灰色の少女と黒い女
万感込めて殺し合おう。
『探し物屋』の村雨は、鼻と健脚が自慢の少女。とある事件がきっかけで、美少女をこよなく愛する女剣士、雪月 桜に気に入られてしまう。
「私はな、欲しいものは我慢せんのだ。美酒も美食も、美少女も、な」
傍若無人の桜に振りまわされて、今日も村雨の嘆きがこぼれる。基本は物騒で血生臭く、だがあっけらかんと過ぎる日常のお話。
「私はな、欲しいものは我慢せんのだ。美酒も美食も、美少女も、な」
傍若無人の桜に振りまわされて、今日も村雨の嘆きがこぼれる。基本は物騒で血生臭く、だがあっけらかんと過ぎる日常のお話。
第一話『最初のお話』 | 人材派遣業『錆釘』に所属する少女、村雨は、黒装の女剣士、雪月 桜に雇われて……。 |
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第二話『異能のお話』 | 江戸出立の用意に奔走する村雨の元へ、岡っ引きの少年、『八百化の源悟』が、困り顔で現れる。 |
第三話『化けて出たお話』 | 桜を訪ねてきたのは、陰間の少年、燦丸。彼が言うには、幽霊が出たとか、出ないとか……。 |
第四話『血と満月のお話』 | 突如起こった惨殺事件。現場を見るにつけ、犯人の姿の謎が深まるばかり。その折、村雨が――。 |
第五話『石頭のお話』 | 剣士が刀を持たぬでは腰が落ち着かない。圧し折れた刀の代わりに、桜が目に留めたものは――。 |
第六話『偽教のお話』 | 箱根八里は馬でも越す筈が、人っ子一人通さない厳戒態勢。足止めは気に入らぬと、高札を叩き斬る桜であったが――。 |
第七話『赤い壁のお話』 | 越すに越されぬ大井川は、豪雨で増水していた。天候の回復を待つ桜と村雨であったが、騒がしい女が現れる。 |
第八話『鉛と硫黄のお話』 | 旅の途中の出来事。桜は、銃という武器の進歩と、それを商う男に興味を持ち、商談の場まで追い掛けていった。 |
第九話『信仰のお話』 | 夜、ウルスラは目を覚ました。人殺しとは何かを考えて、自ら実行してみたくなった。そういう欲求は、初めての事であった。 |
第十話『鬼婆のお話』 | 馬車が石畳の上を行く、華の京都。桜はそこで、旧友の所在を聞き付ける。 |
第十一話『夜の鳥のお話』 | 村雨の気苦労は絶えない。桜が大立ち回りを仕出かした後、呼び出しを掛けてきたのは、『錆釘』の頂点の一人であった。 |
第十二話『明けの熊鷹のお話』 | 報復を。言葉よりも雄弁に、亡骸で伝えられる宣戦布告を余所に、桜は京の都を愉しむ。 |
第十三話『皇都の夜のお話』 | 焼き殺せ。狭霧兵部和敬の命により、洛中は一夜、地獄を見た。地獄の中に村雨は、己の望みを見出す。 |
第十四話『白装鬼のお話』 | 街を歩く村雨は、怪我人の集まりと、それを治療する不思議な女を見つける。〝大聖女〟エリザベートは、善良そのものの女だった。 |
第十五話『月の下のお話』 | 比叡の山には三千を超える仏教徒が集まり、一つの集落を形成していた。 |
第十六話『雪原の夢のお話』 | 桜は北を目指す。雪に閉ざされた地は、白く、眩く、そして広かった。 |
第十七話『山ン主のお話』 | 奥州のとある集落、青前。その山には、『山ン主』と呼ばれる神が住むという。 |
第十八話『我儘のお話』 | 村雨は洛中にて、松風左馬の教えを受けようとしていた。然し、その身に与えられるのは、理不尽ばかりであった。 |
第十九話『初陣』 | 朔の夜が来る。人死にの夜が来る。そして狂人の、悦を叫ぶ夜が来る。 |
第二十話『雪中夢のお話』 | 雪に覆われた山の中で、桜は夢を見る。其処には、在る筈の無い姿の『誰か』が在った。そして青前は、奇祭を迎える。 |
第二十一話『鋼拳のお話』 | 村雨は強くなっていた。師の松風左馬は、村雨に試練を与える。そびえ立つ壁は、『日の本最強の正拳』であった。 |
第二十二話、『黒鷺のお話』 | 黒衣、人斬り、女ばかりを狙う女――〝出来過ぎた〟殺しの真相を解き明かそうとする、村雨の目にもまた、暗い光が宿る。 |
第二十三話『最早残兵に非ず』 | 自分が勝っていると示さねば、生きていけない人間がある。松風左馬がそうだった。 |
第二十四話『明ける』 | ほんの暫しの安息を。 |
第二十五話『群れのお話』 | 村雨が選んだ新たな戦場は、政府の内側――端ではあるが――だった。 |
第二十六話『蝶のお話』 | 外より見て思うより、戦は余程重苦しいものである。桜は己の身で、それを知る事となる。 |
第二十七話『積み重ねのお話』 | 括らねばならぬ腹もある。 |
第二十八話『死戦』 | 骸がきざはしとなり、屍が道を成す戦場にて、撒き散らされた因果は集束し、一つの決着を見る。 |
第二十九話『御旗のお話』 | どうせ無謀に走るなら、行き着くところまで行ってみようか。……とは言っても限度があろうものだ。 |
第三十話『少し昔のお話』 | これは知らずとも良いことだ。知ったところで益は無い。傍若無人の強者になり損ねた負け犬が、昔を偲んで鳴いているだけなのだから。 |
第三十一話『宴のお話』 | 眼前に迫る死は絶望を呼ぶか? 否と答える男が二人居る。 |
第三十二話『最後の戦のお話』 | 乱が収束する。問いが収束する。神とは善良であるか、神とは全能であるか。答えろ信徒ども、神とはなんだ。 |
第三十三話『灰色の少女と黒い女』 | 万感込めて殺し合おう――愛している。 |
最終話『それからのお話』 | 良い人生を。そして、良い旅を。 |
ワールドクリエイター ~廃人撲滅天使代行業~
リアルは夢より夢のよう。
27歳の青年、観世 冬人(かんぜ ふゆひと)は、今朝もVRMMORPG『ワールドクリエイター』に没頭していた。
然し、どうしても現実の自分は腹が減る。食べ物を買いに行こうとした冬人の前に現れたのは、天使の様な格好をした赤髪の女だった。
現実に飽いた冬人は、彼女の言うがまま、ゲーム中の大陸アント・アスマへ転生し……!?
「私達は……そう、高い所から降りてきました。とあるお方の依頼を受けて」
――決して、神様だとは一言も言っていない。
然し、どうしても現実の自分は腹が減る。食べ物を買いに行こうとした冬人の前に現れたのは、天使の様な格好をした赤髪の女だった。
現実に飽いた冬人は、彼女の言うがまま、ゲーム中の大陸アント・アスマへ転生し……!?
「私達は……そう、高い所から降りてきました。とあるお方の依頼を受けて」
――決して、神様だとは一言も言っていない。
戦士ヴィルテンと凍土の狼退治 | ゲーム世界最強の戦士『ヴィルテン』と、入れ替われるとしたらどうします……? |
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