    由解 瑛:「だから、こんな風に笑ってくれ」
    由解 瑛:「それで……笑って頭が冷えたら、行こう」
    志木倫堂:「——!」
    志木倫堂:その微笑に、大きなショックを受けた。
    志木倫堂:自分が生きてきた世界では、言葉とは、表情とは、より効率的に暴力を振るうためのものだ。
    志木倫堂:暴力を、目的へと導くための潤滑剤と言ってもいい
    志木倫堂:だから彼女の言葉は半分も理解できなかった。それでも、理解したいと思った。
    志木倫堂:「……こうか?」
    志木倫堂:頬を吊り上げ、口を開く
    由解 瑛:「うん」微笑みが、ほんの少しだけ深くなった。
    由解 瑛:「そういう顔をしている誰かを見ると、私も嬉しくなる」
    由解 瑛:「誰かが笑っていると、みんなで幸せになれるのが、人間のいいところらしい」
    志木倫堂:「へえ。そりゃあ」
    志木倫堂:「ご機嫌な話だ」
    由解 瑛:「ああ、そうだろう」
    由解 瑛:「じゃあ、いこう。君は人間だ。なら、こんなところにいたらいけない」
    由解 瑛:「UGNに知り合いがいる、まずはそこへ──」
    GM:──これが、あなたの記憶だ。
    GM:──────────
    GM:ロイス取得が可能──ではあるのですが!
    GM:ごめんなさい! まだシナリオロイスが登場してないですね!
    志木倫堂:あっほんとだ
    GM:シーン1の冒頭で会えます
    志木倫堂:了解です
    GM:のでここはロイス保留でお願いします!

    OP2:陶 妙算


    GM:陶くん、登場侵蝕をお願いします
    陶 妙算:1d10+48
    DoubleCross : (1D10+48) → 7[7]+48 → 55

    陶 妙算:55と縁がある
    GM:いつ見ても初期侵蝕が高い……

    GM:──ある日の午前中のことだ。あなたは所属する第十支部に、あまり緊急度の高くない用件で居たことにする。
    GM:その入り口を通りかかった時、来訪者受付の女性職員に声をかけている少女の姿を見るだろう。
    杉澤 あゆ美:「やあ、初めてみる顔だけど新人さん? お聞きしたいんだけど、君のお仕事が終わるのは何時ごろかな」
    杉澤 あゆ美:「え? 冗談じゃない、本気だとも。美しい女性との出会いだ、声をかけなければ寧ろ失礼に当たるからね」
    杉澤 あゆ美:……重ねて言う。少女だ。背はなるほど高いが、あなたと同年代の学生が、10は年上だろう受付職員を口説きにかかっている。
    杉澤 あゆ美:ずいぶんと表情が柔らかくなったものだ。出会った当時は凍りついたような顔で、蚊の羽音のような声で喋る少女だったと言うのに。
    陶 妙算:その様子を困ったような顔で見ている。

    受付前の風景


    陶 妙算:「杉本さん」
    杉澤 あゆ美:「む」と、受付職員に手を振ってカウンターから離れると、
    杉澤 あゆ美:「おや、陶くん。相変わらず愛らしいね。お仕事でなければどうかな、一緒に買い物にでも」
    杉澤 あゆ美:返す刀で、今度はあなたを口説き始める。
    陶 妙算:濡れ羽カラスの黒髪がかすかに揺れる
    陶 妙算:「さっきまで口説いていた女性の前でそんなことを言うのは」
    陶 妙算:「失礼には値しないの?」
    陶 妙算:鈴の音のような声が優しく響く
    杉澤 あゆ美:「私は博愛主義者だ。愛の嵩に上限はないさ」
    杉澤 あゆ美:「例え愛するべき対象が100人いたとしても、私は平等に抱きしめるとも」
    陶 妙算:「相変わらず欲張りだなあ」
    陶 妙算:左手で口元を隠しながらくすりと笑う
    GM:──欲張り。なるほど、全くその通りだ。
    GM:初めて出会った時、まさかこの少女が、こんな気性の持ち主であるなどと、誰が思えただろう。
    GM:杉澤 あゆ美。FHの実験で人為的にオーヴァードとなった〝リザレクト特化体〟。
    GM:その特性上、彼女への実験は常に、彼女の身体の損壊を中心としたものであった。
    GM:UGNに救出された時に彼女が望んだ唯一のものは、
    GM:「もう殺さないで」と──それだけだったというのに。
    杉澤 あゆ美:「青春は短い。君だってそれは承知だろう」
    陶 妙算:芙蓉のように柔らかな瞳を杉澤さんに向ける
    陶 妙算:「そうだね。」
    杉澤 あゆ美:「陶くんのことだ。もう恋の花の二つや三つ、咲かせているんじゃないかな?」
    陶 妙算:「それは秘密」
    陶 妙算:「けど、短いからこそ」
    陶 妙算:「ナンパなんてしてる暇はないんじゃない?」
    陶 妙算:「なにか別の用が合ってきたんでしょう?」
    杉澤 あゆ美:「いやいや、これが私の青春だ。私は大いに恋をするよ、陶くん!」
    杉澤 あゆ美:と──さらり。前髪を書き上げる手癖のような動作を一つ挟んでから、
    杉澤 あゆ美:「……だが、まぁ。買い物をご一緒したいのは本当なんだ。ちょっと理由があってね」
    杉澤 あゆ美:急に彼女は声を潜めた。
    陶 妙算:「困りごと?」
    杉澤 あゆ美:「困りごと、というほどのものでもないんだけど、その……」
    杉澤 あゆ美:「相談するべき相手には、ううん、困っているというべきなのかな……」
    杉澤 あゆ美:急に歯切れが悪くなり、落ち着かないように足の置き場を何度も直し始める。
    杉澤 あゆ美:「由解さんのことは知ってるだろう?」
    杉澤 あゆ美:一度か二度、あなたは杉澤 あゆみが由解 瑛と話している場面に遭遇している。
    杉澤 あゆ美:背丈はあなたより少し高く、杉澤よりは低い。顔立ちばかり見れば20代中程とも思えようが、レネゲイドビーイング故、年齢は不詳。
    杉澤 あゆ美:マイペースな女性だ、という事は記憶しているだろう。
    陶 妙算:「うん、君の友人だよね」
    杉澤 あゆ美:「ああ。友人で、恩人だ」
    杉澤 あゆ美:「……これは言ったか言わなかったか忘れたけど、私、最近アルバイトを始めてね」
    杉澤 あゆ美:「最初のお給料が出た」
    陶 妙算:ほんのり血がのぼった薔薇の頬に、笑窪ができる。
    陶 妙算:その風情は万の花が落ちるといった如くだ
    陶 妙算:「君の舌は初対面の人にはあんなに回るのに」
    陶 妙算:「友誼があって、恩がある人にはそうなっちゃうんだ」
    杉澤 あゆ美:「……いちいち君は切れ味がいいな。悔しいながら、その通りだ」嘆息一つ。
    陶 妙算:「できれば、僕を相手にする時もそのぐらい奥ゆかしくあってほしいな。」
    陶 妙算:露のついた果実のような唇でそう呟く
    杉澤 あゆ美:「それはどうだろう、約束できないが──努力はしよう」
    杉澤 あゆ美:「それでね、うん、率直に白状しよう。始めてのお給料が出たから、少しでも恩返しをと思ったんだけど」
    陶 妙算:「うん」
    杉澤 あゆ美:「……人に喜ばれる贈り物というものを、私は分からない」
    杉澤 あゆ美:「なにせ、私は何を貰っても基本的に嬉しいからね」
    陶 妙算:「特に嬉しいものとかは?」
    杉澤 あゆ美:「実用的なものは具体的に喜べる。けど……あの人に洗剤とか送ってもしかたないし……」
    杉澤 あゆ美:「そこでだよ陶くん!」急にまた声量が増える。
    陶 妙算:「は、はい」
    陶 妙算:大きな声に吃驚して思わず丁寧口調になる
    杉澤 あゆ美:「君の外見ならきっと引く手数多だろうというところを見込んで!」
    杉澤 あゆ美:「たぶん贈り物とか手足の指で数え切れないだろうほど貰っていると見込んで!」
    杉澤 あゆ美:「何を貰ったら嬉しいとか、これは要らなかったとか、そういう率直な意見を!」
    杉澤 あゆ美:「教えてくれると凄く助かるんだ……!」
    杉澤 あゆ美:「……という訳で。次のお休みにでも買い物に付き合ってくれたら私は嬉しい。というのが用件だね」
    陶 妙算:「なにかすごく失礼な評価を受けている気がする…!」
    杉澤 あゆ美:「そ、そうかい……?」
    陶 妙算:「僕はそういうのじゃないからね。」
    陶 妙算:ちょっとむくれた顔をして
    陶 妙算:「けど、君の恩人のためっていうなら、一緒に考えてあげる。」
    杉澤 あゆ美:「むむ、それは済まなかった……っと、それは助かる!」
    杉澤 あゆ美:「なら是非日程を合わせよう、陶くんの次の非番は──」
    GM:──と。
    GM:殆ど勢いで押し切るかのように、彼女は、共に買い物に出る約束を取り付けるだろう。
    陶 妙算:押し切られた!
    GM:押し切った!
    GM:勢いで生きている!
    GM:そしてその勢いそのままの別れ際に、
    杉澤 あゆ美:「そうだ、陶くん。はい」
    杉澤 あゆ美:と、彼女は小さな封筒を一つ、あなたに差し出す。
    陶 妙算:受け取ります
    陶 妙算:「これは?」
    杉澤 あゆ美:「〝日頃の感謝の気持ち〟」
    杉澤 あゆ美:「……何かを贈りたい恩人は、一人じゃないのさ」
    陶 妙算:雪のような肌にかすかに熱がともる
    陶 妙算:「もう
    陶 妙算:「ホント、本命以外には上手いんだから」
    陶 妙算:封筒を優しくつまみ
    陶 妙算:「ちなみに、今封を開けても?」
    杉澤 あゆ美:「君だって私の本命さ。そこの受付のレディだって本命──ああ、世界は美しいものに満ちている」
    杉澤 あゆ美:「……ああ、もちろん。よろこんでくれるといいな」
    GM:だが。その封筒を開いた時にあなたは、彼女が〝贈り物アドバイザー〟を求めた理由を知るだろう。
    GM:その中身は、図書カードであった。
    GM:……実用的だ、が。
    GM:ムードを求める贈り物としては、致命的に味気ない。シンプルなデザインの図書カードであった。
    陶 妙算:「ごめん。」
    陶 妙算:「あんまり上手くないや。むしろヘタ」
    杉澤 あゆ美:「えっ」
    陶 妙算:「でも」
    陶 妙算:「君らしくて僕は好きだよ?」
    杉澤 あゆ美:「……そうか、うん!」
    杉澤 あゆ美:後半、好きだよという言葉だけを彼女の耳は拾ったのか、
    陶 妙算:漆のように光る瞳を潤ませて笑う
    杉澤 あゆ美:本当に嬉しそうに笑って彼女はうなずき──この日はお開きとなるのだろう。

    GM:さて、ところで陶くん。
    陶 妙算:はい
    GM:通っている学校は一応、全寮制ではあるけれども
    GM:任務のある時とかは外部に宿泊したりもしますかね?
    陶 妙算:ですね。そこら辺はうまいこと明石くんとかが調整してくれるんじゃないかなって
    陶 妙算:信じてる
    GM:なるほどなるほど
    陶 妙算:Believe
    GM:ならばこの日、あなたはN市内の、UGNが用意した宿舎にでもいたことにしよう。
    GM:時系列としては、先のシーンの翌日。まだ日も昇らない早朝だ。
    GM:あなたに与えられている通信端末が、緊急通信を通知して鳴動する。
    陶 妙算:「ん…」
    陶 妙算:その音で目が覚める
    陶 妙算:まだ眠気の残る瞳で端末を確認します
    GM:ならば、それはメールだったことにしよう。
    GM:端的に書けば、こうだ。
    GM:『第八地区、○○アパートで殺人事件発生。被害者はおそらく、住民全員』
    GM:……それは、杉澤 あゆ美が住むアパートの名だ。
    陶 妙算:脳が一瞬で覚醒していくのがわかる
    GM:惨劇はいつも突然に、闇から日常へとしみ出してくる。
    GM:だが。あなたは知っている筈だ。
    GM:杉澤 あゆ美を殺すことは容易ではない。……傷つけるだけなら容易いとしても。
    GM:いずれにせよ、メールの文章はこう続いている。
    GM:『至急現地へ向かい、調査に加わるように』と。
    陶 妙算:『了解』と短く返事をする。
    陶 妙算:寝間着を脱ぎ捨て、かすかに不安の色を帯びた白磁の陶器のように白い肌をシャツで包む。
    陶 妙算:切れ長の眦を閉じ、杉澤あゆ美の友人ではなく
    陶 妙算:一人のUGNチルドレンとして現場に向かおうとする
    陶 妙算:それなのに。
    陶 妙算:あの気の利かないプレゼントのことが、
    陶 妙算:どうしても頭から離れない。
    GM:──────────
    GM:ロイスの取得のみ可能です。
    陶 妙算:友人/杉澤 あゆ美/友情/不安◯
    陶 妙算:以上で!
    GM:OK!

    OP3:津村 孝蔵


    GM:津村さん、登場侵蝕をどうぞ
    津村孝蔵:はい。
    津村孝蔵:41+1D10
    DoubleCross : (41+1D10) → 41+2[2] → 43

    津村孝蔵:やすい!
    GM:幸先が良い

    GM:──これは数年ほど昔の話だ。あなたはその頃、N市近郊の小自治体で、一つの支部の長を勤めていた。
    GM:〝その日〟もあなたの受け持つ地区は平和であったが、支部の中には、ほんの少しだけの緊張感が漂っていた。
    GM:支部に併設されたラボのスタッフの一人が拿捕され、隔離施設へ送られることが決まったのだ。
    GM:あなたと特に親しい訳でもない。20代とまだ若い、背の高い女性スタッフだということだけ、あなたは知っているだろう。
    GM:〝非人道的な実験に手を染めようとした〟というのが、その罪状であっった。
    GM: 
    GM:支部長室。あなたの部下の一人である青年がこう言った。
    職員:「じゃあ支部長、送ってきます」ラボスタッフの輸送を任されたのは彼だ。戦歴は2年。当時のUGNならば十分に〝歴戦〟の域に入る──早死にの多い職場だ。
    津村孝蔵:「ああ。頼んだ」興味なさげにひらひらと手を振る。が、逆手には剣呑な弓が握られている。有事の際の支部全体の最終防衛手段でもあるのだ。
    職員:その職員はキビキビと支部長室を退出しようとして、
    職員:「そうだ、支部長。変なタイミングなんですが、これを……」と言って数歩戻り、一通の便箋をあなたへ差し出す。
    職員:招待状、とそこには書かれている。
    津村孝蔵:「ん?ん」ぱっと受け取る。宛名を読んでみたい。
    職員:それは──結婚式の招待状であった。新郎 服部エイム、新婦 長嶺ミズハ。新婦の方は知らぬ名だろう。
    職員:「いや、まぁ、実はこういう訳でして……」とその青年、服部は照れくさそうに笑う。
    津村孝蔵:やはり興味なさげに眺める。「了解。サボりに行くわ」
    津村孝蔵:その後、薄く笑う。「よくやった。幸せにな」
    職員:「ありがとうございます」
    職員:腰をかくんと直角に曲げて頭を下げる。
    職員:「へへ……俺、実はN市のラボに恋人がいたんですよ」
    職員:「有給も溜まってるし、どこかで新婚旅行に行こうかと」
    職員:「飛行機のチケットも取ってあったりして」
    職員:彼はこの世の幸せの全てを味わっているような、目映いばかりの笑顔でそう言って、
    職員:「……だから。あんまり愉快な仕事じゃないですけど、きっちりとやってきます!」
    職員:意気揚々と、希望に満ちあふれて、支部長室を出て行ったのだ。
    津村孝蔵:「おうおう。さっさとやってこい。どうせここの仕事はろくな仕事じゃねえからな」
    GM:──さて。
    GM:その〝予知〟はいつ頃訪れただろう。
    GM:きっと5分とは掛からなかったはずだ、津村支部長。
    GM:蓄積された経験則が、レネゲイドの未知なる力があなたに見せた光景は、
    GM:炎上する護送車両と、横たわる幾つもの屍だ。
    津村孝蔵:「マジでろくな仕事じゃねえな」ぼそりと呟く。
    津村孝蔵:できそうなら窓から護送車両狙いたいんですが、できそうですかね。
    GM:そうですね。可能ですが、窓の外を見たのならば、
    GM:──窓の外を、見たのならば。
    GM:あなたが〝予知〟したままの光景がそこにあった。違う点と言えば、そこには熱と臭いがあることだ。
    津村孝蔵:思ったより近かった。
    GM:なんかこう、風向きが変わって臭いとか運んできたくらいに考えててください。
    GM:向かおうと思えば窓を開けて、ちょっと走れば直ぐに辿り着く位置と。
    津村孝蔵:「緊急事態だ。出るぞ」端的に支部内に連絡し、弓を片手で手繰り寄せて、駆け出す。
    GM:では。
    GM:駆け出し、直ぐにも辿り着いたその場所。
    GM:そこであなたは、予知の光景より更に少し先のものを見ることになる。
    GM:護送車の扉が内側から破られている。護衛の兵士が幾人か、頭部を砕かれて絶命している。
    GM:そしてたった今、〝護送対象〟に胸倉を掴まれて宙に浮いている彼は、
    GM:服部エイムは既に、右腕と右脚を失っている。乱雑に引きちぎられたと思しきその部品は、護送トレーラーを燃やす為の薪の代わりに使われている。
    訃静 零:「あら支部長。おタバコお吸いになられます?」
    訃静 零:「火種はたくさんありますんで、セルフサービスでお願いします」
    訃静 零:〝護送対象〟は、あなたより数センチ背が低い程度の、長身の女だった。武器は持っていない、素手だ。
    訃静 零:盾ならばちょうど、手足を一本ずつ失った青年を掲げ持っている。
    訃静 零:確か、名を訃静 零と言う。……オーヴァードであるという報せは受けていない。
    津村孝蔵:何も言わず、脚を撃つ。この距離ならば、狙撃とは言えない。一撃は、ただの射撃へと堕する。
    訃静 零:「おっ!?」その矢は正しく、女の脚を射貫くだろう。装甲の類いは無い。出血まで明確に見て取れる、が──
    訃静 零:その脚から噴き出す炎。突き刺さった矢を焼き払い、
    訃静 零:そして再生が始まる。──たちの悪いことに、この女はジャームではないのだ。
    訃静 零:「……ったたたたたた! ったくもう、いきなり撃つとか気が早いにも程がありません!? 奥さんとはベッドで何分よあんた!」
    訃静 零:おどけた調子で言葉を吐きながら、手に持つ〝盾〟は頭部や胸を、即ち急所を守るように掲げられたままだ。
    津村孝蔵:射貫けても倒せない。だとすれば、執拗に、脚を狙う。教本通りの動き。
    訃静 零:「ちいっ!」
    訃静 零:一射目。命中する。二射目──踏み砕く。三射目、爪先で蹴り飛ばす。四射目、腰を落として左手で打ち払う。
    訃静 零:そして五射目の到達より早く──その手から投げ放たれる〝盾〟、
    訃静 零:部位を欠損したとは言え70kgはあろう肉塊が、まるでボールのように投げ飛ばされあなたへと向かう!
    津村孝蔵:「厄介だな」何に向けるでもなく。もしくは、すべてに向けて。
    津村孝蔵:「これだから嫌なんだよ、総合職は」
    津村孝蔵:服部を受け止める。肋骨を何本かやられる音がした。
    訃静 零:受け止めてくれると信じていた。何せ〝盾〟はまだぎりぎり息が有り、そして相手は──善良な人間だ。
    訃静 零:生まれた一瞬の隙。訃静は両手を道路へ触れさせた。
    訃静 零:超高熱の発火。加えて両掌による密着打撃。それはアスファルトもその下の地面も砕き、その身を、地下を通る下水道へと──
    訃静 零:《瞬間退場》
    津村孝蔵:演出的に射撃を試みて失敗するシークエンスをやります。
    GM:どうぞ!
    津村孝蔵:弓を握る手に力を入れる。
    津村孝蔵:「(俺は、あれを撃てるか?)」自分と、自分ではない何かに問う。
    津村孝蔵:……遺産は、何も応えない。狙撃不可能な相手から、結果を先取りすることはできない。
    津村孝蔵:一瞬ののち、黙って弓を下ろす。
    GM:地下に響く高笑い。何がそうまで楽しいのか。……或いは、誰かの不幸が楽しみであるのか。
    津村孝蔵:端末に、救急班に向けて連絡を入れる。
    津村孝蔵:「服部」もう助からないだろう。「ろくな仕事じゃねえな、俺ら」
    GM:救急班はきっと、迅速に対応をしたことだろうが。
    GM:嗚呼、まさにその通りだ。ろくな仕事じゃない。
    GM:こんな出来事が珍しくもない。
    GM:ろくでもない仕事こそ、あなたの日常だった。

    GM:……あれから数年。あなたは今、N市第三支部にいる
    GM:支部長という冠は外された。或いはその方が気楽で、あなたの性にあっているのかも知れない。
    GM:穏やかな早朝。散歩でもしていたのだろう。あなたは街を歩いている──
    GM:キキィッ。
    GM:一台の車がドリフト気味に、あなたの目の前で停止する。
    津村孝蔵:「よう」よく見る車だ。目の前で止まるときは、おおむねろくなことがない。
    薬師院 小夜子:「第八支部の薬師院です。第三支部の津村さんで?」と、その車の運転手は降りてくるなり名乗り、
    薬師院 小夜子:「越境で申し訳ないが、あなたに仕事を頼みたい」
    津村孝蔵:「お、書類仕事をサボれるなら大歓迎だが」
    薬師院 小夜子:その女は何も言わず、一枚の写真を提示する。街頭に設置された監視カメラのモノクロ映像を切り抜いた写真だ。
    薬師院 小夜子:そこには市中でありながら白衣を纏った──
    薬師院 小夜子:あの日と同じ笑みを浮かべた、訃静 零の姿が映っている。
    津村孝蔵:虚ろな目で写真を一瞥。「書類仕事のほうがまだマシだったわ」
    津村孝蔵:「詳しい話をくれ」煙草の火を消し、ポケット灰皿に収める。
    GM:──────────
    GM:ロイス取得が可能です。
    津村孝蔵:標的/《ラフィング・バーナー》訃静 零/無関心/○殺る
    GM:OK!

    OP4:玻璃上 八里


    GM:では
    GM:カミ!
    GM:登場侵蝕を!
    玻璃上八里:34+1d10 うむ!
    DoubleCross : (34+1D10) → 34+6[6] → 40

    玻璃上八里:侵蝕40
    GM:キリが良い

    GM:──日付は変わっている。夜明けはまだだ。一般的に人間は、この時間に活動することを想定されていない。
    GM:だがあなたは、支部の一室にいる。
    GM:第八支部、会議室。もはや見慣れた空間であろう、長机の幾つも収まった部屋で、
    薬師院 小夜子:「……呼び立ててすまないねぇ、カミ様」薬師院 小夜子が、テーブルに肘を突いて待っていた。
    玻璃上八里:「構わんさ。休養は十分にとった。」
    玻璃上八里:「急を要する事態なのだろう?薬師院殿」夜も遅いのでテンションも控えめだ!
    薬師院 小夜子:「そうかい、なら良かった。……いや、良くはねぇな。なんにも良いことはねぇや」溜息と共に薬師院は、テーブルに、資料の挟まったバインダーを置く。
    薬師院 小夜子:ちょうどそこには椅子もある。座って話そう、ということだろう。
    薬師院 小夜子:「アヴェンジャーズセル絡みの案件だ」
    玻璃上八里:「……成る程な。目を通しても?」応じて座り、バインダーに目を通す。
    薬師院 小夜子:「ああ」
    GM:目を通したならば、そこには一枚の写真が挟まっている。
    玻璃上八里:首肯し、無造作にバインダーを開く。
    GM:この写真は数時間後、津村 孝蔵に提示されるものと同じだ。
    GM:モノクロだが、顔は分かる鮮明度。白衣の女と──それからもう
    GM:もう一人、いささかこの季節には厚着に思える、あなたにも見覚えのあるだろう顔が映っている。
    GM:UGNイリーガル、由解 瑛だ。
    玻璃上八里:「━━。」白衣の女に、見覚えはないが。
    玻璃上八里:「……この二名が、どうしたのだ?」私は知っている。由解殿の事を。
    薬師院 小夜子:「どうしたって? ……カミさまよ、そりゃ私が聞きたい事だぜ」
    薬師院 小夜子:応答の声の温度は、平時より数度も低い。
    薬師院 小夜子:「そっちの白衣の女は《ラフィング・バーナー》。アヴェンジャーズセルのエージェント、性根の腐った最低女だ」
    薬師院 小夜子:「こいつの名前が資料に出る時は、必ず頭の潰れた死体が添えられてる。……ついでに、死んだ方がマシだって有様の人間がわんさかとな」
    玻璃上八里:「……」無言のまま、首肯を返す。
    玻璃上八里:今が深夜であることを差し引いても、普段の彼女より物静かに見えるかもしれない。
    薬師院 小夜子:「その横の奴は知ってるだろう。由解 瑛。イリーガルのレネゲイドビーイング。正直、よく分からない奴だ」
    薬師院 小夜子:「……あんた、こいつとは面識があるな」
    薬師院 小夜子:「現実での面識じゃねえが……まぁ、数に入れていいだろう」
    GM:VRを用いての戦闘訓練を行うUGNの新システム。あなたは以前、そのテストに参加した。
    GM※参考ログ
    玻璃上八里:「……うむ。以前のシミュレータ内で、彼女を観測したな。」
    GM:VR内シミュレートにおいては〝敵役〟が設けられ、仮想現実内のパラメータ──日時や天候などを設定する。
    GM:玻璃上 八里が運用テストに参加した際、〝敵役〟は由解 瑛だった。
    GM:……その時の由解は、酷く不安定な状態にあった。それに引きずられる形で、シミュレートも明確な異常を起こしたのだが、
    GM:記録上、シミュレートには〝一切の瑕疵が無かった〟ことになっている。
    薬師院 小夜子:「ログは全て漁った」
    薬師院 小夜子:「……シミュレートのログは完璧だ。何も問題なくテストは進んで終了。何処にも不審な点は見られねぇ」
    薬師院 小夜子:「だが」
    薬師院 小夜子:「由解 瑛の様子がおかしくなったのは、あのテストの後からだ」
    玻璃上八里:「と、いうと?」ギリギリまで隠そうとは思う。約束をしたから。
    玻璃上八里:だが。肝心の由解殿にはまだ会えていなかった。
    薬師院 小夜子:「何があった?」
    薬師院 小夜子:誰も知らない。一人の《怪人》が施した隠蔽処置を。
    薬師院 小夜子:あの日の運用テストは全く滞りなく、平和に終了したものだと、全ての数値が〝偽りなく〟示しているのだ。
    薬師院 小夜子:だが。
    薬師院 小夜子:当事者の心までは欺けない。
    玻璃上八里:(……潮時かな。これは)
    玻璃上八里:「……由解殿は、シミュレーション内部に人間の滅びた世界を作っていた。」
    玻璃上八里:「試作品のシミュレーターでそんな設定などする必要はないし、並の技術でできるとは思えない。」
    玻璃上八里:「……私ともう一人のパートナーの前で、彼女は……たしか、」
    玻璃上八里:「『夢を見せてくれ』と言い。私たちに牙をむいた。」
    薬師院 小夜子:「……あのシステムにはレネゲイド絡みの技術が使われてるって話だ」
    薬師院 小夜子:「レネゲイドウィルスで構築された生命体──レネゲイドビーイングなら」
    薬師院 小夜子:「或いは人間や、人間が構築したシステム以上の精密さで干渉することも出来るかも知れねえが──」
    薬師院 小夜子:「ああ、そうかい。……なら由解 瑛は、今回の一件の有力な容疑者だ」
    玻璃上八里:「……その後、私たちは彼女を倒し、『少なくとも』私たちは無事にシミュレートを終えたよ。」
    薬師院 小夜子:「…………あんたらは、な」
    薬師院 小夜子:バインダーに手を伸ばし、捲る。そこに挟まっていた紙に踊る文字列は、
    薬師院 小夜子:「十数分前に入った情報だが……殺人事件だ。犠牲者の正確な名前や人数は不明だが、おそらく」
    薬師院 小夜子:「アパートが一棟、まるごと殺されてる」
    薬師院 小夜子:「……その写真は事件発生直前、アパートの近くの監視カメラに写った映像の切り抜きだよ」
    玻璃上八里:「……。」そのまま、ページをのぞき込む。
    玻璃上八里:目を逸らすわけにはいかない。
    GM:事件発覚直後だ。さしたる資料も揃ってはいないが──
    GM:犠牲者の名簿が不完全な理由は、至極簡単に記述されていた。
    GM:〝死体の損壊は著しく、またあまりに広範囲にまき散らされている為〟
    薬師院 小夜子:「任務だ」
    薬師院 小夜子:「FHエージェント《ラフィング・バーナー》の討伐、ならびに」
    薬師院 小夜子:「もし必要ならば《アセナの風》を殺す」
    薬師院 小夜子:「……まだ面子を揃えてる段階だが。今回の任務には第三支部から手を借りる」
    薬師院 小夜子:「率直に言うぜ」
    薬師院 小夜子:「その人は、私とあんたへの監視を兼ねる」
    玻璃上八里:(……『風間やよい』。)
    玻璃上八里:(どうやら私たちは、最悪の初手を打ってしまったようだな。)
    玻璃上八里:「……フ。むしろ有難いさ。」
    玻璃上八里:「そうして教えてくれるくらいにはまだ信じてくれているのだろう?」
    玻璃上八里:「ならば。その信用に応えなくてはな。」
    薬師院 小夜子:「……まぁな。あんたはそういう腹芸をやらねぇ性質だ、が」
    薬師院 小夜子:「私は役職持ちじゃねぇ。明確な証拠を突きつけてやらなきゃ、庇い立ては通せねえんだ」
    薬師院 小夜子:「先手は打って、あんたをこの任務に捩じ込んだ。私も後方支援で入り込んだ、だがそこまでだ」
    薬師院 小夜子:「最悪の場合、市議会まで巻き込んでの騒動だ。……そうなる前に、あんたの手でカタをつけてくれ」
    玻璃上八里:「━━任務概要、しかと拝領した。」席を立つ。
    薬師院 小夜子:「……動くな」と
    薬師院 小夜子:立ち上がったあなたへ、拳銃の銃口が向けられる。
    玻璃上八里:「むう」止まる。
    薬師院 小夜子:「……自由に歩かれちゃ困る。〝監視〟が到着するまで、あんたは此処で待機だ──」
    薬師院 小夜子:と言い、薬師院は拳銃を懐へと戻し。自分自身は立ち上がって、会議室のドアへと向かう。
    薬師院 小夜子:「……尤も。私はこれから、その〝監視〟をお迎えに行く訳で」
    薬師院 小夜子:「誰も此処に残りはしねえんだけどな」
    玻璃上八里:「フ。……私用の拘束具は入用かな?」不敵に笑う。
    薬師院 小夜子:「いらねぇよ。BDSMは嫌いじゃねえが、今はそういう気分じゃない」
    薬師院 小夜子:そう言って薬師院は会議室を去り、ここにはあなただけが取り残される。
    薬師院 小夜子:しぃんと夜の静寂に飲まれた空間で、あなたは一人だ。
    玻璃上八里:「……」目をつぶり、思い返す。こうした失敗は久しぶりだ。
    玻璃上八里:(……考えなくてはならない。単純な所から思い返すべきだろう。)
    玻璃上八里:右手を広げ。エンジェルハイロウ因子を込めた銀紙の生成を始める。
    玻璃上八里:(あの日の由解殿がどうおかしかったか。《ラフィング・バーナー》がどう関与しているか。)
    玻璃上八里:━━考えなくてはならない。彼女『達』の斃し方を。
    玻璃上八里:……起きたことを後悔するのは。その後でもできる筈だ。
    GM:──────────
    GM:ロイスの取得が可能!
    玻璃上八里:《……助けられないかもしれない》由解 瑛:覚悟/〇悔悟で取得!

    シーン1


    GM:では。まずこのシーンは志木くん陶くんタッグの合流という感じになりますが、
    GM:ひとまずお先に志木くんのみ、登場侵蝕をお願いします。
    志木倫堂:はーい
    志木倫堂:1d10+36
    DoubleCross : (1D10+36) → 5[5]+36 → 41


    GM:では、シーン開始前にちょっとお聞きするのですが、志木くんの住居環境ってどんな感じを想定してます?
    志木倫堂:考えてなかった……ではアパート1人暮らしで
    GM:OK,ならば
    >
    GM:──早朝だ。まだ日も昇っていないような。空の色合いばかりは、黒から濃紺へと明度を増した。
    GM:きっと、あなたは眠っている。
    GM:その耳に──
    GM:ぴんぽーん。
    GM:チャイムの音が届くかも知れない。
    志木倫堂:跳ね起きます
    GM:はやい。
    志木倫堂:「……チャイムか、いや、そだよな」
    志木倫堂:では適当に目を擦りながら玄関へ
    志木倫堂:のぞき穴から外を見つつ「どちらさん?」
    GM:では。
    GM:のぞき穴からはきっと、そこにいる人物の頭のてっぺんくらいしか見えない。
    GM:何故ならその人物はやけに背が低く、ドアに近い位置に立っているからだ。
    GM:そして。
    GM:ぴんぽーん。
    GM:ぴんぽーん。
    GM:………………。
    志木倫堂:「はいはい、わぁーったよ」
    GM:ぴぽぴぽぴぽぴぽぴんぽーん。
    志木倫堂:ドアを開けます。
    GM:連打を始めた。
    志木倫堂:「うるせえ!」
    GM:では、開いたドアに押しのけられて数歩下がったその〝子供〟の姿をあなたは見るだろう。
    謎の少女:「……………………」
    謎の少女:──初対面の筈だが、全く見覚えが無いかと言えば嘘になる。そういう顔をした子供だった。
    志木倫堂:おっ……
    志木倫堂:「……! いや……」
    謎の少女:色素の薄い頭髪は、長さこそ違えど質感は同じ。瞳は左右とも同じ色だが、その赤さには見覚えがあろう。
    謎の少女:顔立ちも、どことなく似ている。何より、人に笑えと説きながら、平時の表情の薄い事は──
    志木倫堂:由解さんと似てるってことでいいんですよね
    謎の少女:そうですね、ええ。
    志木倫堂:「なんだお前。センセイの隠し子か?」
    謎の少女:彼女はなんとも、由解 瑛に似ていた。
    謎の少女:「…………」こくん、と少女はうなずき、それから
    謎の少女:「志木 倫堂?」
    謎の少女:あなたの顔を指差して問う。
    志木倫堂:「礼儀を教わらなかったのかよ」と連打されたインターホンをチラ見しながらガリガリ頭を掻いている
    志木倫堂:「そうだが?」
    謎の少女:「れいぎ……聞いたこと、ない」
    謎の少女:と、首を傾げてから、彼女は手を伸ばして
    謎の少女:あなたの服の袖を掴み、部屋の外へ引きずり出そうとする。
    謎の少女:……非力ではあるが。
    志木倫堂:「そうか? センセイに限って……」と疑問に思いつつ、寝起きであんまり頭も回らないので引かれるまま外に出ます
    GM:では。
    GM:うっかり外へ出てしまったのなら、少女はあなたの手を引いてそのままてくてくと歩き始めるでしょう。
    GM:薄着だ。早朝の気候には適さないが寒そうな様子も見せない。……もっとも由解も、夏だろうがあのコートで汗一つかいていなかったが。
    GM:ぐいぐい。
    GM:ぐいぐい。
    志木倫堂:「おいおいおい、待て待て! 何だってんだ」
    GM:迷いもなく真っ直ぐに少女は歩き──その途中、振り向いて言うことには
    謎の少女:「お母さんを助けて」
    志木倫堂:文化人らしくありたいので寝間着で出歩いているのを気にしている
    志木倫堂:「——あ?」
    志木倫堂:「ああ、分かった」
    志木倫堂:そう言って、彼女に進むよう促します
    志木倫堂:(センセイを……由解瑛を助けろだとぉ?)
    志木倫堂:(ピンチになってる姿はあんまり想像できねーが……)
    GM:では、少女は暫く歩き続けた。その内、住宅街に辿り着いた。
    GM:第八地区の住宅街。少女が向かったのは、一棟のアパートの前だ。
    GM:まだ町も目覚めぬ頃合いであるが、〝そのアパート〟の周囲には、鋭く張り詰めた、ある種独特の空気が漂っている。
    GM:アパートの周囲には既に警察が展開し、一般人の踏み入れないように制限をかけているが、
    GM:現場のただならぬ雰囲気の他にあなたは、〝警察にもやくざにもカタギにも見えない人種〟が現場へ踏み込んで行く姿を見るだろう。
    GM:日常的に見慣れぬ謎の器具を持った喪服姿の男やら、パンクロッカーのような髪色をした女やら。
    GM:ここはUGNの現場であると、勘と経験則の双方から認識して良い。
    志木倫堂:状況から何が起きているのかは全く理解していませんが
    志木倫堂:最も必要だと思ったことを少女に聞きます
    志木倫堂:即ち「センセイは?」
    謎の少女:少女は、あなたの腕を引くのと逆の手を持ち上げ、
    謎の少女:「臭いは、あっち」と、そのアパートを指さす。
    志木倫堂:では、ずかずかと正面から上がり込もうとします。
    謎の少女:そして、あなたをやはりぐいぐいと引っ張って、アパートへ入って行こうとするのだが、
    UGN一般職員:「っと。すいません。ちょっと今、ここは立ち入り禁止でして……」と、他のスタッフに比べてまともな格好をした職員が、あなた達を制止するだろう。
    GM:さて。
    GM:ここで陶くん。登場侵蝕をお願いします。
    陶 妙算:1d10+55
    DoubleCross : (1D10+55) → 5[5]+55 → 60

    GM:OK
    陶 妙算:いい感じ
    GM:あなたはちょうど、友人の住むアパートが襲撃されたことを知らされ、UGNからの指示の元、急ぎ現場へと駆けつけた。
    GM:するとあなたは──友人の知人に良く似た少女の姿を見つけることになる。その少女に手を引かれ、現場へ入れないかと交渉している少年の姿もだ。
    謎の少女:「お母さん、ここにいるの。たぶんいるの」
    志木倫堂:「なあおい……」と少年に話しかけます
    陶 妙算:「はい、なんでしょう。」
    陶 妙算:真っ白な歯垣から酒よりもなお甘さを感じる声が漏れる。
    GM:ふむ。
    GM:そうですね、せっかくだから陶くん。このまま志木くんを伴って現場入りしていただきたく!
    陶 妙算:はーい
    GM:フックとしてはこう、彼が連れてる女の子をなんとなく見覚えがー、的なところだと良いかも知れない!
    陶 妙算:「いえ、話はあとにしましょうか」
    陶 妙算:「貴方方も、こちらに用がお有りなのですね。」
    陶 妙算:アカイアの星々をたたえたような茶色の瞳を志木くんに向けながらいいます
    志木倫堂:「ああ、あんたはUGNの?」
    陶 妙算:その言葉に笑みで応える。まろみを帯びた優しい肩がかすかにゆれる
    陶 妙算:「はい。陶妙算(すえ たえかず)。柳雪(りゅうせつ)とも呼ばれています。」
    陶 妙算:「よろしければ、そちらのコードネームとお名前をお伺いしても?」
    志木倫堂:「……俺は志木倫堂。一応UGNの所属だ」
    志木倫堂:「”バルカノーツ”と呼ぶ奴もいる」
    志木倫堂:「恩人が中にいるらしくてな、入れてくれるようこいつらに頼んでくれねーか?」
    志木倫堂:そういって、今にも目の前の職員を食い殺さんばかりの笑顔で威圧します
    GM:中にいる。
    GM:そう聞いたなら、陶くん。
    GM:〝このアパートの中にいる〟とはどういうことか、思い当たるかも知れない。
    陶 妙算:「ああ、ごめんなさい。」
    志木倫堂:「あん?」
    陶 妙算:「その人も、意地悪で貴方を止めていたわけじゃないんです。」
    陶 妙算:少し緊張したような声で言う
    志木倫堂:「はん、そりゃそうだろーよ」
    陶 妙算:「今、このアパートの中は」
    志木倫堂:少し空気が変わったのを感じて、無言になります
    陶 妙算:「子供や、慣れてない方には見せられないような状態になっています。」
    志木倫堂:「……!」
    陶 妙算:「その恩人、その子のお母さんでしょうか。」
    陶 妙算:「中に『いた』というのなら、その方も巻き込まれている可能性があります。」
    志木倫堂:彼の周囲が陽炎の様に歪み、しかし恩人によく似た姿の少女を視界に認めると同時に拡散しかけた熱が収まります
    志木倫堂:舌打ち。「あぁ、そうかい。そういうことなら」
    志木倫堂:「なおさら入るぜ」
    志木倫堂:と、少女を置いてダッシュ!無理やり中に入ろうとします
    陶 妙算:「ちょっと、待ってください!」
    陶 妙算:志木くんを追いかける!
    GM:よし、では。
    GM:今回、陶くんは正式にUGNからの指示を受けているのでスムーズに入ることが出来るし、
    GM:陶くんの同行者であるように〝見えている〟現状、他の職員が無理にあなた達を追うことはない。
    謎の少女:……そして当然のように置き去りにされた少女は、てくてくと駆け足になってあなた達を追い、
    GM:警察が張ったロープを跨ぎ越えた瞬間。
    GM:UGN職員のソラリス能力によって制御されていた血臭があなた達に叩きつけられる。
    GM:三人や四人の死体では、こうも濃密な死の香りはしないだろう。
    志木倫堂:(こいつは……想像以上に)
    志木倫堂:アパートに入り呼びかけます
    志木倫堂:「センセイ、いるか! 倫堂だ!」
    志木倫堂:そして中の惨状を目にして息をのむ
    陶 妙算:空気が重い
    陶 妙算:ベタついている。まるで戦場のように死体の脂が空気に浮いている
    陶 妙算:「志木さん、落ち着いてください。」
    陶 妙算:「僕たちも、まだあたりを封鎖しただけで内部の調査は出来ていないんです。」
    陶 妙算:「どこに、何が潜んでいるのかわからない。」
    志木倫堂:「落ち着けだとこの野郎!」
    志木倫堂:「……いや、そうだな」
    陶 妙算:努めて冷静さを保とうしているような声で志木くんに呼びかける
    志木倫堂:「悪い」
    GM:惨劇と、単純な言葉で示そうか。それとも子細を記そうか。
    GM:間を取って短い言葉で記述する。アパートの階段を上って共有廊下へ辿り着けばもう、あなた達はそれを見ることになる。
    GM:無造作に分解された肉塊や、まだ乾いていない血の海をだ。
    陶 妙算:「いえ、わかっていただければ…い」
    陶 妙算:ぴちゃり
    陶 妙算:足を踏み入れた瞬間、そんな音がした
    陶 妙算:それがなんなのか理解した瞬間、血の気が引きそうになる。
    志木倫堂:視界に飛び込んだのは一面の赤と、それを塗り固めた黒
    志木倫堂:「……はっ」
    陶 妙算:志木くんの方に視線を向ける
    志木倫堂:からからの喉で、少し笑い
    陶 妙算:「大丈夫ですか?」
    志木倫堂:「……メチャクチャ大丈夫だぜ、そうじゃねえ奴がいるとしたら」
    志木倫堂:そう言って少女に目を向けます
    GM:ふむ。
    GM:では、少女は、
    謎の少女:「……お母さん……いない……?」
    謎の少女:「あ……あっち、臭いがする」
    GM:ぺたぺたと、スリッパの音を鳴らして。
    GM:ぴちゃぴちゃと、血の池の上を歩いていく。
    GM:空間に立ちこめる血臭など何とも思わぬように──いや。
    GM:ぎゅるるる……という音を、あなた達は聞くかも知れない。
    陶 妙算:「ああ、待ってだから先に行かないでっ」
    志木倫堂:では、若干あっけに取られた後陶少年を見て
    志木倫堂:「危ねーだろーがッ!」
    陶 妙算:いきなり大声を出されてビクッてなる
    志木倫堂:叫びながら駆け出す、獣のような極端な前傾姿勢。
    陶 妙算:その後ろに続いていく
    陶 妙算:「志木さん、聞こえましたか。」
    GM:その音の種類を──あなた達は聞き慣れているだろう。
    GM:きっといやと言うほどに、自分の胃袋から聞いたことがあるだろう。
    GM:最低限の生存さえしていればいい。或いは、体質を強制的に変える為に。
    GM:殆ど空にさせられた胃袋が鳴らす、あの音だ。
    GM:……少女は腹を空かせている。この血肉の悪臭漂う環境にあって。
    GM:さて。
    GM:そんな少女だが。あなた達の前を、〝食欲をそそる香り〟に耐えながら歩いて行くのだが、
    GM:陶くん。途中であなたは、その向かう先がどこか気付いても良い。
    GM:そう。
    GM:杉澤 あゆ美が一人で暮らす部屋。最上階、廊下の端の部屋だ。
    陶 妙算:「……」
    陶 妙算:「志木さん、彼女は、何者なんです。」
    陶 妙算:得体のしれない少女に、かすかに恐怖を覚えながら言う
    志木倫堂:「分かんねえ、センセイの子供だって話だけど……ああ、このセンセイってのは由解瑛のことだ」
    陶 妙算:「やっぱり、道理で似ていると。」
    陶 妙算:「ここに住んでいる僕の友人も由解さんとは縁があるんです。」
    志木倫堂:「……」
    志木倫堂:そこでようやく、目の前の少年が自分と同じか、あるいはそれ以上の不安を御してここにいるかもしれないことに気づきます
    陶 妙算:「だから、彼女の特殊な事情を考えれば」
    陶 妙算:「彼女の面影を感じる少女がここに入りたがっているのは、」
    陶 妙算:「何か事件解決の糸口になると思いました。だから、貴方方がここに来るのを強く止めなかった。」
    陶 妙算:雪色の肌からはさらに色が抜け、鈴のように涼し気な声はかすかに震えている。
    志木倫堂:「そうか」
    陶 妙算:「けど、それは間違いだったのかもしれない。」
    陶 妙算:(あの子が、怖い。まるで楽しんでいるかのように血の海を歩き、ごちそうでも探すように屍肉の中を闊歩する彼女が、とても恐ろしい)
    志木倫堂:「? そうじゃねーのか。あいつは何か知ってそうだが」
    志木倫堂:「まあ、碌に話してる余裕が無くて、何も聞き出してないけどな」
    陶 妙算:志木くんをみる
    陶 妙算:志木くんの力強い声に、少しずつ自分の不安が解けていくのを感じる
    陶 妙算:「強い人ですね、貴方は」
    志木倫堂:「……そうか?」
    志木倫堂:「お前の方がよっぽどだと思うけどな。俺は難しい事は考えらんねーだけだ」
    志木倫堂:そう言いながら、陶くんの懸念を少し感じ取って、少女から視線を外さないようにします
    陶 妙算:「あえて考えずにいるようにすることも、強さの一つです。」
    陶 妙算:「”バルカノーツ”。UGNチルドレン"柳雪"から改めて依頼します」
    陶 妙算:「僕と一緒に、ここに潜む"何か"について、共に探ってください」
    志木倫堂:視線は少女を向いたまま、少し目を丸くします。
    陶 妙算:「あ、あの?僕今なにか変なこと言いました?」
    志木倫堂:「あー、なんだ。俺みてえな奴のどこを使えると思ったのか分からんが」
    志木倫堂:「妙算っつったか、お前みたいに目先の感情に溺れない奴の事を、俺は尊敬してる」
    志木倫堂:「だからまあ、お前の下でセンセイを追えるっつんなら」
    志木倫堂:「そいつはまあ、ゴキゲンな話ってヤツだ」
    志木倫堂:先行きは暗く、尋ね人が無事かどうかもわからぬ中で
    志木倫堂:それは、少しだけ幸運に感じられた
    陶 妙算:その言葉を聞いてかすかに頬がほころぶ
    陶 妙算:「いきましょう。」
    GM:少女は、歩いていく。何に怯えることもなく、時折は腹の音をきゅうきゅう鳴らしながら。
    GM:あなた達を先導する少女は。あなた達が名も知らぬ少女は、振り返ることもない。
    GM:──最上階、廊下端。杉澤 あゆ美の部屋は、ドアが最大限に開け放たれていた。だからある程度まで近づいた時に、室内の様子は見えていただろう。
    GM:玄関を入って直ぐの廊下には、人の腕と脚が無造作に──
    GM:4,5本ずつ重ねられていた。
    GM:では。ここで唐突ですが、情報判定です。
    GM:なお、このシーンで情報を開けなかった場合、「この場で再登場してもう一度判定」するか、「後の全員集合シーンで再挑戦」するかを選べます。
    GM:なので二人しかいないシーンで情報二つ出すけど許してね!
    陶 妙算:目を背けになる衝動を抑え、五感を使って周囲を探ろうとする。
    GM:というわけでまず一つ目の情報はこちら。これを解放すると、もう一つに挑めます。
    GM:【遺体の状況】 目標値6《情報:UGN》

    陶 妙算:はいさ!
    志木倫堂:割とどっちもどっちですね
    志木倫堂:自分が判定してみても?
    陶 妙算:お願いします!
    GM:さあこい!
    志木倫堂:2dx+1
    DoubleCross : (2R10+1[10]) → 10[8,10]+8[8]+1 → 19

    志木倫堂:うわ
    GM:うぇぁ
    GM:余裕で
    GM:ぶちぬかれた
    陶 妙算:天才かよ
    【遺体の状況】
    細かい検死をせずとも分かる点が幾つかあった。
    ひとつ。殺害方法は様々。黒こげの胴体が落ちていたり、鮮やかな断面で断ち切られた首があったり、力任せに引きちぎったような腕があったり弾痕が胸に残る死体さえも見つかるだろう。
    ふたつ。亡骸は、その全てに噛みちぎられたと思しき欠損がある。
    みっつ。その噛み跡は、獣の牙ではない。人間の歯形だ。大小幾つか種類はあるが、人間の遺体に人間の歯形が残っている。

    GM:では。一つ目の情報はこの通りだ。死体の専門家がおらずともこれは、戦場の経験則で理解できるのだろう。
    GM:そして情報項目もう一つ!
    【現場の奇妙な点】 目標値8《情報:UGN》

    GM:こっちはちょっと高いぞ……!
    陶 妙算:できらあ!!
    陶 妙算:コネUGN幹部を使って
    志木倫堂:頼むぜ先輩!
    陶 妙算:4dx+3
    DoubleCross : (4R10+3[10]) → 9[1,1,4,9]+3 → 12

    陶 妙算:おら!!
    GM:くっ……そうとしっていれば+3ずつ……いや3してても抜かれてるわこれ……
    志木倫堂:ナイス!
    【現場の奇妙な点】
    一人暮らしである筈の杉澤あゆ美の部屋に、複数組の手足が落ちていた。
    隣室は確か母子家庭である筈だが、子供のものと思われる身体部品は見つけられない。
    これと同様に幾つかの部屋において、家族構成と発見された遺体が矛盾する。

    これらの部屋で見つかった遺体は全て、頭部や胴体などの個人や性別の特定を容易にする部位が無く、
    そして腕や脚の形状は、全くの同一と確認できる。
    即ち。

    アパートで発見された遺体のうち三割ほどは、〝超常的な再生力を持った一人のオーヴァード〟から採取された肉と血だ。
    捜査の初動を遅らせ時間を稼ぐ為の陽動だろう。
    この事件は確かに大量殺人事件ではあるが──同時に〝誘拐事件〟でもある。

    GM:ということまで。あなた達は迅速に調査を終えることだろう。
    志木倫堂:杉澤さん……!
    陶 妙算:げーっ
    陶 妙算:無茶しやがって博愛主義者め
    GM:そこの君! オーヴァード一人から摂取できる人体部品は人間n人分だぜ!
    GM:と、いうことで。
    GM:これらの情報についてのあれこれは集合パートでお願いするとして、
    GM:その調査を終えた直後、陶くん。あなたの端末へ連絡が入ることになる。
    GM:その内容は、〝第八支部でこの件の対策チームを組む。合流されたし〟というものである。
    GM:──────────
    GM:ロイスの取得と調達が可能!
    陶 妙算:ボデマ
    陶 妙算:2dx
    DoubleCross : (2R10[10]) → 6[3,6] → 6

    陶 妙算:無理!
    陶 妙算:同行者/志木倫堂/敬意◯/依存
    陶 妙算:以上!
    志木倫堂:来訪者/謎の少女/手がかり〇/不審 頼れる先輩/陶妙算/尊敬〇/隔意で
    志木倫堂:ボデマいきます
    志木倫堂:2dx
    DoubleCross : (2R10[10]) → 8[7,8] → 8

    志木倫堂:はい
    志木倫堂:以上で!
    GM:OK!

    シーン2


    GM:それでは大変お待たせしました……まず津村さん登場侵蝕をどうぞ!
    津村孝蔵:はいな!
    津村孝蔵:43+1D10
    DoubleCross : (43+1D10) → 43+2[2] → 45

    津村孝蔵:安定している!
    GM:この人こころがつよい

    GM:──時系列としてはオープニングの数十分後となるだろう。
    GM:N市第八地区支部。ここを訪れるのは、少なくとも初めてでない事は確かだ。
    GM:あなたは会議室へ向かう廊下を歩きながら、送迎の車の運転手から、今回の任務の概要を聞いていることだろう。
    薬師院 小夜子:「うちの地区の住宅街で殺人事件です。身元の確認は間に合っちゃあいませんが……」
    薬師院 小夜子:「被害者はおそらく、アパートの住人ほぼ全部だ」
    津村孝蔵:「全部?そりゃまた派手にやってくれたな」
    薬師院 小夜子:「犯人はどうも、派手好きなようで。……ひとまず現場封鎖だけは手を回してます」
    薬師院 小夜子:「調査はこれから順を追って。……ですが、津村さん」
    薬師院 小夜子:「あなたにはその現場じゃあなく、《ラフィング・バーナー》の方を調べてもらう事になるでしょうがね」
    津村孝蔵:「了解。そっちのほうがまだ得意分野だ…消去法だが」
    薬師院 小夜子:「一番の得意は、撃つ方でしたか」
    津村孝蔵:「一番得意なのは相手に見えないところから撃つやつだな」「もっとも、ほとんどさせてもらえんが」
    薬師院 小夜子:「なるほど。……不本意な形ですが、一発頼むかも知れません」この言葉から、声音が低くなった。
    津村孝蔵:「まあ『武器』をやらせてもらえるなら文句は言えんさ」
    津村孝蔵:「…《ラフィング・バーナー》以外でか?」
    薬師院 小夜子:「ええ。……さっき見せた写真。あなたの元部下の隣にいたコートの女」
    薬師院 小夜子:「あいつはイリーガルの由解 瑛って言うんですがね。最近、どうも様子がおかしかった」
    薬師院 小夜子:「……様子がおかしくなる前に、最後に接触してたのが。これからあなたとコンビを組んでもらう、玻璃上って奴です」
    津村孝蔵:「コンビ?…まさかそいつが追加のターゲットとか言わんだろうな」
    薬師院 小夜子:「……………………」
    薬師院 小夜子:無言が肯定の代わりとなり、
    薬師院 小夜子:「必要と感じたら……ですがね」と、捕捉がなされる。
    津村孝蔵:「…勘弁してくれ。そういうのは『弓』じゃなくて『拳銃』とか『ナイフ』の仕事だろ?」
    薬師院 小夜子:「私はあれこれ物資だの情報だの買い付けてくるのが本職でしてね、商品の見極めには自信がある」
    薬師院 小夜子:「あなたの〝速さ〟を、私は買った」
    薬師院 小夜子:「……ろくな仕事じゃなくて申し訳ないが、一つ、頼みます」
    津村孝蔵:「了解。ヤバそうなら、なんとかするさ」
    GM:薬師院は会議室のドアを開けるだろう。
    GM:その中にいたのは──
    GM:という感じでカミ、登場を願います。
    玻璃上八里:フハハハハーッ!!!!!(やけくそ)
    玻璃上八里:40+1d10
    DoubleCross : (40+1D10) → 40+1[1] → 41

    玻璃上八里:侵蝕41
    GM:侵蝕は落ち着いている。
    GM:ではカミ!
    玻璃上八里:うむ!
    GM:どんな感じで待機してたかな!
    玻璃上八里:じゃあ監視役さんを迎えるためにホワイトボードに「第8支部へようこそ」と学芸会みたいな飾り付けしてました!

    第8支部へようこそ之図


    薬師院 小夜子:「はーーーーーーーー……」会議室に入るなりロングブレスでの溜息。
    津村孝蔵:焦点の定かではない目で見ている。
    玻璃上八里:「ふふんふふんふふーん……」てきぱきと飾り付けのわっかを作成中!!
    薬師院 小夜子:「あー……津村さん。こちら、うちの支部のエージェント、玻璃上 八里。クセは強いが腕は確かだ」
    薬師院 小夜子:「クセは強いが」
    薬師院 小夜子:「ついでに言うと私と同じ25歳だ」
    津村孝蔵:「あー。第三支部、《オーバーフロウ》津村だ。よろしく頼む」
    玻璃上八里:「ふんふー……ん?」気配にやっと気づく!
    薬師院 小夜子:「おーい、カミさまよ」
    薬師院 小夜子:「こちらは第三支部、津村 孝蔵さん。くれぐれも、くーれーぐーれーも失礼の無いように」
    玻璃上八里:「ぬおお!!??もういらしていたかァ!これは失礼した!」慌てて向き直る!
    玻璃上八里:「えー、津村殿か!今回はよろしくお願いするぞ!」
    津村孝蔵:「(あれで25か。殺されない限り永遠にあのままで生き続けるタイプとみた)」ぼんやり。
    玻璃上八里:「改めて名乗らせていただこう!私はカミ!!」
    玻璃上八里:「戸籍上の名前は玻璃上八里だ!!」
    津村孝蔵:「そうか。カミか。そうか。あー。」
    津村孝蔵:「コンビだと聞いてる。手早く終わらせたい」
    薬師院 小夜子:「心中お察しします」
    玻璃上八里:「フハハーッ!連れないなァ!!」
    薬師院 小夜子:「……こほん。んじゃあ、挨拶も済んだことだ。わかりきってる事だが、もう一度情報を共有するぜ」
    薬師院 小夜子:「先に確認しておきたい事があれば言ってくれ。可能な限り答えるよ」
    津村孝蔵:「標的は《ラフィング・バーナー》。これは知ってる。三年前に取り逃した」
    津村孝蔵:「で、これが殺人事件とどう関わってる?」
    玻璃上八里:「うむ!それは私も気になっていたところだぞ!」
    薬師院 小夜子:「ああ、そこは単純な話だ。最近、街頭に結構な数の監視カメラがあるだろ」
    薬師院 小夜子:「事件の予想発生時刻、アパート近くの監視カメラに、《ラフィング・バーナー》の姿が映った」
    薬師院 小夜子:「……偶然と見るには出来すぎだし、偶然だったとしても生かしておく理由のねぇ相手だ。そういうこと」
    津村孝蔵:「シンプルだな。了解」
    薬師院 小夜子:「OK、続ける」
    薬師院 小夜子:「当該エージェントは過去、津村さんの支部に併設されたラボでスタッフとして勤務していた」
    薬師院 小夜子:「……〝非人道的実験〟の咎で捕縛され護送中、護衛のエージェント複数名を殺害。そのまま行方をくらましている」
    薬師院 小夜子:「直近では无月館学院高等学校に教員として潜伏していたこと、〝アヴェンジャーズセル〟の所属であることが発覚している」
    玻璃上八里:「うむ。……」少し静かになる。
    薬師院 小夜子:「そして。写真に映ってるもう一人。こいつはすぐに分かった。UGNイリーガル、由解 瑛だ」
    薬師院 小夜子:「FH相手の戦いにばかり顔を出す変わり者。……今のところ、《ラフィング・バーナー》の共犯者の可能性がある」
    薬師院 小夜子:「もし、そうなら。やっぱりこいつも、のさばらせておく理由は無い」
    玻璃上八里:「……そうであろうなぁ。」
    津村孝蔵:「関連性が疑われるサブターゲットってわけだな、了解」
    薬師院 小夜子:「これから二人には、《ラフィング・バーナー》の足取りを追ってもらう事になる」
    薬師院 小夜子:「……津村さんには言うまでもないかも知れないけど。人間と思って掛かっちゃいけない相手だ」
    薬師院 小夜子:「悪魔か何かが人間の皮を被った相手と想定して事に当たってもらいたい。いいね」
    玻璃上八里:「承知した。アラガミに近い精神性という訳だな。」
    津村孝蔵:「殺して死ぬやつならこっちはなんでもいい。せいぜいできるだけのことはやるさ」
    津村孝蔵:「あー、そういえば玻璃上…サンだっけ?何ができる?」
    津村孝蔵:「コンビを組むにあたって聞いとかないとな」
    玻璃上八里:「うむ!私の特技か!」
    玻璃上八里:そっと左手を広げ。モルフェウス因子を込めた金紙を生成する。
    玻璃上八里:「いろいろ応用の利くカミが作れる!観測の真似事もできるぞ!」そう言いながらてきぱきと折り紙を組み立て━
    玻璃上八里:瞬く間に一羽の鶴が折りあがる。
    玻璃上八里:折り上げた鶴を吊り下げ、そっと手をはなす。
    玻璃上八里:ひらり、と舞ったカミ細工は宙へ留まり続ける。手作りの小さな羽を羽ばたかせて。
    玻璃上八里:「後は……やはりこれだな!」指をスナップ!
    玻璃上八里:(任意の光源演出)が煌びやかに宙を舞う鶴を彩る!
    玻璃上八里:「カミたるもの、自身を目立たせる術理の一つはもっているという訳だ!」
    津村孝蔵:乾いた眼で見ている。「あー。よくわからんがだいたいわかった。とりあえずできることをやってくれ」
    玻璃上八里:「わかった!!貴殿を助けられそうな所では遠慮なく声をかけて頂きたいぞ!」
    津村孝蔵:「俺は特に何もできない。もろもろ頼んだ。」
    玻璃上八里:「フハハーッ!!!!!よろしく頼まれたァ!!!!!!!」
    GM:では。情報収集パートです。
    GM:この情報に関しては、外へ出て足で稼いだとか情報屋をこきつかったとか、
    GM:なんか良い具合に演出していただけると嬉しい。
    GM:項目は二つ! そして先のシーンと同じで、開けなかった場合は再登場or合流シーンで再挑戦が選べます
    【不審な輸送車両】 目標値8《情報:UGN》
    【〝非人道的実験〟】 目標値7《情報:UGN》

    玻璃上八里:じゃあ視界共有のカミ飛行機投げてました
    津村孝蔵:社会1+コネ2で3つしか振れないので、非人道的実験行っていいですか
    津村孝蔵:よく見たら同じようなもんだった。どっちでもいいですよ
    玻璃上八里:ファンぶらなければ情報収集チームと金により確定で抜けるぜ!
    津村孝蔵:あっそれはうれしい。では非人道的実験を振ってみます。
    玻璃上八里:ロールのしやすそうな不審な輸送車両で行くぞーっ!!!
    玻璃上八里:情報収集チーム使用!残数2!
    津村孝蔵:非人道的実験を調査。コネ:UGN幹部を使用します。
    玻璃上八里:1dx+1+2>=8 情報:UGN!
    DoubleCross : (1R10+1+2[10]>=8) → 10[10]+10[10]+9[9]+3 → 32 → 成功

    津村孝蔵:3DX+1>=7
    DoubleCross : (3R10+1[10]>=7) → 9[3,4,9]+1 → 10 → 成功

    GM:32……?
    津村孝蔵:なんかすげーわかってますね。
    GM:そこまで分かるほどの裏があるかと言われると悩むのに……
    GM:では、両方を開示します
    【不審な輸送車両】
    まだ日も昇らぬ内から大型のコンテナを積んだトラックが複数台、車列を連ねて走る光景が目撃されている。
    あなた達の調査の結果、これにはFHの構成員が携わっていたことが判明する。

    その構成員は積荷の詳細までは知らない。
    だが、ちょうど事件のあったアパートで何か荷物を積み込んだ上で、市内のとある廃病院へと向かった。
    積み込みの指揮を取っていたのは白衣を着た女だったという。

    【〝非人道的実験〟】
    古い記録である為、容易に見つけられたとは言い難いが──訃静 零が密かに進めていたのは〝オーヴァードの人為的繁殖〟実験であった。
    第二次性徴期に至ったオーヴァードの男女を強制的に交接させ、その子供にオーヴァード能力が遺伝するかを確かめようとしたものである。
    ……資料の末尾には、その実験の失敗により廃棄されたと思しき遺体の数は、男女あわせ十数名と記されている。

    玻璃上八里:こ、これがカミの威光よ……(驚愕を隠す任意の光源演出)
    GM:情報は以上となる。
    玻璃上八里:「……」窓から緩やかに飛び込んできたカミ飛行機たちを回収する。
    津村孝蔵:では、すでに戻って座っている。「この実験についてなんだが、だいたいわかった。俺が事件の顛末書書いたやつだからな」
    玻璃上八里:「うむ。こちらも飛ばしていたカミ飛行機が怪しいトラック群をとらえた。」
    玻璃上八里:『聴覚共有』とも書かれていたカミ飛行機を使い、手元ですらすらと書いていた盗聴文を津村さんに見せるぞ!
    津村孝蔵:「おっとあっさりビンゴか。やるねえ」
    玻璃上八里:「概略だが、会話内容から見て恐らくFHの手のものだ。後ほど清書しておくよ。」
    玻璃上八里:「そちらの実験内容も宜しければ確認させて頂こう。」
    津村孝蔵:自分の資料を無表情でめくって示す。「めちゃくちゃやるよなこいつ」
    玻璃上八里:「…………。」ペラペラとめくるたびに、顔色が厳しくなっていく。
    玻璃上八里:「成る程。薬師院殿の物言いも理解できたよ。」資料返却!
    玻璃上八里:「一先ず、津村殿に最優先で共有しておきたい事項がある。」
    津村孝蔵:「なんだ?」
    玻璃上八里:「先程の盗聴文で聞き捨てならん内容があった」
    玻璃上八里:「トラック群の積み荷を指揮していた者の情報が聞けたのだがな。」
    玻璃上八里:「━━白衣の女であったそうだ。」
    津村孝蔵:「それが?」
    玻璃上八里:「……むう。そういう返しはちょっと肩透かしだな……」
    玻璃上八里:「まあいいや!その白衣の女が《ラフィング・バーナー》である可能性もある!」
    津村孝蔵:「指揮してたのが自分だって言い張るのはまずないだろ」
    玻璃上八里:「と言う事をお伝えしておきたかった!」
    津村孝蔵:「まあ、そりゃあ、な。書いてたしな」
    津村孝蔵:「盗聴文を文字に起こせるの、普通に便利だなそれ…」
    玻璃上八里:「フハハーッ!結構練習したのでなァ!」
    津村孝蔵:「なんにせよ、やっぱり《ラフィング・バーナー》だな。場所までわかったんだ。追うか」
    玻璃上八里:「うむ!こちらの準備は万端だ!早速向かうとしよう!」
    GM:では。
    GM:あなた達は、追うべきターゲットの場所を特定した、が──
    GM:きっと、ちょうどその時だ。
    GM:会議室のドアが外から開かれたのは。
    GM:──────────
    GM:ロイス取得と調達が可能です!
    津村孝蔵:ロイスはまだ保留。調達はダメ元ボデマチャレンジかな
    玻璃上八里:ロイスは……どうしようかな……保留!
    津村孝蔵:1DX+2
    DoubleCross : (1R10+2[10]) → 3[3]+2 → 5

    津村孝蔵:だめでした。妖精の手は温存。
    玻璃上八里:ではグレネードランチャーを買うぜ!
    玻璃上八里:1dx+2>=13
    DoubleCross : (1R10+2[10]>=13) → 3[3]+2 → 5 → 失敗

    玻璃上八里:んんんー……財産いっぱい使いそうだしパス!!!
    GM:OK!

    シーン3


    GM:では、ここは合流シーンとなります。全員、登場侵蝕をどうぞ。
    陶 妙算:1d10+60
    DoubleCross : (1D10+60) → 7[7]+60 → 67

    津村孝蔵:45+1D10
    DoubleCross : (45+1D10) → 45+3[3] → 48

    津村孝蔵:マジで安定してるな…
    玻璃上八里:41+1d10
    DoubleCross : (41+1D10) → 41+1[1] → 42

    玻璃上八里:あまりにもテンションが低い
    志木倫堂:1d10+41
    DoubleCross : (1D10+41) → 4[4]+41 → 45

    GM:今回の侵蝕上昇幅、色々とびっくりだよ

    GM:では。志木くん陶くんタッグ。あなた達は第八支部を訪れて、
    GM:ちょうど今、会議室の扉を開けて室内へ入るタイミングとしよう。
    GM:無論。あのスリッパを赤く染めていた子供も一緒だ。
    陶 妙算:「……」
    陶 妙算:「すごく歓迎されてる……」
    陶 妙算:『ようこそ第8支部へ』と書かれた看板を見ている
    志木倫堂:「邪魔する、ぜ……」
    志木倫堂:遅れて入ってきて、看板を一瞥
    陶 妙算:「志木くんってもしかしてVIP?」
    志木倫堂:「はぁ?」という目で妙算くんを見て
    志木倫堂:「ガキの歓迎パーティか?」
    陶 妙算:「だって僕にはこんなに歓迎される謂れはないし」
    薬師院 小夜子:「看板は気にしないでおいてくれ。うちの支部には変なのがいるんだ」
    薬師院 小夜子:と、椅子に座ったまま、溜息と共に。
    玻璃上八里:「おお、薬師院殿!新たなる客人という事かな!」
    陶 妙算:「こんにちわ。」
    津村孝蔵:「チルドレン…か?」明らかに小さすぎるのがいるけど。
    玻璃上八里:「こんにちは!お主たちは初めましてで良いかな?」
    陶 妙算:「"柳雪"陶妙算。命令により推算いたしました。」
    志木倫堂:「”バルカノーツ”、志木倫堂だ。このガキは、あー……」
    陶 妙算:「はい、皆様とはお初にお目にかかります。」
    津村孝蔵:「やっぱりチルドレンか。第三支部、《オーバーフロウ》津村だ。よろしく頼む」
    陶 妙算:恭しくと頭を下げる。青い脈が透き通ったうなじがかすかにのぞく
    志木倫堂:「まあいいや後で。初めて会うんじゃねーか? 知らねーけど」
    謎の少女:「……………………」適当な椅子を引いて、そこに座っている。
    玻璃上八里:「よろしくお願いする!カミだ!」
    玻璃上八里:「戸籍上の名前は玻璃上八里という!好きに読んで構わんぞ!」
    志木倫堂:「カミか、そりゃいい」
    陶 妙算:「津村さんと、カミさんですね。」
    陶 妙算:「ああ、カミはコードネームでしたか。」
    志木倫堂:「ゴリヤクってやつを期待してるぜ。なんせうちのセンセイの危機だ」
    志木倫堂:そう言うと、少女の隣の椅子を引いてドカッと座ります
    玻璃上八里:「むう。私の予定しているご利益は金運なのだが……」
    薬師院 小夜子:「……センセイ?」
    薬師院 小夜子:「つーか……なんか、こう」
    薬師院 小夜子:「予想してたより二人多いな?」
    玻璃上八里:「そうなのか?薬師院殿」
    陶 妙算:「ああ、説明が遅れました」
    陶 妙算:「こちらの志木さんは現地で合流したイリーガルです。」
    志木倫堂:「妙算とはたまたまかち合ってな、センセイ……《アセナの風》由解瑛を探してたんだが……」
    薬師院 小夜子:「……!」《アセナの風》の名を聞き、表情をこわばらせる。
    陶 妙算:「アパート内の調査は」
    陶 妙算:「僕一人では捜査が難航するものと見られましたので現地判断で同行していただきました。」
    志木倫堂:「ああ、知らねえか。UGNにゃああんまり顔出してなかったみてーだしな」
    玻璃上八里:「……そうなのか。」落ち着いている。表面上は。
    陶 妙算:志木さんを連れてきたことに問題が在るなら自分の責任だと言っている
    陶 妙算:「こちらの少女については」
    陶 妙算:「由解さんをご存じの方ならわかるでしょう。」
    謎の少女:「……?」由解 瑛の写真を見ていたのなら。なるほど、容姿の共通点を見いだせる顔であろう。
    志木倫堂:「おっ、そうだそうだ。スゲー似てんだよこいつ。で、センセイの娘を名乗ってる」
    玻璃上八里:「……似ているな、確かに。」
    陶 妙算:「彼女が疾走した後、彼女と縁のある方が住むアパートに、彼女に会いたいと、彼女の面影を感じる少女が現れた。」
    津村孝蔵:手元の写真を見る。「…娘って言われても驚かんな」
    陶 妙算:「ええ、ただしあの方はレネゲイドビーイングです。」
    陶 妙算:『単に娘が会いに来たのではなく、もっと別の因果がある。」
    陶 妙算:「そう考えて、こちらの支部に着いてきてもらいました。」
    薬師院 小夜子:数秒、視線を虚空に泳がせる。ノイマン能力由来の思考加速。情報の整理を進め──
    薬師院 小夜子:「……分かった。まず、《バルカノーツ》」
    志木倫堂:「匂いがどうとか言ってたし、妙な力を持ってるだろうぜ」
    玻璃上八里:「成る程な。陶殿の判断に感謝しよう。」
    志木倫堂:「ああ」
    玻璃上八里:「うむ」
    薬師院 小夜子:「知ってるよ、残念だが《アセナの風》を、この場にいる誰もが知っている。そいつは──」
    薬師院 小夜子:「今回の殺人事件の容疑者だ」
    志木倫堂:「……ほーお…………」
    志木倫堂:そういって背もたれに腕をかけ、天井を仰ぐ
    志木倫堂:「そりゃ何の冗談だ?」
    志木倫堂:「なあ」
    陶 妙算:「志木くん…」
    陶 妙算:不安げに茶色の瞳を志木くんに向ける
    薬師院 小夜子:「落ち着け。……マジだ。マジなんだよこの話は」
    薬師院 小夜子:薬師院は、
    GM:そうだな、この場合
    薬師院 小夜子:津村さん。あなたに視線を向けながら、テーブルの上にあの写真を置く。
    薬師院 小夜子:《ラフィング・バーナー》と《アセナの風》が並んで歩いている姿を捉えた写真だ。
    志木倫堂:「…………………………は?」
    薬師院 小夜子:「津村さん」
    志木倫堂:「いやいやいや、あり得ねえって」
    玻璃上八里:「……。」そっと、袖口のカミ鉄砲に触れる。
    津村孝蔵:「あ?あー。この白衣のが、今回の事件のメインの容疑者だ。前科持ちのやつだな」
    志木倫堂:「それだけは絶対にねえよ。いや、でも」
    志木倫堂:「はーーーー」
    志木倫堂:《ラフィング・バーナー》
    津村孝蔵:「《ラフィング・バーナー》。要するにマッドサイエンティストだな。で、それと一緒にいたところが残ってるわけだ」
    津村孝蔵:「…もしかして、こっちとも知り合いか?」ラフィング・バーナーを指さして。
    志木倫堂:「……多分」
    志木倫堂:「下手な家族くらいには知り合いだぜ。最悪な事にな、クソッ……」
    志木倫堂:そう言って、机に肘を立てて頭を支える
    志木倫堂:指の隙間から、写真を睨みつける。いくら目を瞬いても、映っているものが変わることは無い。
    陶 妙算:「僕も《ラフィング・バーナー》とは以前一度遭遇したことがあります。」
    薬師院 小夜子:「……《柳雪》、ああ、そうだった。无月館の桜の一件だな」
    陶 妙算:「あれは厄介な相手です。」
    陶 妙算:「目的の為には手段を選ばない。そのくせに、生き延びるためならその目的ですら平然と捨て去る。」
    玻璃上八里:「むう……《ラフィング・バーナー》と遭遇経験がないのは私だけになるか。」
    志木倫堂:「センセイは奴のセルを潰して、モルモットみてーになってた俺をUGNに放り込んだ」
    志木倫堂:「平たく言えば恩人ってやつだ。それが、なんだ。どうなってやがる……」
    薬師院 小夜子:「……《バルカノーツ》」
    薬師院 小夜子:「お前、実験台か」
    志木倫堂:結びつかない。彼女の穏やかな言葉が、ぎごちない微笑みがどうしても。あの悪魔とは。
    志木倫堂:「——ああ、そうとも」
    志木倫堂:結びつかない。なら、問い糺すしかない。
    陶 妙算:しなやかな細い指先が志木くんの手に触れる。
    陶 妙算:柔らかな光を帯びた茶色の瞳が志木くんに向けられる
    志木倫堂:陶くんの体温が触れて、少し冷静になります
    陶 妙算:「大丈夫?」
    志木倫堂:「大丈夫じゃあ、ねえな」
    陶 妙算:「そっか。」
    陶 妙算:「じゃあ、どうすれば大丈夫なれるか、一緒に考えよ?」
    志木倫堂:由解瑛も、最初に会った時そう言ったっけな。という思考が去来する
    志木倫堂:「ああ、悪い……」
    志木倫堂:「いや」
    陶 妙算:できるだけ、優しく微笑みかける。雪色の肌ののった鎖骨がかすかにのぞく
    志木倫堂:「ありがとう、妙算」
    陶 妙算:「どういたしまして。」
    陶 妙算:「僕もさっき志木くんに助けられたからね。お互い様だよ」
    陶 妙算:露に濡れた果実のような唇の口角をわずかに上げなら言う
    津村孝蔵:「どうやら《ラフィング・バーナー》については概ねここにいる全員と見解が一致している、が。」
    津村孝蔵:「《アセナの風》については…ちっと違うみたいだな」
    薬師院 小夜子:「……こほん。あー、津村さんの言うのは、その通りだ。《アセナの風》については──決めかねてるってとこだな」
    薬師院 小夜子:露骨な咳払いを一つ入れて、薬師院が会話に割り込んだ。
    玻璃上八里:(また一つ、由解殿の助け方を考えるべき理由が増えたか。)
    志木倫堂:陶くんの微笑に不覚にもどきりとしてしまいます。
    陶 妙算:「その《アセナの風》について、なのですが。」
    志木倫堂:「お、おう……」
    薬師院 小夜子:「ん?」
    陶 妙算:「いえ、直接関係あるかはわからないのですが。」
    陶 妙算:「あのアパートには、僕の《アセナの風》と縁のある友人が住んでいました。」
    陶 妙算:「そして、その友人の部屋の様子が…」
    薬師院 小夜子:「……《アセナの風》の知人、あのアパート……資料で見た。杉澤 あゆ美か、そいつの部屋が……?」
    陶 妙算:チラリと志木くんの方を見て説明を求める
    志木倫堂:「……ひどい有様だったが、散らばってた手足の中に明らかに同一人物のモンがあった。それも4本じゃきかねえ」
    薬師院 小夜子:「同一人物の手足が複数だぁ?」
    志木倫堂:「妙算の探してるヤツ……リザレクト特化オーヴァードとやらの手足を捥いで死体の数を誤魔化したんだろ。本体はたぶん生きてるぜ。生きたまま攫われてる」
    志木倫堂:何に使う気かは知らねーがな、と付け加える。
    玻璃上八里:「……成る程。碌な目的ではなさそうだな」
    薬師院 小夜子:「そいつは酷い話だ──」
    GM:と言った薬師院の言葉の末尾を掻き消すように、
    GM:ぎゅるるるるるるるる。
    GM:と、大きな音が鳴った。
    謎の少女:「……ぅ」音の発信源は、志木の隣でじいっと座っていた少女の胃袋。
    志木倫堂:「あっ」そういや何も食わせてなかったな、と狼狽
    薬師院 小夜子:「……おやおや。こりゃ大した元気な腹の虫だ」苦笑半分、薬師院は椅子から立ち上がり、少女の近くまで歩き、
    薬師院 小夜子:「……ふぅん。レネゲイドビーイングに親も子も、って感じだが……この子はなんだろうねぇ。どれ、食事なら用意させるから──」
    薬師院 小夜子:頭を撫でようと、手を伸ばした。
    薬師院 小夜子:その手が、
    謎の少女:その手を、少女は小さな両手で捉えて引き寄せ──
    謎の少女:「おなか、すいた」
    謎の少女:がぶっ。
    謎の少女:無防備な腕へ、肉を抉る程に深く、噛みついた。

    ※編注、ここで一日空きました。

    GM:では前回のおさらいですが、
    GM:みんなで集合→《アセナの風》が《ラフィング・バーナー》と一緒に行動してたっぽい→
    GM:陶くんの情報「杉澤あゆ美の部屋には、同じ人間の身体部品が複数あった」
    GM:志木くんの見解「死体の数をごまかしたんだろう、生きたままさらわれている」
    GM:今回は残りの情報の共有タイムとなります。
    GM:が、その前に欠食児童が近くにいた被害者枠の腕に噛みついているところからですね。

    謎の少女:「おなか、すいた」
    謎の少女:がぶっ。
    謎の少女:無防備な腕へ、肉を抉る程に深く、噛みついた。
    GM:というわけでCM明けだ!
    薬師院 小夜子:「いっ────てええぇえええぇぇっ!?」
    志木倫堂:「ばっ……!」
    志木倫堂:「馬ッ鹿おめー!」
    志木倫堂:子供を引きはがそうとします。
    玻璃上八里:「薬師院殿!」袖口で掴んだ銀カミ鉄砲を撃……たない!!
    陶 妙算:「待って、引き剥がそうとすると余計力が入って…!」
    薬師院 小夜子:「痛っ、だ、ああくそっ、くそっ、こいつ噛んでやがる──!」
    玻璃上八里:三角形の銀紙をとっさに口元めがけて投擲!
    津村孝蔵:「マジかよ」弓を構える。
    陶 妙算:「薬師院さん、思いっきり手ー押し込んで舌握ってくださいっ」
    薬師院 小夜子:腕の肉に深々と、少女の乳歯が食い込んでいる。
    薬師院 小夜子:傍目にも分かるほど明らかに、肉を裂いて歯は進み、直ぐにも骨まで到達するだろう。
    GM:さて、ならばこの対応であれば
    GM:まず、少女の口に銀紙が飛び込んだ。
    謎の少女:「……っ!」
    GM:異物を吐き出そうと少女が口を開けた瞬間、薬師院はアドバイスの通り、片手を少女の口に押し込む。
    GM:口内へ逆流してくる、過度に大きな物体。少女はたまらず口を開いて仰け反り、その隙に、志木くんの手によって引き剥がされるだろう。
    陶 妙算:「吃驚した…」
    玻璃上八里:「志木殿!抑えられそうならそのまま頼む!」
    玻璃上八里:薬師院殿の傷を確認しに行くぞ!
    志木倫堂:「おう! そっちは無事か?」
    謎の少女:その少女の力は、体格からは想定できない程に強い。だが、オーヴァードが押さえられない程のものでもあるまい。
    薬師院 小夜子:「っ、つぁ……」噛みつかれた腕の傷は深い。肉を裂いて歯は進み、骨にまで到達している。
    薬師院 小夜子:「ちくしょう、こりゃしばらくピアノは弾けねえな……」と、ジョークを挟む余裕はあるようだが。
    津村孝蔵:弓を下ろす。「オーヴァードでなけりゃ病院行きだなこりゃ」
    玻璃上八里:「ぬう、かなり深いな。一先ず仮止めになってしまうが……」
    志木倫堂:「暴れんなこら! 飯忘れてたのは謝るからちょっと待て!」
    陶 妙算:「明日のコンサートは無理ですね…」
    玻璃上八里:傷口に金紙をぺたりと張り付けて止血!
    薬師院 小夜子:「冗談さ。ネコを踏むのはベッドの上だけだ」
    薬師院 小夜子:「しっかし、なんなんだこの子。普通じゃねえな……?」手当を受けながら、引き剥がされた少女の方を見る。
    謎の少女:一方で、その少女は
    謎の少女:「おなかすいたの! おなかすいたぁ! 私のご飯取らないでよぉ!」
    謎の少女:「おなかすいてるのにぃ……ぅう、うぇ、うぇえええぇえぇぇぇ……」
    謎の少女:「あ゛ー! あ゛ーーーーーーー!」幼児に特有の、顔をぐしゃぐしゃにして大声で吠えるように泣き喚く、あの姿だ。
    謎の少女:地団駄を踏み、手脚を振りまわし、傍目にはまるで無害の子供とも見えるのに。
    謎の少女:彼女は泣いている。もっと人を食べたいと。
    志木倫堂:あわわ……
    玻璃上八里:「むうー……どちらかと言えば、無邪気の其れか?」
    津村孝蔵:「偏食児童もここまできたか」
    津村孝蔵:「なんか、なんかないかね。生肉とか」
    志木倫堂:「お、おい。何かないか? 口に入れるもん」
    玻璃上八里:「すまぬ、今は持ち合わせていないな……」
    薬師院 小夜子:「……食い物より、鎮静剤打った方がいいかも知れねぇな……」
    志木倫堂:「ひとまず頼む!」
    薬師院 小夜子:「なら、ラボに一度運ばせるか……?」
    志木倫堂:暴れる児童の後ろ首をひっつかんで持ち上げるぞ!
    玻璃上八里:「ちと気が引けるな……しかし、それが無難な所か。」
    GM:よし、では
    GM:欠食児童は一度ラボに運ばれ、鎮静剤か何か打たれることになるでしょう。
    GM:食事は用意される筈だ。もちろん人肉ではないものを。
    GM:ラボ側では少女の異常行動について何か分かることがないか、簡単な調査をすることになったので、
    GM:その間にあなた達は、情報の共有を行っていただければ!
    志木倫堂:「……悪いな」
    志木倫堂:先の一幕、血塗られた廊下を歩む少女を回想する
    志木倫堂:「我慢してたんだよ、あいつ」
    志木倫堂:「飯の時間を挟むべきだった」
    志木倫堂:と、なんだかズレたことを言っています
    玻璃上八里:「気にすることはないさ。あの子を見つけていなければ他の場所で限界を迎えていたかもしれない。」
    志木倫堂:「お母さんを助けて、つってた。だから、手がかりを探す間食欲を抑えてたんだ」
    志木倫堂:志木倫堂はそういう行動に……弱い! 人肉を食いたがっていたこととかはそんなに気にしていないぞ!
    津村孝蔵:「ラボでなんとか落ち着いてくれるとありがたいが」
    津村孝蔵:「…ガキは得意じゃないからな。訳アリならもっとだ」
    志木倫堂:ふと薬師院さんの腕を見つめ
    志木倫堂:「……そう言えば」
    薬師院 小夜子:「ん?」一応の応急処置は済んでいる。オーヴァードなら直ぐ治るからと包帯は巻いておらず、小さな歯形が良く見えることだろう。
    志木倫堂:「あの部屋の死体にも、噛み跡があった。子供の歯形みてーな」
    志木倫堂:「いや、大きいのもあったな、だが人間のだ」
    志木倫堂:「焼死、だったりスパッと斬られてたりバラバラだったり、死因みてーなのは色々あったが」
    志木倫堂:「どれもどっかしらを噛みちぎられてた」
    津村孝蔵:「人間の歯形?」
    津村孝蔵:「…そういやあのガキ、お前んとこに来る前は何を食ってたんだ?」
    陶 妙算:その言葉であの凄惨な現場の様子が脳裏に浮かび顔色が青くなる
    志木倫堂:「……分からねえ、が。あんま愉快なモンじゃなさそうだな」
    玻璃上八里:「人間の歯形、か。」(シミュレーターで遭った由解殿はまだ動物を使役していたかな……)
    陶 妙算:「玻璃上さん?」
    陶 妙算:少し歯切りの悪い言い方が気にかかったので声をかける
    玻璃上八里:「うむ?如何した陶殿?」
    陶 妙算:「いえ、『人間の歯形』と聞いて何か思うところがおありのようでしたので。」
    陶 妙算:「そちらの調査で、何か関連した情報でもあったのかと。」
    玻璃上八里:「ああ、そんな風に見えてしまったか?」
    玻璃上八里:「いや何、調査とは別に以前由解殿の戦いぶりを目にする機会があったのでね。」
    志木倫堂:「……!」
    玻璃上八里:「少なくとも、私がお会いした時の由解殿は動物を使役しているように見えた。」
    玻璃上八里:「自分で飛び掛かり噛み千切るような印象は……無かったかな。」
    志木倫堂:「ああ。焼く、斬る、四肢を捥ぐ、あれはセンセイのやり口じゃないぜ。部屋の外の死体は、分かんねーが……」
    志木倫堂:「そうだ。そうそう! はっはっは!! 頭いいなカミサマ!」
    志木倫堂:上機嫌に玻璃上さんの背中をバンバン叩く
    GM:──その通りだ。
    GM:全く噛みつきを行わない、ということもないが、それは飽くまでも近い間合いでの緊急対応。
    GM:基本的な戦術は、〝太古の獣〟を現世に再現し、その群れにて行う攻撃である。
    玻璃上八里:「フハ!!中々の、パワーだな、ッ!」受け止める!
    志木倫堂:「他にはなんか無いのか! 手がかりみてーなさあ!」
    玻璃上八里:「フハァ!そうだなァ!!多分ある!!!」バンバン叩かれながら先程記した盗聴文を引っ張り出す!
    玻璃上八里:「ちょっとストップだ志木殿ォ!息継ぎが大変!!!!」
    志木倫堂:「わりーわりー! ついな!」
    玻璃上八里:「ふう……まぁ元気で何よりさな。」
    陶 妙算:嬉しそうな志木くんの顔を見て少しほっとする。
    陶 妙算:「それで、玻璃上さんの言う手がかりとは?」
    陶 妙算:露に濡れた果実のような唇が言葉を紡ぐ
    玻璃上八里:「では改めて、恐らく陶殿と志木殿が見出した誘拐犯。」
    玻璃上八里:「そ奴らがターゲットを運搬したと思われるトラック群を私の方で発見した」
    玻璃上八里:盗聴文(開示情報)を共有!
    玻璃上八里:「このトラックが向かった先は廃病院。」
    玻璃上八里:「そして、積み荷を指揮していた者が━」
    玻璃上八里:「白衣の女。恐らく、《ラフィング・バーナー》だろう」
    志木倫堂:スッ、と目が細まる。
    薬師院 小夜子:「……何をやろうとしてんだか、想像したくもねぇな」
    津村孝蔵:「こいつだが、さっき言った通り前科持ちだ。」資料を出そうとする。
    薬師院 小夜子:「あんまり気分のいい資料じゃねえぞ」と、まだ読んでいない二人に
    陶 妙算:「大丈夫です。僕もチルドレンですから。」
    津村孝蔵:志木くんをちらりと見る。「……見たくないか、もう知ってるっていうなら見なくていい。今回の容疑者ってだけわかればいい」まず陶くんにだけ渡す。
    志木倫堂:少し考えて、
    陶 妙算:資料をいただきます
    志木倫堂:「じゃま、お願いするぜ」
    津村孝蔵:「おう」追加で一冊資料を渡す。
    志木倫堂:天地がひっくり返っても、こいつをぶっ飛ばして困る事なんて無いだろーしな
    志木倫堂:そう、小さく呟く。
    陶 妙算:資料に目を通す。
    陶 妙算:怒りと、嫌悪感のままにそれらを破り捨てたくなる衝動を抑えながら
    陶 妙算:最後まで読む
    GM:──それは数年前。訃静 零が〝捕縛〟された時の。そして脱走された後に、纏められた資料であった。
    GM:その記述は、その文言は。
    GM:人の尊厳を想う事のない、《ラフィング・バーナー》の悪辣なる人間性と──
    GM:そして。
    GM:〝謎の少女〟の素性、その可能性を示したものであった。
    陶 妙算:「この、遺体というのは。」
    陶 妙算:意識的に呼吸を深くし、自分の気持を鎮めようとしている。
    陶 妙算:「彼女に拉致されたオーヴァードだけではない。」
    志木倫堂:そういう志木くんの様子を注意深く見ています。
    薬師院 小夜子:「……ああ」
    薬師院 小夜子:「〝遺伝しなかった〟子供も含めて、その数だよ」
    陶 妙算:自分の口から出る言葉に、嫌悪感を覚えている
    陶 妙算:哀しげな視線を薬師院さんに送る
    陶 妙算:「嘘を言って、慰めようとはしてくれないんですね。」
    玻璃上八里:「……」静かに、奥歯を噛みしめる。
    薬師院 小夜子:「……悪い」
    薬師院 小夜子:「歯に衣着せるやり方はあった筈だ……が」
    薬師院 小夜子:「私は今、それを選べるくらいの余裕が無いらしいよ……すまないね」
    津村孝蔵:「本当のことが分かった時に反動が来るだけだ」
    陶 妙算:「はい、対等に見て頂けてるのは、ありがたいです。」
    陶 妙算:自分を保つように、気丈な言葉を吐く
    陶 妙算:けれど、そのしなやかな指は、かすかに震えている
    志木倫堂:「ま、読まずに棲んで御の字ってとこか」
    志木倫堂:そう呟くと、右手の指でピースを作って
    志木倫堂:日本の指を陶くんの小さな口の端に当てると、そのまま頬を持ち上げてみます。
    志木倫堂:二本の
    陶 妙算:「んっ」
    陶 妙算:吸い付くような、きめ細やかな肌の質感が志木くんに伝わる
    陶 妙算:不安げ潤んだ茶色の瞳が志木くんに向けられる
    志木倫堂:「……あ、いや……」
    志木倫堂:少し、顔を背ける。
    志木倫堂:「まあなんだ、これはセンセイに教わったんだが」
    志木倫堂:バツが悪そうに指を離します。
    陶 妙算:離れていく指を少し淋しげに見送る
    志木倫堂:「ろくでもないときは笑うと良いって」
    志木倫堂:「最悪に、流されるだけが俺たちじゃない。それを思い出すことで少しだけ自由になれるって」
    志木倫堂:「まぁ、そんだけだよ」
    陶 妙算:「ん…」
    津村孝蔵:陶くんを見ながら。「資料を見せた身で言うのもアレだが……動揺してられるのはたぶん今しかないぞ」
    津村孝蔵:「『本番』でそれが出ると……死ぬ」
    津村孝蔵:「まあ。なんだ。堪えてくれ。許せ」
    陶 妙算:「はい。大丈夫です。」
    陶 妙算:「今、そういうときにどうすればいいのか、教えてもらいましたから。」
    玻璃上八里:「フハハ—ッ!しかし気負い過ぎることもないぞ!!」
    玻璃上八里:「何故ならばお主たちにはァ!」(任意の起立と光源演出)
    陶 妙算:玻璃上さんの方を見る
    志木倫堂:「おおっ」
    玻璃上八里:「カミが此処についているのだからなァ!!!!!」(任意のカッコいい決めポーズとド派手な光源演出)
    志木倫堂:「おーっ! はっはっは!」
    志木倫堂:「いいなそれ!」
    玻璃上八里:「お主たちはお主たちのベストを尽くすといい!」着席!
    玻璃上八里:「私と津村殿が付いているのだからな!」
    陶 妙算:「はい、微力を尽くします。」
    津村孝蔵:「あー、それだ。いいこと言った。ベストだ。できることをやっていけ。」ふう、と煙草を吹かす。
    陶 妙算:「ねえ、志木くん。」
    志木倫堂:「ん?」
    陶 妙算:「これなら、ろくでもない時でも僕も頑張れるかな?」
    陶 妙算:清らかな白い肌に、ほんのり血がのぼった薔薇の頬。
    陶 妙算:その頬に笑窪をうかせ、漆のように光る茶色の瞳ほころばながら志木くんに声をかける
    陶 妙算:柔らかな桃の香りが、ほのかに志木くんを包んでいる
    志木倫堂:「…………」
    陶 妙算:「ダ、ダメかな?あんまりうまく笑えてない?」
    志木倫堂:ぷいと顔を背け
    志木倫堂:「いや……そうじゃねえけどよ……」
    志木倫堂:「あ————」
    陶 妙算:しずしずと、ちょっと所在なさ気な顔を見せる
    志木倫堂:ガジガジと頭を掻いている
    志木倫堂:「……いい顔してるぜ。っとによぉ~」
    志木倫堂:「妙算、お前は大丈夫だよ。それに」
    陶 妙算:パッと百合の花が咲いたかのような明る気な顔になる。
    陶 妙算:「ふふ、ありがと。」
    志木倫堂:「きっと大丈夫じゃなくなっても、なんとかしてやるさ」
    志木倫堂:そう言いながら、小柄な少年剣士の頭を乱雑になでつけた
    志木倫堂:「っし! 行こうぜ!」
    陶 妙算:上質な絹のように細やかでしっとりとした質感が志木くんの手に伝わる
    陶 妙算:目をつむり、志木くんの暖かさを感じながら
    陶 妙算:「うん、行こう」
    志木倫堂:その手を握ります。
    薬師院 小夜子:ひゅう、と口笛を鳴らす。
    薬師院 小夜子:「……あー、その、お二人さん。なんつうか、本当に申し訳ねぇんだが」
    薬師院 小夜子:「その、なんだ」
    薬師院 小夜子:「……仲いいな……?」
    志木倫堂:「まあな!」
    陶 妙算:雪色の肌がのったかすかに柔らかさの残る手で志木くんの手を握り返す
    陶 妙算:「友達、ですから。」
    陶 妙算:ちょっと恥ずかしげに言う
    薬師院 小夜子:(……近頃の交友関係って距離感近いのな……世代の違いか……)
    津村孝蔵:「(魔性だな、ありゃ)」
    玻璃上八里:「ふんふーん…」(いつの間にか舞い散る任意のカミ吹雪)
    薬師院 小夜子:「……さて、カミさまよ演出ごくろうさん。すまないがそれも、もう終わりでいいらしい」
    薬師院 小夜子:ポケットから携帯端末を取り出し、その画面を見せ、
    薬師院 小夜子:「ラボから連絡だ」

    GM:──さて。
    GM:あなた達は、支部に併設されているラボへと移動する。少女に関する調査が、ある程度進んだということだ。
    GM:おっと。少し正確性に欠けた。
    GM:移動先は支部併設ラボ──の直ぐ横にある休憩室。
    女性研究員:「いらっしゃい。こっちから行くのも考えたのだけど、ちょうどこの子がね……」
    GM:少女は泣き疲れたのか、まだ鼻をぐすぐす言わせてはいるものの布団に横になって、大人しく眠っている。
    GM:口周りの血の汚れは拭き取られ、見た目にはただの子供だ。そして、その傍らに女性研究員が座り、
    GM:片手には調査報告書。片手は少女の頭に置いて、眠気を阻害しないようにゆっくりと、どこかおっかなびっくり撫でている。
    玻璃上八里:「ありがとう研究員の方(小声)!良ければ私が交代しよう(小声)!」
    女性研究員:「ありがとう、お任せするわ」と、少女の頭から手を避ける。
    玻璃上八里:「うむ、なんとかやってみるよ。」
    玻璃上八里:枕元に腰掛け、少女を撫で始める。
    陶 妙算:「それで、何か進展はありましたか?」
    陶 妙算:女性研究員さんに声をかける
    女性研究員:「結論から言うと、お腹が空いたのかしらね」わかり切ったことを、その女性研究員は言った。
    志木倫堂:玻璃上さんが腰掛けた逆サイドに気持ち気を使って座ります。
    津村孝蔵:子供の前なので煙草を渋々灰皿に収めて立っている。
    志木倫堂:「それでどうしたんだ? なんかくれてやったか?」
    志木倫堂:足をぶらぶらさせています。行儀!
    女性研究員:「ええ。試しに目の前でお菓子を食べてみせたわ。そしたら、真似してチョコレートを食べ始めたんだけど……」
    女性研究員:「すっごい勢いで食べてくの! びっくりしたけど、本当にかわいかったわ……!」
    女性研究員:こほん。
    女性研究員:「……ごめんなさい、脱線したわ。こちらをどうぞ」
    女性研究員:彼女はあなた達に、手に持っていた調査報告書──と言っても紙切れ一枚だが──を差し出す。
    陶 妙算:「よかった。他のものが食べられない、というわけではないんですね。」
    GM:調査報告書の中身は、極めて端的であった。
    GM:〝食人衝動は無し。人の肉を食べようとしたのは単純に、他の食料の存在を知らなかった為と想われる〟
    GM:〝種族:レネゲイドビーイング。ただし特異な点有り。人体の常識に照らすと至って健康〟
    陶 妙算:報告書を受け取りながら言います
    GM:〝レントゲン検査の結果、胃の内容物は《ワゴン・テラーズ》の肉片のみ〟
    志木倫堂:陶くんの手許を覗き込みます。
    女性研究員:「ええ。身体の構造上、寧ろ人間を食べる方が不自然ね」
    津村孝蔵:「人食いじゃなくて安心だ。で、《ワゴン・テラーズ》とは?」
    陶 妙算:志木くんに見えやすくするように体を寄せる。
    志木倫堂:(しかし良い匂いするなこいつ……)
    女性研究員:「ああ、失礼。小夜子さんのコードネームよ。あの人、あんまりコードネームで名乗らないから」
    津村孝蔵:「あー、なるほど…」
    志木倫堂:「ああ、あの眼鏡の」
    陶 妙算:つるりとした陶器のような喉元、そこから続く薄く肉の乗った鎖骨がわずかに視界に入る
    陶 妙算:「じゃあ、それまでは何も口に入れてなかった」
    陶 妙算:「ということですか。」
    女性研究員:「胃の内容物の消化は3~5時間。少なくともその間は、ええ、そうね」
    女性研究員:「時間的にはギリギリでしょうけど、少なくともこの子はアパート襲撃の容疑者から外していいと思うわ」
    女性研究員:「……けど。問題はそっちじゃなくて、〝食物〟を見た時の反応かしら」
    陶 妙算:ほっと胸を撫で下ろす
    志木倫堂:「あん?」津村さんと同じようにほっとしていたところだったぞ
    女性研究員:「チョコレート、ビスケット、飴。おにぎり、サンドイッチ。ポークソテー。軍用携行食(レーション)」
    津村孝蔵:「腹が減ってる、だけで普通ああはならんわな」手に噛みついたことを思い出す。
    女性研究員:「この子は、直ぐに用意できた全ての食品に対して、〝まるで初めて見るような〟反応を示したわ」
    女性研究員:「ええ、〝津村支部長〟の仰る通り」
    女性研究員:「普通に育った子供なら、いくらお腹が空いたからって、誰かの腕を噛んだりはしないわね」
    志木倫堂:「……」
    陶 妙算:「けれど、チョコレートが食べられるとわかったら、それを口に入れたんですよね。」
    女性研究員:「ええ」
    津村孝蔵:「あー、今は支部長じゃないんだが……ん、もしかしてあんた旧T市のラボにいたか?」
    陶 妙算:「つまり、彼女には人を『食べ物』として認識するような記憶が刷り込まれているということですか?」
    女性研究員:「いえ、もっと単純かも知れない」
    女性研究員:「……彼女が人間の捕食を試みたのは、それが〝日常的な食事だったから〟とは考えられないかしら──それと」
    志木倫堂:「ああ、そうだな」
    女性研究員:「ええ、そうでしたね津村さん。……いいえ、T市ではありません、N市です」
    女性研究員:そう言うと女性研究員は、自分の顔を分かりづらくしている要素──レンズの分厚いメガネと、マスクとを外し、
    女性研究員:「……一度、葬儀の場でお目にかかりました」
    女性研究員:「服部ミズハと申します。……覚えておいでかは、分かりませんが」
    津村孝蔵:「あー…」少し間がある。「旧姓が、確か長嶺。服部が言ってたわ」
    服部 ミズハ:「ええ、そうです。生前は夫が世話になりました」座ったままで可動域も狭いながら、一礼
    津村孝蔵:「その節は、どーも」小さく礼。
    服部 ミズハ:「今回の事件は、聞いてます。私が解析担当に名乗り出たのも、その為」
    服部 ミズハ:「どうかお気遣いなく、津村さんは任務の為に邁進してください」
    服部 ミズハ:「……能力〝は〟ある人なんだ、って良く聞いてましたよ?」くすっ、と自分の言葉に笑いながら
    津村孝蔵:「…有難い。恩に着る」
    志木倫堂:(なんか偉かったんだな津村のおっさん)と思っているものの、空気を読んで黙っている
    津村孝蔵:「どうだか。他人の評価は自己評価と同じくらいあてにならんからな」
    玻璃上八里:(津村殿のお知り合いであったか……)思考にふけりつつ、撫でる手は緩めない!
    服部 ミズハ:「あらあら、そこは素直に受け取ってくださってもよろしいのに」
    服部 ミズハ:「けど、ええ。こちらの調査結果は」
    服部 ミズハ:「あてにしていただいても構いませんよ」
    陶 妙算:「それで」
    陶 妙算:「服部さんは〝日常的な食事"だったからとおっしゃいましたが」
    陶 妙算:「それは服部さんが彼女が発生してかなりの時間経過しているRBであると推測していると」
    陶 妙算:「受け取ってもよろしいのでしょうか。」
    服部 ミズハ:「……いえ、逆ね。寧ろ発生してからの時間はあまり長くないか──長かったとしても、人との交流機会が極めて少なかったと思うわ」
    服部 ミズハ:「この子の精神性は、本当に幼い子供よ。成長過程において、〝脳の物理的成長〟というボトルネックが無いレネゲイドビーイングなら」
    服部 ミズハ:「人と関わっただけ、生きた年月だけ休息に成長する。……その蓄積が、この子には極めて薄い」
    服部 ミズハ:「……それに加えて。何年も何年も、人肉だけで子供を育てるのは難しいと思うのよね、供給の問題として単純に」
    陶 妙算:「なるほど。」
    玻璃上八里:少女を起こさないように相槌!
    服部 ミズハ:「良くて2~3年、というところじゃないかしら。……いえ、だとすると今度は、また別な点が気になるんだけど……」
    陶 妙算:「彼女は」
    陶 妙算:「『母』を求めていました。」
    服部 ミズハ:「お母さんを……」
    志木倫堂:「あぁ」
    服部 ミズハ:「……お母さん? レネゲイドビーイングが?」
    陶 妙算:「彼女の『食事』と『母』。彼女が求めたものは僕が知り限りではそれだけです。」
    服部 ミズハ:「……………………」何かを考え込むような顔をして、
    志木倫堂:「そいつがうちに来ての第一声が俺の名の確認」
    志木倫堂:「んで次が、『お母さんを、助けて』だとよ」
    服部 ミズハ:「名前の確認……知識がある。継承する……? いえ、口頭で伝えられていた可能性も……いや、事例が……判断は……」ぶつぶつと呟きながらも、
    服部 ミズハ:それからあなた達に示すのは、レントゲン写真。全く何の変哲も異常もない、ただの人間のように見える、この少女の写真だ。
    服部 ミズハ:「……気になる点が、増えたわ」
    津村孝蔵:「…そうだ。こいつ自身の名前は?お前、聞いてないか?」志木くんに。
    志木倫堂:「聞いてねえな。起こしていいか?」
    志木倫堂:そう服部さんに質問します
    服部 ミズハ:「……しかたないかしら」と頷く。
    玻璃上八里:(……由解殿が言っていた『夢』も、共有しておくべきことになるか……?)
    志木倫堂:「おーいおーい」ゆさゆさ
    玻璃上八里:「……む!この子を起こすのか?」
    志木倫堂:「あ、あんたの方が向いてそうだな。よろしく頼むぜ」
    志木倫堂:「多少乱暴に起こしてもいい。うちのインターホンも乱暴にされたからな」
    玻璃上八里:「で、あれば……こちらの方が良いかな?」指をスナップ!
    玻璃上八里:(任意のまぶしめな光源演出)が少女を照らす!
    謎の少女:「んぅ……?」と、目をこすりながら起きます。
    志木倫堂:「うわっ」
    志木倫堂:覗き込んでいたのでついでにやられます
    玻璃上八里:「ぬう!これは失礼した!」〈スポットライト〉解除!
    服部 ミズハ:「け、結構思い切りがいいのね……」目をしょぼしょぼさせながら、目覚めた少女をひょいと抱き上げる。
    陶 妙算:「大丈夫?」
    謎の少女:「……ぅ」
    陶 妙算:「おはよう。」
    陶 妙算:「よく眠れた?」
    謎の少女:こくん、と頷く。
    陶 妙算:「チョコレートは美味しかった?」
    謎の少女:こくこく、とテンポを上げて頷く。
    陶 妙算:できるだけ刺激しないよう、優しげな声を出す
    陶 妙算:「よかった。甘いものは、美味しいよね。」
    陶 妙算:春のせせらぎにも似た柔らかく潤んだ瞳を少女に向ける
    陶 妙算:そのあと、とりあえず落ち着いているみたいです。と皆さんに目配せをします
    志木倫堂:「……名前。自分の。分かるか」
    志木倫堂:しゃがみ込んで、そう女の子に語り掛けます。
    志木倫堂:目つきが悪いのであまり良くない印象を与えるかもしれない。
    謎の少女:「なまえ……」
    謎の少女:「《ブレンデッド-032》」
    謎の少女:「……ぜろ、さん、にー」
    玻璃上八里:「……お主は、そう呼ばれていたのか?」
    《ブレンデッド-032》:「……ん」こくん、と頷く。まだ眠気が残っているのか、その応答は活発ではない。
    陶 妙算:《ブレンデッド−032》。自分の名前を聞かれそう応える少女を見て少し悲しい気持ちになる
    志木倫堂:「……あの女か」
    志木倫堂:拳を握りしめる。
    陶 妙算:「君の、お母さんには」
    陶 妙算:「なんて呼ばれてたの?」
    《ブレンデッド-032》:「……………………」
    《ブレンデッド-032》:「お母さんは、ね。ずーっと前に会っただけだから」
    《ブレンデッド-032》:「だから、分からないの」
    《ブレンデッド-032》:「……でも、お母さんの匂いは覚えてたし、お母さんの覚えてたことも」
    《ブレンデッド-032》:「ちょっとだけ、分かるの」
    陶 妙算:「……そっか。」
    玻璃上八里:「……」目を瞑り、少女を優しく撫でる。
    《ブレンデッド-032》:「ご飯の匂いがたくさんある時、お母さん、悲しそうだったから」
    《ブレンデッド-032》:「覚えてた人に、助けてもらおうとした、けど」
    《ブレンデッド-032》:「……お母さん、いなかった」
    陶 妙算:自分でも不思議に思う。あの時はあんなに怖かったこの少女に、今は親しみを哀しみを感じている。
    志木倫堂:「そうか」
    志木倫堂:また、激情に駆られそうになる。それを抑えこんで。
    《ブレンデッド-032》:服部に抱かれたままの少女の手が、
    《ブレンデッド-032》:志木。
    《ブレンデッド-032》:あなたの頬へと伸びる。
    志木倫堂:「よせよ」
    志木倫堂:そう言って。彼女の手を止めます。
    《ブレンデッド-032》:「……………………」止められた手を引き戻して、
    志木倫堂:「それが必要なのは、お前の方だ、ほら」
    志木倫堂:「知ってるだろ。センセイの子なんだから」
    志木倫堂:そう言って口の端を歪め、少女を見つめる。
    《ブレンデッド-032》:「……お母さん、これ、してくれた」自分の頬に手を当て、唇の端を軽く持ち上げて、
    《ブレンデッド-032》:「でも、ううん、違うの」
    《ブレンデッド-032》:その手は今度は──志木、あなたの目尻に伸びるだろう。
    志木倫堂:「おぉ?」
    《ブレンデッド-032》:吊り上がった目尻に指先を当て、ぐいと押し下げながら、
    《ブレンデッド-032》:「……こわくないよ」
    《ブレンデッド-032》:「だから、こわい顔しなくて、いいんだよ」
    《ブレンデッド-032》:そうして指先は、あなたから離れていく。
    志木倫堂:「……ん、あ……」
    志木倫堂:「ああ……」
    陶 妙算:「センセイにも、そんな風にしてもらったのかな?」
    陶 妙算:子供にペースを握られている志木くんを珍しいものをみたかのように眺めている。
    志木倫堂:「さっきまでのじゃ、不合格か? やっぱ」
    《ブレンデッド-032》:「……ちょっと、こわかった」
    志木倫堂:(——まだ)
    志木倫堂:(あの頃、逃げるために怒っていたように)
    陶 妙算:「僕は好きだけど。センセイの子供は厳しいね。」
    陶 妙算:目の縁いっぱいにみなぎる茶色い瞳を柔らかく潤ませながら言う
    陶 妙算:「ねえ、《ブレンデッド−032》ちゃん」
    《ブレンデッド-032》:「んぅ……?」眠たげに目をこすりながら応じる。満腹感と長距離を歩いた疲労感は、この短い睡眠時間では拭えていないらしい。
    志木倫堂:少し所在なさげに、陶くんとブレンデッドを見る。
    陶 妙算:「僕の名前は陶妙算っていうんだ。」
    陶 妙算:「陶は、苗字って言ってお父さんとお母さんの、そのまたお父さんとお母さんのそのまとお父さんとお母さんたちからずっと受け継がれてきたもので」
    陶 妙算:「妙算は、名って言って、お父さんとお母さんが、子供のためだけにつけてくれるものなんだ。」
    陶 妙算:(僕の場合は、違うけれど)と寂しげに笑う
    《ブレンデッド-032》:「……すえ、たえかず」
    《ブレンデッド-032》:その音を、物珍しそうに繰り返す。
    陶 妙算:「そう。」
    陶 妙算:「だからね。」
    陶 妙算:「僕たちは、君のお母さんが君につけたかった名前はわからないけど。」
    陶 妙算:「君がどんな苗字なのか、皆知ってるんだ。」
    陶 妙算:『僕たちは君のお母さんの友達だからね」
    《ブレンデッド-032》:「……みょうじ」
    陶 妙算:「だから、君のこと」
    陶 妙算:「お母さんと同じ、由解ちゃんって呼んでいいかな?」
    志木倫堂:「……そうだな。それはお前のもんだ」
    志木倫堂:目尻をぐにぐにと揉みながら
    《ブレンデッド-032》:「……よく、わかんないけど……いいよ……」
    《ブレンデッド-032》:両手で目をこすりながら少女は応じて──その内に、かくんとまた眠りに落ちるだろう。
    服部 ミズハ:「……32。生育期間は……いえ、レネゲイドビーイングの本質は……けど内部構造の再現率……」相変わらずブツブツと何かを呟いていたが、
    服部 ミズハ:「……っと。また寝ちゃったわね」手の中で脱力した少女を落とさないよう、些か慌ててしっかりと抱き留める。
    服部 ミズハ:「ごめんなさい。この子は私の方で面倒みておくわ──いいえ、面倒見させてちょうだい」指先を唇の前に当てて
    志木倫堂:やっぱ妙算には敵わないなーという目で美少年を見ているぞ
    志木倫堂:「ま、名前は追い追い決めてもらうか」
    志木倫堂:「センセイが帰ってくるからよ」
    志木倫堂:そうでない可能性を、否定するように。
    陶 妙算:「そうだね。」
    服部 ミズハ:「ありがとう、この子を気遣ってくれて」と、腕の中の少女を軽く揺するさまは、随分と少女に肩入れしているようだ。
    服部 ミズハ:「〝混ぜ物〟なんて名前と数字の組み合わせなんて……子供につける名前じゃないもの」
    陶 妙算:「僕も、似たようなものでしたから。」
    服部 ミズハ:「……そう」
    陶 妙算:寝静まった少女の髪を優しく撫でる
    陶 妙算:「じゃあ、センセイが帰ってこれるように、僕たちも頑張ろうっか」
    志木倫堂:「そーだな。これからも迷惑かけるぜ」
    玻璃上八里:「うむ!私も頑張るぞォ!!!」
    服部 ミズハ:「……ねぇ、津村さん」視線は腕の中の少女に落としたまま、その女性研究員は、あなたの名を呼んだ。
    津村孝蔵:「ん?」煙草に火をつけようとしていた。
    服部 ミズハ:「お子さんって……いらっしゃいますか?」
    津村孝蔵:「いねえな。そもそもこの仕事のせいで浮いた話がねえ」
    服部 ミズハ:「忙しいお仕事ですもんね。なかなかそういう話も見つからないでしょうし……」
    服部 ミズハ:「……私も多分。こんな風に自分の子を抱くことは、無いんだと思います」
    津村孝蔵:しばし沈黙する。「(……もう少し俺が…服部の言うような人間だったら……)」
    津村孝蔵:「(いや、やめとこう。時間は戻らん。矢と同じだ)」
    服部 ミズハ:「……ごめんなさい。責めてるんじゃないんです、でも」腕の中の少女を抱きしめ、その胸元に顔を隠すようにして、
    服部 ミズハ:「数えちゃうんです。生まれなかったどころか、存在さえしない子供の歳を」
    服部 ミズハ:「あの人が生きてたらって。結婚して一年くらいで子供が生まれたかな、今は一歳かな、二歳になったかな」
    服部 ミズハ:「どうして私達が、どうしてあの人がって……意味のないことばっかりずっと、考え続けて……──」
    服部 ミズハ:少しの間、彼女は、腕の中のぬくもりに顔を押しつけて押し黙った。
    服部 ミズハ:震える肩と背と。細く息を吐き出して呼吸を整えようとする試みが少し続いて、
    服部 ミズハ:「……《ラフィング・バーナー》を、殺してください」
    津村孝蔵:「……ああ。あらゆる手を使うつもりだ。今度は逃がさん。」
    津村孝蔵:「何より、俺はたぶんそれが得意だからな」
    津村孝蔵:「……人を助けるとか、守るとかは苦手だが、そっちなら。そっちなら、やれる」
    服部 ミズハ:「お願い……します……」消え入るような声で呟いた彼女は、そのまま顔を上げる事はなかった。
    津村孝蔵:煙草に火を点け、目の前の未亡人を眺める。
    津村孝蔵:「(……ちょっとばかり長く『武器』をやりすぎたかねえ、俺ぁ)」
    津村孝蔵:何も言わずに立ち上がり、ドアへ。「行くぞ。そこのカミの受け売りだが、やれることをやれ」
    GM:──────────
    GM:ロイス取得&調達が可能!
    志木倫堂:ボデマ 2dx>=12
    志木倫堂:みす
    志木倫堂:2dx>=12
    DoubleCross : (2R10[10]>=12) → 7[5,7] → 7 → 失敗

    玻璃上八里:自分もボデマをねらおう!買って配るぞーッ
    陶 妙算:由解ちゃん/有意◯/恐怖
    陶 妙算:ボデマ
    玻璃上八里:1dx+2>=12
    DoubleCross : (1R10+2[10]>=12) → 4[4]+2 → 6 → 失敗

    陶 妙算:2dx
    DoubleCross : (2R10[10]) → 9[1,9] → 9

    陶 妙算:ダメ!終わり!!
    津村孝蔵:ロイスは保留で。未亡人には悪いが、これを絆とするには津村さんは乾きすぎてしまった…
    津村孝蔵:そして調達はボデマ!
    志木倫堂
    ブレンデッドへのロイスを由解ちゃん/尽力〇/同情 へ変更
    玻璃上さんに好意〇/劣等感で取ります

    津村孝蔵:1dx+2>=12
    DoubleCross : (1R10+2[10]>=12) → 5[5]+2 → 7 → 失敗

    津村孝蔵:だめでした。
    玻璃上八里:ヌウーッ6点はつらい!見送るべきか!
    玻璃上八里:ロイスは……志木殿!
    玻璃上八里:〈欺いてしまったなぁ……〉〇庇護/心配で取得!
    玻璃上八里:以上で!
    GM:OK! シーンカット!

    マスターシーン


    GM:日付の感覚も無い。時間の感覚は薄い。数日に一度の食事でかろうじて、時間の経過を知る。
    GM:食事は美味だ。それが本当に腹立たしい。自分が〝人間ではない〟事を改めて思い知らされる。

    GM:──地下の獄。分厚いコンクリートで囲まれた直方体の空間の中。由解 瑛は壁際で横たわっていた。
    GM:立って歩き回ることも、室内に一つだけ設置された椅子に座っていることも自由だ。けれど体を起こさないのは、
    GM:その腹部が、重さを感じる程に膨れ上がっているからに過ぎない。
    訃静 零:「こーんにーちはー。元気してます? あ、お腹の赤ちゃんは。あんたは別にどうでもいいです」
    由解 瑛:「……今は、昼なのか」
    訃静 零:「変なところ気にしますねぇこの化け物ガチャは」
    訃静 零:「昼ですよ。晴天、風は強く乾燥がひどい。火を放ったら良く燃え上がるでしょうねぇ」
    GM:その声に、足音に、室内の〝子供達〟が怯えた。
    GM:〝彼女達〟の外見は由解 瑛に酷似している。体格は未就学児童程度だが。
    GM:皆、《ラフィング・バーナー》を怖れ、少しでも遠ざかろうとしている。
    GM:それが、学校の体育館程度のスペースの中に──何人も、何人も、何人も。
    GM:何人も、そこにいた。
    由解 瑛:「……なんの用だ」
    訃静 零:「お子さんにご飯を持ってきました」
    GM:愉悦を堪えきれぬのか。その言葉を終えるより早く訃静 零は笑い始めていて、
    GM:そして、その笑声を合図とするかのように、防護服を着込んだFHの構成員が室内へと、〝食事〟を運んで来る。
    GM:〝食事〟は騒音を生まぬようにか口に枷こそ施されていたが、他には捕食時に歯や口を傷つけないよう、余計な被服を許されていなかった。
    GM:死亡を偽装して誘拐された、アパートの住人の一人であった。
    由解 瑛:「お前」
    訃静 零:「はーいみなさーん、ご飯ですよー」
    《ブレンデッド》:「ごはん」
    《ブレンデッド》:「……ごはん?」「おなかすいた」「おなかすいた」「ごはん……」
    GM:ひぃっ、と声が上がった。殺到する少女達の足音で、たちまちその声は掻き消された。
    GM:……〝食事〟はたちまち少女達の波の中に呑まれたが、きっと彼女達全ての腹を満たすには足りなかっただろう。
    GM:由解 瑛だけがその光景に加わることなく、壁に背を預けたままで見ていた。
    GM:〝食事〟は僅かな骨だけを残して空になった。少女達はまだ空腹を満たしきっていない。
    訃静 零:「さて。それじゃあ、お食事の続きです。……この子達を上に移動させなさい」
    FH構成員:「はっ」
    GM:防護服の構成員達は、訃静へ目を合わせないように応じ、少女達を先導して、コンクリートの獄を出て行く。
    由解 瑛:「何を、する気だ……?」
    訃静 零:「あら、人間の親みたいな口ぶり。人にも成れず化け物にも成りきらない、中途半端の存在がねぇ」
    訃静 零:「相変わらず人間のまねっこばっかりやってるんです? 無駄無駄無駄、あんたは──」
    由解 瑛:「人か、化け物か。お前には大事な事なんだな」
    訃静 零:「……あぁ?」
    訃静 零:元より人の情を知らぬ声が、更に凍てつき、人から遠ざかる。
    由解 瑛:「お前は、化け物とか怪物とか、そういう言葉を良く使うな」
    由解 瑛:「人間は誰かを罵倒する時、自分が一番言われたくない言葉を使うらしいぞ」
    訃静 零:「……………………」
    GM:暫しの無言の後、訃静の足が疾風のように動いた。
    GM:痩躯から想像もできぬ速度と重量の蹴りは過たず由解 瑛の鼻を潰し、後頭部をコンクリートの壁に叩き付ける。
    GM:……無論。その程度でどうなる事もない。オーヴァードだ。痛みと怒りはあれ、命に別状は無い。
    GM:分かっているからこそ二度、三度。その蹴りは続けられる。
    GM:潰された顔はさほど経たぬ内に再生する。一方で訃静の顔は、怒りと愉悦とが混ざり合った奇妙な形のまま、いつまでも直る事はなく、
    訃静 零:「さて、お母さん。お食事の時間ですよ?」
    由解 瑛:「……食べない」
    訃静 零:「ハンスト? そりゃあ困りましたねぇ。いえいえ予想は出来ていた範疇なんですがぁ」
    訃静 零:「ま、あなたのお気持ちは分かります。食べたら殺しちゃいますもんねぇ。人を殺すのは人でなしですしぃ?」
    訃静 零:「でもまぁ大丈夫! そんなあなたには私からの、心からのプレゼントを差し上げましょう!」
    訃静 零:ぱん! と手を打つ。楽しげに。大仰に。
    GM:その音に誘導されて室内へ、自分の足で入って来たのは、
    GM:その、少女は。
    杉澤 あゆ美:「…………」
    杉澤 あゆ美:その少女は僅かな恐怖を意志で噛み殺し、平時と同じようなキザな笑みを取り繕っていた。
    由解 瑛:「杉澤さん……!?」
    訃静 零:「探して見つけてきましたよー、あなたの大好物。この子のこと、大好きでしたよねぇ」
    訃静 零:「人柄も、味も、何もかも。あなたはこの子を、本当に気に入ってた筈だ」
    訃静 零:「何より──食べても食べても死なない! 都合のいい餌だった!」
    由解 瑛:「あ…………」
    由解 瑛:──想起する。かつてFHの研究施設で、〝なんの力もない実験台〟として囚われていた日々を。
    由解 瑛:食事の時間は数少ない心安らぐ時だった。餓えと渇きを満たすことができたし、何より
    由解 瑛:自分を化け物と呼ばず、道具として扱わない誰かと話すことが出来たから。
    由解 瑛:……その〝誰か〟に一方的に苦痛を与える時間を、自分は待ち望んでいた。
    由解 瑛:それを由解 瑛は克明に思い出していたのだ。
    杉澤 あゆ美:「……瑛さん。昔のことを──訃静 零が私に何をしたか、忘れたわけじゃない」
    杉澤 あゆ美:「けれどね、思惑に乗ってしまう悔しさよりも私は」
    杉澤 あゆ美:「苦しんでいる瑛さんの助けになりたい」
    杉澤 あゆ美:杉澤 あゆ美は固い床へ横たわる。無防備に両腕を広げて、首を仰け反らせて。
    由解 瑛:「駄目だ、それは……駄目、なんだ」
    杉澤 あゆ美:「大丈夫、慣れたものだよ」
    杉澤 あゆ美:「……さぁ。今は少しでも力を蓄えておいて──」この囁きばかりは、訃静に聞かれぬように声を潜めたが、
    GM:その配慮は無用であった。
    GM:憔悴した体と精神。限界に達した餓え。目の前に吊されたのは、安らぎに辿り着く術。
    GM:人間を真似た生物が、人間の腹を噛み破る光景を前にして、
    訃静 零:「く、くく……アッハッハッハッハッハッハッハ!!! あー、これこれ、これですよ!!!」
    訃静 零:「気丈な顔なんざ見たくもない! その顔だ!」
    訃静 零:「血と涙でグチャグチャのその顔こそが、あなたの存在意義だとよーくわかりますとも、ええ!」
    GM:──食事は美味だ。
    GM:それが本当に腹立たしい。
    GM:自分が〝人間ではない〟事を改めて思い知らされる。

    シーン4


    GM:全員登場です。登場侵蝕をどうぞ。
    陶 妙算:1d10+67
    DoubleCross : (1D10+67) → 2[2]+67 → 69

    玻璃上八里:42+1d10 シーンイン!
    DoubleCross : (42+1D10) → 42+3[3] → 45

    陶 妙算:よっし
    玻璃上八里:浸食45
    志木倫堂:1d10+45
    DoubleCross : (1D10+45) → 4[4]+45 → 49

    津村孝蔵:48+1D10
    DoubleCross : (48+1D10) → 48+9[9] → 57

    GM:全体的に落ち着き目

    GM:では。
    GM:あなた達は戦場へ向かう。
    GM:第八地区内に存在するその廃病院は、数年前に経営破綻した。
    GM:土地と建物の権利者は同一。偏屈な人物で取り壊しを進めようとしない──というのは噂話。
    GM:肝試しに入った数組の若者は、口を揃えて〝二度と行かない〟と言う。
    GM: 
    GM:照明の無い廃墟の中をあなた達は歩いている。
    GM:雨水の溜まった廊下。苔むした壁。割れ窓から差し込む日の光と、場違いに爽やかな秋の風。
    GM:……方々に散らばる生物の気配。そして建物の奥から、かすかに聞こえるうめき声。
    GM:という感じでおのおの登場をお願いします。
    志木倫堂:「……何かいるな」
    陶 妙算:「うん」
    志木倫堂:いつでも駆け出せる体勢で廊下を進む。
    玻璃上八里:「ああ。何が出てもおかしくはない」一行の周囲には、既にいくつかのカミ飛行機が旋回している。
    陶 妙算:柄に手をかけ、重心を一定に保つ歩法で進む
    津村孝蔵:「敵性なら、落とす」いつも通りにゆっくりと歩く。右手には弓。
    玻璃上八里:「最低限の警戒はしておくが、各々油断はするな」
    陶 妙算:「そのカミヒコウキの索敵範囲は?」
    玻璃上八里:「今操作している数だと……通路向こうを調べて置ける程度かな」
    GM:では。声を追ってあなた達は、かつて院長室だった部屋へと辿り着く。
    GM:扉はそもそも蝶番から外れていて、室内の様子は廊下からでも見て取れる。
    GM:そこでは、椅子に縛り付けられた男が、必死に暴れて縄を解こうとしていた。……試みが成功する様子は無いが。
    FH構成員:「むぐうぅうーっ! うーっ!」猿ぐつわを噛まされていて、まともな言葉を発することが出来ていない。
    志木倫堂:「……何だァ?」
    志木倫堂:「どうすりゃいいと思う、おっさん」
    玻璃上八里:「ひとまず、私が向かうか?津村殿」
    志木倫堂:何となく年長者に伺いを立ててみます
    陶 妙算:津村さんの指示を待つ
    津村孝蔵:呼ばれ慣れている。「そりゃあまあ、まずは周りのチェックだわな」
    津村孝蔵:「露骨におかしい物が単独で落ちてるよりは、周りに原因とかあるほうが多いだろ」
    GM:ふむ。
    GM:では。院長室には、朽ちた家具くらいしかめぼしいものは無い。
    GM:いや、明らかにおかしいものが一つあるか。
    GM:彼が座る椅子のすぐ向こうにはデスクが。その上にはモニターが一台有って、そのモニターだけはどういうわけか電源が入っている。
    GM:アメリカ映画でよく見られる、モニターの上にカメラがついててビデオチャット向けなあのタイプだ。
    津村孝蔵:「カミ、あれ調べられるか?視聴覚どっちでもいい」
    玻璃上八里:「うむ。やってみよう」かさり、とスーツの袖口からカミ細工が出てくる。
    津村孝蔵:「気付かれたかヤバそうなら合図しろ。そんときゃ…突っ込むしかねえな」
    玻璃上八里:甲殻類のある生物を模したそのカミ細工は、壁を歩んでパソコンのマウスに向かう。
    GM:では、特に危険なトラップとかそういうのは何もないよ!
    GM:な事が分かるとしよう。
    GM:どストレートに言うならばこのモニターは
    GM:ビデオチャットの機能の為だけに備えられている。
    津村孝蔵:モニタに何が写ってるかわかりますか
    GM:今現在はどこかの殺風景な部屋で、無人の椅子が映ってるとしましょう。
    玻璃上八里:「よし、大丈夫そうだな!」周囲に張り巡らせたカブトガニの金カミ細工を回収!
    志木倫堂:「よーっしそこの男。どういう状況なのか、なっと」
    志木倫堂:猿轡を外そうとするぞ
    FH構成員:では、猿轡を外された男は思いっきり息を吸い込んでから、
    FH構成員:「お、お前ら仲間か!? それともUGN!? 仲間なら助けてくれ!」
    FH構成員:と、縛り付けられた椅子をガタンガタン揺らして叫ぶ。
    陶 妙算:「UGNですが、状況次第では救助もしますよ?」
    陶 妙算:瞬きする度に音がしそうな濃い睫毛に囲まれた瞳をFH構成員に向けながら言う
    玻璃上八里:「偽りなく状況を教えてくれれば尚良しだな!」
    津村孝蔵:「とりあえず説明しろ。簡潔なほうが助かる」
    志木倫堂:「そーだな。助かりたいならそれ相応の態度ってもんがある」
    FH構成員:「せ、説明って何をだよ!?」
    FH構成員:「ガキを逃がしたんだよ! 可哀想だと思って魔が差したんだ、それだけなんだ──ひぃいいぃっ!!」
    志木倫堂:「!」
    玻璃上八里:「ふむ……子供を一人か。」
    志木倫堂:恫喝するような笑みから虚を突かれた表情へ
    玻璃上八里:「もう少し聞こう。その子供の特徴は?」
    FH構成員:「と、特徴!? 白っぽい顔と髪で赤い目だ! 別に重要そうな扱いでもねえし、一人くらい逃がしてもバレねぇかと思ったら──」
    玻璃上八里:「成る程な……」
    陶 妙算:「由解ちゃんの特徴と一致しますね。」
    志木倫堂:「……解いてやっていいか?」
    玻璃上八里:「うむ!何に恐れているかもわからんからな!」
    訃静 零:『あー。それは困っちゃいますねぇ』と、モニターから声がする
    志木倫堂:「そうかよ」
    FH構成員:「ひぃっ!?」椅子に座ったまま倒れんばかりに仰け反った。
    志木倫堂:特に驚きもなく、能力で彼を縛る縄を焼き切ろうとします。
    玻璃上八里:「……今、分かったな。」
    FH構成員:縄を切られた男は、床を這うように逃げようとするも、腰が抜けているのか思うように動けない。
    訃静 零:そしてモニターの声に遅れて、その姿が画面に映る。椅子に腰掛けて、背もたれに寄りかかってぐうっと伸びをしてから、
    陶 妙算:「もう一つ質問です。」
    陶 妙算:「この部屋に、何があるんですか?」
    訃静 零:『あーら陶くん。そのご質問は私宛? それとも、そこの仕事の出来ない間抜け野郎宛?』
    訃静 零:『後者だったらマジムカ案件なんで先にお答えしますと。餌がある、ってお答えになりますかしらん』
    陶 妙算:「全く信用のない方への質問って何か意味があるんですかね?」
    訃静 零:『わーお、辛辣。反論の余地が無いから困ったもんです』
    志木倫堂:「……餌、それは」
    志木倫堂:《ブレンデッド》の————?
    津村孝蔵:「モニタと椅子を食うわけじゃなけりゃ、あいつのことだろうな」とりあえずモニターをぐっと回転させて、カメラの視界から構成員を消す。強く生きてくれ。
    志木倫堂:ならこの部屋に居たら危ないんじゃないか、という目で津村さんを見る
    訃静 零:「しかし、まぁまぁまぁ、四人もぞろぞろと」
    訃静 零:「実験台(モルモット)に玩具(びしょうねん)、不健康体(やくたたず)に孵卵器(おんな)?」
    津村孝蔵:「あいつと違って俺らは動けるだろ」
    訃静 零:「しかもうち3人は見覚えのある顔とか、こりゃ日頃の行いの良さに神様がサービスしてくれたんですかねぇ」
    訃静 零:「……ねぇ、津村支部長」
    訃静 零:「動けるって言うなら、あの日に私を運ぼうとした無能連中も動けてましたよ?」
    訃静 零:「動けないようにするまで、そう時間も掛かりませんでしたが」
    玻璃上八里:「いや、特に私は加護を与えたつもりはないのだが……?」
    志木倫堂:「ごちゃごちゃうるせえよ。どこに居やがる?」
    訃静 零:「下ですよ、下」
    志木倫堂:「あ?」咄嗟に下を向く。素直なので。
    訃静 零:「……えーと。地下階、って意味合いだったんですけども、はい。相変わらずおつむの方が、その」
    訃静 零:「……もしかして楽しい実験タイムでちょっとおかしくなっちゃったりしました……?」
    津村孝蔵:「じゃああれだ、もう俺らはちょっと動くし戦えるやつ」「あと、今はその階級の二三個下だ」
    志木倫堂:「バッカやろぉ今のはあれだよ。ジョークだ」
    玻璃上八里:「フハハーッ!!!斬新な視点も舞台の維持には大事だぞォ!!!」
    志木倫堂:「文化的人類の在り方ってヤツを学んだんだよ」
    訃静 零:「おやまぁ、ジョークと来た。まるで人間みたいな事を言うんですねぇ化け物風情が──と」
    訃静 零:「いけないいけない。こちとら本拠に踏み込まれてるんでした、うかうかしてると大ピンチ!」
    陶 妙算:「また逃げるんですか?」
    訃静 零:「……ご冗談を。一度此処で追っ手を潰しておかないと、安心して逃げられやしない」
    訃静 零:「ええ。せっかくそちらから出向いてくれたんだ。分かりやすく決着をつける為に提案しましょう」
    訃静 零:「降りてきなさい」
    訃静 零:「さもなくば《ブレンデッド》を全てこのN市に放ちます」
    玻璃上八里:「ふーむ。潔いことだ」(当然備えも万端であろうなぁ)
    陶 妙算:「貴方にしては随分堂々とした申し出ですね。」
    GM:──正々堂々。そんなことは〝あり得ない〟というのは、言うまでもない事だろう。
    GM:この申し出は罠だ。
    GM:罠の中に率先して飛び込んで来いと、敵は言っている。
    志木倫堂:「はーん。殊勝な申し出じゃねーか。宗旨替えしたか?」
    志木倫堂:「じゃあま、遠慮なく」
    志木倫堂:熱。
    訃静 零:「……む」
    津村孝蔵:察する。やれ、と目で促す。
    玻璃上八里:「む?」意図に気づいてない!
    津村孝蔵:咥えていたタバコをモニタのカメラに押し付ける。「こっから先は有料放送だ」
    志木倫堂:景色が歪む。熱と気流でモニターがひしゃげて吹き飛んだ
    志木倫堂:とんぼを打って跳躍、天井に両足をつけ、火炎を纏った拳を構える。
    志木倫堂:「いくぜっ!!!!」
    志木倫堂:轟音。おぞましい熱量を伴った衝撃が床材を燃やし、溶かし、破砕し、貫通し。
    志木倫堂:彼らの立つ地面が、砕ける!
    GM:──モニターから最後に聞こえたのは「なにを」という短い言葉だ。
    GM:それを最後にあなた達の立つ足場は、
    GM:痛烈無比の一撃よって粉砕される!
    陶 妙算:「え?わっ」
    陶 妙算:察せてなかった!いきなり足場が消えバランスを崩すっ
    玻璃上八里:「陶殿!」崩れる足場の中、とっさに手を掴む!
    津村孝蔵:「よっ」部屋の端の残った足場に移ってから、改めて下に飛び込む。
    陶 妙算:「玻璃上さ……っ」
    玻璃上八里:「ヌオワーッ……!」落下!!!
    陶 妙算:きゅっとその手を握り返す。
    GM:──床の下に広がる空洞は、日の光を知らぬ空間は、
    GM:あなた達を呑み込むべく口を開けている。
    GM: 
    GM:……落下時間自体は、数秒というところだったろう。
    GM:落下距離も30m有るか無いか。オーヴァードならばさほどの消耗無く耐えうる範囲だ。
    GM:あなた達は、床に辿り着いている。
    志木倫堂:「……っとと。思ったより落ちたな」
    GM:頭上には光差し込む丸い空洞。足下は、地上階の何倍も頑丈な素材の床だ。
    志木倫堂:悪びれずに周囲を見渡すぞ!
    陶 妙算:玻璃上さんの鼻腔を柔らかな桃の香りがつきます。
    陶 妙算:その上には濡れ羽カラスの黒髪と清らかな白い肌を持った少年が倒れてる
    津村孝蔵:「おーおー、派手にやったな」落ち着いた声で。「っと」遅れて落ちてきた構成員くんをキャッチ。
    玻璃上八里:「うぬぅ……」何とか立ち上がろうとして、気づく!
    玻璃上八里:上に乗る少年の存在に。
    陶 妙算:濡れ羽カラスの黒髪と清らかな白い肌を持った少年が玻璃上さんの上に乗っている
    陶 妙算:「あ……っ」
    玻璃上八里:「……怪我はないか?陶殿」そっと、陶君の肌についた埃を拭います。
    陶 妙算:「ご、ごめんなさい。すぐにどき……っ」
    津村孝蔵:「お、ラッキーだな少年。役得だと思っとけ」
    陶 妙算:反射的に動こうとした身体が止まる
    陶 妙算:目をつむり、カミのその優しげな手を受け入れる
    陶 妙算:「…はい、おかげさまで。ありがとうございます。」
    玻璃上八里:「良かった。カミの抱擁の心地は如何かな?」
    玻璃上八里:そのバストは平坦であった。カミのごとく。
    陶 妙算:「……っ」
    陶 妙算:白い絹のようにきめ細やかな頬に熱が灯る
    陶 妙算:桃の香りがかすかに強くなる
    陶 妙算:「や、柔らかくて、いい香りがしました…」
    玻璃上八里:「……フ。」
    玻璃上八里:「直球で返されると、流石に照れてしまうな……」こちらも少し赤面。
    陶 妙算:頬の熱に耐えられなくなったように、立ち上がる
    陶 妙算:「す、すいません。玻璃上さんにはこういう時に照れてなにも言えなくなる方が失礼かなと思いまして」
    陶 妙算:「あ、そういえばあのFHの方はっ」
    陶 妙算:無理に話題を変える!
    FH構成員:津村さんにキャッチされてぐでんとなっている
    玻璃上八里:「クク。そういう甲斐性も大事であろうなァ」
    津村孝蔵:「たぶん怪我はない。あってもオーヴァードならすぐ直るだろ」
    玻璃上八里:パンパンとスーツの埃を払い、立ち上がる!
    陶 妙算:「よかった。津村さんが助けてくれたんですね。」
    志木倫堂:「気が付くなぁおっさん。偉いぜ」
    津村孝蔵:「すっかり伸びてるがな」
    津村孝蔵:とりあえず安全そうなところに寝かせる。
    玻璃上八里:「流石だな津村殿ォ!」
    志木倫堂:では一つ深呼吸をして。
    志木倫堂:「じゃ、ケリつけよーぜ」
    志木倫堂:なんかありそうな方に、向かう……!
    GM:その声に応じるかのように、足音がする。地上階でも感じていた気配だ。
    GM:かつん、かつん、かつん、
    《ブレンデッド》:「……………………」
    《ブレンデッド》:「ごはんだ」
    《ブレンデッド》:と。あなた達を見て、その少女は言った。
    陶 妙算:「由解ちゃん……?」
    志木倫堂:「いや、違う」
    GM:そうだ。違う。
    志木倫堂:片手で陶くんを気持ち庇いつつ……
    《ブレンデッド》:「ごはん」「ごはんだ」「おなかすいた」「ごはん」「たべたい」「ごはん……」
    GM:後から、後から、その影は増えていく。
    津村孝蔵:「31以下か、33以上だろうな」弓を構える。
    玻璃上八里:「……そのようだ」スーツの前ボタンを外し。肩にかける。
    陶 妙算:自分の前にいるその手が、とても心強いものに見えた
    GM:その頃にはあなた達の目も闇に慣れているだろうし、完全に、その光景を見ることが出来るだろう。
    《ブレンデッド》:「たべていいの」「たべたい」「ごはん」「いっぱいいる」「たべたい」「たべたい」
    陶 妙算:「一応言っておくけど」
    陶 妙算:「僕たちはご飯じゃないよ?」
    GM:通路の奥から、単調な言葉を繰り返して近づいて来るその姿は──
    GM:出来の悪いゾンビ映画のようでもある。
    玻璃上八里:「フハハ。虫歯の心配も必要そうだなァ」
    《ブレンデッド》:「おなか、すいた」少女達のその声だけは、綺麗に重なって響く。
    志木倫堂:「ふーーっ、全くよぉ。胸糞悪ぃぜ」
    志木倫堂:相貌が険しくなっていく。
    陶 妙算:志木くんの言葉に深く頷く
    陶 妙算:「うん、この子達は、何も悪くない…わけじゃない。」
    陶 妙算:「けど、この子達も被害者だ。」
    陶 妙算:「助けなきゃ、ダメだ。」
    志木倫堂:「そーだな。まずはその為に」
    陶 妙算:剣を構える。自分の剣は1対1、多くても1対3程度を想定して術理だが、それでも切り抜けないといけない
    志木倫堂:「押し通る!」
    津村孝蔵:「…できるだけ、脚を狙え。「止める」ならそれだ」
    陶 妙算:「……はいっ」
    玻璃上八里:「うむ!無力化ならカミもいい考えがあるぞォ!!!」
    玻璃上八里:(任意の決めポーズと光源演出)と共に。
    玻璃上八里:袖口から、足首から。銀紙のカブトガニたちが大地へ這い出る!
    エンゲージ

    《ブレンデッド》1.2.3

    5m

    PC

    5m

    《ブレンデッド》4.5.6

    GM:では、ミドル戦闘に入る。
    GM:勝利条件は敵オーヴァードの全滅。
    GM:セットアップ!
    陶 妙算:なしっ
    津村孝蔵:なし。
    玻璃上八里:なし!
    志木倫堂:永遠の炎!
    GM:でたな火力の鬼
    志木倫堂:エターナルブレイズ侵食+2、ターン中攻撃力を20上昇 行動値-5
    GM:エネミーも無し!
    GM:では玻璃上さんの手番だ!
    玻璃上八里:フハハハハーッ!!!
    玻璃上八里:マイナー前にオートでボルトアクションライフル装備!
    陶 妙算:カミ!カミ!!
    玻璃上八里:マイナーでボルトライフル効果使用!命中判定+5!!
    GM:さあこい!
    GM:ガードを選択するぞぉ!
    玻璃上八里:メジャー!金運招来ビームコンボ!
    玻璃上八里:コンセ3カスタマ3ギガンティックでブレンデッド1,2,3エンゲージをまとめて攻撃だ!
    GM:判定からダメージダイスまでどうぞ!
    玻璃上八里:9dx7+4+5 ボルライ補正込み!
    DoubleCross : (9R10+4+5[7]) → 10[1,1,4,6,8,8,9,10,10]+10[3,4,5,7,10]+3[2,3]+9 → 32

    玻璃上八里:ボルライ破壊でこのままダメージ!
    玻璃上八里:コンセ2だったのでクリティカル8でした、大変失礼しました……
    玻璃上八里:9dx8+4+5 ケジメして振り直し!
    DoubleCross : (9R10+4+5[8]) → 10[2,2,3,5,6,6,7,9,10]+10[1,8]+7[7]+9 → 36

    玻璃上八里:変わんねー!!!改めてダメージ!
    GM:ほら増えたぁ!
    玻璃上八里:4d10+8 装甲色々有効!
    DoubleCross : (4D10+8) → 27[2,5,10,10]+8 → 35

    GM:装甲は無いがガード値がある……ぎり生き延びる!
    GM:イメージとしては、大量に押し寄せてきた少女達の前列を薙ぎ払ったらその後ろにまだいた感じだ!
    GM:演出をどうぞ。
    陶 妙算:ま、マジかっ!?結構固い!!
    玻璃上八里:おのれ—ッ!!良ければ演出!
    津村孝蔵:ぐぬぬ
    玻璃上八里:「少女たちよォ!!!本日はお主たちに新たなるご飯と教訓をプレゼントしよう!!!」
    玻璃上八里:次々にはい回るカブトガニたちが《ブレンデッド》達の口に飛び込んでいく!
    玻璃上八里:「しっかり噛みしめると尚良しだぞォ!!!」
    《ブレンデッド》:「…………」敵だ。防衛手段の一つを振るう。歯。
    《ブレンデッド》:がぎんっ。
    玻璃上八里:「そしてェ!教訓の時間だ!!!」ペラり、とカブトガニを折った銀紙の裏を見せる。
    玻璃上八里:『超電導』。
    玻璃上八里:「知らないものを口に入れると痛い目を見るというなァ!!!!!」
    陶 妙算:「自分で口に入れさせておいてっ!?」
    玻璃上八里:噛みしめられたカブトガニたちが、歯すらもを砕きかねない生体電流を発電!!
    GM:なにげに酷い威力!
    《ブレンデッド》:「……んぶぅううぅっ!?」
    《ブレンデッド》:歯をがっちり噛み締めた瞬間の通電。〝奥歯をガタガタ言わせる〟が実現する希有な瞬間。
    《ブレンデッド》:前方の群れの、前列を構成していた少女達が一斉に感電、こてんとひっくり返る。
    《ブレンデッド》:「きゅうぅ……」
    《ブレンデッド》:……が。まだその後ろに、今の攻撃を学習した次の群れが、
    《ブレンデッド》:「おなかすいた……」気絶した姉妹を踏み越えて、あなた達へ詰め寄っていく。
    玻璃上八里:「フハーッ!?思ったより数が多いなこれェ!??」
    GM:では。
    GM:エネミーのターンだが数が多いので纏めて処理する!
    志木倫堂:エターナルブレイズの侵食間違えてました。修正!
    GM:まずは6d4
    GM:6d4
    DoubleCross : (6D4) → 18[4,4,4,1,2,3] → 18

    GM:カミだけ3発、後はみな1発ずつか
    陶 妙算:カ、カミーーー!!
    GM:偏りが酷いな!
    玻璃上八里:変なもの食わせるから……
    GM:12dx PC1
    DoubleCross : (12R10[10]) → 10[2,2,2,2,3,4,5,7,8,8,8,10]+9[9] → 19

    GM:12dx PC2
    DoubleCross : (12R10[10]) → 10[2,3,3,4,5,5,6,7,8,8,9,10]+2[2] → 12

    GM:12dx PC3
    DoubleCross : (12R10[10]) → 10[2,2,3,3,5,6,7,8,9,9,10,10]+8[4,8] → 18

    GM:12dx PC4
    DoubleCross : (12R10[10]) → 9[1,3,3,3,4,5,5,5,7,8,8,9] → 9

    GM:12dx PC4-2
    DoubleCross : (12R10[10]) → 10[1,1,3,3,5,5,6,7,7,7,7,10]+3[3] → 13

    GM:t
    GM:12dx PC4-3
    DoubleCross : (12R10[10]) → 10[2,2,4,4,4,5,6,7,7,7,7,10]+5[5] → 15

    GM:ふむ、ではあらためて
    GM:マイナー、全員が中央のエンゲージへなだれこむ!
    GM:メジャー、全員が《鮮血の一撃》+《アニマルテイマー》! 対象と命中ダイスは先の通り!
    陶 妙算:ぎゃー!こええ!!
    GM:カミだけリアクション3回、後の面々も1回ずつどうぞ!
    陶 妙算:ドッジ!
    志木倫堂:回避!
    津村孝蔵:ドッジ!
    陶 妙算:4dx+1
    DoubleCross : (4R10+1[10]) → 8[6,6,6,8]+1 → 9

    陶 妙算:きゃいん
    志木倫堂:5dx+1
    DoubleCross : (5R10+1[10]) → 9[1,3,8,8,9]+1 → 10

    志木倫堂:だめー!
    津村孝蔵:2DX
    DoubleCross : (2R10[10]) → 8[2,8] → 8

    津村孝蔵:だめですね。
    玻璃上八里:1dx+1>=9 ドッジ!
    DoubleCross : (1R10+1[10]>=9) → 1[1]+1 → 2 → ファンブル

    玻璃上八里:1dx+1>=13
    DoubleCross : (1R10+1[10]>=13) → 4[4]+1 → 5 → 失敗

    玻璃上八里:1dx+1>=15
    DoubleCross : (1R10+1[10]>=15) → 6[6]+1 → 7 → 失敗

    玻璃上八里:当然ダメ!!!
    GM:OK! 全部命中!
    GM:2D10+10 PC1
    DoubleCross : (2D10+10) → 11[7,4]+10 → 21

    GM:2D10+10 PC2
    DoubleCross : (2D10+10) → 7[4,3]+10 → 17

    陶 妙算:生存!
    GM:2D10+10 PC3
    DoubleCross : (2D10+10) → 11[3,8]+10 → 21

    GM:2D10+10 PC4
    DoubleCross : (2D10+10) → 5[1,4]+10 → 15

    津村孝蔵:何とかいきてる。
    GM:2D10+10 PC4-2
    DoubleCross : (2D10+10) → 5[4,1]+10 → 15

    GM:2D10+10 PC4-3
    DoubleCross : (2D10+10) → 12[3,9]+10 → 22

    志木倫堂:生存
    GM:カミが2回リザレクトかしら!
    GM:随分的が集中してしまった
    玻璃上八里:最初だけ耐えて当然死!リザレクト二連!
    志木倫堂:カバーすればよかった
    玻璃上八里:1d10
    DoubleCross : (1D10) → 5

    玻璃上八里:1d10
    DoubleCross : (1D10) → 5

    GM:よし、では軽く演出。
    玻璃上八里:侵蝕45→53→63
    HP5

    GM:──その群れは、〝群れの一部〟の欠落を認識した瞬間、走り出した。
    GM:あなた達を取り囲むのは、数十──いやさ、百をも超える、同じ顔をした少女達の群れ。
    GM:個体の差を識別することすら難しい少女達が、津波の如く押し寄せて──
    GM:噛みつこうとする。爪で切り裂こうとする。肘の骨が変形して生成された刃にて切断しようとする。体躯に見合わぬ握力で肉を引きちぎろうとする。
    GM:……姿こそ同じだが彼女達の殺意の発露は、実に様々な形で行われた。
    GM:一体ずつは、極めて惰弱な戦力。だが束ねれば相応く悍ましい、化け物の群れであった。
    陶 妙算:一人、二人、三人までは振り払える。しかし、陶の技量ではそれが限界だった。
    志木倫堂:軽く舌打ち。炎の円で牽制するが、それをすり抜けていくつもの個体が襲い来る!
    陶 妙算:3人めを振り払ったところで4人目に噛みつかれる。白いシャツが血で赤く染まり、痛みで動きが止まる
    陶 妙算:止まった瞬間、それまでに躱したはずの《ブレンデッド》たちにも追いつかれる
    玻璃上八里:「ヌワーッ!活発だなァこ奴ら!!」スーツ毎カミ砕かれ、血と共に仕込まれていた折り紙が飛び散る!
    陶 妙算:「う、あああっ」
    志木倫堂:「妙算!」
    陶 妙算:「ぼ、ぼくはだいじょうぶ。それより玻璃上さんがっ」
    津村孝蔵:弓を使わず足技でいなすが、死角から一撃を食らう。「これだからガキは…!」と悪態をつきながら蹴り飛ばす。
    志木倫堂:では周囲に気を取られた隙に自分も攻撃を受ける。炎の制御が甘く、吹き払いきれない!
    battle1

    GM:前回のあらすじ
    GM:ちんまいのがわらわら出てきた。
    GM:前方の群れはあらかた片付いたがまだちょっとだけ残ってる。
    GM:後ろの群れは健在。
    GM:そしてエンゲージは全員一緒の大混戦だ。
    GM:そして行動の手番は津村さんである!
    津村孝蔵:ブレンデッド4に、《原初の赤:巨人の斧》で攻撃。武器はもちろんグリッチ。
    GM:OK! 対応はガード、判定からダメージダイスまでどうぞ!
    津村孝蔵:3DX+10
    DoubleCross : (3R10+10[10]) → 5[2,4,5]+10 → 15

    津村孝蔵:26+2D10
    DoubleCross : (26+2D10) → 26+20[10,10] → 46

    津村孝蔵:殺意のダイス
    GM:わあお
    GM:文句なしに4は撃墜! 演出どうぞ!
    津村孝蔵:群れの攻撃を転がってかわしながらの射撃。ゴォンという低い音とともに黒い軌跡が地面すれすれに描かれ、経路にいたブレンデッドが将棋倒しに転倒していく。
    津村孝蔵:「これでしばらくは追ってこれんだろ」「残りは任せた」
    志木倫堂:「おおっ やるな津村のおっさん!」
    《ブレンデッド》:わらわらと立ち塞がっていた少女達の群れが、面白いように将棋倒しにされていく!
    《ブレンデッド》:ふっとんだ誰かが誰かの足を払って、それで転ぶ誰かが誰かの袖を掴んで引きずり倒す。
    《ブレンデッド》:早朝の駅もかくやという大混乱に、通路の一つが口を開けた──が、まだ敵は多い!
    GM:以上、次の手番は陶くん!
    玻璃上八里:「おお!ひとまず一角は空いたか!」舞い散る金紙が独りでに負傷個所を覆い隠していく!
    陶 妙算:はい!
    陶 妙算:では5に向けて、素殴り!
    陶 妙算:4dx+30
    DoubleCross : (4R10+30[10]) → 8[2,6,8,8]+30 → 38

    陶 妙算:ei
    GM:ガード!
    GM:やっぱり固定値の暴力が強い
    陶 妙算:4d10+15
    DoubleCross : (4D10+15) → 19[1,9,4,5]+15 → 34

    GM:……惜しい! ガード値6、僅かに……ごく僅かに残る……!
    陶 妙算:うーむ、低い…!
    GM:演出どうぞ!
    陶 妙算:〈すう〉
    陶 妙算:と一つ深く呼吸をする。
    陶 妙算:気を静め、《ブレンデッド》たちの動きを見極める
    陶 妙算:自分の技量ではこの数の敵の全ての動きを見切ることはできない。
    陶 妙算:見極めれないものは切り捨て、6人分の数瞬先の動きを読む
    陶 妙算:〈つい〉
    陶 妙算:と流れるように陶の身体が動いた。
    陶 妙算:脇構えから発して、摺り上げ、払い、小手を斬り、あるいは地生にかけ、小手をすくい斬りし、横一文字に払い、さらに体を沈めて胴を斬り、敵の脇へ脇へと抜けて廻る
    陶 妙算:最後の一人で馳せ違う瞬間、目が合った。
    《ブレンデッド》:「……ころすの……?」
    陶 妙算:その眼を見て知己の少女の顔が脳裏に浮かぶ
    陶 妙算:一瞬、刃が鈍る
    陶 妙算:「……殺したくないよ。」
    陶 妙算:「君たちは、そうじゃないの?」
    陶 妙算:迷いが、遅れを生み。本来あるべき太刀筋よりもわずかに浅くなる。
    陶 妙算:「ごめん、しくじった」
    陶 妙算:「志木くんっ」
    《ブレンデッド》:「わたしたちは」
    《ブレンデッド》:「しにたく、なかった──」
    《ブレンデッド》:……その言葉は借り物だ。
    《ブレンデッド》:同一の顔を持つ、自我すらも定かでない群れ。生存の本能すらも定かではない。
    志木倫堂:「ああ、妙算」
    《ブレンデッド》:故に彼女達は怨みも憎みもせず、ただ空腹だけを嘆いて斃れていく。
    《ブレンデッド》:……だが、カミよ。玻璃上 八里よ。
    《ブレンデッド》:あなただけはその言葉を、少し前に聞いたのだ。
    GM:さて、敵はまだ残っている。
    GM:志木くん! 手番だ!
    志木倫堂:他の奴らがどう思うかは知らないが——
    志木倫堂:「俺はそういうの、いいと思うぜ」
    玻璃上八里:「……。」聞き届ける。
    志木倫堂:いきます。
    志木倫堂:マイナー氷炎の剣1からコンセ2結合粉砕5フレイムタン1 侵食+11して
    志木倫堂:10dx@8+2
    DoubleCross : (10R10+2[8]) → 10[3,3,3,4,5,5,6,7,9,10]+6[3,6]+2 → 18

    GM:リアクションはガード! ダメージどうぞ!
    志木倫堂:よわ!
    GM:ミドルならしゃあない!
    志木倫堂:あ、対象決めてませんでした。ブレンデッド6で
    GM:OK!
    志木倫堂:1d10+22
    DoubleCross : (1D10+22) → 10[10]+22 → 32

    GM:あっ
    GM:ダメージダイス追加で一つ!
    志木倫堂:あれ 何を間違えた
    志木倫堂:1d10+32
    DoubleCross : (1D10+32) → 4[4]+32 → 36

    GM:達成値が18なので、ダメージダイスが2個ですな
    GM:そして36、ジャスト撃破!
    GM:演出どうぞ!
    志木倫堂:「——……」
    志木倫堂:彼のお陰で少し、頭が冷えた。怒りのままに暴れても何も解決しないのは、人生で学んだ数少ない教訓。
    志木倫堂:『餓え』に取りつかれたブレンデッドの群れは、かつての自分に似ている。いや、ともすれば今も。
    志木倫堂:「殺す気はねえよ」
    志木倫堂:笑え。抗う為。自由とはなんでもできるという事だとセンセイは言った。
    志木倫堂:本能に縛られるな、成すべきことを——。
    志木倫堂:炎を纏った足で大地を踏みつける、床の一部がぼごりと音を立て、泡のように膨らんだ。
    志木倫堂:「——だから、死ぬんじゃねえぞ!!」
    志木倫堂:同時にいくつもの爆発が起こり、床材がめくれ上がる。その上に立つ少女たちを乗せたまま。
    志木倫堂:宙に放り出された群れは——
    志木倫堂:高く跳ね上げられ、壁面へと叩きつけられる!
    《ブレンデッド》:「……!」打ち上がり落下に転じる、火山弾の如き群れ。
    《ブレンデッド》:或いは天井へ、或いは壁面へ。平均的な敵と比して半分ほどの重量である彼女達は、いとも容易く吹き飛んだ。
    《ブレンデッド》:無論それは命を奪う程の破壊力には至らずとも──十分に、その力を削ぎ落とすに足る。
    《ブレンデッド》:また一つ群れが潰れて通路が開く。あと少しで道は全て開かれる──!
    GM:では、
    GM:クリンナップ&ラウンド2のセットアップ!
    《ブレンデッド》:どちらもなし!
    玻璃上八里:ないぜ!
    津村孝蔵:なし!
    陶 妙算:なし!
    GM:OK! 手番、カミ!
    志木倫堂:なし!
    玻璃上八里:やるぜーっ!!!
    玻璃上八里:マイナーでカミ鉄砲(拳銃)装備!
    玻璃上八里:メジャ—!ドット残りばかりなのでコンセ2ギガンティックの節約コンボ!
    玻璃上八里:侵蝕63→62  その前に上昇値ミスを修正!
    GM:リアクションはガード、ダメージまで!
    玻璃上八里:エンゲージ内の全ブレンデッドを攻撃だぜ!!!
    玻璃上八里:7dx8+4-1
    DoubleCross : (7R10+4-1[8]) → 10[1,2,2,6,9,10,10]+10[1,2,8]+3[3]+3 → 26

    玻璃上八里:よしよし
    玻璃上八里:3d10+3 カミ鉄砲も崩壊!!!
    DoubleCross : (3D10+3) → 25[10,9,6]+3 → 28

    GM:4隊とも撃破!
    GM:演出どうぞ!
    玻璃上八里:「……死にたくない、か。」
    玻璃上八里:ひらり、ひらりと上着が風にあおられる。
    玻璃上八里:はらり、はらりと銀のカミ細工が宙へ舞う。
    玻璃上八里:「誰しもが抱く願いだ。正直なところを言えば、私だって長生きしたいな。」
    玻璃上八里:風を受けて、舞い散るカミ細工━━銀紙で折られたカミ風船たちが膨れていく。
    玻璃上八里:「今日の私が贈る事の出来る応えとしては……そうだな。」
    玻璃上八里:迫る子供たちを前に、そっと指を構え━━
    玻璃上八里:「『一休みして、生きるための英気を養うべし』だな」スナップ!
    玻璃上八里:カミ風船達が極光と共にはじけ飛び、《ブレンデッド》達の五感を一時的に麻痺させるだろう。
    玻璃上八里:侵蝕62→67
    《ブレンデッド》:きぃいいぃいぃぃ────────ん
    《ブレンデッド》:光の攻撃は回避が出来ない。光を認識する、即ち目への到達である。
    《ブレンデッド》:そしてまた、音も。発生を認識してから防ぐには、あまりに距離が近すぎた。
    《ブレンデッド》:視覚と聴覚を同時に殴りつけられた少女達はどうするか。
    《ブレンデッド》:体を丸めるのだ。
    《ブレンデッド》:亀のように、頭を抱えて丸くなって、処理が追いつかない程の強烈な刺激を、
    《ブレンデッド》:耐えるのではない。耐えるという意識も持てない。ただ受け止めて、動けなくなるのみ。
    《ブレンデッド》:……即ち。無力化、である。
    GM:《ブレンデッド》の群れの無力化に成功。あなた達の勝利です。
    GM: 
    GM:さて。では戦闘後の会話も良いのだが、
    GM:サクっと話しておきたい事などありますかしら。
    GM:特になければ直ぐにもシーンを進める!
    志木倫堂:ないです
    津村孝蔵:完全に忘れてたんですが、このまま進むと構成員くんが食われますね。
    玻璃上八里:今のところ大丈夫!リアクションに回ります!
    陶 妙算:だいじょぶです!
    GM:OK! 構成員くんについてはなんかこう、上手く物陰なりなんなりに隠したことにしておいてください!
    GM:彼の出番はきっとここから先、特にない
    津村孝蔵:了解です。強く生きてくれ。
    GM:彼はちょっと子供に甘いけど考えがなさ過ぎる駄目な青年という設定しかないのだ……
    志木倫堂:上司と相性が悪すぎる
    津村孝蔵:本当にダメな人だ
    玻璃上八里:その場のテンションで人生BETするタイプだ
    GM:──────────
    GM:では、ロイス取得と調達が可能です。
    GM:調達はこのシーンを最後としましょう。すなわちカミの確実取得のこのタイミングにどうぞ。
    玻璃上八里:使い時か……!
    陶 妙算:ロイスは保留!
    陶 妙算:応急手当!
    陶 妙算:2dx
    DoubleCross : (2R10[10]) → 10[9,10]+8[8] → 18

    志木倫堂:陶くんのN隔意をN少し心配に
    玻璃上八里:ひとまず先にロイス!
    陶 妙算:ムダクリ!!!
    GM:出目が強い
    志木倫堂:もっと早く変えとくべきだった感ある
    GM:なんかこう、手持ちの色々でさくっと応急手当したらめっちゃ上手く行ったんだろうな……
    陶 妙算:14+2d10
    DoubleCross : (14+2D10) → 14+8[6,2] → 22

    津村孝蔵:・コンビ/玻璃上八里/有能/〇疲れる でロイス取得。
    玻璃上八里:〈思ったより軽かったな……〉陶 妙算:庇護/〇心配 でロイス取得!
    津村孝蔵:ボデマチャレンジ…というか、そろそろちゃんと買うぞ。コネ:手配師。
    玻璃上八里:そして購入!武器は確定だが何買おうかな
    津村孝蔵:5DX+2>=12
    DoubleCross : (5R10+2[10]>=12) → 9[1,5,6,6,9]+2 → 11 → 失敗

    津村孝蔵:財産1点で買いました。
    志木倫堂:ボデマでも狙うか
    志木倫堂:2dx
    DoubleCross : (2R10[10]) → 6[3,6] → 6

    志木倫堂:失敗
    津村孝蔵:どうしても欲しければ妖精の手もあるでよ
    志木倫堂:言うほどです
    津村孝蔵:ではなしで。
    玻璃上八里:よーし決めた!同エンゲージ攻撃できるヘヴィマシンガン!
    玻璃上八里:そして購入判定前にシナリオ固有エフェクトを使用宣言!
    GM:OK!
    玻璃上八里:〈万象折り成す手〉!購入判定を自動成功させるぞ!
    GM:では、ヘヴィマシンガンが作成された!
    玻璃上八里:今日のスペシャルシートは……君に決めたァ!!!!!
    GM:そしてシーンをカット!
    陶 妙算:いえーい!
    玻璃上八里:以上!ウェポンケースに仕舞うぜ!

    シーン5


    GM:では、このシーンが最後の探索というか交流というかパート。次のシーンがクライマックスです。
    GM:ストレートに言います。
    GM:志木くんを曇らせたいので皆がフォローしてあげてください。
    津村孝蔵:承りました。
    志木倫堂:こわひ
    陶 妙算:負けないで!!
    GM:では登場前に、ここは情報収集パート。必須項目が3つ。それからおまけ項目が1つ有る。
    志木倫堂:陶くん……!
    玻璃上八里:がんばるぜ!
    【決戦の舞台と捕虜】 目標値7《情報:UGN》
    【過去の実験記録】 目標値8《情報:UGN》or《知識:レネゲイド》
    【〝非人道的実験〟の最終目的】 目標値13《情報:UGN》or《知識:レネゲイド》
    ※【《ラフィング・バーナー》の戦闘データ】 目標値7《情報:UGN》

    GM:最後の一つはおまけ項目。開示せずともシナリオは進みますが、開示すれば行動パターンが分かります。
    GM:まぁぶっちゃけこれ、陶くんが既に自分の目で見て知ってる内容なんですけどね!

    GM:ということで、シーンプレイヤーは志木くん。他は任意登場です、どうぞ。
    津村孝蔵:出ます。養成の手を投げるぞ。
    津村孝蔵:61+1D10
    DoubleCross : (61+1D10) → 61+9[9] → 70

    玻璃上八里:67+1d10 行くぜーっ
    DoubleCross : (67+1D10) → 67+6[6] → 73

    陶 妙算:1d10+67
    DoubleCross : (1D10+67) → 8[8]+67 → 75

    玻璃上八里:浸食73
    志木倫堂:1d10+64
    DoubleCross : (1D10+64) → 5[5]+64 → 69

    GM:OK。
    GM:ではおのおの、好きな情報項目を選んだり選ばなかったりするのじゃ。
    志木倫堂:1個目いきたいです
    陶 妙算:お願いします!
    津村孝蔵:演出として最終目的いきたいです。
    GM:OK!
    陶 妙算:じゃあ過去の実験記録いこうかな
    GM:陶くんはいかがなさる!
    GM:こちらもOK!
    GM:では三人とも判定を!
    志木倫堂:では【決戦の舞台と捕虜】で
    志木倫堂:3dx
    DoubleCross : (3R10[10]) → 7[2,5,7] → 7

    志木倫堂:よし
    GM:きっちり抜いた
    津村孝蔵:ああそうだ、財産使えますよね?(確認)
    GM:いけます
    津村孝蔵:よしよし。【〝非人道的実験〟の最終目的】を。
    GM:演出については任せます。なんかこう、必要な物資を事前に買ってたとかなんとか
    津村孝蔵:2DX+1>=13
    DoubleCross : (2R10+1[10]>=13) → 9[2,9]+1 → 10 → 失敗

    陶 妙算:コネ使って
    津村孝蔵:妖精の手。
    陶 妙算:4dx+3
    DoubleCross : (4R10+3[10]) → 10[4,4,7,10]+10[10]+5[5]+3 → 28

    陶 妙算:バカっ!!!
    GM:陶くんの気合いが入りまくってる
    陶 妙算:こんなとこで回らなくていいんだよっ
    津村孝蔵:1DX+11>=13
    DoubleCross : (1R10+11[10]>=13) → 10[10]+3[3]+11 → 24 → 成功

    津村孝蔵:ここで回るな!!!!!
    志木倫堂:悲鳴が聞こえる
    津村孝蔵:浸食5増加して75。あと3回。
    陶 妙算:ダイスが言うことをきかねえ…!!
    GM:腕利きエージェント達はちょっとびっくりするくらいの手際の良さで地下階層を調べ尽くしました……
    GM:では、情報を張って行こう。ロールとかはカミが戻ってからで。
    【決戦の舞台と捕虜】
    広い施設内だが、それでも捜査により確信が持てる。
    《ラフィング・バーナー》訃静 零は地下階層最奥、シェルターを兼ねた収用室に居る。
    おそらくはそこに、《アセナの風》も。

    その捜査の過程であなたは、アパートから誘拐されたと見られる何人かの人間を見つける事が出来るだろう。
    餌として捉えられていた彼らは酷く怯えているが、少なくとも身体に異常は見受けられない。
    戦いの後とはなるだろうが、UGNの増援を呼ぶことで無事に助け出せるだろう。


    【過去の実験記録】
    地下階層の一室に、几帳面に被験者の名前ごとに纏められた実験データがあった。
    その中には、例えば《アセナの風》由解 瑛の〝レネゲイドビーイングによる人体構造再現〟の実験であるとか、
    杉澤 あゆ美の〝再生速度と回数の並列向上〟の実験記録もある。

    そして、志木 倫堂。あなたに施されたありとあらゆる実験の記録もまた、明確に。
    文字として。数値として。或いは写真として。克明に記録されている。

    【〝非人道的実験〟の最終目的】
    オーヴァードの人工交配実験。
    その実験の最終的な目的とは、人間とレネゲイドビーイングの交雑種を作り出し、世界から純粋な人間を駆逐することであった。
    第二世代が50:50の混血種。第三世代が75:25……限りなく続ける事で人間の血を薄め、絶やす。
    由解 瑛はその実験の途上で〝調整〟を施された、人間の体内構造を極めて忠実に再現し得るレネゲイドビーイングである。

    だが、現状は思うような成果を得ていない。
    〝人の形に歪めて産み落とされた個体〟は、レネゲイドウィルスに備わる自我によってか、
    ある程度以上の生育が進むと自ら人の形質を捨て、ウィルスそのものの形質に還る事を選ぶ。
    これを《ラフィング・バーナー》は〝巣立ち〟や〝昇華〟という表記で記録している。

    発生から数年を経て〝巣立ち〟が見られない個体は032番のみ。
    偶発的なこの奇跡を再現する試みが続けられている──と、その資料からは読み取れる。

    玻璃上八里:という訳で挑戦!!!【《ラフィング・バーナー》の戦闘データ】!!!
    玻璃上八里:情報収集チームも使うぞォ!!!
    GM:OK!
    玻璃上八里:2dx+1+2>=7 情報:UGN!
    DoubleCross : (2R10+1+2[10]>=7) → 6[3,6]+3 → 9 → 成功

    GM:これまたさくりと持っていく
    GM:では
    玻璃上八里:圧勝!!!
    ※【《ラフィング・バーナー》の戦闘データ】
    サラマンダーのピュアブリード。
    多種の薬物と自分自身への人体改造により、痛覚を麻痺させつつ接近。
    達人の域にある格闘術で複数の敵を同時に薙ぎ払う、極めて攻撃的な戦い方をする。

    (《怨念の呪石》により暴走状態となり《絶対零度》と《殺戮機関》を適用。
     戦闘移動の後、同一エンゲージ内を災厄の炎で攻撃するルーチン)

    GM:では。情報は出そろった。
    GM: 
    GM:玻璃上 八里。あなたは人間が、神の御業の領域へ踏み込もうとした、その結果を知るだろう。
    人とも呼べず怪物にも成りきれぬ紛い物の命達。そして、その為に奪われた数多の命と尊厳。
    〝その実験〟に実利など何も無い。歪んだ欲望だけがそこに有る。

    GM: 
    GM:津村 孝蔵。あなたのラボで息を潜めていた怪物は今、ここまで捻れ育ったのだ。
    誰よりも先にあなたは《ラフィング・バーナー》と戦った。その時はまだオーヴァードの域にあったその敵は、
    息を潜める、逃げるという実利より、誰かを嬲り苦しめる愉悦を優先する存在へと堕ちた。
    これはジャームだ。今度こそ──矢は、外せない。

    GM: 
    GM:陶 妙算。同じ境遇とは知っていた筈だ。だから予想は出来ていたかも知れない。
    けれどもあなたは明確に、血の通わない無慈悲なデータとして、彼女の、そして彼の境遇を知る。
    あなたの友人であった杉澤 あゆ美がいかに切り裂かれ、蘇り続けたのか。
    ……志木 倫堂がどれ程の間。化け物と蔑まれてきたのかを。


    GM:志木 倫堂。
    GM:聞かせて欲しい。
    GM:思い出して欲しい。いいや、思い出すだろう。
    GM:あなたはいつからその魂を、尊厳をメスで斬り刻まれてきたのだ。

    志木倫堂:——
    志木倫堂:思い出す
    志木倫堂:目の前で、FHの験体——すなわち。
    志木倫堂:自分と同じ境遇の少年が拷問を受けている。
    志木倫堂:姿は見たことが無いが、声は聞いたことがあった。
    志木倫堂:与えられた独房のような寝室、その壁の向こう。
    志木倫堂:隣の房に居た少年だ。
    志木倫堂:役立たずと判断された彼は、自分と少し会話をしたことがあるという理由だけで
    志木倫堂:こうして死へと向かっていた。
    志木倫堂:倫堂が肉体的な痛みや
    志木倫堂:苦しみへの反応を鈍くすると、《ラフィング・バーナー》はこうして、彼の魂を踏みにじろうとする。
    志木倫堂:咆哮する。少年を苛む器具のうちどれが焼け落ちたかで、自分の出力を測られている。
    GM:……それが日常だった。
    GM:物心ついた頃から繰り返す、悪化こそはすれど希望に至る事のない、悪夢の日々。
    GM:初めて自分が〝物〟なのだと気付いた最古の記憶は何歳だ。3歳か? 4歳か? 少なくともその時、〝飼い主〟は別な人間だった筈だ。
    GM:記録されている。
    GM:その〝飼い主〟から《ラフィング・バーナー》が、どれだけの捨て値であなたを引き取ったのか。
    GM:引き取って、あなたの気性を見て。怒りという要素こそがあなたの力を引き出すのだと知った彼女が、
    GM:喜・哀・楽。三つの感情を殺してしまう為に、いかなる手段を用いたか。
    GM:思い出せる。
    GM:思い出してしまう。
    GM:目を背けたくとも、
    GM:背けた先に幻がある。
    GM:あなたを怒らせる為だけに潰えた命が幻となって、
    GM:苦しいと、生きていたかったと泣き叫んでいる。
    志木倫堂:(あいつは、拷問に耐えかねて、結局)
    志木倫堂:思い出す。目と鼻の先から絞り出された、彼の懇願を。
    志木倫堂:(俺が——殺したんだったか)
    GM:「助けてくれ」「殺してくれ」「もういやだ」「苦しい」
    志木倫堂:ゆっくりと、部屋の空気に対流が起き、髪が逆立つ。
    GM:……あなたに与えられた報酬は、《ラフィング・バーナー》のあざ笑う声だった。
    GM:きっと、覚えているだろう。
    志木倫堂:リザレクトの限界まで、全身の筋肉をぐずぐずに分解されたことがある。
    GM:ちょうどそのデータの資料は、ラミネート加工されて折れ曲がらないよう、大事に残されている。
    GM:137回。良く自我が耐えたものだ。
    訃静 零:『モルモットを殺して、飼い主に牙を剥いて。あなたは本当に出来の悪い〝化け物〟だ』
    志木倫堂:見当識を奪われた状態で暴行を受けた。酸に沈められたことも。
    志木倫堂:そう言った、あの女の顔を覚えている
    訃静 零:『……そんな化け物にご褒美ですよ。なんと楽しいプールの授業だ! あ、水着も用意します?』
    訃静 零:『くふ、うふ、ふふ……』
    訃静 零:『アハハハハッ、ハハハハハッ、アッハッハッハッハッハ!!!』
    GM:──高笑いがいつまでも、いつまでも鳴り響いている。

    GM:……さて。
    GM:あなた達は地下空間の、幾分か明るく、奇襲を受ける心配もない一室に集まっているとしよう。
    GM:この階層で得た情報の共有の為だ。
    GM:戦闘の疲労は少しばかりあれど、心身共に正常──一人を除いて。
    志木倫堂:「……」ぶつぶつ、ぶつぶつと
    志木倫堂:何事かを呟いている
    志木倫堂:「……だ。大丈夫だ。大丈夫だ。大丈夫だ。大丈夫だ——」
    陶 妙算:「志木くん…」
    志木倫堂:体が震えている。乱れた前髪の奥、強張った表情、中空を向いた瞳が爛々と輝いている。
    陶 妙算:その震えを止めるように
    陶 妙算:強く、優しく志木くんの身体を抱きしめる。
    志木倫堂:「大……」
    陶 妙算:かすかな柔らかさの残る肢体が志木くんに触れる
    陶 妙算:優しげな桃の香りが志木くんをつつむ
    陶 妙算:「大丈夫じゃ、なくてもいいんだよ。」
    陶 妙算:その声はかすかに震えている。
    志木倫堂:「俺、は……」
    志木倫堂:震えが、収まっていく。
    志木倫堂:彼を包んでいるのは、殺風景な部屋に備え付けられた拷問椅子ではなく。
    志木倫堂:優しくて頼りがいのある、オーヴァードの少年だ。
    陶 妙算:白い陶器のような頬の上を雫が流れていく
    陶 妙算:その雫が、志木くんの服を濡らす
    陶 妙算:「辛かったよね。」
    志木倫堂:「妙、算」
    陶 妙算:「ごめんね、僕が、余計なことを君に伝えてしまった。」
    志木倫堂:一人ではない。あの時ではない。今を。
    志木倫堂:目的を同じくする、彼らと
    志木倫堂:今を、見なければ。
    陶 妙算:「志木くん。」
    志木倫堂:ほっそりとした体が、自分を抱きしめている。
    志木倫堂:どうやってこの柔らかい腕で、あの精密な剣を振るうのか。
    陶 妙算:「志木くんは、どうしようもない時は、笑えばいいって教えてくれたよね。」
    陶 妙算:志木くんを抱きしめる力が強くなる。
    陶 妙算:涙の熱さが、心臓の鼓動がより志木くんに伝わっていく。
    陶 妙算:「きっと、それはとても大事なことだと思う。辛い時に笑える強さと優しさがある人は」
    陶 妙算:「きっと、とても素敵な人なんだと思う。」
    志木倫堂:とくり、とくりと。彼の鼓動を聞く。自らの鼓動が整っていく。
    志木倫堂:震えが、止まった。
    陶 妙算:「でもね、それでも、どうしても笑えない時は」
    陶 妙算:「泣いてもいいと思うんだ。」
    志木倫堂:「……ああ」
    陶 妙算:茶色の瞳が涙で潤んでいる。
    志木倫堂:「本当に、お前にはさ」
    陶 妙算:「うん」
    志木倫堂:目頭に熱が集まってくる。対応するように、体の熱が引いていった。
    志木倫堂:「迷惑を……っ、かける、けど……」
    陶 妙算:「迷惑じゃないよ。」
    志木倫堂:物心ついてから、抱擁を受けたことがあっただろうか。
    志木倫堂:涙の雫が妙算の服を濡らす。
    志木倫堂:これまで閉じていた感情が堰を切ったかのように、涙が溢れていた
    陶 妙算:「志木くんと一緒にいる時に起きることは、なんにも迷惑じゃない」
    陶 妙算:「どうしようもない時に笑えるのは、強くて優しい人だけど」
    陶 妙算:「辛い時にちゃんと泣けるのも、きっと、そんな人になるためには必要なことだから」
    志木倫堂:「……そうかよ、妙算は」
    陶 妙算:目をつむり、志木くんの胸に顔を寄せる。志木くんの暖かさを感じている。
    陶 妙算:「なに?」
    志木倫堂:洟を啜る。彼を汚してしまうのが嫌で、腕をほどこうとする
    志木倫堂:「グスッ…物知りだな」
    志木倫堂:他にもっと、言うべきことがあるだろうとか
    志木倫堂:もっと気の利いた言い回しが無かったのか
    志木倫堂:そんな、どうでもいい事が頭をよぎった
    陶 妙算:「でしょ?」
    陶 妙算:「立派なエージェントになれるように、いっぱい勉強してるんだ。」
    志木倫堂:胸の奥を焼く劫火は、いつしか収まっていた。
    志木倫堂:「ああ、すごいよ、お前は」
    陶 妙算:「ふふ」
    陶 妙算:「志木くんも」
    陶 妙算:ハンカチを取り出し、志木くんの優しく目元を拭う
    志木倫堂:少し離れて、鼻をかむ。ちり紙は放り投げて燃やした。
    陶 妙算:「いっぱい泣けたね。えらいえらい」
    志木倫堂:「……はは、お母さんかっつーの」
    志木倫堂:自然に出てきた言葉だ。あるいは、物心つく前。
    陶 妙算:シャツの隙間から雪のような肌がのった鎖骨がちらりと覗く
    志木倫堂:自分に家族がいたことを、少しだけ、思い出したのかもしれない。
    陶 妙算:「ん?お父さんじゃなくて?」
    志木倫堂:「っ!」
    陶 妙算:茶色の瞳をいらずらっぽく潤ませながらいいます
    志木倫堂:「うっせ! 間違いだ、間違い!!」
    陶 妙算:「間違いか。残念。」
    志木倫堂:艶めいた物事には一切触れることが無かった自分でも、
    志木倫堂:この少年には時折妖しい色香を感じてしまう。
    陶 妙算:「志木くんのお母さんになるのも楽しいかなって思ったのに。」
    陶 妙算:一拍置いて
    陶 妙算:「む。笑ってもらえなかった。今のはちょっと自信があったのに。」
    陶 妙算:とちょっと悔しそうな顔をする
    志木倫堂:では、あっけに取られた顔から噴き出して
    志木倫堂:「ありがとよ、妙算。さっきまでの俺はひどいもんだったが」
    陶 妙算:「あ、よかった。笑ってくれた。」
    志木倫堂:「もう大丈夫だ」
    陶 妙算:「うん。」
    陶 妙算:志木くんのちょっと明るくなった声を聞いて、嬉しそうな顔をする。
    陶 妙算:「怒って、泣いて、笑って、喜んで。」
    陶 妙算:「それがちゃんとできる志木くんは。」
    陶 妙算:「実験体なんかじゃ、ないよ。」
    志木倫堂:「おうとも」
    陶 妙算:「大好きな、僕の友達。」
    志木倫堂:と、これまでより幾分か険の取れた柔らかな表情で陶くんに応じるのでした。
    陶 妙算:おずおずと手を伸ばし、志木くんの手に触れる
    陶 妙算:「で、いいよね?」
    津村孝蔵:がらり。「遅くなった。見つけたぞ」資料の束を持って入ってくる。
    志木倫堂:「おう、おっさん」
    志木倫堂:若干目許を腫らしているぞ
    志木倫堂:どうだった
    玻璃上八里:「フハハハハーッ!こちらも良い収穫が得られたぞォ!!!」(任意のシーン登場と追いかける光源演出)
    陶 妙算:同じく目元が腫れ、雪のような肌がかすかに上気している
    陶 妙算:「僕らも、成果はありました。」
    陶 妙算:「まずそちらからお伺いしてもよろしいですか?」
    津村孝蔵:「ああ。俺らにとってはさほど重要じゃないやつだが」
    津村孝蔵:「俺が支部長時代に握り潰した奴だし」
    陶 妙算:「握りつぶしたって、どういうことです?」
    津村孝蔵:「奴がまだ研究員だったころのT市のラボの実験資料と半分ばかし一致した」
    津村孝蔵:「理由を知らなくてもアレに関わってたとなると、関係者はまあ上層部に消されてただろうな」
    玻璃上八里:「ずっと温めていた構想をFHに移籍して遂に実行へ移した、という訳だな。」
    玻璃上八里:要点を付箋で補足した資料を配るぞ!!
    津村孝蔵:「知ってて黙ってたことを恨むなら恨んでもいい」
    陶 妙算:「いえ、津村さんの判断ならば」
    陶 妙算:「その時にはそれがベターなのだったと思います。
    志木倫堂:「ああ、信頼するぜ」
    志木倫堂:少し迷ってから、そう言います。
    津村孝蔵:「助かる。さて、資料だが」「これもまた、《ラフィング・バーナー》のやってきたことの核心にあたる」
    津村孝蔵:「最初の資料と同じく、読みたくないなら———」
    津村孝蔵:「……いや、読め。」
    志木倫堂:津村さんを見つめます。
    志木倫堂:「……そうだな」
    津村孝蔵:「たぶん、お前が”センセイ”と会う前に読まなきゃいけないやつだ」
    志木倫堂:それを聞き、ちらりと陶くんを見る。何が書かれていても、きっと取り乱しはしない。
    陶 妙算:「僕も読む」
    陶 妙算:手を志木くんの前に出す
    陶 妙算:「でも、ちょっと怖いから」
    陶 妙算:「手をつないでもらってもいい?」
    志木倫堂:「お前はなぁー!」
    志木倫堂:ぐりぐり
    陶 妙算:「あう、痛いよ」
    志木倫堂:「いちいち気を使いやがって、このこの」
    志木倫堂:「……見ようぜ」
    津村孝蔵:ぽんと机の上に置く。
    志木倫堂:陶くんの手に資料を乗せ
    陶 妙算:「うん、ありがと。」
    志木倫堂:そのまま後ろから覗き込むぜ
    GM:──それは多数の資料を合わせて読んだ結果浮き上がるものではあるが、
    GM:付箋により、辿るべき道は示されている。
    GM:あなた達二人も、その企てを知るだろう。
    GM:……なぜ由解 瑛であったのかも、だ。
    志木倫堂:「センセイ……」
    志木倫堂:(ひでえもんだ。さっきのやり取りが無かったら)
    志木倫堂:あるいは、我を失ってジャームになっていたかもしれない。
    陶 妙算:「…ひどい…」
    志木倫堂:(……なぜ、ここまでの事をされて奴に従わされている?)
    陶 妙算:「……」
    陶 妙算:不安を隠すように志木くんの手をにぎる力が強くなる
    陶 妙算:「僕たちも」
    志木倫堂:「センセイは、メチャクチャ強い。一度は奴の拠点を壊滅させた。それが何で、今になって……」
    津村孝蔵:「そりゃあ、本人に聞くのが手っ取り早いだろうな」
    陶 妙算:「この実験の成果を裏付ける資料を見つけました。
    陶 妙算:「おそらく、この内容に間違いはありません。」
    志木倫堂:手を、握り返します。陶くんの存在を確かに感じるように
    陶 妙算:その詳細はできるだけ口にしたくない。と津村さんと玻璃上さんに眼で訴える
    玻璃上八里:「……」目を合わせ、
    津村孝蔵:表情を変えず、陰気に頷く。
    玻璃上八里:「━━うむ。お主たちが言うなら間違いはないのであろうな。」首肯する。
    志木倫堂:「アパートから誘拐された奴らを見つけた。後で連れて帰ろうぜ」
    志木倫堂:全員を見渡して、
    陶 妙算:「うん」
    陶 妙算:「そこに杉澤さんもいる。」
    陶 妙算:「皆を助けてみんなで帰ろう。」
    志木倫堂:「《ラフィング・バーナー》の居場所も、捕捉した」
    志木倫堂:拾得した見取り図を取り出して、手短にどのエリアに居るかを伝えます。
    玻璃上八里:「おお!という事は、この戦闘データも腐ることはなさそうだな!」
    志木倫堂:気になる情報が出たので眉を上げます
    玻璃上八里:どっかの棚から引っ張り出した《ラフィング・バーナー》の実戦データを共有!
    陶 妙算:「こ、こんなデータをどこから?」
    陶 妙算:驚きの眼で玻璃上さんをみている
    GM:おそらくそれは、
    GM:〝モルモット〟の戦闘力確認──と訃静 零の憂さ晴らしを兼ねた、実戦テストの動画だ。
    GM:ジャーム化した実験台を素手で苦もなく屠る訃静 零の姿が、そこには映されている。
    志木倫堂:「そうだそうだ、動けるんだよこの女」
    玻璃上八里:「……少なくとも、憂さ晴らしが好きな奴のは間違いなさそうだ」
    玻璃上八里:「陶殿は奴との実戦経験があるとお聞きした。差異がないか確かめられるだろうか?」
    津村孝蔵:「3年前より出力上がってんな」
    津村孝蔵:「いい飯食いやがって」
    陶 妙算:「以前見た技もあれば、使わなかった技もあります。」
    陶 妙算:「ただ、そうですね。」
    陶 妙算:「以前相対した経験から言わせてもらえれば、この動画に僕たちを罠にはめようという作為のようなものは感じられません。」
    陶 妙算:本当にただ、嬲り殺しを楽しんでいるだけだ
    GM:腕を引き千切り、脚を引き千切り。芋虫のように這う胴体を素手で貫き心臓を抉り出す。
    GM:笑いながら、楽しみながらも自分の手を見つめ、拳の握り方を、手刀の角度を研鑽し、
    GM:また次の実験台で試す。
    GM:……罠ではない。これは〝後で自分が見返す為〟のものだ。
    GM:楽しかった思い出に浸る為、と
    GM:性質の悪いことに──この女は勤勉で、向上心に満ちている外道であった。
    陶 妙算:「この動きを覚えておくのは、彼女を闘う上で有効であると思います。」
    陶 妙算:ジャームとは言え命を無残に奪っていく姿に怒りを感じながら、できるだけ冷静に言葉を紡ぐ
    玻璃上八里:「……近接格闘がメインなら、立ちふさがることができる者がいれば大分有利になるか。」
    志木倫堂:ぐっぐっと、拳を握って感触を確かめる。対応ができるかをイメージしています。
    津村孝蔵:「前と違って密閉空間か…」
    津村孝蔵:「これで『狙撃』はマジでキツいぞ」
    津村孝蔵:「まあいいや、『やる』か」
    陶 妙算:こくりと頷く
    志木倫堂:目の前のこれは、ただの記録だ。ただ、致命的な事はもう過ぎ去っていたとしても、その残り香はこの地下アジトの至る所に充満している。
    玻璃上八里:「ああ。我々がやるべきことは単純だ。」
    志木倫堂:あの人を、その一部にしてはいけない。自由をくれたあの人を。
    玻璃上八里:「《ラフィング・バーナー》を倒し、由解殿を助ける。」
    志木倫堂:頷きます。
    陶 妙算:「そして、由解ちゃんの名前を、あの人の口から直接伝えてもらいましょう。」
    志木倫堂:「ああ、そうだな。約束した」
    志木倫堂:「約束は、守んねーとな」と、陶くんと頷き合うぞ。
    津村孝蔵:誰からともなく部屋を出て、収容室に向かおうとする中。「あー、そうだ。カミ」
    玻璃上八里:「うむ?如何した、津村殿」カミ飛行機を宙に飛ばしながら、言葉を返す。
    津村孝蔵:「お前、クソ真面目だな」
    津村孝蔵:「おかげで助かってる」歩き出す。
    玻璃上八里:「……フ。うまく助けられているようで何よりさ」
    玻璃上八里:ポケットに〈折り畳み〉した『切り札』を確認し、後に続く。
    津村孝蔵:「『仕事』に根詰めすぎんなよ」
    玻璃上八里:「…………。」
    玻璃上八里:「貴殿が私の監視役につけられた理由、納得できたよ」
    GM:──あなた達は、進む。
    GM:前へ。
    GM:振り返るべき過去など、無い。見据えるべきは、進むべきは、前だけだ。
    GM:先へと進め、振り向くな。
    GM:──────────
    GM:ロイス取得のみ可能!
    玻璃上八里:ロイス!津村殿!
    志木倫堂:笑顔をタイタス化。まだ使いませんが……
    陶 妙算:敵/訃静零/好奇心/怒り◯
    陶 妙算:以上で!
    玻璃上八里:〈支部長時代はどのような方だったのであろうなぁ〉津村孝蔵:〇感服/ちょっとだけ心配
    志木倫堂:以上です
    玻璃上八里:以上です!訃静なんざ知らねーな!!!
    津村孝蔵:・同行者/志木倫堂/〇若い/慣れてない で新規取得。
    GM:OK!

    クライマックス


    GM:全員登場となります。登場侵蝕をどうぞ
    志木倫堂:1d10+69
    DoubleCross : (1D10+69) → 2[2]+69 → 71

    玻璃上八里:ヨッシャア!
    玻璃上八里:1d10+73
    DoubleCross : (1D10+73) → 4[4]+73 → 77

    玻璃上八里:浸食77
    津村孝蔵:75+1D10
    DoubleCross : (75+1D10) → 75+2[2] → 77

    津村孝蔵:ゲッ低い
    陶 妙算:1d10+75
    DoubleCross : (1D10+75) → 8[8]+75 → 83


    GM:──あなた達は、先へと進んだ。
    GM:地下施設内は奇妙な程に静まりかえっていたが、それは、僅かに残った《ブレンデッド》達を放出した後、
    GM:数える程の兵力はこの空間に残っていないのだ、という事を示している。
    GM:奇襲を恐れる事もなく、あなた達は辿り着くだろう。
    GM: 
    GM:分厚いコンクリートにて構成された直方体の部屋。
    GM:その中央に《ラフィング・バーナー》が。《アセナの風》が、居た。
    GM:《ラフィング・バーナー》はその手に赤ん坊を抱き、《アセナの風》の肩を足置きに椅子へ腰掛け。
    GM:……《アセナの風》は、横たわる杉澤 あゆ美の傍らに呆然と座り込んでいる。
    GM:杉澤 あゆ美は──腹部は大きく肉を抉られているのだが、既に再生は始まっている。
    訃静 零:「……あれまぁ。ぞろぞろとお揃いで」その女は赤ん坊を抱いたまま──その体を心臓の前に置いて盾にしながら──珍しく嘲りの色も無く言った。
    志木倫堂:「センセイ」
    志木倫堂:呼びかけます。
    由解 瑛:「……………………」反応は無い。床にぺたりと腰を落とし、傍らに横たわった肉体を、
    由解 瑛:〝食事跡〟を見つめている。
    由解 瑛:……口の周りには、未だ渇きもしない血の色。
    志木倫堂:何が起きてこうなっているのは資料から把握している。
    玻璃上八里:(……同じだ、シミュレーターで最後に会った彼女と。)
    玻璃上八里:(いや、むしろ悪化しているのかもしれない。)
    訃静 零:「無駄ですよ」
    志木倫堂:だが、実際に目にすれば衝撃も大きい。
    訃静 零:「〝それ〟は人間じゃない。人の言葉を放ち、同じ形を取るだけの、レネゲイドウィルスの塊です」
    訃静 零:「行動様式も思考形態も人間とは根本的に異なる。……人間の道理から放つ言葉が、通じる訳もない」
    訃静 零:「ええ。いくら模倣を重ねても」
    訃静 零:「化け物は、人間にはなれない」
    志木倫堂:「……分かったみてーなことを言うんだな」
    志木倫堂:「いつかは人だの化物だの、お前の言葉を素直に嚥下してたもんだが」
    志木倫堂:「外で見た人間とやらにに1人として、お前みたいなやつはいなかったぜ。《ラフィング・バーナー》」
    志木倫堂:「仮にセンセイの本質が『こう』だったとして」
    志木倫堂:「それを無理やり引きずり出した奴が人間サマを語るには、ちょろっと作法がよろしくねーんじゃねーか?」」
    志木倫堂:「先生はお前なんかより、よっぽど人ってものをわかってる」
    訃静 零:「……随分とまぁ、おしゃべりになったと言いますか、知恵をつけたと言いますか」
    訃静 零:「モルモットとしては役立たずになったと言いますか──」
    訃静 零:「……しゃあない。あんたは廃棄処分にしましょう。代わりの玩具はお隣の華奢な少年で。」
    志木倫堂:「立場が分かってねーな」
    訃静 零:「ねぇ、陶くぅん? その横の化け物なんか捨てて、こっちへおいでなさいな」
    訃静 零:「少なくとも生きていく分には十分なだけの環境を、今ならもれなく差し上げますし」
    訃静 零:「……もちろん。たたき伏せて檻に繋いだ後、最低限から少し下の環境だけを与えて」
    訃静 零:「死に至るまでの経過観察をしゃれ込む事もできますが……いかがです?」
    志木倫堂:がしっ、と右腕を陶くんの首に回し
    陶 妙算:「っ」
    陶 妙算:一瞬驚いたような表情になるが、すぐに身を任せる。
    志木倫堂:「こいつはもとより、俺はもうお前のもんじゃねーし」
    志木倫堂:「赤ん坊も、そこで寝てる妙算のダチも、センセイも今からお前のものじゃあなくなる」
    志木倫堂:「一人で死ね」
    志木倫堂:にやりと笑う。炎が吹き上がり、亜麻色の髪を獅子の鬣のような黄金に染める。
    陶 妙算:その腕の燃えるような暑さに目を細め、一瞬安堵感を覚えてしまう。
    陶 妙算:「せっかくのお誘いですが。」
    陶 妙算:「僕は友達は自分で選ぶことにしたんです。」
    陶 妙算:「だから、貴方の傍に立つことはない。」
    陶 妙算:刀に手をかける
    陶 妙算:「杉澤さん。」
    陶 妙算:「もう少しだけ待てって、今、助けるから」
    訃静 零:「はー……ったく若い子は扱いづらいわぁ。ねえ、津村〝支部長〟?」
    訃静 零:「あなたは……ええ、懐柔は無理でしょうが。それでも先に、聞いておきたい事がある」
    訃静 零:「032番、どこへやりました?」
    由解 瑛:「……っ!?」ぴくっ……と、肩が震えた。
    津村孝蔵:「どこだろうな。ここよりマシな場所なんじゃないか」
    訃静 零:「ああ、やっぱり回収されてましたか……記憶まで引き継がれてるのは厄介ですねぇ」
    訃静 零:「ま、支部長。お互いに手の内も気性もあらかた知った仲だ。情は特にございませんが」
    訃静 零:「今なら追いかけるのが面倒なんで、逃げるなら自由に逃がしてあげます。おいかが?」
    津村孝蔵:「俺が管理職や総合職ならそれが賢明だろうな」
    津村孝蔵:「残念だが」「今の俺は専門職だ」弓の包みを解く。
    訃静 零:ちっ……と舌打ちの音が鳴る。
    訃静 零:椅子に座っていた訃静が腰を浮かせた。座ったままで対処できる射撃ではないと知っているが為だ、
    GM:が──
    GM:あなたと訃静を結ぶ車線の間に割り入るものがある──庇うなどと言う意図は持たずに。
    由解 瑛:由解 瑛が、訃静へ背を向けながら立ち上がった。
    由解 瑛:「……お前」
    訃静 零:「はい……?」
    由解 瑛:「あの子は……まだ、捕らえたまま、って……」
    訃静 零:「ああ、あれ?」
    訃静 零:「途中から、嘘です」
    由解 瑛:「────────」
    由解 瑛:振り向きざまに由解 瑛は、威嚇の声も無く、怒りの言葉もなく、猛獣の前脚へと変化させた右腕を振り上げた。
    由解 瑛:長い鉤爪の備わった腕は大きく山なりの軌道を描いて最大の加速を、
    訃静 零:膝。腹。顎。
    訃静 零:座したままに訃静の右足が、三つの蹴りを放っていた。
    由解 瑛:「が……っ!?」
    訃静 零:「私とこの距離で殴り合いして、勝てる訳がないでしょうが」崩れ落ちる由解の腹部へ、ダメ押しの踏み押す蹴り。
    由解 瑛:その体は床と平行にあなた達の方へ──
    GM:そうだな
    GM:志木倫堂。
    GM:あなた目掛けて、打ち出された。
    志木倫堂:「ッ……!」
    志木倫堂:受け止める
    由解 瑛:受け止めてみれば、軽い体だった。
    由解 瑛:決して長身とも言えないあなたより、まだ数センチ、彼女は背が低い。
    由解 瑛:人間の構造を真似ていなければ起こる筈も無い〝脳震盪〟で、その意識は断ち切られている。
    志木倫堂:あの時はあんなに大きく、絶対的なものに感じられた彼女が、今は奇妙な程に儚く思えた。
    玻璃上八里:「…………」彼女は間違いなく強敵だ。加減をする必要はないだろう。
    玻璃上八里:しかし。
    玻璃上八里:「なあ、《ラフィングバーナー》よ。」少しだけ。まだ分からない事があった。
    訃静 零:「あぁ?」
    訃静 零:訝るように目を細めながら。
    玻璃上八里:「ここに来るまでに、由解殿を利用した貴様の計画を知る機会があったのだがな。」
    玻璃上八里:「何故貴様は『純粋種の人間を駆逐する』、計画を始めたのだ?」
    玻璃上八里:「正直な所、さっぱり理由が分からない。聞けるうちに聞いておこうと思ってな」
    訃静 零:「んー……」膝の上。両手の指を組み。意外にも訃静 零は、その問いに真剣に答えを探し始めた。
    訃静 零:とは言え──その探索は数秒の事。解は直ぐに用意された。
    訃静 零:「まともな人間って、親だの子だのに縛られすぎだと思いません?」
    訃静 零:「〝あんたの子供をずっと預かってる〟って言ったらそこの化け物、抵抗もせずあっさり帰ってきてくれましてねぇ」
    訃静 零:「おっと。少なくともそっちに一人、親が分からない子が居ましたっけ。失敬失敬」
    志木倫堂:「……」
    志木倫堂:声は荒げるな。提言に乗るな。話に取り合うな、と。ずっと奴のペースに乗るまいと思っていた。だが、ここで会ってからの《ラフィング・バーナー》は、何か、過去の彼女とは。
    玻璃上八里:「ふむ。続きがあれば拝聴しよう」
    訃静 零:「問うだけで答えは無し、話し甲斐のない人ですねぇ」口を尖らせて不平を示す、愛嬌を滲ませる動作──その間も目だけが笑っていない。
    訃静 零:「ま、いいや」
    玻璃上八里:「フ。すまんね」
    訃静 零:答えは──
    訃静 零:言葉では返らなかった。代わりに訃静 零は、腕に抱いていた赤ん坊を床に下ろした。
    訃静 零:「志木 倫堂、一つあなたの誤りを訂正しましょう。〝私のものでなくなる〟と言いましたが──」
    訃静 零:「この子供は間違いなく、私の子だ」
    訃静 零:「私の体細胞を、私から摂取したレネゲイドウィルスを用いてようやく成功した287番目の実験例だ」
    GM:──あなた達の目の前で、その赤ん坊は成長を始める。
    GM:片腕に収まる程の体が膨らみ、伸びて、年月を早回しにしたように。
    玻璃上八里:「……!」
    GM:幼児期を過ぎて、ようやく性別の判別できる〝少女〟の姿へ。第二次性徴を経て──
    陶 妙算:「そんな…っ」
    GM:その〝レネゲイドの申し子〟は、自らを構成するレネゲイドウィルスを変質させ、赤い衣服を纏った。
    志木倫堂:「……はっ、わざわざお得情報をどーも」
    《287》:「………………」
    陶 妙算:「由解さん…」
    《287》:その容姿は、体格は、間違いなく成人のもの。由解 瑛の年齢と同等までに、短時間で身体を成長させたのだ。
    《287》:この世に生まれ落ちてまだ数時間。《287》という番号の他に名を持たぬ化け物は──
    《287》:「…………ァ」コンクリートの空を仰いで、口を開いた。
    《287》:ごう、と音を立てて息を吸った。
    玻璃上八里:「━━成る程な、『訃静零』。」
    玻璃上八里:「彼女が貴様の『欲望』か」

    エンゲージ

    訃静 零 《ブレンデッド-287》

    10m

    PC


    GM:──最後の戦いだ。眼前に並ぶは二つの敵。
    GM:ジャーム。アヴェンジャーズセル《ラフィング・バーナー》、訃静 零。
    GM:そして、レネゲイドビーイングと人間の──いや、ジャームの交雑種。《287番》。
    GM:《ラフィング・バーナー》が体表より放つ熱と、それにも勝る濃密な悪意は空間に広がり、
    GM:あなた達の力の根源であるレネゲイドウィルスを強く喚起する。
    GM:衝動判定! そしてEロイス《堕落の誘い》!
    GM:今回の衝動判定の目標値は9。そして判定に失敗すると暴走に加えて、
    陶 妙算:なんやて!?
    GM:〝2d10を振る前に侵蝕を100まで上げる〟が追加されます。
    GM:今の侵蝕から数えると結構な数値が上がるぞぉ……
    陶 妙算:なめやがって!
    陶 妙算:5dx+2=>9
    DoubleCross : (5R10+2[10]>=9) → 10[2,3,4,7,10]+5[5]+2 → 17 → 成功

    玻璃上八里:ヤバいぜ!
    陶 妙算:よっし
    玻璃上八里:ウオオーッ!思い出の一品使用!
    志木倫堂:やるぅ
    陶 妙算:2d10+83
    DoubleCross : (2D10+83) → 12[6,6]+83 → 95

    陶 妙算:おらっ!
    玻璃上八里:2dx+1>=9
    DoubleCross : (2R10+1[10]>=9) → 5[4,5]+1 → 6 → 失敗

    玻璃上八里:グエエ—ッ!!!!!
    津村孝蔵:手、いります?
    陶 妙算:ゴ、ゴッドーーー!?
    玻璃上八里:カミか?
    志木倫堂:2dx>=9
    DoubleCross : (2R10[10]>=9) → 3[2,3] → 3 → 失敗

    志木倫堂:hai
    津村孝蔵:5DX+1>=9
    DoubleCross : (5R10+1[10]>=9) → 10[2,3,4,5,10]+6[6]+1 → 17 → 成功

    津村孝蔵:こら!!!!!
    陶 妙算:志木くん!!
    志木倫堂:なんでだよ!
    GM:その手ですくえるのはどちらか一人……選ぶんだな!
    津村孝蔵:さて、どっちが暴走厳しいかですね
    志木倫堂:なんとなく取ってる炎陣が使えないくらいです
    津村孝蔵:リアクション行為などを行うほうを救います
    津村孝蔵:77+2D10
    DoubleCross : (77+2D10) → 77+9[7,2] → 86

    玻璃上八里:100%クリスタライズ解禁したいので比較的大丈夫!
    津村孝蔵:では志木くんに!
    志木倫堂:さんきゅ!
    玻璃上八里:100+2d10
    DoubleCross : (100+2D10) → 100+3[2,1] → 103

    志木倫堂:ひくい
    玻璃上八里:うめぇ!侵蝕103!
    津村孝蔵:イイナー
    GM:綺麗なとこに収めおった
    陶 妙算:カミ!!
    志木倫堂:1d10+10
    DoubleCross : (1D10+10) → 1[1]+10 → 11

    志木倫堂:2d10+71
    DoubleCross : (2D10+71) → 14[7,7]+71 → 85

    陶 妙算:いい感じ!!
    GM:ようし、では
    GM:●ラウンド1
    GM:セットアップ!
    玻璃上八里:なし!
    津村孝蔵:なし。
    陶 妙算:なし!
    訃静 零:《怨念の呪石》(+《絶対零度》+《殺戮器官》)
    志木倫堂:永遠の炎 侵食+4 打点24
    訃静 零:暴走を受けて……ダイスと火力がゴリっと上がる!
    GM:OK、では続いて
    GM:カミの手番──と行きたいところなんだが《287》がイニシアチブ行動だ。
    《287》:《極大消滅波》2
    玻璃上八里:グエエ—ッ!!
    《287》:このエフェクトに命中判定はなく、このエフェクトにリアクションを行う事はできない。そして範囲選択なので対象はもちろんあなた達4人ともだ。
    陶 妙算:wwwwww
    《287》:4D10 ダメージ!
    DoubleCross : (4D10) → 21[2,9,8,2] → 21

    《287》:「ァ────────ァアアァアアアアアァァァァッ!!!!」悲鳴が、轟いた。
    《287》:その叫びは人のものにあらず。死に瀕した獣がそれでも生きようと足掻く断末魔の如きもの。
    《287》:そして、叫びに応じて空間を揺るがし顕現するのは、
    《287》:巨大な炎の塊であった。
    《287》:炎が空を焼き、地に落ち。そして世界が塵に閉ざされ、明けぬ夜が来る。
    《287》:昔、ある獣が見た滅びの光景。その開幕を告げるもの、
    《287》:小規模の隕石があなた達の頭上に浮かび──そして、落下を始めた。
    陶 妙算:「生まれたばかりで」
    陶 妙算:「今立ち上がったばかりで、この出力はっ…!」
    志木倫堂:「おおおおおおおッッ!」
    陶 妙算:圧倒的な出力を前に成すすべががない!体の内側まで焼かれるような熱量に必死に堪える!
    玻璃上八里:「産声にも限度があるぞォーッ!??」
    志木倫堂:隕石を殴りつけて爆散させるが、半身が吹き飛ぶ。リザレクト!
    陶 妙算:HPが1になりギリギリ耐える
    志木倫堂:1d10+89
    DoubleCross : (1D10+89) → 5[5]+89 → 94

    訃静 零:「んんーん、上々、上々。この子街に解き放ったら面白そーう!」悪党は目を輝かせ、滅びの光景を堪能している。
    津村孝蔵:「勘弁してくれよ」爆風で体が前から掻き消え、同じように前から再生していく。リザレクト。
    津村孝蔵:1D10+91
    DoubleCross : (1D10+91) → 6[6]+91 → 97

    玻璃上八里:イワド殿のロイスを切って復活!HP11!
    志木倫堂:エロス—!
    GM:真っ先に斬られたー!
    陶 妙算:「だ、大丈夫ですか。みなさんっ」
    GM:よし、ではカミ。どうせだからそのままの流れで陶くんに答えつつ手番だ!
    玻璃上八里:そこには、灰の山があった。
    玻璃上八里:「……ファーッハッハッハッハッハァ!」(任意の個所から響く高笑いと光源演出)
    玻璃上八里:マイナー!戦闘移動!
    玻璃上八里:エンゲージ切って5M直進するぜ!
    玻璃上八里:そしてメジャー前にウェポンケースでスペシャルシート(ヘヴィマシンガン)装備!
    玻璃上八里:「カミ!」(任意の舞い散る灰と光源演出)
    玻璃上八里:「さい!!」(任意の灰の中より出づる影と光源演出)
    玻璃上八里:「たーーーん!!!!!」(任意のカッコいい決めポーズとド派手な光源演出)
    玻璃上八里:おお、その煤塗れの姿を見よ!
    玻璃上八里:その右腕には既に〈折り畳み〉を解除され、一体化する形で展開中のスペシャルシートが!
    陶 妙算:「……そうか、カミといえば復活!?」
    玻璃上八里:メジャー!金運招来ビームコンボ!!!
    GM:判定来いやぁ!
    玻璃上八里:コンセ3カスタマ4クリスタライズ2!!範囲攻撃は温存するぜ!
    玻璃上八里:対象は〈287〉!
    玻璃上八里:13dx7+4-3 武器補正込み!
    DoubleCross : (13R10+4-3[7]) → 10[1,1,2,5,5,5,6,6,7,7,7,9,9]+10[2,4,5,5,10]+4[4]+1 → 25

    GM:一応ドッジ!
    GM:6dx10
    DoubleCross : (6R10[10]) → 7[2,2,2,3,5,7] → 7

    GM:無理だった! ダメージ!
    玻璃上八里:3d10+12+6 武器とクリスタライズ分込み!装甲貫通!
    DoubleCross : (3D10+12+6) → 18[3,10,5]+12+6 → 36

    GM:36点通し、結構なダメージが入ったが……まだまだ立つ! 演出どうぞ!
    玻璃上八里:「新たなる命が産声を上げたとあらば、このスペシャルシートの出番よなァ!!」
    玻璃上八里:しゅるしゅると展開する銀紙が右腕へと円錐状に巻き付き、大きな砲台として結実する!
    玻璃上八里:「名付けてェ!『星貫祝砲(メガトンクラッカー)』!!!」(任意のド派手な光源演出)
    《287》:「いの、ち……産声……?」その声は、人の物だった。もう、人になっている。
    《287》:獣の声を発する段階を終えて、〝それ〟は急速に人間を模倣しているのだ。
    玻璃上八里:「人の世界へようこそ!カミ直々に祝砲を送るとしよう!!」
    玻璃上八里:「お誕生日━━」銀の円錐が、熱をため込み。
    玻璃上八里:「おめでとォオオオオオ!!!!!!!!」放たれる。
    玻璃上八里:部屋ごと覆いつくす高熱の祝福がが<287>ちゃんを焼き尽くす!!!
    《287》:その攻撃に殺意が有ったのなら。獣から分化したばかりの〝それ〟は、生来備わったサラマンダー能力を用いた対抗策を用いたやも知れない。
    《287》:だがこれは祝福だ。敵意も殺意も無い。故に幼子はなんの怖れもなく手を触れようとして、
    《287》:「──っ!!」
    《287》:腕の皮膚を、肉を、骨までも焼く大熱量。……痛覚神経はどこまで再現しているものか。
    《287》:否。再現などしておらずとも、その衝撃が幼子にこう伝える。
    《287》:「祝砲は、危ない。怖いものだ」
    訃静 零:「……あの火力だと私にも効くか……さっさと殺しませんとねぇ」
    GM:では次、津村さん!
    津村孝蔵:はいな。マイナーで戦闘移動で13m後退します。
    GM:下がった!
    津村孝蔵:メジャーで《原初の赤:巨人の斧》。「グリッチ」を使って287に攻撃。
    GM:判定どうぞ!
    津村孝蔵:5DX+10
    DoubleCross : (5R10+10[10]) → 7[1,3,3,3,7]+10 → 17

    GM:ドッジ!
    GM:6dx
    DoubleCross : (6R10[10]) → 10[1,4,6,8,9,10]+2[2] → 12

    GM:もうちょっとだった……ダメージ!
    津村孝蔵:せふせふ。
    津村孝蔵:2DX+29
    DoubleCross : (2R10+29[10]) → 6[3,6]+29 → 35

    GM:38かなこれは!
    津村孝蔵:あ、もうレベル上がってます
    GM:ダメージダイスが2dxになってるぜ……
    津村孝蔵:あ、DXでふってた!
    津村孝蔵:38ですね…
    GM:OK,
    GM:装甲引いて33点通し! いい具合に入ったぞ演出!
    津村孝蔵:一切の予備動作なく弓から黒い軌道が放たれる。一瞬遅れて、晩鐘のごときゴォンという音が響いた。
    津村孝蔵:「右肩」
    津村孝蔵:「これで止まってくれるといいが」
    津村孝蔵:「そうもいかなさそうだ」ぽっかり丸く空いた傷口が塞がっていくのを見ながら。
    《287》:宣言よりも風切り音よりも、或いは認識すらも超えて速く。
    《287》:その矢は《287番》の右肩を貫き──否。そんな生やさしいものではない。
    《287》:丸く骨肉をえぐり取り風穴を開けて、向こう側、コンクリートの壁に突き刺さる。
    《287》:「っ、く……!」今回は明確に痛がり、顔をしかめた。だがそれも僅かの事。直ぐにも表情は元のように薄まって、
    《287》:「止まる、とは」
    《287》:「……死ぬことじゃあないのか?」
    《287》:彼女は問う。問う程の知性を、既に得た。
    津村孝蔵:「かなり近い」短く答える。
    《287》:「そうか」
    《287》:「私達は、死にたくなかった」
    《287》:「……なら、止まれないな」
    津村孝蔵:「そうか。俺も止まれない。矢と同じだ」
    GM:では。陶くんの手番だ。
    陶 妙算:「『化け物は、人間にはなれない』」
    陶 妙算:「貴方はそういいましたね。」
    陶 妙算:訃静さんに声をかける
    訃静 零:「……………………ええ。それが」
    陶 妙算:「いえ、貴方にしては真っ当なことを言うと思っただけです。」
    陶 妙算:「だって、そんなことは『当たり前』のことだ。」
    陶 妙算:「僕が志木くんになれないように、志木くんが玻璃上さんになれないように、玻璃上さんが津村さんになれないように」
    陶 妙算:「誰だって、別の誰かにはなれはしない。」
    陶 妙算:「けど、僕らは寄り添って生きている。」
    陶 妙算:「化け物が人間になれなくって構わないんだ。」
    陶 妙算:「ただ、寄り添って生きるという気持ちがあれば、僕らはその人と一緒に生きていける。」
    訃静 零:「……何が言いたい」苛立ちが滲む、低い声。
    陶 妙算:「貴方には。それができない。それは、化け物でいることよりもずっと哀れだよ。」
    訃静 零:「へぇ」
    訃静 零:「……私を、哀れむと」
    陶 妙算:「貴方が実験体と見下し、弄んだ、僕の友達は」
    陶 妙算:「もう貴方には出来ないことを成し遂げてる。この戦いの結果がどうなれ、貴方はもう負けてる。」
    陶 妙算:「そのことだけは言っておきたかったんだ。」
    陶 妙算:マイナーでジェネシフト!
    陶 妙算:95+2d10
    DoubleCross : (95+2D10) → 95+11[4,7] → 106

    陶 妙算:メジャーで《惑乱之術理》!
    陶 妙算:次の攻撃をシーン(選択)に!
    GM:来るか……判定どうぞ!
    陶 妙算:対象は287と訃静さんだ!死ねえ!!
    GM:殺意が高いな!
    陶 妙算:6dx+30
    DoubleCross : (6R10+30[10]) → 10[1,4,5,5,7,10]+2[2]+30 → 42

    陶 妙算:よっし
    GM:片方は暴走リア不、287ドッジ
    GM:6dx
    DoubleCross : (6R10[10]) → 10[4,5,6,8,8,10]+4[4] → 14

    GM:回ったところで無理や! ダメージ!
    陶 妙算:フェイタルヒット!!
    陶 妙算:5d10+4d10+15
    DoubleCross : (5D10+4D10+15) → 28[9,7,8,1,3]+27[4,8,6,9]+15 → 70

    陶 妙算:い
    GM:うぐぇっ
    GM:い、生きてはいるけど
    陶 妙算:よし、いい感じ!
    GM:予想外に一気に持ってかれたなぁ……!
    陶 妙算:侵蝕が110に
    陶 妙算:演出!
    GM:訃静には70点まるごと通しで相当の深手を。287には65点、だがこちらは
    GM:まだまだ立つぞ演出どうぞ!
    陶 妙算:〈居合は鞘の内にあり〉
    陶 妙算:という言葉がある。
    陶 妙算:居合とは、所詮は抜き放つまでの鞘放れの技であり、一刀で決めるのが本旨である。
    陶 妙算:故に、居合とは抜くまで間こそを勝負とせよという心法である。
    陶 妙算:されど、真に居合を極めた者はこの心法こそを境地とする。
    陶 妙算:"吹けば行く 吹かねば行かぬ 浮雲の 風にまかする 身こそやすけれ"
    陶 妙算:師から伝えられた極意が、浮かび、そして消える。
    陶 妙算:心気を一統し、己が身を浮雲とする。
    陶 妙算:心気を一統し、己が身を浮雲とする。
    陶 妙算:心を剣に乗せ、術理にて身体を満たす。
    陶 妙算:そして、それらが風に吹かれるまま霧散していくことを受け入れる。
    陶 妙算:"浮雲"が去った後に残るは"空"
    陶 妙算:"空"を満たすはただ"陽光"のみ
    陶 妙算:これぞ
    陶 妙算:「"玉光"」
    陶 妙算:陶がそう呟く。
    陶 妙算:刀は未だ鞘の内にある。
    陶 妙算:されど、訃静たちの身体にひとりでに朱線が走った。
    《287》:「──?」
    《287》:「え、あっ」
    陶 妙算:鞘を抜かずして相手を切り捨てる居合の極意。初見で防げるものではない!
    《287》:「あ、あああああぁっ……!?」
    《287》:斬。
    《287》:赤い衣服を断ち割って、腹部に開く紅の華。
    《287》:人と同じ臓腑が零れ、同じ色の血が飛沫く。
    《287》:《287番》が感じたのは痛みではない。始めは熱。続いては寒さ。……いずれも彼女自身が司るもので、
    《287》:滅びの光景につきまとう、忌まわしきもの。
    《287》:「うううぅっー……っ!!!」蹲り、傷口を両手で押さえ、零れた腑を体内へ押し込む。
    《287》:それは見苦しくも生存を望む獣の有様──
    訃静 零:「かっ、ハッ……!」血を吐いた。このような女でも、血は人と同じ赤色をしている。
    訃静 零:けれども。断ち割られた胴体をどう扱うか。それは〝子〟に比べて、幾分かの狂気を帯びていた。
    訃静 零:ぶちっ。
    訃静 零:びしゃっ。
    訃静 零:腹から零れた〝邪魔なもの〟を、訃静 零は素手で引き千切り投げ捨てて、
    訃静 零:中身の減って軽くなった腹部を、手から発する熱で焼き閉じた。
    陶 妙算:音も姿もない斬撃が僅かな残滓を示すように、コンクリートに覆われたはずの床に一瞬陽光がきらめいていく
    訃静 零:「……私を哀れむのか、へぇ」
    訃静 零:「へぇ……」
    訃静 零:その目はいやに静かで、冷静だった。
    陶 妙算:「憐れまれるのは、お嫌いですか?」
    訃静 零:「……そうですねぇ、ええ」
    訃静 零:「確実にぶっ殺してやるにはどうしたらいいか、考えているところです」
    GM:では、訃静の手番に入ろう。
    GM:さて、困ったことにみんなエンゲージがバラバラだぞ!
    GM:前へ進むとカミとぶつかるので、それしか手段は無いなぁ!
    GM:という訳で
    玻璃上八里:フハハハ—ッ!戦闘データ抜いておいてよかった!
    訃静 零:マイナー、5m前進してカミとエンゲージ!
    訃静 零:そしてメジャー、コンボ《纏炎白打》。《コンセントレイト》3+《災厄の炎》8でカミをぶん殴る!
    GM:判定!
    GM:12dx7+4
    DoubleCross : (12R10+4[7]) → 10[1,1,2,2,4,6,6,8,8,8,9,9]+10[2,3,3,4,9]+5[5]+4 → 29

    玻璃上八里:フ。暴走中ゆえリア不だが……
    玻璃上八里:〈砂塵の城壁〉って使えましたっけ……?
    GM:えーとルルブルルブ
    GM:対象が受けるダメージを0にする
    GM:困ったことに使えてしまうなぁ……!
    GM:deha
    GM:ではダメージ!
    GM:24+3D10+6D10
    DoubleCross : (24+3D10+6D10) → 24+17[4,9,4]+34[2,7,1,10,5,9] → 75

    玻璃上八里:有難く使用!ダメージを0に!!!
    GM:本当に厄介だなぁカミ! 前もそうだった!!!
    訃静 零:──ぱきっ。口内に隠した錠剤を噛み砕き呑み込む。事前に服薬していたカプセル剤も胃の中で溶解を始めた。
    訃静 零:その動きは武術の理を捕らえて合理的に、静かに。それでいてオーヴァードの身体能力を得た、目に影すら映さぬ速度。
    訃静 零:気付いた時には、正面にいる。
    訃静 零:そうと認識した時には既に右手が振りかぶられている。
    訃静 零:しなる腕。炎を纏うそれは、鋼の強度を備えた灼熱の鞭。
    訃静 零:まずは一人、首を落とさんと。音を超えた速度の手刀が振るわれる──!
    玻璃上八里:致命の体術が迫る。カミは動かない。
    玻璃上八里:「うーむ。確かにこれは早い。」カミは動かない。だが。
    玻璃上八里:捉えている。
    玻璃上八里:首へ迫る手刀には、女性の柔らかな組元の皮膚ではなくざらりとした紙の手触りが触れることだろう。
    訃静 零:「……!」
    玻璃上八里:圧縮された白紙は遮るだけでなく、自身の体勢をも崩しうる諸刃の剣だ。
    玻璃上八里:故に、あえて反動に乗る。のけぞった分、彼女の首の高さは下がり、手刀は空を切る。
    玻璃上八里:とん、と足を浮かばせる。首元から放出される紙により、設置した砲台の支点をもとに体はひっくり返る。
    玻璃上八里:手刀にひっくり返ったビジネスシューズが重なり、更に跳躍。
    玻璃上八里:重心の差などものともせず、ムーンサルトで宙を舞い、着地。
    玻璃上八里:「流石だよ。光源を挟む余裕もなかったな。」
    GM:──では、カミ。
    GM:あなたは確かに訃静 零の〝一撃〟を避けた。
    GM:近接格闘を専門とするでもないあなたの身のこなしは、彼女の意表を突くに十分であっただろう。
    GM:だが。
    訃静 零:左手が奔る。最短距離を。真っ直ぐに。
    訃静 零:右手の大ぶりな軌道を目くらましにした次段が狙うのはあなたの襟首で
    訃静 零:オートアクション
    訃静 零:《瞬間退場》+《瞬間退場Ⅱ》を宣言します
    玻璃上八里:その手を見据え、なおも微笑みは揺らがない。
    GM:瞬間退場の効果は無論ご承知の通り。シーンからの離脱です
    津村孝蔵:あっ使えって言われた!《無上の一矢》!
    GM:そして《瞬間退場Ⅱ》は同時に使用することで、至近・範囲選択で他にも道連れをシーンから退場させる。
    GM:そう、即ち。
    GM:あなたの番だ、津村 孝蔵。
    訃静 零:左手の毒蛇がカミの衣服を掴む。引き寄せ、盾としながら──その身が陽炎の如く揺らめき始める。
    訃静 零:《人喰い陽炎 / ラフィング・バーナー》は冷静に、冷徹に、この場を去る事を勝算としている──!
    玻璃上八里:「ふむ。本当に私でいいのか?」
    訃静 零:「ええ、手近に居ましたから」
    陶 妙算:「玻璃上さんっ」
    玻璃上八里:「フ。まあ普段なら少しは慌てるべきところだなァ。」
    訃静 零:(……この場を一度離れる。287番はまだ持つ。なんならこの地下ごと生き埋めにしてやっても──)
    訃静 零:「──ぁあ?」
    玻璃上八里:「いや何。恥ずかしい話だが……」
    玻璃上八里:「今日の私は『見守られている』側なのでね」
    津村孝蔵:《ラフィング・バーナー》の両頬が何の前触れもなく弾ける。
    津村孝蔵:その瞬間、確かに彼女は”カミ”の真意を問おうとして横を向いた。向いてしまった。
    津村孝蔵:”「一番得意なのは相手に見えないところから撃つやつだな」”
    津村孝蔵:———ならば、『狙撃』は、成る。
    訃静 零:「……津村、お前は──っ!」
    津村孝蔵:遺産の力を借りた、到達時間マイナスの一撃。その後に続くのは、津村孝蔵本人の放つただの一矢である。
    訃静 零:引き裂かれた頬から怒気と共に血を溢れさせながら、訃静 零があなたへ振り返るまでのほんの僅かな、長い時間。
    訃静 零:あなたは狙える。
    訃静 零:あなたは、撃てる。
    訃静 零:かつて放つことの出来なかった一射を。
    津村孝蔵:メインプロセスに入ります。
    GM:ごー!
    津村孝蔵:マイナーなし。メジャーで《原初の赤:巨人の斧》《原初の白:マシラのごとく》《原初の黒:オーバードーズ》。「グリッチ」を使ってラフィング・バーナーに攻撃。
    津村孝蔵:ロイスは…切らない。
    GM:おーけい。暴走リア不なので、判定→ダメージまでどうぞ
    津村孝蔵:5DX+10
    DoubleCross : (5R10+10[10]) → 10[1,5,5,9,10]+7[7]+10 → 27

    津村孝蔵:3DX+24+80+11
    DoubleCross : (3R10+24+80+11[10]) → 6[1,3,6]+115 → 121

    GM:わぁ
    GM:残り……9!
    津村孝蔵:失礼、125点ですね
    GM:残り5だった!
    GM:という訳で、この一撃でほぼ殺したも同然まで持っていける……演出をどうぞ!
    津村孝蔵:初めて、薄く笑う。「殺(ト)れた」
    津村孝蔵:心臓が、弾ける。
    津村孝蔵:一瞬遅れて、トラックの衝突のような轟音と衝撃。《ラフィング・バーナー》の肉体は、蜘蛛の巣のようにひび割れたコンクリート壁に縫い留められた。
    訃静 零:──いかに超速度の弾丸であろうが、既に怪物の域に踏み込んだ目は捉える筈だった。
    訃静 零:けれども、その矢は。
    訃静 零:因果関係をすら歪めて届く矢は、避けることも、防ぐこともできない。
    訃静 零:心臓が潰れ、血が失われ、体温が下がって行く。その全ての行程を訃静 零は、己が知識と照らし合わせて瞬時に判断した。
    訃静 零:「……ふざけるな」
    訃静 零:死ぬ。
    訃静 零:どう足掻いても、自分は死ぬ。
    訃静 零:「ふざけんな……ちくしょうが……」
    訃静 零:「津村 孝蔵──お前はァッ!!!!」
    津村孝蔵:「インチキさせてもらった。逃がしたくねえからな」
    《287》:「……そうか」
    《287》:「あれも、死ぬのか」
    玻璃上八里:吹き飛んだ壁を眺め、襟元を直す。
    玻璃上八里:「助けられてしまったな、津村殿。」
    津村孝蔵:「まだだ」
    津村孝蔵:津村の右腕から血が噴き出す。反動だ。
    津村孝蔵:「《バルカノーツ》」「ケリをつけろ」

    殺(ト)れた


    津村孝蔵:浸食率、17上昇します。
    玻璃上八里:111+1d10 さっきのメインプロセス分追加済み!
    DoubleCross : (111+1D10) → 111+4[4] → 115

    志木倫堂:「おう」
    GM:本来、行動順は《287》だ。だが。
    玻璃上八里:侵蝕115
    HP11→2

    GM:《287》は待機する。志木 倫堂
    GM:いや
    GM:《バルカノーツ》、あなたの手番だ。
    志木倫堂:マイナー氷炎の剣1からメジャーでコンセ2結合粉砕5フレイムタン1 侵食+11して
    志木倫堂:12dx@8+2
    DoubleCross : (12R10+2[8]) → 10[1,1,3,3,4,4,5,8,8,9,10,10]+7[3,3,5,6,7]+2 → 19

    志木倫堂:あっラフィングバーナー狙いです
    GM:OK! ダメージ!
    志木倫堂:2d10+22
    DoubleCross : (2D10+22) → 9[8,1]+22 → 31

    志木倫堂:装甲貫通!
    GM:復活エフェクトありません、撃破。演出を!
    陶 妙算:「行け」
    陶 妙算:「やっちゃえ志木くんっ」
    志木倫堂:(こんな地下のどん詰まりに呼びつけて人質を放り出したかと思えば、娘と呼んだ奴を置いて急に逃げようとしたり)
    志木倫堂:「お前が何を考えてんのか、全然分かんねーよクソ女」
    志木倫堂:纏う火勢が上がる。ごぅ、と風が鳴る。
    志木倫堂:——かつて、ラフィング・バーナーの実験によって分不相応なまでに高まった出力は彼自身にすら正しく制御することが出来ず、ただ曖昧な方向指定のもとに拡散するのみだった。
    志木倫堂:広範囲を焼くことはできても、強力なオーヴァードと渡り合うには少し足りない。それを「使える」レベルに引き上げたのは、今は背後で倒れ伏す由解瑛だ。
    志木倫堂:床面を蹴りつける。火柱が大地を、そして壁を伝って吹き上がりながら敵へと迫る。
    志木倫堂:その銘は《灼岩駆り/バルカノーツ》。二次元的な動きに落とし込むことでイメージを固定し、指向性を与えられた破壊の力。
    志木倫堂:地形を巻き込んで巨大化した溶鉄の手が、その肉体を捕らえた。
    志木倫堂:「ーーバッド・ハウンド」
    訃静 零:「お、ぉ──」縫い止められた体。目だけがその火を追った。
    訃静 零:……目を、奪われた。
    訃静 零:外道であれ狂人であれ、研究者だ。自分が手がけた〝作品〟がより高精度で仕上がっているのを見れば、
    訃静 零:驚嘆せざるを得ない。羨みもしよう。誰が、どうやって、そこまで引き上げたと。
    訃静 零:──もとより防ぐ手立てなど無い。壁に固定された標本の如き身体は容易く捕らわれて、
    志木倫堂:膨れ上がった熱エネルギーと運動エネルギーが、死に体の《ラフィング・バーナー》を飲み込み、壁に大穴をあけ
    志木倫堂:その背後に見えた隠し通路を埋めるように、冷えて固まった
    訃静 零:……やがて、その熱の奔流が収まった時。
    訃静 零:あなたはその音が、錯覚でもなんでもなかったと知るだろう。
    訃静 零:「ふふ、ふ、ははははは……」笑っている──本当に小さな声で。
    訃静 零:声を張り上げる力も無く、焼けただれた喉、かすれた声で笑っている。
    志木倫堂:「まだ喋れんのかよ」
    訃静 零:「……何を考えてるのか、分からない……ですか」
    訃静 零:「ええ、そりゃあ……あなたにゃあ分からない。あなた、親、知りませんからねぇ……」
    志木倫堂:「ぶってんじゃねえよ、親の代わりに色々仕込んだのがこのクソッたれ眼鏡なこっちの身にもなりやがれ」
    訃静 零:「知ってます……? 普通の、人間は……」
    訃静 零:「親が死ぬと、悲しいらしんですよ……」
    志木倫堂:「……。」
    訃静 零:「……なんにも悲しくなかった。楽しかった、面白かった」
    訃静 零:「私が放った火で……死ぬ瞬間まで燃えて、まるで踊ってるような親を見て……」
    訃静 零:「……あぁ、私は〝まとも〟じゃないんだなぁ、と思いました……」
    訃静 零:くく、と短い笑声。
    訃静 零:「……なら。まともな人間の為の世界なんて……いりませんよね……ねえ」
    訃静 零:「《ブレンデッド-287》」
    《287》:「……お前の言うことは、よく分からない。志木 倫堂の言うとおりだ」
    《287》:「けど、お前は私の親だ」
    《287》:「お前が死ぬのは少し、悲しい」
    訃静 零:「くく、ふふ……」
    訃静 零:「まだ、まだ、次の手を、次の策を……」
    訃静 零:「……ぶっ殺して、や──」
    志木倫堂:(……もしかして)
    志木倫堂:(俺から、感情を剥奪しようとしたのも、あるいは)
    志木倫堂:(仲間が、欲しかったのか——?)
    GM:ぼうっ。
    GM:熱制御の力を失った骸が、溶鉄の余熱で燃え上がる。
    GM:その火はやがて、悪辣なる企てごとその女を、灰すらも残さずに焼き尽くすのだろう。
    GM:……ただ一つ、その女が勝ちを得たとしたら。弔う墓も作れぬ程に、燃えてこの世から消えたこと。
    GM:《ラフィング・バーナー》訃静 零。長きに渡り多くの人間を苦しめたエージェントの、最期の姿であった。
    志木倫堂:(いや、わかんねーな。わかんねーことを考えても仕方ねえ)
    志木倫堂:「……じゃあな」
    GM:あなたは別れを告げる。その言葉に礼を言う殊勝な相手ではないと知りながら。
    GM:……そして。背後からの、
    GM:室内の気流を乱して暴風を生む程の莫大な熱量を感じながら。
    陶 妙算:「志木くんっ!ダメだっ、まだ終わってないっ!」
    志木倫堂:「っ」
    《287》:──振り向けば。〝その生き物〟はまるで人のように顔をグシャグシャにして泣いていた。
    《287》:熱と暴風は、彼女を中心に生み出された物だ。
    《287》:《滅びの因子》
    《287》:かつて滅びた獣達の影を現世へ生む力──この個体は歪んだ形で発現させている。
    《287》:《ブレンデッド-287》。それが生み出すものは、獣達が死の直前に見た世界だ。
    《287》:〝大量絶滅の瞬間を地上へ再現する〟。それが彼女の力である。
    《287》:「誰が悪いとか、正しいとか聞いたら。たぶんみんな、お前達が正しいって言うんだろうな」
    《287》:「……だからこれは、私の身勝手な敵討ちだ」
    《287》:頬から伝い落ちた涙が一粒──蒸発した。
    《287》:室温は上がり続けている。
    GM:では早速だが、待機を選択していた《287》の手番だ。
    《287》:マイナー、無し。
    《287》:メジャー、コンボ《Monster's crying now.》、《サイレンの魔女》+《援護の風》+《ウィンドブレス》
    志木倫堂:ウワーッ!
    《287》:対象はシーン選択なのでもちろんPC全員です
    玻璃上八里:グエエエーッ!!!
    《287》:12dx+15 命中判定
    DoubleCross : (12R10+15[10]) → 10[1,3,3,4,5,5,7,7,9,9,9,10]+1[1]+15 → 26

    津村孝蔵:はい。
    志木倫堂:炎陣! 陶くんカバー!
    玻璃上八里:暴走リア不だぜ
    陶 妙算:あ、ありがとう!!
    陶 妙算:一応ドッジ!!
    陶 妙算:6dx+1
    DoubleCross : (6R10+1[10]) → 10[1,1,4,5,7,10]+4[4]+1 → 15

    陶 妙算:はい無理!!
    津村孝蔵:一応よけてみます。
    GM:さあこい!
    津村孝蔵:5DX
    DoubleCross : (5R10[10]) → 10[3,4,4,7,10]+5[5] → 15

    津村孝蔵:だめ。もらいます。
    GM:OK、ダメージ
    GM:3D10+18
    DoubleCross : (3D10+18) → 22[7,8,7]+18 → 40

    《287》:軽く演出!
    《287》:「お前達も見るがいい!」
    《287》:「これが〝私達〟の辿った終焉だ!」
    《287》:──地下空間を満たす熱気流。それは愈々竜巻の如き暴風となり、やがては
    《287》:やがては風の中に炎を産み出すにいたる。
    《287》:渦を巻く、揺れる赤。
    《287》:溶岩が地を満たした日。きっとこんな風が、獣達の住処を焼き払ったのだろう。
    《287》:灼熱の暴風は、あなた達をも等しく滅ぼさんと吹き荒れる──!
    志木倫堂:「正しいとか、正しくねーとかなら」
    志木倫堂:炎の渦が、自身と、背後の陶くん、由解さんを覆うように巻き起こり
    志木倫堂:飴のように変形し、めくれ上がった建材が熱風を遮断する。
    志木倫堂:「お前は正しいよ」
    志木倫堂:『だから、奴とは相容れない』とは言わなかった。ただ空にいくつもの爆発を起こし、気流を誘導していく。
    志木倫堂:慣れない精密動作はすぐに破綻し、脳髄が焼き切れるような苦痛の中で
    志木倫堂:それでも能力を行使する!
    陶 妙算:先程よりも凄まじい圧倒的な破壊の力。立ちはだかるものをすべて屠らんとするが如くの憎悪。
    陶 妙算:一目で、死を想起させるその暴風から
    陶 妙算:今日出会った少年が、僕たちを必死に守ってくれようとしてくれている姿を見た
    陶 妙算:「志木くん…っ!」
    陶 妙算:志木くんの背中から、悲痛な叫びが聞こえる。
    GM:喉へ届けば喉を焼く、肺に入れば肺を焼く。生存を許さぬ暴風圏。
    GM:その中央にあなた達がいる。
    GM:あなた達は、立っている
    玻璃上八里:━━カミは立ち続けている。
    玻璃上八里:足場の固定する金紙が、みるみる灰色に染まり、肌が再生した傍から焼け焦げる灼熱の中。
    玻璃上八里:『私』は立つ。背中の皆も立ち続けると信じているから。
    志木倫堂:笑顔切ります
    GM:真っ先に笑顔が切られた!
    津村孝蔵:《ラフィング・バーナー》のロイスをタイタス化、昇華。復活します。
    玻璃上八里:由解殿ロイスで復活。私が助けるのは最早無粋だからなァ。
    志木倫堂:もう笑顔に依存しなくても大丈夫ですからね! 陶くんのお陰で!
    津村孝蔵:棒立ちのままの津村の肉体が崩れては成り、成っては崩れる。直前まで標的だった女の顔が薄れていく。
    津村孝蔵:炎の嵐が去ったのち、そこには虚ろな目の男が立っている。
    津村孝蔵:黙って懐から煙草を取り出し、火を付ける。
    GM:クリンナップ&第2ラウンドセットアップ!
    玻璃上八里:なし!!!
    《287》:無し!
    陶 妙算:なし!
    志木倫堂:エターナルブレイズ 攻撃力+24 行動値-5 侵食+4
    津村孝蔵:《永劫進化》。
    津村孝蔵:ラウンド中、「原初」のエフェクトのレベルが上がります。
    GM:来たか……!
    GM:では
    《287》:ではイニシアチブで《加速する刻》! 第二形態からは解禁するぞ!
    玻璃上八里:グエエエエエ—ッ!!!!!
    陶 妙算:かかってこいやっ
    《287》:マイナー無し。メジャー。コンボ《Monster's crying now.》、《サイレンの魔女》+《援護の風》+《ウィンドブレス》
    《287》:12dx+15
    DoubleCross : (12R10+15[10]) → 10[1,3,3,4,7,7,8,9,9,9,10,10]+3[2,3]+15 → 28

    陶 妙算:ドッジャ!!
    津村孝蔵:ドッジします。
    玻璃上八里:はい、暴走中ですね。
    陶 妙算:6dx+1
    DoubleCross : (6R10+1[10]) → 10[1,3,4,4,8,10]+3[3]+1 → 14

    陶 妙算:あ
    陶 妙算:クリティカルはする!
    志木倫堂:もっかいカバー!
    津村孝蔵:5DX
    DoubleCross : (5R10[10]) → 10[1,1,2,9,10]+6[6] → 16

    GM:もはやナイトの様相
    《287》:「……なぜ、死なないっ……お前達は生きている!」
    津村孝蔵:クリティカルはしたが、ですね。もらいます。
    《287》:「〝私達〟はそうできなかったというのに──っ!!!」
    GM:3D10+18
    DoubleCross : (3D10+18) → 21[6,8,7]+18 → 39

    《287》:──次の〝滅び〟は、吹雪であった。
    《287》:全球凍結。……その光景を人が知ることはない。数字と文字で示された推測の上の光景だ。
    《287》:暴風の強度はそのまま、温度はマイナス数十度まで低下する。
    《287》:吹雪の中に混ざる氷片が、無数の刃となりあなた達へ殺到する!
    津村孝蔵:287にロイスを取得します。
    津村孝蔵:・現地追加標的/《287》/無関心○/憐憫
    志木倫堂:ロイスを過去に葬った少年に取ってタイタス昇華!
    津村孝蔵:そして即座にタイタス化、昇華して復活。
    GM:よし、カバーは志木くんでいいかな!
    陶 妙算:お願いします!
    志木倫堂:陶くんで!
    GM:OK! そしてカミはどうする!
    玻璃上八里:うーん……すまぬ志木殿!ロイス切らせて!
    玻璃上八里:復活!次喰らったらダウンだ!
    志木倫堂:イイヨイイヨ~
    津村孝蔵:何か口を開こうとした。が、その言葉は放たれることなく極寒の中に消えた。そして、男の肉体はたやすく砕けた。
    津村孝蔵:気が付いた時には、何を言おうとしたかは忘れていた。誰に、何を言おうとしていたのか?小さな疑問は、解決される間もなくアドレナリンに押し流された。
    津村孝蔵:懐から煙草をもう一本取り出し、火を付ける。数秒前にも同じことをした覚えがあるが、なぜかは考えなかった。
    玻璃上八里:白いスーツ。色素が抜けて白く染まった髪。雪に塗れて更に白き偶像と化していく。
    玻璃上八里:「安心するがいい、赤子よ。私は先程からずっと死ぬほど痛い。」
    玻璃上八里:「でも。もう少し頑張らせてもらうぞ。」
    玻璃上八里:「━━守るべき者たちが、私の背中にいる」
    志木倫堂:「妙算……手を」
    志木倫堂:右手を前方に翳しながら、左手を彼の方へ
    志木倫堂:「握って、いてくれ」
    陶 妙算:その言葉に、こくりと頷く
    陶 妙算:白魚のように細い手が志木くんの手に触れる。
    志木倫堂:落ち着いて、息を整えて。
    陶 妙算:「由解さんのことでもいい、玻璃上さんのことでもいい」
    陶 妙算:「大事な人のことを、思いながら戦って」
    志木倫堂:集中する、ひんやりとした彼の手の感触と、眼前の吹雪に。
    陶 妙算:氷を弾くような、志木くんの温かい手に触れながら言う。
    志木倫堂:目を閉じる。温度を
    志木倫堂:温度だけを、捉えろ。
    陶 妙算:「そうしたら、君はきっと負けない。」
    志木倫堂:「ああ、ありがとう」
    志木倫堂:直後、弾幕のようにいくつもの爆発が、彼らを覆いつくす。いくつもの、いくつもの、いつ終わるとも知れぬ——
    志木倫堂:以前は出来なかった事だ。
    志木倫堂:もっと無駄なく、もっと熱く、もっと精密に——
    GM:数多の獣を滅ぼした吹雪も、やがては止む。
    GM:大気が温度を取り戻し、吐く息の色が消える。
    GM:人の時代だ。
    志木倫堂:吹雪が晴れた時、一瞬だけ青い炎の残滓が舞い
    志木倫堂:そして消えた。
    志木倫堂:がくりと膝をつく。生きている。
    GM:では
    GM:カミの手番だ。
    玻璃上八里:うむ!
    玻璃上八里:移動不可なのでマイナーで暴走解除!
    玻璃上八里:メジャー!コンセ3カスタマ4クリスタ2!!!
    玻璃上八里:287ちゃんがじゃれ着いた分のお返しをせねばなァ!!!
    GM:リアクションはガード! 判定からダメージまでどうぞ!
    玻璃上八里:13dx7+1 武器命中補正込み!
    DoubleCross : (13R10+1[7]) → 10[2,3,3,4,4,5,5,5,6,6,7,7,9]+10[1,4,10]+3[3]+1 → 24

    GM:tes
    玻璃上八里:3d10+12+6 オラーッ
    DoubleCross : (3D10+12+6) → 5[2,2,1]+12+6 → 23

    玻璃上八里:グエエ—ッ!!!!!
    GM:わぁ……
    GM:装甲無視で23点通し! 済まぬがまだこれなら死なない演出どうぞ!
    玻璃上八里:「では、こちらの手番だな。」灰となった折り紙の残滓が右腕へと集まる。
    玻璃上八里:「とはいえ祝砲はもう撃った。次に送って喜ばれそうなものとしては……」
    玻璃上八里:「━━『遊び道具』だなァ−ッ!!!」
    玻璃上八里:圧縮された灰が小さな腕甲となり。最後の因子が右腕に灯る。
    玻璃上八里:なけなしの出力を振り絞りレーザーカタパルト射出!カミのロケットパンチだ!!!
    《287》:着弾! ……だが、その一撃だけでは仕留めきれない!
    《287》:胴体の中心で拳を受け止めた《287》は、床に足を引きずりながらも踏みとどまる。
    《287》:「……こんなもの」
    《287》:「こんなものを貰って! 何が嬉しい!」
    玻璃上八里:「フハハ。例えば、だ。」
    《287》:──内蔵の構造は人に近いのか。口から、おそらくは内蔵由来の血を吐きながらも、それは叫ぶ。
    玻璃上八里:「生きている『君』から、もらえたらもっと嬉しいプレゼントを聞けるなァ。」
    玻璃上八里:スーツはボロボロ。膝はがくがくと震え。紙のストックも
    玻璃上八里:切れた。だが。
    玻璃上八里:カミは立っている。『君』に寄り添うために。
    《287》:「私達の嘆きを、祝いの席の座興とするか……お前はァッ!!!」激昂、咆哮。
    《287》:獣は立っている。その怨嗟を世界へ叩き付ける、ただの〝八つ当たり〟の為に。
    GM:では
    GM:津村さんの手番だ。
    津村孝蔵:はい。
    津村孝蔵:マイナーなし、メジャーで《原初の赤:巨人の斧》を使用して、グリッチで287に攻撃。
    津村孝蔵:5DX+10
    DoubleCross : (5R10+10[10]) → 8[2,4,5,7,8]+10 → 18

    津村孝蔵:妖精の手。
    GM:ガード! ダメージどうぞ!
    GM:おっっ
    津村孝蔵:1DX+20
    DoubleCross : (1R10+20[10]) → 3[3]+20 → 23

    津村孝蔵:3D10+32
    DoubleCross : (3D10+32) → 22[9,4,9]+32 → 54

    GM:わぁ
    GM:ちょっと残HP計算!
    GM:49通しで累計206ダメージか
    GM:次の一撃で斃れる……かも知れない……いや出目次第でどうだろ……
    GM:というところです演出どうぞ!
    津村孝蔵:震える腕で弓を構える。当たるだろう。心臓は腕で防がれる。腹部も同じ。腕部は再生速度を見るに効果が薄い。ならば、脳。
    津村孝蔵:ゴォン。
    津村孝蔵:黒い軌跡は、278の脚へと続いていた。なぜそうしたかは思い出せない。
    津村孝蔵:一瞬遅れて、穴が開いた。
    津村孝蔵:「ああ、止めるんだったな」「そうだ。なら脚だ」
    《287》:ボゴッ
    《287》:骨と肉が纏めて吹き飛んでから、《287》は矢の到来を知り、着弾を知る。
    《287》:右足。大腿部を大きく抉った矢。中央に通る大腿骨という支えを失って、《287》の身体がぐにゃりと傾き──
    《287》:「っ!」咄嗟に両手を床に着く。……格闘戦を得手とするでもない。そこから無理に立ち上がろうとはせず、
    《287》:「……止めると殺すは、同じ意味なのではなかったか」
    津村孝蔵:「あー」思い出す。「言った。かなり近いが違う」
    津村孝蔵:「すまんがうまく説明できん。あまり自信もない。が、止める」
    《287》:傷は塞がらない。その獣は両手と、無事の左足を床についた。
    《287》:罠で片足を失った獣が、こういう姿になる。
    《287》:「る、ぅううるるるるるる……」
    《287》:人の声帯から発せられる獣の声を、
    《287》:玻璃上 八里。あなただけは、きっと聞いたことがあるのだろう。
    GM:では。陶くんの手番だ。
    陶 妙算:一瞬、自分を守ってくれた少年に目を移す
    志木倫堂:行け、と目で伝えます。
    陶 妙算:繋いだ手の暖かさが、自分を守ってついた傷が、傷ついてもなお前に進もうとする意思が
    陶 妙算:すべてが愛おしく思える。
    陶 妙算:抱きしめたくなるような衝動を抑え、繋いだ手を離す
    陶 妙算:チルドレンとして、為すべきことを為す。今が、その時だ
    陶 妙算:マイナーで移動!接敵!
    陶 妙算:メジャーで素殴り!
    GM:リアクションはガード! ダメージまでどうぞ!
    陶 妙算:6dx+30
    DoubleCross : (6R10+30[10]) → 9[3,3,5,6,7,9]+30 → 39

    陶 妙算:おしい
    陶 妙算:フェイタルヒット!
    陶 妙算:4d10+4d10+15
    DoubleCross : (4D10+4D10+15) → 21[4,5,3,9]+24[10,6,6,2]+15 → 60

    陶 妙算:侵蝕が114に
    GM:55通し……少しだけオーバーキル
    GM:復活エフェクトはありません、演出をどうぞ
    陶 妙算:伯耆安綱を〝捨〟に構えた。新陰流でいえば〝車〟であり、別流では〝斜〟とよぶ。いずれも〝シャ〟であり、脇構えをさす。
    陶 妙算:「生きることは、前に進むことです。」
    陶 妙算:「死ぬことは、もう前に進めなくなること。」
    陶 妙算:「だから、死んでしまえば止まってはしまいます。」
    陶 妙算:〝捨〟に構えたまま、前に出る。
    《287》:「なら、同じだ」
    陶 妙算:「違います。」
    《287》:「何が違う!」
    《287》:「〝私達〟にとって、それは何が違うんだ!」
    陶 妙算:「死なずに止まるだけなら、また前に進める。」
    陶 妙算:「止まったからこそ、横にいるものが、足元のものが見えることもある。」
    陶 妙算:残火となごり雪の合間を縫うように
    陶 妙算:不意に白刃がきらめく
    陶 妙算:「あなたのお姉さんは」
    陶 妙算:「止まることで、僕たちと友だちになりました。チョコレートの美味しさも知りました。」
    《287》:四つに這う獣の姿。迫る敵に喰らい付かんと、牙を剥き出しに爪を研ぐ──
    《287》:「──!」
    《287》:姉。
    《287》:知らぬ。
    《287》:知らぬ筈だ。
    《287》:けれどもそう聞かされた時にどうしてか、思い浮かぶ顔がある。
    《287》:自分の〝成長〟の過程で、数秒で踏み越えた行程を、何年もかけて続けている最中の、
    《287》:どこかの、小さな子供の顔だ。
    陶 妙算:言葉により、一瞬の動揺を誘う。その瞬間を見抜いていたかのように
    陶 妙算:伯耆安綱の峰が、彼女の首筋を打つ
    陶 妙算:「だから、止まることを恐れないでください。」
    陶 妙算:「きっと、お姉さんも待ってます。」
    《287》:みしぃっ
    《287》:重い。されども、殺害を意図せぬ一打。
    《287》:人に限りなく近く構築された身体は、四肢への力の伝達を途絶えさせた。
    《287》:意識こそ残ったまま、獣は腹を床に落とし──
    《287》: 
    《287》:「──私の負け、か」
    《287》:そう、獣が呟く。
    陶 妙算:「……うん、お疲れ様。」
    陶 妙算:「もう、休んでいいよ。」
    《287》:ごろり。身体を横へ転がして仰向けになった獣は、
    陶 妙算:子供を、赤ん坊をあやすように言葉を紡ぐ
    《287》:「……それも悪くない。生まれて初めての休息だ」酷く真面目くさった顔で言う。
    《287》:「ふむ」
    《287》:「……考えてみると、していない事が多いな」
    《287》:「遊びもそうだ。まだ眠った事も無い。空を見上げたこともない」
    《287》:「怒ったり、泣いたり、そういう事は散々にしたんだが──」
    玻璃上八里:「フハッ、ハ。その通りだ。」
    玻璃上八里:「用意する傍からどんどん成長するものだから、贈り物も追いつかなかったぞ」
    《287》:寸拍。
    《287》:「フ、ア」
    《287》:「ファーッハッハッハッハッハァ……!」
    《287》:唐突に獣は高笑いをして、だが直ぐに顔を元のように戻し、
    《287》:「おい、祝砲女」
    玻璃上八里:「用意する傍からどんどん成長するものだから、贈り物も追いつかなかったぞ」
    玻璃上八里:「どうした。赤子よ。」
    《287》:「お前の真似をしてみたがしっくりこない」
    《287》:「どうしてそう、影の欠片も見えないような笑い方をするんだ」
    玻璃上八里:「フ。簡単だよ。」
    玻璃上八里:「せっかくこの世界を生きているのだ、笑わなければ勿体ない。」
    玻璃上八里:「生きていれば辛いこともあるし、失敗もあるだろう。いつかはお主の見てきた様な死すら訪れる。」
    玻璃上八里:「だからこそ。笑うのさ。楽しいことを忘れないためにな」
    《287》:「……ふむ。それは新しい概念だな」
    玻璃上八里:「良ければお手本を見せてやろうか?カミのスペシャルレクチャーだ」
    《287》:「忘れる程の楽しいことを持っていないから、私は上手く笑えないと──いや、それは遠慮しよう」
    《287》:……そう応じた《ブレンデッド-287》の身体が──さらさらと、ほつれ始める。
    玻璃上八里:「フハァ……残念だ。」
    《287》:〝人の形に歪めて産み落とされた個体〟が、元のレネゲイドウィルスとしての形質を取り戻す行程、
    《287》:即ち人の姿を一度捨て、世界の循環の中へ戻る行程。
    《287》:〝昇華〟が始まっている。
    《287》:「まずは空でも見てこよう。楽しい事はその後に知る」
    《287》:「……けれども、まぁ、私が笑うなら、だ。こういう風にするべきだろう」
    《287》:息を吸う。まだかろうじて機能を保っている肺を目一杯に膨らませ、
    《287》:「クク、ハハハハ、ハハハハハハハッ、アッハッハッハッハッハ──」
    《287》:──どこかで聞いたような、神経を逆なでするけたたましい笑い声を残して。
    《287》:その獣は、世界の中へと溶けていった。

    バックトラック


    GM:バックトラック!
    GM:今回のEロイスですが、《堕落の誘い》が2枠分。それから《超越活性》がありました。
    GM:都合3つ。振りますか!
    津村孝蔵:ふります!
    津村孝蔵:131-3D10
    DoubleCross : (131-3D10) → 131-17[2,5,10] → 114

    志木倫堂:振らずに等倍で
    玻璃上八里:振るぜ!
    GM:GO!
    陶 妙算:一倍ぶり!!
    玻璃上八里:侵蝕115→123さっきのメインプロセス分!
    陶 妙算:114-6d10
    DoubleCross : (114-6D10) → 114-30[10,3,1,6,9,1] → 84

    玻璃上八里:123-3d10
    DoubleCross : (123-3D10) → 123-20[4,6,10] → 103

    津村孝蔵:で、一倍振りで4つ!
    陶 妙算:やったー!!ありがとう志木くん!!
    津村孝蔵:114-4D10
    DoubleCross : (114-4D10) → 114-22[4,3,5,10] → 92

    玻璃上八里:勝ち確!3個で等倍ぶりだ!
    志木倫堂:114-4d10
    DoubleCross : (114-4D10) → 114-28[10,9,6,3] → 86

    津村孝蔵:もどったー!
    玻璃上八里:103-3d10
    DoubleCross : (103-3D10) → 103-15[6,3,6] → 88

    志木倫堂:帰還!
    玻璃上八里:グッド!侵蝕経験点5!
    GM:全員5点で帰還ですな! おめでとうございます!
    GM:さて。経験点配布ですが、
    GM:いつもの5点セット。シナリオ目標達成が10点の、Eロイス3枠で3点で18点。
    GM:全員が侵蝕で5だから23点ずつ!
    GM:私は92/3の端数切り捨てで30点か……多いな
    玻璃上八里:フフ・・・経験点はおいしいね
    陶 妙算:ごっつぁんです!!
    志木倫堂:経験点を食べて強いまぞくになるんだ
    GM:大N市のシステムで経験点がどこまでの意味を持つのか……それを知る者はいない……
    GM:では、エンディングへと映ります
    GM:移ります

    エンディング1:戦い終わって


    GM:──戦いが終わればそこは、ただの殺風景な空間だった。
    GM:コンクリートを打ちっぱなしにした──尤もオーヴァードの戦いに耐えるからには相応の補強もあるのだろうが──ひたすら広い、直方体の部屋。
    GM:あなた達は、そこにいる。
    玻璃上八里:287のいなくなった床を、じっと眺める。
    玻璃上八里:「……次は、もう少しおとなしい祝砲を用意しておくよ。」
    陶 妙算:つかつかと津村さんの方に歩いていく
    津村孝蔵:例によってぼーっと立っている。
    陶 妙算:そして津村さんの前で頭を下げます。
    陶 妙算:「申し訳ありませんでした。」
    津村孝蔵:「ん?」顔を向ける。
    陶 妙算:艶やかな墨のような髪が揺れ、雪色の肌にかすかに青い脈の入ったうなじがのぞく
    陶 妙算:「津村さんのお言葉を忖度するような真似をしてしまいました。」
    津村孝蔵:「いや、いい。俺よりもよほど上手い説明だった」
    津村孝蔵:「お前がいなけりゃ、あいつはたぶん気付かないまま消えてたな」
    陶 妙算:「……」
    津村孝蔵:「よくやった。感謝する」声色に変化はない。
    津村孝蔵:「お前は、見事に『止めた』んだ」
    陶 妙算:「僕は」
    陶 妙算:「今回、津村さんと玻璃上さんに頼りっぱなしで」
    陶 妙算:「イリーガルである志木くんにもずっと守ってもらってて」
    陶 妙算:「それでも、僕は『チルドレン』として役割を果たせていましたか?」
    津村孝蔵:「充分だろ。これでダメだったら誰が役割果たせてんだよ」
    陶 妙算:顔を上げる
    津村孝蔵:「お前はベストを尽くした。チルドレンとしても…あー、それ以外のなんかとしても。それでいいんだよ」
    陶 妙算:夜空の星々をたたえたような瞳の中にかすかに喜びの色が浮かんでいる
    陶 妙算:「ありがとうございます。津村さんにそう言っていただけると、すごく、嬉しいです。」
    陶 妙算:百合の花が咲いたかのような、
    陶 妙算:明るい、志木くんに教えてもらった笑顔で笑います
    津村孝蔵:「そうか」平板に。「(やっぱりこいつ魔性だわ)」
    志木倫堂:——そのころ
    志木倫堂:「センセイ! 無事か?」
    由解 瑛:「んん……」
    志木倫堂:意図的に落としていた感覚が戻るに従って、全身の重さに気づく。
    由解 瑛:色素の薄い長い髪。虹彩異色の両眼。
    由解 瑛:体温の調節機能が人と異なるのだろう、分厚いコートを羽織りながら、彼女は汗一つかいていなかった。
    志木倫堂:それを叱咤して、彼女を助け起こす。
    由解 瑛:その女性の容姿は、記憶にあるものと何も変わらない。
    志木倫堂:ポケットティッシュを取り出して、顔についた血を拭きます。
    由解 瑛:「……………………?」やがて彼女は、眠りから覚めるように目を開く。
    志木倫堂:思い出す。
    志木倫堂:胸の奥、いつまでも輝きを放つあの日の情景。彼女と共に見た朝日。漠として広がる空、青く霞む地形のシルエット。
    志木倫堂:どこからともなく聞こえてくる澄んだ高音は、今思えば鳥の鳴き声だ。遠くから吹いてくる風が髪を揺らした。それらを概念として切り分ける言葉を知らない過去の俺にとって、その景色は荒涼として、何も無くて、それでも少しだけ自由だった。
    志木倫堂:喜びも楽しみも悲しみも、上手く理解できなくて、それでもずっと、
    志木倫堂:あの時の自由の残り香を求めて、人間のふりをしていたような気がする。
    志木倫堂:その記憶を宝石のように胸の奥へと仕舞う。
    志木倫堂:「生きてるみたいで、良かった」
    由解 瑛:目を覚ました由解 瑛は、周囲を目で探った。
    由解 瑛:ここには、あなた達しかいない。
    由解 瑛:もはや自分を傷つける者もなく──自分に〝餌を与えろ〟と迫る小さな群れも無い。
    由解 瑛:表情に変化は無い。ともすれば眠たげにも見えるその顔で、
    由解 瑛:「志木くん……か……」
    志木倫堂:「ああ、志木倫堂だ」
    志木倫堂:残ったものは、忌むべき過去はここで全て
    志木倫堂:それ自体を清算するための、燃料に変わったと信じている
    志木倫堂:「聞いてくれよセンセイ、友達ができたんだ」
    由解 瑛:「ともだち……?」
    志木倫堂:彼女の体をさらに少し起こしてやる。その先には、度々彼を救ってくれた、黒髪の剣士が立っている。
    由解 瑛:支えられた身体、上体を起こす。
    由解 瑛:この場に集った面々の顔を一つ一つ眺めて、ああ、と呟いて頷く。
    由解 瑛:一通り横へ流れ終えた視線は再び、黒髪の剣士の元へと向かって制止し、
    志木倫堂:「言ってたろ、俺は自由ってヤツを見つけた」
    由解 瑛:「……そうか。良かったな」
    由解 瑛:「友達ができるのは、うん。……いいことだ、その筈だ」
    志木倫堂:「はっはっは! 全くその通りだ!」
    由解 瑛:「私が知ってる人間はだいたい……友達がいて、楽しそうだった」
    由解 瑛:「…………」
    由解 瑛:「……志木くん」
    由解 瑛:「自然に笑うようになったんだな……」
    志木倫堂:疲れ切った体で、笑う
    志木倫堂:「ん」
    志木倫堂:「はは、そうだろ」
    志木倫堂:少し、涙が零れる。怒りが、それを蒸発させることはもう無い。
    志木倫堂:溶融していく地面が怯懦を否定することも、そうだ、きっとない。
    志木倫堂:「センセイのお陰だ。だから今度は」
    由解 瑛:──涙は零さない。怒りを示さない。由解 瑛は感情の色を示さない。
    由解 瑛:「今度は……?」
    由解 瑛:復唱する。機械的にだ。
    志木倫堂:「俺が引っぱりあげに来たぜ、センセイを」
    志木倫堂:そう言って、彼女を抱き上げます。
    由解 瑛:見た目相応の重量。軽い身体と思うのだろう。その行いに抵抗するようなそぶりはなく、
    由解 瑛:由解の身体はやすやすとあなたの腕の中に収まり──
    由解 瑛:そして、あなたは聞くのだ。
    由解 瑛:「あはははは」
    由解 瑛:「……?」
    志木倫堂:「!」
    由解 瑛:乾いた声。
    由解 瑛:怪訝そうに傾げる首。
    由解 瑛:「おかしいな……うん。もう一回やってみよう」
    由解 瑛:「……あは、ははは」
    由解 瑛:口を開いて音を出す。それだけの行為だ。それは決して、
    由解 瑛:決して、感情の発露などではない。
    志木倫堂:では、その様子を見て目を丸くした後、目に見えて機嫌がよくなります。
    志木倫堂:「全然気づかなかったけどさ」
    志木倫堂:「可愛いな! センセイ! はっはっはっは!」
    志木倫堂:彼女を抱いたままくるくると回り、
    志木倫堂:「あれ」
    志木倫堂:ぐらり
    志木倫堂:急速に目の前が暗くなって、平衡感覚が怪しくなる。汗が噴き出して内臓が裏返るような不快感を覚えるぞ!
    由解 瑛:では
    由解 瑛:由解
    由解 瑛:由解 瑛もまた、あなたと共に床に倒れるのだろう。
    由解 瑛:投げ出されたとしても彼女に表情という色はない。
    由解 瑛:「ははは、ははははははははは」壊れた電子機器のように一本調子の音を発しながら、
    由解 瑛:「……そうだ、忘れてた」
    由解 瑛:両手の人差し指を口元にあて、く、と軽く唇の両端を持ち上げる。
    志木倫堂:「—は」
    志木倫堂:霞んでいく視界の中で。あの日のままに不器用な彼女を見て、少し笑います。
    由解 瑛:「……なぁ、志木くん」
    由解 瑛:「おかしいな」
    志木倫堂:「そうか?」
    由解 瑛:「ああ」
    由解 瑛:「人間はこういう時、」
    由解 瑛:「笑うと、楽になる筈なんだ」
    志木倫堂:「——」
    由解 瑛:「あはははははははははははは」
    由解 瑛:エミュレートに失敗した笑い声。ただの音。
    由解 瑛:息継ぎは必要が無い。本来、肺などというものを必要としない生物だ。
    志木倫堂:「悲しいのか?」
    由解 瑛:口元を指で固定した歪な顔のままで、彼女は──〝笑い〟続ける。
    志木倫堂:「あんたの子供たちが、その」
    志木倫堂:「空に、消えちまったのが」
    由解 瑛:答えとして返るものは虚無の笑声。そうすれば楽になると信じて繰り返される無為の試み。
    由解 瑛:けれども、もし君が。その霞む目に今少し鞭打つのならば、
    由解 瑛:唇を固定する指の先へ、伝い落ちる雫を見るのだろう。
    由解 瑛:それでも彼女は笑おうとする。
    由解 瑛:笑えば楽になれる。そう信じているから。
    志木倫堂:では、気付けに自分の頬を焼きます
    志木倫堂:「っつ……」
    志木倫堂:重い体で這いずって彼女のもとに向かうと、その手を顔から剥がして、
    志木倫堂:体と向きを揃えてあげます。片方ずつ順番に。
    由解 瑛:手を引き剥がされてしまえば、またその顔は元の通りに。冷えて固まった、岩のように、そこにある。
    志木倫堂:「教えてくれよ」
    志木倫堂:「どうして泣いてるのか」
    由解 瑛:「……泣いて、る……?」
    由解 瑛:「じゃあ、やっぱり……おかしいな……」
    由解 瑛:「私は……」
    由解 瑛:「笑おうと、してるのに」
    志木倫堂:「たまには、良いんじゃねーか」
    志木倫堂:「これは、あんたとは別の物知りに教えてもらったんだが」
    志木倫堂:「辛いときは、辛がったほうが、……あー、いや」
    志木倫堂:「泣いた方がいい」
    由解 瑛:「……そう、なのか……?」
    志木倫堂:「センセイにも、知らないことがあるんだな」
    志木倫堂:「こりゃ」
    志木倫堂:「めっけも……ん……」
    志木倫堂:由解さんの涙を拭おうとしたまま、今度こそ倒れます。
    GM:ずしゃっ──
    GM:あなたは倒れるのだろう。指で拭った涙の痕を、彼女の頬に少し広げて。
    GM:それが。
    GM:最後の、ほんの小さな予想外の接触が、由解を驚かせ、びくりと身を竦ませた。
    GM:……そんな些細な事が、きっかけだった。
    由解 瑛:「……ぅう、うぇ、うぇえええぇえぇぇぇ……」
    由解 瑛:ぐす、ぐす、と鼻を鳴らして、それから。
    由解 瑛:「あー! あああぁあぁーーーーーーっ……!」
    由解 瑛:幼児に特有の、顔をぐしゃぐしゃにして大声で吠えるように泣き喚く、あの姿だ。
    由解 瑛:……何処かの少女に良く似た顔で、その女は初めて、まともに泣いた。
    由解 瑛:人間の〝モドキ〟がようやく人らしくなった──最初の日の事だった。

    エンディング2:友達


    GM:──戦闘後の侵蝕率異常が無いかの経過観察は、数日で終了した。
    GM:〝彼〟が守り抜いたあなたの身体は、おそらくは翌日には平時の水準にまで回復していただろうが、
    GM:それでもこうして、外出が何日か先延ばしになったのは、あなたの〝連れ〟に理由が有る。
    GM:いかに再生力の高い彼女であろうが、リザレクトと身体損傷を短いスパンで繰り返せば相応の影響がある筈だ。
    GM:或いはジャーム化すらも視野に入れ、厳重な監視体制の元で治療が行われていたのだが──
    杉澤 あゆ美:「…………むむむむむ」
    杉澤 あゆ美:「ど、どれがいいのかな……?」
    杉澤 あゆ美:彼女はおずおずと、店頭に並ぶ品々の中から、プレゼントに相応しい品はどれかとあなたに問う。
    杉澤 あゆ美:全く元気なものだ。ジャーム化の兆候は皆無。至って正常な健康体であった。
    陶 妙算:その様子をちょっと信じられないという風情で眺めている
    陶 妙算:「ホントに、もう大丈夫なんだね。」
    杉澤 あゆ美:「え? 今更何を言うんだい。私の頑丈さは知っているだろう、ふふん」誇らしげかつ普段通りのナルシスティックな微笑。
    杉澤 あゆ美:「せっかく助けてもらったお姫様が沈んでいたら、王子様だって気分が良くないだろう?」
    陶 妙算:「お姫様ってガラかな、君は」
    陶 妙算:「どちらかというと王子様。いや、貴族の放蕩息子の方が近いかな?」
    陶 妙算:ちょっと真面目な顔で言う
    杉澤 あゆ美:「ははは、息子と来たか! なら君は放蕩息子に連れ出された深窓の令嬢だ」
    杉澤 あゆ美:「レディ。こうして共に街を歩く栄誉を授けてくださいますか?」
    杉澤 あゆ美:大仰な動作で一礼しつつ、あなたの手の甲へ唇を近づける。
    陶 妙算:本当に、元気そうだ。
    陶 妙算:あれだけの傷を追って、普段に戻れる肉体よりも、むしろその精神に敬意を表したくなる、けど
    陶 妙算:反対の手で、杉澤さんの額に触れる
    陶 妙算:「それはおあずけ」
    杉澤 あゆ美:「おっと。これは失礼致しました、レディ」とおどけながら、素直に頭を元の高さへ戻した。
    陶 妙算:「今日は、由解さんのプレゼントを選びに来たんだから」
    陶 妙算:「ちゃんと彼女のことだけ考えてあげないとダメだよ?」
    杉澤 あゆ美:「……むむむ。難問を思い出してしまった……」途端、眉間にしわを寄せながら真剣な顔に戻る。
    杉澤 あゆ美:「重ねて言うが、本当に分からないんだよ。なにせ私自身、何を貰っても嬉しいのだから」
    杉澤 あゆ美:「……図書カードについては、うん。友人に話したら怪訝な顔をされたからね! まずかったのだろうとは思う!」
    陶 妙算:「うん、図書カードはどうか思った。ホントに。」
    杉澤 あゆ美:「そこまでか……」肩を落とす。
    陶 妙算:「うーん…」
    陶 妙算:「なにか好きなものとかはないの?」
    杉澤 あゆ美:「好きなもの……由解さんのか……」
    杉澤 あゆ美:「……生のレバー?」ブラックジョーク。
    陶 妙算:「いや、そうじゃなくて、君の」
    陶 妙算:ジョークはスルー!
    杉澤 あゆ美:「私?」一瞬、きょとんとした顔になって「私は美しいものなら、だいたいなんだって好きだよ」
    杉澤 あゆ美:「尤も私の基準で言うなら」
    杉澤 あゆ美:「世の中の殆どは、美しく輝いてみえるけれどもね」
    陶 妙算:「なら、そうだね。」
    杉澤 あゆ美:「……だが、そうだなぁ」
    杉澤 あゆ美:「む?」
    陶 妙算:「君がそう感じてることを、由解さんに教えてあげるのもいいんじゃないかな。」
    杉澤 あゆ美:「感じていることを伝える……か」
    陶 妙算:「一日ぐらい時間かけてさ、君が楽しいと思うことを、美しいと思うものを、あの人と一緒に見に行くのはどう?」
    杉澤 あゆ美:「……!」
    杉澤 あゆ美:ぽん、と手を打つ。今、ようやく彼女の頭の中で、ぴたりと何かが噛み合ったようだった。
    陶 妙算:あの人はRBの中でも人間への好奇心が強い。人の価値観を知ることは、ハンパなプレゼントよりも喜ばれるだろう
    陶 妙算:それに、なによりも
    陶 妙算:「僕は君とこうして街を探索するのは楽しかったよ。」
    陶 妙算:「少なくとも、図書カードよりは、はるかに価値があった。」
    杉澤 あゆ美:「……そうだ、それだ。図書カードのことを蒸し返されるのは何気にダメージが大きいが……それだ!」
    杉澤 あゆ美:「それだよ、陶くん!」興奮のまま、あなたの手を両手で掴もうとする。
    陶 妙算:「あ、結構気にしてる?なら、ごめ……わっ」
    陶 妙算:不意をつかれてそのまま手を掴まれる
    杉澤 あゆ美:「ああ、ありがとう! それだ! それならきっと喜んでもらえるに違いない!」
    杉澤 あゆ美:「全く私はどうしてそこに思い当たらなかったんだろう、ああ、直ぐにでもプランを立てなきゃ──」
    陶 妙算:「それもそれですごい自信だけどっ」
    杉澤 あゆ美:ぶんぶんと掴んだ手を振りながら、暫くそうして興奮していた彼女は、
    杉澤 あゆ美:ふと。すうっと落ち着いたように、あなたの手を放す。
    陶 妙算:「杉澤さん?」
    杉澤 あゆ美:「ありがとう」
    杉澤 あゆ美:「……改めて言うと気恥ずかしいものだが、君には感謝してもしきれない」
    杉澤 あゆ美:「プレゼント選びも、助けてもらった事も──遡れば、私の友達で居てくれたことまで。何もかも」
    陶 妙算:「……」
    陶 妙算:「こっちこそ」
    陶 妙算:「君が元気でいてくれてよかったよ。」
    杉澤 あゆ美:「私達は、滅びと紙一重の脆い存在だ。……特に私のように、戦う術を持たない者は」
    杉澤 あゆ美:「日常へ立ち返る縁こそ、何よりも強い武器になる」
    杉澤 あゆ美:「同じような言葉を返すことになってしまうが」
    杉澤 あゆ美:「陶くん、君が無事でいてくれてよかった」
    杉澤 あゆ美:「……それだけで〝返ってこられる〟人がきっと、たくさんいるだろうから」
    GM:……その時だ。
    GM:きっと向かい合って話しているだろうあなたと杉澤の、どちらの視界にも入らない側面から、
    GM:ほんの一日で聞き慣れただろう声と気配が、近づいてくる筈だ。
    志木倫堂:「それがさ、いざ物増やそうとしても何も思いつかなくてよー」
    志木倫堂:隣の女性に相談先を間違えたとしか思えない相談をしているぞ
    由解 瑛:「ふふ。欲が無いな、志木くんは」
    由解 瑛:「なら、大きめのぬいぐるみなんてどうだ。ふわふわしてるぞ。気持ちいいぞ」
    志木倫堂:「……?」
    志木倫堂:「いや、でもセンセイがそう言うなら……」
    由解 瑛:一人暮らしの少年へのアドバイスとしてはいかがなものか。そんな解答を、普段通りの、どこか緩い空気感の口調で返しながら、
    由解 瑛:「……おっ?」
    由解 瑛:その進路上にいる二人の姿を見つけて、
    志木倫堂:「どうした? あっ」
    陶 妙算:「あ」
    杉澤 あゆ美:「あっ」
    GM:……それぞれが、それぞれに。互いの存在に気付いた。
    志木倫堂:「奇遇だなー妙算! と妙算の友達の人!」
    陶 妙算:一瞬、あたりに花が咲いたかのように表情が明るくなる
    杉澤 あゆ美:「ご友人かい?」その表情の変遷を見て
    陶 妙算:「この前のお仕事で一緒になった人だよ。」
    志木倫堂:「覚えてねえか、まあそんなこともあらぁな」
    陶 妙算:「志木くんたちも、お買い物?」
    杉澤 あゆ美:「あまり素敵な顔をするものだから、ね」そう言う本人も由解の顔をみてそわそわとし始めている。
    杉澤 あゆ美:「……改めまして、杉澤 あゆ美です」一礼
    由解 瑛:「ああ、買い物に付き合ってもらってる」
    由解 瑛:「ちょっと荷物が多いしな」と、両手の紙袋を掲げてみせる
    志木倫堂:「志木倫堂だ。センセイの弟子っつーかなんつーか、まあほら、アレだ」
    由解 瑛:「〝友達〟だ」
    由解 瑛:「だろ?」
    志木倫堂:「!」
    由解 瑛:「ふふっ」
    志木倫堂:「そうだな!」
    杉澤 あゆ美:「……へぇ」
    杉澤 あゆ美:「由解さん、ああいう笑い方をするんだね……」
    陶 妙算:「するようになったんだ。」
    志木倫堂:「そうそう、いいだろ」
    由解 瑛:「だろ?」
    杉澤 あゆ美:「……ええ、とても」
    杉澤 あゆ美:そう応えて杉澤は、由解の前へ一歩進み出て、
    杉澤 あゆ美:「随分愛らしいお顔になられましたね。お急ぎの用など無いのなら」
    杉澤 あゆ美:「一緒に、街を歩きませんか?」
    陶 妙算:(早速行った!?)
    志木倫堂:「荷物置きに行く用があるぜ。一緒にセンセイんち行ったらどうだ」
    志木倫堂:と荷物を押し付けようとするぞ
    杉澤 あゆ美:平時の軽口より少しだけ真剣に。けれどもその根底のスタンスは何も変わらない。
    杉澤 あゆ美:そういう〝口説き文句〟を差し向けたその相手は、
    由解 瑛:「そうだな、志木くんのアドバイスを受け取ろう」
    由解 瑛:「荷物は手に一杯だが、まだ買いに行きたいものがあったんだ
    杉澤 あゆ美:「買いに行きたいもの……?」志木くんに押しつけられた荷物をスムーズに受け取りながら問うと
    由解 瑛:「本がな、一冊欲しい」
    由解 瑛:「子供の名前がたくさん乗ってる本を買って」
    由解 瑛:「あの子と一緒に選ぶんだ」
    杉澤 あゆ美:「……なるほど、承りました」
    杉澤 あゆ美:杉澤は、志木くんから押しつけられた荷物を左手に纏めて、開いた手を由解へと差し向け、
    杉澤 あゆ美:「お荷物お持ちしましょう、レディ。そういうものはエスコート役に任せるものです」
    由解 瑛:「そうなのか……? じゃあ、甘えようか」
    由解 瑛:「……ということで、志木くん」
    由解 瑛:片手分の買い物袋を、遠慮なく差し向けられた手へと引っかけながら、あなたの名を呼んだ。
    志木倫堂:「ああ、俺は妙算と喋りたいから」
    志木倫堂:(本当に荷物手放せるとは思ってなかった顔)
    由解 瑛:「子供が産まれたら教えるんだぞ」
    由解 瑛:と、
    由解 瑛:ジョークなのか本気なのか、些か判別に困る言葉を残して彼女は歩き出すだろう。
    陶 妙算:「前にも会ったことあるのになんか勘違いされてませんかっ!?」
    杉澤 あゆ美:杉澤はあなた達にもう一度頭を下げ、それから早足で由解を追っていった。
    志木倫堂:「いやまあ、冗談だろ。流石に……」
    志木倫堂:と言いつつ、陶くんから微妙に目を逸らす。
    陶 妙算:「なんで目を逸らすのっ」
    陶 妙算:顔を赤くしながら、上目遣いに志木くんに講義する
    陶 妙算:抗議する
    志木倫堂:「ばっ、お前」
    陶 妙算:その振る舞いは出会った頃よりも少し小動物じみている
    志木倫堂:人形のように整った造形に、薔薇の頬と愛らしい表情が乗っている。
    志木倫堂:「妙数やっぱりお前、ちょっとヤバいぞ」
    陶 妙算:「……?」
    志木倫堂:「あんまりそういう顔すんなよ! 絶対危ねーって!!」
    陶 妙算:志木くんの言ってることがよくわからない。
    志木倫堂:「……いや」
    陶 妙算:「え、あ、そんな変な顔してるかな」
    陶 妙算:桃のように上気した頬を、雪色の手で覆う
    陶 妙算:「あ、あの、ちゃんと朝オフロに入ったし、顔もしっかり洗ったんだけど」
    志木倫堂:「いやいや、そうじゃなくて、お前はちょっと」
    志木倫堂:「可愛すぎるって言うか……」
    志木倫堂:どんどん声が小さくなっていきます
    陶 妙算:「……?」
    陶 妙算:「…………?」
    陶 妙算:頬の赤みが強くなり
    陶 妙算:茶色の瞳を蕩けさせながら
    陶 妙算:ぽう、っと志木くんを見つめている
    陶 妙算:可愛いと言ってもらえたことが嬉しかったらしい
    志木倫堂:「~~~~!! 違う! いや違わねーけど!」
    陶 妙算:「あ、ごめん、その」
    陶 妙算:「あんまり、人にそういう風に言ってもらえたことないから、その、嬉しくて」
    陶 妙算:誘うような桃の香りが志木くんを包む。
    陶 妙算:「男なのに、可愛いって言われて喜ぶのは変かなって思うけど。」
    陶 妙算:「でも、志木くんに言われてるって思っちゃうと、その。」
    陶 妙算:茶色の瞳を伏し目がちにしながら、照れたようにえへへと笑う
    陶 妙算:つるりと白い首筋がかすかに熱を持っている。
    志木倫堂:「ああ、くそっ本当に凄いなこいつ! なんか本当にいい匂いするし」
    志木倫堂:「いや、こんな雰囲気にしたかったわけじゃねーんだ」
    志木倫堂:「マジで」
    陶 妙算:「う、うん。僕もごめん」
    陶 妙算:言いながら志木くんのくれた言葉を反芻している。嬉しかったのだ。
    志木倫堂:「この前の礼を言いに来たんだよ」
    陶 妙算:「由解さんも、元気そうで良かったね」
    志木倫堂:目を合わせることが出来ないので、自販機に小銭を放り込んでいます
    陶 妙算:「お礼?」
    志木倫堂:「ほんとにな」
    陶 妙算:自分のほうがたくさん助けてもらったのに?
    志木倫堂:すぐには答えず、「コーラとかでいいか?」と訊きます。
    陶 妙算:「ごめん、僕はお水で」
    陶 妙算:体質的に添加物が多い飲料は飲めないのだ
    志木倫堂:「ん、そか」
    志木倫堂:水と新発売の謎の缶を買って、ベンチにかける
    志木倫堂:「座ろーぜ」
    陶 妙算:「は、はい」
    陶 妙算:しずしずと志木くんの隣に腰掛けます
    陶 妙算:濡羽カラスの黒髪が風に揺れる。
    志木倫堂:「心当たりがないって顔だな」
    陶 妙算:絹のように細い毛先が風に遊ばれる様はまるで花びらが舞うようでもあった
    陶 妙算:「だって、いっぱい助けてもらったのは僕の方だから」
    陶 妙算:両手で志木くんにもらった水を大事そうに持ちながら言います
    志木倫堂:「俺は、多分お前が思ってるような性分じゃない。ずっと臆病で、その発露がああいう形になっていただけの」
    志木倫堂:「ああいう、周りを威圧するような怒りを振りまいていただけの弱い人間だ」
    陶 妙算:志木くんの横顔を見つめている
    志木倫堂:「お前が、あの日、あの時間に俺たちの前に差し掛からなかったら」
    志木倫堂:「きっとセンセイに対して何もできなかった。無駄に暴れて、UGNに拘留されて、俺じゃない誰かが」
    志木倫堂:「お前と、おっさんと、カミサマと一緒に、廃病院に向かっていたと思う」
    陶 妙算:じっと、志木くんの言葉を聞いている。自分に投げかけてくれている、志木くんの心の奥にあるような言葉を、大切なもののように受け止めている
    陶 妙算:「……」
    志木倫堂:「俺は」
    陶 妙算:「うん」
    志木倫堂:「本当なら負けていたんだ。内なる自分の声に、何度も、何度も、何度も。その度に」
    志木倫堂:『大丈夫ですか?』『落ち着いて』『待って』
    志木倫堂:「言葉が、手が差し伸べられた。だから、あそこに立っていられた」
    志木倫堂:「お前のお陰だ。センセイに恩を返せたのは」
    志木倫堂:「ラフィング・バーナーと。訃静零と決着をつけられたのは」
    志木倫堂:初めて、その名を呼んだ。
    陶 妙算:「…………」
    志木倫堂:あの悪魔じみた科学者が、自分を決して名前で呼ばなかったように。
    志木倫堂:頑なに、こちらからも内心ですら一度も名を呼んだことがなかった。
    志木倫堂:そういう弱さも、彼が溶かしてしまった。
    陶 妙算:「ありがとう。」
    陶 妙算:「僕が」
    陶 妙算:守られてばかりだった僕が
    陶 妙算:「君を支えることが出来たなら、とても嬉しい」
    陶 妙算:「けどね、志木くん」
    志木倫堂:「……?」
    陶 妙算:そっと、志木くんの手の上に自分の手を乗せる
    志木倫堂:たおやかで、そして心強い。何度も、自分を救ってくれた手だ。
    陶 妙算:「僕が、あの場所に辿り着けたのは、君が引っ張ってくれたからなんだよ。」
    志木倫堂:「そうなのか?」
    志木倫堂:きょとんとした顔で、続きを待つ。
    陶 妙算:「そう」
    陶 妙算:「君が、僕の分まで怒ってくれたから」
    陶 妙算:「君が、先生を助けたいって思ってくれたから」
    陶 妙算:あの熱さが、炎が、光が
    陶 妙算:不安も、恐怖も、溶かしてしまうぐらい、優しくて、眩しかったから
    陶 妙算:「だから、僕も君と一緒に最後まで走り抜けたんだよ?」
    志木倫堂:「……そっか」
    陶 妙算:愛しそうにその手に振れながら、志木くんの顔を見上げる。
    陶 妙算:「ふふ」
    志木倫堂:その瞳を見返す。
    陶 妙算:「なんだか、僕たち、二人で一人前みたいだね」
    陶 妙算:柔らかく潤んだ茶色の瞳に、君の姿が写っている
    志木倫堂:「お前は、不安とかそういうの、出したがらねーしな」
    陶 妙算:「だって、チルドレンだからね。」
    志木倫堂:「妙算の分まで、か。そいつぁ考えたことがなかった」
    陶 妙算:きょとん、としながら、志木くんの言葉を聞いている
    志木倫堂:「誰かが、実は怖がってるかもとか、不安かもとか、意識してないとすぐ忘れちまうんだ」
    志木倫堂:「センセイの娘が腹を空かせてるのも気を回してやれなかったし」
    志木倫堂:「センセイが泣いてた時も、必要な言葉を探すのに時間がかかっちまった」
    陶 妙算:「それは。勉強しないとね」
    志木倫堂:「だが……そうだな、妙算も、やっぱり見えてるほどは強くなくて」
    志木倫堂:「俺が助けになってた——なんて」
    陶 妙算:悪戯っぽく笑う
    志木倫堂:「ははっ。それは、マジで」
    陶 妙算:「…嬉しい?」
    志木倫堂:拳を掲げます。こつんってしてほしい感じで。
    志木倫堂:「ああ、ゴキゲンな話だ」
    陶 妙算:一瞬遅れて、その拳の意味に気づく
    陶 妙算:志木くんのよりも一回り小さい拳が、こつんと志木くんの拳を叩く
    陶 妙算:「ふふ」
    志木倫堂:「はっ!」
    陶 妙算:「これからも、よろしくね。」
    陶 妙算:「倫堂くん」
    志木倫堂:その感触を受けて、呼び名が変わったのを認め、満面の笑みを浮かべる。
    陶 妙算:ちゃっと頬を赤らめながら、上目遣いに君の名前を呼ぶ
    志木倫堂:「ああ、妙算」
    志木倫堂:「うーーーーっし、帰るか!」
    志木倫堂:伸びをしながら立ち上がります
    陶 妙算:「えー、せっかくだから一緒に遊ぼうよ。」
    陶 妙算:「僕、杉澤さんのために一日空けてたのに置いてかれちゃったんだよ?」
    志木倫堂:「おぉ、そうだな! じゃあゲーセンでも行くか。友達ってゲームとかするらしいし」曖昧!
    陶 妙算:「えへへ、やった。そうしよう。僕、エアホッケーとか得意だよ。」

    エンディング3:報告


    GM:──UGNが管理している墓地がある。
    GM:日々、その地に眠る魂の数は増えて行く。
    GM:横たわる死者の総数を知る者がいるのだろうか? ……亡骸の無い墓すら有るというのに。
    GM:それでも、弔いは生者の慰めだ。
    GM:無為ではない。残された者の為に、この墓地は有る。
    GM: 
    服部 ミズハ:「…………」ラボ研究員、服部ミズハは、墓標の前で手を合わせていた。
    服部 ミズハ:……仕事の隙間に抜け出してきたのだろう。白衣を羽織ったままで。
    津村孝蔵:「ここにいたか」
    服部 ミズハ:「津村さん……」支部長、と呼び違えることは無くなった。
    服部 ミズハ:少しの時間経過。それだけでも人は変わる。
    津村孝蔵:「《ラフィング・バーナー》が死んだ」
    服部 ミズハ:「……!」
    服部 ミズハ:「そう、ですか」
    服部 ミズハ:──その報告を、まだ受けていなかったのだろう。
    服部 ミズハ:或いは他の支部員が気を利かせたか。それとも、直接伝えるのは気が引けたか。
    服部 ミズハ:いずれにせよ。その事実を伝えるのは、あなたが初めてだ。
    津村孝蔵:「間違いなく俺らが殺した。以上だ」
    服部 ミズハ:「……ありがとう、ございます」
    服部 ミズハ:墓標に手を合わせたままに、彼女は言う。
    服部 ミズハ:「これから……少しだけ穏やかに眠れると、思います……」
    津村孝蔵:「仕事だからな。それじゃあな」去ろうとする。
    津村孝蔵:が、一瞬立ち止まる。
    津村孝蔵:一度だけ墓標に向けて手を合わせてから、また振り返って去る。
    GM:……この墓地は、墓は、弔いは。残された者の為にある。
    GM:人間の為にある。
    GM:武器の為に用意された墓など無いのだ。
    GM:ならばあなたは、この墓地に眠る日は来ないのだろう。
    GM:あなたの背にほんの僅かな時間、向けられた視線。
    GM:深く頭が下げられて、その視線が外れた。

    エンディング4:次の戦いへ


    GM:──墓地を去ったその足であなたは、第八支部の会議室へ向かう。
    GM:そこでは、ほんの一日足らずの間に、いやでも見慣れてしまった顔が待っているのだろう。
    GM:今回は部屋の飾り付けは無い。
    津村孝蔵:ゆらりと入っていき、椅子に腰掛ける。
    玻璃上八里:「やあ、津村殿。遠路はるばるお疲れさまだ」
    玻璃上八里:先に席に座り、なにやら資料に目を通している。
    薬師院 小夜子:「お疲れ様です、度々ご足労いただいて」
    GM:呼び出しの理由は、単純明快だ。
    GM:津村 孝蔵、あなたは〝監視役〟だった。
    GM:今回の任務を通じて最も間近で対象を見たあなたの見解を確認する為、この場が設けられたのだ。
    津村孝蔵:「いや、いい。手短に済ませるか」
    薬師院 小夜子:「手短に、ですか」
    玻璃上八里:「うむ!」資料を机に戻す。
    薬師院 小夜子:「……なら、歯に衣着せずお聞きしますが」
    薬師院 小夜子:「UGNの側に〝内通者〟は居たように見えましたか?」
    津村孝蔵:「少なくとも見えてる範囲にはいない。分かってたらその時点で殺ってたはずだ」
    津村孝蔵:「あと、こいつにそんなことができるとは思えん」カミのほうを煙草で指す。
    薬師院 小夜子:「ははっ」その物言いに苦笑しながら、椅子から立ちあがる。
    玻璃上八里:「フ。返す言葉もないなァ」
    薬師院 小夜子:立ち上がった薬師院は、
    薬師院 小夜子:玻璃上 八里。あなたが座す椅子の傍まで歩き、
    薬師院 小夜子:「申し訳ない。今回の嫌疑は全て不適切なものだった」
    薬師院 小夜子:「内部調査の担当者として、お詫びを申し上げる」
    薬師院 小夜子:と、深く頭を下げた。
    玻璃上八里:「……。」沈黙。
    玻璃上八里:「確かに聞き届けたぞ、薬師院殿!」
    玻璃上八里:どうか気にしないで頂きたい!ややこしい事態を招いた一因は私にもあるのだからな!」
    薬師院 小夜子:そう言われてようやく頭を上げて、椅子へと戻り
    薬師院 小夜子:どかっ、と腰を下ろしてから「は~~~~~~……」
    薬師院 小夜子:「……ったく、ほんとその通りだよ。このカミ様にそんな小狡いことができるかって!」
    玻璃上八里:「フハハハハーッ!!!何はともあれひと段落ついたのだ!」
    薬師院 小夜子:馬鹿でかい溜息を吐いて、机の上に頭を落とした。
    玻璃上八里:「良ければ今度カミのポケットマネーでディナーにでもしゃれ込もうぞォ!!!!!」
    薬師院 小夜子:「おぉ、そりゃデートのお誘い?」
    薬師院 小夜子:「だとしたら喜んで乗るがね。ドレスコードの無い店限定にはなるんだろうが」
    玻璃上八里:「うむ!第8支部の左団扇で興味深いラーメン屋を見つけたのだ!」
    玻璃上八里:「せっかくだし津村殿もご一緒せぬか?あらゆる好物が出てくると評判のお店なのだ!」
    薬師院 小夜子:「らあめん晩鐘? ああ、あそこはいい。〝ないものはない〟店だからね」
    津村孝蔵:「あー、すまん」「脂っ気と塩分を医者に止められてる」
    薬師院 小夜子:「……サラダとかも頼めば出てくるんだがなぁ……ま、そういうならしょうがないか」苦笑い。
    玻璃上八里:「むぅ……医師の方に相談するのも手間になってしまうからな」
    玻璃上八里:「わかった!気が向いたら一度寄ってみるとよいぞ!」社交辞令!!!
    津村孝蔵:「すまんな」「許せ」
    玻璃上八里:「フハハーッ!気に病むことは無いぞォ!!」
    薬師院 小夜子:「気が向いたらお一人ででも。味は間違いなくいい店ですんでね」
    薬師院 小夜子:「……んじゃ。ドタバタして申し訳ないが、私は報告書業務に戻らせてもらう」
    薬師院 小夜子:「書類とにらめっこが好きな人間はここに少ないんでね。いつでも仕事がどこかに埋まってるのさ」
    津村孝蔵:「ああ。俺もそろそろ第三に帰る」
    薬師院 小夜子:薬師院はそう告げて、会議室を去るだろう。
    津村孝蔵:「じゃあな」ひらひらと二往復だけ手を振る。
    津村孝蔵:「ああそうだ」
    津村孝蔵:「お前、そのままだといずれ俺みたいになるぞ」「せっかく気が利くんだから、自分ともっとうまくやれ」
    津村孝蔵:そのまま去っていく。
    玻璃上八里:「……ああ。忠言痛み入るよ、津村殿」ひらり、と去り行く二人に手を振り返し。
    玻璃上八里:一人、殺風景な会議室に佇む。
    玻璃上八里:「……自分ともっとうまくやる、か。」
    玻璃上八里:「……色々ヘシ折って、ナントカやっているつもりなのだがなぁ。」
    玻璃上八里:━━思い返す。じわりと残る違和感を。
    玻璃上八里:由解殿は助けられた。頂いた資料でも無事に復帰したと聞く。
    玻璃上八里:287━━あの大きな赤子は、助けられなかった。それでも、できる限りのことはしたと思いたい。
    玻璃上八里:《ラフィング・バーナー》も斃した。彼女との死闘は正直もう一回くらいは死に目を見るかと思ったが……
    玻璃上八里:死に目。そう、死に目だ。
    玻璃上八里:オーヴァードが限界を超える時。大切な人との『繋がり』がそれを後押しする。
    玻璃上八里:大切な人が思い浮かぶはずなんだ。
    玻璃上八里:(……あの産声を聞いた時、最初に思い浮かんだ顔は━━)
    玻璃上八里:━━マスターエロス。本名、石刀自由。
    玻璃上八里:目を閉じて思い返す。彼と同じ道を歩いた時間を。
    玻璃上八里:津村殿の忠言を受け止めるなら、目を背けてはいけないのだろう。
    玻璃上八里:カミではなく、『私』━━玻璃上八里として。この願望に向き合う必要がある。
    玻璃上八里:「……石刀自由。」
    玻璃上八里:「━━もう一度、会っておきたいな。」
    玻璃上八里:彼との決戦の日は近いだろう。そんな無茶が叶うとも思えない。
    玻璃上八里:……いつもの事だ。たまには『私』の我儘に答えてやるべきなのかもしれない。
    玻璃上八里:『カミ』と為り続けるよりは、容易い願いだろうさ。