『ワイアット、夢の残骸』
彼は最初の願いを忘れたわけではないが、実行の形をひどく変えてしまった。
PC1:〝王殺し〟 マリー・オリヴィエ(キャラシート)PL:粘土 文字色#9f0500
PC2:〝灰の結晶〟 叢雲 由紀(キャラシート)PL:切子圭 文字色#00ced1
PC3:〝空の華冠〟 ヰ乍 蒼治(キャラシート)PL:カムリ 文字色#009ce0
メイン|雑談 |『眠深市/ヘイズ』ステージデータ
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目次
プリプレイ
OP1:「愛してるぜ」
OP2:眼を醒ます、夜
OP3:カー・アクション
ミドルシーン1:生の結晶
ミドルシーン2:変異する肉牢監獄
マスターシーン
ミドルシーン3:if
マスターシーン
ミドルシーン4:悪徳の薬
ミドルシーン5:日常の風景
クライマックス
バックトラック
共通ED
ED2:ヴィヴ・ラ・ヴィ
ED3:壊れないもの
ED4:病み花
プリプレイ
■トレーラー
昨日と同じ今日、今日と同じ明日。
昨日悪夢を見た、明日も同じ悪夢。
強者にとっての永遠が、無限に続く快楽であるならば、
弱者にとっての永遠は、無限に続く収奪であるだろう。
『変異する肉牢監獄』。
成れ果てた男の臓腑の悪臭。
少女は、その中で眼を醒ました。
ダブルクロス The 3rd Edition.
『ワイアット、夢の残骸』
ダブルクロス、それは裏切りを意味する言葉。
■自己紹介
マリー・オリヴィエ:http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY_IrskQQM
マリー・オリヴィエ:「王を目指すということは、人でなしに堕ちてゆくという事なのさ」
マリー・オリヴィエ:読んで字のごとく。ヘイズで語られる名は王殺し。
マリー・オリヴィエ:カリブ海出身のバーテンダーであり、眠深市にやって来てからはそれなりに長い。
GM:年齢と設定などなどを考えると、きっと街に来てしまってから夜に〝あっここ厄物だわ〟って気付いちゃったんだろうなぁ
マリー・オリヴィエ:しっかりと鍛えられた褐色の肉体に夜色の髪、太陽のような金の瞳。
マリー・オリヴィエ:穏やかで度量の広い大人の女……だったが、かつて付き従った王をこの手で殺めてからは人を寄せ付けなくなった。
マリー・オリヴィエ:今では未だ力の弱い王や、夢鍵を嗅ぎ付けた者どもを狩る都市伝説のような存在になり果てている。
マリー・オリヴィエ:自らも夢鍵を幾つか所持しているものの、王になる資格も意志も有していない。
GM:簡単に立ち位置を言うと
GM:マルギットさんっぽい位置づけ
マリー・オリヴィエ:大ルーン持ってるしね
マリー・オリヴィエ:得物は斧、その身を風に変えながら凄まじい速度で襲来する猛禽のような女。
マリー・オリヴィエ:データ的にはエグハヌクロス、EXパスファインダーで加速、異形の転身で移動しながら
マリー・オリヴィエ:フォールンアックスで音速攻撃。ジャイアントグロウスも使うぞ。
マリー・オリヴィエ:援護の風を高レベルで獲得しているので、基本的に困ることはなし。サポートも出来る女。
マリー・オリヴィエ:以上!
マリー・オリヴィエ:ちなみに夢鍵はいくつぐらい狩ってていいですか?
GM:そうですねぇ、たぶん性格的に使おうとはしないし、盗まれた時に備えて破壊して機能しないような備えもありそうなんで
GM:〝ミーナの長い手〟〝霧の生き甲冑〟〝ヘイズの巡回兵長〟あたりのネームドを含めて10にいかないくらい
GM:としましょう
マリー・オリヴィエ:なるほどね
マリー・オリヴィエ:思ったより多くてビビってる
GM:割と沢山発生するのでね、夢鍵
マリー・オリヴィエ:ひと繋ぎにして誰にも渡さないぞ
GM:まぁそんな訳で、自分用の1個だけ機能する状態で確保しつつ
GM:他のは機能できない状態で持ってる感じにしましょう
マリー・オリヴィエ:はーい!
GM:では
GM:ゆきちゃんの自己紹介もそのままお願いしようかな!
叢雲由紀:https://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY6L2VnAQM
叢雲由紀:「私は、どんな未来を目指したいのでしょう」
叢雲由紀:叢雲由紀、眠深市の高校に通うごく普通の高校生。
叢雲由紀:この街でごく普通に生まれ育った少女であり、街から出たことも殆どない。
叢雲由紀:小柄で少女らしくも少し女性を感じさせる体つき、消え入りそうな青みがかった灰色の髪、灰色の眼に眼鏡をかけた……平凡な容姿を自称している。
叢雲由紀:誰にでも丁寧に接する性質で、そのおかげもあって交友関係は広いが、際立って何かに深入りするタイプでもないため親友はいない。
叢雲由紀:趣味は写真で新聞部所属、誰かの記憶や記録、思いを留めておくのが好き
叢雲由紀:それも含めて、誰かのためになる事が好きだが
叢雲由紀:明確に自分がしたい事、将来やりたい事などは定まっておらず、多くの人と接してきたが故にそこがコンプレックス
叢雲由紀:当然というか平凡な少女なので王鍵諸々についてのスタンスは皆無、現状何か思うところもなく
GM:そう。由紀ちゃんは貴重な覚醒枠なので
GM:何も知らない状態からのスタートなのだ
叢雲由紀:今から覚醒します
叢雲由紀:覚醒した後の能力としては、角板結晶型の盾を振るい、写真を触媒に記憶や感情を結晶として形成する事で
叢雲由紀:支援や攻撃を行います
叢雲由紀:データ的にはカバーリング、フォールンサラマンダーによる支援と色々できるようにできてます
ヰ乍 蒼治:https://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYr77JiwQM
ヰ乍 蒼治:「オレは王様になるよ。どんな未来があっても、そうしてた気がする」
ヰ乍 蒼治:ヰ乍・蒼治(いさ・そうじ)。王様志望のバックパッカーです。高校を中退して海外をフラフラしていました。
ヰ乍 蒼治:現代日本で「王様になる」ことを夢に抱いており、20にもして完全に危ない人一直線でしたが
ヰ乍 蒼治:「ヘイズ・ロードの夢鍵」において「ヘイズ」のキーアイテムである「鍵」を取得。
ヰ乍 蒼治:信頼できる仲間とともに、王鍵争奪戦に向けての第一歩を遂に歩み始めました。
ヰ乍 蒼治:性格は陽気で快活なお人好しですが、「王になる」ということに対しては底の見えないほどの欲望を覗かせることがあります。
ヰ乍 蒼治:全ての王鍵を奪取することを目標にしていますが、果たして叶う日は来るのだろうか
ヰ乍 蒼治:データ的にはダンシミ+虚構のナイフ型。そこそこの攻撃力とそこそこのダイスでまずまずの攻撃を繰り出すと予定されています。
ヰ乍 蒼治:申し訳程度の妖精の手と援護の風もあるので、ミドルでも置物にならない予定!
ヰ乍 蒼治:今回は褐色高潔粘土女子と自称平凡切子後輩と絡めるとのチャンスなのでウキウキやって来たら
ヰ乍 蒼治:物凄い肉肉しい牢獄に閉じ込められるらしくて戦々恐々としてます 絶対に脱出してやる!!
■ハンドアウト
マリー・オリヴィエ
シナリオロイス:〝人飼い馬主〟ワイアット
あなたは『ヘイズ』の王権保持者のひとりでありながら、狩人である。
王たる力を奮うことも、全ての〝鍵〟を集めることも考えず、ただひたすらに邪悪なる王を殺している。
……かつてのあなたは、そうではなかった。
そして〝彼〟もまた、他者の命と尊厳を踏み躙る、王の如きものではなかった。
PC2:叢雲 由紀(むらくも・ゆき)
シナリオロイス:浦波 朝日(うらなみ・あさひ)
あなたは『眠深市』に暮らす平凡な学生だ。
おおよそ都市として必要なもの全てがあるこの街で、あなたは平和に暮らしていた。
ある夜、あなたが眼を醒ますと、そこは自宅のベッドではなかった。
異形の肉塊で構成された床と壁の獄で、あなたは鎖に繋がれていた。
……状況を理解できぬでも、逃げねばならぬとは、わかる。
PC3:ヰ乍 蒼治(いさ・そうじ)
シナリオロイス:平坂 歩(ひらさか・あゆむ)
あなたは『ヘイズ』の王権保持者、その最も新しいひとりである。
〝輝刃拳〟の縄張りであった、添伏通(歓楽街区画)南側に、あなたの拠点はある。
次の標的は通の北側、〝人飼い馬主〟ワイアットの領地だが──
「あの辺りに踏み込むなら、重々気をつけた方がいい」
「〝王殺し〟が出る。……私の苦手な相手だ」
OP1:「愛してるぜ」
GM:マリーさん登場、登場侵蝕!
マリー・オリヴィエ:マリー・オリヴィエの侵蝕率を1d10(→ 3)増加 (37 → 40)
GM:このシーンはいわゆる過去の回想シーンです。
GM:かつてあなたがバディを組んで活動していたUGNエージェントとの、眠深市での戦闘の一幕。
GM:という体裁で過去をねつ造するので、良い感じにねつ造で返してください。
GM:……とまで書いて気付いたんですけど、過去にUGNだったみたいなのって幻覚でしたっけ、何かで設定ありましたっけ
マリー・オリヴィエ:元UGNですね
GM:現実だった、よかった
GM:では明確な年数はぼかしますが、だいたい5年くらい前で
GM:2歳くらい年下の男とタッグを組んでた前提でお考えあれい
GM:【数年前】
GM:【眠深市──添伏通(歓楽街区画)】
GM:そこは、昼と夜がさかさまに機能している。
GM:昼間には死んだように眠り、夜になれば目覚めて輝き始める。夜の街、などと呼ばれる土地だ。
GM:添伏通。南北に伸びる大通であり、眠深市と市外を繋ぐ幹線道路の延長線上にある。
GM:……幹線道路沿いに存在する歓楽街というのも、治安の良い話ではないが。
GM:少なくとも十数年前まで、添伏通は、喧嘩や抗争はあれど大きな犯罪もなく、程よく危なくて平和な場所だった。
GM:──背後に敵の気配。
ワイアット:「マリー! しゃがめ!」
ワイアット:と、同時。ワイアットがあなたの顔へ銃口を向ける。アメリカ人らしさの滲む大型拳銃に、AR(アンチ・レネゲイド)45口径弾。
マリー・オリヴィエ:爆音と共に放たれた銃弾が、風に穴を空ける。
マリー・オリヴィエ:同時、ワイアットを狙っていた敵の腕がちぎれ飛ぶ。血を帯びた風が戦場を駆ける。
マリー・オリヴィエ:「油断大敵、だ」命がけの場には不似合いな、しかし女にはよく似合う微笑みを浮かべる。
ワイアット:「ハッ」
GM:あなたの背後に忍び寄っていたジャームの頭部に、銃弾が十字架を描く。
GM:人間の輪郭をしているジャームではあるが、その身体は真っ黒な墨のようで、顔の判別はできない。
GM:焼死体が動いているかのよう……そういうものが、もう何体も周囲に転がっている。
ワイアット:「油断じゃねえ、これは信頼だよマリー」
ワイアット:「俺の背後はお前が。お前の背後は俺がカバーする」
ワイアット:「そうすりゃ目玉は二倍で視野も二倍、戦力は倍々で4倍って訳だ。オーケー?」
マリー・オリヴィエ:「知っている。だからお前と付き合っているんだ」
マリー・オリヴィエ:重厚な斧を片手で振り抜き、刃にまみれた煤血を払う。
ワイアット:「ほー。交際関係を認めちゃう?」
ワイアット:「そりゃグレイト。荒んだ心も癒やされるってもんだ」
ワイアット:ワイアット・クロフォード。二丁拳銃を操るUGNエージェント。
ワイアット:コードネームは〝レディ・キラー〟……本人たっての希望で命名された。
ワイアット:技量はあるが、まだ詰めが甘い部分がある。
マリー・オリヴィエ:「それを求めるには少し落ち着きが足りんな」
マリー・オリヴィエ:「期待を込めてB+といったところだ。熟せよ少年」
ワイアット:「この国には〝青田買い〟って文化があるんだぜ、マリー」
ワイアット:「男は若い内に決めておけって格言だ。クールだよな」
ワイアット:……そんな軽口を叩きながらも、ワイアットの眉間には深い皺が刻み込まれている。
ワイアット:積み重なるように倒れ伏す、黒い亡骸。その傍らに、彼はしゃがみ込んだ。
マリー・オリヴィエ:ボトルキープはしているのだが、と独り言ちながらその様子を見つめる。
ワイアット:亡骸の手を取る。それは簡単に、ぼろぼろと崩れて、だが消失はしない。
ワイアット:ジャームだ。〝巻き直し〟の利くあなた達とは違う。
ワイアット:「……可哀相なことをしちまった」
マリー・オリヴィエ:「都合の良いものではない。レネゲイドも、その産物であるヘイズの夜も」
マリー・オリヴィエ:「それは分かっている筈だ、ワイアット」
ワイアット:「分かってるがよぉ、でもよ」
ワイアット:「骨格を見ろよ。そっちのは髭も生えてなかったろう坊主だ。そっちのは腰の曲がった爺様だ」
ワイアット:「そっちは……ああ、ああ、もったいねえ。すらっと脚の長い美人さんだよ。マリー、あんたと同じくらいの歳だ」
ワイアット:──顔の判別もできない、墨のようなひとがた。それでも銃士の眼は、変異前の形を見てしまうようだ。
マリー・オリヴィエ:「ならば、どうする。失われた影法師に囚われて嘆くのが君のすべき事か?」
マリー・オリヴィエ:「ヘイズの夜も、その腕も、全てを包み込める程に長くはない」
ワイアット:「……やるべき事は、そりゃ決まってる」
ワイアット:「これでもUGNの正規エージェントだぜ。きっかり霧の原因を突き止めて、首謀者がいるならお仕置きして」
ワイアット:「数多のレディをこの夜から救い出し、ついでに俺に惚れてもらう」
ワイアット:「──とは言うものの」はぁ、と溜息をついて
ワイアット:「現状、力不足は否めねえな」
マリー・オリヴィエ:「迂闊に踏み込める場でもないからな、ここは」
マリー・オリヴィエ:「我々UGNでも分かっているのは、夜明けと共に修復される現象と」
マリー・オリヴィエ:「特異な力を持つ強大なオーヴァードたち、その源と思われるEXレネゲイドがあるらしき事ぐらいだ」
ワイアット:「今の俺じゃ、この大通から一本向こうに行くのも一苦労だ」
ワイアット:「だからよ、マリー」
マリー・オリヴィエ:力ある個人とその勢力、という形は見えどもFHやギルドのような組織の影は未だ見えない。良くも悪くもだ。
マリー・オリヴィエ:「続けろ。軽口だけでないなら」
ワイアット:「このまま、俺の傍に居てくれよ」
ワイアット:「男ってのは、良い女が傍にいなきゃ強くなれねえんだ」
マリー・オリヴィエ:「それは別に構わないがね」
マリー・オリヴィエ:B+というのは実際のところ、前例のない高評価といった具合である。
マリー・オリヴィエ:仕事を抜きにしても彼の隣は居心地が良い。軽口の中であっても嘘やおためごかしは向けていない。
マリー・オリヴィエ:信頼するパートナーを相手にして、だ。
マリー・オリヴィエ:「君は私に何をくれるんだい。一方的な搾取は前時代的に過ぎる」
ワイアット:亡骸の黒炭が残る手をズボンで拭う。
ワイアット:空になった弾倉をポケットに押し込み、新たな弾倉を装填し、
ワイアット:「そりゃあ、全身全霊の愛だよマリー」
ワイアット:「お前が居れば、俺はいくらでも強くなれる」
ワイアット:「バカでかくなった俺の愛を、お前ひとりに注ぎ込んでやるのさ」
ワイアット:歩き始める。……銃士の癖に、格好を付けて前に立つ。
マリー・オリヴィエ:「……フッ、酷い話だ」
マリー・オリヴィエ:「ならしっかり見ててやろう。君がレディ・キラーをやれるかどうか」
マリー・オリヴィエ:「それとも夢に終るのか。特等席で見ててあげる」
ワイアット:「ハッ!」些かの空元気で、夜に響くほどの声量で笑う。
ワイアット:それから息を吸って、先の笑い声より大きな声で、
ワイアット:「マリー、愛してるぜ!」
ワイアット:……と宣言するのだ。
ワイアット:ワイアットとは、こういう男であった。
マリー・オリヴィエ:そして私は、そんな男の傍に居た。
マリー・オリヴィエ:今はもう……一人で居る。
マリー・オリヴィエ:かつて見ていた夢の事など、思い出したくもないのだから。
GM:【日没】
GM:【変異する肉牢監獄】
GM:これは地中を移動する巨大なひとつの拠点であり、そしてひとつの生物である。
GM:とある男の、夢の残骸である。
GM:ロイスの取得が可能です。
マリー・オリヴィエ:かつての王/P純愛:N悔悟〇 で取得済みです
GM:よろしい
OP2:眼を醒ます、夜
GM:まずは由紀ちゃん、登場侵蝕!
叢雲由紀:叢雲 由紀の侵蝕率を1d10(→ 9)増加 (34 → 43)
GM:このシーンは、由紀ちゃんの平和な日常の一幕→目が覚めると肉牢に囚われていたピンチ展開から
GM:颯爽とマリーさんが助けにやってきて代わりに肉牢に囚われる(マリーさんは強いので画面外で肉牢を突破する)というものです
GM:なので由紀ちゃんは、代わりに捕まったマリーさんを助けてくれる人を求めて夜の街に出る訳ですね
叢雲由紀:分かりました
GM:というわけで
GM:──あなたは、平凡な人生を歩んでいる。
GM:平凡とは言うが、例えば世界全体の幸福度で平均を取った場合、あなたはそれより随分と上位に位置するだろう。
GM:平和な国に生まれ、真っ当な両親から適切な教育を与えられた。
GM:生まれ育った街が、治安もよく、経済的に豊かで、公共・民間とも設備が充実している。
GM:高校の授業が終わった後にその足でウィンドウショッピングに出かけ、こじゃれた雑貨屋に立ち寄ることができる。
GM:チェーン店でよいならコーヒーでもドーナツでも、ハンバーガーでも、小遣いの範囲で美味を楽しめる。
GM:話題のバンドのライブだって、市内のホールで開催される。首都圏に出るなら駅もある。
GM:……あなたは現状、完成された世界の中で満たされてしまっている。
浦波 朝日:「おーうい。由紀ちゃんやーい。提出物はまだかいなー」
浦波 朝日:同級生。浦波 朝日。
浦波 朝日:進路希望の書類をあなたから徴収するべく、教員から遣わされた手先である。
叢雲由紀:パシャリ、とポラロイドカメラのシャッターを切る。
叢雲由紀:「こんにちは朝日ちゃん。えっと、提出物については……」
浦波 朝日:「肖像権」手の平をあなたに向けて手を差し出す。
叢雲由紀:「善処していますので、もうしばらく待っていただけると……写りが良いから、つい」
叢雲由紀:と、学友との一風景を切り取った写真を見せて
浦波 朝日:「褒めてもお金は出ませんよー。……そんなに悩むものなの? 進路希望って」
叢雲由紀:「個人的には、ドーナッツの安売りの次に苦手です」
浦波 朝日:「お財布の友になんのうらみがあるのだ」
浦波 朝日:「経済的に安定しているご家庭はこれだから……やれやれ」
浦波 朝日:ドラマっぽい仕草で首を左右に振り、
叢雲由紀:「財布が細くなった分、胸周りが横に太くなるので……」
浦波 朝日:「適当に決めればいいと思うんだけどねー。ブラのデザインも進路も」
浦波 朝日:「ほら、適当に地元の大学入ればいいじゃん。公立なら学費も安いって言うし」
浦波 朝日:「奨学金出るくらいの成績ではあるでしょ?」
叢雲由紀:「幸いなことに、取り組んだこと欄に書く事には困らない生活を送らせていただいていますので」
叢雲由紀:「そうですね、おそらくそう書く事に……とりあえず大学、と書くのでしょうね、私も」
叢雲由紀:呆として、外の飛び立つ鳥にシャッターを切って。
浦波 朝日:「学部は? ……大学の場合、学部も書けってさ」
叢雲由紀:「そこは……どうしましょう、人助け学部とかないですよね」
浦波 朝日:「……外国語勉強して青年海外協力なんちゃらとか?」
浦波 朝日:「それか医学系? ……心理学からカウンセラーみたいなのもアリかも」
叢雲由紀:「現実的な折衷案をありがとうございます」しかし、それで良いのかと常に疑問が首を擡げる
叢雲由紀:「もしくは、卒業したらおもむろに旅に出る……とか、やってみましょうかね、私も」
叢雲由紀:「外国旅行とか……怒られますかね?」
浦波 朝日:「……由紀ちゃんさぁ」
叢雲由紀:「はい?」
浦波 朝日:特に何を思っている、というわけでもないような平坦な声。
浦波 朝日:その問いに、さしたる意味も、悪意も無いのだろうが。
浦波 朝日:「やりたいこと、特にないんだねぇ」
浦波 朝日:「何もしたくない、が希望だったりする?」
叢雲由紀:「何かはしたいんですけど、それにしっくりくる言葉が見つからなくて」カメラはあくまで趣味というか、そういうのとは違う気がしているし
叢雲由紀:「人のやりたい事を見ているのは大好きで……でも、それを撮ってる自分が何者かだなんて考えたことが無くって」いつも持ち歩いている手製のアルバムを思い返して
叢雲由紀:「……ともかく、私の都合ですねコレ、は」
叢雲由紀:「早めに都合をつけて、進路用紙は提出することにします。ごめんなさい」
浦波 朝日:「ふーん……ま、いいや」
浦波 朝日:「先生には、用紙忘れたから明日出しますって言っとくね」
叢雲由紀:「ありがとうございます、夜食用のポテトチップスいります?」お徳用の袋を取り出す
浦波 朝日:「思い詰めても由紀ちゃんが大変そうだし、今日は気分転換として」
浦波 朝日:「ブームに乗り損ねた私に白いたいやきを奢るとか推奨するねー」
浦波 朝日:買収金額をつり上げてきた。
叢雲由紀:「良いですね、朝日ちゃんの食べてる顔は絵になりますし……」
叢雲由紀:「是非是非、行きましょう」
GM:放課後。学生の義務が終了し、自由な選択を許される時間。
GM:まぁ、この時間のことは、然程語るものもあるまい。
GM:自由とは言うが、結局は金銭と知識の枷がある。食べて、眺めて、話して終わりだ。
GM:帰宅して、勉強するなり趣味に没頭するなりして、夕食、風呂、就寝。
GM:……昨日と同じ今日が終わった。目が覚めれば今日と同じ明日が始まる、その筈だった。
GM:……………………
GM:…………
GM:……
GM:あなたは眼を醒ます。
GM:すると、身体が全く動かせないこと。そして、なぜか自分は直立姿勢であることに気付くだろう。
叢雲由紀:「ん……っ、あれ……」身体に違和感を感じて、周囲を見渡そうとして
叢雲由紀:身体が動かない
GM:始めは、良く見えない。真夜中に室内で眼を醒ました、あの時のように。
GM:そしてだんだんと、眼が暗がりに慣れる。……完全な闇でないのは、電球の煤けた灯りがあるからだ。
GM:そこは、あなたの私室ではなかった。
叢雲由紀:「何、なに……」身体が動かせない不快感と、周囲の風景の変わりように目を白黒させる
GM:そこは、臓腑の悪臭が微かに漂う、肉の床と壁で構成された空間であった。
GM:巨大な生物の腹の中に入ったら、もしかすれば、こういう景色が見えるのではないか?
GM:そして、そこまで見えれば、あなたは四肢の違和感の理由にも気付ける。
叢雲由紀:無造作に写真を貼りたくった見慣れた自室ではない、混乱する
叢雲由紀:「えぇ……」
GM:あなたの両腕と両脚は、直立して手を左右に広げた姿勢で、壁に半ば埋まっているのだ。
GM:ダヴィンチの『ウィトルウィウス的人体図』の構図を考えるといい。それが一番近い。
叢雲由紀:「えぇ……!?」両手両足の不快感を理解したときには、状況の意味不明さに思考が追い付いてこない
叢雲由紀:(わ、悪い夢!? やっぱりたい焼き2個は欲張りすぎた!?)
叢雲由紀:両手を振りほどこうともがいてみる、どうせ周囲に見ている人間もいないのでなりふり構わず。
GM:その足掻きは、何の成果も生まない。無理な形に固定された関節が痛むだけだ。
GM:肉の壁は奇妙な弾力を以てあなたを捕らえたまま、何も言わず──
叢雲由紀:「ふ、ふぅ……腕が痛い……痛い……?」
叢雲由紀:「夢じゃない……」
叢雲由紀:反射的に乱れた服と顔の汗を拭おうとして、腕が動かないので間抜けな格好になる
GM:──代わりに、音がする。
浦波 朝日:「くぅー……すぅー……」寝息。
叢雲由紀:「……!?」
叢雲由紀:「あ、朝日ちゃん……?」
浦波 朝日:暗がりに慣れた目で少し遠くを見れば、浦波 朝日が、あなたと同様に囚われていた。
浦波 朝日:幸せな夢でも見ているのだろうか。穏やかな顔をして眠っている。
叢雲由紀:(この姿勢で普通に寝れるの凄い……)
GM:それだけではない。
GM:浦波 朝日の少し向こうに。またその少し向こうに。何メートルか先に。
GM:幾人も、幾人もの少女が、女性が、あなたのように囚われていた。
叢雲由紀:(こんなに……)
GM:就寝時の姿、そのままなのだろう。或いは寝間着、或いは外出着のまま、或いは下着姿──
GM:みな、眠っている。
GM:目覚めているのはあなただけだ。
叢雲由紀:(声を出して全員起きてもらう……? ううん、誘拐犯が近くにいるかもしれないし……)
叢雲由紀:そう考える由紀も、部屋用のラフな私服姿であり、本来この姿で往来に出るような度胸は無い。
GM:──その時。
GM:ぐぢゅん
叢雲由紀:周囲を見渡して、何か逃げ出すための手掛かりが無いか考えを巡らせ__
GM:少し離れたところで、壁が蠢いた。
叢雲由紀:「ひゃっ」
GM:と、思った次の瞬間、壁に半ば埋め込まれていた女性が数人、
GM:巨大な舌のように変化した肉壁に飲み込まれて、壁の中へ姿を消してしまった。
GM:その様は、平和に、平穏に生きてきたあなたにであろうとも、
叢雲由紀:「____」顔色が一気に真っ青になる
GM:生物として逃れ得ぬ本能に訴えかけ、この言葉を想起させるのだろう。
GM:〝捕食〟
叢雲由紀:「た、食べた……?」
叢雲由紀:悲鳴を上げなかったのは、過去に派手な格好の生徒相手にやらかした経験からだが、それでも意識を手放してしまいたい気分ではあった
叢雲由紀:ただ、そこで全てを投げ出してしまえるほど、叢雲由紀は無責任ではなかったのは
叢雲由紀:(捕まった人たちが、食べられてる……?)
叢雲由紀:この場合、幸いだったか、あるいは
叢雲由紀:(つまり、私も……)
GM:ぐぢゅん
GM:ごぐん
GM:濁った水音が響いている
GM:壁の中から、なにか蠢いている音が
GM:途切れ途切れの水音が
GM:鼓膜より先に肉体全てを震わせる、骨伝導音として伝わってくる
GM:ぐぢゅん
叢雲由紀:「ひっ……」
浦波 朝日:ごぐん
叢雲由紀:「朝日ちゃん!!?」
GM:ぐぢゅん
GM:あなたの眼の前の壁が蠢いて
GM:肉で形作られた口が開き、舌があなたへ伸びた──
叢雲由紀:「あっ、いやっ……やめっ……!?」
GM:──〝王殺し〟。登場侵蝕をどうぞ。
マリー・オリヴィエ:マリー・オリヴィエの侵蝕率を1d10(→ 5)増加 (40 → 45)
マリー・オリヴィエ:その時、叢雲由紀の元へ風が吹いた。
マリー・オリヴィエ:生々しい肉の熱と、胸を重たくさせる臭気とを切り裂いて。
叢雲由紀:「____!?」突然だった、女性が目の前に、現れた。
マリー・オリヴィエ:「動かないで、舌を噛まないように」
マリー・オリヴィエ:疾風に次いで、鋭く重たい鋼の刃が肉の舌へと叩き込まれて。
GM:ぐじゅうっ
GM:と生々しい音がして、肉壁が別たれる。
GM:それはすぐにも再生を始めるが、決してその速度は速くない。
マリー・オリヴィエ:そのまま大斧を振り抜き、肉檻の束縛から少女を抱き上げる。
叢雲由紀:「わっ……!?」突然自由になった手足に戸惑いつんのめるが、そのまま女性に抱き上げられる
マリー・オリヴィエ:「……意識はあるのか。それも君だけ……」
マリー・オリヴィエ:「ああ、もう喋ってもいい……立てる?」
叢雲由紀:「あ……はい。あります、意識」
叢雲由紀:「立つのも……大丈夫です」おそるおそる、肉の床に立つ
マリー・オリヴィエ:「なるほど……もしかしたら君も覚醒の兆しがあるのもしれないな」
マリー・オリヴィエ:「たぶんこういうの、初めてだよね」
叢雲由紀:「は、はい……」恐る恐る答える
叢雲由紀:(覚醒……?)
叢雲由紀:「どういうのか分かりませんが、舌の上に乗りかけたのは初めてです」
叢雲由紀:「あなたは……」
叢雲由紀:首を傾げ、女性の恰好を観察する。
マリー・オリヴィエ:すらりと長い褐色の肌に、直接黒いコートを纏っている。
叢雲由紀:まず第一に目を引くのはその美麗さと衣装だが、纏っている雰囲気が尋常のものでないことは由紀でも理解できた。
マリー・オリヴィエ:「マリー・オリヴィエ」
マリー・オリヴィエ:「こういう場に慣れていて、そしてここを終わらせに来た」
GM:──今宵は、〝監獄〟の活動が活発だ。
GM:あまりに多くの人間を呑み、喰らい、同化しようとしている。
GM:故にあなたは、この檻に囚われて、
GM:故にあなたは、この生を断ちに来たのだ。
叢雲由紀:「マリーさん、ですね」後ろポケットに入りっぱなしのカメラに手を伸ばさない程度に社会性はできていた
叢雲由紀:「えっと、助けてくださって……ありがとうございます」
叢雲由紀:「私は叢雲由紀です、気が付いたらここにいました」
叢雲由紀:「マリーさんはこの場所の専門家……なのですか?」
マリー・オリヴィエ:「……お礼は要らないよ、私には責任があるから」
叢雲由紀:「責任ですか? この場所の責任……?」
叢雲由紀:イメージが出来なかった、一体何をどうしたら女性を食べる肉壁の責任が生じるのだろう、拾った動物であるまいに
GM:その時。
GM:周囲の壁全てを震わせるような──いや。
GM:周囲の壁全てが震えることで発せられる、低く重苦しい声が、
GM:「マリー……」
叢雲由紀:「わっ……な、なに……?」
マリー・オリヴィエ:「そう、君たちは巻き込まれただけなんだから──」
GM:名を呼び、蠢き始めた。
叢雲由紀:「マリーさんを、呼んでる……?」
マリー・オリヴィエ:とん、と。少女の身体を突き飛ばす。
GM:次の瞬間、
GM:マリー・オリヴィエただひとりを狙い、壁から伸びる無数の肉触手!
叢雲由紀:「きゃっ!? 何を……!?」
マリー・オリヴィエ:「あ、ぐぅ……ッ!」
GM:それは周囲にある何者をも顧みず、たったひとりを捕らえる為だけに暴れ回る。
GM:マリー・オリヴィエの半径数mは、それこそ暴風圏の如く成り果てた。
叢雲由紀:「マリーさん!!!」
マリー・オリヴィエ:舞うような軌道で振り抜かれる斧が、一振りごとに幾本もの触手を切り飛ばすが
叢雲由紀:助けに入ろうと、何もできないと理解するより早く手を伸ばすが
GM:かろうじてその半径から突き飛ばされた叢雲由紀は、戦いの嵐の外にある。
マリー・オリヴィエ:「……ユキ」激しい戦の間から、僅かな声だけが届けられる。
叢雲由紀:「っ……!?」触手にあっさりと阻まれる、眼中にないと理解できる
マリー・オリヴィエ:「少しでも、空気の澄んでいる所を歩け……私が拓いた道だ」
叢雲由紀:「マリーさん!? そんな、私の代わりだなんて嫌です!」
マリー・オリヴィエ:「UGNという人たちがいたら、頼りなさい……ああ、そうだね」
マリー・オリヴィエ:「代わりなんて、ごめんだよ」再び、突風。
マリー・オリヴィエ:少女の身体に叩き付けて、多少手荒に突き放す。
叢雲由紀:「ぐっ……!」(ダメ……私じゃ、助けられない……)
叢雲由紀:ただ、落胆だけではない
叢雲由紀:叢雲由紀はそんな時にこそ、目的のために何をするべきか考える少女であったから
叢雲由紀:「絶対、助けを呼んできますから……!」乱れた服はそのまま
叢雲由紀:風に背を押されて、マリーの出てきた穴へと飛び込む
GM:肉の壁で構築された道はだんだんと上り坂になっていて、
GM:とあるホテルの一室に辿り着き、そこからあなたは夜の街に出られるだろう。
GM:学生があまり近づくことはない歓楽街、添伏通。
GM:そこはうっすらとした白い霧に覆われ、真っ当な人間の気配はなく、
GM:既にして自分は日常の中にいないのだと知らしめるが如く、どこか遠くで、獣の咆哮が響いた。
GM:ロイス取得可能!
叢雲由紀:恩人/マリー・オリヴィエ:〇信頼/悔悟
マリー・オリヴィエ:被害者:叢雲由紀/P庇護〇:N罪悪感
叢雲由紀:友人/浦波 朝日 友情/〇心配
GM:OK!
OP3:カー・アクション
GM:では蒼治くん登場侵蝕!
ヰ乍 蒼治:ヰ乍 蒼治の侵蝕率を1d10(→ 9)増加 (28 → 37)
ヰ乍 蒼治:こいつまたバキバキになってる
GM:このシーンはさらっとした導入なので、ちょっと他のおふたりより短いぜ!
ヰ乍 蒼治:はーい!
GM:具体的に言うと無免許ドライブにつきあってもらいます
GM:【添伏通、南区画】
GM:エンジン音が。それから、固いもの同士がぶつかり合う破砕音が聞こえている。
GM:何かと訝り覗き込む者があれば、それは、自動車が路上の障害物を跳ね飛ばしながら走っているのだとわかるだろう。
GM:頑丈なジープを、屋根部分を強引に切り落としてオープンカーに改造したもの。
GM:運転席には、左手だけでハンドルを握りながら、右手の得物で──
平坂 歩:──死神の如き大鎌で、擦れ違う者の首を跳ね飛ばしていく女がいる。
平坂 歩:「長柄の得物と戦車は人類の叡智だそうだよ、少年」
平坂 歩:そう言いながら平坂歩は、王権を求めて彷徨う名も無き誰かを斬殺していた。
ヰ乍 蒼治:「もっと危なくないのに叡智見出してよ!料理とか…さっ!」手をかざし、空気に生命を与える。
ヰ乍 蒼治:そのまま拘束。敵を持ち上げるように、平坂歩の大鎌の軌道上へと投げる。
ヰ乍 蒼治:「歩さん!」
平坂 歩:「はぁい」
平坂 歩:ひゅうっ
平坂 歩:重力操作。武器の重量など感じさせぬ速度で、刃が敵の首を断つ。
平坂 歩:狙うのは必ず、首だ。胴や手足ではない。
GM:そうして周囲から粗方、あなた達を狙う者の気配が無くなってから、
GM:随分とボロボロになった盗難車は速度を落とす。
ヰ乍 蒼治:「最高のドライブだったよ。ベイビー・ドライバーでもこんな無茶してないんじゃない」軽口を叩く。
平坂 歩:「ワイルド・スピードならもっと凄い」
平坂 歩:「マッドマックスなら君は助手席に座ってられないところだ。どちらが良かった?」
ヰ乍 蒼治:「歩さんが隣にいないのはヤダな。前者でお願い」にこりと笑う。
GM:信号も何も無い街を、ボロボロになった車が走っていく。
GM:他に車を使っている者は──この近辺にはいないようだ。
GM:空へ舞い上がって地上を見下ろせば、幾つか、霧の中を動くヘッドライトは見つかるだろうが。
GM:……無論。衛星写真など〝霧の外〟の道具を用いたならば、
GM:眠深市はまったく正常に機能していることが、夜を知らぬ街の灯りからわかるのだけれども。
平坂 歩:「……君もだいたい、この街の戦いになれたねぇ」
平坂 歩:「人間は夜明けには生き返るから殺していい」
平坂 歩:「ジャームはジャームだから殺していい」
平坂 歩:「君の成長を祝いつつ、そろそろ行動範囲を広げたいと思うんだけどね。どうかな?」
ヰ乍 蒼治:「この霧を見たら、イヤでも信じるしかないでしょ。〈ヘイズ〉じゃ、多分外のルールを掲げた奴から死んでく」
ヰ乍 蒼治:「それにさ。好きな女のヒトに殺しの手ほどき受けて、上達しないなんてヤなんだ。オレは」
ヰ乍 蒼治:「……だから、どこまででも付き合わせてくれよ。どこ行くの」
平坂 歩:「ホテル」
ヰ乍 蒼治:「なんで???」
平坂 歩:「なんでだと思う?」運転席の女が、首を横へ向ける。
ヰ乍 蒼治:「ム……」頭の中を様々な想像が駆け巡る。
ヰ乍 蒼治:(いやいや)
ヰ乍 蒼治:(いやいやいやいや)
平坂 歩:「君を王にするにあたって、邪魔なやつがいる」
ヰ乍 蒼治:「……」表情が一気に硬くなる。
平坂 歩:「そいつは女を無差別に狙う。自分の糧にする為に──」
平坂 歩:「心を壊して服従を誓わせ、〝契約〟を結んでから全てを差し出させるのさ」
ヰ乍 蒼治:「……ただのジャームじゃない。”鍵持ち”か」
ヰ乍 蒼治:「心を壊す、か。いやだな、それは」
ヰ乍 蒼治:「自由じゃない」
ヰ乍 蒼治:「そいつは何で、そんなことをするのかな。自分の心も壊れちゃったからなんだろうか」
平坂 歩:「知らないね。会話できる状態で遭遇したことがない」
平坂 歩:「いや、この街で会話できる相手なんていうのはそう多くもないか──」
平坂 歩:少しの間、何かを思うような沈黙があった。
平坂 歩:その間も車は、速度を上げたり落としたり、
平坂 歩:左右にふらふらと揺れながら、北へ向かって走っている。
ヰ乍 蒼治:「……」少しだけ、解るようになってきた。平坂歩という女性は極端な秘密主義だが、
ヰ乍 蒼治:無秩序な精神を有しているわけではない。むしろ、己の中の何らかの思想にある種忠実なのだと思える。
ヰ乍 蒼治:だから、何も聞かないようにしていた。
ヰ乍 蒼治:「鍵を持ってるなら、倒すよ。歩さんとの約束だ」
ヰ乍 蒼治:「それ」が話そうと話すまいと。
平坂 歩:「そうしてくれたまえ。……とは言え、注意すべき部分はある」
平坂 歩:「ひとつ。そいつ──〝人飼い馬主〟ワイアットは、もう何度も討伐されてる筈なんだ」
ヰ乍 蒼治:「歩さんがそんなこと言うなんて、珍しいね。生き返ってるってこと?」
平坂 歩:「ああ。どうみても、ワイアットはジャームなんだけどね」
平坂 歩:「はじめに〝王殺し〟がワイアットを殺して、彼の『夢鍵』を奪った」
平坂 歩:「……ところが、ワイアットはその後も何度も現れて」
平坂 歩:「しかも『夢鍵』の力を行使している。……きなくさい話だ」
ヰ乍 蒼治:ジャームだけが、この街――〈ヘイズ〉での輪廻から外れる存在だ。そうして、生き返ることはないのだという。
ヰ乍 蒼治:「……”王殺し”ってのも関わって来るかもね」聞き慣れない単語に、少し耳が止まる。
平坂 歩:「私もまだ知らない、なんらかの要因がある。それを解かない限り、」
平坂 歩:「ゲームセンターのワニ叩きをやるのと、そう変わらない結果になるだろうね」
ヰ乍 蒼治:「十中八九元を断たないとダメだよなァ。……被害が大きくなる前に、早く止めないと」
ヰ乍 蒼治:「いや、この街でそんなこと言っても今更な気がするけどさ」
ヰ乍 蒼治:(……生き返ってないなら、どうやって自分を保ってるんだ?)
ヰ乍 蒼治:(死んでない――いや、増えてるのか? わからないな)
GM:夜の街を、車が行く。……周囲の建物には灯りがあるが、まともな人間はその中に動いていない。
GM:壊れた人間とジャームだけが蔓延る街──
平坂 歩:「──けれど、もっと厄介な相手がいる」
ヰ乍 蒼治:「歩さんでも?」
平坂 歩:「私なら、そいつの気配がしたら〝ゲート〟で逃げるね」
平坂 歩:「〝王殺し〟マリー・オリヴィエ──私の苦手な相手だ」
ヰ乍 蒼治:「……その人はさ。ワイアットの傍に居た人なのかな」
ヰ乍 蒼治:「そうじゃないと、わざわざ”王殺し”なんてコードを付けられないだろうし」
平坂 歩:「さあね。仲良くおしゃべりしたことは無いから知らないよ」
平坂 歩:「確かなのは、腕が立つことと、しつこいこと」
平坂 歩:「ワイアットが討伐された数の、9割方は〝王殺し〟の仕業だろう」
ヰ乍 蒼治:……平坂歩は、彼の知る限り最優の護衛だ。躊躇がなく、あらゆる意味でタフ。
ヰ乍 蒼治:そんな彼女が「しつこい」と言うからには、その実力は恐らく〈ヘイズ〉の中でも指折りだろう。
ヰ乍 蒼治:「そっか。……でも、やっぱり、”ワイアット”に何とも思ってない人のやる事じゃない気がする」
ヰ乍 蒼治:「その”王殺し”ってヒトと会ったら、オレ、ちょっと話してみたいな。……歩さんが良いって言えばだけど」
平坂 歩:「へーぇ」
平坂 歩:「君は随分と、会ったこともない人間に対して同情的なんだねぇ」
平坂 歩:「そうかいそうかい。私としては、遭遇次第身を隠すことをオススメするところだが──」
GM:──その時。
GM:静かな街の、少し北の方。つまりは車の進路方向で、
GM:ワーディングのそれにも似たレネゲイドの蠢きが、空気を伝ってあなた達に届いた。
ヰ乍 蒼治:「歩さん!あっちは――」
平坂 歩:「……うへぇ」
平坂 歩:「曹操の話をするとなんとやら、だったら私は逃げるよ。宣言しておく」
GM:車は真っ直ぐに、少し速度を上げて進んでいく。
GM:戦いの気配に到達するまで、ほんの1,2分──。
ヰ乍 蒼治:「歩さんが死なないなら別に良いよ。後で水琴先輩と敵前逃亡した騎士って笑い者にしてやるけどさ」にやりと笑う。
平坂 歩:ひゅっ
平坂 歩:ゲートが開き、平坂の姿が虚空に消える──
GM:十分に速度を上げられた状態で、ハンドルを握るものの居なくなった車が、ガタガタと大きく揺れ始める
ヰ乍 蒼治:「……マジ?」
平坂 歩:「頑張りたまえよー、少年」
平坂 歩:少し先の交差点、横断歩道の脇で、平坂がそんな風に大声を出して、
平坂 歩:それからまた、ひゅっ、と姿を消して、今度は本当に何処かへ消えてしまった。
ヰ乍 蒼治:「オレ……ペーパードライバーなんだけど!!クソッ!!面白くなってきたじゃねェか!!」
ヰ乍 蒼治:(……まあ、”王殺し”にかち合って歩さんが殺される可能性はなくなったわけだし)ハンドルをぎゅっと握る。
ヰ乍 蒼治:(それに)
ヰ乍 蒼治:ハンドルの感触が、硬い骨を想起させる。
ヰ乍 蒼治:(好きな女のヒトが死ぬとこ見るのなんて、一回で充分だよな)
ヰ乍 蒼治:見よう見まねで、アクセルを踏む。ずっと見ていた、歩さんが運転していた通りに。
GM:戦いの気配まで、十数秒──。
GM:ロイス習得は……たぶん無いだろうから飛ばす!
ミドルシーン1:生の結晶
GM:先にざっくり解説すると
GM:逃げだしたら何か変な敵に遭遇したゆきちゃん、謎の力で対抗してたらボロ車でチャラ男が登場!
GM:二人で囚われのヒロインを助けに行こう! という感じです
マリー・オリヴィエ:囚われのヒロイン……朝日ちゃんか!
ヰ乍 蒼治:お前じゃい!
GM:囚われ(る気)の(無い)ヒロイン
GM:ということで
GM:まずゆきちゃん登場侵蝕!
叢雲由紀:叢雲 由紀の侵蝕率を1d10(→ 7)増加 (43 → 50)
GM:──白い薄霧のかかった、夜の街。
GM:眠深市で育ったあなたには、このような気候の記憶は無いだろう。
GM:雨の日もあった。雪の日もあった。だが、霧だけは
GM:そういえばこの街には、掛かることは無かった。
GM:周囲を見通せぬほどでもない霧の中を、あなたは走っている。
GM:人を呼ぶ為か。それとも、安全な場所へ逃げるのか。いずれかの為に。
叢雲由紀:「ハァッ……! ハァッ……!」早く、早く人を見つけなければと、自分の現在位置の理解に努めるが、分かるはずもなく。
叢雲由紀:闇雲に走り回る
GM:見慣れた街の、見慣れぬ歓楽街。その夜の姿は、
GM:おおよそ昼間の光景から想像もつかぬほど命の気配に乏しく、冷え切っている。
GM:蠢くものの気配は、あるのだ。
GM:だが、それはきっと、まともな人間ではない。
叢雲由紀:「……」感覚で理解する、あれはおそらく自分やマリーを捉えた肉と、同じ種類のものだ
叢雲由紀:「まともな人、普通の人はいないの……!?」
叢雲由紀:身なりに気を使うような余裕もない、自分のせいで引き込まれてしまったマリーを助け出す手段を、早く見つけ出さないと
GM:がさっ
叢雲由紀:「……!」
GM:視界の端で、何かが動いた。
GM:人間の輪郭をしたものだ。
叢雲由紀:(何……?)
GM:……黒いマネキンが衣服を着ているように、見えたかも知れない。
GM:だがその実、それはマネキンではなく、真っ黒な顔をした人間であった。
GM:表情も性別もわからぬほど黒い、炭のような人間が、3体。
GM:呻き声すら上げぬまま、あなたへと近づいてくる。
叢雲由紀:「ひっ……!?」
叢雲由紀:「あ、えっと……こんにちは」
叢雲由紀:もちろん返事など期待してはいない
叢雲由紀:すぐさま反転、大急ぎで駆け出す
叢雲由紀:「何なの、アレ___!」
GM:〝それ〟は、
GM:外見から想像できぬほどの機敏さであなたを追いかける。
GM:そして
GM:あなたの行く先に、倒壊した建物の一部。
GM:足を止めたその瞬間に──
エンゲージ
叢雲 由紀[5]
10m
人炭_1[6]
人炭_2[6]
人炭_3[6]
[00:45]
GM:──勝利条件、敵の全滅
ラウンド1
GM:セットアップ。エネミー側、何もありません。
叢雲由紀:「___」こんな場所で。いや、そもそも普通に生きていて倒壊している建物など、見たことが無い。
叢雲由紀:【望郷/追思】《活性の霧》 自分を対象に攻撃力+12
叢雲由紀:叢雲 由紀の侵蝕率を3増加 (50 → 53)
叢雲由紀:(どうしたら、どうすれば……)泣いて命乞いをすれば許される相手……には、見えない
叢雲由紀:(やっつける? 私が? 鶏と喧嘩しても負けるのに!?)
叢雲由紀:浮かんできた涙を拭って、向き直る
叢雲由紀:(……マリーさんと朝日ちゃんのために、私はまだ……終われない!)
叢雲由紀:(何か、何か……)
叢雲由紀:____もしかしたら
叢雲由紀:___君も覚醒の兆しがあるのもしれないな
叢雲由紀:記憶に浮かぶ声が、やけにはっきりしていたことに、まだ由紀は気が付いていない。
GM:手番。行動値順
GM:同行動値の同一エネミーが複数体いるので、行動を纏めて行います。
人炭:マイナーで戦闘移動。叢雲由紀と同エンゲージへ移動
人炭:メジャーアクションは白兵攻撃。装備はナックルダスター相当品の『炭化した腕』だ。
人炭:10dx+3 1体目
DoubleCross : (10DX10+3) → 10[2,2,2,3,4,4,5,7,7,10]+6[6]+3 → 19
人炭:10dx+3 2体目
DoubleCross : (10DX10+3) → 9[3,3,4,4,5,5,7,8,8,9]+3 → 12
人炭:10dx+3 3体目
DoubleCross : (10DX10+3) → 6[1,1,3,4,4,4,5,5,6,6]+3 → 9
GM:それぞれにリアクションをどうぞ!
叢雲由紀:回避ダイス0個なので全部ガード
GM:マジやん 攻め攻めな子だ
GM:ダメージ!
人炭:2d10+1 1体目
DoubleCross : (2D10+1) → 13[4,9]+1 → 14
人炭:2d10+1 2体目
DoubleCross : (2D10+1) → 10[5,5]+1 → 11
人炭:2d10+1 3体目
DoubleCross : (2D10+1) → 7[4,3]+1 → 8
GM:最後のは間違えた!
人炭:1d10+1
DoubleCross : (1D10+1) → 7[7]+1 → 8
GM:かわんなかった……
叢雲由紀:同じだった
叢雲由紀:えっと、ガード値が8なので
叢雲由紀:6+3+0点受けます
GM:6.3.0
GM:固いなぁ……!
叢雲由紀:残り16点
人炭:──あなたはついに、追いつかれる。
人炭:近くに寄ってみれば、肉の焼け焦げた臭いが酷い。
人炭:炭化した表面とは裏腹に、内側はまだ、肉の湿り気が残っているのかも知れない。
人炭:そういうものが、三体。
人炭:二体は、あなたの両腕を左右から、
人炭:一体は、あなたの脚を、
人炭:……三方向に、力任せに引き千切ろうと掴みかかる!
叢雲由紀:臭いが、反射的に防御行動を取らせる
叢雲由紀:両手に力を籠め、何とか……抵抗を試みる
叢雲由紀:「っ"……!」両手両足に激痛、しかし気が付く
叢雲由紀:(抵抗……でき、てる……?)明らかに、普通ではない膂力で組み付かれたことが分かる、なのに
人炭:炭のような人体に、感情表現は存在しない。だが。
人炭:〝それ〟らが渾身の力を込めているのは、間違いのないことだ。
人炭:ぴしっ 炭化した表皮に罅が入るほどの力。
人炭:……ただの人間ならば既に、四肢を胴体からもぎ取られているだろう。
GM:手番、行動値5、叢雲由紀
叢雲由紀:マイナーなし
叢雲由紀:『噪記/混証』《コンセントレイト:モルフェウス》《カスタマイズ》
叢雲由紀:手の中に生み出した盾で攻撃、効果も使用
叢雲由紀:5dx7+2
DoubleCross : (5DX7+2) → 10[4,6,7,8,9]+10[2,4,8]+5[5]+2 → 27
叢雲由紀:あ、より取り見取りですが腕を掴んできてる方から殴ります
人炭:よろしい。1~3まで全部同一ステータスなので1番が受けよう
人炭:リアクションは……ドッジ!
人炭:10dx>=27
DoubleCross : (10DX10>=27) → 8[2,3,4,4,5,5,7,7,8,8] → 8 → 失敗
GM:ダメージどうぞ!
叢雲由紀:3d10+18
DoubleCross : (3D10+18) → 21[8,9,4]+18 → 39
叢雲由紀:色々有効
叢雲由紀:叢雲 由紀の侵蝕率を6増加 (53 → 59)
GM:流石に余裕で消し飛ぶね……1体撃破で演出どうぞだ
叢雲由紀:異形の腕に引き裂かれかける激痛の中、まるで走馬灯のように記憶が浮かんでいく
叢雲由紀:たった17年の人生でも、沢山の人と出会って生きてきた
叢雲由紀:スポーツ全国優勝を目指す……夢を追う人。病気を治したい……乗り越えるべき何かに立ち向かう人。
叢雲由紀:その記憶が、思い出が。
叢雲由紀:美しさが、樹枝六花の結晶となって、由紀の右腕に盾として握られる。
叢雲由紀:「___」不思議だった。使い方を習ったわけでもなく、反射的に。
叢雲由紀:その盾の側面を、人型炭の異形に叩きつけていた
叢雲由紀:インパクトの瞬間
叢雲由紀:角柱結晶が、打撃面より沸き出て。
叢雲由紀:異形を弾き飛ばす。
人炭:ぱきぃっ 乾いた音で表面が砕け、
人炭:ごぎぃっ 濁った音で骨が砕ける
人炭:炭の如き異形の腕が、その一振りで砕かれ、
人炭:否、上半身が砕かれて、落ちた。
叢雲由紀:___パキン
人炭:少し遅れて、胸から下の胴体が、よろよろとたたらを踏んで後退し、仰向けに倒れる。
人炭:さらさら、ざらざら、砕けて粉になった体が吹き散らされていった。
叢雲由紀:「く、ッ……」同時に、生み出された結晶もひび割れ、砕け散る。
叢雲由紀:(ころし、た……?)自分の胸の中で、大切だった何かが砕け散って違うモノに組み変わる不快感を感じながら、六晶盾を構えなおす。
GM:殺した。壊した? さあ、どちらでもいい。
GM:あなたは、自分が生き残る為に、人間の輪郭をしたものへ暴力を奮った。
GM:生き延びたい。それは、未来に希望を持っているからか?
GM:どんな未来に辿り着きたいと思い描けもしないのに、生きていれば良いことがあると?
GM:……さて。
ラウンド2
GM:そして、
GM:ヰ乍 蒼治、登場侵蝕
ヰ乍 蒼治:ヰ乍 蒼治の侵蝕率を1d10(→ 2)増加 (37 → 39)
叢雲由紀:不思議と、恐怖は無かったが
叢雲由紀:恐怖しない今の自分が怖かった。
GM:残り、二体。
GM:殺し殺される戦いは、まだ続いている──
GM:──ヘッドライトのハイビーム。
GM:そしてエンジン音が、急激に近づいてきた。
叢雲由紀:「あっ……!」人の営みを感じさせるものに少し安堵して、迫ってきているものの外見を見て再度驚愕の表情に
ヰ乍 蒼治:「うおおおおっ!?ブレーキ壊れてるじゃん歩さんのバカーーって人ッ!? 前っ――間に合わねえ、くそっ」
叢雲由紀:「わわわわぁっ!?」
ヰ乍 蒼治:「ごめん!」車から飛び降り、叢雲由紀を抱きかかえて転がる。
叢雲由紀:「ひゃっ!?」いきなりだったのでされるがままに転がる
ヰ乍 蒼治:運転手の居なくなった車はそのまま炭人を巻き込む進路で爆進した。
ヰ乍 蒼治:「これで…一人くらい倒れてくれないかなあ!」
叢雲由紀:「……昔、こんな映画見た気がします……」
GM:ふむ
GM:まともなオーヴァードやらジャームが相手なら、暴走車輌が如きは大した敵でもないが、
GM:そうだな、4d10で判定してもらおう
ヰ乍 蒼治:おっ
GM:それで20以上の数値が出たら、人炭は残り2体どっちも吹き飛ぶ
GM:だめだったら1体だけだ
叢雲由紀:それでも1体は吹き飛ぶ、振り得
ヰ乍 蒼治:ふ…太っ腹すぎる!
ヰ乍 蒼治:判定行きます!
ヰ乍 蒼治:4d10
DoubleCross : (4D10) → 24[8,3,7,6] → 24
ヰ乍 蒼治:マジか
GM:では残念ながら蒼治くん、君が格好よくエネミーを吹き飛ばす演出は──ない!
GM:何故なら君が乗り捨てた車が二体とも轢殺してしまったからだ。
人炭:単純な速度と質量だけなら耐えられたかも知れない。だが、
人炭:ぼろぼろになった車体が、最後の衝突の衝撃でガソリンを吹き散らし、
人炭:衝撃に加えて炎までを発してしまい、炭状のひとがたを焼き尽くした。
人炭:表面のみならず、芯の、肉の水気が残る部分まで残さず。
GM:……故に2ラウンド目はこのまま行われずに完了となる。やったね!
ヰ乍 蒼治:マジで倒れることある???
ヰ乍 蒼治:だが……勝った!!盗難車を犠牲に!!
叢雲由紀:「……」立ちのぼる煙に目を丸くしている
ヰ乍 蒼治:「やっちまった……後で持ち主探して謝り行かねえと……」
叢雲由紀:「あ、えっと……助けていただいたんですよね……ありがとうございます」
叢雲由紀:「お車の事は……」
ヰ乍 蒼治:「良いって!危ないとこだったんだろ、気にすることないぜ」サムズアップ。
叢雲由紀:(持ち主?)聞かなかったことにしておこうと思った、というか考えることが多すぎた
ヰ乍 蒼治:「それより、きみ、大丈夫? あいつらに襲われてたんだろ、名前は?」
叢雲由紀:「あ、はい。私は叢雲由紀といいます」
叢雲由紀:「あの人? 達に襲われて、危ういところでした……ありがとうございます」
ヰ乍 蒼治:「ユキちゃんね、OK。大変だったな……寒いだろ、とりあえず羽織って」肩に上着を掛ける。
叢雲由紀:「あっ、いえそんな……」と言ったところで、自分の今の恰好に気が付いて、慌てて直す
叢雲由紀:見えてはいけないものがまろび出ていた、本当に深夜の町をこれで出歩いていたら新手の不審者か危ない願望持ちだ
ヰ乍 蒼治:「あと、水。切羽詰まった状況って、意外と喉渇いてるの気付かないからさ」ペットボトル入りのミネラルウォーターを渡す。
ヰ乍 蒼治:「そのカッコは見なかったことにしとくよ」
叢雲由紀:「はい、あまり見て面白いものでも無いでしょうし、忘れていただけると……」
叢雲由紀:水を受け取りながら
ヰ乍 蒼治:「違うよ。キミみたいな可愛い女の子が、こんなとこでそんなカッコしてちゃ駄目だって」冗談めかして。
ヰ乍 蒼治:「でもさ。どうして……こんなトコ歩いてるの? どうも、他の話が通じないヤツらと同じには見えないんだけど」
叢雲由紀:「可愛いなんてそんな……あ、えっと、それが……」
叢雲由紀:そこから、大まかな今までの話を目の前の男に向けて話す
ヰ乍 蒼治:「……”ワイアット”……」
ヰ乍 蒼治:話を聞き終えた後、ぽつり、と零した。
叢雲由紀:もしかしたら、この男も何か怪しい人間なのかもしれないが……少ない人生経験は、この妙に明け透けな性格の人間に親しみやすさを感じていた
叢雲由紀:「わいあっと……?」
ヰ乍 蒼治:「……オレたちが倒そうとしてる奴の名前。多分、そいつに……そのマリーさんってヒトも捕まってるんだと思う」
叢雲由紀:「倒す。」目を丸くして
叢雲由紀:「倒すんですか? アレを……?」
ヰ乍 蒼治:「何とか……頑張るよ。死んじゃうかもだけど」冗談めかして。
ヰ乍 蒼治:「よく頑張って、ここまで逃げて来たね。キミは凄い奴だ。尊敬するよ、ほんとだ」
ヰ乍 蒼治:「マリーさん、連れて帰るからさ。キミは……」安全な所に逃げて、と言おうとしたが
ヰ乍 蒼治:(……よく考えたら、安全な場所ねーじゃん!ここ! 平坂さんのゲートがあれば……!)
叢雲由紀:「そんな……ちょっと運と出会いが良かっただけです」
叢雲由紀:「ただ……死んじゃうかもとか、ここでは冗談になってないのは、分かります」
ヰ乍 蒼治:「……うん。凄く危ないんだ」
叢雲由紀:「大体は、理解しています」
叢雲由紀:「それを理解なさっていて……それでも、あれを倒すつもりでいらっしゃるんですよね」
ヰ乍 蒼治:「そういうこと。それに、死んでも生き返るしね」少し笑って。
ヰ乍 蒼治:「ここはそういう場所なんだ。だから……心配ないよ」
叢雲由紀:「生き返る……?」困惑
叢雲由紀:「そんな事、信じられませんよ……いえ、信じられないのは色々なんですけど」
ヰ乍 蒼治:「うん。眠深市の霧には……そう言う力があるんだよ。今は信じてもらうしかない」
ヰ乍 蒼治:「生き返ったら、君と会ったことは忘れちゃってるかも知れないけど」少し寂し気な目。
叢雲由紀:「それは嫌です!」
ヰ乍 蒼治:「!」
叢雲由紀:「あっ、ごめんなさい……」
叢雲由紀:パシャッ と音がする、反射的に後ろ手でカメラを掴んで、目の前の男を撮っていた
ヰ乍 蒼治:「ピース」写真慣れしている。
ヰ乍 蒼治:「……結構大胆?」
叢雲由紀:「いえ、控えめな方だと自覚があります……」
叢雲由紀:「えっと、兎に角 私にできる事があるなら協力できると思うんです……信じていただけないかもしれないのですが」
叢雲由紀:「私、超能力……? が、使える? みたいで……」
ヰ乍 蒼治:「う~~~ん」頭を掻く。
ヰ乍 蒼治:「確かに、ちらっと見えた気もする。覚醒したのか……仕方ない」
叢雲由紀:「覚醒? その……ごめんなさい」
叢雲由紀:「……一人に、しないで欲しいです」小さく、振り絞った声で
ヰ乍 蒼治:「……『オレの傍が一番安全だ』なんて言う男、あんま信用しちゃ駄目だぜ」にかりと笑って
ヰ乍 蒼治:「良いよ。というか、頼みます。正直困ってたんだ」
ヰ乍 蒼治:「……それが、キミのしたいことなら。力を貸して欲しい。ユキちゃん」
叢雲由紀:「ありがとうございます!」頭を下げる
叢雲由紀:「……私の傍を、一番安全にしますから」
ヰ乍 蒼治:「……すげ~~良い子」
叢雲由紀:「私の、したい事……」どうなのだろう、と思った
叢雲由紀:不思議と何を言っていても感じていた噛み合わなさは、今は全くない
叢雲由紀:(これが、私の……?)
ヰ乍 蒼治:「ゆっくり考えると良いよ」ずり落ちかけた叢雲由紀の上着を直して。
叢雲由紀:「はい、よろしくお願いしますね」
叢雲由紀:「えっと……」そういえば名前を聞いていない
ヰ乍 蒼治:「うん。人間の欲望ってのは、霧の中で一番見えるんだ」
ヰ乍 蒼治:「ん? あ、そっか。名前か!水琴先輩に怒られちゃうの、こういうとこだよな」
ヰ乍 蒼治:「オレはヰ乍蒼治。イサでもソージでも良いよ」
ヰ乍 蒼治:「よろしく。ユキちゃん。一緒にマリーさん、助けようぜ」右手を差し出す。
叢雲由紀:「ヰ乍蒼治さん……」
叢雲由紀:「はい、よろしくお願いします! 蒼治先輩!」その手を取り
叢雲由紀:不安を隠した、精一杯の笑みを返す
GM:そしてあなた達は、共に向かう。
GM:打ち捨てられたホテルの受付を通り過ぎ、客室に駆け込み、
GM:その床に空いた肉の大穴から、怪物の臓腑の中へ──
GM:ワイアット・クロフォードの成れの果て。自律移動する肉牢監獄の中へ。
平坂 歩:「……マリー。マリー・オリヴィエ?」
平坂 歩:燃えさかる廃車の傍に立つ女が、そう呟いた。
平坂 歩:「引きが強いと言うべきか、弱いというべきか……はぁ」
平坂 歩:炎に手を伸ばす。指先が揺らめく炎に触れた瞬間、びくん、と全身を震わせた。
平坂 歩:恐怖で流れおちる冷や汗を、袖で拭うこともなく、
平坂 歩:「……しかたがない。行くか」
GM:ロイスの取得が可能!
ヰ乍 蒼治:後輩/叢雲由紀/○P:感服/N:庇護で取得。
叢雲由紀:先輩/ヰ乍 蒼治 ○P:親愛/N:不安
ヰ乍 蒼治:しししし親愛!?
マスターシーン
GM:【数年前】
GM:【添伏通北端、ホテル『ドリームイン』】
GM:『ヘイズ』探索は、昼の街を歩くのとは訳が違う。怪物が跋扈し、通りはねじ曲がり、地に裂け目が生じている箇所さえある。
GM:故に土地勘を持つあなたですら、容易に探索は進まず、事態の解明は一向に進んでいなかった。
GM:ホテル『ドリームイン』。……休憩の料金プランがある安ホテル。霧の夜には、受付は人間でないものが立っている。
GM:その頭部を破砕したあなた達は、客室のひとつで身を休めていた。
GM:肉体的な疲労もそうだが──
ワイアット:「……くそ……ふざけんな、ちくしょう、ふざけんな……」
ワイアット:──ワイアットの精神状態が、今宵は限界が来ていた。
GM:数十分前、あなた達は王権保持者のひとりと戦った。
GM:障害物を利用して距離を保ち、対戦車ミサイルを撃ち込んでくる凶暴な女。
GM:あなたが接近して斧を叩き付けるより、ワイアットの銃弾が先に、女の美しい顔を穴だらけにした。
ワイアット:「……殺すつもりなんか、なかった……」
ワイアット:まともな姿を保った人間を、ジャーム化にまで追い詰めて殺したのは、これがはじめてだった。
マリー・オリヴィエ:「……なあ、ワイアット」
マリー・オリヴィエ:壁に背中を預けながら、声を掛ける。
マリー・オリヴィエ:彼に視線を向けて……私ではなく、殺めた女の事を見ているのだろう彼に。
マリー・オリヴィエ:「悪かった」
ワイアット:「……………………」
ワイアット:打ちひしがれる彼の手には、見る角度によって色を変える油膜のような指輪がある。
ワイアット:王権保持者の女の亡骸から奪い取ったもの。『ヘイズ・ロードの夢鍵』である。
ワイアット:「……なんでマリーが謝るんだ」
マリー・オリヴィエ:「理解できていなかったからだ。君の事をね」
マリー・オリヴィエ:「もっと無理をしてでも、君にそんな顔をさせたくはなかった」
ワイアット:「軽蔑したか? ……弱くて、意気地なしだ、って」
マリー・オリヴィエ:「まさか」頸を横に振り、顔を手で覆う。
マリー・オリヴィエ:「それだけ君がまともで……私がろくでなしだという事だろう?」
ワイアット:彼の言葉は途切れ途切れで、中々、ひとつの文章として形を為さない。
ワイアット:「違う、俺が」
ワイアット:「俺は」
ワイアット:「……マリーは、悪くねえ」
ワイアット:「こんな」
ワイアット:……咽せるように咳をして、
ワイアット:「こんな、何もかも巻き直して取り繕ってる薄汚え街で」
ワイアット:「一番きれいなお前が、悪いわけねえんだ」
ワイアット:「……あのミサイルの女だって、あいつが悪かったわけじゃねえんだ」
ワイアット:「俺が……」
ワイアット:「……俺がもっと強けりゃ……それで済んだ……」
マリー・オリヴィエ:「……なら」
マリー・オリヴィエ:「どうするつもりだ?心優しい(よわい)ワイアットは」
ワイアット:「……強くなる。ちょっとやそっとじゃなく、半端じゃなく」
ワイアット:「なぁ」
ワイアット:……男は、縋り付くように顔を上げた。
ワイアット:「マリー、頼む。傍に居てくれ」
ワイアット:「俺は強くなりたい。こんな、契約だなんだと小うるさい道具じゃなく」
ワイアット:「魂から、お前に惚れてもらいたい」
ワイアット:「……そうしたらよ、きっと」
ワイアット:「その分だけ俺は、強くなれる気がするんだ……」
マリー・オリヴィエ:「大それたことを言いだすものかと、警戒してみれば……」
マリー・オリヴィエ:「随分とちっぽけな望みだな。損した気分だ」
マリー・オリヴィエ:くすりと笑いながら、男の手を取る。
マリー・オリヴィエ:「良いさ、頼まれてやる」
ワイアット:「……俺にしてみりゃ、自由の女神を抱きたいって願いと大差ねえんだよ」
ワイアット:血の気を失った手は冷えていて、力も然程込められていないが、
ワイアット:ガンマンの手だ。ごつごつとしていながら、無闇に膨れ上がってはいない。
マリー・オリヴィエ:「気持ち悪いな。フェチズムか?」
マリー・オリヴィエ:「君の手が暖かい限りは、こうしていつでも握ってやる」
ワイアット:「カリブには比喩表現ってもんが無いのかよ……?」
マリー・オリヴィエ:「血の通った君が好きなんだ、対比表現というやつ」
マリー・オリヴィエ:「……少しは調子が出てきたかな?」
ワイアット:「……銅像じゃなく、銅色の肌を抱きたいって言ったら?」
マリー・オリヴィエ:「男友達を作って、良い店を紹介してもらえ」
ワイアット:「冗談じゃねえや。女は金で買わない主義だ」
ワイアット:「口説いて向こうからキスしてもらうんじゃなきゃ、かっこ悪すぎるだろ?」
ワイアット:ぎゅうっ
ワイアット:……と、触れ合った手を握る。
ワイアット:「……あったけえ」
ワイアット:「あったけえなあ、マリーの手……」
ワイアット:張り詰めた糸が切れたように、男はぼろぼろと涙を流した。
マリー・オリヴィエ:手のひらひとつ、二つ。ただそれだけで繋がって、霧の一夜は過ぎていった。
マリー・オリヴィエ:私としては十二分に、彼という男を高く買っていたのだが。
マリー・オリヴィエ:……全て、間違いだったと思い知らされている。
マリー・オリヴィエ:過ちを犯したのは、私だ。
GM:過ちは、正さねばならない。
GM:【現在】
GM:【添伏通北端、ホテル『ドリームイン』地下空間】
GM:【〝残骸〟体内、或いは──変異する肉牢監獄】
GM:肉壁から伸びた舌が、あなたの両腕を捕らえた。
GM:……そして、足音が。肉の床を踏みつける、ねちゃねちゃとした悍ましい靴音が近づいて来て、
ワイアット:「マリー……」
ワイアット:「会いたかったぜ……」
マリー・オリヴィエ:悍ましきものを、直視する。
GM:幾度も殺した筈の男が、まだ、そこにいる。
マリー・オリヴィエ:それが忌まわしいからこそ、私は見なければならない。
マリー・オリヴィエ:「熱があれば良いわけではないのだがな」
マリー・オリヴィエ:湿った肉の感触を腕で感じながら、無駄口を叩く。
ワイアット:銃を、あなたの顔面へ向ける。
ワイアット:アンチレネゲイドシェルの弾頭を装填した──蠢く肉の塊で作られた、何ともわからぬ銃。
ワイアット:「今日でまた、俺は強くなったぜ」
ワイアット:「殺したくないやつを、殺さないようにできるんだ」
ワイアット:「……今のお前みたいになぁ」
ワイアット:「なぁ、マリー。強いってのは、いい気分だな」
マリー・オリヴィエ:無駄口、そう。無駄な事を言ったな。心の中で自戒する。
マリー・オリヴィエ:今のワイアット・クロフォードに語り掛けるなど……無意味なことだ。
マリー・オリヴィエ:自らの感傷のために、彼を侮辱するようなものと分かってなお。
ワイアット:「お前に殺されて、俺は強くなった」
ワイアット:「お前に何度も何度も殺されて、俺はずっとずっと強くなった」
ワイアット:「……マリー、愛してるぜ」
ワイアット:「お前が居れば、俺はいくらでも強くなれる」
ワイアット:「さぁ、今夜こそ俺を受け入れてくれよ。俺を王として認めてくれ」
ワイアット:「お前が臣下になるんなら、こんな街、居眠りの間に統べてやるさ」
マリー・オリヴィエ:「……それが君の望みか」言葉を掛けてしまうのは、私の弱さに他ならない。
マリー・オリヴィエ:黒い外套の裾が翻る。刃となって拘束を断ち、自由になった足が己の腕を斬り飛ばす。
ワイアット:引き金。銃口が脚を向く。
ワイアット:……間に合わない。
ワイアット:銃弾が肉の床を穿ち、どす黒い血が散る。
マリー・オリヴィエ:男の胸に突き刺さった斧が、上から重ね落とされた踵によって深々と抉り刺さっている。
ワイアット:「かっ」
ワイアット:声と同時に、どす黒い血の塊が吐き出され、
マリー・オリヴィエ:「弱くなったよ、お前、はッ!」更にひと押し。見知った男を両断する。
ワイアット:「マリー!」断ち切られた上半身が落下しながら叫び、
ワイアット:「お前は俺のものだ──!」
ワイアット:喚く口も、両断されたもう半分も、肉床に飲み込まれて沈んでいく。
マリー・オリヴィエ:「……君は、私の罪だ」
マリー・オリヴィエ:冷たい鋼、人を殺すための相棒を拾い上げて。足を進める。すべきことをするために。
GM:──経験則で、わかっている。
GM:あの〝紛い物〟はまた、この肉の壁から現れる。
GM:だがそれは、肥大した体を切り分け、形を整えているだけのこと。
GM:つまり、いつかは終わるのだ。
GM:監獄と呼べるまでに肥大化したワイアットの臓腑が、似姿を生み出さなくなるまで、
GM:殺して、殺して、殺し尽くせば、いつかは
GM:あなたの罪は、終わるのだ。
マリー・オリヴィエ:チェーンネックレスに通した、奇怪にねじれた小さな鍵を握りしめる。
マリー・オリヴィエ:無残に膨れた罪の証を見つめ、犠牲になろうとしていた少女の顔を思い浮かべて。
マリー・オリヴィエ:「早く、終わらせねば……」罪人は一人、牢獄を歩む。
ミドルシーン2:変異する肉牢監獄
GM:このシーンは、ホテルに飛び込んだ若者二人組がなんだかんだあって奥の方まで進んでいったら
GM:ガスコイン神父みたいなカメラワークで振り向くマリーさんに遭遇する合流パートです
GM:30~40分くらいでさっくり会話できたらいいな
GM:まぁなんか見所のありそうな若いのが護衛にいるしいいか……みたいな感じで打ち解けつつ状況を共有したり
GM:最終的には〝捕まってた女性達に何かがある前に助け出そう〟なところに着地してくれるとGMが凄くたすかってうれしい
GM:ということで
GM:全員で登場侵蝕!
マリー・オリヴィエ:マリー・オリヴィエの侵蝕率を1d10(→ 1)増加 (45 → 46)
ヰ乍 蒼治:ヰ乍 蒼治の侵蝕率を1d10(→ 1)増加 (39 → 40)
叢雲由紀:叢雲 由紀の侵蝕率を1d10(→ 6)増加 (59 → 65)
GM:──ヰ乍 蒼治、叢雲 由紀。あなた達は臓腑の悪臭漂う洞窟を駆けて行く。
GM:巨大な獣の胃の底へ、自ら向かう食料の如くだ──これは直喩が過ぎるか?
ヰ乍 蒼治:「……悲しい場所だな。薄気味悪い」周囲を警戒している。手には海外の硬貨が数枚握られていた。
叢雲由紀:「うっ……」醜悪な光景に気分の悪そうな表情になりながら、片手にカメラ
ヰ乍 蒼治:「気分、悪くないかな。大丈夫?」
叢雲由紀:「大丈夫です、慣れないといけませんね……」
ヰ乍 蒼治:「……覚悟が出来てるみたいで何よりだ。この先はもっとひどいものを見ることになるかも知れない」
叢雲由紀:「覚悟だけはできているつもりで挑みます」頷いて
ヰ乍 蒼治:「良いね。そういうの、好きだぜ。早くマリーさんと他の人を助けて、ここから出よう」
GM:肉の塊が段差を作り、道が上下に起伏する。
叢雲由紀:「はい!」
GM:そこを越えて、少し開けた場所に出た──
叢雲由紀:「わきゃっ……」
GM:そこに、彼女は居た。
マリー・オリヴィエ:びちゃ ぐちゃ ぐちゃり
マリー・オリヴィエ:湿った音が響いている。赤黒い肉塊であったものに、重たい凶器を振り下ろし続けて。
マリー・オリヴィエ:「……出口が分からなかった、というわけではなさそうだ」
叢雲由紀:「あっ……マリーさん!」見覚えのある顔に、安堵の表情
ヰ乍 蒼治:「!」反射的に指が銃の形を取るが。「……ひょっとして、この人が!」
マリー・オリヴィエ:身に纏うものを返り血に染めて、振り返る女の胸元には。
マリー・オリヴィエ:チェーンネックレスに通した黒い鍵……夢鍵の一つが揺れている。
叢雲由紀:「はい、私を助けてくださったマリーさんです」
叢雲由紀:そう言って、嬉しそうに近寄る
マリー・オリヴィエ:「結構元気そうだね、怖い思いをしたろうに」
マリー・オリヴィエ:身構えるというわけではないが、二人を共に視界に入れる。
マリー・オリヴィエ:「その背の高い彼にも助けられた、というところかな」
ヰ乍 蒼治:(……あれ、ひょっとして”夢鍵”か)
ヰ乍 蒼治:ヰ乍の左手にも、マリーのネックレスの意匠と似た、
ヰ乍 蒼治:冷たく、空に似た輝きを放つ指輪が嵌まっている。
叢雲由紀:「はい、幸いこちらの……蒼治先輩とお会いすることが出来まして」
マリー・オリヴィエ:黒のバイザー越しに、金の両瞳が男の全身を見透かす。当然その指輪も見逃すことはなく。
ヰ乍 蒼治:「ハイ! ヰ乍……蒼治ッス!ユッキーちゃんと一緒に助けに来ました!」
マリー・オリヴィエ:「そう、イサくんね」
叢雲由紀:「よかったぁ……次は朝日ちゃんも見つけなくちゃ……」
ヰ乍 蒼治:「オレは何にもしてないよ。ユキちゃんが助けを呼んできてくれたから……」視線に気づく
ヰ乍 蒼治:「……マリーさん、で良いンすよね」
マリー・オリヴィエ:「……ふむ」
ヰ乍 蒼治:「隠しても意味ないから言っちゃうスけど、オレは”鍵”持ちです」
叢雲由紀:「かぎ……?」
マリー・オリヴィエ:「輝刃拳の、かな」この街へ向かう鍵持ちが居る、というのは当然チェック済みだ。その者が倒れたということも。
ヰ乍 蒼治:「話が早いッスね。”空の華冠”って、一応呼ばれてるらしいスけど」
ヰ乍 蒼治:「……色々聞きたいこととか、あると思います。でも、ちょっとだけ待ってくれないスか」
ヰ乍 蒼治:「鍵持ちなら解るでしょ。オレは、”ワイアット”を倒したい。それに」
ヰ乍 蒼治:「……ユキちゃんに、”助けを呼べ”って言ったのは、アンタだ。オレはアンタが悪いヒトだとはどうしても思えない」
叢雲由紀:「は、はい……それと、悪いヒトではないとは私も思います」頷いて
マリー・オリヴィエ:「……簡単に説明するとね、ユキ」
マリー・オリヴィエ:「この街にはこういう鍵が……強大な力を持つアイテムが幾つもあって」
マリー・オリヴィエ:「私やイサくん、この場所を作り出した者はそれぞれ奪い合う敵同士なんだ」
叢雲由紀:「敵……!?」
マリー・オリヴィエ:「今のところはおそらく、ね」
叢雲由紀:「でも、私にはお二人が敵対しているようには見えません」
マリー・オリヴィエ:「……ま、そうだね」
ヰ乍 蒼治:「オレも、出来ればそうしたくないと思ってる。……ここから出たら、オレをどういう風にしても良いからさ」
叢雲由紀:「今は味方……という事で、大丈夫でしょうか……?」
ヰ乍 蒼治:「”皆を助けたい”って思ってるのは、マリーさんもだって信じたい」
叢雲由紀:「そんな、どういう風にしても良いだなんて……」と言いつつもマリーの方をうかがう様子で
マリー・オリヴィエ:「うん、敵だな」
マリー・オリヴィエ:「今の言葉を聞いて、かなり敵対度は上がった」
マリー・オリヴィエ:「だけど、安心して」僅かに屈んで少女の顔を見つめて。
マリー・オリヴィエ:「私情にユキを巻き込むつもりはない……君とお友達、かな。アサヒという子」
マリー・オリヴィエ:「それに他の囚われた人たちを解放するのが最優先。そこは彼と同じだよ」
叢雲由紀:「は、はい……でも」ゴーグル越しの端正な顔立ちに見つめられて若干気まずくなりつつ
叢雲由紀:「喧嘩は、良くない……と、思います」
叢雲由紀:(最悪、私が二人の攻撃を全部受けたら気が済んでくれるかな……)
ヰ乍 蒼治:「ユッキーは良い子だな」肩をぽん、と叩いて。
ヰ乍 蒼治:「それでいいよ。少なくとも、ここで殺し合いするよりはずっと良い。決まりだ」
ヰ乍 蒼治:「ユキちゃんの友達も、捕まってる人も、出来るだけ助けてこの場所から出よう。マリーさん、今だけ力を貸してくれ」
叢雲由紀:「はい、よろしくおねがいします!」二人に頭を下げる
ヰ乍 蒼治:「ヨロシャス」ならって頭を下げる。
マリー・オリヴィエ:「……喧嘩で済むなら、それは良いことだね」少年たちへつれなく背を向け、足を進める。
GM:──では。
GM:その時、歩き始めたマリー・オリヴィエの背後の空間が、僅かに口を開けた。
GM:そこから伸びた左腕が、馴れ馴れしく彼女の肩に回されようとし、
平坂 歩:大鎌の刃が首筋へ。そして声だけが、
平坂 歩:「喧嘩で済まないとなると、それは困る」
平坂 歩:「夜明けには元通りになると言っても、あまり更地を増やすのは考えものだ」
平坂 歩:「お互いに愛着のある街だろう?」
ヰ乍 蒼治:「……歩さん!?」
叢雲由紀:「……!」
叢雲由紀:「先輩、お知り合いですか……?」ヰ乍の前に出ていつでも庇えるようにする
マリー・オリヴィエ:「……なるほど、合点が行くな」
マリー・オリヴィエ:刃を添えられたまま、眉一つ動かすことない。
ヰ乍 蒼治:(……この子)すっと前に出た叢雲由紀に、少しだけ眉を顰める。
ヰ乍 蒼治:「うん。オレの……パートナーみたいな人」
ヰ乍 蒼治:「歩さん。その鎌、外して」
ヰ乍 蒼治:「……ただ心配してくれてる、ってワケじゃなさそうだけどさ」
叢雲由紀:「パートナー……?」言葉に対して剣呑すぎる光景に、若干困惑しながら六晶盾を生成する
平坂 歩:「君は人の話を聞いていないのかなぁ、蒼治くん」
平坂 歩:「〝王殺し〟マリー・オリヴィエには注意しろと言ったのに……」
平坂 歩:「自分の立場を、そうも簡単に明かすだなんて」
マリー・オリヴィエ:「ただ吹き込まれた、という訳じゃない手合いか。さぞ舵取りに苦労していることだろう」
叢雲由紀:(王殺し? 鍵と関係ある話……なのかな)
ヰ乍 蒼治:「……少なくとも、理由があって王様を殺してるヒトだよ。それを確かめられた」
ヰ乍 蒼治:「そうじゃなきゃ、問答無用で斬りかかってきたはずでしょ?」
ヰ乍 蒼治:叢雲さんを安心させるように、前に出ながら。
ヰ乍 蒼治:(大丈夫。歩さん、性格良くないけど、良い人だから)小声で。
マリー・オリヴィエ:「……彼にどういう紹介してたんだ?」呆れの色を含ませて。
マリー・オリヴィエ:「ずっとああだぞ。悪い人じゃないを通り越して良い奴扱いだ」
平坂 歩:「歩き回る災害、と伝えたつもりだったが」
平坂 歩:「どうにも私は、彼の楽天主義を甘く見ていたようだねぇ……やれやれ」
平坂 歩:こほん。声だけが咳払いをして、鎌の刃が空間の裂け目に引き込まれていく。
叢雲由紀:「蒼治先輩がそう言われるなら……」
平坂 歩:「……一応伝えておこう、夜明けが近づいている」
ヰ乍 蒼治:「!」
平坂 歩:「ワイアットは〝巻き直し〟の行われる前に、獲物を、取り返しのつかない形に変えようとするだろう」
ヰ乍 蒼治:「……そうなる前に、ここを出ないと不味いってことだね。歩さん」
平坂 歩:「急ぎたまえよ。……なぁに、頼れる狩人がそこにいる」
平坂 歩:「皆殺しにはできないまでも、この夜を潜り抜けることはできようさ──」
平坂 歩:ひゅるっ
GM:腕が、空間の裂け目に消えた。
叢雲由紀:「獲物……朝日ちゃんたちを!?」
叢雲由紀:「あっ……一緒に来ては、くださらないのですね」
ヰ乍 蒼治:「歩さんには歩さんの考えがあるからさ。こうやって伝えに来てくれるだけでも、オレは嬉しい」
叢雲由紀:「てっきりその、蒼治先輩の……こう、とても親しい女性の方なのかと」
ヰ乍 蒼治:「まあ……」言葉を濁す。恋人とは微妙に言い難いが、友人とぼかすにはあまりに互いに情が入り組んでいる。
マリー・オリヴィエ:「……」若き王と、それを隣で支える女に苦い思いを噛み締めて。
ヰ乍 蒼治:「あはは。何て言うか、オレの騎士みたいな人だよ。いつも、言えないけどさ……感謝してるんだ」
叢雲由紀:「はわわ……いえ、ゴシップ記事は担当外ですのでそこまで深くはお聞きしませんが……」
叢雲由紀:少しだけ、寂しいな と思った。
ヰ乍 蒼治:「……ユッキー? 大丈夫か?」屈みこんで、目線を覗く。
ヰ乍 蒼治:「しんどくなったら言えよ。おぶってやるからさ」
ヰ乍 蒼治:「あ、マリーさんもね。オレ結構体力あるしさ!」
ヰ乍 蒼治:最後の方は冗談めかして。
叢雲由紀:「あっ……いえ、大丈夫です……」目が合って、照れくさそうに頬を赤らめる
マリー・オリヴィエ:「あまり深入りするものじゃないよ、ユキもイサくんも」
マリー・オリヴィエ:「秘密も色恋も甘いばかりじゃないんだから」
マリー・オリヴィエ:「平穏に暮らしたければ……夜に遭った人のことなど忘れた方が良いんだ」
ヰ乍 蒼治:「……マリーさん」
叢雲由紀:「私はその、こういう人間なもので……不快に思わせてしまったのなら、申し訳ありません」
マリー・オリヴィエ:後ろ手に手を振って、湿った靴音を響かせて。先に暗い肉の穴へと潜ってゆく。
ヰ乍 蒼治:「……あのヒトは」去り行く女を見て、ぽつりと零す。「忘れたいのかな」
ヰ乍 蒼治:「オレには、”忘れたくない”って言ってる風に見えたんだ」
叢雲由紀:「……はい、私にも」
叢雲由紀:「そう、思えます」
ヰ乍 蒼治:「……行こっか、ユッキー」
叢雲由紀:「……はい、蒼治先輩」
ヰ乍 蒼治:「アッハハ! オレらって、結構気合うくない?」そう言って、にかりと微笑んで見せる。
叢雲由紀:「ええ、私もそう思います!」笑って返す。この出会いが一夜の夢でなければ良いのに……とも
GM:ロイス取得&調達が可能です
マリー・オリヴィエ:破滅志願者:ヰ乍蒼治/P懐旧:N脅威〇 まあこうなるな
ヰ乍 蒼治:”狩人”:マリー・オリヴィエ/○P:信頼/N:脅威 こう!
叢雲由紀:この場の大体にロイスとってるのでなしで
マリー・オリヴィエ:何を信頼しとるかーッ
マリー・オリヴィエ:調達は応急手当キット
マリー・オリヴィエ:《援護の風》判定値を5D増やす。
ヰ乍 蒼治:こちらも応急手当狙いで。
マリー・オリヴィエ:7dx>=8
DoubleCross : (7DX10>=8) → 9[4,5,7,8,8,9,9] → 9 → 成功
マリー・オリヴィエ:成功。ユキ、傷を見せて……
マリー・オリヴィエ:マリー・オリヴィエの侵蝕率を2増加 (46 → 48)
ヰ乍 蒼治:≪援護の風≫判定ダイス+5。
ヰ乍 蒼治:8dx>=8
DoubleCross : (8DX10>=8) → 9[1,2,3,3,4,7,8,9] → 9 → 成功
ヰ乍 蒼治:ユッキー!怪我診たげる!
GM:8ダメージの回復権を取り合うな
叢雲由紀:あ、ありがとうございます……
叢雲由紀:ついでだし、良いなら先輩に振ってもらえると嬉しい
叢雲由紀:私はシューターズジャケット買います
ヰ乍 蒼治:じゃあ応急手当ユッキーに。
ヰ乍 蒼治:2d10
DoubleCross : (2D10) → 18[9,9] → 18
マリー・オリヴィエ:けだもの!
叢雲由紀:完膚なきまでに全回復です
ヰ乍 蒼治:めちゃくちゃじっくり応急手当しちゃった
マリー・オリヴィエ:手が早いな
ヰ乍 蒼治:けだもの言うな!
叢雲由紀:前言撤回戦闘用着ぐるみで、盾の効果使います
叢雲由紀:叢雲 由紀の侵蝕率を1増加 (65 → 66)
叢雲由紀:5dx+4>=14
DoubleCross : (5DX10+4>=14) → 10[2,6,8,8,10]+10[10]+2[2]+4 → 26 → 成功
叢雲由紀:盾いらなかったな、ウェポンケースへ
GM:出目が強い
叢雲由紀:以上で
ミドルシーン3:if
GM:全員登場!
マリー・オリヴィエ:マリー・オリヴィエの侵蝕率を1d10(→ 7)増加 (48 → 55)
ヰ乍 蒼治:ヰ乍 蒼治の侵蝕率を1d10(→ 10)増加 (42 → 52)
叢雲由紀:叢雲 由紀の侵蝕率を1d10(→ 5)増加 (66 → 71)
GM:このシーンは簡易戦闘的なものによる、増えるワイアット討伐&捕虜救出パートです
GM:肉洞の奥まで進みながら壁に埋まってる女性達を助けたり、
GM:それを妨害するワイアット(偽)を撃破していく感じです。演出は救助でも撃破でもお好きに!
GM:判定ですが、〝エフェクト使用可能な攻撃扱い〟で、ダメージまで出してもらいます。
GM:1ラウンドごとに1回ずつイニシアチブ順に行動!
GM:累計150ダメージをたたき出したらクリア! という具合ですね
GM:なお、毎ラウンドの最後には装甲ガード有効の2d10+5固定ダメージが飛んできます
GM:侵蝕と相談して良い感じに突破しよう。
マリー・オリヴィエ:なるほどね
叢雲由紀:ふむふむ
GM:ということで
GM:──進んでいく。怪物の臓腑の中は、分岐も無い一本道だ。
GM:が、その道中には、
ワイアット:「女だ……女だ!」
ワイアット:「あいつがいりゃあ、俺はまだまだ強くなれる!」
GM:同じ顔をした若い男が、幾人も、幾人も。
GM:道を阻むように待ち受け、銃弾を放ってくるのだ。
GM:壁に半ばうずめられた女達は、いずれも穏やかな表情で眠っている。
GM:……銃声を聞いても眼を醒まさない。この空間の特性が故か。
GM:では
GM:行動値順に判定だ!
マリー・オリヴィエ:ヰ乍くんGO!
ヰ乍 蒼治:しゃあ!
ヰ乍 蒼治:では
GM:手が早い男だ
GM:おっと
GM:手番が早い男だ
ヰ乍 蒼治:▼『論裏/空葬』/援護の風+ダンシングシミター+C:オルクス+虚構のナイフ
ヰ乍 蒼治:9dx7+2
DoubleCross : (9DX7+2) → 10[1,2,4,5,5,6,6,7,10]+10[7,7]+10[1,9]+10[8]+6[6]+2 → 48
ヰ乍 蒼治:コレが王の力じゃ!!
GM:回り方エグくない?
GM:いやまだダメージダイスが腐る可能性がワンチャン……
ヰ乍 蒼治:ダメージ行くぞ!!
ヰ乍 蒼治:5d10+18
DoubleCross : (5D10+18) → 24[9,1,5,6,3]+18 → 42
ヰ乍 蒼治:腐った!!
叢雲由紀:あ、フォールンサラマンダー投げます
GM:おのれい!!!
叢雲由紀:2d10追加どうぞ
GM:「ザマァwww」ってタイプしてエンターキー押すだけだったのに!
ヰ乍 蒼治:叢雲後輩!!!愛してるぞ!!!
ヰ乍 蒼治:2d10+42
DoubleCross : (2D10+42) → 17[8,9]+42 → 59
ヰ乍 蒼治:オラ~~~~ッ
GM:後輩分のダイスが強いねん
GM:59/150 だいぶ進まれてしまった
GM:ということで……車の件の復讐も込めて
GM:バッチリ演出どうぞだ!
ヰ乍 蒼治:52→62
ヰ乍 蒼治:しゃあ!!
叢雲由紀:残り2回
ヰ乍 蒼治:左手で銃を形作り、肉の壁へと向ける。
ヰ乍 蒼治:(……こいつが、ワイアット)
ヰ乍 蒼治:(王様になりたいって思ってたヤツの)
ヰ乍 蒼治:「くそっ」
ヰ乍 蒼治:宙に、左手から零れたコインが旋回する。生命形質の付与。そして振動、旋回。
ヰ乍 蒼治:射出。機銃のように硬化が鋭い音を立て、肉を削り取る。
ヰ乍 蒼治:……だが、女を捕える肉牢を全て破壊するには至らない。
ヰ乍 蒼治:(威力が足りないか!対人用のコインじゃなくて、歩さんみたいなデカい獲物が無いと――)
叢雲由紀:「これが先輩の力……」六晶盾を構えなおして
叢雲由紀:「私も、援護します!」盾を持っていない手で、蒼治の手に触れると
叢雲由紀:撃ち込まれたコインから、輝く三斜晶が生み出され
叢雲由紀:その威力を高める
ヰ乍 蒼治:「マジで頼りになるな!モルフェウスか?」
叢雲由紀:と、同時 ピシリと罅が入る音が由紀から響く。
ヰ乍 蒼治:「っ、おい」
叢雲由紀:「もる……分かりませんが、記憶や想いを形にできるみたいです!」
叢雲由紀:「どうでしょうか、お役に立てていますか?」
ヰ乍 蒼治:「でも、それって……」崩れて粉になった、結晶を見る。
ヰ乍 蒼治:形にされた記憶や思い。それが崩れた時、
ヰ乍 蒼治:彼女の持っていたものは、どこに行くのだろう。
ヰ乍 蒼治:「……立ってるよ。凄く。キミ、大した奴だ」
ヰ乍 蒼治:「……なあ。大事なものとか、ないのか」独り言のように。
叢雲由紀:「えへへ……ありがとうございます!」嬉しそうに笑う
叢雲由紀:「いっぱいありますよ、家族に友達に、お気に入りのお店に、凄い人たちに……」
叢雲由紀:「だから、能力がこうなったんだと思います」
叢雲由紀:「私が一番私らしいのは、これなので」カメラを見せて、写真の中にあるような過去を指す
ヰ乍 蒼治:「そっか」自分には、咎める資格はない。多かれ少なかれ、自分の能力と――「そんな所まで似なくていいのにな」
ヰ乍 蒼治:「……じゃあ、これからも増やせるように、生きて帰らなきゃな。だろ?」カメラに向けて、軽くピース。
GM:二人の間を断ち切るように、
ワイアット:銃声。銃弾。
ワイアット:「俺の女を──」
ワイアット:両手の二丁拳銃が、それぞれにあなた達へ向けられる。
ワイアット:「盗るんじゃねえよぉっ!!!」
GM:……さて。
GM:次の手番、どちらが行く?
マリー・オリヴィエ:私から行こう
叢雲由紀:よろしくお願いします
マリー・オリヴィエ:メジャーでコンボ【風呼びの刃】《コンセントレイト:ハヌマーン》《音速攻撃》《援護の風》フォールンアックスで白兵攻撃。
マリー・オリヴィエ:10dx7+1
DoubleCross : (10DX7+1) → 10[2,2,3,4,5,5,7,8,9,10]+5[1,2,2,5]+1 → 16
マリー・オリヴィエ:カス!
ヰ乍 蒼治:ここは
ヰ乍 蒼治:【在意/空ヰ】/≪妖精の手≫。
マリー・オリヴィエ:貴様……ありがたく受け取ります!
マリー・オリヴィエ:1dx7+21
DoubleCross : (1DX7+21) → 4[4]+21 → 25
マリー・オリヴィエ:カス!
マリー・オリヴィエ:10+3d10
DoubleCross : (10+3D10) → 10+10[1,7,2] → 20
ヰ乍 蒼治:DD1上がったのでヨシ!
マリー・オリヴィエ:フォールンアックスの効果発動。侵食率を+2し、ダメージダイスを3個まで振り直す。1と2の分。
マリー・オリヴィエ:17L2d10
マリー・オリヴィエ:17+2d10
DoubleCross : (17+2D10) → 17+10[9,1] → 27
マリー・オリヴィエ:マリー・オリヴィエの侵蝕率を8増加 (55 → 63)
ヰ乍 蒼治:でかい!
GM:59+27で……86!
GM:半分は行ったね演出どうぞ!
マリー・オリヴィエ:「──よそ見は、いただけないなッ!」
マリー・オリヴィエ:声より速く空を裂き、激しく回転する鋼の斧がやって来る。
ワイアット:「!」
マリー・オリヴィエ:二丁拳銃を真っ向から食い破り、その両腕をずたずたにして……動きが止まる。
マリー・オリヴィエ:「戦いの中にあってなお、隣に居る誰かのことばかり考える。命とりだぞ」
マリー・オリヴィエ:よく似た男を、よく知っている。
ヰ乍 蒼治:(この肉をぶっ壊すなら、点より面の質量の破壊。つまり)
ヰ乍 蒼治:「……誰かのことを忘れられないのは」
ヰ乍 蒼治:空気が手のようにしなる。マリーの斧に添えられ、嵐を纏う槌のように変化する。
ヰ乍 蒼治:生命を与える左手が、空気に触れていた。
ヰ乍 蒼治:「アンタも同じなんじゃないスか。マリーさん」
ヰ乍 蒼治:「だって、そんな戦い方……罰されたがってるみたいだ。その目で誰を見てンスか」
マリー・オリヴィエ:「……!」一人でに荒ぶる嵐のような鋼の斧は、その実風に身をやつした己の腕が操っている。
マリー・オリヴィエ:触れられた。記憶にも、この身にも、暖かな手で。
マリー・オリヴィエ:心地よい感触を振り払うように、力を込めて鋼を振り抜く。
マリー・オリヴィエ:「──決まっている。まず私がすべきことは」
マリー・オリヴィエ:肉を切り裂き、熱く生臭い血に浸る。
ワイアット:「げあっ……!」
ワイアット:どす黒い返り血が、あなたの体を染めていく。
ワイアット:罪の再演。
マリー・オリヴィエ:「これはワイアットの分け身……取り込まれた女が居る限り、絶えることはない」
マリー・オリヴィエ:舞い戻ってきた斧を掴み、再び投げ放つ。空の両手は風を巧みに操り、女性たちを優しく介抱している。
マリー・オリヴィエ:「だから殺し尽くす。それだけだ」
ヰ乍 蒼治:(だったら、”すべき”なんて言うなよ)
ヰ乍 蒼治:(”それだけ”なんて、言い聞かせるみたいに言うなよ)無言でコインを再装填する。
GM:手番、ゆきちゃん!
叢雲由紀:はーい
叢雲由紀:セットアップ無かったんですが、セットアップエフェクト使ってもいいでしょうか?
GM:使っちゃおう! 侵蝕と相談の上で!
叢雲由紀:はーい
叢雲由紀:▼『望鏡/追葬』《活性の霧》 対象の攻撃力+12 回避-2個 拒否可能
叢雲由紀:メジャーアクション
叢雲由紀:▼『噪記/混証』《コンセントレイト:モルフェウス》《カスタマイズ》六晶盾で射撃攻撃 射程20m
叢雲由紀:盾効果も使って攻撃
叢雲由紀:叢雲 由紀の侵蝕率を4増加 (71 → 75)
叢雲由紀:6dx7+2
DoubleCross : (6DX7+2) → 10[3,3,5,6,8,8]+10[5,7]+5[5]+2 → 27
叢雲由紀:▼『追澳/斜晶』《剣精の手》
叢雲由紀:叢雲 由紀の侵蝕率を2増加 (75 → 77)
叢雲由紀:1dx7+32
DoubleCross : (1DX7+32) → 10[7]+10[10]+2[2]+32 → 54
叢雲由紀:6d10+8+12 ダメージ
DoubleCross : (6D10+8+12) → 30[3,4,8,9,4,2]+8+12 → 50
ヰ乍 蒼治:すご
GM:ちょっとまって君ダイス強くない?
マリー・オリヴィエ:主役交代の時かな
ヰ乍 蒼治:ヘイズのニューカマー!
GM:86+50=136
叢雲由紀:届かなかったか……と、以上で
GM:想定より随分削られたわね……演出あらばカモン!
叢雲由紀:「蒼治先輩もマリーさんも、いい人ですね」記憶の中の情景が、懐かしい景色が、美しき結晶となって両手に纏われる。
叢雲由紀:「あなたが、どんな人だったのかは知りません……きっとマリーさんの大切な方、だったんですよね」
叢雲由紀:「ごめんなさい」結晶を、肉壁めがけて突き立てると
叢雲由紀:そこから枝葉が分かれるように角柱晶が生成され、肉の暴威を破壊していく
叢雲由紀:____ピシリ
叢雲由紀:「せめて、偶然とはいえこの場にいたものとしての責任は、果たしますから」泣きそうな表情で、肉の天井を見つめて。
GM:壁が、天井が──怪物の臓腑が引き裂かれ、罅割れていく。
GM:その奥から吐き出されるものは、取り込まれかけていた人間の女達。
叢雲由紀:(これもきっと、この人なりの美しさなんだ)
GM:……或いは危うく、ジャームになる寸前まで追い詰められた者もあるようで、そういう者は錯乱の悲鳴を上げてもいたが、
GM:そうでないものは未だ、静かに
浦波 朝日:「くぅー…………ぐぅー…………」
GM:静かに、寝息を立てている。
叢雲由紀:「ああっ……も、もう大丈夫ですから……!」わたわたと対応しつつ
叢雲由紀:「朝日さん……よかった……」
叢雲由紀:寝息を立てている彼女の顔を見て、安堵の表情を浮かべる。
ヰ乍 蒼治:「ありがとう。マジ助かった」バックパックから取り出したアルミ毛布を掛ける。旅の必需品だ。
GM:では
叢雲由紀:「いえ、先輩方のお力あってこそです」
マリー・オリヴィエ:「……安心するにはまだ早いぞ」
GM:そのままにラウンド終了のダメージ判定だ
GM:2d10
DoubleCross : (2D10) → 13[9,4] → 13
GM:2d10+5なので18点、装甲ガード有効のダメージ
GM:ということで装備武器のガード値を適用して各人ダメージ産出せよ!
叢雲由紀:えっと、まず私はノーダメージが確定してます、盾で8点、装甲で12点
マリー・オリヴィエ:フォールンアックスでガードして16ダメージ。残りHP13
ヰ乍 蒼治:装甲で5点弾いて13点。残り13点
マリー・オリヴィエ:「構えろ」言いながら前へと踊り出る。
ヰ乍 蒼治:「了解ス」再びコインが左腕の周囲で踊り出す。
マリー・オリヴィエ:彼は未だに私へ執着しているのだから、子どもや要救助者の傍に居てはならない。
GM:こやつら強度が高すぎる
ワイアット:──両断されて倒れた男と、同じ姿をしたものが、
ワイアット:ふたり、さんにん、壁から這い出す。
ワイアット:彼らは一様に、怒りと憎悪に塗り潰された顔で、
ワイアット:「がああああああぁっ!」
ヰ乍 蒼治:「ユキちゃんの能力は防御向きッス。オレら二人で前に出ましょう!」
ワイアット:がむしゃらに、銃を乱射する!
ヰ乍 蒼治:「ぐ」体中が貫かれるが、左手を自分の胸に当てる。傷が塞がって行く。
マリー・オリヴィエ:「ぐッ、ああもう、どいつもこいつも……!」読めない攻撃を躱し切れず、それでも人のいない方へと誘導して。
マリー・オリヴィエ:「……見るに堪えないな」見境なく人を傷つけるようになった男も。
叢雲由紀:(本当に傷が塞がって____)
叢雲由紀:「あっ___!?」ガツンと甲高い音が鳴って、不意を突かれて銃弾の嵐に撃ち抜かれる
ヰ乍 蒼治:「ユキちゃん!」
マリー・オリヴィエ:なりふり構わず、自身を危険に晒す子どもたちも。
叢雲由紀:「だ、大丈夫……です……」
叢雲由紀:「不思議と、平気なので……なんで平気なのかわかりませんけど……」
叢雲由紀:「まだ、お役に立てます!」
マリー・オリヴィエ:「……平気なものかよ」小声で漏らして。武器を構える。
GM:2ラウンド目! 同一処理であと14ダメージだよ!
叢雲由紀:▼『望鏡/追葬』《活性の霧》 対象の攻撃力+12 回避-2個 拒否可能
叢雲由紀:対象蒼治先輩、回避しないならうち得
GM:手番、行動値9蒼治くん!
ヰ乍 蒼治:貰いま!
ヰ乍 蒼治:では
叢雲由紀:これで省エネ攻撃しても14出る!
GM:省エネすべきは君だよ????
ヰ乍 蒼治:【嵐裏/鳥葬】ダンシングシミター+C:オルクス+虚構のナイフ
マリー・オリヴィエ:【王佐の翼】《援護の風》判定値を5D増やす。
マリー・オリヴィエ:マリー・オリヴィエの侵蝕率を2増加 (63 → 65)
ヰ乍 蒼治:しゃあ!判定行くぜ!
ヰ乍 蒼治:10dx7+2
DoubleCross : (10DX7+2) → 10[2,3,4,6,6,6,7,7,10,10]+10[2,7,8,8]+10[2,6,8]+5[5]+2 → 37
ヰ乍 蒼治:ダメージ!
ヰ乍 蒼治:4d10+18+12
DoubleCross : (4D10+18+12) → 29[4,5,10,10]+18+12 → 59
GM:固定値でほぼクリアしてるんよ
ヰ乍 蒼治:しゃあ!
GM:では演出(ライト版)!
ヰ乍 蒼治:62→70
GM:この後にまだデカい戦いがあると思うから切り札を温存する感じでね!
マリー・オリヴィエ:「イサ」
ヰ乍 蒼治:「どしたの、マリーさん」
マリー・オリヴィエ:寄り添うわけでも背中を預けるわけでもないが、小さな声が届く距離で。
マリー・オリヴィエ:「ユキをどう思う。あの力の在り様を」
ヰ乍 蒼治:「危ないよ。使わせたくない、とも思う。でもね」
ヰ乍 蒼治:「多分、あの子はさ。奇麗なものを見て、奇麗なものを守るのが好きなんだと思う」
ヰ乍 蒼治:「だったら、失くした分以上に、おれたちが与えてやれるようにするしかないんじゃないスかね」
ヰ乍 蒼治:「――それが王様ってもんッス」
マリー・オリヴィエ:「──大馬鹿者め」
マリー・オリヴィエ:優しく吐き捨てて。手を這わせる。
ヰ乍 蒼治:「良く言われますよ」左手を掲げる。空気に生命を付与する――これまでの生暖かい空気の手とは違う、荒れ狂うような風の暴鳥。
マリー・オリヴィエ:男の左腕、服に隠れた刺青の痣をなぞるように。言葉よりも如実に伝わるものもあろう。
ヰ乍 蒼治:「そう言ってくれる人が居るなら、オレはきっとどこまでもバカやれます」
ヰ乍 蒼治:マリーの風と、己の操る大気圧が融合し、巨大な槍と為る。射出。
マリー・オリヴィエ:「手ずから教えてやる。嵐の呼び方を」
マリー・オリヴィエ:「私が殺す前には、死なない程度にな」
ヰ乍 蒼治:「生憎……殺されるのには先約が居ます。でも」槍が肉を切り裂き、夢の残滓を粉砕する。
ヰ乍 蒼治:……後に残るのは、肉の焼け焦げた爪痕。大質量による破壊。そして、解放された女たちが。
ヰ乍 蒼治:振り返って、褐く滑らかな手を握って、笑う。
ヰ乍 蒼治:「そう言ってくれたこと、絶対忘れませんよ。オレ惚れちゃったかも?」冗談めかして。
ヰ乍 蒼治:「だってアンタは、凄く優しい奴だ」
GM:──そう言ったあなたの頭上に、
GM:あなた達の頭上に、光が降り注ぐ。
GM:光の方向は、周囲の肉牢が消滅していくにつれて傾いていき、やがて、
GM:山際の稜線を撫でる茜色の光──朝日に変わるだろう。
ヰ乍 蒼治:「……夜明けだな」
叢雲由紀:「綺麗……」
GM:いつの間にか、周囲に倒れていた女達も姿を消している。
マリー・オリヴィエ:「これで終わりだ。果てぬものも、まだあるが」
GM:……寝床を探したのなら、そこにいるだろう。
GM:『ヘイズ』は夜と共に去り、次の夜に再び訪れるが──
GM:ひとまず、今、あなた達は彼女達を救ったのだ。
マリー・オリヴィエ:「これで無事に帰れる。どうしようもなく手遅れになった者以外はね」
マリー・オリヴィエ:「束の間の休戦も、これにて終い」
叢雲由紀:「よかった、帰れるんですね……」
ヰ乍 蒼治:「……そうだね。ユキちゃんは帰れるよ」
叢雲由紀:「私も……」
ヰ乍 蒼治:その場にどっかりと座り込む。
ヰ乍 蒼治:「さ、どうする?オレの首切る?それとも風で捩じ切る?」
叢雲由紀:(___えっ!?)
ヰ乍 蒼治:「あはは。オレ、約束したからさ。”どういう風に扱っても良い”って」
ヰ乍 蒼治:「捕まった友達も助けられたし。二人のお陰だ」
マリー・オリヴィエ:「夜が明けてから言うのが律儀な奴だな……」
マリー・オリヴィエ:「だからこそ、お前を王にするわけにはいかないんだが」
ヰ乍 蒼治:「じゃあさ。もしも、オレが今…全部捨てて、王様になるのやめましたって言えばさ。マリーさんは見逃してくれるンスか」挑むように。
マリー・オリヴィエ:「心にもないことを言う、と切って捨てるだけだ」
マリー・オリヴィエ:分厚い鋼の斧を肩に担いで、男を真っ直ぐ見下ろして。
叢雲由紀:(王様、それが蒼治先輩のやりたい事……)
ヰ乍 蒼治:「そうだよ。アンタは全部、解ってるンだ」
マリー・オリヴィエ:「王様っていうのはね、人でなしなんだ」
マリー・オリヴィエ:「その道を行くのは、どうしようもなく堕ちてゆくということ」
マリー・オリヴィエ:「だからね、優しい君」
マリー・オリヴィエ:「己は"王になるしかない"などという、世迷言を捨てられないなら」
マリー・オリヴィエ:「私が、その左腕を奪うよ」優しく、冷たく少年を見下ろす。
ヰ乍 蒼治:「……優しい奴が王様向いてないって言うんならさ」
ヰ乍 蒼治:「マリーさんは、間違ってるよ。アンタが一番、向いてない」
ヰ乍 蒼治:「なあ。アンタは全部、解ってるんだ。あいつのこと……”ワイアット”のこと」
ヰ乍 蒼治:「だから、アンタはオレを見てない。そのゴーグルで目を覆って、今でも叶わなかった夢を見てる」
ヰ乍 蒼治:その刃先を、迷わず自分の首に突き付ける。
ヰ乍 蒼治:「オレを見ろ。王殺し」
ヰ乍 蒼治:「否定されて良い欲望なんてない。アンタが奪ってきたもの、奪おうとしてるものを、ちゃんと見ろ」
ヰ乍 蒼治:「”王になるしかない”なんて、オレは言わない。それは逃げた奴の台詞だ」
ヰ乍 蒼治:「オレが王様になるなら、きっと――」
マリー・オリヴィエ:「──ッ!」
叢雲由紀:「____!?」
マリー・オリヴィエ:手を振り払って、少年から目をそらす。
マリー・オリヴィエ:あるいは、別の見るべき者を睨みつける。
GM:その、外れた視線が、
謎の女性(?):遠くから歩いてくる女性の姿を捉えるだろう。
謎の女性(?):彼女はその腕に、白く清潔な布で包まれた赤ん坊を抱いている。
謎の女性(?):そして、彼女は口を動かさず──
謎の女性(?):「おい、夜は終わりだ。何をしている、王気取りの馬鹿者どもが」
謎の女性(?):──腕に抱いた赤ん坊の方が、流暢に口を利いた。
GM:ロイス&調達が可能です
叢雲由紀:保留で
マリー・オリヴィエ:ロイス感情は変わらず。調達は強化素材で
ヰ乍 蒼治:ロイス保留。調達はナックルダスター。
マリー・オリヴィエ:《援護の風》判定値を5D増やす。
マリー・オリヴィエ:マリー・オリヴィエの侵蝕率を2(→ 2)増加 (65 → 67)
マリー・オリヴィエ:8dx>=15
DoubleCross : (8DX10>=15) → 10[1,3,3,4,4,5,6,10]+10[10]+2[2] → 22 → 成功
ヰ乍 蒼治:よしこ!
マリー・オリヴィエ:フォールンアックスに使用して以上
マリー・オリヴィエ:よしこじゃないぜ!
ヰ乍 蒼治:素振りで行きます。
ヰ乍 蒼治:3dx>=4
DoubleCross : (3DX10>=4) → 7[4,5,7] → 7 → 成功
マリー・オリヴィエ:やるじゃん
ヰ乍 蒼治:追憶拾いました 装備して以上。
叢雲由紀:えっと
叢雲由紀:コート買おうかな
ヰ乍 蒼治:援護の風!
ヰ乍 蒼治:ダイス+5dしな!
ヰ乍 蒼治:70→72
叢雲由紀:9dx>=24 リアクティブアーマー
DoubleCross : (9DX10>=24) → 9[2,3,4,4,5,6,6,8,9] → 9 → 失敗
叢雲由紀:さっきのと入れ替われ! 無理!
叢雲由紀:おわりー
GM:出目がままならぬ
GM:そしてOK!
GM:では、シーン4の前に少しだけ
マスターシーン
GM:……やはりマリーさんにアクターとして協力要請しよう
GM:このシーンはちょっと短めの駆け足だ
GM:【数年前】
GM:……あれから、戦いは続いていた。
GM:昨日と同じ今日。今日と同じ明日。
GM:昨日、心を磨り減らしながら地獄を生き延びたというのなら、
GM:明日も明後日も、同じ地獄が待っていることになる。
GM:変わらない日常。
GM:今を楽しんでいるものには、それは永遠の安寧であり、
GM:今を苦しむものからすれば、報われぬことを約束された日々。
ワイアット:「マリー! ……俺はよ、俺は決めたぜ!」
ワイアット:この日、ワイアットは、ここ数ヶ月に記憶に無いほど生き生きとしていた。
マリー・オリヴィエ:「どうした、急に元気になって」
ワイアット:「俺は──」
謎の女性:そう言いかけたワイアットの傍に、見知らぬ女の姿があった。
謎の女性:容姿にさほどの特徴はなく、つわものの気配も無い。
謎の女性:ただの平凡な人間だろうが──その腕に赤ん坊を抱いていた。
謎の女性:その赤ん坊が、
マリー・オリヴィエ:「なるほど、通りで元気になるわけだ」
マリー・オリヴィエ:「とうとうお前にも女が出来て……いや赤ちゃん?」
借り腹の赤子:「こんな男から俺が生まれるなど、考えたくもないな」
借り腹の赤子:流暢に、口を利いた。
マリー・オリヴィエ:「………」
借り腹の赤子:「マリー・オリヴィエ。知っているぞ」
借り腹の赤子:「王権保持者が幾人も、お前を臣下にしようと粉を掛けた」
借り腹の赤子:「……その悉くを袖にして、何人かは殺したと」
借り腹の赤子:「そんな女と、殺人ガンマンのワイアット。今のお前達は注目株だ」
マリー・オリヴィエ:「殺人ガンマン……」
ワイアット:「いいんだ」
ワイアット:「間違っちゃいねえ。だが、それは──」
借り腹の赤子:「そう」
借り腹の赤子:「〝王たるもの〟ならば必要な資質だ」
借り腹の赤子:「英雄たる者の責務だよ。なぁ、ワイアット?」
マリー・オリヴィエ:その名を知らなかった訳ではないし、レディ・キラーもどっこいどっこいだとは思っている。
マリー・オリヴィエ:「……王を目指せ、と?」
マリー・オリヴィエ:「そのために手を血で染めろと、そういい含めたのか、赤ん坊」
ワイアット:「俺は──」口を開き掛け、発しようとした言葉を、
借り腹の赤子:「お前は女だな、マリー・オリヴィエ。男の浪漫を知らんらしい」
借り腹の赤子:「だからお前は無駄に年月を重ねても、その男のことをわかってやれない」
借り腹の赤子:「俺は教えてやっただけだ。『ヘイズ・ロードの夢鍵』の力を」
借り腹の赤子:「ワイアット・クロフォードの意志の力を以てすれば十分に御し得る──」
借り腹の赤子:「即ち、この霧の夜に王たるも叶うとなぁ」
マリー・オリヴィエ:「……」酷く、嫌な気配がしていた。
ワイアット:「マリー、力を貸してくれ。俺を助けてくれ」
ワイアット:「そうすりゃ、俺はもっと強くなれる」
ワイアット:「……もう、助けられなかったの殺しちまったの、そんな事でうじうじしなくてもいいんだ」
ワイアット:「それは……お前にだって、いいことだろう?」
マリー・オリヴィエ:これまで多くの"王"を、強大な力振るうオーヴァードたちを破ってきたが。
マリー・オリヴィエ:その歪な在り様を、過去最も強く感じている。たった今、ここで。
ワイアット:「俺は強くなる。誰よりも……誰よりも。そして」
ワイアット:「俺の視界に入った女、全員、片っ端から守ってやるよ」
ワイアット:「だから、なぁ。マリー」
ワイアット:「俺の」
GM:……今までなら。
GM:〝何〟になってくれと言ったろう。
ワイアット:「臣下に、なってくれ」
マリー・オリヴィエ:「……誓いの言葉は既に交わしてある」
マリー・オリヴィエ:「……忘れたわけではあるまい?」
ワイアット:「わかってくれ。……いや、マリーだってわかるだろ、この街には必要なんだ」
ワイアット:「誰よりも強くて圧倒的な、全部を終わらせられる王が」
借り腹の赤子:「そうだワイアット。だが誰も、そうしようとしない」
借り腹の赤子:「他者を従属させて霧の中で見果てぬ夢を見るのが、楽しくてしかたがないのだ」
借り腹の赤子:「お前は違う。お前だけが、この霧を終わらせる王となれる」
借り腹の赤子:「……だと言うのに、その女は理解せんのだなぁ」
マリー・オリヴィエ:「……そうか」
マリー・オリヴィエ:口から洩れる己の声が、向けられた視線が、冷たくなっているのを感じる。
マリー・オリヴィエ:闇夜の霧のように、重たい想いが胸に満ちている。
マリー・オリヴィエ:「繋ぎ止める楔に、なってやれなかったんだな……私は」
ワイアット:「……マリー?」
マリー・オリヴィエ:優しく、甘く、だからこそ愛した男の。
マリー・オリヴィエ:健気な強さを、女は守ってやることが出来なかったと。
マリー・オリヴィエ:私たちは、そういうお話。
マリー・オリヴィエ:こうしてお終いになって……"王殺し"がここから始まった。
ミドルシーン4:悪徳の薬
GM:全員登場
マリー・オリヴィエ:マリー・オリヴィエの侵蝕率を1d10(→ 1)増加 (67 → 68)
叢雲由紀:叢雲 由紀の侵蝕率を1d10(→ 7)増加 (80 → 87)
ヰ乍 蒼治:ヰ乍 蒼治の侵蝕率を1d10(→ 4)増加 (72 → 76)
GM:夜が明けて帰路につく筈のゆきちゃん、そして多分家に着くまでは送っていくだろう二人。
GM:その前に謎の人物が現れて、ワイアット対策のアイテムをプレゼントしてくれますパート。
GM:怪しいですね、とっても。
借り腹の赤子:「……ふん、ふん」
借り腹の赤子:首もろくに座らぬ赤ん坊が、目だけであなた達を見た。
マリー・オリヴィエ:「……"借り腹の赤子"、王権保持者の一人」
叢雲由紀:「えっと、あの人も鍵を……?」
マリー・オリヴィエ:「そう。とびっきりのろくでなしの一人だ」
借り腹の赤子:「それは〝夜〟の話だ。既に日は昇った。ここは『ヘイズ』ではなく『眠深市』」
借り腹の赤子:「俺に感謝しろ。王殺しのその珍妙な服装や、そこの小娘の寝間着姿が見とがめられないのは」
借り腹の赤子:「夜明けと同時に俺がワーディングを張ったからだ」
ヰ乍 蒼治:「……アンタ」マリーと叢雲由紀を庇うように、前に出る。「何しに来たのさ。そんなただの地方都市でさ」
ヰ乍 蒼治:(……”ワイアット”との交戦を想定していた? オレたちをぶつけ合わせるつもりだったのか?)
ヰ乍 蒼治:「そんなことして、アンタに得があるようには見えないけどな」
借り腹の赤子:「……そしてもう一つ、感謝をしてもらいたい」
マリー・オリヴィエ:「一番目を引くのはお前の語り口だろうに……」
借り腹の赤子:「ふん。損得を語れる程に賢いつもりか、ヰ乍 蒼治」
借り腹の赤子:「そう思うなら、まずは聞け。自力では歩くこともできぬ俺の代わりに、」
借り腹の赤子:「ワイアットを完全に殺す手段を、お前達に与えてやろうと言うのだ」
ヰ乍 蒼治:「……」構えていたコインを下ろす。
叢雲由紀:(普通の手段ではあの人は殺せない……殺す、事になる……)
マリー・オリヴィエ:「──」刃よりも冷たい視線が、女の腕の中を貫く。
マリー・オリヴィエ:「なんだ、それは」
ヰ乍 蒼治:「マリーさん……」
謎の女性(?):赤ん坊を抱いたまま、女が進み出る。
謎の女性(?):そして、巻かれた布の中から、小さな薬瓶をひとつ引き抜いた。
借り腹の赤子:「堕胎薬、と呼ぼうか」
借り腹の赤子:「ワイアットは己の体に女を取り込み、その女の腹を用いて生まれ直している」
借り腹の赤子:「ふん。jpg画像のように劣化を続けてはいるがな。そのうち容姿すら崩れだすだろうよ」
借り腹の赤子:「だが、そこまで待ってやる義理はない。こいつを取り込ませてやれば」
借り腹の赤子:「やつの〝生まれ直し〟は正常に働かなくなる」
叢雲由紀:「う、生まれ直して……お腹を使って……」
ヰ乍 蒼治:「……【複製体】ってことか」かつて、そのようなオーヴァードと戦ったことがある。
ヰ乍 蒼治:「大丈夫。そんなことするのは、悪い夢みたいな奴だけだ」怯える少女の小さい手を、ぎゅっと握る。
叢雲由紀:「は、はい……ありがとうございます」嬉しそうに、蒼治の手を握り返す
借り腹の赤子:「そうなれば、残るのはあの膨れ上がった肉牢本体だけだ」
借り腹の赤子:「そのひとつだけを殺すというなら、容易な仕事だろうよ」
マリー・オリヴィエ:「……男友達を作れと言ったのは、間違いだったな」
ヰ乍 蒼治:「……なあ、マリーさん。コイツは、ワイアットに何をしたんだ」
マリー・オリヴィエ:「彼はあいつの導きだよ……イサくん」
マリー・オリヴィエ:「王になれなどと囁く奴は、3種類に分けられる」
マリー・オリヴィエ:「縋る者の欲しい弱者か、何も知らない愚かな夢想家か」
マリー・オリヴィエ:「人を破滅に導く、筋金入りの外道にね」
マリー・オリヴィエ:彼から差し伸べられた毒を、その手で受け取る。
叢雲由紀:「そんな……そんな事を……」目の前の赤子が、おぞましい怪物に見えた
ヰ乍 蒼治:「……」脳裏に、自らに王の道を指し示した女の姿がよぎる。
借り腹の赤子:「その薬を、誰か女に飲ませろ。血が一時的に毒に変わる」
借り腹の赤子:「毒の塊となった女をワイアットが取り込めば、あの巨躯は忽ち汚染されるだろう」
マリー・オリヴィエ:「私がすべき事は変わらない。彼がああなった責任は私が負うもので」
マリー・オリヴィエ:「終わりは早い方が良い。巻き込まれて良い者なんて、誰も居ない」
ヰ乍 蒼治:「な」絶句する。「だめだ……ダメだよ、マリーさん」
叢雲由紀:「そうです、ダメですよ!」
叢雲由紀:「責任は……責任は、その人たちみんなのものです、マリーさんが一人で背負うだなんて」
マリー・オリヴィエ:「二人だったから背負うのさ。パートナーとはそういうものだろう」
ヰ乍 蒼治:「……人に、忘れろって言ったくせして!」
ヰ乍 蒼治:「アンタは今でも、ワイアットと夢を見たことを忘れられないんだ。そうだろ!」
ヰ乍 蒼治:「……くそっ。アンタが行くなら、オレも着いてく」
叢雲由紀:「パートナーがそんなことになるのを、望まれるような方だったのですか……ワイアットさんは」
叢雲由紀:(もしマリーさんが自分で決着をつけられたいというのなら、私が……)と思考の途中で、はっとする
マリー・オリヴィエ:「……馬鹿な話だっていうのは自分で分かっているよ」
マリー・オリヴィエ:「そうでなければ、君たちに止めろなんて言っていない」
ヰ乍 蒼治:「でも、優しい奴だったんだろ。アンタに、二度とこんなことはごめんだって思わせるくらいに」
ヰ乍 蒼治:「オレは、そいつのこと……聞いただけなのに、憎み切れないんだ。ワイアットは、オレだったかも知れないんだ」
ヰ乍 蒼治:訥々と、告解するように。
マリー・オリヴィエ:「命を賭けて成し遂げようとする者は、こちらも命を賭けなければ止められない」
マリー・オリヴィエ:「だから私は"王殺し"で……そんな馬鹿共に付き合うだけ損な話だろう」
ヰ乍 蒼治:「だったら、オレの命も賭けてやる」手を握る。
叢雲由紀:(ワイアットが、蒼治先輩……鍵を持った王様の、あるかもしれない姿……)
ヰ乍 蒼治:「毒がどこまで効くかは知らない。でも、一人で行っても死ぬだけだろ。トドメを刺す役が必要なんじゃないのかよ」
マリー・オリヴィエ:暖かな手を振り払おうとして、それだけの力が入らないことを。
ヰ乍 蒼治:「……アンタに、二回も王様を看取ってほしくないんだ。こんな恥ずかしいコト、言わせないでくれ」
マリー・オリヴィエ:手が震えていることに今更ながら気が付く。
ヰ乍 蒼治:手繰り寄せる。その手に繋がれた鎖を、共に握るように。
ヰ乍 蒼治:「良いだろ。王様ってのは、罪を一緒に背負うのも仕事なんだ」
マリー・オリヴィエ:「……じゃあ、恥ずかしいところを見せてやるか」
マリー・オリヴィエ:「イサくんはともかく、ユキの良い薬になればいい」
ヰ乍 蒼治:「……」少女の方を見て、表情が曇る。
ヰ乍 蒼治:「ユキちゃん。きみは……」
ヰ乍 蒼治:言外に問いかけているのが解る。今ならまだ引き返せると。
叢雲由紀:「わたっ……私も、その命懸け……最後まで、お供します」背伸びをして、二人の手に手に上から触れて
叢雲由紀:「蒼治先輩の、鍵の王様になりたいって夢……きっとそれは素敵な事だと思うんです」
叢雲由紀:「だから、間違ってしまった事を……過去を過去として、アルバムの中に留めておくために」
叢雲由紀:「今、終わらせたいです。 これからのために」
叢雲由紀:「……お邪魔、でしょうか」おずおずと、様子を窺うように
マリー・オリヴィエ:「謝らなきゃあいけないのは、ずっと私の方なんだけど」
マリー・オリヴィエ:「素敵なものをたくさん知っているユキになら、見てもらうのも悪くないね」
マリー・オリヴィエ:「……私たちの、夢の終わりをさ」
ヰ乍 蒼治:「それもいつか、思い出になるよ」重ねられた手を、強く握る。
ヰ乍 蒼治:「生きている限り、夢は思い出に変わる。それでも夢を見続けられる奴が、王様なんだ」
叢雲由紀:「あっ……はい!」
ヰ乍 蒼治:「……オレの夢を笑わないでくれて、ありがとう」
叢雲由紀:「人の夢を嗤ったりは、しません……私にはそれが無いから」
叢雲由紀:「だけど、誰かの美しい夢の軌跡を、視とめて力にすることはできます」
叢雲由紀:「そうやって今、蒼治先輩とマリーさんのお役に立つことが出来ます」
ヰ乍 蒼治:「そっか。じゃあ、いつかオレが王様になった時も、ユキちゃんに見て貰おうかな」
叢雲由紀:「はい! 見てみたいです!」
叢雲由紀:(近くで……なんて願うのは……贅沢なのでしょうね)胸の高鳴りを、誤魔化しながら。
叢雲由紀:笑って返す。
ヰ乍 蒼治:「だってさ。どうする?マリーさん」
マリー・オリヴィエ:「好きにしてくれ、漁夫の利なりなんなり」
ヰ乍 蒼治:「あはは。マリーさんが死んだら、ユキちゃん悪い王様に取って食われちゃうかもだぜ」
マリー・オリヴィエ:「君が悪い王様じゃないならそうなるかもな……とはいえ」
叢雲由紀:「蒼治先輩は良い王様ですけど……そうですね」
借り腹の赤子:「ふわぁ……んむ。話は纏まったか?」
マリー・オリヴィエ:「まずは解散だよ。お前が作った薬がどういう代物か確認せねばならないし」
ヰ乍 蒼治:「ユキちゃんも疲れてるだろうからね。オレも歩さんに色々伝えないとだし」
ヰ乍 蒼治:「拠点に居ればだけど……」
マリー・オリヴィエ:「……ところでイサは学生じゃないのか」
マリー・オリヴィエ:「人の上に立ちたいなら大学は出ておいた方が良いぞ」
叢雲由紀:「いえ、私は24時間頑張りますけど……」と、言いかけてフラつく、気が抜けた様子
ヰ乍 蒼治:「あ、オレ? 王様志望には学業なんてものは必要…おっと」ふらついた由紀ちゃんを抱える。
ヰ乍 蒼治:「とりあえず、由紀ちゃん限界ぽいからさ。オレ送ってくよ」
叢雲由紀:「あ、ありがとうございます……」
ヰ乍 蒼治:「勉強についてのご高説は後程たっぷりと聞くので……」
ヰ乍 蒼治:気にするな、と言う風に軽く片手を上げる。
叢雲由紀:(そういえば進路診断の志望の所……書かないと……)
叢雲由紀:抱えられながら、眼鏡をズラして目をこする。
借り腹の赤子:「凡庸な脳しか持たぬ連中は面倒なことだ──ふわぁ」
借り腹の赤子:かくん
謎の女性(?):「……あら」
謎の女性(?):「あら、もう朝。いやね、また私ったらこんなところに」
謎の女性(?):赤ん坊が沈黙するや、それを抱えていた女性はきょろきょろと周囲を見渡し、
謎の女性(?):「えっと、ごめんなさいね。何か私、変なこと言ってたかしら?」
謎の女性(?):「ちょっと寝ぼける癖が酷いの。気にしないでちょうだいね」
謎の女性(?):ぺこり。ほがらかな顔で笑って、軽く頭を下げて去っていく。
ヰ乍 蒼治:「……アイツとも、戦うことになるのかな」
ヰ乍 蒼治:溜息を吐く。「ひとまず、ユキちゃん送ってから考えるか……ほら、背中乗って」しゃがむ。
叢雲由紀:「あ、ありがとうございます……」
マリー・オリヴィエ:「さてどうかな。王を目指す者は衝突するだろうが」
マリー・オリヴィエ:「その前に私が君を殺すんじゃないかな……ユキを頼んだよ」
マリー・オリヴィエ:屈んで下がった頭をポンポンと叩いて、その場を去る。
ヰ乍 蒼治:「あたぼーよ。さっきの話の続き、まだ終わってないからね。マリーさん」ぐっとサムズアップして。
叢雲由紀:「……先輩の背中、大きいですね」ぎゅっ、と、強く抱きつく
叢雲由紀:背中越しに少女らしい小柄さと、主張する女性らしさが感じられた。
ヰ乍 蒼治:「これでも鍛えてるから。抱えてるから、寝て良いよ……今日はお疲れ様、ユキちゃん」
叢雲由紀:「はい、よろしくおねがします……」ぺこりと頭を下げる
ヰ乍 蒼治:そう言って、山を下りる方向へと歩んでいく。
GM:十数時間後、霧はまた街を覆うだろう。
GM:その時こそ、戦いの時。
GM:王がまたひとり、永久に死ぬ時だ。
GM:ロイス&調達が可能!
ヰ乍 蒼治:オリヴィエさんのN感情を憐憫に変更。
マリー・オリヴィエ:なに憐れんどんねん
ヰ乍 蒼治:あとは借り腹の赤子にロイス取得します。”王鍵保持者”:借り腹の赤子/P:有為/○N:猜疑心
叢雲由紀:どうしましょう、リアクティブアーマー取得
叢雲由紀:取得じゃない調達!
叢雲由紀:6dx>=24
DoubleCross : (6DX10>=24) → 9[1,3,4,5,5,9] → 9 → 失敗
叢雲由紀:ムリムリのエスカルゴ
ヰ乍 蒼治:う~ん とりあえずリアクティブ太郎狙います。 援護の風!
マリー・オリヴィエ:王の一人:借り腹の赤子/P有為:N憎悪〇 で取得
ヰ乍 蒼治:8dx>=24
DoubleCross : (8DX10>=24) → 10[4,4,5,6,7,8,9,10]+5[5] → 15 → 失敗
マリー・オリヴィエ:リアクティブアーマー狙おう
マリー・オリヴィエ:《援護の風》判定値を5D増やす。
マリー・オリヴィエ:マリー・オリヴィエの侵蝕率を2(→ 2)増加 (68 → 70)
マリー・オリヴィエ:8dx>=24
DoubleCross : (8DX10>=24) → 9[1,1,2,2,4,8,9,9] → 9 → 失敗
マリー・オリヴィエ:だめ~
ヰ乍 蒼治:無理!以上!
ミドルシーン5:日常の風景
GM:全員登場!
ヰ乍 蒼治:ヰ乍 蒼治の侵蝕率を1d10(→ 3)増加 (76 → 79)
マリー・オリヴィエ:マリー・オリヴィエの侵蝕率を1d10(→ 9)増加 (70 → 79)
叢雲由紀:叢雲 由紀の侵蝕率を1d10(→ 1)増加 (87 → 88)
GM:このシーンですが、ちょっと昼パートのロールの後に
GM:先輩後輩→まりゆき
GM:の順での会話パートになります
GM:【眠深市】
GM:……さて。あなたは今日、いささか授業の記憶が薄いかも知れない。
GM:随分な夜更かしと運動の後、ろくに眠れぬまま登校する羽目になったのだから無理もない。
GM:が、そこは若さの特権だ。
GM:無事、大きく怪しまれることもなく、今日最後の授業が終わったのである。
浦波 朝日:「……ということで取り立てに来ましたー」
叢雲由紀:無言で朝日の顔をじっと見たあと
叢雲由紀:その手を握っている
浦波 朝日:「えっ、なんで急に握手」
浦波 朝日:ぽかんとしながら手を握られている
叢雲由紀:「よかった……」小さく呟いて
叢雲由紀:「あ」はっとして
叢雲由紀:「失礼しました、どうも手癖が」手をパッと放して
浦波 朝日:「ほほう、実は手癖が悪い子だったんだねぇー」
浦波 朝日:「……いやいやいや。変な夢でも見た? 主に授業中に」
叢雲由紀:「まぁ……そんな感じです。」あの光景は、先輩たちは夢じゃないだろうけど
叢雲由紀:「進路希望の件ですよね、それならこちらに」とプリントをファイルから取り出す
浦波 朝日:「おー、書けたんだ。適当に埋めたりした?」
浦波 朝日:取り出されたプリントを裏返して受け取る
叢雲由紀:「いえ、私の今やりたいと思えることを……頑張って、書きました」
浦波 朝日:「おー」一瞬、反射的に手がプリントを引っ繰り返しそうになり
浦波 朝日:「っと、いかんいかん個人情報。こんぷらこんぷら」
浦波 朝日:「……ちなみになんだけど、目指すところをざっくり聞いたりしてもー?」
叢雲由紀:"王様が作る、世界を見る"という意味不明な内容について、またこの後呼び出されるのだろうな、などと思いつつ
叢雲由紀:「はい、とりあえずカメラマン……のような感じになりそうです」
叢雲由紀:「私の身体が、求める事が分かったので」
浦波 朝日:「身体が」
浦波 朝日:「魂とかじゃなくぼでいが」
叢雲由紀:「それの赴くままに、戦ってみようかなって」
浦波 朝日:「うーむ。堅実に地元就職したい私とは大違いだねー」
叢雲由紀:「はい、魂はもしかしたら、何処かに行ってしまうかもしれないので……」
叢雲由紀:「堅実な地元就職、いいですね。公務員ですか?」
浦波 朝日:「わからない。わからないよ由紀ちゃん。きみのキャラがわからなくなったよ」
叢雲由紀:「私も分からないです、けど……」あの謎の世界は、自分の欠けていた所を埋めてくれるように思えて。
浦波 朝日:「……うーん、公務員って訳でもないけど」
浦波 朝日:「この街で大学に通って、普通に4年で卒業して」
浦波 朝日:「就活して、この街のどこかの会社に入って……ほら」
浦波 朝日:「この街、なんでもあるじゃん?」
叢雲由紀:「はい、なんでもありました……最近知りました、びっくりです」
浦波 朝日:「最近? ……ま、いいや。とにかく、そう」
浦波 朝日:「私、たぶんこの街で満足しちゃってるというか、ううん」
浦波 朝日:「思ってたよりこの街、好きっぽいんだよねぇー」
浦波 朝日:「だから私、この街の風景になろうかなって」
浦波 朝日:「キャラの濃い由紀ちゃんと違う、モブキャラ宣言ってことだねー」
浦波 朝日:「……それにしても由紀ちゃん。一晩でなんかこう、キャラが急に濃くなったけど」
浦波 朝日:「人生観変わるような階段を登っちゃってたりする……?」
叢雲由紀:「いえ、それって……素敵だと思います」この街の何でもあるの一つになるって事で
叢雲由紀:「あ、えっと……」恥ずかしそうに、目をそらして
叢雲由紀:「まあ、少し出会いが……はい、ありまして」
浦波 朝日:「……!」
浦波 朝日:「ま・さ・か!」
叢雲由紀:「それで将来を、少し……真面目に考える気になれたんです」
叢雲由紀:「はい?」
浦波 朝日:口元に手を当てて後ずさる
浦波 朝日:「……そう、そういう事だったとは」
浦波 朝日:後ずさりながら教室の出口へ
叢雲由紀:「な、何ですか!?」
浦波 朝日:「大人に……」
浦波 朝日:「なったのだね……」
浦波 朝日:何か慈母のような笑みを浮かべながら
叢雲由紀:「え、えぇ……?」
叢雲由紀:「なってませんよ……?」大人になれなくなりかけたのはお前だと言ってやろうかと思ったが流石に言えない
浦波 朝日:「広い世界へ……羽ばたくんだぜ……」
浦波 朝日:ぐっ、と親指を突き立てて
浦波 朝日:そのまま教室からフェードアウトしていくモブ
叢雲由紀:「な、何か誤解を受けていませんか!?」
浦波 朝日:「大人の階段ふーふふー」という歌声が廊下を遠ざかっていく……
GM:…………
浦波 朝日:……戻ってきた。
浦波 朝日:「由紀ちゃん!」教室の戸ガラッ
叢雲由紀:「は、はい。 おかえりなさいませ」
浦波 朝日:「なんか背が高くてガラの悪い男のひとが由紀ちゃん探してる!」
叢雲由紀:「背が高くて……あ、この方ですか?」機能撮った蒼治先輩の写真を見せる
浦波 朝日:「……!」
叢雲由紀:「な、何ですかその目は……」
浦波 朝日:「……そう、まさかとは思ったけど……るるるー……」
浦波 朝日:「るーるるー……るるる……るーるるー……」
浦波 朝日:なんかくちずさみはじめた
叢雲由紀:「謎のハミング!?」
浦波 朝日:「……由紀ちゃん……きっと君の人生には苦難が待ち受けていると思う……」
浦波 朝日:「けれど眠深市は君を待っているから……」
浦波 朝日:「つらいことがあったらいつでも帰ってきていいのよ……」
浦波 朝日:二度目のフェードアウト
叢雲由紀:「あ、ありがとうございます……」
浦波 朝日:廊下をぱたぱた走っていく足音は、きっちり職員室の方へ向かっている。
叢雲由紀:頭を下げて、やはり何かを誤解されているのではと思いつつ
浦波 朝日:プリントの取り立て任務を忘れた訳ではないようで──
GM:──それはさておき。
GM:つまりあなたは、校門のところまで出ていくことになったのであった。
叢雲由紀:(先輩をお待たせしてしまっているのは、良くないな……)
ヰ乍 蒼治:「イェーイ!ユキちゃんおひさ~~!!」ブンブン手を振っている。
ヰ乍 蒼治:180cm越えの高身長と、染め抜いた紅色の髪は、校門の傍にあってはなおさら目立つだろう。
叢雲由紀:「先輩! こんにちは!」手を振り返して
叢雲由紀:周囲の眼は特に気にせず蒼治の方に走り寄る
ヰ乍 蒼治:「おひさっつっても一日ぶりだけどね」ハイタッチ。
ヰ乍 蒼治:(しかし、何というか……)子犬のように走り寄ってきた彼女を見る。
ヰ乍 蒼治:「無防備すぎる……」
叢雲由紀:「い、いえいっ……です」少し恥ずかしがりながらはいたっち
叢雲由紀:「無防備ですか? 一応痴漢撃退用スプレーならバッグの中にありますけど……」
叢雲由紀:「それに今は……その、あれもありますし……」
ヰ乍 蒼治:「ん~、能力はあんま使わない方が良いと思うぜ」
ヰ乍 蒼治:「変に他のオーヴァードに目付けられて、ユキちゃんの身に何かあったら大変だろ」
ヰ乍 蒼治:「まあ、キミに限った話じゃないけどさ……っていうか無防備ってそういう話じゃね~のよ」
叢雲由紀:「そうですね、あまり目立つのは良くありません……容姿なら目立たない自負があるのですが」
叢雲由紀:「はい?」そういう話じゃねえという言葉に、上目遣いで首を傾げる
ヰ乍 蒼治:「一応オレのパブリックイメージ”ガラ悪い”だからね! そんな風にくっついたら勘違いされちゃうって」
ヰ乍 蒼治:「んー……ユキちゃん、可愛いからさ。そういうのあんま、噂になったらヤだろ」
叢雲由紀:「せ、先輩はガラ悪くなんてありませんよ!」
叢雲由紀:と言いながら、詰め寄る
ヰ乍 蒼治:降参、と言う風に手を上げる
叢雲由紀:「ありがとうございます、けど……蒼治先輩は自慢の先輩なので」
叢雲由紀:「その、嫌でなければ……私と交友関係を結んでいただけると……」
ヰ乍 蒼治:「い……良い子……」思わずクラっと呻く
叢雲由紀:「良い子なんてそんな……先輩が王様になるあの世界が好きになっちゃいそうなくらいには、悪い子です」
叢雲由紀:申し訳なさそうに笑って
ヰ乍 蒼治:「一瞬勘違いしそうになったぜ。オレが高校生の頃にユキちゃんと会ってたら交際申し込んでたかも」軽く笑う。
ヰ乍 蒼治:「もちろん、友達だと思ってるよ。その為に来てくれたんだろ……」
叢雲由紀:「勘違い? 交際……?」
叢雲由紀:「私は高校生ですが蒼治先輩をその……魅力的な方だと思っていますよ……?」
叢雲由紀:「はい、こうしてお呼び出しあれば駆けつけるくらいに! です。」
叢雲由紀:来てくれた、という言葉に
ヰ乍 蒼治:咳き込む。
ヰ乍 蒼治:「……解んないんだよな」
ヰ乍 蒼治:「どうしてさ。昨日会ったばっかの奴が作る世界を、良いものだって信じられるんだ」
ヰ乍 蒼治:「無防備ってのはさ。そーいうとこだよ……キミにはもっと、きちんとした未来があるはずなんだ」
叢雲由紀:「……」
叢雲由紀:「……良い、じゃなくて……」
叢雲由紀:「魅力を感じているんです、あの世界と……力と……非日常と」
叢雲由紀:「その中でも、あの混沌とした場所でも、善性を保てている先輩に」
叢雲由紀:「魅力って、興味って言いかえられるかもしれません」
叢雲由紀:「昨日会ったばかりの後輩が、こんな事言い出すのはやっぱり、重すぎますか?」
ヰ乍 蒼治:「……オレは全然、良い奴じゃないよ」
ヰ乍 蒼治:買ってきた飲み物の缶を二つ並べる。
ヰ乍 蒼治:「コーヒーと紅茶、どっちがいい?」
叢雲由紀:先輩が選んだ方と同じ方、と言ったら、目の前の人は本気で困ってしまうだろうな、と思いながら。
叢雲由紀:「コーヒー、いただけますか? 目を覚ましたくて」
ヰ乍 蒼治:「大人だな」笑って、冷たいコーヒーの缶を制服の後ろに入れる。背が高いと、そういうことも出来る。
叢雲由紀:「ひゃっ!?」
ヰ乍 蒼治:「あはは!目覚めたでしょ」
ヰ乍 蒼治:「ほら、全然良い奴じゃない」
叢雲由紀:眼を白黒させながらコーヒーの缶を取って、ふくれっつらで蒼治の方を見る
叢雲由紀:「でも、良い人……良い王でいようと思ってらっしゃる……って」
叢雲由紀:「思いたいんです。 けど、間違ってたらごめんなさい」
叢雲由紀:コーヒーの缶を頬につけながら、呟く。
ヰ乍 蒼治:「参ったなあ」ぽつりと呟く。
ヰ乍 蒼治:「間違えられてるのに、こんなに嬉しいことも中々ないんだ。うん」
叢雲由紀:「それに。その、もし、悪い王様だったとしても……それでも」
叢雲由紀:「……それでも、興味を惹かれてしまうんです、あの世界で悪い王様になる先輩に」
叢雲由紀:胸の上にはらりと乗った桜の花弁を、はらって
ヰ乍 蒼治:「……クソ。ホントにそういうとこだぞ!」むにーっとほっぺたをつまむ
ヰ乍 蒼治:「最悪なことに、オレは嬉しいって思っちゃったんだよな。キミが、付いて来てくれるって言った時」
叢雲由紀:「ひゃっ!? しぇんぱいにゃににゃしゃるんてふかー!!」
ヰ乍 蒼治:「うっさい。教育的指導だ」
ヰ乍 蒼治:「……オレの夢を笑わなかったひとは、少ないから。凄く嬉しかったんだよ」
ヰ乍 蒼治:「なあ。それがもし、勘違いじゃないんなら……キミの幸せが、そこにあるなら」
ヰ乍 蒼治:「そして、”ワイアット”を倒した時にも。この世界の全部を知って、その思いが変わらなかったんなら」
ヰ乍 蒼治:ちゃりん、と指輪を弾いて鳴らす。
ヰ乍 蒼治:「悪い王様の家来になってみる?」
ヰ乍 蒼治:そう言って、寂し気に笑う。
ヰ乍 蒼治:「その時はさ。オレがキミの、やりたいことになるって約束するよ」
叢雲由紀:「それも、良いかもしれませんね」
叢雲由紀:笑みを返して
叢雲由紀:「家来でも、何でも、先輩とあの世界のためになる関係があるなら……」
叢雲由紀:(でも、もしこの寂しい笑顔をなんとかできる方法があるなら)
叢雲由紀:(私は、それになりたいな……)
叢雲由紀:指輪に、手を添えて
叢雲由紀:(何か、無いのかな……過去でも未来でもない、今の私が出来る事)
GM:【バー『グレナダ』】
GM:昼のこと故、当然ながら客はいないが、
GM:かと行ってこの店が、夜に営業を行うことがあるのだろうか。
GM:霧に鎖された街並みでは、酒を求めるものとてあるまい。
GM:……実際のところ、この店は、確かに営業はしているのだ。
GM:今日、人の気配が無いのは、あなたを始めとする来訪者を迎える為である。
マリー・オリヴィエ:静かで薄暗く、しかし肌寒さとは無縁。
マリー・オリヴィエ:この街にあってどこか異物のようでありながら、落ち着ける雰囲気の内装。
叢雲由紀:「わ……わぁ……」カメラを取り出しつつ少しその内装に気圧されている、そもそも普段来るような場所ではない
マリー・オリヴィエ:「こういうところ、ユキは初めて来るだろうけど」
マリー・オリヴィエ:「どうかくつろいでくれ。居心地悪くなければね」
マリー・オリヴィエ:その主である女もまた、夜の霧の中とは異なるラフな洋装で迎える。
叢雲由紀:「は、はい。 ありがとうございます」ぺこりと頭を下げ空いている椅子に腰掛ける
叢雲由紀:(改めて明るいところで会うと……マリーさん、綺麗な人だな……)その出で立ちと立ち振る舞いに呆としながらも
叢雲由紀:「えっと、このお店って」
叢雲由紀:「マリーさんのお店……なんですよね?」
マリー・オリヴィエ:「ああ、私が経営しているバー……夜がああだから拠点としての面が強いが」
叢雲由紀:「なるほど、夜以外にお仕事を持ってる方もいらっしゃる……と」メモに書き記していく
叢雲由紀:「あ、それで今日は……えっと、夜についてのお話です……よね?」
マリー・オリヴィエ:「そうだね、今晩勝負に出る……早い方が良いから」
叢雲由紀:「はい……」重々しく頷く。
マリー・オリヴィエ:「こいつの精査も、やるだけはやった」カウンターテーブルに小瓶を置く。
叢雲由紀:勝負に出る、つまりあの男性を……かつてのマリーのパートナーを殺す。
叢雲由紀:「その薬、使うんですよね」
マリー・オリヴィエ:「飲んだら死ぬって程のものじゃあないとは分かった」
マリー・オリヴィエ:「まだある程度の無理は効く。使ってみるよ」
叢雲由紀:「……無理は、なさらないで下さいね」
叢雲由紀:「私、えっと、何も知れないけど……だけど」
叢雲由紀:「マリーさんが、本気なのはわかるつもりなので」
マリー・オリヴィエ:「ありがとう、ユキ……多少長生きしてる私は、まあ一つぐらいなら知っている」
マリー・オリヴィエ:「ユキが本心から心配してくれていて、その時が来れば無理もしてみせるだろうってこと」
マリー・オリヴィエ:「経験が少ないとか、自分のキャパシティを理解していないからじゃなく」
マリー・オリヴィエ:「危なっかしいタイプ。そういう子を何人か知っている」
叢雲由紀:「あ、危なっかしい……ですか? 否定はできないですけど……」
マリー・オリヴィエ:薬瓶を胸元にしまい、代わりに幾つかの瓶やグラスを並べていく。
叢雲由紀:その様を興味深そうに眺めている
マリー・オリヴィエ:「ついでに言うとイサくんもその類いでね、私としては心配だ」
叢雲由紀:「それは……はい、えっと……わかります」申し訳なさそうに
マリー・オリヴィエ:「上手いことお互いがストッパーになってくれれば良いけど、箍が外れたら真っ逆さまだからな」
マリー・オリヴィエ:私が一人で挑めない理由でもある。協力を断ってより無茶な事をされては堪らない。
叢雲由紀:「お互い……蒼治先輩と……歩さんですか?」
マリー・オリヴィエ:「まさか、あの女は赤信号を緑と吹き込んでいる奴だよ」
叢雲由紀:(ええ……)ええ……という顔、口に出さないのは失礼な気がするから
マリー・オリヴィエ:「イサくんとユキが、さ」
マリー・オリヴィエ:「夜遊びを今晩でおしまいにするほど、君は良い子じゃないんだろう?」
叢雲由紀:「あ、えっと……」
叢雲由紀:「……はい」申し訳なさそうに、しかしマリーから目線は外さず
叢雲由紀:「ごめんなさい」
叢雲由紀:「マリーさんたちに起こったことを考えたら、不用意に踏み込むべきじゃないのに」
マリー・オリヴィエ:瓶の中身を小さな鍋に注ぎ、火にかける。
マリー・オリヴィエ:「言って聞かせて、言う事聞かせられるなら、そりゃあ言うことなしだけど」
マリー・オリヴィエ:「生憎私は王様じゃないからな。人の意志を曲げるのは難しい」
叢雲由紀:「王様……」
叢雲由紀:「マリーさんたちに起こったことを知って、私……思ったんです」
叢雲由紀:「蒼治先輩を、同じようにしちゃダメだって」
マリー・オリヴィエ:ナツメグ、シナモン、クローブ。故郷から輸入した香辛料を加えて煮込む。
マリー・オリヴィエ:「そうだね」鍋の中を見つめ、泡立つ寸前のカクテルを混ぜる。
叢雲由紀:「そのためにできる使える力はここにあって、だから私がやらなくちゃって……」胸に手をやって
叢雲由紀:興味も嘘ではない、興味を惹かれるほどの人物であるからこそ、そう思えて
叢雲由紀:「……あの、マリーさんは」
叢雲由紀:「マリーさんはどう思われますか、王様の事」
マリー・オリヴィエ:「……私は"王狩り"と呼ばれている」
マリー・オリヴィエ:「そう呼ばれる前から……あいつの鍵をこの手に収める前から、この街で王たちと戦ってきた」
マリー・オリヴィエ:「その存在が、間違いだと思っているからだ」首から提げた小さな黒鍵を弄ぶ。
マリー・オリヴィエ:「オーヴァードは今や世界中に居るが、"ここ"はその中でも特殊な場所でね」
叢雲由紀:「特殊……」
マリー・オリヴィエ:「昨晩も少し口にしたUGNという組織があってね、この辺りの基礎知識は後で話すつもりだけど」
マリー・オリヴィエ:「私は元々そこに所属していたんだ。オーヴァードによる破壊活動や暴走を止めて保護するのが仕事」
マリー・オリヴィエ:「だから色々な奴を目にしたし、ノウハウも学んだ。ユキたちみたいな向こう見ずの若者が、時に恐ろしく跳ねることとかも」
叢雲由紀:「私みたいな……なりたての子たちが、ですか」
マリー・オリヴィエ:「レネゲイドの力には、その人の想いが反映されるという説がある」
マリー・オリヴィエ:「必ずしもその人の長所が現れるとは限らないし、逆に植え付けられた因子が人を変えることもあるね」
叢雲由紀:「想い……じゃあ、私の力は……」
叢雲由紀:過去や、記憶への想いが力になった……それを物理的に使う事が出来る力。
マリー・オリヴィエ:(イサくんはどうだかな……彼の左手にあるものは、きっととても恐ろしいものだ)
マリー・オリヴィエ:「その上で"王"の力は異常だと断言できる」
マリー・オリヴィエ:「これは自分だけではなく、他者の願いさえ呑み込んで使うものだ」
叢雲由紀:「他人も自分にしてしまう……という事ですか?」
マリー・オリヴィエ:「うん。容易く心を狂わせる猛毒だよ」
マリー・オリヴィエ:「人をその手で支配できると、命を担えると、何でも出来てしまうと」
マリー・オリヴィエ:「……自分にはその権利が、義務があると思わせてしまう」
マリー・オリヴィエ:「そんなことをさせてはいけない……特に優しい人にはね」
叢雲由紀:「……」ワイアットの事を思い出しているのだろう、表情から筒抜けである。
マリー・オリヴィエ:底の浅く口の広い、金属製のグラスにカクテルを注ぐ。
マリー・オリヴィエ:「……さて、悪い子はどうするのかな?」
マリー・オリヴィエ:「君は王様を、どう思う?」
叢雲由紀:「……私は」
叢雲由紀:「あの力が悲劇を呼ぶのも、誰かを助けるのも、両方ある事だと思います」
叢雲由紀:「過去の過ちを見て、その上で王の力を使おうとしている人を……」
叢雲由紀:「もっと、見ていたいんです」
叢雲由紀:「それでもし、もしも、マリーさんたちの時のようになるのだったら……今のようになる前に」
叢雲由紀:「止めます、私の全部を使い切っても」
叢雲由紀:手が、震えている
叢雲由紀:「先輩はきっと、ワイアットさんみたいに自分がなるのを望んでないから」
マリー・オリヴィエ:「……命がけの人間は命がけでなければ止められない、が」
マリー・オリヴィエ:「……本気の女の子は、本気の男の子でさえ止めるには力不足だからね」
マリー・オリヴィエ:震える手を取りテーブルに乗せ、暖かなグラスを握らせる。
叢雲由紀:「……ありがとう、ございます」安堵の息を吐く
マリー・オリヴィエ:「霧の夜は熱を奪う。女の子の身体には毒だ」
マリー・オリヴィエ:「しっかり温めて挑みなさい。君が良く知る素敵なものが、必ずユキを守ってくれる」
マリー・オリヴィエ:自らのグラスを手に取り、構える。
叢雲由紀:「はい、先輩とマリーさんも……守ってみせます」
マリー・オリヴィエ:「……乾杯する時はこれと決めた文句があるのだけど、君はどうやら王権派だからな」
マリー・オリヴィエ:「今回はこうだ……勝利に!」
叢雲由紀:「はい、勝利に……乾杯です」
マリー・オリヴィエ:ホットアップルサイダー……砂糖とスパイスで出来た甘く優しいノンアルコール・カクテル。
マリー・オリヴィエ:少女のためのレシピ、そして故郷の味を楽しみながら、私たちは夜を待つ。
GM:【バー『グレナダ』──店舗2階】
GM:あなたは叢雲由紀を送り届けたその足で階段を登り、
GM:同盟者への借宿としてあてがわれた空き部屋へ足を踏み入れた。
平坂 歩:……そこには当然のように、彼女が待っている。
平坂 歩:年単位で使われた痕跡のない寝台の上に、ころりと横になって。
ヰ乍 蒼治:「歩さん」初めて会った時のように、何度でも顔をぱっと輝かせる。
平坂 歩:「おかえり、送り狼さん」
平坂 歩:「ちゃんと赤ずきんに歯形をつけてきた?」
ヰ乍 蒼治:「シツレーなこと言うなよな。ユキちゃんはそんなんじゃないって」
ヰ乍 蒼治:「そんなんじゃ……」
ヰ乍 蒼治:「……」
ヰ乍 蒼治:「……したかも」顔を覆う。
平坂 歩:「ほう!」上機嫌に手を打ち、上体を起こす。
平坂 歩:「ようやく君も自覚が出てきたようだねえ。いや何より、何よりだ!」
ヰ乍 蒼治:「素直に喜んでいいもんか解らないんだよな。特に、ユキちゃんはさ……元々普通の人だったわけだし」
ヰ乍 蒼治:「それに、ワイアットを倒したら気が変わってるかも知れない。オレはそん時までの約束をしただけだぜ」
平坂 歩:「甘い」
ヰ乍 蒼治:「マジ?」
平坂 歩:「まだまだ君は甘いねえ。なるほど優しさというのは、今の世の中じゃ評価対象なのかも知れないが」
平坂 歩:「それは一般社会の評価基準だぜ、君」
平坂 歩:「私にしてみればその甘さは、手ぬるさとも見えるよ」
ヰ乍 蒼治:「手籠めにしろって言ってるように聞こえるんだけど!」
ヰ乍 蒼治:思わず突っ込みに回る。
平坂 歩:「そう言ったつもりだよ、私は」
平坂 歩:「……まさか君」
ヰ乍 蒼治:「な、何スか……?」
平坂 歩:「まだ自分が健全な少年少女の青春が如き、甘酸っぱい恋愛を楽しめるとでも思ってるのかい?」
ヰ乍 蒼治:「…………」
ヰ乍 蒼治:……歩さんと、ユーちゃんとの生活を思い起こした。
平坂 歩:「君は何を決意したんだい、ヰ乍 蒼治」
平坂 歩:「もう十年以上も、誰も玉座に辿り着いていないこの街で」
平坂 歩:「ただひとりの王を目指すからには、相応の道を歩むべきだろう」
平坂 歩:「……それこそ、使えるものは全て使う気概を見せておくれよ」
ヰ乍 蒼治:「歩さんのことも?」ため息をついて、彼女の腰かけるベッドに座る。
平坂 歩:「当然。改めて言わなきゃだめかい?」
平坂 歩:「……そして、これは何回目の指摘かなぁ」
平坂 歩:「君は都合が悪くなると、上手く話題をすり替えて逃げようとする悪癖がある……ってね」
ヰ乍 蒼治:「バレてたか。でも、今回は違うよ」苦笑い。
ヰ乍 蒼治:「……全部を蹂躙して、自分のものにするなんて。それって、”ふつう”じゃない?」
平坂 歩:「〝違う〟と言った君の発言に対し、〝違う〟を重ねさせてもらおうかなぁ」
ヰ乍 蒼治:「そうかな。そんなものが、歩さんの言う相応の道に相応しいのかなって」
ヰ乍 蒼治:「おれはまだ諦めてないんだ。アンタを惚れさせることも、全部を手に入れることも」
ヰ乍 蒼治:「たぶん歩さんがそう思っちゃうのは、おれが年甲斐もなく大きいものを見過ぎちゃってるせいかも」
ヰ乍 蒼治:「歩さんのことも、ヘイズのことも、オレには一緒なんだ。オレにはアンタがこの街そのものに見えてるんだ」
平坂 歩:「……ならば今、この街は君を拒むだろう」
平坂 歩:「全く、私の首に手をかけた時の君はどこへ消えたんだい……?」
平坂 歩:「あの夜には、君はきっと、あらゆる術を用いてでも王になると誓ったのだ……と思ったけれど」
ヰ乍 蒼治:「……ワイアットを見て、思ったんだよ」
ヰ乍 蒼治:「アイツはきっと、平坂さんの首をへし折って、そのまま何度も殺し続けちゃった時のおれだって」
平坂 歩:「なるほど。逸脱の先駆者を見て怖くなったって訳かい」
ヰ乍 蒼治:「うん」あっさりと認める。
ヰ乍 蒼治:「怖いよ。凄く怖い。自分の未来よりも、何百倍も……みんなを失う方が怖いよ」
ヰ乍 蒼治:「だから、無理矢理には誘わないんだ。ユキちゃんのこと。ごめんね、歩さん」
平坂 歩:「……ふぅ」
平坂 歩:「そうかい。そうかい」
平坂 歩:「私の一世一代の賭けは……こういう結果になったかぁ」
ヰ乍 蒼治:「……歩さんはさ」ちょっと悪戯っぽく笑う。
ヰ乍 蒼治:「オレがハズレのカードだったら、やっぱり鞍替えしちゃうんだろ?」
平坂 歩:「ああ。……けれど、ベットできるコインは減ったからねぇ」
平坂 歩:「そうだな、うん」
平坂 歩:「決めたよ、今決めた。決断はもう少し先延ばしにしようと思っていたけれど」
平坂 歩:「ねえ、君」
ヰ乍 蒼治:「ん」
平坂 歩:「私は今、25歳だ。知ってるだろ?」
ヰ乍 蒼治:「……うん」
平坂 歩:「30歳の誕生日の前日、死ぬことにしたよ」
ヰ乍 蒼治:沈黙が降りた。
ヰ乍 蒼治:「……」
ヰ乍 蒼治:驚愕で声が出ていない。そういう仕草をするのだと、平坂歩はきっと知っている。
平坂 歩:「私はね、30歳になった私を想像したくないんだ」
平坂 歩:「歳を重ねて、身体が衰えたかわりに人格が老成して、経験も積んで」
平坂 歩:「人として成長してしまった自分が存在するだなんて、そんなの私は耐えられない」
平坂 歩:「だから、君が王になった暁にはね」
平坂 歩:「永遠に若く愚かな私で居られるようにと願っていたんだよ」
平坂 歩:「……だから、君。どうかお願いだ」
平坂 歩:「私が私の成長に耐えられなくなる前に、どうか王になってくれ」
平坂 歩:「そうでなきゃ私はやつあたりをするよ」
ヰ乍 蒼治:「……やつあたりだって、言うのかよ」かすれた声。
平坂 歩:「ああ。君は一生引きずってくれるだろ」
平坂 歩:「私が死んだ後、どんな女の肌を見ても」
平坂 歩:「きっと私の亡骸を思い浮かべて、吐き気を催してくれる筈だと信じてるよ」
平坂 歩:「……これでも私は、君を信頼してるんだぜ」
平坂 歩:「それとも、ねぇ」
平坂 歩:「本気で惚れさせてみるかい? なぁに、簡単なことさ」
平坂 歩:「女が惚れた男に対してそうするように、自分を変化させていけばいい」
平坂 歩:「私好みの強引な男になって、私に死ぬなと命令してくれれば……」
平坂 歩:「もしかしたら私は、白髪になるまで生きながらえるかもねえ」
ヰ乍 蒼治:涙が溢れてきた。空色の瞳が、どこまでも曇るような。
平坂 歩:「……ははっ、あははっ、あはははははははっ!」
ヰ乍 蒼治:「アンタが、大切なんだ。くそっ、解ってるだろ……畜生」
ヰ乍 蒼治:彼女の細い首に、手を伸ばした。震えていた。
平坂 歩:「殺すのかい。どうせならもう何時間か待って欲しいな」
ヰ乍 蒼治:「……」触れたまま、力を籠められることはない。項垂れる。
ヰ乍 蒼治:何百倍も、みんなを失うことのほうが怖いよ。
平坂 歩:「ふふ、ふ……そう肩を落とすなよ。悪い女に引っかかっただけさ」
ヰ乍 蒼治:そうならないように願った行動の結果を、彼女は今、命と言うカードに掛けて突き付けてきた。
ヰ乍 蒼治:悪いひとだと、そう思った。
ヰ乍 蒼治:「……よ~く解った」
ヰ乍 蒼治:「アンタは」
ヰ乍 蒼治:「普通になるのが、嫌いなんだ……」ぽつりと零す。
平坂 歩:「そうだよ。やっと私をわかってくれた」
ヰ乍 蒼治:「だから、自分も、自分の名前も、嫌いなんだ。全部壊してっておれに頼んだんだ」
ヰ乍 蒼治:「……じゃあ、そんなアンタを好きなオレは、普通じゃなくなるしかないのか」
平坂 歩:「どうかな。私は私のことが大好きだと自認しているよ。ただ」
平坂 歩:「私が好きな私は、私にとって価値のある私なんだ」
平坂 歩:「その価値の基準がきっと、普通とは違う。そういうことなんだろう」
平坂 歩:「……なぁに、君。何も私は、ワイアットになれと言ってるわけじゃない」
平坂 歩:「君は周囲に幸せな夢を与えてやればいい。その代わり──」
平坂 歩:「君に夢を見た者から、徴税を忘れなければいいんだ」
平坂 歩:「……由紀ちゃんを幸せにしてやりなよ、蒼治くん」
平坂 歩:「女の子のかわいがり方なら、練習台くらいにはなるからさぁ……」
ヰ乍 蒼治:「だから歩さんは、この街に来たの」顔を上げる。歩さんの目を見る。
ヰ乍 蒼治:「ばか!」
ヰ乍 蒼治:「……くそ。こういうのが駄目なのかな……でも、練習台なんて言って欲しくないって」
ヰ乍 蒼治:腕で涙を拭う。
平坂 歩:「タイムリミットは5年未満だ」
ヰ乍 蒼治:ずっと一緒にいたいのに。
平坂 歩:「UGNもFHも、様々な組織が10年以上を費やして為し得なかった王権統一」
平坂 歩:「君の王道はどこまで期間を縮められるかな……?」
平坂 歩:《ディメンジョンゲート》
ヰ乍 蒼治:10年だって、彼女と一緒に居るのは短すぎるのに。
平坂 歩:空間が口を開く。その向こうには暗闇が広がっている。
平坂 歩:そこへ、小さく跳ねるように飛び込んで、
平坂 歩:「上手く彼女を口説いておいで」
平坂 歩:「成功したらたくさん、君の好きなやり方で愛してあげる」
平坂 歩:「……愛されてあげる、の方が正しいかな?」
ヰ乍 蒼治:「……クソ女」手を伸ばす。
平坂 歩:あははははははははっ
平坂 歩:笑い声が、その手から逃れるようにゲートへ消えた。
ヰ乍 蒼治:糸が切れたようにベッドに放り出される。
ヰ乍 蒼治:笑い声が頭の中でさざめいて離れなかった。
ヰ乍 蒼治:彼女の残り香は、霧のように不確かだった。何もかもが、霞んで見える。
ヰ乍 蒼治:「……何でオレは、アンタのこと……こんなに好きなんだよ」
ヰ乍 蒼治:刺青と指輪が光る左手を天井に翳した。
ヰ乍 蒼治:『――女が惚れた男に対してそうするように、自分を変化させていけばいい』
ヰ乍 蒼治:(オレが、指輪の力で、彼女の人格を変えることはないと……そう歩さんは信じている)
ヰ乍 蒼治:(その通りだ。オレはきっと、全てを失っても、それだけはしない)
ヰ乍 蒼治:「だったら、オレは」
ヰ乍 蒼治:「変えさせてやる。アンタを……」
ヰ乍 蒼治:指輪を握り締める。
ヰ乍 蒼治:「オレを選んだことを、後悔しろ。平坂歩」
ヰ乍 蒼治:「オレがオレのまま、王になるその日まで」
ヰ乍 蒼治:霧も夜も、何も答えない。
GM:ロイス取得可能!
叢雲由紀:マリーさん……はもう持ってた
マリー・オリヴィエ:被害者:叢雲由紀/P庇護〇:N罪悪感 感情をP慕情〇:N脅威に変更
叢雲由紀:想われて脅威になってる
叢雲由紀:購入はリアクティブアーマーかなぁ
マリー・オリヴィエ:ロイスだけじゃない?
叢雲由紀:あ、ほんとだ
叢雲由紀:いじょう!
GM:蒼治くんも良いかな
ヰ乍 蒼治:平坂歩 ○P:純愛/N:クソ女でロイス取得。
ヰ乍 蒼治:以上です・・・・・・・・・・・・・・
平坂 歩:ふふふ……私を固定ロイスにしないから苦しむのさ……
クライマックス
GM:全員登場!
マリー・オリヴィエ:マリー・オリヴィエの侵蝕率を1d10(→ 6)増加 (79 → 85)
叢雲由紀:叢雲 由紀の侵蝕率を1d10(→ 6)増加 (88 → 94)
ヰ乍 蒼治:ヰ乍 蒼治の侵蝕率を1d10(→ 4)増加 (79 → 83)
GM:【添伏通北端、ホテル『ドリームイン』】
GM:霧が立ちこめている。
GM:この夜は随分と……そう、霧が色濃い。
GM:普段が、視界の色合いを僅かに褪せさせる程度の白だとすれば、
GM:今宵の霧は明確な明るさすら伴って街を満たす濃霧である。
GM:……とは言え、この肉の洞窟のなかにあっては、
GM:霧も、月も、何も見えない。
マリー・オリヴィエ:「……」かつて隣に居た男の、見慣れた臓をしばし眺めて。
マリー・オリヴィエ:仇敵から受け取った毒の小瓶を一息に呷る。
ヰ乍 蒼治:「マリーさん、いける?」いつも通りの陽気な態度だ。だが、ほんの少しだけ、表情に陰りの色が見える。
叢雲由紀:「……」蒼治の横で、緊張した面持ちでマリーの方を見ている
叢雲由紀:服装は初めてこの街に入った時と同じ……ではないが、それを意識した格好
叢雲由紀:この街と、王にまつわる事に関わると決めた覚悟の印のつもりだ。
マリー・オリヴィエ:「ずっと続けてきた事だ」
マリー・オリヴィエ:「今夜もあいつを殺す。何も変わることは……無い」
GM:いいや。
GM:ひとつ、明確に変わることがある。
GM:昨日まであなたは、ひとりで戦っていた。
GM:だから──仮にこの薬があったとしても、ワイアットを殺せたとしても、
GM:〝その先〟を潜り抜けることは叶わなかったろう。
GM:今は違う。
GM:どこまでを望んだものかは知らないが、
GM:奇しくもあなたはいつかのように、誰かと肩を並べて、ここに立っている。
GM:……毒が回り始める。
GM:それは体内を巡る血液の全てを侵し、犯して、変えていく。
マリー・オリヴィエ:共に立つ人たちの優しさを、懐かしい彼との思い出が胸に去来して。
マリー・オリヴィエ:忌まわしき贈り物が身体を巡る悍ましさと、罪悪感が心を苛む。
ヰ乍 蒼治:「……違うよ。ユキちゃんが居て、オレが居る」
ヰ乍 蒼治:「絶対助けるから。しんどい役目で、ごめん」
GM:氷水が血管を流れているような寒気が、痛みがある。なのに。
GM:身体は熱を持つのだ。
GM:……その身から流れる汗は、いやに甘ったるい香りを放ち、
GM:それは周囲の肉壁に、〝ここに雌がいる〟と知らしめる。
GM:しかも──〝彼〟が待ち望んだ雌が、だ。
GM:ず ぞ ぞぞっ
マリー・オリヴィエ:「……馬鹿を、言うな」荒い息を、口を緩めて漏らす。
GM:四方八方の肉壁から触手が伸びる──マリー・オリヴィエの四肢へ向けて。
マリー・オリヴィエ:「巻き込んだから……辛いんだよ」
叢雲由紀:「……!」
GM:それは彼女の肢体へと絡みつくだろう。……そして、その言葉を置き去りにするように、
GM:肉の壁の中へ引きずり込む。
GM:ぐぼんっ……。
ヰ乍 蒼治:「マリーさん……!」
GM:……少しの時間が流れた。
GM:変異は、突然であった。
GM:マリー・オリヴィエが呑み込まれた肉壁が突如、ぼこぼこと粟立つように蠢いた。
GM:その顫動は周囲に伝播し、やがては壁も天井も床も、全てを揺さぶるものへと変わる。
GM:ぐばぁっ
GM:肉壁が開き、取り込んだ異物を──彼女を吐き捨てる。
マリー・オリヴィエ:「……ぁっ、が……は……」
叢雲由紀:「マリーさんっ!!」上手くいった事に安堵しつつも、安堵している場合ではないと駆け寄る
ヰ乍 蒼治:「ユキちゃん、マリーさんの防御頼む!来るぞ!」手を銃の形に構える。コインが弾丸のように旋回し始める。
マリー・オリヴィエ:びくびくと全身を引き攣らせ、排出されたままの姿勢で地べたに倒れ伏す。
マリー・オリヴィエ:身体の外も中もぐちゃぐちゃで、それを取り繕う余裕もない。
ヰ乍 蒼治:「……!」貨幣の銃をワイアットの方に向けながら、マリーさんの方へ走る。触れた。
叢雲由紀:「はい! 防御はお任せください!」
ヰ乍 蒼治:生命付与の能力。レネゲイドの抵抗力の強い相手にとっても、僅かだが、対象に活力をもたらす。
GM:……遠くで悲鳴が聞こえた。苦痛に歪んだ男の叫び声。
GM:それは呻き声に変わりながら、だんだんと近づいてくる。
ヰ乍 蒼治:「嚙み切ってやった?」軽口を叩きつつ、マリーさんを助け起こす。
マリー・オリヴィエ:「ぅ、ぁ……」毒に侵された頭、得体の知れぬ体液にまみれた呆けた顔で仰ぎ見る。
マリー・オリヴィエ:その身に新たに注ぎ込まれた熱が、深く染み入る。
ヰ乍 蒼治:「……ありがとう。今はとにかく、無事で嬉しい。肩貸すよ」
マリー・オリヴィエ:(……まったく、どれが一番暴力的だか)
マリー・オリヴィエ:ぐ、と男の肩を押す。力強く。そのまま立ち上がる。
ヰ乍 蒼治:「わ」よろめく。
マリー・オリヴィエ:「……その必要は、ない」
叢雲由紀:「マリーさん……」
GM:べちゃ べちゃ べちゃ べちゃ
マリー・オリヴィエ:「ここからが本番だ、今はまだ……」
GM:ぐちゃ ぐちゃ ぐちゃ ぐちゃ
GM:足音──
ワイアット:「ぎ、が、がはっ、あが──っぐ、ぐぉおおおおおぉっ……!」
ワイアット:どす黒い血を吐きながら、男が、肉洞の奥からよろめき出た。
マリー・オリヴィエ:僅かに口をもごもごとさせて。熱が赤く染めた頬。
ワイアット:ひとりだ──一体だけだ。
ワイアット:複数体、蠢いているでもない。
マリー・オリヴィエ:「……ありがとう」不躾な礼にさえ時間が掛って、言えたのはワイアットが現れてからのこと。
ワイアット:「げは、ぁっ……!」膝を折り、また血を吐く。それから視線をあなた達へと向けて。
ヰ乍 蒼治:「……お礼なんて、いいよ。今から……アンタの大事なひと、やっちゃうんだからさ」
ワイアット:「マリー……お前……」
ワイアット:「何を……俺に喰わせた……?」
マリー・オリヴィエ:「馬鹿を……私の罪で、私の刑だ」
マリー・オリヴィエ:「堕胎薬……と言うそうだぞ」
ワイアット:「罪だと、っぐ、が……っ!」
ワイアット:「か、そうか……〝赤子〟か、かかっ……!」
ワイアット:血を、吐く。
ワイアット:……血が、固まる。
ワイアット:それは大型の、本来なら人間が片手では扱える筈のないような
ワイアット:馬鹿げて巨大な拳銃の形となって、ワイアット・クロフォードの両手に収まる。
マリー・オリヴィエ:「もう終わりだよ。私たちは此処で終わる」
マリー・オリヴィエ:「後に続くものは、ない。おしまいだ」
ヰ乍 蒼治:……目は背けない。まるでその罪を共に背負うかのように、ワイアットを見た。
ヰ乍 蒼治:「……」
叢雲由紀:正面からワイアットを見据える、その姿を忘れないように。
叢雲由紀:(……)
叢雲由紀:ちらと、蒼治の方を見て
叢雲由紀:「ワイアットさん、私がこの夜に招かれるきっかけになった人……終わりにしましょう」
ワイアット:「女だ」
ワイアット:歪な笑みを浮かべて、男が言う。
ワイアット:「女がいれば、俺はいくらでも」
ワイアット:「いくらでも強くなれる、だから」
ワイアット:……矛盾。
ワイアット:もはや彼は、気付かない。
ワイアット:「全ての女は、俺が守ってやる」
ワイアット:「俺の糧になれ、女ァ!」
GM:……これは、王の形のひとつ。
GM:暴君、狂王。或いは、不名誉な名を関するならば失地王。
GM:王権保持者〝人飼い馬主、ワイアット〟。
GM:その暴虐なる怒りは空間ごと、あなた達のレネゲイドを揺さぶり喚起する──
GM:衝動判定。難易度は9!
叢雲由紀:盾の効果発動
マリー・オリヴィエ:3dx>=9
DoubleCross : (3DX10>=9) → 10[3,6,10]+7[7] → 17 → 成功
叢雲由紀:叢雲 由紀の侵蝕率を1増加 (94 → 95)
ヰ乍 蒼治:3dx>=9
DoubleCross : (3DX10>=9) → 3[1,2,3] → 3 → 失敗
マリー・オリヴィエ:王狩りマインド
マリー・オリヴィエ:マリー・オリヴィエの侵蝕率を2d10(→ 15)増加 (85 → 100)
ヰ乍 蒼治:やべっ
叢雲由紀:3dx+4>=9
DoubleCross : (3DX10+4>=9) → 8[2,3,8]+4 → 12 → 成功
叢雲由紀:ひやひやするな
叢雲由紀:2d10
DoubleCross : (2D10) → 10[1,9] → 10
GM:意志つよつよガールズ
叢雲由紀:叢雲 由紀の侵蝕率を10増加 (95 → 105)
ヰ乍 蒼治:2d10
DoubleCross : (2D10) → 9[3,6] → 9
ヰ乍 蒼治:83→92
GM:勝利条件──王権保持者〝人飼い馬主、ワイアット〟の撃破。
エンゲージ
ワイアット[7]
10m
ヰ乍 蒼治[9]
マリー・オリヴィエ[5]
叢雲 由紀[5]
ラウンド1
GM:セットアップ!
マリー・オリヴィエ:EXパスファインダーの効果発動、ラウンド中行動値+7。侵食率103
マリー・オリヴィエ:行動値12
ヰ乍 蒼治:ナス
ワイアット:《フルインストール》+《加速装置》
ワイアット:このラウンドは行動値を8増やしつつ、あらゆる判定のダイスが+12される
ワイアット:むろんドッジダイスもだ!
ヰ乍 蒼治:シャコシャコ動きやがってよこのヤロ~~~
叢雲由紀:▼『望鏡/追葬』《活性の霧》 対象の攻撃力+15 回避-2個 拒否可能
叢雲由紀:対象は……自分でやりますね
GM:よろし。ではそのままイニシアチブからの行動値順に手番だ
GM:このラウンド中は行動値20のワイアットが動く!
ワイアット:動く! とりあえずイニシアチブのうちにオートアクション
ワイアット:リニアキャノンとインプラントミサイルを装備するぜ
ワイアット:マイナーは無し。そしてメジャーアクション
ワイアット:《マルチウェポン》+《コントロールソート》+《コンセントレイト:ノイマン》
ワイアット:使用武器はリニアキャノン&インプラントミサイル。ドッジダイスをマイナス2する範囲選択攻撃!
ワイアット:もちろんPC3人全部対象!
ヰ乍 蒼治:オエ~~~ッ
ヰ乍 蒼治:暴走リア不!
ワイアット:もちろんフルインストールがバリバリ利いているので
ワイアット:20dx7+5 命中判定!
DoubleCross : (20DX7+5) → 10[1,1,1,1,2,3,3,3,3,3,3,4,5,5,7,7,8,10,10,10]+10[1,3,3,6,6,9]+4[4]+5 → 29
マリー・オリヴィエ:ガード
叢雲由紀:▼『回虚/欠晶』《砂の結界》
叢雲由紀:自分はガードでマリーさんを庇います
マリー・オリヴィエ:ユキ……
ヰ乍 蒼治:ナイッシュー!
GM:ほほう、やるね
ワイアット:3dx+20 装甲ガード有効ダメージ!
DoubleCross : (3DX10+20) → 9[3,3,9]+20 → 29
GM:ごめん間違えたね!
ワイアット:3d10+20
DoubleCross : (3D10+20) → 24[4,10,10]+20 → 44
GM:なぜ???
ヰ乍 蒼治:装甲差し引いても余裕で消し飛ぶ!リザ!
ヰ乍 蒼治:92+1d10
DoubleCross : (92+1D10) → 92+8[8] → 100
GM:演出は後で並び替えるから並行!
ヰ乍 蒼治:君復活本当上手
ワイアット:「ぉおおおおっ!」
叢雲由紀:ダメージの瞬間に戦闘用着ぐるみを着て装甲12 G値8
ワイアット:言葉ではない。どす黒い血を吐き散らしながら、手元の拳銃を──天井へ向けた。
ワイアット:射撃!
ワイアット:その銃弾は肉天井にあたり、天井を走り──
ワイアット:あなた達の頭上へ到達した瞬間、破裂して破片を撒き散らす!
ヰ乍 蒼治:(跳弾――いや、散弾もか!)
ワイアット:破片ひとつひとつがアンチレネゲイドシェルの、さながら銃弾のスプリンクラー!
叢雲由紀:(速いっ!)
マリー・オリヴィエ:「相も変わらず……くっ」多少マシになったとはいえ、頭が鈍ければ身体も重い。
マリー・オリヴィエ:その身を風に変えて駆けだそうとしたものの、足が挫けて動きが止まる。
ヰ乍 蒼治:「アンタの相棒、容赦ないんだけど!ぐはっ」シェルに臓腑を抉られ、蜂の巣にされる。
叢雲由紀:「マリーさんっ!!」決断に逡巡は必要なかった
ヰ乍 蒼治:「……ユッキー!頼む!」
叢雲由紀:六晶の盾を携えて、マリーの前に立ち
叢雲由紀:結晶の防壁を展開、強引に攻撃をせき止めようとするが
叢雲由紀:ピシリ
叢雲由紀:蜘蛛の巣状のひびが、結晶に入り
叢雲由紀:パキン
マリー・オリヴィエ:「……ッ!」
叢雲由紀:粉々に、砕け散る……が、それでもなお
叢雲由紀:飛び散った破片はマリーを守り、彼女に傷を付けさせない
マリー・オリヴィエ:「……ユキ」
ワイアット:「か──ハハハァッ!」
叢雲由紀:「ガッ……!!」胸の奥で、力の源にしていた記憶が褪せて、砕ける
叢雲由紀:20が倍なんでダウン、両親のロイス切って立ち上がります。
ワイアット:盾が砕ける。その瞬間を銃士の目は見逃さない。
マリー・オリヴィエ:また、彼女に身を切らせてしまった。
マリー・オリヴィエ:「必ず、お礼はするよ。約束だ」
ワイアット:体勢を崩した守り手へ致命の一撃を叩き込まんと、左右の銃口を──
叢雲由紀:生まれてから過ごした家と、家族の思い出が、もう同じ感情では見れなくなる
ヰ乍 蒼治:(また)
ヰ乍 蒼治:(また、過去を使ったのか。あの子)
叢雲由紀:「お礼……はい、楽しみにしてます、ね」
GM:手番、行動値12、マリーさん!
マリー・オリヴィエ:マイナーで戦闘移動、ワイアットのエンゲージに突入
マリー・オリヴィエ:メジャーでコンボ【王狩りの烏】《コンセントレイト:ハヌマーン》《音速攻撃》《援護の風》《ジャイアントグロウス》フォールンアックスでワイアットに白兵攻撃。
マリー・オリヴィエ:15dx7+1
DoubleCross : (15DX7+1) → 10[1,2,4,4,5,6,6,6,7,7,8,8,9,9,9]+10[1,3,9,9,10,10,10]+10[5,5,6,10,10]+5[3,5]+1 → 36
ワイアット:こいよ! ドッジダイスは潤沢だぜ!
ワイアット:17dx
DoubleCross : (17DX10) → 9[1,1,3,3,3,4,4,5,5,5,6,6,7,7,7,8,9] → 9
ヰ乍 蒼治:ここに
ヰ乍 蒼治:『嵐死/風姿』
ヰ乍 蒼治:≪妖精の手≫。
GM:NTRラブラブなんとか拳じゃん
ヰ乍 蒼治:最後の5を10に変換、41から再回転どうぞ。
マリー・オリヴィエ:1dx7+41
DoubleCross : (1DX7+41) → 10[10]+5[5]+41 → 56
ヰ乍 蒼治:やったね!
叢雲由紀:あ、さらに
マリー・オリヴィエ:絆、見せつけちゃったね
叢雲由紀:『奇憶/記石』フォールンサラマンダー +2d10
ヰ乍 蒼治:110→114→118
GM:まって殺意が高い
マリー・オリヴィエ:10+6d10+2d10+2d10
DoubleCross : (10+6D10+2D10+2D10) → 10+29[10,7,1,6,3,2]+7[5,2]+14[6,8] → 60
マリー・オリヴィエ:フォールンアックスの効果発動。侵食率を+2し、ダメージダイスを3個まで振り直す。
ワイアット:生きては……いるけど……!
ワイアット:ゲーッ!!!
ヰ乍 蒼治:無法フォールン拳
マリー・オリヴィエ:1と2と2を振り直す
マリー・オリヴィエ:3d10+55
DoubleCross : (3D10+55) → 18[10,1,7]+55 → 73
ヰ乍 蒼治:やったぜ。
GM:手番、行動値9、ヰ乍 蒼治!
叢雲由紀:吹き飛ばされた体を、結晶が覆い
叢雲由紀:無理やり、立ち上がる
ヰ乍 蒼治:『論裏/空葬』:援護の風+ダンシングシミター+C:オルクス+虚構のナイフ
ヰ乍 蒼治:対象はもちろんワイアット!
ヰ乍 蒼治:何もなければ判定行きます。
ワイアット:妨害とかは……ない!
ヰ乍 蒼治:12dx7+2
DoubleCross : (12DX7+2) → 10[1,1,2,2,3,3,4,5,5,6,8,8]+6[4,6]+2 → 18
ヰ乍 蒼治:ちょっとお!?
GM:……数値は間違っていないらしい
ワイアット:ドッジ! フルインストールが猛威を振るう!
ヰ乍 蒼治:『在意/空ヰ』:妖精の手!
ワイアット:あってめぇこらチャラ男!
ヰ乍 蒼治:6を10に変更して再回転。
ヰ乍 蒼治:1dx7+22
DoubleCross : (1DX7+22) → 10[7]+6[6]+22 → 38
ヰ乍 蒼治:しゃい!
ヰ乍 蒼治:避けれるもんなら避けてみやがれ~~ッ
ワイアット:ドッジ!
ワイアット:17dx
DoubleCross : (17DX10) → 10[1,1,1,2,3,3,3,3,4,4,5,5,7,8,9,10,10]+9[2,9] → 19
ワイアット:……妖精さえいなければぁ!
ヰ乍 蒼治:コワ~~
ヰ乍 蒼治:行くぞオラ~~ッ
ヰ乍 蒼治:4d10+24
DoubleCross : (4D10+24) → 21[10,1,9,1]+24 → 45
ヰ乍 蒼治:そこそこまあまあ!
ワイアット:ぎ、ギリギリ……ギリギリすぎる……
ワイアット:妖怪1ドット残しなレベルでギリギリ……生きてる……
マリー・オリヴィエ:マリー・オリヴィエの侵蝕率を13増加 (103 → 116)
ヰ乍 蒼治:「……”それ”は」再び。向かい合うように、硬貨の銃を構える。「その王冠は、歪んでる」
マリー・オリヴィエ:さて、根気の振り絞りどころだ。笑う膝に鞭を打ち、しかと両足で立ち上がる。
ヰ乍 蒼治:硬貨が寄り集まり、膨張し、変形した。ぼぐ、ぼぐりと――巨大な影へと変貌していく。
マリー・オリヴィエ:全身、夜の霧とは異なるものに侵されて。私の事情に人を巻き込んで。酷く憂鬱だが。
マリー・オリヴィエ:「すまないが……私もまだ終わってやれなくなった」
ヰ乍 蒼治:現れたのは、輝く刃、見えざる糸、そして、霧よりも捉えようがない造形の鎌。
叢雲由紀:(これって、先輩の……)その光景に、目を見開く
ヰ乍 蒼治:「うん。力を貸すよ」そっと、手をマリーの背中に沿える。
マリー・オリヴィエ:隣に立つこちらが掲げるのは、ただ一つの斧。鋭く厚く、力強く。
ワイアット:「げはっ、がは……てめっ、ごほ……てめぇええぇっ!」
ヰ乍 蒼治:「悪いな、ワイアット!」
ヰ乍 蒼治:「この女は――」露悪的に、唇を吊り上げる。「もう、オレのだ!」そして、マリーを抱き寄せ――
ヰ乍 蒼治:(今)
ヰ乍 蒼治:囁く。
マリー・オリヴィエ:ぶうんと斧を回す。分け与えられた熱の分だけ、これまでよりも力強く。
マリー・オリヴィエ:きっと今までで一番、力強く。嵐を呼び起こす。
マリー・オリヴィエ:「覚えていろよ、"王様"」
ヰ乍 蒼治:風の姿へ飾るように、彼の騎士たちの獲物を、死の嵐に乗せる。≪妖精の手≫。
ワイアット:戦いの中にあり、戦術より私情と怒りを優先した銃口が──
ヰ乍 蒼治:「解ってるさ、オレの騎士」
ワイアット:ヰ乍 蒼治へ向けられて
ヰ乍 蒼治:玉座を狙う銃口を、振り下ろす。
叢雲由紀:「マリーさん、先輩……力を!」結晶の破片が、嵐の中にさらなる輝きを纏わせる
ワイアット:引き金を引こうとする指
ワイアット:それよりも
GM:早く。
マリー・オリヴィエ:男を狙う腕が、分厚い刃に斬り飛ばされる。
マリー・オリヴィエ:暴風がまばゆく輝く夢の欠片を運び、雨あられと男に降り注ぐ。
マリー・オリヴィエ:男というのも前者はイサ、後者はワイアット。
マリー・オリヴィエ:「こうなってしまったよ。夢にも見はしなかった」
マリー・オリヴィエ:すれ違いざまに言葉を残して、血を払う。
ワイアット:「ぎ、ぁあ、あ、あ、あ、あ、あ、ああ」
ワイアット:左腕が落ちた。
ワイアット:それはもう再生を始めることもないし、それを補うように別な個体が現れることもない。
ワイアット:ただ周囲の肉壁だけが、新たなワイアットを産み落とそうと足掻いて
ワイアット:結果的に、なんの形も為していない肉の塊を吐き出している。
ワイアット:変わってしまったのだ。
ワイアット:それを、更に強く示すように──
叢雲由紀:「……」その光景から、目を逸らさない___かつてあった姿を、記憶に焼き付ける。
GM:イニシアチブ
ワイアット:《さらなる絶望》&《永劫の奴隷》
ワイアット:ワイアットと同一エンゲージにエネミーを召喚する
ワイアット:このエネミーは召喚されたラウンドに限り……戦闘不能でもHP0のまま行動できる!
ヰ乍 蒼治:ゲ~~ッ
エンゲージ
ワイアット[20]
マリー・オリヴィエ[12]
ワイアットの名馬[5]
10m
ヰ乍 蒼治[9]
叢雲 由紀[5]
GM:……不意に。
GM:肉の壁が口を開き、中から女がひとり……
GM:ひとり?
GM:わからない。少なくとも、ひとつの身体に纏まった女が吐き出された。
叢雲由紀:「何でしょう……?」
ヰ乍 蒼治:(やばい)
GM:奇妙なのは、腕が2よりは明らかに多い奇数本ある事と、脚も同様なこと。
GM:奇数と奇数で、合計すると左右のバランスが取れている。
GM:その、多すぎる手足で這うように動く、俊敏な人体──
ワイアット:「ハッ!」
ワイアット:片腕を失った男は、その背に跳び乗った。
ヰ乍 蒼治:(マリーさんは毒と大技で浸食が限界だ。位置関係が特に不味い――アイツ、マリーさんのすぐ傍に!)
マリー・オリヴィエ:「……厭なものを見せつけてくれる」
GM:それは、肉牢の中で変わり果てた、異形と成り果てた女。
ワイアット:「マリー……お前も……」
ワイアット:「俺が乗りこなしてやる……!」
ヰ乍 蒼治:女を馬として扱っている。保安官のように。
GM:手番、行動値5、叢雲由紀!
叢雲由紀:はーい
叢雲由紀:マイナーアクション、先輩を見つめます
叢雲由紀:アホな事言ってないでメジャーアクション
叢雲由紀:▼『噪記/混証』《コンセントレイト:モルフェウス》《カスタマイズ》六晶盾で射撃攻撃 射程20m
叢雲由紀:対象はワイアット本体の方
ワイアット:くく……来いやぁ!
叢雲由紀:3祖父/P尊敬〇:N隔意 のロイス切ってC値下げます
叢雲由紀:さらに盾効果起動、判定へ
GM:攻めるわねこの子……
叢雲由紀:9dx6+2
DoubleCross : (9DX6+2) → 10[2,2,3,6,7,8,8,9,10]+10[2,4,4,6,9,9]+10[2,4,7]+2[2]+2 → 34
叢雲由紀:▼『追澳/斜晶』《剣精の手》
ワイアット:できるのはドッジだけ……!
叢雲由紀:叢雲 由紀の侵蝕率を7増加 (105 → 112)
叢雲由紀:1dx6+42
DoubleCross : (1DX6+42) → 10[8]+10[8]+5[5]+42 → 67
ワイアット:ウギャアァーッ!
ヰ乍 蒼治:『蒼記/魂証』≪妖精の手≫
叢雲由紀:1dx6+72
DoubleCross : (1DX6+72) → 1[1]+72 → 0 (ファンブル)
ヰ乍 蒼治:最後の一発。5の目を10に変更、72から再回転
ヰ乍 蒼治:だが1d10は上げた!
叢雲由紀:こういう日もある、ともあれ72!
GM:ひえええ
ワイアット:ま、まだチャンスは……
ワイアット:17dx ドッジ
DoubleCross : (17DX10) → 10[1,1,2,4,4,5,5,7,7,7,7,8,8,8,9,9,10]+3[3] → 13
ヰ乍 蒼治:っしゃあ!
ワイアット:頑張りはしたよ、俺
GM:ダメージかもん!
ヰ乍 蒼治:ワイアット…お前はよくやった
叢雲由紀:8d10+6+15
DoubleCross : (8D10+6+15) → 41[7,7,4,9,1,5,7,1]+6+15 → 62
叢雲由紀:諸々有効
ワイアット:これは……死ぬ! そして
ワイアット:《蘇生復活》 HP1で復活し……《さらなる絶望》!
ヰ乍 蒼治:ファックユー!
GM:そしてこれは先に書くが
GM:登場するエネミーは即座に《加速する刻》を使いメインプロセスに入り、
GM:メジャーアクション、Eロイス《餓えの淵》を《餓鬼の晩餐》適用で使用する。
GM:あっと、対象はワイアットだね。
GM:何が起こるかって? つまりだね。
GM:あらたに登場するエネミーはワイアット・クロフォードを体内に取り込み、
GM:あらゆる判定のダイスを+2&最大HP現在HPを+50する。
GM:ということさ。
叢雲由紀:わぁ
GM:だが今はひとまず横に置いといて……演出どうぞだ!
叢雲由紀:「はぁ……はぁ……」息も絶え絶え、戦いなれている他二人についていくのがやっとだ
叢雲由紀:それでも、叢雲由紀は止まらない。
叢雲由紀:六晶盾を翳し、ワイアットへと向ける
叢雲由紀:記憶の中、カメラマンであった自分に写真を教えてくれた祖父の思い出を思い起こしながら、心を注ぐ。
ワイアット:そこにいるのは、
ワイアット:異形と化した女の背に乗る、イカレた男の姿だ。
ワイアット:……乗騎の姿は、或いはあなたやその友人が、
ワイアット:そのように造りかえられるかもしれなかった、ひとつの可能性。
ワイアット:そういうものに乗った男が、あなたへの短い距離を詰める──
叢雲由紀:思いは、盾の前に巨大な美しい結晶を生成する。
叢雲由紀:目の前の男と、自分のあるかもしれなかった……可能性の姿を見据えて
ヰ乍 蒼治:「……ちょっとだけ」その肩を、支えるように掴む。
ヰ乍 蒼治:「キミのことが、解った気がした。キミはきっと、心の望んだままに振る舞うことが出来る」
ヰ乍 蒼治:「そう思うから、そうする。それだけのことが、大人になると出来なくなっていくんだ……だからユキちゃんは」
ヰ乍 蒼治:結晶に生命を付与する。失い砕けた記憶の代わりに、彼との思い出が流れ込んでくる。蒼い記憶。
ヰ乍 蒼治:「こんなにきれいな力を手に入れたんだ」
ヰ乍 蒼治:六晶盾は伸長し、巨大な雪晶じみて鋭利な形状を獲得した。
叢雲由紀:「ありがとうございます……この蒼い思い出は、消えてほしくない、ですね」
叢雲由紀:結晶が、青みを帯びる。
マリー・オリヴィエ:ワイアットとそのおぞましい乗騎越しに、美しいものを見る。
叢雲由紀:未熟さを表すような、あるいは命そのものを表すような、形を得る
マリー・オリヴィエ:「……ふ、傲慢を恥じるばかりだな」
叢雲由紀:「だからこそ私は今を、進みます!」盾で結晶を大きく叩き、射出。
叢雲由紀:馬上のワイアットに、結晶が叩きつけられ
ワイアット:「ぐがあぁっ!!?」
叢雲由紀:その肉体すらも取り込みながら、鋭き思い出の刃は男を串刺しにする
叢雲由紀:そして
叢雲由紀:砕け散る
ワイアット:ほんの一時、男の身体は、
ワイアット:まるで永劫の刻を過ごす琥珀のように美しく飾られた。
ワイアット:……そしてすぐに、元の有様になる。
叢雲由紀:「______」ビクリと、体が震える。
ヰ乍 蒼治:(……やっと、解った。オレのやるべきこと)
ワイアット:身体に穿たれた穴はもう、元に戻ることはない。
ヰ乍 蒼治:――『由紀ちゃんを、幸せにしてあげてね』
ワイアット:オーヴァードとしての再生能力は、もう……
叢雲由紀:心に空いた穴は、戻らない。
叢雲由紀:……それでも、目に光を取り戻し、前を向く。
ヰ乍 蒼治:(彼女に、あんな傷を空けさせることが。こんな傷を空けさせることが、幸せなのか。そうじゃない)
ヰ乍 蒼治:(……心のままに振る舞える彼女が、オレの作った世界を見たいと。そう言った)
ヰ乍 蒼治:「……歩さんには、叶わないな」
ヰ乍 蒼治:オートアクション。
ヰ乍 蒼治:≪ヘイズ・ロードの夢鍵≫の効果で、叢雲由紀に対して『契約状態』を要求します。
叢雲由紀:「……先輩?」
ヰ乍 蒼治:「由紀ちゃん」
ヰ乍 蒼治:そっと手を握る。
ヰ乍 蒼治:……”王”は、配下の全てを手に入れる。例えそれが記憶であっても、心であっても。
ヰ乍 蒼治:彼女の記憶を、わずかなりとも繋ぎとめられるだろうか。
GM:GMとして、補足する。
GM:契約状態とは、この『ヘイズ/眠深市』ステージにおける限定ルールだ。
GM:この状態はシーン・セッション間を跨いで維持され、
GM:〝王〟と認めた相手に対し〝自分のロイスをタイタス化・昇華させる〟権利を与える。
GM:……あなたのロイスを利用し、〝王〟が、あなたのエフェクトを行使することも可能だ。
GM:あなたには、利益など無い。
GM:それを踏まえて──
叢雲由紀:「これは……先輩と繋がる力……ですか?」
ヰ乍 蒼治:「そうだ。オレは今から、キミを巻き込もうとしている」
ヰ乍 蒼治:「何一つ、キミに得るものはない。……夢以外は」
叢雲由紀:「……先輩と、肩を並べるにはどうしたら良いんだろうって、思ってたんです」
ヰ乍 蒼治:小さな手を握りながら、その言葉を聞く。
叢雲由紀:「先輩が困ったとき、何かをしたいとき、力になれる場所にいる方法は何かないのかって……変ですよね」
ヰ乍 蒼治:「変じゃないよ」自分にだって、そういう相手がいるから。
ヰ乍 蒼治:「ただ、凄い奴だ、と思う。そう思って、そうしようとできるってこと」
ヰ乍 蒼治:「……ああ、うん。そうだな。そうだ」
ヰ乍 蒼治:「おれだって、キミみたいにすればよかったんだ」
ヰ乍 蒼治:ただ心のままに振る舞う。それこそが、最も無慈悲で、最も雄々しい、王の在り方だ。
ヰ乍 蒼治:「オレを助けてくれ、由紀」
ヰ乍 蒼治:「……うん。キミに、キミだから、助けてほしいんだ」
叢雲由紀:「……はい。胸の中にあった空白が、ようやく、意味を持てそうです」
叢雲由紀:「先輩……力にならせて、くれますか?」
叢雲由紀:契約を受け入れ、手を蒼治へと伸ばす
マリー・オリヴィエ:二人の姿にかつての追憶を重ねかけて、目を閉じる。
マリー・オリヴィエ:それは……失礼が過ぎる。
ヰ乍 蒼治:強く肩を抱き、手をワイアットに翳す。
ヰ乍 蒼治:その手の先には、弱弱しく瞬く結晶が。
ヰ乍 蒼治:「ううん」
ヰ乍 蒼治:「キミはもう、オレの力だ」
叢雲由紀:抱かれるままにされながら、笑みを返す。
ヰ乍 蒼治:「約束する。由紀に、夢を見せてみせるよ」
叢雲由紀:「___嬉しいです、私に、夢……」
叢雲由紀:「私も……約束しますね。最後まで、先輩と共にあります」
叢雲由紀:「先輩の苦しみは私の苦しみで、先輩の苦悩は私の苦悩だから……一緒に、なんとかしたいです」
叢雲由紀:「……重すぎますか、ね」照れくさそうに言って
叢雲由紀:言葉のわりに、嬉しそうに
叢雲由紀:蒼治の頬に、手を添えて
叢雲由紀:___美しいな、と思った。
ヰ乍 蒼治:「王様にはさ。最後の最期まで、書き記してくれる役が必要なんだ」
叢雲由紀:___だから、そのために動く事に、躊躇いは無かった。
ヰ乍 蒼治:「だから……」
叢雲由紀:「____」能力を使い、記憶と心の扉を開き、無防備に笑う。
ヰ乍 蒼治:無防備な額に、小さく口づけた。
ヰ乍 蒼治:「今は、これで」
叢雲由紀:「……はい」
ヰ乍 蒼治:にやりと快活に笑う。そうして立ち上がる。
叢雲由紀:「____続きはいつかに、楽しみにしていますね」目を細め、真っ赤になった顔を隠す事も無く
叢雲由紀:少女は嬉しそうに、未来の話をした。
叢雲由紀:少年の、隣で。
GM:──ぐらり。
GM:あなた達の足下が、ゆれる。
GM:いいや。
GM:床も天井も壁も、何もかもが、揺れていた。揺れはじめた。
GM:それはひとつの塊がまるごと揺さぶられる、地震のようなものとは違い、
GM:あらゆる部位があらゆる方向へ、不規則に蠢いていた。
GM:例えるなら、そう──
GM:臓腑の痙攣。
マリー・オリヴィエ:「崩れる……いや」
マリー・オリヴィエ:「もう一波乱、来るぞ。盛ってないで備えろ」
ワイアット:肉の床に、男の身体が溶けていく。
ワイアット:溶けて、取り込まれて、肉の一部になる。
GM:再構築されることはない。
GM:……そして。
GM:肉壁が、天井が、床が、
GM:急激に収縮してあなた達を圧迫する!
ヰ乍 蒼治:「盛ったって、良いだろ!王様は自由なんだ!」挑むように笑い、咆える。
叢雲由紀:「えっ、さかっ……えっ? あ……で、でも後で続きはしたい……で……いや何を言っているのでしょう私は!」
叢雲由紀:鍵の効果に違いない、おのれ鍵
マリー・オリヴィエ:「んぐっ……やはりお前は狩らねばならないようだな……!」潰されながら闘志を燃やす
GM:鍵にそんな効果はない
GM:じゃなくて
叢雲由紀:「……でも、決まりました、私は先輩のために生きます!」
マリー・オリヴィエ:「ここを切り抜けた上で、だ!」
ヰ乍 蒼治:「上等!マリーさん、由紀!走るよ!」
GM:さながら呼吸の周期のように──収縮が緩む!
叢雲由紀:「はい、蒼治先輩!」
GM:そして、次の瞬間
平坂 歩:『出ろ!』
GM:あなた達の眼前で──空間が裂ける!
ヰ乍 蒼治:「来ると思ってた――歩さんはやっぱ、最高だよ!」
叢雲由紀:「歩さん! ありがとうございます……!」
叢雲由紀:「たしかに、最高……ですね!」
マリー・オリヴィエ:「……背に腹は代えられん、助けろ!」
ヰ乍 蒼治:叢雲由紀の手を握り、そのままゲートへと滑り込む。
マリー・オリヴィエ:殿を務め、背中から門をくぐり抜ける。
叢雲由紀:ヰ乍蒼治の手を握り返し、ともにゲートをくぐる。
ヰ乍 蒼治:「マリーさんあんがと!」
GM:……………………
GM:…………
GM:……
GM:ゲートを抜けた先は、街の外だった。
GM:正確に言えば、街の外から内へと入り込む幹線道路上。
GM:霧はここまで広がっている。だからか、路上であろうと、車は動いていない。
GM:乗り捨てられた車輌が道の端に見えはするが、それが再び動き出すことはない。
平坂 歩:「……君達。いったい何をしでかしたんだい」
平坂 歩:と、平坂が言う。彼女の目は、あなた達の方を見ていない。
平坂 歩:どこを見ているのか? 街の方角だ。
ヰ乍 蒼治:「毒をブチ込んで思いっきり暴れた」
叢雲由紀:「はい、弱点を突いた感覚はあった……と思います」
マリー・オリヴィエ:「外縁部……さしあたり取れる札は多いか」
ヰ乍 蒼治:「あっちの方に出てるのか?」
マリー・オリヴィエ:「あれの核……というよりは頭脳を損傷させた」
平坂 歩:「札は多いかも知れないけどねぇ、なぜ此処まで下がったかって言うとね」
平坂 歩:「単純なことだよ。君達はジャームとは戦えるだろうが」
GM:ぐじゅる うじゅる
GM:ずず ずずずず ずず
平坂 歩:「……倒壊するビルと戦う術はないだろう」
GM:ずず……ずぅん
叢雲由紀:「あれは……」目を見開く
GM:数百m先で、ビルが倒れていく。
GM:幾つも。幾つも。
GM:……それに遅れて、アスファルトの道路の上を、
ヰ乍 蒼治:「おいおい」
GM:左右3車線の広さから、それでも左右にはみだしたものが、這い進んでくる。
GM:それは──
エンゲージ
〝夢の残骸〟[12]
マリー・オリヴィエ[5]
ワイアットの名馬[5]
10m
ヰ乍 蒼治[9]
叢雲 由紀[5]
マリー・オリヴィエ:「──融合した、か」
〝夢の残骸〟:それは、もはやどういう形をしているとも言えない、異形の塊であった。
〝夢の残骸〟:巨大で、醜悪な。
〝夢の残骸〟:強引に形容するならば
〝夢の残骸〟:巨大な心臓から大量の血管が生えていて、その血管が脚の代わりを果たしており、
〝夢の残骸〟:蛸が陸地を這いずるように、その身を運んでいるのだ。
平坂 歩:「なるほど、増えなくはなったね」
平坂 歩:「その代わりにどうも、脅威がひとまとめになったようだが!」
ヰ乍 蒼治:「……そうだ、融合したんだ。あれ全部が、あのホテルにあった”ワイアット”の体ってことかよ……」
叢雲由紀:「そんな事も、可能……なんですね」
叢雲由紀:「……逆に言えば、今の状態ならもう増える事は無い……んですよね?」
平坂 歩:「それがレネゲイドウィルスだよ」
平坂 歩:「この世界で最も大きな可能性を秘めたもの──それはもちろん」
平坂 歩:「創造も破壊も、どちらの意味にもかかっている」
平坂 歩:「……そして、その問いに答えるなら」
平坂 歩:「わからない」
GM:そう──断言はできない。
GM:少なくとも今、増殖はしていない。それは確かだ。
GM:今、殺しきれば、そのまま増えることなく死んでくれるかも知れない。
GM:だが、万が一……傍観しているうちに、あの巨体に流し込んだ毒の効力が切れたら?
マリー・オリヴィエ:「だとしても、殺し切らねばならん」
マリー・オリヴィエ:「ただ見ていては、破壊と殺戮を生み出すだけだよ。あの呪いは」
ヰ乍 蒼治:「……」そう嘯く、王殺しの鳥を見る。
ヰ乍 蒼治:「そうだね。止めよう、マリーさん」
ヰ乍 蒼治:「アンタたちの夢が、悪夢に変わる前に」
〝夢の残骸〟:ずず ずず ずず
〝夢の残骸〟:動き続けている。
〝夢の残骸〟:……まるで、霧の街から逃げ出すように。
〝夢の残骸〟:そうだ。もしも、この夜のうちに──
〝夢の残骸〟:この巨体が、霧の外へ出たら?
〝夢の残骸〟:いいや、それだけならまだいい。もし──
叢雲由紀:「この人を、街に出すわけにはいきません」
GM:……伝達します。
GM:このエネミーは3ラウンド目の最後の手番に、メジャーアクションで《破壊神顕現》を使用する。
GM:この対象は『ヘイズ』ではない。
GM:日が昇り、朝を迎えた『眠深市』だ。
平坂 歩:「……私は撤退用のカードだ」
平坂 歩:「場札は君達3枚だけ。任せたよ」
GM:では
叢雲由紀:「今ここで……私たちでやりましょう、先輩、マリーさん」握りっぱなしだった手を強く握り返してから、放す
マリー・オリヴィエ:「ただ君に恐れられるだけの名ではないと、示そう」平坂さんにこう返し。
ヰ乍 蒼治:「解ってるよ。ハズレのカードじゃないって、証明してみせる」
ヰ乍 蒼治:歩さんに、同じく。
マリー・オリヴィエ:「もう少しだけ……付き合ってくれ」
マリー・オリヴィエ:「頼む」
ヰ乍 蒼治:マリーさんに頷く。「……違うよ、マリーさん。その言い方じゃ、駄目だ」
ヰ乍 蒼治:「オレたちがアンタを巻き込むんだ。付き合って貰うよ」
ヰ乍 蒼治:「これはもう、オレの王狩りだ」
GM:手番。
GM:行動値5、〝ワイアットの名馬〟。
ワイアットの名馬:マイナーアクション、《完全獣化》+《ハンティングスタイル》
ワイアットの名馬:そしてハンティングスタイルによる移動の直前
ワイアットの名馬:オートアクション《巨獣の背》
ワイアットの名馬:これにより、名馬の移動に〝夢の残骸〟を追従させる
ワイアットの名馬:……もちろんハンティングスタイルだから離脱も可能だ
ワイアットの名馬:移動先はいさゆき組と同一エンゲージ!
ワイアットの名馬:メジャーアクションは無し!
GM:ではクリンナップだ
GM:たぶん処理は……無いだろう! たぶん!
ヰ乍 蒼治:ナス!
マリー・オリヴィエ:ない!
叢雲由紀:無いです
ラウンド2
GM:セットアップ!
ヰ乍 蒼治:なし!
〝夢の残骸〟:《ブラッドコート》 HPを8消費しラウンド中のガード値を16増加
マリー・オリヴィエ:なし!
叢雲由紀:▼『望鏡/追葬』《活性の霧》 対象の攻撃力+15 回避-2個 拒否可能
叢雲由紀:対象はマリーさんで
GM:火力を上げていくぅ
マリー・オリヴィエ:いただこう
叢雲由紀:以上! 支援演出はマリーさんの攻撃時にでもやります!
GM:では
GM:行動値順の手番で〝夢の残骸〟だ
〝夢の残骸〟:マイナー無し。メジャー、《紅の刃》+《蝕む赤》+《血の宴》+《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》
〝夢の残骸〟:どちらにしようかな……範囲攻撃だけど今は惚れた女の方を狙っておくかぁ
〝夢の残骸〟:対象はマリー・オリヴィエひとりだ
叢雲由紀:あ、庇えない 賢い
〝夢の残骸〟:命中した場合はダメージに加えて、邪毒3をプレゼント
〝夢の残骸〟:命中判定!
〝夢の残骸〟:15dx7+4
DoubleCross : (15DX7+4) → 10[1,1,1,2,2,2,4,4,5,5,5,6,7,9,10]+10[4,5,8]+2[2]+4 → 26
マリー・オリヴィエ:ドッジ
マリー・オリヴィエ:7dx+1>=26
DoubleCross : (7DX10+1>=26) → 7[2,3,5,5,6,6,7]+1 → 8 → 失敗
ヰ乍 蒼治:マリーさーんッ
〝夢の残骸〟:3d10+5 装甲ガード有効ダメージ
DoubleCross : (3D10+5) → 18[2,6,10]+5 → 23
マリー・オリヴィエ:戦闘不能
叢雲由紀:マリーさーんっ!
マリー・オリヴィエ:……夢の残骸にロイスを取り、かつての王へのロイスをタイタス化
マリー・オリヴィエ:昇華して復活しよう
〝夢の残骸〟:……ずず ずず
〝夢の残骸〟:その巨躯は、道を這う。
〝夢の残骸〟:ひとたび、霧の外へ逃れんと、なり振り構わずに。
〝夢の残骸〟:巨躯であるが故に、足下に立つ3つの影など、目に入っているのかどうか。
〝夢の残骸〟:多腕多脚の女に触手を絡め、牽引されるようにして、小山のような怪物が動く──
〝夢の残骸〟:「……!」
マリー・オリヴィエ:その前に立ち塞がるのは、黒い嵐。
ヰ乍 蒼治:「マリーさん!駄目だッ、行くな!」
ヰ乍 蒼治:意味がないと解っていても、そう叫ばずにはいられない。
〝夢の残骸〟:幾本かの触手が、生存本能の制御を外れた。
〝夢の残骸〟:もはや芥子粒ほども残っていない筈の、ワイアット・クロフォードという存在の性質が、
マリー・オリヴィエ:夜の闇に棲まう猛禽が、堂々と姿を晒して。ここに居るぞと己を示すのだから。
〝夢の残骸〟:その女が未だ発する甘ったるい香りを、在りし日と変わらぬ立ち姿を
マリー・オリヴィエ:「その言い分は、駄目だ」
マリー・オリヴィエ:「私は君の騎士じゃ、ない!」
〝夢の残骸〟:渇望し、掴みかかる──無論、
〝夢の残骸〟:ただ触れるだけでも巨躯が生む衝撃は相応であるのだが──!
叢雲由紀:「マリーさんっ!!」
マリー・オリヴィエ:黒い暴風が勢いを増し、迫る怪物へ刃を突き立てる。
マリー・オリヴィエ:正面から当たれば出力・質量差に押しつぶされるが必定、ならばそうせねば良いこと。
GM:触手のひとつが切り落とされて落ちる、またひとつが切り落とされて落ちる、
マリー・オリヴィエ:衝突を避け、表面をずたずたに傷つけながら縦横無尽に駆け上がる。
GM:波状攻撃を防ぐものは、それ以上の暴風。
GM:黒い風が怪物の本体へ肉薄する──
〝夢の残骸〟:ぐばぁっ
マリー・オリヴィエ:「なっ──」
〝夢の残骸〟:あの肉の壁と同じように、巨躯の表皮が裂けた──
〝夢の残骸〟:どす黒い霧が、そこから噴き出した。
〝夢の残骸〟:霧?
〝夢の残骸〟:……その実態は、ガスだ。
〝夢の残骸〟:噴出の圧と、オーヴァードにも通じる毒性を備えた有毒ガス!
マリー・オリヴィエ:手札の知れぬ敵への迂闊な接近は禁物。判断を誤らせたの周辺被害への焦りか、その身を蝕む毒と疲労か。
マリー・オリヴィエ:あるいは彼へのこだわりか、いずれにせよ引き際を誤り、道なき舞踏を踏み外した女の末路は。
マリー・オリヴィエ:「ぁ、がは、ぁぁ──がっ!?」
マリー・オリヴィエ:更なる痛手を負わされながら、激しく路面に叩きつけられる。
〝夢の残骸〟:落下した獲物へ、再び触手が伸びる。……他の有象無象は知らぬが、この雌だけは例外だ。
〝夢の残骸〟:もう一度喰らってくれる。穢してくれる。そして我が物と──
〝夢の残骸〟:ず ぞ ぞぞぞ ぞぅっ
GM:……手番、行動値9
GM:ヰ乍 蒼治!
ヰ乍 蒼治:ヤー!
ヰ乍 蒼治:マイナーは…なし!
ヰ乍 蒼治:『嵐裏/鳥葬』:ダンシングシミター+C:オルクス+虚構のナイフ
ヰ乍 蒼治:マリーさん!
マリー・オリヴィエ:【王佐の風】《援護の風》イサくんの判定値を6D増やす。
ヰ乍 蒼治:しゃあ!
マリー・オリヴィエ:やってくれ、イサくん!
マリー・オリヴィエ:マリー・オリヴィエの侵蝕率を2(→ 2)増加 (116 → 118)
ヰ乍 蒼治:判定イクゾーッ
ヰ乍 蒼治:対象は夢の残骸!
ヰ乍 蒼治:12dx7+2
DoubleCross : (12DX7+2) → 10[1,2,2,4,4,4,5,5,5,6,6,8]+5[5]+2 → 17
ヰ乍 蒼治:ウッソだろお前
GM:頑張ったら避けられそう
〝夢の残骸〟:だがガード! このサイズで回避はできん!
叢雲由紀:『奇憶/記石』フォールンサラマンダー ダメージに+2D10
ヰ乍 蒼治:ユッキー!
叢雲由紀:先輩!
ヰ乍 蒼治:やったるぜ~~
ヰ乍 蒼治:4d10+24
DoubleCross : (4D10+24) → 24[7,7,5,5]+24 → 48
ヰ乍 蒼治:中々良い出目!
ヰ乍 蒼治:諸々有効DEATH
〝夢の残骸〟:ガードで16軽減し……32通し!
〝夢の残骸〟:ふふん、これならまだまだ生きてるぜ!
ヰ乍 蒼治:「騎士じゃなくたって、良いだろ……オレはマリーさんが心配なんだよ!」
ヰ乍 蒼治:「そんなフツーなことも解んないのか、バカヤロー! 結局この街に囚われてるのは、」
ヰ乍 蒼治:ホテルの残骸、巨大な瓦礫の数々に触れてゆく。それらは立ち上がり、巨大な剣の形を為した。
マリー・オリヴィエ:傷つき、それでも手を衝き立ち上がらんとしながら。
ヰ乍 蒼治:それは、”輝刃拳”のレプリカ。彼が奪った、夢の残骸の一つ。それを引き絞る。
マリー・オリヴィエ:苦しそうに息を荒げて、顔を上げる。
ヰ乍 蒼治:「アンタの方だろ……マリー・オリヴィエっ、王殺し!」
マリー・オリヴィエ:目の前に迫る残骸と──生まれたばかりの王を見上げる。
ヰ乍 蒼治:「悔しかったら、清算してみろ!オレを助けろ!立ち止まるのと罰を受けるのは違う!」
ヰ乍 蒼治:「夢も罰も、そっから全部始まるんだろ!」
マリー・オリヴィエ:「げほっげほ……言ってくれる」
マリー・オリヴィエ:風を纏って一人でに踊り狂う斧が、怪物の巻き散らす毒気を捉え、封じ込めて。
マリー・オリヴィエ:幾分か。輝く刃に、王剣の助勢に加わる。
マリー・オリヴィエ:「見せてくれ、幕引きを。大言壮語の……責任を取れ」
叢雲由紀:それを操る蒼治の手に、手を添え
叢雲由紀:小さく、頷く
叢雲由紀:「やっぱり先輩は、善くあろうとする王様です」
ヰ乍 蒼治:「……あはは。生まれた時から、こうだった気がするよ!」
ヰ乍 蒼治:ぎゃ ごん!!
ヰ乍 蒼治:王佐の風が引き絞り、輝刃が”夢の残骸”へ投射された。
〝夢の残骸〟:ざむっ
〝夢の残骸〟:……その刃は、巨躯に深く突き刺さる。
〝夢の残骸〟:まだワイアットの形があったころのような、苦悶の悲鳴は聞こえない。
〝夢の残骸〟:代わりに、血の飛沫が噴き上がって、黒い雨となって路上に降り注ぐ。
〝夢の残骸〟:白い霧の夜に、重油の如き色の雨。
〝夢の残骸〟:……残骸は未だ蠢いている。
ヰ乍 蒼治:「マリーさん、まだ立てる」彼女を庇うように前に出る。「近くに来て。今なら……守れる」
マリー・オリヴィエ:「ふ、うぅ……舐めるな、若造」
ヰ乍 蒼治:「アンタに倒れられるとアイツにトドメ刺せないんだよ。信頼してるからさ」
マリー・オリヴィエ:「私もこれ以上は……騙された馬鹿な子どもとは扱ってやらん」
マリー・オリヴィエ:「次に狩るべき王……味方としては頼りにしてやる」
GM:では、手番……行動値5。該当キャラは複数いるが、PC優先の法則により2名いずれかが優先される
GM:どちらから行動するかな?
叢雲由紀:マリーさんお先どうぞ
マリー・オリヴィエ:一緒に倒すとしようか、ユキ
叢雲由紀:私の力の8割はマリーさんに注いでいるので
マリー・オリヴィエ:マイナーで戦闘移動、みんなのエンゲージに突入
マリー・オリヴィエ:メジャーでコンボ【王狩りの烏】《コンセントレイト:ハヌマーン》《音速攻撃》《ジャイアントグロウス》フォールンアックスで範囲選択に白兵攻撃。
ヰ乍 蒼治:『夢惨/旧裁』≪援護の風≫。マリーさんのダイスを+6D。
マリー・オリヴィエ:攻撃対象はワイアットの名馬と夢の残骸
マリー・オリヴィエ:夢の残骸へのロイスをタイタス昇華して、C値6
マリー・オリヴィエ:15dx6+1
DoubleCross : (15DX6+1) → 10[1,1,2,2,2,3,4,4,5,5,6,7,8,10,10]+10[3,4,6,7,9]+3[1,3,3]+1 → 24
〝夢の残骸〟:ガード!
ワイアットの名馬:ドッジ!
ワイアットの名馬:14dx>=24
DoubleCross : (14DX10>=24) → 9[1,2,2,3,3,3,5,6,8,8,8,8,8,9] → 9 → 失敗
ワイアットの名馬:ひひぃん……
マリー・オリヴィエ:10+15+3d10+2d10
DoubleCross : (10+15+3D10+2D10) → 10+15+18[6,2,10]+15[5,10] → 58
ヰ乍 蒼治:しゃあ!
マリー・オリヴィエ:フォールンアックスの効果で侵食率+2し、ダメージダイスを3個まで振り直す
マリー・オリヴィエ:2を振り直す!
マリー・オリヴィエ:1d10+56
DoubleCross : (1D10+56) → 7[7]+56 → 63
〝夢の残骸〟:ガードで16軽減……47通し! 累計79ダメージ!
マリー・オリヴィエ:マリー・オリヴィエの侵蝕率を11増加 (118 → 129)
〝夢の残骸〟:……辛くなってきた! まだここでは死なないが……!
ヰ乍 蒼治:122→128→132
マリー・オリヴィエ:斧を片手に立ち上がり、飛び立とうとしたところで膝を折る。
ヰ乍 蒼治:「……大丈夫」その褐い身体を、そっと支える。
ヰ乍 蒼治:「飛べるよ。マリーさんなら……ずっと、戦ってきたんだろ」
マリー・オリヴィエ:「んぐ……ふ、う……大分堪える」
マリー・オリヴィエ:触れられたその時もびくりと身を震わせて、語調の勢いも色あせて。
ヰ乍 蒼治:「もうひと踏ん張りだ。目にもの見せてやろうぜ」生命を付与する。全身に、蒼く爽やかな熱が走る。
マリー・オリヴィエ:「ああ……ずっと、戦い続けて来たんだ。あいつと、ろくでもないものばかり見て……」
ヰ乍 蒼治:「それでも、楽しかったんだろ。夢みたいな時間だったと思う」
叢雲由紀:「……」これから、自分も見ることになるのだろう
ヰ乍 蒼治:「そうじゃなきゃ、そんなに長い間飛べなかったはずだ」
マリー・オリヴィエ:「……そうだとも」そして、ここで終わるわけにもいかないのだから。
叢雲由紀:「その思いに私たちは……応えたいです」六晶盾を翳す、瞬く結晶がマリーの斧を彩り、その身に力を与える
ヰ乍 蒼治:未来が砕け散った。また一つ、己の可能性を犠牲にして。
叢雲由紀:少女の思い出が、かけがえのないありふれた過去が、輝きの力を与える。
ヰ乍 蒼治:二人の”代償”が、間接的に――マリー・オリヴィエに伝わるだろう。
マリー・オリヴィエ:「……放っておけない子が、お前以外にも。たくさん出来てしまったから」
マリー・オリヴィエ:力強く握り締めて、想い振り絞って。
マリー・オリヴィエ:空が凪ぐ。込められた想い、儚き未来、輝かしい記憶。万感を背負って、静かに。
マリー・オリヴィエ:「──ここで、振り切る!」
マリー・オリヴィエ:真一文字、真っ直ぐに振り下ろされた一閃は。
マリー・オリヴィエ:ただ真空のみを生み、刃の延長にある一切を両断する。
〝夢の残骸〟:それは、きっと、物質的なものに留まらない。
〝夢の残骸〟:かつてそこにあった夢だとか願望だとか、それが変質した果ての呪詛だとか、
〝夢の残骸〟:そういうものの一切合切を、白い霧ごと払うような一閃であった。
〝夢の残骸〟:……巨躯が、揺らぐ。
〝夢の残骸〟:あなたを捕らえようと伸びていた触手群がたじろぎ、歩みを一時的に止めている。
GM:……では
GM:そのままに手番、叢雲 由紀!
叢雲由紀:はい! 頑張るぞい!
叢雲由紀:マイナーアクション マリーさんを見つめます
叢雲由紀:天丼は2回まで、メジャーアクション
叢雲由紀:▼『噪記/混証』《コンセントレイト:モルフェウス》《カスタマイズ》六晶盾で射撃攻撃 射程20m
叢雲由紀:叢雲 由紀の侵蝕率を6増加 (112 → 118)
叢雲由紀:盾の効果も起動して攻撃
叢雲由紀:9dx7+2
DoubleCross : (9DX7+2) → 10[3,3,3,4,6,7,7,8,9]+10[1,4,5,8]+10[8]+10[9]+10[7]+2[2]+2 → 54
ヰ乍 蒼治:すごっ!?
マリー・オリヴィエ:えらい
GM:君ひとりだけダイスつよいわね
〝夢の残骸〟:ガード!
叢雲由紀:こんな回ると思ってなかった
叢雲由紀:ガードならちょっと後だけど宣言
叢雲由紀:▼『追澳/斜晶』《剣精の手》
叢雲由紀:叢雲 由紀の侵蝕率を3増加 (118 → 121)
叢雲由紀:1dx7+62
DoubleCross : (1DX7+62) → 10[7]+10[8]+4[4]+62 → 86
叢雲由紀:ではダメージ
叢雲由紀:9d10+6
DoubleCross : (9D10+6) → 39[1,2,2,8,1,10,2,8,5]+6 → 45
GM:固定値がなんだったのかって威力だ
〝夢の残骸〟:45-16で29通しだから……げっ
〝夢の残骸〟:かなり瀕死……!
叢雲由紀:なんか思ったより通ったななどと
叢雲由紀:「あなたの夢は、美しかったのでしょう……マリーさんが体を預けるほど」
叢雲由紀:六晶盾を構え、動きを止めた夢の残骸に相対する
叢雲由紀:「私も……きっと先輩も、その思いを無駄にはしません」初めて学校に行った日の思い出を、記憶の奥から形にする
叢雲由紀:そして、不慣れな動きで残骸に走り寄り
叢雲由紀:その肉体めがけて、六晶盾を
叢雲由紀:突き入れた
叢雲由紀:瞬間、肉塊の体内から角柱結晶が突き出
叢雲由紀:美しい暴力が、残骸を圧し潰す。
叢雲由紀:そして
叢雲由紀:バラバラに、砕け散り
叢雲由紀:夢の残骸に、記憶の欠片が突き刺さる。
叢雲由紀:「_____」確かに何かが砕けるのを感じ取りながらも、青い瞬きがその瞳を満たし、空虚さは感じさせない。
叢雲由紀:(これが、鍵……王様の力……)
〝夢の残骸〟:結晶の鮮やかな華が、悍ましい肉の幹から咲く。……散る。
〝夢の残骸〟:季節は、春だ。
〝夢の残骸〟:学び舎の校庭を思わせる花弁は、しかし異形の身体から散るものであり、
〝夢の残骸〟:祝福された門出ではあるかも知れないが、その行く先は夜である。
〝夢の残骸〟:あなたはもう、知らぬころには戻れない。
〝夢の残骸〟:ようこそ、世界の裏側へ。
〝夢の残骸〟:……巨躯は削られて路上に伏す。
〝夢の残骸〟:歩みはもう、止まっている。
GM:……手番、と言いたいところだが宣言漏れがあった。
GM:マリー・オリヴィエの範囲攻撃により、〝ワイアットの名馬〟は撃破されている。
GM:即ち手番は、
〝夢の残骸〟:《加速する刻》
GM:……異形、再動。
〝夢の残骸〟:マイナーアクションは無い。そしてメジャーアクションは《紅の刃》+《蝕む赤》+《血の宴》+《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》
〝夢の残骸〟:対象は同一エンゲージのPC、つまり3人全員だ
〝夢の残骸〟:命中したら邪毒3の付与はもちろん健在……判定いくぜ
〝夢の残骸〟:15dx7+4 命中判定
DoubleCross : (15DX7+4) → 10[2,3,4,5,5,5,6,7,7,8,8,9,9,10,10]+10[4,5,5,6,6,7,7,8]+10[7,9,10]+10[2,8,10]+10[9,9]+10[2,9]+10[10]+1[1]+4 → 75
GM:えっ
ヰ乍 蒼治:親に向かってなんだそのふざけた達成値は
叢雲由紀:なんて出目!?
マリー・オリヴィエ:なんじゃそりゃ
GM:……ワンチャン避けてみる?
ヰ乍 蒼治:≪ヘイズ・ロードの夢鍵≫の効果発動。”夢の残骸”に最後のロイスを取得、即昇華して叢雲由紀の『砂の結界』を選択します。
ヰ乍 蒼治:あ、ごめんなさい。ロイス一杯だったから固定の王様のロイス切ります!
叢雲由紀:私はガード選択、カバー私がしてもいいですけど先輩がするようなので待機
ヰ乍 蒼治:こっちロイス一個も切ってないからね!
GM:おっと
GM:夢鍵の効果は、〝ロイス所有者の所持エフェクトからひとつ〟だ
ヰ乍 蒼治:あ、じゃあユッキーのロイスを昇華しないとダメってことか
GM:そう!
GM:つまり申し訳ないが……カバーでそれをやるのは美味しくない!
GM:あっ伝わってるかな?
GM:ユッキーに〝ロイスを昇華させなければ〟ダメだぜ
ヰ乍 蒼治:大丈夫!伝わってる伝わってる!
マリー・オリヴィエ:フォールンアックスでガード
ヰ乍 蒼治:次から領域の盾とっとこ…
ヰ乍 蒼治:とりあえずこっちはさっきの宣言取り下げてドッジします
叢雲由紀:その時は後輩を動かしてガードさせてくださいねっ♡
叢雲由紀:▼『回虚/欠晶』《砂の結界》
叢雲由紀:オリヴィエさんを庇います
叢雲由紀:叢雲 由紀の侵蝕率を2増加 (119 → 121)
ヰ乍 蒼治:あ、暴走リア不だった ガハハ
マリー・オリヴィエ:ユキ……
GM:ガハハ 君まだ暴走してたのだね
GM:ダメージ!
〝夢の残骸〟:8d10+5
DoubleCross : (8D10+5) → 36[7,2,5,3,1,6,6,6]+5 → 41
GM:命中者はみんな邪毒3だ!
ヰ乍 蒼治:死!借り腹の赤子のロイス切って復活して邪毒3喰らいます
叢雲由紀:ダウン
叢雲由紀:先人/ワイアット 憧憬/脅威 でロイス取ってタイタスに、復帰
GM:演出はざっくり
〝夢の残骸〟:──動きを止めた巨躯の体表が、裂けた。
〝夢の残骸〟:その予兆から、或いは次に何が起こるかを理解できたやも知れない。
〝夢の残骸〟:先にマリー・オリヴィエを撃墜したものと同じ攻撃が──
マリー・オリヴィエ:「まずい、二人とも逃げ──」
〝夢の残骸〟:ぶ
〝夢の残骸〟:しゅうっ!!
叢雲由紀:逃げない
叢雲由紀:なぜなら、自分の横にいる男は
叢雲由紀:自分の王は、逃げないと知っているから
叢雲由紀:踏み出す
叢雲由紀:なぜなら、自分は横に立つ男の力だから
叢雲由紀:彼が伸ばした手が、届かないなら
叢雲由紀:(その手になるのが、私だから)
叢雲由紀:マリーの前に飛び出し、地面に盾を突き入れる
叢雲由紀:先ほどまでとは違う、黒光りする角柱結晶が沸き出て、防壁となる
〝夢の残骸〟:吹き付けられるガス圧。猛毒の気体。
〝夢の残骸〟:それはマリー・オリヴィエの身にだけは届かず、
〝夢の残骸〟:代わりに、彼女が受けたのと同じ苦しみを、彼女を守るために立った者へ与える。
ヰ乍 蒼治:「ご」吐血する。「ぶっ」
叢雲由紀:「あっ……ぐっ……」体を、蝕まれる
ヰ乍 蒼治:「ぐ、うう――……ははっ」それでも、笑っている。
叢雲由紀:知らない記憶が、痛みが、心に沁み込んでくる。
ヰ乍 蒼治:「そっちも……ギリギリになってきたみたいだな。いいよ、とことんまで付き合ってやる」
ヰ乍 蒼治:挑むように、指輪を掲げる。
叢雲由紀:「そうですね、とことん最後まで!」
叢雲由紀:「その想いを、受け止めて見せます」
マリー・オリヴィエ:「ユキ、ソウジ……」
マリー・オリヴィエ:(本当に、強い子たちだ……)
GM:クリンナップ。邪毒の処理を行いつつ
ラウンド3
GM:セットアップの宣言もあるならやってしまえ!
叢雲由紀:『望鏡/追葬』《活性の霧》 対象の攻撃力+15 回避-2個 拒否可能
叢雲由紀:今度は蒼治先輩を対象に使用します
ヰ乍 蒼治:シャイ!受けます!
マリー・オリヴィエ:HPのこり5
〝夢の残骸〟:セットアップなし!
叢雲由紀:あ、邪毒でHPは3です
ヰ乍 蒼治:こちらもHP残り2
ヰ乍 蒼治:セットアップはなし
GM:手番は行動値12の夢の残骸……
〝夢の残骸〟:マイナー無しのメジャーで《紅の刃》+《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》……
〝夢の残骸〟:対象はヰ乍 蒼治! そして
〝夢の残骸〟:タイミングはだいぶ早いが《ヘルズブラッド》を先に宣言しとく!
〝夢の残骸〟:15dx7+4 命中判定
DoubleCross : (15DX7+4) → 10[1,1,2,2,2,3,3,3,4,5,5,9,9,10,10]+10[1,2,9,10]+3[1,3]+4 → 27
ヰ乍 蒼治:暴走リア不!
〝夢の残骸〟:ではダメージ……
〝夢の残骸〟:3d10+12d10+5
DoubleCross : (3D10+12D10+5) → 11[3,2,6]+45[9,7,3,1,1,6,3,2,8,3,1,1]+5 → 61
GM:消し飛べやぁ!
〝夢の残骸〟:……なおメインプロセス終了時には《夜魔の領域》を宣言し、行動値0で未行動に戻るぜ
〝夢の残骸〟:即ち、このラウンド最後になる手番が……終焉の刻……!
叢雲由紀:なんということでしょう……
ヰ乍 蒼治:オエ~~~ッ
ヰ乍 蒼治:王様のロイスを切って復活。ロイス残4
〝夢の残骸〟:──ガス圧の噴出による範囲的な攻撃は、有効ではあるが、技術が介在しない。
〝夢の残骸〟:ただ身体の特異性を以て、そこらへ毒を撒き散らすだけだ。
〝夢の残骸〟:同じ機能を持った生物ならば、どんな個体でも実行可能な、それだけの──
〝夢の残骸〟:だが。
〝夢の残骸〟:或いは、掲げられた指輪の煌めきに導かれたものだろうか。
〝夢の残骸〟:それとも、気付けば黒から濃紺へ変わり行く空の色合いに惑わされたのやも知れない。
〝夢の残骸〟:巨躯は、その触手の数本を絡めた。
〝夢の残骸〟:くしくもそれは銃口の形に似ていて、そして向けられた先は、あれほど執着した女の肉体ではなかった。
〝夢の残骸〟:しゅっ
〝夢の残骸〟:……体内の毒ガス圧により、血を射出するウォータージェット。
〝夢の残骸〟:ヰ乍 蒼治の胸へ、正確無比の銃撃は過たず放たれた。
ヰ乍 蒼治:「ごはッ!」ずどむ、と撃ち抜かれる。ふらつく。
マリー・オリヴィエ:「ソウジ!」咄嗟に名を叫ぶ。
ヰ乍 蒼治:「……はは」
ヰ乍 蒼治:「良い腕してるぜ。オレ、お前のこと嫌いになれないんだよな」
ヰ乍 蒼治:それでも、立ち上がる。最低限の生命付与を己に施す。
ヰ乍 蒼治:「夢を見てる奴が、好きなんだよ」
〝夢の残骸〟:……《夜魔の領域》
〝夢の残骸〟:異形はものを言わない。
〝夢の残骸〟:表情も、何も無い。
GM:手番。行動値9、ヰ乍 蒼治
ヰ乍 蒼治:『論裏/空葬』:援護の風+ダンシングシミター+C:オルクス+虚構のナイフ
ヰ乍 蒼治:対象は夢の残骸。
ヰ乍 蒼治:何もなければ判定行きます!
GM:来い!
ヰ乍 蒼治:14dx7+2
DoubleCross : (14DX7+2) → 10[1,1,2,3,4,5,7,8,8,8,9,10,10,10]+10[1,2,3,5,7,7,8,10]+10[1,4,7,8]+10[2,8]+10[8]+4[4]+2 → 56
ヰ乍 蒼治:うわっ
GM:帳尻合わせてきやがった
〝夢の残骸〟:……ガード!
ヰ乍 蒼治:よ~~~し
ヰ乍 蒼治:6d10+24+12
DoubleCross : (6D10+24+12) → 25[2,1,3,7,3,9]+24+12 → 61
叢雲由紀:あ、先輩。 私のバフは+15です
ヰ乍 蒼治:あっ64!
GM:……残りHP12
GM:計算するまでもない。完全撃破だ
GM:勝利条件達成──演出をどうぞ。
ヰ乍 蒼治:「だからさ。悪夢になる前に終わらせるって、マリーさんに約束したんだ」
ヰ乍 蒼治:手を、拳銃の形に構える。ワイアットのそれに比べてあまりにも頼りない、蟲も殺せない代物だ。
ヰ乍 蒼治:それでも。
叢雲由紀:蒼治に体を寄せ、その手に自分の腕を重ねる
ヰ乍 蒼治:「……由紀」
叢雲由紀:「……蒼治先輩」
叢雲由紀:ワイアットに劣る力であっても、それでも軌跡は輝きを持つ
ヰ乍 蒼治:「オレも、ああなるのかな」
ヰ乍 蒼治:結晶が寄り集まり、弾丸のように渦を巻き、回転し始める。六つの結晶が旋回する。
叢雲由紀:「私がさせません、先輩が……そう望まれる限り」
ヰ乍 蒼治:生命付与。熱量形質。振動。空に落ちるつららのようなそれが、蒸気を発し始めた。
ヰ乍 蒼治:(由紀とマリーさんのこじ開けた今なら、あの肉の壁をブチ破って届く)
ヰ乍 蒼治:”ワイアット”の射撃は、肉が発生させるガス圧によるものだ。ならば
ヰ乍 蒼治:「だったら――これがオマエの、最後の熱だ。ワイアット」
叢雲由紀:胸の鼓動が伝わるように蒼治に身を寄せ、力を注がれた
ヰ乍 蒼治:燃え盛る結晶の弾丸が、空を切り裂いて、ワイアットの銃口に突き刺さった。六度。
ヰ乍 蒼治:そして、高圧状態のガスに誘爆する。
ヰ乍 蒼治:新たな王の熱が、古き王の血潮を引き裂いてゆく。
〝夢の残骸〟:──空が、燃えた。
〝夢の残骸〟:朝焼けの色とは違う、もっと鮮烈な朱に。
〝夢の残骸〟:それは肉の身を膨らませるガスに届き、体内の管を駆け巡り、体表から噴き出す。
〝夢の残骸〟:小山の如き巨躯のそこかしこから、炎の柱が噴き上がるのだ。
〝夢の残骸〟:悲鳴は無い。
〝夢の残骸〟:人のような声は無い。
〝夢の残骸〟:……悍ましい体液に濡れていた身体も、乾いて枯れて、燃えていく。
マリー・オリヴィエ:「──さよなら、"レディキラー"」
〝夢の残骸〟:ざらっ
〝夢の残骸〟:……大きな炎の塊が、崩れて灰へと帰った。
マリー・オリヴィエ:ずっと馬鹿みたいだと思っていたけど、後から付いた2つよりはマシだったし。
マリー・オリヴィエ:「……もっと酷いやつが、現れたからな」小さな呟きが、紛れて彼方に消えていった。
〝夢の残骸〟:そうして、嘘のように何もなくなった路上を、太陽の光が撫でる。
ヰ乍 蒼治:炎を見送る、その様子を眺める。
〝夢の残骸〟:あなた達は道の脇、歩道に立っていて、
〝夢の残骸〟:車道を行き交う自動車達──その数はいつもより、少し少ない。
〝夢の残骸〟:早朝から出勤する必要が無いからだ。今日は。
〝夢の残骸〟:土曜日の朝。
〝夢の残骸〟:白い霧の夜が、今日も終わった。
バックトラック
GM:Eロイスは《不滅の妄執》《さらなる絶望》《永劫の奴隷》《さらなる絶望》《破壊神顕現》の5個
GM:さらに
GM:『ヘイズ』内の戦闘においては特別ルール《月杯の恩寵》を適用します。
GM:これはバックトラック時に追加で侵蝕を1d10下げてもいいよというもの。
GM:まぁつまりEロイスが別個で1枠増えてるようなもんだ!
マリー・オリヴィエ:やったぜ!
叢雲由紀:おお
マリー・オリヴィエ:129-6d10
DoubleCross : (129-6D10) → 129-39[10,3,4,3,10,9] → 90
ヰ乍 蒼治:振らない奴はアホ!恩寵も使用します!
マリー・オリヴィエ:等倍
ヰ乍 蒼治:142-6d10
DoubleCross : (142-6D10) → 142-34[8,8,9,2,1,6] → 108
マリー・オリヴィエ:90-4d10
DoubleCross : (90-4D10) → 90-18[8,6,1,3] → 72
叢雲由紀:121-6d10
DoubleCross : (121-6D10) → 121-31[9,2,3,4,3,10] → 90
ヰ乍 蒼治:等倍
叢雲由紀:3個で等倍
ヰ乍 蒼治:108-4d10
DoubleCross : (108-4D10) → 108-10[4,3,2,1] → 98
ヰ乍 蒼治:あぶな
叢雲由紀:90-6d10
DoubleCross : (90-6D10) → 90-34[10,4,3,1,7,9] → 56
マリー・オリヴィエ:ギリギリ5点
叢雲由紀:4点
ヰ乍 蒼治:5点!
GM:よろしい、では
GM:そこにいつもの5点、シナリオ5点の10を加えて
GM:(まぁこの経験点が何かに使われることはたぶんないんだけれども)
GM:プレゼントふぉーゆー!
ヰ乍 蒼治:点を食え!!点を食えトリコ!!!
叢雲由紀:もらった!
マリー・オリヴィエ:むしゃむしゃ!
GM:では咀嚼しながらエンディング!
共通ED
GM:──休日の朝である。
GM:あなた達は道の脇で、例えば街灯に背を預けるなり、
GM:例えば道脇の柵にもたれ掛かるなり、身を休めているかもしれない。
GM:市外からの観光客や買い物客が、自家用車で眠深市へ向かっている。
GM:少々、周囲はエンジン音でうるさいが……会話の妨げとはなるまい。
ヰ乍 蒼治:「マリーさん、由紀。大丈夫?怪我……」フラフラしながら片手を上げて歩いてくる
マリー・オリヴィエ:「……なんとか、な」重い身体を街灯にもたれさせて。
ヰ乍 蒼治:「オレも~限界。アンタの相棒、最後まで大した奴だったよ」努めて軽い口調を崩さなかった。
叢雲由紀:「は、はい……こちらも……」へろへろと乱れた服のまま膝をつきそうになっている
マリー・オリヴィエ:「ふふ、そうだろう。あいつは……凄いやつだったんだ」
マリー・オリヴィエ:朗らかに笑って、そう口に出来るのはいつぶりだろうか。
ヰ乍 蒼治:笑って、少女を手招きする。三人で並んだ。
マリー・オリヴィエ:「……君たちのお陰だ。本当にありがとう」
叢雲由紀:「はい、凄い方でしたね……いえ、感謝は」蒼治の方を見る
ヰ乍 蒼治:「……知らないね」にやりと笑う。「オレが勝手にマリーさんを巻き込んだだけだぜ?」肩をすくめて。
ヰ乍 蒼治:「……こっちこそ、ありがとう。それから、ごめん」
マリー・オリヴィエ:「ユキが居なければ死んでいたさ。私の目を疑うのか?」
ヰ乍 蒼治:「そうだよ。由紀は偉い子だっ」頭をわしゃわしゃ撫でる
マリー・オリヴィエ:ぎゅう、と小さな少女を抱きしめて、支える。
ヰ乍 蒼治:「あははっ」
叢雲由紀:「ひゃわっ……!?」二人に挟まれて、恥ずかしそうに頬を赤らめる
マリー・オリヴィエ:「ユキ、あともうちょっと頑張りたまえ」
叢雲由紀:「えっ、頑張る……ですか?」
マリー・オリヴィエ:「今を撮り逃すのは…一生後悔するだろう?」
叢雲由紀:「!……はい!」二人に挟まれたまま、カメラを取り出して器用に反転させ
叢雲由紀:シャッターを切る
叢雲由紀:「……また、思い出が増えました」
ヰ乍 蒼治:「そうだね。オレ、多分今日のこと忘れないと思うな」
ヰ乍 蒼治:「写真を見れば、思い出せるだろ。どんなに幸せだったか、どんな夢を見たか」
ヰ乍 蒼治:「マリーさん」
ヰ乍 蒼治:ぽつりと零す。
叢雲由紀:笑って頷き、マリーの方を見る
ヰ乍 蒼治:「ワイアットのこと、忘れないでやって欲しいんだ。オレが言うことじゃないかも知れないけど」
ヰ乍 蒼治:「幸せだった夢を罰みたいに思って欲しくない。夢は誰にでも平等だから」
ヰ乍 蒼治:王になると。途方もない夢を掲げた少年は言う。
マリー・オリヴィエ:「……本当に、君に言われることじゃあないな」
マリー・オリヴィエ:「だけど、そうだね……今日からはきっと」
マリー・オリヴィエ:忘れられるわけがない。彼との日々は深く、私に刻み付けられて。
マリー・オリヴィエ:「悪夢ではなく、私は思い出すのだろう」
マリー・オリヴィエ:美しく、輝かしいメモリーとして。ユキが思い出させ、ソウジが守り抜いたものを。
ヰ乍 蒼治:「……さて。じゃあ、どうします?」
ヰ乍 蒼治:『――ここから出たら、オレのことをどうにでもして良いですから』
ヰ乍 蒼治:どっかと座り込み、マリーにうなじを見せる。
ヰ乍 蒼治:「約束は守りたいんだ。殺すなら、殺しても良い。オレはもう、アンタの言う所の立派な王なんだろ」
ヰ乍 蒼治:邂逅した時と同じように、少年は首を狩人の前に差し出した。
マリー・オリヴィエ:「減点、だな」
叢雲由紀:……じり、と緊張した面持ちで
叢雲由紀:いざとなったらどうするかは、考えている。 いるがやりたいかは別である。
マリー・オリヴィエ:「惚れ込んだ女の前で、別の女を誘うんじゃあない」
マリー・オリヴィエ:頭をぺしりと打つ。
ヰ乍 蒼治:「ハア~~~???? 誘ってないでしょ!痛いなもう!」
ヰ乍 蒼治:「っつか、今のが誘ってる風に聞こえるんだったらさ。アンタ……」
ヰ乍 蒼治:言いかけて、口をつぐむ。
叢雲由紀:「さ、誘う!?」
叢雲由紀:「あ、でも……はい、マリーさんなら……」
ヰ乍 蒼治:「……そんくらい、お互いマジになってるんだったらさ。考えといてよ」
マリー・オリヴィエ:「ならとはなんだ、ならとは……」
叢雲由紀:「……マリーさんはこれから、どうなさるんですですか?」
叢雲由紀:「もし、居場所がその、無かったり、困ったら……えっと……また力を貸していただけると……」もじもじと、躊躇いながら
マリー・オリヴィエ:「別段変わることはないさ。私が王を狩るのはワイアットとは関係がない」
マリー・オリヴィエ:「ユキなら歓迎するよ。昼でも夜でも、いつでも来てくれて構わない」
ヰ乍 蒼治:「お、良かったじゃん。……って、オレは?」
ヰ乍 蒼治:「ひどくない!? あんなに一緒に合体攻撃したじゃん!」
マリー・オリヴィエ:「なんだその言い草は。張り倒すぞ」
マリー・オリヴィエ:「まずはお姫様を丁重にエスコートするぐらいの甲斐性を見せるんだな」
ヰ乍 蒼治:「解ってるよ。由紀はもうオレので、オレも由紀のだ」
ヰ乍 蒼治:「……でもさ。今のアンタを一人にしたくないって、そう思っちゃ悪いのか」
ヰ乍 蒼治:「せめてさ。今日だけは、一緒に帰ろうぜ。三人で」
叢雲由紀:「は、はい!」
叢雲由紀:「三人一緒だったら……嬉しいです」
マリー・オリヴィエ:「ふ……なら3人で帰るといい」
マリー・オリヴィエ:「私が居ては気の休まらんのがいるのだからね」
GM:……日頃なら、噂をすれば影とばかりに出てくるのだろうが。
GM:今は、朝だ。交通量の多い道路脇でもある。
GM:ゲートが口を開き、誰かが顔を出すことはなかった──が。
GM:代わりに、1台の車が減速し、ウィンカーを出して、歩道に車体を寄せた。
平坂 歩:「必要なタイミングだと思ってね」
叢雲由紀:「……」無言で、マリーの手を取る
平坂 歩:「なあに、安心したまえ。ちゃんと持ち主の許諾は得ている」
ヰ乍 蒼治:「……どう見てもレンタカーとかじゃないよね?」
マリー・オリヴィエ:「……仕方がないか」
叢雲由紀:「……もう少しだけ、一緒にいて欲しいってお願いは……不可能でしょうか」
マリー・オリヴィエ:「わかったよ、私が悪かったからそんな声を出さないでくれ」
平坂 歩:「レンタカーではないが借り物で、しかも珍しく許可を得ている」
平坂 歩:「ついでに言えば、車体の強度は折り紙付きだ。対オーヴァード戦相当の防御力を想定されている」
マリー・オリヴィエ:引かれるままに車内へ入り、泥のようにシートへ馴染む。
平坂 歩:「帰路に万が一の襲撃を受けても無事に送り届けられる──との」
叢雲由紀:「あっ……ごめんなさい……」つい夢中になってしまったと頬を赤らめながら、それに続く
平坂 歩:「UGNからのお墨付きな、高級レンタカーさ」
ヰ乍 蒼治:「す、すげえ。今回は持ち主に謝りに行かなくても…って、何でそんな物騒なんだよ」
ヰ乍 蒼治:「ハア!?」
GM:車は、走り出す。
ヰ乍 蒼治:マリーと由紀に挟まれるようにシートに乗ったところで、頓狂な声を出したが。
GM:幾分かまだ疑問点は残っているのだろうが──それはそれ。
GM:今は夜更かしのツケを払う時だ。
GM:……街は眼を醒まし、君達は眠る。
GM:いささか食い違いはあれ、今、眠深市は君達を拒んでいない。
ED2:ヴィヴ・ラ・ヴィ
GM:【バー『グレナダ』】
GM:日が高く昇ってからのことだ。
GM:ヰ乍 蒼治。あなたは約定通り、マリー・オリヴィエのもとを訪れた。
GM:或いは手土産のひとつやふたつ、用意しているやも知れないが、
GM:それで懐柔できる相手でないことも、重々認識はしているだろう。
GM:その認識は同行者も同じようで、
平坂 歩:「何かあったら、私は君を盾にして逃げるよ」
平坂 歩:「その時はせいぜい、撤退の時間を稼いでくれたまえ」
ヰ乍 蒼治:「解ってるって。歩さんは死なせないよ」平然と答える。
ヰ乍 蒼治:「それに、大丈夫。マリーさんはそんなことしないよ」
平坂 歩:「だと良いけれどねえ」
平坂 歩:鎖された扉に手を掛け、押し開けた。
マリー・オリヴィエ:カラン、と短く鈴の音が鳴り、扉は開く。
マリー・オリヴィエ:「いらっしゃい。よく来てくれたね」カウンター越しに歓迎の声。身に纏うのは戦装束ではなく。
ヰ乍 蒼治:「こんちは~ッス……」
マリー・オリヴィエ:「警戒しなくてもいいよ」苦笑しながら席を示す。
マリー・オリヴィエ:「その時はわざわざ招かないで夜道を狙う」
ヰ乍 蒼治:「……なんか」率直な感想。「いつもより柔らかい感じッスね」
マリー・オリヴィエ:「今の私はグレナダのオリヴィエで、ここは仕事場という以上に……家だから」
マリー・オリヴィエ:「あとはそうだな、日本では憑き物が落ちると言うだろう?」
平坂 歩:「女の幽霊が男に取り憑く、が定番の話だと思ってたけどねぇ」
平坂 歩:「君はどうにも男らしすぎたのかな、この国の基準では」
マリー・オリヴィエ:「死んだ外国人は幽霊話に出てこないものだろうさ」
ヰ乍 蒼治:「マリーさんはカッコいいからなあ」軽く笑う。
マリー・オリヴィエ:「何か飲みたいものはあるか?」
ヰ乍 蒼治:「チャイナブルー」
ヰ乍 蒼治:「……に、しようと思ったけどさ」
マリー・オリヴィエ:「うん?」
ヰ乍 蒼治:「やっぱりホットアップルサイダーが飲みたいな。マリーさん、あっちの人でしょ?」
ヰ乍 蒼治:「おれもカリブ行ったことあるんだ」
マリー・オリヴィエ:「へえ、お得意の口説き文句?」
ヰ乍 蒼治:「口説いちゃ駄目かな。結構本気なんだけど……」
平坂 歩:「本気度が足りない、と叱られるんじゃないか?」
平坂 歩:「良かれ悪しかれ〝王殺し〟とは、そういう人間だと認識しているよ」
マリー・オリヴィエ:「女連れでやることじゃあないな、これもう繰り返さないから」
マリー・オリヴィエ:「ヒラサカはむしろ推奨しているのだろうが……私に関しては嫌そうだな」
ヰ乍 蒼治:「許してよ。歩さんとオレは一緒に居ないとダメだし」
平坂 歩:「マリー・オリヴィエ。君はひとつ誤解しているよ」
平坂 歩:「私は君を嫌っていない。ただ苦手なだけだ」
平坂 歩:「……ただし。その苦手意識を脇に置いてよい程度には」
平坂 歩:「君は今、有用であるとも思っているのさ」
マリー・オリヴィエ:「そう。私は結構君が嫌いだ」
ヰ乍 蒼治:「……」
マリー・オリヴィエ:「だが客としては扱おう。同じものでいいか?」
平坂 歩:「それで頼もう」
ヰ乍 蒼治:「ありがとね」
平坂 歩:「……アルコールは弱めで頼みたい」
平坂 歩:「あまり酔わせると男は役に立たなくなるからねぇ」
ヰ乍 蒼治:「ちょっと!?」
ヰ乍 蒼治:「……いや、オレ別に酔ってても大丈夫だけど……」小声で。
マリー・オリヴィエ:「盛るなら河岸を変えた方が良い。薬用酒も無いではないが……」
マリー・オリヴィエ:「まあ元々強い酒ではない。安心してくれ」鍋にシードルを注ぎ、煮込み始める。
平坂 歩:「君は飲むの? 〝薬用酒〟はさ」
マリー・オリヴィエ:「私が求めるのは故郷の味ぐらいでね」
マリー・オリヴィエ:クローブ、シナモン、ナツメグ、メース。どれも特別に仕入れた甘いスパイスの香り。
マリー・オリヴィエ:「基本的にはこれか、ラム酒を一人でやるぐらいだ」
マリー・オリヴィエ:実際には共に嗜む相手が居ないでもないが……別に弱みをひけらかす仲ではない。
ヰ乍 蒼治:「ありがと。カッコイイお酒の飲み方するんだね」
マリー・オリヴィエ:「ホームシックを紛らわすだけだよ……そら、出来た」
マリー・オリヴィエ:底の浅く口の広い、金属製のグラスに注いでナッツと共にカウンターへ。
ヰ乍 蒼治:「おお~!旨そう~……」グラスを取る。「それじゃあ、乾杯しようか」
マリー・オリヴィエ:チン、とグラスを打ち鳴らす。
マリー・オリヴィエ:「自由万歳(ヴィーヴ・リベルテ)、平等万歳(ヴィーヴ・エガリテ)」
マリー・オリヴィエ:勝利はユキと交わしておいたから、いつも通りの文言で。
ヰ乍 蒼治:「夢想万歳(ヴィーヴ・スウェーノ)」片言で返す。一応多言語者だ。
平坂 歩:ひとり、一足先にグラスを空にする。
ヰ乍 蒼治:「早いなあ……」
ヰ乍 蒼治:こくり、とグラスに口を付ける。酒を楽しむような飲み方だ。
マリー・オリヴィエ:ぐい、と呷りゆっくりと息を吐く。香り篤い吐息を味わって。
マリー・オリヴィエ:「君への用はそうだな、質問が一つ、渡すものが一つ」
マリー・オリヴィエ:「……その左腕について、だ」
ヰ乍 蒼治:「何個でも付き合うよ。ひとまずは、オレのこれについてってコトだね」
ヰ乍 蒼治:腕時計をずらして、茨の冠を覗かせる。
マリー・オリヴィエ:目を細め、その様子を伺う。
マリー・オリヴィエ:「遺産、というやつだね。そうそうお目にかかれるものではないが」
ヰ乍 蒼治:「一応、分類コードでは”白猿の額冠”シリーズってことになってる。継承者だよ」
マリー・オリヴィエ:「由縁を聞いても?そもそもそれを知っているのかな」
ヰ乍 蒼治:「……」首をひねる。
ヰ乍 蒼治:「『王様になりたい』って思ったら、手に入ってた……って。そう言ったら、信じる?」
マリー・オリヴィエ:「いかにも口車に乗せられて、王鍵なんていう得体の知れないものを振り回す男の言う事だな」
マリー・オリヴィエ:「君がそう言うなら、本当にそうなのかもしれない」
ヰ乍 蒼治:「友達は居なくなったけどね」肩をすくめる。
マリー・オリヴィエ:「失ったのはそれだけじゃないだろうに」
ヰ乍 蒼治:「未来なんてさ」手を掲げる。「王様になることに比べたら、どうでも良い」
マリー・オリヴィエ:「自分を投げ売りするのは見ていて心地の良いものではないな」
ヰ乍 蒼治:「……オレは、信じてるんだ。オレの夢を」
マリー・オリヴィエ:「ユキが己を燃やす様、君にはただ美しく映ったか?」
マリー・オリヴィエ:「人が夢を編むだけではない。夢が人を歪めもする」
マリー・オリヴィエ:「その遺産が、王以外の道を摘み取っている」
ヰ乍 蒼治:ワイアットを思い出す。歪んだ王冠の、その果て。
ヰ乍 蒼治:「……違うよ」
ヰ乍 蒼治:「それが良いんだ」
ヰ乍 蒼治:にやりと笑う。
ヰ乍 蒼治:「オレは、そうするしかなくなる。言い換えれば、”その道だけを歩むことができる”」
ヰ乍 蒼治:「……日常に取り残されることも、夢を忘れ去って平穏に沈むことも」
ヰ乍 蒼治:「可能性は全部壊れるんだ。この王冠はオレの錠だし、羅針盤でもあるんだよ」
マリー・オリヴィエ:「『王様になりたい』という願いが、その遺産に植え付けられたものである」
マリー・オリヴィエ:「……そう疑ってやるのが大人の仕事でな。だからまあ」
マリー・オリヴィエ:「君を破った時にはその腕も切り落としてやる。卵が先か鶏が先か、判明するだろう」
ヰ乍 蒼治:「首って、言わないんだね」
マリー・オリヴィエ:元がつく不良だが、レネゲイドの呪いと戦っていたエージェントらしい言葉も出てくるものだ。自嘲して酒を呷る。
マリー・オリヴィエ:「君のような優しい子は王様になっちゃあいけない」
マリー・オリヴィエ:「だから死体になれ、は行き過ぎだろう?」
ヰ乍 蒼治:「……」こちらも酒をちび、と煽る。
マリー・オリヴィエ:自らの首に手を這わせ、チャリと音が鳴る。
マリー・オリヴィエ:チェーンネックレス、そこに提げられた小さな鍵。
ヰ乍 蒼治:「……それって」
マリー・オリヴィエ:ぶちりと引き千切って、カウンターに置く。
マリー・オリヴィエ:「ワイアットが持っていた、ヘイズ・ロードの夢鍵」
マリー・オリヴィエ:「夢を打ち破った証は、君が持って行くのが正しいだろう」
ヰ乍 蒼治:息を漏らす。
ヰ乍 蒼治:「……アンタのやりたいことが、王様を殺すってんならさ」
ヰ乍 蒼治:夢の残骸に、手を伸ばしてつかみ取った。首に、その鍵を掛ける。
ヰ乍 蒼治:「一緒に、さ。夢の続きを見ないか」
ヰ乍 蒼治:「オレは必ず王様になるよ。この王冠は、それ以外の道を許さない」
ヰ乍 蒼治:「だから、そうなったオレを殺した時に――アンタは、最も偉大な狩人になる」
ヰ乍 蒼治:「なあ。夢を見てるアンタを、奇麗だって思ったんだ。最初に言わなかったっけ? それとも、誰かに言われたことは?」
マリー・オリヴィエ:肘をついて、カウンターテーブルに乗り出す。
マリー・オリヴィエ:力任せに引き千切ったから、細い首には鎖の跡が赤く残っている。
マリー・オリヴィエ:「ねえ、ソウジ」
ヰ乍 蒼治:「……なに、マリーさん」
マリー・オリヴィエ:手を伸ばす。男の額に当てて、ゆっくりと撫でて。
マリー・オリヴィエ:べし、と人差し指では弾く。
ヰ乍 蒼治:「いたっ」
マリー・オリヴィエ:「昨日男を殺したばかりの女に、俺を殺せはデリカシーがないな」
ヰ乍 蒼治:「……悪いかよ。アンタが、そんな……オレだって、普通に」頭を掻く。
ヰ乍 蒼治:「……ごめん」俯く。
マリー・オリヴィエ:「ふふ、勢いは評価しよう。お代は無しにしてあげる」
ヰ乍 蒼治:「アンタのことが、格好良いと思った。好きになった。だから、オレに仕えて欲しいんだ」
ヰ乍 蒼治:痛む額を抑えながら、呟く。
マリー・オリヴィエ:「……そう」くるりと背中を向けて。一呼吸。
ヰ乍 蒼治:「結局、オレはこういう奴なんだよ。いつも勢いだけで、無謀な夢を見る」
マリー・オリヴィエ:「私は、もう周りの人が死ぬのが嫌になってしまってね」
ヰ乍 蒼治:「……奇遇だな。オレもだ」
ヰ乍 蒼治:言って、不意に気付く。
ヰ乍 蒼治:「そっか」
ヰ乍 蒼治:「オレはアンタに、ひどいコト頼んでたんだね」
マリー・オリヴィエ:「別に構わないさ、それぐらいは受けてあげる」
ヰ乍 蒼治:「……うん。死にたくないな。死んでも良いけど、死にたくないよ。わかるかな。そうだ……オレが死ぬと、悲しむんだろ」
マリー・オリヴィエ:「人が戦って変わっていくのも、ね……見せかけよりずっと臆病なやつなんだよ」
ヰ乍 蒼治:「……多分、そう言う人に、助けてほしいと思ってるんだ。オレは、ずっと」
ヰ乍 蒼治:「由紀は自分が臆病なのを隠さなかった。心のままに、振る舞うことができた」
ヰ乍 蒼治:「きっと、皆に助けてもらえるなら。オレは死なない!」
ヰ乍 蒼治:興奮したように、マリーの手を取る。
平坂 歩:「君が守れよ、マリー・オリヴィエ」
平坂 歩:横合いから、
平坂 歩:空のグラスに視線を落としたまま、言った。
平坂 歩:「君は腕の良い狩人だが、今の君にその生き方は難しい」
平坂 歩:「周りのひとを殺す役目を自分に命じるのは、私と仲良くするより苦しいことじゃないか?」
平坂 歩:「……それよりは、君が守れ」
平坂 歩:「幸いにもこの王はお人好しで、君の周りにいる人間を」
平坂 歩:「ひとりも取りこぼさないと嘯いて、そうしようと挑むくらいはやってくれるさ」
マリー・オリヴィエ:「……それが叶うかは、私次第か」
ヰ乍 蒼治:「あはは。やっぱり、歩さんには叶わねえな」軽く笑って。
マリー・オリヴィエ:本当に恐ろしいのは、また守れないことで。
ヰ乍 蒼治:「……マリーさん」指を握る。ワイアットと違う、ごつごつとした大きな手。
ヰ乍 蒼治:ワイアットと同じ、暖かい夢が宿る手。
マリー・オリヴィエ:その気持ちを味わうぐらいなら、守るものなんていらないと逃げてきた。
ヰ乍 蒼治:「助けてくれ。そうしてくれる限り、オレもアンタを助けて、愛する」
マリー・オリヴィエ:その手が大きくて、暖かいから。
マリー・オリヴィエ:(振り払えないか、弱い私では)
マリー・オリヴィエ:「愛は要らない、命令も聞かない」
マリー・オリヴィエ:「ただ私が己に課すよ。君を死なせはしないとね」
ヰ乍 蒼治:挑むように笑う。「悪いね。オレは悪い王様だから」
ヰ乍 蒼治:「アンタが惚れるまで、何回だって夢に手を伸ばしてやる。アンタが怖くなくなるまで、いつまでだって傍にいる」
ヰ乍 蒼治:「マリー・オリヴィエ」
ヰ乍 蒼治:「狩人として、オレに忠誠を誓え」
ヰ乍 蒼治:空色に輝く、指輪を翳す。
ヰ乍 蒼治:オートアクション。
ヰ乍 蒼治:≪ヘイズ・ロードの夢鍵≫の効果を使用し、マリー・オリヴィエへ『契約状態』の操作を実行します。
ヰ乍 蒼治:対象は拒否が可能。
マリー・オリヴィエ:………………………
マリー・オリヴィエ:手を振り払い、背中を向ける。
マリー・オリヴィエ:が、契約が成立します。
ヰ乍 蒼治:……その背中を抱きしめる。
マリー・オリヴィエ:「んぁっ……こら、君ねえ」
ヰ乍 蒼治:指輪の中には、温もりがある。新しい臣下の暖かさが。
ヰ乍 蒼治:「……ごめん。ちょっとだけ、こうさせて欲しいんだ」
ヰ乍 蒼治:「今さ。凄く幸せで」
ヰ乍 蒼治:ぎゅ、と後ろから抱いたまま、マリーの手を抱き込む。左手の指輪が、応えるように光った。
ヰ乍 蒼治:「夢みたいだ」
マリー・オリヴィエ:「……臣下相手なら同意を求めず何してもいいと思ってるなら」
マリー・オリヴィエ:「すぐにその首斬り落とすからな、お前」
マリー・オリヴィエ:何故か上ずった声を漏らし、しかしそのまま甘んじる。
平坂 歩:「〝河岸を変える〟かい?」
平坂 歩:「……私はこのままでも、一向に構わないけれど」
ヰ乍 蒼治:「歩さんといつもしてる時じゃないんだからさあ!」思わず突っ込んで。
マリー・オリヴィエ:「さっさと持っててくれ、でないと襲われる前に酔い潰すから」
ヰ乍 蒼治:「……あっ」
ヰ乍 蒼治:「いや、そうだよな!解ってる解ってる!ホラ歩さん、飲もうぜ!」ぱっと手を離して誤魔化すように騒ぐ。
マリー・オリヴィエ:「……けだものめ」
平坂 歩:「噛み付くように強く求められるのは、満たされるものだよ」
平坂 歩:「少なくとも──寂しいと思う暇は無くなる。それは保証する」
平坂 歩:「ようこそ、マリー。これからは共に、同じ王を抱く仲間だ」
マリー・オリヴィエ:呑み慣れた故郷のラム酒を手に取り、その重みを味わいながら。
ヰ乍 蒼治:「……」照れたような、困ったような苦笑いを零して、マリーさんにもう一度杯を預ける。
ヰ乍 蒼治:「まあ、こんな感じで……王様って言っても、おちょくられてばっかりだから」
マリー・オリヴィエ:「ああ、よろしく……王の首が挿げ変わるその時まではね」
ヰ乍 蒼治:「自由万歳(ヴィーヴ・リベルテ)、平等万歳(ヴィーヴ・エガリテ)」
マリー・オリヴィエ:グラスが打ち合う音に続いて、賑やかな話し声がグレナダを満たした。
マリー・オリヴィエ:……ずいぶんと、久しぶりのことだった。
ED3:壊れないもの
GM:【歓楽街、添伏通】
GM:日中のことである。
GM:本来ならば夜にならぬ限り、シャッターを開けることもないような店が並ぶ中に、
GM:一軒、ぽつりと、看板の無い建物がある。
GM:かつてスナックが経営されていたが、潰れて、そのまま後に店が入っていない。
GM:そこが今の、ヰ乍 蒼治の拠点であり──
GM:叢雲 由紀。あなたはそこを、己の足で訪れた。
叢雲由紀:「雰囲気がある建物ですね……」恐る恐るといった感じで、足を踏み入れる
GM:店内に入る。カウンターや椅子が、そのまま残されている。
GM:おそらく彼は、その椅子のひとつに──
叢雲由紀:「あっ」嬉しそうな表情
ヰ乍 蒼治:難解そうな洋書を読んでいる。いつものサングラスではなく、金縁の丸眼鏡だ。
ヰ乍 蒼治:「――おっ、由紀?」人の気配に顔を上げる。
叢雲由紀:「こんにちは、蒼治先輩」
平坂 歩:「いらっしゃい。お酒飲む?」カウンターそのものに腰掛けている
叢雲由紀:その横顔をしばらく眺めていたのが、こちらに気が付いてから挨拶
叢雲由紀:「あ、えっとお酒は……」
ヰ乍 蒼治:「バッカ!」
平坂 歩:「彼は飲むよ、未成年だけど」
ヰ乍 蒼治:「ウ……」
叢雲由紀:「先輩……体に障らない程度になさってくださいね」首傾げ
ヰ乍 蒼治:「由紀にはホラ、真っ当に育ってほしいわけじゃん。紅茶と珈琲、どっちがいい?」
叢雲由紀:「先輩が飲みたいのと同じ方で、お願いします」
叢雲由紀:と、服に手をかけて。
叢雲由紀:霧の街で活動する時用の衣装に着替える
ヰ乍 蒼治:(……痛い!歩さんと由紀の相乗効果がここまで破壊力のあるものとは……)
ヰ乍 蒼治:「……って、何やってんの!?オレ見てね~からな!」
平坂 歩:「あはぁ、そうじゃないでしょ」
平坂 歩:「むしろ見てくれてもいい、くらいの気構えだと思うんだけど──ねぇ?」
平坂 歩:と同意を求めるように由紀を見る。
叢雲由紀:「張り切って、下に着てきていたので……」
ヰ乍 蒼治:「マリーとか歩さんとかとは話が違うでしょ!って……ホラ、そういう気じゃないじゃん」
叢雲由紀:「でも、蒼治先輩が見たいのでしたら……私でよろしければ」
ヰ乍 蒼治:「爛れすぎだよ歩さん。はい、コーヒブッ」噴き出す。
叢雲由紀:おずおずとジッパーに手をかける
ヰ乍 蒼治:「やめろォ!」
ヰ乍 蒼治:がしっとジッパーを止める。
平坂 歩:「あっはっは、何を今さら純粋な少年のように」
ヰ乍 蒼治:「そ…そういうことは、由紀の自由意志が大切だから…」
叢雲由紀:「は、はい……」
ヰ乍 蒼治:「だから!年齢!!」
叢雲由紀:「一応、自由意志でしたけど……」
ヰ乍 蒼治:「………………」
平坂 歩:「君、自分が彼女と同い年のころ──ええと、何歳?」
ヰ乍 蒼治:「17?」
叢雲由紀:「はい、今17歳です」
平坂 歩:「じゃあ、十七歳のころを思いだしてみたまえよ」
平坂 歩:「ひとりで異性を訊ねて行って肌を晒すことの意味がわからないほど、」
平坂 歩:「自分は幼い子供だったと思うかい?」
叢雲由紀:「はい、えっと、無理強いされたくらいで体を曝したりは……しません」
ヰ乍 蒼治:(……ひょっとして、オレ、今)
ヰ乍 蒼治:「誘われてる?」
ヰ乍 蒼治:思わず零す。
叢雲由紀:小さく
叢雲由紀:頷く
叢雲由紀:「先輩は、私の夢になるって、幸せにするって……言ってくださいました」
叢雲由紀:「だから私も……えっと、鍵の事だけじゃなくて、全部で先輩を幸せにしたいんです」
叢雲由紀:「もちろん、先輩の意思次第……です、けど」
ヰ乍 蒼治:ガツン、と脳が殴られたような感覚に陥る
平坂 歩:「……これは、僅かばかりの良心が咎めるねぇ」
平坂 歩:「けど由紀ちゃん、そうまで言うということは」
平坂 歩:「覚悟はとっくに決まってるみたいだね……つまり」
平坂 歩:「彼の臣下として、この街で戦うことのさ」
叢雲由紀:「……決めてる、つもりです」
叢雲由紀:「歩さんみたいに、己が決まってるわけじゃないですけど」
叢雲由紀:「臣下はわからないけど、誰かのためになりたいって事は……ずっと考えてたから」
ヰ乍 蒼治:「……そっか。そこまで決めてるなら、オレはもう、何も言えない」
叢雲由紀:呟いて、服の裾を掴む。
ヰ乍 蒼治:「でも、約束してくれ」
ヰ乍 蒼治:「写真を撮ろう。毎日」
叢雲由紀:「……はい!」
ヰ乍 蒼治:「それがキミを日常に帰す絆になる。オーヴァードってのは、そういうのが大切なんだ」
ヰ乍 蒼治:「マリーからも、多分聞いてるだろ?」
叢雲由紀:「……はい、色々聞いてます」
ヰ乍 蒼治:「それと、日常を大切にすること」
ヰ乍 蒼治:「キミの夢を聞いてくれる友達、親、先生。身の回りの色々な人」
叢雲由紀:「蒼治先輩、マリーさんや歩さんも、ですよね」
ヰ乍 蒼治:「そう。ヘイズの皆だ」
平坂 歩:「眠深市の、と言ってあげたまえよ君ぃ」
平坂 歩:「……けど、うんうん。日常を重んじるのはいいことだ!」
平坂 歩:とん、とカウンターから降りて由紀ちゃんの傍に行き、
平坂 歩:「例えば……気付いているかい……?」耳打ち
叢雲由紀:「は……はい」身体を寄せる
平坂 歩:「マリー、だって」
平坂 歩:「呼び捨てだよ呼び捨て……」
叢雲由紀:「はい、えっと……上手くいかれたんですよね」
平坂 歩:「そう、関係性の進展……きっちり日常を謳歌してるんだよこの男は……!」
叢雲由紀:「良かったです、マリーさん……あのまま一人でいたら、何処かに消えてしまいそうだったから」
ヰ乍 蒼治:「こんな良い子に何吹き込んでんだよ歩さん!」
叢雲由紀:「嬉しい事、ですよね?」
ヰ乍 蒼治:「……そりゃ、嬉しいけどさ。うん」
平坂 歩:「そうだよ蒼治くん。君ねぇ、この子の保護者ポジションを気取るのやめなさいよ」
平坂 歩:「この子が君に求めているのは、頼ってくれることと、憧れさせてくれることなんだから」
ヰ乍 蒼治:「歩さんは良心は痛まないの…?マジ…?」
叢雲由紀:「いえ」
平坂 歩:「正直に言うとまぁちょっと痛みはするけど」小声
ヰ乍 蒼治:「ホラ!ってことは相当だよ」小声
叢雲由紀:「先輩には、まだ、えっと……」
ヰ乍 蒼治:「って……ん?」由紀の方を見る
叢雲由紀:「私も女の子なので、はい……」
叢雲由紀:「ナニデモナイデス……」顔を赤くしながら髪をわしゃわしゃと解いて
平坂 歩:「乙女心っ」
ヰ乍 蒼治:「……あ~~~」顔を覆って。
ヰ乍 蒼治:「……由紀」名前を呼ぶ。
平坂 歩:椅子に座り、その回転を利用してくるりと背を向ける
叢雲由紀:「は、はい……」
ヰ乍 蒼治:「オレさ。まず、女性関係とか……ムチャクチャで……いや、多分そっちが思ってる以上にムチャクチャで」
叢雲由紀:「そう、みたい……ですね?」
叢雲由紀:「えっと、病気とか痴情の縺れとか、気を付けてください……ね」
叢雲由紀:「私も可能な範囲でえっと、手助けはできますけど」
ヰ乍 蒼治:「そー言う所だよ!無防備すぎる!」
叢雲由紀:「……? 蒼治先輩とお話しているのですから、問題なくは……ないですか?」
ヰ乍 蒼治:「も~~~~ッ」突っ伏す。
叢雲由紀:「こうしてお話していると、先輩の事をまた一つと知る事ができますし」
ヰ乍 蒼治:「……ああ、うん。そうだよ。そう言う所だよ。オレには出来ない……キミは凄い奴だ」
叢雲由紀:「先輩も、私に心を開いて下さったじゃないですか。」
叢雲由紀:「お返し、です」
ヰ乍 蒼治:「そう言う所を、好きになった。キミは自由だ」
ヰ乍 蒼治:「……叢雲由紀。書記者として、オレに仕えろ」
ヰ乍 蒼治:王と少年が入り混じった眼で、年下の少女を見る。
叢雲由紀:「はい、喜んで。 マスターヰ乍蒼治」
ヰ乍 蒼治:困ったようにはにかむ。
叢雲由紀:少女と無垢が入り混じった眼で、年上の男を見上げる。
叢雲由紀:笑顔で返す。
ヰ乍 蒼治:「あー……愛してるぜ。由紀」
叢雲由紀:「はい、私もです。蒼治先輩」
ヰ乍 蒼治:頭を強く掻き抱き、慣れた様子で口づけを施す。
叢雲由紀:自分よりはるかに大きい身体を抱き返し、口づけを受け入れる。
叢雲由紀:「恥ずかしい女の子の話を、します……ね」間近で小声で
叢雲由紀:「歩さんが言ってらした、私が先輩に求めるもの……」
叢雲由紀:「実は、まだ沢山あるんです」
叢雲由紀:「私は、先輩をもっと知りたいですし、理解もしたいです」
叢雲由紀:「私の弱さや欠けたところが先輩に私を使う事を躊躇わせているなら、改めもしたいです」
叢雲由紀:「触れ合いたいとも、思います」
叢雲由紀:「内緒話の、我が儘ですけど……ね」
ヰ乍 蒼治:「良いよ」つん、と柔らかな唇に手を触れる
ヰ乍 蒼治:「全部叶えてみせるさ。だってオレは王様だから」
叢雲由紀:「……えへへ」いとおしそうに、その手に触れて
ヰ乍 蒼治:「だから、キミの願いを教えてくれ。いつも人気遣ってばっかりだからさ」
ヰ乍 蒼治:「我儘をさ、教えてくれよ」
叢雲由紀:「___はい」
叢雲由紀:「じゃあ、今はえっと……」
叢雲由紀:「……もう少しだけ、この腕の中で」
叢雲由紀:「先輩の話を、聞いていたいです」
叢雲由紀:「過去と、未来の話を」
ヰ乍 蒼治:「そうだな――じゃあ」
ヰ乍 蒼治:そうして、未来の王は語り始める。
ヰ乍 蒼治:彼が如何にして、愛してやまぬ最初の騎士と出会ったか。
ヰ乍 蒼治:彼が如何にして、かつて懸想した、静かなる姫君と巡り合ったか。
ヰ乍 蒼治:脆く輝く刃を携える戦士を打ち倒したか。
ヰ乍 蒼治:嵐を纏う狩人を、その腕に抱いたか。
ヰ乍 蒼治:過去と未来、記憶と夢を。
ヰ乍 蒼治:(……歩さん)
ヰ乍 蒼治:(みんなに会ってから。アンタに会ってから、オレの日常は変わったよ。全部)
ヰ乍 蒼治:『――君も変わりたまえよ』
ヰ乍 蒼治:(だったら、アンタにも変わる責任がある)
ヰ乍 蒼治:(由紀が思い出させてくれた。心のままに振る舞うことを)
ヰ乍 蒼治:(きっと、オレは全部を手に入れる。そう言う夢がある)
ヰ乍 蒼治:(だから――)
ヰ乍 蒼治:願わくば。どれほど未来が殺されようとも、
ヰ乍 蒼治:この夢が残骸となりませんように。
ED4:病み花
GM:……日常は同じ形をして、延々と繰り返しを続けているようにも思えるが、
GM:時にそれは平凡な来訪者の顔をしながら、先と後を別つほどに姿を変える。
GM:この日、あなたはひとりで拠点にいた。
GM:臣下達は、働いているもの、学んでいるもの、どこにいるともわからぬもの……
GM:とは言え、昼のこと。白い霧が訪れるまで、まだ何時間もある。
GM:そういう頃合いに、あなたの拠点たる元スナック店のドアがノックされた。
GM:こん。こん。こん。
ヰ乍 蒼治:(珍しいな、こんな昼間に……誰だろ)日雇いのバイトまでにはまだ時間がある。
ヰ乍 蒼治:「どちらさんスか」寝不足気味の目を擦りながら、ドアを開ける。コインは握りしめたままだ。
病花 竜胆:「邪魔をするぞ」
病花 竜胆:……その人物は、言葉とほぼ同時に店内へと入ってきた。
病花 竜胆:見た目には、子供だった。
病花 竜胆:体格を言うなら小学生程度。声もそうだ。
病花 竜胆:しかし表情と、それから動作が、年齢不相応に落ち着いている。
ヰ乍 蒼治:「……迷子?じゃ、ないよな……」目線を合わせようとして、やめる。
病花 竜胆:そういう少女が、あなたの横を擦り抜けるように店内に入り、空いた椅子に腰掛けた。
ヰ乍 蒼治:こんな所に来る理由がない。
病花 竜胆:「違う違う。……まぁ、少々道に迷いかけはしたがの」
ヰ乍 蒼治:顔に心当たりはありますか?
GM:無いでしょうね 全く初対面の筈だ
病花 竜胆:「直接この地に踏み込むのは初めてじゃ。今までは手兵を送り込むだけでな」
病花 竜胆:「しかし日中であれば、命を取られることもあるまいよ」
ヰ乍 蒼治:「手兵……って」
病花 竜胆:「そう思って、出向いた。……ヰ乍 蒼治じゃな?」
ヰ乍 蒼治:(ここにいるってことは、王鍵関係者だよな。で、最近オレに、『監視』の名目で近付いてきた人……)
ヰ乍 蒼治:「そう言うキミは」
ヰ乍 蒼治:「水琴先輩……の、上司サン?で、合ってるッスかね……?」
病花 竜胆:「さよう。UGN〝疫病草(えやみぐさ)〟、病花 竜胆じゃ」
病花 竜胆:……と名乗り、手に提げていたビニール袋を持ち上げ
病花 竜胆:「そしてこちらはお近づきの印。菓子折じゃの」
病花 竜胆:「黄金色の菓子では無いが許せ。饅頭じゃ」
ヰ乍 蒼治:「”空の華冠”ヰ乍蒼治ッス。菓子折りあざます」ぺこりと頭を下げ、菓子折りを受け取る。
ヰ乍 蒼治:「とりあえず、和菓子持ってきてくれたなら茶でも飲んできます? 急ぎの要件でしたらアレっスけど……」
病花 竜胆:「良い良い、気を遣うでない。そもそも私は、そなたの上司ではないぞ」
病花 竜胆:「……というか、そなた、あれじゃろ。王権保持者とかいうやつじゃろ」
ヰ乍 蒼治:「オレの尊敬してる人の上司スから」
病花 竜胆:「そういう連中はもっと偉ぶっとるもんじゃと思ったがのう」
ヰ乍 蒼治:「今は昼っスよ。王様の時間じゃないし……それに」
ヰ乍 蒼治:「わざわざ来てくれた人に失礼なこと出来ないッスよ」はにかむ。
病花 竜胆:「律儀な男よのう、かかっ」
病花 竜胆:にぃっ、と顔の全部を使って笑う。
病花 竜胆:無邪気で、だがまっさらなだけではない、魅力的な笑顔だった。
ヰ乍 蒼治:素直に、良いな、と思う。気持ちいい奴だと。
病花 竜胆:「なに、あまり時間を取らせるつもりはない。ふたつばかりの相談ごとじゃ」
病花 竜胆:「……まずひとつじゃが、叢雲 由紀なる娘子について」
病花 竜胆:「UGN側のリストに掲載が無いオーヴァード──ここ最近覚醒した者じゃな?」
ヰ乍 蒼治:「ハイ。由紀……ちゃんは、”ワイアット”をぶっ倒した時に覚醒して……そん時から、力を貸してくれてます」
病花 竜胆:「うむうむ。……覚醒の際、大きく暴走し被害を生む者も、ジャームと成り果ててしまうものもある」
病花 竜胆:「そうならなんだのは運が良かった。めでたいことじゃ」
病花 竜胆:「それでも尚、本来ならば──覚醒したばかりのオーヴァードは、一度UGN側の管理下に置きたいというのが……まぁ、建前じゃな」
病花 竜胆:「ほれ、色々教えるべきことがあるじゃろ。ワーディングだの、緊急時の連絡経路だの。のう」
ヰ乍 蒼治:「…………いや」
ヰ乍 蒼治:「全くもって……その通りっス……」
病花 竜胆:「うむうむ。して本来なら、しかるべき人員を用意すべきところじゃが──」
病花 竜胆:座ったまま、額が膝に付くすれすれまで頭を下げる。
病花 竜胆:「すまん! 私の部下では手が足りぬ!」
ヰ乍 蒼治:「ああッ!?」
ヰ乍 蒼治:「顔上げて顔上げて!解りましたから!」
病花 竜胆:特に粘るでもなく、すぐに頭を上げはするが、
ヰ乍 蒼治:「部下って水琴さんッスよね? 色々忙しそうだし」
病花 竜胆:「私の支部は小規模でのう。かつ今は、大規模の作戦を水面下で進めておる」
病花 竜胆:「むろん、〝ライラ〟ひとりが部下ではないが、それでも尚」
ヰ乍 蒼治:「あの戦力なら重宝したくなるッスよねえ」
病花 竜胆:「うむ。あの乳のかさばるのは気に食わんが」
病花 竜胆:「こほん」
ヰ乍 蒼治:「えっ?」
病花 竜胆:「気にするでない。……それでな、一つ目の相談の本題じゃが」
病花 竜胆:「そなた、UGNのイリーガル登録もしておったじゃろ」
ヰ乍 蒼治:「由紀を預かれってことスか?」
病花 竜胆:「しかり」
ヰ乍 蒼治:「いッスよ」即答する。
病花 竜胆:「無論、親元から引き離せということではない」
病花 竜胆:「オーヴァードとしての安全な立ち回りじゃの、世の構造じゃの」
病花 竜胆:「そういう話をきちんと説いて聞かせて欲しい、ということじゃな」
ヰ乍 蒼治:「どうせ元々そのつもりでしたし。死なないようにきちんと基礎教えて、訓練も付けますよ。根無し草で良ければッスけど」
病花 竜胆:「おお、それは助かるのう!」
病花 竜胆:「まぁ一応、任務という形ではあるから、週に2度ほどは連絡は欲しい」
病花 竜胆:「簡単な現状の口頭連絡で構わんよ。仕事をしておる体裁は必要でのう」
ヰ乍 蒼治:「ラジャっス。信頼してる人に元エージェントも居るんで、色々そこら辺は上手くやります」敬礼。
病花 竜胆:「もちろん任務である以上、高額とは言えんまでも報酬は出る」
病花 竜胆:「こちらは教育完了まで、一定額を定期的に──そうじゃのう」
病花 竜胆:「振り込みというのは色々面倒じゃ。〝ライラ〟の任務のついでに手渡させるかの」
ヰ乍 蒼治:「じゃあその金、由紀ちゃんの口座に振り込んどきますよ」
病花 竜胆:「……使い道は確かにお主の自由じゃが、親御さんのことを考えんか」
病花 竜胆:「自分の娘の口座に、知らん男の名前の振り込みがあったら、あれじゃろ」
病花 竜胆:「いやじゃろ」
ヰ乍 蒼治:「じゃあこっちで作っときますって。……オーヴァードの訓練とかで、勉強する時間が失われても」
ヰ乍 蒼治:「せめて将来取り戻せるように、最低限のことはしときたいンスよ。保護者気取り、ってワケじゃなくて……」
ヰ乍 蒼治:「あ、そうだ。下賜ってヤツ?とにかく、由紀ちゃんのコトは任されました。元々、彼女が稼いだって言った方が正しい金ですし」
病花 竜胆:「ふう。面倒じゃのう、善人というものは」
病花 竜胆:「私のような性悪の方がよほど、世の中を上手く渡っておるわい」
ヰ乍 蒼治:「ストレートに褒めてくれるよか全然やりやすいッスよ」
病花 竜胆:「まぁよい、これで肩の荷がひとつおりたわ。すまんのう」
ヰ乍 蒼治:「すると、もうひとつ目は?」
病花 竜胆:「……さて、もうひとつの相談は、それに伴っての懸念事項じゃ」
病花 竜胆:本当に晴れやかに、にこにこと、懸念が何もないという顔で笑っている。
ヰ乍 蒼治:(イヤな予感が……気のせいか?)
病花 竜胆:「于幽悧を引き渡してもらいたい」
病花 竜胆:本題から、病み花は切り込んだ。
ヰ乍 蒼治:「……」
病花 竜胆:「FHのマーシナリー、〝コネクター〟じゃの」
病花 竜胆:「あれをお主が保護し、無力化しておることは把握しておる」
病花 竜胆:「……が。わかるじゃろ?」
病花 竜胆:「保護しておるとは言え、一個人が匿っているとも取れる形じゃ」
病花 竜胆:「そういう場所に、覚醒したてのオーヴァードを預けておくのはリスクがある」
病花 竜胆:「娘さんを預かるに、親御さんにも申し訳が立たぬというものよ」
病花 竜胆:少し、間が空いて
病花 竜胆:「おっと」ぽん、と手を叩く。
病花 竜胆:「すまぬ、すまぬ。そうは言っても安心できぬな」
病花 竜胆:「よいか。引き渡し先は、私ではない」
ヰ乍 蒼治:「……水琴先輩ッスか」
ヰ乍 蒼治:「忙しいってのは、そういう?」
病花 竜胆:「うむ!」びしっ、と蒼治を指差す。
病花 竜胆:「あやつは優秀じゃが、あやつひとりで何もかも任せるには、手の長さが足りぬ」
病花 竜胆:「いかなる職場も新人教育は必須。ならば」
病花 竜胆:「最も信頼できる部下に教育を任せるのは、当然のことじゃろ」
ヰ乍 蒼治:「……正直、病花サンに預けろって言われるだけだと」
ヰ乍 蒼治:「抵抗してたかも知れないンスけど……」
病花 竜胆:「私、これでもUGNの支部長なんじゃがのう……」寂しげな顔をしつつ
ヰ乍 蒼治:「水琴先輩持って来られるとなァ~~~~~~」ため息を吐く。
病花 竜胆:「よっ」とかけ声を入れて椅子から降りる
ヰ乍 蒼治:「だって子供が子供の面倒見るようなモンじゃないスか!絵面的に!」
病花 竜胆:「まぁ、今日すぐすぐの話ではない。数日後じゃ」
病花 竜胆:「……あーっ! 子供と言うたな!」
ヰ乍 蒼治:「やっぱ気にしてるんじゃないスか」
病花 竜胆:「ならお主、私が本当は何歳かわかるというのか!」
ヰ乍 蒼治:「正解してもしなくても角立つでしょ!嫌ッスよそんなハズレくじ!」
ヰ乍 蒼治:「とにかく!歩さんとも相談してみます。でも、オレは良いと思うッスよ」
病花 竜胆:「くっ……そつない答えで逃げおって!」
病花 竜胆:そんな風に喚きながらも、てくてくと歩いて
病花 竜胆:外へ向かうドアの前に立って、振り向く。
病花 竜胆:「……ともかく! 数日後、〝ライラ〟をお主の元へ向かわせる」
病花 竜胆:「そこで十分に話し合った上で、〝コネクター〟を引き渡してもらいたい」
病花 竜胆:「……本当なら捕縛時点でそうして欲しかったんじゃぞ!」
ヰ乍 蒼治:「ウス。……でもまあ、心配ないと思いますけどね。上司なら知ってるんじゃないスか」
ヰ乍 蒼治:「あの人、何かを投げ出したり、諦めたりしたこと、全然ないンすよ。正しくないことをしたことがない」
病花 竜胆:「……なぜ、人が道を外れるかを考えたことは?」
ヰ乍 蒼治:「分不相応な夢を抱くから」
ヰ乍 蒼治:実体験だ。
病花 竜胆:「それもあるかも知れんのう。じゃが、私の見解ではの」
病花 竜胆:「例えば、楽をしたい。例えば、怠けたい。例えば得をしたい、いい思いをしたい──」
病花 竜胆:「そういう欲があるからこそ、人は道を〝外れたがる〟のよ」
病花 竜胆:「何もしたいことが無い人間が、どうして道を外れる?」
ヰ乍 蒼治:「……病花さんは、ちゃんとしてますね」
病花 竜胆:「支部長じゃぞ、私」
ヰ乍 蒼治:「子供の頃の夢、世界平和とかそういうタイプでしょ」
病花 竜胆:「かかっ」
病花 竜胆:ドアを明ける。その向こうに身を滑らせて
病花 竜胆:「今もじゃよ」
病花 竜胆:ぱたん
ヰ乍 蒼治:手を振って見送る。
ヰ乍 蒼治:「……ちゃんとしてるっスけど、一つだけ間違ってるな」
ヰ乍 蒼治:「あの人は、ずっと寂しがってるよ」
ヰ乍 蒼治:「コレ以上寂しくなりたくないから、何かを望めないんだ」
ヰ乍 蒼治:雉も鳴かずば撃たれまい。
ヰ乍 蒼治:図書室で静かに胸を張って、いつも一人でいたことを覚えている。ずっと。
ヰ乍 蒼治:(……オレ、何だって、昼飯誘わなかったんだろうな)
ヰ乍 蒼治:「誘っても断られてたか」
ヰ乍 蒼治:「そう言う人だもんな。ホントに、ちゃんとしてる……歩さんとはえらい違いだ」
ヰ乍 蒼治:「っつーか……あの人も王権保持者なんだよな」
ヰ乍 蒼治:『今もじゃよ』
ヰ乍 蒼治:……堂々と、夢を世界平和と宣う怪物。支部長。正義そのもの。
ヰ乍 蒼治:王となるには、彼女もまた……打倒さねばならないのだろうか。
ヰ乍 蒼治:「……うわ、やだなあ」
ヰ乍 蒼治:”善人”が、立ちふさがった時。
ヰ乍 蒼治:自分は、それを本当に蹂躙できるのか。
ヰ乍 蒼治:(……歩さん)
ヰ乍 蒼治:(やっぱり、オレにはアンタが必要だよ)
ヰ乍 蒼治:掛け値のない悪が。
病花 竜胆:──失うもの。
病花 竜胆:幾許かの金銭。
病花 竜胆:定期的に。個人の収入としては安くないが、組織運営の費用としては、さしたる負担でもない。
病花 竜胆:──得るもの。
病花 竜胆:定期的な所在の連絡。
病花 竜胆:彼と会話をした、肌実感。
病花 竜胆:〝コネクター〟の身柄。
病花 竜胆:「かかっ」
病花 竜胆:「良い買い物をしたのう」
病花 竜胆:「戦じゃ、戦。使うもんはなんでも使わねばなるまいよ」
病花 竜胆:「それでも、まぁ……勝てなんだら、その時は」
病花 竜胆:「100年ばかり、待てばよい」
病花 竜胆:「その頃には難敵も、皆老いて死んでおるわい」
GM:……個の欲を満たすため、暴虐を尽くすのが〝悪〟なのか。
GM:世界平和の大望の為、個を顧みぬのが〝悪〟なのか。
病花 竜胆:「かかかっ」
病花 竜胆:子供のような顔をして、その女は笑った。
GM:Dx3rdセッション『ワイアット、夢の残骸』、一切の行程を終了致します。
GM:お疲れ様でした!
ヰ乍 蒼治:お疲れさまでした~~~!!超楽しかった!!
叢雲由紀:お疲れ様でした!
マリー・オリヴィエ:お疲れさまでした~!