烏が鳴くから
帰りましょ

NEWS

編曲:霹靂(チルドP)さん(ニコニコ動画マイリスト
作詞:ハシブトガラス

明方の空に無垢なりし子らよ 罪を知らぬままワルツを踊れ
八衢やちまたの嘘を千々に書き見出す 首を斬るような真実の中

見よ クライシスは此処に ただ無知なるが故に
いと昏き眼開けど まだ目覚めは知らずに

届けよう 遥か空に羽で描いたNEWSめぐるかぜのしらせ
どうぞ手に取って 鮮やかな嘘は好きでしょう?
誰も彼も目を逸らした望まれぬ事実は
そっと書き足して 真実が追いつけないよう



夕影の赤に無垢なりし子らよ 誰も赦さぬと正義を謳う
八千代にと祈ろう血塗られた紙面に 目を抉るような真実の中

見よ エレガンスは無価値 ただ人なるが故に

届けよう 誰の為に塗り固めたNEWSここちよいざれごと
張り裂けそうな痛み 他人事ならば好きでしょう?
間違いでも良いなんて 嘯いてみたけど
誰が書き直す? 偽りに追いつかれたなら



いつか繰り返す営みから 何を見出せるのだろうか……?
この くだらない愚かしい残酷で不愉快な 愛おしい真実から!

――届いて!

遥か空に羽で描いたNEWSめぐるかぜのしらせ
どうぞ手に取って 鮮やかな色が見えるから
誰の為に? そんなこと思う暇はもう無い
私は書き見出す 真実も追いつけないまま








 射命丸文という妖怪を、二面的な少女であると定義しています。
 人間より圧倒的に長く生きていて知恵がある、皮肉屋の少女。妖怪としての射命丸。
 自分が作り出すもの、新聞記事であったりその記事が生む現象であったりの価値に悩む普通の少女。報道者としての射命丸。
 妖怪の山と風神少女、良曲二つで示される人格は、おそらくそういうものなのではないかと。
 きっと人間を喜ばせようと思ったら、そんなことは射命丸には簡単なのですよ。
 人間がいかにも喜びそうな記事で紙面を埋めて、文体も相応しく単純明快、かつ過激な見出しを付けて。
 けれども、そういう新聞を本人が好むかと言えば否でしょうし、そんな記事を喜ぶ人間も好きにはなってくれないでしょうし。
 ああ面倒くさい子だ。だから好きです。

 A・Bメロの3拍子では、その内の皮肉屋な長命種として歌詞を書いたつもりです。
 故に言い回しもちょっと小難しく、人を嘲笑うように。
 カミとは紙で神なのです。
 そしてサビは報道者として、普通の少女として。
 1番2番まではちょっとやけっぱち感ありますね。
 物事を全て正しく伝えるなんてことは、あんまり望まれていないと思います。
 けれども、そんなネガティブさだけでやってけるような仕事ではないでしょう、新聞作り。
 根っこは前向きで人が良いんだと思います。Cメロ。
 そして結局、新聞書くことそのものが好きなんだと思います。ラスサビ。

『Arca-NadiA』の二曲目。高低差の大きい曲になりました。音的な意味で。
 間奏ストリングスソロにギターが被さってくる所、凄くかっこよくないですか。
 私はめちゃくちゃかっこいいと思います。ここだけ何十回リピートしたことか。
 うちのサークルのギタリストは凄いのですよ。

 地味な私の愛着ポイントとして、1サビとラスサビで〝鮮やかな〟の意味合いが違うとこが好きです。
 嘘は真っ赤って色がありますけど、真実って何色でしょうね。モノクロですかね。